春香・響「がなはるトーク!」??「世界の平和はアタシが守る!」 (45)

天海春香「『がなはるトーク!』さぁ、始めましょう!」

我那覇響「この番組は毎回ゲストを招き、ゲストとともにあるテーマに沿ってトークする番組だぞ」

春香「いやー、夏だねー」

響「そうだな。春香の季節だ」

春香「太陽みたいに笑顔が眩しいわたしにピッタリだもんね」

響「そういう意味じゃないぞ」

春香「じゃあ海のように広い心をもつわたしにピッタリだから?」

響「それも違うぞ」

春香「じゃあ何でわたしの季節なの?」

響「夏は人を狂わせるからな」

春香「ああ、元から狂ってるわたしが唯一まともに見える良い季節だねー」

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春香「でも夏っていったら楽しいことがいっぱいだよね。響ちゃん、今年の夏は海に川にプールにたくさん遊びに行こうね!」

響「別にいいけど何で水場ばかりなんだ?」

春香「ヒント:水着」

響「ヒント:パーカー」

春香「ヒント:生足」

響「ヒント:ラッシュガード」

春香「ヒント:響ちゃん」

響「じゃあもう水場じゃなくてもいいだろ!」

春香「それなら山に行こうよ。山って夏にあんまり行ったことがないから楽しみだなー」

響「山なら秋のほうがいいんじゃないか?」

春香「そう?」

響「ああ。景色もキレイだろうし、落ち葉の絨毯を踏みしめながら歩くのも楽しそうだ」

春香「でも、夏は夜に一緒に星空を見るっていうイベントもあるよ?」

響「確かにそれはマロンチックだけども」

春香「響ちゃん、気持ちが秋に行きすぎ行きすぎ」

響「確かにそれはロマンチックだな」

春香「でしょ? 一緒に地面に寝転がって響ちゃんがわたしに夏の星を教えてくれるんだよ」

響「春香、あの星はな――」

春香「うんうん」

響「死兆星だ」

春香「わぁーせいきまつー」

春香「凄いね。今のは百年の恋も覚める魔法の言葉だよ」

響「そんなこと言われても夏の星なんて知らないしな」

春香「有名な夏の大三角形があるじゃん」

響「デブ・アホガイル・バカだったっけ?」

春香「夏の大三角形に恨みでもあるの?」

響「七夕の願いが叶わなかったんだ……」シュン

春香「やだなにこのかわいいいきもの」

春香「ちなみに響ちゃんはなんて願い事したの?」

響「何だと思う?」

春香「うーん……『春香と付き合いたい』かな?」

響「残念だな。その真逆だ」

春香「『ゴキブリ以下のゴミクズ野郎と付き合いたい』? 変な願い事だね」

響「春香の自己評価ってどんだけ高いの?」

春香「それじゃ真逆ってどういう意味?」

響「春香と一度コンビを解散したいなーって願ったんだよ」

春香「えぇっ!? わたしの何がいけなかったの!?」

響「別にいけないことなんて何もないぞ」

春香「じゃあ何故?」

響「解散ライブってものを一度してみたいなーって思っただけだぞ」

春香「解散ライブ?」

響「ああ。アスタリスクの二人が毎回やってるのを見て興味を持ったんだ。もちろんその後は再結成ライブもするぞ」

春香「なーんだ、早く言ってよ響ちゃん。響ちゃんに嫌われたかと思ってショックで穿きそうだったよ」

響「ノーパンなのか!?」

春香「次からはそんなこと言わないでね。心臓に悪いから」

響「いや……さっきの春香の発言の方が余程心臓に悪いぞ……」

春香「さて、それじゃそろそろゲストの方をお呼びしましょうか!」

響「だな。ゲストの方どうぞー!」

南条光「アタシ、参上!」

春香「今日のゲストはこの方、ヒーロー系アイドル南条光ちゃんです!」

春香「光ちゃんは夏っていえば何が思い浮かぶ?」

