【ラブライブ!】穂乃果「クトゥルフ神話TRPG?」【CoCリプレイ】 (30)




【このSSはラブライブ!キャラクターがクトゥルフ神話TRPGをやっている、ただそれだけのものです。】



某日 音ノ木坂学院高校 アイドル研究部部室


希「じゃじゃ~ん! みんな、これ知ってる?」

絵里「ひぃっ! 何よこの不気味な表紙は!」

にこ「『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』…… なにこれ、エライぶ厚いけど」

希「えっ、二人とも知らないん? 結構有名やよ?」

にこ「知らないわね、この様子だと絵里も知らなさそうね」

希「ま、ビビりなエリちが知ってるわけないか」

絵里「べ、別にビビりなんかじゃ」

希「ほれっ」ペラリ

絵里「いやああああああああ!」

にこ「頭が、タコ? きもすぎ……」

希「人間には到底理解できない、そういうものなんよ」

にこ「意味分かんないんだけど」

希「ということで、やってみない?」

絵里「よく分かんないけど、私はパス!」

にこ「私も、どういうものなのかよく分からないし」

希「しょーがないなぁ、じゃ、ウチが説明してあげる♪」

絵里・にこ(長くなりそうだなぁ……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469539099

リプレイか
安価だったらフルボッコにしてた

TRPGとか期待するしかないじゃあないか!



~1時間後~


にこ「いあ! いあ!」

絵里「いあ! いあ!」

希「ふふふ、洗脳成功やね」

にこ「何ぼやっとしてんのよ! さっさとやるわよ!」

絵里「私も! 私もやってみたい!」

希「はいはい、じゃあ今回はウチがKPをやるね。シナリオは…… ネットで拾ってくればいいかな」

にこ「じゃあその間にキャラメイクね!」

絵里「自分じゃない人を演じる、新鮮ね……!」


カタカタカタ


希「オッケー! シナリオはこれ!」


『毒入りスープ』作・泥紳士様 (クトゥルフ神話TRPGやろうず シナリオ置き場より)


希「この少人数でもできそうだし、時間も短め。初心者にはピッタリやね」

にこ「こっちもだいたいできたわ!」

絵里「うーん、技能がどれを選べばいいかあまり分からなかったわ……」

希「探索シナリオやし、『目星』『聞き耳』『図書館』は定番やね」

にこ「それじゃ、キャラ紹介するわよ」



PL:矢澤にこ

探索者名:矢沢みこ

職業:ジャーナリスト

能力値:STR 12 DEX 15 INT 8
    CON 14 APP 16 POW 11
    SIZ 9  SAN 55 EDU 17
    
技能:言いくるめ70 写真術70 心理学50 説得
   図書館85 母国語(日本語)85 他の言語(英語)71 歴史70
   目星70  聞き耳60


にこ「見なさいこの素晴らしい美貌、聡明な頭脳! 完璧よ完璧! さすが私ね!」

希「……www」

絵里「……www」

にこ「ちょっと、何笑ってんのよ」

希「SIZ9www」

絵里「INT8www」

希「TRPGでも貧乳ってことやん! 選ばれし貧乳!」

絵里「知性が、知性が低すぎる! かしこくない!」

にこ「何よ! 仕方ないじゃない、ダイスがそう示したんだから! それに、これらを補って余るほどのAPPとEDUがあるから!」

希「はいはい、ごめんごめん」

絵里「さすが宇宙ナンバーワンアイドルね」

にこ「見てなさい、速攻でクリアしてやるんだから……!」

希「じゃあにこっち、改めて探索者の自己紹介をどうぞ」

にこ「ったく……
   名前は矢沢みこ、職業はジャーナリスト。しがない雑誌記者ってとこかしら。
   小さな事務所に勤めてるわ。有名国公立大学を卒業していて引く手数多だったけど、大きい会社は面倒だから敢えて小さなとこを選んだって感じ。
   職業技能は、まあ説明は要らないわよね。
   興味に関してなんだけど、INTが低すぎて目星と聞き耳取ったら尽きたわ……
   この2つに関しては、まあ記者として隠密行動することもある、みたいな?」

希「ふむふむなるほど。所持品とかは?」

にこ「所持品? 考えてなかったわね」

希「キャラメイクのついでに、それくらいまで考えとくと探索の時にスムーズに進むよ」

にこ「そうね、まあ記者だしカメラは持ってるでしょうね。あと、手帳にボールペン。現代人ならスマホもあるわよね」

希「うん、それくらいなら許可します」

絵里「じゃあ、次は私ね!」




PL: 絵里

探索者名: 原 正一

職業:大学教授

能力値:STR 11 DEX 11 INT 15
    CON 11 APP 15 POW 10
    SIZ 16 SAN 50 EDU 15
    
技能:信用70 図書館60 値切り80 他の言語(ドイツ語)51 医学70 博物学30
   マーシャルアーツ(システマ)81 乗馬65 応急手当40




絵里「我ながら中々ハラショーな探索者ができあがったわね!」

にこ「はらしょーいち、はらしょー、ハラショー……」

希「まんまやね」

絵里「にこに対してINTもSIZも高めね」

にこ「ふんっ!」

希「名前から分かる通り、男性なんやね。どうして女性にしなかったん?」

絵里「探索者よ! 神話生物を倒すんだからやっぱり男でしょ!」

にこ「ちょっと待ちなさいよ! アンタ神話生物倒すつもりなの!?」

絵里「当然! そのための男、そのためのマーシャルアーツ!」

希「『マーシャルアーツ(システマ)』、システマって何?」

絵里「ロシアの武術よ、ロシア版合気道とも言われるわね」

希「へえ、そうなんや。合気道ってことはこぶし判定に入れてよいものか、特別に受け流しとか回避に付与すべきか……」

絵里「こぶし! こぶしで神話生物をやっつけるんだから!」

希「そ、そう…… まあいいか」

にこ「それは良いから、紹介よ紹介」

絵里「そうね、自己紹介に移りましょうか。ゴホン……
   俺の名前は原正一、大学教授をやってるぜ。医学分野を教えてるんだ」

希「ストップストップ、医学教えてるん?」

絵里「そうだけど?」

希「まあ、技能『医学』で分かってはいたんやけど……」

絵里「続けてもいいかしら?」

希「待って待って! 医学教えてる教授がなんでマーシャルアーツ?」

にこ「物騒な講義が予想されたわ」

絵里「それに関して説明するわ。ゴホン……
   実は俺の祖母はロシア人なんだ、だから毎年年末年始にはロシアに帰っていてな。
   その時に親戚が集まるんだが、その親戚の中にシステマを教えている奴がいるんだ。
   中々教えてもらう機会もないだろうから、ロシアに帰ったときは毎年習っているんだ、その結果が、まあこの通りだな。
   乗馬についてだが、まあ趣味の範囲だな」

