【まどマギ】貴女は仲間を救えますか? (166)

※注意事項

①オリキャラが出てきます

②あったかもしれない世界です。私の妄想なのでおかしいところが多々あります。

以上が大丈夫な方は、そのままお読みください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469196735

人は必ずしも真実を語るとは限らない。

人は必ずしも正体を現しているとは限らない。

人は必ずしも生きているとは限らない。

様々な不確定要素が存在する世の中で、信じられることなんてほんの一握りであり、それでも何かに縋ろうとして信じ続けるのは、哀れな臆病者である。

貴女は仲間を信じられますか?

それとも

疑いますか?

まどか「いってきまーす!!」


一人の少女が勢いよく家の玄関から飛び出していく。ここは見滝原、彼女の友達『暁美ほむら』『三樹さやか』『佐倉杏子』そして、先輩である『巴マミ』が住んでいる至って普通の町。


まどか「さやかちゃーん!」


さやか「あっ、まどかじゃん!朝から可愛いなぁこのこのぉ~♪」


まどか「く、くすぐったいよ~」


ほむら「朝っぱらから何をやってるのかしら」


さやか「げっ、暁美ほむら...」


まどか「あ、ほむらちゃん、おはよう!」


ほむら「おはよう、まどか」


杏子「何だ何だ?朝から集まってるのは珍しいな」


さやか「おはよう杏子。てかあんた髪整えてないの?」


杏子「ん?これくらい良いだろ。気にすることないって」


さやか「やっぱ杏子は女子力無いな~」


杏子「んな!?そんなに言うなら今整えてやるよ!!」


ほむら「何で登校時間からこんな騒がしいのかしら」


まどか「あ、あはは~...」

ほむら「まどか、さっさと学校に向かいましょう。こんな茶番に付き合っているだけ無駄だわ」


さやか「茶番とは失礼な!寝癖を整えるのは立派な女子力の一部であり、何より髪は少女の命よ!」


杏子「そうだそうだ~」(棒)