光「やっぱり夏の劇場版だな。特撮の」

響「光はヒーローが好きだもんな」

光「ああ! それと徳島県出身として譲れないのが阿波踊りだな」

響「あのヤットサーヤットヤットってやつか」

光「そうだ! 毎年見に行ってるうちにあれなしじゃ夏は物足りなくなったよ」

響「阿波踊りっていえば春香だよな」

春香「ああ、阿呆だからでしょ?」

響「違う違う。ほら、阿波踊りのポスターの仕事貰ってただろ?」

春香「そういう意味ね」

光「ズルイよなー。アタシがその役貰いたかった」

春香「ごめんね。でも、ホント何でわたしなんだろ?」

響「あれだろ? 盗難対策だろ? 人気の無い春香をポスターにする捨て身の作戦」

春香「あれ毎年盗まれてるもんね」

光「だけど、その結果実らず今年も盗まれてるんだ……」

響「マジか。春香最低だな」

春香「わたしが何をしたの?」

響「さて、ポスターの話はこれくらいにしてトークテーマを決定しようか」

春香「そうだね。それじゃ光ちゃんトークテーマをどうぞ!」

光「任せろ! よ~しっ――――これだっ! 今日のテーマは『最近の悩み』だ!」

『最近の悩み』

光「実はある重大な悩みがあるんだ……」

春香「重大な悩み?」

光「そうだ。この前の国語の時間に『英雄色を好む』って諺を習ったんだ」

響「なるほど。それで光は悩んでるんだな」

光「うん……」

春香「なるほどね……これは確かに重大な問題だよ……」

響「おっ、春香もそう思うか?」

春香「当たり前だよ! 大切な光ちゃんの大ピンチだよこれは! 早急になんとかしないと!」

光「は、春香さん……! そんなにもアタシのことを……!」

春香「で、『英雄色を好む』って何?」

響・光「」ドンガラガッシャーン

光「春香さん……意味、知らないのか?」

春香「日本語って難しいよね。でも、なんとなくニュアンスで分かるよ。ずばり、光ちゃんは自分が戦隊物でいうとどの色を担当すべきなのか悩んでるってことだよね!」

響「はぁ…………すみませんスタッフさん。国語辞典を持ってきてほしいぞ」

光「そうだな。ちゃんと勉強はしないと」

響「いや、違う違う。そのために持ってきてもらうんじゃないんだ」

光「じゃあ何のために?」

響「ツッコミのためだ」

光「殴るのか!?」

スタッフ「国語辞典です」

響「ありがとうスタッフさ――――」

光「させない!」バシッ

響「な、何をするんだ光!」

光「暴力はダメだ! そんなのはヒーローのすることじゃない!」

春香「そうそう。さ、光ちゃん。その国語辞典を早くこちらに渡して」

響「落ち着け光。春香は悪の組織の一員だ。義は自分にある」

光「そんなことはない! こんなに優しそうな春香さんが悪いことをするなんて考えられない! アタシは騙されないぞ!」

春香「ソウダヨー。ハルカサンコワクナイヨー。トテモヤサシイヨー」

響「だがな光。この言葉を聞いてもまだ春香を守れるかな?」

光「何だ? ちょっとやそっとの言葉ではアタシの正義の心を動かすことはできないぞ!」

響「実はな、春香はこの前――――自分のことをチビって言ったんだ」

光「よし! 成敗!」

春香「あ痛っ!!」ポコン

光「人の身体的特徴を馬鹿にするなんて! 見損なったぞ春香さん!」

春香「えー、そんなこと言ったっけ?」

響「言ったぞ。この前収録した番組で『響ちゃんは小さくてかわいいんですよー』って」

春香「えっ、褒めてない?」

光「春香さんは小さい者の気持ちが分からないんだ! 家族でレンタルビデオ店に行ったとき、店員さんに『今キッズキャンペーン中なんですよ~。はい、どうぞ~』って飴を渡された人の気持ちを考えたことがあるか? あれは凄い屈辱だった…………ッ!」

