穂乃果「誰も知らない奇妙な冒険」 (341)

ラブライブ!板で完結したSSを加筆・修正したものです
作者の証拠は求められたら掲示(?)します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472820419

入学式───??
毎年行われるありふれた出会いの場で、この行事を迎えることで私達はまた1つ大人に近づく??

でもね?もともとこの音ノ木坂学院で入学式は行われる予定はなかったんだよ

原因は「入学希望者の減少」??

まぁ、仕方ないのかな?
最近の音ノ木坂の成績を調べてみたんだけど??
珠算関東大会6位??
合唱部地区予選奨励賞??
ロボット部書類審査失格??
あとは…アルパカがいるぐらいだし
お世辞にも魅力的!…とは言えないかも………あはは……?

ん?だったらなんで今こうやって入学式が当然のように始まってるのか…?

ふむ!いい質問だね♪
その理由はシンプル!
私達この学校の魅力になったんだよ!


なんだか自分たちの事を「魅力」っていうのは変だけど…私達、本当に良く頑張ったと思うんだ
ちょっとぐらい天狗になっても…バチが当たったりしないよね?

そういえば自己紹介がまだだったね
私の名前は


ミカ『生徒会長、挨拶』 ??

「はい!」??

…呼ばれちゃったみたい
ちょっと行ってくるね?


スタスタスタ


「フゥ…よし!」

『みなさん、こんにちは!』

『音ノ木坂学院で生徒会長を務めさせてはいただいております』

『わたくし!』

『高坂 穂乃果と申します!』

第1話
「始まりはいつも突然に」

ーーー生徒会室ーーー

穂乃果「ふぅ、緊張したなぁ…そこそこスピーチって経験したけど慣れないものだなぁ…」

ことり「穂乃果ちゃん お疲れ様♪」

海未「特に目立ったミスもなかったようですし…穂乃果にしては上出来ですね」

穂乃果「穂乃果にしてはってなに!?海未ちゃん失礼だよ!」

海未「フフ、冗談ですよ」

海末「お疲れ様です穂乃果」ナデナデ

穂乃果「ふふん♪そうだよそうだよ!もっと褒めてよ~♪」

ことり「…」

~ ~ ~ ~ ~ ~

ことり「じゃあ、もうここで着替えちゃって練習行こっか?」

穂乃果「そうだね!……あれ?」

海未「どうかしました?」

穂乃果「うーん…練習着がないんだよ。持ってきたはずなんだけどなぁ…」

ことり「部室じゃないかな?」

穂乃果「おっかしいなぁ…ちょっと部室見てくるね!」

ことり「うん、先に行ってるよ♪」

バタン タッタッタッ

海未「…変ですね。穂乃果はちゃんと練習着持ってきてたはずなんですが…見間違えでしょうか?」

ことり「きっとそうだよ、ね?ことり達は先に行こ?」

海未「…」。。。

海未「そうですね、行きましょうか」

ーーー部室ーーー

ガチャ

穂乃果「あ、あったあった!」

穗乃果「おっかしいなぁ…なんで部室の机の上にあるんだろ?やっぱり忘れてたのかな?」

穂乃果「よぅし!着替えて練習に行こうかな…っと」


ふと、部室を見回す


穂乃果「…」


ぎっしりアイドルグッズで埋まっていた棚はまだ隙間だらけで、3年生の卒業を改めて実感する

たった1人でアイドル研究部を支えてきた誰よりも強く頼れるにこちゃん

私達を『μ's』にするために裏で頑張ってくれたお母さんのような包容力を持った希ちゃん

もう1人は…

「来たわね」


そうそう、こんな感じのブロンドの髪に抜群のスタイル、見るからに頭の良さそうな


穂乃果「…絵里ちゃん?」

絵里「久しぶりね、穂乃果」

穂乃果「!?…絵里ちゃん?ど、どうして!?」


穂乃果は混乱した
なぜここにいるのか?
希や にこ も来ているのか?

なぜここにくるのが
『わかっていた』かのような言い回しなのか?

絵里「穂乃果」?


様々な疑問で悩む穂乃果に
絵里はひとつの質問を投げかけた


絵里「…穂乃果は私の事を信用してくれてる?」

穂乃果「え?」


何の前触れもない、唐突な質問だった?


穂乃果「な、なんでそんなこと…」
絵里「答えて」

穂乃果「うっ…」

穂乃果「…」

穂乃果「穂乃果は…」


疑問だらけの脳内で穂乃果はこう答えた


穂乃果「信用してるよ」

考える必要などいらない
意図はわからなかったが聞かれたことに応える
自然とでてきた本当の気持ち
混乱してた穂乃果にはとても応えやすい質問であった


絵里「…そう」

穂乃果「うん…というかなんでそんな事を聞くの?穂乃果も聞きたいこ───」
絵里「穂乃果、聞いて」

穗乃果「…?」

絵里「私はこれから穂乃果に『あること』をするわ…でも安心して?これは穂乃果の為でありμ'sの為でもあるの」

穂乃果「だ、だからさっきから何を言って…ッ!?え、エリチャンッ!!?」


絵里は穂乃果に抱きついた

そして耳元で囁く


絵里「少しの辛抱よ」

穂乃果「…ぇ……?」

何かが肉を食い込む
首もとに燃えるように熱い
窓に反射している自分の姿を見ると
『矢』のようなものが刺されていた

全身の力が抜ける
気分が悪い
血で床が汚れたが気にする余裕などなかった
視界が狭く暗くなってきた

絵里は心配そうに
穂乃果を支えながら独り言のようにつぶやいた


絵里「…それ、痛いわよね」

ーーー屋上ーーー

凛「ふぅ練習大変にゃ…かよちーんお水とってー」

花陽「…」

凛「かよちん?」

花陽「へ?あ!ご、ごめんね凛ちゃん」

凛「もーかよちんどうしたの?あんまりぼーっとしてたら海未ちゃんに射られちゃうよ?」

海未「最近、弓道部の方に顔を出してないんです」

海未「どうでしょう凛ここは1つ的になるというのは」

凛「え、遠慮しときます…」

海未「まったく…」

海未「それにしても穂乃果は遅いですね…もしや、どこかで寝てるんじゃありませんか?」

ことり「…案外そうかもしれないね」


ガチャ


海未「穂乃果!遅いです!結局練習着は見つかって……え?ど、どうしたんですか?急に…」

「ちょっと野暮用があってね…」

ことり「かよちゃん」

花陽「…うん」

凛「だれだれ?誰が来たの?」

「堪忍してな2人とも…」スッ

特技…テストで満点をとること

趣味…天体観測

嫌いな食べ物…みかん

好きな食べ物…トマト

知性あふれるその美貌

彼氏いない歴『17』年

音楽室でピアノを奏でる赤髪の少女

彼女の名は、西木野 真姫




ーーー音楽室ーーー


真姫「…困ったわね」


彼女の担当である作曲
3年生の卒業と共に解散した
スクールアイドル界の伝説『μ's』
その元メンバー率いる新チーム

いつも以上の期待を周りから求められてることもあってか、真姫は作曲に手間取っていた
 ??

真姫「……んん…、と…」


このままじゃあらちがあかない
真姫は少し伸びをして、練習に参加する事にした

ーーー屋上ーーー


真姫「…誰もいない?」

真姫「おかしい…今日の練習が休みになるとしても連絡が入るはず」ピッ

真姫「…」プルルル

真姫「…出ないわね」ピッ

真姫「…?」

真姫「血?結構な量ね…どうしてこんな所に…」

真姫「…」

真姫「ッシュン!」

真姫「…」ズズ

真姫「…」

真姫「帰ろ…」

~ ~ ~ ~ ~ ~

真姫「1人で帰るのなんていつ以来かしら」スタスタ

「…」スタスタ

真姫「明日みんなに事情を説明して貰いましょう、なんだってのよまったく…」スタスタ

「…」スタスタ

真姫「…ふぅ」ピタッ

「…」ピタッ

真姫「…」スタスタ

スタスタ??

真姫(…)

真姫(ス、ストーカー?)

真姫(…。)

真姫(逃げた方がよさそうね…!)ダッ

「!」ダッ

真姫「ッ!やっぱりストーカーね…!早く人通りの多い道に出て助けを───」

「もー、急に走られたらビックリするじゃん」


突然、曲がり角から現れた人物


真姫(は…挟まれたッ!!)クルッ

真姫(…?)


後ろには誰もいない


「あ、さっきまであなたのこと追ってたのはあたしね」

真姫(なに…?いつの間に…!)

「面倒だし先に名のっておくよ、マ・リ・カ♪」

マリカ「一ノ瀬 マリカって言うんだ。覚えた?」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117198.jpg

真姫「え、えぇ」

マリカ「…あ、今あたしの名前が赤帽子のおっさんのレースゲームみたいって思ったでしょ!?」

真姫「いや、別にそんなこと…」

マリカ「そう?ならいいけど」

マリカ「…」キョロキョロ

真姫「な、なに?」

マリカ「1人で帰ってたの?」

真姫「そうよ」

マリカ「友達…いないの?」

真姫「うるさいわね!ちゃんといるわよ!!」

マリカ「だといいんだけど…」

真姫「…というより、そのマリカさんが一体なんのようですか?」

マリカ「あたしね。これといって特定の趣味がないの」

真姫「…あの、話聞いてます?」


マリカ「だいたいいつも1週間ぐらいで趣味変わっちゃうしぃ~」

マリカ「あ、ちなみに1週前の趣味は探偵だよ」

真姫(…ただの変人ね…あ、またくしゃみ出そう)

マリカ「ここで問題!あたしの今週の趣味はなんだ?」
真姫「…どうでもいいです」

マリカ「なんと正解はぁ~~」

マリカ「殺し屋でした♪」

真姫「ックシュン」

シュ!!!

真姫「…え?」


偶然だった
くしゃみで姿勢が少し傾いた瞬間
真姫の『後ろ』からナイフを握る手が飛び出した


真姫「んな!?」バッ!

マリカ「おぉ!避けられた!」

真姫「い…いつの間に!」


マリカの発言ので薄れてた危機感が再び湧き上がる
よく考えるとおかしいじゃあないか?

彼女は一体いつ
『後ろ』から『曲がり角』に移動したのだろうか

真姫「そ、そんなもの持ってどうするつもりよ」

マリカ「…なんだかさ、メジャーじゃない?」

マリカ「殺し屋と刃物って」チャキッ

真姫「ッ!!」ダッ


『全力の逃走』
それ以外の選択肢は真姫には思いつかなかった


マリカ「だーかーらー、急に走んないでよ」


だが、再び『曲がり角』から現れるマリカ


真姫「ま、また!?」

マリカ「へっへ~不思議でしょお~?これが私のスタンド『アーニー・ワッツ』の能力」

真姫「す、すたんど……?」

マリカ「あ~…そっかそっか。まだ『スタンド』の事を知らないだっけ?」

真姫「さっきからなに言って…」

マリカ「まぁ、今から知る必要もないけどね♪」ズォン

真姫「!?…な!なんなのよ!それ!!」

マリカ「クールな像(ヴィジョン)でしょう?」

マリカ「特に この腰のベルトに付いてるクローバー!」

マリカ「あたし、最高に気に入って──」ピクッ

真姫「…?」

…ゴゴゴゴ

マリカ「…」

マリカ「『それ』…?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


マリカ「見えてるって言うの…?『アーニー・ワッツ』が…」

真姫「み、見えてちゃ悪い!?」

マリカ「悪いよ…かなりめんどくさい『かも』」

シュン!!
 ??
真姫「またッ!!」

真姫「ど!どこに──ッ!!」


マリカは再び真姫の『後ろ』に移動していた
しかし先ほどのように直立ではない
しゃがんでいたのだ
目線より下にいたマリカの発見に遅れ
体の反応が間に合わなかった

視線だけ落として見たマリカはナイフを握りしめ


マリカ「ばいばい」


躊躇いなど一切ない目をしていた



『怖い』


死を直前に真姫が感じたのはシンプルな恐怖
目を強く瞑り迫り来る敵を視認しないようにした


「危ナイナ」

真姫(危ないなんてもんじゃ…ないわよ……)

真姫(…?)

真姫(…今の…)

「ナイフハ食ベ物ヲ切ル道具ダゾ」

真姫(誰の声…?)


瞼(まぶた)の力を弱める
涙でぼやけた光景に映ったのは
唖然としたマリカと
刃物を食い止めるナニカ


マリカ「…ふざけないでよね」

真姫「な…これは…?」

マリカ「『スタンド』使えてるじゃん!!」

?「モウ、見守ルダケデハ危ナイカラナ。コレカラハ直接 守ルコトニシタ」

真姫「助けて…くれたの……?あなた名前は…?」

?『エイメリー・クォーツ』

エイメリー「私ハ貴方ダ。好キナ呼ビ方デ構ワナイ」

真姫「エイメリー…クォーツ……」

真姫「よく、わからないけど…、あなたの力で彼女を倒すことはできるの?」

エイメリー「…」。。。

エイメリー「ナンダ、聞コエテイナカッタノカ?」

エイメリー「私ハ守ルト言ッタンダガ」

真姫「…頼もしいわね」

マリカ「自我があるスタンド…か」

マリカ「聞いたことはあったけど見るのは初めてかな」

マリカ「…でも目的は達成するよ、必ず」シュ

真姫「また消えた!?」

エイメリー「イタゾ」

マリカ「ちっ」シュ

真姫「…見えない所ばかり移動してくるわね…」

エイメリー「私ニ見ツカッタケドナ」

真姫「…確かに、なんで貴方から見えるような場所に移動してきたのかしら…?」


マリカ「めんどくさい…」スタスタ

エイメリー「マタ『曲ガリ角』カラ…ドンダケ曲ガリ角 好キナンダヨ」

真姫(けど、次はどこに移動してくるのかわからない…なにかいい手は………)

真姫(…!)

真姫(あのカーブミラー…あれを見てればどこに移動したのか分かるかもしれないッ!)

マリカ「次こそ…」

マリカ「…?」

真姫(…移動してこない…?)

マリカ「『カーブミラー』…か、なるほどね」

マリカ「アーニー・ワッツッ!!」パリンッ!!

真姫「ミラーを叩き割った……?」

真姫「…もしかして」


マリカ「本当に次で最──」
真姫「解けたわ」

マリカ「…あ?」

真姫「貴方の瞬間移動する能力、どうやら条件があるようね」

真姫「『私の見えていない場所』に移動する能力」

マリカ「…!」

真姫「背後を狙ってたんじゃあなくて背後に『しか』移動できなかった」

真姫「私が逃げた時わざわざ『曲がり角』から姿を現したのも私の『目の前』にはこれなかったから」

真姫「カーブミラーを破壊したのは私がミラー越しに全体を『見えて』から移動できなかった…」

真姫「どうかしら?私の名推理」

マリカ「へぇ…やるじゃん」

真姫「なによ、ようするに背後さえ守っていれば大丈夫じゃない。ホッとしたわ」

マリカ「だからなんだっての!!」シュ

真姫「…上ね」

エイメリー「了解」ガリリリ


マリカ「ッ!?なんで…ッ!!」

真姫「あなた成績悪いでしょ?空中に移動したら影でバレちゃうわよ」

真姫「今更 背後にきてもバレバレだけれど」

エイメリー「ウッラァ!」ブン!!

マリカ「マ、マンホール!?空中では避けれな───」

ズギュン!!!

マリカ「…?」

マリカ「………痛くない?」

マリカ「!?」グァン!!

マリカ「な、なにこれ…『重い』!?」?


ズウウゥゥゥンン…


マリカ「ッ~~!!!」

真姫「こ、これは…?」

エイメリー「『モノの融合』…ソレガ私達ノ能力ダ」

エイメリー「今コイツノ身体ニマンホールヲ『混ゼタ』」

エイメリー「マンホール ハ重イカラナ、女ニハキツイダロ」

真姫「何でわざわざ混ぜたのよ」

エイメリー「能力ヲ知ッテ欲カッタカラナ」

エイメリー「ソレトモナンダ?死体ヲ見テミタカッタノカ?」

真姫「…お心遣い感謝するわ」

マリカ「おっも……そこそこの高さから地面に落ちたから下手したら死んでるんだけど…」

エイメリー「贅沢言ッテンジャアナイゾ殺シ屋」

真姫「…そんなことより」

真姫「あなた、『目的』って言ったわよね?」

真姫「何故 私を狙ったの?あなたと私は初対面で恨まれるようなことした覚えはないんだけど?」

マリカ「さぁ?なんだろね」

真姫「…なら、誰かからの依頼?」

マリカ「どーでしょ?」

エイメリー「ウラ」グサ!!

マリカ「い"っでぇえ"ええ"えッ!?手がぁぁあッ!!」

真姫「ちょ、ちょっと!何もそこまでしなくても!」

エイメリー「時間ノ無駄ダ『質問』ヨリ『拷問』ノ方ガ手ッ取リ早イ」

エイメリー「サッサト吐カナイト次ハ反対ノ手ニモ刺ス」

マリカ「ッ──ハァ…ナ、ナイフは食べ物を切る道具って…ハァあ、あんたが言ったのに…」

エイメリー「…」。。。

エイメリー「『刺ス』ノハ別ダカラ問題ナイ」

マリカ「こいつ…」

真姫「さ…さぁ、答えなさい。早くしないと次が来るわよ」

マリカ「わかった!言う!白状するって!」

マリカ「でもなに言ってもそれ刺さないでよ!ね?ね?」

真姫「わかったからいいなさいよ」

マリカ「…」
マリカ「…わかんない。」

真姫「え?」

マリカ「あたしに依頼をしてきた人は全く会ったことのないアカの他人」

マリカ「何でこんな面倒事を引き受けたのか、なぜ依頼主があんたを殺そうとしたのか…なんにもわからない」

エイメリー「モウ一本イットクカ」チャキ

マリカ「ちょ、ちょっと待って!!本当にわからないんだって!!」

マリカ「あたしだって頼まれたからって人を殺したりなんか普通しないよ!しかも知らない人から何て尚更!」

マリカ「あたしを見てよ!ほら!ちょっと瞬間移動できるピッチピチの女子高生!」

真姫「あなた、趣味が殺し屋じゃあなかったの?」

マリカ「それは…その、なんかふいんきでるかな~…と思って。マジな今週の趣味は『スライム作り』」

エイメリー「『雰囲気』ナ」

真姫「今そこはいいから」


マリカ「でも、そうだね。何故 引き受けたのかって聞かれたら…」

マリカ「…」

マリカ「…使命感?」

エイメリー「ヨシ」チャキキ

マリカ「待ってナイフ増やさないで、最後まで聞いて」

マリカ「あたしは殺害依頼を頼まれた時に心の底から『やらなくてはならない』という使命感が生まれた。これ本当」

マリカ「それと…1つ勘違いしてるね」

真姫「?」

マリカ「私が頼まれたのは『あんたの殺害』じゃあない」

マリカ「頼まれたのは『μ'sの殺害』」

真姫「『μ's』を…?」

マリカ「そ、あんたも『μ's』なんだよね?たまたま1人だったの見かけたから狙ったんだけど…参ったね」

真姫「依頼主は『μ's』を狙ってるっていうの…?」

マリカ「じゃないの?そこんところは本人探して直接聞いてみなよ」


マリカ「はいおしまい!!」

マリカ「聞きたいことがあってもあたしは本当に何も知らない。おーけー?」

真姫「…そう」

マリカ「うん、だから早くコレ(マンホール)のけてくれない?もうあんたのこと狙ったりしないから」

真姫「…できるの?」

エイメリー「勿論ダ」シュゥゥ

マリカ「おぉ…軽いのって素晴らしいね…」

マリカ「じゃ、あたしはこれで」

真姫「待って」ガシッ
マリカ「」ビクッ?

マリカ「な、なにか?」

真姫「怖かったのよ」

マリカ「え?」

真姫「死ぬかと思った」

マリカ「ご、ごめんね?」

真姫「流石に[ピーーー]つもりはないけど…」

真姫「このまま帰すとでも思ってるの?」ドドド

マリカ「!?ちょ、まっ───」



真姫『エイメリー・クォーツッ!!!』

エイメリー「ウララァァアァァアーーッ!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドコドゴドコドゴドコドゴドコドゴドコドゴドコドゴドコドゴドコドゴォオッ!!!!

??
マリカ「…か、…うが…」ドサッ

真姫「…安心していいわよ」

真姫「パパは凄腕の医者なんだから」




真姫「あと、あなた名前長いからメリーって呼ぶわね」

メリー「好キニ呼ンデクレ」

←To Be CONTINUED



エイメリー・クォーツ
本体(西木野 真姫)

能力…
触れたモノを『混ぜる』能力
現時点では1度に3つまで混ぜられるようだ
スタンドの像は亜人型

ステータス…
破壊力───B スピード─B
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─C 成長性──A

元ネタ…
R&Bシンガー『Amerie』
水晶の英訳『quartz』



アーニー・ワッツ
本体(一ノ瀬 マリカ)

能力…
『対象の見えない所』に瞬間移動出来る能力
対象が鏡などを通じて見えてる場合は移動できない
空中に移動はできるが空中での移動は不可能
スタンドの像は人型

ステータス…
破壊力───D スピード─D
射程距離──A 持続力──B
精密動作性─C 成長性──D

元ネタ…
音楽家『ERNIE WATTS』

sagaつけろ

テスト



第02話
「スタンドは謎だ!」


ーーー西木野家玄関前ーーー


真姫「はぁ…えらい目にあったわね」

真姫「『スタンド』、か」

真姫「…取り敢えず今は何も考えたくないわね…シャワーでも浴びて早く寝よ…」ガチャ

真姫「ただいまー」

バタバタバタバタ!!

真姫ママ「真姫!どこにいたの!?電話にも出ないで!!」

真姫「え?…あぁ、ごめんなさいママちょっといろいろあ……」

真姫ママ「大変なのよ!あなたのお友達が──」



凛の目が覚め最初に認識したものは「天井」であった
だが、見慣れた自室や花陽の部屋の天井ではない


凛「…ここは…?」

花陽「凛ちゃん!」パァァ

ことり「かよちゃん、凛ちゃん起きたの?」

花陽「うん!」


見慣れた顔と聞き慣れた声を聞き少し安心した


凛「かよちん…ここ、どこ?」

花陽「ここはね、真姫ちゃんのお家の病院だよ。だからそんなに怯えなくても大丈夫」

凛「病院…?」

凛「凛、事故にあっちゃったの?」

花陽「えぇと、それは…」

ガララララ

穂乃果「あ!凛ちゃんおっはよー!」

穂乃果「ジュース買ってきたけど飲む?」

凛「うん、ありがと」

海未「ゆっくり飲んでくださいね。花陽には玄米茶です」

花陽「海未ちゃんありがとう♪」

絵里「玄米茶っておいしいの?」

希「お茶漬け好きなら好きやとおもうよ」



希「凛ちゃん、おはようさん♪」

凛「おはよう絵里ちゃん、希ちゃん」プシュ

凛「…」ゴクゴク

凛「…」。。。

凛「絵里ちゃん希ちゃんッ!?」

海未「凛、院内ではお静かに」

穂乃果「凛ちゃんも穂乃果や海未ちゃんと同じ反応してるね…」

凛「なんでみんなそんなクールで冷静沈着なの!?AB型!?」

ことり「かよちゃん、よろしく」

花陽「凛ちゃん、取り敢えず落ち着こ?」スッズオッ

凛「にゃぁ…」

真姫「まぁ、気持ちは分かるわ…私も驚いたもの」

真姫「家に帰るなりママが『あなたのお友達が入院してきたの』…なんて言うから急いで来てみたら希とエリーがいるんだもの」

凛「真姫ちゃんいたんだね」

真姫「少しでも心配した私に謝りなさいよ」

花陽「まぁまぁ」モグモグ

穂乃果「え、かよちゃんなんで今おにぎり食べるてるの…?」

希「お?…花陽ちゃんのおにぎりが見えてるんなら無事成功したようやね」

穂乃果「??」



海未「さて、凛の目も覚めたことですしそろそろ説明してもらいましょうか…希」

海未「なぜ2人は私達を入院させるようなことを?」

海未「花陽になだめられて落ち着きはしましたが…不思議でなりません」


絵里「…そうね、もう説明してもいいのじゃないかしら?」

絵里「にこ はここには来ない…要するに全員集合よ」

希「…そう、やね」



とたんに希の顔色が変わった
今まで誰も見たことのない表情?
少しずつ重そうな口を開く



希「もう…立ち向かうしか…」

真姫「…?」

希「まず、知ってもらいたいのはこの『矢』について」スッ

穂乃果「あ!これっ!これだよ穂乃果の首に刺さったヤツ!」

絵里「ご、ごめんなさい穂乃果…仕方なかったのよ…」

希「ちなみにウチが屋上で海未ちゃんと凛ちゃんに刺したのもこの『矢』やね」

海未「…で、その『矢』はなんなんですか?」

希「ここで質問!」ズアッ!

海未「な、…」



突然現れた人のようなモノ



希「…この子が見える人?」

凛「にゃぁあぁッ!!??」

穂乃果「お…おばけっ!!??」

海未「そ、それは…いったい」

真姫「『スタンド』ッ!!」



希「そう、これは『スタンド』と呼ばれる精神の具現化」

希「まぁ、超能力みたいなものやね」

希「で、このスタンドというものは…」
絵里「希、ちょっとストップ」
 
希「ん…エリチどしたん?」

絵里「なんで真姫にスタンドが見えているの?」

希「エリチが矢を刺したんやないん?」

絵里「私はなにもしてないわよ」

希「え?」

真姫「メリー」ズォン

メリー「ウン」

希「…うん?」

穂乃果「うわ!喋ってる!?」

メリー「文句デモ?」

穂乃果「あ、いえそういうわけじゃ…」




真姫「よく分からないけど…私が殺されそうな所をメリーが助けてくれたの」

絵里「…スピリチュアルって奴ね」

希「ほ、ほんとやね…ウチと同じで生まれつきの才能なのかもなぁ…」

希「って!今、殺されそうって言わへんかった!?そこのところ詳しく───」

海未「あの…話が見えないのですが」

希「あ」

希「ご、ごめんなぁ…衝撃的過ぎて忘れてた…」

真姫「私自身もまだメリーについて詳しくは知らないの…話、続けてくれない?」

希「…ほな話をもどそっか」

希「この『矢』についてウチがわかってることは2つ」

希「1つ目、この『矢』は地球外の物質から出来たもの、ということ」

穂乃果「宇宙人が作ったってこと!?」

希「う~ん、どうやろうなぁ…」

希「2つ目、…ここ重要なんよ?」

希「『矢』に刺された者は
  『スタンド能力に目覚める』」

海未「…つまり…?」

希「既に3人にもスタンド能力が身についたっていうこと」

希「まぁ、真姫ちゃんやウチらみたいにもともと持っている人もおるんやけどなぁ」

凛「え!凛も超能力が使えるの!?」

絵里「使い方さえ分かればね」



ことり「ちなみに、ことりと希ちゃん…
    ここにはいないけどにこちゃんも
    生まれつきのスタンド使いなんだよ?」

絵里「私と花陽は『矢』に刺されて目覚めたの
   …ちょうど1ヶ月前ぐらいかしら?」

凛「かよちん!なんでそんなこと
  隠してたの!教えてよぉ~!」

花陽「『超能力が使えるんだ』
    なんてとても言えないよぉ…」

凛「…そうだね」

海未「…矢が『なんなのか』はわかりました」

海未「ですが私の聞きたいことは
   そういうことではなくて……」

希「なぜ矢を『刺す必要があったのか』…やね?」

海未「…はい」

希「そう、ここからが本題」

真姫「私たちの『命が狙われている』のに
   なにか関係があるの?」

穂乃果「そんなことになってるの!?」

希「そう、何者なのか解らないけど、
  真姫ちゃんの言うように…
  現在μ's全員の命は狙われている」



~ ~ ~ ~ ~ ~


ある日、ウチとにこっちは
なんの前触れもなく突然この能力に目覚めた

最初はえらいびっくりしたなぁ…そんなもんやん?

まぁ、このまま超能力が使えるってのも悪くないし
特に気にしてもいなかった


「あ、どーもどーも。いきなりなんだけど」


でも、出会ってしまった


「μ'sのメンバーが死んだってなったら
 凄い特ダネだと思わない…♪」


μ'sを狙う『敵』に

最初に狙われたのはウチ

たまたまことりちゃんと一緒におったから
逃げ切れたけど…実際かなりきわどかった

そして知った
敵の狙いが『μ's』だと言うことを
ウチとにこっち、ことりちゃん…
この3人で話し合って『μ's』を守ろう
そう決めたん


…やけど、何人いるかもわからない
いつ襲ってくるかもわからない敵に
たった3人で立ち向かうのは流石に無理があった


そこで…こう考えるのとにしたんよ


『みんなをスタンド使いにして?
 もしもの時に自分で身を守れるようにしよう』


…と


~ ~ ~ ~ ~ ~



海未「…なるほど」

希「ウチにこんな重要なこと
  勝手に決める権利ないのに…みんなごめん」

花陽「の、希ちゃんが謝ることじゃないよぉ…」
 
希「特に真姫ちゃん…
  まさかこんなにも早く狙われるなんて…」

希「スタンドが使えたからよかったものの…
  もっと注意してた方がよかった…本当にごめん」

真姫「別に構わないわ、気にすることないわ」

絵里「さぁ、これでわかったでしょ?
   私たちは今、とても危険な状態なの」

絵里「そして、このまま敵に怯えながら
   生活するのもとても疲労がたまるわ」

絵里「だから!敵の正体を調査して
   次はこっちから攻撃を仕掛けるわッ!」

絵里「そのためには、各々がスタンド能力を
   使いこなす為の特訓が必要なの」

絵里「特訓は退院後、すぐにでも取りかかるわよ」

凛「え?でも、学校はどうするの?」

『学校について心配は無用よ』


どこかで聞こえた優しい声


穂乃果「!?なに!早速敵!?」

海未「し、しかし…どこかで聞いたような…、?」

ことり「お母さん…、
    びっくりするからやめてよ…」

ほのうみまきりん『『 理 事 長 ッ ! ? 』』

海未「ど…でもどこにいられるのですか!
   姿が見当たりませんが…?」

理事長『驚かしてごめんなさいね?
    私自身は今、学校にいるんですよ』

理事長『「ラズベリー・コースター」…
    会話ができるだけの非力な能力ですが、
    私もれっきとしたスタンド使いなんです』

穂乃果「お、ぅぉ…おぉ」

理事長『でも、あなた達の通信係と
    学校での対応ぐらいならなんとか出来ます』

凛「もうチンプンカンプンにゃ…」

絵里「助かります理事長。
   必ず敵の正体を暴き再びことり達を学校に
   行かせられるよう精進します」

理事長『期待してますよ?
    困ったことがあったら
    また連絡して下さいね』

ことり「…なんだか分からないけど
    親子で目覚めたらしいんだ、スタンド」

希「そういう血統なんかもなぁ」

希「ついでに残りのスタンドも紹介しておこっか?」

穂乃果「あ、気になる!」


ラズベリー・コースター
本体(理事長)

能力…どこだろうと会話が出来る能力?
   会話の出来る対象は『音ノ木坂の生徒』のみ
   (卒業生も可能)?スタンドの像は ない

ステータス…
破壊力───なし スピード─なし
射程距離──なし 持続力──A
精密動作性─なし 成長性──D

元ネタ…
ぶる~べりぃ?とれいん



希「ウチのスタンド『リサ・ローブ』は
  触れた物を滑らせることのできる能力
  シンプルやろ?」

海未「なかなか使いどころがわからないですが…」

希「案外便利なんよ?」



リサ・ローブ
本体(東條 希)

能力…触れた物を滑らせる能力
   スタンドの像は亜人型

ステータス…
破壊力───B スピード─B
射程距離──D 持続力──A
精密動作性─C 成長性──C

元ネタ…『Lisa Loeb』



花陽「えっと…花陽のスタンドは
   『ライト※ヒップ』と言いまして」

花陽「触れた人の『楽しい!』とか『悲しい…』といった
   『感情』を『お米』にして吐き出すことの
   出来る能力なんです」

花陽「さっき穂乃果ちゃんの言ってた、
   おにぎりは凛ちゃんの『興奮』『不安』の
   感情を取り出して出来たものだよ」

花陽「出来た『お米』はすぐに食べないと
   『感情』に戻っちゃうんです」

穂乃果「あ、それで食べてたんだね」

海未「花陽になだめられて気分が落ち着いたのは
   スタンド能力だったのですね…」

花陽「えへへ…」



ライト※ヒップ
本体(小泉 花陽)

能力…
『感情』を『お米』にする能力
花陽が作った『お米』を食べることでその感情を
『味わう』ことができる

花陽はその『お米』を口から摂取することで、
ただの『お米』として味わうことが可能?(感情も味わえる)
だがそれ以外の人物が触れると強制的に『感情』を
味わうことになる

スタンドの像は『お米』そのもの


ステータス…
破壊力───E スピード─D
射程距離──B 持続力──B
精密動作性─E 成長性──B

元ネタ…
こしひかり



ことり「ことりのスタンドは7つの効果をもつ
    マカロンを生み出す『ストロベリー・デザイン』

ことり「マカロンにはそれぞれ効果があって…
    それはまた今度教えるね?」

希「1つだけ教えると海未ちゃんと凛ちゃん、
  穂乃果ちゃんの『矢』で貫かれた傷が塞がって
  いるのはことりちゃんのマカロンのおかげなんよ」

穂乃果「ことりちゃんすごい!」

ことり「えっへん!」フンスッ

ストロベリー・デザイン
本体(南 ことり)

能力…
7つの効果をもつ『虹色マカロン』を作る能力
スタンドの像は鍋型

赤→固い、叩くと出火する
橙→傷を癒やす
黄→叩くと発光する
緑→肉体の再生
青→栄養満点
藍→睡眠回復
紫→まだ、希しか知らない
  ことり曰わく『とっておき』

ステータス…
破壊力───E スピード─E
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─D 成長性──C

元ネタ…
中学の頃から履いてるパンツ



絵里「…次、いいかしら?」

ことり「はいどうぞ♪」

絵里「私のスタンドは『チェリッシュ』」

絵里「能力なんだけど…
   説明するより使った方が早いわね」

絵里「海未、ちょっとこっち来てくれる?」

海未「?…別に構いませんが…」

絵里「そうね『5年ぐらい』でいいかし…らッ!」

海未「……っ」ズギュゥン

海未「………?…えっと…何をしたのですか?」

ことり「ふわぁ…海未ちゃん綺麗…」

穂乃果「や、やまとなでしこだ…」

凛「…」

希「べっぴんさんやなぁ」

海末「え?…一体どういう…?」

エリ「『成長を与える』…
   それが『チェリッシュ』の能力」

エリ「私の成長を5年分を海未にあげたのよ」

エリ「今の海未を22才ぐらいまで『成長させた』わ
   変わりに私は5年分 退化するんだけど」

穂乃果「絵里ちゃんちっさ!?」

ことり「かぁわいぃぃ~?」スリスリ

エリ「ちょ、ちょっと、やめなさいよことり!」

凛「…」
凛「ねぇ…絵里ちゃん」

エリ「なにかしら?」

凛「その能力ってさ…
  確実にその姿に成長するの?」

エリ「多分ね」

凛「…ふぅん」ジー

海末「ど、どうしたんです?」

凛「成長…ねぇ」

海末「?」ペターン

凛「…勝てる」

海末「何がですか」

凛「なんでもないにゃ」

エリ「…」



チェリッシュ
本体(絢瀬 絵里)

能力…
成長を与える能力
絵里自身は与えるのみで奪うことは不可能
与えた分だけ絵里は退化する
スタンドの像は人型

ちなみに
絵里=高校生ぐらい
エリ=中学生ぐらい
えり=小学生以下 である
スタンドの像は人型

ステータス…
破壊力───C スピード─A
射程距離──C 持続力──B
精密動作性─B 成長性──D

元ネタ…
日本の夫婦歌手『チェリッシュ』





絵里「はぁ…やっぱこの姿が一番しっくりくるわね」

海未「不思議な感覚でした…」

希「ま、えらいざっくりやけど…こんなところ」

希「よければ真姫ちゃんの
  スタンドも教えて欲しいんやけど」

真姫「えぇ…
  『エイメリー・クォーツ』能力はモノの融合」

真姫「『メリー』って呼んでるわ」

メリー「ヨロシクナ」

穂乃果「…いいなぁスタンド
    穂乃果もかっこいいのがいいな!」

凛「凛も凛も!!」

海未「命が危ないというのに
   この3馬鹿は…………?」

海未「…」。。。

海未「…穂乃果と…凛と……」

海未「ところで にこ はどこにいるんです?」

絵里「海未は にこ のこと馬鹿にしてたのね…」ジー

海未「い!いえ!決してそう言うわけでは…」

絵里「ふふっ、冗談よ♪
   にこ には調べものを頼んでるのよ」

海未「1人で…ですか?」

絵里「にこ のスタンドはμ'sの中では
   一番強力だと思うわ…きっと大丈夫よ」

絵里「何かあれば理事長に
   連絡が届くでしょうし」

海未「…ならよいのですが」

希「ひとまず、みんな疲れたと思う、
  2~3日もしたら退院できるだろうし
  …その後は特訓が続くやろうし」

希「今日はもう休んだ方がええなぁ」

凛「うん…頭の中整理したいし…もう休む」

穂乃果「そうだねぇ…穂乃果も
    なんだか眠く…ふぁあぁ…」

希「じゃ、ウチらは真姫ちゃん家にお泊まりやね」

真姫「聞いてないわよ!?」

絵里「バラバラになるより固まって行動した方が
   いいのよ…悪いけど頼んだわよ、真姫」

ことり「トマロ!真姫ハウス!」

真姫「えぇ……」


ーーーーーーーーーーー


落ち着きのある小洒落たカフェ
3人の女性が会話している
どこででも見られる普通の光景



「あの瞬間移動する…マリカさん、でした?」

「ん?」

「やられたみたいですわね」

「ホワット!?」

「なになに?特ダネの香りがするね♪」

「なぜでしょう?能力が届いていない…
 何者かに気絶させられたようですわね」

「100%特ダネだァァアーーーッ♪」

「ストップ!特ダネもいいけど
 目的忘れてないでしょうね?」

「わ、わかってるよベッキー…」

「そうですわ。
 わたくし達の目指すのは『μ'sの消滅』」

「そして───」

「あー!もぉ、わかってるって!
 さっさと次を向かわせたらいいんだよ!」

「そんなに慌てる必要はありませんわ
 …既に次の手を打っておりますもの」

「私達は『準備』をしましょう?
 …とっても大事なことなんだから」

「よーし!なら、頑張ろう!」

「グッド!その調子よ」



彼女達の会話に耳を傾ける者は1人もいなかった



←To Be CONTINUED

ラブライブ板でいつの間に完結してたの?しょっちゅう立つ割に途中までで終わってた印象しかなかったが

>>61
最初1話ごとにスレ立てしてたんですが
1つにまとめろと言う助言が貰えたので1つにまとめてSS書いてました
そのスレがエタったので残りを書き溜めしてだいぶ前に完結させました
感想の中に「SSVIP速報で投稿した方がよかったかも」という書き込みがあったので今回投稿してみました




>>37のように「ここはこうしろ」という意見があればお願いします


第03話
「Secret Survivor」



ーーー病室ーーー


天気姉さん「今日の東京都の天気は晴れ
      絶好のお出かけ日和、です!」ピッ

芸人「特別なスゥゥゥゥプゥを」ピッ

アナウンサー「極悪犯、6名の消息が不」ピッ

CM「満・満・満足♪一本満」ピッ

芸人「んだからぁ~~~♪」





凛「…この時間帯のTVはつまんないにゃ」

海未「時間が時間ですし…仕方ないことです」

ことり「凛ちゃん達3人は『矢』の影響を
    マカロンで治してるから健康だもんね」

凛「もう2日もベッドの上だよ?
  走りたくてうずうずするにゃ」

希「まぁまぁ、グミいる?」ゴソゴソ

凛「いるー」

希「…」ゴソゴソ

希「…?」

希「……」ゴソゴソゴソ

希「……」。。。

希「ご、ごめん…グミなかった」

凛「…」ムぅ

ことり「か、変わりに飲み物
    買ってくるから我慢してね?」



ガラララララ




凛「…それにしても暇にゃ」

海未「まだ言ってるんですか?」

海未「全く…少しは穂乃果を見習ってください」

穂乃果「すやぁ…」zzz

凛「…呑気」

花陽「凛ちゃん、上級生」

凛「真姫ちゃんがいたら適当にいじれるのに…」



ーーーーーーーーーーーー


~数時間前~

絵里「私と真姫は特訓に使える場所を探してくるわ」

真姫「何で私も行かなきゃいけないのよ」

絵里「真姫のエイメリーはμ'sには少ないパワーがあるスタンドだからね」

絵里「私だけじゃ少し不安なの」

真姫「希でいいじゃない」

絵里「ダメよ、希には
   穂乃果たちを見張って貰わないと」

絵里「ってことで真姫。移動費よろしくね」

真姫「私連れて行く理由それでしょ」

絵里「大学生のお財布事情をなめないで頂戴」

真姫「なによそれ…」

絵里「じゃあ、あとは頼んだわよ希」


ーーーーーーーーーーー


凛「っていって絵里ちゃんとどっか行っちゃったし」

花陽「凛ちゃん真姫ちゃんいじるの好きだよね」

凛「むぅ…」

凛「もう限界!ちょっと出掛けてくる!」

花陽「り、凛ちゃん!」

海未「凛!待ちなさい!」

希「海未ちゃんストップ、ここはウチが行くよ」

海未「え?」

希「追いつくのはウチが一番楽やと思うんよ」

ズアッ!




