モバP「だりやすかれんGO」 (35)



―――事務所


ちひろ「流行ってますね、ポケモンGO」

P「流行ってますねぇ。街中至るところでやってる人見ますよ」

ちひろ「プロデューサーさんはやらないんです?」

P「一応ダウンロードはしましたけど、だいたい車移動なんであんまり触れてないですね」

ちひろ「ふふ、真面目な方で良かった♪ そんなプロデューサーさんに朗報です!」

P「へ?」


ちひろ「今からポケモンGOの体験をしてもらいます! 李衣菜ちゃんたちで!」

P「はぁ。……はあ?」

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ちひろ「今から3人が順番に現れますので、捕まえてみましょう!」

P「捕まえてみましょうって……なにを言ってるんですかあなたは。ちゃんと説明してください」

ちひろ「みんなも流行りに乗ってプレイしてるみたいなんですよ。ですので」

P「ですので?」


ちひろ「捕まえてみましょう!」

P「全然話が繋がらない!」

ちひろ「んもう、プロデューサーさんったら。いつもはもっと物分かりいいじゃないですか」

P「いやだから、捕まえるってなんですか。女の子捕まえたら捕まりますよ、俺が」

ちひろ「やん、もうすでにあの子たちの心は捕まえてるくせに♪」

P「」イラッ

ちひろ「あっそんな怖い顔しないで」

P「……で? 捕まえてどうするんですか」

ちひろ「…………愛でる?」

P「いつもしてますが」

ちひろ「たしかに」

ちひろ「いやしかし、とにかくやってみてください! 3人も早く捕まりたくて待機してるんですから!」

P「捕まりたいのか……」

ちひろ「ふふふ、プロデューサーさんと遊びたいんですよ♪ ……あ、早速来ましたよっ」


李衣菜「…………」ヒョコッ


P「ん、最初は李衣菜か」

ちひろ「あ! やせいの ただりいなが とびだしてきた!」

P「それいります?」

李衣菜「…………」ススッ


P「李衣菜? なんでそんな遠くに……こっち来ないのか?」

ちひろ「野生ですからね。人間を警戒しているんです」

P「ああそういう設定」


李衣菜「…………」スチャッ


P「あ、ヘッドホン付けた。……ん? 新しいやつだな」

ちひろ「ですね。ネコミミが付いてます」

P「ネコミミヘッドホン……ああ、そういえば前に前川さんと仕事したときに彼女に薦められてたな」

ちひろ「ネコりーなちゃんですね! かわいい!」

P「ええ、似合ってますね。かわいいぞ、李衣菜」


李衣菜「!」

李衣菜「うっひょー♪」


P「鳴き声なのかそれ。せめてにゃーって鳴こう」

李衣菜「変化球の方がロックじゃないですか! へへへ」

P「喋るの!?」

李衣菜「ニャースも喋りますしね」

P「ああそう……」

ちひろ「さぁ、ではゲットしてみましょう!」

P「了解です。……いや、どうやって?」

ちひろ「ボールはないので代わりに名刺を渡す形で」

P「名刺」

李衣菜「えへへ、Pさんから名刺をもらうのは2度目ですね」

P「そうだな……あのときとは違うけど。はい、どうぞ」スッ

李衣菜「いただきます――あれ、私たちの名前が……。前のと違うんですね?」

P「うん、担当アイドルの名前はちゃんと入れとかないと。売り込むのは俺じゃなくて、李衣菜たち3人だからな」

李衣菜「Pさん……。えっへへへへぇ……♪」


ちひろ「やったー! ただりいなを つかまえたぞ!」

P「だからそれいります?」

P「というかゲット判定これでいいんですか?」

ちひろ「いいと思います、デレデレですし」

P「んな適当な……」

李衣菜「Pさん! 改めて私、Pさんに一生ついていきます!」

