弟「俺が姉貴をこんなに気にするワケがない」 (116)

姉「弟ー宿題やったのー?」

弟「はいはい、やっとくやっとく」

姉「返事は短く一回でって言ってるでしょ」

弟「はいはい」

姉「もー」

姉「男君の爪の垢でも煎じて飲ませたいよ」

弟(また、男先輩の話かよ)

姉「男君すごいんだよ、この前のテストも学年1位だったし」

弟「そりゃ凄い」

姉「それに比べて弟は」

弟「なんだよ」

姉「聞いたよ英語、赤点なんでしょ」

弟「俺は日本語も半人前なのに、英語の勉強なんておこがましいと思わない?」

姉「ああ言えばこう言う」

弟「だいたい、誰に聞いたんだよ」

姉「物理の先生」

弟「なんで、アイツが英語の成績知ってんだよ」

姉「先生に対してアイツとか言わない」

弟「はぁ~先生様が何で英語の成績を知っているのでしょうか?」

姉「先生も心配してくれてるってことでしょ」



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弟「そんなんじゃねぇ、面白がってるだけだ」

姉「なんで、そんなこと言うのかな」

弟「ニヤリと笑った時の顔、ありゃ悪魔だ」

姉「えぇーすごく綺麗で優しい先生なのに」

弟「いくら表面を見繕っても、チラチラと本性が見える」

姉「あ~もう、昔は可愛くて素直な子だったのになー」

弟「今も可愛いだろ」

姉「全然可愛くない」

弟「言い換えよう、愛嬌があると」

姉「いつの間にかに私より背が高くなってるし」

弟「背はしゃあねぇよ」

姉「汗臭いし、筋肉硬いし」

弟「筋肉は関係ねぇだろ」

姉「まったく、口答えばっかり」

弟「なこ言われてもねぇー」

姉「昔は事あるごとに『お姉ちゃーん、お姉ちゃーん』って五月蝿かったけど従順だったのにさぁ」フン

弟「一言、余計だっての」

姉「姉の言うこと聞かない愚弟には、チョップ、チョップ」エイエイ

弟「なにやってんの?」

姉「姉からの鉄拳制裁」

弟「はぁ?効かねぇっての」

姉「これならどーだ」

バッチーーン

弟(なんだ、この無駄に本格的なローキックは?やべちょっと痛いが)

弟「…き、効かぬわ」

姉「……」

ガシ

弟「なんだよ急に」

クルッと

弟「へ?」

バーーーン

弟(大内刈りからの背負投だと…)

姉「どうだー!参ったか!姉に勝とうなんぞ100万年速いのだ!!」

弟「そんなことより、見えてんぞ」

姉「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろーー!!!」ゲシバキガキドカ

弟「ばk、痛ぇ 蹴るな オイ、顔面を蹴るn」

弟「無抵抗な弟の顔面を蹴るか普通?」

姉「あ、あれは弟が悪いんです」

弟「不可抗力だろ」

姉「それでもです」

弟「だいたい、誰が姉貴のなんか見て喜ぶっつ-んだよ」

姉 ムカ

弟「怒るなよ」

姉「怒っていません」

弟「なに?見られたかったの?」

姉 ムカムカ

弟「OKわかった、この話はここで終了だ」

姉「とにかく、私は弟が心配なのです、男君の十分の一いや百分の一でもいいので見習いましょう」

弟「はいはい」

姉「もうーだから返事は一回でって言ってるのにー」





学校

友「そんで、政さんがオーストラリアでレンガ職人になるって言って沖縄に行ったんですよ」

弟「あぁ」

友「ってか、聞いてます俺の話?」

弟「あぁ」

友「さっきからどこ見てるんッスか?」

弟「あぁ」

友「あれは男先輩? 兄貴ってホモなんッスか?」

弟「あぁ」

友「えっ」

弟「えっ」

友「た、たとえ兄貴がホモだったとしても、俺はそれを受け止めてみせます」

弟「何言ってんだお前」

友「いや、兄貴がホモだって話で

弟「んなわけあるかよ」ボコ

友「イテー、だって自分で認めたじゃないッスかぁ~」

弟「なこと言ってねぇ」ボコ

友「えぇ~、理不尽ッスよ」

弟「ったく」

友「でも、男先輩には関わらない方がいいですよ」

弟「なんでだよ?」

友「だって、あの男先輩ですよ。文武両道・眉目秀麗・謹厳実直・質実剛健で校内一の有名人ですが、超弩級シスコン野郎」

友「そんで、その妹があの双子」

弟「お前がいつも言ってるあれか」

友「頭脳明晰で柔和温順、お淑やかで触っただけで壊れそうな双1ちゃん」

友「運動神経抜群で明快闊達、男子とも気兼ねなく話し、ポニーテールが最高の双2ちゃん」

弟「四字熟語好きだな~お前」

友「趣味的なもので」

弟「ってか、なんで双子がでてくるんだよ」

友「何言ってッスか、俺らの学年じゃ双1派と双2派が二大派閥なんッスよ。この双子が学校に与える影響力は計り知れない」

弟「男先輩は関係ないだろ?」

友「たださえ、双1派と双2派は対立していて近々、戦争が起きそうな時期に双子の兄こと先輩とめたら大変なことになるじゃないッスか」

弟「なんだよ、戦争って」

友「わかってないッスね」

友「よく、お好み焼き・もんじゃ焼き、関西風・広島風で揉めてるでしょ」

友「人間ってのはくだらないことで揉めるんですよ」

弟「わからないでもないが」

友「どちらも美味しいって言える奴が少ないんです」

弟「なんで、粉物メインの話を持ってきた?」

友「それは、個人的な好みでして」

弟「お好み焼き食いたくなってきた」

友「いいッスね、食いに行きましょう」

弟「そうだな」

友「おぉっと、危うく話をそらされる所だった」

弟 チッ

友「とにかく、俺は断然、双2ちゃんですけどね。普段は明るく元気な子ですが将来は三歩下がって歩く様な男を立てるいい女になりますよ」

弟「お前の妄想だろ」

友「いやいや、絶対そうなりますって」

弟「そんなもんか?」

友「絶対にそうなります」

弟「その自信は別のものに向けてくれ」

友「そんで、兄貴はどっち派なんですか?」

弟「どっちかって言われてもな、よく知らねぇし」

友「何でもいいんですよ、顔とかスタイルとか性格とか」

弟「なこと言われてもな」

友「まぁ兄貴には姉御がいますからね」

弟「な、なに言ってんだお前」

友「どうせ今回も、姉御がらみでしょ?」

弟「ば、馬鹿ちげーよ」

友「もう、わかりやすいんだから」

弟「お前のそういう所が嫌いだわ」

友「ひどいッス、生まれながら兄貴の舎弟なのに」

弟「出会って一年も経っていない赤の他人で同級生だろうが」

友「時間なんて関係ないッスよ、俺の想いで過去を変えて見せます」

弟「あぁ、がんばってくれ」

友「がんばります」

友「おぉっと、また話をそらされるとこだった」

弟 チッ

友「いやでも、イケメン糞シスコン野郎の男先輩が姉御に好意を寄せていたとは驚きッス」

弟「男先輩が姉貴の事を好きかどうかわからん」

友「えっ?」

弟「姉貴は男先輩が好きかもしれん」

友「えぇー、それなら邪魔しちゃ駄目ッスよ」

弟「なんで俺が邪魔するんだよ」

友「だって、兄貴はシスコンじゃないっスか!!」

弟「はぁ?」

友「ちょ、ちょっと待って待ってください振りかぶらないで右手を!」

弟「お前が意味わからねぇ言うからだ」

友「えー本当の事を言っただけなのに」ボソ

弟「なにか言ったか?」

友「なんでもないです、はい」

弟「とにかく、俺はホモでもないし姉貴が誰と付き合おうがどうでもいい」

友「でも、ちょっと気になる?」ボソ

弟「……」ジー

友「何ですか?」

弟「蒸発しないかなって」

友「いやいやいや、そんな簡単に蒸発しないですよ人間は」

弟「……」ジー

友「もう大丈夫です、わかりましたから」

弟「…何が?」

友「俺と兄貴の仲ですから言葉をかわさなくてもわかります」

弟「……」ジー

友「だから蒸発しないから!ゴミを見るような目をしないでくださいよ」

友「とりあえず、俺に任してください男先輩の事を色々調べときますから」

弟「余計なことすんなよ」

キーンコーンカーンコーン

弟「まぁいいや、次サボるわ」

友「次って物理でしょ、先生綺麗なんだから見とかないと損ですよ」

弟「アイツ嫌いなんだよ」

友「なに言ってるんですかっ!あの笑顔の裏に隠れる悪魔の様なところ最高じゃないッスか!」

弟「いや、俺はそんな性癖じゃないしお前の性癖にも興味ない」

友「はぁ~兄貴もまだまだですね」

弟「なにがだよ」

友「じゃあ、サボり頑張ってください」

弟「何を頑張るんだよ…」

弟(さて、いつものとこ行くか……)

とある倉庫化した空き教室にて

双1(先生に頼まれてきたのはいいけど)

双1(高い位置にあるなーどうしよう)

オロオロ

弟「どうかしたか?」

双1「えっ」

双1(なんで、ここに弟君が)

双1「その…荷物を持ってくるよう頼まれて…でも高い位置にあって…」

弟「どれ?」

双1「一番上にある…右側の…」

弟「これ?」

双1「それです…」

弟「わぁーキタネー、しかも重い」ヨイッショ

双1「あ…ありがとうございます…」

弟「あぁ」

双1「私…持ちます…」

弟「重いし汚れるからいいって」

双1「でも…」

弟「ほら、俺汚れちまったし二人共汚れる必要ないだろ」

双1「わかりました…」

弟「どこに運べばいい?」

双1「物理準備室に…」

弟「アイツの所かー、はぁ~しゃあねぇ、居ねぇこと祈るか…」

双1「すみません…」

弟「謝ることたぁねぇーよ、俺が嫌いなだけだし」

物理準備室移動中

双1「…」

弟「…」

双1「…」

弟「…」

双1(なにか、喋ったほうがいいのかな?)