響「むしろ春香は貰おうとしてたよな」

光「何だとッ!?」

春香「いやあれは事務所の皆で行ったからであって……仲間内でのジョークですよ! ジョーク!」

響「最終的に千早が『すみません、この子まだ精神が熟し切ってないので……』って言ったらくれたよな」

春香「イチゴ味だった。美味しかった」

光「うわぁ…………」

春香「あぁ……あのときの店員さんもそんな顔だったなぁ……」

――――――――――――

――――――――

――――

ペラペラ  パタン

春香「ふぅ~、なるほど」

響「春香、『英雄色を好む』の意味は分かったか?」

春香「うん。簡単に言うと、英雄は性欲が強いってこと?」

響「まぁ、そんな感じじゃないか?」

春香「それで、光ちゃんはヒーローになるためには性欲が強い者――つまり変態になる必要があるかもしれないことに悩んでるわけだね」

光「そうなんだ……ヒーローにはなりたい! だけど、変態にはなりたくない! 今、アタシはモーレツに葛藤しているんだッ!」

春香「うーん、でもそんなに深く考えなくていいんじゃない? 別に変態だからヒーローってわけじゃないんだし」

響「だな。春香を見てみろよ。ヒーローに見えるか?」

光「ああ。春香さんは皆に夢を与える立派なヒーローだ!」

響「決まりだな。光、変態になれ」

光「何故だッ!?」

光「春香さんはどこからどう見てもヒーローだろ!」

響「ホントか? 買収とかされてない?」

光「されてない!」

春香「そうそう。わたしがそんなことするはずないよ」

光「春香さんはこの前の番組でアタシに手作りクッキーを持って来てくれたとっても良い人だ!」

春香「うん、ね? このタイミングで言うのは逆効果だよね?」

光「それにこの前、大きな荷物を持って横断歩道を渡ろうとしていたお婆さんを助けていたぞ!」

響「それはな、財布をスるためだぞ」

光「泣いてた子どもに歌を歌ってあやしていたぞ!」

響「それはな、安心させて誘拐するためだぞ」

光「電車でお年寄りに席を譲っていたぞ!」

響「それはな、目の前に100円玉が落ちてたんだ」

光「いつも笑顔で明るくて、見てるこっちも元気をもらえるぞ!」

響「それはな、人に取り入るためだぞ」

光「おのれ天海ッ!!」

春香「光ちゃんはね、もっと人を疑う心を養うべきだと思う。お姉さん心配」

響「な? 変態はヒーローにはなれない。だから光は変態になることなんてないんだ。自分の信じた道を行け。going my wayだ」

春香「そうそう。頑張っていきましょー」

光「…………ありがとう二人とも。アタシは少し自分を見失っていたみたいだ。これからは自分の正義を貫き通す!!」

響「ああ、頑張れ。応援してるぞ」

春香「そうそう。…………で、ヒーローさん? 早速助けて欲しいことがあるんだけど」

光「何だ?」

春香「変態の汚名を返上したいんだけどどうすればいい?」

光「あ…………う、あ…………」

響「さて、そろそろお時間と――」

光「ま、待て! 待ってくれ!」

響「光、時間だ。諦めろ」

光「嫌だ! ここで春香さんを見捨ててしまってはアタシは一生後悔する! 少しでいいから待ってくれ!」

響「光。お前は一人を助けるためにここにいる人たちを犠牲にしていいと思っているのか?」

光「なん……だと……ッ!? どういうことだ!」

響「今この間もカメラは回ってる。照明も点きっぱなしだ。これじゃ無駄に費用がかかってしまう。つまり、光が時間をかければかけるほど今この場にいる人たちに迷惑がかかるんだ。それでも光はいいのか?」

光「よくない! いいはずがないだろう! …………でもッ! アタシは困ってる人を見捨てることは出来ない! アタシは――――ヒーローだから…………ッ!」

春香(何ぞこれ…………)

響「光、それはお前の甘えだ。自分はヒーローだから何をしてもいいという甘えがお前の中にあるんじゃないか? お前はヒーローを免罪符にしてるんじゃないのか?」

光「ちっ、違うッ! アタシは……アタシは…………ッ!」

響「ほら見ろ。結局何も言い返せはしない。図星だからだ」

光「違うッ! アタシはただ春香さんの役に立ちたいと思って! 春香さんも何も思いつきでこんなことを言ったわけじゃないんだ! 春香さんだって随分悩んでたんだ! そうだろ!? 春香さんッ!!」

春香「お、おぉ!? あー……うん。ハルカサントテモコマッテルヨータスケテホシイヨー」

春香(もう、思いつきでものを言うのはやめよう…………)

響「なら出してみろ。お前のヒーローとしての答えを……!」

光「…………ああ! 必ず皆を助けてみせる! アタシの――――ヒーローとしての誇りにかけて…………ッ!」

春香(誰かこの空気をどうにかする魔法をかけてくださーい)

響「…………」

光「…………」

春香(ん? どうしたんだろ? 急に黙って)

響「――――はいっ、というわけで来週日曜朝六時から新番組『火駆―HIKARU―』が始まります」

光「アタシが演じる主人公の火駆は、自分のヒーローとしての誇りと周囲の人たちの考えとのギャップに悩みながら成長していくとても魅力的なキャラだ。ぜひ、そこに注目して見てくれッ!」

響「この番組の主題歌も光が歌ってるんだよな?」

光「ああ! 今回はアイドルかつヒーローとして歌わせてもらった! みんな! 主題歌にも注目だッ!」

響「いやー、楽しみだぞ。光の主題歌もアクションシーンも」

光「楽しみにしててくれ!」

春香(……………………あれー?)

