モバP「サメ映画の出演オファーが来てまして」 (55)

~その1~

兵藤レナ「ふーん、どんな役?」

P「主要キャストはもう決まってて、脇役なんですけどね」

P「サメに襲われる海水浴客です」

レナ「別に嫌なわけじゃないけど、脇役なら私じゃなくても良いんじゃない?」

P「監督の指名なんですよ。なんでもレナさんのことはよく知ってるとか」

レナ「映画監督に知り合いなんていないはずだけど……ファンとしてって意味じゃないの?」

P「どうですかねぇ。まあ、会えば分かるでしょうけど」

P「スケジュール的には全く問題ありませんが、どうします?」

レナ「うーん……せっかくご指名いただいたんだから、やってみようかしら」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472628077

映画の勉強のため監督がアメリカ留学していた頃、レナさんに会ったらしい。

監督は日本人ディーラーのレナさんをよく覚えていたが、

レナさんにとっては大勢いる常連の一人でしかなかったようだ。





レナ「なぁーにがよく知ってる、よ。カジノのお客さんじゃない」

レナ「そういえばよく食事に誘われたわね……下心みえみえだったから断ってたけど」

P「水着はどうしますか?」

レナ「監督が用意したやつ? 着ないわよ、アレほとんどヒモじゃない」

P「サメ映画で水着美女が襲われるのはお約束のサービスシーンですから……」

レナ「だとしても、そこまで安売りするつもりはないから」

レナ「念のため私物持ってきてよかったわ」

P「不満はあるかもしれませんが、気持ちを切り替えて……」

レナ「大丈夫。これでもプロとして自覚はあるつもりだから」

レナ「それと……例の水着、プロデューサーくんにだけなら、見せてもいいかもね♪」





泳いで逃げるレナに追いついたサメは、すぐには食いつかず

――映画的にはカメラがサメ視点なので、レナの形の良いヒップをたっぷりと見せるため――

鼻先で獲物をもてあそび、浜辺まであと少しというところでガブリと食らいついた。

監督のこだわりは大変すばらけしからんと大好評を得るのだった。

~その2~

川島瑞樹「今度は私? ありがたいけど水着はちょっと自信が……」

P「人喰いザメの情報を伝えるニュースキャスターの役なので、たぶん水着は無いですよ」

瑞樹「そうなの? じゃあ出てもいいわ」

P「個人的には、水着でも十分いけると思いますけどね」

瑞樹「ふふ、ありがと」

瑞樹「まあ、プロデューサーくんがそう言うなら次の機会には水着も考えてみるわ」





瑞樹「……って言ってたわよね」

P「はい」

瑞樹「なんでやっぱり水着になってるのよ」

P「街中のニューススタジオではなく海上スタジオなので、らしさを出すために、と」

P「でも次は水着も考えるって言ってたじゃないですか」

瑞樹「そうだけど……心の準備ってものがあるじゃない」

瑞樹「あー、安請け合いしちゃったかしら……」

P「ではこれを」

瑞樹「水着のカタログ?」

P「どれでも好きな物を選んで良いですよ」

瑞樹「えっ、買ってくれるの? 結構なお値段するわよ」

P「衣装として経費で購入しますので。撮影が終わったら川島さんのものです」

瑞樹「やだ、ほんとー? えー、どれにしようかしら」

P「でも撮影で着れなくなるかもしれないのでそのつもりで……って聞いてます?」

瑞樹「聞いてる聞いてるー。パレオで大人っぽく……いや、ビキニも捨てがたいわねー」





巨大ザメが海上スタジオに体当りした衝撃で瑞樹は海上に放り出され、

唐突に召喚された(サメ映画ではよくあること)小型サメの密集地に落ちてしまった。

ウミヘビのようなサメは瑞樹の身体に何度も噛み付き、まとわりついて妖艶に彩る。

やがて力尽き海中へ沈むと、抵抗するうちに偶然外れたのか、

水着のブラだけが真っ赤に染まった海面に浮かんでいた。

~その3~

P「撮影お疲れ様でした!」

篠原礼「お疲れ様……いまさらだけど、なんで普通のサメじゃないの?」

P「サメ映画のサメは、体長が100mだったり空を飛んだりそもそも生物じゃなかったりしますからね」

P「サメ怪人なんてまだまともな方ですよ」

礼「……理解に苦しむわ」

P「ともかく、恐怖に引きつった表情素晴らしかったです」

P「さすが、実は怖がり!」

礼「や、やめてちょうだい」

P「何かイメージして演じたんですか?」

礼「そうね……まずサメ怪人のCGを見せてもらったけど」

礼「グレー一色でいまいちイメージ出来なかったの」

P(まだ出来上がってないのか……)

