女「…ちんこ生えてきた」 男「えぇ…」  (75)

=ある朝

チュンチュン

「女ーっ!いつまで寝てるの、起きなさい!!!」

女「…んー…はぁい」モゾ

女「…」

女「んんー…」モゾモゾ

女「はぁ…」ムクリ

女(ダル…)ポリポリ

女「…」

女「…ん?」

女「…」ゴソ

女「…」

女「……え」

女「…んん…?」フニフニ

母「全く、早くしないと学校遅刻するわよ!」

女「ん…」

母「もうすぐ夏休みだからって締まりのない…」

女「うん…」

母「聞いてるの!?」

女「…おかあさん」

母「なに!」

女「…」

女「なんか、生えてきた」

母「はあ?何が?」

女「…何かが」

母「どこに?」

女「…股」

母「…」

女「朝起きたら…なんか…あった」

母「…何言ってるの、あんた…」

女「マジだって…。私そういう冗談言うタイプじゃないじゃん」

母「…」

母「ちょっと…スカートあげてみなさい」

女「…」ピラッ

母「…えぇ…?」

女「あるよね?なんか…」

母「あるわね、なんか…」

女「…何コレ?」

母「…さあ…」

女「怖いよ」

母「私も怖いわよ…。ちょっとあんた、ソファ座りなさい」

女「はい」

母「…パンツ下げてみて」

女「えぇー」

母「ちゃんと見なきゃ分からないでしょ!何か変な病気だったらどうするの!」

女「…はい」ピラ

母「…」

女「…」

母「これ、あれじゃない?」

女「だよね」

母「えー…なにこれ…どういうこと…」

女「分かんない…」

母「…痛い…?」

女「ううん…」

母「…病院、行く?」

女「…」コクン

母「これ何科行けばいいのかしらね…」

女「さあ…」

母「婦人科…?」

女「うーん…」

母「とりあえず婦人科にしましょう。仮にも女の子なんだし」

女「うん」

母「…学校休みの電話しなさいよ」

女「分かった」

母「あ、それと」

女「ん?」

母「…なにか心当たりとかって…」

女「あるわけないじゃん!!!」

母「そうよね。うん、病院行きましょ」

女「はぁ…」

「26番でお待ちの方~」

母「ほら、行くわよ」

女「…」

母「恥ずかしいのは分かるけど、治さないといけないでしょ?」

女「うん…」

ガララ

女医「こんにちは~。今日はどうされましたか~?」

母「あ、はいー。この子が…」

女「…」

女医「どうしたの?」

母「なんていうか、そのー…」

女「…男性器が、…生えてきました」

母「ヴァッ」

女医「え?あ、…」

女「…」

女医「あらぁ…。なるほど。大変だったわねぇ…」

母「せ、先生!これは何の病気なんでしょうか!?腫瘍ですか!?娘はどうなるんですか!?」バッ

女医「おちついてくださいお母さん。大丈夫です、診察しましょう」

女「…」

女医「じゃあ、カーテンの中で診察しよっか。お母さんはここにいてくださいね」

母「は、はい…」

女「…」

女「…」

女医「恥ずかしいかな?」

女「あ、大丈夫…です…」

女医「じゃあ、スカートちょっとあげてくれる?」

女「…」ピラ

女医「少し触るね」ピト

女「…」

女医「あー…。なるほど…」

女「…」

女医「痛みは?」

女「ないです、全然」

女医「そっか。じゃあ、下着はおろせる…かな?」

女「…はい」

女医「ありがとう。すぐ終わらせるからね」

女「…」

女医「あー…。本当だ、…怖かったよね、びっくりしたよね」

女「…はい」

女医「うん、だいたい分かった。いいよ、履いて」

女「…」

女医「じゃあ、また座ってくれる?」

女「はい」

母「それで…娘は…」

女医「あのですね、最近流行りつつある病気です」

女「え」

女医「突発性生殖器重複…って、ご存じありませんか?」

女「…」ブンブン

女医「簡単に言うと、思春期の女の子に別の性別の生殖器が生えてきちゃう病気で…」

母「えぇっ」

女医「最近増え始めているんです」

母「…知ってる?」

女「ううん…」

女医「センスィティブな問題ですから、報道規制もかかっていて…」

母「はぁ…」

女医「もちろん性病ではありません。原因もよく分かっていないのも現状ですが…」

母「分かっていない、って…。じゃあ、…」

女医「…」

女「…」

女医「治療法があるには、あるんですが…」

母「…」

女「…」

母「…お腹すいたね」

女「…うん…」

母「うどんでも食べる?」

女「…あんま、食べたくない…」

母「そう…」

女「…」

母「治療法のことだけど…」

女「…」

母「その…。病気だからしょうがないし、何も悪くないから。やってみなさい」

女「…」

母「…」

女「…」

母「お父さんとかには、言わないでおこうね」

女「…」ゴシゴシ

母「な、泣かなくたっていいじゃない!治せばいいのよ治せば」

女「…」

母「あ、…アイス買って帰ろうか?ね?暑いし!」

女「…たべる…」ゴシゴシ

母「…先生から貰った冊子、よく読んで」

女「うん」

母「薬も、ちゃんと飲むのよ」

女「はい…」

母「なにかあったらすぐ呼びなさい」

女「うん」

母「…じゃあ」

女「…」

バタン

女「…」

女「…」ピラッ

「突発性生殖器重複について」

「思春期の少女にだけ起こる、突発性の病気。従来あるものと別の性別の生殖器が発生する」

「原因は未だ不明だが、治療は可能。早ければ1週間程度で元に戻る」

女「…」

「その方法は」

女「…」

女「はぁ…」

女「…」ゴロン

女「…」ポチポチ

「女!なんで補講来てないのー。心配だよー」

「女どったー笑笑」

「ズル休み乙!嘘w授業プリントとっててあげるね」

女「…」

女(友達には…言え…ないよなあ)

女「…はぁ…」

ピコン

女「…」

「数学の板書だったのにサボったな」

「おかげで俺が当てられた」

「風邪か?」

女「…」

女「男…」

男「…」ポチポチ

「女どうしたんだろねー」

「ねー。皆勤だったのに」

男「…」ポチ

ピコン

女:男、午後暇?

男「お」

男「…」ポチポチ

男:暇だけど

女:ちょっと家行って良い?