弟「…」

双1(そもそも、弟君と喋ったこと無いし)

双1(怖そうだし)

双1「…その…なぜ、あの教室に…」

弟「サボりだよサボり」

双1「さっきの授業…」

弟「そうそれ」

弟「あの教室って倉庫代わりになっててごちゃごちゃしてるだろ、中にいてもバレないし、日当いいからな」

双1「でも、鍵が…」

弟「合鍵、パクった」

双1「えっ鍵を…」

弟「この学校って、合鍵の管理は適当であの部屋もあんまり使ってないからバレないだよなー」

双1「そうだったんですか…」

弟「…」

双1「…」

弟「…」

双1「…」

双1(会話途切れちゃった…なにか、話題は…)

弟「…」

双1「あの…姉先輩は男君のお姉さんですよね…」

弟「そうだけど」

双1「私、姉先輩とは同じ部活で…」

弟「へぇー姉貴と」 

弟(ん?姉貴の部活の後輩で男先輩の妹ってことだよな)

弟(今回のキーマンじゃん)

弟(神は俺を見放してはいなかった、貴重な情報源をありがとう神よ)

双1「なにか気に触っることでも…」

弟「いやいや、ちょっと、神様に感謝してたとこ」

双1「かみさま?」

弟「気にしないでくれ」

双1「はぁ…」

弟(ここは、慎重かつ自然に姉貴と男先輩の情報を引き出さなねーと)

弟(でもな、どうやって聞くんだ?突然、姉貴や男先輩の話しをしたらおかしいだろ)

弟(そもそも、双1さんとは初めて喋ってんだぜ?)

弟(『姉貴って部活じゃどうなの?』いや、フレンドリーすぎるか?」)

弟(『姉貴が迷惑かけてない?』保護者じゃねぇんだからな)

双1「あの…」

弟(う~んどうしたものか…)

双1「あの…」

弟「おお、どうした?」

双1「準備室…つきました…」

ガラ

弟「ちわーッス、お荷物をお届けに参りましたー」

先生「おい、弟。なぜ私の授業をサボった?5文字以内で説明しろ」

弟「だるいから」

先生「アホ丸出しの答えだな」

弟「5文字じゃ俺の全身全霊の説明ができるわけないだろ」

先生「授業を受けてないと、こんな馬鹿になるから気をつけてね双1さん」

双1「そんなことは…」

弟「じゃあ、そういうことで」

先生「オイ、なに帰ろうとしてんだ」

弟「用は済んだので速やかな帰宅を」

先生「学校まだ終わってねぇよ」

弟「じゃあ、早退で」

先生「却下っと言いたい所だがその代わりに…」

弟「なんだよ」

先生「今から言うことを守ればば、サボりに関しては見逃してやろう」

弟「取引ってか?いいぜ」

先生「放課後でいいから、この部屋片付けといてくれ」

弟「あっ、結構です」

先生「遠慮するな」

弟「ふざけんな、一日二日で終る量じゃねぇだろ」

先生「やれ、留年させるぞ」

弟「あ、ハイ」

先生「双1さん、荷物ありがとうねー」ニコ

弟「運んだの俺なんだが」

先生「あ”?」

弟「なんでもないです」

放課後

弟「おい、友さぁー」

友「スイマセン、ちょっと用事がありまして。お先に」

弟「なんだよ」

弟(どっすかなーバックレるかー)

双1「あの…」

弟「ん?」

双1「物理準備室の片付け…私も手伝います…」

弟「へっ?」

双1「今日、色々と手伝ってもらったので…」

弟(その好意がつらい、バックレられない)

弟(アイツこの事、見越してたのか?)

弟(いや、さすがに無いかー)

双1「どうかしましたか…?」

弟「じゃあ、頼むわ。ありがとな」

双1「いいえ…そんな大したことじゃ…」

弟「部活とかは大丈夫か?」

双1「はい、さっき姉先輩にメールしたので…」

To be continued? ←
To be concluded?

物理準備室

弟「こりゃヒデーな」

双1「そうですね…」

弟「重そうなもんは俺が端に動かすからさぁ、双1さんは細々としたのを頼むわ」

双1「分かりました…」

弟「…」

双1「…」

弟「…」

双1「…」

弟(さて、せっかく二人きりなんだ。どうやって姉貴の話をするかな)

双1(んー黙々と片付けてるし喋りかけたら邪魔かな?)

弟(大丈夫だ、俺の巧みな話術を持ってすれば)

弟「あのさぁ」双1「あの…」

弟「すまん、そっちからいいぜ」

双1「いえ…弟君からで…」

弟「そんじゃ、俺の姉貴のことなんだが」

双1「姉先輩ですか…」

弟「最近、ちょっと様子がおかしいというか…」

双1「様子?ですか…」

弟「悩み事があるっていうか…」

双1「心配されてるんですね」

弟「いや、俺じゃなくて……親父が…そう、親父が心配してて」

弟「そんで、イライラしてるのか俺に当たるんだよ。親父は柔道やってたから」

双1(う~ん、柔道は関係あるのかな?)

弟「いやー、いい迷惑なのねこれ。さっさと解決してもらいたいんだが」

弟「俺が直接聞くのも姉貴の性格上、余計な心配しちゃうだろ?」

弟「だから、双1さんがなんか知らないかな~って」

双1「すみません…心当たりはないです…」

弟「じゃあ、こうしよう。姉貴の様子とか俺に教えてれるとありがたい」

双1「それなら…お役に立てるかも…」

弟「あとこの事は他言無用で、姉貴は顔が広いからどっかから情報が漏れてもいけないし」

双1「分かりました…微力ながら協力させて頂きます…」

弟(完璧だ、俺が姉貴を気にしていることは微塵も感じさせない巧みな話術だった)

弟「今日はこのぐらいでいいだろ」

双1「そうですね…」

弟「悪いな、こんな時間まで」

双1「いえ…そんなことは…」

弟「正直、助かったわ」

双1「私なんかでよければ…」

弟「時間も時間だし、送っていくわ」

双1「そんな…気を使わなくても…」

弟「ありがた迷惑かもしれないが、俺のせいで何かあっちゃ困るし」

双1「それじゃ…お言葉に甘えて…」

駐輪場

弟「じゃあ、このメット使って」

双1「これって…」

弟「あっ、大丈夫。おろしたてのメットだから、全然綺麗で臭くないし」

双1「そうではなくて…」

弟「やっぱきになるよなーごめんな、今日はそれで勘弁してくれ」

双1「あの…バイクに乗るんですよね…」

弟「おう、ちゃっちゃと送ってやんよ」

双1(バイクって怖そうだな)

双1「……」

弟「どうした?」

双1(覚悟決めるしか)

双1「宜しく…お願いします…」

弟「じゃあ、行こうか」

双1「あの…ヘルメットが…」

弟「おっと、危ねぇーノーヘルで捕まるところだったわ」

弟「とりあえず、隣のバイクのを」

双1「それは…他の人のじゃ…」

弟「あぁ、貸してたやつだから大丈夫」

双1「はぁ…」

双1(絶対に嘘だ…)



バイク帰宅中

双1(あ~怖い、怖い、怖い、目を瞑っても怖い)

双1 ギュ

弟(おぉ、何この柔らかい感触)

弟(こっちから、話しかけても聞こえてない感じだし)

弟(あれ、もしかして怖がってる?俺やっちまった?)

