創真「ははあ、なるほど。お前は本当に分かりずらいやつだな」 (43)

こんにちは。

食戟のソーマの秘書子×ソーマのSSです。

原作ウル覚え&最近の展開は一切なしになってます。

えりなが入寮する前ぐらい? の長期休み? が舞台です。

いつも読むばかりだけど、どこかに転載されるといいな、そんな気持ちで書いてみるSS。

若干のキャラ崩壊と、秘書子の創真呼びが耐えられる方はお読みください。

興味があったら、ぜひコメント待ってます。

宜しくお願いします。


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 tel tel……

創真「はい、幸平創真です」

??「おう、創真。悪いな、ちょっと頼みごとがあるんだ」

創真「親父! ……てか、この番号どこの公衆電話だよ」

親父「はっはっは、まぁそんなことよりだな」

 カクカク シカジカ

創真「えぇ! 店がつぶれそうだから、少しの間回してくれ?」

親父「ちょうど休みだろ? そんなわけで、よろしく」

 ピッ ツゥーツゥー

創真「親父! おい! ったく、勝手に切りあがって……!」

秘書子「いっそ店を畳んだ方がいいんじゃないのか?」

創真「秘書子!」

秘書子「その名で呼ぶな。それよりも、だ」

秘書子「お前はえりな様を満足させる品も作れないくせに」

秘書子「そんな人間の作る料理を出すぐらいなら、いっそ、店を潰したらどうだ?」(上から目線)

創真「……んだとぉ?」

秘書子「まず学院でしっかり基礎を固めて、出なおした方がいい」

秘書子「店を回すなら、しっかり卒業出来るように学業に励めと言っているのだ」

秘書子「幸い、ここでなら勉強出来る。家などさっさと捨て置いて、せいぜい勉学に励むといい」

創真「……」

創真 ポン!(手を叩く音)

創真「ははあ、なるほど。お前は本当に分かりずらいやつだな」

秘書子「悪いが、心配など一切してないぞ。成績は良いみたいだし、休みぐらいいなくても問題ないだろう」

秘書子「何を勘違いしているのか」

創真「お前さては……」

えりな「緋沙子、ここにいたのね! って、創真君……?」ギロッ

創真「よう、薙切。二週間ぶりぐらいか?」

えりな「何言ってるの、昨日も会ったばっかりじゃない。たしか……」

秘書子「え、えりな様! 今日は、どうなされしゃったんですか?」

創真「おうおう、焦ってる~」

秘書子(ギロッ)

創真「~♪」

えりな「どうしたっていうか、探してもいなかったから……」

えりな「ていうか、何で幸平君といるの?」

えりな「こいつは私達の敵よ」

秘書子「いや、あの、それは……」

創真「……」

秘書子「聞いてください、えりな様!」

えりな「???」

秘書子「幸平のやつ、えりな様に自分の料理で満足出来ないからって……」

秘書子「あろうことか、えりな様の好物をこっそり知ろうとしているのです!」

えりな「べ、別にそれぐらいいいじゃない。むしろ好きなものだったら判断が厳しくなるし……」

秘書子「むしろ、嫌いな物を出して頭をノックアウトさせようとしてました」

えりな「っ! そうなの、幸平君!」

創真(……えぇ)

創真「まぁ、想像にお任せするよ。頭の中は規制出来ないから」

秘書子「だ、そうです。全く、せこいやつですね、幸平は。最低です」

えりな「そうよ! 嫌いなもので舌を狂わせようだなんて、下劣な作戦だわ!」

秘書子「そんなわけで、えりな様。ここは見逃してやりませんか?」

えりな「……え? なぜに?」

秘書子「この馬鹿は。男の風上におけないことまでして、えりな様に参ったと言わせたがっているのです。最低の男ですね、底辺です」

秘書子「しかし、そんな下劣な行為がバレて、さらにえりな様を満足させらないと知ったら、彼は明日にも首を吊って庭に落ちているかもしれません」

秘書子「いくら怨敵といえど、間接的に手を下したとなっては目覚めも悪いでしょう」

秘書子「というわけで、えりな様。ここは一つ、私達の会話を聞かなかったことにして、立ち去ってもらえませんか?」

秘書子「私はこいつを叱る義務があります」

えりな「うん、分かったわ……って何よそれ!」

えりな「どうして私が立ち去る流れになってるのよ!」

創真「どうどう」

創真(たまに秘書子は訳が分からなくなるな。今のは、自分でも理解出来てないだろうに)

えりな「だいたい、幸平君。あなた昨日も廊下で話したわよね。私達と」

えりな「もしかして、緋沙子のことが好きなの?」

創真「ちょっと待て。どーして、そんなお花畑な発想になるんだ」

えりな「だ、だって、最近異常な頻度で会ってる気がするから……」

えりな(別に漫画の読みすぎ……じゃないわよね)