男:お前風邪なんじゃないの

女:いいから

男:なに

女:おねがい

男:いいけど

女:ありがとう。1時半くらいに行く

男「…なんだ?」

ピンポーン

男「はい」

ガチャ

女「…こんちゃ」

男「おお。なんだ、案外元気そうだな」

女「うん」

男「熱とかは?」

女「無い。…上がっていい?」

男「ああ。入れ」ギィ

女「ども」

バタン

女「部活は?」

男「今日はない」

女「そ…」

男「お前、何で体調不良なのに来るんだよ。仮病か?」

女「違うよ!ちゃんと理由が…」

男「ピンピンしてるけどな」

女「…」

男「茶飲むか?」

女「…」フルフル

男「…お?」

女「…大事な話がありまして」

男「え」

ジー ジー ミンミンミン…

男「…大事な話って」

女「…うん、まあ」

男「何だよ…」

女「…」

男「…」

女「誰にも、言わないでほしいんだけど」

男「ああ」

女「…」

女「引かないでほしいんだけど」

男「おお」

女「…」

男「言えよ」

女「……あのね」

男「ん」

女「…ちんこ生えてきた」

男「…」

女「…」

男「…」

女「…」

男「えぇ…?」

男「お前って…そういう冗談言うタイプだったっけ」

女「冗談じゃない」

男「いや、」

女「これ」ポイ

男「なんだこれ」

女「…読んで」

男「…突発性性…」

女「黙読しろ!!!!!!!!!!!!」

男「うお、なんだよ…。分かった」

女「…」

男「…」

女「…」

男「…」

女「…」

男「…本当か?」

女「…うん」

男「…なるほど…」

女「今朝、病院行って…」

男「そうか…」

女「すごく、…困ってて」

男「あ、…ああ」

女「…」

男「…大変だな」

女「すごく」

男「…どうやって治すんだ?」

女「…見たでしょ、パンフレット」

男「…」

女「…」

男「まあ、深刻に考えないほうが良い。病気なんだしな」

女「それは、そうだけど」

男「何人か患者もいるんだろ?治ったら問題ないみたいだし」

女「うん…」

男「気にするなって」

女「…」

女「…朝さぁ」

男「ああ」

女「起きてさ」

男「ああ」

女「ちんこの下にまんこあったら、どう思う?」

男「…」

女「答えて」

男「…どうしても答えないと、駄目か」

女「うん」

男「…」

男「びっくりするな」

女「うん」

女「で?」

男「でって…」

女「びっくりして、それから?」

男「…病院に行く」

女「で?」

男「…治すよ」

女「ふーん」

男「何だ」

女「男って、気楽でいいよね」

男「なんか、すまん」

女「…」

男「俺は…どうしたらいいんだ」

女「…パンフレットの、さ」

男「ああ」

女「治療法の欄…見た?」

男「あ、…まあ」

女「どうしよう」

男「どうしよう、って」

男「…治すためだから、やるべきだと…思う」

女「…できないかも」

男「それは、…まずいだろ」

男「…相談って、これか」

女「そうだよ。死ね」

男「いや、ああ。ええと、すまん。ごめんな」

男「…」ポリポリ

女「…誰にも言わないでね」

男「ああ。絶対に言わない」

女「…」

男「その、…俺にできることがあれば、手助けしてはやりたい」

