剣之介「鬼の妖術が解けて正気に戻られた姫をお救いして白羽家にお連れしたでござる」 (57)




小春『雪姫さま初めてのカレーを食すの巻』



由希奈「…………はい。どうぞ……お口に合うといいんですけど」
コト…

雪姫「済まぬな。由希奈殿。まこと世話を掛ける」

由希奈「いえ…寧ろ雪姫さんは私たち白羽家の御先祖様なんですから、そんなに気を遣われなくてもいいんですよ」

雪姫「そうか……ならば由希奈殿たちも、私に要らぬ気を遣わずともよいからな」

由希奈「はい」こく

小春「うん!」


由希奈「ささ…冷めないうちにどうぞ」

小春「ゆき姉のご飯はとってもおいしいんだから!」

雪姫「そうか……それでは早速――――――!?」びくっ

雪姫「――――――」わなわな…


剣之介「……………………」

 
 

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剣之介(…………流石の姫もコレを見たら面を喰らったでござるな)ふむ…

小春「ゆ…雪姫さんどうしたn――――――」はっ!



雪姫「こっこれは!?これは…田畑の傍らにあるアノ――――――!!!!」ドドドドドド……



小春「!!それ以上はらm――――――」


剣之介(ふふ…そろそろいい頃合いでござる)すっ

剣之介「姫。大丈夫でござる。コレは田畑の傍らにあるアレではなくて。カレーという名の全く似て非なるモn――――――」



雪姫「コレは――――――」ぐっ

 



雪姫「コレは私の大好物じゃーーーーーー!!!!!」がばっ!
がしっ
すっ


剣之介「姫!?」ビクッ



雪姫「――――――――――――――――――――――」
がつがつぱくぱくがつがつぱくぱく!


剣之介「姫っ!!?」



雪姫「ん……?おかしいの…これは以前食したモノと風味も味も全く異なるのぉ……」はて?


剣之介「姫!!!?」


雪姫「アレもっと芳醇な――――――」



剣之介(ひ…姫…………)ひきっ


 


剣之介「………………………………」
くるっ

剣之介「…………ゆ…由希奈……」すっ

由希奈「?」

がしっ

由希奈(えっ!?手を握られ―――――/////////)ドキッ


剣之介「俺にはやはりお前が必要だ」キリッ


由希奈「!!///////もっ…もうッこんな時に何言ってんの!?///////////」かぁぁ

 
 




わいわいわいわい


雪姫「………………はぁ……」


雪姫「…………もう一度…もう一度アレを食したいのぉ……」ふぅ…



わいわいがやがや


和尚「…………………」

和尚(はは…この様な賑やかな食事も、また善哉善哉)うむ



小春「おそまつ」



おしまい。


 

本スレでこのネタ書いてこの作品のSSを書いてほしいと訴えたが誰も書かないので改めて書いた
もしもう少し書けそうだったらここでもう少し書くかもしれない
ただ自分が書いてもクソつまらんのしか書けないので
改めて誰かこの作品のSSを書いてほしい



雪姫『剣之介!剣之介は居らぬか!!』



白羽家。


剣之介「…………………………」うーん


剣之介「それにしても…姫が…雪姫様の好物が田畑の傍らにあるアレだとは……」

剣之介「コレはもしや以前ねっとで調べた『すかとろ』…とか云う彼奴なのでは……」

剣之介「うーむ…流石にアレだけは俺には理解出来んが……高貴な方ならではの御嗜好なのであろうか……」うーん

剣之介「いや違う!これも鬼に操られていた時の後遺症に違いない!おのれ鬼め!!嗚呼…御労しや雪姫さま……」くぅ




雪姫『剣之介!剣之介は居らぬか!!』

 



剣之介「!!雪姫様が俺を呼んでおられる!?」

剣之介「急がねば!!」
ダダダッ

剣之介「失礼致します!」
ガラ…
ズザザー


剣之介「ははー青馬剣之介時貞只、ただ今参上したで御座りまする」(襖を開けて2秒で土下座)


