【艦これ】 提督「うちの艦娘達がちょっと年増なんだけど」 (28)

※この話の登場艦娘は全員78歳以上です。





「若人よ 誰かを守れる自分になろう――海軍予備学生募集」

大学構内の掲示板に張ってあったポスターを見て、僕は軍へ志願することを決意した。

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長期にわたる深海戦艦との死闘、悪化しつつある戦況。

大学生の徴兵免除が取り消されるという噂も広まった大学2年生の夏。

家族の嘆願を押し切り、入隊志願を提出。

半年間の訓練後現場への配属が決まる。

最高学府生であるため士官として志願通り海軍へと配置された。

そして1年間の現場経験の後、この鎮守府へと配属されたのだ。

総勢100名余りの老婆たちが集まるこの鎮守府に………

「お前も海軍か」

「そうだよな 陸でむさいオッサンに囲まれるより艦娘だよな」

「うへへへへ 霞たんと満潮たんどちらとケッコンしようかな」

同時に志願したこんな奴らのように

艦娘という美少女ロボがCMを行っている新兵歓迎募集につられたわけではない。

精巧に作られ、会話どころか妊娠出産までできるという人造人間など興味はない。

ただ敵の侵攻を考え、海軍こそが最も貢献できる場所だと感じたため海軍を志願した。

その中から艦娘部隊という倍率5万倍にも及ぶ部署を志願したのも戦略上の要所と考えたからだ。

決して 決して美女につられたわけではない。

無論、配属の面接時にも美女目当てなどとは一言も言わなかった。

だから現状にも満足しているはずだ。

金剛「HEY、提督ぅー! 触っても…いいのよ?」

80代後半くらいの婆がなんか言って…

見るに堪えない。

白髪のロングヘアーとかさかさの肌。曲がった腰がチャームポイントであり、白い衣装はまるで死に装束

なぜこのような老婆が戦っているのか
人造人間も老化すんのか
もう退役させてもよくないか
ポスターと話が違うじゃないか
なんで婆のくせに迫ってくんだ

色々な思いが脳裏を巡り、ただのため息へと変わる。

とりあえず福祉系の大学行けばよかったかなぁ。

比叡「……はぁ 寝てませんよぉ 寝てませんてばぁ」

高翌齢者は平気で訓練中も寝る。

死んだのかと思ってビビる。

榛名「榛名は大丈夫!! まだ席を譲られる年じゃないわぁ!」

すぐに我を張る

霧島「補聴器の音量が…チェック、ワン、ツー…はぁ もうちょっとだぁ
   えー、本日はお日柄もよく実にいい天気ですねぇ晴れですなぁ
   それでな司令さん…えーと」

話が長い

卯月「文字が小さくて漫画が読めないぴょーん」

目が悪い


睦月「語尾にぴょんとかつける老婆は流石にきっついにゃしぃ」

自分の言動をかえりみない


川内「夜戦…だぁ …zzz」

夜が早い


電「はわわ ぶつかっちゃったのです」

運転が下手

深雪「ぶくぶくぶく…」

毎日牛乳を飲むなどの行為が老後の骨密度に影響する模様

骨密度が低下すると軽度の転倒や衝突などでも骨折を招きます

赤城「ごはんはまだですか」

だからよく食べたほうが健康寿命的にはよろしいさっき食べたでしょ

こんな婆たちを使って頑張った。

僕は頑張った。

敵の深海棲艦に寝返ってケッコンしちゃおうかと思ったけども頑張った。

同じ白髪でもあっちのほうが楽しそうだけど頑張った。

加齢臭が辛くても頑張った。

水無月「みんなの長生きがなによりだねぇ」

皐月「あら。提督ちゃんかわいいね。おこづかいあげようか」

ロリ体型の婆は入浴介助が楽で助かった。

大和「注水を急いでくれぇ」

武蔵「風呂はいいのぉ…おーそこそこ」

アイオワ「バスもあるの? ニッポンの介護は丁寧ね!」

戦艦は入浴させると腰が軋む。

顔はしわくちゃなのに胸はデカ長くてイラっとくる。

その分が重量となるからだ。

砲撃の音で心臓が止まる奴がいればマッサージで蘇生させ

オムツの取り換えや腐女子の埋葬。お正月はおもちを細かく刻んであげた。

毎晩100人の曲がらない間接に油を差してやるのは大変な仕事であった。

戦闘になると数分だけ全盛期の力が出せるものの、それで力尽きるので
港から居住施設まで車椅子6往復が面倒だった。

幾年にも及ぶ戦いの末、勝利を納めたその日。僕は声をあげて泣いた。

これでおうちに帰れる……

軍令部長官「○○提督 その功を賞し海軍少佐へと昇格させる。並びにその退役を認める」

戦後は希望し、軍を離れることにした。

今後は経験を生かし、介護福祉士を目指そうと思う。
一人で100人超を介護していた経験を考えると楽なものだ。

軍令部長官「しかし君…若いのに物凄い趣味だな」

軍令部長官「婆専…か」

提督「趣味? なんのことでありましょうか?」

軍令部長官「いやいや 面接の時に女性の好み聞かれたろ?』

女性の…好み…?

そういえば聞かれて… 確か… 
「若い女なんてナヨナヨしたものには興味ありません」とか答えたっけ

長官「なに? それしか言わなかったのか? 聞き返されなかったか?」

長官「そうか… なんか…こう…意志の疎通に失敗があったようだね」

長官「すまんな 今度から面接官にはよく言っておくよ」

長官「容姿調整は士気のキー部分なのにな……」


そう言って長官が タブレットのボタンを押すと婆どもの顔や体が若々しく変わり……

承認済みの退任願はもう取り消すことができなかった。

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~艦~


本当は男だらけの鎮守府とセットでギャグ漫画にする計画内容。
老婆艦娘を描くのが楽しくなかったので止めました。

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