女「うん…」

男「あくまでこれは病気だからな。…うん。俺も、変な目で見たりはしないから」

女「…」

男「それで…」

女「うん…」

男「つまり、その、…自慰のやり方を知りたいってこと、か?」

女「…」

男「…」

女「…ネットで調べるのも、なんか…」

男「あ、ああ。分かるぞ」

女「男なら…。教えてくれるかなって」

男「あ、…ああ。うん、まあ。…」

女「信頼できるし」

男「ありが、とう」

女「…」

男「じゃあ、…ええと、…どうしよう…」

女「別に実演しなくていいから」

男「だっ誰がするか!!」

女「やり方というか、…コツを」

男「あー、…ああ。…ああ」

女「…」

男「ええと、…そうだな。とりあえず俺の部屋に、行くか」

女「うん」

男「よし」


バタン

男「…はい」

女「ティッシュ?」

男「ああ」

女「…なるほど」

男「まあ、お前も全く知らないというわけではないだろ?」

女「まあね」

男「…で、…まあ、好きに」

女「好きにって?」

男「…好きにだ。なんか、こう。な」

女「…」

男「あ、じゃあ…。何か…必要か」

女「何が」

男「…」

女「あ、オカズってこと」

男「オカ…。あ、ああ。そうだ」

男「オカズとか、…知ってるのか」

女「まあ」

男「そうか…」

女「いるかな」

男「まあ、男ならいるな」

女「…じゃあ、貸して」

男「…」

女「貸しづらいよね」

男「いや、…俺はそういうの、持ってなくて」

女「は?」

男「…いや」

男「部活とかで、忙しくて…。そういうのは、ないっていうか…」

女「嘘だ」

男「嘘じゃない」

女「確かに硬派っぽいけど、エロ本持ってないとかはないでしょ」

男「や、…すまん。…ない」

女「えー…」

男「無くても大丈夫だとは、思うが…」

女「うーん」

男「とりあえず、やってみたらどうだ」

女「…分かった」

男「俺はハケてるから」

女「…」

「終わったら、呼んでくれ」

女「どうすればいいの?」

「へ?あ…、だから、触るとか」

女「分かった」

女「…」ペタペタ

女「…」フニフニ

女「…」モゾモゾ

女「触った」

「あ、そう…」

女「で?」

「…なんか、ないか?」

女「なんかって?」

「…こう、…変化」

女「何もない」

「え?…じゃあ、もっと…。がんばれ」

女「分かった」ペタペタ

女「…」モゾモゾフニフニ

女「何もないんだけど」

「それは、…妙だな」

女「なんか、肌触ってるのと何も変わらないっていうか」

「お、おお…」

女「…勃起しない」

「やめろ、…そういうの」

女「ごめん」

女「難しい」

「いや、…うーん」

女「やっぱ、オカズないと駄目かな」

「…かもしれないな。あ、…俺のパソコン、使ってもいいぞ…」

女「いいの?」

「ああ。変なサイト見なければ…」

女「ありがとう。…で、何て調べればいいのかな」

「…まあ、そういう動画とか」

女「男なら何調べる?」

「…」

女「ねえ?」

「早くしたらどうだ」

女「はいはい」カタカタ

女「じゃあ、イヤホンも借りるね」

「ああ」

アンアン ギシギシ アァン

フゥン オホォン!アォオン!!