双1(やっぱり、バスで帰ればよかったかな)

双1(あれ、止まった。着いたのかな)

双1(あ~信号待ちか)

弟「動くよ」

双1「は、ハイ…」





ブロロロロオー

双1「あ…」

弟「どうした?」

双1「夕日が…」

弟「綺麗だろ」

双1「綺麗です」

弟「バイクに乗ってるとやたら綺麗に見えるんだよね」

双1「すごく綺麗です」

弟「そりゃよかった」

弟「でもごめんな、怖かっただろバイク」

双1「最初は…怖かったんですけど…」

双1「バイクって気持ちいいですね」

双1家に到着

双1「弟君…ありがとうごさいました…」

弟「おう、じゃあな」


双2(ありゃ、コレはびっくり)

双2(双1が男とそれもバイクで帰ってくるとは)

双1「あっ、双2ただいまー」

双2「目の前に居たのに気付いてなかったの?」

双1「全然、気付かなかった」

双2「ふ~ん、それはそれは随分お楽しみなさったようで」

双1「うん、バイクすごく楽しかった!!」

双2「いや、そうじゃなくて」

双1「うん?」

双2「まぁいいや」

双1「変なのー」

双2(これは、面白いことになりそうだ)


弟帰宅

弟 ガチャ

友「兄貴、おかえりなさいっス」

姉「遅い、夕ごはん食べちゃうところだったんだからね」

弟「飯ぐらい、勝手に食べろよってかなんでお前が居るんだよ」

友「そりゃ、兄貴の舎弟ですから」

弟「放課後、逃げたくせに?」

友「いやーどうしても外せない用事がありまして」

弟「どうだか」

友「だから、お詫びの品をこうやってお持ちした次第で」

姉「友くんが街角のケーキ屋さんのモンブラン持ってきてくれたんだよ」

弟「それで、タダ飯を食うと」

友「そうではなく、姉御のご行為で」

弟「俺、モンブラン嫌いなんだが」

友「姉御の好みに合わせました」

姉「でかした」

友「当然ですよ当然」

ダイニング

姉「今日は、カレーなのです」

友「うぉ!!!!!カレー大好なんッスよ」

姉「たくさん作ったから、どんどん食べてね」

弟「なに、馴染んでんだ」

友「そんなー嫉妬しないでくださいよー」

弟「あ”」

友「ちゃんと調べてきましたから」

弟「それを早く言えよ、よし俺がついでやる」

友「いや、その、あれ、なんか福神漬の量多くないッスか」

弟「俺が考えた最強のバランスだ」

友「これ、6割は福神漬けッスよ」

姉「こら、食べ物で遊ばない」

友「大丈夫ッス、兄貴が俺のために、あぁ福神漬の味しかしない…」



弟の部屋

弟「そんで?」

友「はい、男先輩はシスコン以外完璧です」

弟「つかえねぇなー」

友「しかたないッスよ。学校一の俊才、空手部部長で全国大会経験者、真面目で誠実、シスコンも言い換えれば妹思いの兄ってことでしょ」

弟「……」

友「次元が違いすぎて、俺なんかじゃ理解できないッスよ」

弟「……」

友「欠点?弱点?そんなもんあるんでしょうか」

弟「……」

友「こんな男が近くに居るってだけで奇跡じゃないッスかね?姉御が惚れるのも仕方ないんじゃないッスかね?大人しく見守ってやるのが男じゃないッスかね?」

弟「いや、ダメだ」

友「あれ?俺の話聞いてました?」

弟「すげー奴ってことは分かったわ」

友「兄貴も男先輩に負けないぐらいのシスコンぶりッスね」

弟「あ”そんなんじゃねぇつってんだろ」

友「このやり取り疲れました、もうやめましょうよ」

友「姉御となんか合ったんですか?」

弟「なんもねぇー」

友「このこの、本当は言いたいくせに」

弟「あれは、小二の時だった」

友「あっ…語るんですか…」

弟「昔から親父もお袋も仕事が忙しくてほとんど家に居なかった」

友「うわ、聞いてねーまぁ、聞きますけど…」

弟「広い家に二人だけ、でも不思議と寂しくなかったむしろ楽しかったわ」

弟「俺が寂しくないように不安にならないように困らないように楽しくなるように」

弟「全部、姉貴が何とかしてくれた。馬鹿な俺でも分かるコイツすげーって」

友「さすが、姉御。昔からしっかりしてらっしゃる」

弟「そんで、小学校の低学年の時によ」

弟「たまたま、姉貴が同級生の男からいじめられるのを見ちまった」

友「好きな子、いじめちゃう奴でしょ」

弟「いま、思えばそうだろうな」

友「小学生ならそんなもッスよね、それだけ小さい頃から姉御が可愛かったことでしょ」

弟「でもな、俺は初めて姉貴の泣いてる所を見たんだぜ」

友「まじッスか」

弟「なんで泣いてるのか知らねぇし、姉貴を泣かせる理由もわからねぇし」

弟「意味わかんねぇけど、めちゃくちゃムカついたんだわ」

友「じゃあ、一戦交えたんッスか」

弟「そりゃねぇ」

友「さすが兄貴、上級生でも関係ない。それでどうなったんッスか?」

弟「それがもう悲惨、ありゃガキの喧嘩じゃない。流血で先生飛んでくるわ親も来るわ親父に殴られるわ姉貴泣いてるわで」

友「悲惨ッスね」

弟「それ以来、姉貴の泣いてる所見たことねぇよ。そりゃ、俺の知らない所で泣いてるのかもしれんが、律儀だよな。俺の前じゃ絶対に泣かない。もう、ガキじゃあねぇのによ」


弟「だから、もし男先輩に姉貴が振られるようなことがあったとして」

弟「それで、姉貴が泣いてる所なんか見たくないんだわ」

友「その気持なんとなくわかります」

弟「あーこんなこと言ってるうちはガキなんだろうなー」

友「そんなこと無いッス」

友「それは兄貴が姉御のことを思っているから…」

弟「おめーも言ってたじゃねぇか姉貴の邪魔はするな当人の問題だろって」

友「言ったッスけど」

弟「俺だって、分かってんだよ…でもよ…」

友「……」

弟「姉貴がどうこうって話じゃねぇ、俺が嫌なんだよ」

友「うわーー、重度のシスコンッスよ、軽く気持ち悪いッス」

弟「お前、厳しすぎ」

友「常識のある人間の感想です」

弟「もっと優しく接しろよ」

友「とりあえず話はわかりました、兄貴がシスコンだろうがシリコンだろうがウンコだろうが気持ち悪いですけどそんな兄貴を俺が全て受け止めます」

弟「馬鹿にしてるだろ?」

友「あっ、殴ったら痛いkら、やghちょっt,スマホ…スマホが鳴ってますよスマホが」

弟「メールだろ」

友「ほら、大事な用かもしれないッスから」

弟(ん?誰だコレ?)

弟(あー双1さんか)

友「誰ッスか?」

弟「あれ、まだ居たの?」

友「さっきまで、無邪気に殴ってたくせに」

弟「そうだっけか?」

友「もしかして、女ッスか?」

弟「ばっ、馬鹿ちげぇよ」

友「もう、分かりやすいんですから」

弟「はよ帰れ」

友「じゃあ、バイクで送ってくださいよ」

弟「なんで、男を乗せにゃあいかんのだ」

友「チャリで帰るのめんどいッスよ」

弟「……」

友「っちょ、殴るのやめっtgdg」

弟「帰るか」

友「帰ります」

姉「あれ、友くん帰っちゃったの?」

弟「色々と忙しいからなアイツ」

姉「せっかく食べてもらおうと思ったのに」

弟「おいおい、どんだけ食わせんだよ」

姉「だって、喜んでくれるし」

弟「姉貴のオモチャじゃねぇよ」

姉「そんなこと言って無いでしょ」

弟「あんまイジメてやんなよ」

姉「もーーー」

弟「あら、怖い」

姉「弟なんか大っ嫌い」

弟「そんなこと言われると、俺でも傷つくんだぜ」

姉「はいはい」

弟(本当なんだけどなー)

To be continued? ←
To be concluded?

