先輩「マッサージしてあげるよー」 (22)

後輩「マッサージですか……?」

先輩「私、マッサージ得意なんだよー」

後輩「は、はぁ……?」

先輩「まあ座ってよ」

後輩「でも、先輩にそんなことしてもらうなんて……」

先輩「いいの。私が後輩ちゃんにマッサージしたいだけなんだから」

先輩「それとも、私に身体を触られるの嫌……?」

後輩「そ、そんなことないです! むしろ光栄というか……」

先輩「なら決まりだね! ほら、座って座って」

後輩「お、お願いします」

先輩「……」モミ

後輩「きゃ! なにするんですか!?」

先輩「なにって、胸のマッサージだけど?」


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後輩「どうして胸をマッサージする必要があるんですか!」

先輩「んとね、このマッサージにはある絶大な効果があるんだ」

後輩「効果なんて聞いてません!」

先輩「でも、効果を知れば、後輩ちゃんは自分からマッサージしてほしいってお願いすると思うんだけどなあ……」

後輩「しません! どんな効果があろうが、他人に胸を触らせるなんて破廉恥なことを……」

先輩「大きくなるの」

後輩「えっ」

先輩「胸が大きくなるんだよ」

後輩「先輩、お願いしてもいいですか?」

先輩「いいの?」

後輩「勿論です。私の胸がFカップくらいになるまで揉みしだいてください」

先輩「いやー、さすがにそこまでは無理じゃないかな……」

後輩「大きくなるって言いましたよね!?」

先輩「でも、限度ってあるじゃん?」

後輩「なら、私の胸はどれくらい大きくなるんですか?」

先輩「……Aかな」

後輩「そんな……」

先輩「でもほら、AAAからAになるなんてすごいじゃん! カップ2つ分も大きくなってるよ!」

後輩「や、やめてくださいよ!」


後輩「先輩のばかぁ……」シクシク

先輩「ごめんごめん。そんなに気にしてたとは思わなくてさ」ナデナデ

後輩「嘘だ! 知ってて、そうやっていじめるんでしょ!」

先輩「どうしてそんなにコンプレックスに感じるかなー。たかが胸だよ?」

後輩「年頃の女の子には重要事項なんです!」

先輩「私も年頃だと思うんだけど」

後輩「だって、先輩は大きいじゃないですか!」

先輩「そんな大きくないって。だって私、Eカップだよ?」

後輩「E!? そ、そんなに大きんですか! てっきりCカップくらいかと思ってました……」

先輩「……私、着痩せするタイプだからさ」

後輩「もう! 先輩も巨乳の部類に入るじゃないですか!」

先輩「まぁ、後輩ちゃん基準なら、ほとんどの人が巨乳になるだろうけどさ」

後輩「やめろー!」ベシッ

先輩「まあ、貧乳が好きな人は必ずいるから安心しなよ」

後輩「でも、ほとんどの人は巨乳が好きなんでしょう?」

先輩「あー、うん。そうだね」

後輩「ダメじゃないですか……」

先輩「どうして?」

後輩「と言いますと……?」

先輩「……私は後輩ちゃんくらいの胸のサイズが大好きだよ」

後輩「えっ? すみません。よく聞こえないです……」

先輩「難聴ヒロインとか今さら流行らないよ」

後輩「いや、いま明らかに先輩の声が小さくなりましたよね……?」

先輩「大きな声で言うような話でもないしね」

後輩「よくわかんないですけど、とりあえずマッサージを……」

先輩「そうだね、ごめん。じゃあ、座ってくれる?」

後輩「なに言ってるんですか? 私が先輩にしてあげるんです」

先輩「私、胸にコンプレックスないからいいよ」

後輩「そうですか、残念です……」

先輩「私の胸を触ろうなんて千年早いよ」

後輩「巨乳好きなんです」

先輩「えっ」

後輩「私、巨乳の女性が好きなんですよ」

先輩「後輩ちゃん、お願いしてもいいかな?」

後輩「でも、先輩の胸を触るなんて千年早いんじゃ?」

先輩「私、そんなこと言ってないよ? いいから早く、後輩ちゃんの好みの胸の大きさになるくらい揉んでよ」

後輩「私好みでいいんですか?」

先輩「うん。後輩ちゃんは何カップがいいの?」

後輩「Eです」

先輩「えっ……」

後輩「だから、私は先輩の胸を揉む必要は……」

先輩「カップ3つも大きくしなきゃいけないなんて……」

後輩「えっ?」

先輩「えっ?」

後輩「いや、先輩は既にEカップなんだから大きくする必要はないですよね?」

先輩「……」

後輩「……まさか先輩」

先輩「そうだよ! カップ盛りました! それも3つも!」

後輩「えぇ……」

先輩「もうダメだ……」

後輩「そんな落ち込まなくても」

先輩「だって、後輩ちゃんはEカップがいいんでしょ?」

後輩「それは……」

先輩「カップ3つも大きくするなんて無理だよ……」