女「…ぷっ…」

「…大丈夫か?」

女「あ、うん」プルプル

「その、どうだ」

女「あー」チラ

女「…なんもない」

「えぇ?…そ、そうか」

女「…」ジー

ダメェ イクイクイッチャウウ  ンァッ-!

女「無理ー」

「そうか…」

女「ごめん、一旦入ってくれる」

「ああ」

ガチャ

女「…なんか、ごめん」

男「いや、大丈夫だ」

女「…全然、なにもなくてさ」

男「うーん、そうか。やっかいだな…」

女「…ごめんね」

男「いや、謝らなくて良い」

女「…触ったり、こういうの見たらもっとマシになるかな?」

男「多分、…」

女「じゃあ、そうする」

男「焦らなくてもいいぞ」

女「うん」

男「…どうする?」

女「家、一回帰ろうかな」

男「ああ。…学校はどうする?」

女「明日から行こうかな」

男「そうか。無理するなよ。…絶対誰にも言わないから」

女「…うん。相談してよかった。楽になった」

男「お、…おお」

しまったID変わってもーた

=次の日

女「…」スー

女「…」ハー

女「…よし」

女「おはよー」

「あ、おはよー女!!」

「おかえりー」

女「ごめんねーなんか心配かけたみたいで」

「皆勤だったのに急に休むとかどした?」

女「あ、…えと夏バテでさ」ヘヘ

男「…」チラ

女「…」チラ

「そっかー。ま、無理しないでね」

女「うん。ありがと」

男「…」

女「…おはよう」ガタ

男「ああ。おはよう」

女「昨日は世話になりました」ペコリ

男「いや、気にするな」

男「…どうだ?その、経過は」

女「昨日、…マッサージみたいなことはしたけど。全然だめで」

男「そうか」

女「うん…」

男「まあ、…また何でも相談してくれ」

「でさー」

「なにそれウケるー」

女「…あはは」

女「あ、ちょっと私薬飲んでくるね」ガタ

「へーい」

女「…」タタタ

女「…」キュ

女(効くのか、これ)

男「薬か」

女「うわぉっ」

男「あ、すまん」

女「びくった…。うん、薬。あんま効き目無いってお医者さんも言ってたけど」カプ

女「…のまらいと、ダルくなっひゃうかもしれないんらって」

男「とりあえず水を飲め」

女「…ん」ゴクン

女「はあ。いや、大変だよ」

男「そうか」

女「そうなの。女物の下着も履けないしさ。病院でもらったやつつけてるんだ」

男「そ、そうか…」

女「もーやだなー。早く治らないかなあもう」

男「ああ…」

「あの」

女「ん」

男「…」

後輩「女先輩…。すみません、昼休みに」

女「あ、後輩くん。どした」

後輩「昨日の委員会、先輩欠席していたので。資料を」

女「あー…。ごめんね、大事な会議だったのに」

後輩「いえ。1人くらい欠けても大丈夫ですんで」

女「なんじゃそりゃ」

後輩「今日は…」

女「あ、今日は大丈夫。行くよ」

後輩「そうですか。分かりました」

後輩「では、失礼します」ペコ

女「ん。じゃあね」

後輩「…」ペコ

男「…」ペコ

女「委員会もサボっちゃったか…」

男「今の、後輩か」

女「うん。1年の男の子」

男「そうか。しっかりしてそうだな」

女「…」ウト 

男「…」ジ

男「…」ポチポチ

「薬の副作用で、眠気が強まる恐れあり」

男(…副作用…)

