【安価】ダンガンロンパ・ヘブン【オリキャラ】 (394)

注意

・何番煎じかわかりません。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレがあります。
・オリキャラ中心になりますので、ご注意下さい。
・本編とはパラレルの設定です。



まずは、超高校級の才能を募集しますね。
いくつでもあげていいです。
では、早速下1からお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472392038

ボランティア
騎士
怪盗

アジャスター(事故損害保険調査員)
ニンベン師
パトロン

トレジャーハンター
哲学者
ボランティア
騎士
怪盗
ギャング
宛名書き
生還者(死にぞこない)
アルバイター
保育士
パン屋
靴職人
スプリンター
腹話術師
彫刻家
ニンベン師

以上16人で決定ですね。
では、まずは主人公を決めます。
主人公の性別は都合上、男にさせて下さい!

安価下1 主人公の才能(上から選んで)

ギャング

怪盗

主人公の才能はギャングに決定です!

じゃあ名前とキーワードを一気に募集します。

それぞれ一つずつ書いて下さい!
名前は下5までの中からコンマの一番高い物にします。
キーワードは下5までの中からコンマの高い順に三つ採用します。

キーワードはできれば単語でお願いします。
では、安価下5まで


ジャック・ケリー
悪のカリスマ

【才能】超高校級のギャング

【名前】柳 鈴鉄(ヤナギ レイテツ)

【性別】男

【キーワード】
 善人嫌い…いい人ぶる人間が大嫌い。
 鋼鉄の意志…自分の信念を曲げない男。
 美形…イケメン。超イケメン。


イケメンで悪な主人公ですね!

次はトレジャーハンターを決めます。

今度は名前と性別をセットにして書いてください。
では、安価下5まで

財田 ジェシカ(タカラダ ー) 女
お金大好き


【才能】超高校級のトレジャーハンター

【名前】久道 朝夜(クドウ トモヤ)

【性別】男

【キーワード】
 もじゃもじゃ顔…ヒゲと髪の毛で顔が隠れるほど。
 天真爛漫…純粋で無邪気な心を持つ。
 黄金の精神…少年漫画の主人公のような勇気と優しさがある。


ヒゲもじゃなのに心は綺麗な謎人物ですね!

お次は哲学者を決めます。
同様に下5まで

暖水 真心(ぬくみ まごころ) 女 沈思黙考


【才能】超高校級の哲学者

【名前】メトラ・トルオーネ

【性別】女

【キーワード】
 フリーダム…自由な考えで読めない行動をする。
 古代ギリシア風…すべてが古代ギリシア風。ギリシャでなくギリシア。
 水晶の見分力…水晶の中に世界の理を見る。


ふざけた見た目の人が増えますね!

次はボランティアです。
同様に下5まで

天羽 芹亜(アモウ セリア) 女
主人公LOVE

助六 柱(すけろく ささえ)女
思考放棄の従属性

そういえば男女比は半々?

>>44 そうです。どちらかが八人になったら、その先は性別固定で安価をとります。


【才能】超高校級のボランティア

【名前】天羽 芹亜(アモウ セリア)

【性別】女

【キーワード】
 主人公LOVE…柳に対する好意が隠せない。
 腰が低い…誰が相手でも謙遜が激しい。
 奉仕の達人…人に尽くすのは大得意。


ヒロイン候補……かな?

次は騎士を決めますよ!
同様に下5まで

クロエ·ファウラー(Chloe·Fowler)女
強がり

エリシオン・スフリエール 男
差別主義者

手束 奏汰(てずか そうた)男
女が苦手

エリオル・ソードマン 男
お茶目


【才能】超高校級の騎士

【名前】暁美 駈真(アケミ カルマ)

【性別】女

【キーワード】
 差別主義者…他人を差別する傾向がある。
 自宅警備員…自宅を守り、自宅を離れない。
 女嫌い…自身も女なのに女性に嫌悪感を持つ。


 なんだが危なそうな女子ができてしまった…

次は怪盗を決めますよ!
同様に下5まで

ジャン・ルーピン 男
白薔薇の義賊

斗賀 亨介(とが りょうすけ)男
いざというときにしか頼りにならない


【才能】超高校級の怪盗

【名前】タイラー・スミス・ヤシマ

【性別】男

【キーワード】
 風と共に去る…気付いたら何処かに行ってしまう。
 鋭い観察眼…その眼差しは何かを見抜く。
 女たらし…女性を誑かし弄ぶニクい男。


こいつも多分イケメン。あと、きっとキザっぽい。

次は宛名書きを決めますね。
同様に下5まで

理性院 栞那(りしゅういん かんな)女
忘れっぽい

大文字 筆境(だいもんじ ひっきょう)男
対人恐怖症


【才能】超高校級の宛名書き

【名前】理性院 栞那(リシュウイン カンナ)

【性別】女

【キーワード】
 忘れっぽい…大事なこと以外はすぐに忘れてしまう。
 超感覚派…すべて感覚に頼って生きている。
 下っ端体質…誰かに物を頼む事が苦手。


天才っぽいが馬鹿っぽい…裁判では役に立つのかどうか。

次は生還者を決めます!
同様に下5まで

生田目 蛍(イクタメ ホタル) 女
ヤンデレ

狩野 猟虎(かのう らっこ)女
馴れ馴れしい

臼井 拳(うすい けん)男
我慢強い

赤手沼 聡
あかてぬま さとし 男
超ポジティブ


【才能】超高校級の生還者

【名前】臼井 拳(ウスイ ケン)

【性別】男

【キーワード】
 ヤンデレ…好きな人には病的なまでに執着する。
 馴れ馴れしい…初対面でも気軽に話しかけてくる。
 我慢強い…痛みに耐える強さがある。


多分コイツ変態だ!

次はアルバイターを決めます。
同様に下5まで

四郎丸 陽奈(しろうまる ひな)女
早寝早起き

岩動 由自(いするぎ ゆうじ)男
根無し草

荒場 逸美
あらば いつみ 女
彼氏(男なら彼女)がヒモ

蔵馬 順(クラマ ジュン) 男
金の亡者

子安 育恵(こやす いくえ)女
家事万能


【才能】超高校級のアルバイター

【名前】四郎丸 陽奈(シロウマル ヒナ)

【性別】女

【キーワード】
 スリル中毒…危険な場面にあうと興奮する。
 筋肉モリモリ…マッチョな肉体を持つ。
 早寝早起き…規則正しい生活を送る。健康的。


今回のさくらちゃん枠はここですか?

次は保育士を決めますよ!
安価下5まで

羊野 メリィ(ヒツジノ メリィ) 女
悪の絶対矯正


【才能】超高校級の保育士

【名前】絹月 大治郎(キヌツキ ダイジロウ)

【性別】男

【キーワード】
 精神浄化トーク…彼の言葉は人の心を清める。
 肥満…太ってる。肥えてる。腹が出てる。
 悪の絶対矯正…悪人を善人に矯正しようとする。


 デブでいい人…何処かで見たような…

次はパン屋を決めますね!
安価下5まで

木岐 きりん(きき きりん)女
昼と夜で別人格


【才能】超高校級のパン屋

【名前】葵 奏多(アオイ カナタ)

【性別】男

【キーワード】
 素朴…単純で深く考えない性格。
 昼夜で別人格…昼と夜で入れ替わる二重人格。
 蹴りが強い…キックによる破壊力は高し。


まさかの二重人格! わくわくするね!

次は靴職人を決めます!
同様に下5まで


【才能】超高校級の靴職人

【名前】把着 歩夢(ハキ アユム)

【性別】女

【キーワード】
 暗殺奉行…上からの命令で人を殺す暗殺者らしい。
 クンカー…くんかくんか。匂いを嗅がずにはいられない。
 ロリ爆乳…その幼い容姿に似合わぬドデカい乳房。


これでもかってくらい属性過多……嫌いじゃないね。

次はスプリンター(短距離走者)を決めます!
同様に下5まで

魁 一歩(はじめ いっぽ)男
方向音痴

白線 出主
(しらすじ だっしゅ)男
自分勝手


【才能】超高校級のスプリンター

【名前】魁 一歩(ハジメ イッポ)

【性別】男

【キーワード】
 脳内麻薬全開…走るのが楽しすぎて我を忘れる。
 方向音痴…どうやっても思い通りに進めない。
 自分勝手…自分の都合だけでドンドン進んでしまう。


コイツも相当狂ってますね! まともな奴が少ない…

次は腹話術師を決めます!
同様に下5まで

では、黒装束で目と口だけ出してると言うことで


【才能】超高校級の腹話術師

【名前】空久利 忍(カラクリ シノブ)

【性別】女

【キーワード】
 変身願望…自分とは別の存在になりたいと願う。
 裁縫好き…腹話術の人形を手作りするほど。
 黒装束の美人…黒い布を纏い顔を隠しているが、実際は美女。


(黒装束なのを除けば)まともな人かな…?

次は彫刻家を決めますね。
同様に下5まで

袰岩 大吾(ほろいわ だいご)男
博識

渋 玄主
(しぶ くろうず)男
独創性ゼロ(注文通りに作る天才)

卯月 昴流(ウヅキ スバル) 男
世捨て人

絶望感染者ってネタバレになんないか

人生や才能に絶望している、みたいな扱いでいいのでは


【才能】超高校級の彫刻家

【名前】袰岩 大吾(ホロイワ ダイゴ)

【性別】男

【キーワード】
 博識…多くの知識を持っている物知り。
 絶望感染者…何かに絶望している。
 国お抱え…国家から予算を提供される専属の彫刻家。


国のお抱えが絶望感染者……闇が深そうですね。

では、最後はニンベン師を決めます。
性別は女子固定です。
安価下5まで

双 水影(そう すいえい<シュアン シュイイン)女
権謀術数

【才能】超高校級のニンベン師

【名前】志賀島 照子(シカノシマ ショウコ)

【性別】女

【キーワード】
 小市民的…中流意識から抜け出せない思考。
 火傷の跡…全身に酷い火傷の跡がある。
 権謀術数…人を欺き、自分の立場を上げる。


過去に何かありそうな人ですね!

これで16人を作り終えました!
ありがとうございます!

では、次にコロシアイを行う舞台を決めたいと思います。
安価下5までの中で最もコンマの高い物を採用します。

山間の廃病院


舞台は山間の廃病院に決定です!

では、今夜は遅いので、明日(もう今日だけど)にプロローグから始めていきたいと思います。

何時頃から始めるのが良いか教えて貰えるとありがたいです!

他にも質問とかその他諸々を書いてくれると、モチベが上がります。

では、お休みなさい!

今のところスプリンターと保育士が好み

>>152 気に入っていただけてうれしです!


では、ちょっと早めに時間がとれたので少しずつプロローグを始めたいと思うのですが、誰かいますかね?

いますよー


では、始めていきます!


*「天国に行きたいのかい?」


──────────────ああ。



*「何故、行きたいんだい?」


──────────────希望が欲しいから。



*「天国に希望があると、本気で思っているのかい?」


──────────────絶望したまま生きるよりはマシだ。



*「なるほど」


*「分かったよ」



*「じゃあキミを────────殺してあげよう」




ダンガンロンパ・ヘブン~絶望の扉と希望の国~




空気がうめぇ。


アメリカのスラム街で育った俺にとっては、久しぶりの東京の町並みは信じられないぐらい穏やかだった。

ここには血も、暴力も、汚ぇ金も、クスリも、硝煙の香りも無い。

まったくもって呑気な世界だ。


柳「ここが、希望ヶ峰学園か……」


──────私立希望ヶ峰学園。

俺の眼前に建つ巨大な学園はそう呼ばれていた。

完全スカウト制で、選ばれし才能人しか入学を許されない、超特権的な学校。

卒業すれば人生において成功したも同然、とまで言われてるらしい。

柳「こんな大層な所に、俺なんかが来てもいいものか」

そう、俺──柳 鈴鉄(ヤナギ レイテツ)は【超高校級のギャング】として、この学園にスカウトされたのだ。

しかも、学園は俺を入学させるために、わざわざ一度日本の高校に編入させるなんて事までしている。

柳「そこまでして才能ってのが欲しいって事か?」

なんだかキナくせぇ学校に来ちまった気がする。


柳「まあ、んな事考えてても仕方ねぇか……アイツらとの約束もあるしな」

故郷で待つアイツらにもっと良い暮らしをさせてやるためには、俺が頑張るしかねぇ。

その為に俺はここに来るって決めたんだ。

なら、その決意を曲げることだけはしちゃならねぇよな。

俺は覚悟を決め、学園へと続く扉を開ける。


希望へ繋がる扉。

約束を果たすための扉。



─────そうなるはずだった。


柳「なっ……何だ……コレ……ッ!?」

扉をくぐろうとした俺の視界は、無数の影で塞がれるように暗くなっていく。

そして、足下が揺らぐ感覚を残して、意識が遠のき始め……








嗚呼、そうか。

呑気だったのは町並みなんかじゃあなくって。







──────俺の方だったのか。







【プロローグ】

 ハジマリの絶望病棟



《101病室》

目が覚めると、見知らぬ天井だった。

柳「ん…? ここは…何処だ?」

どうやらいつの間にかベッドの上で眠っていたようだ。

薄い布団の敷かれた簡素なベッド。

部屋を六つに仕切るようにかけられた緑色のカーテン。

そして、うっすらと漂う薬品特有の鼻にツンとくる臭い。

なるほど……ここは病院って訳か。

柳「だが、それにしちゃあ妙だな…」

天井に設置されたカメラを見上げる。

こいつは防犯用ってよりかは、誰かを監視するための奴に見える。


しかも、それだけじゃねぇ。

この病室の周りに人の気配が無いようだ。

いくら病院と言えども、もうちっとは人の話し声や足音なんかが聞こえても良さそうなもんなのにな。

窓から外を覗くと、深い森林が広がっているようで遠くまでは見通せない。

ただ、先程までいたはずの希望ヶ峰学園ではないみたいだ。

柳「ちっ、面倒なことに巻き込まれてなきゃいいんだが…」

幸い外傷は無いようだし、歩き回って人を探してみるか。

ここが何処なのか。

希望ヶ峰学園は、俺の入学はどうなってんのか。

聞きたいことは山ほどある。


柳「よし、行くぞ」

俺はベッドから降りると、部屋から廊下に出た。


《ロビー》


病院のロビーのような所に行くと、数人の人だかりが行く当てが無いようにウロウロしていた。

なんだ、いるんじゃねぇか。

ようやく他の人間と会えて、少しばかり安心し胸をなで下ろす。

とりあえず、コイツらに話しかけて事情を聞こうか。


誰から話しかけるみるかな。



1 顔全体が黒い髪とひげで覆われた、ベージュのサファリジャケットを着た怪しい男。

2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

4 焦げ茶色のフード付きのパーカーをワイシャツの上から着込んだ、頭にアンテナをもつ男。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

7 ゆるふわカールのショートヘア、ぼーっとした表情で何処かを見つめる女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

9 学ランをキッチリ着ていて、頭の上に大きなコック帽を被った平凡そうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

14 紫色のブレザーを着て、スカートの代わりに長ズボンをはいた目つきの鋭い長髪の女。

15 モダンな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1

1



うおっ!?