えりな「ありえないとは思うけれど……緋沙子、もしかして幸平君と付き合ってるのかしら?」

創真(少し話していただけでそんなことを言うなんて、何か吹き込まれてるのかね)

秘書子「何を言うんですか。そんなこと、あるわけないでしょう」

えりな「本当に? 本当かしら?」

秘書子「ええ。彼と付き合うぐらいなら、私は料理人になる道を諦めます」

えりな「そ、それは凄い覚悟ね! よく真顔で言い切ったわ」

秘書子「当然です」

えりな「それでこそ、私の知ってる緋沙子だわ」

創真「……何を目指してるんだか」

えりか「じゃ、じゃあもしかして……」

えりか「私に会いに来てる、とか?」

秘書子(ギロギロ)「ぉぃ、そうなのか?」

創真「ち、違う! その凍てつく視線やめろ、怖いから」

秘書子「本当に? 一切、邪な目で見てないと、私に誓えるか?」

創真「誓う、誓うから。……アホらしい、当たり前のこと聞くなよ」

えりな「それは失礼じゃないかしら? ねえ、幸平君?」

秘書子「……」

創真「あ、あー、言い過ぎたかもな」

創真(いや、照れるなよ、おい…)

創真「とにかく、ちょっと家が潰れそうだから、店を開けなくちゃならねーんだ」

えりな「あなたも大変ね。でも、学院の勉強を疎かにしていいのかしら?」

えりな「君は私を満足させる品も作れないくせに」

えりな「そんな人間の作る料理を出すぐらいなら、いっそ店を潰した方がいいんじゃない?」(上から目線)

秘書子「えりな様?」ジー

えりな「え、えぇ!? なんで緋沙子が怒ってるの?」

創真「とにかく! そんなわけで、少し留守にするから」

創真「お土産持って帰ってくるから、じゃあな」

えりな「あ、そう。そのまま帰ってこなくていいのよ?」

えりな「あなたがいない方が学園が平和でいいわ」

秘書子「全くですね、えりな様に同意します」

秘書子「約束を破るのはいつも男の方」

秘書子「誰が悪い、忙しい、難癖付けて。同じ人間として信じられないですね」

秘書子「ロクでもない男は、ドラマや漫画だけではありません。ええ、良く知ってますとも」

秘書子「ここにも一人」

秘書子「幸平みたいな人間は、馬の脚にはねられて塵になればいい」

創真「……」

えりな「……」

創真「……」

えりな「ひ、緋沙子?」

創真「てか」

創真「なんか、すっぽん料理でもめてるらしくて(嘘)」

秘書子「!」

創真「その、手伝ってくんね、秘書子?」

えりな「緋沙子はすっぽんの調理が上手いものね」

創真「ああ。秘書子来てくれると、すごく助かるんだが……」

秘書子「……仮にも学友となった片割の家が潰れては、目覚めが悪い」

秘書子「事情を知らなければ、幸平のことは捨て置いたのですが……」

えりな「さっきまでボロクソ言ってたのに、急に態度を変えたわね」

秘書子「少しの間、手伝ってきてもよろしいでしょうか? えりな様」

えりな「……仕方ないわね。本当に少しの間だけよ」

創真「……はぁ」

創真(そういや長期休みにどっか行こうって、言ってたか)

 ――ガタンコトン。京浜東北。

秘書子「~♪」

創真「で、出発から一時間が経過」

創真「いつまで俺の肩に首を乗せてるつもりだ?」

秘書子「いいではないか。別に重たいわけでもないだろっ」

創真「……相変わらず可愛い顔してるな」(ぼそっ)

秘書子「!?//////」カァァァァ

秘書子「ところで、えりな様も創真のことが好きなんじゃないか?」

創真「? ……ああ、さっき変なこと言ってたな」

 ――回想。

えりな『あなたも大変ね。でも、学院の勉強を疎かにしていいのかしら?』

えりな『君は私を満足させる品も作れないくせに』

えりな『そんな人間の作る料理を出すぐらいなら、いっそ店を潰した方がいいんじゃない?』

秘書子「考えてみると、ほとんど私と同じ台詞じゃないか!」

 ――回想

秘書子『お前はえりな様を満足させる品も作れないくせに』

秘書子『そんな人間の作る料理を出すぐらいなら、いっそ店を潰したらどうだ?』(上から目線)

創真「そうだな。秘書子の場合、意訳すると……」

創真「休みでも、もっと私と一緒にいろって、意味だもんな」

秘書子「//////」コクリ

創真「それとも、家を潰して、私と一緒に住め、ぐらいの意味もあったのか?」

秘書子「いや、創真は……寮住まいじゃないか。せめて実家ぐらい、私は一緒でもいいと思ったんだ」

創真「へー、ほーん」

創真(どんな発想だよ)