にこ「にしては両方高くない?」

絵里「他に振りたいところも無くて余ったのよ」

にこ「遠回しな嫌味じゃないでしょうね……」

絵里「こんな感じだけど、どう?」

希「うーん、微妙なラインやけど、初めてやし良しとしよう!
  それと、さっきのにこっちよろしく所持品も」

絵里「所持品ね、うーん…… 当然スマホは持ってる……
   ボールペン、とか? あっ、あと愛読書の医学書!
   あと、折角男だしタバコを吸ってることにするわ。タバコ一箱とライターも持ってる」

希「ふむふむ、問題なさそうやね。許可します。
  さて、それじゃ2人とも準備できたことだし、始めよっか」

にこ「臨むところよ!」

絵里「ハラショー! ぼこぼこにしてやるわ!」

希「それでは『毒入りスープ』のセッションを始めます」








希「あっ、このシナリオ、所持品の持ち込み禁止やから」

絵里・にこ「なんで持たせたのよ!!?」



希「お分かりの通り、今回のセッションではウチがKPをやるな。
  それじゃ導入始めまーす。
  矢沢みこさんはいつも通りの仕事を終え家に帰りつき、シャワーを浴びてご飯を食べ、歯磨きやいつもやってるパックもして。
  さて、ベッドに入り電気も消して眠りにつこうといったところです。
  さて、何をしますか?」

にこ「その状況で何かやっていいの!?」

希「眠いだろうから、何かするにしてもPOWの対抗ロールでもしようかな」

にこ「おとなしく寝るわよ!」

希「はーい、じゃあ次はエリちね。原正一さんはいつも通りの仕事を終え」

絵里「寝ます」

希「はい。
  それでは、あなたたちはふと目を覚まします。
  するとどうやら自室ではなく、見たこともない正方形の部屋にいるようです。
  壁と床はコンクリート、四方に扉があり、自分たちは寝るとき着ていた服ではなく白いローブ一枚しか着ていないことが分かります。
  更に、部屋の天井には薄暗い豆電球が一つ、その真下、部屋の中央には古い木製の長机と椅子が一つあります。
  その机の上には、古い紙切れが2つと真っ赤で湯気が立っているほかほかのスープが見えます」

にこ「紙切れには何が書かれてるの? 目星は必要?」

希「『目星』を振るまでもなく、
  
  ~帰りたいなら 1時間以内に 毒入りスープを飲め。
   飲むまでは 君じゃあここから 出られない。
   1時間以内に 飲めなかったら お迎えが来るぞ~
  
  と書かれていることが分かります。
  もう1枚にはこの部屋の地図と思わしきものが記されています。
 ______________________________
「                              l
l              北                l
l  l
l            『調理室』  l
l  l
l   l
l 西 『書物庫』  『スープの部屋』  『下僕の部屋』 東 l
l                              l
l                              l
l            『礼拝室』 l
l                              l

l              南                l
l                               l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


  ここまでが、この部屋で『目星』を振らずに確認できることの全てとなります。
  では、ここで『目星』を振ってもらいます」

絵里「はいはーい」

にこ「ストップ、KP少し良いかしら」

希「どうかした?」

にこ「『目星』を振る必要のない範囲で推理してもいいかしら」

希「振らずに、うーん……
  (『目星』振らずに推理ってなんやろ。もしかして紙切れの裏に気づいた?
   だとしたら、推理できたから振らんでも良いか。違うことだったらこの後振らせればいいかな)
  うん、ロールプレイをどうぞ」

にこ「紙切れ、もしかしたら隠された暗号とかそういうのがあるかもしれないわね。
   そうだわ、光に透かしてみたら何か浮かび上がってきたりして。
   豆電球に2枚の紙切れを透かして見るわ」

希「なるほど、すると片方の紙切れには裏面にも何か書かれていることが分かりました。
  その内容は、

  ~暖かい 人間の 血の スープ 冷めない 内に 召し上がれ~

  と、書かれています。
  ということで、ここで『アイデア』ロールを」

絵里「えっ、じゃあこのスープ人の血ってこと!?」

にこ「あっ……」

希「……」


絵里「2人ともどうかしたの?」

希「『アイデア』ロールをするまでもなく、聡明な原正一はスープが人間の血であることに確信します。
  また、その言葉を聞いた矢沢みこもその可能性に気づかされます。
  そのようなことを考えていると、無臭だと思っていたスープから、どうも鉄錆にも似た悪臭が込み上がることに気づきます。
  この事実に気づいた2人は……」