さやか「それにあんたもハゲになったまどかなんて、見たくないでしょ!?」


ほむら「......」


まどか「...?ほむらちゃ...キャッ!」


ほむら「絶対にまどかをハゲに何かさせない。貴女は今のままで居てくれればいいのよ」ガシッ


まどか「ふえっ...?えっと...うん...」


ほむら「それじゃ、さっさと学校に...」


「見つけた」


ほむら「っ!?」クルッ


さやか「ん?どうした~ほむら~」


ほむら「何かがこっちを見てたような...?」


杏子「寝ぼけてんじゃねえのか?」


ほむら「あなたには言われたくないわね」

まどか「ほむらちゃん、疲れてるんじゃないかな。魔女退治で最近忙しそうだったし」


さやか「そういや最近魔女の出現数が増えてるし、何か起きてるのかね~?」


ほむら「私の勘違いならいいのだけど...」


杏子「...そんなこと言ってる間に早速来たようだな」


周囲の景色が変化し、四人の周りを使い魔が取り囲んでいる。


ほむら「早く本体の魔女を片付けましょう。学校に遅れるわ」


まどか「うん、そうだね!」


各々がソウルジェムを使って、魔法少女の姿に変身する。


杏子「よっと、それじゃさやか、突っ込むぞ!」


さやか「言われなくても分かってるって!まどか!ほむら!援護頼んだ!!」


まどか「任せて!一緒にやるよ!ほむらちゃん!」


ほむら「まどかに合わせるわ」


まどかは自分専用の、ほむらは腕についている装備からハンドガンを取り出す。

うわぁ、誤字ってしまい申し訳ありません。『三樹』から『美樹』に脳内修正しておいてください

さやか「杏子、ちょっと鈍ったんじゃない?私よりも遅くなってんじゃん」


杏子「うっせ、ほっとけ」


さやか「はいはい、それにしても肝心の魔女は何処かね~?」


杏子「確かに見当たらねえな。もっと奥か?」


まどか「二人とも~」


後ろからさやかと杏子の援護を終えた、まどかとほむらがやって来る。


ほむら「魔力から推測するに、その通路の奥にいるわね。それと、もう1つ違う魔力があるわ」


杏子「魔法少女か?」


ほむら「いえ、私たちのような魔力とは違うから、魔法少女ではないとと思うわ。ただ、何だろう...」


まどか「どうかしたの?」


ほむら「おそらく敵ね。武器を構えていた方が良いと思うわ」

四人は警戒しながら通路の奥へと進んでいく。すると、後ろから見慣れた声が飛んでくる。


マミ「四人とも!待ちなさーい!」


さやか「あ、マミさん!」


マミ「私が来るまで待っててよ...」


杏子「しょうがねえだろ。登校中に襲われたんだから」


ほむら「あなたも来たのね。ならちょうど良いわ。この先に居る魔女を倒すわよ」


マミ「ええ、遅刻する前に退治してしまいましょう」


進んでいくと、目の前に大きな扉が現れ、5人を待っていたかのようにゆっくりと開く。


ほむら「全員武器を構えなさい。この先に居るわ」


??「遅かったんだね♪」


ほむら「誰っ!?」


??「誰と聞かれて簡単に答える人は居ないんじゃ無いかなぁ~?」


仮面をした少女が既に倒された魔女から降りてくる。


??「よっと、君たちを待ってたよ」


マミ「あなた、見たところ魔法少女よね。私たちを待ってたってどういうこと?」


??「やだなぁ~君たちのような魔法少女と一緒にしないでよ♪」


マミ「どういうこと?」


??「ほら、こうしたら私の気持ちが分かるんじゃないかな?」


少女が指をならすと、次々と使い魔が現れる。


マミ「魔女の使い魔!?」


ほむら「貴女もしかして魔女なの!?」


??「魔女とはちょこっと違うかな。でも良い推理をしてると思うよ♪」


さやか「杏子!さっさと倒すよ!」


杏子「おう!」

再開っと、深夜から失礼しますよ~

杏子とさやかは抜群のコンビネーションで、お互いをフォローしながら蹴散らしていく。


??「へぇ~、すごいすごーい」パチパチ


ほむら「黙りなさい」


いつのまにか少女の後ろにへと回り込んでいたほむらが、後頭部に銃口を当てる。


??「すごいね~、君って瞬間移動出来るんだ♪」


ほむら「...どうしてそこまで貴女は冷静なの?私が引き金を引けば、貴女は死ぬのよ?」


??「試してみれば~?もっとも君には無理だろうけどね♪」


パァーン!