ーーー病院玄関口ーーー


一定の速度で開く全自動の透明なドア
ドアが開いたと同時に少女は飛び出した


凛「すっごくスッキリする…
  きっと今の凛は風なんだね…」ダダダダ

希「凛ちゃーん」…

凛「追いかけて来……ッ!?」

希「逃げられへんでー」ツルルルル



凛は恐怖した

摩擦という概念を無視して自分を追いかけて
事実に驚きを隠せなかった

しかし、そこではない

もっと恐ろしいものを見てしまった

汗が吹き出す
経験した者ならではの感覚

 ??
見覚えのある『両手の構え』


星空 凛のランニングは全力の逃亡に変更された



凛(あれにだけは…
  絶対に逃げ切らなくっちゃあならない…!!)

希「これ以上逃げるんなら
  MAXになるけどええんー?」ツルルルル



嘘だッ!
彼女の『ソレ』はいつだって全力なのだから!


凛は心の中で判断を下し、さらに速度を上げた



希「もう、ええ加減に…!?」

希「凛ちゃん!!ほんまにストップ!!」

凛「いーーやーー」
希「前っ!!」
凛「…にゃ?」ズダダダダダ!! ドン!





A「あたた…!」

B「あらあら」

凛「痛たた…ご、ごめんなさい!」

希「大丈夫ですか!?」タッタッタッ

A「大丈夫大丈夫ちょっとビックリしただけ
  こう見えて私、訓練してるから!」

B「心配は無用です」

希「本当にすみません…立てますか?」スッ

A「あ、どーもどーも」

A「…ん?」

A「あなたもしかしてμ'sのメンバー!?」

希「え?そうですけど…」

A「そこの娘も?」

凛「は、はい」

A「へへー…ラッキーだね、すぐに見つかって」
ガシッ

希「見つけ………ッ!」

希「凛ちゃん逃げ────」

B「本当ですね」ガシッ

凛「な、なに!?」

A「なんだとおもう?」フッ




ーーー病院内飲み物売り場ーーー


ことり「んー…凛ちゃんの好きな飲み物…?」

ことり「ラーメンのスープ……は売ってないし」

ことり「…桃の人工水でいいかな?」


…ダダダダ
ウィーン
ダダダダ……


ことり「?」

ことり「今のは……凛ちゃん?」

ことり「もう、病院から出てはいけません!
    って何度も言ってるのに…」

ことり「あ、希ちゃんが…
    希ちゃんなら、任せても大丈夫…かな?」

ことり「ちょ、凛ちゃん危な
    ………わぁ…ぶつかっちゃった」

ことり「大丈夫、かな?血もでてなさそうだし」

ことり「じゃあ、ことりは先に病室に戻──」



1度も目は逸らしていない
しかしどういうことなのだろうか
4人はことりの視界から姿を消した



ことり「!?」

ことり「ス…『スタンド攻撃』ッ!?」



ことり「お母さん!!」

理事長『ことり…?どうしたの?』

ことり「の、希ちゃんと凛ちゃんが
    敵に襲われてどこかに…!それでッ!!」

理事長『落ち着きなさい、ことり。
    あんまり大きな声出すと
    「変な人だ」って思われちゃうわよ?』

ことり「あ…」チラ

「ドウシタノカシラ…」ヒソヒソ
「ママーアノヒトカワイイネ」ヒソヒソ

ことり「うぅ…」

理事長『大丈夫よ、私のスタンドなら
    小声でも会話できるの。落ち着いて』

ことり「…うん」

理事長『これから小泉さん達にも
    今の状況を説明してくるわ
    ことり も気を付けるのよ』

ことり「うん、わかった!」


理事長『そして…これは憶測だけど、
    星空さんと東條さんはどこか別の場所へ
    連れて行かれたと思うわ』

理事長『彼女たちが音ノ木坂の生徒である以上、
    会話はどこででもできる筈なの…
    敵の能力で存在を消えてるとしか思えない』

ことり「じゃ、じゃあどこに…」

理事長『残念だけど、私には…』

理事長『でも、なにか証拠が残ってるかもしれないわ、辺りを捜索して見なさい』

ことり「…どこにいったの…?」

~ ~ ~ ~ ~ ~


B「いつ来てもここは凄いですね」

希「こ、これは?急に植物が……」

凛「の、希ちゃん!ここどこ!?」

希「うちにもようわからん……やけど」



視界に広がる木…というより『樹』の数々
なぜこんなところに自分達はいるのか?
唯一理解できるとしたら、こんなことができるのは



希「スタンド能力…やないかな」

A「そのとおり!」

A「私の名はさゆり」

さゆり「第123歩兵部隊所属、
    兵藤 さゆり軍曹であります!」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117461.jpg


B「私は桜坂 しずく」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117462.jpg

しずく「以後、お見知りおきを」 

希「自己紹介ありがとさん…できれば、
  こんな形でして欲しくなかったんやけど?」

しずく「残念ですが…それは無理な願いです」

さゆり「狙う立場と、狙われる立場
    …ね?簡単なことでしょ?」

凛「敵ってほんとにいたんだ…」

さゆり「あなた達に恨みはないけど、
    これが任務だから仕方ないよね」



希「1つ教えてもらってええかな…
  ここは一体どこなん?」

さゆり「…あ」

さゆり「そういえばまだ言ってなかったけ…?」

しずく「それって言う必要あるんですか?」

さゆり「必要だよ!やる気が違うもん!」

しずく「忘れてたのに?」

さゆり「そ、それは…あれだよ!ほら!
    大好物は最後に残すタイプなの私!」

凛「…なんだか穂乃果ちゃんと
  海未ちゃんを見てるみたいにゃ」

さゆり「えー…ごほん、ではでは」


さゆり「ようこそ、『ソルジャー・ゲーム』へ!」


凛「そるじゃー…げーむ?」

さゆり「そ!ここは私のスタンド
   『ソルジャー・ゲーム』が作り上げた仮想空間」

さゆり「…といっても
    場所はさっきと同じなんだけどね」

希「同じ場所…?ここは密林とか
  ジャングルの類にしか見えんのやけど」

さゆり「『環境が違う』んだよ場所はさっきと同じ」

さゆり「まぁ、さっきまでいた場所に
    木が生えた、みたいな感じかな?」

凛「…ここで凛達をどうするつもり」

さゆり「簡単だよ、あなた達はこれから私達と
    『サバイバルゲーム』をしてもらうんだ」

凛「サバイバルゲームってBB弾のでる銃でやる…あの?」

さゆり「そ!そのサバイバルゲーム

さゆり「でーもぉぉーー
    ただのサバイバルゲームじゃあ
    つまんないよね?…私は好きだけど」

さゆり「あなた達に『銃』を送ったッ!」ブワァァァン

希「っと…」パシッ

さゆり「じゃあ、ルール説明とするよ」

さゆり「その1、その銃にはいっているのはBB弾…まぁ、当たったらちょっと痛いぐらいだよ」

さゆり「その2、弾の数は∞」

さゆり「そして…ここから重要だから、よく聞いててね」スッ

凛「うぇ…ネズミだ…凛、苦手…」

さゆり「ネズミに3発…」ポイッ
さゆり「弾を撃つッ!!」?パァンパァンパァン!
 

宙を舞うネズミ
的確に着弾した3発の弾

その瞬間

耳を防ぎたくなるような嫌な音を放ちながら
ネズミは木っ端微塵に砕け散った



希「ッ!?」

凛「ぅ……ぉぇ……はぁ…っ」 


血が飛び散り、内臓が幾つにも分散する、
骨が地面に突き刺さり、目玉が足下に転がってきた?
星空 凛が見たもので一番残酷な光景
たまらず吐きそうになる



さゆり「…その3」
さゆり「 弾に『3発』当たると死ぬ 」

凛「の…希ちゃん…」

希「これは面倒なスタンドやね…」

希「さっさと脱落してもらおか」ズアッ!

さゆり「ストォォオ~~ップ
    ……そうくると思った、
    それがあなたのスタンド?やめとい──」

希「リサ・ローブッ!」

ズドン!!

さゆり「…話は最後まで聞きなよ」パァン


希「うぉ!!」シュン

さゆり「あー…外しちゃったか」

さゆり「その4、弾以外のダメージは全て無効化する」



さゆり「あなたの左腕にさっきのネズミの骨が
    刺さってるよ、気付かなかったでしょ?」

希「…」チラッ


左腕を確認する
確かに骨が刺さっていたが、血も痛みもなかった


さゆり「1分!」

凛「…?」

さゆり「1分だけ待ってあげるよ、
    その間に作戦でも考えたら?」

希「凛ちゃん!!
  とりあえず、ここから離れるよ!」ダッ

凛「う、うん!!」ダダッ

さゆり「…ふぅ」

さゆり「……」

さゆり「なんでさっきから黙ってるのさ?」

しずく「特に喋る必要がなかったもので」

さゆり「…そっか」

しずく「というかネズミ、私の近くで
    破裂させないでください。不快なので」

さゆり「ご、ごめんごめん…」

しずく「なにかあったら呼んでください。
    私のスタンドは射程距離が短いので
    彼女たちの近くにいますから」

さゆり「そーゆー優しいところ好きだよ」

しずく「残念ながら私にその体の趣向はありませんよ」

さゆり「なんでそーやって受け取っちゃうかなぁ…」

さゆり「…そろそろかな?」

しずく「そうですね」

さゆり「じゃあ、ゲームスタート…だね」ニヤ



ソルジャー・ゲーム(戦争ごっこ)
本体(兵藤さゆり)

能力…
触れた生物を別空間に連れ込み
サバイバルゲームを行う能力
この空間に来ると銃を支給され、銃内の弾に3発当たるとなにがあろうと炸裂して死ぬ?
弾の制限はなく、この空間にいる間はどんな攻撃も通じない

ステータス…
破壊力───なし スピード─なし
射程距離──A   持続力──A
精密動作性─なし 成長性──E

元ネタ…
『soldier game』




凛「…ごめんなさい。
  凛がなにも考えずに外に出ちゃったから…」

希「…どの道、誰かはこの空間に連れてこられてた」

希「たまたまウチらがつれてこられた。ただそれだけ」

凛「で、でも…」

希「あとで『MAX』じゃなくて
  『expert』をやるからそれでちゃらやん?」

凛「あ、ちょっと根に持ってるにゃ」

希「気のせい気のせい」

凛「戦いを決めるのは、この銃弾…
  スタンドを持っていない凛でも
  頑張ったら倒せるってこと…だよね」

希「そういうことやね」

希「さぁ、それよりどうし」
『希ちゃん!右!!』
希「──ッ!!」クルッ


しかし弾の飛んできた方向は『左』
希に『1発目』が当たる


凛「希ちゃん!?」

希「な、逆…?凛ちゃんッ!!」

凛「え?」

希「え?やないよ!!」

希「さっき凛ちゃんがみ──」
『後ろッ!』
希「おぉッ!?」ヒュン


弾は『右』から、間一髪で避ける

凛「の、希ちゃん…?」

希「危な…ッ!」

希「凛ちゃんもうちょいちゃんと言ってくれへん!?」

凛「だからさっきから何言ってるの!?
  凛、さっきまで何も言って、ない……よ…?」

凛「希ちゃん…その肩で浮いてる小さい奴…なに?」

希「…肩?」


希の肩に浮遊していたの小人


希「これは…スタンド?」

凛「あ!もしかして…」

希「…忘れとった…これはしずくのスタンド!!」

希「ウチらを倒しに来たんやったら
  しずくがスタンドを持ってることは至極真っ当!」

凛「あ!希ちゃん、あそこ!」

しずく「…」

しずくは遠方から双眼鏡を片手に希たちを観察していた


希「あんなところに…!
  ならさっきの声はこのスタンドの能力…?」

希「なんて面倒なスタ…」
『希ちゃん!!右ッ!』
希「そう何度も騙せると…」ガサッ

凛「希ちゃん!!今のは本──」

さゆり「流石に無視は酷くない?」ジャキッ!

希「な…しまっ…!」

さゆり「2発目♪」パァン!

凛「希ちゃぁあぁぁんッ!!」ダダッ ドン!!


ぶつかり、庇う
凛に「1発目」が当たった


希「り、凛ちゃ…なんてことを!」

凛「希ちゃん!!そのまま滑って!!」

希「ッ!…わかった!!」ブァイン

凛「希ちゃんのスタンドなら…
  このぶつかった力を利用して…!!」ツルッ


リサ・ローブは滑力を与える能力
凛のぶつかった衝撃により
滑走速度が上がる


さゆり「東條 希だっけ?
    あれは……滑る能力、かな?」

さゆり「ふぅん…仲間を庇う=逃走に
    繋がってんだ、なかなかやるじゃん」

さゆり「しかしすっごい滑るなぁ…」

さゆり「…ま、いいや」


さゆり「どーせ後で追いつくし」

しずく「そう…焦る必要はないですよ」ガザサ

しずく「あなたのソルジャー・ゲームと
    『カラフル・ボイス』は相性抜群ですから」



カラフル・ボイス
本体(桜坂 しずく)

能力…
見えている対象に取り憑き、囁くだけの能力
1度聞いた声なら誰であろうと真似する事ができる

ステータス…
破壊力───E スピード─D
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─D 成長性──C

元ネタ…
『COLORFUL VOICE』

ツルルルルルルルルルル


希「凛ちゃん…庇ってくれたことは感謝してるけど
  あんまり無茶はせんといて欲しいかな…」

凛「あのまま希ちゃんが残り1発になるより
  凛も希ちゃんも残り2発の方がいいと思って…」

希「……そろそろ止まろか」フォン

希「なんとなく雰囲気で分かってたケド…
  さゆりって方は銃の扱いに慣れとるようやね」

凛「うん…あれ?希ちゃん、さっきの小人がいないよ?」

希「…なるほどなぁ」

希「どうやらしずくのスタンドの
  射程距離はあまりよくないみたいやね」

凛「それであんなに近くにいたんだ」

希「多分やけどね」

凛「それよりどうするの?
  このままじゃまた追いつかれちゃうよ?」

希「ちょっと調べたいことが…」ズァッ

希「ローブッ!!」ベキィッ!??



希はスタンドを繰り出し樹の1本に拳を叩き込んだ



凛「の、希ちゃん…?」

希「…ダメージが無効化されるのは人物だけ、か」

希「折れた木には重量もちゃんとある」

希「人物にもダメージは与えれんけど
  能力は効いとるようやし…」

凛「…」。。。

凛「例えばだけどこの生えた『木』…使えないかな?」

ー ー ー ー ー ー


さゆり「んー…どこいったかな…?
    さっさと終わらせたいんだけど…」

バン!バン!バン!バン!

さゆり「おっと」ヒュンヒュン

さゆり「残念だったね?
    折角の不意打ちが無駄になっちゃって」

凛「…」

さゆり「木の上なんか登っても意味ないって
    …さっさと降りなよ」

凛「もちろん、そのつもりだよ」


ドゴォオンッ!!!


さゆり「何の音…?」

凛「…」バッ

ベキベキベキギギッ!!!

さゆり「え?」


さゆりに向かって倒れてくる巨木


凛「ダメージがなくたって」

凛「やっぱり女の子だもん…
  大きい樹が身体の上に被さったりしたら」

凛「もう身動きとれないよ?」

さゆり「ちょっ!!」

凛「樹の下敷きになっちゃぇぇええぇーーーッ!!」

さゆり「おぉぉおおぉッ!?」


ズゥゥゥゥーーーーン……





さゆり「はぁ…はぁ……」
さゆり「っぶない……!!」

さゆり「あいつ…!完っ全にキレた
    ……絶対にぶっ潰すッ!!」

さゆり「どこに行ったァ!」

凛「!」ダダダ

さゆり「いたぁ…もう逃がさないよ!!」ダッ!



凛「ハァハァ…ダメだった…!」タッタッタッ

凛「とにかく逃げないと!」タッタッタッ

さゆり「………」ダダダッ

凛「…ハァ……ッ!」チラッ

凛(なにあの顔…スッゴく怖い!
  本気で怒った人ってあんなに恐ろしい顔になるの!?)

さゆり「…ッ!」パァン!

凛「っ!…でも怒ってるから
  命中率は悪く…うぁ!!」ズザザザ

さゆり「あーあー…
    こけちゃった、ねぇぇぇ…ふふ」ニヤァ

凛「やば…弾に気をとられて…!」

さゆり「あは?……覚悟はいいかな?」

凛「う、…!」

凛「わぁぁぁあああ!!!」パパパパパパァン!

さゆり「でたー…数打ちゃ当たる作戦」スッスゥッ

凛「あ…あぁ……」

さゆり「後2発…だったよね?
    ぐちゃぐちゃの死体を早く私に見せてよ」

凛「い、嫌…やめ…」

さゆり「知ってる?」

さゆり「イタリアのギャングってのは、
    『ブッ[ピーーー]』って思ったのなら
    その時すでに行動は終わってるの」

さゆり「まぁ、別に私はギャングでも
    イタリア人でもないんだけど」

凛「…?」

さゆり「えーと、要するに」??

さゆり「銃口を向けた私は容赦しないってこと」
ジャキッ!!

さゆり「はぁ…はぁ……」
さゆり「っぶない……!!」

さゆり「あいつ…!完っ全にキレた
    ……絶対にぶっ潰すッ!!」

さゆり「どこに行ったァ!」

凛「!」ダダダ

さゆり「いたぁ…もう逃がさないよ!!」ダッ!



凛「ハァハァ…ダメだった…!」タッタッタッ

凛「とにかく逃げないと!」タッタッタッ

さゆり「………」ダダダッ

凛「…ハァ……ッ!」チラッ

凛(なにあの顔…スッゴく怖い!
  本気で怒った人ってあんなに恐ろしい顔になるの!)

さゆり「…ッ!」パァン!

凛「っ!…でも怒ってるから
  命中率は悪く…うぁ!!」ズザザザ

さゆり「あーあー…
    こけちゃった、ねぇぇぇ…ふふ」ニヤァ

凛「やば…弾に気をとられて…!」

さゆり「あは?……覚悟はいいかな?」

凛「う、…!」

凛「わぁぁぁあああ!!!」パパパパパパァン!

さゆり「でたー…数打ちゃ当たる作戦」スッスゥッ

凛「あ…あぁ……」

さゆり「後2発…だったよね?
    ぐちゃぐちゃの死体を早く私に見せてよ」

凛「い、嫌…やめ…」

さゆり「知ってる?」

さゆり「イタリアのギャングってのは、
    『ブッ殺す』って思ったのなら
    その時すでに行動は終わってるの」

さゆり「まぁ、別に私はギャングでも
    イタリア人でもないんだけど」

凛「…?」

さゆり「えーと、要するに」

さゆり「銃口を向けた私は容赦しないってこと」
ジャキッ!!



凛「…ッ」

さゆり「じゃ、バイバ──」ビシィッ!!

さゆり「…は?」


さゆりの背後に何かが当たる??
足下に転がった『ソレ』を見て、驚愕する


さゆり「…なっ、……た…」


さゆり「…『弾』……?」

凛「え、…な、何?」

さゆり「てめぇどうやりやがったぁぁあああ!!」
パァン!

凛「ッ!!!」パァン!



さゆりの放った弾は着実に凛に命中
一方、凛の放った弾は地面に激突

しかし、弾はそれで止まらず『大きく跳ねた』ッ!



さゆり「!!」ビシィッ!

さゆり「…へぇ」

さゆり「なるほど、ね…それがあなた…
    星空 凛のスタンドなんだね」

凛「…こ、、これが凛の…ッ!」

さゆり「もしかして今発現しました、って感じ?」

さゆり「だけど残念だね。折角スタンドが
    発現したのに今から死ぬんだから」ポイッ

凛「ッ!」ジャキッ!

凛「……ネズミ?」

さゆり「そのネズミには」ジャキッ

さゆり「既に2発、弾を撃っている」パァン!


凛の目の前で炸裂するネズミ
爆散した骨が突き刺さることに
ダメージがないことは既に知っている

しかし、さゆりの狙いはそこではない


凛「ぅっ!…め、目が!!」

さゆり「どう?その血の目潰しは…
    痛くないけど何も見えないでしょ?」

凛「!!」ゴシゴシ

さゆり「楽しかったよ…凄くハラハラした」

さゆり「だけど…
    私が負けることなんてないんだよ?」

「……ふぅん」
「これでもそういえるんかな?」カチャ


さゆりの後頭部に銃口が突きつけられた


さゆり「!?」

さゆり「な、その声…は……」

凛「希ちゃん…!」

希「よう頑張ったなぁ凛ちゃん
  …頼まれたことは終わったよ」

さゆり「…し…しずくぅ!!聞こえる!?」

さゆり「こいつらを撃って!!早く!!」

希「…残念やね」

さゆり「…!?」

ー ー ー ー ー ー

しずく「木が薙ぎ倒されて…ッ!
    さゆりは無事でしょうか…?」

しずく「……ふぅ」

しずく「なんとか無事のようですね」

しずく「さて、追跡を続け…」
希「それは遠慮して欲しいな」ポン

しずく「!?」
しずく「い、いつの間にッ!!」

希「うちのスタンドなら
  こっ~そり背後に立つことぐらい訳ないんよ」

しずく「滑ってきたのですね…」

希「そ!」
希「折角やし体験してみたら?」トン

しずく「え?」ツルッ

希「今なら無料サービス中」

しずく「くッ!!」パァン

希「…っ」ビシッ

しずく「さゆりぃぃいい!!」?ツルルルルル




ー ー ー ー ー ー


希「凛ちゃんが囮になるのは賛成やなかったけど…
  2人を引き剥がす作戦自体はいいもんだった」

さゆり「そんな…しずくが…ッ!!」ギリッ

希「うちも死体とかみたくないからなぁ…」

希「今も、どっかで滑ってるんやないかな?」

凛「…助かったぁ……」

希「さぁさぁさぁ!
  随分ウチらをかわいがってくれたなぁうん?」

さゆり「ちょ、ちょっとまって!
    わかった!ごめん謝るって!!」

希「…今更そんな命乞いを聞くと思うん?」

さゆり「うぁ…おぉぉ、お願い許して…!」


希「ゲームセット」ジャキッ

さゆり「アァァアァアアッ!!」


パァァン…





弾は上空に放たれた


希「死体は見たくないって言うのに
  ………本当に撃つわけないやん」

凛「…脅したの?」

希「そ、…どうやら効果抜群やったようやね?」

さゆり「ブクブクブク…」

凛「人って本当に泡吐くんだ…」

シュゥゥゥゥゥゥァ

希「…お、木が消えて」


ブアッ!!!


凛「も、戻った…?」

希「はぁ…疲れた…」

しずく「…………ウッ…」

さゆり「」ブクブクブクブク

凛「しずくって人…酔って気絶してるね…」

希「結構回したからなぁ…」

凛「…『expert』?」

希「……今はそんな気分やないね」

凛「ハイタッチは?」スッ

希「それには大賛成♪」スッ

パシィィィイン!



星空 凛…生存(スタンドを発現)
東條 希…生存
兵藤 さゆり…再起不能
桜坂 しずく…気絶


←To Be CONTINUED


リトル・ブーツ
本体(星空 凛)

能力…
触れた物を跳ねさせることができる能力
凛自身まだよくこの能力の特性を理解していない

ステータス…
破壊力───D スピード─C
射程距離──D 持続力──C
精密動作性─E 成長性──A

元ネタ…
女性シンガー『Little Boots』



第04話
「変異体乙女達」



希「はは……にしてもほんまに疲れたなぁ…」

凛「しばらくは病院で寝ていたいにゃ」

希「…ちょっと前の凛ちゃんに
  その台詞を聞かせてあげたいなぁ」

理事長『東條さん!星空さん!』

凛「その声は…理事長先生?」

理事長『よかった…、繋がった…!』

理事長『今から ことりをそっちに向かわせるわ
    どこにいるかわかるかしら?』

希「病院を出てすぐの所です…みんなは?」

理事長『慌てているけど全員 無事よ
    しばらく待っていてちょうだい』

希「…やってさ」

凛「はぁ~…ラーメンが食べたいにゃぁ…」

希「そーいやお腹すいたなぁ」

フッ──────


希「うちも焼き肉をこう…ガブッ…と………?」

希「…急に辺りが暗」



空を見上げた2人が目撃したのは巨大な『岩』だ



凛「な、なにあ──」
希「凛ちゃんッ!!」ドンッ!
凛「うっ!」

バゴォォオオオオオォォオ!!!



希の咄嗟の機転で回避できた2人、落ちてきた岩が砕け散り、暴風と地響きをもたらす


凛「あ、ありがとう…希ちゃ……」
希「…………っ」


希の顔は恐怖と絶望で埋め尽くされていた


凛「…希ちゃん?」



理事長『何事ですか!?』

希「理事長…ことりちゃんに
  全速力で来るように伝えて…」

「はぁーい、特ダネを探しにきたよ」

希「こいつは……ヤバい…ッ!!」



ポニーテールの髪型で
左手に本形のメモ帳を持ち
右手には小指を立てながらシャープペンシル
希が『ヤバい』と表現した少女はそんな容姿だった



ポニテの女「…東條 希さん♪」

希「何てタイミング…ッ…卑怯者」

ポニテの女「『お利口さん』っていって欲しいな」

凛「希ちゃん…この人の事知ってるの?」 

希「……知ってるもなにも…」


希「こいつがウチらを狙う『敵』の主犯格ッ!!」


「正しくは『こいつら』ではなくて?」

「イグザクトリー…千鶴子の言う通り」


そういって現れる、アダルトな雰囲気をかもしだす紫髪の女と、所々英語が混じった眼鏡をかけた外国の女


凛「なんかいっぱい来ちゃったよ
  …ど、どうすればいい!?希ちゃん!」

希「…凛ちゃん…避難してて」

凛「え?」

希「今でてきた2人のスタンドは知らんけど
  あのポニーテールの方は強すぎる…ッ」

希「……でも」

希「時間を稼ぐぐらいなら…ッ!!」ズォン!!

ポニテの女「…あれ?マカロンちゃんは?」

希「ことりちゃんならまだここにはいないッ!!」

ポニテの女「なぁんだ安心したよ…
      あの娘、凄く強かったからさ」

ポニテの女「さて、マカロンちゃんがいないなら」

眼鏡の女「ストップ!ちょっと ななっち!?
     今日は闘いにきたわけじゃないの!」

紫髪の女「そうですわ、私の能力が途切れたから
     用事を済ませた『ついで』に
     2人を回収しに来たのですよ?」

ポニテの女「わかってるって…ケチだなぁ」スッ

ポニテの女「どれどれサバゲー女は…
      あー、こりゃ再起不能かな。
      とりあえず、しずくの方だけでも…」


ポニテの女「じゃ、そーゆーことでバイバ───」
希「のこのこと帰すとでも思ったのッ!!」グワァ!

ポニテの女「怯えるぐらいなら無理に挑むこと
      ないのに…口調変わってるよ♪」パシ


リサ・ローブの繰り出した拳を
敵スタンドが容易く掴み、防いだ


紫髪の女「やめませんか!なな──」

ポニテの女「だいじょぶだいじょぶ!
      ちょっと遊ぶだけだからさ♪」

メリメリメリメリ

ポニーテール女が手に力を込める


希「つ……ッ!!こいつッ!!」ツル


自らの手を滑らせて、手が握り潰されるのを回避


ポニテの女「…はぁ」

ポニテの女「やっぱりあなたのスタンドは
      『滑らせる能力』なんだね?」

希「……」

ポニテの女「…」

ポニテの女「はぁ、もういいや」

ポニテの女「『マルーン5』」バリィインッ!!

凛「な、なにあれ…地面が!」


硝子の如く叩き割られた大地


ポニテの女「あげるよ」ヒュヒュヒュン

希「ッ!?」


先の尖った地面の破片を大量に投げてきた
その破片は金属のような光沢を持っていた

希「おぉおぉおおおッ!!」
ブワアァァァァア!!


拳を連続で叩き込み、破片の軌道を逸らそうと試みる

しかし、右太股と左肩に突き刺さり
衣服が血で滲む





希「う、…ぐあ……っ!」

ポニテの女「やっぱ手応えないよ、あなた」グイッ

希「ぐ……ぁ…」

凛「…あ、…の、希ちゃ…」



『助けなくては』と頭で考える

『刃向かうな』脳がそう答えた



動かないこの体では、
凛はその光景をただ眺めることしかできなかった



ポニテの女「少し反省してきなよ」

ズバンッ!!
希「ッ!!……ガフ……」   カランカラン…

凛「の!」



敵のスタンドが希の胸を貫いた



凛「希ちゃああああああんッ!!」

ポニテの女「はい、これどーぞ」ポイッ

ドサッ

凛「の………のぞみ…ちゃ」

希「…」

希「……ぁ……ゥッ……」

凛「よかった!!まだ息がある!!」

ポニテの女「あれ?まだ生きてたの?」

ポニテの女「しぶといなぁ…なら、とどめを…」

眼鏡の女「ななっちッ!!」




眼鏡の女「もう充分でしょ?早く帰るわよ
     これはリーダー命令…オーケー?」

ポニテの女「うぅ…わかったよぉ」カツン

ポニテの女「……あれ?これなんだろ?」スッ

凛「しまった…『矢』がッ!!」

紫髪の女「よくわからないですが、
     どうやら大切な物らしいですわね」

ポニテの女「へぇ…もらっておこっか♪」

ことり「希ちゃん!凛ちゃん!!」タッタッタッ

花陽「ひ、…酷い!!」

凛「こ…とりちゃ、かよちん…のぞみちゃんがあぁ…」

ことり「大丈夫!生きてさえいれば
    マカロンでキズは癒せる…!」

ことり「凛ちゃんもよく頑張ったね」

凛「うぅ……ことりちゃん…でも…」

穂乃果「希ちゃん!援助しっかりっ!!」

海未「落ち着いて下さい穂乃果!!」

眼鏡の女「もう…軍が来ちゃったじゃない」

ポニテの女「あはは…」



ことり「…!…あなた…この前の」

花陽「……?」

ポニテの女「あっあ~、待って待って
      今日はもう帰るの、だから…ね?」

紫髪の女「そんなことより早く治療しないと
     その方が天に召されてしまいますわよ?」

ことり「…くっ」

ポニテの女「そーゆーことで!」

眼鏡の女「バーイ!また会いましょう♪」

紫髪の髪「ご機嫌よう」


タッタッタッタッタッ…

穂乃果「か、帰った…?なんで?」

ことり「みんな!早く病室に連れて行くよ!手伝って!」

海未「はい!勿論です!」

花陽「……」

花陽「…今の人達…もしかして」

海未「花陽!なにしてるんです早くッ!!!」

花陽「う、うん!」


ーーー病室ーーー


絵里「希!!」ガララ!!