何だコイツは……顔が毛むくじゃらで見えやしねぇじゃないか。

久道「こほん、そこのキミィ! 僕の顔をジロジロと見て、何か用があるのかな?」

柳「あ、いや。ちょっと聞きたいことがあってな」

久道「そうか!そうか! 何でも聞きたまえ!」

久道「なんと言ったって僕は【超高校級のトレジャーハンター】だからね! 謎を追究するのが好きだからね!」

久道「ヌワッハッハッハッハッ!!」


【超高校級のトレジャーハンター】久道 朝夜(クドウ トモヤ)


そう言えば、聞いたことがある。

世界を駆け巡る凄腕のトレジャーハンター。

その技術と容姿から「神眼の剛毛」という二つ名をつけられた日本人がいると。

……まさか、高校生だったとは。

久道「それで聞きたいこととはなんだい?」

柳「いや、ここが何処か聞きたかったんだが…」

久道「ふむ…申し訳ない! それは僕にも分からないのだ!」

柳「……だよな」

やっぱりそうか。

コイツも希望ヶ峰学園の生徒っつーことは、俺と同じ状況にある可能性が高かったしな。

もしかしたら、ここにいる他の奴もそうかもしれねぇな……


それにしても………

久道「いやはや、困った困った!」

久道「ヌワッハッハッハッハッ!!」

まったく困ったように見えない笑い方だ。

いや、顔が見えねぇから笑ってるのかどうか微妙だけどよ。


2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

4 焦げ茶色のフード付きのパーカーをワイシャツの上から着込んだ、頭にアンテナをもつ男。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

7 ゆるふわカールのショートヘア、ぼーっとした表情で何処かを見つめる女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

9 学ランをキッチリ着ていて、頭の上に大きなコック帽を被った平凡そうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

14 紫色のブレザーを着て、スカートの代わりに長ズボンをはいた目つきの鋭い長髪の女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1


臼井「ねえねえ」

柳「っ!? テメェいつの間にっ!?」

不意に後からかけられた声に驚き、振り返る。

臼井「ねえねえねえねえねえ、君の名前を聞いても良いかな?」

柳「俺の背後に立つとは良い度胸してんじゃねぇか、あ゛?」

臼井「その恐そうな態度に言葉…もしかして、いやもしかしなくても超高校級のギャング、柳鈴鉄クンだね?」

ぐいぐい、と俺の言葉を無視するように話しかけてくる男。

何だコイツは……馴れ馴れしい奴め。

臼井「ボクは臼井拳。去年の例のテロから生き延びた……まあ、ちょっと運が良いだけの男だよ」


【超高校級の生還者】臼井 拳(ウスイ ケン)


去年の例のテロ────アメリカワシントン州で同時多発的に起きた事件のことだ。

確か死者数が1万人にも上るとまで言われていたはずた。

そこから生きて帰ってきた人間って事か。

柳「テロ事件に巻き込まれてる時点で運は悪いだろ」

臼井「いやいや」

臼井「いやいやいやいやいや、そうでもないんだなぁこれが」

まあ、それで希望ヶ峰学園にスカウトされたって言うなら、ある意味幸運なのかもしれねぇけどよ。

臼井「じゃあ、そう言うわけで、ヨロシクね鈴鉄クン!」

柳「やめろ…俺をファーストネームで呼んで良いのはチームの連中だけだ」

臼井は俺の話も聞かずに、そそくさと何処かに行ってしまった。

ったく、気にくわねぇ奴だ。


2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

7 ゆるふわカールのショートヘア、ぼーっとした表情で何処かを見つめる女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

9 学ランをキッチリ着ていて、頭の上に大きなコック帽を被った平凡そうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

14 紫色のブレザーを着て、スカートの代わりに長ズボンをはいた目つきの鋭い長髪の女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1

14


長い髪をなびかせる女。

俺は、そいつを何処かで見たことがあるような気がして声をかけた。

柳「なあ、アンタちょっといいか?」

志賀島「よくないわ」

柳「は?」

志賀島「全然よくない。これっぽっちもよくない。一ミリたりともよくないのよ!」

志賀島「貴方、ギャングなんですってね。そんな犯罪者とは一緒にいたくないの」

志賀島「私の、志賀島照子のエリート人生に貴方みたいな人と関わる予定は無いの! ごめんなさいね、ふんっ」


【超高校級のニンベン師】志賀島 照子(シカノシマ ショウコ)


そうか、思い出した!

こいつ数年前から裏社会で有名な女だ。

偽造パスポートや偽札を製造しては多額の金で売りさばいていた、いわるゆニンベン師って奴だ。

柳「なんだ、アンタも立派な犯罪者じゃねぇかよ」

志賀島「や、やっぱり知られて…………ッ!!」

顔がさっと青ざめた志賀島は俺に近寄り、耳打ちする。

志賀島「誰かに喋ったら殺してやるんだからっ」

柳「そこまで隠したいなら、なんでそんな仕事してんだ?」

志賀島「決まってるでしょ!」


志賀島「お金を貯めてエリート街道まっしぐらに進む為よ!」


……下らねぇことに拘る奴だ。


2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

7 ゆるふわカールのショートヘア、ぼーっとした表情で何処かを見つめる女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

9 学ランをキッチリ着ていて、頭の上に大きなコック帽を被った平凡そうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1


虚ろな瞳のまま、動かない女がいる。

柳「なあ、アンタちょっといいか?」

理性院「……………………………………………」

理性院「……………………………………………」

理性院「………………………………………はい、なんでしょー?」

柳「反応遅ぇっ!」

あまりの間の開き方に思わずツッコんでしまった。

理性院「ええとー……宛名書きをしてますー、わたしは理性院……なんでしたっけ?」


【超高校級の宛名書き】理性院 栞那(リシュウイン カンナ)



柳「いや、俺は知らないけどよ……」

理性院「はてー? ……わたしのしたの名前はなんでしたっけ-?」

自分の名前を忘れてる…?

それってなんかヤバい病気なんじゃねぇのか?

理性院「うーんとー…………………ああ、そうそうー」

理性院「今日のあさごはんは卵焼きとー……」

柳「それは関係ねぇだろ」

理性院「ですがー……あさごはんのメニューから考察するにー」

理性院「わたしの名前はー……栞那という名だとー……」

柳「何で分かった!?」

ダメだ。

この女……理性院の話に付き合っているとこっちまでおかしくなりそうだ。

理性院「とにもかくにもー……よろしくおねがいしますー……ふわぁー……」



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

9 学ランをキッチリ着ていて、頭の上に大きなコック帽を被った平凡そうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1


ずり落ちそうになるコック帽を一々なおしながら、俺に声をかけてくる男がいた。

葵「僕は葵奏多ッス。日本が世界に誇れるパンを作るのが夢の16歳ッス」

葵「ウッス、よろしくッス」


【超高校級のパン屋】葵 奏多(アオイ カナタ)


世界に誇れるパンか……そんなもんあるのか?

柳「パンなんて、だいたいどれも同じだろ」

葵「な、何言ってるッスか!? 全然違うッスよ!」

俺の発言が気に障ったのか、慌てたように葵は語気を荒くする。

葵「良いッスか? フランスにはフランスパンが、ドイツにはドイツパンが、イギリスにはイギリスパンがあるッス」

葵「でも日本にはそれが無いッス! だから僕はそれを作るんスよ!」

葵「日本人の日本人による日本人のためのパン!」


葵「────────〝ニッポンパン〟を!」


柳「もうちょっと語呂が良いのがあるだろ…」

焼きたて的な何かがさ。

葵「柳っちも僕のパンを食べれば、きっと分かるッスよ」

柳「や、柳っちって……まあ、いい。今度食ってやるよ」

そう答えると葵はにかっと笑った。

まったく、単純な奴だ。



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

5 セーラー服を着ている、長いポニーテールを揺らす愛想の良さそうな女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1

少し中断します。ごめんなさい!

8時過ぎぐらいに再開するつもりです。


ごめんなさい遅くなりました!
今から再開します。


背筋をぴんと伸ばし、45度の角度でおじぎをする。

後頭部から垂れるポニーテールがくるり、と揺れた。

天羽「わたしは天羽芹亜と申します」

天羽「よろしくお願い致します、柳さま」


【超高校級のボランティア】天羽 芹亜(アモウ セリア)


柳「お、おう……そんな頭下げなくてもいいんだが」

天羽「いえ、わたしは超高校級の才能を持つ皆さんが快適に過ごせるように無償で支援するためだけに存在していますので」

天羽「どうぞ、なんなりとお申し付けください」

ここまでかしこまられると、何だかやりにくいな。

貼り付けたような笑顔を浮かべる天羽は、何かに気がついたのか俺に駆け寄る。

天羽「あ、柳さま…! 足下に汚れがついてます。わたしが拭き取りますので……って、あっ……っ!?」

急に駆け寄ってきたせいか、天羽は床のちょっとした凹凸につまずく。

──────ガシッ

柳「おっと、危ねぇな。気をつけろ」

天羽「は、はい……ありがとうございます」

俺は咄嗟に倒れてきた天羽の身体を抱き留める。


天羽「か、格好いい………///」ボソッ


何か天羽が呟いたようだが…まあ気のせいかな。



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

15 モダンでオシャレな作業着を着ていて、雰囲気が暗く負のオーラを纏っているような男。

安価下1

15


さっきから部屋の隅で、ぶつぶつと独り言を呟いてる奴がいるな。

袰岩「…がり、がり、がり、がり、がり……」

柳「お、おいテメェ……何してんだよ?」

袰岩「ん? ああ、オレに話しかけてるのか」

袰岩「オレは袰岩大吾、今、心の希望を削り取ってる所なんだ」

袰岩「希望を削り取って絶望にする……それがオレの才能だからな」


【超高校級の彫刻家】袰岩 大吾(ホロイワ ダイゴ)


心の希望を削り取る?

一体コイツは何を言ってやがるんだ?

袰岩「あ、今『コイツ何を言ってやがるんだ?』って思っただろ?」

柳「なっ!?」

袰岩「ほらな。その顔は図星って顔だ」

柳「テメェ…なんでそんな事…」

袰岩「何でって言われても……オレは何でも知ってるからな」

袰岩「いや、何でもじゃないな」


袰岩「オレが知ってるのは〝この世界〟の事だけだ」


……?

よく分からない謎の言葉を残した袰岩は、そのまま再び独り言を言う作業に戻ったようだ。

袰岩「…がり、がり、がり、がり、がり、がり、がり……」



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

3 水晶玉を手に持ち、白い布の様なものを纏った、彫りの深い顔立ちの色白な女。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1


ここに来たときから気になっていたんだが……

白い布で身体を纏うだけのような服装。

まるで歴史の教科書から出てきたかのような古めかしい格好のアイツは一体?

メトラ「見える…見えるゾヨ…」

メトラ「そこのあなた! あなたにはきっと恐ろしい事が起こるゾ!」

柳「はぁ? 何をいきなり言ってんだ」

メトラ「我の水晶が、それがセカイの真理だと告げているゾヨ」


【超高校級の哲学者】メトラ・トルオーネ


水晶玉を高く上げると、カタコトの言葉と謎の語尾で叫ぶ女。

はっきり言ってついて行けねぇな。

柳「なあ、アンタ。占い師だかエセ予言者だか知らねぇけど、あんまりふざけてると俺も怒るぞ」

メトラ「占い師? 予言者? ノーノー違うゾヨ!」

メトラ「我の本職は哲学者ゾ。キチンと大学で教鞭を執ってもいるゾヨ!」

柳「噓だろ…?」

メトラ「噓じゃ無いゾヨ。我は噓つかないゾ!」

柳「お願いだ。噓だと言ってくれ」

こんな奴が教育する側に属してるなんて。

いつから日本っつー国は、こんなにもおかしくなっちまったんだ。

まったく、将来が不安になるな…………



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

10 変な柄のTシャツの上からでも分かるムキムキの肉体を持つ、大柄な女?

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1


四郎丸「………」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

こいつは凄い威圧感だ。

かなりの数の修羅場を経験してきた俺には、こいつがただ者じゃねぇ事が伝わってくる。

おそらく何かの武道の達人……百戦錬磨の野獣とでも言うべき存在か…

ただ一点、こいつがスカートをはいてる事が気がかりだ。

昔、霊長類最強を噂される女子高生がいると聞いたのを思い出す。

まさかこいつが……!

