男「妹が天使だった」 (16)

始めに訂正をしておこう。
僕の主観で妹が天使なのではなく、世間一般的に見て天使だったのだ。
見た感じ羽も生えてるみたいだし、もう訳がわからない。


妹「ちなみに、お姉ちゃんは悪魔です」


姉は悪魔だったみたいだ。
これが悪い夢なら覚めてくれと切に願う。

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──この世界には、天界と魔界、そして人間界の3つの世界がある、昔は3つの世界で、この世の世界全てを治めるための三つ巴の戦争がよく起こっていたらしい。僕が小さい頃によく聞かされていた話だ。

ただ、それは遠い昔の話であって、今現在においては天界と魔界。この2つの存在は確認されておらず、存在事態を否定する者もいる。

ある時期をもって人間界は天界と魔界との接点が切れてなくなってしまった。僕はそう考えていた。

友「まーた、お前は昔の文献なんて読み漁ってるのか」

男「いいだろ、別に」



この悪態を付いてくる奴は、俺の親友だ。年がら年中本と格闘している俺なんかに声を掛けてくる変人でもある。


友「いや、俺は構わないんだけどさ、妹ちゃん柱の影で男のことじっと見てたもんだからちょっち可哀想だなと思ってさ」

男「……妹?僕に妹なんていないよ」

友「あれ?そうだったっけ?っかしーなー?」

友「まあなんにしろ、あの柱にいる子、男の知り合いだろ?早く行ってやれよ」


僕は友が指を指す方向を凝視してみた。
確かに人がいる。それも小柄で大人しそうな可愛らしい感じの子だ。
そんな子が僕を遠くからじっと見つめていたわけだ。
ただし、僕はあの子のことは知らないし決して妹なんかではない。
あとで訂正しておかないとな。僕にあんな可愛らしい知り合いなんていないってさ。



男「わかった、とりあえず言いたいことはたくさんあるが、じっと見つめられてるのは確かみたいだから行ってくるよ」

友「ほいよ、じゃあ俺はお先に帰りますわ」

男「いいのか?お前が好きそうな可愛い子なのに……」

友「んー、確かにそうなんだが、あれはやっかい事を抱えてそうなパターンだ、止めとくよ」

男「ん、まあ確かになにかありそうだけどさ……」

友「ってなわけで、また明日な!」



そう言うと、矢継ぎ早に去っていった……あの薄情者め。
それよりあの子だが、友との会話中もずっとこっち、と言うよりは俺をか。
一点にじっーと見つめられてるのはいい気はしないなあ。



男「おーい、そこの君!僕になにか用事があるのかい?」



1度遠くから呼び掛けてみたが、柱にいる可愛らしい子はビクッと身体を震わせただけで反応がなかった。いや反応はしてたけどさ。
ちなみにビクッと震えてる姿は非常に可愛らしかったまる。

だがしかし、これでは拉致があかないのでこちらから接近を試みる。お願いだから逃げないでね。
幸い、僕が近づいてもこの子は逃げたりはしなかった。


男「君はさっきから僕のことを見ていたみたいだけど、なにかあったのかな?」


近くまで来てみて改めてビックリする。この子はなにか人を寄せ付けて離さないような魅力を感じる。それなのに今すぐにでも消えてしまいそうな儚さも感じた。僕はなぜかこの子から目が放せなくなっていた。



妹?「あなたが男さんですね?」


男「えっ?ええっそうですけど……」



いきなり名前を訪ねられてどもってしまった。いけないいけない、見とれてる場合じゃないな。



妹?「今日からあなたの妹ととして、お世話になります」



礼儀正しく頭を下げてくる妹のお世話をすることになったのであった……

とはならないわけで、いきなり過ぎてそれはテンパるよな、うん。


男「とりあえず理由を聞かせて貰えるかな?」

妹?「あなたのご両親にはもうお話は通してありますので……」

男「えっ?うちの両親に?」


うちの両親は今は外国にいるはずなんだが……
でも、髪の色は金髪だしこの子はもしかして外国の子なのか?


妹?「そのっよろしくお願いしますね?」

男「はあ」


こうも頭を下げられたらこっちも困るなあ。
一旦うちで預かってあとで両親に確認してみるかな。

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