宇佐美みずき「美術部の外部顧問?」 (31)

ある日、美術部にて……


宇佐美みずき「え、美術部に外部顧問の先生が来る?」

立花先生「そうなんです。なんでも小山先生のお知り合いらしくて」

内巻すばる「なんでまた?」

コレット「そうですよ。どうして急に外部から先生が来るんですか?」

立花先生「私も詳しくは知らないんですが、なんでも美術部を活性化させたいとのことでそのそ外部顧問の先生自ら小山先生に提案して、そして私にお話が来たんですよ」

部長「それで引き受けたんですか。はぁ……そんな聞くからにやる気満々の人がくるとか、昼寝出来ないじゃないですか」

宇佐美「いや、昼寝しないで普段から真面目に部活してくださいよ」

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内巻「それで、その外部顧問ってどんな人なんですか?」

立花先生「小山先生のお知り合いだし、きっと私なんかより絵に詳しいと思いますよ」

コレット「おおーー! それって、立花先生はクビですっこと?」

立花先生「私が……クビッ!?」ガーーーンッ

宇佐美「ちょ、コレットちゃんそんなこと言っちゃダメ!」

部長「その外部顧問って人、どのくらいいるんですか」

立花先生「うぅぅ……明日1日だけですけど」

宇佐美「明日かぁ……しかも一日だけだなんて、随分と急ですよね」

コレット「私、楽しみです」

部長「まあ明日一日だけ辛抱すればいいか」

内巻「どんな人が来るだろう……」



そして当日

宇佐美「え、立花先生今日お休みなんですか?」

部長「ああ、さっき連絡があって急に来れなくなったそうだ」

コレット「これまた急ですね」

内巻「立花先生不在で外部から別の先生を迎い入れるだなんて、なんか緊張してきましたよ」

宇佐美「うん。まあ、変な人じゃなきゃいいけど……」

コレット「ひょっとして、誘拐されたりとか……!!」ブルブル

部長「大丈夫だろ。小山先生の知り合いなんだし、そんな変な人が来るわけ____」

トントン

部長「お、噂をすればきたみたいだな」

宇佐美「ど、どうぞ……」

ガラガラ

外部顧問「失礼する」

四人「ッ!?」ビクッ

外部顧問「ここが美術部で間違いないかね?」


宇佐美「きゃ、きゃぁぁぁぁーーーーーーッ////」

コレット「へ、変態だぁーーーーー!!」ガクブル

内巻「部長! どうしてこの人海パン一丁なんですか!?」

部長「知るか! 俺が聞きてえよ!」

外部顧問「うむ、申し遅れた。私は___」
ガサゴソ

宇佐美「ちよっ、何やってるですかぁーーーーッ////」

コレット「海パンの中に手を入れた……やっぱりこの人変態だぁーーー!!」

部長「おいあたん、一体ナニをする気だ!?」

外部顧問「私はこういうものだ!」っ

内巻「名刺? ええっと……『海パン刑事』?」


海パン刑事「いかにも。私は特殊刑事課の汚野と申す者だ。本庁では"海パン刑事"と呼ばれている」

コレット「海パン刑事……つまり刑事さん?」

海パン刑事「うむ。その名刺の裏には昨日までの私のプロフィールが書かれている」

宇佐美「ほんとだ。てゆうか、虫眼鏡がなくちゃ読めないんですけど」ジーー

部長「いや、その前にゴム手袋して名刺摘むのやめろよ」

内巻「あの、一ついいですか?」

海パン刑事「うむ、どうして私が海パン一丁なのかを訊きたいのだな?」

内巻「ええ、まあ……」

コレット「鋭い、さすがは本物の刑事さんだ!」

宇佐美「そうかな……」

海パン刑事「ずばりお答えしよう。人間以外の生き物これすべて裸だ。つまり、裸になることで自然な状態で己の潜在能力を発揮することが可能となる。現場で凶悪犯を相手にするにも素早く行動できるというわけなのだ」

部長「いや、なんか違う気がするけど……」

海パン刑事「これは美術に於いてもそうだ。裸になることで己の潜在能力を極限まで発揮し美しい作品を完成させることが出来る。君たちも何故私が海パン一丁なのかと訊ねる前に、制服に自由を奪われていることに気づくことだ」

