【ガルパン】赤星小梅「この袋に金とチャーハンを詰めろ!」 (28)


まほ「今度の合宿で隠し芸大会をすることになった」


エリカ「え!?」


まほ「何人かで組んで出し物をしてもらう。チームはこちらで決めたぞ」


エリカ「ちょっと待って下さい!聞いてませんよ!」


まほ「今言ったからな」




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エリカ「なんでいきなり……まあどうせ大洗に影響されたんでしょうけど」

まほ「その通りだ。彼女たちの優勝記念の宴会は大層盛り上がったそうだ」

エリカ「それは優勝してますからね!?そりゃ盛り上がりますでしょうよ!
でも私達のは強化合宿ですよ?盛り上がりますか?」

まほ「西住流に後退という道はない。決めた以上は進むのみだ」

エリカ「こういう時に西住流を持ちださないでください」


まほ「そういえば大洗の宴会と言えば思い出したぞ。黒森峰だけ祝電を送ってなかったらしいじゃないか」

エリカ「はい?あ、そういえば送ってませんね」

まほ「この前は恥をかいたぞ。どうしてくれるんだ」

エリカ「どうもしませんよ!?私のせいですか?」

まほ「確かに黒森峰は常勝で、今まで他校の勝利を祝う文化などなかったからな」

エリカ「去年も負けましたよね?」


まほ「去年も送ってない。みほのことで精一杯だった」

エリカ「去年の先輩がやってくれなかったら私達も出来るわけないじゃないですか」

まほ「この話題はもうやめよう。誰も得しない」

エリカ「隊長が出した話題ですけどわかりました」

まほ「大洗は何か別の形で祝ってやらないといけないな」

エリカ「今更ですか?優勝してから結構たちますよ?」

まほ「それも含めて合宿で話し合うとしよう」

エリカ「強化合宿の意義が薄れていく……」

まほ「かくし芸の訓練も怠るなよ。黒森峰は余興にも全力だ」




エリカ「というわけで私とあなたで組むことになったから」

小梅「わかりました!!」

エリカ「何でそんなに元気なのよ」

小梅「わかりません!」

エリカ「は?」

小梅「自分のキャラというものが全くわかりません!助けてください!」

エリカ「知らないわよ」

小梅「副隊長はわからないんです。私の気持ちは」

小梅「隊長、副隊長と並ぶ数少ない黒森峰のネームドとして、頑張ってるんです!」


小梅「私を除いたら黒森峰の名前ありキャラが全校で一番少なくなってしまいますから!」

小梅「私を入れても、やっとアンツィオとかサンダースと同じですけどね!?」

小梅「だから私が頑張ってメインキャラ並みに知名度を得ないとダメなんです!」

小梅「それなのに、なのに未だに自分のキャラがわからなくて困ってたんです!」

エリカ「一気に喋ったわね……ていうか、本編はあれだけどスピンオフだと結構出番あるじゃないあなた」


小梅「それはありがたいけどっ!やっぱり本編でもっと活躍したいんですよ!」

エリカ「あと、スピンオフといえば私と隊長とあなた以外にもいるじゃない。黒森峰の名前持ちキャラ」

小梅「誰ですか?直下さんはあれ非公式のアダ名ですからノーカウントですよ」

エリカ「違うわよ。あの子よあの子」

小梅「えー誰ですか?ヒントください!」


エリカ「ツェ……で始まる名前の」

小梅「ツェズゲラですか?」

エリカ「違うわよ!なんでツェズゲラ!?」

小梅「冗談ですよ。ツェスカですよね」

エリカ「どんな冗談よ」

小梅「確かにツェスカは可愛い後輩ですけど……そっちは私以上にスピンオフで目立ってたから良いんですよ」

エリカ「なんだかんだ言って、要するに目立ちたいだけね」

小梅「ぐっ」