柳「おいテメェ…いったい何者だ?」

はやる鼓動をおさえ、問いただす。

四郎丸「アタシ……? アタシは四郎丸陽奈」




四郎丸「ただのコンビニのバイト店員だよっ!!!!!!!」



【超高校級のアルバイター】四郎丸 陽奈(シロウマル ヒナ)


コンビニのバイト店員?

ん? おかしいな…そんな名前の格闘技あっただろうか?

四郎丸「あ、ピザ屋とか新聞配達とかファミレスとか他にも色んなバイトをやってるよっ!」

声が少し大きい以外はごく普通の女子高生のようなしゃべり方をする四郞丸。

むしろ案外可愛らしい声だ。

柳「まさか、本当にただのアルバイターなのか?」

四郞丸「だから、そういってるじゃん! しっかりしてよ柳くん!」

ごつい肉体に似合わぬ満面の笑みを浮かべる四郞丸。

……世の中には不思議な人間がいるもんだ。



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

11 桃色の髪をツインテールにしている、小柄な身体と大きな胸部を持つ可愛らしい女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1


──────ポヨン♪


向こうから勢いよく突っ込んできた小さな影が俺の胸にぶつかたったようだが……

その衝撃は思ったよりも柔らかいものだった。

把着「あいてて~ぶつかっちゃったぁ」

柳「おい、アンタ大丈夫か?」

把着「ほへ? 大丈夫大丈夫~歩夢ってこう見えても丈夫だから」

いや、丈夫というよりクッション性が高かっただけのような……まあいいか。

把着「改めまして、ごあいさつ~」

把着「歩夢は把着歩夢♪ 超高校級の靴職人で~す」


【超高校級の靴職人】把着 歩夢(ハキ アユム)


把着は子どものように背が低く、ツインテールにした髪型が似合っている。

なお胸だけは確実に大人びている。

だか、俺にはそれ以上に気になることがあった。

把着「柳ちゃんだっけ? なかなかイケメンだね~」

柳「俺を褒めても無駄だぞ」

把着「え~、どうして~? イケメンくんなら歩夢の作ったブーツが映えると思ったのに」

柳「ブーツなんかはかねぇよ。俺にはこの革靴一足あれば十分だ」

把着「施しは受けないってコト? 硬派だねぇ~」

可愛げな仕草をとる把着は、どこか言いしれぬ怪しい雰囲気が漂っている気がした。



2 金髪をなびかせる、赤いスーツとハットを身につけたの西洋風の男。

6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1


~♪

どこかから口笛の音が聞こえてくる。

気になって辺りを見回すと、奥の方から一人の男が歩いてきた。

タイラー「見てたぜ、Mr.柳。なかなかエンジェル達をたらし込むのが上手いね」

柳「たらし込む? 何言ってるんだ」

タイラー「いやいや、Ms.天羽やMs.把着と睦まじそうにしてたじゃないか」

柳「はぁ? アレはそんなんじゃねぇだろ」

タイラー「あー……成る程、君はそういうタイプの男か。コレは厄介だね」

柳「というか、いい加減お前が誰か教えて欲しいんだが」

タイラー「え? うーん、どうしよっかね」

くそっ、なんだかコイツは。

飄々としてるというか、掴み所がないというか。

話してるとイライラするタイプの奴だな。

タイラー「ま、いいや教えてあげるぜ」

タイラー「ほら、あそこを見てごらん」

そう言って天井の方を指さす男。

それにつられて一瞬だけ、そっちに目が行ってしまう。

だが、それがコイツの罠だった。


柳「なっ…!?」


視線を戻すと既に男の姿は無かった。

いつの間にか部屋の奥へと戻ってしまったようだ。

男がいた場所に落ちている髪を拾い上げる。


【超高校級の怪盗】タイラー・スミス・ヤシマ


ちっ、神出鬼没って訳か…いけ好かない野郎だ。



6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

8 太りに太った体型の上から無理矢理エプロンを着けている穏やかそうな男。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1


ぬっ、と巨漢が俺の前に立ちはだかる。

絹月「私は保育士、絹月大治郎です」

絹月「以後お見知りおきを」


【超高校級の保育士】絹月 大治郎(キヌヅキ ダイジロウ)


腹が出ているのに、無理にエプロンを締めているので、肉がむちむちだ。

まるでハムだな。

絹月「あなたの名前を聞いても良いですか?」

柳「ああ、俺は柳だ。柳鈴鉄」

柳「超高校級のギャングってことで希望ヶ峰学園にきたんだが…」

絹月「ギ、ギャングですかっ!?!」

エプロン姿のハム…もとい絹月は声を荒げる。

絹月「そ、それはつまり暴力的な行動を繰り返す不良集団ということですかっ!?」

柳「…………何が言いてぇ?」


絹月「うぅ……おーんおんおんおんおん」ダバ-


突然、絹月は滝のように涙を流して嗚咽する。

絹月「あぁ、なんて悲しいのでしょうか」

絹月「ここに悪事に手を染めてしまった仔羊がいるとは!」

絹月「悲しくて悲しくて仕方が無いっ! うおーんおんおん」ダバ-

顔中を涙だか鼻水だか分からねぇ液体でいっぱいにした絹月は、俺の手を強引に取る。

絹月「安心して下さい。私が柳さんを必ず救って見せましょう」



………………は?

黙って聞いてりゃあ勝手なことばかり言いやがって。

俺は堪忍袋の緒が切れそうになる。

柳「あいにく、俺はテメェに救われるような〝仔羊〟じゃねぇよ」

絹月の手を振りほどき、その場を離れる。

絹月大治郎……ダメだ、コイツは俺の最も嫌いな人種かもしれない。



6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

13 両手に人形を持ち、全身を黒装束で覆った目と口以外は見えない女。

安価下1

13


マーク『おやおや、このお兄さん、イライラしてるみたいだよ?』

エリザ『まあ、大変! じゃあ私達でハッピーな気持ちにしてあげましょうよ、ね? 忍お姉さん』

二体の人形は、それぞれ男の子と女の子をかたどっているようだ。

それを操っているのは、全身黒ずくめの女(?)だった。

空久利「うんうん、マークとエリザと私の三人が協力すれば、誰だってハッピーにできますね!」


【超高校級の腹話術師】空久利 忍(カラクリ シノブ)


これは腹話術ってやつか。

口を閉じたまま喋ることで、あたかも人形が喋ってるかのように見せかける曲芸。

生で見るのは初めてだ。

マーク『ねえねえ、お兄さんボクらの特技を知ってるかい?』

柳「は? 知らねぇけど……」

って、何人形にマジに答えてるんだ俺は。

エリザ『それは、人のイライラとかモヤモヤとかの感情を食べて、皆をハッピーにすることよ』

エリザ『ほら、こんな風にね!』

──────パクッ

二体の人形は俺の頬を優しくくわえる。

人形ごしにそれを操っている女の手の体温が伝わる。

それは、まるで俺を包み込むように……

マーク『どう? 少しはハッピーになれたかな?』

柳「ふっ……くだらねぇな」


空久利「でも、ようやく笑ってくれましたね」ニコッ


…………………

まったく、これが超高校級の力とでも言うのか。

曲芸も捨てたもんじゃねぇって事だけは分かったけどよ。



6 ボサボサの髪に黒縁眼鏡、全身を鎧で固めた根暗そうな女。

12 短パンを履き袖を肩までまくっている、人相の悪いテンションが高そうな褐色の肌の男。

安価下1


甲冑とでも言うのだろうか。

今時、こんな鎧を身につける奴なんて…そうそういないだろうな。

暁美「あー、暑い。ダルい。着てくるんじゃなかったわ」

柳「なら脱げば良いだろ」

暁美「脱げ!? この変態めっ!! セクハラで訴えるぞ!!」

柳「誰もセクハラなんてしてねぇ!」

この鎧女…いきなり言いがかりをつけてきやがった。

柳「……テメェはいったい何者だ?」

暁美「ふふん、聞いて驚きな、ウチは【超高校級の騎士】暁美駈真さ」


【超高校級の騎士】暁美 駈真(アケミ カルマ)


騎士。

騎士?

このご時世に騎士なんて職業がまだ生きてたのか。

柳「騎士なんだったら、もっとどっしり構えてろよ」

柳「そんなんじゃあ主人に捨てられるぞ」

暁美「ウチに主人なんていねーよ」

…は? じゃあコイツは何を守る騎士なんだ?

暁美「ウチが守るのはただ一つ、ウチの自宅だけさ」

暁美「ウチだけのテリトリー。汚されない聖域。それを守るために騎士になったのさ」

暁美「言わば、世界最強の自宅警備員! お前たちみたいな下賤な人間とは違うんだよ」

柳「偉そうにいってるところ悪いが、それただのニートなんじゃねぇか」

暁美「ちげーわ! バーカバーカ!」


……………………部屋にこもるために騎士になるとは……

これが才能の無駄使いって奴か。


「ぅぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!」


激しい咆哮がこちらに近づいてくる。

そして、急ブレーキをかけたように、俺の前でピタリと止まる。


魁「うぉおおおおいっ!!!!」

魁「オレ様のおおおおおお!!!!!!」

魁「名前はあああああああああああ!!!!!!」

魁「魁えええええ!!!!! 一歩おおおおおおお!!!!!」


そこで息が切れたのか、はあはあ、肩を上下させる。

魁「……ふぅ。 よろしくな!」


【超高校級のスプリンター】魁 一歩(ハジメ イッポ)


大声を出しながら猛スピードで走ってきた男は、見た感じギャングの世界にいてもおかしくなさそうな顔立ちだった。

柳「よう、俺は柳鈴鉄だ。テメェずいぶん足が速いんだな」

魁「あたぼうよっ! オレ様はスプリンターだかんな!」

スプリンター……たしか、短距離走者のことだったな。

こいつの走力がありゃあ超高校級のランナーでもおかしくないのに短距離限定なのか。


魁「え? 俺が短距離限定な理由? そんなん決まってるわな!」

魁「だって俺は────────────」


ボフンッ


突然仇から煙を吐き出し、動きを止める魁。

柳「だ、大丈夫か?」

魁「俺は、わっ、わっ、わっ、わっ」



魁「わああああああああああダメだあああああああ!!!!」

魁「走り足りねぇええええええぇぇぇぇぇっ!!!!!」


い、行っちまった。

どうやら魁は走ってないと落ち着かない性格らしいな。


自己紹介が終わった所で今回は終わりです。
また明日やる予定なのでよろしくお願いします!

キャラについての意見なんかがあるとうれしいです!

その他質問等も是非!

では、お休みなさい。

乙です
なぜ暁美さんは超高校級の自宅警備員ではないのか

鈴鉄が粗暴な荒くれ者なイメージだったが心まである程度イケメンなタイプだった。超高校級のギャングとしての片鱗がどう出て来るのか、犯罪者主人公として楽しみに思う。
個人的に臼井くんが胡散臭くて良いキャラしてると思う。


>>214 騎士を自称しているから、と言うのが一番大きな理由ですね。

>>215 柳くんのギャングらしい活躍にご期待下さい! 臼井くんは言わば幸運枠のような、でもただの「幸運」じゃないような感じのキャラです。
 

少しだけ時間がとれたので更新をしたいと思いますが、誰かいますかね?

ありがとうございます。

では、始めていきます!


ふう、とため息をつく。

これで、ここにいる全員と一通り話せたな。

会話の内容から、ある程度今の状況を整理できた。

希望ヶ峰学園の新入生である俺達16人は、学園に入ったところで意識を失い、気がついたらこの病院のような施設に居たらしい。

しかも、この施設の出入り口は封鎖されていて外に出るのは不可能のようだ。

これじゃあ…まるで監禁されているみたいじゃねぇか。

柳「……ったく、一体誰がこんな事を……」

そう俺が呟いた時だった。


『キーン…コーン…カーン…コーン』



病院内にチャイムのような音が響く。

把着「うわっ! ビックリした~」

葵「い、一体何スかこの音!?」

臼井「さてさて、何が始まるのかな?」


???『あー、あー、オマエラ聞こえてる-?』


壁につけられたモニターのスピーカーから声が聞こえる。

その声は、奇妙に明るく、人を不快にさせる声だった。


???『お待たせしました! いよいよ始まるよ!』


志賀島「始まるって……一体何を始める気なの!?」

タイラー「やれやれ、説明くらい欲しいもんだぜ」


???『うぷぷぷぷ…説明の前に、ご挨拶をしないとだよね!』



すると、ロビーにある受付窓口の机の上に〝そいつ〟は飛び出した。



モノクマ「ボクはモノクマ!」

モノクマ「希望ヶ峰学園の学園長兼、この病院の院長なのです!!」


柳「……………………………は?」

目が点になるとは、こういう事を言うのだろうか。

俺の目の前で、白と黒のツートンカラーをした熊のぬいぐるみが喋りだしやがった。

絹月「クマのぬいぐるみ…ですか?」

マーク『ぬいぐるみが喋るなんて、これはビックリ!!』

エリザ『本当にビックリだわ!』

天羽「それをあなた達が言ってはダメなような気がするのですが……」

モノクマ「こらこら! ボクをぬいぐるみと一緒にしないでよ!」

モノクマ「ボクはモノクマなんだから!!」

臼井「じゃあじゃあ」

臼井「じゃあじゃあじゃあじゃあ、モノクマ。質問があるんだけどさ」

臼井「ボクらをここに連れて来たのは君なのかな?」

モノクマ「うぷぷぷぷ…それはどうだろうね?」

モノクマ「でも、オマエラにここでやってもらう事があるのは事実だよ!」

柳「…やってもらう事だと?」


モノクマ「じゃあ、発表しまーす!!」

モノクマ「ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカ…ジャン!!」

わざわざ口でドラムロールをしたモノクマは、もったいぶるような口調でそれを告げる。










モノクマ「オマエラには、ここでコロシアイをしてもらいまーす!!」










瞬間。

それまで騒がしかったはずの空気が一瞬にして張り詰めた。


コロシアイ? 奴は今コロシアイと言ったのか?