絵里・にこ「SANチェックね!!」

希「なんでSANチェックを喜々として受け入れるん!?」

絵里「クトゥルフと言えばSANチェックじゃない!」

にこ「発狂!? 発狂しちゃう!?」

希「まあまあ、とりあえずダイス振ろうか。成功で0、失敗で1D4のSAN値減少な」

 矢沢みこ SAN55>62 失敗

 原正一  SAN50>26 成功

絵里「成功ってことは0ね。まあ失敗しても今回発狂はないし……」

にこ「ぐぬぬ、失敗……」

 矢沢みこ 1D4=1 SAN値55→54

にこ「最低値、余裕ね」

希「それじゃ2人は何をしますか?」

にこ「あれ、『目星』は? もう振らなくてもいいの?」

絵里「そういえば初めに言っててにこに止められたやつね」

希「それね、『目星』に成功してたら紙切れの裏の文章に気づいたんや。
  だけどそれをにこっちがロールプレイで見抜いたから、飛ばしていいんよ」

絵里「さすがにこね!」

にこ「まあね、でもあんたも『アイデア』振る前にスープが人間の血だって見抜いたじゃない。
   おかげでSAN値減ったけど……」

絵里「あはは……」

にこ「それじゃ、スープを飲むの?」

絵里「血でしょ?」

にこ「でも早く飲まなきゃ出られないんでしょ?
   ってことは1人しか帰れないのかしら……」

絵里「PVP!?」

にこ「『マーシャルアーツ(システマ)』に勝てる気がしないんだけど……」

絵里「あれ、でも毒入りスープを飲むのよね?
   これ、もう既に毒入ってるのかしら」

にこ「一口飲んでみたら?」

絵里「いやよ気持ち悪い!」

にこ「まあそれもそうよね……」

絵里「このままじゃまだヒントが少なすぎるわね。
   やっぱり他の4つの部屋を見てみなきゃ、ってことかしら」

にこ「でしょうね、どこから見る?」

絵里「おう、俺は礼拝室が気になるぜ」

にこ「突然ロールプレイ始めるのね……」

絵里「当たり前よ、それがTRPGの醍醐味じゃない!
   ほら、にこも!」

にこ「私のキャラは大体私自身と同じだから、このままでロールプレイできてんのよ」

絵里「ちぇー……」


にこ「それじゃ2人で礼拝室を、と言いたいところだけど1時間っていう制限時間があるし、ここは分かれて探索しましょう」

絵里「おう、任せな!」

希「それじゃ、エリちの方から」

絵里「希……」

希「原正一の方からシーンを進めます。
  地図に礼拝室、と書かれた部屋につながる扉は、小窓付きの厚い鉄扉となっています」

絵里「『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』」

にこ・希「えっ?」

絵里「『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』で扉を壊します」

希「いやいやいやいや! 話聞いてた!? 厚い鉄扉やからね!?」

絵里「壁はハイハイハイ! こわせーるものさ!」

希「(よ、予想外過ぎる…… まさか鉄扉を壊そうとするなんて……
   でもせっかく自由度の高いTRPG、それに初めてのセッション、あまりNOは言いたくない……)」

絵里「ダイス振っても良い?」

希「え、えっと、えっと……」

にこ「たまたま扉に向かって構えている原正一が目に入った矢沢みこは急いで止めます!
   ちょっとあんた何しようとしてんのよ!」

希「サンキューにこっち!」

絵里「せっかく取った『マーシャルアーツ(システマ)』使いたくて……」

にこ「不用意にモノを壊そうとしないでよね!
   それに、ぶ厚い鉄扉、マーシャルアーツとはいえ、成功したとしてもきっと自分にもダメージ受けるわよ!」

絵里「なるほど……」

にこ「二手に分かれると言ったけどこいつが心配なのでやっぱり一緒に行動します」

希「本当に助かる」

にこ「じゃあ早速、扉に『聞き耳』、の前に。
   『目星』『聞き耳』使わなくても分かるような情報ない?」

希「そうやね、小窓から部屋の中が見えるよ」

にこ「じゃあ覗いてみます。
   何かいたりしたらかなりまずいから、偵察偵察っと」

希「小窓から部屋の中を覗いた矢沢みこは、
  ぼんやりと青白い部屋の中に1枚だけの翼を持った巨大なクサリヘビのような怪物の姿が目に入ります。
  矢沢みこさん、SANチェックをどうぞ。成功で0、失敗で1D10の減少です」

にこ「な、なかなかハイペースね……」

 矢沢みこ SAN55>44 成功

にこ「ふふん、こちとら記者よ。いろんなもん見てきたんだから、例えばこんなデカい蛇だってね!」

絵里「中も確認したことだし、『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』を」

にこ「だからやめなさいってば!
   あの怪物、見るだけでSANチェックみたいだし、礼拝室を探索するのは私がやるわ。
   それと、少なくとも今は入ったら危なそうだから他を当たりましょう」

絵里「ちぇー……」

にこ「それじゃ次は書物庫を調べたいわ。書物庫ってくらいだし、『図書館』も役に立つでしょ」

希「オッケー。地図に書物庫、と書かれている西の部屋は綺麗な木製の扉となっています」

絵里「木製! これならきっと!」

にこ「あんた戦闘になるまで『こぶし』と『マーシャルアーツ(システマ)』禁止!」

絵里「ちぇー……」


にこ「その木製の扉に鍵はかかってる?」

希「ううん、普通に開けられるよ」

にこ「じゃあ入ります、の前にやっぱりドアの前から『聞き耳』を振るわ!」

希「はーい、エリちはどうする?」

絵里「初期値だけど、念のため」

 矢沢みこ 『聞き耳』60>100 ファンブル
 原正一  『聞き耳』25>14  成功

にこ「はあああああああああああああ!?」

絵里「あっ、成功した」

にこ「ファンブル!? 嘘でしょ!?」

希「ファンブルかー、どうしようかな……
  あっ、じゃあ、さっきの鉄扉から今の場所に移動するまでにスッ転んでいた、ということにするわ。
  矢沢みこの耐久力を1減らして、転んだ時に机も巻き込んでしまってスープが全部こぼれてしまいました」

 矢沢みこ 耐久力12→11

にこ「えっ、スープがこぼれたってことはもうそれ飲めないの!?」

希「机やら床にこぼれてしまってそれはもう飲めそうにないね」

にこ「えっ、じゃあ、詰み……?」

絵里「えっ、もうゲームオーバー!?」

希「いやいやいや! そんなわけないやん! というか、もしそうならファンブル1回で終わりとか難易度高すぎやって!」

にこ「そ、それもそうね……」

絵里「もしかして、どちらかの血液を注ぐ、とか?」

にこ「ありそう……」

絵里「……矢沢みこに対して『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』」

にこ「やめなさいやめなさい! ついさっき言ったでしょうが!
   戦闘以外では使うの禁止!」

絵里「PVPは戦闘でしょ?」

希「せやね」

にこ「そういう意味じゃなくて! 仲間倒してどうすんのよ! 協力するの協力!」

絵里「はぁ……」

にこ「なんでアンタの方が呆れてんのよ! こっちが呆れたいわよ!」

絵里「KP、『聞き耳』成功したわけだけど中の様子は?」

希「うーん、特に物音はないかな。生き物の呼吸の音も無さそう。
  部屋の中には誰も居ないってことが分かったよ」

絵里「了解、ほら、行くぞみこ」

にこ「ほんっとつかれる……」

希「部屋に入ると、中央には小さな4足の古い机があり、
  その上にあるキャンドル皿に乗せられたろうそくがうっすらと部屋を照らしています。
  また、四隅には本がいっぱいに詰められた本棚が置いてあることが分かるよ」