P「ん。こちらこそ改めてよろしくな、李衣菜」

ちひろ「かくしてプロデューサーさんは、ポケモンマスt……いえ、アイドルマスターへの道を歩き出したのです!」ドッヤァ…

P「それ言いたかっただけじゃないですかもしかして」

李衣菜「さて、次もさくっとゲットしましょう! ……にゃあ」

P「思い出したかのようにネコ要素を」

李衣菜「あ、鳴き声うっひょーだった。うっひょー♪」

P「ブレすぎだろ……。ふう、次は泰葉か加蓮ですね」

ちひろ「そうなんですけど……来ませんね。どうしたのかしら」

李衣菜「こういうときは『おこう』ですね。使うといっぱいポケモンが寄ってくるんですよ」

P「なるほど。……いや、その『おこう』の代わりがなんなのか分からないんだけど」

ちひろ「あっ、それならちょうどいいものがあります!」

P「おお、あるんですか」


ちひろ「じゃん! メロンパンです!」

李衣菜「わぁ、形そっくり!」

P「いいのかそれで」


泰葉「…………」ヒョコッ


李衣菜「あ、使ってないのに現れた」

P「いいのかそれで」

ちひろ「あ! やせいの おかざきやすはが とびだしてきた!」

李衣菜「毎回やるんですね、それ」

P「香ばしい香りに誘われてきたのか……。泰葉、こっちおいで」


泰葉「……めろ」


P「それが鳴き声か」

李衣菜「かわいいうひょ」

P「語尾付けるのやめい、どこぞのピッピみたいになる」

泰葉「メロンパンくださいめろ」

P「だから」

ちひろ「むむっ。プロデューサーさん、泰葉ちゃんは李衣菜ちゃんより少し手強いみたいですよ」

P「手強い?」

ちひろ「ポケモンGOにはCPというものがありまして、李衣菜ちゃんたちにも設定されています」

P「ほう。そのCPってなんの略ですか?」

ちひろ「ずばり、シンデレラポイントです!」

P「また上手いこと言って」

李衣菜「私のCPは152ですよ、Pさんっ」

泰葉「私は153ですめろ」

P「うん、身長だな」

ちひろ「わずか1の違いですが、本家とは比べ物にならないほどの差があるんですよ……! 気をつけてください」

P「気をつけろったって、別に危害を加えてくるわけじゃあるまいし」

泰葉「……めろっ」ペシ

P「あたっ。え、危害を加えてきた」

泰葉「野生ですから……めろ」

P「めろめろかわいいなぁもう」

泰葉「はっ、あ、あうぅ……!」カァ

李衣菜「ちょろい」

P「李衣菜がちょろいって言うのもな……。よし、じゃあ泰葉にも名刺を」スッ

泰葉「あ、メロンパンもくださいめろ」

P「お、おう。……はい、どうぞ」

泰葉「ありがとうございますめろっ。……はぁ~……♪」


ちひろ「やったー! おかざきやすはを つかまえたぞ!」

P「もう突っ込みませんよ」

李衣菜「へへ、やったね! 泰葉も無事ゲット♪」

泰葉「ふふっ。ちょっと楽しかったかも……んむんむ」

李衣菜「メロンパン食べれるからじゃないの?」

泰葉「そ、そんなこと……。名刺だってまたもらえたもの。ふふ、えへへ……」

李衣菜「うん、宝物だねっ」ウッヒョー

泰葉「ええ♪」メロー


ちひろ「かわいい」

P「俺、必ずアイドルマスターになります」

李衣菜「さぁ、最後は加蓮ですね」

泰葉「随分待たせてしまいましたから、一筋縄ではいかないでしょうね……。充分準備をしてください」

P「大げさだな。大丈夫、加蓮は優しい子だ、から、な……?」


加蓮「…………」ムッスー…


P「」

李衣菜「あ、機嫌悪そううひょ」

泰葉「やっぱりめろ……」

ちひろ「あ! やせいの ほうじょうかれんが とびだしてきた!」

P「空気読んでちひろさん」

加蓮「…………」ジトー