銃口から放たれた弾丸は、少女の頭を突き抜け真っ赤な華を咲かせる。


まどか「ほむらちゃん!撃っちゃったの!?」


ほむら「こうするしか無いわ。狂った魔法少女なんて害でしかない」


まどか「だからって...」


ほむら「まどかは甘過ぎるわ...いつかその甘さが貴女の身を滅ぼすわよ」


??「へぇ~、撃てるんだ♪君って人を殺せるんだね♪冷酷だけどとっても良いよ!」


撃ち殺したはずの少女の声が、再び聞こえてくる。


ほむら「なっ!?さっき目の前で殺したはず...!」


??「う~ん、でも詰めが足りないかな。目の前のことに夢中で周りが見えなくなっちゃう。そんな君にはこんな悪夢をプレゼント♪」


少女が2回手を叩くと、地面が盛り上がり中から真っ黒な何かが出てくる。


??「Let's Nightmare Time♪」

何かが大きな口を開くと、立っていたほむらを丸飲みにして再び地面にへと消えていく。


まどか「ほむらちゃん!ほむらちゃんを返して!!」


??「その顔だよ♪悪夢に相応しい怒りの顔だ♪」


まどか「ふざけないで!」


マミ「鹿目さん!危ない!!」


咄嗟にマミがまどかを抱えて回避する。まどかが立っていた場所は大きくて真っ黒な染みが出来ていた。


??「ねぇねぇ、回避するのは良いけどさ?青と赤の子は良いのかな?」


二人がさやかと杏子の方を見ると、数に圧倒され疲弊し切っていた。


さやか「はぁ...はぁ...!流石に多いって!」


杏子「こんな数どうしろってのさ...!」


マミ「二人とも...!!」


まどか「マミさん危ない!!」


今度はまどかがマミを抱えて回避する。さっきと同じように、二人がいた場所には真っ黒な染みが出来ていた。


マミ「何とかして二人を助けにいかないと...!でも隙が出来ない...!」


まどか「ほむらちゃん...!」

~~ほむらside~~


ほむら「んぅ~...」


ほむらが目を覚ますと、雲1つない快晴の空が目に入ってきた。


ほむら「ここは......魔女は!?」


まどか「あ、ほむらちゃん。やっと起きた」


ほむら「まどか...?魔女はどうなったの?」


まどか「魔女?アニメか漫画でも見すぎたの?この世界に魔女なんて居るわけないよ♪」


ほむら「(何がどうなっているの...?確か真っ黒な何かに飲み込まれて...ダメね、そこから全然覚えてない...)」


まどか「ほむらちゃん、ほんとに大丈夫?熱でもあるのかなぁ...」ピトッ


まどかはほむらの額に自分の額を当て、熱があるかどうかを調べる。


ほむら「ま、まどか!?」


まどか「う~ん、熱も無いみたいだし...大丈夫だとは思うけど...もし体調が悪くなったら無理しちゃダメだからね?」


ほむら「え、ええ...」


まどか「あっ!もうこんな時間だ!ほむらちゃん、走ろう!遅刻しちゃう!」


ほむら「...ええ、そうね」


二人は見滝原中学まで走っていく。

数分間走っていると、前に見慣れた大きな見滝原中学が現れる。ほむらはいくつかの違和感を覚えながら、まどかに手を引っ張られて行く。


さやか「おっそいよ!二人とも!」


まどか「ごめんね。ほむらちゃんが途中で寝ちゃって」


さやか「なにしてんのさ、ほむら~」


ほむら「ご、ごめんなさい」


さやか「遅刻まであと30秒のところで入ってきたからさ、すごく安心したわ~」


教室の外から担任の先生が、教室の外から入ってくると生徒全員に席に座るよう促す。


先生「全員席に着いてくださーい。今日は新しい転校生がやって来ました」


ほむら「(転校生...?)」


両手でカバンを持って入ってくる少女は、赤紫色の髪をしており、目も髪と同化するように赤紫色だった。