にこ「よし、ここは『図書館』ね!」

絵里「『図書館』なら私も振ってるわ!」

 矢沢みこ 『図書館』85>76 成功
 原正一  『図書館』60>05 クリティカル

絵里「クリティカルが出たわ!」

にこ「あんたダイス運良いわね……」


希「ここでクリティカルか、なるほどね。
  あなたたちは本棚を漁っていると『スープの夢について』と記された真っ黒な本を見つけます。
  本はべったりと湿っていて、この香りが花の蜜の香りのする黒い液体が付着します。
  えっと、ここで『博物学』、『医学』/2、『薬学』を振ってほしいんやけど……
  さっきエリちはクリティカルが出たので、丁度『医学』を持ってるわけやし、『医学』を等倍で振ってもええよ」

絵里「7割ね、ラッキー!」

希「にこっちも振ってみる? 一応『図書館』成功して本は見つけてるわけやし」

にこ「遠慮しとくわ、初期値だし、下手にファンブル出すと怖いし」

希「トラウマみたいやね……」

 原正一 『医学』70>07 成功

絵里「惜しい!」

にこ「ダイス運ホント良いわね……」

希「はい、原正一はこの液体が何らかの猛毒を持っている可能性があることが分かりました」

絵里「えっ、猛毒!? ちょっと、手についちゃってるんだけど! べったりと!」

希「触れるだけなら害はないよ。傷口からこの液体が流れ込んだり、この液体を体内に摂取すると危ないかも。
  それから、次にこの本に書かれてる内容についてね。

  真ん中の部屋……ちゃんとしたスープを飲まないと出られない。メモの裏にはスープの正体が記されている。
  上の部屋……調味料や食器が沢山置いてある。ちょっとだけ予備のスープが鍋にある。
  右の部屋……とっても良い子が待っている。いいものを持ってるよ。
  左の部屋……本はとっても大事だから持ち出したら駄目。ろうそくはもってける。
  下の部屋……神様が眠っている。毒の資料がある。番人は活きのいいものを食べなきゃいなくならない。
  大事な事……死ぬ覚悟をして飲むように。

  ということが書かれていました。
  伝えるまでもなく、にこっちも本を見つけてるから知ってる内容ね」

にこ「ちゃんとしたスープ、ってことは元のままじゃダメってことかしら。
   やっぱり毒は入ってなかったのね、今となっては意味ないけど……」

絵里「さっき覗いた礼拝室は、神様が眠っている、のね」

にこ「神様、ってのがよく分からないけど、番人ってのはさっきのヘビの怪物ね。
   活きのいいものを食べなきゃいなくならない……
   えっ、私達じゃないでしょうね!」

絵里「えっ、じゃあやっぱりどちらかが犠牲に!?」

にこ「ダイスを振ろうとするな!」

絵里「ここは左の部屋よね。本はダメ、ろうそくは良い。
   ……本持って行ってみる?」

にこ「えぇ、嫌よ、絶対何かあるに決まってるじゃない」

絵里「まあ、そうね。まだ見てないのは上の部屋と右の部屋ね」

にこ「えっと、地図で見ると……
   あっ、KP、真ん中の部屋にあった紙切れは私が持ち歩いてたことにしていい?」

希「ええよ。あっ、でもスッ転んだ時にもしかすると」

にこ「気のせいみたい、原正一が持ってたわ」

希「許可します」

にこ「えっと、地図で見ると上の部屋は調理室、右の部屋は下僕の部屋ね。
   あっ、最後にこの部屋に『目星』でも振っとく?」

絵里「私初期値」

希「振ってもいいけどこの部屋にはこれ以上何もないよ」

にこ「それ言っちゃっていいの!?」

希「うん、だってこのシナリオ一応制限時間あるし」

にこ「あっ、それ忘れてた! 時間経過はどうなってるの!?」

希「15分くらいかな。目安としては、部屋1つをじっくり探索したら10分かかると思ってくれると助かるかな」

にこ「結構余裕あるわね」


絵里「それじゃ、この部屋はもう良いわよね。ろうそくはどっちが持つ?」

にこ「私が持つわ。突然戦闘が始まったらあんたは手が空いてる方がいいでしょ」

絵里「了解」

にこ「私、調理室に行きたいんだけど、原正一は?」

絵里「着いていくぜ」

にこ「それじゃ真ん中の部屋に戻って調理室の扉の前に行きます」

希「はい、北の部屋は、真っ白なドアノブなどがない、板のような押し扉となっています」

にこ「一応『聞き耳』かな」

 矢沢みこ 『聞き耳』60>41 成功
 原正一  『聞き耳』25>83 失敗

希「部屋の中からは、コトコト、と鍋を煮込んでいるような音が聞こえますね」

にこ「生き物は? それは誰かが料理しているってこと?」

希「いえ、生き物がいるような生活音はありません」

にこ「安全そうね、入ります」

希「部屋に入ると、この部屋はとてもきれいな印象を受け、食器棚や調理台、ガスコンロや洗い場など様々なものがあります。
  部屋はいくつもの豆電球が設置されていて、この部屋は真昼のようにずっと明るいです。
  ガスコンロの上には鍋がかけられていますね」

