伊織「社内アンケート?」 (49)


P「ああ、この前765プロの全員に社内アンケートを受けてもらっただろ」

伊織「そんなのもあったわね、仕事で忙しい時期だったから適当に書いたけど」

P「その中の項目で『事務所内で困っていることはありませんか?』ってあったんだが」

伊織「あ~、あったわね」

P「それで、伊織を除く全アイドル達がな」

伊織「ふんふん」

P「その項目に、伊織の名前を上げていたんだよ」

伊織「マジで!?」


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伊織「え?ちょ……私以外のアイドルって……11人全員ってこと?」

P「ああ、14人全員だ」

伊織「14!?」

P「俺や律子、小鳥さんも書いたからな」

伊織「アンタ達も私の名前を書いたんかい!」

P「アンケートだからな、真面目に真剣に正直に書かせてもらったんだが……」

伊織「………」

P「……全員から困ったちゃん扱いを受けてる伊織が…なんだか不憫に思えてなぁ……」

伊織「困ったちゃんって言うな!そして憐れむな!!」


P「というわけで伊織」

伊織「なによ?」

P「ここに記入済みの社内アンケート用紙が全員分ある!」ドン

伊織「……それがどうしたのよ?」

P「皆からの指摘を真摯に受け止めて更生しよう!」

伊織「は、はあ?」

P「大丈夫!俺が付いてるから!」

伊織「いや、付いてるって言われても……」

P「絶対に伊織を真人間にしてやるからな!」

伊織「そういう言い方は止めなさいよ!私が問題児みたいじゃない!!」


伊織「そもそも他人が記入したアンケートを勝手に見ていいの?」

P「無記名だから大丈夫だろ」ガサガサ

伊織「まあ無記名なら……大丈夫なのかしら?」

P「それに今は幸いなことに 他のアイドル達がいないしな」

伊織「あれ?小鳥と律子と社長もでかけてるの?」

P「おう、社長と律子は一緒に出かけて、音無さんは早退した」ガサガサ

伊織「ふ~ん……」チラチラ

P「なんだ伊織?どんなことが書かれているのか気になるのか?」

伊織「うっ……そ、それは多少は気になるわよ……アンタは見たからいいでしょうけど……」

P「ははは、実は俺も全員分しっかりとは見てなくてな、一緒に見ていくか」


P「まずはこれから」サッ




こんなダメダメな私にも765プロの皆さんは、とても良くしてくださるので不満なんてありません

………ただ、あえて一つだけ挙げるとすれば、伊織ちゃんが気になりますぅ




伊織「………」

P「………」

伊織「これを書いた人ってどう見ても雪……」

P「伊織、書いた人を詮索するのは止すんだ」

伊織「いや、でも……」

P「続きを見ていくぞ」




伊織ちゃんは、目上の人でも臆することなく


毅然とした態度で接して本当にスゴイと思います


プロデューサーや律子さん小鳥さんを呼び捨てするなんて


ダメダメな私には到底出来ません




伊織「………」




そんな伊織ちゃんを見てると胸の鼓動が止まらない時があります


ドキドキしてハラハラする




この感情は なんなのでしょうか?