かれん「神庭かれんと言います。皆さん、これからよろしくお願いします」


先生「神庭さんは、お父さんの事情によりこの見滝原中学に転校されました。皆さん、仲良くしてあげてくださいね♪」

ほむら「(どうなってるのかしら...あんな子なんて初めて見たわ...)」


授業が終わり、休憩時間になるとクラスメイトがかれんを囲むようにして話している。


女子生徒A「ねえ、かれんさんってどこから来たの?」


かれん「私は隣町から、引っ越して来ました。親が転属になったみたいで」エヘヘ


ほむらとまどかとさやかはかれんから離れて、転校生のことについて話していた。


まどか「かれんちゃんって綺麗な目してるよね。羨ましいなぁ~」


ほむら「...」


さやか「どうしたほむら?もしかして人気取られて嫉妬しちゃってる?」


ほむら「いえ、そうでは無いのだけれど...」


ほむら「(私が知ってる世界ではあんな子が現れたことなんて1度も無かった。もしかしてルートが変わった...?)」

かれん「あっ!ほむらさん!」


ほむら「っ!」ビクッ


かれん「お久しぶり!ほむらさんも見滝原中学に来てたの?」


さやか「何々?もしかしてお二人は幼馴染み?」


ほむら「ち、ちが...」


かれん「(話を合わせて)」ボソッ


ほむら「っ...」


まどか「そうなの?ほむらちゃん」


ほむら「ええ...幼稚園からの仲よ...」


さやか「へぇ~...あんたにも幼馴染みが居たんだねぇ~」


かれん「ねえ、二人とも。ほむらさんといっぱい話したいことがあるから、ちょっと借りても良いかな?」


まどか「うん、大丈夫だよ。いっぱいお話ししてきてね♪」


かれん「ありがとう♪それじゃ行こっか♪」


ほむら「分かったわ...」


かれんがほむらを屋上へと引っ張っていく。

屋上につくと、ほむらがかれんの手を振り払う。


ほむら「貴女、どういうつもりかしら」


かれん「?どうしたの?ほむらさん」


ほむら「惚けないで!!貴女は私の幼馴染みでもないし、今まで会ったこともない!」


かれん「...」


ほむら「貴女...何が目的なの。どうして私を屋上まで連れてきたの」


かれん「...ふふっ...」


ほむら「...?」


かれん「あはははっ!暁美ほむら、やっぱり君は面白いよ♪」


ほむら「何が面白いの。くだらない答えだったら貴女を殺すわよ」


ほむらはそう言うと魔法少女に変身し、銃を取り出して眉間に狙いを定める。


かれん「おっとっと。殺すのは別に良いけど、こんなところで発砲したら大変なことになるかなぁ。ねえ、君もそう思うでしょ?」


ほむら「...」


そっと銃口をしたに向け、そのまま装備の中にへとしまう。

かれん「魔法少女ってやっぱり単純。怒りには身を任せるし、悲しみには抗えず沈んでいく」


ほむら「何が言いたいの」


かれん「最後まで話は聞くべきだよ。やっぱり人間のそういう自分勝手なところが欠点だ」


ほむら「...」


かれん「まぁ良いかな。それで、ここの世界はどうだい?」


ほむら「貴女がこの世界を作ったの?」


かれん「当たり前だよ。と言っても、貴女の頭の中の記憶を元に作ったからね。どうだい?完璧にコピー出来てるでしょ?それにここは私の体の中。思い通りに出来て当たり前だよ」


ほむら「記憶の中から、それに体の中...貴女の能力は何」


かれん「ずいぶんと踏み込んでくるね。まぁ、教えてあげても良いか」


かれんはそう言って左手を前に出すと、手のひらの上に黒色の球体が出てくる。それがいきなり大きくなったと思うと、手のひらの上から飛び出していき、地面に落ちてどんどんと形作っていく。