雪姫「うむ。よくぞ参った」


剣之介「それで姫。何の御用で?」


 



雪姫「ふむ…それはだな。お主、名は何という?」


剣之介「は?たった今名乗りましたが?」

雪姫「だからもう一度名乗れと言うておる」

剣之介「ははー失礼致しました。改めて某の名は青馬剣之介時貞でござりまするー」


雪姫「おうま…か……して、おうまとは漢字でどう書くのかの?」

剣之介「はは。青い馬と書いて青馬と読むのでございます」

雪姫「青い…馬か……」ふむ

雪姫「では…………そちは馬なのだな?」

剣之介「は?」

雪姫「馬ならば人みたいにそんな処に座ってないで、馬らしく四つん這いにならぬか」

剣之介「は?」


 
 



雪姫「は?ではないわ!そなたは私のいう事が聞けぬと申すか!?」


剣之介「めっ滅相もござりませぬ!直ちに――――」(2秒で四つん這い)

雪姫「ふむ。少し馬らしくなったの」


剣之介「姫……これは一体?―――――」

雪姫「だが…馬ならば人を乗せんとな―――――」
すっ…

剣之介「?」

雪姫「……………」
すとん
むにゅ…

剣之介「!?」

剣之介(姫が四つん這いになってる俺の背中にお乗りになられた―――――!?)

雪姫「うむ。これぞ馬のあるべき姿」うんうん


剣之介(姫!?)


  



雪姫「ほれ剣之介。何をしておるか。馬なら主人を乗せたら歩を進めるモノであろう?」


剣之介「!?……は…ははっ!」
ずりずり…

剣之介「ひ…姫……乗り心地は如何でござりますか?」

雪姫「ふむ…悪くはない…悪くはないが……」
ゆさゆさ

剣之介「!?」

ゆさゆさ!
雪姫「こうやって上下に揺さぶると尚良いの!」
ゆさゆさむにゅむにゅ

剣之介「!?」


剣之介(うっ…こうやって揺さぶられると俺の背中に姫の引き締まった張りのある臀部の感触が――――――/////////)

雪姫「あとは――――――」すっ…

パチーン!!

 
 
 



剣之介「!?」びくっ!

剣之介(いきなり尻を叩かれたー!?)

雪姫「どうした?馬ならば尻を叩かれたら啼くモノであろう?」すっ…
パァン!!

剣之介「ははー!ヒヒーンでござる!ヒヒーンでござる!!」

雪姫「ははは!いいぞ剣之介。これぞ馬の所業よ!」

剣之介(わけがわからぬでござる!!)

剣之介(うう……何故に俺にこれ以上無い程に屈辱的な御戯れをされているのか……だが…だが――――姫にされているのかと思うと――――――)


剣之介(ナンか悪くないでござる//////////)ぽっ…


雪姫「ははっどうした?こんな仕打ちを受けているのに、妙に嬉しそうな貌をしておるの……この―――――」
すぅっ…

雪姫「痴れ者め!!」
パチーン!!


剣之介「あうっ!ヒヒーンでござるヒヒーンでござるー!!///////」


 


雪姫「あははははははは」

剣之介「ひ…姫―――――」

雪姫「あっそうじゃ!これはどうじゃ?」
すすっ
パパパパパパパン!!

剣之介「あうちっ!?」

剣之介(姫が両掌で俺の尻をたたき始めたー!?)

雪姫「ほれほれ!」
パパパン!パパパン!