「また、ホルモンバランスの崩れによる症状など…」

男(…大変な病気だな)

女「…」カクン

女「…」ハッ

女「…」ゴシゴシ

男(早く治るといいな…)

女「…」カクン

ガララ

女「ごめーん。おそくなっちゃった」

後輩「…」ムス

女「昨日の課題出しに行ってたんだよ。そんな怒らないで」

後輩「じゃあ早く仕事手伝ってください」

女「こわ。へいへい」

後輩「ったく…」

女「これホチキス留めすればいいのね?」

後輩「そうです」

女「へいへい」カチ

女「…」ファ

後輩「…」

女「ふぁ…」

後輩「風邪ですか」カシャン

女「ん?」

後輩「昨日、休んだの」

女「あ、うーん。風邪っていうか、夏バテっていうか」

後輩「先輩、あまり休まないので珍しいなと思いました」

女「それ皆言うよねー」

後輩「…大丈夫ですか?」

女「あ、うん。もう平気」

後輩「…」

後輩「顔、疲れてるんで。無理しない方がいいですよ」

女「え?…あ、ほんと?」

後輩「はい。なんか、色が悪いっていうか」

女「…そう?」

後輩「またバテて委員会休まれても困るんで、しっかり治してくださいね」

女「ほーい」

後輩「…」

女「心配してくれてありがと」

後輩「は?別にそういうんじゃないですけど」

女「え、ちがうの?」

後輩「心配ではないです」

女「え、じゃあ何よー」

後輩「何って…。僕は、…」

後輩「…あのすみません。手を動かしてもらっていいですか」

女「へい」

後輩「…はぁ」

女「病み上がりの先輩に冷たいな」

後輩「半分以上僕がやってるんですよ。感謝してください」

女「はは、ありがとー」

後輩「もう…」

「おらー声だせー」

男「はい!!!」

男「はぁ、はぁ」

「…はいここまで!ミィーティングして終わるぞー」

男「はい!」

男「…」

男(あいつ大丈夫かな)ゴシ

……


女「よ」

男「お」

女「長かったね、部活」

男「まあな」

女「帰る?」

男「ああ」

女「私も帰ろ」

男「ああ」

女「…あのさー」

男「ん?」

女「明日また、病院行くのね」

男「そうか」

女「…数学の板書、また当たるかもしれないから。ごめんね」

男「構わない。大丈夫だ」

女「へへ、やっさしー」

女「いや、正直ちんこにこれほど悩まされるとは」

男「馬鹿、声が大きいだろ」

女「へへ」

男「…調子でてきたな。ずっと暗かったけど」

女「まーね」

男「ま、あんま悩むなよ」

女「うん。そうする」

男「…」

女「はー」

男「体が辛かったりしないか?」

女「ん?」

女「あー、なんか、ちょっとダルいんだ。眠気もあるし」

男「そうか…」

女「ま、大丈夫。軽い風邪程度のダルさだし」

男「…」

女「早くなおらねーかなー。海とか行きたいのにさ」

男「夏だもんな」

女「水着からポロリしたら人生終わるもんね」

男「おい」

女「へへー」

=次の日

女医「…サイズもあまり変化してないわね。やっぱり、処理は難しいかしら」

女「はい…」

女医「そう。…大丈夫よ、心配しないで。誰でも戸惑うから」

女医「前にも説明したと思うけど、この病気の治療はとにかく問題部位を刺激するしかないの」

女「はい」

女医「マスターベーション…分かるわよね?を、しなきゃいけなくて」

女「…はい」

女医「やったかしら?」

女「一応」

女医「どうだった?」

女「…それが、上手くいかなくて」

女医「あら、…」

女「なんか、反応がないというか」

女医「そう。…それはちょっと大変ね」

女「え」

女医「治療方針を少し変えた方が良いかもしれないわ」

女「えええ」

女医「大丈夫。ちょっと大変にはなるけど…」

女「な、何ですか」