エリカ「目立ちたいんなら、かくし芸を頑張りましょう。黒森峰は余興にも全力よ」

小梅「そうですね……うん!頑張ります!」

エリカ「そうと決まったらまずは」

小梅「腹ごしらえですね!食堂でチャーハン食べましょうチャーハン」

エリカ「チャーハン好きねあなた……」



小梅「もぐもぐ……それで、どんな方向性で行きましょうか」

エリカ「もぐもぐ……そうね。後輩には威厳を示し、隊長からは褒められるようなやつがいいわね」


小梅「要求が高い……となると普通の手品とかそういうやつはやめたほうがいいかもしれないですね」

エリカ「やっぱり意外性があるほうがいいわ」

小梅「意外性……副隊長が何か芸をやるだけでかなり意外性はあるけど、何か芸に出来る特技ってあります?」

エリカ「……」

小梅「楽器とかは?」

エリカ「り、リコーダーなら」

小梅「ぬぶふっ!かわいっ」

エリカ「笑うなっ///」

小梅「ごめんなさいつい。楽器も駄目となると……そうだ!コントとかどうです?」

エリカ「コントぉ?」

小梅「これならちゃんと話を考えれば2人で出来るし、何より副隊長がお笑いなんて意外性抜群です!」


エリカ「それは確かに、そうかも。でもコントなんて作れるの?」

小梅「大丈夫です!2人で考えればなんとかなりますって!」

エリカ「まあ、やるだけやってみようかしら……」

小梅「最初は舞台ですね。コンビニとかよくある設定な気がします」

エリカ「コンビニねえ」

小梅「あ、コンビニと言ったらコンビニ好きなあの人を思い出しちゃいますね」

エリカ「ふん。何のことだか」

小梅「『み』で始まって『ほ』で終わるあの人ですよ」

エリカ「全部言ってる!!」


小梅「あっコンビニ強盗とか!話のメリハリがあって考えやすそう!」

エリカ「強盗に来て、どうするの」

小梅「じゃあ私が強盗をやるんで、エリカさん店員やってみてください」

エリカ「え、いきなり?いきなりやるの?」

小梅「とるあえず私がアドリブでボケていくのでエリカさんツッコんでください!」

エリカ「めっちゃ張り切ってるじゃない」

小梅「ウィーン」

エリカ「ってもう始まった!待って心の準備が」


小梅「ほら、いらっしゃいませでしょ」

エリカ「あ、はいはい。いらっしゃいませ」

小梅「おらー!金を出せ!それとチャーハンも出せ!」

エリカ「えっ!?あっと、なっ、はっ?」

小梅「この袋に金とチャーハンを詰めろ!」

エリカ「いやっ……なんっ!?えっどっ」

小梅「早く!この際だからチャーハンだけでいい!詰めろ!!」

エリカ「ちょっ、おっ、あっええっ!?」

小梅「もういい!!袋に入れなくてもいいからチャーハンを寄越せ!」

エリカ「やっ、ちょ、ちゃっ……!」

小梅「はよ、レンジでチンしたチャーハンをたっぷりって何でやねん!!!!」

エリカ「あなたがツッコむの!?」


小梅「キョドってないで早くツッコんでください!どれだけボケたと思ってるんですか!」

エリカ「いや全部チャーハンでゴリ押しじゃない!あんなのどうツッコめばいいかわからないわよ!
慌ててるうちに畳み掛けてくるし!!」

小梅「ツッコミを待ってたら間がおかしくなるでしょう!」

エリカ「そんなこと言われたって咄嗟にあれにツッコムなんて無理!」


小梅「わかりました。じゃあもう一回同じボケをするので今度はしっかりツッコんでください。
何が来るかわかってるから対応できますよね?」

エリカ「いやそもそもボケの質が」

小梅「ウィーン」

エリカ「またいきなり始まった!ええと、ええと、いらっしゃいませ」

小梅「おらー!金を出せ!それとチャーハンも出せ!」

エリカ「ちゃ、チャーハン好きかーい!」ビシッ

小梅「……」

