ちひろ「距離感って大事ですもんね」(25)

-事務所-

P「…」カタカタ

ちひろ「あ、プロデューサーさんこっちの件なんですが…」

P「はいはい、えーっとこの件は俺の方でやっとくんでちひろさんはこっちで」スッ

ちひろ「了解しました♪ではこの資料も渡しておきますね」

P「分かりました、そこに置いててください」

ガチャ

早苗「ウィッス!元気~?」

P「お疲れ様です。今日はどんな感じでしたか?」

早苗「う~ん…いまいち喉の調子が悪いのよね~。あ、ダンスはバッチリよ!」

P「ふむふむ…では明日オフを入れて明後日からボーカルレッスンで喉のケアを中心にスケジュールを組みますね」

早苗「おっけー、明後日ね」

P「はい。この後も予定はないので自由にしてくださって結構ですよ」

早苗「りょーかーい!じゃあテレビでも見とくわ」スタスタ…

P「お疲れ様でした」カタカタ






ちひろ「…」

P「ちひろさん?手が止まってますよ」

ちひろ「え?あぁ、すいません!」

P「…?」

ちひろ(う~ん?)

ちひろ「あ、あの…プロデューサーさん」

P「はい?なんでしょう」

ちひろ「プロデューサーさんって仁奈ちゃんと仲良いですよねぇ」

P「まぁ…プロデュースしてるアイドルだし、仁奈ちゃんに限ったことではないと思いますが」

ちひろ「よく事務所で遊んだりしてますよね」

P「仕事で学校のお友達ともあまり遊べていないようですし、俺で代わりになるならそれでいいかと」

ちひろ「その件で早苗さんに何か言われたことは?」

P「その件に早苗さんが関係あるんですか?」

ちひろ「無いってことですね…」

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ガチャ!

友紀「たっだいま~!」

奈緒「あ~疲れたぁ!」

ちひろ「お疲れ様です♪」

P「おう、お帰り」

友紀「プロデューサー!聞いてよ、奈緒ちゃんがさぁ」グイグイ

奈緒「えぇ?!あれは友紀さんが…」グイグイ

ベタベタ

P「えぇい!暑ぐるしい!離れんか!」

友紀「そんな言い方ないじゃん!」ギュゥゥゥ!

奈緒「真面目に聞けよ!Pさん!」ギュゥゥゥ!

P「俺は忙しいの!後で聞いてやるからあっち行ってなさい」シッシッ!

友紀「絶対聞いてよね!」スタスタ…

奈緒「勝手に帰っちゃダメだからな!」スタスタ…

P「帰らねーよ!仕事終わったら来るから」

ちひろ「…」

P「ったく。…ちひろさん?今度はなんですか?」

ちひろ「今の、どうです?」

P「はぁ?」

ちひろ「何か思いました?」

P「何かって…あぁ」

ちひろ「や、やっぱり!」

P「妹みたいな感じですよね。仕事の邪魔をするのはちょっとアレですけど、可愛いもんですよ」

ちひろ「そうですか…」

P「???」

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菜々「プロデューサーさん!」ドタバタ!

P「どうしたんだ、菜々」

菜々「こ、これ…」

P「なんだ?このブロマイド」

<超ド級のアイドル爆誕!シュガーハート(26)がハートを撃ち抜くぞ☆>

菜々「か…」プルプル

P「△△プロさんのとこの新人だな…またえらい人材見つけてきたな」

菜々「被ってるんですよ!キャラが!」

P「…お、おう」

菜々「いや、菜々はキャラなんて作ってませんけど!天然モノですけど!」

菜々「このままじゃ…菜々のアイデンティティがムーンウェーブですよ!」

P「落ち着け、動機が激しくなってるぞ」

菜々「…はっ!スゥゥゥゥゥ…ハァァァァァァ~」

P「コーヒーも飲むか?」

菜々「いえ…取り乱してすいませんでした」

P「で、結局何が言いたかったんだ?」

菜々「菜々は…このままでいいんでしょうか?」

P「ふむ…」

菜々「こういうキャラは新しいモノが受け入れられたら淘汰されそうで…」

P「菜々のそれは天然モノなんだろう?だったら大丈夫さ」

菜々「そりゃあ…そうですけどぉ」

P「むしろ先輩として一言もの申してみたらどうだ?このジャンルは甘くない、とか」ハハハ

菜々「…そうですね!歳…は下ですけど!17歳なので!芸歴は菜々の方が上ですもんね!」

P「その意気だ!他所の事務所でも同じアイドルなんだし、助け合いさ」

菜々「ありがとうございました!菜々、これからも頑張っちゃいますね!ミミミーン!」ダダダダ!

P「おーい、そんなに走るとまた動悸が…」

P「まぁ自信が出て良かったか…今日は随分と監視されてますね、ちひろさん」

ちひろ「監視なんて、そんな!」アセアセ

P「なにかあったんですか?」

ちひろ「…実は、昨日の事なんですけど」

-昨日、正午-

ちひろ「研修会も楽じゃないわねぇ…やっとお昼か」モグモグ

???「となり、いいですか?」

ちひろ「え?あぁ!どうぞどうぞ!」

事務員A「失礼します~」

事務員B「すいません、この食堂人が多くて…」

ちひろ「アイドル事務所全体の研修会ですからねぇ」

事務員B「あ、もしかして〇〇プロさんですか?」

ちひろ「あ、はい。〇〇プロダクションで事務員をしてます、千川です♪」

事務員A「最近よく名前を聞きますよ!アイドルの娘達もそうですけど、プロデューサーさんの手腕もさぞかし良いんですよね!」

ちひろ「そ、そんなこと…」テレテレ

事務員B「プロデューサーと言えば…」

ちひろ「?」

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-再び事務所-

P「…」

ちひろ「他の事務所のプロデューサーさんは…その」

P「露骨なセクハラやアイドルの扱いがひどい、と」

ちひろ「プロデューサーさんを疑ってるわけじゃないんですけど…」

P「…まあそういう人たちもいるかもしれませんね」

P「というよりそっちのほうが少数派なのでは…」

ちひろ「考えたことも無かったので…そういえばプロデューサーさんはどうなのかって、気になって…」

P「ちひろさんから見て、俺はどうですか?」

ちひろ「プロデューサーさんは…大丈夫ですね!余計な心配だったみたいです」

P「警察でも呼ばれたらどうしようかと思いましたよ」

ちひろ「か、からかわないでください!結構真剣だったんですから」

P「ですがアイドル達も一人の女の子ですから。やりすぎない程度のスキンシップも大事だとは思っています」

ちひろ「距離感って大事ですもんね」

P「えぇ…何事に対しても」

ちひろ「他の事務所のプロデューサーさんも是非よろしくお願いしたいですねぇ」

おわり

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