希「え…えりち…」

絵里「よかった…大丈夫なのね……」

希「ことりちゃんのお陰で…
  …でも、『矢』が奪われて…っ!」

絵里「なにいってるのよ…
   私たちで希に預けようって決めたのよ?
   責めるわけないじゃない」

絵里「『矢』のことは仕方ないわ、
   それより希が生きててよかった…」

希「えりち…」

ことり「まだマカロンが馴染んでないから
    完全に治癒したわけじゃないけど
    とりあえずもう大丈夫かな?」

絵里「ことり…ありがとう」

真姫「…敵に襲われたらしいわね」

穂乃果「真姫ちゃん…そうみたい」

真姫「訓練場所は見つけたわ…まさかこんな事になってるとは思わなかったけど」

海未「凛は疲れて寝ています…
   さぞかし辛かったでしょう」

花陽「…」スッスッスッ
花陽「…!」

海未「…花陽?……気分が優れないのなら
   休んでもいいですよ?」

花陽「…」

花陽「みなさんに…聞いて欲しいことがあります」

穂乃果「…?」

花陽「希ちゃんを…」
   μ'sを狙う敵が何者なのか判明しました」

ことり「かよちゃん…?今…なんて」



花陽のスマホの画面に映るのは4人の少女



希「…?」

ことり「この人達が……?」

花陽「…普段はマスクを付けて活動していたので、
   最初見たとき分からなかったのですが…」

花陽「彼女たちのマスク無しの素顔がこちらです」

映し出された女性の顔に希は、確信をもち、花陽に問いただす


希「ポニーテールッ!…こ…この4人組はいったい…?」



花陽「 『Mutant Girls』 」



花陽「第2回『ラブライブ!』
   地区予選で脱落したスクールアイドルです」

穂乃果「スクールアイドル…?」

花陽「ポニーテールが特徴的な『森嶋 ななか』
   アイドルと共に新聞部としても
   活動していたみたいです」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117887.jpg


花陽「大人びた紫髪の『坂巻 千鶴子』
   学校では風紀委員を務めているらしいです」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117885.jpg


花陽「そしてリーダーの『レベッカ』
   趣味は寺巡りで日本が大好きらしいです
   …愛称はベッキー」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira117886.jpg


ことり「あれ…それなら1人足りなくない?」

希「ポニーテール…紫、眼鏡
  ……この娘がおらんようやね」

花陽「…」

希「花陽ちゃん?」

花陽「……彼女は既に亡くなっています」


希「え?」

花陽「数ヶ月前に自殺を…その3日後
   グループは活動を事実上解散しました」

絵里「…」
絵里「…その自殺した娘
   その娘が原因なんじゃないかしら?」

海未「…といいますと?」

絵里「あくまで推測よ?」

絵里「自殺の原因はラブライブ!に
   出場できなかったから…とか」

海未「…しかし」

花陽「彼女は誰よりもラブライブ!に
   出たがっていました…
   その可能性も充分ありえます」

絵里「そんな中ギリギリ予備予選を通過した
   私たちを妬み、私たちのせいで
   『仲間は自殺した』…なんて考えてたら…」

真姫「妬み…ね」

穂乃果「………」



ことり「お母さん…」

理事長『わかってるわ、
    矢澤さんには私から伝えておくわね』

絵里「敵の正体の暴くことを にこ には
   お願いしてたのですが…
   これからは敵の素性を調べてきて欲しい
   と伝えてもらえますか?」

理事長『勿論よ…とりあえず
    今日はぐっすり休みなさい』

絵里「お願いします」

希「…ここは理事長の言うとおりにしよか」

ことり「そうだね…ことり も
    マカロンを作って疲れちゃった」

海未「そういえば、私たちを回復するときは
   かなりのマカロンを使ってたみたいでしたが
   その時は大丈夫だったのですか?」

ことり「あの時は小さな傷だから『橙マカロン』で
    傷を癒やすだけだったんだけど…」

ことり「今回の希ちゃんみたいに肉体を
    大きく損傷した場合は『緑マカロン』を
    使って肉体そのものに近いものを作るの」

ことり「緑マカロンは馴染んでようやく完治だから
    即効性はないし…なにより私自身へ負担が
    他のマカロンと比べて段違いに大きいの」

海未「そんな制限もあるのですね…」

絵里「2、3日は休みなさい…特訓はそれからよ」

穂乃果「…」

絵里「…穂乃果?」

穂乃果「あ、ごめん……
    私たちと同じスクールアイドルに
    命が狙われてると思うとちょっとショックで…」

花陽「…前にも言いましたがアイドルというのは
   残酷な格差社会なんです
   こればっかりはどうしようも…」

絵里「考えても仕方ないわ…今は休みなさい」

穂乃果「…うん」


ー ー ー  ー ー ー

ななか「ベッキー、これ結局なんなの?」

レベッカ「ウェイト…その『矢』みたいな物が
     なんなのか手当たり次第調べてるから」

千鶴子「見たところ石で作られたのではなくて?」

ななか「もう面倒だしさ…
   『帽子』で調べてみたらいいんじゃない?」

レベッカ「嫌よ、あの人怖いんだもの」

千鶴子「どう考えても『そっち』の方が
    恐ろしいと思いますわよ…?」

ななか「ベッキーてたまにズレてるとこあるよね」

レベッカ「うるさい……あ…これ、かしら?」

レベッカ「…ヒット!見つけたわ!
     その『矢』についての情報ッ!」

ななか「ほんと?どんなものなの?」

レベッカ「……オー…いや、…グレイト」

ななか「おーしーえーてーよー!」ジタバタ

レベッカ「『その矢に刺された者は
      スタンド能力が目覚める』…って」

ななか「え、これマジに特ダネじゃない?」

千鶴子「…その『矢』どうします?」

レベッカ「利用するに決まってるじゃない」

レベッカ「私たちで決めたのよ、
     必ず…あの娘を助けるって」

ななか「…うん、絶対だよ」

千鶴子「そうですわね。
    利用できる物はなんでも利用しますわ」

レベッカ「もう少し…もう少しだけ待ってて
     あなたを必ず救ってみせるわ……瑞希」

~  ~  ~  ~  ~


あの雨の日からどれだけの時を重ねてきただろうか

少年は青年になり、背も随分伸びた

成人になる少し前

青年は1つの目的を成し遂げようとした




「やっぱり今のままじゃあダメなんだ、
 あの世界に……みんなのいるあの世界に…!」




青年は模索した

あの忌々しき神父が世界を変えた方法を元に



だが、世界は元に戻らなかった



「…やはり無理なのか…」



結果として、世界に少し変化は起きた

『彼女達がいた』世界を彼は創りあげた



「だけど…これでいいんだ…
 僕に死者をどうこうするなんて…」



青年は怖かったのだ

この一族を再び蘇らせることは

『奴』との因縁も蘇らせてしまうのではないか…と




「今の世界ということに変わりはないけど
 これで前の世界の住人がほんのちっぽけな
 人数だけど『いたことになる』…」


「記録だけは…残った」


「みんなの『意志』と
 『精神』は…僕が子孫に語り継ごう」


「それでいいよね……お姉ちゃん…」




こうして『この世界』は生まれた

←To Be CONTINUED

<誤>
穂乃果「希ちゃん!援助しっかりっ!!」

海未「落ち着いて下さい穂乃果!!」

眼鏡の女「もう…軍が来ちゃったじゃない」


<正>
穂乃果「希ちゃん!しっかりっ!!」

海未「落ち着いて下さい穂乃果!!」

眼鏡の女「もう…援軍が来ちゃったじゃない」

第05話
「特訓に行こう」


ゴトンゴトン…ゴトトン


ことり「真姫ちゃんの別荘?」

真姫「私の…って、いうかパパのなんだけどね」

絵里「寝泊まりできる家屋があって
   人に見られないし巻き込まない
   …おまけに充分過ぎる敷地もある」

絵里「正に特訓には最適な場所よ」

真姫「遠いからこうやって電車で行くんだけどね」

穂乃果「ほぇ~…お金持ちは違うなぁ」

凛「成金」

希「箱入り娘」

真姫「あなた達ねぇ…
   意味分からずに使ってるでしょ」

花陽「特訓かぁ…大変だろうなぁ」

海未「そうですね…
   おや、そろそろじゃありませんか?」

ーーーしばらく歩いてーーー


穂乃果「ひ…広い!」

ことり「ほ、本当に ここ周辺が
    真姫ちゃんの別荘なの?」

真姫「ここらへん、というかこの山全部が敷地よ」

真姫「パパがアウトドア用にって言って買ったけど
   結局使わずじまいだったのよ」

希「ここでお肉食べたらなん最高やろうなぁ……」

花陽「ご飯が進みそうです…!」キラキラ

絵里「さぁ、荷物を置いたら
   チームを2つに分けるわよー」


~ ~ ~ ~ ~ ~

Aチーム
穂乃果 海未 希 絵里

Bチーム
凛 真姫 ことり 花陽



絵里「こんなところね」

絵里「Aチームは穂乃果と海未のスタンドを
   発現させることに集中する」

穂乃果「頑張ろうね海未ちゃん!」

海未「えぇ、頑張りましょう」

希「ハードなのいくで?」

絵里「Bチームはスタンドが発現したばかり
   凛、真姫の2人の特訓を中心にね」

凛「真姫ちゃんに なんか 負けないにゃ~」

真姫「メリー」ブォン

メリー「何モ言ウナ賛成ダ」

花陽「あ、あの…喧嘩は…」

ことり「怪我してもマカロンあるから大丈夫だよ」

花陽「そういう問題じゃないよぉ…」


ーーーAチームin河原ーーー


希「…とは言ったものなぁ」

穂乃果「先輩っ!アドバイスを!」

絵里「アドバイス…ねぇ」

海未「なにかきっかけが欲しいのです
   何をどのようにすれば良いのか…
   恥ずかしながら全く見当がつきません…」

希「ふん!ってやったらできるんよ?」

海未「…」

絵里「伝わりにくいとは思うけど、
   希の言ってることはわからなくもないわね」

海未「あってるのですか…」

絵里「気合いを込めるという点ではね」

海未「気合い…ですか」

海未「……」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「ハァッ!!」

穂乃果「おわ!?」ビリビリ

希「さ、さすが武道を嗜んでいるだけあるなぁ…」

絵里「迫力が違うわね…」ビリビリ

海未「……」

海未「スタンド…出てますか?」

希「出てへんなぁ」

海未「く…あれほどの『喝』で発現しないとは…」

穂乃果「よーし!穂乃果もやってみよう!」

穂乃果「えいっ!」

絵里「…」




ズァ!!

うみのぞえり「え」



ーーーBチームin岩場ーーー

凛「で、どうするにゃ?」

真姫「どうするって…」

花陽「花陽はスタンドのパワーを
   上げる特訓にしようかな?」

凛「うーん…凛はスタンドを扱えるようにする!」

真姫「私もそうするわ」
ことり「怪我しちゃったら教えてね?
    マカロンで治しちゃうから」

真姫「わかったわ」


ーーーAチームーーー


絵里「…こんなにあっさりだと逆にショックね…」

穂乃果「いやぁ~穂乃果って
    スタンド使いの才能があったのかも♪」

海未「ほ、穂乃果ですら出来ることが…」

穂乃果「あれ?バカにされてる?」

希「ところで、名前はどうするつもりなん?」

穂乃果「えへへ~実は前から考えてたんだ」

穂乃果「『カーリー・レイ』っ!」ズァン

穂乃果「ッ~~~!」
穂乃果「かっくいいーー♪」キラキラ

希「えらい喜ぶなぁ…」

絵里「本人が嬉しそうならいいじゃない」

海未「なんという屈辱…ッ!」

穂乃果「やっぱりバカにしてるよね!?」

絵里「じゃあ、私は穂乃果の能力が
   なんなのか模索してみるわ」

希「なら、うちが海未ちゃんを見ることにするな」

海未「お願いします…」

~数時間後~

ーーーBチームーーー

凛「…」スゥゥゥ

凛「…」

凛「『リトル・ブーツ』ッ!」ズン!

凛「にゃあああ!!」シュシュシュ

真姫「…凄いわね、もう充分動かせてるじゃない」

メリー「少シ遅メダケドナ」

真姫「それはこれから伸びるんじゃないの?」

メリー「ソレモソウダナ」

凛「ふー…、どうかな?かよちん」

花陽「凄いよ凛ちゃん!」

凛「えへ~♪かよちんはどうだった?」

花陽「花陽はまだまだ…かな?」

凛「そっか…って、ちょっぴり暗くなってきたね」

ことり「みんなーー!」

花陽「あ、ことりちゃんの声が
   聞こ……て、テント明るいなぁ…びっくり」

ことり「少し休憩しよーマカロンもあるよー」

凛「食っべるにゃー!!」

ことり「はいどーぞ♪」

真姫「それって、スタンドで作ったマカロン?」

ことり「そうだよ、青マカロンは『栄養満点』
    体にいいマカロンなんだ」

ことり「青だけど味はおいしいから我慢してね?」

真姫「…おいしい」サクサク

花陽「わ、ほんとだ…おいしい♪」mgmg

ことり「ホットミルクもあるよ♪」

凛「ぬくぬくにゃぁ~…」ポカポカ

花陽「…それより、ことりちゃんライター
   持ってきてたの?焚き火なんか焚いてるから
   びっくりしたよぉ」

ことり「うぅん、この火もマカロンの効果で
    赤マカロンに衝撃が加わったら火が出る
    っていう特性なんだ」

ことり「ちなみに…このテントが明るいのは
    黄マカロンが発光してるお陰だよ」

真姫「ことりの能力は なにかと便利よね…」

ことり「これ食べてもうちょっと頑張ってね!」

凛「おー!」


ーーーAチームーーー

海未「…一体どうすれば……」

希「もう疲れたやろ?あんまり無理しても
  ええことないし、今日はおしまいにしよっか」

海未「し、しかし…」

希「根詰め過ぎても身体を壊すだけ!」

希「リラックスすることも大切なんよ?」

海未「リラックス…」

希「えりちー!今日はもう別荘に戻るよー!」





絵里「…ん?」

<カエルデー!] 

絵里「…だって、お疲れ様♪今日はお終いよ」

穂乃果「うぅ…結局 能力わかんなかったよぉ…」

絵里「なに言ってるのよ…発現しただけでも
   凄いわよ、さぁ帰『ズドォオオオンッ!!』

穂乃果「おわっ!!」

絵里「な、なに!?」




希「う、…海未…ちゃん?」

海未「……」


所々が砕けた河原の石
飛沫を上げて飛び散る水滴
水面に広がる大きな波紋
驚きを隠せない希に
飛び散った水滴が雨の如く降り注ぐ


希「海未ちゃん…?これ、海未ちゃんが…」

海未「……希」

海未「気分が……悪…」ドサッ

希「え!?海未ちゃん!!」ガシッ

絵里「希!今のな……ちょっと海未!大丈夫!?」

希「えりち!穂乃果ちゃん!手伝って!」

穂乃果「う、うん!」



ーーーBチームーーー

オォォォォォン……

凛「…ん?なんの音だろ」

真姫「どこかで工事でもしてるんじゃない?」

理事長『ことり!』

ことり「きゃ!…お母さんっ!
    急に出てこないでって言ってるのに!」

凛「あ、理事長先生?」

ことり「うん…もうなんなの一体…」

理事長『早く別荘に戻りなさい!
    海未ちゃんが倒れたらしいわ!』

ことり「え!?」

ことり「わ、わかった!すぐ戻るね!」

花陽「どうしたの?ことりちゃん」

ことり「海未ちゃんが…!!」?


ーーー別荘ーーー

ことり「海未ちゃん!」バン!

穂乃果「ことりちゃん!」

ことり「お母さんから聞いたよ
    海未ちゃん大丈夫?」

海未「こ…ことり?」

ことり「とりあえずこのマカロンを食べて!」

海未「はい……」サク

ことり「…どう?」

海未「すみません、ことり…あまり効き目は…」

ことり「うぅ…肉体的な傷じゃないから
    効き目がないのかな…?」

花陽「真姫ちゃん、なにか分からないかな?」

真姫「まだ医学について詳しくないんだけど…」

真姫「海未、体調はどんな感じか言える?」

海未「めまいと頭痛がして…食欲もないです
   ……身体もほんの少し痺れます…」

真姫「…凛、水と塩を持ってきて」

凛「うん!」

絵里「真姫…なにかわかったの?」

真姫「おそらく…『脱水症』ね」

希「脱水症って身体に水が足りてないってこと?」

真姫「正確には体液の減少によって
   電解質も同時に失われることなんだけど…」

絵里「今日、そんなに暑かったかしら…?」

真姫「確かに気温の高い日に起こりやすいわね」

真姫「脱水症になるまで特訓させてたの?
   ちょっぴり無理させすぎじゃない?」

希「いや…水分は こまめにとらせてたし
  小休憩も挟んだつもりなんやけど…」

凛「もってきたよ!」

真姫「ありがと、凛」サラサラ

真姫「海未、これ飲んでくれる?」

海未「ありがとう…ございます」ゴクッ

海未「…おいしいです」

真姫「塩を入れただけよ
   やっぱ塩分も不足してたのね」


真姫「少し寝てなさい、すぐに良くなるわ」

ことり「海未ちゃん次はこのマカロンを食べて?」

ことり「この藍マカロンを食べて寝ると
    身体の回復が一気に高まるんだ」

海未「ありがとうございます、ことり…」

穂乃果「もう大丈夫なの?」

真姫「多分ね」

穂乃果「よかったぁ…」ホッ

真姫「ところでそっちのチームはどうだったの?

真姫「こっちはみんな上達したわよ…特に凛は」

凛「えっへん!」

絵里「こっちの2人も充分 成長したわよ穂乃果は
   スタンドの発現が出来るようになったわ」

穂乃果「カーリー・レイだよっ!」ズァン

花陽「能力は?」

穂乃果「それはまだ分からないんだけど…あはは」

凛「海未ちゃんは?」

希「海未ちゃんのスタンドは見えへんかったけど…
  能力の片鱗は見たかもしれんなぁ」

真姫「なによそれ」

希「海未ちゃんのスタンドは計り知れない程の
  パワーを持っているかもしれんのよ」

希「やけど、海未ちゃんが何をしたのかは
  見ていない…見たのは結果だけ」

希「その後…急に倒れたんやけど」

絵里「海未の能力と関係があるのかしら…?」

希「どうやろうなぁ…」

花陽「う、海未ちゃんも無事だったし
   …私たちも休んだらどうでしょうか…?」

凛「お腹減ったにゃー!」

穂乃果「あ!穂乃果もー!」

ことり「そうだね!晩ご飯作ろっか♪」

~ ~ ~ ~ ~

絵里「ふふ…こうやってみんなと
   カレーを食べてると合宿を思い出すわね」

真姫「にこちゃんが足りないけど…
   ま、うるさいのが減ってちょうどいいわね」

希「にこっちがおらんけん寂しいんやね」ナデナテ?

真姫「なっ!そ、そんなんじゃないわよ!」

凛「もはやテンプレにゃ」モグモグ

花陽「真姫ちゃん素直じゃないもんね」パクパク

穂乃果「ことりちゃんカレーすごくおいしいよ!」

ことり「でもにこちゃんのカレー程じゃ…」

穂乃果「でもおいしい!」

ことり「…ありがと、穂乃果ちゃん♪」

海未「穂乃果は作れませんからね」

穂乃果「流石にカレーぐらい作れるよ!?」

穂乃果「野菜切って煮込んでルゥをドボン!」

海未「…合ってますが雑ですね」

ことり「ふふ♪」

ことり「あ、海未ちゃん雑炊のおかわり食べる?」

海未「ありがとうございます、…いただきます」

穂乃果「海未ちゃんも元気になってよかったよ!」

海未「はい、真姫の適切な対処と
   ことりのマカロンのお陰でしょう」

真姫「当たり前でしょ?私を誰だと思ってるのよ」

凛「話を逸らすなにゃ、にこラブガール西木野」

真姫「あぁ!もういい加減にしなさいよっ!!」

ーーー翌日ーーー

絵里「買い出し?」

花陽「うん、スーパーがあるって聞いてたから
   あまり食料をもってこなかったんだ」

ことり「かよちゃんと2人でいいんだけど…」

凛「凛も行ーきーたーい!」ジタバタ

絵里「…なるほどね」

真姫「…てことで私は希に
   スタンドの使い方を教わろうと思うわ」

希「よくよく考えたら別荘を無人にするのも
  危険やしね、うちらは別荘の近くで特訓
  することにしよっか?」

穂乃果「この際1つのグループとして
    まとまったらいいんじゃない?」

真姫「そうなんだけど…その」

希「ストレートに言うとな、スタンドの正体がよく
  わからない海未ちゃんの近くに何人も連れてい
  ったらちょっぴり危険なんよ」

海未「う"っ…すみません…」

希「ごめんなぁ…気ぃ悪くせんといてな?」

海未「い、いえ…大丈夫です」

絵里「なら昨日の河原で特訓を続けましょうか?」

穂乃果「おー!」

ーーー河原ーーー

絵里「…あれね、昨日 海未がやった跡」

海未「一体何をしてこの破壊力を発揮したのか
   私にも分からないのですが…」

絵里「それよりなんで急に能力を使えたのかしら…
   海未、どんなアクション起こしたの?」

海未「え"…それは、その…リラックスです!」

絵里「…?」

海未「と、とにかく…
   手から何か出てきたのは覚えています」

穂乃果「なにか出たっていっても…」キョロキョロ

穂乃果「周りには何もないよ?」

絵里「河に流されたんじゃないかしら?」

穂乃果「あー…なるほど…」

穂乃果「…?」

穂乃果「なんだろう……これ?」



穂乃果が目にしたのは『穴』
そこまで深い訳ではないが、浅いわけでもない
自然にできたとは思えないほど綺麗な形の『穴』



穂乃果「あ、もしかして…この穴も海未ちゃんの
    スタンドで開けたやつなのかな?」

穂乃果「海未ちゃーん!絵里ちゃーん!」

穂乃果「これ見てみてよ~!なんか綺麗な穴!!」

絵里「穴なんか見つけてどう───」ピクッ

海未「!?」

穂乃果「…どうしたの?」

絵里「穂乃果…いい?後ろを
   『見ないで』こっちに走ってきて」ゴゴゴ

穂乃果「え?何で?」ゴゴゴゴ

絵里「いいから早くッ!!」ゴゴゴゴゴ

穂乃果「…」ムズッ



『見るな』と言われたら『見たくなって』しまう
穂乃果の好奇心がくすぐられる、
何も考えずにチラッと後ろに振り向いた



穂乃果「え!?なにこ──」

絵里「穂乃果ッ!!」

穂乃果は見てしまった
長く湿った、軟体動物のような『腕』を



穂乃果「わぁああーーッ!!」

絵里「海未!私に掴まって!」

海未「え?」

絵里「早くッ!!」

海未「は、はいっ!」

絵里「『チェリッシュ』ッ!!」ズギュン!

穂乃果「うぐっ!?」ドンッ

絵里「ちょっとキツいわよ…我慢しててね穂乃果」

海未「こ、これは…竹?」

絵里「『備えあれば憂いなし』…よ
   海未!しっかり掴まってなさい!」



チェリッシュ 成長を与える能力

絵里は能力を発現し竹を成長させることにより
穂乃果を押し出すと同時に河原から脱出した



ー ー ー ー ー ー

絵里「…解除」シュン

海未「一体どこから竹を…?」

絵里「チェリッシュの能力と相性のいい道具を
   常に持つことにしてるのよ…といっても
   今は竹の芽しかもってきてないけどね」

絵里「竹の成長は早いから私自信もあまり
   退化しない輪…半年もあれば立派になる」

絵里「逃げれたのはいいとして
   …ここは一体どこかしら」

海未「随分、山上の方に来ましたね…」

穂乃果「うぐぅ…あ、ありがとう絵里ちゃん」

絵里「ごめんなさい、あまりに急だったから…」

海未「それより…今の『腕』は…」

絵里「敵…でしょうね」

絵里「あの『腕』が人間の腕のようには
   見えなかった…あれは敵のスタンド」

絵里「そういえば…
   『穴』がどうとかいってたわね、穂乃果」

穂乃果「なんか不自然な穴が空いていたから…
    ひょっとして、海未ちゃんの能力と関係
    あるのかなぁ…って思ったんだけど」

穂乃果「自然な穴の形に見えなかったんだよね」

穂乃果「それより希ちゃんを呼ばないと!
    敵がいるっていっても希ちゃんと
    絵里ちゃんと真姫ちゃんの3人が
    いたら楽ちんでしょ?」

絵里「そうすればいいのだけれど……
   私達が現在どこにいるのかわからないのに
   どうやって希に私達の居場所を伝えるの?」

穂乃果「あ…そっか」

絵里「それに…できることならば
   2人に危害が及ぶことはなるべく避けたい」

絵里「ここは私達だけで闘うわよ」

穂乃果「穂乃果達が…」

海未「…敵と」

絵里「とにかく
   まずは敵の能力を見分ける必要があ……」

ピトッ

絵里「?…冷た」クルッ



どこからか現れた『腕』が絵里の頬を優しく撫でる



海未「な!…い、いつの間に!!」?

絵里「しまっ───」

腕『…』ブン!

絵里「ヅッ」ブシュ!!


大きく振りかぶった『腕』は絵里の頬を引き裂いた


絵里「っ…こいつッ!!」ドゴン!!


すかさず反撃の拳を繰り出した絵里
『腕』は2つに千切れ、消滅した


穂乃果「絵里ちゃん!!だ、大丈夫?」

絵里「大丈夫よ穂乃果…ちょっと痛いけど…」

絵里「それにしてもこの『腕』…一体どこか」
海未「絵里ッ!!」

海未「後ろからッ!!」

絵里「っ!?」バッ


パッと確認しただけでも4本の『腕』が絵里達に向かって来ていた


絵里「チェリッシュ!!」バッ!!
絵里「竹を『成長させる』ッ!!」ズギュン!!

ズガガガッ!!

成長した何本もの竹に2本の腕が動きを止める

しかし、残りの2本は関節のないおかげなのか
ぬらりと竹の間からこちらを攻撃しようと
向かってきていた


海未「絵里!まだ腕がッ!」

エリ「大丈夫よ海未
   来ることがわかっていてこの程度の速度なら
   チェリッシュで対処できるわ」

しっかりと2本の『腕』に拳を命中させて
危機を乗り越えた




…が!

穂乃果「きゃっ!!」ズバッ

エリ「!?」バキィッ!


突然 穂乃果を襲った『腕』絵里が攻撃し消滅する


海未「穂乃果!!」

穂乃果「だ…大丈夫…
    腕をかすたっただけ……くぅ…!」ズキッ


絵里「そんな…一体どこから…!」シュゥゥ

穂乃果「いきなり…元々ここに生えてた木から
    『腕』が出てきて襲ってきたんだ…!」

海未「この木ですね…」

絵里「何かおかしな点は?」

海未「……いえ、特になにも」

絵里「必ずなにか条件があるはずよ
   …見つけなくては!!」

絵里「穂乃果、海未…3人で背中を合わせるわよ」

海未「なるほど…それならどこから
   襲ってくるか分かりますね」

絵里「目的はそれだけじゃないわ
   この腕スタンドの『本体』を探すのよ」

穂乃果「本体?」

絵里「この『腕』の動きは正確過ぎる…
   きっと近くで本体が操作してるに違いない」

絵里「出てきなさいッ!
   近くにいるのは分かってるのよ!」

「…騒がしい小娘だな」ザッ


病的な程に白い肌に灰色のツインテール
全身黒で染められたゴスロリとでもいうのだろうか
街にいたら目立って仕方がない服装の少女


絵里「あら、
   ちゃんと出てくるなんてお利口さんね?」

「誉められたらところで、何も嬉しくないのだが」


海未「絵里…この人が…この敵が!
   馬鹿正直に姿を現したということは…」

海未「私達を『確実に始末できる』という
   確固たる自信がある、ということじゃあ
   ないのでしょうか…?」

絵里「…」

   ウィザード オブ ジ アビス?
?「 深 淵 の 魔 術 師 」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira120260.jpg

アビス「よく覚えておくんだな…
    貴様達の最後を見届ける者の名だ」

穂乃果「…、…?」

絵里(…今のが…名前…?)


アビス「ところで…甘いものは好き?」

海未「!!」バッ!!

海未「……ドーナツ?」


『1人1個までだぞ』…とでも言いたいのか
3つのドーナツを絵里達に投げてきた


アビス「ちなみに我は嫌いだ」


瞬間ッ!
ドーナツの中心部分!すなわちドーナツの穴から
先ほどから襲ってきていた『腕』が現れたッ!!


絵里「うおッ!?」ドゴッ!

穂乃果「わああぁぁあっ!!」

絵里「穂乃果ッ!!スタンドを出して!!」

穂乃果「え?…か、カーリー・レイ!!」ズァン!

絵里「がむしゃらでいいわ!とにかくその『腕』を
   叩きのめしてやりなさい!!」

穂乃果「おぉぉぉおおおッ!!」ブワァァァアア!

アビス「チッ…」

絵里「海未!!」
絵里「『自分の身を守ること』を考えなさい!」

海未(じ、自分の身を守る…?)

海未「!!」バッ!!


海未がとった行動は手を銃の形にして狙いを定める
あの河原で自分が起こした威力の正体は分からない

覚えていたのは…

何かが『手から飛び出た』ということ


海未(あの時もこうやって構えて…)

海未「ッ!!」チュイン


海未の指先からでた謎の弾丸は
『腕』を貫通し、『腕』は消滅
貫通した弾丸はそのまま木に着弾した


アビス「…ほぅ」

海未「…これは」
絵里「2人とも!私に掴まって!!」

穂乃果「海未ちゃん!」

アビス「そう易々と逃がすとでも思ったのか?」

絵里「『穴』と『腕』の関係」

アビス「…!」

絵里「逃げるわけじゃあないわ…
   あなたを倒すために体制を立て直すだけよ」

ズギュン!!



アビス「…能力の法則に気づいたか」

アビス「まぁいい…せいぜい足掻けばいいさ」

~ ~ ~ ~ ~ ~

海未「…」

絵里「とにかく怪我はなさそうね
   …奴はまた襲ってくるわ」

絵里「敵の能力も大体わかったわ対策を練るわよ」

穂乃果「え!?絵里ちゃんわかったの?」

絵里「『穴から腕を出てくる』能力…
   こう考えると全ての物事に納得がいくわ」

絵里「最初に襲われた腕にも…
   ドーナツにも『穴』が存在してた」

絵里「私や穂乃果が襲われた時も…
   よく見てなかっただけで穴が開いてたん
   じゃないかしら?…キツツキとか」

絵里「そしてあの『腕』…スピードもパワーも
   あまり驚異的ではないわ、腕の先端にある
   爪にさえ気をつけていれば負傷の危険もない
   耐久力に関しては殴れば消滅する
   ……問題はあの数ね」

穂乃果「なるほど……」

海未「…」。。。

穂乃果「海未ちゃんどうしたの?」

海未「…」
海未「分かったんです…自分の能力がなんなのか」

絵里「…本当?」

海未「『水分』です」

絵里「?」

海未「『水分を操る』能力…きっとそうです」

穂乃果「水分?」

海未「えぇ…さっき確信しました、
   そういう能力なのだろう…と」

海未「さっき私の撃ったものが木に当たったですが
   ……濡れていたんです、木が」

絵里「濡れて…」

海未「私が昨日 脱水症になったのも大量の水分を
   放出したからじゃないでしょうか?」

絵里「…その能力、操ることができる?」

海未「大雑把な動きぐらいなら…おそらく」

アビス「無謀な作戦会議は終わったか?」


少し離れた所から絵里達を眺めていたアビス


穂乃果「さっきのッ!!」

アビス「そっちが攻めてこないなら、
    こちらからいかせてもらうんだが?」

絵里「いいえ、こっちからいかせてもらうわ!」

穂乃果「こうなったらヤケクソだよ!」タッタッタ

穂乃果「カーリー・レ…おわっ!」ガクン

海未「穂乃果!?」

穂乃果「だ、大丈夫!
    落とし穴にはまっちゃっただけ…だよ」

穂乃果「…」

穂乃果「落と…し、『穴』?」


辺りを見回すと無数や掘られた数々の『落とし穴』

気づいた時には既に遅い
地面から現れたの数え切れない程の無数の腕


アビス「貴様達が呑気に騒いでる間に
    準備をしていたのだ…」

アビス「『備えあれば憂いなし』だったな
    …えぇ?絢瀬 絵里よ」

絵里「…」

絵里「海未」ズァン

海未「え、絵里?」グイッ

絵里「確かあっちだった気が…」

海未「ちょ、ちょっと絵ーー」


『海未を投げ飛ばす』
予想していなかった絵里の行動に
穂乃果は驚きを隠せなかった

穂乃果「え、絵里ちゃ…なにし───」

絵里「来るわよ穂乃果…構えなさいッ!」

アビス「仲間を逃がしたのか…?」

アビス「随分と美しいものだな、友情とやらは
    闇と孤独の中で生きる我には縁のないもの
    だ…最も欲しいとも思わないが」

アビス「だが…逃がす、ということはつまり
    『もう術がない』と捉えていいのか?」

穂乃果「絵里ちゃん…」

絵里「…えぇ、そうね
   残念ながら私はもう打つ手がない」

絵里「だから…最後に教えてくれないかしら?
   レベッカ達の目的と…そうね、なぜあなたが
   奴らに手を貸すのか」

アビス「ふん…まぁいいだろう。
    冥土の土産に教えてやろう」

アビス「彼女達には頭が上がらないな…
    何故ならば私の中に眠っていた力を
    『矢』によって目覚めさせてくれた…」

絵里(『矢』を利用して仲間を増やしてるようね)

アビス「なぜ、狙うのか…と聞かれたら
    恩返しとでも言っておこうか」

アビス「それにどういうことだろうな…
    彼女達の話を聞いていると貴様達を
    無性に殺したくなってきたからな」

アビス「最後に彼女達の目的だが…
    詳しくは我も知らない」

アビス「なにやら『楽園』…とか言っていたがな」

穂乃果「…『楽園』?」

アビス「残念ながら話は以上だ、もう充分だろう…
    さっさと閻魔の顔を拝んでくるがいい」

絵里「えぇ、もう充分よ…」


バシャアアアア!


アビス「…なんだ?」

絵里「『時間は充分に稼げた』」

アビス「……水、か?」


突然 空から降ってきた巨大な水の塊
見上げるともう1つ飛んできていた


アビス「…!!」バッシャァァァアアア!!


アビス「なんだこの水は…一体どこから……!」



~ ~ ~ ~ ~


海未「…スタンド名は、後で考えるとしましょう」


海未「こんな所に山河の上流があるなんて
   …絵里の狙いはこれだったのですね」

海未「私のスタンドで水を
   絵里達の居る所に送り込む…すると」


~ ~ ~ ~ ~ ~


アビス「これが狙いかッ!!」

絵里「そうよ…その『落とし穴』を水で満たすと
   ……そう。『穴』は『水溜まり』になるわ」

絵里「それでもスタンドは出せるのかしら?」

アビス「こっ……この小娘が…!!」

絵里「大人しく再起不能になってもら───」


ボトッ


絵里「…?」



絵里のすぐ傍に落ちてきた物…それは



穂乃果「は…蜂の巣ッ!?」

ブワッ!!

絵里「…っ」


途端に蜂の巣の『穴』1つ1つから小さく大量の
『腕』が絵里に襲いかかってきた

アビス「ふ、ふは…ふははは…」

アビス「ふぅ~…かなり焦ったぞ、
    我に冷や汗をかかせたのだ
    上出来じゃあないか…?」

アビス「だが惜しかったなぁぁああーーー
    運は我に味方してくれているようだッ!」

アビス「フハハハハハハハハハッ!!」

絵里「勝ち誇った顔してんじゃあないわよ、
   あなたの敗北は依然変わりないわ」ガシッ


『腕』の攻撃をお構いなしに
蜂の巣を掴み、アビスに向かって投げつけた


アビス「今更そんな悪足掻き無駄……だ…ぞ、…」

ブゥゥゥゥゥン

エリ「1つ忠告しておいてあげるわね…その
   『全身真っ黒な服』脱いだ方がいいわね」
?
蜂の巣から出てくるを数十匹の『蜂』

エリ「私の能力で巣の中の幼虫を『成長させた』」

エリ「運があなたの味方をしてる?
   勘違いじゃないもいいところよ」

エリ「さぁ、いつまでもつかしら?
   …生身でその蜂の大量の群れから」

アビス「きッ!!」
アビス「貴様ァァアアアッ!!」

    ダスビダーニャ?
エリ「 さ よ な ら ね !」


←To Be CONTINUED



 ア ー ム ・ ジ ョ ー
「深淵の果てから誘う我が隷」
本体(田中 さちこ)

能力…
認識した穴からスタンドを出現させる能力
穴の大きさや深さによって破壊力は変化する
スタンドの像は軟体な腕型

ステータス…
破壊力───C スピード─D?
射程距離──D 持続力──B?
精密動作性─B 成長性──E

元ネタ…
だってだって憶無情

ラスベガス・シック
本体(園田 海未)

能力…
水分を操る能力
水分が手元に無い場合は体内の水分を利用できるが
使い過ぎると脱水症を伴い最悪の場合は死に至る
また、破壊力Bはスタンド本来のステータスであり
水分を高速発射したときの威力は凄まじいものだ

スタンドの像は人型
ステータス…
破壊力───B スピード─C
射程距離──B 持続力──D
精密動作性─C 成長性──C

元ネタ…
ラブアローシュート+(投げ)キッス



第06話
「絶対命令」


花陽「うぅ…スーパー遠すぎるよぉ…」

凛「うん、凄く…遠かった…」

ことり「行くときは手ぶらだけど
    帰りは荷物もあるからね…」

花陽「凛ちゃんが居てくれて助かったよぉ
   …ありがとう、凛ちゃん」

凛「自分の発言にはこれから気をつけるよ…」

ことり「…帰ったらラーメン食べていいよ?」

凛「ちょっとやる気でたかも…」
 
花陽「…あ」

花陽「凛ちゃん、ことりちゃん」

凛「かよちんどうしたの?」

花陽「あれ…」



ポツン、と立っていた小さな小店



ことり「喫茶店…かな?」

凛「へー…こんな所にお店あるんだ
  スーパーに行くときは気づかなかったにゃ」

花陽「あ、そうじゃなくて…あっちの…」

ことり「…台車?」

花陽「お店の人から借りれないかな……なんて」

凛「入るの?」

ことり「行ってみよっか」


~ ~ ~ ~ ~

カランカラン


花陽「お、おじゃまします…」

ことり「わぁ…お人形がたくさん」



オーナーらしきストレートの黒髪の少女がバーなどでよくみるカウンターでポツンと座っていた



「いらっしゃい」

「ここは、喫茶店『ドール』」

花陽「あの…よ、要件があって…」

「待って」

「ここ喫茶店。なに飲む?」

凛「凛は冷たいの!」

花陽「り、凛ちゃん?」

ことり「う~ん、でも来たのに何も飲まずに
    要件だけってのもちょっとアレだよね…」

ことり「私はアイスティーでお願いします♪」

花陽「え、な…なら花陽もアイスティーで…」

「ミントだけど平気?」パカッ

ことり「私は大丈夫だけど…2人は?」

凛「大丈夫!」

花陽「私も大丈夫です‥」

「そう、よかった」


「これがメニュー、選んで」スッ?


<Tea Menu>
・ジンジャー
・オレンジ
・ゆず
・ミルク
・ハニー
・ココア
・ローズヒップ
・ローズマリー
・ソーダー



凛「へ~…ミントティーって
  種類がこんなにあるんだね」

ことり「私はオレンジにしようかな♪」

花陽「迷うなぁ…じゃあ、ゆず でお願いします」

凛「凛はソーダー!」

「少し待ってて」カチャ



棚から取り出されたのは透明な3つのコップ



「…」ガチャッ



冷蔵庫から取り出された液体の入った2つの容器

1つ目には「濃」
2つ目には「普」と表記されている



「じゃあ、オレンジから」



コップに氷を投入
ミントの葉を数枚 散らし
オレンジジュースをベースに
「濃いめ」と表記されたミントティーで割る

最後に半月状に切られたオレンジを添えて
ことりに差し出した



「次に ゆず…だけど時間がかかるから待ってて」

花陽「は、はい」



そう言い、彼女は水を温め始めた


「先にソーダー」



先ほどのようにコップにミントの葉と氷を入れる
「通常」と表記されたミントティーと
水中で泡立つ炭酸に瓶の中から糸を引きながら
とりだされた蜂蜜を混ぜて
4等分に分けたであろうレモンを豪快に投入



「水も温まった…ゆずを作る」?



少し熱いぐらいのお湯にミントを入れる

後にゆず茶を注ぎ大量の氷でソレを冷ました


「召し上がれ」

凛「ミントのソーダーか…初めて飲むかも」ゴクッ

凛「」ピクッ

凛「こ…これは…っ!」

凛「疲れた身体に染み渡る…レモンのおかげかな?
  少し酸っぱいけど蜂蜜との相性が抜群…!」

凛「そして強烈に存在を主張する炭酸…
  さわやかなミントと合わさって
  格別な爽快感を感じるよ…!!」

ことり「このオレンジミントティー…
    歯磨き粉とかのオレンジミントとは
    当然といえば当然だけど訳が違う…」

ことり「柑橘系のフルーティーな香りと
    ミントの冷涼な感じで濃くも後味は
    スッキリ爽やか…」

花陽「こ、このゆず茶のミントティーも
   すごくおいしいです!」

花陽「飲んだ瞬間に広がるゆずの香りと
   自然本来の甘さ…ゆずとミントがそれぞれの
   長所をお互いが引き立てて持ちつ持たれつの
   素晴らしい味わい…!」?

「…とても饒舌」

「気に入ってくれたのね?」??

花陽「とってもおいしいです!
   ……えぇと…店長…?」

「好きなように呼んでくれて構わない」


「ここは姉さんと2人で開いている小さな喫茶店」

ことり「お姉さんと2人でですか…大変ですね」

「大変だが、意外と楽しい」

「さて、要件があったんじゃない?」

花陽「あ、えぇと…その、突然であれなんですが…
   台車を貸していただければと思いまして…」

「台車を…?」

花陽「あの、む…無理なら無理と断ってくれて
   構いません…おいしいティーも頂けたので」

「…構わない」

凛「ほんと!?やったねかよちん!」

「だけど…条件がある」

「ここは1つ、私と勝負をしてくれない?」

花陽「勝負…ですか」

「勘違いしないで、
 私は拳で語り合おうっていうタイプじゃあない」

「トランプとかオセロとか、そういう類の勝負」

「ご覧の通り、客足が少なくて退屈してた
 …つき合ってくれる?」

ことり「私達が勝ったら
    台車を貸してくれるんですね?」

凛「凛達が負けたら?」

「私のお願いを聞いて貰う…これでどう?」

凛「凛はいいよ」

ことり「ことりもそれで♪」

花陽「それじゃあ…お願いします」


凛「じゃあ凛からでいい?」

「私は誰からでも構わない」

「最初は軽いものがいいかな」スッ

凛(…どこの国のコインだろ?)