内巻「なるほど。つまり、究極の二次元嫁を完成させるためには裸になればいいんですね!」

コレット「おおーー! さすがは刑事さんの言うことは説得力あります!」キラキラ

宇佐美「いや二人とも、肝心しないでよ!」

部長「ひょっとして、先生このことを知って今日休んだな……」

海パン刑事「ところで、私のパートナーとなる内巻すばるという生徒は?」

内巻「え、パートナー!?」

宇佐美「内巻くんがパートナーってどういうことですか!?」グイ

海パン刑事「うむ、部の代表として私のパートナーとなって今日一日行動を共にしてもらう。そうすることで美に対する感性を養ってもらうのが狙いだ。美術部といえどただ部室で絵を描くだけでは今の時代生き残れない。刑事である私とハードに行動をすることでいろいろなことを吸収してもらいたいのだ」

宇佐美「それもはや美術部じゃないんですけど!」

海パン刑事「それで、内巻とやらは誰だ?」

部長「ああ、内巻ならこいつ……」

内巻「えっと、内巻くんなら今日はあいにく風邪で休んでおりまして」

海パン刑事「なに、風邪だと? それは仕方がない。なら今ここにいるメンバーの中から私が選ぶ」

内巻以外の三人「「「この人が内巻くんです!」」」

内巻「ちょ、みんなひどいですよぉ~!」

そして……

内巻「うぅぅ……どうして僕まで海パン姿に」

コレット「おお、なかなか似合ってますよ内巻先輩!」

宇佐美「内巻くんの……海パン姿///」カシャ

部長「おい、なに撮ってんだよ」

海パン刑事「今日一日は私の方針に従ってもらう。海パンにネクタイは我々の正装だ。これぞ自由な格好なのだ」

内巻「社会的に不自由な格好だと思いますけど……」

ピロピロピロピロ~♪

海パン刑事「おっと失礼、私の携帯だ」
モゾモゾ、ピッ

宇佐美「ちょ、また海パンの中漁ってるよ////」

コレット「あの海パンなんでも入ってるんですね!」

内巻「あーあ、早く終わらないかな、今日」

海パン刑事「なに……近くの小学校で連続立てこもり犯が人質を取って立て篭っているだと!」

四人「「「「ええっ!?」」」」

海パン刑事「わかった、すぐ現場に向かう」
ピッ


部長「近所の小学校でそんな事件が!」

海パン刑事「急ぐぞ! 私に続け内巻!」スタタタ

内巻「ちょ、待ってくださいーー!」スタタタ

宇佐美「内巻くーーん……行っちゃった」

コレット「部長、こうしちゃいられません。私たちも早く後を追いましょう!」

部長「お、おう……!」

事件が起きた小学校にて……

ウィーーーン

小学生達「あ、パトカーが来た!」

バタッ

海パン刑事「ここか」

小学生達「ギヤヤヤヤァァァァーーーーッ!!」

署長「犯人に告ぐ! 無駄な抵抗はやめて今すぐ降伏するんだ!」

犯人「うるせぇ! 今すぐに俺の要求を飲まねえと、人質の命はねえぞ!」

人質の子「うええ~ん、助けてぇぇーー!」

警察A「署長、特殊刑事課より海パン刑事がお見えになられました」

警察B「って、なんだあの海パン一丁の変態は!?」

署長「おお来たか、待っていたよ汚野くん!」

海パン刑事「署長、状況は?」

内巻「なんかすごいことになってますね。いろんな意味で」

署長「ダメだ、犯人はこちらの話を聞こうとしない。体力的にも精神的にも人質の限界だ」

小山先生「おお、海パン刑事! 孫を、私の孫を助けてください!」アセアセ

内巻「あれ、小山先生! どうしてここに?」

小山先生「内巻くん? 君こそどうしてそんな格好でここに?」

内巻「実はいろいろあって今日一日海パン刑事のパートナーになったんです」

海パン刑事「小山先生、さっき孫と言ってましたが」

小山先生「ええ、実は人質に取られたのは私の孫娘の萌香なんです!」

内巻「ええ、先生の孫って!?」

犯人「オラオラ、人質がどうなってもいいのかーーー!?」

萌香「た、助けてぇ~」

小山先生「お願いします。一刻も早く萌香を助けてください!」

海パン刑事「わかりました。署長、あとは私に任せて機動隊を校門までさげてください」

署長「うむ、総員校門まで撤退!」

機動隊達「はっ!」
タッタッタッ

署長「小山先生も校門の方まで」

小山先生「ええ……。海パン刑事、それに内巻くん! あとは頼みましたよ!」

内巻「いや、僕に頼まれても」

署長「汚野くん、防弾チョッキを着けたまえ」

海パン刑事「必要ありません。私は海パン刑事です。内巻、私の後に続け」

内巻「え、ちょっと待ってくださいよ~!!」

犯人「な、なんだあの野郎!? 来るなぁーーー!!」