女医「…この病気はね、軽度だったらもちろん自分の処理で治すことができるの」

女医「大体3回くらいのマスターベーションで性器が消えるわ。あとは、もう大丈夫なんだけれど」

女医「たまに、自分でしても効果が無い子がいて。そうなると少しやっかいなの」

女「私、…え、大丈夫ですか?」

女医「時間がかかる治療になるかもしれないわね」

女「そ、…それは困るんですけど」

女医「…」

女医「早く治す方法もあるにはあるんだけれど」

女「え、あるんですか!」

女医「ええ。でも…」

女「何ですか。言ってください」

女医「…うーん、なんというか。…他人に手伝ってもらう方法があって」

女「は」

女医「自分では駄目な子は、他人からの刺激を受けたら案外上手くいくのよ」

女「…」

女医「でも、そんなの誰にも頼めないでしょう?」

女「は、はい」

女医「だから皆、長期治療で自分で治せるようにするのよ」

女「…」

女医「長期になるとまた、薬の副作用なんかも出て大変なんだけど…」

女「…」

女医「それで…」

……

女「…」ハァ

女「なんで私がこんな目に…」

女「…」ハァア

女(どうしろっちゅーねん…。長期だったら半年以上かかるとか…)

女(半年もこんなもの付けて過ごさないといけないの?やだよ…)

女「…」フラ

後輩「うわ」

女「え」

後輩「…何やってるんですか、こんなとこで」

女「こ、…後輩こそ」

後輩「…また具合悪いんですか?」

女「え?あ、や。別に、うん」

後輩「…」

女「後輩こそ、なんで病院にいるのよ」

後輩「友人の見舞いの帰りです。別に僕は具合悪くないですよ」

女「あ、ああそう…」ドキドキ

後輩「そんなに夏バテって大変なんですか?」

女「あ、…うん、そうそう!なんかそうみたい」

後輩「へえ…」

女「…そ、それじゃ」

後輩「待ってください。先輩どうやって帰るんですか」

女「え?バ、バス」

後輩「この灼熱のバス停で待つんですか?…夏バテなのに?」

女「…えーっと」

後輩「しばらく涼しいところにいたほうがいいですよ」

女「うん、…そうだね」

後輩「近くにお茶できる所あるんで、行きません?」

女「え」

後輩「何ですか」

女「いや、…。いいの?」

後輩「いいのって何ですか。先輩は嫌なんですか?」

女「…ううん!やじゃないよ!行こう」

後輩「はい」

女(おーう…。ま、いいか…。喉渇いてたし)

カラン

女「おーすずしー」

後輩「ですね」

女「いや、確かにあの中バス待ってたら死んでたかも。陽炎出てるし」

後輩「絶対熱中症なりますよ。だって先輩、まだ顔色悪いし」

女「…そう?」

後輩「はい」

女「うーん。…困ったな」

後輩「まあ、明日で出校日も終わりですしね。ゆっくり休むべきです」

女「そだね」

後輩「…」

女「…」

後輩「…夏休み、何か予定あるんですか」

女「え?あー…。うーん、別にないかな」

後輩「そうですか」

女「後輩は?」

後輩「僕もです」

女「ま、よほどのリア充じゃない限り特になにもないよねー」

後輩「はい」

女「家でダラダラするほうが好きだし」

後輩「まあ、外に出なくても有意義な時間は過ごせると思います」

女「わかる」

後輩「…」

女(…お)

女(まずい、トイレ)

後輩「先輩?」

女「ごめん、ちょっとお手洗い」

後輩「あ、どうぞ」

女「よいしょ」ガッ

女「ひゃ」

バサッ

後輩「うわ!何やってるんですか先輩!」

女「うわわわ、ごめんごめん」

後輩「鞄落ちてますよ。ほら…」

女「あ、いいから!私が…」

後輩「…書類も」

女「こ、後輩!!!!!ちょ!!!!」

後輩「…」

女「」

後輩「…ん?」

女(はい死亡)