「コイントス…手っ取り早くて好き」

?「裏と表…どちらがいい?」

凛「う~ん…じゃあ『表』!」

「私は『裏』」ピッ



親指と人差し指の上にコインを乗せる
弾かれたコインがカウンター上で向いていた面は…



「この柄は…『裏』」

凛「うにゃあ…まけちゃったよ~…」

花陽「あはは…仕方ないよぉ」

「では…負けたのならば私の願いを聞いて貰おう」

凛「え?…う、うん」


「期限は死ぬまでずっと」ズァン


花陽「!!」

ことり「ス!スタンドッ!
    …凛ちゃん構え………凛ちゃんッ!?」

凛「な…なにこれ…身体が…ッ!?」



凛の背中から生えた道化師のようなスタンド
その指先から出ている糸は
凛の四肢やあちらこちらに複雑に繋がっていた



「あなた…凛っていうの?」

「あなたは勝負に『負けた』
 敗者は私の大切な『糸人形』になる
 …………それが『メイレイ』の能力」

ことり「あなたは…!」

「自己紹介が遅れた、私は黒羽 咲良」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira121481.jpg


咲良「黒い羽で『黒羽』花が咲くの『咲』に
   良心の『良』で『黒羽 咲良』」

咲良「まずは1人目…楽勝」

花陽「…コインは『表』になっていた
   可能性もあるはずです……偶然…?」

咲良「このコイン…どっちが『裏』で
   どっちが『表』か説明した?」

ことり「…どっちの面がでたところで
    『裏』にするつもりだったってこと?」

凛「そんな…インチキ!!」

咲良「恨むのならこんな簡単な手に
   引っかかるあなたの頭を恨んで」

凛「この…ッ!!」

咲良「それに…なんと言われようが
   必要なものは勝ったと言う結果だけだから」

ことり「…凛ちゃんを元に戻して?でないと
    こっちもそれなりの手段を取らなくちゃい
    けなくなるよ」ズァン

咲良「言っておくけど
   私を再起不能にさせよう何て考えないで」

咲良「私の意識が強制的に途切れると
   その『糸人形』は操る『糸』を
   失って身体が動かなくなる」

咲良「早い話、一生寝たきり」

凛「そんな…」

咲良「解除させたいなら私に勝つ
   それ以外の方法はない」

咲良「勝負は『ババ残し』で決める」

花陽「ババ残し…?」

咲良「私の作った遊び、ルールはババ抜きの逆
   『ババが残った人の勝ち』ただそれだけ」

咲良「3人で行う、
   2人だとすぐ終わってしまうから」

凛「かよちん…ことりちゃん…」

ことり「大丈夫だよ凛ちゃん…
    私達が必ず助けるから」

花陽「わかりました、
   だけどこっちにも条件があります」

咲良「何?」

花陽「今そこにいるカウンターから出て
   この円形のテーブルで勝負をしてください」

咲良「わかった」

花陽「カードを配るのもシャッフルするのも
   こちらが行います」

咲良「どうぞ」

花陽「それと…」

花陽「私達が勝ったらあなたに情けはかけません…
   それを覚悟した上で勝負に望んでください」

咲良「…おもしろい」


~ババ残し~

ゲームの進め方は基本的にババ抜きと同じ
最初にダブったカードを放棄?
その後順番にカードを引いてい

勝利条件
…最後までJOKERをもっている者

敗者条件
…手札が0になった者

ことり→咲良→花陽→ことりの順番でカードを引く


《 OPEN THE GAME 》

咲良「では、トランプを配って」

花陽「このトランプ…
   なにか仕掛けてないですよね?」

咲良「そのシール見える?
   それは『セキュリティシール』」

咲良「そのシールが破られてない
   ということは誰も触ってない証拠」

ことり「…」ビリッ


~ ~ ~ ~ ~


咲良「まずはババ抜きのように
   数字の被ったカードを捨てて」



3人が配られたカードを次々と捨てる



咲良(…こんなところか)
?A
?9
?J
?7


ことり(ババ…これが勝敗を決める『鍵』)
◆A
JOKER
?3
?K


花陽(結構残っちゃった…あっ、残った方が有利なのかな?)
?K
◆9
◆J
?7
◆3

ちょっとアクシデント

>>139訂正


咲良(…こんなところか)
クローバーのA
クローバーの9
ハートのJ
ハートの7


ことり(ババ…これが勝敗を決める『鍵』)
ダイヤのA
JOKER
クローバーの3
ハートのK


花陽(結構残っちゃった…
   あっ、残った方が有利なのかな?)
クラブのK
ダイヤの9
ダイヤのJ
クラブの7
ダイヤの3


ことり「じゃあ…引かせて貰うね」

咲良「どうぞ」

ことり「…」スッ


ことり(クラブのA…)ポイッ
JOKER
クローバーの3
ハートのK
(ダイヤのA&クローバーのA out)  残り3枚


咲良「次は私」スッ

花陽「…」

咲良(クラブのKか……よし)
ハートのJ
クローバーの9
ハートの7
クラブのK              残り4枚


花陽「ことりちゃん…」

ことり「…どうぞ」

花陽(クローバーの3…揃っちゃった)
ダイヤの9
ダイヤのJ
クラブの7
(クローバーの3&ダイヤの3 out)  残り3枚


ことり(手札は残り2枚…ペアの揃わないカードを
    取らないと負けちゃう)ドキドキ

咲良「…さぁ、早くして」

ことり(…)スッ

ことり(…)ポイッ
JOKER
(ハートのK&クラブのK out)    残り1枚


咲良「ラスト1枚…ようするに、次に小泉 花陽が
   カードを引くと強制的に負け」

凛「そ、…そんな、ことりちゃん!」

ことり「凛ちゃん…ごめんね」

咲良「それより、次は私が引くの、早くして」スッ

花陽「…ッ!」

咲良(ダイヤのJ…流石にペア成立か)
クローバーの9
ハートの7
(ダイヤのJ&ハートのJ out)    残り2枚


花陽「ことりちゃん…」

ことり「ごめんね…後は、頼めるかな?」

花陽「…」スッ
クラブの7
ダイヤの9
JOKER              残り3枚


『南 ことり,手札数0により敗北』


?花陽「もちろんです…後は任せて下さい!」



…ズズズズ


咲良「残りの中身は2組のペアとJOKER」

咲良「JOKERは…そっちの手札」

花陽「そうです」

花陽「そして次にドローするのは咲良さんの番」

花陽「もしあなたが
   JOKER以外のカードを取った場合…」


ー ー ー ー ー ー

花陽 クラブの7
   ダイヤの←咲良 取る
   JOKER

咲良 ハートの7
  (クローバーの9&ダイヤの9 out)

咲良 ハートの7←次に花陽に取られる

咲良は手札がなくなり敗北

ー ー ー ー ー ー



花陽「ということですよ?」

咲良「なんだかぐだぐだと
   長ったらしい説明をしてるけど…」

咲良「JOKERを取ればいいだけの話」

花陽「…」



両者の視線がぶつかり合う
額に汗が滲み出す



花陽「……」ドドドドド

咲良「……」ドドドドド

凛「かよちん…
  なんであんなに冷静でいられるの?」ドキドキ

ことり「勝負事に強いのかもね…
    がんばって、かよちゃん…!」ドキドキ



ズズズズズ……


花陽「さぁ…選んでください」

咲良「…」スイッ 


カードをなぞるように選ぶ咲良


花陽「…」

咲良「…」。。。

咲良(ふふ…まんまと騙されて馬鹿ね)

咲良(私が本当に何のトリックも
   仕掛けてないとでも思ってるの?)

咲良(セキュリティシール?
   …えぇ、それは確かに存在する)

咲良(しかし残念なことにあなたたちは
   本物のセキュリティシールを
   見たことがない…)

咲良(あのシールは私がトランプに仕込みを
   終えたあと貼ったただのテープ)

咲良「…」スッ

花陽「…」

咲良(そこらの素人が見たところで分からない
   微かな傷を既にJOKERにはつけている)

咲良「…」スッ

花陽「…」

咲良「…」ドキ…‥ドキ…‥

咲良「…」ピッ

花陽「…」

凛「や…やばい…!」ドキ!ドキ!

咲良「『JOKER』…ふふ」

咲良「ほら、簡単でしょ?」ドキ…ドキ‥‥

咲良(凄いな…この娘)

花陽「…」ゴゴゴゴゴゴ

咲良(表情がピクリとも動いていない…JOKERが
   分かる私までも緊張させるこの威圧感…)

咲良「…ふっ」ドキ………ドキ………

咲良「でも残念…」ドキ…‥‥ドキ…

咲良「さぁ、次はあなたの番」ドキ…ドキ…

ことり「かよちゃん…!」ドキ…

花陽「ことりちゃん…安心して」

花陽「次は私がJOKERを
   引けばいいだけなんだから」ニコッ

咲良「やってみて、出来るものなら」ドキ‥ドキ‥

花陽「私…出来ないことは
   口に出さない性格なんです」

咲良「…」ドキ.ドキ.

花陽「あ…覚えてないかもしれないので、
   もう一度言っておきますね?」

花陽「 私が勝ったら容赦はしません 」

咲良「…」?ドキ ドキ

花陽「では…」


咲良(確率は約33%…低確率だ、大丈夫)ドキドキドキ

花陽「…」スッ

花陽「…あっ」

咲良「…なに?」ドキドキドキ

花陽「いえ、私のスタンドに
   ついて教えておこうと思いまして」

花陽「私のスタンドは
   『感覚を継続させる能力』です」

凛「え」

トントン

凛「ことりちゃ…?」クルッ


ことりは人差し指を口に当てていた


ことり「…ね?」

凛「…」コクン

花陽「私たちが勝った場合、私のスタンドで
   『永遠に身体中の皮を剥がされる痛み』を
   伴いながら生活してもらいます」

花陽「勿論…最初は私たち
   自身の手で皮を剥がすことになりますが」

咲良「そう、できれば…、いい、わね」
ドキドキドキドキ

花陽「では…」スッ

咲良(あれは威圧をかけているだけ…)

咲良(落ち着け…目を閉じよう、視線を向けるな…
   焦る必要もなければ不安になる必要もない)ドキドキドキドキ

グッ

花陽「…あれ?そのカード…」

花陽「随分と力強く持っていますね」

咲良「!!」ドクンッ!!

花陽「…」ピッ


記されていた文字は『JOKER』


凛「やった!!」

咲良「───ッ!!」ガタッ!
ドク!ドク!ドク!ドク!ドク!

凛「やったねかよちん!
  このままいいったら勝──」

咲良「外野は黙ってッ!!」シュバ

凛「───」
凛(口が…!?)

咲良「…フゥー…フゥー」ドク! ドク!

花陽「どうしたんですか?
   次は咲良さんの番ですよ」


咲良(大丈夫だ‥何も問題な   ド
      『容赦はしません』 ク ド
   い!また引けばいいだ   ン ク
      『容赦はしません』 ! ン
   けだ!!)          !

ドク!ドク!ドク!ドク!

花陽「手が震えてますよ?
   まさか…緊張してるんですか?」


咲良(焦り?緊張?そんなわけない!

      『容赦はしません』 
   焦るな!焦るな 
      『容赦はしません』 
      『容赦はしません』 )


ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!




容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません容赦はしません


咲良(焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るな!焦るなァァァァ!!!)
ドッドッドッドッドッドッ!!

花陽「早く引いてくださいッ!!」ドン!

咲良「ハァ…ハァーー…」
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

咲良(て が震えて…っ、傷が、わ、わからな)スッ

花陽「あ…こっちでいいんですか?」

咲良「くっ…ハァ…スッハァ…」スッ
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

花陽「…ふふ、あ。すいません……つい…」

咲良「うっ…‥ゴホッ、ハァーーハァーー」
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

咲良(大丈夫だッ!自分を信じろッ!)
ドッ!!ドッ!!ドッ!!ドッ!!ドッ!!
ドッ!!ドッ!!ドッ!!ドッ!!ドッ!!

咲良「アァッ!!」ピッ!



咲良の手にしたカードには
赤いダイヤモンドと
数字の9が記されていた



花陽「…決着です」

咲良「な、…あぁ…」

凛「やった!!」


2人から生えていたスタンドが消滅
2人の身体が自由を取り戻す


凛「あ、喋れるようになった…」

花陽「よかったぁ…元にもどって」

花陽「…さて」ギロッ

花陽「咲良さん、最後に1つ聞きます」

咲良「ハァ!!ハァッ!!」ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!






花陽「 ナイフってどこにありますか? 」






咲良「……、」

花陽「…あれ?」

凛「気絶、…してるよ?」

ことり「かよちゃん…凄く怖かったもんね」

花陽「うぅ…そ、そうかなぁ?」


凛「それにしても かよちんって
  あんなにも勝負事に強いんだね!」

凛「凛はてーっきり
  オドオドしちゃうと思ってたにゃ」

ことり「あんなにも緊張してないなんて凄いよ…」

花陽「あ…緊張はしてました」

花陽「ただその緊張を別の場所に移してたんです」

ことり「…?」

花陽「『ライト※ヒップ』は
   感情を相手に味あわせる能力です」

ことり「…あっ!」

花陽「私達『3人分の緊張と不安』を
   ライト※ヒップ でじっくり少しずつ
   咲良さんに与えていたんです」

花陽「動揺を誘うつもりだったんですけど
   …気絶するなんて」

凛「…そういわれてみれば、
  途中から徐々に緊張が薄れていったような」

ことり「かよちゃん…恐ろしい娘だね…」

花陽「そ、、そうかな?」 

凛「勝てたからいーの!
  かよちん!ことりちゃん!早く帰ろ?」

花陽「まっ、待って…」

凛「?」

花陽「その…それでもやっぱり疲れたから…」

花陽「ミントティー…ね
   もう1回飲んでからじゃダメかな?」


←To Be CONTINUED


メイレイ
本体(黒羽 咲良)

能力…
あらゆる勝負で勝利すると、敗者を操る能力
敗者の背中からはメイレイが生えてくる
メイレイの手から出ている糸を操り敗者を操作する
外部の影響で意識を咲良が失った場合
糸が切断され敗者の肉体は動く手段を失う

ステータス…
破壊力───E スピード─E
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─E 成長性──C

元ネタ…
海外アーティスト『Melee』

黒羽咲良って誰?

第07話「襲来」


ーー別荘付近ーー

真姫「…遅いわね」

希「そうやね…2組とも遅いなぁ…」

希「理事長…少しいいですか?」

理事長『東條さん…?どうしました?』

希「今から えりち や ことりちゃん と連絡を
  とって欲しいんです…訳あって別行動してるの
  ですが、あまりに帰りが遅くて」

理事長『わかりました、少し待っていて下さいね』

真姫「どうだった?」

希「いま確認してもらってるところ」

真姫「そう‥」



理事長『東條さん』

希「はい、どうでした?」

理事長『誰も返事がありませんでした』

理事長『しかし、以前のように別空間に連れ込まれ
    たということはないでしょうね』

希「…と、言うと?」

理事長『存在確認することは出来ているからです』

理事長『私の声が届かないぐらい「集中」を
    しているか「返事をする暇がない」
    といったところでしょう』

理事長『敵スタンド使いに襲われている可能性が
    ありますね…少し様子を見に行った方が
    いいかもしれません』

希「わかりました、ありがとうございます」

真姫「どうだったの?」

希「真姫ちゃん…みんなを迎えに行くよ」

真姫「?」

希「敵に襲われとる可能性がある‥あくまで可能性
  だけど、無視するわけにはいかない…!」

真姫「…そう」

真姫「希はエリー達を迎えに行ってくれない?」

真姫「私は花陽達を迎えにいくわ」

希「別行動は危険やけど別れた方が効率はいい…」

真姫「心配しすぎなのよ」

真姫「たった2日の特訓だけど
   かなり成長したはずよ?」

メリー「私モ居ルンダ気ニスルナ」

希「…うん、なら真姫ちゃん、気ぃつけてな?」

ー ー ー ー ー

真姫「随分遠いわね…こんなの着いた頃に
   やられてたらどうするのよ…!」タッタッタッ

メリー「…」

メリー「真姫…止マレ」

真姫「…」ピタッ

真姫「敵?」

メリー「…ダロウナ」

メリー「ソコノ木ニ隠レテイル」

真姫「……出てきなさいよ」

「…」ヌッ


木から現れたのは華奢な少女
真姫の髪型に似ているが
毛色は灰色で額の毛先は真っ直ぐに切っている
闇に堕ちたメイドを思わせる服装だった


真姫「随分ふざけた服装ね」

「初めまして。私の名は黒羽 咲夜」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira122461.jpg

咲夜「これはユニフォームふざけてなんかないわ」

真姫「咲夜、質問よ」

真姫「あなたは私に危害を加えるの?」

咲夜「逆に聞きたいけど…それ以外の理由で
   わざわざこんな山奥にくると思う?」

真姫「なら敵でいいのね…あなたはッ!!」

メリー「ウラァ!!」ブワッ!


拳を叩き込む瞬間である
空を切り裂き、拳は虚しく空振る


咲夜「どこを狙ってるの?」


声の位置は違う方向から


真姫「…」クルッ

真姫「また瞬間移動…?」

咲夜「知りたい?」

真姫「別にいいわよ。
   スライス作りが趣味とか聞きたくないし」

咲夜「…なにを言ってるの?」

真姫「こっちの話よ、気にしなくていいわ」

メリー「…真姫、注意スルンダゾ」

真姫「わかってるわよ」


咲夜「『アボーヴ・メモリー』」


咲夜「スタンドの名前よ、能力は直に分かる」

メリー「真姫、ドウスル?」

真姫「とりあえず…」

真姫「先手必勝よッ!!」

メリー「了解ッ!」

咲夜「…」ズァン

メリー「ウラァァアア!!」ブワアアアアア!!


メリーの数々の攻撃を前に
咲夜のとった行動は『観察』であった


咲夜「……!」ヒュヒュ

メリー「ウッ」スッ

メリー「ラァッ!!」ブン!

咲夜「くっ…」ヒュン

咲夜「ッ!!」パシッ!

真姫「離しなさいよ……!」グググ

咲夜「ふぅ……」グググ

真姫「守ってるだけでいいの?
   こんな調子じゃ私を倒せないわよ」


力で押し返す真姫とは裏腹に、咲夜は冷静に答えた


咲夜「最初は左からよ」

真姫「…」。。。

真姫「…なに?」

咲夜「左右での拳の乱打が右12発 左13発の計25発
   その後1歩だけ前に進み右ストレートを
   私の顔面目掛けて狙ってくる」

咲夜「あなたの約4秒前の行動であり…」

咲夜「『これからの行動』でもあるの」グワン


真姫「トリアエズセメルワヨ!」
  (な…なによこれ!)

メリー「リョウカイッ!」
   (身体ガ…勝手ニ…!)

咲夜「…」ズァン

メリー「ウラァァァァ!」ブワアアアアア!
   (奴ガ構エテエイル!回避シナクテハ!!)

咲夜「どう?動きたくても動けないってのは」

メリー「ウッ」スッ
   (動ケ…!)

メリー「ラアッ!」ブン!
   (動ケェェェエッ!!!)

咲夜「隙しかないわよ」

真姫「…ッ!」グググ
  (や、やば)

咲夜「ふんッ!」ドゴン!

真姫「がふっ!!」ドムッ

undefined

咲夜「回避は不可能よ」

メリー「ウグ…真姫…大丈夫カ…?」

真姫「大丈夫じゃないわよ…痛ぅ…」ヨロロ 

真姫「でも…受けてみたところ
   それほど高い破壊力はないみたいね」

メリー「コノ能力ハ…」

咲夜「もうなんとなくわかったでしょ?」

咲夜「『数秒前の行動を再現させる』
   …それが、アボーヴ・メモリーの能力」

咲夜「その時の位置、言動、行動…
   全てを再現させることが可能よ」

真姫「…なるほど」

真姫「最初の私達の攻撃も避ていたんじゃなくて
   数秒前の位置に戻ってたのね」

咲夜「ご名答」パチパチ

真姫「ふぅ…随分と疲れそうな相手ね」

咲夜「疲れるだけだといいわね」チャキッ!!

真姫「ナイフ…私の相手って
   色んな意味で『イタい』人が多いわよね…」

咲夜「さぁ…どうするの!」ヒュヒュヒュン!!


真姫に向けて投げられたら3本のナイフ


真姫「メリー!石ッ!!」

メリー「ガッテン!」グワツ

真姫「それをッ!!」

メリー「投ゲツケルッ!」ブン!

真姫(ナイフは石で弾き返す…そして!
   …そのまま石は咲夜にむかって突き進む)

真姫(奴のパワーでこの石を弾くことは不可能!)

真姫(避けた所に拳を叩き込む!)

ガキィィイィッ!!!

真姫「行くわよメリー!」ダッ

咲夜「!」

真姫(よし!ナイフは弾いたッ!!
   後はこのまま…!!)タッタッタッ

咲夜「くッ!」シャ!


飛んできた石を咲夜は回避

真姫の予想通りに動く相手の行動に
後は拳を叩き込むだけ


真姫「ッ!?」ピクッ


だが…ひとつだけ予定外の事が起きた

腹部に生じた違和感


真姫「ぐぅ……ッ…ナ…」ポタッ…

真姫「ナイフ……?」ポタッ

咲夜「焦り過ぎね…わざわざ1度ナイフの
   『通った』場所に突っ込んでくるなんて」

咲夜「弾かれた所で再現さえしたらいいんだから」

真姫「い…ッ~!」ズボッ

真姫「つ……」ビリッ

メリー「大丈夫か?」ズギュン

咲夜「…血が止まった?」

真姫(傷口に服の布を混ぜて止血したわ…
   衛生的に清潔とは言えないけど
   血は止めておかないと後に響くのよね)

真姫(応援を呼んだ方がいいかも…)

真姫「理事長…」

理事長『どうでした?みんな無事でしたか?』

咲夜「…?」

真姫「…私が敵に襲われています」

理事長『なんですって…?』

真姫「負傷して…助けを呼んでくれませんか?」

咲夜「…まさか」

ー ー ー ー ー

理事長『東條さん!』

希「はい!」

理事長『そっちはどうでした?』

希「敵に襲われたようですが…みんな無事です」

穂乃果「うぅ…さ、寒い」ブルブル

海未「す、すみません…
   どこに水を被せたらよいのか分からなくて」

絵里「だ…大丈夫よ…海未、クシュン!」プルプル

理事長『ならば、西木野さん方へ向かって下さい!
    敵と遭遇したらしいです!!』

希「真姫ちゃんが!?」

理事長『負傷しているようです!急いで!!』

希「わ、わかりました!…でも…」

ー ー ー ー ー

咲夜「…彼女たちの言ってた連絡係か」 

理事長『…西木野さん』

真姫「あとどれくらいでこれますか?」

理事長『それが…東條さんは随分
    遠くにいるらしく…しかし…』

真姫「…」

メリー「ドウスル?」

真姫「…決まってるでしょ」?

真姫「私達で何とかするしかないじゃない!」

咲夜「援軍がくるかもしれないのね
   …さっさと終わらせないと」ダッ

メリー「来タゾ…真姫!」

真姫「充分に引きつけてから攻撃よ…焦らないで」

咲夜「アボーヴ・メモリーッ!!」ズアン!

真姫「今よ!!」

メリー「ウッラァッ!!!!」?ブゥン!!


ズガンッ!!


渾身の一撃は、咲夜の足元にある大地に向けられた


真姫「な…位置が…!」

咲夜「『1秒だけ』私を過去をに戻す…
   ちょっとタイミングをズラせば避ける
   必要もないのよね…」

真姫「くっ…!!そのまま叩き込むわよ!!」

咲夜「おっと…」ガシッ

真姫「イマヨ!!」
  (ッ!!)

咲夜「んっん~~♪…こうゆうのを
   絶好の的というのかしら?」スタスタ

メリー「ウッラァッ!!!!」ブゥン!!
   (マサカ…コイツ!)

咲夜「おっと…危ない危ない」

真姫「シマッ…!!」
  (狙ってくるとしたら…)

咲夜「痛そうねぇ…そのお腹」スッ

真姫(…!、動けるッ!!)ピクッ

真姫「エイメ────」

咲夜「ふんッ!」ドム!

真姫「う"あ"あ"ぁぁぁッ!!」

咲夜「あーあ…痛そ」ヒョイ


咲夜は先程投げて弾かれたナイフを拾い
真姫に近寄る

咲夜「つらい?」

咲夜「いま楽にしてあげる」

真姫(ダメ…もうメリーを出す気力は無い…)


激痛の余り、思考を止める
現実を受け入れようとする


バキャアアアア!!


突然聞こえた轟音


咲夜「…?」

真姫(やった…!きっと希達が助けにき───)


轟音の先にいたモノ

目にしたのは今まで見たことの無いスタンドの像


真姫(違……った…)

真姫(そうよね…理事長は希達が遠くにいるって
   言ってのに…なに変な期待してるのよ…)

真姫(…もう)


真姫のたどり着いた答えは…『負けて、死ぬ』


真姫(こいつ(咲夜)も倒せないのに
   もう1人増えてどうすんのよ…)

咲夜「…」

『…』ザッザッザッ

咲夜「あなた…」

『…』ザッザッザッ

咲夜「誰?」

『…』ヒュ!


現れたスタンドは高速で咲夜に近づく

咲夜「な───」

『ッ!!』ブン!!

咲夜「ぐっ!!」バシィ!!


あまりの速度とパワーに咲夜の身体が吹っ飛ぶ


真姫「み…味方…なの?」

「ハァ…ったく」ザッザッ


真姫の後ろから聞こえてきた

気怠そうな言葉


真姫「……その声」クルッ


彼女は平然を装い余裕な顔をして現れた

なぜ真姫は『彼女』が
平然を装っていることが理解できたのか

簡単なことだ

彼女の額を伝う汗が全てを物語っていた


理事長『間に合ったようですね…!』

理事長『先程その山に到着した彼女は』

真姫「…はぁ」

「…なによ、私が助けにきてあげたんだから
 もうちょっと喜んだらどうなのよ」

真姫「…もっと早く助けなさいよ」


真姫「にこちゃん…!」

にこ「手のかかる後輩をもった  バ
   私の身も考えなさいよね」  ンッ!!

咲夜「…援軍か」

真姫「にこちゃん…奴の能力は触れたモノを
   強制的に数秒前と同じ状況にする能力」 

真姫「数秒前の行動をしている間は
   身体が自由に動かなくなるわ…気をつけて」

にこ「りょーかい、あんたはそこで休んでなさい」

優しく、自分を労ってくれる言葉

いつもなら腹がたって仕方ない
にこの行動だが、とても安心できた


にこ「…」ギラッ


視線が咲夜に向かれた途端に
にこの声色は変わった


にこ「すぐ戻るわ」


すぐに理解した
とてつもない『怒り』が込められた声色だった

咲夜「おまえは?」

にこ「大銀河宇宙NO.1アイドル矢澤にこ」

咲夜「…ふざけてるの?」

にこ「よくそんな格好で言えたわね」

にこ「こちとら…あんなボロボロになった
   後輩みてちっとばかし頭にきてんのよ」

咲夜「どうするつもり?」

にこ「…」バキャア!!

咲夜「ふぐぅ!?」

にこ「あまりダラダラとお話するつもりはないの」

にこ「あんたをぶちのめすだけよ」

咲夜「は…早い…ここは距離を!」ダッ!

にこ「…」

咲夜「ハァ…ハァ……よし」

咲夜(あれだけのパワーをもった近距離パワー型
   ならこれだけ離れると……)クル


振り向いてすぐそばにいたのは?
さっき拳を叩き込まれた、にこのスタンド


咲夜「な…何故!これほど離れたのに!!」

にこ『フンッ!!!』グアッ!!

咲夜「うげぇええ!!」ドズッ!!

にこ『私の「マグネティック・トゥデイ」を
   舐めてんじゃないわよ』

咲夜「ぐ…お、おかしい…スタンドの常識を
   覆してる……遠距離パワー型とか
   そういう類じゃあない…!」

真姫「凄い…。あれが…にこちゃんのスタンド…」

咲夜「ならば…!」ダッダッダッ

にこ「…?」

咲夜(さっきみたいに攻撃のあたる瞬間に
   少しだけ『過去』に戻ってやる…!)ダッダッ

にこ「真姫、悪いんだけど
   ちょっと手伝って欲しいことがあるの」スッ

真姫「…?」

咲夜「あれは…」ダッダッダッ

にこ「あんたが真姫を刺したナイフよッ!」ビュ!

咲夜「っ!!…危な…」シュ!…ダッダッダッ

にこ「…きなさいよ」

咲夜「アボーヴ・メモリーッ!!」ズァン

にこ「マグネティック・トゥデイッ!!」

咲夜(今だッ!!)ズァユ

にこ「!?」スカッ!!

咲夜「そして掴んだ!!」ガシッ!

咲夜「アボーヴ・メモリィィィイーーーッ!!」

ズャァン!!

にこ「…キナサイヨ」
  (…へぇ、これが…)

咲夜「ハァ…ハァ…ふぅ」

咲夜「今のうちに このナイフで致命傷を……」スッ

真姫「にこちゃん!!」

咲夜「大丈夫よ、あなたもすぐ後を追うんだから」

咲夜「じゃあね、矢澤に」グサッ

咲夜「ッグ!?」


咲夜の背後に突き刺さった物


咲夜「な……」

咲夜「ナイ…、フ…?」

咲夜「くそぉおおッ!!!」シュ

にこ「残念、時間切れ」バシッ

咲夜「ご……おぉ……」ヨロッ

にこ「にこの能力は『鉱物に極性を与える能力』」

にこ「さっき投げたナイフにS極を与えたのよ
   磁力はとても強力で自然と
   N極の『にこ』に引き寄せられる」

にこ「私の近くにいたらそのままナイフが
   あんたに刺さるのは当たり前じゃない」

咲夜「フゥー…フゥー……」ゼェゼェ

にこ「じゃあ…とどめをさそうかしら」

にこ「…と、いいたいところだけど」

咲夜「ハァ…ぐ、ハァ…ッ!!」

にこ「だいぶボコボコにして気が済んだのよね…」

にこ「ほら、さっさと行きなさい」シッシッ

咲夜「…どういうつもり?」ジリッ…

にこ「早くッ!!!」

咲夜「っ……ッ!!」ダッダッダッ 



にこ「……」

にこ「真姫、ちゃんと仕込んでくれたのよね?」

真姫「えぇ、勿論よ…後は……」

にこ「ええ、任せなさい!」ズァ

咲夜「ハァ…ハァ…ぐっ…くそっ!私を逃がしたことを
   必ず後悔させてやる…!」

ぐいっ

咲夜「…?」

咲夜「な…んだ?前に進みにくい…?」グ…ググ…

咲夜「いや…違う!…これは…」

咲夜「後ろに『引き寄せられて』いる!?」グググ

咲夜「うおぉぉおお!?」ググググググ!!!


にこ「あ、きたきた」

咲夜「何なんだぁあぁぁ!!!   ググ
   これはぁぁああああ!!!!」 ググッ!!

にこ「さっきあんたを殴ったときに真姫の能力を
   使って体内にS極にしたナイフの破片を
   『混ぜて』おいたのよ」

咲夜「逃がすっていったじゃないかぁぁああ!」
ググググググ!!!!!!

にこ「気が変わったのよ」

にこ「さぁ、行くわよーー!」

にこ「にっこ……にっこ……」グッ!!

咲夜「貴様ぁぁあああぁぁあ!!!
   卑怯だぞおぉぉおおおおおぉおお!!」


にこ『にィィィィッ!!!!』?
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォッ!!!!!!

咲夜「ぐぼぁぁぁああ!!」ズドーーーン!!

にこ「………『卑怯』?」

にこ「卑怯…か、よく言われるのよね」?

にこ「『ずるいよMagnetic today』…てね☆」ニコ!



To Be Continued→


アボーヴ・メモリー

本体(黒羽 咲夜)

能力…
掴んだモノに過去と同じ状況にする能力
戻せる過去は1~6秒までであり戻す時間を
「2~4秒の3秒間のみ」と指定することも出来る

ステータス…
破壊力───C スピード─C
射程距離──B 持続力──B
精密動作性─D 成長性──B

元ネタ…
思い出以上になりたくて


マグネティック・トゥデイ
本体(矢澤 にこ)

能力…
鉱物にS極とN極の極性を与える能力
何故かは不明だが
『にこ自身』はN極の極性が放たれていて
このN極はにこが与えた極性にしか反応しない

例)元々S極の磁石=反応×
  にこがS極を与えた鉱物=反応○

にこのスタンドは今までの定理を覆すスタンドの
タイプであり、これを『短期パワー型』と称する

ステータス…
破壊力───A スピード─A
射程距離──A 持続力──D
精密動作性─B 成長性──E?

元ネタ…
ずるいよMagnetic today

遅くなってしまい本当に申し訳ありませんでした

>>152
オリキャラというかスクフェスにでてくるモブをこのSS内では敵として登場させています。
容姿は貼っている画像の通りです。

第08話
「僕たちはひとつの光」


真姫「それにしても…1度ぬか喜びさせといて 
   ボコボコにするなんて…性格悪いわね」

にこ「うっさいわね…その腹ぶん殴るわよ」

にこ「さて…あんたは怪我してるし
   取りあえず別荘に戻るわよ」

真姫「とゆうか…なんでこの山に来たの?」

にこ「あんたのピンチに駆けつけただけよ」

にこ「…って、言えたらいいんだけど
   にこはアメリカンコミックヒーローってわけ
   じゃあないからそーゆーワケでもないの」

真姫「だったらなんで…」

ガラガラガラガラガラ

真姫「?」

ことり「あれ?真姫ちゃんここで何してるの?」

凛「あー!にこちゃーん!」

にこ「久しぶりね…ってなによ、その台車は」

花陽「えへへ、実はね……」

真姫「要するに…ことり達は敵と遭遇したけど、
   逆に返り討ちにしてやったって訳ね」

ことり「うん、花陽ちゃんがいなかったら
    どうなっていたことか…」ガラララララ

凛「今の真姫ちゃんってアレだね。
  ミイラ取りがどーのこーのって奴?」ガララララ

真姫「……岩にでも混ぜ込んでやろうかしら」

凛「なら台車から降りて貰うにゃー」ガラララララ

真姫「こ、この…!」

花陽「け、喧嘩はダメだよぉ…」ガラララララ(ズアッ)

真姫「ふぅぅ…ありがとう花陽」

花陽「ほうひはひまひて」ガラララララ(モグモグ)

にこ「前から聞きたかったんだけど…
   そのスタンド米っておいしいの?」

花陽「んう?ゴクン……ぷは」ガラララララ

花陽「う~ん、おいしいけど…
   やっぱり1番は本物の お米かな?」ガラララララ

にこ「そりゃそうよね」ガラララララ

ことり「そろそろ別荘に着くよ」ガラララララ

穂乃果「あ!みんな帰ってきた!おぉーーーい!」フリフリ

絵里「にこ、お疲れ様」
にこ「本当よ…
   一体どれだけ重要なこと押し付けてんのよ」

希「そんだけ にこっちの事を
  信用してるってことやないかな?」

にこ「…ま、そーゆーことにしといてあげる」

絵里「ふふ…ありがと♪」

絵里「ところで にこ…ここに来たってことは…」

にこ「そうよ、直接教えていた方が
   いい情報を教えにきたのよ」

にこ「奴の…レベッカのスタンドについてよ」


~ ~ ~ ~ ~


ーー数日前ーー

レベッカ「んー…素晴らしい!」

レベッカ「やっぱり大都会東京っていっても
     いいお寺はたくさんあるものね」ウンウン

「随分と余裕ね」

レベッカ「…」

レベッカ「……あら、これはこれは」

にこ「ぶっ潰しにきたわよ、元凶」

レベッカ「オゥ…レディがそんな事
     言ったらダメじゃない」

レベッカ「それに…出来もしないことを
     言うのもよくないわね?」

にこ「舐めてんじゃないわよ、
   自分でいうのもアレだけど…
   にこのスタンドは十分に強力よ」

レベッカ「スタンドの良し悪しとか
     実力がどうだとか…、
     そういうんじゃあないの」

レベッカ「あなたは私を倒せない」

にこ「そう…じゃ試して見るわね」ズア!!



レベッカ『Strange invitation date』



ボコッ

にこ「な……、」

undefined

undefined

盛り上がりる地面
その中から現れたのは若い男性


にこ「レ、ベッカ…あんたの…」

にこ「あんたのスタンドはァッ!!!」

レベッカ「へぇ、その『にっこにっこにー』って
     彼から貰ったものなのね……
     ちょっとウルっときたわ…これほんと」

にこ「死者を、……蘇らせる能力」

レベッカ「エクセレント♪
     よく分かったわね…何で?」

にこ「何で…?」

にこ「ふざけんじゃないわよ、あんたが操ってる
   『その人』は…
   年の割に幼い顔してる『その人』はッ!!」

にこ「小さい頃に死んだ、にこのパパだから…ッ」

レベッカ「えぇ!?そうなのぉ!?
     ぐうぜぇ~ん!私知らなかったわぁ~」

にこ「こいつ……ッ!!」

レベッカ「あー、でもさっきのあなたの予想
     …ちょっとだけ違うのよね」

レベッカ「正確には…

 『死者を掘り起こして操り、その記録を知る』

              事ができる能力よ」

レベッカ「それと『声』を出すかとができないの」

レベッカ「『言霊』って言葉もあるぐらいだし…
     言葉には魂が込められてるの」

レベッカ「魂の無いこの身体では出せないのね」

にこ「………なんだってのよ」

にこ「私は…この目で見たのよ」

にこ「少しずつ冷えていって…
   本当に人間の身体なのか、ってぐらい
   冷たくなって…顔が少しずつ老けて……」

にこ「燃やされて、骨だけになったパパを見た時の
   ママの顔は…今でも忘れられない」

にこ「私だってその光景をこの目で見た……」

にこ「…あんたの……」

にこ「あんたの作ったそんな偽物なんかッ!!!」

レベッカ「なら来なさいよ、ほら」

にこ「……く」


攻撃など出来なかった

いや…出来る筈がない
幼き頃に失い、
幼き頃から恋い焦がれていた その笑顔
それが今、再び目の前に現れたのだ


にこ「くそォォオオォッッ!!!」バンッ!!!


どうしようもない怒りの矛先を
すぐ近くにあった電柱にぶつけた


レベッカ「分かるわよ…その気持ち」

レベッカ「私は用も済んだことだし帰るわね」

にこ「ま…待てッ!」

『…』バッ!!

にこ「…ッ、パパ…!」

レベッカ「グッバーイ♪」

にこ「覚えときなさいよ…ッ、
   必ず あんたを後悔させてみせるッ!!!」

レベッカ「そ、楽しみにしてるわ」

~ ~ ~ ~ ~

にこ「奴には…
   にこのスタンドをぶち込んでやるわ…必ず」

花陽「…」

穂乃果「……にこちゃん」

にこ「っと…なんか湿っぽくなっちゃったわね」

にこ「それと…もう1つだけ
   判明したことがあるんだけど───」



海未「そんな…まさか」

にこ「その『まさか』よね。
   でも、それが事実…奇妙なものね」

穂乃果「凛ちゃん、知ってる?」

凛「ううん、知らない」

海未「…本でも読んだ方がいいと思いますよ」

希「有名な人なんやけどなぁ…」

真姫「ま、ちょっと前の人だもの…
   知らなくても無理はないわ、この2人だし」

ことり「流石に限度があるような…」

花陽「あはは…」


絵里「じゃ、こっちからも情報を教えるわね」

絵里「にこ、『楽園』ってわかるかしら?」

にこ「『楽園』…?」

絵里「えぇ、私たちを襲ってきた敵が言ってたの…
   彼女たちと関わりのあるキーワードだと
   思うのだけれど何かわからないかしら?」

にこ「ごめん…わからないわね」

絵里「そう…これはまた後々調べましょう」

凛「『楽園』とか、『言霊』とか…
   もう寒いとかいうレベルじゃなくなってきたにゃ」

希「『にゃ』に言われてもなぁ」

凛「の、希ちゃんだって
  変な関西弁使ってるじゃん!」

希「うちのは『キャラ』やけど
  凛ちゃんの場合は『素』やん?」

凛「うぅぅ!」シャー!!