暁美「こ、殺し合いって…ふざけんじゃないぞ!」

久道「ぬぅ…そんなの冗談に決まってるだろう? な?」

モノクマ「冗談なんかじゃないよ! ボクは本気だよ」

モノクマ「ルールは簡単! オマエラの中の誰かを殺した人だけが、ここから帰れるって訳ね!」

四郞丸「待って! …それじゃ、まさか誰かを殺さなきゃ、ズッとここに閉じ込められたままって事っ!?」

志賀島「帰れないって…意味分かんないわよっ!!」

モノクマ「意味分かんない? 意味なんて考えたって意味なんかないよ!」

モノクマ「無意味なことするなんて、オマエラの行動こそ意味分かんないよ!」

モノクマ「オマエラは言われたとおりに殺して殺してぶっ殺せばいいの! OK? おわかり?」


魁「ぁぁああああッ!! もうっ!! よく分かんないけどよ!」

魁「とりあえずこのクマ野郎をぶっ飛ばせば済む話だろ?」

──────ガシッ

モノクマ「うわっ!? 何するんだよ! 暴力反対ー!」

勢いよくモノクマに近づいた魁は、両手で思い切りつかみかかった。


魁「てーりゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

メキメキッ!!

そして、力を込めてモノクマを締め上げる。

モノクマ「あわ、あわわわ、壊れるぅ!!」ピコーンピコーン

魁「壊そうとしてんだから当たり前だわな!」

モノクマ「学園長兼院長への暴力は厳禁だぞ-!?」ピコンピコン

魁「うるさいな! さっきからピコピコ音ならしやがって!」

何だ……? モノクマって奴の様子が変だ……嫌な予感がする。

まさか────


袰岩「あれ爆弾だな」

柳「なっ…………ッ!?」


ぽつりと、呟く袰岩。

じゃあ、やっぱりアレは……それより、とにかく今は!!


柳「おいっ! 魁! そいつを投げろ!」

魁「は?」

柳「いいから早くッ!!!」

魁「あ、ああ…おらよぉぉぉっ!!」ブンッ


急かされた魁は慌ててモノクマを空中に放り投げる。

────その瞬間。






ドッバァンッッッッ!!!!!!!!






爆発。

眩しい光と火薬の臭いをまき散らし、俺達の目に焼き付いた。


魁「うおおおぉぉぉっ!?! 爆発したぁっ!?」

四郞丸「きゃあっっ!!」

タイラー「おいおい…マジかよ」

天羽「で、でもこれで、あのモノクマというクマさんは消えてしまったのでは……」


モノクマ「残念! ボクは死にましぇ~ん!!!」ピョ-ン


葵「も、もう一体出てきたッス」

モノクマ「うぷぷぷぷ…今のは警告だよ。次また規則違反をしたら本当に殺っちゃうからね?」

ぎらり、とモノクマの赤い目が光る。

モノクマ「まあでも、これでオマエラにもボクが本気ってことが分かったかな?」

俺達は誰一人として返事を返せない。

そりゃあ、そうだ。

目の前で実際に爆発が起きてやがるんだ……しかもあの火薬の量…人を確実に殺せるな。

そんな中じゃ、たいていの奴はビビっちまって声も出ねぇだろうよ。

モノクマ「あ、そうそう。オマエラのためにプレゼントを用意したんだ」

モノクマ「電子生徒手帳って言うんだけど、詳しいコロシアイのルールはここに書いてあるから!」

そう言うと、モノクマは電子端末をそれぞれの足下にばらまく。


すると、さっきまで黙っていた理性院が口を開く。

理性院「……モノクマさんー…あなたのー…目的は何でしょうー…?」

モノクマ「んー? ボクの目的? うぷぷぷぷ…それはね…」




モノクマ「〝絶望〟……ただそれだけだよ」




ぞわり。

背中を気持ち悪い汗が流れる。

モノクマ「うぷぷぷぷ、じゃあオマエラ、レッツエンジョイコロシアイ入院生活! ばいばーい」

そう言い残して、モノクマは何処かに去っていった。


俺達は無言のまま立ち尽くしていた。

あるのは互いに交わす疑惑に満ちた視線だけ。

─────この中の誰かに殺されるかもしれない。

此処に居る全員が、そう考えているに違いねぇ。


俺は感覚を研ぎ澄ませる。

そうだ。臆することはねぇ……いつもと変わらねぇじゃねぇか。

誰かを殺した奴だけが生き残れる。

─────────なら、話は簡単だ。











殺るしかない。








俺は静かにそう決意するのだった。





【プロローグ】

 ハジマリの絶望病棟

    END




生き残り…16人

【超高校級のギャング】柳 鈴鉄
【超高校級のトレジャーハンター】久道 朝夜
【超高校級の怪盗】タイラー・スミス・ヤシマ
【超高校級の生還者】臼井 拳
【超高校級の保育士】絹月 大治郎
【超高校級のパン屋】葵 奏多
【超高校級のスプリンター】魁 一歩
【超高校級の彫刻家】袰岩 大吾
【超高校級の哲学者】メトラ・トルオーネ
【超高校級のボランティア】天羽 芹亜
【超高校級の騎士】暁美 駈真
【超高校級の宛名書き】理性院 栞那
【超高校級のアルバイター】四郞丸 陽奈
【超高校級の靴職人】把着 歩夢
【超高校級の腹話術師】空久利 忍
【超高校級のニンベン師】志賀島 照子


To be continued…


以上でプロローグが終了です!

ごめんなさい!折角来てもらったのに、安価があるとこまで行ってないのですが、一旦中断です。

また8時過ぎごろ再開します!


ごめんなさい!

遅くなってしまいましたが、再開します!


『誰かを殺した奴だけが生き残れる』

モノクマの提示したルールは、俺達の心を支配していた。

睨み合う猜疑心。

重たくのしかかる沈黙。

その中で俺は、一つの決意を固める。



─────生き残るのは俺だ、と。






【チャプター01】

 罪に嘆く一発の弾丸

 



沈黙を破ったのは、あの男だった。


臼井「まあまあ」

臼井「まあまあまあまあ、一旦落ち着こうよ、みんな」


絹月「そ、そうですね。今は冷静に考えることが大事なはずです」

久道「うむ! モノクマが言っていた事がが本当かもまだ分からぬのだしな!」

把着「だ、だよね~、探せば出口とか見つかるかもしれないし~」

マーク『殺し合いなんて、現実的じゃないもんね!』

エリザ『まったくよ! 真に受けたらダメよね!』

四郞丸「じゃあ、皆でこの建物の調査をするってのはどうかなっ?」

天羽「あの、差し出がましいのですが…先にモノクマさんの言っていたルールを確認した方が良いのでは…」

メトラ「確かに、それは…一理あるゾヨ! 水晶もそうした方が良いと告げているゾヨ!」

魁「下手すりゃ、また、あんな爆発に巻き込まれるかもしれないもんなっ!!」

志賀島「じゃあ、さっさと確認するわよ!」


……それぞれが足下に置かれた電子生徒手帳を手に取る。

俺も、とりあえずそれに従い拾い上げた。


起動をボタンを押すと、ピコーンという音と共に画面に俺の名前が表示される。

そして、その画面の中に『院内規則』と言うのを見つけた。


『院内規則』


『1、生徒達はこの病院内だけで共同生活を送りましょう。共同生活の期限はありません。』

『2、夜10時から朝7時までを夜時間とします。夜時間は立ち入りを禁止される所があります。』

『3、就寝は寄宿舎エリアに設けられたら個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。』

『4、この病院について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。』

『5、学園長兼院長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラを許可なく破壊することを禁じます。』

『6、仲間の誰かを殺したクロは卒業となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。』

『7、なお校則は順次増えていく場合があります。』



なるほど、これがルールって奴か。

俺は、素早く目を走らせる。

『自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません』と言う一文に目が止まる。

……そう言うことか。

つまりコレは、誰にもバレねぇように殺さなきゃならねぇのか。

まったく面倒くさいルールだ。


絹月「皆さん、ルールは確認できましたね?」

絹月「では、建物の調査をしましょうか」

臼井「うーん…皆で行動するよりも何人かのグループに分かれた方が良いんじゃない? 効率的にね」

それはいい考えだ。

数人なら……何とかなるだろう。

俺は臼井の出した提案に乗っかる。

柳「俺も賛成だな。三、四人ぐらいに別れるべきだろ」

暁美「うえ…○人組に別れてーとか、ウチの嫌いなパターン」

葵「じゃあ、早速グループを決めるッス!」


さてと、俺はどいつを選ぼうか。

安価下1、2、3のメンバーとグループをつくる。
被ったら安価下

羽毛は天羽のことですかね?