伊織「いや知らないけど」


P「恋……なのか?」

伊織「絶対違う!」


P「冗談は置いといて……多分、傲岸不遜な伊織に対しての畏怖とか畏敬とかそんなんだと思うぞ」

伊織「まあ そうでしょうね……傲岸不遜は言い過ぎじゃない?」

P「あと恐怖も含まれていそうだな」

伊織「恐怖も言い過ぎじゃない?」


P「はい、というわけでこの案件は解決しました!次行くぞ次」

伊織「ん?その下に まだ続きが書かれているじゃない」

P「……見たいか?」

伊織「そりゃここまで見たし全部見たいわよ」

P「この後は、延々とポエムが綴られているだけだが……」

伊織「この案件は解決したし 次行くわよ次!」


P「次の3つはよく似たような内容だな、一気に行くぞ」




う~ん、伊織の言葉遣いが気になりますね

僕は慣れましたけど目上の人には、さん付けした方がいいですよね。




伊織「これ、まこ」

P「詮索するなよ?次は」




どうでもいいですけど私に対する水瀬さんの呼び方がどうでもいいですけど呼び捨てなので

直した方がいいとどうでもいいですけど思います。




伊織「どうでもよくないわよねコレ!?無茶苦茶気にしてるわよねコレ!!」

P「自分は、さん付だから余計に気になるんだろ?最後は」




名前の後に『さん』を付けろよデコ助。




伊織「おいぃぃぃ!!最後ぉぉぉ!!!」


伊織「誰!?最後の誰が書いたの!!?」

P「よ、止せ!詮索するのはマナー違反だぞ!?」

伊織「そんなの知らないわよ!!」

P「みんな伊織のことを思って 苦言を呈してるんだぞ?」

伊織「前の2つはともかく最後のは明らかに暴言でしょ!?」

P「落ち着けって、デコ助の部分は確かに酷いが、皆を呼び捨てにする伊織にも問題があるんだぞ?」

伊織「ぐぐぐ……」

P「今後は言葉遣いを改めて呼び捨てを止めるということでいいだろ?」

伊織「……ぜ、善処するわ」

P「よし!この案件はここまで!ハイサイ!やめやめ!次行くぞ!」

伊織「………」


P「むう……」

伊織「どうしたのよ?見せにくいことでも書いてあるの?」

P「まあ……な」

伊織「ふん、今更私のことは気にしなくて結構よ」

P「いや、伊織の事と言うよりも……これは……」

伊織「なによ、はっきりしないわね?いいから見せなさいよ!」

P「……わかった、これを見てくれ」




とても言いにくいことなんですけど~伊織ちゃんのいつも抱いている~

ウサギのお人形さんのことで~少し困っていまして~




伊織「シャルルのこと?」




前に~伊織ちゃんと一緒に仕事をした時にですね~

伊織ちゃんが~シャルルちゃんを楽屋に置いて~

先に~現場に向かったことがあったんです~

その時に~




伊織「のんびりとした書き方ね、なにが言いたいのかしら?」




私……見ちゃったんですよね……

シャルルちゃんが勝手に動いちゃったところを……




伊織「へ?」




正確には動いているところじゃなくて、動いた後を見たんですがね……


ソファーに座っているな~っと思ってフッと見たら……


テーブルにね……ちょこんと座っているんですよ……


……………


……私……焦りましてね……


いやいや、これは私の思い違いだ、最初からテーブルに座っていたんだって……


目をギュ~って閉じて、自分に言い聞かせるわけですよ……


それで意を決してパッと目を開けたら……


……………



……今度は棚の上に座っているんですよ………





私は我慢できなくなって、ヒャアァァァァァっと




伊織「やめろーーーー!!!」


伊織「なんで途中から語り口調が稲川淳二になっているのよ!?」

伊織「っていうか、これってアンケートよね?『事務所内で困っていることはありませんか?』よね!?」

P「ま、まあ困っていることではあるが」

伊織「こんなの冗談にしてもタチが悪すぎるわよ!」

P「い、いや冗談とも言えなくてな……これも見てくれ」

伊織「え?」



南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏しゃるる殿南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。



伊織「………」

P「………」


伊織「た、タチの悪い冗談よ……」

P「そうなのか?この二人に限ってそんな冗談を言うとは思えないが……」

伊織「もしくは見間違えよ!多分疲れていたのね、最近忙しいし!」

P「そ、そうなのか?」

伊織「それ以外ありえないわ、はい!証明終了!終わり!閉廷!!」

P「そうなのかなあ……」

伊織「この話は止めて次に行くわよ!」


P「次は、これでいいかな」




困ったことは伊織です!伊織の存在です!




伊織「私の存在が困り事なの!?」

P「伊織……なにをやったんだ」

伊織「し、知らないわよ!ここまで恨まれるなんて……」




何なんですかあの娘は!個性が付きすぎじゃないですか!ズルいですよズルい!!




伊織「ん?」




お金持ちな上にお嬢様でしっかり者でリーダーシップもあって歌もダンスも上手くて




伊織「え?…あれ?これ褒められてるの?」




頭も良くてなんでも器用にこなせて かと思ったら見えないところで必死に努力して




伊織「………」カァー

P(照れてるいおりん可愛い)




オデコがチャーミングでどんなボケにもツッコミ入れてくれていつも助かってますありがとう!




伊織「ど、どういたしまして」




私も伊織みたいになりたいです!個性がリボンだけの人は卒業したいです!!