真姫「またしょうもないことで…馬鹿馬鹿しい」

凛「真姫ちゃんは黙って
  テストで満点取ってたらいいにゃ!」

真姫「ちょっと!!
   ソレをネタにするのは卑怯よ!!」

花陽「あ、あの…喧嘩は…」

にこ「…ふふ」

にこ「ホッとしたわ。μ'sが解散した後も
   あんたたち、何にも変わってなくて」

ことり「にこちゃん…」

にこ「特に凛と海未」

海未「……」ペターン
凛「……」ペターーン

にこ「ほんと…可哀想なくらい変わってないのね」

海未「凛、水を汲んできて下さい。
   全身全霊を込めてぶちこみます」ゴゴゴゴゴ

凛「御意」シュバッ

にこ「別にいいわよ、跳ね返すから」

ことり(にこちゃんの方も変わってない気が……
    いや、むしろ減っちゃった?)

にこ「ことり…今、失礼なこと考えたでしょ」?

ことり「え、…な、なんのことかなぁ~…あはは」

絵里「ふふ…みんな元気でなによりね」

穂乃果「…」スゥゥゥウ

絵里「…穂乃果?」


蓄えれるだけの酸素を肺に取り込む
平和の形をした手を前に出し
大きく口を開いて、こう叫んだ


穂乃果「 ぅ 1 ッ ! ! ! ! 」


7人が穂乃果に注目する


凛「え、なんの声?」ヒョコッ


台所へ水をとりに行っていた凛も戻ってきた

穂乃果は海未に期待の眼差しを向けていた


海未「…ふふ、わかりました」バッ


その言葉を海未が言い放つと同時に、
残りのメンバーも「やれやれ」と仕方なさそうに

同時に、嬉しそうに微笑んだ


海未「2!」

ことり「3!」バッ

真姫「4!」バッ

凛「5!」バッ

花陽「6!」バッ

にこ「7!」バッ

希「8!」バッ

絵里「9!」バッ



9つの平和が繋がり

輝きを放つ太陽のようになる

随分と懐かしい光景だ

その懐かしさを噛み締めながら?

この再会を喜びながら


穂乃果「μ's…久しぶりの全員集合だよ」

穂乃果「敵が凄く強いことは分かってる…」

穂乃果「だけど…私たちならきっと
    最高の結末を迎えることができるはず!」

凛「凛が全員やっつけてやるにゃ!」

真姫「そうね、格の違いを見せつけてやるわ」

にこ「あんたはやられかけてたけどね」

希「ウチもやられっぱなしは癪やけんなぁ」

海未「負ける訳にはいきません」

ことり「ことりも本気だしちゃうよっ!」

絵里「えぇ、頑張りましょう!」



各々の決意を胸に、宣言する



穂乃果「それじゃあいくよ!」

穂乃果「μ's!! musicぅ~…」


『『『「START!!!」』』』



女神は…再び『ひとつ』になった


←To Be Continued

Strange invitation date

本体(レベッカ)



死者を掘り起こし生前に
体験したことや気持ちを知ることができる

掘り起こした死者は無傷のまま掘り起こされ、
その肉体をある程度操る事ができるが
パワーも低めで『声』をだすことはできない

レベッカ本人は『Sid』と読んでいる



ステータス…
破壊力───D スピード─C
射程距離──A 持続力──A
精密動作性─E 成長性──C

元ネタ…School idol diary

すっかり忘れてました、ぼちぼち投稿していきます

第09話
「手のひらを太陽に」


にこ「…ところで、後は穂乃果だけ
   スタンドを使いこなせてないって訳よね」

穂乃果「う、ご…ごめんなさい」シュン

にこ「あ、別に責めてる訳じゃないのよ?」

にこ「ただ、このままじゃちょっと…ね?」

絵里「奴らがいつ襲ってくるのかは分からない…
   確かに穂乃果にはスタンドを使いこなせて
   もらう必要があるわね」

にこ「穂乃果、ちょっとついてきなさい」

海未「宛があるのですか?」

にこ「ちょっと情報集めの時に知り合った人にね」

にこ「大丈夫よ、今日中には帰ってくるわ。
   みんなは休むなり特訓なりしてなさい」

にこ「真姫」

真姫「なに?」

にこ「運賃」

真姫「揃いも揃ってなんだってのよ!!」

~ ~ ~ ~ ~


ゴトン…ゴトトン

穂乃果「にこちゃん、後どのくらいかかるの?」

にこ「そろそろ着くわよ
   私はちょっと電話してくるから」

穂乃果「は~い」

穂乃果(私の能力…か、
    一体どんな能力なのかな?)

穂乃果(ねぇ、カーリー・レイ…?
    私には、みんなを…μ'sを
    守れる力を持ってるのかな?)


流れる景色を窓越しに眺めながら

己の精神に問いかける

勿論、返答は聞こえない


にこ「お待たせ」

穂乃果「おかえり、にこちゃ…
    あれ?着替えてきたの?」

にこ「…ちょっと動くからね、
   そろそろ着くわよ、準備しなさい」


~ ~ ~ ~ ~ 


限りなく無人に近い駅
周りには建物がなく
辺り一面に澄んだ青空が広がる

穂乃果「まさか…だけどさ、
    歩く訳じゃないよね?」

にこ「結構歩くわよ…動くっていったでしょ」

穂乃果「うぇぇ…」


ーー20分後ーー


穂乃果「な…なんなのこの道
    …ま…まだなのぉ…?」ゼェゼェ

にこ「辛そうに…ハァ…す、
   ゴホッ、じゃないわよ…」ゼェゼェ

穂乃果「にこちゃん…ハァの方が、
    辛そう…なんだけど」ゼェゼェ

にこ「るっさい…わね」ゼェゼェ

にこ「あ……あの岩ね…」ゼェゼェ

にこ「そうね…、でもハァ…そんなに言うなら
   …休んで、あげてもいいわ…よ?」ゼェゼェ

穂乃果「それでいい…それがベストだよ…」ゼェゼェ

にこ「しょっと……ふぅ~~……?」

穂乃果「はぁ~~…あとどのくらい歩くの?」

にこ「もうちょっと…。…そう、
   もうちょっとだった筈よ…水飲む?」ゴソゴソ

穂乃果「飲みまぁ~す」

にこ「ほいっ」ポイッ

穂乃果「あ」ヒューン

穂乃果「ちょ、にこちゃんどこに投げてるの?」

にこ「ごめんにこ~」

穂乃果「久しぶりにその語尾 聞いたよ…」トコトコ

穂乃果「しょっと」スッ

穂乃果「お水お水ぅ~」パキッ

穂乃果「~~~♪」ゴクゴク

穂乃果「ぷはぁ…
    いやぁ~疲れた後のお水は格別だね!」

穂乃果「にこちゃんも飲む?」クルッ

にこ「…」

穂乃果「…にこちゃん?」


にこは地面に倒れ込んでいた、
にこの衣服は赤いナニカで染まっていた
わかっている
ナニカ…ではない、血だ


穂乃果「にこちゃんッ!!?」


現実逃避
ただ、その事実を認識したくなかっただけである

undefined


『まず1人目…ぶいっ!』

穂乃果「誰!!?」

「私は、佐伯 麗音♪」

麗音「おぼえてくれたかな?ぶいっ!」

穂乃果「にこちゃんに何をしたの!!答えて!!」

麗音「何を…って見てわかんないの?」

麗音「始末したんだよ、しーまーつ♪」

穂乃果「始…、末……?」

穂乃果「で、も…にこちゃんの…
    …スタンドは…強…いって」

麗音「まだ信じないの?血だらけじゃん、彼女」

穂乃果「そんな……安っぽ、い嘘…信じる…わけ」

麗音「ぶいっ♪」

穂乃果「そんな嘘つかないでよッ!!!」ズァン

麗音「お?スタンド自体は使えるみたいだね♪」

穂乃果「うわぁ"ぁあ"ああ!!」ブワッ!!

麗音「なにそれ」ガシ


繰り出した拳は、いともたやすく防がれる


穂乃果「っ…このッ!!」ググ

麗音「なになに?もしかしてだけど
   今のってパンチのつもりかな?」グググ

麗音「パンチってのはね」グググ

穂乃果「や、やば───」

麗音「こうやるの!!」ズドム!!

穂乃果「うがっ!?」ズシャ!

穂乃果「う…ぐぐ……」


鉄臭いの味がする
口を拭うと、手の甲に赤い液体が付着した


穂乃果「が……ゴホッ…ぐ…」

麗音「なっさけないなぁ…」

穂乃果「…!」

麗音「あなた、μ'sのリーダーなんだってね?」

麗音「聞いて呆れちゃうよ
   …こんな足手まといがリーダーなんて」

穂乃果「…ほ、穂乃…果は…
    …足手まとい…なんかじゃ…」グググ

麗音「よくいうよ」ズドン!!

穂乃果「ふぐッ!!!」

麗音「私なんかに手ぇ焼いてる
   くせしてよくそんな口きけるね」

麗音「そもそもこんな所に来たのも
   あなたがまだスタンドの真髄に
   気づいてないからでしょ?」

穂乃果「そ、それは…!」

麗音「あなたがスタンドを
   使いこなせていればこんな所に来なかった」

麗音「つまり…にこを殺したのは
   あなたみたいなものよ」

穂乃果「違う!!…穂乃果は!!」

麗音「はぁ…」グイッ

穂乃果「…は、離してッ!」

麗音「ほいっと」ぽいっ

穂乃果「うっ…」ドサッ

穂乃果「…ッ!!」

麗音「これみてまだそんなこというの?」


目の前には、血で染まった仲間


穂乃果「にこ…ちゃん…」


穂乃果(穂乃果が…弱いから…にこちゃんが…)

穂乃果(あの「手のスタンド」の時もそうだ…、
    闘ったのは海未ちゃんと絵里ちゃんで…)

穂乃果(穂乃果は…
    助けられてばっかりの…お荷物だ…)

穂乃果(……穂乃果に…)

穂乃果(もっと力があれば……ッ!)

ズズズズ

麗音「どう?気づいた♪」

麗音「自分がどれだけ無能で足手まといなのか」

穂乃果「………そうだよ」ヨロロ

麗音「…お?」


少しでも押したら今にも倒れそうな起き上がり


穂乃果「穂乃果は…助けられてばっかりで
    ……邪魔で…役立たずで…」


しかし


穂乃果「でもッ!!」キッ


その瞳には『覚悟』が宿っていた


穂乃果「もうお荷物は……ごめんだよッ!!」

麗音「いい…♪その目だよ」ゾクゾク

穂乃果「カーリー・レイッ!」ズァン!!

麗音「ハァ!!」ズォン!


見えない拳が激突する

ビキッ

片者の拳に亀裂が入る
制したのはカーリー・レイ


麗音「っ!?……な、
   なにこのパワー…さっきと違───」

穂乃果「おぉぉおおおおッ!!!」

ドン!ドン!ドン!ドン!

麗音「かっ!…ぐ……うぐ!?」

穂乃果「とどめぇぇええええッ!!!」ズァ!! 

にこ「ストップ」ガシッ

穂乃果「止めないでにこちゃん!!
    私はこいつを許せな───」



穂乃果「…」。。。

穂乃果「?」

にこ「……」

穂乃果「……」

にこ「……」

にこ「にこっ♪」

穂乃果「偽物まで用意して…返り討ちにして…」

にこ「やめろっつってんのよ この馬鹿!」ゴン!

穂乃果「あだ!」ゴチン

穂乃果「え?、ほ、本物?」

にこ「そうよ、天上天下唯我独尊
   宇宙No.1アイドルにこにーにこ♪」

穂乃果「…穂乃果の好きな食べ物」

にこ「いちご」

穂乃果「私達と最初に歌った曲で
    最初の にこちゃんのソロパート」

にこ「笑ってみる?えがおで wai wai wai」

穂乃果「にこちゃんのバスト」

にこ「74」

穂乃果「…」

にこ「な……71…」

穂乃果「」ブワッ

にこ「ちょっ、なに泣いてんのよ!?」

穂乃果「だって…ヒッグ…にこちゃが…ヒッ……生ぎでて…よがっ…」

穂乃果「に"こ"ち"ゃ"ぁ"~~ん"」ダキッ

にこ「わ、分かったから、離れなさいよ」


麗音「…にご…っ…ちょっ。、と…」

にこ「あぁ!?ごめん麗音!!」

麗音「……つぅ…ぅもっと敬って欲しいの…」

穂乃果「ちょ、ちょっとにこちゃん!?」

麗音「っと、と…」ムクッ

にこ「紹介するわね、穂乃果」

にこ「私達が今日会いに来た
   目的の人物…佐伯 麗音よ」

穂乃果「………え?」

麗音「ぶいっ!」

穂乃果「え…だって、にこちゃん…血だらけで…」

にこ「血糊よ」

穂乃果「穂乃果…思いっきり殴られたし…」

麗音「どうだった?名演技だったでしょ♪」

にこ「スタンドの能力ってのは己の身を守る、
   もしくは怒りによって発揮しやすいの」

にこ「まぁ、ちょっとしたショック療法って奴よ」

穂乃果「…」

にこ「…穂乃果?」

穂乃果「騙してたんだ」ワナワナ

にこ「え」

穂乃果「心配したのに…怖かったのに…」ワナワナ

にこ「ちょっと…ほ、穂乃果?」

穂乃果「うがぁーーー!!」

にこ「おわぁっ!?」ビクッ

穂乃果「…」

穂乃果「えへへ…お返しだよ♪」

麗音「性格わっる~い」

穂乃果「ん?」ズォン

麗音「~のは私、麗音でぇ~~す!ぶいぶいっ!」


穂乃果「…でも、おかげでスタンドの
    能力が少しだけわかった…かも」

にこ「やっぱりあやふやじゃない
   …麗音、よろしく」ピラッ

麗音「任せてよ!」ギュ

穂乃果「…あの、真っ白な紙持ってなにを…?」

麗音「私のスタンド能力は…
   あなたの疑問に『ヒント』を与える」


スゥゥゥゥゥ…

白で埋まっていた紙に文字が浮かび上がる


麗音「…これがあなたの能力のヒントなんだって」


『望んだ』
『増えた』 


にこ「望んだ……増えた…?」

穂乃果「あ…」


~ ~ ~ ~ ~


穂乃果(……穂乃果に…)

穂乃果(もっと力があれば……ッ!)


~ ~ ~ ~ ~


穂乃果「あの時…
    穂乃果は『パワー』が欲しかった…」

穂乃果「…」

にこ「…?」

穂乃果「『スピード』」カチッ


穂乃果の中で、何かが変化する


穂乃果「ふっ!!」ブワァッ!!!!

にこ「早っ!!!?」

穂乃果「そっか……この能力…
    欲しい『力』を強化する能力なんだ…!」

麗音「へぇ…それであんなに
   強烈なパンチになったんだ」

にこ「にしても分かりづらいわね…
   もっと分かりやすく出来ないの?」

麗音「こら、71。
   誰に口聞いてるんだ。私は75だぞ」

にこ「どさくさに紛れて
   人の秘密聞いてんじゃないわよっ!!」



麗音「さ、もう用事は済んだよね?
   帰って特訓でもした方がいいんじゃない?」

穂乃果「うん、その方がいいかも
    …えっと、麗音…さん?」

麗音「…今、何年生?」

穂乃果「3年生です」

麗音「なら同い年だね。麗音でいいよ?」

穂乃果「じゃあ麗音ちゃん!今日はありがとう!
    …痛くなかった?」

麗音「凄ぇ痛かった、マジに」

麗音「…でも、それだけ強力な力を
   持っている、って事だね」

穂乃果「…」

麗音「頑張ってね、穂乃果。応援してるよ♪」ガシッ

穂乃果「うん、ありがとう!」ガシッ

にこ「…ま、いっか。帰るわよ穂乃果」

穂乃果「うん!」

にこ「じゃあね、麗音。
   あんたも気をつけなさいよ」

麗音「おっけ~、ぶいっ!」

麗音「…っと、危ない危ない」ゴソゴソ

麗音「ほい」スッ

にこ「…?なによこれ」

麗音「ま、後でこぉ~っそり見てよ…
   とっても大切な『ヒント』だから」

穂乃果「ん?なになに?」

麗音「何でもなぁーいっ♪」

麗音「じゃあね穂乃果♪にこ♪」フリフリ?

穂乃果「バイバ~イ!」フリフリ

にこ「…」

ー ー ー ー ー ー

ゴトン…ゴトトトン


穂乃果「すやぁ…zzz」

にこ「まぁ…疲れるわよね、そりゃ」

にこ「…っと、そうだった」ガササ

にこ「麗音の奴はこんな紙よこして
   …なにが書いてるってのよ」

にこ「…」



にこにーへ☆

はぁ~いにこにー♪ちゃんと読んでくれてる?
麗音ちゃんはとってもいい子だからついでに
Mutant Girlsを倒すためのヒントを
導き出してあげたよ!(麗音ちゃん優しい!)
なんとビックリ!
こんな単語がでてきたの!

『高坂 穂乃果』
『1+1=1』



にこ「…!」


穂乃果に何があるのかはわからない
でも…この娘がなにかしらの
可能性を秘めているのは確実
この変な計算式はよくわかんないけど…
私の能力は必ず何らかの答えに繋がっているの
…頭の片隅にでも留めておいて
このヒントをみる限り、穂乃果の死亡は
あなた達の敗北と考えてもいいと思うわ
じゃ、健闘を祈ってるねばいばーい♪



にこ「…」

にこ「…穂乃果が…奴らを倒す鍵…?」

穂乃果「……うぅ…」

穂乃果「チョコレートあんこぉ…」

にこ「…」

にこ(頼りないわね…)


ーーー別荘ーーー


穂乃果「たっだいま~」ガチャ

ことり「穂乃果ちゃん、おかえり~」

凛「どうだったの?」

穂乃果「へっへ~ばっちりだよ!」ブイッ!

希「こんなあっさりスタンド能力が
  判明するなんて…にこっちなにしたん?」

にこ「別に、ただのドッキリよ」

希「…?」

真姫「おかえり、2人とも」

真姫「早速だけど、2人に伝えておかないと
   いけないことがあるのよ」

穂乃果「?」

真姫「これまでの奴らの行動を
   確認してみたんだけど…
   どういった目的なのかよくわからないの」

絵里「だから、これから3人ずつに別れて
   各々の目的地に調査に行くことにしたわ」

穂乃果「えっと……ようするに?」

絵里「敵の目的を探りにいきましょう」


←To Be CONTINUED



ドゥ・ナット・ビー・トゥー・グリーディ
本体(佐伯 麗音)

能力…
紙に文字が浮かびヒントを教えてくれる能力?
ヒントといってもいくつかの単語が浮かび上がって
くるだけであり理解するのは非常に難しい
スタンドの像は人型

ステータス…
破壊力───B スピード─B
射程距離──E 持続力──C
精密動作性─B 成長性──A

元ネタ…
after school NAVIGATORS


カーリー・レイ
本体(高坂 穂乃果)

能力…
人型のスタンド
穂乃果曰わく、スタンドのステータスを1つだけ
劇的に強化することができる能力とのこと

ステータス…
破壊力───C スピード─C
射程距離──C 持続力──C
精密動作性─C 成長性──B

元ネタ…
太陽を連想させるワードを引っ付けた

加筆修正してるとはいえ遅いわな


第10話
「夢で終わらせない」


穂乃果「うぁ~ぁ…
    手がかり無しって大変だなぁ…」

絵里「闇雲に探すのは…結構こたえるわね」

ことり「とりあえず次の場所行ってみよ?」

絵里「そうね」



ー ー ー ー ー


ゴトン…ゴー…ゴトトトン

穂乃果「あーーー、結構長い間
    この電車に乗ることになるね」

ことり「そうだねぇ…」

絵里(…)

絵里(この電車のゴトンゴトンする音、
   なんというか…凄く落ち着くのよね)

絵里(例えるなら…そう、
   寒い冬の朝にトイレの温かい便座に
   座った時のような…謎の安堵感を感じる)

絵里(…)

絵里(…ちょっとだけ……。)



「…」

「…」ニヤ


絵里「…ぅ?」パチッ

絵里「ん…んんーーー…ふぅ」ノビ―

絵里「ふぁぁ…よく寝た…」


ぼやけた景色が鮮明に見えてきた

絵里の居た場所は…


絵里「…って、私の部屋…?」

絵里「確か私は2人と電車に乗って……」

『おはよう……』

『あ、「おはよう」……じゃ、おかしいかな?』


脳に送られてきた女の声


絵里「…誰?」

『彼方ちゃんはアナタを倒しにきたの……』

絵里(倒す…新手のスタンド使いかしら)

絵里「それはどうもご丁寧に」

絵里「それより…穂乃果と
   ことりをどこにやったの?」

『穂乃果…ことり……?』

『あ……一緒にいた女の子たちのこと?』

『大丈夫……
 その娘達なら今も電車に乗ってるよ?』

『ちなみにアナタもね……』

絵里「…?」


『ここはユメの世界…
 ファンタジーやメルヘンな物が存在しない
 この世界で存在するユメの空間……』

『あなたの肉体は
 まだちゃぁんと電車にあるの……』

『貴女は「この世界の私」を
 倒してユメから目覚めたらいい』

『でも…もしこの世界で
 他の何者かにやられたりしたら……』

『現実に戻れないまま
 永遠に眠り続けることになる……』

絵里「…随分丁寧に教えてくれるのね」

『うん……だって』

ベギィッ!!

絵里「!?」

『説明しないとみんな攻撃できないもの……』


部屋のドアが豪快に破られた


『じゃあ…後は楽しんでね……』


現れた人物は


絵里「亜里沙…?」

亜里沙「とりゃー!!」タッタッ


普段通りの満面の笑みと可愛らしい声
サラサラとなびく優しい金色


絵里「ッ!?」


彼女が刺々しい鈍器さえ握りしめていなかったら
今にでも抱きしめてあげたかった


亜里沙「んよいしょお!!」ズガッ!!

絵里「うお!?…ちょ、あ、亜里沙!」バッ

亜里沙「せい!」グアッ!

絵里「くっ…チェリッシュ!!」ガシッ!!

亜里沙「おぉっとぉ…」ヨロッ

亜里沙「もぅ、スタンドは反則ですよ!」

絵里「あぁ…ごめんなさい亜里───じゃない!」

絵里「そんな危ないもの捨てなさい!」

亜里沙「えぇ~だってぇ…」

絵里「だってじゃないの、
   ソレ当たったら痛いじゃない」

亜里沙「痛いもなにも…
    こっちは殺す気満々なんですよ♪」ニコ

絵里(なんだか調子が狂うわね
   …ここは一旦離れましょう)

絵里「亜里沙、ごめんね?」トン

亜里沙「おわぁお!」グラッ

絵里「…」タッタッタッ


ーー通学路ーー

絵里「取りあえず…家から飛び出してきたけど」


~ ~ ~ ~ ~

『貴女は「この世界の私」を
 倒してユメから目覚めたらいい』

~ ~ ~ ~ ~


絵里「ユメ世界から脱出するには
   …『この世界の私(敵)』を
   見つけて再起不能にしてやったらいいのね」

絵里「困ったわね…敵の顔知らないわよ」

絵里「どうしたものか…」

「あの…大丈夫ですか?」

絵里「…」。。。

絵里「…あなた達」


約1年前
生徒会長として活動していたときに
共に奮起していた生徒会の一員であった


生徒会A「あ、この人じゃない?」ブンブン

生徒会B「本当ー?」ガシャン

生徒会C「さっさと殺っちゃお?」


Aの両手には金属製のバット
Bの片手には鉄の鎖
Cの拳にはメリケンサック
どれもその華奢な肉体には似合わない代物であった


絵里「次から次へと…ッ」ズアッ

絵里(適当にそこらへんの
   木を成長させて足止めしましょう)ズギュン

絵里「…」。。。

絵里「…?」

絵里(能力が…効いてない?)


ジャララララ!!


絵里「ぐっ!」ガシッ


絵里の左手に鎖が絡まる


生徒会B「捕まえた♪」グググ

生徒会A「バットで脳天かち割っちゃおうよ」

生徒会C「それいい!あ、でもそれじゃ一瞬だし
    もっと痛めつけてからでもよくない?」

生徒会AB「「いいねぇ!!」」

絵里(そうね…冷静に考えてみたら
   ここは夢の中…『成長』の影響がないのも
   当然といえば当然よね)


絵里(…となると、)

生徒会C「じゃ、私から!」ブン!!

絵里「チェリッシュ!私を守って!」ガシッ!

生徒会A「もいっちょお!!」ブン!!

絵里「ッ!」バッ

生徒会B「おっと」グイッ


鎖を引っ張り、絵里の体を引き寄せる


絵里「!?」グラッ

絵里(拳の軌道がズ──)

生徒会A「うごッ」ドゴォゥ!

絵里「しまっ……!!」?

生徒会A「…痛い」ドロ…


生徒会Aの顔面に直撃した拳は、
粘土のようにめり込み、ドロドロと溶けていった


生徒会A「…痛い…痛いぁ…」ドロ…

生徒会A「痛いよォォオおおお…
     私のお顔ぉお…ああああふ」ドロドロ

絵里「………っ」

絵里(…だ、大丈夫よ、
   あれは偽者…気にすることないわ)

生徒会B「あぁ!ごめんね!?」

生徒会C「痛そう…」

生徒会C「でももう大丈夫」ブシッ

生徒会B「私たちも…」ブシッ


突然の自傷行為
ドロドロとした肉片が混ざり合う


絵里「な…なによ…これ」


ありとあらゆる部位が混ざり合い
醜い怪物が生まれた


「「「ゆぅぅううるさなぁああああああああいわよぉおおぉぉおおおお!???」」」グアァア!!!

絵里「ちょっ!!?!?」バッ


ズゴァアアアアアアアーーーーッ!!!!

地面に亀裂が走る
拳を上から下へ、動きは単調でスローだが
その威力は折り紙つきだ

絵里「う、ぁぁぁあああッ!!!」ブワアアア!!


その光景があまりにも不気味で
絵里は一心不乱に拳を叩き込んだ


「「「おごぉおおぉぉ…」」」バシバシバシバシィ!


怪物は分散し、肉片となる


絵里「はぁ…ッ!…はぁッ!」

絵里「襲ってくる敵の耐久力は…
   ハァ、ほぼ0に等しい……」

絵里「でも妙に現実味のある
   現実にはありえない光景が
   私の精神を確実に蝕んできている…!」

絵里「言ってることは滅茶苦茶だけど
   それ以外言葉が見つからない…ッ」

「イタいね」
「酷い…と ても  ヒド」
「ひト の、することじゃねぇ」
「い!たたた。たた た★」
「殴る、、殺しにぃい」


先ほど散った肉片から色々と小言が聞こえてくる


「お前ぇ…ラくには死ななななななな」
「アハハハハフハハフフハハスフハフハハハフハサフフヘヘフ」
「謝り、れ 謝」
「おほしさまァアアアアああ」

絵里(なによこれ…例えるならば
   憎々しい肉片…といったとこかしら)

絵里(……吐きそ)

絵里「とにかく…本体を探さなければ!」ダッ!

~  ~ ~ ~ ~

絵里(…あれは!)タッタッタッタッ

絵里(…)ササッ


海未「見当たりませんね…」

真姫「いいじゃない気長に探しましょ」?

海未「……そうですね」

タッタッ


絵里(…行ったわね)

絵里(なるほど、ひとつだけ法則を見つけたわ)

絵里(さっきから見かける人は全員
   私となにかしらの関わりを持つ人ばかり…)

絵里(どうやらこの世界は
   『私が知人だけがいる』世界のようね)

絵里(…ということは、
   この世界で『知らない人』を
   見つけることができれば)

絵里(すなわち、そいつはこの夢の世界を
   操っている『敵』ということね)

絵里(知らない人を探すのね…
   あぁ、もう本当に頭がおかしくなりそう)?


「う、動かないでください!」


背後から怯えた声が聞こえた


絵里(この声は…)

絵里「……花陽?」

花陽「お、大人しく私たちに殺されて下さい!」

花陽「あ、あなたを殺さないと…
   みんなこのユメから覚めないんです!」

絵里「…」

やはり夢の中とはいえ自分の後輩だ、傷つけたくないしあまりヒドい言葉を使いたくもない
いつも通り、優しく語りかけた


絵里「…花陽、そんな物騒な言葉使わないで欲」クルッ

花陽「動くなっツてんだろがこのダボがァアアッ!!」ジャキッ

絵里(け、拳銃!?)

花陽「そらァッ!」バァン!

絵里「ぐッ……つぅ!!」ビスッ!

絵里(か、肩を撃たれた…
   夢の癖になんでこんなに痛いのよッ)

花陽「くすくす…♪馬鹿ですね~まるで
   『洗脳された仲間の為に必死に語りかける主人公』
   のような…」

花陽「目を覚ますも何もここにいる人は
   み~んな操られてる訳じゃないのに」

花陽「むしろ目を覚ますのはアナタの方ですよ?
   早くこのユメから覚めないと」

花陽「本物の皆に2度と会えなくなりますよ?」

絵里「えぇ…そうね」

ズド!

花陽「がぼっ…」ドロ

   スパシーバ
絵里「ありがとう、花陽はそんな下品な言葉を
   使わないから躊躇なく その顔をブン殴れたわ」

花陽「さっサと楽になった方がいいぜぇえェェエエええ?」


ジャラ…ジャラ…

背後から聞こえたのは鉄の擦れる音と
遠心力が働いて何かが振り回される音


絵里(次ッ!?)


そこに居たのは理事長
いわゆる「モーニングスター」といわれる
西洋の武器を所持している


理事長「ふふ」ブンブンブンブン


避けようとした その時、ガシッと足元に謎の感触


花陽「逃ガさネェええぇぇえよぉ」グググ

絵里「しま───」メギャ!!


少しだけ理事長から目を離した直後
鉄製の球体に所々トゲが付いた
ドリアンのような形状の鉄球が絵里の腹部に直撃した


絵里「ぐ……ぶッ!」

「…」スッ

絵里(!?)


横に人影がみえた


「希パワーたっ~ぷり注入!」


お決まりの台詞を声にしながら?
いつでも振り下ろせるように日本刀を構えて


希「は~いプシュッ!!」ブン!!

絵里「チェ!チェリッシュ!!」バシッ!!


振り下ろされた刀の側面を叩き亀裂が入る

パキン、と気持ちの良い音と共に刃と持ち手の2つに分裂
よほど鋭利な刀だったのだろうか
割れた刃の部分が綺麗に地面に突き刺さった


希「…チッ」

絵里「ハァ…ハァ…危な…ッ」

理事長「随分とタフですね」

花陽「ふぅ…身体が元に戻りまシ、た」


様々な会話を繰り広げる奴等を前に
絵里はある一点を見つめていた


絵里(…あれは?)


『割れた刃』

反射して目の前にいる希、花陽、理事長が映っている

そして、その中に「知らない顔」の女性が見えた


絵里(見つけたッ!!)バッ!


だが、自分の見える範囲には知らない女性はいない


絵里(消えた?…いや違う…)


先程 知らない女性を見たとき
もう1つ別の違和感を感じた
何がおかしかったは分からないが…

とにかく『何かがおかしかった』


絵里(どこに…?)

希「アナタ、そろそろ死んで欲しいなぁ」

花陽「そうだね、私たち疲れちゃいました」

理事長「楽になりなさい」

絵里「…」


刃には、まだ知らない女性が映っていた


絵里「そう…そういうことだったのね」ズァン!!

絵里「さぁ…ぶちかますわよ」


ズドンッ!!!!


力強いチェリッシュの殴打は

絵里の身体に打ち込まれた


『うぶッ!』

理事長「ッ!しまっ───」

絵里「そう…簡単だったのよ」


殴った身体に痛みは生じなかった


絵里「…さっき刃に映った光景に
   なんとなく違和感を感じたのよ」

花陽「は、早く止めさせ──!!」


『絵里』は冷静に話を続けた


絵里「それがやっと解けたわ」

絵里「なぜならその刃に、
   『私が映っていなかった』のよ」

絵里「それだけじゃあない…
   なぜ亜里沙は姉である
   私に対して『敬語』だったのか」

絵里「なぜここに来てからというもの
   誰も私のことを『絵里』と呼ばなかったのか」

ドン!!!バシッ!!
 

続けて拳を叩き込む


『うぐッ!!……や、やめ』

絵里「本当に簡単だったのよ…
   何故なら今の私は『絵里』じゃないのだから」

絵里「あなた…言ったわよね?
   『この世界の私』を倒せって」

絵里「勘違い…いや、錯覚していた
   …とでも言った方がいいかしら?」

絵里「その言葉通りに……
   『この世界の私』が『貴女』だったのよ」

『ぐっ……ゴホッ』

絵里「見た所、私が私自身に攻撃をした時に
   貴女にダメージが反映されるようね」ブスッ


左手に刃物を突き刺す


『ぐあっ…ッ!……ッ』

希「うごぉおぉォオオ」ドロドロ

理事長「ばばばば…ァ」ドロドロ?


本体が弱ってきたからだろうか
ユメの住人がドロドロと溶けていった


絵里「さて…これ以上攻撃されたくなかったら
   さっさとスタンドを解除しなさい
   今なら私が目覚めても何もしないわ」

『わ……わかった、本当に何もしない……?』

絵里「えぇ、約束するわ」

『…か…解除』グニャアアア


視界が歪む
そして辺りが黒で染められた



チャン!…。リチャ…!


ことり「絵里ちゃん!!」

絵里「うぇ?」パチッ

穂乃果「も~、
    絵里ちゃん熟睡しすぎだよ~…ふぁぁ」

ことり「穂乃果ちゃんもたっぷり寝てたよね?」

穂乃果「と、とにかく!そろそろ次の駅着くよ?」

絵里「えぇ、…そっか…私 電車に乗って…」

穂乃果「…?うん、そうだよ」

絵里「…ただの夢だったのかしら」


「ぐ…っ……うぅ」


少し離れた席で苦しんでる女性の声が聞こえた


絵里「…あの人は?」

穂乃果「え?あぁ、絵里ちゃんの目が覚める
    ちょっと前に体調が悪くなったみたい」

ことり「左手から血も出てたし…
    声をかけたんだけど『大丈夫……』
    だって言うんだけど…本当かなぁ?」

絵里「…………へぇ」

絵里「左手から、…ねぇ…」

絵里「…」。。。

絵里「ちょっと様子を見てくるわね」

穂乃果「え?うん」


「はぁ……っ」

絵里「あなた…」

「はぁ……はぁ……」

絵里「…」


………ドドドド
 

「な……何?…っ」


ドドドドドド


絵里「……」


ドドドドドドドドドドドド


「……ッ」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドトド


絵里「…」バッ!!

「ッーーー」ビクッ!!

絵里「…」

絵里「どうしたの?ほら」

「……え?」

絵里「ひどい汗よ?
   よかったらこのハンカチ使って」

「…あ、……ありがと」

絵里「私たちは次の駅で降りるから
   …無理をするのはダメよ?」

「え、えぇ……」


~ ~ ~ ~ ~ ~


穂乃果「あ、おかエリちゃ~ん」

絵里「ふふ…なによそれ」

ことり「どうだったの?」

絵里「えぇ、大丈夫そうよ」

穂乃果「そっかぁ」

ツギハ-……◎◎……◎◎ゥー

ことり「あ、着いたね」

絵里「えぇ、降りましょう」

~ ~ ~ ~ ~ ~

プシューーーー ゴトン……ゴトンゴトン


「ふ…ふふ……」

「よ、よかった……彼女、気づかなかったみたい」

「はぁ…冷や汗でベタベタ…
 さっきのハンカチ…使わせて貰お……」
 
「ふぅ…」フキフキ



ズギュン



「……?」モソモソ

「何このハンカ───」ゾワッ


絵里「…」

ことり「…どうしたの絵里ちゃん?」

絵里「2人は…『蟷螂の卵』って見たことある?」

穂乃果「カマキリの卵?…うん、小さい卵が
    何個も集まって塊になってるんだよね?」

絵里「その塊を卵鞘(ランショウ)というんだけど」

絵里「なんと卵鞘には小さな卵が
   だいたい150個ぐらい入ってるんですって」

穂乃果「へ~…そうなんだ」

ことり「…?」

えり「ま、だからといってどうということもないけれど」…ュン

穂乃果「え?能力使ったの…?……何に?」

えり「…たまには幼くなりたいものなのよ」



その後、電車内で女性の甲高い叫び声が響いたという

近江 彼方…再起不能


←To Be CONTINUED


カーム・イリュージョン
本体(近江 彼方)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira124909.jpg


能力…
眠っている対象に、ユメを見せる能力
ユメの内容は『自らの関係者に殺される』というもので夢の中で殺された場合、永遠に目覚めなくなる

ユメの中では、肉体だけが彼方のものとなり
意識は対象のものとなる、対象が自らの手で自分を
攻撃することで本体にダメージが反映される

《現実    ユメ》

肉体…絵里  肉体…彼方
意識…無し  意識…絵里


ステータス…
破壊力───なし スピード─なし
射程距離──C   持続力──B
精密動作性─なし 成長性──C

元ネタ…
錯覚CROSSROADS


>>212
言い訳させてもらったら>>3を見てもらったらわかると思うのですが文末に?が着くという謎の現象が起きててこれを消すのが凄くめんどくさいので投稿が遅れてます
あ、いつの間にか更新してる、ぐらいの気分でいて下さい

テキストエディタで全部一斉に置き換えるとかできないのか?

>>230
あんまりネットに詳しくないんですが…やってみたところ無理でした
修正せずにそのままコピーするとこんな感じです



第11話
「小さな靴を履いた猫」


B地区

にこ「じゃ…にこ達はここら一帯を調べるわよ」

凛「はーい」

花陽「う~ん…なんでこんな所にあの人たちは来たんだろう…?」

にこ「それを調べに来たんじゃない」

花陽「そうだけど…」

…あれ?