双子宅にて

双1「兄さん、今いいですか?」

男「どうした」

双1「女先輩って兄さんと同じクラスですよね」

男「あぁ、そうだが」

双1「クラスではどんな感じなのかなーっと思いまして」

男「彼女は誰に対しても誠実だが、少し抜けてるというか見ていて危なっかしいというか…」

双1「そうではなくて最近、姉先輩が悩んでいるといいますか…そn

男「なに!!それは本当なのか?」

双1「いえ、まだ決まったわけでは…」

男「委員長でもあるこの僕がクラスメイトの変化に気づかないとは、委員長失格ではないかっ!!!」

双1「あの…兄さん?」

男「このままでは、クラスの気持ちがバラバラになってしまう、僕がクラスをまとめなければ!!」

双2「おい、話を聞けよバカにぃ」つボコ

男「なにも殴ることはないだろ、女の子としてその素行はどうかと思うぞ」

双2「うるさい、バカにぃが双1の話をちゃんと聞かないのが悪いんでしょ」

男「少しは、双1を見習ったらどうだ」

双2「私はいいのだ」

男「いやダメだろ」

双1「あの…」

男「おっと、話の途中だったな」

双1「姉先輩のことは、私の気のせいかもしれないので…」

男「そうなのか」

双1「はい」

男「しかし、クラスメイトの不安を取り除き円滑な学生生活を送ってもらうためにも委員長として何か考えなければ」

ダッ

双2「あぁ、いっちゃたよ」

双1「うん」

双2「真面目なのはバカにぃの良い所だけどさぁ」

双1「うん」

双2「めんどくさい」

双1「うん、めんどくさい」

朝 

双2「ふぁあ~おはよう」

双1「おはよう」

双2「あれ、バカにぃは?」

双1「今日は、朝練だから」

双2「よくもまぁ、飽きもせず頑張るねぇ」

双1「大会が近いからね」

双2「ふ~ん」

双1「双2は部活とかやらないの?」

双2「う~ん、やりたい部活とか無いし、そもそも続かない」

双1「もったいないなー」

双2「そんなこと言われても」

双1「双2だったら、何やってもいいとこまで行けるはずなのに」

双2「ふふふ、それは買いかぶり過ぎだぜ」

双1「褒めてるのに」

双2「私は私のやりたいことだけやる、あとは人に任せる」

双1「そんな他力本願な」

双2「別にいいじゃん自分の苦手なことは得意な人に任せとけばさぁ、全部自分でやらなくていいんだよ」

双1「その考えには納得がいかない」

双2「双1は頭固すぎ」

双1「そうかな…」

双2「そうそう」

双1「違う気がする」

双2「そういえばさぁ、今日って部活休みの日でしょ」

双1「うん」

双2「一緒に帰ろうよ、寄りたい所あるんだ」

双1「ごめん、放課後はちょっと用事が…」

双2「ほうほう、そうですかそうですか」

双1「ごめんね」

双2「いえいえ、いいのですよ、お楽しみください」

双1「なにか、勘違いしてる」

双2「してない、してない」ニヤニヤ

双1「あやしい」

双2「あやしくないない、ほら!そろそろでないと」

双1「うん」

双2「それじゃ、今日も元気に行きますかっ」

双1「あれ?」

双2「どうかした?」

双1「財布が無い」

双2「また~?」

双1「えぇー、だってここに置いたと思ったんだけど」

双2「双1ってよく物を無くすよね」

双1「だって~」

双2「その辺に、物置く癖は直した方がいいよ」

双1「双2も一緒に探してくれる?」

双2「さらばだ!明智君!!」

双1「いじわる」


学校にて

弟「うぃーす」

友「おぃーす」

ラミレス「ちぃーす」

弟「朝から顔が濃いんだよ」

ラミ「これは生まれ付きだ仕方ないネ」

友「兄貴!さすがに酷いッスよ!帝王もそう思うだろ」

トウカイテイオー「外見は判断基準の一部に過ぎないんや、一部で全部知ったきになるのはアカン、男なら内面も測る男になれ」

弟「お前、馬じゃん」

友「帝王は説得力あるわ」

ラミ「無敗の二冠馬は言うことがちがうネ」

テイオー「ソレは言わんといてな、古傷が痛む」

弟「なんで、エセ関西弁なん?」

友「そもそも、帝王は骨折多すぎ」

テイオー「別に折りたくて折ってるわけちゃうから」

ラミ「プロなら体のケアも大切ネ」

テイオー「骨折した時はなぁ、捻挫かなって期待するんだけど、だいたい折れてるんよね」

友「痛さ違うだろ」

テイオー「アドレナリンが出まくってるのかあまり痛くないん」

友「そうなのかー骨折したこと無いからわかんねぇー」

弟「よっし、折ってみるか」

ラミ「折るならやっぱり利き手ネ」

テイオー「足やろ」

友「えっ、ちょ、あっ!!そうだ、兄貴が女とメールしてました」

弟「ちょ、おま」

友「兄貴、顔がニヤけてました」

弟「はぁ、してねーよ」

ラミ「慌てぶりが怪しいネ」

テイオー「気になるな」

ガラ

担任「朝礼すっぞー」

弟「ほら、担任も来たしな」

ラミ「関係ないネ」



ガラ

双1「ハァ、ハァ、すみません…遅れました…」

担任「双1、ギリギリだぞ」

双1「すみません…」

友「双1ちゃんって遅刻は無いッスけど結構ギリギリに来るの多いッスね」

弟「そうか?」

テイオー「多いな」

弟「いちいち、そんなこと覚えてねぇよ」

ラミ「ギリギリで来れば目立つネ」

友「兄貴、クラスに興味なさすぎ」

弟「そんなことねぇよ」

ダン

担任「おい、てめぇら席にもどれや!!」

テイオー「おーこわ」

弟「そんなんだから、結婚できねぇんだよ」

担任「関係ねぇよ」

弟「そういや、一時限目ってなんだっけ?」

友「物理ッスけど」

弟「マジかよ、朝から来て損したわー」


テイオー「サボるか?」

ラミ「サボる?」

弟「当たり前だろ」

担任「あのさぁーそういうのは聞こえねぇように喋ろよ」

友「こういうのが学級崩壊って奴ですよね」ニコ

担任「笑顔で言えるお前すごいわー」

友「いえいえ、そんな」

担任「褒めてねぇからな、あれ、あいつらが居ねぇぞ」

友「エスケープしたッスよ」

担任「はぁ……お前はサボらんのか?」

友「そりゃ、物理の先生は美人ですからねぇ」

担任「だよな、普通は授業受けるよな」

友「追わないッスか?」

担任「勉強がたらふく出来る機会を自ら放棄する奴は馬鹿がすることだ」

担任「馬鹿を連れ戻したところで馬鹿は馬鹿だろ授業受けても意味がない」

友「バッサリッスね」

担任「学歴社会なめんなよ」

サボり中

ラミ「何するネ?」

テイオー「あれでもするか?ドキっ!野郎だらけの脱衣麻雀」

弟「あれは悲惨だったな」

テイオー「ラミがズボンから脱ぎだすし」

ラミ「男なら当然ネ」

弟「使ってねぇ教室なのに女子生徒が入ってきて叫ぶわ、先公駆けつけるわで」

テイオー「顔がバレないよう服で顔隠して下隠せずに逃げ回ったな」

ラミ「スリリングネ」

弟「馬鹿だなお前ら」

テイオー「お前もな」

ラミ「朝から元気に走ってる奴もいるネ」

テイオー「隣のクラスか、朝から体育とは大変やな」

弟「真ん中の奴、速くねぇか?」

ラミ「速いネ」

テイオー「本気で走ったら男より速いかもなー」

弟「それは言いすぎだろ」

テイオー「6割ぐらいで走ってるな、あれ」

弟「マジかよ」

ラミ「帝王が言ってるならまず間違いないネ」

テイオー「あれって、双2だろ」

弟「ふーん」

ラミ「反応薄いネ」

弟「双1さんも足速かったけなーと思って」

テイオー「運動はダメな方やろ」

ラミ「双子だからってどこまでも同じとはいかないネ」

弟「まぁ、顔は似てねぇしな」

テイオー「でも」

ラミ「どっちも可愛い」

弟「仲いいなお前ら」





姉×物理授業後

先生「手伝ってもらって悪いね」

姉「これぐらいで気にしないでください」

先生「こんな優しい子がまだ日本にいたとは…」

姉「持ち上げても何も出てきませんよ-」

先生「そうか…では単刀直入で言おう」

姉「何でしょうか?」

先生「君の弟はどうにかならないか?」

姉「今度は何をしでかしたのでしょうか?」

先生「授業サボりやがった」

姉「すみません」

先生「君が謝ることはない」

姉「でも…」

先生「授業はサボるが成績はいいのがムカつく」チッ

姉「先生、怖い…」

先生「物理だけ無駄に成績がいいんだぞ、わざとやってるだろアイツ」チッ

姉「だから、先生怖い」

先生「正直な話、生徒一人ぐらいどうなろうとかまわんが」

姉「うわー」

先生「このままだと他の生徒に示しがつかないだろ?」