にこ「『目星』を振らずに分かる情報はそれくらい?」

希「うん、それくらいやね」

にこ「じゃあ『目星』を」

絵里「ちょっと待って」

にこ「どうかした?」

絵里「ここは明るいのよね?」

希「うん、豆電球も切れそうな気配もなく光ってるよ」

絵里「じゃあ先に下僕の部屋に行かない?
   ろうそくってことはきっと時間がたつと使えなくなると思うの、だから明るい場所は後からでもいいんじゃないかしら」

にこ「なるほど、さすが絵里ね!」

希「じゃあ部屋に入らずUターンして東の部屋?」

絵里「そんな感じね。それなら時間もあまり経過しないんじゃない?」

希「うん、時間経過はナシってことで良いよ。
  それじゃ東の部屋ね。東の部屋は錆びた鉄でできた扉となっています」

にこ「鍵はかかってるの?」

希「かかってます。だけど錆びてるので、『鍵開け』が無くても力づくで開けられるよ」

絵里「『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』使っていいの!?」

希「ううん、STR5との対抗ロール」

絵里「ちぇー……」

にこ「じゃあ私の方が若干高いし、私がやるわ」

 矢沢みこ STR対抗85>15 成功

にこ「鉄の扉がなんぼのもんじゃーい!」

希「扉は開きました」

にこ「あっ、『聞き耳』振ってない! 原正一の後ろに隠れます!」

希「部屋の中には灯りが全くなく、更に中央の部屋の豆電球の光は届きません」


にこ「何も出てこないみたいね。暗闇の中で何か見える?」

希「見えないね、『目星』を振ってよく目を凝らせば見えるかも。
  『聞き耳』もしてみる?」

にこ「じゃあ両方してみるわ」

希「暗いから『目星』マイナス30で振ってね」

絵里「ろうそくあるわよ?」

希「じゃあマイナス15でええよ」

 矢沢みこ 『目星』70-15>05 クリティカル
 原正一  『目星』25-15>32 失敗

にこ「クリティカル! ダイスの女神が微笑んだわ! ここからはきっと安全ね!」

絵里「さすがに初期値にマイナスかけられたら無理よね……」

希「えー、クリティカルどうしよ……
  あっ、じゃあ分かった。部屋の暗闇の中に10代後半くらいのやつれた女の子がいることに気づきます。
  女の子は探索者と同じ白いローブを着ていますが、それは血に塗れていて片手には拳銃を握りしめています。
  女の子は虚ろな目をしたアルビノの女の子です。
  更に目が冴えわたった矢沢みこは、部屋の中にもう1つ『何か』があること、それが見えていないけどヤバいものであること。
  また、紙切れが落ちていることに気づきました。
  紙切れの内容は、

  ~それは 名前もない 貴方の 下僕です。
   言われたことは 嫌でも 絶対に 従います。
   無口だけど 人懐っこい 良い子なので 可愛がってあげてください~