礼「仕方ないからジョーズを見てみたけど、いろいろ違いすぎて参考にならなかったわ」

P「ジョーズは実際にいそうですけど、サメ怪人は絶対いませんからね……」

P「結局どうしたんですか?」

礼「小梅ちゃんに……なるべく怖くなくて、参考になるDVDを貸してもらったわ」

P(……ん? 矛盾してない?)

礼「1本で良かったんだけど、嬉しそうに勧めてくれるから断れなくて」

礼「結局5本見たのよ…………」←遠い目

P(小梅厳選の5本か……映像的にグロいのとか心理的にくるのとか色々だろうな)

P「それは……本当にお疲れ様でした」

P「ところでさっきから気になってたんですけど」

礼「なに?」

P「礼さんの肩に青白い手が乗ってるんですが……」

礼「」

P「なーんて冗談――」

礼「きゃああぁぁっ!!」ダキッ

P「おわっ、礼さん落ち着いて! ほんの冗談ですよ!」

礼「いやあああぁぁぁっ!!」グイグイ

P「荒ぶるお山がッ! 俺の理性がクライシスッ!!」





曇りガラス越しに、シャワーを浴びる礼の姿……。

バスタオルを巻いて寝室に戻った礼を待っているはずの恋人は、サメ怪人に姿を変えていた。

驚く礼の身体からバスタオルが落ちる。

美しい背中を披露した礼は、次の瞬間サメ怪人に喰い殺された。

~その4~

片桐早苗「私の役ってシャークハンターでしょ? つまり、相手は人喰いザメでしょ?」

早苗「バズーカはやり過ぎじゃない?」

P「サメに対してハンドガンやマシンガンはほとんど効きません」

早苗「え、そうなの?」

P「ちなみに木の棒にはサメ特攻がついてます」

早苗「ゲームみたいね」

早苗「……まー、派手な方が面白いからいっか。じゃあ次の質問」

早苗「水着でバズーカやアサルトライフルぶっ放すのって変じゃない?」

P「相手はサメですよ?」

早苗「でもこの映画のサメって海から飛び出してくるでしょ?」

早苗「海中で戦うならまだわかるけど」

P「セクシーな戦闘服の女性キャラは、アクション映画にたいてい1人いますから」

早苗「あー、そういう枠なんだ、あたし」

P「そういう枠です。あと、エサ枠です」

早苗「エサ枠かぁ……強そうなのに結局喰われるって、カマセじゃない?」

P「油断して喰われるわけじゃないから、そんな風には見えないですよ」

早苗「んー、そうかなぁ」

P「とにかく強くて頼りになるお姉さんを演じればいいです」

早苗「分かった、プロデューサーくんがそう言うなら、あたしはそれを信じる」

P「でも珍しいですね、早苗さんが役作りで相談なんて」

早苗「ドラマの出演はあるけど、映画は初めてだからね」

早苗「ありがと。今度おごるね、飲みに行こ?」

P「それって結局俺が介抱するいつものパターンになりそうな……」

早苗「あはは……善処します」





海中から飛び出してくるサメを、的確にバズーカとアサルトライフルで撃墜していく早苗。

その先には、座り込んで泣いている少女がいた。

弾切れのバズーカで思い切りサメを叩きとばすと、少女は駆け寄った早苗の豊満な胸に飛び込んだ。

頭を優しく撫でようとする早苗だったが、すぐに少女を突き飛ばす。

別のシャークハンターに受け止められた少女の目に、サメに噛みつかれた早苗の姿が一瞬だけ映った。

~その5~

P「皆さんが出演したサメ映画は」

P「新人で、演技も下手な主演より、エサ枠のほうが魅力的と言われてまして」

レナ「実際エサ枠で出演した身としては嬉しいけど……」

瑞樹「でもそれは撮影期間とか出演料とか、いろいろ大人の事情があるわけでしょ?」

P「そうなんですけどね」

P「で、まあなんやかんやで毎回想定以上の興行成績を出してきたので」

P「これまでの魅力的なエサ枠がついに主演を張ることになりました!」

礼「ということは」

早苗「私達全員」

P「主役です!」

『おおーっ!』

高橋礼子「私はまだサメ映画に出演してないけど」

P「あ、そうでしたね。でもこの5人に主演のオファーが来たのは間違いないです」