姉「そうですね、弟も男君みたいになれば…」

先生「それは駄目だ」

姉「なんでですか?」

先生「それだと真面目すぎる」

姉「いい事じゃないですかっ」

先生「あのクソ真面目マジで面倒くさい」

姉「教師が言うことじゃないです」

先生「生徒は少しバカな方が扱いやすい」

姉「問題発言です」

先生「あの弟が男みたいになるとか鳥肌立つわー」

姉「一応、私は姉なんですけど」

先生「いや、すまないすまない」

姉「でも、授業をサボるのは良くないです」

先生「あぁ、そうだな」

姉「私が更生させてみせます」

先生「威勢がいいねぇ」

姉「姉ですから」


放課後 物理準備室


弟「なんで、片付けたのに散らかってんだよ」

双1「ちょっと…これは…」

弟「あのクソババ」

先生「誰がスレンダーガールだ」

弟「言ってねぇよ、急に出てくんな」

先生「失礼な、愛する生徒のために日々頑張っているというのに」

弟「微塵も思ってないだろ」

先生「もちろん、君を除く」

弟「」

双1「先生…昨日よりも散らかっているような…」

先生「あるべきところにあるだけだ、散らかってるわけではない」

弟「いや、散らかってるだろ」

先生「必要な時に必要な物を取り出せることができれば、整理なんてしなくていいんだよ」

弟「なら、片付けなくてもいいだろ」

先生「校長がうるさい」

弟「……」

先生「……」

ガコ バサー

弟「言ったそばから、なに提出ノートに足ぶつけてんだよ。そもそも、床に置くな机の上に置け机の上に」

先生「何を言いているだ?机の上に置くスペースは無いだろ」

弟「なら片付けろよ、床と接してる一番下のノートの奴がが可哀想だろうが」

先生「君のが一番下だ」

弟「」

先生「おっと、職員会議の時間だ。頑張ってくれ君たち」

弟「逃げやがったか」

双1「逃げましたね」

弟「まぁ俺も部屋汚いけどさぁ」

双1「私も片付けるのは苦手なんです」

弟「へー意外だな」

双1「恥ずかしい話なんですが、サイフとか鍵とか見つからなくて、今日も遅刻ギリギリで」

弟「俺の勝手なイメージだけどよ、真面目ってつうかキッチリしてると思ってたが案外、可愛いとこあるんだな」

双1「そそそ、そんなことないです、私なんてトロいし不器用だし全然k

弟「別にいいじゃん」

双1「えっ」

弟「得意不得意なんて人それぞれじゃん、なんでも完璧にやろうとすれば疲れちまう」

双1(あっ、これって)

弟「得意な事やりたい事は自分でやって後は他人に任せちまえば」

双1(双2が言ってたことと同じだ…)

弟「まぁ、人様に自慢できるようなことは無いけどさぁ」

双1「そんなこと無いと思います」

弟「気を使わなくてもいいのに」

双1「そんなわけでは…」

弟「よっしゃ、さっさと片付けちまおうぜ」

双1「ハイ」



弟「なんか悪いな」

双1「そんなことは」

弟「でも、部活とかあるだろ」

双1「はい、でも今日は休みなので」

弟「へぇー休みとかあるの?」

双1「はい、他の部員も色々と忙しくて休みの日を決めてるんです」

弟「そうかー」

双1「弟君は部活はしないんですか?」

弟「あー俺には無理無理」

双1「なんですか?」

弟「やりたことねぇし、そもそも、続かない」

双1「そうですか」

双1(これも、双2と同じ理由だ)

双1「はぁ…」

弟「休むか?」

双1「えっ」

弟「ため息してたし」

双1「いえ、疲れたわけではなくて…」

弟「いや、俺が疲れた休もうぜ」

双1「…はい」

弟「そろそろ、終わりにすっか」

双1「そうですね」

弟「そうだ、メット持ってきたから、姉貴のだけど」

双1「姉先輩ってバイクに乗られるんですか?」

弟「あぁ、後ろにな」

双1「そういうことですか」

弟「ほとんど乗らん、怖いらしい」

双1「ちょっと、可愛いです」

弟(いやいや、昨日怖がってたじゃんとは言えない)


バイク帰宅中


弟「あのさぁ」

双1「なんですか?」

弟「送っておいてなんだけど、コレって色々まずくない」

双1「どういうことでしょうか?」

弟「いや、気にしてないならいいけど」

双1「そこまで言われると気になります」

弟「ほら、バイクでさぁ」

双1「バイク楽しいですよね」

弟「そうじゃないんだが、二人乗りってのが」

双1「免許取得後、1年間は二人乗りできないことですか?」

弟「確かにそれも問題かもだが、てか、詳しいなオイ」

双1「昨日、色々調べました」

弟「もしかして、バイクに興味ある?」

双1「少しありますけど…」

弟「あるけど?」

双1「お金の事とか、あと、兄さんが…」

弟「バイトでもすりゃ~金はなんとかなるが、男先輩はな」

双1「はい…」

弟「男先輩ってそんなに凄いの」

双1「私達の事を思ってだとは思うんですけど…」

双1「ちょっと、過保護って言いますか…」

弟「大変だな」

双1「でも、兄さんに甘えてる部分はありますし…」

弟「ふ~ん」

双1「それで、まずいとはどういうことでしょうか?」

弟「あれ、覚えてた?」

双1「それは、まぁ…」

弟「男女でダンデム下校中ってどうよ、ちょっと勘違いされないかなって」

双1「あああっ、そういうことですか、すみません」///

弟「いや、謝ることじゃねぇけどよ」

双1「そうですよね…私なんかが弟君に迷惑を…」//

弟「俺がってよりも双1さんに迷惑がかかるんじゃねぇのかな」

双1「私は…大丈夫です…」

弟「…」

双1「…」

双子家到着

弟(結局、あの後は喋らんかった)

双1「あの…ありがとうごさいますした…」

弟「お、おう」

双1「…」

弟「…」

双2(えっなに、また?バイクで送り向かい?)

双2(私へのあてつけ?でも、ちょっと昨日と雰囲気が違う?)

双2「あれれ?喧嘩ですかい?」

双1「えっ、なにもう、急に出てこないでよ」

双2「いやいや、もうね、ずっといたけど」

双1「ふん」

双2「あれ、図星?」

双1「そんなんじゃない」

双2「付き合ってるんじゃないの?」

双1「つつつ、付き合ってるってなんでっd」//

双2「そりゃーねぇ、あれ見れば付き合ってるようにしか見えないし」

双1「ち、違う、あれは送ってもらっただけで」

双2「普通、付き合ってもないのに送らんでしょ」

双1「でも、別に弟君と付き合ってるわけじゃ…」

双2「えええええええええええええええーーあれ、弟くんだったの?」

双1「えっ?あれ?」

双2「ヘルメットで顔が見えなかったけどコレは意外、意外すぎ」

双1「そうかな…」

双2「だって、弟くんでしょ双1とは正反対の場所にいる人じゃん」

双1「でも、弟君はそんなに皆が思っているほど…」

双2「分かってる分かってるから、好きな男を擁護したい気持ちは」

双1「そんなんじゃ…」///

双2「これは色々、聞かないと行けませんな」ジュルリ

双1「双2顔がちょっと、おかしい」

双2「なんだとー私達は双子なんだぞ」

双1「そんなに似てないと思う…」

双2「おっと、話をそらされるとこだった」

双1「そんなつもりは…」

双2「フフフ…今宵の私は無敵なのだ」

双1「また、意味不明な…」

双2「話はきかせてもらおう」

双1「だから、誤解だって」

双2「今日は寝かせない覚悟しろ」

To be continued ←
To be concluded

弟帰宅

姉「遅い」

弟「そんなに遅いか?」

姉「だって、弟は部活もバイトもしてないでしょ?」

弟「別にいいだろ」

姉「とりあえず、そこに正座」

弟「なんでだよ」

姉「心に手をあて考えてみましょう」

弟「意味わかんねぇー」

姉「授業」ボソ

弟「え?なに?」

姉「物理」ボソ

弟「はぁ?聞こえねぇよ」

姉「ほら、なにかやましい事あるでしょ」

弟「どれのことだ?多すぎてわかんねぇ」

姉「もーー」

弟「あら、怖い」

姉「物理の授業サボったでしょ!!」

弟「なんだよ、そんなことかよ」

姉「そんなことじゃない」

弟「てか、なんで知ってんだよ」

姉「今は、そんなこと関係ありません」

弟「あぁ、アイツかー」

姉「先生のことをアイツって呼ばないの」

弟「別に問題ないだろ、物理は成績いいし」

姉「なら、英語も」

弟「あれは仕方ない、日本人だし俺」

姉「まったく、少しは男君を見習って」

弟(また、男先輩かよ…)