第11話
「小さな靴を履いた猫」


B地区

にこ「じゃ…にこ達はここら一帯を調べるわよ」

凛「はーい」

花陽「う~ん…なんでこんな所にあの人たちは来たんだろう…?」

にこ「それを調べに来たんじゃない」

花陽「そうだけど…」

凛「よりにもよって神社に来ることなんてあるのかにゃ?」

凛「他のグループも神社に行ったみたいだし」

にこ「仕方ないじゃない、どーゆーわけか奴らがここに来たんだから」

にこ「ほら、探索開始~」

なんか……解決したようです…
これなら投稿スピード早まりそうです

※テストです


第11話
「小さな靴を履いた猫」


B地区

にこ「じゃ…にこ達はここら一帯を調べるわよ」

凛「はーい」

花陽「う~ん…なんでこんな所にあの人たちは来たんだろう…?」

にこ「それを調べに来たんじゃない」

花陽「そうだけど…」

凛「よりにもよって神社に来ることなんてあるのかにゃ?」

凛「他のグループも神社に行ったみたいだし」

にこ「仕方ないじゃない、どーゆーわけか奴らがここに来たんだから」

にこ「ほら、探索開始~」

第11話
「小さな靴を履いた猫」



にこ「じゃ…にこ達はここら一帯を調べるわよ」

凛「はーい」

花陽「う~ん…なんでこんな所に
   あの人たちは来たんだろう…?」

にこ「それを調べに来たんじゃない」

花陽「そうだけど…」

にこ「ほら、探索開始~」


ー ー ー ー ー


草木が生い茂る所にまで凛は進んでいた


凛「う~ん…結構奥にきたけど…何もないなぁ…」

凛「…?」トテトテトテ

凛「わぁ……凄い…」


まるで鍵のように、歪に曲がった樹木
どこか神秘的で、幻想的であった


凛「凄い形…どうやったらこんな
  生えかたするんだろ…?」


好奇心に駆られ、樹に近づく


凛(…写真撮ろっと)

なんという現代っ子思考

携帯を取り出し、カメラを起動する
ピントを合わせる為 携帯の画面に触れる

……グニ

凛「…?」


画面に映る樹が動いたような気がした


バッ!!!

凛「…え?」


否、動いたのだ


凛「は!?な…これ…!」


樹の枝は凛の体を束縛するように
グルグルと体に巻きついた


凛「な…なにこれ…!」

?「捕まえた…♪」

凛(…ッ、誰!?)

?「私、鳥居 歩美っていうの」

歩美「いっかいしか言わないから
   ちゃんと覚えなさいよね」
 
凛(て…敵ッ!!?)

歩美「3人相手…ましてやあの
   矢澤にこまでいるから攻撃なんて
   仕掛けられなかったのよね…」

歩美「だから…1人になるのを待ってたの」ブワァツ!!

凛(!?、ま、また樹が巻きついて…!)

歩美「連絡係がいるんでしょう?
   仲間呼ばれたら困るから黙っててもらうわね」

凛「……」


ブチィッ!!!


歩美「ッ!!?」


まるで朝顔のツタのように巻きついた樹の拘束を
半ば強引に引きちぎった


凛「…」

凛「安心してよ…、別に にこちゃん達を
  呼ぼうって訳じゃないから」

歩美「…は?」

凛「…」 。。。


凛(ななか と闘った時も…あの喫茶店の時も
  凛は何もできなかったし、動けなかった)

凛(あれから特訓して、スタンドを
  そこそこ使いこなせるようになったんだ)

凛(例え凛1人でも…
  敵に勝てるようにならなくっちゃあならない!!)

歩美「…何を企んでるの?」

凛「別に?……呼んでいいなら呼んじゃうよ?」

歩美「……まぁ、呼ばないなら呼ばないで
   こっちも都合がいいのだけれど」

凛「…いくよ」

凛「リトル・ブーツッ!!」ズアッ!!

歩美「ジュエル・クイーンッ!!」ズアッ!!


スタンドの拳が衝突する

その音が闘いの始まりを告げるゴングとなる



歩美「…ッ!」グラッ


歩美の体勢が崩れる


凛(よしッ!!…スタンドのパワーは凛の方が上!
  このまま拳を叩───)グギッ

凛「……え?」


凛の左腕が、とても痛々しい方向を向いていた


凛「は…なにが…。パワーは凛の方が確実に
  上だったの、に…ッ何がッ!!」

歩美「しょっと」ズギュン!


グワアゥッン!!


とてつもない勢いで凛めがけて倒れてきた樹木



凛「ぐあッ!!」バジィ!!


凛は勢いよく地面に叩きつけられた



凛「ぐ…、な。なんで攻撃すらしていない樹木がいきなり薙ぎ倒されて…?」

凛「それに腕まで折れ……」

凛「……?」

凛(こんな角度で腕が曲がって…
  折れてるに決まっているよね…)

凛(なのに……全然『痛くない』…?
  骨折したことないからよく分からないけど
  骨折ってもぅと痛いはず…だよね?)

凛(まさか…『折れていない』……?)

歩美「なにボーッとしてるの?」

凛「!」

歩美「ほら」ズギュゥン!



グアッ!!!


凛に向かって倒れてきた4本の樹木


凛「───!」

ズゥゥゥゥゥウウウウン……


歩美「…」

歩美「…さて、まずは1人目ね」

歩美「ここにきてるのは 矢澤にこ と
   小泉花陽 か…どっちからいこうかしら」

「……勝手に終わらせないで欲しいな」

歩美「!?」バッ


声は樹木の重なった山から聞こえた

バキィイッ!!

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凛「…残念だけど、凛はそこまで
  チョロい女の子じゃないよ?」

歩美「…どうやってあの樹の数から」

凛「さっきからそっちが攻撃してばっかりで…
  凛にもスタンド能力があること忘れてないかにゃ?」

歩美「…」チラッ


凛の周りにはどういうわけか地面が幾つも隆起していた

凛「色々調べたんだけど…『弾力』って
  力が加わったら元に戻ろうとする力があるんだって」

凛「その時に加わった力が大きければ大きいほど
  元に戻る時の力も大きくなる」

凛「例えば弾力を与えた地面を全力で叩いたら…
  跳ね返ってくる力で地面が盛り上がってくるんだよ」

歩美「『弾力』…」

凛「それとあなたの能力もわかったよ」

凛「『曲げる』能力…だよね」

歩美「!」

凛「最初は『植物を操る』とかだと思ってたんだけど…
  それだと凛の左腕が何でこんなことに
  なってるのか説明できないし」

凛「なによりこの樹の根元…」


倒れてきた樹の根元に近づく


凛「操るっていってもこんなに
  直角に曲げる事ができるものなの?」  

歩美「…勘がいいのね」

凛「そう?ここまできたら誰でも分かると思うけど」

歩美「…で、わかったから何?」

歩美「あなたはどうするつもり?」

凛「そうそう、実は特訓してるときに
  リトル・ブーツの『弾力』には
  1つだけ『特性』があるのを見つけたの」

歩美「…答えになってないわよ、
   ちゃんと言葉のキャッチボールしましょう。ね?」

凛「さっき弾力を与えて盛り上がった地面に
  …弾力を与えた石を投げ込む」ブン!!

凛「どうなると思う?」

歩美「だから…さっきから話が通じーー」
ズガッ!!!

歩美「うぶッ!!?」ズシャ!!


先ほど凛の投げた石が歩美に勢いよく飛んできた 


凛「仕組みはわかんないけど…
  リトル・ブーツで弾力の与えた物に
  弾力を与えたもので力を加えると
  パワーも速度も2倍になって跳ね返ってくる」

歩美「か……ッ」

凛「さっきの質問に答えてあげるよ
  策なんてないから力でねじ伏せる」

歩美「…ぅ、…ぐぅう…」

凛「現にこうやって今は凛の方が上に立てている」
 
凛「…決めさせてもらうね」


近くにある石を先ほどのように盛り上がった地面に
1度ぶつけてから歩美に当てる


凛「うぉぉぉおおおおッ!!」ブンブンブンブンブン!!!



力も速度も倍になった石の猛攻

歩美は動かなかった


ドン!ドン!ドン!ドン!!


歩美「…」

凛「…え?」


いや、動く必要がなかったのだ


歩美「『勝ったッ!!』
   …とでも思ったんじゃあないの?」

歩美「甘い、甘々ね…。
   クレヨンしんちゃんのミッチーとヨシリン
   ぐらい甘くてはうざったらしいぐらいね」

凛「ッ!!」ブン!!


今度は弾力の反射に頼らず
己の腕で石を投げつける


歩美「無意味よ」フォン


だが 、石が歩美に直撃することはなかった


凛「な、何で…。」

歩美「あなた…さっき思ったんじゃあないの?」

歩美「『何だ曲げる能力か』『たったそれだけか』…と」

歩美「別になんと思われようが構わないけどね…
   勝手に能力の限界を決めつけないでくれる?」

凛「今の当たらなかった石も関係あるっていうの!?」

歩美「『軌動』」

凛「…は?」

歩美「私が曲げたのは『軌道』…これで納得した?」

凛「軌道…?」

歩美「…それと…あまりジッとしてない方がいいわね」

凛「な『ズガガッ!!』」

凛「ぐあッ!!」ドサ

歩美「普通に投げられたら石なら
   速度が落ちてあなたにまで届かない」

歩美「けど…さっき投げた
   『速度も威力も2倍になった石』なら…
   軌道を曲げてあなたの所まで導くことができるわ」

歩美「多少威力は落ちてるけど…ソレ痛いわよ?」

凛「ぐ…う…ッ!!」

歩美「次はこっちの番ね」ズアッ!!

歩美「ジュエル・クイーンッ!」グアッ!

凛「ッ!!」ぐらっ


精神の激突
凛の拳は弾かれ、押し負けた
体が大きく傾き反動で凛の肘が地面につきそうだった


歩美「ーー」

その瞬間
殴った拳の感触にどこか違和感を感じた
いくら凛が押されていたとはいえ
スタンドのパワーは凛の方が上であった
その凛が何故パワー比べで『負けた』のか


歩美「ッ!!」

凛「気付いちゃった……?
  凛の腕に弾力を与えておいたんだ」


なぜなのか、歩美は瞬時に理解した


凛「………地面に『弾力』を与える」


肘が地面に着いた

同時に猛スピードで凛の身体が押し出される

固めた拳を前に突き出しながら



歩美「き!『軌道』を曲げ───」



間一髪だった
凛の拳が歩美の頬を掠った
冷や汗をかいた

想定外のことがあるとするならば
頭部をねらった踵に気づく事ができなかった


歩美「ッ」ガン!!


歩美は凛の一撃をモロにくらい地面に伏せる


凛「あでっ!」

凛「…あいたた…。」


拳の軌道を曲げられたら凛は
勢いそのままに樹木に突撃したが、無事であった


凛「う…。…か…踵痛い…」

凛「…えへ」

凛「今なら言わせて貰ってもいいよね?歩美ちゃん」

凛「凛の『勝ち』っ!!」バン!!

にこ「りーんー、次の場所行………」ガサッガサッ

凛「あ!にこちゃん!」

にこ「……これは?」

凛「見て見て!凛1人でも敵をやっつけたにゃ!」

花陽「にこちゃん、凛ちゃん見つかった?」

凛「かよちん!見て!凛頑張ったよ!」

花陽「あ、あはは…は」ダラダラ

凛「…?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


凛(ッ!?)ビクッ

凛(な、なんだろ…この威圧感…?)

にこ「りぃぃぃんん…」ゴゴゴゴゴゴ

凛「え、ちょ、な…なんで
  にこちゃん怒って…!?」

にこ「ちょっとこっちきなさい!」

凛「えぇ!?な!なんで!?」

花陽「あーぁ…」

凛「に、にこちゃ!ごめん!
  何かわからないけどごめん!」

凛「ダレカタスケテぇぇーー!」  

花陽「あ…」

花陽「えっと…」

花陽「…」

花陽「ちゃ、ちゃんちゃん♪……?」


←To Be CONTINUED

ジュエル・クイーン
本体(鳥居 歩美)

能力…
あらゆるものを『曲げる』能力

ステータス…
破壊力───C スピード─C
射程距離──E 持続力──B
精密動作性─A 成長性──C

元ネタ…
ダイヤモンドプリンセスの憂鬱

第12話
「今から挑戦者?」


海未「…ここにも何もないようですね」

希「そうやねぇ…次のところいってみよか?」

海未「そうですね」

海未「…」

海未「彼女が素直に行かしてくれればの話ですが」

?「…」

希「スタンドの像まで出して…
  いかにも『襲いますよ?』って顔しとるな」

?「そ…そんな物騒な顔してるかな…?」

?「んまぁ、正直のところ目的は
  その通りなんだけど…」


見るからに敵の彼女はビリヤードで使う棒を
クルクルと回しながら自己紹介を始めた


?「どーも始めまして、紫藤 美咲です」

美咲「とまぁ…
   あなた達のご想像通り敵なわけだけど…」

海未「ご丁寧にありがとうございます
   私の名前は…」

美咲「あー…自己紹介は必要ないよ」

美咲「ペッタンコが海未で
   ボインボインが希よね?」

海未「…もう少しマシな覚え方をしてほしいものですね」

美咲「海未は水を操って、希は滑力を与える」

美咲「私のスタンドの名は『ダメージ・ハート』」

美咲「能力は……ひ・み・つ♪」ポイッ

海未「!……?」パシッ

美咲「あげるよ」

希「…、瓶…?」


美咲の投げた金属製の小さな瓶からは
チャプチャプと液面の揺れる音が聞こえた
見たところ特に変わった所は見当たらない


海未(私の能力を知った上で水分を…?)

美咲「…」

美咲「…」ニヤ

希「ッ!!」
 


困惑する海未の隣から注意を促した


希「海未ちゃんッ!!!」

希「その小瓶を早く捨ててッ!!」

希「直感だけど…その小瓶は『何かヤバい』ッ!」

海未「わ、わかりました!」ブンッ


海未の手から離れて 、ほんの数秒後
 

ドグァアァァァアゥン!!!

瓶は凄まじい音と共に爆発した


海未「うぐっ!?」ジュ!!

希「海未ちゃん!!」

海未「だ、大丈夫です…
   希のおかげで少し火傷した程度ですみました…」

海未「それよりも…」


美咲「あちゃ…不意打ち失敗」


海未「敵の能力は一体…!」

希「海未ちゃん…気ぃ引き締めて行くよ…!」

海未「勿論です…ッ」

希「あの爆発そのものが能力なのか
  …それとも、能力の応用で使った爆発なのか」

美咲「攻撃してこないならこっちからドンドンいくよ?」


キィィイイイィィイィイイン!!


海未「ッ!!?」

希「ぐぅッ!?な…なにこの音ッ!頭が痛…ッ!」

美咲「フッ!!」グアッ!

希「くッ!!」バシッ


美咲のスタンドが繰り出した拳をリサ・ローブが防ぐ


希「この音を…
  今すぐにでも止めてほしいかな…ッ!」グググ

美咲「こっちはその手を離して欲しいよ」グググ

希「それはお断りやぁ……ねッ!!」グアッ!

美咲「ッ……!」ズガン!


負けじとリサ・ローブの拳を突き出すも
防がれて直接的なダメージを与えることには失敗
互いに距離をとっただけであった


希「はぁ……」

美咲「つぅ~…突然殴らないでよ…」

海未(……? 音が止んだようですね)

希「そっちがこの音を止めなかったからやん…
  自業自得っやつやね」

美咲「…その言葉、そっくりそのまま
   返すことになるけど構わないの?」

希「?」

海未「…っ!?の、希ッ!!」

海未「どうしたんですかその指はッ!」

希「…指?」


希の左手の指
詳しく説明するのであれば人差し指と中指だ

2本の指誰が見ても不自然なぐらいまで蒼白としていた
 

希「こ…これは…?」

美咲「言ったでしょ?」

美咲「そっくりそのまま返すって」

希「ゆ…指が痺れて…いつの間に…ッ」

美咲「鈍感だね~…ほら」ズギャン

希「ウッ!?」グググググ

海未「の、希!」

美咲「いっちょあ~がりっ」


カツン、とビリヤードの棒で地面を叩いた


希「い"…ッ!!ーーッ!!」


その瞬間である
希の指が崩れ落ちたのは


海未「な…ッ希に何をしたんですかッ!?」

美咲「言ったでしょ?ひ・み・つ♪」

希「~~ッ…ふ、ぅ……ッ…」

海未「希!傷口をッ!大丈夫ですかッ!!」

海未「こ、これは酷……………」

海未(出血が思ってたより、…少ない?)

希「あ、後で…ことりちゃんのマカロン貰わんとね…」

美咲「うーん…ここで死ぬから無理だと思うけど」

海未「…」

海未「理事長!!」

理事長『ど、どうしました!?』

海未「調べてほしいことがありますッ!」

理事長『…?』

海未「『手が白くなる』現象と…
   ついでに『爆発する小瓶』!!」


海未「特に手が白くなるほうについて
   詳しく調べて欲しいんです!」

美咲「おぉっと!カンニングは許さないよ!」ズァン!

希「ちょっとハンデくれてもええやん!」ズァン!

希「…ッ!?」ズキッ
 

希に訪れる激痛


希(か…関節が…!)

美咲「トロイよ?」グアッ

海未「希ッ!」


希の危機を察した海未は水弾で対応


美咲「うッ!?」ビシッ

海未「あ…危なかった…」

美咲「ちょ…直撃を避けることはできたけど」

美咲「水分を操るって…こんな勢いで水当てられたら
   たまったもんじゃないよ…」

海未「…」

海未(体内の水分で作ったこの水弾…)

海未(使いすぎると私自身が脱水症になって
   より不利な状況になってしまいます)

海未(1度に大量の脱水を抑える為に
   威力が弱まるのは仕方ありませんが…
   それでも充分の威力を持っています)

海未(しかし水弾を撃てる回数は、
   ……おそらく残り3発が限界)

美咲「…先に海未の方を始末しようかな」ダッ!

海未(それまでに奴を倒さなければッ!)

希「くっ…海未ちゃ…!」

海未「無理をしないでください希!
   その傷が悪化したらどうするのですか!?」

海未「しばらくは私に任せて下さいッ!」

理事長『園田さん!』

海未「理事長!」

理事長『「手が白くなる」と検索したら出てきた
    ワードなのであまり確信はもてませんが…』

理事長『東條さんのその症状は
    「白蝋病」というものだと思われます』

海未「白蝋病…?」

美咲「…」ピクッ

理事長『局所的に「ある力」を加えると発症する
    もので症状としては皮膚の蒼白化
    骨関節の障害などがあります』

理事長『さらに血行に障害が生まれ、
    重度なものになると爪の変形
    筋萎縮、壊死する可能性があるようです』

海未(血行に障害…ということは血管に
   血が通ってないということでしょうか
   …それで出血があまり…)

理事長『その「力」というものは…』


理事『「振動」!!』 バン!!


理事長『小瓶が爆発したとも言ってましたね?』

理事長『その小瓶に液体は入っていませんでしたか?』

海未「はい、確かに入ってました!」

理事長『今戦っている敵の能力が「振動させる」
    能力であるならば「水蒸気爆発」と言い、
    ただの水が入った金属製の小瓶を振動で
    熱し爆発させる事も可能ですよ』

海未「なるほどそういうことですか
   …ありがとうございました」

美咲「…バレちゃったか」

海未「あの頭に響く音も…空気を振動させて
   作った超音波かなにかだったんですね」

美咲「せーかい♪」

海未「これでお互い能力が判明してサシです
   …覚悟はいいですか?」

美咲「…ん?ちょっとちょっと」

美咲「何勝つ気になってんの?」キィィン!!

海未「つ"ッ!」バッ


耳を抑える
視線を美咲に戻そうとすると
先ほどと同じ形状の小瓶を空中で確認した


海未「ーーーッ!」バン!!


とっさに水弾で瓶を粉砕


美咲「ちゃんと周りを見ないと♪」


横から現れた美咲は、海未の頭に一撃を喰らわせた


海未「ぐぅッ!!」ズザザ!

希「海未ちゃん!!」

海未「て…敵スタンドのパワーが弱いのがせめてもの救」

海未「うっ!!?」


突然の嘔吐
辺りに異臭が漂う


希「海未ちゃん!?」

海未「うっ……ハァ…ハァ……?気分が…?」  

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希の手から血液が溢れ出す
先ほどまで縮小していた血管が元に戻ったのだ

しかし、希は海未のことに気をとられ自分のことを
気にしてる場合ではなかった


海未(視界も…、グルグルと)

美咲「半規管と前庭っていう……
   半規管は三半規管って言った方がわかりやすいかな
   とにかく耳の器官を揺らしたんだよ」

美咲「その2つの器官は体の傾きの方向や大きさ、
   回転の方向や速度を感じる平衡感覚器官で…」

美咲「…ま、ザックリいうと今の海未は
   酷~い車酔いにでもなったと言えば分かるかな?」

海未「ハァ…っぇ………このッ……!」

美咲「あとさぁ…さっきから気になってたんだけど」

美咲「水飛ばす攻撃さ、あんまり撃てないんじゃない?」

海未「…!」

美咲「強い攻撃使えるなら何回でも使ったらいいのに…
  どーゆーわけか制限があるんだね」

美咲「そんだけフラフラだったらさぁーー
   こっちは軽く動き回るだけで
   その水も当たらないよねー♪」

海未「…」。。。


スッ


銃口ともなるその右手の人差し指を
 ターゲット
『 的 』となる美咲に向ける


美咲「…」

海未「その通りです…とある理由で……っ、ふぅ…
   さっきの水弾は残り2発しか撃てません」

海未「そこで…私はこう考えることに…、……します」

海未「残りの2発分を1発に込めます」

美咲「…へぇ」

海未「最後の1発となりますが…
   範囲も威力も先ほどの倍以上となります」

海未「当たりさせすれば…私たちの勝ちです」

美咲「…」

美咲「ふふ、挑戦的だね」

美咲「そういうの大好き」

海未(もっと…もっと近づいてきて下さい…)

海未(近くで…動きが止まってさえいれば…ッ!)

美咲「…」ザッザッザッ

海未「…」

海未(今ッ!!!)グッ!

美咲(…)ニヤッ


「あ~ぁ…バレバレだよ」


そう考えながら思わず口が緩む
少しだけ横にズレようとする美咲

それを遮るように足が掴まれた


美咲「ッ!?」バッ

希「忘れてもらっちゃあ…困るんよね」ガシッ

美咲「おま───」


すっかり忘れていた
音もなく滑ってここまでやってきた希が
美咲の両足首を掴み、動きを止める


海未「ーーー」


この瞬間を待っていた


構え

狙い

そして 放つ


美咲「ーーーー」ズシン!!!


砂埃が舞う


海未「…ハァッ……く、ハァ…ッ!」


海未自身がギリギリ動ける程の水分を体内に残し、
疲労で今にも気が飛びそうだった

ドサッ

ナニカが海未に向かって飛んできた


希「…っ、う…海未ちゃん…」

海未「の…希?」

希「こ、こんなことって……ッ!」

「ちょっとさぁ…」


砂塵の中から声が聞こえた


美咲「この腕…さぁッ!……どうしてくれんの?」


血だらけで形も歪な左腕を目にしながら
彼女は今にも噴火寸前といったところだった


美咲「やるじゃん…これだけは…
   つぅ、…最終手段だったよ」

海未「な、なんだったんですか…今のは…」

美咲「揺らしたんだよ…、規模は小さいけど…
   『揺れ』は凄かったはずだよ…?」

海未「『地面』が…揺れた…!」

美咲「お陰で直撃は避けることができたよ…
   腕がさぁ、悲惨なことになってるけどね」

海未「う…ぐぅ…!」

美咲「もう、……水をだすこと出来ないんでしょ?」

美咲「だから…ね?とどめ…差しても構わないよね?」

海未「…!」

美咲「久しぶりに清々しい戦いをしたよ
   …凄く…尊敬する」

美咲「…せめて苦しまないようにトドメをさしてあげる」

海未「そう、ですか」

海未「…しかし、わかってないようですね」

美咲「うん?」

希「海未ちゃんは…こういいたいんよ」

希「『とどめを刺す…ということは』」

海未「刺される覚悟があるということですよね」


バン!!!!

美咲「うぶ…ッ、…は?…な、」


美咲の胸部が赤く染められる


美咲「水は…使えな…」

海未「安心してください…その『赤色』は
   胸を貫通させたわけでは、ありません」

海未「もちろん…私からは
   もう水弾を出すことは不可能です」

海未「ですが…さっきから…『赤い液体』を
   流している人がいるではありませんか…」

美咲「そ…うか、これは…」

希「そ、…うちの身体から出た『血』なんよ」

海未「私の能力で操れる水分は…
   他の生物の水分は操れません」

海未「しかし…既に流れ出た血は
   もうただの水分です…誰のものでもありません」

海未「知ってますか…
   血液の約95%は水分で出来ているんですよ」

美咲「こりゃ…してやられ…」ドサッ

希「うちらの…」

海未「勝ち、…です」

ー ー ー ー ー ー
美咲の目が覚める


美咲「…?」

海未「やっと目が覚めましたか…」

希「お互い酷い有様やなぁ」

海未「とりあえず、今の希のように
   これ以上出血しないために傷口から
   出ている血をそこで固定しました」

海未「見てくれは悪いですが…辛抱してください」

美咲「…」

海未「あと、あなたの持っていた瓶の水は
   私がいただきましたよ、私もギリギリだったんで」

美咲「…なにを……いってるの?」

海未「…」

海未「私たちは…別にあなたたちに
   狙われているからといって…
   殺すつもりはありません」

海未「いや…どうしようも無いときは
   殺めてしまうのかもしれません」

海未「私たちはただの学生なんです、
   …人の命を奪うなど…そんな覚悟…
   生憎、私は持ち合わせていません」

希「そ・れ・にっ、ききたいこともあるもんなぁ」

美咲「ふふ、いいよ…知ってることを教えてあげる」

海未「随分羽振りがいいですね」

美咲「もうね、あなたたちを殺す気分じゃないんだよ」

美咲「私はね…あなたたちみたいな挑戦者が大好きなの」

美咲「ただ、…もう時間はあまりないよ?
   …早く手を打った方がいい」

希「…?」

美咲「彼女たちは…ある人物を狙っている」

海未「…ある、人物…?」

美咲「そ。ただね…μ'sのメンバーじゃあないよ…
   でも、とてもあなたたちに協力している人物」

美咲「狙われているのは音ノ木坂の理事長さん」

海未「り、理事長を?」

美咲「うん、彼女たちが襲いに行くのは4日後…
   もうチンタラやってる暇はないかもね…」スッ

希「どこに行く気なん?」

美咲「病院だよ…私が協力できるのはここまで、
   おふたりさんもそろそろ帰って休んだ方がいいよ」

海未「…送りましょうか?」

美咲「いいって、言っちゃえば自業自得なんだしさ?」

美咲「…ねぇ」

海未「?」

美咲「……がんばってね」

海未「…」

海未「はい」ニコッ

希「んじゃあ…ウチらも帰ろっか」


ーーー別荘ーーー


にこ「…ったく、やっと帰ってきたかと思ったら
   えらい大怪我して帰ってくるじゃない?」

ことり「とりあえずこれで希ちゃんも大丈夫だよ」

絵里「ほ、本当に大丈夫なの…希?」

希「ことりちゃんのマカロンが万能なんわ
  えりちも知っとるやろ?」

絵里「そうだけど…」

海未「あの…ところで」

凛「…」ずーん

海未「なぜ凛は拗ねているのですか?」

花陽「あー、えっと…凛ちゃんも敵と遭遇したんだけど」

花陽「花陽たちが近くにいたのに1人で闘って…」

花陽「それでにこちゃんに叱られちゃったの



『もしそれで大怪我でもしたらどうすんのよ!』
『罰として今日の晩御飯は お魚よ!』



花陽「…って」

凛「わざわざ骨の多い
  ハモにするあたりがいやらしいにゃ…」ずーん

穂乃果「ハモって初めて食べるなぁ
    …楽しみだなぁ…」ワクワク

真姫「ちょっと、話がズレてきてるわよ」

真姫「どうすんのよ、理事長が狙われてるんでしょ?」

絵里「理事長…ね」

絵里「…」。。。

にこ「…絵里?」

絵里「…ねぇ」

絵里「とてもかしこい作戦を思いついたわよ」クスッ


←To Be CONTINUED

ダメージ・ハート
本体(紫藤 美咲)

能力…
触れてたものが美咲から離れると
振動させることができる能力
触れてた時間が長ければ長いほど振動は強く長くなる

ステータス…
破壊力───C スピード─E
射程距離──B 持続力──E
精密動作性─B 成長性──A

元ネタ…
HEART to HEART

第13話
「Sparkling Daydream」


これは、彼女が…否、彼女たちが
女神に牙を向けるまでの日常の一部である



終了を告げる聞き慣れないベルの音が鳴り響く
机から立ち上がり会話を始める者
そのまま机に屈伏して寝ている者
辺りをウロウロと徘徊する者


?「…」スゥ


そんな中、彼女は鞄から柏餅を取り出した


?「…」モグモグ

?「あのぉ~…」

?「…?」モグモグ

?「ごきげ…いや、……Hello?」

?「…」モグモグ

?「…」ゴクン

?「日本語でオーケーよ」

?「あら、そうですの?」

?「えぇ、『流暢』の使い方がわかるぐらいにはね」

?「わたくし…中学の頃のお友達がこの高校には少ないんですの」

?「坂巻 千鶴子と申しますの」

千鶴子「これからよろしくお願いしますわ」

?「…レベッカ」

レベッカ「こちらこそよろしく」 


レベッカ、高校1年生の春である



「独り」というものは何よりも劣勢な勢力だ
それはこの高校生活でも同じこと
1つの集団を作り、そこで居場所を作る
人はそうした『安心感』を持って生きてきた

深い仲にはならない
…だが、安っぽい関係になると裏切られる可能性もある


レベッカは『丁度いい関係』を目指していた


レベッカ「千鶴子、聞きたいことがあるの」

千鶴子「なんでしょうか?」
 
レベッカ「今更なんだけど…
     なんで学校初日に私に話しかけてきたの」

レベッカ「もっと他の人もいたのに
     …なんで真っ先に私に」  

千鶴子「…何故なのでしょう」

千鶴子「なにか…惹かれるものがあったのですわ」クスッ

レベッカ「…変わった人ね」

千鶴子「あら、あなたも相当な変人ですわよ?」



レベッカは今までの人生で「友」というものを知らない
いや、正確には「作らない」のだ

なぜなら…誰にもレベッカの抱えている
秘密を話すことはできないのだから

この千鶴子とて同じこと
彼女ともただの「関係」を作るだけでいるつもりだ



レベッカ「…」

千鶴子「どうしました?」

レベッカ「…ねぇ」

レベッカ「よかったらあそこ…よってみない?」 

千鶴子「…体育館ですの?」

千鶴子「どうしたのです…急に」

レベッカ「どうして…」

レベッカ「それは…私にもわからない」

レベッカ「ただ…気になったの」

千鶴子「?」


放課後になるとボールが床を跳ねる音と
シューズが床に擦れる耳障りな音が鳴り止まない
この場所が妙に気になった

今日の部活動は休みなのだろうか
やけに静かだった

近づくとボールを跳ねる音が聞こえたが
それでもどこか落ち着きがあった

こっそりと覗いてみると

バスケットボールを滑らかな手つきで跳ねている
大きめのリボンでくくった短めのポニーテール
頭のてっぺんに見事なアホ毛が生えている女

かたやもう1人は
コートの隅でそれを呆然と眺めている
美しく長い髪を束ねた女

1年生の自分達には居ない顔ぶれだったことから、あの2人は2年か3年の先輩なのだろう

?「休みの日ぐらい休んだらいいのに…」

?「今日みたいな休みの日だからこそ
  ゆったりしたバスケをするんだよ」

?「わっかんないなぁ…」

?「あんたの特ダネ探しとおんなじ感じだよ」ダムダム

?「よっと」ヒューン

?「あっ」

?「やーい下手くそぉ~」

?「う、うるさいなぁ…もう…」


見かけたのは、どこにでもある青春の1ページ


千鶴子「…なにかありましたか?」

レベッカ「…」

レベッカ「…ソーリー。行きましょう、千鶴──」


次の瞬間であった


?「ほら、いっといで」ズァン!!


ボールをもった女の背後からナニカが発現した


レベッカ「ッ!!?」


彼女の抱える秘密と、同じ性質であった


レベッカ(あれは…っ!!)


たまらず飛び出た身体、その第一声は…



千鶴子 「それはっ!!」
レベッカ「そ、それっ!!」

?「……?」


ボールを抱えて持ち主へと戻る途中の
ナニカは動きはピタリと止めた
先輩らしき2人の人物も同様に動きを止め
突然の声に驚いたのか目をまんまるに開けていた


レベッカ「…千鶴子?」

千鶴子「え…レベッ、カ…?」

?「えぇ…と、特ダネ…?」

?「ねぇ…ななか、もしかして、だけどさ…
  見えてるじゃない?この娘たち」

?「まっさかぁ~…」

レベッカ「千鶴子も見えてるの?…スタンドが」

千鶴子「スタンド…?よくわかりませんが
    見えてますわよ、この背後霊なら…」

?「特ダネ…だよ、これは」

~ ~ ~ ~ ~

?「スタンド…っていうんだ、この力」

レベッカ「はい」

?「やっばいよねコレ!!早速記事を仕上───」

?「待って」ガシッ

?「なにさ!」

?「考えてみてよ、異能な力を持ってます
 …何て誰が信じてくれるの?」

?「そんなの私のマルーン5の能力
  見せたら一発で信じるよ!」

?「信じさせたら?次はどうなる?」

?「友人は怖がって離れるかもしれない
  学者がやってきて解剖されるかもしれない」

?「そ…それは困るなぁ…」

千鶴子(流石に解剖はないと思いますの)

千鶴子「あの…もうよろしいでしょうか…?」

?「あ、ごめんね。もういいよ」

?「さっきから騒がしいそいつが森嶋 ななか」

ななか「紹介が雑っ!」

?「んで、あたしは吉川 瑞希」
 
瑞希「よろしくね」


この出会いを喜んで良かったのだろうか
歯車は動き始めた

ななか「ねぇぇ~千鶴ちぁ~ん…
    なんか特ダネもってない?」

千鶴子「この方はどれほど
    人生に刺激を求めているのでしょうか…」

 
 

日数を重ねるごとに深まっていく感情



レベッカ「basketball」

瑞希「発音すげェっ!!」



レベッカが味わったことのない新たな感情



ななか「ベッキーでもいぃんだよぉ~
    なんか特ダネないかなぁ~?」

レベッカ「べ…ベッキー……」

千鶴子「『ベッ』しかあってないですわね」

瑞希「お、あだ名かぁ~いいじゃん!」



心の底から安心できる



レベッカ「ねぇ…みんなに聞いて欲しいことがあるの」
 


秘密を共有できる存在



ななか「えぇ!?ほ、本当なの!?」

千鶴子「なんという……」

瑞希「へぇ…そんな有名人がみじかにいるなんてね」

レベッカ「えぇ、…聞いてくれてありがとう…
     だいぶ肩の荷が降りたっていうの…?
     スッキリしたわ」

千鶴子「ま、だから何?といったところですわ」

瑞希「それもそうだね」

ななか「マジに言ってんのか…
    特ダネだぞ、こりゃあぁ…」

レベッカ「ふふ…喋り方変になってるわよ、ななか」

レベッカ「…あっ」

レベッカ(あぁ…そうか、………)

千鶴子「どうしたんですの?」

レベッカ「…なんでもないわよ」クスッ




レベッカに初めて『友情』が芽生えた



4人は、この一瞬一瞬を大切に過ごしていくなか、
思い出を形として残す為、何か行動を起こそうとしていた



レベッカ「タイムカプセルとかどう?」

ななか「却下っ!ありきたりすぎるよ!」

千鶴子「ならば…みんなで
    グラビア撮影というのはいかがでしょうか」

瑞希「イカれてるの…この状況で…?」

ななか「…そうだ!」

瑞希「なにかあるの?」

ななか「最近話題になってる『コレ』始めてみない?」

バサッ


どこからか取り出してきた雑誌を取り出して
両面を飾るページを広げた

そこに表記されていたのは…


レベッカ「『スクールアイドル』?」

瑞希「へぇ…いいじゃん!やってみようよ!」

千鶴子「わたくしもやってみたいですわ」

ななか「お?結構 好評!?」

千鶴子「ではこの4人でアイドルグループを
    組むとして…早速グループ名を
    決めてみませんこと?」

瑞希「はい!『stand up girls』!」

ななか「なんかパクリ感満載なんだけど」

瑞希「う、うるさいよ!」

レベッカ「ななかは何か考えとかある?」

ななか「う~ん…『シャッターチャンス』とかどう?」

レベッカ「とりあえず特ダネから離れたらどうなの」

ななか「ち、千鶴ちゃんは?」

千鶴子「そうですわね…
    『柔らかく、そして濡れている』
    とかどうでしょうか?」

ななか「やらしいからやだな…それ」

瑞希「レベッカはどう?」

レベッカ「う~ん全員スタンド使いっていう
     特殊なグループだから…」

レベッカ「モンスターレディース
     …いや、それじゃ怪物女みたいだし…」

ななか(あ、割と真剣に考えてくれるんだ)

レベッカ「オリジナルハニー……ダメ
     この際もっとシンプルに……」

レベッカ「異能…ミュータント………」

レベッカ「…」

レベッカ「『Mutant Girls』…とかどう?」

~ ~ ~ ~ ~

「…キー……ット……オキ…ヨ」

ななか「ちょっと!起きなよベッキー!」

レベッカ「……ぅん?」パチッ

千鶴子「随分いい夢をみてらしたのですね…撮っておけばよかったですわ」
           
ななか「もう!今から先輩が『おでかけ』する
    ってのに何で呑気に寝てられるかな!?」

レベッカ「えぇ…ごめんなさい」

レベッカ「…」

レベッカ「そういえば ななかって先輩だったわね」

ななか「忘れてたの!?」

千鶴子「………ぁ」

ななか「千鶴ちゃんっ!?」

レベッカ「別にいいじゃない」

ななか「よくないよ、敬ってよ」

千鶴子「行ってらっしゃいませ」

ななか「あっ、ちょ、無理やり締めたなこのぉ…」

ななか「まぁいいや、行ってくるよ」


バタン


レベッカ「…」

千鶴子「ところで…どんな夢を見てたんですの?」

レベッカ「夢というか…」

レベッカ「……まぁ、夢のような時間だったわよね」


レベッカはポツリと呟いた



←To Be CONTINUED

時間があったら一気に投下していきます

すみません、スタンドの本体の画像忘れてました…


佐伯 麗音(ドゥ・ナット・ビー・トゥー・グリーディ)http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125421.jpg

鳥居 歩美(ジュエル・クイーン)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125422.jpg

紫藤 美咲(ダメージ・ハート)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125423.jpg


《 Mutant Girls 》
レベッカ(SID)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125425.jpg

吉川 瑞希(?)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125426.jpg

森嶋 ななか(マルーン5)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125427.jpg

坂巻 千鶴子(?)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125428.jpg   


あと、別スレで挿絵を書いてくれた人がいるので
ついでに貼っておきます

マンホールと混ざる一ノ瀬さん
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125420.jpg

エイメリー・クォーツのデザイン
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira125429.jpg


第14話
「OUTSIDER」


理事鳥「……あなた」


昼下がり、彼女は
1人の少女と出会った


?「こんにちは!突然なんですが…
  あなたを誘拐させていただきます」


メモ帳片手に物騒なことを言う少女
我々は彼女を知っている


ななか「…南理事長さん」

理事鳥「あなたが…μ'sを狙っている
    Mutant Girlsの一員ですね…?」

ななか「へぇ…よくご存知ですね」

理事鳥「嫌でも耳にするんですよ…わた、
    …娘の命が狙われているんですもの」

ななか「あはは…そりゃそうですよね」

ななか「別に理解してくれようなんて思ってません
    私達の為でしかないんですから」

理事長「随分勝手なのですね」

ななか「あはは…わがままなんです、私たち」

ななか「…ついてきてくれませんか?
    あんまり苦しませたくはないんです」


ビシュ!!