エリカ「……」


小梅「この袋に金とチャーハンを詰めろ!」

エリカ「今の間は何!?スベったの!?ダメならはっきり言ってよ!」


小梅「ダメですね」ハッキリ

エリカ「はっきり言われた!」

小梅「チャーハン好きかーい!ってそのままじゃないですか!折角の面白いボケが台無しです!」

エリカ「ボケも面白く無いわよ!それならあなた、どんなツッコミが良いのか言ってみて」

小梅「コントの設定を変えてみますか」

エリカ「おい」

小梅「強盗をツッコミに、店員をボケにしてみましょう。そういう設定もよく見るし」

エリカ「逃げるな」


小梅「じゃあ行きますよ。引き続き私が強盗で入るので副隊長うまくボケてください」

エリカ「ちょっと」

小梅「ウィーン」

エリカ「勝手に始まった!いつもいきなり始めるわねこの子!」

小梅「強盗だ!金を出せ!」

エリカ「あっ、っと、ボケ、ぼけっないとっ」

小梅「ほら!早くちゃー、金を出せ!」

エリカ「今チャーハンって言おうとしなかった!?ボケはこっちなんだけど!」

小梅「気のせいです!早く金を出せ!」

エリカ「お、お」

エリカ「お金って何ですか?」

小梅「!?」


エリカ「だからお金って何ですか?」

小梅「む、無知か!」

エリカ「はい……」

小梅「……」

エリカ「……」


小梅「何ですかそのボケ!?」

エリカ「何よそのツッコミ!?」


小梅「ボケが予想外過ぎますよ!」

エリカ「知らないわよ!上手くツッコめって散々言ってたでしょうが」

小梅「もう、こんなんじゃいつまでたっても……あっ」

エリカ「ん?」

小梅「無理にコンビニをネタにしようとするから上手く行かないんだ!もっと身近な、戦車をテーマにしたコントにすれば良いんですよ!」

エリカ「コンビニを持ちだしたのあなたなんだけど、まあそっちのほうがマシかもね」


小梅「じゃあ行きますよ」

エリカ「えっ?」

小梅「ウィーン」

エリカ「何でいつも強行で始まるの!?もう嫌だこのウィーン聞きたくない!」

小梅「強盗だ!!戦車を出せ!!」

エリカ「って強盗の設定は引きずるのかい!いい加減にしろ!」ビシッ


小梅・エリカ「ありがとうございましたー」ペコッ


パチパチパチパチパチ



まほ「二人共、お疲れ様。中々面白かった」

エリカ「ありがとうございます!」

まほ「赤星、よくあれだけ自分をさらけ出したな。チャーハンがそこまで好きとは驚いたぞ」

小梅「えへへ」

エリカ(うっ、隊長に褒められてる。羨ましい!私も隊長に褒められたい!)

まほ「エリカも頑張ったな。特に……」

エリカ(きたーー!褒められる!) ?


まほ「赤星があれだけチャーハンを連呼したのに、ハンバーグネタを安易に使わなかったのは偉いぞ」

エリカ(すごい角度から褒めてきた!?)

エリカ「べ、別にハンバーグが持ちネタではないんですが、ありがとうございます」

まほ「よく最後まで我慢したな」

エリカ(なんか常にハンバーグって言いたがってる人みたいに思われてる……?)


まほ「すでに広まっている定番ネタに頼るのは良くないことだ。今回は感心したぞ」

エリカ(まあ褒められてるから良いわね!わーい!)

小梅「そういえば、次は隊長の番ですよね」

まほ「うん。私は隊長としてひとりチームだ。そろそろ行ってくる」

エリカ「隊長!頑張って下さい!」


パチパチパチパチ



まほ「カレー食べ比べをやりまーす!」


エリカ「おもいっきり定番ネタに頼ってるーーー!!!」



(おわり!!)

読んでくれた人ありがとうごさいました!

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