友人「好きな女の子ができたんだ」男「コクれコクれ!」 (13)

友人「あのさ……相談があるんだ」

男「話してみろよ! 俺でよかったらいくらでも相談に乗るぜ!」

友人「ありがとう」

友人「実はさ、俺……好きな女の子ができたんだ」

男「コクれコクれ!」

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友人「コクれって……まだ数回会っただけなんだぞ?」

男「だってうかうかしてると他の奴らに取られるかもしれないぞ?」

友人「あ……そうか」

男「それに女なんてのはいきなりコクるぐらいで丁度いいんだよ!」

友人「それもそうか……」

友人「分かった、コクってみる!」

男(ま、俺だったらもっとじっくり付き合って、脈ありなのを確認できてからコクるけどなwwwwwww)

友人「相談があるんだ」

男「お、どうした? なんでも話してみなよ」

友人「最近、親と仲が悪くなっちゃってさ……」

男「ふう~ん、だけどいつまでもそういう状態でいるわけにもいかないだろ」

男「そういうのはガツンといった方がいいぜ! ガツンと!」

友人「よし……そうしてみよう!」

男(ぶっちゃけ親と大喧嘩すると、家居づらくなるから我慢すべきだけどwwwwwwwwww)

友人「今度新しく出るゲーム……買おうか迷ってるんだ」

男「買っちまえよ!」

友人「でもクソゲーだったら嫌だし……」

男「大丈夫だよ! 今のメーカーはそうそうクソゲーなんか作らねえって!」

友人「たしかに! よーし、思い切って予約してみるか!」

男(俺はネットの評判見てから買わせてもらうぜwwwwwwwwww)

友人「バイト先にムカつく奴がいるんだよ……どうしよう?」

男「キレろ!」

友人「え!?」

男「人間関係なんてのはナメられた方が負けなんだ! キレちまえ!」

友人「そういわれてみれば、そういう気もするな……」

男(そういう気がするてwwwwwwww)

男(俺の本当の持論は、人間関係はキレた方が負け、だwwwwwwwwwwww)

友人「大学受験……本命一本に絞るか、滑り止めも受けるか、迷ってるんだよね」

男「そりゃ本命一本に絞った方がいいぜ」

友人「でも落ちたら浪人確定だぞ」

男「バーカ、そんぐらいの気迫じゃなきゃ本命の大学なんて受かりっこねえよ」

友人「一理あるな……よし、本命に絞るか!」

男(一理ねえよwwwwwwwwwwwwww)

男(俺はちゃっかり滑り止めも受けさせてもらうぜwwwwwwwwwwwwwww)

友人「就職先、とりあえず内定出たんだけど……」

友人「ネットを見るとブラック企業っぽいんだよなぁ……どうしよう」

男「いいじゃん、入っちまえよ!」

男「ネットの奴らは大げさなのが多いし、入ってみたら案外よかったってこともあるぜ!」

友人「内定辞退しようと思ってたけど……入社してみるかぁ……」

男(あーあ、新卒カードをクソ企業に使っちまったwwwwwwwご愁傷様wwwwwwwwwwwww)

男(俺ってあいつには強気なアドバイスばっかしてたくせに……俺自身はものすごく慎重に生きてるんだよな)

男(俺って悪い奴かなぁ……?)

男(いや、そんなことねえだろwwwwwwwwwww)

男(俺にアドバイスを求めたのはあいつの責任wwwwww俺に責任はねえwwwwwwwwww)

男(そもそもあいつの人生がどんなにメチャクチャになろうと俺の知ったこっちゃねえwwwwwwwwwww)

男(無責任にアドバイス送るの楽しーwwwwwwwwwwwww)

……



友人「やぁ、久しぶり!」

男「……おう」

友人「ちょっと飲んでいかないか?」

男「いいけど……」

友人「いやー……お前にはホント感謝しても、し足りないよ」

男「へ……? どうして?」

友人「だって俺、お前のアドバイスがなきゃこんな豊かな人生は歩めなかったもんな」

友人「今の嫁さんに告白したのも、親と仲良くなったのも、色んなゲームを楽しめたのも」

友人「バイト先でいじめられなくなったのも、本命の大学に入れたのも」

友人「今の会社でわりかし楽しくやれてるのも……みんなお前のおかげだ」

友人「ありがとう……!」

男「……!」

男(どうしてこうなった……)

男(慎重に生きすぎた俺は、まだ独身だし、選り好みしすぎてかえって変な会社入っちまったし)

男(職場の誰とも打ち解けられてない……)



男(どうして……どうしてこうなったぁぁぁぁぁ……!)







― 終 ―

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