  と書かれています」

にこ「ヤバい『何か』が気になり過ぎる……」

希「それを見たらSANチェック入るんやけど、クリティカル出したからそれを回避してあげたんよ」

にこ「なるほど、でもそれが具体的に何かは教えてくれないのね」

希「教えてもいいけど、SANチェックするよ」

にこ「探索に詰んだら聞くわ……」

絵里「えっと、この女の子は、言葉は通じるの?」

にこ「紙切れには名前がない、下僕って書いてるわね。
   あなた、名前は?」

希「そうやね、少し思案した後に首を横に振りました。
  言葉は理解できるみたいやね」

絵里「ということは、名前がないの?」

希「女の子はこくり、とうなづきました」

絵里「そう、それじゃ名前を付けてあげましょう! 今後呼び方に困らないようにね」

にこ「こころ」

絵里「アリサ」

希「女の子は少し困った顔で2人の顔を交互に見ています」

絵里「アリサ! あなたの名前はアリサよ!」

にこ「こころ! こころよ! 勝手に決めないでくれる!?」

希「じゃあどっちの名前にするか1D6のダイスで決めようか。
  数値が大きかった方の名前にしようか」

絵里「6、6、6……」

にこ「6、6、6……」

 矢沢みこ 1D6=2
 原正一  1D6=5

絵里「やったわ! アリサよ! あなたの名前はアリサ!」

にこ「くぅ……」

希「女の子は原正一の方を向いて少しうれしそうに微笑んでいます」

絵里「かわいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

にこ「まあ名前ごときで一喜一憂してても仕方ないわね。
   アリサが持ってる拳銃、私にくれないかしら?」

希「アリサは矢沢みこに手に持っている拳銃を渡してくれました」

にこ「原正一は戦闘技能あるし、良いわよね?」

絵里「ええ、構わないわ」

にこ「さて、それじゃさっきの調理室に戻りましょうか。
   あっ、ここまでで経過時間はどれくらい?」

希「25分くらいかな。ろうそくの火はもう少しもちそう。
  あと25分くらい経つとろうそくは溶けるってとこかな」

にこ「了解、ちょっと急ぎましょうか」

希「それでは改めて北の部屋にやってきました」

にこ「確か『目星』は振らず終いだったわよね。
   『目星』を振ります」

 矢沢みこ 『目星』70>16 成功
 原正一  『目星』25>58 失敗

にこ「もうアンタわざわざ『目星』と『聞き耳』振らなくてもいいわよ……」

絵里「だってにこ、じゃなくてみこが失敗するかもしれないじゃない!」

にこ「まあそれもそうね。それで、部屋の中の様子はどう?」

希「はい。調理台の隅に紙切れがあるのに気づきます」

絵里「そこら中に紙切れがあるわね」

希「~大事な 調味料は 現在 在庫切れ~
  
  と書かれています」

にこ「大事な調味料? 毒以外にまた何か調味料を入れるの?」

絵里「というよりは、調味料は毒のことを指してるんじゃない?」

にこ「なるほど、えっ、ってことは毒無いの!?」

絵里「多分、この調理室に、じゃない?
   私、じゃない、俺思い当たる節があるんだ。
   ただ、それを確かめる方法が無くてな……」

にこ「あー、書庫のべったりしたやつね。舐めてみる?」

絵里「いやいやいやいや! 毒だったら即死なんだけど!」

にこ「ということは、やっぱりどちらかしか……
   だからダイスを振ろうとするな!」

絵里「でもどうすれば……」


にこ「……あっ、気づいちゃった」

絵里「何に?」

にこ「毒、確かめる方法」

絵里「……ストップ」

にこ「だってそれしかないでしょ!」

絵里「だめだめだめ! 絶対だめだからね! アリサを見るのやめなさいって!」

にこ「だってそれしかもう方法なくない!?」

絵里「ダメよ! アリサで試すくらいなら私が試すから!」

にこ「えっ、試してくれるの?」

絵里「……いやぁ、それは」

にこ「じゃあやっぱりそれしか!」

希「あっ、ごめんごめんストップストップ!
  言い忘れてた情報があるわ! 食器棚にな? 食器棚の中にある器が全部銀製なんや」

絵里「銀製?」

希「はい、ここで2人は『歴史』もしくは『オカルト』で振ってもらいます。
  また、その内容とは別に『地質学』や『薬学』でも情報が得られます」

にこ「私『歴史』70あるわよ!」

絵里「2つ目の情報の『薬学』って『医学』で応用きかない?」

希「うーん、『医学』/2で振っていいよ」

 矢沢みこ 『歴史』70>35 成功
 原正一  『医学』70/2>26 成功

希「おー、エリちの方も成功したか。
  えっと、まずにこっちの方ね。
  矢沢みこは、持ち前の知識から銀には魔よけの力があり、高い精神力を象徴するものであることを知っていました。
  原正一は、医学を学んでいた時についでに得た知識から、
  銀は毒薬に多用された硫化ヒ素に合うと黒ずむことから毒見に用いられたことを知っていました」

にこ「魔除け? これ持ってたら礼拝室の怪物逃げたりしないかしら。
   1皿持っていくわ」

絵里「こっちの情報は中々有力ね! つまり、これで毒かどうか確かめられるのよね。
   俺は銀製のスプーンを1つ持っていくぜ」

にこ「あとはスープをどうやってまた用意するかなのよね。
   私、ずっとコンロにかけられた鍋が気になってるんだけど」

絵里「私もよ、開けてみる?」

にこ「じゃあ私が開けるわ」

希「鍋のふたを開けると、中にはバラバラの死体が一杯になっています。
  この鍋の底には血が溜まっていますね。
  死体を目撃した矢沢みこはSANチェックです。成功で1、失敗で1D6の減少です」

 矢沢みこ SAN55>53 成功

にこ「あっ、危なかった……」

 矢沢みこ SAN値54→53

希「そろそろ発狂しても良い頃なんやけどなぁ……」

にこ「割となんとかなるものね。
   さて、それじゃあ毒の確認から?」

絵里「そうね、あれが毒だって確認できればクリアできるわけだし」

にこ「あれ、ほんとね」

希「(あれっ、確かに…… このままじゃ普通にクリアしてしまう……
   えぇ、南の部屋まだ中に入ってないのに! なのにクリアされちゃうのか……)」


にこ「書物庫に向かうわ」

希「えっ? ああ、はいはい、書物庫ね。
  あっ、ちなみに経過時間は35分ね。残り25分、ろうそくは15分やで」

絵里「まあ間に合うでしょ。
   黒い本に付着してる液体を銀のスプーンですくうわ。
   スプーンは黒ずんでる?」

希「う、うん、黒ずんでるみたいやね」

絵里「ハラショー! あとはスープを作って飲んでクリアね!」

にこ「それじゃ今のうちには私は調理室に戻って鍋の血を器に注いで持ってくるわ。
   2人分は用意できるわよね?」

希「うん、十分足りるよ」

絵里「待って、アリサの分も用意しましょう。一緒に帰りたいわ」

にこ「了解、3人分足りる?」

希「う、うん、足りる……」

絵里「それじゃ、用意したスープに毒を入れるわ。
   じゃあアリサ、俺たちに続いてそのスープを飲むんだ、良いな?」

希「アリサはこくりと頷きます」

にこ「それじゃ、いただきまー」

希「ちょちょ、ちょっと待って!」

にこ「何よ、邪魔しないでくれる?」

希「南の部屋! 南の部屋は? 探索してないんじゃない?」

絵里「そういえばそうね」

希「ほほほ、ほら! もしかしたらこれだけじゃ不完全かもよ?
  元の世界に帰れないかもよ?」

にこ「うーん……」

絵里「うーん……」

希「KPとしては、やっぱ探索した方がええと思うけどなぁ~……」

にこ「まあ、そこまで言うなら」

絵里「探索してあげる?」

希「ありがとうございます……」


にこ「でもヘビの怪物がいるのよね。で、紙切れには活きのいいものをあげないといなくならない、って。
   どうする? 活きのいいものって、つまり生きてる何か、よね。
   思いつく限りだと私達、あとアリサ、くらい?」

絵里「アリサはダメだってば!」

にこ「そうよね、せっかくここまで来たんだしアリサも元に戻してあげたいわよね……」

絵里「じゃあやっぱり戦う? 出番ついに来る?」

にこ「それしかないのかしらね、でも神話生物?と戦うのは…… あっ」

絵里「何か思いついたの?」

にこ「そうだ忘れてた! アリサがいた部屋! クリティカルのおかげで存在確認はしたけど見てないやつ!
   それがもしかしたら活きのいいものの可能性あるわよね!」

絵里「なるほど、見てみる? でもSANチェック回避って言ってた気がするけど。
   つまり見たらSAN値減るのよね? やばくない?」

にこ「KP、あの時の『何か』は好きな時に教えてくれるって言ったわよね。
   あれ、なんだったの?」

希「あれは、頭の無い男性の遺体です」

にこ「遺体、ってことは活きのいいものじゃない……」

希「今矢沢みこはそのことを思い出したということでSANチェックです。
  成功で1、失敗で1D4+1の減少です」

 矢沢みこ SAN55>03 成功

にこ「さすがに発狂来るかと思ったけど割と成功するわね……」

希「SANチェックでのクリティカルは考慮しません」

 矢沢みこ SAN値53→52

にこ「となると、いよいよあのヘビの怪物は誰か犠牲になるか戦うかしかないわね。
   もう一度聞くわ、原正一、アリサを差し出す気はないのね?」

絵里「当たり前だ。アリサはなんとしてでも守ってみせる」

にこ「分かったわ、頑固なんだから……
   KP、礼拝室の扉を開くわ、原正一は前衛に、後衛は拳銃の届く位置に私、その後ろにアリサ。
   戦闘を始めましょう」

希「はい、ではヘビの怪物を初めて見た原正一はSANチェックです。
  成功で0、失敗で1D10の減少です」

 原正一 SAN50>36 成功

絵里「なぁに、人間の解剖の方がよっぽど目を向けがたいな」

希「あんたら鋼の精神か!」

絵里「ふふふ、ついにこの時が来たわね!」

希「それでは戦闘を開始します。
  DEX順に行動します、矢沢みこは『拳銃』を構えていますか?