姉「あっ、やっぱ今のなし」

弟「どうした急に?」

姉「先生が困るらしいから」

弟「えっなにが?」

姉「と、ともかく、サボっちゃダメ」

弟「へいへい」

姉「……」ジー

弟「睨むなよ、わかったわかった授業には出るから」

姉「よろしい」

弟「まったく、困った弟ですわー」

姉「こっちのセリフです」




姉「それで、なんで最近帰りが遅いの?」

弟「まだ続くのコレ?」

姉「なんで?」

弟「そうだな、学校への奉仕活動?」

姉「意味わからない」

弟「ちょっとな、先生の手伝い?そんなことやってんだよ」

姉「なんで、そんな嘘つくかな~?」

弟「ありゃ、信用ないね俺」

姉「茶化さない」

弟「まぁ、アイツにでも聞いてみれば」

姉「アイツって言わない」

弟「ほいほい」

姉「じゃあ何?先生のお手伝いをしてるわけ?」

弟「そんな感じ?」

姉「ふ~ん」

弟「なんだよ」

姉「しゃがんで」

弟「なんでだよ?」

姉「いいから、しゃがむ」

弟「はぁ~しゃーねぇな」ヨイショット

姉「さすが、私の弟エライエライ」ナデナデ

弟「お、おい、急になんだよ」

姉「いいコトしたら褒める、コレ姉の役目ね」

弟「ガキじゃねぇよ」

姉「あれ、恥ずかしがってる?」

弟「いや、ちょっと気持ち悪かった」

姉「はい、夕食抜き-」

弟「いやもう、最高でした!」

姉「はい、朝食抜き-」

弟「なんでだよ」

姉「もう、可愛くないねまったく」

友「あの…」

弟「せめて夕飯だけは」

姉「どうしよっかな~」

友「あの…姉弟、仲睦ばしい所すみません」

弟「よし、一発殴らせろ」

友「えっ、なんで」





弟「どう考えてもお前が出てくる場面じゃない」

姉「こんばんは、友くん」

友「姉御、夜分遅くスイマセン」

弟「だから、馴染むな」

友「いや、ちょっと兄貴に用事が」

弟「俺はないが」

友「そんなこと言わないでくださいよ、また、色々調べてきたんですから」

弟「おまえ、ソレを早く言えよー」

姉「えーなになに?また悪いことしようとしてる?」

友「いや、違いますよ決してそんなことはないです」

姉「ふ~ん、まぁいいか!今日もご飯食べてく?」

友「円領なく頂きます」

姉「いや、友くんみたいな子がいると作る側としても嬉しいのね」

友「姉御の料理マジ美味いッス!今日もたくさん食べますよ!!」

弟「お前、飯食いに来てんだろ」

夕食

友「それで、兄貴がなんて言ったかわかります」

姉「なんて言ったの?」

友「モルヒネですよ、モルヒネ、モルディブだっての」

姉「ハハハちょっとたんま、何いってんのもう弟は」

友「もう、完全に兄貴の勘違いで」

弟「おい、もうやめろ、あと馴染むなおまえは」

姉「あっははh,もうおかしい」

友「そうなんッスよ」

弟「余計なこと言うなよ」

姉「別にいいじゃない」

弟「よくねぇよ」

姉「友くんありがとうね」

友「いえ、俺は別に何も」

姉「弟はね、学校のこと話してくれないから」

友「それは、ダメっすよ兄貴」

弟「なんで、お前に説教されないといけないんだ」

姉「コラ!弟!ごめんね友くん」

友「いえ、そんな」

弟「別に話すことなんてねぇよ」

友「そう言わずに」

姉「学校のことも話さないし、口を開けば私をバカにして」

友「それも、ダメっすね」

弟「おい」

姉「弟は黙る」

弟「話さないと文句言えば、今度は黙れと」

姉「授業はサボるし、学校でなにしてるのかわかんない」

友「うんうん」

姉「ほら、うちは両親二人共仕事でほとんど家にいないでしょ」

友「そうですねえ、あまりお会いしたことは無いッス」

姉「私はねえ、家を守る立場として姉として弟が心配なの」

友「さすが、姉御」

姉「だから、友くんは円領せずどんどん弟のこと教えてね」

友「不肖私が、姉御の目となり耳となり兄貴を監視します」変更

弟「あのー、もう喋っていいですか?」

姉「いえダメです」

弟「……」

友「もう、ちょっとなッスか兄貴そんなに見つめて」

弟「……」

友「つねった痛いからいたっtkさ」


夕食後、弟の部屋にて


弟「……」

友「もう、過ぎたことはいいじゃないッスか」

弟「……」

友「怒らないでくださいよ」

弟「……」

友「なにか喋ってくださいお願いします、マジで怖いんで」

弟「お前の頑張り次第だな」

友「その言葉を待ってました」

友「本日の成果を発表させていただきます」

弟「おう」

友「双1ちゃんの好物はドーナツです。それも、チョコ&カスタードホイップです」

弟「おう」ボコ

友「いてー、何も殴ることはないじゃないッスか」

弟「なんで、双1さんが出てくるんだよ」

友「またまた」

弟「なんのことだ」

友「知ってるんッスよ」

弟「何が」

友「もう、この、色男、何やってんッスか二人っきりで」

弟「あ”」

友「いや、ちょっと、落ち着いてください」

弟 チッ


友「いや、だって、あの双1ちゃんとひと気のない部屋で…」

弟「……」

友「それも、バイクでダンデムとは俺は乗せてくれないくせに」

弟「いやちょっとな、色々あってだな」

友「なッスか、羨ましい限りっすよ」

弟「おい、聞け」

友「兄貴も隅に置けないッスね」

弟「だから、聞けって」

友「ああー俺も双2ちゃんとダンデムして-」

ボコ

友「だから、殴らなくても、最近痣になってんるんですから」

弟「お前が人の話を聞かねぇからだろーが」

友「暴力はんたーい」

弟「いや、だからなこれこれしかじか」

友「かくかくうまうまってことッスか」

弟「簡単に言えばそうだ」

友「ちょっと、それは無理があり過ぎますよ」

弟「仕方ねぇだろ本当なんだから」

友「いや、でもコレはマズイっすね」

弟「何がだよ」

友「実は、俺が実際に見たわけじゃなく人づてに聞いたんですよ」

弟「それがどうした」

友「考えても見てください、俺がこんな勘違いしたんっすよ」

弟「おう」

友「他の奴らも同じこと考えてますって」

弟「おお、そうか、あ”それはマズイだろ」

友「あれ、兄貴って馬鹿ッスか?」

弟「……」

友「マジで、無言やめてください」

弟「でも、噂だろ」

友「噂をなめない方がいいッスよ」

弟「またまた」

友「いや、本当ッスから」

弟「んじゃ、どうすんだよ」

友「なるようにしかならないッスね」

弟「お前ちょっと、頭使えよ」

友「えーちょっと、酷い」

弟「どうすっかなー」

友「一言だけいいッスか」

弟「なんだよ」

友「兄貴の悩みは贅沢なんッスよ」

弟「どうした急に?」

友「冷静に考えれば考えるほど、贅沢ッス」

弟「なこと言われてもな」

友「もういいじゃないッスか、付き合っちゃえば」

弟「そういうわけにはイカンだろ」

友「だって、あの双1ちゃんですよ、うちの学校んなら誰もが惚れる」

弟「でもお前は、双2なんだろ」

友「そうですけど、今はどうでもいいッスよ」

弟「そもそも、相手の気持ちが」

友「大丈夫ッス、俺が惚れてる兄貴なら一発です」

弟「お前に惚れられても嬉しくないんだが」

友「とにかく、面倒くさいことになるのが嫌ならこれ以上目立たないことですね」

弟「まぁ、物理準備室の片付けが終わればな」

友「じゃあ、俺もご一緒させて頂いて」

弟「いや、お前は来んな」

友「独占力強すぎッスよ」

弟「そんなんじゃねぇよ、お前が来ると話がややこしくなるんだよ」

友「そんなことないッスよ」

弟「どうだか」

友「それじゃあ、俺はコレで」

弟「おい、男先輩の話は?」

友「収穫ゼロです」

弟「存在価値ねぇー」

友「全否定ッスか」

弟「お前、ちょっとは努力しろよ」

友「いやいやいや、何もしてない兄貴には言われたくないッスよ」

弟「俺なりに調べてる」

友「収穫は?」

弟「無い」キッパリ

友「男らしい返事で」

弟(つうか、双1さんも一緒に片付けしてるわけだから、姉貴とからまねぇしなー)

弟(男先輩の方に切り替えて行くしかないか…)