春香「え……あの、ちょっと………」

響「ん? どうした春香」

春香「もしかして…………今までのって番宣?」

響「ああ、そうだぞ」

光「楽しかったなー。響さんとの掛け合い!」

響「ああ! 自分も最高に楽しかったぞ!」

春香「え? 何? 二人で事前に打ち合わせでもしてたの?」

光「いや、別に?」

響「大体、今日のゲストが光なんて知らなかったしな」

春香「…………じゃあ即興であの劇を?」

響「そうだな。なんとかなるもんだな」

光「うんうん。響さんとの相性が良かったんだ」

春香「…………そっか。じゃあわたしからも一つ言わせてもらっていい?」

響「ああ」

光「勿論!」

春香「ああそう? じゃあお言葉に甘えて。――――――――――なっっっっっっっっっっっがいよっ!!!!!!!!!!!!!!!!」

響・光「!?」ビクゥ

春香「返事は?」

響・光「ご、ごめんなさい………………」

春香「はぁ…………話についていけなくて寂しかったんだからきちんと反省すること」

響「ごめんな、変態」

光「すまない、変態」

春香「これ以上はお見せできないので今回はここまで、また来週~♪」

響「は、春香!? か、顔が怖いぞ……? ほら、いつもの太陽のような笑顔は?」

光「そ、そうそう。海のような広い心でどうか寛大なご処置を……ッ! 寛大なご処置を…………ッ!」





ギィヤアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ――――――――…………

――――収録後――――

響「よ~し、帰るか」

春香「そうだね」

光「アタシも一緒に帰っていい? 途中までだけど」

春香「もちろん!」

――――帰り道――――

春香「だからわたしは言ってやったんだよ! それは照明じゃなくて伊織の――――あれ? あそこに居る女の子泣いてない?」

光「ん? ……本当だ」

春香「どうして泣いてるんだろ?」

響「春香が目を逢わせたからだろ?」

春香「感激しちゃったんだね」

光「とにかく話を聞きに行こう!」

女の子「グスッ……エグッ……」

光「そこの君! どうした? 何か事件か?」

女の子「ふぇ? お姉さんだれ?」

光「アタシか? アタシはただの通りすがりのヒーローさ!」

春香「それと通りすがりのアイドル二名だよー」

響「よろしくな」

光「それで何で泣いてるんだ?」

女の子「うぅっ……あのね。うっかり手を離しちゃって風船が木に引っかかったの」

風船「」ユラユラ

光「なるほどな。よし! アタシ達に任せろ! あの風船を君の手に取り戻してみせる!」

女の子「本当?」

光「ああ! ヒーローは困ってる人を決して見捨てたりはしない!」

女の子「グスッ……ありがとう! ヒーローのお姉ちゃん!」

響「自分たちならなんくるないさー」

女の子「ありがとう! アイドルのお姉ちゃん!」

春香「わたしたちが助けてあげるね♪」

女の子「ありがとう! バカそうなお姉ちゃん!」

春香「あれー?」

光「よし! それじゃミッションスタートだ!」

春香「といってもどうする? あれ、結構高い位置にあるよ」

光「あのくらいの高さなら肩車すれば届くと思う!」

春香「それならわたしが土台になるよ」

響「じゃあ自分が上に乗るぞ」

春香「うん。それじゃ――」

光「待ったああああああああああああ!!」

春香「うわっ! びっくりした!」

響「どうした急に?」

光「アタシは!? アタシの出番は無いのか!?」

春香「いや、身長的に…………ねぇ?」

響「そうだな。今回は諦めろ」

光「なんだとッ!? くそッ! もっとアタシに身長があれば…………ッ! うおおおおおおおおおおお!!!!」ダンッ

春香「でも、今回ばかりはどうしようもないよね?」

響「縮めよ、春香」

春香「んな無茶な!!」

光「ううっ……アタシは何て役立たずなんだ……」

春香「まぁ今回は運が無かったということで。さぁ、響ちゃん。乗って乗って」

響「ああ。よし、それじゃ風船を――――ってあれ?」

春香「ん? どうしたの?」

響「いや、ギリギリ…………届か………ない…………」プルプル

春香「えぇっ!? それじゃどうするの!?」

光「はっはっはっ! やはりアタシの出番のようだな! こうなったら合体しかない!」

響「合体?」

光「ああ! 響さんがアタシを肩車して、春香さんが響さんを肩車するんだ! そうすれば取れるはず!」

響「なるほど。それは良い案だな。なっ? 春香」