ほむら「...っ!」


かれん「とりあえず君の頭の中を漁ってみたけど、この子が君の一番大切な人かな?」


偽まどか「...」


ほむら「貴女っ...!」


かれん「それにあと3人も作ってみよう。確かこんな感じだったかな?」


杏子、さやか、マミの模造体が瞬時に作られる。


ほむら「何者なの貴女...」


かれん「私にかかればこんなの簡単に作れる。見本さえあれば、何でも作れる。例えばこんなのもね♪」


だんだんとでかくなっていく黒のものは学校をも超える大きさになり、ほむらが決して勝てなかった魔女が出てくる。


ほむら「ワルプルギス!?」


偽ワルプルギス「アハハハハハ...!」

かれん「おっと、結界を張ってなかったね。ほら」


辺りが不気味な景色に変わる。


ほむら「...なるほど、ここじゃ全て貴女の思い通りと言うことね」


かれん「そう言うことだよ。これでわかったかな?どれだけ足掻いても無駄。それなら魔女の居ない、そして君以外魔法少女の居ない平凡な世界で過ごすことをおすすめする」


ほむら「魔女が居ない...そんな世界あり得るの...?」


かれん「ここでは私の思い通り。どんな世界を作ろうが壊そうが私の勝手」


ほむら「そういうことね...」


かれん「さて、戻ろうか。君にはまどかとさやかがまってるよね?」


ほむら「貴女の話し方はあの白いやつに似てて不愉快だわ」


かれん「白いやつ?ああ、インキュベーターのことだね」

申し訳無い。かなり更新が遅れました。ただいまから更新します。

二人は屋上から階段を下り、いつもの教室へ向かう。


ほむら「ねぇ、かれん...だったかしら」


かれん「合ってるよ♪それで何かな?」


ほむら「本当にこの世界には魔女や魔法少女は居ないのよね...?」


かれん「さっきも言ったよ?君以外魔法少女は居ない。魔女も現れないから危険な所なんて無いさ♪」


ほむら「正直、信じられないわ」


かれん「まぁ、信じられないなら信じられなくてもいいさ。いずれ分かることだから♪」


ほむら「今のところは貴女に従うわ。ただし...」


かれん「やだなぁ、そんな怖い顔をしないでよ。私からは直接手を出さない」


ほむら「どうだか...」

まどか「ほむらちゃーん!」


前方からまどかが走ってくる。


ほむら「まどか?どうしたの?」


まどか「ほむらちゃん、帰ってくるのが遅かったんだもん」


ほむら「ごめんなさい、まさかここまで長引くとは思わなかったから」


まどか「そう言えば、あの事はどこで別れたの?」


ほむら「?かれんなら後ろに...」


ほむらが振り返ると、さっきまでいたはずのかれんは消え階段だけがあった。

再開

ほむら「確かにさっきまで一緒だったのに...」


まどか「?あ、そうだ。ほむらちゃん!」


まどかが力強く肩を掴んでくる。


ほむら「な、何?」


まどか「さやかちゃんがね、新しく出来たケーキ屋を教えてくれたの!一緒に食べに行こうよ!」


ほむら「...」


ほむら「(このまどかは造られた偽者...だからあまり関わらない方が良いのに...)」


まどか「...?どうしたの?」


ほむら「...いえ、何でもないわ。一緒に行きましょう」


まどか「やったぁ!それじゃ、さやかちゃんを呼んでくるね!」


ほむら「(どうしてだろう...偽者でも良いって思ってきたわ...私ってバカね...)」

ほむら「私は...バカなのかしらね...」


一人になったところにどこからともなくかれんがやって来る。


かれん「ね、この世界の方が楽しいでしょ?」


ほむら「...そんなことないわ...」


かれん「またまたぁ~、今までどれだけ尽くしても振り返ってくれず、振り返ってくれても死んじゃう。そんな世界よりはこの世界の方が楽しいよ♪」


ほむら「黙りなさい...!!」


すぐさま魔法少女に変わり、眉間に拳銃を当てる。


かれん「おっとと、何か間違ったことを言った?」


ほむら「ぐっ...!」


悔しさのあまり唇を噛み締める。


かれん「ほらほら、こんな物騒な物はしまって、君は幸せを満喫すれば良い♪」