礼子「皆のおかげでいきなり主演というのはちょっと申し訳ないわ」

瑞樹「遠慮しなくて良いのよ。若い子達には無い大人の魅力、見せつけてやりましょ」

P「一応訊きますけど、出ますか。出ませんか」

レナ「もちろん出ます」

早苗「私も」

礼「ええ」

瑞樹「同じく」

礼子「断る理由はないわ」

P「ではこの書類に目を通してサインを」

レナ「あら、今までこんなのなかったと思うけど」

P「撮影期間も長くなりますからね。自己都合で降板した場合は賠償云々などの誓約です」

礼子「それで、どんな役なの?」

P「女性だけで構成されたサメと戦う原子力潜水艦の乗組員でして」

礼子「え?」

P「礼子さんが艦長、川島さんが副長――」

礼子「待って。待って待って、ちょっと待ってよ」

P「どうしました?」

礼子「サメと戦う潜水艦って何?」

P「何と言われても言葉通りですが」

礼子「いや、いやいやいや。おかしくない?」

礼子「サメでしょ? せいぜい5mくらいでしょ?」

礼子「……あ、ひょっとして、潜水艦が座礁して海に放り出されて」

P「いえ、生身で戦うシーンはありません」

礼子「あくまで潜水艦でサメと戦うの!?」

礼子「っていうか、なんでみんな驚かないの!?」

早苗「なんでって、サメは物理法則を無視して泳ぐし」

瑞樹「大きさは自由に変えられるし」

P「合成が甘いとも言います」

礼「なんでも簡単に噛み砕くし」

レナ「原子力潜水艦くらいでないとまともに戦えないでしょ」

礼子「えぇー……」

P「サメ映画に常識は通用しません」

P「あ、サイン良いですか? あと礼子さんだけなので」

礼子「ああ、はい……」

礼子「話と平行してサインするくらい、みんなにとっては当たり前なのね……」

瑞樹「ねえ、ひょっとして私達の出演作見てないでしょ?」

礼子「たしかに、そのうち見ようと思ってまだ見てなかったけど……」

礼子「そんなぶっ飛んだ映画だったの?」

P「サメ映画はだいたいそんな感じです」

礼子「…………」

P「さらに、映画のエンディングテーマも皆さんに歌ってもらって、しかもライブ映像付きです」

レナ「もうそんなことまで決まってるの?」

P「いやー、実は指名で出演依頼してもらったから、ライブのチケットさし上げたんですよ」

P「そしたらそのお礼にって飲みに誘われて、仲良くなりまして」

P「いつかウチのアイドルを主演にしてくださいよ~とか言ってたら実現しちゃいました」

P「というわけでかなり初期から関わってます」

早苗「なにそれすごい」

礼「私達が断るはずないと思って、実は結構企画進めてるでしょ?」

P「ははは、断られたら本気で頭抱えるくらいには」

瑞樹「でも、面白そうじゃない? この5人でユニット組むのも初めてだし」

礼子「そうね……良いかも」

早苗「曲はできてるの?」

P「コレをカバーします」 つCDジャケット

瑞樹「は?」

レナ「え?」

礼「本気?」

礼子「歌うのは……まあ、百歩譲って良いけど、ライブってことは踊るの? アレを?」

P「もちろん」

瑞樹「冗談でしょ! 私降りる!!」

レナ「私も!」

早苗「いくらサメ映画でもやっていいことと悪いことがあるわ!!」

礼「あの子達だから似合ってるのよ!」

P「自己都合で降板した場合は賠償……」

瑞樹「あ! こうなるって分かってたのね!?」

P「いやー、なんのことですかね~」

P「ちなみに、自分達の歌がカバーされることについてすごく楽しみと言ってました」

礼子「卑怯者!!」

~試写会後、映画評論家K.H(17)さんのコメント~

サメの攻撃で艦体が揺れるときは必ず誰かの乳揺れも見せる。

あざといと言ってしまえばそれまでだけど、娯楽作品として

全員が本気で馬鹿なことやってる感があってよかったわ。

残念ながら水着シーンはないけど軍服もかなりセクシーなデザインだから、

彼女たちのファンなら必見ね。

あ、そうそう必見といえば……んふふっ。

普段エンディングですぐ帰る人も、くくっ、いると思うけど。

この映画はエンディングが……ふふ、とにかく最高……だから、あははっ。