後輩「…」

女「…」

後輩「…どうぞ」

女「…あり、がと」

後輩「お手洗いは…」

女「あ、うん」

後輩「…」

女「…」フラ

女(はい終わった完全に見られちゃったよあれ)フラフラ

女(よりによって同じ委員会の後輩にバレちゃったよ終わった)バタン

女「…」

女「…なんで」

女「なんで…こんなもの…」

女「うぅ…」

女「くそぉ…」ガン


後輩「…」

女「…」スタスタ

後輩「あ」

女「…私、帰るね」

後輩「まだバスの時間じゃないですよ」

女「…」

後輩「その…座ってくれませんか」

女「…やだ」

後輩「え、何で」

女「…」

女「み、…見たじゃん。だって」

後輩「…」

女「パンフレット…」

後輩「…」

女「見たでしょ…」

後輩「すみませんでした」

女「…」グッ

女「か、帰る」

後輩「待ってください!僕が勝手に先輩の私物を触ったから、いけなかったんです」

女「…」

後輩「その、お願いですから座って…」

女「…」ストン

後輩「本当にごめんなさい。デリケートなものを見てしまって」

女(うるせーぞ…)

後輩「…先輩…。怒ってますか」

女「…怒ってるっていうか、…。その…」

後輩「…病気、これだったんですね」

女「…」

後輩「配慮が足りなくて、ごめんなさい」

女「い、…いいよ。言わなかったし」

後輩「もちろん、先輩が隠してほしいなら誰にも言いません。約束します」

女「そうしてくれる?」

後輩「はい。…それで、その…」

後輩「大丈夫、なんですか?」

女「…まあ、…死にはしない」

後輩「僕、…実はこの病気知ってるんです。兄が医学部だから…」

女「え」

後輩「珍しい病気だそうですね。思春期の女性しかかからないって言っていました」

女「う、うん。そうなんだ」

後輩「でも、しっかり治療したら一週間で治る、とも」

女「…」

後輩「お気の毒だとは思いますけど、きっとすぐ良くな…」

女「…駄目なの」

後輩「え」

女「…」ジワッ

後輩「せ、先輩?」

女「…私、駄目なやつで…」

後輩「あ、え、ちょ」

女「なかなか治らないタイプだって言われちゃった…」

後輩「な、泣かないでください。大丈夫ですから」

女「大丈夫?何が大丈夫よ!性別違うもの付けてるのに何も大丈夫じゃないよ!」

後輩「先輩、おちついて」

女「落ち着けないもん!どいつもこいつも大丈夫だよとか無責任なことばっかり!」

後輩「せ、先輩…」

女「もうやだよお…。普通に戻りたい…」グスッ

後輩「あ…」

女「…」グス

後輩「…ごめんなさい。無神経なこと言って…」

女「…ううん…」

後輩「…」

女「…」グスッ

後輩「…僕は、男だから…。配慮が足りて無くて」

女「…」

後輩「そうですよね。不安ですよね」

女「…うん」

後輩「…兄が言っていたんですけど」

女「うん」グス

後輩「自分で処理ができない患者は、他人の介助が必要だって」

女「…」

後輩「…お医者さんにも、そう言われました?」

女「うん。でも、無理だから…。自分でできるようになるの、待つしかない」

後輩「…」

女「もーほんと、やだ…」

後輩「先輩…」

女「はぁ…」

後輩「…」

女「ごめんね、なんか。関係ないのにグチってばっかで」

後輩「そんな。僕が勝手に詮索しちゃったんですから」

女「でも、」

後輩「そ、…それより僕もなにか手助けできることがあったら、遠慮無く言ってください」

女「え、」

後輩「先輩には、…ええと、お世話になってますし。僕ができることなら…」

女「ほんと?」

後輩「は、はい」

女「マジで?」

後輩「…は、はい」

女「じゃあさ、ちょっとお願いが」

後輩「な、…。なん、ですか」

女「…」ギシ

後輩「!」

女「あのね」

後輩「は、はい」

女「…ローションってどこに売ってる?」

後輩「…はい?」

女「あれがあるとやりやすいってお医者さんに言われたの。どこに売ってるか知らない?」

後輩「あ、…そういうやつ?」

女「そういうやつ」

後輩「え、分かんないや…。どこだろう…」

女「分かんないの!?男ともども使えないなあ」

後輩「…男?」