剣之介「ひ…姫なにを―――――」はっ

剣之介(こっこの姫が紡ぎ出される韻律は――――――)

剣之介「まさか鷲羽太鼓!?」


雪姫「うむ。よくぞ気付いた!鷲羽太鼓は武士の嗜みじゃからのう。あはははは!まっこと愉快じゃ!!」


 



剣之介「………………ひ…姫……」じっ…


剣之介(この姫は俺の知っている…450年前の姫とはまるで別人……俺はこんな姫など知らぬ)

剣之介(だがこの御方は俺がお仕え申し上げている、鷲羽家の雪姫様に真に相違ない)

剣之介(…………しかしこの姫の俺の上に乗り、俺の尻を叩く時の愉悦に満ちたお貌……)

剣之介(これは正に、以前ねっとで調べた『どえす』属性なるモノに相違ござらぬ!!)

剣之介(これも鬼に操られていた頃の名残か!鬼め絶対に赦せん!!)

剣之介「………………」ちら


雪姫「ふふふ……」にこにこ



剣之介(…………だが姫も愉しそうであらせられるし、これはこれで…という気もしないでもないので……武士の情けだ。今回だけは大目に見てやろう)うむ


 



隣りの部屋の襖の隙間。


由希奈「…………………………」じー


由希奈(えー!?)がびーん

由希奈(ちょいちょいちょいちょいちょいちょいでしょ!)

由希奈(…………なんてハムの人みたいなのはさて置き。な…ナンなのコレ…………)ひきっ

由希奈(雪姫さんが剣之介を呼んでたと思ったから。どうしたんだろ、と思って覗いてみたら……)


由希奈(わけがありえないよ!!)ゆきっぷい


 


―――――


雪姫「ふふふ…大分馬らしくなってきたではないか。流石は、誇り高き鷲羽の侍。褒めて遣わすぞ」
パチン!

剣之介「あうっ…ははー恐悦至極にござりまするー!ヒヒーン」

剣之介(宣われている事が矛盾しておる気もせんではないが……姫にお褒めのお言葉を頂けたので良しとしよう……)うむ


―――――




由希奈(こっ…こんなのとても見てられないよ!!)じー

由希奈(でも…剣之介ちょっと嬉しそう…………あいつ…ああいうのがいいんだ……)じー



由希奈(だったら―――――――――――――)ぐっ


 



それから。


剣之介「何か用か由希奈?」

由希奈「そこに座って」

剣之介「?」

由希奈「ヘンタイ!早くそこに座れっ!」がぁ

剣之介「変態って……どうしたというのだ?まったく……」
すっ
胡坐。

由希奈「………………////////」ぐっ
すとん

剣之介「!?」どきっ


由希奈「……………//////////」


 


剣之介「由希奈……?イキナリ人の上に座って何を――――――」

由希奈「けっ…剣之介はこういうのがいいんでしょ?////////」かぁぁ

剣之介「えっ!?」ドキッ

由希奈「いいから!早くこっちに肩の上から腕を廻しなさいっ」
剣之介「腕を?わっ分かったでござる……」すっ
由希奈「………………////////」
ぎゅっ…

剣之介(!?腕を廻したその上に腕を廻してギュっとした!?//////)

剣之介「ゆ…由希奈……?///////」

由希奈「ぎゅっとして……//////」

剣之介「え……?」


由希奈「ヘンタイ!早くぎゅっとしろー」かぁぁ


剣之介「おっおう!」
ぎゅっ


 


剣之介「い…一体どうしたというのだ?いきなり俺を変態扱いした上に、その俺の膝の上に座ったりして……」

由希奈「私見てたんだから…剣之介が雪姫さんと乗馬プレイをしていたところ……」

剣之介「!?み…見られていたのかアレを……」

由希奈「うん……」こく

剣之介「あっアレはだな!あのプレイは……その姫が――――――」

由希奈「剣之介が人に乗っかられて悦ぶヘンタイさんだって事がよーく分かったよ」

剣之介「!?」

由希奈「だから……」すっ
ぎゅっ

剣之介「!!」


由希奈「そんなヘンタイさんをこうやってぎゅっとしてあげるのは私だけなんだから、ありがたく思いなさい////////」かぁ


 