伊織「………」テレテレ

P(こ、個性がリボンだけの人……ププッ)プルプル




どうすればいいんだろう、どうやったら伊織みたいになれるのかな……




P「伊織さん、個性がリボンだけの人がこう言ってますが、どうすればよろしいですか?」

伊織「ふふ、私にようになりたいのなら 並大抵の努力では不可能だと言っておくわ」




やっぱり伊織みたいに 呪われた人形を持たないといけないのかな。




伊織「やめろーーーー!!」


伊織「私のシャルルが呪われているみたいに言わないで!」

P「落ち着け伊織!アンケート用紙に怒っても仕方ないだろ!!」

伊織「うるさーい!こんな紙切れ!こうして!こうしてぇ!こうしてやるわ!!」カキカキカキカキ

P「ああ!!伊織がアンケート用紙に落書きを!?」




貴女はそのままでいいと思います。貴女は気づいていないかもしれませんが

765プロの皆は貴女から元気や頑張りを貰っています

他者を気遣え良い所を見つけられる、それは何者にも代え難い貴女自身の個性だと思います

自分を卑下することなく自信を持ってください。




P「………」

伊織「………」


P「………」ナデナデ

伊織「む、無言で頭を撫でないでっ」


伊織「まったく……」

P「ふふ、次いこうか」




困ったこと?○○はそんなの特にないよ?




P「○○の部分は記入者が解るため、こちらで伏せさせてもらった」

伊織「いや、もう誰が書いたのかわかったんだけど……」




あ~でもデコちゃんが少し困ったちゃんなの




伊織「困ったちゃん言うな」




○○はキラキラするためにアイドルをしてるんだけど

デコちゃんってキラキラしててピカピカしてるの




伊織「は?」




だから二重の意味で とっても眩しいの




伊織「………」

P「………」




アイドルとしてのデコちゃんと………オデコが




伊織「………」

P「………」




アハ☆




伊織「………」クシャクシャ ポーイ

P「ああ!伊織がアンケート用紙を丸めて容赦なく放り投げた!?」


P「いや、一応キラキラしてるって言ってるし、褒めてるんじゃないかな?」

伊織「さっ次に行きましょう」

P「お、おう」




765プロの皆が可愛すぎて困ります!




伊織「可愛すぎて困る?どういう意味?」

P「さあ?なんなんだろうな……」




ああ、見える!伊織ちゃんがやよいちゃんに全身ハイタッチされている姿が!!

雪歩ちゃんに膝枕されている美希ちゃんを恨めしそうな目で見ている真美ちゃんの顔が!




伊織「………」

P「………」


伊織「これ……なにが見えてるの?」

P「さ、さあ?」




やよいおはるちはゆきまこひびたかみきりつあずあみまみちはやよりつちはまこはるいお

ゆきまみあみまみひびいおたかやよはるあずちはりつまこいおゆきちはみきひびたかゆき

ちはまこみきいおはるたかゆきひびまみりつあずやよはるあみみきあずたかまみやよちは





伊織「な、なによこれ呪文!?どどどういう意味!?」

P「わ、わからん!が、怨念じみた何かを感じるな!!」




妄想が止まなくなって仕事に手がつきません!だから今日は帰ります!!さよなら!!




伊織「帰るな!仕事しろ仕事!!」


伊織「ていうか、これ書いた人がウチで一番困った人じゃないの!?」

P「否定はできないな」

伊織「そもそも、コレ私関係ないでしょ!」

P「ま、まあ765プロ全員と書いてあったから、一応伊織も含まれるわけで……」

伊織「もう少し、私の事で ちゃんと指摘しているものはないの?」

P「う~ん……あ、これなんかどうだ?」




さいきん伊織ちゃんのことで心配しています

伊織ちゃんは歌やダンスのお仕事をいっぱいしていて とても疲れているはずなのに

弱音一つはかずがんばっています

それどころか わたしのなやみもよく聞いてくれていっぱいいっぱい助かってます


でも伊織ちゃんは わたしにはなにも言ってくれません



伊織「………」

P「………」



伊織ちゃんだって つらいこととか大変なことがいっぱいあると思うのに

わたしには なにも言わず、いつも自信たっぷりに笑っています




伊織「………」




本当に強くてかっこよくてやさしい、じまんの友達です

でも、たまには頼ってほしいな~って、ちょっぴり思っちゃいます。




伊織「………」グス


P「いい友達をもったな」

伊織「そうね、本当にそう思うわ」

P「大切にしろよ」

伊織「わかってるわよ」

P「ふっ」

伊織「ふふ……」


P「よし、残りのアンケート用紙もサクサク見ていくか!」

伊織「ええ!」




最近伊織のことで悩んでいるぞ……

伊織はアイドル活動を頑張っているし、それで疲れているのもわかっているんだけど

毎回その愚痴を自分に言ってくるのはキツいぞ




P「あれぇ?」

伊織「………」




電話で夜中どころか朝方まで話に付き合うのは流石に堪えるさ~

ただ、徹夜明けでも伊織はケロっとしているのが凄いな、本当あの外面の厚さは見習いたいぞ


P「………」

伊織「………」




頼られるのは悪い気分じゃないし、仲間の愚痴を聞くくらい なんくるないんだけど

ストレスは確実に溜まってるようだから、少しは休ませたほうがいいんじゃないかな?