絶対帰れ、ない……あーっ、もうだめ、耐えられない!

あはははははは!!

思い出しただけでwwwwwwwww

だってみんな最高の笑顔でwwwwさすがプロwwwww

オリジナルとのギャップがwwwwwwwwwww

サメファイ☆デイズ


Let's Go!!

お気に入りの麦焼酎 飲み干したなら

ハッチ閉めてスタートダッシュ!! (いっせーの ハイ!!)


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弱音は(No!!) 吐かないよ(Yes!!)

そうさ! 約束をした戦場(ばしょ)へと 進んでくDrunker

ハイボール…ピニャコラーダ…ボトルをぎゅっと抱きしめてく

いつかフカヒレのように輝く日まで


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Let's Go!!

明日へ(Shark!!) 未来へ(Shark!!)

昨日のサメは今日のランチ

顔上げて一緒にLet's Fight!!


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最初のStep(by Step!!) 踏み出そう(Stand Up!!)

みんなでサメ殺そう!! J P Y

手をつないで一緒に サメ Fight なDays


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訂正
http://imgur.com/tUTcSg4.jpg

おわり

楽しそうに踊るお姉様方とても可愛いです
ちなみにシャークトパスではピニャコラーダの名前が出ます

笑った
サメ映画ってぶっ飛んでなきゃいけないと言うルールでもあんのかね

さすがK.H、クソ映画ハンターの肩書に恥じぬ仕事ぶりだな

これは草が生えるのもやむ無し

五人が驚いてたからまさかとは思ったがまさかだったか…
鮫映画はまともにみたことないな…昔タコだったかのは見たことあるけど
なんか鮫映画なんだけどギャグぽい感じの鮫映画があるって聞いたことあるけどあるの?

シャークネードシリーズは最高にエンターテイメントしてるよ

海の生物なら「ザ・グリード」とか印象に残ってるわ
とにかくミミズがキモいのなんのって

なんで武器にあれがないんだ
チェーンソー持ってこい話はそれからだ

ハローシャークネード

そこまでだ、残念だったな

タイトル見た瞬間K.Hさん待ちでした
おつ

サメと聞いて
http://i.imgur.com/wNJkg7H.jpg

タイトル忘れたけど、争う仲間達に対しリーダーぽい人が説教してる途中に思いっきり鮫に喰われた時は思わず笑っちゃった

>>37
ディープブルーだっけ?「鮫なんかより雪山の方がよっぽど怖いぜ!」っておっさんが力説してたら後ろから食われた奴

>>38
鮫じゃなくて水ですぜ

それ借りてみたくてTSUTAYA行ったんだが鮫がなくて海の生き物な方があるってどういうことなの

シャークネード
ダブルベッドシャーク
ビーチシャーク
アイスシャーク
シャークゴースト
この辺は見てない奴がいることが信じられないレベル

すごい世界だ

オクトパスシャークってのいなかった?

シャークトパスなら

メガシャークVSジャイアントオクトパスかシャークトパスだな

なんか洗車中にサメに喰われるのってゴーストだっけ?

>>46
ゴーストシャークだな

>>47
サンクス

K.Hって誰だろ

>>49
「モバマス クソ映画」でググったら出てきちゃう悲しさ

お前らサメ映画詳しすぎだろw

ハローシャークネードで始まる動画見てたら自然と覚えるからね仕方ないね

ベニスにサメはいない

もう鮫は肉体さえ捨ててるのいるし最後はどんな進化を遂げるのか楽しみだよな

サメ映画(サメの原型が無い)

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