剣之介「由希奈……ああ、わかった……」

由希奈「あと、もっと私を大事にしなさい」

剣之介「お…おう」

由希奈「雪姫さんよりも」

剣之介「!?」びくっ

剣之介「そ…それは―――――」

由希奈「…………ふーんだ。そりゃ顔が似ているのに雪姫さんの方がずっと美人さんだし、なんたってアンタのご主人さまだもんね」つーん

剣之介「そっそういう訳では――――――」

由希奈「――――――ふふ…ごめんね。ちょっとイジワルしたかっただけ。だって剣之介もいつもいつも姫さま姫さまなんだもん……」


剣之介「………………由希奈……」


 


由希奈「…………だからもうちょっとだけ私の事も見て欲しいかな。なーんて…ね」にこ

剣之介「由希奈――――――」
ぎゅっ…

由希奈「あっ…//////////」

剣之介「由希奈……今まで済まなかった。だから改めて言わせてくれ。俺にとって一番必要なのはお前だ」

由希奈「―――――――!!」
ぎゅっ…

由希奈「うん…判ったよ剣之介。ふふ…はっきりそう言って貰えると。ちょっとだけ嬉しいかな?」にこ


剣之介「…………由希奈―――――」すっ

由希奈「……剣之介―――――」すっ…


…………………………


 



―――――

隣りの部屋の襖の隙間。


雪姫「……………………」じー


雪姫(剣之介め…私の知らぬ間に、ちゃっかり上手い事、よき連れ合いを見付けおった様じゃな……)

雪姫(まったく…主である私は輿入れし損なったというのに…の…………)

雪姫(じゃが――――)

雪姫(由希奈どのなら気立てもよいし、お主にとってまこと良き伴侶に理解者になるであろう)

雪姫(それにこの娘が鷲羽家の末裔と云うのも、また何かの縁であろうしの…………)


雪姫(……………………………………)うむ



雪姫(これはこれでまた善哉善哉)うんうん



おしまい。



 



由希奈『真夏の昼の夢』



白羽家。


剣之介の部屋の前。



小春「剣之介いる?」

――――


剣之介「おお。小春殿か。どうした?」


――――


小春「ちょっと話が有るんだけど。入ってもいい?」


――――


剣之介「うむ。構わぬ遠慮なく入られよ」


――――


小春「ありがとう。失礼しまーす」


―――――


 



剣之介の部屋。


剣之介「それでどうしたのだ?」

小春「えへへ…夏休みで暇だから意味もなく来ちゃった――――って訳じゃないんだ」

剣之介「では何用で?」

小春「ねぇ剣之介………唐突だけど、今の私を見てどう思う?」

剣之介「小春殿を見て…………ふむ…そうだな………最初に出逢った頃と比べて随分と成長されたな」

小春「もう私だって14才だもん。あの頃…9才の頃とは全然違うに決まってるよ。じゃあ…あの頃と比べて一番変わったトコロは?」

剣之介「ふむ…………そうだな、やはり女らしくなられた」

小春「女らしく?」

剣之介「うむ。それに小春殿は家事も勉学も申し分ない。まさに才色兼備の女子に成長されたと言っても差支えない」

小春「ホント?えへへ…嬉しい。ありがとう剣之介」にこ

剣之介「うむ。小春殿は、もうどこに出しても恥ずかしくない女子になられた」

小春「どこに出してもって…………私はまだ14…ってそっか剣之介のいた時代は、もうこれくらいで大人になったんだよね」

剣之介「まぁ実際のところ、元服の年齢は人それぞれではあったが、小春殿の年齢でも元服した者も確かにいたでござるな」

小春「…………そっか――――――――」


剣之介「?」


 