P「………」

伊織「………」


P「い、いい友達を…もったな?」

伊織「……そうね、本当に……そう思うわ」

P「なんていうか……大切にしろよ?」

伊織「はい……」


P「そんで、次がラストなんだが」

伊織「ようやく終わるのね……なんだかドッと疲れたわ」




伊織へ、色々と無理をさせていたみたいでゴメンなさい




伊織「なんで謝られているの!?」




貴女がそこまでストレスを感じていたなんて気付きませんでした、プロデューサー失格ですね




伊織「あっ、さっきのアンケートを見た後に書いたわねコレ!」




今度まとまったお休みを作らせてもらいます

あと、あまり力になれないかもしれないけど、悩み事があったらなんでも言ってください。




P「お、おぉ……無茶苦茶気を使われているな」

伊織「なんでアンケートなのに、私へのメッセージとして使われているのよ……」


P「はい、というわけでこれで終わりだ、お疲れさま」

伊織「本当に疲れたわ……」

P「ちなみに、皆のアンケートを見たことは他のアイドルには……」

伊織「わかってるわよ、皆には見たことは言ったりしないし態度にも出さない」

P「助かる、それで一通り見てもらったわけだが、どうだった?」

伊織「……まあ、多少は私も反省すべき点があったのはわかったわ」

P「うんうん、それに気付いただけでも 見てもらった甲斐があったってもんだ」

伊織「私以上の問題児がいることもわかったわ」

P「そちらに関しては早急に対処させてもらいます」ペコ


伊織「まあ、なんだかんだで見せてもらって良かったわ」

P「そうか」

伊織「色々と書かれて、ちょっとムッとしたこともあったけどね」ニヒヒ

P「そうだな」ハハハ

伊織「ふふふ」

P「ははは」


伊織「ただ、まあ……」

P「?」




伊織「デコ助はないわよね!プロデューサーさん!」ベッチーン!!

P「はう!いおりんのデコピンありがとうございます!!」





おわり




おまけ



P「あ痛た……なぜバレたんだ?」

伊織「単なる消去法よ」

P「マジかよ……いおりん恐るべしだな……」

伊織「いおりん言うな!……というか、あの二人の分はどうしたのよ?」

P「……え?」

伊織「え?じゃないでしょ……あの二人も私のことを書いてあったんでしょ?」

P「あ~……うん」

伊織「じゃあ見せなさいよ、ここまで来たら全部見ないと気が済まないわ」


P「う~ん、でもなぁ……」

伊織「なに?そんなに厳しいことが書いてあるの?」

P「いや、そういうわけじゃなくてな……」


P「伊織がこれ見たら、確実に怒ると思うし……」


伊織「………」


P「………」


伊織「見せなさい!」サッ

P「あ、勝手に!?」




いおりんがヤバイ(;´Д`)

いや○○達のほうがヤバイよ→

うん、ヤバイね ヤバくて泣きそうだよ(´;ω;`)



伊織「ヤバイとか言ってる割には顔文字を書き込んでるのね」

P「手書きで顔文字とかやるなぁ」

伊織「あとこれ二人で書いてるのね」

P「とりあえず名前は伏せまちた」




○○達がシャルルをかってに動かしたせいで あんなウワサがたっちゃうなんて・゜・(ノД`)・゜・

シャルルに呪い属性を付与しちゃったZE!




伊織「やっぱりアンタ等の仕業かーーー!!」





こんなことになるなんてね……

イタズラって怖いね……

一部じゃいおりんはシャルルに乗っ取られてるとまで ウワサされてるんだよ?

イタズラってホント怖いんだね……

違うよ……ホントに怖いのはイタズラじゃない

え?それじゃ一体?

ホントに怖いのは………ウワサに おどらされる 人間 だよ




伊織「深いわね……ってやかましいわ!」

P「良い事言ってる風だが、結局のところ 責任を擦り付けようとしてるだけだしなぁ」



このあと、この二人は滅茶苦茶デコピンされました

ついでにプロデューサーも何度かされましたが、でもどこか嬉しそうでした。





おわり

終わりです
ありがとうございました

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