[アニポケSS]セレナ「今年の劇場映画も無事上映完了!!」 (18)

・今年上映のアニポケ映画『ボルケニオンと機巧のマギアナ』のSSです。
・内容を知らなくても分かるように配慮した内容となっています。
・ネタバレがあるので、知りたくない方はご注意下さい。
・キャラクターの性格の根本的な部分の崩壊は、まずないと思っています。



ユリーカ「本当に疲れたけど、お客さんも沢山入ってるみたいだし良かったね!」

シトロン「でもマナーの悪いお客さんも増えましたよ。私の友人(作者)の話ですが
     横にいた小学校高学年と思しき女の子は友人の席の右に堂々と自分の
     バッグを置いて、劇場で買った飲み物ではなく自分の持ってきた水筒で
     水分補給していたらしいですよ!」

セレナ「まあそれくらいなら可愛いものじゃない。私たちの活躍を観てくれてたんだから。   
    ガラガラだったらシャレにならないんだし」

シトロン「それもそうですけど……私の友人(作者)も横にロリが座ってくれて
     内心はときめいていたそうですから…。友人のストライクゾーンは
     小学生かららしいですからね」

セレナ・ユリーカ「「お巡りさーーーーーーーーん!!!」」

シトロン「ちょっ、ちょっとやめて下さいよ!あくまでこことは違う世界の話
     なんですから!」

セレナ「あはは、ごめんごめん」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470539726


ユリーカ「……ケップ」

セレナ「…ユリーカ?気持ち悪い?水あるけど飲む?」

ユリーカ「うぅん、大丈夫。さっきの宴会で食べ過ぎただけだから」

シトロン「だから言ったじゃないですかユリーカ。いくら映画の打ち上げの大宴会だからって
     あまり羽目を外して食べ過ぎない様にって」

セレナ「いいじゃない、私たちにとっては今年の映画が最後の出演作品になるんだろうし」

ユリーカ「そうなんだよね、基本的に私たちって使い捨ての同行者だからさ。
     このお祭りにも似た高翌揚感を味わえるのってもうないと思って…」

シトロン「…まあそうですね。今年限りの主役のマギアナもボルケニオンもここぞと
     ばかりにやけ食いしてましたもんね」

セレナ「ジャービスさんが自腹で差し入れてくれた100gウン万円もする神戸牛も
    10人前以上平らげてたじゃない」

ユリーカ「映画で散々悪役をやらされたジャービスさんがせっかく奮発してくれたのにね。
     ジャービスさんと一緒にサプライズとして動いてくれてたキミアさんも
     ラケル君も涙目になってたしね」

セレナ「……あーあ。最高級神戸牛食べ放題の圧倒的バーベキュー。
    あの光り輝く肉たちが登場した時には本当にドキドキしたんだけどなぁ」

ユリーカ「うん、もっと一杯食べたかったよね…」

サトシ「本当にな。俺ももっと食べたかったぜ!」

シトロン「ええ、全く……………って、え!!??」

三人「「「 サトシッ!!!!????」」」

サトシ「うわっ!な、何だよ皆、そんな大声出して…」

シトロン「いやいや、そりゃ驚きもしますって!サトシこそなんでこんな所にいるんですかっ!?」

ユリーカ「私たち今からサトシの入院してる病院に行こうと思ってたところなんだよっ!?」

セレナ「ボルケニオンやキミアさんからも散々言われてたでしょっ!?
    今年の映画ではサトシとボルケニオンの体に電磁パルス装置が取り付けられて
    サトシの体が何度もボルケニオンの硬い体に打ち付けられることになるから
    撮影後に必ず検査入院するようにって!」

シトロン「そうですよ!ネーベル高原でボルケニオンと一緒にエレキフィールドと
     ステルスロックの混合爆発を3度は喰らってるんですから!ボルケニオンも
     言ってたでしょう!?体に異常を感じたらすぐに監督に申し出ろって!」