にこ「いや、初めて使う実弾入りの『拳銃』にそれどころじゃないわね。
   精神統一をしてるわ」

希「なるほど。ではまずはヘビの怪物から。
  最も近くにいる原正一に噛みつきをします」

 狩り立てる恐怖 噛みつき65>80 失敗

絵里「どこに向かってんだのろまァ!!」

希「次は矢沢みこの行動です」

にこ「もちろん『拳銃』をぶっ放すわ!」

希「それでは『拳銃』で」

にこ「KP、技能による補正がかからないかしら?」

希「技能? 確か『拳銃』に関する技能は取ってなかったような……」

にこ「『写真術』で『拳銃』成功率の補正を申請するわ!」

希「『写真術』? それはどういった意味合いで?」

にこ「銃口を目標に狙いを定めて向けるのも、カメラを目標に狙いを定めて向けるのも。
   似ていると思わない? 常日頃からカメラをかまえているせいかしらね。
   照準を合わせて狙う、という動作が上手くいったのよ! どう!?」

希「なるほど! 中々面白い発想やね、許可します。
  それじゃプラス20でダイスを振ろっか」

 矢沢みこ 『拳銃』60>21 成功

 与ダメージ 1D6=5

希「ヘビの怪物は避けようとします」

 狩り立てる恐怖 『回避』38>53 失敗

にこ「当たった!」

希「ヘビの怪物は厚い皮膚により9ポイントの装甲があり、被ダメージは0点です」

 狩り立てる恐怖 耐久力???→???

にこ「うそぉ!? 全然効いてないじゃない! これ意味ないじゃないのよ!!」

希「続いて原正一の行動です」

絵里「もちろん、『こぶし』、『マーシャルアーツ(システマ)』を使うわ!」

 原正一 『こぶし』50>03 クリティカル
     『マーシャルアーツ(システマ)』81>23 成功

絵里「クリティカル! 俺の拳をくらえやああああああああ!!」

希「クリティカルの効果は全体ダメージを2倍にします」

 与ダメージ (2D3+1D4)×2=20

希「最大値!? エリちダイス運怖すぎる! これダイスの女神じゃなくて邪心やん!」

絵里「ふははははははは!! 心地よいぞぉ!!」

希「ヘビの怪物は厚い皮膚により9ポイントの装甲、被ダメージは11点です……」

 狩り立てる恐怖 耐久力???→???

絵里「まだ失神もしないわね」

にこ「これもしかして勝ち目無かったりする?」


希「2ラウンド目に入ります。
  ヘビの怪物はもう一度原正一に『噛みつき』をします」

 狩り立てる恐怖 『噛みつき』65>51 成功

絵里「えっ、やばい『回避』します!
   更に技能による『回避』への補正を申請します!」

希「ふむふむ、どんな技能で『回避』するん?」

絵里「『マーシャルアーツ(システマ)』でどうにかならないかしら?
   ほら、システマはロシアの合気道って言われてるし!」

希「それ言ったらさっき『こぶし』に補正かけていいものか悩むけど……
  それと、合気道ならむしろ『受け流し』とかにならないかな?」

絵里「あー、なるほど……」

希「『受け流し』判定なら、エリちラウンド開始時に誰からの攻撃を受け流すか宣言した?」

絵里「してない……」

希「それじゃあ仕方ないね」

絵里「じゃあ『乗馬』で『回避』します!」

希「それは、どういう……」

絵里「『乗馬』はね、身体全身をバランスよく保てなければ乗りこなすことはできないの。
   その身体の使い方の応用で、こう、ヒラッと!」

希「うーん……」

絵里「だめ?」

希「まあいいでしょう」

絵里「やったー!」

希「だって、許可しないと持ちうる技能全てで『回避』しそうなんやもん」

にこ「『値切り』で『回避』とか?」

希「もう訳わからんしな、それよりは『乗馬』の方がまだ分かるし。
  ということで、『回避』に判定プラス20で」

 原正一 『回避』22+20>41 成功

絵里「あっぶねっ!」

希「続いて矢沢みこの行動です」

にこ「これ撃っても仕方ないし……
   じゃ、じゃあ『投擲』! これ投げつける!」

 矢沢みこ 『投擲』25>11 成功

にこ「ありがとう女神さま!」

希「うーん、じゃあダメージは……
  たまたまさっき銃弾を撃ち込んだとこにヒットしたということで、装甲が効きませんでした。
  装甲無視で1D6のダメージです」

 与ダメージ 1D6=6

にこ「ツイてる! マジでツイてる!!」

 狩り立てる恐怖 耐久力???→???