小春「ねえ…剣之介…………」

剣之介「今度は何だ?」

小春「剣之介は寂しくないの?」

剣之介「寂しい?それこそ唐突にござるな。うーん…俺は特に寂しいなどと思った事はないが」

小春「だって……お姉ちゃんに全然逢ってないし……」

剣之介「!由希奈の事か……」

小春「剣之介は伯父さんの後を継いでお坊さんになるんだよね?」

剣之介「ああ。ここの和尚殿には大変世話になったし、後継ぎがいないのであれば、俺が…と思ったのだ。あの時、散っていった…鷲羽の者たち。そして滅亡した鷲羽の国への供養もあるしな……」

小春「…………そっか……」



剣之介「それに俺には幾ら慣れたとて、この現代社会というモノが性に合わぬ。やはり俺は450年前の男なのだ。それならば…誠に遺憾ではあるが…今は亡き侍の名を捨て、僧籍に入るのもまた世の道理と思ったのだ」


 


小春「そっか…でもそれって、言い換えると…『ここ』にずっといるって事だよね?」

剣之介「ん?まぁそういう事になるな……」

小春「剣之介がここにずっといるって言ってるのに、お姉ちゃんは東京に行ったきりで殆ど帰って来ないじゃない」

剣之介「それは仕方がないであろう。由希奈は自身が学びたい事を学ぶ為に、武蔵…いや東京の大学とやらに進学したのだ。それを俺がとやかく言う資格はなかろう」

小春「剣之介は物分りが良すぎるよ。だって剣之介とお姉ちゃんは一応…恋仲なんだよね?」

剣之介「!?そ…それは……その…真っ向からの否定はせぬが…………//////」

小春「だったら尚更だよ!想い人がいるのに、年に数える位しか帰って来ない、逢わないだなんて。こんなのやっぱりおかしいよ!ありえないよ!!」

剣之介「こっ…小春殿?」

小春「もう一回聞くよ?今度は正直に答えて。剣之介はお姉ちゃんと逢えなくて寂しくないの?」

剣之介「……確かに…その……寂しくないと言えば…逢いたくないと言えば、嘘になるが……」


小春「やっぱり!私だったら好きな人がいたら、その人に絶対に寂しい想いなんてさせないのに」


 


剣之介「小春殿……」

小春「ねぇ剣之介…………////////」もじもじ

剣之介(ん?…………何か小春殿の様子が……)

小春「……その…剣之介は寂しいって思った時に……その…好きな人の……由希姉の事を想って…その……一人で…シてるんだよね///////」

剣之介「し…シてるとは何を………?」

小春「分ってるくせに……自分で自分をその…慰めるって―――――///////」

剣之介「……自分で慰め――――――――!!小春殿!急に何を――――――」


小春「……私も寂しいから毎日シてるの……//////その…け…剣之介の事を想って////////////」かぁぁ


剣之介「!?」ドキッ

剣之介「こ…小春殿……自身が何を言っておるのか判って――――――」


小春「剣之介!!!!」がばっ
だきっ
ぎゅっ


 


剣之介「!?」

小春「私……私は剣之介の事が好き!ずっと前から好きだったの。由希姉なんかより、ずっとずっと私の方が剣之介の事を想ってる…ううん愛してるから!!」

剣之介「……………………」

小春「だから私は、由希姉みたいに剣之介から離れたりなんかしない。寂しい想いなんてさせない!学校だって地元(ここ)でいい。仕事だってここで出来る事でいい。私はずっと貴方の傍にいる…だから―――――――」

剣之介「小春どの…………そ…その正直、何と言っていいのかわからぬが、小春殿が俺の事をそんなに想っていてくれていたとは……」

小春「お姉ちゃんの事もあって今まで言えなかったけど、我慢してたけど……でもっ…でも――――――」
ぎゅうっ

剣之介「!!」


小春「もう押させられない!由希姉なんかにアナタを渡したくない!!だから……だから―――――――」
じ…

剣之介「!?」ドキッ


剣之介(こ…小春殿…な…なんて貌をして―――――――)




小春「…………いまここで……私を…慰めてください―――――――――///////」かぁぁぁぁ


 



剣之介「!!そっそれって――――――だが…小春殿はそういう事をするにはまだ幼く――――――///////」

小春「私だって何時までも由希姉の妹じゃ…コドモじゃないから……それに剣之介のいた時代だったら、私はもうオトナでもおかしくないんでしょ?」

剣之介「そ…それはそうであるが…………しかし今はあの時とは―――――それに俺には由希奈と云う―――――――」

小春「もう!うるさい!!」
ばっ
むぐっ

剣之介(いきなり接吻された―――――!?)