誰を選ぼうかと迷っていると、俺に近づいてくる男がいた。

タイラー「やあ、Mr.柳、オレと一緒にまわらないかい?」

こいつは確か超高校級の怪盗とか言う曲者だったな。

まあ、いいか…いざとなったらコイツも……

柳「ああ、分かった」

タイラー「本当はエンジェル達と行きたいんだけど、先こされちゃったみたいでさ」

少し待っていると、更に二人が集まってきた。

袰岩「…………」

天羽「あの、もしよろしければ…わたしもご一緒してもよろしいでしょうか?」

ちょうどいい……こいつらに決まりでいいだろう。

タイラー「Ms.天羽みたいな可愛い娘なら歓迎さ。なあMr.柳」

柳「ああ、いいぞ…じゃあ、早速だが行くか」

天羽「はいっ、よろしくお願いいたします、柳さま」


しばらくは普通に調査をするか。

ええと、何処に行くか……


1 玄関ホール

2 食堂

3 診察室

4 寄宿舎

5 多目的ホール

6 倉庫

7 売店

8 病室

安価下1


《寄宿舎》

病院の廊下を奥に進むと、同じような扉がいくつも並ぶエリアを見つけた。

タイラー「ここが、電子生徒手帳にも書いてあった寄宿舎ってやつかねぇ」

柳「だろうな」

『3、就寝は寄宿舎エリアに設けられたら個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。』

院内規則の一つを思い出す。

天羽「見て下さい…扉一つ一つにネームプレートがついていますよ」

タイラー「Oh、わざわざご丁寧に、イラストまで描いてあるぜ」

なるほど、じゃあここが俺の部屋って訳か。

ガチャ

扉を開けて中に入る。

袰岩「……」

柳「何ついてきてんだ? テメェ」

俺の問いかけに無視して部屋の壁をすりすりと触り始める。

袰岩「……やはりこの部屋、防音になっているな」

柳「は…防音だと?」

袰岩「ああ、間違いない。絶望的なまでになっている」

妙に確信めいた顔で断言する袰岩。

その後、部屋がちょうど隣だった天羽と協力して実験をしたが、袰岩の言うとおり防音になっていた。


一人一人に防音の個室。

ここで人を殺しても、物音で怪しまれることはねぇって事か。


1 玄関ホール

2 食堂

3 診察室

5 多目的ホール

6 倉庫

7 売店

8 病室

安価下1


《食堂》

そこは、広々とした部屋だった。

並べられたいくつものテーブルには白いテーブルクロスがかけられている。

タイラー「~♪ こいつぁまるでレストランだぜ」

天羽「もしかして、食品もあるのでしょうか?」

柳「奥にキッチンがあるぞ。行ってみるか」

キッチンの扉を開くと、まず目についたのは山のように盛られた大量の食品だった。

天羽「す、すごいですね。野菜に果物に缶詰やお菓子なんかもあります」

タイラー「冷蔵庫の中に肉や魚も沢山あるぜ?」

柳「でも、この食材もいつまでも持つわけじゃねぇだろ」


モノクマ「うぷぷぷぷ…! そこはご安心下さい!」


天羽「きゃあっ!」

袰岩「……モノクマ」


モノクマ「食べ物は無くならないようにボクが毎晩補充するようにしてるんだよ!」

モノクマ「だから夜時間はキッチンに入っちゃダメだからね!」


規則にあった夜時間に立ち入りが禁止される所というのはここのことだったのか。

天羽「じゃあ、食べ物の心配はしなくて良いみたいですね」

タイラー「よかったぜ、数少ない食料をめぐっての争いなんて、ゴメンだからね」


確かにそうだが。

どの道、俺はこんな所に長居する気はねぇから、関係ないな。


1 玄関ホール

3 診察室

5 多目的ホール

6 倉庫

7 売店

8 病室

安価下1


《売店》

食堂の隣にある小さな部屋は、沢山の物であふれていた。

柳「ここは……売店みてぇだな」

戸棚に、ところ狭しと並べられているのは、様々な日用雑貨。

文房具やら化粧品やら玩具やら。

果ては何に使うのかも分からねぇ道具まで揃ってやがる。

タイラー「お、これ良いねぇ…しゃれた指輪じゃないか」

天羽「あ……これ可愛い」

袰岩「絶望的なまでにゴミばかりだ」

三人とも、それぞれ戸棚の商品を見て回っている。


さてと。


そろそろかな。


この中なら…そうだな……

やっぱり、女の方が狙いやすいな。

俺は商品を見るのに夢中になっている男二人に気付かれないように、天羽に声をかけた。

柳「なあ、天羽。ちょっといいか」

天羽「え? あ、はい、柳さま」

天羽を連れ、気付かれないように売店の外に出る。

そして、近くの病室に連れ込んだ。

幸い中には誰も居ない。


天羽「あ、あの柳さま? わたしに何か用でしょうか?」

天羽「おっしゃって下されば、何でも致しますよ?」

…黙ったまま連れて来られた事に不安を感じているのか。

…………悪いな。

俺は上着の内ポケットに入っている〝そいつ〟に手をかける。

そして〝そいつ〟を取り出しながら天羽に答えた。





柳「そうか。なら………………」
















柳「───────────死んでくれ」











鈍く光る拳銃を彼女の額に突きつけた。


天羽「………………ッ!?」


驚き震える天羽の隙を突き、腕をつかみ壁に押しつけるようにして動きを封じる。

柳「日本に住んでる奴は見た事ねぇか? コイツは本物の銃だ」

天羽「や、柳さま…ど、どうして…?」

柳「聞いてなかったのか? 誰かを殺さなきゃ外にでられねぇ」

柳「なら、殺るしかねぇだろ」

俺は感情を押し殺し、冷たく対応する。


柳「少しでも躊躇した人間から死んでいく」

柳「俺はそう言う世界で生きてきたんだ」


天羽「…こ、こんな所で発砲されたら、銃声が響いてしまいますよ……?」

柳「安心しろ。コイツは特別製でな…サイレンサーが内蔵されてるんだ」

天羽「……今わたしを殺したら、柳さまがやったとバレてしまうのでは……」

柳「そうなったら、他の奴も一人一人撃ち殺していくだけだ」

柳「ちょうどコイツの装填数も十五発だしな」

天羽「……………………………………………」

押し黙る天羽。

身体の震えを必死に抑えているのが伝わる。

そして、まぶたを閉じた天羽は再び問いかけてくる。



天羽「…それが……わたしを殺すことが、柳さまの願いなのですか?」



柳「……どういう意味だ?」

天羽「わたしは皆様のお役に立てるよう、精一杯奉仕して、その願いを叶えるために生きています」

天羽「……もし、それが柳さまの本当の願いなら……」



天羽「わたしは殺されても構いません」



再びまぶたを開いた天羽は、まっすぐな眼差しを俺に向ける。

何だ…? 何を言ってるんだこいつは…?

柳「ふ、ふん……冗談はいい加減に…」

天羽「冗談はありません!! 柳さまがお撃ちになりたいのなら…どうぞわたしをお撃ち下さい」

柳「…ぐッ!?」


やめろ……

やめろ………!!

その眼で俺を見るな!!!

まるであの女のような眼で………ッ!!!


なんなんだ…この女は……!!

ドクン、ドクン、ドクン。

急に鼓動が早くなり、汗が額を流れる。

何を怖じ気づくことごあるんだ!!

こんなただの女相手に!!

俺は超高校級のギャングだろ!!

アイツらとの約束のために、こんな所に居る暇はねぇはずだろ!!

知り合ったばかりの女なんかに、何を躊躇う必要があるんだ!!


俺は俺自身を奮い立たせる。

そして、拳銃の引き金に指をかけ。


指に少しずつ力を込める。

そして──────────

そして俺は──────────








その引き金を───────────────













引くor引かない

安価下1



柳「……………チッ、くそっ!!」


俺は────────引かなかった。


ここで、コイツを殺すことを躊躇ってしまった。

今まで色んな奴を平気で殺して来た俺が、何故か躊躇ってしまった。

もしかしたら、俺は───────


構えた拳銃をおろし、天羽を解放する。

天羽「えへへ…やっぱり柳さまは撃ちませんでしたね」

柳「あ? やっぱりってどういう意味だよ?」

天羽「わたし、信じていたんです…柳さまはギャングをなさってますが本当は心の優しい方だと」


天羽「だって、そうでないなら、転んだわたしを咄嗟に受け止めるはずないですもん」ニコッ


天羽「あ、でも、さっき申し上げたことは本当ですよっ? わたし死ぬ気で皆様のお役に立てるよう頑張らせていただきますので…」

微笑みを浮かべる天羽と対照的に、俺はため息を漏らす。

柳「はぁ……チッ、こんな気分じゃダメだ。誰かを殺してここから出る作戦は使えねぇな」

なら、さっさと建物の調査に戻らねぇとな。

ここから出るには必要なことだ。


俺は拳銃を胸ポケットにしまいながら、考える。




何故、俺が殺せないのか……


もしかしたら、俺は────────────



こいつらをチームの仲間と重ねちまってるのかもしれねぇ。

心の奥底で大切な物になっちまってるんだ。

会ったばかりのはずなのに。

理由は分からない。

ただ、俺が撃てなかったってことは、そう言うことなんだろう。

我ながら意味不明な理屈だけどよ。


だが、俺は俺自身の信条には噓をつきたくねぇ。

大切な物を傷つけない───その信条を守るためにギャングになったのだから。


《同時刻:病室の外》


扉の隙間から中を覗く人影。


???「…まはか、こうなるとはね」

???「………でも………」





















タイラー「こいつぁ、面白いモンを見ちゃったぜ」ニヤリ








と、今回はここまでです。

一章から、展開が大きく動きますね!

見てくれた方ありがとうございます!

もし感想とかあったらうれしいです。半狂乱で喜びます!


では、また明日、おやすみなさい。


さっそく、注目を集めるタイラーくん、流石ですね!

遅くなりました!

今から再開したいと思いますが、誰かいますかね?

ありがとうございます!

では、再開していきます。




その後、暫くしてから、俺達は何事も無かったかのように売店に戻った。

袰岩とタイラーは売店で物色を続けていたようで、そこにさり気なく混ざる。

そして、一通り売店を調べ終えるた時、一度情報を共有しようと言うことで、食堂に集まることになったのだった。


《食堂》


俺達が食堂に入るとほぼ全員が既に集まっていたが、そこに一人だけ姿の見えない奴が居た。

天羽「あの……暁美さまはどちらへ行かれたのでしょうか?」

臼井「いやいや」

臼井「いやいやいやいや、それがね」

臼井「暁美さんってば自分の個室を見つけた途端、そこに引き籠もっちゃってさ」

葵「僕らも連れて来ようとしたんスけど、『今からここがウチの城だ! 入ったら殺す!』とか言いだしたッス」

どうやら、あの自称騎士さんは自宅警備員としての本能が出たようだな。

天羽「えっ!? 大丈夫でしょうか…こういう時に一人になるのは危険では…」

タイラー「Ms.暁美は超高校級の騎士って言っても、レディだから心配だねぇ」

柳「本人が居るって言うなら、ほっとけば良いだろ」

柳「それより、さっさと調査の報告を済ませるぞ」


魁「じゃあ、俺らから行くぞおおおおおおお!!!」

把着「歩夢達が調べたのは、ロビーの先にあった玄関ホールだよ~」

四郞丸「玄関はでっかい鉄の扉でふさがれてたよっ!」

四郞丸「アタシと魁くんで開けようとしたけど、固くて全然ビクともしなかったね! あれじゃ外に出れないよ!」

理性院「………廊下や病室にある窓はー……窓ガラスになっていましたがー……固定されていて開きませんー……」

魁「だから、壊そうとしたんだけど…モノクマが出てきてよぉ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

モノクマ『うぷぷぷ!! 残念、その窓ガラスは壊れないよ!』

魁『うおおおぉっ!? モノクマぁ!?』

把着『え~、壊れないってどういうこと?』

モノクマ『それはね-、〝そういう設定〟だからです!』

理性院『……なるほどー……』

四郞丸『いやいやっ! 設定って何っ!? それじゃあ納得できないよっ!』

把着『もしかして~、強化ガラスってこと?』

モノクマ『うぷぷぷ、まあオマエラにとってはそう言う事かもしれないね!』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


魁「────っていう、訳の分からんこと言いやがったんだよな!」

四郞丸「でも、その後、試してみたら全然壊れなくって」

把着「やっぱり、超かたい強化ガラスだったってことっぽいよ~」



絹月「次は私達ですね」

メトラ「我らが調査したのは多目的ホールとその横の倉庫ゾヨ!」

志賀島「多目的ホールってのは、その名の通りみたいね」

志賀島「何にも無い…だだっ広いだけの、おもしろみの欠片も無い部屋だったわ」

メトラ「しかーし…簡素な舞台のような場所はあったゾ! あそこで何か不思議なことが起こるとみたゾヨ!」

久道「もしかしたら、何かのショーが見れるかもしれぬなぁ! ヌワッハッハッハッ!」

絹月「倉庫はその多目的ホールのすぐ横にありました」

絹月「中には、様々な物がありましたよ」

久道「大きな段ボール箱がたっくさん積まれていたのだ! 宝探しをしてみたいなあ!」

志賀島「ゴミばっかでしょ、あんなの」

絹月「いえ、あの中には生活必需品も多くありました。私達がここで過ごす上で必要になるかもしれません」

志賀島「は? 言っとくけど、私はこんな場所で暮らす気は一切無いわよ!」


タイラー「じゃあ、次はオレ達が報告しようぜ。なあ? Ms.天羽」

天羽「あっ、そうですね…わたし達が調べましたのは寄宿舎と食堂と売店で───────」

俺達も……というか、ほとんど天羽一人が調査の結果を報告をする。

俺が説明するのは面倒だし、タイラーは適当に相づちを打つだけ。

袰岩に至っては無言だ。

まあ、頑張ってくれ天羽。


タイラー「あ、そうそう」

報告の途中でタイラーがニヤニヤしながら口を挟む。

タイラー「そう言えば、売店を見てたとき、Ms.天羽とMr.柳の姿が見えなかったような気がするんだが……」

タイラー「─────あれ、何処に行ってたんだい?」ニヤッ


……っ!

コイツ気付いてやがったのか。


天羽「あっ、そ、それは…わたしが柳さまにお手洗いの場所を教えていただいていただけで」

咄嗟に天羽が誤魔化しを入れる。

……のだが。


マーク『えっと…二人でトイレに行ってたの?』

エリザ『あらあらまあまあ、男女二人で』

把着「なになに~? ラブコメの臭いがしてきたよ~」

葵「何スか、それ! 羨ましいッス!」


天羽「あ、ちちちちち違います!? 決して、柳さまと一緒に行ったわけでは…///」

チッ、面倒くせぇ勘違いをしやがって。

柳「単に、便所の入り口まで着いて行ってやっただけだ、勘違いするな」

柳「これで、わかったか? タイラー」

タイラー「ふーん…なるほど、ね」

タイラー「ま、レディ一人じゃ危ないし、当然ってことかな」

タイラーは、納得がいったのかいってないのか、よく分からない怪しげな表情を浮かべていた。


臼井「じゃあじゃあ」

臼井「じゃあじゃあじゃあじゃあ、最後はボクらのグループかな」

マーク『グループといっても暁美お姉さんはいないけどね』

エリザ『調査を始めて、すぐに部屋に引き籠もっちゃったのよね!』

葵「そうッスけど…とりあえず僕たちで調べた事を話すっス!」

臼井「ボクらが調べたのは、病室と診察室だね。どちらも二つずつあったんだ!」

葵「病室にはベッドがあったッス! ちょっとかたくて寝心地は良くなさそうッスけど」

葵「ってか、そもそも『院内規則』ってので寄宿舎の個室以外で寝るの禁止されてるから意味ねーんスけど……」


マーク『診察室は普通の病院の診察室とほとんど一緒だったよ』

エリザ『誰のか分からないカルテとか、聴診器とか、注射器とかがあったわね!』

マーク『簡単な手当ぐらいならできそうな救急箱もあったね』

臼井「あとね、ボクが見つけたんだけど…ちょっとみんなも見てくれるかな?」

そう言うと、臼井は一つの冊子を取り出した。


臼井「これ、この病院のパンフレットみたいなんだけど……」

そこには病室の写真とともに、説明文が書かれていた。


『総合医療施設・Heaven's door』

『ここは、緑豊かな自然の中で治療を行うことを目的とした総合医療施設です』

『最新の機器や技術を用いて、全ての人に健康と医療を届けます』


柳「やっぱり、ここは病院だったのか」

天羽「それにしても、Heaven's doorですか…………」

タイラー「日本語にしたら〝天国の扉〟だね」

志賀島「病院に着ける名前にしては悪趣味ね。 嫌いじゃないわ
!」

臼井「とにかく、これでこの場所の名前が分かったね」

葵「名前が分かった所でどうしようもない状況ッスけど……」


絹月「これで調査の報告は終わりましたが……」

志賀島「まったく外に出る方法がないじゃない! どうするのよ!?」

声を荒げる志賀島。

しかし、俺も同じ気持ちだった。

殺さねぇと誓った今、出口がなければどうすることもできねぇ。

クソッ! どうすりゃいいってんだ!