廊下

姉「フフフ、ここを通りたくば私を倒してみよ!!」

友「クソッ!これだと帰れねぇ」

弟「いや、帰れよ」

姉「さぁ、友くんは私が作ったお菓子の実験台となるのだ!!」

友「この運命から逃れることはできないのか……」

弟「だから、帰れよ」

姉「転がり始めた運命は誰も止めることn

弟 ヒョイ

姉「おい、なにをするー!姉を物みたいに持ち上げる-な-」ジタバタ

弟「これで帰れるだろ」

姉「はーなーせー」ジタバタ

友「姉御ー!!今助けますからね!!!」

弟「いつから、そっち側の味方になってんだよ」

友「俺はいつだって姉御の味方ですぜ」

姉「こら、離せとゆーとるだろーが」ドタバタ

弟「オイ、蹴るな」


To be continued???????????←
To be concluded



姉「弟ー、弟ってば」ユサユサ

弟「なんだようっせーなー」

姉「起きてよ」

弟「はぁ?まだはえーよ」

姉「外」

弟「ソト?横浜のピッチャーがどうしたんだよ?」

姉「もういないよ、そうじゃなくて外、雨降ってる」

弟「それが何?」

姉「雨の日はバイク乗らないでしょ」

弟「じゃあ、今日は休みってことで」

姉「だーめーでーす」

弟「ほら、早くいかねぇと遅れるぞ」

姉「それは、弟も一緒でしょ」

弟「俺は勝手に行くから」

姉「そう言って、サボる気でしょ」

弟「サボらねぇから」

姉「ほら、起きる」ユサユサ

弟「一日ぐらい、いいだろよ」

姉「あ゛」

弟「こわ」

姉「あ”」

弟「わかった、わかったから」

姉「まったく、何考えてんだか」

弟 ジー

姉「何?」

弟「着替えたいんだが」

姉「あっ、そうだよねごめんごめん」

弟「手伝ってくれるん?」

姉「は、はぁ?もう、意味わかんないし」

バタン

弟「やっと出ていったか…」

弟「寝るか…」

弟 Zzz…

バッサー

弟「うぉ、冷た、なんだ水?はぁ?水?」

姉「二度寝すんな」

弟「水掛けることはねぇだろ、耳にはいちっまたじゃねぇか」

姉「これぞまさに、寝耳に水」キリ

弟「ドヤ顔されてもなぁ…あと、意味が違うし」

姉「どうせ、雨で濡れるんだから別にいいでしょ」

弟「よかねぇよ」

姉「さぁ、早く着替えて朝食とって学校へ行く」

弟「着替えざるを得ないこの状況、やるな姉貴」

姉「そりゃ、姉ですから」

弟 ジー

姉「何?」

弟「着替えたいんだが」

姉「あっ、そうだよねごめんごめん」

弟「手伝ってくれるん?」

姉「次は熱湯が良い?」

弟「No thank yuo」

姉「あぁー、もうこんな時間」

弟「下らない時間を過ごしてしまった」

姉「弟が起きないのが悪いんでしょ」

弟「やさしく起こせよ」

姉「下らない事を言ってないで、さっさと着替えて下降りてきなさい」

弟「へいへい」

姉「ふん」

バタン

弟「はぁ~しゃねぇ着替えますか…」

ダイニング


弟「さぁ!飯だ朝飯だ!!」

姉「のんきなこと言ってないで早く食べて」

弟「朝食ってのは一日のリズムを作る重要な作業の一つなんだよ」

姉「うるさい、さっさと食べろ」

弟「へいへい」

姉「そもそも、起きない弟が悪いのに私まで遅刻しちゃう」

弟「俺なんてほっといて先に行けよ」

姉「だってそれだと弟がー」

弟「制服を着てんだから行くに決まってんだろう」

姉「さぁ、どうだか」

弟「とうとう、俺は肉親の姉貴にまで信用されなくなっちまったのかよ」

姉「いいから、食べろ」

弟「ショックだわーこんな心理状態じゃ学校に行くことなんざできn

姉「たーべーろー」

弟「へいへい」

nemuimuriasitaasitadesuwa-

To be continued←
To be concluded

登校中(姉弟の場合)


弟「あのさぁ」

姉「んー?」

弟「別に逃げねぇからさぁ、一緒に行くのやめねぇか?」

姉「だーめ」

弟「そんでさぁ、道路側は水かけられるかもしれんからこっち歩けよ」

姉「へ~そんなこと言えるようになったんだ」

弟「俺、もう濡れたしな」

姉「弟が悪いんです」

弟「まだ耳の中、水はいって気持ち悪いんだぞ」

姉「女々しいな~」

弟「いやいや、そういう問題じゃなく」

姉「ではどういう事だね」

弟「例えば、『おっ!今日も耳に水が入ってる!!よっしゃー!』って喜ぶ奴はいないだろ」

姉「いるかもしれないでしょ」

弟「あっ!ダメだこの人、もうこの話はなしで!終わりで」

姉「こうやって、二人で登校するの久しぶりだね」

弟「あぁ」

姉「小学生いらいじゃない?」

弟「そうだな」

姉「なんで、一緒に行かなくなったんだろう?」

弟「さぁ?」

姉「なんでかな?」

弟「さぁ?」

姉「なんでかな~」ズイ

弟「近い、歩きにくいわ」

姉「おぉ恥ずかしがってる」

弟「高校生になって姉貴と二人で登校とか…普通に恥ずかしいもんだろうよ」

姉「大丈夫!弟はまだ子供だから」

弟「あんたも子供だろうよ」


登校中(双子の場合)