ぷはっ
小春「剣之介が煩いから口を塞いじゃった////////。えへへ…ワタシ…もうこんなコトも出来るんだよ////////」


剣之介「……………」


 



小春「だから……今は由希姉の代わりでもいいから――――――」

剣之介「小春殿…………」

小春「それに据え膳喰わぬは男の恥―――――だよ////////」にこ

剣之介「…………分かったで御座る」すっ
ぎゅっ

小春「!!///////////」


剣之介「俺は今。腹を括ったで御座る―――――」


剣之介「女子に……小春殿にここまで言わせて引き下がるは正に男の恥……だが…本当に俺なんかでいいのか?」

小春「うん。貴方だからいいの…………」


剣之介「小春殿―――――――――――」すっ

小春「剣之介――――――――――――」すっ




 


――――――

小春「えへへ…しちゃったね/////////」

剣之介「小春殿s₋――――」

小春「これからは小春って呼んで…私もこれからは剣之介の事を剣殿って呼ぶからね///////」にこ

剣之介「小春d…小春。分ったで御座る」

小春「うん。ありがとう剣殿」にこ

剣之介「して小春……事をシておいてから、その…何なのだが。お身体の方は大丈夫か?」

小春「うん……まだちょっと痛い気もするけど……それよりも剣殿と一つになれた嬉しさの方がずっと大きいよ」にこ

剣之介「小春――――――」
がばっ

小春「きゃっ///////」

剣之介「俺は今。小春がとても愛おしいで御座る」
ぎゅ…

小春「ありがとう剣殿。私もだよ…………だからしばらくこのまま私をぎゅっと抱きしめていて……離さないで――――」


剣之介「お安いで御用で御座る」
ぎゅっ…


 



その頃。


白羽家玄関。


由希奈「……えへへ…みんなに内緒で帰って来ちゃった……このサプライズ里帰りで、剣之介を驚かしちゃおう…きっとアイツ泣いて喜ぶぞー」フフン



剣之介の部屋の前。

由希奈(よーし!)

がらっ


由希奈「剣之介ー!愛しの由希奈さんが帰って来たよー!!って―――――――」


由希奈「ええーーーーーー!!!!?」びくっ!!


剣之介・小春「「!?」」びくっ×2




由希奈「剣之介と小春がお布団の上で裸で抱き合ってるーーーーー!!!!?」がーん


 




小春「…………」


由希奈「二人ともこれはどういう――――――――」ぶるぶる


剣之介「こっ…これはだなっその――――――」あたふた


小春「お姉ちゃんが悪いんだよ」


由希奈「!?」

由希奈「わ…私が悪いって……何でなのよ!こんな事しといて!悪いのは二人でしょ!!」キッ

小春「だってお姉ちゃん…ずっと帰って来ないし」

由希奈「それは…その……大学の研究とか他にも色々忙しくて……」

小春「剣殿に寂しい思いをさせて」

由希奈「仕方ないじゃない!それは私だって…………だから今日――――――」

小春「だから私が剣之介を慰めたんだよ。お姉ちゃんの代わりに」

由希奈「!?」

由希奈(なっ慰め――――ってか『剣殿』って何?)