P「か、加蓮? ごめんな、待たせすぎちゃったな」

加蓮「……別にいいぽて。気にしてないぽて」プイッ

P「ぽて……ああポテトね。か、かわいいなぁ」

加蓮「はぁ、それで褒めてるつもり? そんなんでほんとにアタシを捕まえる気ぽて?」

P「あわわわ……!」

ちひろ「まずいですね……。あれは北条加蓮ツンフォルムです」

泰葉「知っているんですかちひろさん」

ちひろ「ええ。極度の寂しさから生み出された、加蓮ちゃんのかまってオーラが噴出している姿です」

泰葉「そんな……! ただでさえ加蓮のCPは私たちを上回る155だと言うのに……!」

李衣菜「要はめんどくさいモードだよね。語尾のせいでなんだか間抜けだけど」


P「加蓮ほら、名刺だぞー?」

加蓮「つーん」

P「ど、どうしたら名刺を受け取ってくれる?」

加蓮「んー、そうだなー。今度買い物に付き合ってもらおっかなぁ。ぽて♪」

P「ああ、それくらいならいいぞ。他には?」

加蓮「え、……ほ、他?」

P「ああ、あるだろ? 俺にやってもらいたいこととか」

加蓮「Pさんに……え、えっと、その……ひ、膝枕、とか……な、なんちゃって!」

P「うんうん、いいぞ。お安い御用だ」

加蓮「ほっ、ほんとにいいの……?」

P「うん。それで、他には? まだまだなんなりと」

加蓮「ま、まだ!? そんなっ、Pさんにそこまで、わ、私……!」

P「もうないか?」

加蓮「う、うん……ていうか、私Pさんにもらってばかりだから……その、申し訳ないよ……」

P「それじゃ、名刺だけでも」スッ

加蓮「あ……えへへ、あのときとおんなじ台詞……。うん、大事にするね……♪」ニヘラ


ちひろ「やったー! ほうじょうかれんを つかまえたぞ!」

李衣菜「何故だろう無性にイライラする」

泰葉「奇遇ね、私もなの」

加蓮「えへ、ふふへへ……。2枚目だ……私の名前もある。えへへぇ」ポテポテー

李衣菜「いいねえ、トリはほんと羨ましいなぁ」ウヒョー…

泰葉「待たされて良かったね、加蓮」メロー…

加蓮「ふっふー、しかも膝枕の権利までもらっちゃったし♪ うーん私ってば幸せ者♪」

李衣菜「……奪えええええ!」バッ

泰葉「名刺も権利も、なにもかも奪い取る……っ!」ババッ

加蓮「きゃああああロケット団!?」


うっひょー!

めろー!

ぽてー!?


ちひろ「――プロデューサーさん。お楽しみいただけました?」

P「お楽しみっていうか……こんな遊んでていいんですかね」

ちひろ「いえいえ。たまにはこうして、一緒に遊ぶのもいいじゃないですか。ねっ? 私は楽しかったですよ♪」

P「あれだけ嬉しそうにナレーションしてれば伝わりますよ……。ま、俺も楽しかったです。良い息抜きになりました」

ちひろ「ふふ、良かった♪ ……ところで」

P「はい?」

ちひろ「あ、アイドルマスターさんは……アシスタントには興味ありませんか……?」モジモジ…

P「あ、別にそこまで」

ちひろ「(´・ω・`)」


P「おーい、みんな。そろそろ仕事に行くぞー。切り替えてけー」

泰葉「はーいっ。お仕事中は携帯イジらないようにしないとね。ふふふ」

加蓮「お仕事終わったらちょっと遠回りしてね、Pさん♪」

李衣菜「レアなのがいるかもしれませんからねっ」

P「あはは、分かった分かった。じゃ、いってきまーす」


ちひろ「……いってらっしゃーい……」



ちひろ「…………」

ちひろ「……あ、カビゴン」



おわり

というお話だったのさ
何番煎じだろうね

ひとつ前のお話
モバP「だりやすかれんと夏の気配」

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