かれんが拳銃を掴むと、塵となってどこかへ飛んでいき跡形も無くなった。同時にほむらの魔法少女状態も解除されていた。

ここまで

再開

かれん「ほらほら、君の大切な子が来たよ♪」


向こうからまどかがさやかを連れて、こっちにやって来る。今度はかれんが姿を消すことはなかった。


まどか「あれ?かれんちゃん居たの?」


かれん「うん、ちょっとお腹の調子が悪くなっちゃったから、少しだけ離れてたの」


先程までの淡々とした話とは打って変わって、とても可愛らしい声で話していた。


さやか「なるほど~、新転校生も一緒だね♪それじゃ、皆で行こっか♪」


ほむら「(この子...みんなの前では演技をしてるわね)」


かれん「ほむらさん、どうしたの?」


ほむら「何でもないわ。早く行きましょう」


まどか「???」


四人はいろいろと話をしながらケーキ屋まで向かうことになった。

四人はバスを何回か乗り継ぎ30分かけてケーキ屋に辿り着いた。


さやか「ほら、ここが言ってたケーキ屋だよ♪」


ケーキ屋の前に置いてある木の椅子と机には人がたくさん座っており、空いてる席はほとんど無かった。


まどか「人がいっぱい!凄い人気なんだね!」


さやか「いやいや~、これはまだマシな方。出来たばっかりなのに休日のお昼頃なんて行列が出来てるからさ~、こうやって学校終わりぐらいじゃないと来れないんだよね~」


まどか「外国とかでとても人気なケーキ屋なのかな?」


ほむら「看板に名前が書いてあるけど...英語ではないみたいね」


かれん「『Ti amo』イタリア語みたいですね。日本語訳で゛あなたを愛する゛って言う意味です」


さやか「お、新転校生分かるの?」


かれん「はい、簡単なものしか分かりませんけど」


まどか「それでも凄いよ!今度は私にもイタリア語教えて欲しいな~」


かれん「時間があったら教えてあげますね♪」


まどか「うん!」


ほむら「...」


さやか「どうした、ほむら~。二人を見てて癒された~?」


ほむら「え?私そんな顔を...?」


自分で気が付かない内に口角をあげ、笑顔になっていた。

ほむら「そっか...」


さやか「ん?なんか良いことでもあった?」


ほむら「いえ...何でもないわ♪」


ほむら「(これが...私の望んでた日常なのね...どこかへ一緒に行ってお菓子を食べて他愛ないことを話す。そんな当たり前のことを...)」


まどか「?ほむらちゃん?」


ほむら「まどか、ありがとう」ギュッ


まどか「わ、わわわ!?」


まどかに抱きつく。突然のことにまどかはあたふたする。


まどか「ほ、ほむらちゃん!他にもたくさん人がいるよ!!」


ほむら「構わないわ。もう少しこのままで居させて...」


かれん「......♪」ニコニコ


さやか「新転校生も楽しそうだね~」


かれん「うん♪」


かれん「(人は無意識の内に幸せを追い求める。君もただのか弱い女子中学生ということだね♪)」


まどか「ほむらちゃん...恥ずかしいよ~...///」


ほむら「あと少し...あと少し...」


さやか「いい加減止めんかーい!」


さやかが二人を引き剥がすと、ほむらがさやかを睨み付けていた。

ほむら「邪魔をするの?」


さやか「そうじゃなくて!いい加減ケーキを食べようよ!それが目的で来てるんだよ!」


まどか「うぅ......///」


かれん「うふふ...♪」


さやか「あ、みっともない所を見せちゃった」


かれん「いえ、三人ともとても仲が良いんだなぁと♪」


さやか「そりゃ、こう見えてもそろそろ結構な付き合いだからね~♪」


かれん「羨ましいです。私はいつも一人で、ほむらさん以外と関わった無かったですから」


まどか「なら、私たちと今までの分を仲良くしようよ!きっと今までより楽しくなるよ!杏子ちゃんとマミさんと一緒に!」


さやか「マミさんはともかく、杏子は来るかな?」


マミ「大丈夫、ちゃんと来るわよ」


まどか「わぁ!?マミさん!?」


四人の後ろからニュッとマミが現れる。