久道「とりあえずはここで暮らすしかないようだな! ヌワッハッハッハッ! ただで宿をとれるとはラッキー!」

把着「全然ラッキーじゃないよ~」

メトラ「待つのも大事ゾヨ! 水晶によると、きっと来世には出られるゾヨ」

志賀島「来世って……死ねって事!? ふざけなんじゃないわよ!」




袰岩「─────────なら、殺せば良いだろ」




志賀島「…っ!!」

四郞丸「こ、殺すって冗談でも言わないでよっ!」

袰岩「出たいなら殺す、それがルールなんじゃないのか?」

袰岩「ま、オレは出たいわけじゃないから関係ないが……」

久しぶりに口を開いた袰岩は、モノクマの言っていたルールについて言及する。


まあ、現実問題、袰岩の言うとおりだろう。

俺だってさっきまでは天羽を殺そうとしていたんだ。

そう考える奴がいるのは当然だ。

だが今は──────────


絹月「殺すなんてダメに決まっています!」

絹月「そんな事をする人がこの中にいるはずがないのです!」

絹月「希望ヶ峰学園に選ばれるような素晴らしい才能の持ち主である皆さんの中に!」

把着「だ、だよね~……」

柳「…………」

魁「でもよぉ、これからどうすりゃいいんだぁ?」

タイラー「ま、ここは一旦解散でいいんじゃない? 明日も明後日も調査すれば何か見つかるかも何だし、さ?」

天羽「そう……ですね」

理性院「今はー…それしかないのですねー……」


タイラーの提案により一旦俺達は解散する。

そして、俺は寄宿舎の個室に向かった。



柳「…………クソがっ!!!」ガンッ


個室のドアを蹴って閉める。

苛立っていた。

俺は、これまでたいていの問題は暴力と武力で片付けてきた。

そうやってギャングとして生きていた。

だから、今のこの──殺さないことを誓った──状況に何もできない。

柳「俺は……こんな時に何もできねぇのかよ……!」


いや、まだだ。

まだ諦めるには早ぇだろ。


俺は頭を振って、ネガティブな心を払う。

柳「……もう一回、見て回るか」


俺は俺に出来ることをするだけだ。

ギャングとして鍛えたのは暴力だけじゃねぇ。

意志の固さと行動力こそが、俺の〝才能〟だ。


そう決意を固めて、俺は個室を飛び出した。


ここから、お待ちかねの自由行動パートが始まります!

自由行動では安価で行動を共にする人を決めます。

一人の時より好感度が上がりにくくなりますが、二人同時に相手にすることもできます。

好感度がある程度あがると通信簿イベントが始まる事があります。

通信簿イベントを5回行ったキャラからはステキなプレゼントが貰えるかも?

ちなみに好感度は物語に多少の影響力を持ちます。

ただ好感度が高いからといってクロにならないとは限りません。

以上で説明は終わりです。

では、まず最初の安価をとりましょう!



安価↓2に会う(二人でも可)


《寄宿舎・廊下》

個室を飛び出した俺は、そこに居た何かにぶつかった。


──────ドンッ!!


天羽「きゃあ…っ!」

柳「うおっ! 悪ぃな天羽、大丈夫か!?」

床に転んでしまった天羽に手を伸ばす。

天羽「あっ、いえ、わたしの方こそ申し訳ありません…柳さまはお怪我をされていませんか?」

柳「俺は大丈夫だけどよ」

相変わらず天羽は人の心配ばかりしてるようだ。

そんなんで疲れねぇのだろうか。

天羽「あ、あの、柳さまはどちらに?」

柳「ちょっとな…もう一回、何かねぇか探そうと思っただけだ」

柳「お前こそ、こんなとこで何してんだよ?」

天羽「あっ、その……わたしは柳さまに用事が……」

用事……

まあ、さっきの事だろうな。

いくらコイツでも拳銃を突きつけられて、怒らねぇわけがねぇか。

人に謝るなんてギャングになってからしてねぇが…仕方ない。


柳「謝って済むようなもんじゃねぇだろうが…悪かったな。いきなりあんな事してよ」


天羽「あ、いえ、その話ではなくてですね」


違ぇのかよ! 

何だよ…謝って損したな畜生。


天羽「先程、絹月さまにお願いされまして、わたし今夜の食事係をさせてもらうことになったのですが」

天羽「も、もしよろしければ……や、柳さまのお好きな料理などを教えていただけたらと思いまして……」

天羽「あ、あくまで参考にですよ!? あ、あくまで…///」


好きな料理だ?

スラム街じゃまともな料理なんてそうそう食えやしなかったが……

そうだなぁ。

強いて言うなら……


1 ハンバーガー

2 ピザ

3 寿司

4 その他自由安価

安価下1


天羽「ハンバーガー…ですか?」

柳「ああ、まあな」

柳「なんせ、この間まで俺はアメリカ暮らしだったからな。ジャンクフードが俺のソウルフードだ」

天羽「な、なるほど…」

天羽「ハンバーガー……となると先ずはバンズが必要…でも時間がないし出来合いのパンで代用? …いやでも…」ブツブツ

柳「お、おい、天羽?」

何かブツブツ呟きだしたし、目の前が見えてないようだ。


天羽「や、柳さま!」

柳「お、おう……!」


天羽「わたし、精一杯頑張らせていただきますっ!」


そう言うと天羽は小走りで食堂の方に向かっていった。


柳「行っちまった……」

一体何だったんだ…?



天羽の好感度が上がった。

《自由行動・2回目》

安価下2に会う(二人でも可)

安価把握しました。

ごめんなさい!

短いですが今回はここまでです。

次回は臼井くんとの自由行動から始めていきますね!

今日もありがとうございました!
おやすみなさい!

天羽撃っちゃったらどうなってたんだろ?
まさかの犯人視点ダンガンロンパになっていたのだろうか‥

>>307
引き金を引くと言う選択肢を選んでいた場合でも、天羽が死亡することはありませんでしたが、天羽やタイラーとの関係性が変化していたと思われます。

遅くなりましたが、今から再開したいと思います。

誰かいますかね?

ありがとうございます!

では、臼井くんとの自由行動から始めていきますね。


《診察室》

臼井は沢山のカルテが置かれている机の上を興味深そうに眺めていた。

柳「おい臼井、何してんだ?」

臼井「やあやあ」

臼井「やあやあやあやあ、鈴鉄クンじゃないか。さっきぶりだね」

臼井「ボクかい? ボクは今この部屋を探検しているんだよ」

臼井「珍しいモノがいっぱいでワクワクするね!」

柳「珍しいか? こんなの何処の病院にもあるようなモンばっかじゃねぇか」

臼井「へぇ……なるほど。コレが当たり前なんだ」

臼井「じゃあじゃあ」

臼井「じゃあじゃあじゃあじゃあ、これはなんていう道具なのかな?」

そう言って臼井が差し出してきたのは、白くて細長い小さな機械。

先端が銀色になっていて、中央部には何かの数字を表示するための画面がついている。

柳「あ? これは…………」


1 聴診器

2 体温計

3 額帯鏡

安価下1


柳「これは、体温計だろ?」

臼井「なるほど、なるほど。これが体温計って言う物なんだ」

臼井「こんなに小さな機械で身体の温度が測れるなんて…世の中便利なんだなぁ」

臼井「ねぇねぇ?」

臼井「ねぇねぇねぇねぇ、キミもそう思うだろう? 鈴鉄クン」

柳「は…? あ、ああ…」

臼井の奴…何を言ってるんだ?

まるで、一度も見たことがないような言い方を……

臼井「いやぁ、鈴鉄クンは物知りなんだね。勉強になったよ」

臼井「ありがとう、ありがとう!」

俺は臼井に両手をとられて縦に振り回される。

臼井は嬉しそうに笑っていた。



臼井の好感度が上がった。


《自由行動・3回目》

安価下2に会う(二人でも可)


《食堂・キッチン》

キッチンから良い匂いがしてきたので顔を覗かせると、さっき話したとおり天羽が料理を作っていた。

実にうまそうなハンバーガーだ。

だが、その横になんか変な奴が…………


天羽「あ、あの…メトラさま…何かご用でしょうか?」

メトラ「見える…見えるゾヨ…我には此度の料理の真理が見えるゾヨ!」

天羽「り、料理の真理…ですか?」

メトラ「水晶が告げている…我に料理を捧げよ! さすれば天羽殿は真理に辿り着くであろう」

天羽「ええと…つまり、味見をしてアドバイスをいただける、と言うことでしょうか?」

メトラ「イエス! その通りゾヨ! さあ、プリーズ! プリーズ!」ダラダラ


野郎…口から滝のようによだれを垂らしてやがる。

「味見してアドバイス」なんて顔には見えねぇぞ。

ありゃあどう見ても……天羽のハンバーガーをつまみ食いしようとしてるな……


柳「チッ、ここは俺が……」



1 メトラを注意して、つまみ食いをやめさせる。

2 メトラと一緒に、料理を食べさせてもらう。

3 見て見ぬふりをして立ち去る。

4 その他自由安価

安価下1



柳「おい、俺にも食わせろよ」

天羽「や、柳さま…!」

メトラ「オウ! 柳殿も天羽殿のハンバーガーを食しに来たのゾヨ?」

メトラ「だかしかし、このハンバーガーを食すのは我! それこそが世界の真理ゾヨ! 水晶もそう言っているゾ!」


柳「オイオイ…メトラよぉ…まさか一人で食おうなんて考えてねぇよな?

柳「もし考えてるなら…テメェ調子に乗るのも良い加減にしろよ」

柳「真理だか水晶だか知らねぇがよ、そのハンバーガーが俺のモンだ」


柳「手ぇ出してただで済むと思ってんのか? あ゛あ゛?」ギロリ


メトラ「ひ、ひいいぃ…っ!? こ、これが超高校級のギャングの本性か!?」ガクブル

メトラ「柳殿がそこまでハンバーガーに執着しているとは! これこそ世界の真理ゾヨ…」ガクブル

柳「このハンバーガーば俺が食う! テメェみてぇな奴には渡さねぇよ!」

天羽「や、柳さま……わたしの作ったハンバーガーをそこまで思ってくださるなんて……///」



俺は作りかけのハンバーガーにかぶりつく。

柳「う、うめぇ…!」

やはり、ハンバーガーは最高だ。

あふれる肉汁が苛立った脳を落ち着かせる。

ふん……俺としたことが少々熱くなりすぎたようだな。

柳「おい、メトラ。悪ぃ…きつく言い過ぎたな。ほら、テメェにもやるよ」

メトラ「オウ! いいのゾヨか?」


メトラにも分け、二人で天羽の作ったハンバーガーを堪能するのだった。

なお、その後の夕食で再び食べることになるのだが、それは別の話だ。



天羽の好感度が少し上がった。

メトラの好感度が少し上がった。


【天羽芹亜・通信簿イベントⅠ】


柳「なあ、天羽…お前、料理作ったり手伝いしたりよぉ」

柳「そんなんばっかで疲れねぇのか?」

天羽「…………!」

天羽「もしかして心配して下さっているのでしょうか?」

柳「そ、そんなんじゃねぇよ」

天羽「えへへ…わたしのことなら心配なさらないで下さいませ」

天羽「わたしは【超高校級のボランティア】と呼ばれているほどの大の奉仕好きなんです」

天羽「ですから、疲れるなんてそんな事は全然……」

天羽「むしろ、誰からも頼られない方が不安で疲れてしまうほどです」

柳「そうか…まあ、そうならいいんだけどよ」

柳「………………」

柳「……もし疲れる事がありゃ、俺に頼れよ」

天羽「えっ……あ、ありがとうございます…///」



天羽の通信簿が1ページ埋まった。

【天羽芹亜の通信簿1/5】

超高校級のボランティアである天羽は大の奉仕好き。その為、人の手伝いをすることに疲れを感じない。むしろ誰からも頼られない方が不安で疲れてしまうようだ。


《自由行動・4回目》

安価下2に会う(二人でも可)


《寄宿舎・廊下》

夕飯のハンバーガーを食べ終えた後、寄宿舎に戻ると一つの扉の前に人影を見つけた。

葵「あっ、柳っちじゃないッスか! お願いッス、助けてッス!」

柳「チッ、なんだよ?」

葵「柳っち~、露骨に嫌がる表情やめてッス!」

葵「とにかく大変なんスよ! 夕食のハンバーガーを食堂に来なかった暁美っちに届けようとしたんスけど……」

葵「暁美っち、全然ドアを開けてくれないんスよ~!」


ピンポーン…

試しに暁美の部屋の呼び出しのベルを鳴らしてみる。

しかし……

柳「物音一つしねぇな……ホントにこん中に居るのか?」

葵「他の場所にはいなかったッスから、中に居るのは間違いないはず何スけど……」

チッ、こうなったら仕方ねぇな。

面倒くせぇが…こうするしかねぇ。



1 個室のドアを蹴って蹴って蹴りまくる。

2 ハンバーガーの良い匂いで釣る。

3 無視して帰る。

4 その他自由安価

安価下1


柳「葵……ハンバーガーだ。ハンバーガーをだせ」

葵「は、ハンバーガーッスか? こんな所でだしちゃうんスか?」

柳「ああ、コイツの香りで暁美をおびき出す作戦だ」

柳「天羽の作ったハンバーガーに美味そうな香りなら、いくら暁美の奴が引きこもりと言えども出てくるはずだ」

葵「あっ、ちなみにそのハンバーガーのバンズを作ったのは僕ッスよ」

柳「何…?」

葵「天羽っちに、どうしても美味しいハンバーガーを作りたいからって頼まれたんスよ」

なるほど、そういや葵は超高校級のパン屋だったな。

まあ、今はいい。

とにかく、これで暁美も出てくるだろ……



──────そして、十数分後。


ガチャ


扉の開く音がする。

暁美「…………」チラッ

少しだけ開けたドアの向こうから、暁美がちらりとこちらを覗く。


暁美「……肉……寄こせ……」ジュルリ


どうやら、人間ってのは引き籠もってると、言語すらまともに使えなくなるようだ。

葵「うーッス! 暁美っち、ハンバーガー持ってきたッスよ」

暁美「……そうか、そう言えば飯食べてなかったわ」

柳「ふん、テメェみてぇな引きこもりのために、わざわざ持ってきてやったんだとよ」

柳「作ってくれた葵と天羽にせいぜい感謝するんだな」

暁美「…は? てか、天羽って…あの地味系へっぴり腰ビッチが作ったの?」

暁美「ないわ-、まじないわー」

柳「あ゛? 誰が何だって?」ギロッ

暁美「…っ!? な、何だ? あの女の肩持つのか?」

暁美「ふ、ふんだ! 食べれば良いんだろ、食べれば!」

バタンッ!!