秘書子「そんなことよりだ……ど、どうだろう!」

創真「薙切が俺を好きかって? う~ん、考えすぎだろ」

秘書子「でも、もしそうだったら、私の好きな人が二人の三角関係に!」

秘書子「くっ選べない……」

創真「やっぱり考えすぎだろ」

創真「いやだからさ、薙切も少しおかしなところがあってさ」

秘書子「ん? 健康そのものだぞ?」

創真「なんか、俺とお前の疑ってきたじゃん」

秘書子「あ、ああ」

秘書子「でも、毎日会ってるから、さすがに怪しむんじゃないか?」

創真「んー俺の見立てだと、薙切って料理一筋で、恋愛脳の要素が全くなかったと思うんだよね」

創真「何か変わったと言うか、もしかして秘書子……」

創真「知らずにのろけたりしてるんじゃないか?」

秘書子「いや、違うと思うぞ」

秘書子「たぶん、えりな様に少女漫画を貸してるから。その影響だろう」

創真「ほー少女漫画ねぇ」

秘書子「第一、私はのろけるにしても相手を選んでいる」

秘書子「せいぜい田所か、榊か吉野かだ」

創真(寮生、てか俺の周りばっかじゃん)

秘書子「だから、えりな様に見つかるような轍は踏まない。あとはアリス様か」

創真「いつか絶対にばれるよ」

創真「ま、まあそうだよな。見つからないように、秘書子は嘘をついてたもんな。えりな様に」

創真「やるじゃねえか、ちょっと驚いたぜ」

秘書子「なっ! いつ、どこで、私が?」

創真「いやだって、幸平と付き合うぐらいなら、料理人なんか目指さない~って、啖呵切ったよな」

創真「必死になるにしても、さすがに良くなかったんかないのか? 将来的な意味で」

創真「さすがに、俺たちの関係をいつまでも隠すことは出来ないだろ」

秘書子「まぁ、それはそうなんだがな。けど……」

秘書子「えりな様に見つかるとか、それ以前に……思うだがな、創真」

秘書子「浮気って、定義が難しいと思うんだ」

秘書子「一般的には、キスしたり、手を繋いだり、二人でご飯を食べに行ったり、5秒以上見つめ合ったりが浮気なのだが」

創真「なかなかに厳しいのな、秘書子も守れよ」

秘書子「当たり前だ! ……まあ、私に言わせれば、大事な何かを相手に預けることが、浮気だと思うんだよ」

創真「お、今のは嬉しかった」

秘書子「いいから、私の話を聞け」

秘書子「私にとっては……自分の手料理を、創真以外に食べさせることが、浮気だと思うんだ」

秘書子「もちろん、女子や教諭、必要最低限は除くぞ」

創真「なるほど。けど、秘書子は今、学校で料理に励んでいるじゃないか」

創真「この学校で得た知識は、三年間は、一生において無下に出来ないだろ」

秘書子「……」

創真「一緒に学ぶ中で吸収した技術、経験」

創真「秘書子は将来、誰のために料理をするんだ?」

秘書子「それは………………ま」

創真「聞こえないぞ?」

秘書子「創真だけのためだ!」

創真「……」

秘書子「//////」カァァァァ

創真「もう一回、言ってもらっていい」

秘書子「ふん、二度と言わん」

創真(耳たぶが赤い……)

秘書子「それに、私の希望は料理人じゃなくて……」

秘書子「お前と家庭を持つことだったりするから……」

創真「……」

秘書子「……言ってなかったけど」

創真「知ってたけど」

秘書子「なにっ?」

創真「いやだって、聞いたじゃん、あの時。何目指してんだかって」

創真「知ってて聞いたから、睨んできたんだろ」

 ――回想

秘書子『ええ。彼と付き合うぐらいなら、私は料理人になる道を諦めます』

えりな『そ、それは凄い覚悟ね! よく真顔で言い切ったわ』

秘書子『当然です』

えりな『それでこそ、私の知ってる緋沙子だわ』

創真『……何を目指してるんだか』

創真「な?」

秘書子「――くッ」

創真「よろしく頼むぜ」

秘書子「……創真はイジワルだ。なぜそんなことをする?」

創真「いやだって、一応聞きたかったし。実はすげー嬉しいよ」

秘書子「そうか。まあ、喜ばれるなら、悪い気はしないか……」

秘書子「別にチョロい人間だとは思われたくないが、それなら許そう……」

秘書子「なんだか眠くなってきたし、そろそろ寝ようかな」

秘書子「創真の膝で……」

創真(周りの視線が……)

乗組員学生A(いちゃつきあがって……)

サラリーマンC(こういう若者が社会をダメに……)

創真「ところで秘書子、お前の浮気論理だと、俺も秘書子にしか料理をふるまえないんだが、どうすればいい?」

秘書子「……」ガバッ

創真「ひ、秘書子?」

秘書子「なあ、創真」

秘書子「今ここで、誰にも浮気をしないと誓えるか?」

創真(嘘だろぉ、おい……)

田所恵(……)

田所恵(なんか変なバカップルに遭遇しちゃったよぉ……)

――fin

す、すみません…。

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