バキューーーン

海パン刑事「撃つのをやめろ! 私は海パン刑事だ」
ヒョイ、ヒョイ

内巻「弾が当たらない。というか、弾の方が避けてる!?」

海パン刑事「私達は話をしに来ただけだ。それに見ての通り、我々は丸腰だ」

犯人「なら、その脚につけてるのはなんだ? 予備の拳銃じゃねえのか!?」

海パン刑事「…………バレたか」

内巻「当たり前でしょ! 裸なんだしばれますよそりゃ!」


海パン刑事「ほら、予備の拳銃も捨てた。これでいいだろう」

犯人「まだ何か隠してるんじゃねえのか!?」

萌香「ひゃ……な、何なのあの人たち!? どうして海パン一丁で私たちに近づいてくるの……怖いよぉ~~!」ブルブル

犯人「うるせえ! 俺に聞くな」

海パン刑事「警戒されているな」

内巻「いや、警戒どころか小山先生のお孫さんは完全に怖がってますよ。下手すりゃトラウマになりますよ、あれ……」

海パン刑事「仕方がない。ここは警戒心を解くために、一肌脱ぐしかないな」

内巻「え、脱ぐってまさか……!」

海パン刑事「内巻、お前は今回が初の任務だからな。これを使うことを許可する」っ

内巻「これって、お盆?」

犯人「くそ、あいつら何をするつもりだ……」

海パン刑事「ふんっ」
ヌギヌギ

犯人「な、なんだぁーーー!?」ビクッ

萌香「キャアァァァァァーーーーーー///」

海パン刑事「見ろ! これで正真正銘の素っ裸だ」

内巻「な、何してるんですか!? こんな校庭の真ん中で海パン脱ぎ捨てるなんて///」

海パン刑事「内巻、お前も脱げ。人命にかかわる一大事だぞ」

内巻「……わ、わかりましたよ」



部長「ハァハァ……やっと着いた」

宇佐美「内巻くん無事かな」

コレット「あれ、小山先生だ!」

小山先生「あや、皆さんまでお揃いで」

宇佐美「どしうて小山先生が事件現場に?」

小山先生「実は、この学校に通う私の孫が人質に取られまして」

宇佐美「えぇぇーー!! 先生の孫が人質に!?」

萌香「いやぁ~~こ、来ないでぇ~~っ!!」ブルブル

犯人「く、来るなぁーーー!!」

コレット「あれ、あの子どこかで会ったことがあるような……」

部長「それにしても、なんだか様子がおかしいような」

内巻「よいしょっと」ヌギヌギ

部長「って、内巻のやつナニしてんだぁーーーー!?」

コレット「うわぁぁーー! う、内巻先輩が海パン脱いで全裸になってますよ!!」

宇佐美「う、内巻くんの……ぜ、全裸……///」
プシューーーー////バタン!

コレット「あ、宇佐美先輩が真っ赤になって倒れた」

海パン刑事「見ろ。我々は見ての通り無防備状態だ! 今からそっちへ行くぞ」

萌香「た、助けてぇぇーーーー!!」

犯人「うわ、来るなーーーー!!」
バキューーーン

海パン刑事「海パンキーーークッ!!」

犯人「ぐあぁぁッ!!」

ドサッ、バタン!!

内巻「海パン刑事!」

海パン刑事「内巻、人質を保護してやれ」

内巻「は、はい」

萌香「来ないで………いやぁ~!」ブルブル

内巻「って、ものすごく警戒されちゃってますよ。僕らこの子を助けに来たのに」

海パン刑事「私としたことが、レディの前でとんだ失礼を。ネクタイが曲がっていたか」クイッ

内巻「いや、もっと下でしょ!」



こうして、海パン刑事の活躍により犯人は逮捕され、萌香ちゃんも無事救出されました。

海パン刑事「お前の協力もあって今回も無事に事件を解決することができた。」

内巻「僕何もしてませんけど。海パンになる必要も脱ぐ必要もなかったような気がします」

コレット「刑事ってすごいです! 私も将来刑事になろうかな」

部長「いや、やめといたほうがいいぞ」

宇佐美「内巻くんの裸、もっと見たかったなあ……///」ボソ


内巻「まあ何はともあれ、小山先生のお孫さんが助かってよかったですね」

小山先生「……あの、そのことなんですが」

宇佐美「あ、小山先生いつの間に!」

海パン刑事「礼には及びませんよ、小山先生。私は刑事として当たり前のことをしたまでです」

小山先生「いえ、萌香なんですが……PTSDを発症しまして」

美術部達「えっ!?」

海パン刑事「…………」


こうして、萌香ちゃんが一生モノのトラウマを患ったことで、美術部は背部に追い込まれました。
やはり、この美術部には本当に問題があったのでした。



END

>>28
最後誤字りました。
背部でなく、廃部です。

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