葵の持っていたハンバーガーを強引に受けとると、暁美は勢いよく扉を閉めてしまった。

チッ、あいつ…ふざけたこと言いやがって。

葵「う、うへぇ……柳っちも暁美っちも、ケンカは良くないッスよ」

柳「うるせぇ、とにかく夕食は届けたんだ。これでいいだろ」

葵「それはそうッスけど……って、あ! もうこんな時間ッスか!」

葵「じゃあ、と言う訳で、僕はこの辺で失礼するッス! おやすみッス~、柳っち!」

急に慌てたように自分の個室へと戻った葵。

まったく、どいつもこいつも自分勝手な奴ばかりだな。



葵の好感度が少し上がった。

暁美の好感度が少し上がった。


《自由行動・5回目》

安価下2に会う(二人でも可)


葵が俺の前を去った後、すぐに後から声をかけられた。

タイラー「へーい、Mr.柳。調子はどうだい?」

柳「こんな所に閉じ込められてんだ。調子が良いもクソもあるかよ」

タイラー「ハハ…そりゃ、ごもっともだぜ」

タイラー「ところでMr.柳、こんな所で何してるんだい? ここはMs.暁美の部屋じゃないのか?」

柳「別に何でもねぇよ」

タイラー「うーん、レディの部屋の前に一人で……おいおい、まさか襲っちゃおう、なんて考えてるんじゃあ」ニヤッ

柳「アホか。んな訳ねぇだろうが」

タイラー「アハハハ、ただのジョークさ、ジョーク」

柳「テメェの話には付き合いきれねぇよ」

そんな下らねぇ話をしていると、俺達の前で、ガチャと扉が開く。


暁美「………終わったぞ」スッ


その一言と共に、さっきまでハンバーガーがのっていた皿を差し出す暁美。


暁美「ん」

柳「おいコラ。俺はテメェの召使いじゃねぇぞ」

暁美「いいだろ、持ってけよ。どうせ暇なんだろ」

タイラー「ハハ、確かにオレの話に付き合うくらいさ。Mr.柳は相当暇なんだろうぜ」

柳「テメェ……!」

暁美「じゃ、片付けといて」ポイッ

片手でオレの方に皿を放り投げる。

柳「うおっ、危ねぇな!」

なんとか、受け止める。

チッ、面倒くせぇな……なんで、俺が引きこもりのために片付けまでやらなきゃならねぇんだ。

いや……待てよ。



1 タイラーに押し付ける。

2 暁美に突き返す。

3 その場でたたき割る。

4 その為自由安価

安価下1



そうだ。

タイラーの奴に押し付けてやれば良いんだ。

コイツもわざわざ俺に話しかけてきたって事は、他の用事はねぇってことだろ。

じゃあちょうど良いじゃねぇか。

柳「おい、タイラー。テメェもどうせ暇だろ? 俺の代わりにコイツを……」

俺はタイラーの方を振り返るが──────



『怪盗タイラー・スミス・ヤシマの今夜のショーはおしまい』

『また明日会おうぜ! アデュー!』



そう書かれた一枚の紙だけが落ちていた。


柳「野郎ッ!!! また逃げやがったな畜生!」


俺の叫びは廊下にこだまするのだった。






タイラー「アハハ、三十六計逃げるにしかずってね」



暁美の好感度が少し上がった。

タイラーの好感度が少し上がった。


《個室・柳鈴鉄》


自分の個室へと戻ってきた俺は、一息つく。

柳「はぁ……まったく面倒くせぇことになったもんだ」

希望ヶ峰学園に入学しようと思ったら、いつの間にか謎の病院に居るし。

変なクマが現れたと思ったら、コロシアイなんて物をさせられることになるし。

それに、あの女……天羽の〝あの眼〟。


柳「クソッ、どうしろってんだ」


俺はやり場のない気持ちを抑えるように、ベッドに横になる。


殺さなければ出られない。

だが、あの眼は……

殺すことはできない。

しかし、俺にはチームの連中との約束が……

ここを出ないわけにはいかない。


そんな矛盾を抱え、俺は静かに眠りについた。

目が覚め時、全てが解決している──────



────なんて、子供じみた妄想を、少しだけ胸に抱いて。





こうしてコロシアイ生活の1日目は幕を閉じた。

だが、この時すでに絶望の扉は開きかけていたのだ。


【モノクマ劇場001】


モノクマ『うぷぷぷぷ、オマエラようこそ!』

モノクマ『今度のボクは学園長兼院長、ひと味違ったモノクマなのだ!』

モノクマ『でもね、ひと味違うのはボクだけじゃないよ』

モノクマ『今度のコロシアイも今度の絶望も……』

モノクマ『そして、今度の希望さえも……』

モノクマ『今までとは違った味付けをしているんだよ!』

モノクマ『えっ? どのくらい違うのかって?』

モノクマ『ウ○コ味のカレーとカレー味のウン○ぐらい違うよ!』

モノクマ『まあ、どっちも食べたくないのに変わりはないけどねー』

モノクマ『うぷぷぷぷぷぷ……』


と言う訳で、1日目が終了した所で、今回はここまでです。

次回は2日目からです。

今日も遅くまでありがとうございました!

では、おやすみなさい。


お待たせしました!

今から再開したいと思うのですが、誰かいますかね?


ありがとうございます!

人少なそうですけど、一応進めていきます!


【コロシアイ生活・2日目】

《個室・柳鈴鉄》


『ピンポンパンポーン…』

モノクマ『オマエラ! おはようございます!』

モノクマ『朝七時をお知らせします! 昨日はよく眠れたかな~?』

モノクマ『うぷぷぷぷ、今日も1日頑張りましょう-!』

モノクマ『LET'Sエンジョイ! コロシアイ-!』



……最悪の目覚めだ。

モノクマの趣味の悪いアナウンスに起こされた俺は、不機嫌なままベッドから降りる。

柳「……クソッ」

目が覚めても変わらねぇ現実に、思わず悪態をつく。

まあ、ここで腐ってても仕方ねぇか……


俺は重い気分を無理矢理おこして、食堂へと向かった。


《食堂》


天羽「あの…では、これを皆さまのいるテーブルまで…」

魁「あいよっ! っしゃあ、行くぜええええぇぇぇぇ!!!!」ダダダッ

葵「あ、コラ走るなッス! 料理がこぼれるッスよ!」

把着「ふわ~、みんなおはよう……って、うわっ!?」

魁「うおぉっ!? 危なっ!!」グラッ

志賀島「朝からうるさいわね! ご飯くらい静かに食べさせなさ──────ベションッ!!

マーク『ああっ! 魁お兄さんの持っていた卵焼きが志賀島お姉さんの頭の上に!』

エリザ『見事ね! 見事なまでに乗ったわね!』

志賀島「……………あ、あ…ああ……」フルフル

志賀島「あ、あんたら…ふざけんじゃないわよ!!」

メトラ「ひぃー! 我は何もしてないゾヨ! 睨まないで欲しいゾ!」

絹月「お、落ち着いて下さい、皆さん!」

タイラー「アハハハ、賑やかで良いねぇ」

久道「ヌワッハッハッハッ! これもまた友情の形か!」

臼井「うんうん」

臼井「うんうんうんうん、仲が良いのは良いことだよね」

四郞丸「どこをどう見たら仲が良いって思えるのっ!?」


柳「…………………騒がしい連中だ……」


昨日の様子はどこ吹く風。

どいつもこいつも、うるせぇぐらいだ。

まあ、下手に落ち込まれて、重苦しい雰囲気にされるよりはマシか。

相変わらず暁美だけは姿を見せてねぇが、他の連中は全員そろってるようだ。

柳「おい、俺にも飯をくれ」

天羽「あ、柳さま! おはようございます、少々お待ち下さいませ」

俺はその中に入っていく。

……腹が減っちゃあ、できるもんもできねぇからな。

まずは、腹ごしらえだ。


《自由行動・6回目》

安価下1に会う(二人でも可)
※暁美を除く



俺は天羽から朝飯を受け取り席に着く。

すると、隣から声が聞こえてくる。


四郞丸「ダメだよ魁くんっ!! 慌てて運んだら!」

魁「いやよぉ……別にこぼすつもりは無かったんだがなぁ」

四郞丸「料理を運ぶ時は丁寧かつ迅速に! ウェイトレスの常識だよっ!!」

魁「だあぁぁぁっ!!! 常識とか言われても分かんねぇよぉ!!」


柳「……………すわる席、間違えたな」

よりにもよって声のでかい奴らの隣に座っちまった。

話振られると面倒くさそうだ……さっさっと食っちまおう。


魁「ってか、おめぇウェイトレスって……噓つくなや! ウェイターだろ、どう見てもぉ!!」

四郞丸「アタシは女だよっっっっ!!!!!!!!」

魁「えええええええぇぇ!? 女だったのかぁぁぁ!!!?」

四郞丸「どこをどう見てもかよわい乙女じゃん!」

魁「どこをどう見てもムキムキのオッサンだろ!?」


四郞丸「ねえ、柳くんっ!」

柳「…!? な、なんだよ…」

しまった。

クソッ……声をかけられた!

四郞丸「アタシのことどう思う? 柳くんも女の子だと思うよね!?」

魁「こんなゴッツい女いないだろぉ!? なあ?」

柳「いや、俺は……」


1 女だと思うと答える。

2 男に見えると答える。

3 その為自由安価

安価下1



柳「まあ、見た目だけなら完全に男だよな」

四郞丸「そ、そんなぁ……!」

魁「だよなぁ! やっぱり柳は話が分かる男だぁ!」

柳「四郞丸ほどの体格をもってりゃあ、男だと思われるのも仕方ねえだろ」

柳「でも逆に考えれば、そんだけの筋肉なら並大抵の奴になら負けねぇぐらい強いってことだ」

柳「よかったじゃねぇか」

四郞丸「………それ、フォローのつもり?」

柳「は? いや……一応、褒めたつもりだが」

四郞丸「……この、女心のわかんない男子共めっ!!!」

四郞丸「魁くんも柳くんも、女心が全く分かってないんだから、バカッ!!!」

な、なんだと!?

俺がこの馬鹿ランナーと同類の扱いをされるなんて……


柳「女心って……意味分かんねぇ……」




四郞丸の好感度が少し上がった。

魁の好感度が少し上がった。


食事を続けていると、絹月が声を上げた。

絹月「皆さん、少々よろしいですか?」

柳「何だ?」

把着「絹月ちゃん、どうかしたの~?」

絹月「不本意ですが、私達はしばらくここで過ごすことになるでしょう」

絹月「そこで私から二つばかり提案があるのです」

天羽「提案…でございますか?」

絹月「はい。まず一つ目に上げるのは食事についてです」

絹月「現時点では天羽さんや葵さんに任せきりになっています」

絹月「それを当番制にしようという物です」

天羽「わ、わたしは大丈夫です! 皆さまの料理はわたしが毎日ご用意しますし……」

四郞丸「でも天羽ちゃんばかりに任せてちゃ、申し訳ないよっ!」

臼井「そうそう」

臼井「そうそうそうそう、ボクらも手伝った方が良いよね!」

絹月「一部の人に負担をかけ過ぎるのは、良いことではありません」

把着「え~、でも歩夢は料理とかできないよ~」

絹月「では、班に別れて担当をしましょう。分け方は建物の調査をしたときのグループと同じで良いですね」

料理を当番制でね……

俺は料理なんて作れねぇし、作らねぇが……まあ、俺らの班には天羽がいるし問題ねぇだろ。



絹月「さて、もう一つの提案なんですが……」


絹月「それは〝リーダー〟を決めると言うことです」


臼井「うーん…リーダーなら、絹月クンでいいんじゃないかな?」

絹月「え? 私がですか?」

天羽「た、確かに……先程から話を進行して頂いていますし…」

タイラー「ま、リーダーなんて大変そうな仕事、オレはしたくないし。Mr.絹月に任せるぜ」

葵「僕も異議無しッス」

メトラ「水晶もそうするべきと言っているゾヨ!」

絹月「で、では…私がリーダーと言うことに反対の方はいますか?」


四郞丸「アタシは賛成だよっ!」

久道「僕も反対はせんな! ヌワッハッハッハッ!」

マーク『空久利お姉さんも賛成だって!』

把着「じゃあ、歩夢もそれでいい~」

魁「難しい話は分からんから、どうでもいいぜぇ!!!」

理性院「……皆が良いならー……わたしもー…」


皆は次々と賛成の意を示す。

………俺は正直言うと絹月みたいなお手本みたいな善人は好まねぇ。

ああいう人間に俺達みたいな道を外れた生きたかは理解できねぇからだ。

だが……今の状況を考えれば仕方ねぇのかもしれない。


柳「……まあ、俺も構わねぇよ」

柳「ただ、リーダーだからといって言うことを聞くとは限らねぇぞ」

柳「テメェの言い分に不審な点があれば、無視することもある」

絹月「それは…分かっています」

臼井「じゃあじゃあ」

臼井「じゃあじゃあじゃあじゃあ、これで絹月クンがリーダーで決定────」



志賀島「ちょっと待ちなさいよ! 私は反対よ!」



臼井「賛成多数で絹月クンがリーダー決定だね!」

志賀島「無視!? 私の意見も聞きなさいよ!」

臼井「でもでも」

臼井「でもでもでもでも、皆が良いって言ってるんだし…良いでしょ」

志賀島「良いわけないでしょ!」

絹月「志賀島さん、反対ならば私の指示には従い必要はありませんよ」

絹月「柳さんと一緒です…いつでも反対意見を言って下さい。私が出来うる限り対応します」

志賀島「…………ふん、それなら、まあ、許してあげるわ!」


こうして、俺らの一応のリーダーが決定した。

これが吉と出るか凶と出るか、それはまだ誰にも分からねぇだろうがな。


《自由行動・7回目》

安価下1に会う(二人でも可)


すいません!