ユリーカ「監督さんがえらくリアルな演技にこだわったせいで、服の下に一切防具を
     着込めなかったもんね、サトシ…」

セレナ「監督がライボルトとハガネールに本気で技を繰り出せって指示出してた時は
    血の気が引いてたんだから…」

ユリーカ「セレナ、監督に食って掛かってたもんね。『新手の殺人だ』って」

サトシ「皆からもそう言われるんだけどさ、俺本当に何ともないんだよ。
    病院の人も『健康そのものだ……』って驚いてたし」

ユリーカ「じゃあ入院はしなくていいってことになったの?」

サトシ「いや、『こんなこと有り得ない…。とりあえず2、3日は検査入院して
    様子を見よう。それにもう少し詳しく身体の中を調べたいな…少し開けてみて…』
    とか呟いてたから逃げ出してきたんだ」

シトロン「気持ちは分かりますが解剖は駄目ですよお医者さんたち……」

サトシ「とにかく俺はもうあそこには戻らないからな。何度も言ってるように、
    俺は全くもって大丈夫なんだ!なっ、ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピ、ピカピ…………」

三人「「「 はぁ…………… 」」」

ユリーカ「前々から思ってたけどさ、サトシって異常に打たれ強いよね。
     人間離れしてるっていうか……」

セレナ「ユリーカ、サトシを怪物みたいに言っちゃ駄目よ。
    サトシはただのスーパーマサラ人なだけ。通常の攻撃じゃサトシの
    皮膚を切り裂くことすらできない、それだけなんだから」

シトロン「滅茶苦茶言ってますね、セレナ。しかし確かに以前から僕もサトシの
     タフネスには興味を持っていました。はっきり言ってそこらのハピナスや
     エアームドや伝説ポケモンよりも耐久力があると思いますし」

セレナ「もぅ、シトロンまでサトシのことそんな風に言うんだから!
    そこまで言うのならこの際はっきりさせましょうよ。
    私もサトシに対してのその風評被害には危機感を持っていたの。
    そろそろこの問題に白黒つけるべきだと思うわ」キリッ

ユリーカ「白黒つけるって……どうするの?」

セレナ「シトロン……貴方、その背中のバッグに……大量の兵器を隠し持ってるわね…?」

シトロン「っ!」

ユリーカ「お兄ちゃん………?」

セレナ「警戒しなくていいわよ、私たちは旅の仲間…一蓮托生なんだから。
    その兵器を使って何をしようとしているのかは知らない。
    どうせXY&Zが終わってしまえば私たちは歴史の山に打ち捨てられる
    だけの存在……でも」

セレナ「その前に試してみない…?スポットが当たらずテレビ画面に映らないその
    兵器たちの性能を……人類史上最高の耐久を持つと貴方自身が認める
    サトシを使って試すの。これからの貴方の行動に対する試金石になると
    思うんだけど……」

シトロン「………………………」

シトロン「……丁寧に丁寧に隠し続けてきたつもりだったんですがね……。
     いいんですか、セレナ?はっきり言ってそれを試してしまうと、
     サトシは文字通り、『氏ぬ』ことになりますよ…?」

セレナ「何度も言わせないで。わかってる、シトロン?
    これは、サトシが『氏なない』ことを証明するための実験なのよ」

シトロン「……くくっ!いいでしょう…セレナ!
     その挑発、乗って差し上げますよ!
     数刻後、貴女のその愛らしい顔が絶望に歪むのが楽しみですよ……!」

セレナ「ふぅん……悪趣味ね」

ユリーカ「ちょ、ちょっと二人とも……目が怖いよ。どうしちゃったの?」

サトシ「何3人だけで盛り上がってるんだよ?俺も混ぜてくれよ!」タタッ

シトロン「あっ、サトシ!早速で悪いんですが、ちょっと僕が新しく開発したマシンの
     性能を見てくれませんか?」

サトシ「んっ?珍しいな、何もないのにシトロンがメカの性能を俺に見せるなんて。
    まあいいや。お安い御用だぜ!」キラキラ

シトロン「有難うございます、サトシ!では!早速お披露目いたしましょう!
     サイエンスが未来を切り開くとき!!」

セレナ「………………」

ユリーカ「サトシ……………」

ガチャン

サトシ「へえ、その機械、左腕に取り付けるのか。どことなく爪みたいに
    見えるけど、一体何なんだシトロン?」

シトロン「ふっふっふ。これこそ僕が開発したこれからの軍用兵器を牽引していくであろう
     先駆けとして開発した試作モデル第一号!
     その名も『アームド・アーマーVN』!!!」ジャキンッ

サトシ「ぶいえぬ………?何かの略称か?」キョトン

シトロン「その通り!VNとは『ヴァイブレーション・ネイル』の略ですよサトシ!
     これは骨格となる装甲に『サイコフレーム』という未知のフレームを使用した
     超振動兵器なんです。この『サイコフレーム』は強い強靭性を持っていて、
     これを超高速で振動させることによって無類の破壊力を引き出すことに
     成功したんですよ!」

サトシ「へぇ……何だか良く分からないけど……とにかく科学の力ってすげーっ!」キラキラ

シトロン「じゃあサトシ、早速このマシンの性能を試したいんですが……付き合ってくれますか?」

サトシ「ああ、もちろん大丈夫だぜ!」キラキラ

ユリーカ「いやいや駄目でしょ!?サトシ、お兄ちゃんの説明聞いてたの!?
     それ物凄く危ないマシンだよ!?いくらサトシでもボロ布みたいに
     引き裂かれちゃうんじゃ……むぐっ!?」

セレナ「いいから黙って見ていようね、ユリーカ。大丈夫、今から起こることを見れば、
    シトロンの顔から血の気が引き抜かれることになるから…」クスッ

ユリーカ「せ、セレナ………?」ゾクッ……

シトロン「では早速起動して………」


ヴゥイィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!


サトシ「うぉっ、シトロンの左手と同じ形に爪が開いた!かっけぇーーーーー!」キラキラ

シトロン「では、サトシ。覚悟はいいですか?」

サトシ「ああ!どんと来いだぜっ!」

シトロン「ぜりゃああああっ!!!!!!」ブォンッ!



ザバンッ!!!!!



サトシ「」ドサッ

ユリーカ「さ………サトシィーーーーーーーーー!!!???」

ユリーカ「せ、セレナ!サトシがっ!!サトシがぁーーーーー!!??」ガクブル

セレナ「……………」

シトロン「………ヒヒッ!ヒャーーーーーーーーーッハハハハァ!!!
     やった……見ましたかセレナ!!これが貴女がサトシ以下だと侮蔑した
     僕自慢の兵器の威力ですよ!!
     貴女は僕に言いましたね!?この兵器を使って何をしようとしているかは
     知らないと!!」

シトロン「ええ、ええ!!教えて差し上げますとも!!
     僕の目的はサトシの抹殺!!そしてこの世界を僕のものとすることですよ!!」

シトロン「大体サトシのことは前々から気に入らなかったんですよ!!
     ただ愚直なまでに真っ直ぐなその性格が気に入られたというだけで
     国民的日本アニメの主役を独り占め!!あろうことか行く先々で現地妻を作り!
     フラグを乱立させ!!しかもその花たちを摘み取ることもなく次の土地へ
     旅立つという男の風上にも置けないその所業が!!!」

シトロン「同じアニポケの主役級キャラとしてその暴挙に何も思わないと!!?
     僕はそこまで脳死はしていない!!思考停止していないんですよ!!!」

シトロン「ここからはずっと僕のターン!!アニポケの主人公は僕へと移り、
     サトシから過去の現地妻たちを寝取るんです!!
     シトロンハーレム王国を作り上げる!!それが僕の最終目標!!!」

シトロン「セレナ……もちろん君もその一員ですよ!!?
     それに貴女は僕の正式な妻として迎え入れる予定です!!
     光栄でしょう!?貴女には優秀な僕の子孫を最低3人は産んでもらう予定……」

セレナ「…………ふふっ」

シトロン「……………何が、おかしいんですか?」ビキビキ…

セレナ「うふふ……ごめんね。貴方があまりにも滑稽だったものだから、つい」クスクス…

シトロン「ほぉ……どうやら想い人が目の前で引き裂かれたことで精神がイッてしまった
     ようですね。僕としてはそちらでも一向に構わないのですが、読者の方々には
     少々嫌厭されてしまうかもしれませんね」

セレナ「だから貴方は滑稽だって言うのよ。自分の欲望に取り込まれて、
    現実さえ見えていない」

シトロン「それは貴女のことでしょう?見てごらんなさい。貴女が恋い焦がれている
     サトシは、そこに無残な姿で打ち捨てられ……て…………」

シトロン(血が…………出ていない?)

シトロン(それどころか……僕が攻撃した個所の服が破けているだけで……。
     皮膚には、その痕が残っているだけ………!?)

サトシ「痛てて……。倒れた拍子に頭打っちゃったぜ。でも、すごい衝撃だったなぁ。
    流石はシトロンのメカだ!すごいぜ!」ムクッ

ユリーカ「さ、サトシッ!!無事だったんだね!!?」ダッ

サトシ「えっ?ああ、勿論。シトロンが威力を弱めてくれてたから当然だぜ!」

ユリーカ「いや、滅茶苦茶超振動してたじゃん!?服だってその部分引き裂かれてるよ!?」

サトシ「あっ、本当だ。セレナ、悪いんだけど後で俺の服縫っておいてくれないか?」

セレナ「うんっ、分かった!今日のキャンプの時に直してあげるね!」

サトシ「サンキュー!セレナは上手に直してくれるから助かるぜ!」

セレナ「来週のアニメまでには完全に直るから安心して」


キャッキャッ

シトロン「………………ヒャヒャッ!!」

サトシ「シトロン?どうしたんだよ急に笑い出して」

シトロン「いえいえ何でもありませんよ!やはり試作一号機じゃあ威力が足りなかったと
     反省していたんですよ!!サトシ、貴方はもちろん僕のマシンの性能実験に
     まだまだ付き合ってくれますよね!?
     ここまできて嫌だとは言いませんよねっ!!??」

サトシ「?当たり前じゃないか。シトロンの気が済むまで付き合うぜ!」キラキラ

シトロン「くっ………僕は、貴方のそういうところが、気に食わないんですよ……」ボソッ…

ユリーカ「お兄ちゃん………」


ガチャン


サトシ「へぇ、今度は右手に取り付けるのか。さっきと似たようなメカなんだな」

シトロン「試作モデル二号機『パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲』。
     両手の掌に装備する一種の隠し武装です」ジャキンッ

サトシ「ぱるま………何だって?」

シトロン「『パルマフィオキーナ』は『掌の槍』の意です。
     通常戦闘においてビームを発射する場合、その砲を相手に向けるという動作が
     必要になりますが、これはその動作なしで攻撃を行うことが可能です。
     さらに近接戦闘になった場合に相手に気取られることなく、密着した状態から
     確実に敵の接触部位を破壊することができます」ザッザッ

シトロン「そう…………」ガッ!!

サトシ「ふがっ?ひとろん……いっはいなにを……」フガフガ

シトロン「こんな風にっ!!!」ピキィィィィィン!!!


ズガァーーーーーーーーーン!!!


サトシ「うぶわぁーーーーーーーーーーーー!!」ズダダダダタンッ!!!

ユリーカ「きゃあああーーーーーーー!?サトシーーーーーーー!!!??」

セレナ「……………………………」

シトロン「ふ、ふふふ………今度は中途半端な位置ではなく顔面に直接叩き込んで
     差し上げましたよ………。パルマフィオキーナは飛行戦艦でさえ
     一撃で破壊する恐ろしい威力を持っています…伝説ポケモンの技や
     はかいこうせん、ギガインパクトを凌ぐ威力の攻撃を、肌の上から直接
     叩き込んだのです。もう生きてはいないでしょう?
     お得意様にもまだお披露目していないこのマシンで逝けたことを
     光栄に思って………」ゼェゼェ……

サトシ「熱ち……地面を転がったからまた服が破けちゃったよ……。
    セレナに怒られちゃうな」ケロリ

ユリーカ「か、顔が煤にまみれただけ………?」ゾッ

セレナ「そう…これが、スーパーマサラ人よ」

シトロン「いたぞぉ、いたぞおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」ババババババ

サトシ「んぶわぁっ!!??」

ユリーカ「お、お兄ちゃんっ!!?」

シトロン「喰らえクソッタレエエエ!!!化け物めぇ、チキショーーーーーー!!!」パンパンパンッ!!!

シトロン「貴方はいつもそうだ!!何も考えずに無神経に!!
     いつでもその明るさを、輝きを失わず!!
     人を信じ続け、ポケモンを信じ続け!!次々に雌を堕としていくっ!!!」パラタタタタタタタタタタタタタタ

シトロン「挙句の果てにはこの僕にまで変わらない態度で接してきて!!
     それで僕がほだされるとでも!!?貴方に懐柔されるとでも思っている
     のですかぁーーーーーーーー!!!」チュドーンチュドーン!!

シトロン「しかし一番愚かなのは、そう思っているのにも関わらず!!
     理解しているにも関わらず!!!
     貴方に心を許してしまっている自分がいることだぁ!!!
     それこそが一番許せない!!情けないんだぁーーーーー!!!!!」ズガーンズガーン!!

シトロン「貴方は眩しすぎるんですよ!!暖かすぎるんですよ!!!
     僕の闇を、照らし出すな!!これ以上僕を、惨めにするなぁーーーーー!!!」ズガガガガガガガッ

シトロン「うわぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」ドガガガガガガガガァ!!!

シュゥゥゥゥゥゥ…………


シトロン「はぁ………はぁ………僕の、リュックに入っていた実弾2000発とガトリング砲、
     ミサイル、全16門のレールガンを、フルパック。
     それでも生きていられる生物は人間、ポケモン問わずいないはずだ…。
     ましてあの距離で……」ゼェゼェ

シトロン「見てください、ユリーカ……。先ほどまで花が咲き乱れていた平原が、 
     草一本生えていない焼野原と化しました……。
     僕自身も確かな手応えを感じました……。
     これで、終わりです。僕の正しさは、証明された……。
     サトシは、ただの人間だった。スーパーマサラ人などではなかった…。
     これからはアニポケの看板は僕とホルビーに……」

ハリマロン「リマッ!!?」

シトロン「ああ、ごめんなさいハリマロン。そういえば貴方もいましたね。
     しかし貴方には淫獣の血が流れています。ピカチュウの変わり……に……は……」

セレナ「……ね?言ったでしょ、シトロン?」

ユリーカ「う………そ………でしょ…………?」ゾクッ


ザッザッ


セレナ「通常の攻撃じゃ、サトシの皮膚さえ切り裂くことはできないって」ニヤリッ

サトシ「痛ってぇ~~~~、何もあんなにいきなり試すことないじゃんかシトロン。
    でも、すっげぇ音と威力だったぜ!やっぱりシトロンは凄いよ!」ニッコリ

シトロン「う、嘘だ……有り得ない。理論上この攻撃を受けて生きていられる生物は
     いないんだ。ゼルネアスだってイベルタルだって……それどころか神のポケモン
     と言われるアルセウスだってこの攻撃の前には肉片一つ残らず消滅するはず、
     なのに…………」

???「ねぇ、ちょっと貴方」

シトロン「僕はサトシに攻撃を集中した……そう、『集中』したんだ……。
     サトシがいた場所……大きなクレーターができている……やはり、僕の
     兵器の威力に間違いはない……。僕は、間違ってないはず……。
     そのはず、なのに……」

???「どうやら放心状態みたいだけど……つまり、貴方がこの辺り一面を
    こんな有様にしたってことで、間違いないのね?」

シトロン「え、ええ……僕の作った兵器が切り開いた未来が、これですよ……え?
     今の声、一体……誰………………」

ジュンサ―「そう…………貴方が作った兵器が、ねぇ」ジロリ

シトロン「あっ…………………」

ジュンサー「貴方、ここがポケモン保護地区だってことは知ってるわよね?
      それにこの平原には、ここでしか見られない貴重な植物も沢山
      自生しているの。でも……」