春香「うん。ただの肩車を合体と呼ぶことによってちょっとエッチに聞こえ――――」

響「帰れ」

光「よし! まずは響さん頼む!」

響「ああ!」

光「そして春香さん頼む!」

春香「任せて――――って重いぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

響「重いとは失礼だぞ春香」

春香「いや二人分は誰でもキツイって!」

響「情けないなぁ……」

春香「いやいやいやいや! ただの一アイドルにこれは拷問ですよ!」

響「はぁ…………」

春香「ため息つく前に応援ぐらいしてよ!」

光「頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る女の子だって頑張ってるんだから!」

春香「この応援の仕方は逆にメンタルやられますよ!!」

響「でも女の子のために頑張るしかないだろ?」

春香「そうだけど…………そうだけどキツイの!」

光「頑張れ! 春香さんならきっとできる!」

春香「そう言われても――――はうッ!?」ピキッ

光「ど、どうした春香さん!!」

春香「こ、腰が――――」プルプル

光「くそッ! どうして17歳の腰はこんなにも脆いんだッ!!」

春香「は、はうぅぅぅぅぅ…………」フラフラ

響「わわっ! は、春香! フラフラするな! 危ないぞ!」

春香「ごめんね……響ちゃん光ちゃん…………もう…………無理…………」フラッ

響「お、おちるぞおおおおおおおお!!」

光「うわああああああああああああ!!」

ムギュ

春香「!?」



そのとき、天海春香に電流走る

春香「フ、フォオオオオオオオオオオ!!」スクッ

響「!? は、春香!?」

春香「フォオオオオオオオオオオ!!」

響「な、なんだかよく分からないけど持ち直した! 光! 今だ!」

光「分かった! うおおおおおおおおおおおお! 合・体! ヒカル!ヒビキ!ハルカ! ヒ・ヒ・ハ・ヒヒハ・ヒ・ヒ・ハ!」

響「今はそういうのいいから! 腰を痛めた春香がいつ倒れてもおかしくないんだぞ!」

光「了解だ! うおおおおおおおおおおおおお!!」

パシッ

光「風船ゲットだあああああああああああああ!!」

響「よしっ!!」

春香「フォオオオオオオオオオオ!!」

光「はい、風船だ!」

女の子「うわぁ! ありがとう! お姉ちゃんたちは本物のヒーローみたいだね!」

光「ああ! 困ったことがあればアタシたちを頼ってくれ!」

女の子「うん! えへへ♪ バイバイ!」

光「バイバイ! 気をつけて帰れよ!」

響「いやー、人助けをした後は気持ちがいいな」

春香「そうだね。最後のあの子の笑顔見た? 120円!」

響「黙れば?」

光「ドーナツが食べたくなってきたな…………」

光「それにしても最後の春香さんはヒーローみたいで凄かったな! 一体どうしたんだ?」

響「火事場の馬鹿力ってやつか?」

春香「ああ、あれ? 実は倒れそうになったとき、響ちゃんの太ももがわたしの顔を圧迫したんだよ。それであのパワーが出せたの」

響「……………………は?」

春香「だからね響ちゃん。わたしたち、肩車系アイドルとして売り出せばもっと活躍できると思うんだ」

響「いやいやいや、春香は何を言ってるんだ?」

春香「ということでもう一度肩車しようよ。響ちゃんは太ももでわたしの顔を圧迫するだけでいいから」

響「無理無理無理無理」

春香「遠慮しないで♪」

響「ちょっ、やめっ――――うわぁ!!」

ムギュ

春香「フォオオオオオオオオオオ!!」

響「は、春香!?」

春香「やった~! 覚醒成功だ~! よ~~し! 飛ぶぞ~歓楽街を飛びまくるぞぅ~!」

響「あの……春香さん…………?」

春香「フォオオオオオオオオオオ!!」ビューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

響「あっ、ちょっ、やめっ、春香ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――…………」

光「…………やっぱり、ヒーローは変態じゃなきゃなれないのか?」

END

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

お目汚し失礼しました。

阿波踊り前に完成して良かった良かった。

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