小春「私…ずっと前から剣殿の事が好きだったんだよ。お姉ちゃん気付かなかったの?」

由希奈「好きっていうか……懐いていたのは知ってたけど……でも小春は妹で…子どもで―――――」



小春「私だって成長する。ココロもカラダも……何時までもコドモじゃない!ちゃんと恋だってするんだよ」


 


由希奈「小春……」

小春「それに私はお姉ちゃんみたいに、好きなヒトを放っておいたりしない。誰にも渡したくなんてないし、私自身…好きなヒトとずっと一緒に居たい!離れたいとなんて思わない!!」

由希奈「……………」

小春「だから……もう姉ちゃんは、好きな事を好きなだけしてればいいよ。剣之介は私に任せてくれればいいからさ」どやっ

由希奈「小春―――――――――ッ」キッ
ばっ

がしっ

由希奈「!?」

剣之介「その振り上げた手を降ろせ由希奈」

由希奈「剣之介―――――どうして?まさか私より小春の方が…………」

剣之介「……………………済まぬ。由希奈殿」

由希奈「!!」

由希奈「そん…な…………………」


小春「………………そういうことだから」



由希奈「あぁ…………」
がくり…


由希奈「……うああああああぁぁーーーー!!」


 



――――――


由希奈「!!」
がばっ


由希奈「ゆ…夢…………?」はぁはぁ

由希奈(なんだ夢か……それにしても…やけにリアルと言うか…生々しい夢だったな……)ドキドキ…


――――


由希奈「ふぅ…今日は暑いな……汗をびっちょりかいちゃったよ……」ぐっしょり



由希奈「…………ヘンな夢みたけど、ありえないよね。だって小春はまだ子どもd――――――」


――――


?「ほんとっ?嬉しい!絶対だよ!!」



――――


由希奈「小春の声?」



―――――



 



白羽家居間。


由希奈「どうしたの小春?そんな大声出して。お姉ちゃんの部屋まで聞こえて来たよ」

小春「あっ由希姉!今…剣之介がね―――――」



小春「私が元服したら結婚してくれるって約束してくれたの」ニコォ…



由希奈「!?」ゾクッ!!



由希奈(こんな小春なんてワタシ知らない……この子いつの間にこんなオンナの貌をする様になったの₋―――――――――)



この時…嫌な予感と共に、私の背筋にとても冷たい何かが奔り抜けた様な気がした……。



小春「由希姉の夢が夢落ちじゃなくなったとしても、また是は是で善哉善哉」うんうん



由希奈「善くない!ありえない……」




おしまい。



 



和尚『晩酌』



白羽家縁側。


くいっ

和尚「ふむ…こうやってのんびりと月を眺めながらの一人酒も乙なもんじゃの……」

和尚「…………まぁちょっと寂しい気もするが」はは…


?「お隣りよろしいですか?和尚さま」


和尚「おお。これは雪姫さま。こんなむさ苦しい坊主の隣りでよろしければ、どうぞ遠慮なくお座り下さい」


雪姫「では…失礼させて頂きます……」
す…


 


雪姫「月が…きれいですね」

和尚「今夜は満月ですからな…でも、450年前の月は今よりもっと綺麗に見えたのでしょうな」

雪姫「………………」

和尚「……それで、どうなされたのですかな?」

雪姫「いえ…ただ和尚さまのお酒にお付き合いさせて頂きたくて……」

和尚「ほう。それにしても…こんなおっさんの晩酌に付き合いたいだなんて、これまた面妖ですな」はは

雪姫「和尚さま……」

和尚「まぁとにかく…まずは一献如何です?あっ、もしかしてお酒は呑まれないとか?」

雪姫「いえ…少しですが嗜んでおりました」

和尚「それは良かった。では盃をもって参り―――――」

雪姫「いえ…もう持参してますので」
すっ


和尚「おお。流石姫さま。では――――」


 


とくとく

す…
雪姫「……………」
くいっ

雪姫「……………」ふぅ

和尚「おお。雪姫さまはいける口ですな、ではもう一つ……」

雪姫「いえ。今度は私が……」
とくとく

和尚「おお。お姫さまにお酌をして頂けるとは誠に恐悦至極」
くいっ

和尚「おお。酒もより一層美味くなった気がしますぞ」

雪姫「ふふ…和尚さまったら、私を持ち上げ過ぎです。それに――――――」

和尚「それに?」

雪姫「私はもう姫などではありませんから…………」


和尚「…………」


 