双2「雨だ~!雨さね~!雨なのだ!っと」

双1「ちょっと!水かかるから」

双2「いや~雨はいいねぇ」

双1「全然よくない」

双2「えぇ~嫌な事を全部、水に流してくれるようでいいじゃない?」

双1「洗濯物は乾かないしカビは生えるし食べ物は傷みやすいし」

双2「いや~君はいい奥さんになれるよ」

双1 フン

双2「雨の日も楽しめれば、晴れを含め倍だよお得だよ」

双1「その理屈はおかしい」

双2「細かいことは気にしない」

双1「双2の将来が不安で仕方ない…」ハァ…

双2「おぉ!!」

双1「次は何?」

双2「弟くんが見知らぬ可愛い女子生徒と登校中だと!!」

双1「えっ」ボソ

双2「それも仲の良いご様子で」

双1「あれは弟君の姉さんだから」

双2「そうなの?」

双1「私の部活の先輩でもあるし」

双2「なんだよぉ~つまんない」

双1「おい」

双2「双1というものがいながら、違う女といちゃついてる若造に私が成敗をっと思ったのにさぁ」

双1「だ~か~ら~そういうのじゃないって言ってるでしょ!」

双2「怒った顔も可愛いね~双1は」

双1 フン

双2「でも小さい声で『えっ』って言ったのは聞き逃さない双2なのでした」

双1 ///

弟教室

友「え?何で兄貴がなんで?えぇ?」

弟「朝っぱらから失礼な奴だな」

友「だって、雨が降ってるッスよ雨」

弟「雨の日だって一応来てただろ」

友「雨が止んでからですけどね」

テイオー「いやー珍しいこともあるもんやな、こりゃー雨が降るで」

弟「降ってんだろ」

ラミ「そうカ!!だらか雨が降ってるわけネ」

友「ラミ天才じゃねぇ!」

テイオー「意外と頭脳派やったんやな」

弟「…」ジー

友「そんな目で見ないでくださいよ」

弟「よく今日まで生きてこれたな」

友「オヤジとお袋のおかげです」

弟「そういうことじゃねぇんだけどな」

友「そんなことより、これ見てくださいよ」

弟「なんだこれ?すげー尖ってるじゃん」

ラミ「尿酸の結晶ネ」

テイオー「痛そうやわ」

友「通風の原因らしいですよ」

ラミ「めっちゃ痛いらしいネ」

弟「あぁ、おっさんのかかる奴か」

テイオー「俺らには関係ないな」

ラミ「関係ないネ」

友「先生ー、通風って痛いッスか?」

担任「知らねぇよってか、おっさんじゃねぇよ」

テイオー「あと、おっさんって言ったら結石やろ」

弟「それ、親父がなってさぁ『腰が~~』って叫びながらのた打ち回ってたわ」

ラミ「あのゴツイ親父さんがネ?」

弟「尿路結石って奴?俺、親父が死ぬと思ったもん」

テイオー「そうとうやな」

友「先生ー通風と結石ってどっちが痛いッスか?」

担任「だから知らねぇよ」

廊下にて


双2「これはこれは、いい所に」

弟「?」

双2「ちょっといいかな弟くん」

弟「なんだよ?」

双2「いや~内緒話ですョ」ニコ

弟「?」

双2「ふーん、あの双1が弟くんとねー」

弟「??」

双2「色々と話しは聞いてるよー」

弟「???」

双2「双1とラブラブなんでしょー」

弟「はぁ?」

双2「仲良く二人乗りしてたし」

弟「あれは、送っただけで…」

双2「双1と誰もいない教室で…」

弟「それはだな、ちょっとした誤解でだな…」

双2「言わなくても分かってるって」ニヤニヤ

弟「いや、絶対にわかってねぇだろ」


双2「乗り越える壁が高ければ高いほど二人の愛は深まっていくってことだよね」ドヤ

弟「全然ちげーよ」

双2「違うの?」

弟「何一つ、かすってもいない」

双2「これっぽっちも?」

弟「あぁそうだな」

双2「じゃーなんだって言うのさぁー?」

弟「これこれしかじか」

双2「かくかくうまうまってこと?」

弟「簡単に言えばそんなところで」

双2「え~つまんない」

弟「オイ、つまんないとはなんだ?つまんないとは?」

双2「でもね、双1が男子と喋るなんて家族以外では弟くんぐらいだよ」

弟「無視かよ」

双2「もうこれは、弟くんが特別な存在ってことで間違いないね」

弟「喋ったぐらいでそんなことはないだろ」

双2「そうでも無いんだなーこれが」

双2「うちのバカにぃのことは知ってるでしょ」

弟「噂には」



双2「過保護に育ったせいで双1は引っ込み思案な性格に…」

弟「はぁ…」

双2「世の男子は狼だと、食われてしまうと」

弟「はぁ…」

双2「可哀想な双1…このままじゃ兄貴の管理下で恋愛も知らずに生きていくことに…」

弟「お前、双1さんと全然似てないな」

双2「なんだと~か弱い乙女に何を言う」

弟「双子ってこんなにも似ないもんなんだな」

双2「そもそも君は双1の何が不満なんだね?」

弟「不満も何も」

双2「あっ、胸か!胸だな!!あれはまだ成長途中なんだよ!これからなんだよ!!」

弟「俺まだ何も言ってないんだが」

双2「大きいからなんだ!小さい胸の内に秘めたものを君はわからないのか!!」ウルウル

弟「なに泣いてるんだよ」

双2「全く君はどこを見ているのかね?失礼しちゃうなもうー」

弟「大丈夫だ、これからだって」

双2「それ、本気で言ってたら殴るよ」

弟「冗談だ」

双2「とにかく君は、双1と付き合っちゃえばいいんだよ」

弟「なぜそうなる」

双2「周囲から付き合ってる様見えてるんだから、それはもう付き合ってるのと変わらない」

弟「無茶苦茶だなーおい」

双2「心配無用、あとは私に任せなさーい」

弟「何を任せるんだよ」

双2「とにかく誤解をとけばいいんでしょ?」

弟「そうだな」

双2「誤解じゃなくて事実にすれば…」ボソ

弟「ん?なんか言ったか?」

双2「何でもないない」

弟「心配だな」

双2「大丈夫、大丈夫ー」


To be continued←
To be concluded

教室 昼休中

双2「たのもー!!」

テイオー「なんか来たで」

弟「なにしてんだあいつ?」

双2 キョロキョロ

双2「あっ!いたいた」

弟「ん?」

双2「まったく、この子はー」

弟「はぁ??」

双2「ほら、いくよ!!」

ガシ

弟「なんだよ、急に??」

双2「私に任せなさいって言ったでしょ!」

弟「意味がわからん」

双2「いっくぜぇーーい!!!」

弟「ちょっと引っ張るなって、力強ぇなオイ」

双2「ほら、キビキビ歩く」



テイオー「なんや今の?」

ラミ「わからないネ」

友「兄貴ーーー!!買ってきま…あれ?兄貴は?」

ラミ「双2に連れ去れたネ」

友「ぇぇぇぇえええ、兄貴が双2ちゃんを連れ去ったssssssss」

テイオー「逆や逆」

友「とうとう、兄貴も双2ちゃんの魅力に気づいたか…いや、感動してる場合じゃない早く行かないと双2ちゃんの身に危険が」

テイオー「いや、だから逆やて」

友「双2ちゃんの貞操は俺が守るうう」ダッ

ラミ「聞いてないネ」

テイオー「アホやな」

中庭

弟「で、なんだんだこれ?」

双2「弟くんが一人寂しく食事しようとしていたので私達と一緒にどうかな?と誘ったまでで」

弟「いやいや、他に色々いただろ馬とか黒人とか」

双2「あれを数に入れたら色々とまずいよ、本当」

弟「……」

双1「すいません…」

弟「謝る事はねぇよ、双1さんは悪くないし」

双2「そうだそうだ、双1は何も悪くない」

弟「悪いのは…こいつだから」ジー

双2「えっ!だれだれ?」

弟「てめぇだよ」

双2「いいじゃないか!たまには澄んだ空気を吸いながら外で食べるのも」

弟「雨上がりの生ぬるい空気の中でよく言うわ、ベンチも湿ってるしよ」

双2「じゃあ、いっただきまーす」

弟「おい」

双1「すいません……無理にとは…」

弟「いや、そんなことはないから」

双1「そうですか…良かったです」

双2「ほら、弟くんも食べないとうどんが冷めちゃうよ」

弟「中庭で学食のうどんなんざ食ってるの俺だけだぞ!」

双2「まったく君は非常識だなー」

弟「お前が買わせたんだろうが」

双2「しょうがないでしょ、購買のパンもお弁当も売り切れだし私達だけ食べるのも悪いし」

弟「別に構いやしねぇよ」

双2「ねぇねぇ、おいしい?」

弟「当たり障りのない万人受けする味だな」

双2「そんなコメントじゃグルメリポーターは夢のまた夢だよ」

弟「目指してねぇよ」

双1 ジー

弟「ん?どうかしたか?」

双1「い、いえ、なんでもないです」

双2「あれあれ?嫉妬ですか?これは私のした事が」マッタクウッカリ

双1「そ、そんなんじゃ…」///

双2「あらあら、まぁまぁ」ニヤニヤ

双1「…」///

弟「…」

双2「それにしても、うどんだけじゃあ育ち盛りにはものたりないのではないだろうか?」

男「足りねぇ」

双2「そうだったとしても、私の双1特製お弁当はあげないからね」

男「別にそこまでして…食いたくはねぇよ」

双2「なんだと!!双1の作ったお弁当は美味しいだぞ!!」

弟「あぁ、お前料理できなさそうだしな」

双2「そんなことないもん」

弟「どうだか」

双2 ジー(ほら双1は何してるのかな?)

双1「な、なに?」

双2 ジー(わかるでしょ!ここはお弁当を弟くんに薦める場面でしょ)バンバン

双1「…威嚇?」

双2「えぇー何で分かんないかな?こんな可愛い子が威嚇するわけないじゃん」

双1「だって、わからないもん」

双2「双子なのにー」プンプン

双1「そんな無理だよー」


弟「仲いいのね、似てないけど」

双2「君の眼はフシアナかな?それともフナムシかな?」

弟「フナムシではねぇよ」

双2「ずっと一緒にいるわけだよ、仲良しなのは当たり前で…」

双2「この関係性は恋人…いや、夫婦と言っても過言ではない」

双1「それはちょっと嫌だな…」

弟「拒否られてるぞ」

双2「なんだと!こんな可愛い妻を前に何を言っているのだね!!」

双1「それだと私が必然的に…」

双2「そうか!浮気だな!!連れてこいその男を!!!」

弟(設定がぐちゃぐちゃだ)

双1「そんなこと言われても…」

双2 チラ

弟「……」

双2「ほら、男くん!」チラ

弟「なんだよ?この寸劇に加われと?」

弟「……」

弟「このような事になり大変申し訳ございません」

双2「『申し訳ない』だと?どの面さげて言ってるだ?」

双1「えっ?えっ?」オドオド

弟「双1さんの幸せの為に別れて頂けないでしょうか?」

双2「貴様は自分が置かれてる立場、状況を正しく理解できないのか!!」

弟「事業に失敗されて相当な借金を抱えていると聞いています」

弟「また、DVも…」

双2(さりげなく私をクズ夫設定に仕立て上げてきただと!)

双2「貴様には関係ないだろ!!」

弟「私なら双1さんを幸せにできる!!」

双2「口だけなら何とでも言えるだろうが!!!!」

弟「はいその通りです!しかし、私には貴方の借金を肩代わりするだけの金があります」

双2(なんと!自分は金持ち設定をつけてきやがった!!)

双2「妻を売れと言うのか!!貴様!!」

弟「違います!!双1さんを守るためです!!」

ちゃんと書きますから落とすのだけはどうがお許しください



しかし私は気づいていたのだ、妻の心には私はいない事を……<終>


双2「勝手にナレーションを入れて終わらすな!!」

弟「こうでもせんと終わらないだろうが」

双2「そもそもね、なんで私が借金作って妻にDVをするクズ夫なのかね」

弟「お前にはその才能があると思ったからです」

双2「それ、誉め言葉じゃないから」

弟「謙遜すんなよ」

双2「謙遜とかじゃないから」

弟「またまた」

双2「ってかね、なんで君は金持ちで二人の子供をもつ女を受け入れるだけの器量を持った好青年なのかな?おかしくないかな?」

双1「えっ、子供って…」

弟「俺はそれだけの可能性を秘めてる男なんだよ」

双2「はぁ?」

弟「そんな真顔で言うなよ…」

双2「……興ざめだ…」

双2「弟くんにはもうがっかりだよ」

弟「そんなこと言われてもな…」

双2「こんな茶番には付き合いきれないね」

弟「いやお前がやりだしたんだがな」

双2「私は帰らせてもらう…さらばだ!!」タッ

双1「ちょっとまって、私まだお弁当食べてない」

双2 クル

双2「なら食べればいいんじゃないかな?…さらばだ!!」タッ

双1「あ…」

弟「…」

双1「…」/

弟「…」

双1「…」//

弟(ん?)

双1「…」///

弟 ぐ~ 

双1「よかったら…食べますか?…美味しくないかもですけど…」

弟「あ~~じゃあ~~~貰うわ」

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