後輩「どうしてそんなに私の好みを気にするんですか?」

先輩「……後輩ちゃんが好きだから」

後輩「だから、どうして重要な場面で急激に声が小さくなるんですか……」

後輩「はっきり言ったらどうです」

先輩「言ってるよ。後輩ちゃんが難聴なだけだよ」

後輩「そうですか……」

先輩「……話戻るんだけどさ」

後輩「なんでしょう?」

先輩「貧乳には興味ない……?」

後輩「そうですね。眼中にないです」

先輩「そっか……」

後輩「少なくとも、Bカップはないとダメですね」

先輩「……えっ?」

後輩「私は先輩の胸のサイズが一番好きです」

先輩「後輩ちゃん……」

後輩「というよりも、私は先輩なら……」

先輩「そりゃあ、後輩ちゃんからすれば、みんな巨乳に見えるかもしれないけどさ、Bカップを巨乳って無理があるんじゃないかな?」

後輩「フラグクラッシャーとか今時流行りませんよ」

後輩「本当に先輩って鈍感っていうかヘタレっていうか……」

先輩「私、なにか間違ってる?」

後輩「ええ。壊滅的に」

先輩「んー。よくわかんないから、ハッキリ言ってよ」

後輩「ハッキリですか?」

先輩「そうそう。後輩ちゃんが思ってることをズバッとね」

後輩「わかりました。……では言いますね」

先輩「うん」

後輩「私は先輩の胸にむしゃぶりつきたいんです!」

先輩「は?」

後輩「だから、先輩の胸を舐めまわしたいんです。さあ、脱いでください!」

先輩「とりあえず落ち着こうか、変態さん」

後輩「思ってることを言ったんだから、いいじゃないですか!」

先輩「いや、ダメでしょ。胸を舐めさせてくださいとか言われて、はいそうですかとはならないから」

後輩「ああ、なるほど。すみませんでした」

先輩「よかった。わかってくれたんだね」

後輩「はい。私が舐めたいのは乳首でした。ごめんなさい。胸を舐められても先輩はあんまり気持ちよくないですよね」

先輩「そういう問題じゃないよ」

後輩「違うんですか?」

先輩「当然でしょう。そういう行為をするには、適切な手順を踏まないと」

後輩「どういう手順が必要なんですか?」

先輩「……知ってるでしょ?」

後輩「んー? わからないですー」

先輩「嘘だ! 後輩ちゃん、凄くゲスな顔をしてるもん!」

後輩「本当ですって。教えてください」

先輩「……恋人になるってことだよ」

後輩「わかってましたけど、声が小さくてなにも聞こえないです」




先輩「後輩ちゃんのいじわる! 本当は聞こえてるくせに!」

後輩「あの声量を聞き取れるのはイルカぐらいですよ」

先輩「私の気持ちをわかってて弄んでるんでしょ!」

後輩「まあ、わかってますね」

先輩「ひ、酷いよ!」

後輩「先輩だって、私が先輩へ向けている感情を理解してるでしょう?」

先輩「それは……」

後輩「先輩が勇気出してくれないと、いつまで経っても発展しませんよ……」

先輩「ごめんね……」

後輩「……まだ、ダメですか?」

先輩「……」

後輩「私のこと好きじゃないんですか……?」

先輩「ち、違うよ! 後輩ちゃんのこと世界で一番好きだよ!」

後輩「なら、どうして……」

先輩「だって、私は……貧乳だから……」

後輩「は?」

先輩「私は貧乳だから後輩ちゃんのタイプじゃないんでしょ!?」

後輩「……はあ?」

先輩「いま後輩ちゃんと付き合っても、私が貧乳だから飽きられちゃうかもしれないじゃん!」

後輩「いや、別にそんなことは……」

先輩「でも、出来ることなら好きなタイプのほうがいいでしょ!?」

後輩「そもそも、私は巨乳が好きってわけでは……」

先輩「さっき、巨乳好きだって言ったじゃん! 嘘つかないでよ、おっぱい星人!」

後輩「あれは先輩が……」

先輩「私はBカップの貧乳ですう! どうせ、おっぱい星人さんには物足りないですよ!」

後輩「先輩、落ち着いてください」

先輩「とにかく、私がEカップになるまではいまの関係のままでいようね!」

後輩「それはいつになるんですかね……」

先輩「BカップからEカップにバストアップしようとするんだから、相当時間がかかるとは思いますよ、おっぱい星人さん!」

後輩「……期限を設けていいですか?」

先輩「期限?」

後輩「ええ。私、もうまちくたびれたんです」

先輩「……いつまで待ってくれるの?」

後輩「三カ月です」

先輩「そ、そんなの無理だよ!」

後輩「大丈夫ですって。私も協力しますから」

先輩「どんな協力をしてくれるの……?」

後輩「私が毎日……」



後輩「マッサージしてあげますよ」ニコッ






END

以上です。
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