希「この瞬間に、ヘビの怪物が受けたダメージにより失神してしまいました。
  ヘビの怪物の気絶判定を行います」

 狩り立てる恐怖 CON15×5>79 失敗

希「ヘビの怪物が気絶しました……」

絵里「なんか、この子さっきからダイス運悪すぎない……?」

にこ「敵なんだけど可哀想に思えてきたわね……」

希「ピクピクと動いているようですが、もう起きることは無いように思えます。
  これで戦闘終了です。この部屋の探索ができます」


にこ「ふぅ、なんとか……」

絵里「アリサも無事、『マーシャルアーツ(システマ)』も使えたし、満足満足!」
にこ「えっと、じゃあ改めてこの部屋はどんな感じ?」

希「部屋の隅に人の体を持った象の姿を模した不思議な像があります」

にこ「パッと見ではそれだけ?」

希「それだけやね」

にこ「それじゃあその像を調べてみるわ。どこかパカッと開くような扉というか蓋みたいなものはない?」

希「無いね、あるとすれば石版くらいかな」

にこ「石版には何が書かれているのかしら」

希「そう簡単には読めないね、読みたいなら5分ほどかけてじっくり読み込むのが必要かも」

にこ「それじゃ読み込むわ。時間はまだあるわよね?」

希「さっきの戦闘で10分経ったとして、45分経過やね」

にこ「そう、時間はあるわね」

絵里「待って、5分後にはろうそくが消えるのよね?」

希「そうやね」

絵里「みこ、俺はもうスープを作って飲んだ方がいいと思うぜ。
   制限時間は1時間あるが、ろうそくが消えちまったら何が起こるか分からねえ。
   実際、既に毒はあるんだ、もう飲んじまった方が良いと思うぜ」

にこ「……確かに」

希「えっ、で、でもせっかくこの部屋も安全に動けるわけなんやし」

にこ「じゃあKP、最後に『目星』を振るわ」

 矢沢みこ 『目星』70>46 成功

希「石版の近くに紙切れが落ちてます。
  その内容は、

  ~真ん中の 弱々しい 太陽の中。
   もしくは 黒染めの 夢の知識。
   そこに 調味料は 隠れている~

  とあります」

にこ「ん? もう1つ毒があるってこと?」

絵里「多分、黒染めの夢の知識、っていうのは書物庫のあれよね。
   もう1つの、真ん中の弱々しい太陽の中、っていうのは……」

にこ「弱々しい太陽、溶けかけのろうそく?」

絵里「真ん中の、ってあるし違う気がする……」

にこ「じゃあ真ん中の部屋の豆電球よ!」

絵里「そこにもう1つ毒があるわ!」

にこ「KP、真ん中の部屋に戻って豆電球を調べるわ」

希「はい、すると豆電球が消えます」

にこ「ろうそくは?」

希「ギリギリ残ってますね。もう他の部屋に持っていくほどの余裕はなさそうです」

にこ「十分ね、それじゃあ豆電球の裏にでも毒の小瓶とかがあるんじゃない?
   それをスープの中に注ぎます、3人分均等に」

絵里「アリサ、私達が飲んだらあなたもこのスープを飲むのよ、いい?」

希「絵里の方を向いて少しおびえながらもこくり、と頷きます」

にこ「それじゃ、毒入りスープ」

絵里・にこ「いただきまーす!」


希「スープを飲んだ2人は突然呼吸と心拍が激しくなり、少し経ってから心臓が疲れ果てあなたたちは気を失ってしまいます。
  すると見えるはずもない視界が段々と白く染まっていき、声が聞こえてきます。
  『勇敢なる者よ!現へと帰るがいい!』と吠えるような声が頭に響いてきます。
  次に目を覚ました時、あなたたちは昨晩眠っていた場所で目を覚まします。
  もちろん朝です。あの妙な部屋はどこにもなく、あなたたちが夢の中で負ったけがは全て消えています。
  それでは、この悪夢から抜け出せたあなたたちは1D10のSAN値を獲得します」

 矢沢みこ 1D10=7
      SAN値52→59

 原正一  1D10=1
      SAN値50→51

希「更に、少女アリサを死なせることなく抜け出せたため、更に1D6のSAN値を獲得します」

 矢沢みこ 1D6=4
      SAN値59→63

 原正一  1D6=5
      SAN値51→56

希「しかし、夢の中とはいえ一度死を経験してしまったので1D10のSAN値を減少します」

 矢沢みこ 1D10=2
      SAN値63→61

 原正一  1D10=2
      SAN値56→54

希「また、自ら毒入りスープを飲むという勇気ある行動をとったあなたがたに5のSAN値を差し上げます」

 矢沢みこ SAN値61→66

 原正一  SAN値54→59

希「はい、これにてセッションを終了します。
  2人ともおつかれ!」


にこ「なんかクリア後の方がSAN値の変動激しかったわね」

希「いやぁ、だって2人ともSANチェック成功しまくるんやもん!」

にこ「ほんとびっくりよね、特に絵里」

絵里「私?」

にこ「あんた、SAN値の減少はSANチェック成功でも1減るってのが1回あっただけじゃない!」

絵里「そういえばそうね、全然減らなかったわ」

希「というか2人とも、ヘビの怪物見てもSAN値減らないし……」

にこ「ただのデカいヘビだったのよ」

絵里「実際に見たら絶対驚くけど……」

希「ダイスの女神さまが微笑みまくりやったね」

にこ「私1回ファンブル出したけど!」

絵里「あっ、そういえばアリサはどうなったのかしら?」

希「下僕の部屋の女の子? さあ、それは誰にもわからないことやね」

絵里「元の場所に帰れてるといいんだけど……」

にこ「あんた何空想のキャラクター心配してんのよ」

絵里「だってアリサなんて名付けちゃったし……」

希「エリちは年下に弱いのかもね」

 キーンコーンカーンコーン

希「あっ、チャイム鳴ってる。もう帰らな」

にこ「そんなにやってたのね」

絵里「ねえ、またやりましょ!」

にこ「そうね、私も今回で一気にハマっちゃった!」

希「そうやね、今度はμ’sのみんなも誘ってみる?」

絵里・にこ「賛成!」

絵里「それじゃ、にこ施錠よろしくっ」

にこ「ちょっと、それくらい待ってくれたっていいじゃない!」

希「そーらにげろー!」

絵里「あははは! にげろにげろー!」

にこ「ちょっと何なのよもう!」

 コロコロッ

にこ「! ……またよろしくね、ダイスの女神さま」

 ガチャリ

にこ「ちょっと2人とも待ちなさいってばー!」



次回のセッションはどのキャラでやるか決めていません。

参加してほしいメンバーがいましたらコメントくださると登場するかもしれません。

既存メンバーは基本的に作成済みのPLを使用しますが、場合によっては変更することもあります。

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