短編 凛 「女の子が一人ー」 (7)

「凛たちが通う音ノ木坂は生徒数がだんだん減って、空き教室が多いんだけど…」

「ある日、凛が一人のとき、空き教室の横を通ったにゃ」
「その時に、ふと、教室の中を見たんだけど…」
「中はもちろん電気も消えててカーテンも閉まってて何も見えないー。」
「見えるのは反射で鏡になって写る凛だけー。って思ったらー。」

「女の子が一人ー」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472213946

「ー空き教室だから、誰もいないはずなのに…」
「そう思ってもう一回見てみようと思った。なぜか怖くなかったし…」
「でも凛は見なかった―」

「なんとなく、見てはいけなかったのかも…」

「次の日も、その教室の横を通ったにゃ―」
「凛は教室の中を見た―。」

「昨日の子がまた―」

「もしかしたら凛、ドッキリのターゲットかにゃ?」
「なんて思ったけどー」
「何かが違う気がした。」

「雰囲気が…」

「少し考えたけど、その時はかよちんを待たせていたからすぐに離れた。」
「でも、やっぱり思った―」

「やっぱり、見てはいけなかったのかも…。」

「その次の日も、その次の日も、凛は教室にいる女の子を見たにゃ―。」
「四日間毎日見たのに、どういう姿だったのかははっきりしなかったにゃ―。」

「そして五日目、またあの教室の横を通った。」
「やっぱり女の子がいる…」

「そこまでにしておけば良かったのに、週の終わり、凛はすっきりしなくて…」

「入ってみよう」

「この日は何故か教室に入ってみたくなった―」
「だから…」

ガラガラ
「……」

「女の子はいなかったにゃ」

「あれ?って思ってドアを閉めた。」
「ドアの前に…」

「女の子が写っていたにゃ」

「少しびっくりして、もしかして錯覚?って思ってふと、後ろを振り返る。」


「女の子にゃ」


「凛が教室にいると思った女の子は、本当は凛の後ろにいたんだにゃー」終

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom