【モバマスSS】お題は星の数だけ 8夜目 (247)

こんばんは
今夜もお付き合い頂ければ幸いです
それでは>>3のお題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470396481

母性に飢えた仁奈と母性が欲しい若葉さん

それでは「母性に飢えた仁奈と母性が欲しい若葉さん 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

たくさんのアイドルが集まる事務所

けれど、今日は珍しく二人しかいない

ソファに座る二人の少女

一人は猫のような着ぐるみを着ている

もう一人はその少女より少し年上と感じるくらいだろうか

暇を持て余しているのだろう、足をばたつかせている時に

「「はぁ……」」

二つのため息が重なった

「ににゃちゃん? どうしたの?」

噛んでいることには触れないでおこう

着ぐるみの少女に問いかけると

「……」

うるうると瞳に涙をためて、もう一人の彼女を見つめるだけだった

どうしたのかな、嫌なことでもあったのかな?

そう思った少女は、小さいな子をあやすにはどうしたらと考え

「おいで、仁奈ちゃん」

小さい体を目いっぱい広げて、きぐるみの少女を招きいれた

着ぐるみの少女は少し迷った表情を見せたが

「若葉おねーさんの胸に飛び込んでおいで」

その言葉に背中を押されて、文字通り飛び込んだ

「若葉おねーさんっ!」

某怪盗も真っ青なダイブである

「えっ? きゃあっ」

小さな体で受け止めることができなかった若葉は、仁奈と共にソファに倒れこんだ

それでも、仁奈が落ちないようにしっかりと抱きしめて

「大丈夫、仁奈ちゃん?」

若葉が心配して、仁奈に声をかける

「大丈夫でごぜーますよ」

仁奈は満面の笑みを浮かべていた

少し不思議そうな顔をした若葉だが、仁奈が笑顔なら良いかと思い

「よしよし、仁奈ちゃんは良い子だね~」

若葉も精いっぱいの笑顔を返すことにした

仁奈のミルクティーのような色の髪を優しく撫でる

「もっと、撫でてほしいでごぜーます」

気持ちよさそうに頭をすりつけてくる様を見て

猫みたいで可愛いと、心の中で若葉が思った

「もっと甘えていいんだからね~」

胸の中にある、この暖かい気持ちは何だろう?

仁奈の頭を撫でるとどんどんとその気持ちが大きくなった

「んぅ……ママ」

ぼそりと仁奈が呟いたのを若葉は聞き逃さなかった

そして、若葉はこう思ったのだ

仁奈ちゃんはお母さんを求めているんだ、と

そうしたら答えは簡単、今だけ私がお母さんになってあげればいいんだ! と

「若葉ママですよ~」

それと同時に理解した

この暖かい気持ちは、仁奈を思いやる気持ちなんだと

「若葉……ママですか?」

上目づかいで若葉をみる仁奈

その瞳は少し遠慮と言うか、怯えがある

若葉はそれを感じ取り、仁奈を自分の心音を聞かせるかのように優しく胸に抱いた

「そうよ~、若葉ママです」

「嬉しい……です」

おずおずと仁奈の腕が若葉の腰に回される

それに気を良くした若葉が、心の中で「きゃあっ」と声を上げた

「仁奈ちゃんはしてもらいことある?」

頭を優しく撫でながら若葉が問う

「ん~……膝枕してほしーです」

まだ遠慮が見える仁奈を優しく抱きしめてから若葉が言う

「もう、ママに遠慮しちゃ駄目よ~」

自分がこんなに優しい声が出せることにびっくりする

「えへへ、ありがとうですよ」

どういたしまして~と若葉が返して、膝枕の体制をとる

「どうぞ~」

ぽんぽんと太ももを叩いて仁奈に言う

「えいっ」

可愛らしい声と同時に少しの重みが若葉の太ももにかかる

これが仁奈ちゃんの重みかと思うと、また心が温かくなった

「気持ちいーです」

「そう? 良かった~」

先ほどより笑顔が戻ってきた仁奈に安堵する若葉

「……今日、仁奈、友達にこう言われたんです」

それは急な仁奈の独白

「仁奈はいつも一人で帰ってるって」

ちょっと重い話の内容にどきりとしたが、話を聞くことに専念しようと若葉はそう思った

「友達はいつもママが迎えに来てて、その時もママがいて」

仁奈の言葉がどんどんと弱くなっていく

そして

「仁奈のママは? って、仁奈は……仁奈は」

その時を思い出したのだろうか、仁奈は大きな声で泣き出してしまった

「大丈夫」

若葉の優しい声色が、仁奈の鳴き声を優しく止める

「若葉ママ……?」


「迎えくらいママが行ってあげる」

仕事のスケジュールなんてプロデューサーさんがなんとかしてくれる……はず

何より、泣いているこの子のために何かしてあげたい、そう強く思った

「辛かったね、でも、これからは大丈夫」

仁奈が安心できるように、優しく声を重ねる

「いいんですか?」

「うん、ママ頑張っちゃうんだから~」

どん、自分の薄い胸を叩いたらむせてしまったのは内緒だ

「迎えくらいママが行ってあげる」

仕事のスケジュールなんてプロデューサーさんがなんとかしてくれる……はず

何より、泣いているこの子のために何かしてあげたい、そう強く思った

「辛かったね、でも、これからは大丈夫」

仁奈が安心できるように、優しく声を重ねる

「いいんですか?」

「うん、ママ頑張っちゃうんだから~」

どん、と自分の薄い胸を叩いたらむせてしまったのは内緒だ

―――

――「ただいま戻りました、あら?」

事務所に千川ちひろが戻ってきた

「まるで親子みたいですね」

2人ともいつの間にか寝てしまったのだろう

仁奈に膝枕をする若葉、若葉に膝枕されている仁奈

母と娘のように手を重ねて

2人とも幸せそうな寝顔を浮かべていた




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>21のお題を頂戴します

共演者に嫉妬で嫌がらせをされるアーニャ・美波

では「共演者に嫉妬で嫌がらせをされるアーニャ・美波 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「あんた、最近調子乗ってんじゃないの?」

冷たい声と冷たい目

……私、そんなつもりないだけどなぁ

「なにその眼、馬鹿にしてんの?」

「い、いえ……そんなこと」

そんなに睨まなくても良いじゃないですか

「ふんっ、お高くとまっちゃって……」

はぁ……どうしたらいいんだろう

こんな人だなんてプロデューサーさんは言ってなかったはずだけど

「おい、人の話聞いてんのかよ」

いつの間にか目の前にいてびっくりした

「はいっ! き、聞いてます」

「……ふぅーん、へぇ」

うう……じろじろ見られてる、怖いなぁ

「あんた、綺麗な顔してるね」

私には負けるけど、と嫌味たっぷりだ

「あ、ありがとうございます」

「これだけ綺麗なら仕事もとれるよねぇ」

「……」

「で、何人と寝たの?」

はい? この人は何を言ってるんだろ

「すみません、おっしゃってる意味が……」

あれ? きょとんとしちゃった、変なこと言ってないと思うけど

「あは、あはははっ! あんた面白いね」

面白い事言った覚えはまったくありません

そんなこと言えないけど、相手はげらげらとお腹を抱えて笑っている

ひとしきり、笑った後に

「アイドルさんはお偉いさんと寝るのが仕事じゃないの?」

二度目のわけのわからない質問をしてきた

「なに、その顔? また笑かすつもり?」

この人は何がそんなにおかしいのかな

「私、そんなことしていません」

貴女だってアイドルじゃないですか、なのに……

「だってぇ、エロそうな顔してるし清純そうな顔はうけるんじゃないの?」

おじさんたちにさ、とまた笑われた

「もう帰らせて頂きます」

付き合っていられない、そう思った時

「てめぇ、先輩に向かってその口はなんなんだよ」

大きな声と相手の右手が飛んできた

「いたっ! は、離してください」

がっしりと私の髪の毛を掴んでいる

「私、ムカついちゃったなー、どうしよっかなー」

にっこりと目が笑っていない笑顔がとても怖い

「私さぁボクシングかじってるんだけど、ちょっと遊ぼうよ」

やっと離してくれた……

と、思った時にお腹に強い痛み

さっきまで髪の毛を掴んでいた手が、私のお腹にめり込んでいる

「げほっ……や、やめてください」

痛い……なんでこんなことするの?

「良い表情するねー……っと!」

今度は振りかぶった左手がお腹にめり込む

「つっ……」

逃げなきゃ……そう思ってドアの方向に走りだそうとして

「美波ちゃん捕まえた♪」

とても楽しそうな声と、また髪の毛を掴まれていた

「きゃあっ!」

力任せに振り回される

「おら、まだサンドバックやってろよ」

一回、二回とお腹にパンチされる

そのたびに凄く痛くて、涙が出てきた

誰か助けて……

「すみません、誰かいます、か?」

部屋の外からアーニャちゃんの声が聞こえた

「ちっ……てめぇは黙ってろよ?」

返事をする前にまたパンチされた

「ごめんなさーい、まだメイクの途中なんですけど」

甘ったるい声……キモチワルイ

「どうしたんですかぁ?」

もしかして私を探してきてくれたのかな?

「ミナミ、こちらにいませんか?」

そのセリフを聞いてにこりと笑った

「さっきまでいたんですけど、お手洗いに行っちゃいましたよ」

「そう、ですか……わかりました」

こつこつという足音が少しずつ小さくなっていく

「どうしたんですかぁ?」

もしかして私を探してきてくれたのかな?

「ミナミ、こちらにいませんか?」

そのセリフを聞いて、相手がにこりと笑った

「さっきまでいたんですけど、お手洗いに行っちゃいましたよ」

「そう、ですか……わかりました」

こつこつという足音が少しずつ小さくなっていく

「仲良しなんだね」

ニヤニヤした気持ち悪い笑顔

「あ、うちのマネージャーがさ、さっきの子気に入っててさ」

今度、させてあげてよ? そう言われて

「ふざけないでください!」

もう我慢できない、私は良いけど、アーニャちゃんまで馬鹿にするのは許さない

「きゃー怖い♪ ……じゃあこっちもふざけねーよ」

お腹にさっきとは比べものにならない痛みが走る

「痛いー? 痛いよねー、良かったね」

痛くて悲鳴をあげることもできない

「どこまで我慢できるかなー」

楽しそうな目で私を見下ろしている

「んー腹ばっかりじゃ飽きるなー」

飽きたのならやめてほしい……

「一発くらい顔殴ってもごまかせるかな」

少し考えたあとに

「大丈夫だよね、うん」

とんでもない結論がでたみたい

「右がいいかな、左がいいかな」

「い、いや……」

「大丈夫! すげー痛いだけだから♪」

全然大丈夫じゃない

「なんで私がこんな目に……」

「えー簡単だよ、うちがムカついただけ」

本当に簡単な言葉

あまりの馬鹿馬鹿しさと悔しさで何も言えなかった

「食いしばってないと口の中切れちゃうからねー」

きっと痛いんだろうな、プロデューサーさんとアーニャちゃんになんて言い訳しよう……

せめて、少しだけでも痛くありませんように……

ぎゅっと目を閉じる




「ミナミ!」



アーニャ……ちゃん?

ゆっくりと目を開けると今まで見たことのない表情のアーニャちゃんがいた

「ちょ、ちょっとあんた何勝手に入ってきてんの!」

アーニャちゃんに驚いたのか、声が上ずっている

そんなアーニャちゃんは相手に詰め寄ると

「あんた人の話聞いてっ……」

投げ飛ばしていた

あまりに綺麗な動きであっけにとられる

背中を強く打ったようで、ひゅーひゅーと情けない声を上げている

「アーニャちゃん?」

このとき初めて、アーニャちゃんが怖いと思った

「こ、こんな事して許されるとっ……ぎゃあ!」

相手がアーニャちゃんを睨むと同時に

アーニャちゃんの足が相手のお腹にめり込む

思いっきり踏みつけるように何度も何度も

凄い音と相手の悲鳴が交互に聞こえる

流石にこれ以上は危ないと思って

「アーニャちゃん!」

後ろから抱きしめるようにして、アーニャちゃんを止める

「ミナミ?」

「うん、私なら大丈夫だから」

「だから……もう行こう、ね?」

早くこの場からいなくなりたい気持ちもある

「んー……少し待ってください」

しゃがんで相手の髪を掴んで耳の近くに顔を寄せた

「……」

顔が真っ青だけど、何を言われたのかな?

「お待たせしました、ミナミ」

いつもの笑顔に戻ったアーニャちゃんに安心する

足早に私たちの楽屋に戻った

ぎゅっとアーニャちゃんに手を握られたまま

「痛くない……ですか?」

「うん、もう平気」

少し痛むけど、心配かけちゃいけないし……

「ミナミは強い、ですね」

ううん、強くなんてないよ……次にこんなことあったらって思うと

「……大丈夫、私が守り、ますね」

優しく抱きしめられた

例の相手にまた何かされることはなかった

むしろ、こちらに怯えているかのような態度

いまだにアーニャちゃんが何て言ったかは教えてくれない

「ミナミ? お仕事いきますよ」

「うん、行こうか」

私のナイト様が守ってくれたおかげかも





おしまい

読んでくれた方に感謝を
そしてお題ありがとうございました
美波Pさんたちごめんなさい

寝ますので、再開は夕方あたりから……

今日も日差しがきついですね……
夕飯の前にひとつ書きたいと思います
では、>>56のお題を頂戴します

あなたの為にパンを焼く

それでは「あなたの為にパンを焼く」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……
お腹空いたなぁ……

パン屋さんの朝は早い

まだ深夜とも言える時間からパンを仕込む

ここ、大原ベーカリーも忙しそうに作業をしている

「うーん……」

いつもはまだ寝ているはずのみちるが一人、頭を抱えていた

「うーん……ぐぅ」

悩んでいるかと思うと、可愛い寝息が聞こえてきた

「……はっ! いけないいけない」

頬っぺたをぺしりと叩いて気合いを入れているようだ

「焼きたてのパンを持っていかなくちゃ」

事の発端は少し前、みちるとプロデューサーの会話中の一言

みちるがベーコンクッペを嬉しそうにほおばっていた時

「なぁなぁ、みちるって焼きたてのパンって食べたことあるのか?」

「ふご……?」

プロデューサーが子供の様な笑顔で聞いて来た

「もちろんありますよ」

さらりと答えるみちるに、プロデューサーがおおっ! と感嘆の声を上げる

「マジかー、羨ましいなぁ」

焼きたてのパンは美味しいんですよー

とっても良い匂いがして、あったかくて、ふかふかしてて……

そんな話をしていると、ぐぅ、と何かの音がした

「あはは……まだ昼飯食べてなくてさ」

くすりと笑って、みちるがプロデューサーにパンを勧めた

「うん、みちるん家のパンは美味いな」

わぁ、男の人って食べるの早いなー

あっと言う間にパンがなくなっているのにみちるが驚く

「それに、みちるん家に行くと良い匂いするもんな」

パンが焼きあがる香ばしい香り、幸せな気持ちにしてくれる

……でも、家のこと話されるのはちょっと恥ずかしいかな、とみちるは思った

「じゃあ俺は仕事に戻るよ、パンごちそうさま」

「あ、あの……」

プロデューサーを呼び止めている自分にびっくりした

ああああ! 私なにやってんの!?

「どうした?」

……いっちゃえー!

「こ、今度……焼きたてのパンをごちそうしてあげますっ!」

大原みちるが声高らかに宣言した

―――はぁ、あんなこと言っちゃったもんなぁ

でもでも、日ごろお世話になってるし、恩返し的な?

「みちる! 楽しみにしてるからな!!」

なんて、期待されちゃったもんね……頑張るしかないよね

……プロデューサーさんの手、大きくてごつごつしてたな

手を繋いだら、どんな感じなのかな

……わー! やっぱり今のなし!

顔が赤くなるのをごまかすように、みちるはパン作りに取り掛かった

料理は愛情とかよく聞くけど

相手を思って丁寧に作るから美味しくなるのかな?

調味料に愛情なんてないし……

でも、今オーブンで焼かれているパンは今まで一番の出来だと思う

……プロデューサーさん、喜んでくれるかな? 美味しいって言ってくれるかな?

パンが熱でどんどんと膨らんでいく

そして、プロデューサーへの気持ちもどんどんと膨らんでいくみちるだった





おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
ちょっとふごふごしてきます……

再開はしばらくお待ちください

お待たせしました
それでは>>71のお題を頂戴します

アインフェリアのメンバーにクールからデレ100%へ懐いていくありす

それでは「アインフェリアのメンバーにクールからデレ100%へ懐いていくありす 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を(ごめなさいな感じかも……)
口調などは目をつぶって頂ければ……

新たに結成されたユニット、『アインフェリア』

ヴァルハラへと導かれる戦場の魂たちの名を冠したユニット

そのユニットの一人である橘ありす

クール属性であるはずの彼女がどう変わったのか

ユニットのメンバー一人づつインタビューをしてみた

あなたの知らない橘ありすを今ここに紹介しよう


注)このインタビューは彼女は知りません

相葉夕美のインタビュー

―橘ありすさんをどう思われますか?

「うーん……しっぽを振りたいけど振らない忠犬? かな」

―例えばどのようなことで?

「初めはツンツンするんだけど、慣れると凄い可愛いいの」

―その話を聞かせてもらってもいいですか?

「イチゴの花の話をした時に、やたら食いついてきて、年相応の女の子だなって♪」

―可愛らしい一面があるんですね。ありがとうございました

高森藍子のインタビュー

―橘ありすさんをどう思われますか?

「情熱的で礼儀正しい女の子、だと思いますっ」

―例えばどのようなことで?

「私、写真を撮るのが趣味なんですが、ありすちゃんが凄い興味を持ってくれて」

―詳しく聞かせてもらえますか?

「はい、どうしても撮りたい人がいるらしくて、あんなに熱心な子なんだってびっくりしました」

―高森さんが撮りたい人はいるんですか?

「それはもちろんプロデュー……あっ、今のは忘れてくださいっ!」

―高森さんの情熱的なインタビューでした、ありがとうございます

新田美波のインタビュー

―橘ありすさんをどう思われますか

「背伸びしたいお年頃の女の子、だと思います」

―例えばどのようなことで?

「どうすれば美波さんみたいに綺麗になれるんですか? って聞かれて」

「好きな人にどうアプローチすればいいんですか? ってメモまで用意して」

―アイドルに恋愛はご法度だと聞いていますが?

「恋に恋する年齢だと思います。見守ってあげてください」

―可愛らしいですね。アインフェリアのリーダーのインタビューでした

鷺沢文香のインタビュー

―橘ありすさんをどう思われますか?

「とても聡明で可愛らしい子だと思います……」

―例えばどのようなことで?

「私のわからないことをすぐタブレットで調べてくれるんです」

「文香さんは私がいないと駄目ですねって、顔を赤くするのが可愛くて……」

―文香さんに懐いているんですね

「そうでしょうか? そうだと嬉しいですね」

―橘ありすさんが好意を寄せている人はご存知ですか?

「それはプロデュー……ありすちゃん?」

―あ……主役がやってきてしまいました

「これはどういうことですか文香さん! 後、貴方はだれですか?」

―申し遅れました、こういう者です

「ご丁寧にどうも、私は橘ありすです」

―はい、知っています

「ありすちゃん、かくかくしかじか……」

「ええっ? 皆さんにインタビューを!?」

―はい、色々と聞かせて頂きました

「あうぅ……、恥ずかしいです」

―オフレコにするところもあるので大丈夫です

「私のクールな面を損なわないようにお願いします」

―橘さんはクールですよ^^

「む、ちょっと馬鹿にされた感じがします」

―以上、アインフェリアの皆さんによるインタビューでした

―最後の皆さんから一言お願いします

「生存本能ヴァルキュリア」

「絶賛発売中です!」

「私たちの歌声を聞いてくださいね?」

「買ってくれないとありすちゃんのイチゴパスタをご馳走しちゃいます♪」

「文香さん!?」




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
お次は>>83のお題を頂戴します

次はキャラが少ないといいんですけど……(切実)

早耶「もう死んでもいいですぅ」

では 早耶「もう死んでもいいですぅ」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「早耶……」

んぅ~、もう少し寝かせてください

「ほら、起きないとキスしちゃうぞ」

ぱちりと目を開けるとプロデューサーさんの顔

「えっ? どういうことですかぁ~」

「おはよう、寝坊助さん」

ほっぺたにキスをされて、早耶、何がなんだかわかりませぇん

「まだ寝ぼけているのかな?」

きゃぁ、プロデューサーさんのお顔が~

「早耶は可愛いなぁ」

優しく頭を撫でてくれるプロデューサーさん

「ぷ、プロデューサーさん?」

「旦那に向かって随分と他人行儀だなぁ」

旦那様!? どういうことですかぁ

「もう一回キスすれば、目覚めるかな?」

またですかぁ~? 

どうしよう、心の準備がぁ……

「なんてね、さぁ朝食にしようか」

「えっ? は、はい~」

残念なようなほっとしたような、そんな気持ち

「さぁ、召し上がれ」

リビングのテーブルに着くと洋風の朝食が用意されていました

「お、おいしいですぅ」

プロデュー……旦那様が用意してくれた朝食はとても美味しくて

女として、ちょっと負けたような気がしましたぁ

「早耶に気にいってもらえてよかったよ」

そして、少しの違和感……

私の大好きなプロデューサーさんはこんなに完璧じゃなかったはず

とっても優しくて、ときには怒ってくれて、不器用だけど誠実な人

「貴方はちがうんですねぇ……」

このプロデューサーさんは、早耶の理想のプロデューサーさん

「気付かれるのが早いなぁ……」

だってぇ、プロデューサーさんのことは誰よりも見ていますからぁ

「あっちの俺にもよろしくね」

はい、もちろんですぅ

「さようなら、プロデューサーさん」

「またな、早耶」

もっと夢を見ていたかったけど、これで終わり

―――

――んぅ……朝ですかぁ

アラームを止めてから、伸びを一つ

カーテンを開けるとほどよい日差しが部屋に入る

「良い朝ですねぇ」

まだ、もやもやとした気持ちはあるけれど

正夢にしちゃえば良いんですよねぇ

そう思った時、ドアがゆっくりと開いた

「お? 起きてたのか、おはよう」

ああ、そういうことだったんですかぁ

「どうした? 具合でも悪いのか?」

そんなことないですよ『旦那様』

「いいえ、おはようございますぅ」

夢から覚めて、また夢の様……

「私、死んでもいいですぅ」

大好きなあの人に聞こえないように、そっと呟いた


おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
今更ですが、夏目漱石的な「私、死んでもいいわ」だったならすみません

次は>>96のお題を頂戴します
そろそろ楓さんとか良いと思いますよ?

みく「ネコ耳ブームがきてみくのアイデンティティ崩壊にゃ」

>>57

では「皆に秘密の逢引で寂しさからいつもより激しく身体的接触や恋人の行為を求める藍子 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「プロデューサーさん、もっとぉ……」

唇を重ねている藍子が艶めかしい吐息を吐く

屋上へと続く非常階段での秘密の逢瀬

俺はアイドルに手をだした糞野郎だが、後悔はしていない

「大好きですっ」

藍子を幸せにすると決めたのだから……

「キミは良い匂いがするね~♪」

志希がハグをしたまま、鼻をすんすんと鳴らしている

「こら、そんなことするんじゃない」

「にゃは♪ 良い匂いさせてるキミがいけないんだよ」

反省の色が全く見えない志希にため息をひとつ

「そんなもんかねぇ……」

「そんなもんだよ♪ ね?」

ちらりと後ろを見る志希

その視線の先には藍子がいた、ゆっくりとティーカップに口をつけている

ああ……この流れはきっと……

「さて、私はこれでおいとましょうかにゃ~」

まるで猫のように、素早い動作で志希が事務所から出ていく

そして、藍子が立ち上がるのは同時だった

「あ、藍子? 落ち着こう……な?」

にこにことしているが、まったく目が笑っていない

「私は落ち着いていますよ?」

不思議そうな顔をして、慣れている仕草で俺の胸へ飛び込んできた

「んん……良い匂い」

志希に負けずと顔をなすりつけてくる

これはマーキングか何かなのだろうか……

「これで上書きできましたか?」

……本当にマーキングだったようだ

「上書きも何も、俺には藍子の匂いしかしないさ」

こんなセリフ、知らない人が聞いたらセクハラで訴えられるだろうな

「も、もうっ! 恥ずかしいこと言わないでください」

こういう恥ずかしがり屋なところも可愛い

「よしよし」

優しく髪を撫でると、猫のように気持ちよさそうに目を細めた

「ただいま戻りました」

事務所へ帰ると茶色い物体が高速でとびかかってきた

この外ハネの髪型は……

「お疲れさまープロデューサー! ちゃんみおアタックをくらえ~」

柔らかいものが当たってるんですけど!!!

「み、未央! 年頃の子がこんなことをするな」

……まさかクラスの奴にやってないだろうな? 

「プロデューサーはつれないなぁ」

つれるとかつれないとかの問題じゃありません

「とにかく離れなさい!」

少し強めに未央に注意する

「はーい、プロデューサーにも会えたからもう帰ろうかな」

じゃあね、藍子ちゃん! そう言って、未央は事務所から出て行った

藍子……? 

「お疲れ様です、プロデューサーさんっ♪」

にこにことしながら仁王立ちをされている、藍子……さんがいた

「ち、違うんだ藍子! 話を聞いてくれ」

何とか誤解を解かなければ!

「わかってます、ただ未央ちゃんにハグされただけですよね」

「そう、そうなんだ! 未央には困ったよなぁ」

これはいける!!!

「むぅ……鼻の下が伸びてましたっ!」

いけませんでした……

「やっぱり男の人は胸の大きな人が好きなんですね……」

えっ? ソ、ソンナコトナイヨ……

「落ち着け藍子、そんな訳ないだろう?」

……上目使いで睨まれてる、どうしよう、すごく可愛い!

「本当ですか? ……えいっ!」

可愛らしい声と共に藍子が飛び込んでくる

「ど、どうですか?」

顔を真っ赤にして聞いてくる藍子に愛おしさを感じた

「藍子はもっと食べたほうがいいぞ?」

泣かれました……

「ばかっ! プロデューサーさんのばかっ!」

これでもかと叩かれているが全く痛くない

「藍子、よく聞いておくれ」

声をマジなトーンにする

ぴたりと藍子のパンチが止まった

「藍子は軽すぎるんだ、もっと食べろってのはそういう意味だ」

体力での問題もでてくるしな、それに

「誰にハグされようが、藍子にハグされるのが一番だよ」

「プロデューサーさん……」

よし、これで大丈夫だろう

「じゃあ……もっと、ぎゅって、してください」

照れながら上目使いとか反則だよ?

「藍子ぉ!」

「あ……んっ、痛いです、けど……嬉しい」

このままだと俺は駄目になってしまう、そんな気がした

「奏、なんで俺の言う事を聞いてくれないんだ」

くそっ、この未成年に見えない小娘め

「あら、私は条件付きでと言っただけよ」

お前の条件とか耳タコなんだよ!

「キスとか言うんだろ、お前のことだから」

「わかってるなら話は早いと思わない?」

お前恥ずかしそうにして、震えるじゃないか

ギャップ萌えか? クールがやると耐えられないんだよ

「ふ、ふん……意気地がないのね」

そういうフリするの!? お前懲りてないないじゃん……

「奏……」

「やぁ……」

ほらー、震えてるじゃんか

……後ろからの藍子の視線に、俺も震えることになりました

「むぅぅぅぅ……」

うわぁ、泣きながら怒ってる……

フィルムに残したいくらい可愛い、あ……奏はほっぺた赤くしながら出ていきました

「……ス」

藍子がぼそりと呟くが聞こえない

「すまない藍「キス!」」

今度ははっきりと聞こえた、というより聞こえすぎた

「藍子……?」

俯きながら、藍子がゆっくりと口を開いた

「プロデューサーさんのばか……」

……自覚してます

「プロデューサーさんにぎゅってしてもらうのは私だけなのに……」

……されるのはどうしようもないが、俺からは藍子だけだ

「プロデューサーさんの匂いは私だけのものなのに……」

……ちょっと怖いセリフだけど、まあいいか。それに、志希はありゃ駄目だ

「プロデューサーさんとキスしていいのは私だけなのに……」

……うん、わかってる

俺の唇は藍子だけのものだ

「今日の私はわがままです……でも」

泣きながら笑う藍子が言う

「私を好きで……いてくれますか?」

答えなんて言う必要はない

優しく抱きしめて、そっと口付けをした




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
一スレにつき一つは藍子のお題があるような……
おかげで藍子が気に入ってしまったじゃないですか!(震え声)

少し休憩を頂きますね

みく「ネコ耳ブームがきてみくのアイデンティティ崩壊にゃ」

今更の話なんですが……
【モバマスSS】暑い日ときつね娘とラムネ で交流会に参加しました
今後の参考に感想を頂けると幸いです

では、15分ほどで戻ります

それでは再開します
では、>>124のお題を頂戴します
そろそろ楓さ(r

若葉さんで初めてのおむかえ(ナレーション美優さん)

ほろ酔い楓さんと月見酒の静かな夜

では「若葉さんで初めてのおむかえ(ナレーション美優さん) 」でひとつ
「母性に飢えた仁奈と母性が欲しい若葉さん 」アフターっぽい感じで……
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

今日のおつか……おむかえに挑戦するのは日下部若葉ちゃん

中学生ではありません、立派な大人の女性……のはずです

そんな若葉ちゃんには仁奈ちゃんの初めてのおむかえをしてもらいます

道のりは長いかもしれませんが若葉ちゃんには頑張ってもらいたいと思います

それでは若葉ちゃんの意気込みを聞いてもらいたいと思います

「私がちゃんとママをしてる所をみせます~」

これは期待できますね

えっ……ナレーションが固い? そんなこと言われても私……

あっ……若葉ちゃんが動き出しました

仁奈ちゃんの学校に行くにはバスを使わないといけないみたい……

若葉ちゃん、ちゃんとバス停までいけるのかしら?

あら? そっちはバス停じゃ……

若葉ちゃん、それは道路の標識よ……



ようやくバス停じゃないことに気付いたみたいです……

そう、そこを曲がって……やりました、バス停が見えましたね

「ママもたまには間違えるんです~」

そうね、完璧な人なんていないもの……

でもこれでようやく……あら、これは路線が逆じゃ……

……私は若葉ちゃんを信じていました、本当ですよ?

ちゃんと仁奈ちゃんの学校に向かうバスに乗れたみたいです……

バスの中でおばあちゃんに飴をもらったみたいです

「お嬢ちゃん、どこまで行くの?」

「お嬢ちゃんじゃなくて、ママです~」

可愛らしいママだね、と頭を撫でられています

おばあちゃんと孫のようで和みますね

あっ、そろそろ目的のバス停です

若葉ちゃんは……さっきのおばあちゃんにバイバイして、きちんと降りたみたいですね


ここからは歩いて仁奈ちゃんの学校へ……

「お嬢ちゃん、学校はどうしたのかな?」

プロデューサーさん! えっ? 早苗さんの元同僚さんですか……

「私は二十歳です~」

免許証……はないので、保険証を見せて信じてもらえたみたいです

はらはらしましたね……

この長い坂を超えれば……

あ、小学校が見えてきましたね

「ぜー……ぜー……仁奈ちゃん待っててね~」

満身創痍みたいだけど大丈夫かしら……

もう少し、もう少しよ若葉ちゃん……

「到着しましたよ~」

プロデューサーさん、若葉ちゃんが……あ、まだ終わりじゃなかったですね

すみません……ちょっと、うるっとしてしまいました

「こんにちは、どの子のお姉さんかな?」

「お姉さんですけど、今日はママです~」

先生方にもそういう目で見られちゃいますよね……

私もお姉さんで通るのかな……

あっ、動きがあったみたいですね

「先ほど電話した日下部若葉という者です~」

若葉ちゃん、頑張ったわね……

もう仁奈ちゃんの教室は目と鼻の先です

……若葉ちゃん、小学校歩いていても違和感ないのはどうしてでしょうか

えっと、川島さんも大丈夫だと……思いますよ、ええ

「仁奈ちゃ~ん」

「わぁ! 若葉ママでごぜーますか」

良い光景ですね、私……涙が

夕日をバックに、仲良く手を繋いで帰る二人

仁奈ちゃんが嬉しそうに笑うと、若葉ちゃんがそれに応えます

……プロデューサーさん、私も……

あっ、すみません……

今日のはじめてのおむかえは日下部若葉ちゃんでした

それでは次回もお楽しみに……



おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
>>125さんは惜しかったですね……

そろそろ寝ます
再開はお昼過ぎを考えています……

こんにちは
それでは再開したいと思います
>>141のお題を頂戴します

>>125

それでは「ほろ酔い楓さんと月見酒の静かな夜」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

とうとう楓さんがきましたか……

まん丸お月様の静かな夜

夏本番の気候にしては随分と涼しい

こんな夜に飲む酒はきっと美味いと思い、縁側へと繰り出した

蚊取り線香とお気に入りの日本酒

肴は後で遅れてやってくるはずだ

……一杯くらい良いよね?

まん丸お月様の静かな夜

夏本番の気候にしては随分と涼しい

こんな夜に飲む酒はきっと美味いと思い、縁側へと繰り出した

蚊取り線香とお気に入りの日本酒

肴は後で遅れてやってくるはずだ

……先に一杯くらい良いよね?

「こんばんは、おひとりですか?」

あ、見つかった……

「ええ、手酌では寂しいと思っていたところです」

おひとついかがですか? とお誘いすると、

「それでは、頂きますね」

と、了承の返事をもらった

徳利からお猪口へ透き通った液体が注がれる

楓さんはほほ笑むと、ゆっくりとそれをあおる

こくり、と可愛らしく喉がなった

「……はぁ、美味しい」

嬉しそうに、美味しそうに杯を乾かす

酒もこんな美人に飲まれるのなら幸せだろう

「お返し、です」

おお、これはすみません

「おっとっと」

うちの事務所でもこれだけ絵になるアイドルはそうそういない

一気にあおると、手酌の時より美味く感じた

「あら、良い飲みっぷりですね」

「楓さんのお酌ですからね」

くっくっと笑うと、楓さんも笑顔になる

「私のほかにもお酌してくれる人がいるんじゃないですか?」

そういう質問するかなぁ……これは楓さんにわからせてやる必要が

「……冗談です」

少女のように笑う楓さん

まったく、いくつになっても悪戯心が抜けない人だ

この人の凄いところはそれが決して嫌味にならないところ

そして……いくつになっても可愛らしい

「プロデューサーさんの目が怖いですよ?」

お互いの目が逢う、楓さんの瞳に移る俺はどんな目をしているのだろう

「楓さんをスカウトした目ですよ? 怖いわけないじゃないですか」

おどけて返す

「それもそうですね、貴方の目はいつも穏やかですし」

ふふっと笑いながら楓さんが近づいてくる

「良い夜ですね」

そして、お互いの距離がゼロになる

「ええ、本当に……」

「いつもお仕事お疲れ様です」

俺は貴女のその言葉だけで頑張れます

「皆それぞれ頑張っています、俺も負ける訳にはいきませんからね」

「ふふっ……そうですね」

2人でしばらく笑った後にお月さまに一筋の雲がかかる

「ねぇ、あなた……」

「なんだい? 楓」


どちらともなく、そっと口付けを交わす

さっきまで俺らを見ていたお月さまも隠れてしまった

「あなた、もっと……」

2人の夜が更ける

誰にも邪魔されず、幸せな時間が……



おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
考えすぎたらまとまりませんでした……

次は>>156のお題を頂戴します

>>142

それでは 早耶「刺し違えてでも」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

「まゆちゃぁん、ちょっと話があるんだけどぉ」

「うふ、奇遇ですね」

突如勃発した二人のアイドルのバトル

いわゆる修羅場というものである

しかし、それを見るアイドルたちは至って冷静だった

「むふふ」 「はぁ……またかよ」 「智絵里ちゃんおかし食べる」

まるで日常の一コマのような、そんな雰囲気を醸し出している

「まゆちゃんさ、ちょっと私と被ってるんじゃないかなぁ」

「それは早耶さんにお返ししますよぉ」

うふふ、と不敵に笑う二人が

「ふぬぬ……」

「ぐぅぅ……」

がっぷりよつでぶつかり合った

「私のほうが先輩でしょぉ……!」

「普段は尊敬してますけど、プロデューサーさんは渡しませんよぉ……!」

2人の力は拮抗しているかと思ったが……

「あはっ」

「何がおかしいんですかぁ?」

早耶の目が光ったかと思うと、一気にまゆを吹き飛ばす

「まゆちゃんは小さすぎよぉ……」

勝者の笑みがそこにあった

「ただいま戻りました……って、何事?」

そこに愛しのプロデューサーが帰ってきたことにより、状況は一変した

「うぅ……早耶さんがぁ」

一瞬にして泣きまねをするまゆ

こうなってしまうと早耶の状況は悪くなるばかりだ

「おーおー、泣くなまゆ」

頭を撫でられながら、まゆが早耶に勝者の笑みを浮かべた

「「プロデューサーさん」」

早耶とまゆの言葉が重なる

「二人そろってどうしたの?」

当のプロデューサーが不思議そうな顔をした

「「これ食べてください」」

実は仲がいいんじゃないか? そう思われそうなハモリっぷりだ

「え、良いの? 昼飯まだだったから嬉しいよ」

「「えへへ……」」

実は仲が(r

「へぇ、まゆはサンドイッチで早耶はお弁当かぁ」

二つとも野菜もったっぷりで彩りも鮮やかだ

「じゃあ、まゆのから頂こうかな」

「はい、どうぞ♪」

綺麗に並べられたサンドイッチはどれも丁寧に作られている

「うん、美味い! いくつでも食べられそうだ」

言葉通りプロデューサーはあっという間に食べつくした

「これなら仕事しながらでも食べられるもんな」

「はい、プロデューサーさんはお忙しいですから」

プロデューサーのことを考えつくした、まゆのサンドイッチであった

「次は早耶のを……おお!」

ふたを開けたプロデューサーが喜びの声を上げた

「召し上がれぇ~♪」

早耶がにやりとした笑みを浮かべる

「では、頂きます……」

プロデューサーの箸が凄い勢いで弁当をかきこんでいく

「俺好きなんだよね、生姜焼き!」

まゆがしまっという顔をする

「お昼はゆっくりと、好きなものを食べてほしかったんですぅ」

「ごちそうさま、美味しかったよ早耶」

プロデューサーの笑顔が勝負の決着を物語っていた

「なかなかやるじゃないの」

「ええ、早耶さんも……」

お互いの牽制が事務所の中に電撃を発生させたり、竜巻が発生したりすることはなかった

ゆったりとした午後の空気が流れている

「これで最後にしましょう」

「うふ、わかりました」

取り出されたのはガム

ただし、外れをひくと尋常じゃない酸っぱいガムを味わうことになる

2人は味を想像して、口をすぼめた

「用意は良いかしらぁ?」

「もちろん」

お互いの視線が交差しガムに手が伸びる

「「……」」

少しの沈黙……そして

「あああああ……酸っぱいぃぃぃ」

まゆが涙を流しながら崩れ落ちた

「私はプロデューサーさんの所へ行かせてもらうわぁ」

早耶がゆっくりとした足取りで立ち去ろうとした時

ちょっとした異変にまゆが気付いた

「早耶さん、貴女……」

がくがくと震え、冷汗を流しながら早耶が答える

「覚悟が違うのよぉ、たとえ刺し違えても……ね」

薄れゆく意識の中でまゆが見たもの

それは早耶の……いや、女としての強さを感じさせる笑顔だった



おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
……さーやPも多くないですかね?

少し休憩しますね

>>120 このスレ含んでの要望ばかりになってしまったけど良いかな

>>170
ええと、このスレについてですか? それとも感想がでしょうか

夕食前に一つ書きたいと思います
>>174のお題を頂戴します

>>55

では「本当に17才と思ってるPに困る菜々さん 」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

>>172
ラムネの感想だったんだけどその感想内容がこうした方が良いんじゃないかなという意見ばかりになってたんで。
それとラムネだけでなくこのスレの作品の分も書いちゃったもんで

猫アイドルやら不思議系アイドル、サンタクロースまで

キャラというか個性のねるねるねるね状態のプロダクション

ここの一人、そのせいで悩むアイドルがいた

「お疲れ様でしたっ!」

ライブが終わり、スタッフに挨拶をする少女(?)

「ナナちゃんお疲れー! とっても良かったよ」

ぴょこりと跳ねるうさ耳がトレードマークの『ナナ』というアイドル

>>177
ラムネの感想でしたら、参考にさせて頂きます
ただ、このスレの感想はスレ内でお願いできたら良かったかなと
宣伝しておいて我儘言ってすみません……

「ナナお疲れさま、ご飯でも行こうか」

「プロデューサーさんお疲れ様ですっ! ナナ、どうでしたか?」

プロデューサーと呼ばれた男がにこりとして返事を返す

「ばっちり! 流石って感じだよ」

「ナナ頑張りました、エッヘン!」

心の中でナナがガッツポーズをした

「さて、じゃあ今日は……」

あ……今日も生ごろしの時間がやってくる

どんどんと笑顔を曇らせるナナ

「暑いからビアガーデンかな」

ナナが想像して、こくりと喉を鳴らした

こんな暑い夜に飲むビールは最高だろうなぁ……

心の中で滝のような涙を流しながら、プロデューサーの後に続いた

昼の熱さほどではないが、少しじめっとした暑さが残る

テーブルの上には所狭しと料理が並び

さらには、小型コンロの上の網でカルビが良い音をさせている

「さて、じゃあ乾杯しようか」

プロデューサーがまだかまだかと言わんばかりの勢いで

「はい……そうですね」

ナナはこれから始まる、楽しくも辛い時間に肩を落として

「「乾杯!」」

グラスとジョッキが乾いた音をたてる

「……ぷはぁ、美味いなぁ!」

プロデュサーが豪快に喉を鳴らして

「美味しそ……美味しいですね」

ナナがウーロン茶をちびりとやっている

ウーロンハイではなく、ウーロン茶、これがナナの悩みの種

「ナナも早く酒が飲める年齢になればなぁ……」

はぁ、とため息を吐くプロデューサー

「あはは、ナナも早く飲みたいですねー♪ なんて……」

ナナが笑顔でごまかすが、心境は荒れていた……

プロデューサー! ナナ、もうお酒飲めるんですよー!!!! 

……ウサミン星にいた時は第三のビールによくお世話になってました

こんな感じである

「あ、お肉頂きます」

香ばしく焼けたカルビが良い匂いをさせている

「おー、どんどん食べてくれ」

お酒が駄目なら自然と食事のほうにシフトするのだが

……最近になって横腹が気になってきたナナはすこしビビっていた

「ビール頼みけど、ナナは?」

ナナも! と声を大にして言いたい気持ちを抑え

「……ウーロン茶をお願いします」

遠慮がちに注文した

「あ、お肉頂きます」

香ばしく焼けたカルビが良い匂いをさせている

「おー、どんどん食べてくれ」

お酒が駄目ならと、自然と食事のほうにシフトするのだが

……最近になって横腹が気になってきたナナは、だいぶビビっていた

「ビール頼むけど、ナナは?」

ナナも! と声を大にして言いたい気持ちを抑え

「……ウーロン茶をお願いします」

遠慮がちに注文した

何杯か頼み、ほろ酔いになったプロデューサーが

「そろそろさ、ソロの曲を増やそうかと思ってるんだけど」

みんなには内緒だぞ、と言ってきた

「え? 本当ですか!?」

自分の持ち歌にメルヘンデビューという歌がある

明るくて振り付けも可愛くて、まさにナナ専用と言ってもいい

次はどんな歌なのかなぁとナナは思いを馳せた

「ナナはメイドカフェ上がりだろ、衣装もそういう感じでさ」

おお、良い感じなんじゃないですか!

「あれ? ナナはいくつだっけ?」

えっ? いまさらですか!?

「17歳です! キャハっ☆」

正直プロデューサーにこれやるのしんどいです……

「メイドカフェに3年いて、うちに来て1年……何かおかしくないか?」

とうとう気付いてくれるんですか!?

「そ、そうです! ナナはもう……」

ひーふーみーと数えているプロデューサーが顔を上げた

「俺の数え間違えだった、ごめんな」

そ、そんな……乃々ちゃんじゃないけど、ナナいぢめですか

「今日は飲むぞ、付き合えナナ!」

ウサミン星に帰ってビール飲んでいいですか……

「ひっく……ナナぁ、帰るぞー!」

それナナじゃないです、植木ですよ!?

「もう、ナナはこっちですよ」

少しだけ強めに腕を引くナナ

「あーごめんごめん」

一人だけ酔ってずるい人

「よーし! もう一軒だー!」

「駄目です……!」

こんなに酔ってるならと思って

「ナナ、実は17歳じゃないですよ」

「なーに言ってるんだよ、嘘がへたくそだなぁ」

げらげらとプロデューサーが笑う

いつもカミングアウトしてもプロデューサーが信じてくれることはなかった

ただ、今日はいつもより少しだけ違くて……

「ゆっくりと大人になれよ」

きりっとした顔つきのプロデューサーにドキリとする

「これだけ忙しい毎日なんだ、だからって急いで大人になる必要なんてない」

ええー? 何ですか今展開…… 

ナナが今までにない展開であわてふためく

「なんてな、酔っぱらいの戯言だ」

じゃあな、と言って別れたプロデューサーの真意はわからなかった

「ゆっくりと大人になれよ」

きりっとした顔つきのプロデューサーにドキリとする

「これだけ忙しい毎日なんだ、だからって急いで大人になる必要なんてない」

ええー? 何ですかこの展開… 

ナナが今までにない展開であわてふためく

「なんてな、酔っぱらいの戯言だ」

じゃあな、と言って別れたプロデューサーの真意はわからなかった

ウサミン星にあるナナの部屋

メイクを落とし、ふろ上がりのナナがビールのプルタブに指をかける

ぷしゅっとした軽い音が部屋に響き、それを一気にあおる

「ぷはぁ~!」

これですよこれ! お風呂上りは格別ですね

さっきまでおあずけを食らっていたので、尚更だ

喉を潤すと、さっきのプロデューサーの言葉を思い出す

ゆっくりと大人に……か

もう大人になっちゃってるんですけどね、とナナが笑う





ビールをもう一口、今度はゆっくりと

口の中に広がる苦い味にも慣れたものだ

「よーし!」

ほっぺたをぴしゃりと叩く

焦らなくてもいいのかな、ゆっくりと……うん

プロデューサーには困ったものだけど、別にいいや

酔っぱらった顔を思い出し、もう一口、ビールをあおった





おしまい

読んでくれた方に感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>198のお題を頂戴します

ポジパの3人でスキーに行く

では「ポジパの3人でスキーに行く」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

『真っ白な世界』

「すごーい!」

「カメラ持って来ればよかったな」

2人が景色に驚くなか、茜は一人俯いていた

「どうしたの茜ちゃん?」

未央が心配して声をかけると

「もう我慢できません! 早く体を動かしたいです!!」

茜がまだかまだかと興奮した面持ちで返す

「茜ちゃんはいつも元気ですねっ」

『ポジパ、雪原に立つ』

恐る恐る、未央が一歩を出す

ずぼっと言う音と共に膝深くまで埋まってしまった

「あははっ! 凄い凄い」

きゃあきゃあと髪を揺らして喜ぶ未央

「そーっと……きゃぁっ」

そして、藍子も埋まってしまう

「茜ちゃーん? ……あれ?」

2人があたりを見渡すと

「ここですよー!」

大の字で埋まっている茜の声が聞こえた

『ゆるふわ』

「うん、だいぶ慣れてきたかも」

ターンがなかなか様になってきていることの気を良くする未央

「私も良い感じですよー!」

持ち前の運動神経のおかげなのか茜の上達速度は速い

藍子はというと

「んー……」

物凄い急斜面を滑っている、落ちないのが不思議な遅さで

「あれ、どうなってるのかな?」

「さっぱりわかりません!」

『それゆけ茜ちん』

「行きますよー!」

小さな体に無限大の元気

熱血が常時発動している彼女

「あーお二人ともー!」

二人が真っ青な顔になっているのに茜は気付かなかった

「み、未央ちゃん……」

「茜ちんならきっと大丈夫!」

雪崩の上を進む茜はこの後普通に戻ってきました

『お昼ご飯』

「あーちゃん何食べてるの?」

かつ丼を豪快に食べながら未央が聞いた

「カルボナーラです」

ははぁ、あーちゃんは意識高いもんなぁ……と思う未央

ちらりと逆を向くと茜がカレーうどんをすすっている

「わ、このカレーうどん「かれーですね、ふふっ」から……あれ?」

誰もいませんでしたよ? うん

『ぼでぃちぇっく』

「未央ちゃんダイナマイトですね!」

おお! と茜がおどろく

「えと、ありがとう?」

女同士といえど気恥ずかしいものがある

「茜ちんだってすべすべしてて……」

体はちっちゃいのに出るとこは出てて、なんだかいけない気分になる

「お、お待たせ」

タオルを巻き、瞳を潤ませる藍子

「「……っ!」」

二人の喉がごくりと鳴る

エロい……

エロいですねー!

『安心してください』

「お酒の鍋だって」

「アルコールが飛ぶので未成年でも平気みたいです!」

二人がぐつぐつと煮える鍋を観察している

「……なんだか暑くないですか?」

はぁ……と、熱い吐息たっぷりで藍子が言う

どうやら酒気に当てられてしまったようだ

「私、脱いでも……良いですか?」

浴衣がところどころはだけ、太腿があらわになっている

履いてる……?

履いてます!

『ポジティブパッション』

「さっきはごめんなさいっ!」

正気に戻った藍子が二人に頭をさげている

「気にしないでいいよ、あーちゃん」

「はい、私も気にしていません!」

良いものみれました! と、眼福だったようだ

「でもでも……」

申し訳なさそうにする藍子に未央と茜がアイコンタクトをする

「茜ちん!」

「藍子ちゃんを……トラーイ!」

二人がかりで藍子を布団へ優しく押したおす

何が起きたかわからない藍子はぽかんとした表情で

「もう、強引なんですからっ」

くすりと笑った

『ガールズトーク』

布団に入った三人だが、目が冴えてまだ眠る気配はない

「好きな人っている?」

思春期の話のネタで鉄板であろう恋バナ

「んー、あまり男の人の知り合いっていないです」

「はいはい、私も友達はいっぱいいますけど!」

藍子、茜は想像できる答えが戻ってきた

「ちなみに私はね……」

呼吸を整える、それから

とびっきりの笑顔と声で

「二人が大好きだよっ!」




おしまい

読んでくれた方に感謝を
そしてお題ありがとうございました
藍子……さん、体張らせてすみません


さて、まだまだ書きたいところではございますが、次で最後のお題とさせて頂きます
>>213のお題を頂戴します

>>175

それでは 加奈「解離性健忘」 でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶって頂ければ……

映画のコマ送りのように

ゆっくりとわたしに見せつけるように

車がプロデューサーにぶつかってきて

プロデューサーの血が止まらなくて……

どうしようって思っても、ただ泣くことしかできなくて

目の前が真っ暗になって

気付いたら……真っ白なお部屋にいました

病院かな?

わたし、怪我なんてしてないんだけどな

腕や足を動かしてみる……うん、大丈夫

手鏡で顔を見る、まるで泣いたみたいに目が赤かった

真っ赤になった目がおかしくて、笑っちゃった

先生か看護師さんが聞いてみよう

それにしても、ベッドがふかふかしてて気持ち良いな

眠いし、寝ちゃおう……

病院かな?

運ばれた記憶が全然ない

腕や足を動かしてみる……うん、大丈夫

手鏡で顔を見ると、まるで泣いたみたいに目が赤かった

真っ赤になった目がおかしくて、笑っちゃった

先生か看護師さんが来たら聞いてみよう

それにしても、ベッドがふかふかしてて気持ち良いな

眠いし、寝ちゃおう……

目が覚めたら別の場所に……なんてことはなくて

さっきの白い部屋の中に一つだけ、さっきと違うことがある

「目を覚ましたんですね、加奈ちゃん」

黄緑色のジャケットを着た、太い三つ編みっぽい綺麗なお姉さんがいた

「……誰ですか?」

美人だし、インパクトがあるジャケットは一度見たら忘れられなそう

「えっ?」

わたしの返事に、お姉さんの顔がみるみる青くなっていく

目が覚めたら別の場所に……なんてことはなくて

さっきに真っ白な部屋の中だった

ただ一つだけ、さっきと違うことがある

「目を覚ましたんですね、加奈ちゃん」

黄緑色のジャケットを着た、太い三つ編みっぽい綺麗なお姉さんがいた

「……誰ですか?」

美人だし、インパクトがあるジャケットは一度見たら忘れられなそう

「えっ?」

わたしの返事に、お姉さんの顔がみるみる青くなっていく

「私です、千川ちひろです」

小さな子供に聞かせるように、ゆっくりと話された

千川ちひろさん? ……誰だろう、千川さんはわたしのこと知ってるみたいだけど

「すみません、わかりません」

親戚の人とかなら後で謝っておかないと

……早く帰りたいなぁ

「知らないふり……じゃないですよね?」

「はい、すみません」

わたし、そんな意地悪そうに見えるのかな? そうだとしたら少し嫌だな

「……っ!」

急に千川さんが立ち上がったので、びっくりしてナースコールを押しそうになる

「待っていてください」

そりゃ待ってますよ、というか、また来るんですか千川さん

しばらくすると、千川さんが先生と看護師さんを連れてきた

それからまるで健康診断みたいに検査して、先生がわたしにこう告げた

――解離性健忘です

「か、かいりせー……なんですか?」

先生が分かりやすく説明してくれたのをまとめると

記憶が抜け落ちてしまう障害みたい……メモとらないと忘れちゃいそう





「ありがとうございました」

千川さんが先生にお辞儀をしている

綺麗なおじぎだなーなんて感心していると、千川さんが近づいて来た

「ご両親に連絡を入れておきましょうか?」

「わたし、怪我してないから大丈夫です」

迷ったけど、別にいっか


わたしが病院食を食べ終えるのを待ってから、千川さんが病室からいなくなった

時計を確認すると7時ちょうど

カーテンを開けると綺麗な青空が広がってる

きっと外は汗かいちゃうくらい暑いのかな

……あ! そういえば今夏休みだ

せっかくの夏休みに入院なんて嫌だなぁ

憂鬱な気分になっていると、病室のドアが控えめに開いた

時計を確認すると7時ちょうど

カーテンを開けると綺麗な青空が広がってる

きっと外は汗かいちゃうくらい暑いのかな

……あ! そういえば今夏休みだ

せっかくの夏休みに入院なんて嫌だなぁ

メモ帳もどこかにいっちゃったし……

憂鬱な気分になっちゃう


お昼ご飯を食べた少しあとかな

控えめなノックの音に、どうぞ、と声をかける

そしてわたしは目をまん丸にした

小さな女の子からお姉さん(皆凄い可愛くて綺麗!)が入ってきたからだ

昨日の千川さんのインパクトより大きくて

「病室間違ってませんか?」

なんて言っちゃった、しかも、どもってたし……

ある人は泣いて、ある人は抱き着いて来た、けど、わたしはどんな反応していいかわからなかった

だって――皆知らない人だし

初対面の人に泣かれたり抱き着かれても困っちゃうだけだし

はぁ、昨日も今日も知らない人ばっかり……

わたし芸能人じゃないけど、ドッキリみたい

くだらないことを考えて、心の中で笑った

面倒くさくなってナースコールを押そうとした

あれ? 手元にない……と思ったら可愛い子が振り回して遊んでいた

あはは……これは無理っぽいかな

視線を戻すと綺麗なお姉さんと目が逢って、ほほ笑まれた

わーわー! と一人でパニックになっていると、お姉さんの綺麗な声が聞こえてきた




……えっ? わたしがこの人たちと知り合い?

びっくりしちゃって変な声出しちゃった

一方的に知り合いとして紹介されて

全員の名前は覚えられなかった

それにしても、こんな美人さんたちと知り合いって凄い

まるで自分も綺麗になったようで、少しだけ嬉しい

それから、30分くらい世間話をして、美人さんたちは帰っていった



んー、そろそろメモ帳を探しに行きたいんだけど

あ! 千川さんに頼んでみようかな

こんこんと今日二回目のノック

「はーい」と返事をすると

「失礼します」

千川さん! ナイスタイミングです!

「あの、わたしの手帳を……」

言い切る前に、千川さんから包みを渡された

……あっ、私のメモ帳だ!

「千川さん、ありがとうございます」

これでメモを取ることができる

「どういたしまして」

千川さんの顔は暗かった

あ、さっきの人たちのことをメモしておこう

そう思ってパラパラとページをめくる

自分の字が続いているのを見ると、とても安心する

そして、メモが終わる最後のページ

「荒療治だけど、ごめんなさい」

千川さんが何かつぶやいたけど、聞こえなかった

なになに、プロデューサーと買い物?

プロデューサーって、テレビとかで聞くプロデューサー?

細かく見てみると買い物リストやお店の情報がびっしりと書かれてる

これを書いた時のわたしは相当楽しみにしていたみたい

名前も知らないプロデューサーって人との買い物を……

うーん、と頭を悩ませていると、ひらりと何かが落ちるのに気がついた

「あ……」

知らない人とのプリクラ?

……本当に知らない人? 

スーツを着て、少しだけ嫌そう顔をしてる男の人と

嬉しそうな笑顔のわたし

……そうだ、このプリクラ撮った後にプロデューサーが

プロデューサーが、真っ赤になって、わたしのせいで……

「いやぁ……プロデューサー……ごめんなさい」

眼がしらが熱くなったと思った時には、もう止まらなかった

体中の水分が無くなっちゃうくらい泣いた

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