女「あ、男にも相談してて。あいつ口堅いから」

後輩「…」

女「でも知らないって。使えないよもう」

後輩「…あの」

女「ん?」

後輩「場所は分かりません、けど…。僕の家にある、かも、しれません」

女「マジ」

後輩「多分」

女「…」ジ

後輩「…貸しましょうか」

女「うん!」

後輩「こ、声大きいですよ。静かに」

女「ごめん。貸して」

後輩「分かりました、えっと、じゃあ…。どうしよう」

女「後輩の家行く!」

後輩「えっ!あ、そ、それでもいいですけど」

女「じゃあ決まり!ありがとう!」ニコッ

後輩「は、はい」

女「…後輩の家って、デカいんだね」

後輩「そうですか?」

女「うん。お金持ちなの?」

後輩「父が医者ってだけです」

女「それかなりスゴくない?」

後輩「…まあ、入ってください」

女「おじゃましまーっす」

後輩「…お茶でもいれましょうか?」

女「さっき飲んだからいいや。それよりブツを…」

後輩「ブツって何ですか!嫌な言い方しないでくださいよ」

女「こわー」

後輩「ま、待っててください。兄の部屋にあるかもしれないので」

女「え、お兄さんの…?」

後輩「…未開封のやつがあるので」

女「悪いな、なんか」

後輩「どうせバレませんよ。最近忙しいみたいだし」

女「じゃあ、…ちょっと拝借しようかな」

後輩「そうしましょう」タタタ


後輩「先輩、ありました」

女「まじか」

後輩「はい。これ、なんですけど」トン

女「お、おお…」

後輩「これで合ってますよね?」

女「うん!ローションだ」

後輩「何なんですかこの会話…」

女「これで上手くいくかもしれない!ありがとう後輩!」

後輩「い、いえいえ」

女「いやー、正直半年も別のシンボルつけるとか泣きたかったよ」

後輩「先輩…」

女「これで解決したも同然だね!いやーこの恩は忘れないよ」

後輩「は、はあ」

女「…じゃあ、これ借りるね!」

後輩「はい、どうぞ」

女「お金とか…」

後輩「いりませんいりません」ブンブン

女「分かった。本当にありがとね!」

後輩「は、はい」

女「じゃあ、何か進展あったら報告する!じゃあね!」

女「…よし、」

女「…」ペリペリ

女「ふむ…」

女(さて、これでこの気味の悪いこれともお別れか)

女(マジで後輩には何か奢ってやろう。一気に株あがったし)

女「…」カチ

女「…」ドキドキ

女(えと、…これくらい出せば良いのかな)ヌル

女「…」シュル

女「…」ゴク

女「…えい」

女「つめたっ!!!!!!!!」ビクッ

女「…」

女「び、びびった…」

女(え、でもこれ…。うん…?)

ヌチャ

女「…」

女(あれぇ…)ヌチャヌチャ

女「…」

女「だめだ…」

女「…てな次第で」

「…駄目だったか」

女「もう希望が見えない。泣きたい」

「…そう落ち込むな」

女「だってさ、あれから私めっちゃ一生懸命触ったりしてるよ?なのに」

女「何の反応も示さないとか…。不能すぎでしょ…」

「もっと別の方法を試してみたらどうだ?」

女「例えば」ズビ

「…」

女「ほらぁ案ないじゃん!適当なことばっか言ってぇ!」

「す、すまん」

女「もうね、マジで一回まんこつけてみ?生理とか体験してみ?違和感分かるから」

「あ、ああ。その」

女「…はぁ…」

「…後輩にまで頼ったのにな」

女「うん…」

「…大丈夫か」

女「ううん」

「だよな」

女「…泣きたいよ、もう」

「…」

女「ま、もう諦めるかも。ダルさと違和感抱えて半年過ごすわ」

「ああ…」

女「おやすみ。グチってばっかでごめんね」

「いや、気にするな」

男「…」ピッ

男「…女…」

男「…」カチ

男「…」カタカタ

「一ヶ月以上の症状が続くと、体には大きな負担が…」

「最悪の場合、無月経に陥ってしまう…」

「とにかく早めの治療がすすめられる」

男「…」

男「……」カタカタ

男「…」ゴク

男「…」

カチ


「ありがとうございます。購入手続き完了しました」

つづく

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