ななか目掛けて飛んできた謎の物体


ななか「…」バシィ!!


とんできた物をスタンドの拳で弾く


「残念かもしれませんが…こっちはそうはいきません」


いや、物体ではない液体だった


ななか「やっぱ…そう易々と
    連れて行かせてくれないよね」

海未「当然です」

真姫「海未の水弾を弾くなんて…ッ!」

海未「動揺する必要はありませんよ、真姫」

海未「こっちは3人いるんですから」

「『スピード』ッ!!」カチッシュバッ!!

ななか「ッ!?」クルッ!

突然背後から聞こえてきた声
蒼の瞳と括った『まげ』がなびく橙色の頭髪


穂乃果「『パワー』ッ!!」カチッ

ななか「マルーン5ッ!!」


バシィイ!!と
分厚いゴムを床に叩きつけるような音が響き
両者の拳が跳ね返される


穂乃果「うっ!?」

ななか「な…ッ!
    マルーン5の攻撃を防ぐ所か跳ね返すなんて…」

海未「穂乃果ッ!大丈夫ですか!?」

穂乃果「い…痛いけど…なんとか」ジンジン

ななか「思ったよりパワーアップしてるね…」

真姫「負けてられないわね……メリーッ!!」

メリー「ウラァッ!!」シュバッ!!

ななか「そんな数本のメスを投げようが無意味だよ」

真姫「数本…?」


9本は投げられたであろうメス


真姫「十数本の間違えたじゃない?」


能力の解除と共にその数は2倍に増える


ななか「ッ!?」

真姫「そのメスには!!
   もう1本メスを『混ぜて』おいたッ!!」

ななか「ちィッ!!」ガガガガガガ!!!

ななか「ッ!」グサッ


右腕部にメスが1本刺さる
眉がピクリとうねる


穂乃果「いける…ッ!この調子だといけるよ!!」

ななか「…」ズボッ   カランカラン


刺さったメスを躊躇なく引き抜き
すぐ足下に投げ捨てる


ななか「…」ギロッ

海未「…っ!!」ビクッ


ななかの眉間に寄った皺が3人に危機感を与える


ななか「ちょっぴり…頭にきたよ」


彼女の怒りの矛先は大地に向けられる

バリィィイイィイン!!!


海未(な…!!地面が硝子のように…いや、これは…)

海未「地面が『硝子になって』いる!!??」

ななか「さぁて…どうすると思う?」ズガ!!


硝子のヒビに勢いよく指を突っ込む


ななか「うぅぅぅリャアアアッ!!!!」グアッ!!!


掘り起こした硝子の塊を上空にブン投げる

硝子の塊が太陽の光を妨げる
光が屈折し、いくつにもバラける


ななか「『マルーン5』」


急に光が途絶えた
上空にあるさっきまで透明だった塊は
暗黒空間のような黒に染まっていた


真姫「な…なにが起きて…」

穂乃果「逃───」


最後まで喋らせてなどくれない
塊は大地という名の硝子に激突した




穂乃果「…う、うぅ…み、みんな…無事?」

真姫「ハァハァ…な、なんとか」

海未「う、…ゴハッ…」

穂乃果「海未ちゃん!!」

海未「す、すみません…ぐっ…」

真姫「海未ッ!!」

undefined

undefined

ー ー ー ー ー

ななか「ただいまー」

レベッカ「おかえ……ワォ
     どうしたのよ…その怪我」

ななか「え?…あぁ、いや~彼女達
    なかなか成長しててさぁ…手間取っちゃった」

千鶴子「あらあら…包帯取ってきますわ」トタトタ

理事長「~~!、~!!」ジタバタ

ななか「ちょ、あばれないでよ…よいしょっと」ドサ

理事長「~!!」フガフガ

ななか「あ、口にガムテープ張ってたんだ」ベリッ

理事長「ッ、…あ、あなたたち…!」

レベッカ「写真で見たけど…この人本当に
     高校生の娘を持つ1児の母なの?」

千鶴子「随分若々しいですわね…20代後半から
    30代前半のように見えますわ…
    ななか、傷口を見せてくれませんこと」トタトタ

ななか「はいはーい」

ななか「っと、その前に縄を硬くしとこっと」ギュン

理事長(!?)ピシィ!!

ななか「あなたのスタンドにパワーが
    ないとはいえ…一応ね?」

理事長(こ、これがさっきまでと同じ縄?
    さっきと材質が全く違う…
    まるで金属のような……?)

ななか「あ、気になる?」

ななか「それ私のスタンド能力でね
    物体の『性質』を変化できるんだ」

ななか「石をプラスチックに変え
    土を硝子に変え…今みたいに
    縄を鉄にすることだってできるんだ」

理事長「……それで」

レベッカ「さて…と」

理事長「…私をここに連れてきてどうするつもり?」

レベッカ「何って……」

レベッカ「あなた、μ'sと関わったわよね」

理事長「…それがどうしたのかしら」

レベッカ「…変な事にクビ突っ込まなきゃよかったのにね」

レベッカ「私達は、あなたがμ's内での連絡係
     ということを知ってしまったの」

レベッカ「ただμ'sの知り合い…
     とかなら手を出そうなんて考えてないわ」  

レベッカ「高坂 雪穂と絢瀬 亜莉沙を
     襲わない理由はそれよ」

レベッカ「ただ…あなたは関わってしまった」

レベッカ「それにあなたは連絡係…
     μ'sのスタンド能力等の情報を
     数多く記憶しているはず」

レベッカ「私たちにとって貴女は
     これ以上にない有力な情報源なのよ」

理事長「…そう、ですか」

千鶴子「はい、これでいいですわ」パンパン

ななか「ありがと千鶴ちゃん」

レベッカ「でも、無力な人を殺すってのは
     やっぱどこか気が引けるのよね…」

理事長「あら、逃がしてくれるのでしょうか?」

レベッカ「そんな訳ないでしょ?
     ま、罪滅ぼしとは違うけど
     …あなたにだけ教えてあげる」


レベッカ「私達の目的」


ななか「大丈夫なの?連絡係にバラしたりなんかして」

千鶴子「情報によると彼女の能力はあくまでも
    『会話』によるものらしいですわ…つまり」 

レベッカ「あなたに今から発言権はない
     …それだけは理解して」

理事長「…」


オ……ァ……ギャァ………オ…


ななか「…?」

ななか「ねぇ、ちょっと外に行ってきていいかな?」

千鶴子「どうしたんですの?」

ななか「いや…聞き違いかもしれないんだけどね…
    大丈夫、すぐ戻ってくるから」

バタン

千鶴子「…どうしたのでしょう?」

レベッカ「さぁ…?」

レベッカ「っと…話を戻そうかな」

レベッカ「私達の目的…
     それは『 楽 園 』に辿り着くこと」

理事長(…『楽園』?)

レベッカ「『天国』…って、知ってるかしら?」

レベッカ「といっても、あの有名な
     人が死んだら行く場所じゃないけど」

レベッカ「未来を知ることによって
     人類は『運命』に対して
     『覚悟』することができる」

レベッカ「そんな世界を
     とある神父は『天国』と呼んだらしいわ」

レベッカ「どーやってやる、とかは話した所で
     無駄だから省くわね…。
     私も原理はよくわかってないもの」

レベッカ「この世界も…もしかしたら
     『天国』になっていたのかもしれないのよ」

理事鳥(…さっきから何を…?)

レベッカ「ここからは私たちと
     『彼』しか知らないことなのだけど…」

レベッカ「『天国』というのは『2種類』あったの」

レベッカ「私達は、
     もう1つの天国を利用して
     『理想の世界』を手に入れる」

レベッカ「その世界を『楽園』と呼ぶことにしたの」

ボゴッ

地中から姿を表す、煌びやかな金髪
妖艶な色気をもった白い肌
首筋に見えた星型の痣
 

理事長(この男の人は…?)

レベッカ「彼の名は『DIO』
     星の一族との因縁を持つ愚かな怪物よ」

レベッカ「詳しくは言わないけど…
     『楽園』にいくためには
     赤ん坊の『母親』になる必要があるの」

レベッカ「赤ん坊の誕生に
     必要なものは『DIOの肉体』と『魂』」

レベッカ「…そして…‥‥」

千鶴子「…」

理事長(…なに?‥‥この空気は…)

レベッカ「…『肉体』と『魂』の用意は出来ている」

レベッカ「もう少しで…『楽園』に辿り着けるのよ」スッ

理事長(あれは…手帳?)

千鶴子「…レベッカ、そろそろ」

レベッカ「そうね…じゃ、グッバーーー」

ななか「特ダネだよッ!!」バン!!

レベッカ「…」

千鶴子「…ふぅ」

レベッカ「ななかぁ~
     ちょっとは空気読みなさいよ…」

ななか「赤ちゃん!!」

レベッカ「ッ!!?」バッ

レベッカ(ど…どういうこと…?
     いくらなんでも誕生が早すぎる…ッ!)

赤ちゃん「あう…」

レベッカ「って、……これ…」

ななか「…あ」

ななか「その、私たちの求めてる方じゃくて
    …マジに捨て子なんだけど」

レベッカ「おかしいと思ったのよね…
     生まれるのが早過ぎるもの」

千鶴子「捨て子なんて本当にいらっしゃるのですね…
    あら、この娘はきっと美人になりますわ」

ななか「いや~、ね?特ダネでしょ?」

レベッカ「まぁ…無視することはできないけども…」

千鶴子「外国人でしょうか?綺麗な金髪ですわね」

ななか「それに変わった服なんだよね、ゴムスーツ?」

赤ちゃん「…ぅぅ」グスッ

千鶴子「あら?」

赤ちゃん「うえぇぇん…」ポロポロ

ななか「あわわ…な、泣いちゃった」

レベッカ「お、オムツ?…って
     感じではなさそうだし…ご飯?」

千鶴子「あ、赤ちゃんの食べれるものは
    ここにはありませんわ…」

ななか「あわわ……ど、どうし……、!!」

ななか「理事長さん!」

理事長「?」

ななか「娘いるんだしさ、お乳とかでないかな?」

理事長「え」

千鶴子「なんてこと聞くんですの!?
    そもそも娘が17歳なのに常識的に考えて
    でるわけないじゃありませんか!」

ななか「な、なら子守は?」

理事長「ま、まぁ…それぐらいなら」

ななか「ほら!手の拘束だけ外してあげるから!」ズァン

千鶴子「お、お願い致しますわ」スッ

理事長「え、えぇ…」ダキッ

理事長「よしよ~し…大丈夫、大丈夫」

理事長「ほ~ら、もう泣いたりしないもんね」


ズギュン!!!
 

ななか「…は?」


赤ん坊が急に大きくなった
しかも、とても見覚えのある顔だ


?「ハァッ!!!」ズドッ!!

レベッカ「うぐッ!!??」ドムッ!

千鶴子「っ!!!」ドム!


事理「だってあなたは賢いんだから」


ななか「なッ!?…マルー『ズドドン!!!』」

ななか「うがッ!!」ドサ

千鶴子「ぐっ………」

?「海未ちゃん達は大丈夫だった?」

?「全身を強めに打ったけど無事よ」

レベッカ「あなた達…ッ!!」



絵里「悪かったわね、今まで騙して」バン!!

ことり「形勢逆転…だね」ババン!!

~ ~ ~ ~ ~


絵里「まず、今回の作戦で敵の拠点を見つけるわ」

絵里「作戦の内容は、まず ことりを
   チェリッシュの能力で限界まで成長させる」

ことり「私?」

絵里「えぇ、今の ことりが17歳だから…
   限界までだと私は17年と6ヶ月分の
   成長を与えることができるわね」

穂乃果「それって、絵里ちゃんが
    赤ちゃんになっちゃうんじゃ…」
 
絵里「えぇ、それについても後で説明するわね」

真姫「要するに…
   ことりを理事長の影武者にするってわけね」

絵里「そうよ、だけど…あまり理事長を
   ほったらかしてると逆に敵に
   怪しまれるかもしれないわ」

絵里「そこで、穂乃果達には
   『成長させたことり』の護衛を任せるわ」

絵里「でも、第1に考えて欲しいのは
   『大きな負傷はしない』こと」

絵里「ことりがいなくなる訳だから
   回復手段がなくなるの、
   出血多量なんか洒落にならないわ」

絵里「さらわれた ことりは予想だけど
   奴等の隠れ家に連れて行かれるはず」

絵里「ことりの居場所は予め
   用意したGPSを使って特定する」

絵里「ここで、赤ちゃんになった私の出番よ」

穂乃果「?」

絵里「今までの奴等の行動を見ていると
   なんでもかんでも攻撃する集団じゃない
   ってことがわかったわ」

絵里「それどころか…少しばかり優しいぐらい」

絵里「そんな彼女たちの目の前に
   『捨て子』がいたら…どうすると思う?」

真姫「…保護する…とか?」

海未「絵里は自然と敵の本拠地に侵入できる、と」

絵里「一か八かの賭けよ」

絵里「中に侵入したら理事長(本物)に
   合図を送るわ、にこ達はその後に入ってきて」

にこ「わかったわ」


~ ~ ~ ~ ~

絵里「理事長!にこ達に連絡をッ!!」

理事長『えぇ!』

ななか「…チッ」ズァン!!

レベッカ「千鶴子!いける!?」

千鶴子「えぇ…ッ!」

千鶴子「『メイビー・スイッチ』ッ!!」ズアッ!!

ことり「ことりの事…忘れてませんか?」スッ

レベッカ「足を拘束されていることを忘れているの?
     貴女みたいな貧弱は眼中にな──」

ななか「ベッキーッ!!!千鶴ちゃんッ!!!」

千鶴子「な…ななか?」

ななか「注意して!!彼女の本気は…」

ななか「あの『紫色のマカロン』はッ!!
    私の知る中で1番手強かったッ!!」

ことり「…ストロベリー・デザイン」



ことりの手には、『紫』のマカロン

ポツリ、と囁くように
 


     ス ピ カ テ リ ブ ル
ことり『 ひ と く ち の 魔 法 』



      サクッ

      

ななか「…出たよ…ッ!!」

レベッカ「…え?」

絵里(…ここまで、変わるものなのね)


『筋肉達磨』
今のことりは、それ以外の何者でもない

優しげな瞳は鋭く
ふくよかな胸は刃を通さない程までに強固に
きめ細かな肌には凹凸が生まれた 
足に巻きついた鉄のような強度を持つ
鋼鉄の縄をいとも容易く破壊し
全てを破壊する拳を向け
標的に向かって忠告する



ことり「潰す」



その声色に癒やしなど存在しない

ことり「フッ!!」グワァッ!!

ななか「!!!!」バシィッ!!

ななか(生身の人間がどうやったら
    こんな力を出せるんだよ…ッ!!)グググ

ことり「ッ」ズドドドドドドドド!!!!

ななか「おぉぉおおおおおッ!!!!!!」
      ズドドドドドドドドド!!!


激しい衝突の連続

ザッ!

体制を整える為に距離を取る


ななか(始めに戦った時…この能力はものの
    数分で効果が切れていた…ッ!
    それまで耐えきれば…!!)

千鶴子「な…なな『チェリッシュッ!!』くッ!」


チェリッシュの攻撃を、千鶴子のスタンドが防ぐ


絵里「少しは自分の心配をしたらどう?」

レベッカ「千鶴子!」

千鶴子「駄目ですわッ!」

レベッカ「ッ!」

千鶴子「『楽園』に行く為にはあなたの力が
    必要ですの…容易に近づいてあなたが
    怪我でもしたらどうするつもりなんですのッ!」

レベッカ「で、…でも!」

絵里「…そう」

絵里「やっぱりあなたが重要なのね」

レベッカ「…!」

絵里「既に調査済みなのよ…
   あなたの性名も…血筋も」

レベッカ「…」

絵里「返事をしたらどうなの?」



絵里「『レベッカ・アルニーニョ』」



レベッカ「…」ゴゴゴゴゴゴ

千鶴子「知ってしまったのですね…ッ!!」

千鶴子「尚更レベッカに手を出させるわけにはッ!」

絵里「なら精々頑張りなさいッ!!」ズギュン!

絵里「竹を『成長させる』ッ!!」


千鶴子に向かって急成長を遂げる竹


千鶴子「『メイビー・スイッチ』」ズァン

絵里「な…ッ!!」


想定していた結果と違う
直進する筈だった竹は
千鶴子に接触する瞬間に湾曲した


絵里「くッ……!!」ヒュヒュン!!


投げられた5個の卵


エリ「成長ッ!」ズギュン!


パキッ

卵から孵化し、牙を剥く毒蛇


千鶴子「無駄ですわ」ズッ

蛇「シャァァァア!!」バッ!!


しかし、牙を剥く対象は


エリ「なッ…!!」

千鶴子「あなたの能力は…私には通用しない」


絵里に対してだった


絵里(何故なのッ!?)ギュア


毒蛇を再び卵に戻し、敵の能力に疑問をもつ


絵里「何故…!」

千鶴子「『相性』というものがあるのですわ」

千鶴子「ジャンケンの『グー』が『パー』には
    敵わないように…あなたの能力では
    私に『敵わないの』ですわ」

千鶴子「何故だと思います?」

絵里「…!?」

千鶴子「私のスタンドが
    『目的を植え付ける』能力だからですわ」

千鶴子「人間と違って植物や動物はお利口ですわ」

千鶴子「『目的』を『本能』として捉え
    その通りに動いてくれるのですから」

絵里「そ…それで…」

絵里(…成長が通用するのはあくまで『生物』…!)

絵里(その『生物』の行動が操られるというの?
   ………ならばッ!!)

絵里「力でねじ伏せてッ!!」グアッ!!

バシッ!!

絵里「くっ!?」ズザザ


横から拳が飛んできた
どちらかというと
本物の肉体に近い拳だった


絵里「さっきの男性を…!」

レベッカ「DIOの肉体を操って攻撃した…
     力が弱いとはいえ、あなたの妨害ぐらい
     ならどうとでもなるわ」

千鶴子「2対1で攻めさせてもらいますわね」

  

ななか「ウグッ!?」ズシャアア

ことり「…」ザッザッザッ

ななか「く…、そ…ッ!!」

ことり「…あげる」ヒュ!

ななか「う!?」バシィイ!!

ななか「赤色の…マカロン?」

ことり「赤に衝撃を与えると発火する」

ことり「赤と赤のマカロン同士がぶつかりあうと
    …小規模爆発が起きる」ヒュンヒュン


ガッ

ボンッ!!!!


ななか「!?」

ことり「逃がさない」ビュ!!


ドグゥァンッ!!


ななか「ぐあッ!!」

ことり「…」ザッザッザッ

ななか「…ぅ、くっ!」

ことり「とどめ」

ななか「………ははっ」

ことり「…?」

ななか「いや~…よかったよかった
    すごくホッとしたよ…ははは」

ななか「この建物…そこそこ
    古い建物っぽいけどそうでもないんだね」

ことり「なにが……言いたい?」

ななか「いやさ…ちゃんと動いてくれるんだなっ、て」


建物に鳴り響く機械音
天井から水が降ってきた


ことり(スプリンクラー………?)

ななか「お"ぉおッ!!!」グア!!

ことり「…ッ」ドム!


ななかの全力の攻撃で身体が後方に押し出される


ことり(…)バッ!


今の ことりに攻撃は通用しない


ことり(しまったッ!)


だが、ななかの狙いは
ダメージを与えることでは なかった

爆発により発生した炎がスプリンクラーの水で熱を奪う
その際に発生する水蒸気を煙幕のように
利用することで姿を消すことに成功した


ことり(奴の目的は逃げる為でも
    不意打ちを狙う為でもない!)

ことり(『ひとくちの魔法』の効果が
    切れるまで隠れているつもりだッ!!)

絵里「チィッ!!」ズザザザ

ことり「絵里ちゃん…!」

絵里「つぅ…やっぱ2人同時って
   割とキツいものがあるわね…」

ことり「…っ」ズキッ

絵里「…ことり?」

ことり「……ごめ…ちょっ、と…」シュゥゥゥウ

絵里「え!?ちょ、ことり!!」 


いつもの柔らかそうな姿の ことりに戻る
その事実がもたらす絶望は計り知れない


ななか「ふぅ…やっと効果が切れたね」

絵里「っ!!」

千鶴子「形勢逆転とか言ってたのは
    なんだったんでしょうか?」

ことり「…くっ」ヨロッ

絵里「ことり…」

ことり「大丈夫…だから…っ!」

ことり「そ、ろそろみんなが
    来てくれる筈…だから…っ!!」

レベッカ「…健気ね」

ことり「だから絵里ちゃん…もう少し…だけ!」

絵里「…」ズァ!

ななか「まだやるつもり?」

絵里「………えぇ」

絵里「最期の…悪足掻きよ」ズギュン!

千鶴子「レベッカッ!!」

レベッカ「──ッ!」シュ!


レベッカの背後から急成長し飛んできた竹


レベッカ「…なっ!!」

絵里「随分大事そうにもってる
   この手帳…いただいてくわね」ポン

ことり「…え、絵里ちゃ……?」

絵里「この手帳…離しちゃ駄目よ」 ズギュゥン!!


ことりの下から生えてきた複数の竹


ことり「え、…!?」グァゥ!!


ことりの身体はそのまま押し上げられた


絵里「ここは私に任せなさ───」


言葉は
最後まで聞こえなかった

エリ「…」

エリ「…」シュゥゥ

絵里「さて…と」

レベッカ「姑息な真似を…ッ」

絵里「……。」

絵里「…ちょっと……下品なこというわね」スッ


精一杯の、全力の、挑発だ


絵里「Доведите это берет
   Это Сука нас」
   
千鶴子「…?」


言葉が伝わっていない3人には意味がわからない



絵里「あらごめんなさい…
   これじゃ意味が伝わらないわよね?」


右手を前に突き出しクイックイッと手を曲げる


絵里「『かかってこいよ、このビッチども』」

絵里「相手してあげるわ」ズァッ!!!

ななか「……いい先輩やってんじゃん」

ー ー ー ー ー

にこ「うっ…が…っ!!」

凛「ダ、ダメ…!
  にこちゃんの出血が止まらない!!」 

?「…もう、諦めたらどう?」

希「ど、どういうこと…?どうして建物に近づけないのッ!!」

希「早くしないと…
  えりち と ことりちゃんが…ッ!!」


バガン!!


?「…っ!?」

凛「た、建物から…竹?」


ベキベギベキィ!!   ドサッ!!

枝を荒々しく折りながら
空から人が降ってきた


凛「こ…ことりちゃんっ!!?」

ことり「凛、ちゃ…‥」

凛「ど…どういうこと?…絵里ちゃんは!!?」

ことり「絵里…ちゃんは、ことりを…、庇って…」

にこ「!!」グググ

理事長『…絢瀬さんから伝言が有ります』

希「…」

理事長『っ……、!』

理事長『私を置いて逃げろ…とのことです』

にこ「…ざけんじゃないわよ…」

にこ「助けるに…決まってるでしょ…」

にこ「そんな遺言みたいなこと言ってんじゃ‥!!」

希「にこっち」

にこ「…なによ…」

希「えりちの言うことを聞くんや」

にこ「!?…な…何を言って!!」

希「今一番避けなくてはならないのは
  『うちらが全滅』することッ!!」

希「なんの為にえりちがことりちゃんを
  逃がしてくれたと思ってるの!!?」

希「それに…敵の能力で
  右手が吹き飛んだその状態で戦えるの…?」

にこ「でもッ!!」

希「ぐちぐち言うなッ!!」

にこ「ッ」ビクッ

希「みんな!私の所へ集まってッ!!」

凛「う、うん」

「おい、逃がすとでも…」

希「うるさい、黙って指咥えてみてて」ギュア


摩擦という概念を無視して
希達は脱出に成功した


?「…ちっ、あそこまでは届かないか…」

??「ま、いいんじゃない?目的は達成できたことだし」

?「…」


ー ー ー ー ー


真姫「…これでよし…と、」

にこ「……‥ありがと」

真姫「ことりがマカロン作れるように
   なるまではそれで我慢してなさいよ」

真姫「右手が消滅した、
   なんて大怪我どころじゃ無いわよ…」

にこ「…‥うん」

希「怒鳴ったりしてごめんなぁ、にこっち」

にこ「いや…にこが悪かったから…‥気にしないで」

にこ「それより…希…‥あんたは」

希「…‥ん?」

にこ「…いや、なんでもない…」

ことり「…ごめんなさい」

海未「ことり、何もあなたが責任を感じることは…」

ことり「でも…でも…絵里ちゃんが…」

穂乃果「だ、大丈夫だって!」

凛「そうだよ!人質にとられてるだけで
  きっと無事だよ!ね?」

希「そうそう、やけん気にすることないって」

花陽「…」ズッ…

希「花陽ちゃん」

花陽「…」ビクッ

希「ありがとさん…気ぃ使って私から『悲しみ』の
  感情を奪ってくれようとするつもりやろ?」

希「でも…その必要はないけん安心して、
  『悲しく』なんかないし『動揺』も
  していない……いたって冷静……」

希「だから………大丈夫」

花陽「…」

花陽(希ちゃん…必死に平気なフリしてしてる…)

花陽(いつもの関西弁みたいな
   口調で冷静を装ってるけど…)

花陽(希ちゃん…さっき自分のこと
   『私』って言ってたよ…?)

花陽「…」スッ

凛「…かよちん?どこ行くの?」

花陽「…ちょっと」

花陽「…理事長…さん?」

理事長『…はい、なんでしょうか』

花陽「あの…理事長さんのスタンドなら…
   絵里ちゃんのこと…
   なにかわからないかな…って」

理事長『…』

理事長『正直なことを言うと…
    絢瀬さんの存在を私のスタンドでは
    確認する事が出来ませんでした』

花陽「…っ」

理事長『しかし…東條さんや星空さんの時のように
    別の空間や次元に閉じ込められた可能性
    だってあります』

理事長『…ですから…、その…』

花陽「…わかりました…
   ありがとうございましす…」

花陽「…」

花陽「…っ…ぅ…‥、」ポタッ

花陽「…‥絵里…ちゃん‥」ポロポロ


花陽の涙が、地面を少しばかり濡らした

←To Be CONTINUED

マルーン5
本体(森嶋 ななか)

能力…
物体の性質を変換させる
一定時間経過すると元の性質に戻る

ステータス…
破壊力───A スピード─B
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─D 成長性──B

元ネタ…
アメリカのバンドグループ『Maroon 5』

メイビー・スイッチ
本体(坂巻 千鶴子)

能力…
生物に『目的』を与える能力
人間は他の生物と比べて感情や精神が強いため精神的に
弱った状態じゃないと目的を植え付けられない
また、他の生物は目的を『本能』として捉え
指示通り動いてくれる

ステータス…
破壊力───C スピード─D
射程距離──C 持続力──A
精密動作性─E 成長性──E

元ネタ…
baby maybe 恋のボタン

             スピカテリブル
ストロベリー・デザイン "ひとくちの魔法"
本体(南 ことり)


ことりの『紫マカロン』の効果により
筋肉が膨張し反射神経が研ぎ澄まされ
圧倒的なパワーとスピードを得る

しかし、いわばドーピングのようなもので
紫マカロンを使用した後、筋肉の限界まで達すると
脳が危険を感じ強制的に筋肉が脱力状態になる

また、この紫マカロンは
ことり以外の人間に効果はない


破壊力───A スピード─A
射程距離──E 持続力──E
精密動作性─E 成長性──E


元ネタ… 
スピカテリブル
sweet&sweet holiday の歌詞

第15話「火種」



ことり「…そういえば」スッ

海未「ことり…?それは…」

ことり「絵里ちゃんが…ことりを逃がす時に
    レベッカから奪ったものなの、」

ことり「とても…大事そうなものだった…」

希「えりちが…」

希「…うちが見てもええかな」

ことり「うん…」

 


レベッカ「…手帳が…」

ななか「ごめんねベッキー…油断してて…」

千鶴子「どうします…取り返しにいきますか?」

レベッカ「…」

レベッカ「いや、かまわないわ」

ななか「…でも、あの手帳は…」

レベッカ「書いてるのは…赤ん坊の居場所と
     母親になるための方法…」

レベッカ「赤ん坊がどこにいるのかバレるのは
     いたいところだけど…今から手帳を
     取り返しにいったところでもう遅いと思うわ」

レベッカ「ノープログレム…赤ん坊誕生の
     最後の条件だけは消しているわ」

レベッカ「できることなら…
     書きたくなんて……ないんだもの」

千鶴子「本当にそれだけですの…?」

レベッカ「…」。。。

レベッカ「…ちょっとだけ
     昔のことを書いてるわ
     本当に、……それだけよ」

レベッカ「気にしたらダメよ私たちは
     『楽園』へ向かう為の準備をしましょう」


ー ー ー ー ー ー


レベッカ高校2年生の時
Mutant Girls結成から1年


瑞希「…」

レベッカ「瑞希…なに見てるの?」

瑞希「ねぇ、みんな?
   『ラブライブ!』って知ってる?」

千鶴子「らぶらいぶ…ですの?」

千鶴子(なんだか破廉恥な響きですわ)

ななか「勿論知ってるよ!最近その話題で
    スクールアイドル界はもちきりだもん!」

瑞希「ラブライブ!ってのは
   スクールアイドルの頂点を決める大会だよ」

レベッカ「……ははぁん、言いたいことはわかったわ
     ようするに、こういいたいのね」

レベッカ「私たちもラブライブ!に出ないか?…と」

瑞希「さっすがベッキー!分かってんじゃん!」

ななか「でも…瑞希は大丈夫なの?」

瑞希「…え?」

ななか「だって瑞希はバスケと
    スクールアイドルの掛け持ちでしょ?」

瑞希「あー…ま、頑張るよ」

瑞希「やると決めたからには、とことんやりこむよ!」

ななか「おーっ!」

練習は大変だったわ

お互いが励ましあい、注意しあい
技術を高めていった
必死に、必死に頑張った


そして


レベッカ「とうとう始まったわね…
     ラブライブ!のランキング予選」

千鶴子「このままの調子だと
    なんとか予選は通過できそうですわね」


ランキングは少しずつ…
少しずつだけど予選通過合格の20位に近づいてきた

だが、そんな私たちを裏目に
グングンとランキングを伸ばす
スクールアイドルが現れた


ななか「最近すごいよね…このグループ」

千鶴子「私たちよりスクールアイドル始めるの
    遅かったのに凄い実力ですわ…」

レベッカ「……『μ's』、か」

瑞希「しかも私たちと同じ地域なんだってさ」

レベッカ「…負けてられないわね」


結果的にランキング予選は8位で予選を見事通過した
残ったのは達成感と1つの疑問


瑞希「なんでμ'sは出場を辞退しちゃったんだろう…」

レベッカ「惜しいことするわよね…」

レベッカ「私たちが…こんなにも必至になって
     勝ち取った本戦出場の権利を……
     …あっさり辞退するなんて」

千鶴子「Puresmileが21位から20位になって
    予選通過できたって喜んでいましたわね」

ななか「他のチームの事なんて気にしなくていいの!
    私たちの目標は優勝だよ?打倒A-RISE!」

瑞希「そうそう、さー練習始めるよー」

レベッカ「…」

ラブライブ!本戦

私たちは負けた

この上ないほどの圧倒的敗北
『格』の違いを見せられた

だけど、まだ諦めなかった
きっとまた次がある
その思いを胸に私たちは練習を続けた


この時からだ
少しずつ変わっていったのは


レベッカ「どうしたのよ瑞希
     早く着替えないと練習遅れるわよ?」

瑞希「えぇぇーー、私ィ~照れ屋さんだからァー
   お着替え覗かれたくないのぉ~~っ♪」

レベッカ「なにいってんだが…先行ってるわよ」

瑞希「おっけーおっけー♪」

瑞希「…」

瑞希「…」

ズキッ

瑞希「…つぅ」

しばらくすると
ラブライブ!が第2回を開催することを決定

もちろん、私たちは出場を決意した

同じ地域にA-RISEがいるからといって
第一予選で選ばれるグループは4組もある
諦める理由なんて、どこにもなかった


ななか「…ふぅ、どうする?
    そろそろ休憩にしない?」

千鶴子「そうですわね…
    そろそろ休憩に『瑞希「ダメ」』」

レベッカ「…瑞希?」

瑞希「こんなんじゃダメ…もっと
   …もっと力をつけないと…!」

レベッカ「でも瑞希…あなた、バスケの練習と
     ダンスの練習って身体もたないわよ」

瑞希「それでも…それでもやらなきゃ…ッ!」

レベッカ「…」


この時から気づいてはいた
瑞希が何かに『追い込まれてる』ことに

でも、聞かなかった

ずっと一緒にいたからこそわかる

その時の瑞希の顔は
『知られて欲しくない』時の顔だった

だから…聞かなかった


予選が終了した

私たちは本戦のステージに立つことは許されなかった

予選通過した4組は私たちからみても納得の面子だった


レベッカ「…なんで」


ある1組を除いては


レベッカ「なんで…μ'sが予選を通過してるの?」


千鶴子「…残念でしたわね」

ななか「そう…、だね」

レベッカ「…あんなに……頑張ったのに」

瑞希「…」


練習は、しばらく休みになった

ある日


瑞希「レベッカ」

レベッカ「…瑞希?」


瑞希が誘ってきたの


瑞希「一緒に帰らない?」
 


レベッカ「なんだかんだで2日ぶりぐらいかしら?」

瑞希「ン…そうだね」

レベッカ「こうして2人で帰るのも久しぶりよね…
     いつもは4人で帰ってるもの」

瑞希「いつもはやかましいぐらいだもんね
   …あ、もしかして2人がいなくて寂しいの?」

レベッカ「ビークワイエット!」

瑞希「照れ屋さんだなぁ…
   でもま、たまにはいいと思わない?」

瑞希「………たまには、ね」


端から見たら本当につまらない
内容スッカスカの世間話

でも私にとって最高に楽しい
いつもの帰り道だった


瑞希「じゃ、私はこっちだから」

レベッカ「えぇ、じゃあね」

瑞希「…」。。。

瑞希「…ねぇ」

レベッカ「ん?」

瑞希「…」

瑞希「いや、なんでもないや…あはは」

レベッカ「…?変なの…」

レベッカ「グッバイ、また明日ね」

瑞希「うん…バイバイ」


あの時に戻れるのなら戻りたい

そんなこと

できるわけもないのに

でも

どうしようもないぐらい

そうしたいのだもの

次に瑞希の顔を見たのは 
線香の匂いが漂う部屋の中だった



ななか「っ……」

千鶴子「瑞……希…、…」

レベッカ「…」


人って死んだらビックリするぐらい冷たくなるのよ

ドライアイスで腐らないようにしてるからだけど…
本当に…冷たいの

肌も白くてね

綺麗で瑞々しかった肌にシワが出来て
…綺麗な肌なのにもったいわね

口もちょっぴりだけ開いててね…
しっかり閉じれないの、死後硬直ってやつね

目を真っ赤にした瑞希の両親が
私たちに向かってこう言うの


『あなた達が…瑞希のお友達ね?』

『瑞希と仲良くしてくれて、っ…ありがとうね』


漫画やドラマでよく聞く月並みな台詞

ガラになく泣いちゃったよ

それからはとにかく早かった


お坊さんがお経を詠んで

火葬場に向かう前に顔を見るの

花や手紙を添えて

最後に、一言ずつ言葉を贈るの

瑞希の母親は…とうとう我慢出来なくなってたわ

火葬場に到着して

瑞希が骨になるまで待って

骨になったら壺に入れたわ

喉仏がどうだとか

頭蓋骨で蓋をするだとか

聞きたくもない うんちくを聞かされた



学校はしばらく休んだ

Mutant Girlsは活動を休止した

4人いての『Mutant Girls』

1人欠けたのなら
それはまた別のグループだ


レベッカ「…」


喪失感というものを久しぶりに味わった
おじいちゃんが死んだ時と同じ

でも、私は他の人と違って
死人でも『会う』ことは出きる

私の『Strange invitation date』ならば



レベッカ「ねぇ、瑞希」

レベッカ「今日は何の話がききたい?」

レベッカ「とはいっても
     面白いことは特になかったのよね…」
 
レベッカ「…あ、そうだ、覚えてる?」

レベッカ「あの部室を隠し撮りしたドッキリ!
     …突然ななかが携帯にキスしたときは
     本当にひいたわよね…」

レベッカ「アプリのキャラクターだがなんだか
     知らないケド…
     あれは今でもイジれるいい材料よね!」

レベッカ「瑞希もそう思わない?」

レベッカ「…」

レベッカ「…ねぇ」

レベッカ「答えてくれなきゃさ、わからないわよ…」

レベッカ「ねぇ……瑞希……っ!」


一方的な『語り』は
とてもツラいものだったわ

瑞希が死んで1週間が経った頃


レベッカ「ねぇ、瑞希」

レベッカ「なんで自殺なんかしたの?」


気になっていた
私と帰った あの日
なんで自殺なんかしたのか


レベッカ「…」


プライバシーの侵害よね


レベッカ「ごめんね…瑞希」


でも、どうしても知りたかった


レベッカ「『Strange invitation date』」


私は瑞希の日常を知ることにした

『驚いたなぁ…まさか、私とななかの他に
 この不思議な力を持ってる人がいるなんて』


レベッカ「…これは…出会った頃の…」


『この力、スタンドって言うんだね』
『スタンドが使える者同士、仲良くしていきたいな』


レベッカ「…」


『見るからに外国人の血を引いてる娘の方がレベッカ
 なんだかスケベそうなのが千鶴子っていうみたい』

『レベッカは名字を頑なに教えてくれなかった』

『ま、別にいいんだけど』


レベッカ「ふふ…心の中もやっぱ適当なのね…」


『この娘たちと出会って何日か経つけど
 すごくいい娘たちだ…
 スケベとか思っててゴメンね千鶴子』

『最近あったばかりなのに
 …まるでずっと一緒にいたみたい』

『そもそもあの出会い方も奇跡みたいなもんだよね』

『スタンド使いはスタンド使いと惹かれあう
 …とかあるんじゃないの?コレは』 


レベッカ「…」


色々と瑞希の心情を知った


『レベッカが名字を教えてくれた…
 アルニーニョだって…いや~まさか
 そんな有名人の孫だなんておもってなかったな…』

『ま、関係ないか…レベッカはレベッカだもんね』

『あとやっぱ千鶴ちゃんはスケベだったよ』


レベッカ「…瑞希…」

『「Mutant Girls」…それが私たちのグループ名
  …いいよ、凄くいい…かっこいいじゃん!』


レベッカ「…本当に気に入ってたのね」


『これは いい思い出になるよ…きっと』

これからしばらくは
スクールアイドルのことがほとんどだった
バスケの練習もあるのに本当に頑張ってたわね


『ラブライブ!っていう
 スクールアイドルの祭典があるんだ…』

『…どうせなら…出てみようかな』

『よし!出よう!』


レベッカ「…」


『やった!8位だよ!予選通過!』

『バスケの仲間も友達も
 私を応援してくれている…頑張ろう!』


レベッカ「でも、ここからは…」


『…ダメだった』

『凄いなぁ…A-RISEは…本当に高校生なの?』

『周りの人たちの反応が明らかに変わった』

『そんな顔しなくてもいいじゃん…』
             

レベッカ「…?」


様子が変わってきた

『驚いたよ、ラブライブ!
 …もう2回目が始まるんだ』

『しなきゃ』


レベッカ「瑞希…?」


『 優 勝 し な き ゃ 』

『あいつらに目にもの見せてやる』


レベッカ「…どういうこと」


『最近妙につっかかって来るんだよね』

『前まで応援してるよなんて言ってた癖に』

『負けた途端に手の平かえて』

『調子になんか乗ってないよ』


『 だから悪口も暴力もやめて 』


レベッカ「ッ!!!?」

レベッカ「まさか…瑞希…!」

『なんか嫌われるようなことしたかな…私』

『学校に行きたくないな』

『でも』

『ななかとレベッカ…千鶴ちゃんが待ってるんだ』

『優勝するためにも練習しなきゃ』

『…学校、行こ』

『3人には…知られたくない』


レベッカ「瑞希…あなた…!」


『負けた』

『今回は予選で』

『私たちはA-RISEと同じ舞台にすら立てなかった』

『4番目に予選通過できたμ'sってグループは凄いな』

『まだ結成から1年もたってないのに
 歌唱力もダンスのキレも比べものにならないや』

『これが…才能なのかな』

『私がどれだけ努力したところで
 ……才能には敵わないのかな』

『…なんなの』

『前回は自ら辞退したくせに今回は出ますって?』

『私たちはいつでも本戦に
 出場できますよとでもいいたいの?』

『獲得ポイントみたんだけどさ』

『あとちょっとだったんだよね』

『あとちょっとで私たちが
 この予選を通過できてたんだよね』

『あぁ…μ'sがいなければな』

『こんな風に考える自分も嫌だな』

『痛い』

『バレないようにお腹とか
 見えないところ痛めつけるんだ』

『駄目だ』
『もう限界だ』
『死のう』
『…』
『いや、…』
『少し…相談してみようかな』

『今日レベッカと帰る時に
 …うん、…相談してみようかな』


レベッカ「ッ!!」

レベッカ「瑞希は…あの日…」

レベッカ「相談しよう…と、してたのね…」

『やっぱレベッカと帰ると楽しいな』

『あ、もちろん…ななかと千鶴ちゃんもね』

『でも、違う』

『今日は相談があるの』

『言わないと』

『〈…ねぇ、レベッカ〉』

『……』

『…ダメだ…言えない』

『〈…いや、なんでもないや…あはは〉』

『言えるわけ…ないよ』

『レベッカはまた明日って言った』

『その約束は果たせないから』

『バイバイってだけ言っておこう』

レベッカ「…馬鹿だ」


悔しかった
あの時…いや、もっと前からでもいい
聞いておけばよかった

多少強引にでも

それならば今でも瑞希と
『会話』ができてたかもしれない


レベッカ「馬鹿ね…本当に馬鹿…」

レベッカ「友達が困ってる時にっ…
     何もしないで…っ!!」

レベッカ「何が友達なのッ!?」ガン!!