雪姫「それだけじゃなく…私は多くの過ちを…罪を犯してきました……そんな私がこうして生き永らえている事だけで、赦されざる事なのだと思うのです……」

和尚「姫さま…貴女がどの様に生きてきたのかは儂にはよくは判りませぬが、正義とは時代(とき)が、立場が、社会が違えばまた移ろい変わっていくもの……全てとは申しませぬが、罪や過ちもまた然りでありましょうぞ」

雪姫「和尚さま……」

和尚「はは…我々の御先祖様にして一国の姫で在らせられた方に説教など、まさに450年早かったですかな」

雪姫「まったく…貴方と言う方は」くす…



和尚(おお。やっと少しですが、お笑いになられましたな)


 



―――


雪姫「あの…和尚さま。もう少し月見酒のお付き合いをさせて頂いてもよろしいですか?」

和尚「もちろん。構いませぬよ」

雪姫「ありがとうございます……今夜はもう少し飲みたい気分なのです―――――」


雪姫「…………」すす…

和尚「改めて、450年後(いま)の酒は如何ですかな?」

雪姫「あの頃には無かった、透き通った綺麗なお酒……濁ってしまった私には不相応なお酒…………」

和尚「まぁそう言わず。酒には清める効果もあると云います。ですから…これを清め酒と思って。ささ…もう一献」


雪姫「…………そうですね。ではお言葉に甘えて――――――」


 




―――


雪姫「…………少し…飲み過ぎてしまったようです……」ぽー
ふら…
ぽす…

和尚「!?」

和尚(姫さまが儂に寄り掛かって、身を預けて来た!?)

和尚「ひ…姫さま?」

雪姫「…………私の事は姫ではなく、雪と…呼んで下さい……///////」

和尚「その…ゆ…雪さん。その大丈夫ですか?」

雪姫「はい……ですけど―――――もう少しこのままで居させて頂いてもいいですか?//////」

和尚「え…ええ。お気の済むまで////」


雪姫「ありがとうございます……」にこ



――――――


 



雪姫「和尚さま……正直に言ってしまうと、さっきみたいな事を言っておきながら、私…本当は寂しいのです。この時代に一人…いえ剣之介と二人残されて……」

雪姫「でも…その剣之介はそれを受け入れ、この時代に生きる道をもう見付けた……私にはそれが嬉しくもあり、また一人取り残された様で寂しくもあるのです……あの者の運命を変えてしまったのは私だというのに……勝手なものだと判っているのに……」

和尚「…………」

雪姫「和尚さま。もし…貴方様にお縋りしたら…………こんな姫として輿入れする事も叶わず、国が滅びても共に逝く事すら出来ない……こんな…いかずの女でも貰ってくれますか?」じ…

和尚「!?」

和尚「ゆっ雪さん?そ…それは――――――」

雪姫「ふふ…冗談ですよ?」にこ


和尚「!!」どきっ


 


和尚「………………」

和尚(この方は何とお美しく…儚げなお貌をされるのか―――――)


和尚(もし…いかず鰥夫の儂が………この亡国の姫で、ご先祖様で、姪と同じ顔で、同じ年頃の娘さんと一緒になる。なんて言ったら、皆は剣之介君は…一体どんな顔をするのかのぉ……)ふむ…


和尚「………………」じ…

雪姫「………………!」にこ

和尚(うっ……………)どきっ



和尚(まぁ何にしても、成る様に成るしかあるまい)



和尚「また是も善哉残材」
うんうん



雪姫「どうなされたのですか?あなた様」




おしまい。


 
 

これでおしまい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月23日 (金) 22:42:10   ID: ZUv2ht-V

これを書いたやつは頭がおかしいのだけはわかった

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