ジュンサー「先ほど別動隊から連絡があったわ。この平原に住んでいたポケモンたちが 
      謎の爆撃と銃撃により大量に死亡。しかも木々や草花にも甚大な被害が
      出ている……そう。貴方の攻撃によってね」

シトロン「あ…………あ…………」

ジュンサー「現時刻をもって、貴方を逮捕します。何か言う事はあるかしら?」

シトロン「ちょ、ちょっと待ってください!!僕は別に自身の快楽のためにこのような
     行動をしたわけじゃありません!!ただ僕は、未知の耐久力を持つ化け物を
     消滅させようとしただけで……そうですよね!!セレナ!!ユリーカ!!!」クルッ




セレナ(こけしのすがた)「」

ユリーカ(バイブのすがた)「」



シトロン「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

ジュンサー「…?変なこけしとバイブがあるだけじゃない?」

シトロン「ち、違います!彼女らは普段は普通の人間で!今は僕を煽ってこんなことを
     引き起こした責任を負いたくないから、あんな……!!」

ジュンサ―「こけしとバイブが、人間………?なるほど、精神にも重大な疾患を抱えて
      いるようね…。だからといって、これほどの被害を引き起こしたのだから
      無罪にはならないけどね……」

シトロン「ち……違う…………僕は………ぼく、は…………」

ジュンサー「話なら署で聞くわ。さあ、一緒に来てもらうわよ」カシャン

シトロン「……い、嫌だ……許して下さいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!????」ジタバタッ

ジュンサー「こらっ!!暴れないっ!!大人しくしなさいっ!!!」

セレナ(こけしのすがた)「…………」

ユリーカ(バイブのすがた)「…………」


ポンッ!


セレナ「全く、シトロンったら。自分が嬉々として撃っちらかしてたくせに、
    私たちに責任をなすりつけようとするんだから…」

ユリーカ「変身しなかったら今頃私たちもしょっ引かれてたよね」

セレナ「とにかくシトロンのことは悲しい事件だったと諦めるとして…」

サトシ「おーい、セレナ、ユリーカ。二人の言う通り草むらに隠れてたけど、
    一体何だったんだ?…あれ?シトロンは?」

セレナ「ああ、サトシ。シトロンは大丈夫。ちょっと急用があってしばらくは
    戻ってこれないけど、いつか必ず、また会えるから」

サトシ「そうなのか?一言俺にも声かけてから行ってほしかったな……まあいいや。
    とにかくもう夜も遅いし、どっかでキャンプしようぜ」スタスタ


ユリーカ「ねぇ、セレナ。結局サトシって怪物なの?
     実際お兄ちゃんの攻撃は、殆どサトシにダメージは与えられなかったんだよ?」

セレナ「馬鹿ね、ユリーカ。さっきから言ってるように、サトシはスーパーマサラ人。
    それ以上でも以下でもないのよ。その証拠に……」




サトシ「おっ!野生のパチリスだ!可愛いなぁ。ちょっとこっちにこいよ、セレナの
    美味しいポフレあげるぜ?」スッ

パチリス「こ、来ないでぇ!!」バリバリバリ!!

サトシ「んぎゃあああああああ!!!」ビリビリビリッ!!

サトシ「しびれびれ………」バタンッ

パチリス「ふんっ!」スタスタ




セレナ「人間の攻撃は一切聞かなくても、ポケモンの攻撃なら効くでしょ?
    ただサトシはポケモンのダメージを受けても一瞬で全回復する超回復と
    人間の攻撃を殆どキャンセルできる特殊な体質なだけよ」(^_-)-☆

ユリーカ「なぁ~~んだ。それだけのことだったんだ。あはは、変なの。
     お兄ちゃんったら、逮捕され損だねっ!」

セレナ「うふふっ、そうね」




アハハハハハハハハハハハハハハハハ……………




おしまい

これにて終わりです。
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