意味もなく頭を壁にぶつけた
そうでもしないと やってられなかった

『あんまり迷惑かけたくないから』

『お風呂場で手首切って死のう』

『…つぅ』

『うわ…出てる出てる』

『あはは…殴られる方が痛いからなんてことないや』

『でもこれ…気持ち悪くなるんだよね』

『睡眠薬買っておいてよかった』

『…ろくでもない最期だなぁ』

『でももう…疲れちゃったよ』

『楽しかったなぁ…みんなといると』

『あ…眠くなってきた』

『凄…睡眠薬って…、こんなに…効くん、だ』

『ママ、パパ…ななか、千鶴ちゃん…レベッカ』

『おやすみ…なさい。』


ここから先は、何も知ることはできなかった

レベッカ「…っ、…!!」

レベッカ「どうすれば、…よかったの…」

レベッカ「どうしてこんなことになったのッ!!?」


時間を巻き戻したい
今すぐにでも
でも、そんなこと私にはできない


レベッカ「…」ピクッ


巻き戻すことはできない

でも、もしかすると

やり直すことはできるかもしれない


レベッカ「…あの方法なら…」

気づいた時には、おじいちゃんの…
エンポリオ・アルニーニョの死体を掘り起こしていた


レベッカ「…おじいちゃんの本に書いていたことは…
     おじいちゃんの少年時代のできごと
     だって聞いたことがある…」

レベッカ「本に書いてた…
     『一巡』を使えば…もしかすると…ッ!」

レベッカ「…これだ…!」

『おねえちゃんの
 〈おとうさんのDISC〉を差し込んでわかった』


必要なものは
DIOのスタンド「ザ・ワールド」…このスタンドの先にあるものが人間がさらに進むべき道であるらしい

必要なものは
信頼できる友

必要なものは
極罪を犯した36名以上の魂…
罪人の魂には強い力があるらしい

必要なものは
14の言葉…
この言葉はDIOのスタンドそのものに
傷として刻んであるらしい

必要なものは
勇気…
スタンドを捨てる勇気を持たなければならない

朽ちていくスタンドは36の罪人の魂を集めて吸収

そこから「新しいもの」が生まれる

「生まれたもの」は目醒める

14の言葉に知性を示し

DIOは『友』となるらしい

最後に必要なもの、それは場所…
北緯28度24分 西経80度36分

その場所で『新月』を待て

それが『天国の時』

レベッカ「…おじいちゃんの書いた本と
     天国へ行く為の方法が違う…
     念のために変えておいたのね」

レベッカ「おじいちゃんは
     『14の言葉』の内容を知らない…」

レベッカ「だけど…おじいちゃんの記憶に
     でてくる『神父』は全て知っている」

レベッカ「…いや、」

レベッカ「もっと手っ取り早い方法があった」


ズズズズ


レベッカ「この『天国の行く方法』を編み出した人物」

レベッカ「…」

レベッカ「はじめまして…………DIO」


DIOの生前の情報も知ることにした


レベッカ「…凄い執念ね…」

レベッカ「それにしても…なんて奇妙な関係
     …星の一族とDIOとの…因縁」


そして
天国についてとんでもない事実を知ることになる


レベッカ「ッ!?」

レベッカ「そんなっ!!」


天国にたどり着けるのは
それまでに生きていた人物のみということ

それまでに死んだ人物は似ている違う人物が生まれて
歴史は形成されていくらしい

『天国』のドラえもんの作者は
藤子・F・不二雄じゃなくて

電球とトースターを発明したのは
エジソンじゃないまったくの別人

そんな世界になるらしい


レベッカ「なんなの…結局どうしようも
     ないっていうの…っ!!」


私は絶望した

だけど、そんな絶望はすぐに吹き飛んだ


レベッカ「!」

レベッカ「……なに、これ?」


DIOが親友の神父にすら教えていなかった

DIOが心の内にしまっておいた


『 もう1つの天国 』


←To Be CONTINUED


第16話?
「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」?


レベッカ「もう1つの…天国」?

レベッカ「もっと…詳しく…!」?


DIOの知識を私のものとした?

DIOが天国を作りだすときに偶然できた失敗作?

DIOの目指す天国というものはいわば
『邪魔者の存在しない』世界ということらしい?

一巡が成功する前に因縁のある人物や
将来危機となる人物を殺し、完全に『魂』を抹消させる?

それがDIOの狙いだった?

『人類が未来に 覚悟 を持つ』だとか?
『 覚悟 は 絶望 を吹き飛ばす』だとか?

そんなものはただの口実だ?

DIOは最初から自分のことしか考えていなかった?

またそんなDIOの支配者として考えが
魅力的なのかもしれない
 
この天国が失敗作の理由

それはDIOには到達できないという点もあるが
本当に『覚悟をさせる』だけだからだろう?


『運命のやり直し』?


"やり直し"というのは

地球が誕生し?
いままでの歴史の流れを通じ
そして滅びる?

この一連の流れ?

神父に教えた天国というのは特異点に到達し
ナニカが捻れ歴史が変化する?

しかしこの失敗作は死人にも影響し
何もかもが全く同じ歴史を辿る?

例えるならば…本来の天国は『メビウスの輪』?
この失敗作は『コンパスの円』といったところだろう

本来の天国というのは?『メビウスの輪』のように
捻れながら一周して元の位置に戻る?

失敗作はコンパスで0度から360度?
ぐるりと一周して元の位置に戻るように?

この失敗作は
ただ人類が未来について覚悟をもてる『だけ』の世界

そしてなにより?
DIOはこの天国へ行く事ができなかった?


『私が編み出したこの〈天国〉は失敗だ…』?

『いや…失敗というのは違うな』?

『正確には〈私には必要のないもの〉だ…
      プッチに教える必要もないだろう』
 
レベッカ「…」?

レベッカ「教えてもらうわね…DIO」?

レベッカ「私には必要なの」 ?


第16話?
「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」?


レベッカ「もう1つの…天国」?

レベッカ「もっと…詳しく…!」?


DIOの知識を私のものとした?

DIOが天国を作りだすときに偶然できた失敗作?

DIOの目指す天国というものはいわば
『邪魔者の存在しない』世界ということらしい?

一巡が成功する前に因縁のある人物や
将来危機となる人物を殺し、完全に『魂』を抹消させる?

それがDIOの狙いだった?

『人類が未来に 覚悟 を持つ』だとか?
『 覚悟 は 絶望 を吹き飛ばす』だとか?

そんなものはただの口実だ?

DIOは最初から自分のことしか考えていなかった?

またそんなDIOの支配者として考えが
魅力的なのかもしれない
 
この天国が失敗作の理由

それはDIOには到達できないという点もあるが
本当に『覚悟をさせる』だけだからだろう?


『運命のやり直し』?


"やり直し"というのは

地球が誕生し?
いままでの歴史の流れを通じ
そして滅びる?

この一連の流れ?

神父に教えた天国というのは特異点に到達し
ナニカが捻れ歴史が変化する?

しかしこの失敗作は死人にも影響し
何もかもが全く同じ歴史を辿る?

例えるならば…本来の天国は『メビウスの輪』?
この失敗作は『コンパスの円』といったところだろう

本来の天国というのは?『メビウスの輪』のように
捻れながら一周して元の位置に戻る?

失敗作はコンパスで0度から360度?
ぐるりと一周して元の位置に戻るように?

この失敗作は
ただ人類が未来について覚悟をもてる『だけ』の世界

そしてなにより?
DIOはこの天国へ行く事ができなかった?


『私が編み出したこの〈天国〉は失敗だ…』?

『いや…失敗というのは違うな』?

『正確には〈私には必要のないもの〉だ…
      プッチに教える必要もないだろう』
 
レベッカ「…」?

レベッカ「教えてもらうわね…DIO」?

レベッカ「私には必要なの」 ?

第16話?
「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」?


レベッカ「もう1つの…天国」?

レベッカ「もっと…詳しく…!」?


DIOの知識を私のものとした?

DIOが天国を作りだすときに偶然できた失敗作?

DIOの目指す天国というものはいわば
『邪魔者の存在しない』世界ということらしい?

一巡が成功する前に因縁のある人物や
将来危機となる人物を殺し、完全に『魂』を抹消させる?

それがDIOの狙いだった?

『人類が未来に 覚悟 を持つ』だとか?
『 覚悟 は 絶望 を吹き飛ばす』だとか?

そんなものはただの口実だ?

DIOは最初から自分のことしか考えていなかった?

またそんなDIOの支配者として考えが
魅力的なのかもしれない
 
この天国が失敗作の理由

それはDIOには到達できないという点もあるが
本当に『覚悟をさせる』だけだからだろう?


『運命のやり直し』?


"やり直し"というのは

地球が誕生し?
いままでの歴史の流れを通じ
そして滅びる?

この一連の流れ?

神父に教えた天国というのは特異点に到達し
ナニカが捻れ歴史が変化する?

しかしこの失敗作は死人にも影響し
何もかもが全く同じ歴史を辿る?

例えるならば…本来の天国は『メビウスの輪』?
この失敗作は『コンパスの円』といったところだろう

本来の天国というのは?『メビウスの輪』のように
捻れながら一周して元の位置に戻る?

失敗作はコンパスで0度から360度?
ぐるりと一周して元の位置に戻るように?

この失敗作は
ただ人類が未来について覚悟をもてる『だけ』の世界

そしてなにより?
DIOはこの天国へ行く事ができなかった?


『私が編み出したこの〈天国〉は失敗だ…』?

『いや…失敗というのは違うな』?

『正確には〈私には必要のないもの〉だ…
      プッチに教える必要もないだろう』
 
レベッカ「…」?

レベッカ「教えてもらうわね…DIO」?

レベッカ「私には必要なの」 ?

第16話?
「ステアウェイ・トゥ・ヘヴン」


レベッカ「もう1つの…天国」

レベッカ「もっと…詳しく…!」


DIOの知識を私のものとした

DIOが天国を作りだすときに偶然できた失敗作

DIOの目指す天国というものはいわば
『邪魔者の存在しない』世界ということらしい?

一巡が成功する前に因縁のある人物や
将来危機となる人物を殺し、完全に『魂』を抹消させる

それがDIOの狙いだった

『人類が未来に 覚悟 を持つ』だとか
『 覚悟 は 絶望 を吹き飛ばす』だとか

そんなものはただの口実だ

DIOは最初から自分のことしか考えていなかった

またそんなDIOの支配者として考えが
魅力的なのかもしれない
 
この天国が失敗作の理由

それはDIOには到達できないという点もあるが
本当に『覚悟をさせる』だけだからだろう


『運命のやり直し』


"やり直し"というのは

地球が誕生し
いままでの歴史の流れを通じ
そして滅びる

この一連の流れ

神父に教えた天国というのは特異点に到達し
ナニカが捻れ歴史が変化する

しかしこの失敗作は死人にも影響し
何もかもが全く同じ歴史を辿る

例えるならば…本来の天国は『メビウスの輪』
この失敗作は『コンパスの円』といったところだろう

本来の天国というのは?『メビウスの輪』のように
捻れながら一周して元の位置に戻る

失敗作はコンパスで0度から360度
ぐるりと一周して元の位置に戻るように

この失敗作は
ただ人類が未来について覚悟をもてる『だけ』の世界

そしてなにより
DIOはこの天国へ行く事ができなかった


『私が編み出したこの〈天国〉は失敗だ…』

『いや…失敗というのは違うな』

『正確には〈私には必要のないもの〉だ…
      プッチに教える必要もないだろう』

レベッカ「…」

レベッカ「教えてもらうわね…DIO」

レベッカ「私には必要なの」

ズズズズ


必要なものはあまり変わらない
変化はあるが微々たるものだ

必要なものは?『DIOの肉体』?
どの部位でもいいらしい

必要なものは『信頼できる者』
決して失いたくない、そんな人物だそうだ

必要なものは『極罪を犯した36名以上の魂』
罪人の魂には強いパワーがあるらしい

必要なものは『14の言葉』
これは生まれてくる赤ん坊が目醒めるための
合い言葉となるだろう

ここまでは本来の方法とあまり変わりはない
 
ここからがちがう


どうやら赤ん坊には『母親』が必要らしい

母親になるために必要なものは2つ

1つ目は『覚悟』
「青い炎」…これを瞳に突きつけて
『覚悟』をしめさなくてはならない

2つ目は『器』
これを示す方法は…………



レベッカ「…見つけた」

レベッカ「これだ…この失敗作だ…」

レベッカ「この方法ならば…瑞希と…
     みんなとやり直すことができる…!」


私は決めた


この『失敗作』を利用して1度この世界をやり直す

そして 『μ's』という存在を消す

一度世界をやり直したあと

μ'sの9人がまだ胎児の時にでも
それぞれの母親に接触し流産でもさせてやる

9人全員殺すのは『念のため』

1人減ったところでμ'sが生まれないとは限らない
ほんのちょっぴりの可能性すら与えてはならない

小学生でも中学生の時にでも殺せるが…
そこまで育ってしまうとμ'sメンバーの両親に気の毒だ


せめて…まだ思い出のない時期に殺してあげる


レベッカ「久しぶりね…ななか、千鶴子」

千鶴子「れ……レベッカ!?」


あの9人が存在しないのだから
『μ's』という概念も消滅する


ななか「ベッキーっ!!」


そうだ


レベッカ「ごめんね2人とも…心配かけて」


そんな私たちの理想の世界
その世界を『楽園』と呼ぶことにしよう


ななか「本当だよ…いったい何日学校休んでるつもりなのさ」


『楽園』なら…第2回ラブライブ!で予選通過するのは私たちだ


レベッカ「本当に…ごめんなさい」


瑞希の事も事前にわかってるから
私が粛正を下せばいいだけだ


千鶴子「…いや、謝らなくてもいいですわ…気持ちは私たちも同じですもの」


そこからやり直せばいい


レベッカ「ねぇ…千鶴子、ななか」


『μ's』は才能でラブライブ!に出場した


千鶴子「なんでしょう?」

ならば私たちは


ななか「…?」


私たちの才能でラブライブ!に出場してやろう


レベッカ「2人に…協力して欲しいことがあるの」



この『スタンド』という才能で


←To Be CONTINUED

おまけ
「継承者の軌跡」

エンポリオ・アルニーニョ
旧暦2001年~改暦2010年

旧暦2001年2月11日(自称)
エンポリオ・アルニーニョ誕生

新暦2011年10月28日
一巡前にプッチを撃破した後、空条 徐倫にそっくりな
女性『アイリン』と出会い、彼女と暮らすこととなる

新暦2014年7月22日
アイリンは『アナキス』という男性と結婚する
(アナキスとアイリンの父との間で凄まじい
 やり取りがあったらしいが、それはおいておこう)

新暦2018年2月22日
エンポリオ 18歳の時
ある目的を果たすためにアイリン夫婦の家から自立

『徐倫達の蘇生』
エンポリオの求める、理想の世界そのものである
メイド・イン・ヘヴンを利用し
世界を作り替えようとした

新暦2022年2月4日
エンポリオ 21歳の時
死刑により死亡した罪人の魂を集めおえ
緑色の赤ん坊を誕生させる
この際、ウェザー・リポートを失う
 
無暦?年?月?日
エンポリオは様々な世界を経験する

これにより変化したものは2つ
1つ目は世界の再構築により生じた時間の『ズレ』
2つ目は徐倫のいた『記録』
正確には徐倫を元にした『一巡前の世界』の住人
一巡前に死亡していた人物だけこの世界の記録として残った

改暦1965年8月19日
エンポリオ 23歳の時
徐倫の蘇生は不可能だということを悟る

改暦1965年11月6日
エンポリオ 同じく23歳の時
世界の再構築を諦めたエンポリオは手品師として活躍する
『バーニング・ダウン・ザ・ハウス』で
『物の幽霊』を利用してどこからともなく
物を出現させる手品が反響を呼び、一躍有名になる

改暦1966年1月11日
エンポリオ 24歳の時
エンポリオは結婚し、家庭を築く

改暦1967年5月13日
エンポリオ 26歳の時
息子が産まれる

改暦1995年3月8日
エンポリオ 54歳の時
息子が結婚する
同時に手品師として引退を決意

改暦1997年11月14日
エンポリオ 56歳の時
孫、レベッカの誕生

改暦1998年4月19日
エンポリオ 57歳の時
己の経験をもとに
執筆したファンタジー小説
『Bizarre Adventure』が爆発的大ヒットし
巨万の富を得ることとなる


改暦2010年9月26日
エンポリオ 享年69歳
最後は家族に見守られながら
穏やかな顔で眠ったという

第17話?
「台風の目」?


にこ「…」?

希「奴らの言う『楽園』の正体がわかったなぁ」?

真姫「私たちの、
   …μ'sの消滅ってこういう意味だったのね」?

海未「その手帳に…書いてあるのですね
   …『赤ん坊』の居場所が…」?

希「…うん」?

海未「なら…いますぐにでも
   その赤ん坊のところへ行って…ッ!」?

希「落ち着いて海未ちゃん」?

希「この手帳に書いてる…赤ん坊が例え生まれた
  としてもまだ『母親』になっている可能性は
  極めて低い…」?
 ?
希「よくわからへんけど…
  最後の条件だけ意図的に消されとる」

希「きっと…その条件は最も知られてはいけないこと」
 
希「重要なことは体力の回復、
  今のみんなを見るとボロボロ…
  向かったところで殺されるのは目に見えてる」?

希「次に奴らと出会った時に
  …全ての決着がつく」?

希「えりちも…助けなきゃ」?

穂乃果「希ちゃん…」?
 ?
ことり「ごめんね…みんなを回復させる
    ことりがこんな状態で…」?

凛「凛はよく知らないけど
  紫のマカロン使ったんだよね?仕方ないよ」 ?

希「しばらくしたら ことりちゃんの状態も
  良くなるはず…その時 にこっちの手を治して貰って」?

希「奴らにお灸を据えに行かんとね」

第17話?
「台風の目」


にこ「…」

希「奴らの言う『楽園』の正体がわかったなぁ」

真姫「私たちの、
   …μ'sの消滅ってこういう意味だったのね」

海未「その手帳に…書いてあるのですね
   …『赤ん坊』の居場所が…」

希「…うん」

海未「なら…いますぐにでも
   その赤ん坊のところへ行って…ッ!」

希「落ち着いて海未ちゃん」

希「この手帳に書いてる…赤ん坊が例え生まれた
  としてもまだ『母親』になっている可能性は
  極めて低い…」

希「よくわからへんけど…
  最後の条件だけ意図的に消されとる」

希「きっと…その条件は最も知られてはいけないこと」
 
希「重要なことは体力の回復、
  今のみんなを見るとボロボロ…
  向かったところで殺されるのは目に見えてる」

希「次に奴らと出会った時に
  全ての決着がつく…えりちも、助けなきゃ」

穂乃果「希ちゃん…」

ことり「ごめんね…みんなを回復させる
    ことりがこんな状態で…」

凛「凛はよく知らないけど
  紫のマカロン使ったんだよね?仕方ないよ」

希「しばらくしたら ことりちゃんの状態も
  良くなるはず…その時 にこっちの手を治して貰って」

希「奴らにお灸を据えに行かんとね」

レベッカ「いい、これからが正念場よ」

千鶴子「私たちにはまだ強力な味方がいますもの」

ななか「大丈夫、きっと勝てる」

レベッカ「『楽園』に…辿りつける」

レベッカ「私たちの追い求める…夢の世界へ」

~ ~ ~ ~ ~ ~


「…っと、これだけあれば充分ですかね」

「みなさん、覚悟はできましたか?」

「こ…怖いです…」

「ったく、ビクビクしてんじゃないわよ…ほら、行くわよ」

「あなたはいつも通りね」

「みんなの傷も癒したし…体調には問題ないはずだよ?」

「うわ…今日、雨降るらしいやん」

「えぇ…やだにゃー…」

「私としてはとても有益な情報なのですが」

「…よしっ! みんな!!」


穂乃果「行くよっ!!!」

 
 
~ ~ ~ ~ ~ ~


レベッカ「ななか…千鶴子…」

ななか「じゃあね、ベッキー!」

千鶴子「レベッカの『母親』姿見てみたかったですわ」

レベッカ「…」

ななか「そんな顔しないでよ~…
    こっちが悲しくなるじゃん?」

千鶴子「そうですわ、気にする必要なんてないですわ」

レベッカ「…」

レベッカ「…ごめんね、2人とも」?

レベッカ「また…『楽園』で逢いましょう」

希「リサ・ローブ!!」ズキュン

真姫「希のおかげで移動による体力の消費はなさそうね」

穂乃果「この道でいいんだね!」

真姫「えぇ!必ず赤ん坊の誕生を食い止めないと…ッ!」

凛「…ん?」

凛「何か前にいるよっ!!」

希「…!」

?「…」

海未「あれは…スタンドですね…!」

希「本体が見えんね…遠距離型…?」

にこ「そこをどきなさい!
    2度と表に出れなくなっても知らないわよ!」

スタンドの像は慌てることなく答えた

?「止まれ、今すぐ引き返せ」

にこ「マグネティック・トゥデイ!」ズァン!!


モタモタしてる暇はない今すぐケリをつけてやる
矢澤 にこは、そう考えた


?「分からん奴だな」グッ

両者、拳を握り そして交わった


バジィイイィィイッ!!!

にこ「…なっ!!」

 
 
『引き分け』

決して力負けたしたわけではない?


花陽「に、にこちゃんの攻撃を…」?

花陽「弾いた…!」?


だが、それだけで恐怖を与えるのには充分だった?

いま目の前で立ちふさがるスタンドの?
恐るべきパワーを思い知るには


にこ「つぅ、…凹むんだけど」

にこ「パワーが互角だなんて」

「もう一度警告する」

「今すぐ引き返せ」
 
海未「みなさん!先に進んでください!」

凛「う、海未ちゃん…!」

海未「ここは私が食い止めます!」

穂乃果「なら穂乃果も残るよ!」

海未「穂乃果!?」

穂乃果「海未ちゃん1人を置いていけるわけないよ!」

ことり「ことりも!」

ことり「私たちは後で追いつくから先に行ってて!」

にこ(この3人なら…任せても大丈夫そうね)

にこ「…、わかったわ!絶対やられんじゃないわよ?」ダッ

凛「え、に、にこちゃん!?」

希「3人を信じるんや!ウチらは先に進もう!」

?「おい、行かせるわけな────」バジン!!
 
?「…」シュゥゥゥウ


スタンドの頭部に直撃した水弾


海未「ちゃんと耳掃除してますか?
   …仕方ないので、もう一度だけ言っておきます」

海未「あなたの相手は私たちです」

?「…予定変更」

?「先にお前たちを潰す」

花陽「ま…まだなの?」

真姫「もう少しのハズよ!」

「ちょっと、止まって止まって」

「止まらないとブレちゃう!」

希「っ…次から次へと…!」

「あー…止まる気ないのね」

「別にいいけれど」


ブワァァアアッ!!!!

突然の突風


にこ「うあ!?」

花陽「にこちゃん!希ちゃん!」

「5人相手だとキツいのよ…2人ぐらい向こう行っててくれない?」

真姫「2人が吹き飛ばされた!?」

「後はこっちで片付けるわ」パシャ!

凛「か…カメラ?」

「さぁて…後は…」
 

 
 
にこ「わぶっ!?」ドサッもふっ


希「!」ドサッもふっ

希「…?…なんやろ…これ、クッションのような…?」

希「これのおかげで怪我せんかったね…」

にこ「ラッキーだったってことね…って、かなり飛ばされたわよ…」

希「早く凛ちゃんたちの所へ戻らんと…」

にこ「…と、その前に」

にこ「あんたを潰さないといけないわけ?」

「…」

 
 

 
レベッカ「…」


台風の目は静かだ

しかし、それは一瞬のこと

『目』は通り過ぎ

これから再び激戦が始まる
 
火蓋は切って落とされた

先に警告しておこう

この物語は、誰も知らないものとなる



←To Be CONTINUED

第18話
「ノー・ノウ・ラブは遠くから」



「予定変更だ」

「まずは貴様たちを潰す」

穂乃果「来るよ海未ちゃん…!」

海未「えぇ!」

海未「ことりは補助に徹底してください!
   『ひとくちの魔法』は これから後のことを
   考えると使用は避けてください!」

ことり「うん!」


海未「要するに…」

穂乃果「穂乃果と海未ちゃんでやっつけてやる!」

「なにを言ってるのか理解不能なのだが」

「やられるのは貴様たちだ」

海未『ラスベガス・シックッ!!』ズァン!!

穂乃果『カーリー・レイッ!!』ズァン!!

「…それがスタンドの名前なのか?」

「なら私からも名乗らせていただこう」

「スタンドの名は」

『ノー・ノウ・ラブ』

 
穂乃果「『スピード』ッ!!」カチ

「!」

穂乃果「穂乃果のスタンドを舐めない方がいいよッ!!」グッ

穂乃果「だぁぁぁああッ!!」ズガガガガガガガッ!!


嵐の如く 叩き込まれる拳


「ッ!!」グアッ!

穂乃果「!?」


しかし敵スタンドは、
その猛攻をもろともせずに攻撃を仕掛けてきた


海未「穂乃果ッ!!」バン!!

「────」ビシッ!


水弾を敵スタンドの拳に当てて
拳の宛先を穂乃果からズラす


穂乃果「あ…危な…」カチッ

海未「…何故でしょう」

穂乃果「?」

「さっきから邪魔が凄いな…」


海未「最初だって…私の水弾は
   確実に敵の頭部に直撃したはずです」

海未「穂乃果が乱打した時もまるで
   『何も感じていない』かのように
   お構いなしに拳を叩きこんできました」

海未「攻撃の軌道を逸らすためとはいえ…
   先ほどの水弾も確実に着弾しています」

穂乃果「えと…つまり?」

ことり「敵にダメージが反映されていない
    かもしれないってことだね」

穂乃果「え!?で、でも…スタンドがダメージを
    受けると本体も傷つくんじゃないの?」

海未「それはあくまでも一般的に、です」

海未「真姫のスタンドの(自我がある)ように
   特殊な例があるんです…もしかすると
   そういう特性の可能性があります」

ことり「ならッ!」ズアッ!

穂乃果「…赤いマカロン…あっ!」

穂乃果「そういうことだねッ!」ブン!

「ん?」パシっ

「…なんだこれ」

穂乃果「もひとつッ!!」ブン!!

ことり「『衝撃』が効かないんですよね?」

ことり「…なら『熱』はどうですか?」

 

ガチン
ドガァアンッ!!!!!!



海未「っ…小さいとはいえ目の前で爆発は
   少々むごいかもしれませんね」

穂乃果「…」

ことり「…!!」

「っ…、目がチカチカするな…
 さっきから私をイライラさせて楽しいか?」

ことり「効いてない…!」

「もうわかっただろ?
 私には、あらゆる影響が反映されない…
 私を倒すことは不可能だ」

穂乃果「ど…どうしよう!」

海未「…いや、」

海未「倒す方法ならあります」


「…あ?」

海未「簡単ですよ、本体を直接倒したらいいだけです」

「…馬鹿か?」

「私のスタンドは見ての通り、遠隔操作型だ」

「こういっちゃあなんだが…
 ここからかなり離れている所で
 私は攻撃を仕掛けている」

「どこに私がいるのか分かるというの?」

海未「ことり!
   もう1度マカロンを爆発させて下さい!」

ことり「え?う、うん!」ズアッ!

ことり「穂乃果ちゃん!!」

穂乃果「でいッ!!」ブン!ブン!!


ガジン!!

ドガァアンッ!
 

空中で爆発した赤いスタンド製の洋菓子

「っ…効かないって言ってるのがわから───」


砂塵で隠されていた視界

鮮明に見えるようになった頃には、3人の姿はなかった


「!」


辺りを見渡すと
3人が別々の方向に散らばりながら移動していた


「小賢しい真似を…ッ!」ダッ


慌てて追いかける
狙いは…南 ことり


ことり「!」

「そのまま行かせるとでも思ったかァアッ!!?」

バン!!

「ッ──」ドサッ

海未「…」

「この…ッ」


水弾で足を狙われた
ダメージはない
足を踏み外し横転しただけだ

「さっきから鬱陶しいことしやがってッ!!」

海未「…ひとつ尋ねたいことがあります」

「あ?」

海未「あなたは…何故ことりを追いかけたのでしょうか」

海未「私や穂乃果に見向きもしないで、
   何の迷いもなく『ことりだけを』
   狙って追いかけるように見えました」

海未「それは何故か」

「…ちっ」

海未「答えは簡単です」

海未「『その方向に行ってほしくないから』ですよね?」

海未「例えば…『本体がいるから』」
 
「ごちゃごちゃうるせェエェェエエェんだよッ!!」

グアッ!


海未「図星ですか」


ガン!!

敵スタンドの後頭部に衝撃が走った


「────」ヨロッ

穂乃果「……『スピード』」

シュタッ

ことり「このままだよ!行って!」ダッ

穂乃果「うん!」ダッ

「こ、いつ、…らァァアッ!」ダッ!!

海未「行ってください穂乃果!」

穂乃果「うん!」ビュン!!

「行きたきゃ行きゃあいい!」

「こいつら殺したら次に殺してやるからよォォオッ!!」

海未「できないことは口にしない方がいいですよッ!」バン!!

「…」ビシィッ!!

「…ところで」

「お前の能力は水分を操るときいた」

「さっきから何発も弾を撃ってるが
 実はヤバいんじゃあないのか?」

海未「…」

「何だァ?優越なフリして
 そっちも変わらないんじゃないか?」

海未「…」

海未「残念ですね」ガサッ


背負っているリュックから、取り出したもの


海未「ちゃんと対策してるんですよ」

海未「例えば…ペットボトルに水を汲んできたり」
 
海未「時間稼ぎは…十分可能です」バン!!

「──」ズザザザザ

「…」

「そうか」ビッ!!

海未「ッ!!」

瞬時に目の前へ近づいてきた敵スタンド

「確かにその弾の威力は凄まじいが」

「だからといって攻撃ができない訳ではない」

ズドァン!!

海未「ぶぐッ!!?」 

ことり「海未ちゃん!」

「お前も」グルッ

「だアッ!!」ドン!!

ことり「ヴッ!!」ズシャァア

海未「ぐ…ッ!」

「ケリを着けてやる」

ー ー ー ー ー ー


穂乃果「どこ!どこにいるの!?」

穂乃果「…?」

穂乃果「小屋……?なんでこんなところに…」

?「…!」

キィィィィ…バタン


穂乃果「扉を閉じた…!」

穂乃果「きっとこの中にスタンドの本体が隠れてるんだ!」

穂乃果「そうと決めたら…!」

穂乃果「はァッ!」バン!!

穂乃果「見つけたよ!敵の本……、体…?」

ー ー ー ー ー ー

海未「くっ……やはり、手強いですね」

海未(水のストックは十分…しかし、ここで使いすぎると別の戦闘に支障をきたす可能性があります…)

ことり「…ハァ……っ!」

「流石のスピードだ…
 さっき行った馬鹿明るい女
 …もう到着したみたいだな」

「まぁ…だからと言って私に影響はないがな…」

理事長『大変ですッ!』

ことり「お母さん…?」

理事長『ことり!穂乃果ちゃんから連絡よ!』

 
ー ー ー ー ー ー


穂乃果「な…なに…これ?」


ギュウギュウに詰め込まれた
30人は軽く超す人数
どういう訳か全員深く眠っている


穂乃果「な、…なんなのこの人数…これじゃ」

穂乃果「これじゃどこに本体がいるのかわからない!?」

ー ー ー ー ー ー

ことり「そんな…!」

「残念だったなぁ…
 折角『もう目の前』って所まで来たのに」

海未「くっ…やはり水を使いきらなければ…」

「うん?結局私がどれなのか見つけてないよな?」

「水分を使った所でどうにもならないんじゃあないのか?」

「もしかして片っ端から潰すつもりか?」
 
「そうかぁ~…私以外の人は全員そこらへんから
 攫ってきた ただの一般人なのになぁ?」

海未「な……ッ!」

「さて…後はじっくり殴り殺すだけだな」

ことり「…」。。。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

「っ…、目がチカチカするな…さっきから私をイライラさせて楽しいか?」

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ことり「!」

ことり「なんとかなる…かも」ズギュン

ことり「お母さん、穂乃果ちゃんに伝えて」

ことり「本体が自分から居場所を教えてくれる…って」
 
ことり「っ!!」ぶわっ

「くどい!爆発なんざ効かないって
何度言えばいいんだよ!」グアッ!!

ことり「…よく見た方がいいのに」

ことり「そのマカロンは赤色じゃないよ」


カッ!!!!!


「ッ!!?」


拳が衝突すると同時に強烈な光を放ったマカロン


「ァァアアアアアアッ!!?」

「目、目がぁぁああっ!!!」

海未「つ、…こ、これは…」

ことり「黄色のマカロンは…衝撃に比例して発光するの」
 

ー ー ー ー ー ー


「ァァアアアアアアッ!!?」ガバッ

穂乃果「うわっ…」

「目、目がぁぁああっ!!!」

「くそッ!!下らない手を使い…や……が」

穂乃果「…」

穂乃果「みぃ~けっ♪」ズアッ!!

「しまっ『ドゴン!!』───……」


ー ー ー ー ー ー


「ぉ……ぁ、ぉ…」シュウウウ

海未「ふぅ…なんとか倒せたようですね」

ことり「海未ちゃん大丈夫?
    …水が随分減っちゃったけど」

海未「大丈夫ですよ、ことりのお陰です」

海未「さ、穂乃果が戻ってきたら
   早く希たちと合流しましょう」

ことり「うん!」


←To Be CONTINUED
 

ノー・ノウ・ラブ
本体(御堂 優理)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira135181.jpg

能力…
人型のスタンド
本体から離れるほどパワーとスピードが強くなる
このスタンドは『カメラ付きラジコン』のような
もので本体にはダメージが反映されないものの
視覚だけは共用している
(とはいえ、生半可な光で目が眩しくなるようなことはない)

ステータス…
破壊力───? スピード─?

射程距離──A  持続力──A
精密動作性─D  成長性──E

元ネタ…
知らないlove*教えてlove

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