少し中断します。

また8時過ぎぐらいには再開できるかと。

とりあえず、ここまでありがとうございました!


ごめんなさい!

遅くなりましたが、再開します!


《寄宿舎》

食事を終え、再び解散となった後、寄宿舎をうろついていると、怪しげな二人組を見かけた。

把着「くんかくんか!」

臼井「いやぁ、困ったなぁ……あっ、鈴鉄クン! ちょどいいところに」

柳「何してるんだ? テメェら…」

臼井「いやいや」

臼井「いやいやいやいや、それがね。把着さんってばボクから変な臭いがするって言って、ずっと嗅いでくるんだよ」

柳「変な臭い?」

臼井「ボクには良く分からないんだけど……どうやら懐かしい臭いなんだって」

把着「くんかくんか!」

柳「おい、把着! 一体何の匂いを嗅いでるんだよ?」

把着「…ん~? ああ、柳ちゃん! 歩夢が何の匂いを嗅いでるかが気になるの~?」

把着「じゃ~あ、柳ちゃんも一緒に嗅いでみると良いよ!」

把着「何の匂いだったか思い出せないけど、良い匂いだよ~♪」

そう言うと、把着は俺の手を取り臼井の身体まで近づけさせる。

臼井「あはは、何だか恥ずかしいなぁ」

柳「変なこと言ってんじゃねぇ、殴るぞ」

把着「ほらほら、はやく~!」


把着に急かされるまま、俺は一応匂いを嗅いでみる。

あれ……?

この臭い何処かで………

確かに懐かしい……まるで鉄サビのようなこの臭いは……



1 汗の臭い

2 雄の臭い

3 血の臭い

安価下1



これは……血の臭いじゃねぇか!

ギャングとして向こうに居た頃には、日常的に嗅いでいた臭い。

こんな臭いを〝良い匂い〟だなんて……この把着って女……趣味の悪い奴だ。

それにしても……

柳「なんでテメェからこんな臭いがすんだよ、臼井」

臼井「えっ? あ、もしかして変な臭いって……そういうことか」

臼井「いやいや」

臼井「いやいやいやいや、参ったなぁ……これでも毎日シャワーで洗ってるんだけど中々とれないんだよね」

臼井「ほら、前に言ったことあるよね? ボクが例のテロ事件の生き残りだって…」

柳「じゃあ、まさか…この臭いは…!」

臼井「そう、その時にボクにかかった大量の血液だよ」

臼井「モチロン、ボクのじゃなくてテロの被害者のだけどね」

まるで昨日の天気の話をするかように、どうでも良さげな表情で壮絶な過去を語る臼井。

こいつ……超高校級の生還者って言うのは、一体何者なんだ。

というか…………


把着「くんかくんか!」

柳「おいテメェ! 今度は俺の臭いを嗅いでんのか!? 離れやがれ!」

把着「いや~、だって柳ちゃんからも良い匂いがするんだも~ん」

把着「臼井ちゃんと同じ匂いが、ね♪」

……そりゃあそうだろうよ。

俺だって血生臭い生活をしてきたんだ。


そうさ。

臼井だけじゃえねぇ、俺も、もしかしたら把着や他の皆にも色んな過去があるはず。

才能があるって言うのは、そう言うことがつきものなんだろう。



臼井の好感度が少し上がった。

把着の好感度が少し上がった。


【臼井拳・通信簿イベントⅠ】


臼井「あれあれ?」

臼井「あれあれあれあれ? 鈴鉄クン、何か機嫌悪そうだね」

柳「そりゃあそうだろ、こんな所に閉じ込められて、コロシアイなんて言われて、楽しく暮らせるかよ」

臼井「ふーん、そういうものか」

柳「臼井は不安とかねぇのかよ?」

臼井「ボクは不安なんて無いなぁ……」

臼井「ボクってさ、生まれてこの方、怪我とか病気とか一切したことないんだよね」

臼井「だから、病院に来たのもこれが初めてなんだ!」

臼井「ちょっぴりワクワクしてるってのが本音かな……不謹慎かもしれないけどね」

柳「初めてって、マジかよ。俺ですら数度は世話になってんのに……」

臼井「それにね」

臼井「ここで、例えどんなことが起きて、誰かが何かをしたとしても…………」


臼井「最終的には、ボクは死に損なる運命だから」


臼井「だから、不安なんて全然無いんだよ」



臼井の通信簿が1ページ埋まった。

【臼井拳の通信簿1/5】

臼井は人生で一度も病気や怪我になったことがなく、病院に来るのも今回が初めてらしい。【超高校級の生還者】という才能からか、コロシアイ生活を全く不安視していないようだ。


《自由行動・8回目》

安価下2に会う(二人でも可)


《寄宿舎・廊下》

臼井達と別れて、廊下を歩いていると響くような音が聞こえてきた。

カーンカーン…

柳「…?」

気になってのぞくと、そこにはハンマーのような物で壁を叩いてまわる久道がいた。

柳「おい、毛むくじゃら! 何してんだ?」

久道「ぬ? おう、柳ではないか! ヌワッハッハッハッ!」カーンカーン

柳「笑ってるだけじゃ分かんねぇぞ! 何してんのか聞いてんだよ」

久道「…んん? 良く聞こえないぞ、もっと大きな声で言いたまえ!」カーンカーン

柳「まず、そのカンカンならしてるのをやめろ!!」

久道「ぬ? ああ、すまぬすまぬ」

柳「それで、何してたんだよ?」

久道「いやなに、壁に空洞がないか調べていたのだ」

久道「空洞があれば、中には宝が眠っているやもしれぬ! 夢があるであろう? ヌワッハッハッハッ!」

柳「ふん……くだらねぇな」

久道「何と!? 宝探しは男の浪漫ではないのか!?」

久道「では、柳にとっての浪漫とはなんなのだ?」

浪漫……んなもんとっくに忘れちまったし、そもそも持ってたかどうかも覚えてねぇが。

まあ、強いて挙げるとするなら……



1 戦いに勝利すること

2 拳銃のコレクションを集めること

3 その他自由安価

安価下1


柳「ま、強いて言うなら…日本刀だな」

久道「日本刀を集めているのか?」

柳「まあな、知り合いに詳しい奴が居てよ…向こうで集めるのは意外と苦労したが」

久道「そういえば柳は超高校級のギャングであったな」

久道「なら武器を集めることに浪漫を感じているのも不思議ではないのか」

柳「日本刀は武器じゃねぇよ。俺の武器は拳銃だけだ」

久道「?? では何故日本刀を集めているのだ?」

柳「決まってんだろ。見て癒やされるんだよ」

柳「あの美しいまでのフォルム。細かい装飾。そして張り詰めるような気迫」

柳「日本刀ってのは、芸術品だよな」

柳「俺が思うに────────」



~数十分後~



柳「───って、訳だよ。まあ、浪漫ってほどじゃねぇけど。強いて言うならだけど」

久道「…そ、そうであったか。な、なるほどなるほど!」

久道「ま、まあ、なんにせよ浪漫を持つのは良いことだ!」

久道「男は誰しも少年の心を持っているものだ! ヌワッハッハッハッ!!」

そう言って、久道は大きな声で笑った。


ふん……俺としたことが……久しぶりに語っちまったぜ。



久道の好感度が上がった。


《自由行動・9回目》

安価下2に会う(二人でも可)


《食堂》

偶然、食堂で絹月と鉢合わせした。

絹月「おや、柳さんではないですか」

柳「ああ、絹月か」

絹月「どうしました? 柳さん、元気がないようですが」

柳「別に…何でもねぇよ」

絹月「そういえば、柳さんに聞きたいことがあったのです」

柳「聞きたいことだと?」

絹月「はい。私、このたび皆さんのリーダーになりました」

絹月「やはり集団に必要なのは団結力だと思うのです」

絹月「そこで、何かイベントを行うことを考えついたのですが」

絹月「食事を兼ねたパーティーのようなものか、スポーツやゲームなどのレクリエーションのようなもの、どちらがいいでしょう?」

絹月「柳さんの意見を伺いたくて……」

絹月は大きな身体を揺らしながら尋ねてくる。

柳「そうだな……俺は…」



1 パーティー

2 レクリエーション

3 その他自由安価

安価下1


柳「じゃあ、レクリエーション? ってのでいいんじゃねぇか」

絹月「なるほど、わかりました」

絹月「他の方にも意見はうかがいますが、楽しいイベントを行うこと約束しましょう」

柳「強制で出させるつもりか?」

絹月「いえ、参加するしないは自由です」

絹月「ただ、できれば多くの方に来ていただきたいですね」

絹月「もちろん、柳さんも、です」

柳「ふん……まあ、気が向いたらな」

絹月「わかりました。それでは、また」

そう言うと、絹月は去って行った。


絹月……やけに行動が早いな。

そう言えば奴は【超高校級の保育士】だったか。

まるで俺らを赤子だと思ってるようだな。

どうせ、ああいう善人の気取った奴は皆一様に他人を見下すものだ。

きっとアイツも……



まあ、レクリエーションとやらには出てやっても良いか。

アイツらを殺さずに出るには必要なことかもしれないからな。



絹月の好感度が上がった。


《自由行動・10回目》

安価下2に会う(二人でも可)


《個室・柳鈴鉄》

自分の個室に戻り、くつろいでいると、呼び出しのベルが鳴った。

『ピンポーン…』

チッ、誰だ…?

俺の部屋に尋ねてくるなんて。

柳「しょうがねぇな」

かったるい身体を起こして、ドアを開ける。

すると…………

ガチャッ

理性院「おやー……やはりー……ここにいたのですかー……」

相変わらずの間延びした声にぼんやりとした目つき。

こいつは……

柳「テメェは…理性院だったか」

理性院「…はいー…わたしはー…理性院栞那ですー…」

理性院「……覚えていてくれたのですかー……ありがたきー……」

柳「いや、まあ別にそれくらい。というか、俺に何のようだ?」

理性院「……そうでしたー……わたしー…お話したいことがー……ありましてー……」

理性院「……ええとー…あれれー? そのー………」

理性院「……あなたのお名前ー……なんでしたっけー…?」

柳「は?」

理性院「……すみませんー……わたし、忘れっぽいものでー……」

柳「………チッ、俺は柳だ。柳鈴鉄」

理性院「ああー……そうでしたー…柳さんでしたねー……」

柳「ったく、昨日の今日で忘れるか? 普通」

理性院「人の記憶というのはー……案外、簡単に崩れるものでー……」

理性院「……そう、たとえばー……柳さんはー……わたしの超高校級の才能は覚えているでしょうかー?」

理性院の才能……?

あれ、確かに聞いたはずなんだが覚えてねぇな。

柳「え、えーと……」



1 超高校級の山伏

2 超高校級の宛名書き

3 超高校級の忘れん坊

安価下1


柳「……テメェは【超高校級の宛名書き】だったよな」

理性院「おやー……覚えていたのですかー……」

柳「ま、まあな」

正確に言えばさっきまで忘れてたが、思い出せたのだからセーフだろ。

理性院「……わたしなんかをー……覚えてくれていたとはー……とても嬉しきー……」

なんとも嬉しそうな表情じゃねぇが、どうやら喜んでるようだ。

そんなことで喜べるとはお気楽だな。

柳「ところで、結局、話したいことって何なんだ?」

理性院「……ああー……それはー………」

理性院「…………………………………………」

理性院「…………それはー……………………」

理性院「……忘れてしまいましたねー………」

柳「は、はあ!? 忘れた!?」

理性院「……申し訳ないー……思い出せたらー……また来ますー……」

理性院「ではー……お邪魔しましたー……」


い、行っちまった……

何だったんだアイツは?

理性院栞那か……何を考えてんのかさっぱり分かんねぇ。

というか、何か考えてるかどうかすら分かんねぇ女だ。



理性院の好感度が上がった。


理性院が去ってから、しばらくすると……


『ピンポンパンポーン…』

モノクマ『オマエラ! まもなく夜時間になります』

モノクマ『夜は闇の時間、暗闇に乗じて殺して殺して殺しまくれ!』

モノクマ『と言う訳で、それが恐い人は個室に閉じこもって寝て下さーい!』

モノクマ『ではでは、おやすみなさい』


モノクマの趣味の悪いアナウンスが流れた。

夜時間……ということは、もう十時か。

そろそろ寝るか。

経験上、この面倒くせぇ状況はおそらく長期戦になるだろう。

なら、体力だけは持たせておかねぇとな。


俺はベッドに潜り込む。

薄いとは言え、布団があるだけスラム街で過ごした子どもの頃よりいくらかマシだ。

まぶたを閉じ、ゆっくりと眠りについた。


【モノクマ劇場002】


モノクマ『ボクは思うのです!』

モノクマ『世界には足りないものが多すぎる!』

モノクマ『資源が足りない! お金が足りない! 時間が足りない!』

モノクマ『愛が足りない! 平和が足りない! 自由が足りない!』

モノクマ『争いが足りない! 憎しみが足りない! 狂気が足りない!』

モノクマ『そして何より……』


モノクマ『〝絶望〟が足りない』


モノクマ『うぷぷぷぷ』

モノクマ『うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ……』


『出典:モノクマ元帥のとても素晴らしいためになる演説』


と言う訳で、2日目終了したところで今回はここまでです。

次回は三日目、少しずつ物語が動き始めるかもしれません!

では、今日もありがとうございました!

おやすみなさい!

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