マミ「佐倉さんなら今家で勉強してるわ♪私はおやつとしてこのケーキ屋に買いに来たの」

ここまで

昨日再開できなかったので、朝の内に再開します

さやか「え?今杏子勉強してるんですか?」


マミ「ええ、佐倉さんも私たちと一緒の学校で生活したいみたいなの」


まどか「へぇ~、楽しみだね、さやかちゃん♪」


さやか「な、何でこっちに振るの?」


まどか「え?だって、杏子ちゃんのこと好きなんでしょ?」


さやか「ば、ば、バッカじゃないの!?女子同士で好きになるなんて...」


マミ「良いじゃない♪女子同士でも好きになってもおかしくないわ♪」


ほむら「......」


かれん「ふふふ...♪」クスクス


ほむら「...何?」


かれん「ううん、何にも♪」


5人は話をしながら店内に入っていく。

まどか「わぁ、いろんな種類のケーキがいっぱい...♪」


ケースの中にはチーズケーキ、イチゴケーキ、ミルフィーユ等の様々な種類があった。


さやか「何にする?」


まどか「う~ん...すみませーん、イチゴケーキをホールでください♪」


さやか「ファッ!?」


ほむら「ま、まどか。1ホールは流石に多いと思うわ」


まどか「大丈夫だよ♪皆で食べれば良いよ♪」


さやか「...ほむらは?」


ほむら「大丈夫よ。まどかの為ならあれぐらい食べられるわ」


さやか「...新転校生は?」


かれん「私も大丈夫ですよ♪」


さやか「...私も覚悟を決めますか...」


まどかがケーキを持って四人で空いている奥の席に座る。マミはチーズケーキとミルフィーユを二個買うと、家に帰ってしまった。

ここまで

再開します

まどか「それじゃあ、切るよー、それっ♪」


はじめての来店の賞品としてもらったナイフで、まどかがゆっくりと4等分に切り分ける。少しスポンジが崩れてしまったが、見た目はほとんど変わりはなかった。


まどか「ほら、さやかちゃん♪」


さやか「あ、ありがと...」


まどか「二人にも、ほら♪」


かれん「ありがとう♪」


ほむら「あ、ありがとう」


まどか「それじゃ食べよっか♪いただきまーす♪」


まどかの号令の下、それぞれ思い思いにフォークをケーキに刺して口へ運んでいく。


さやか「はむっ...んぅ~!おいし~!」


かれん「とても美味しいです♪」


さやか「最初は多いって思ってたけど、これならいくらでも食べれるわ~♪」


ほむら「美味しいわね」


まどか「こんなに美味しいケーキ屋初めてだよ♪」

さやか「って、ほむら食べるの早!?もうちょっと味わいなよ~」


ほむら「へ?」


皿を見ると4等分にされたケーキは既に無くなり、フォークは皿を刺そうとしていただけだった。


まどか「ほむらちゃん食べるの早いよ~」


ほむら「ご、ごめんなさい」


かれん「ほむらさん、私の食べる?」


ほむら「...ちょっとだけいただくわ」


かれんは全く手をつけてないケーキを四分の一から半分にきり、ほむらの皿にのせる。


まどか「う~ん、もう一個頼もうか?」


さやか「こらこら、食べるのは良いけどお小遣いあんの?」


まどか「あぁ~...今2000円しか持ってなかった...」


かれん「あ、それなら私がお会計を済ましますよ♪」


まどか「え?ダメだよそんなこと!中学生でお金の貸し借りをしちゃあ...」


かれん「問題ありません♪」


さやか「あれだけ言ってるんだから甘えちゃおうよ」


まどか「良いのかなぁ...」


かれん「良いんですよ♪好きなだけ頼んでください♪」


さやか「なら次は私が頼むわ、すみませ~ん!」


店員「はい、お呼びでしょうか?」


さやか「この苺ミルフィーユ1ホールとモンブラン4個ください!」


店員「かしこまりました」


店員はオーダーを受けると店の奥にへと消えていく。

さやか「それにいても、この店ってたくさんケーキあるよね。どのテーブル見ても皆ケーキ食べてるもん」


まどか「多分、中でケーキ作り続けてるんじゃないかな?そうでもしないとこんなにケーキ食べれないもん」


ほむら「というか、ちゃっかり美樹さやかも1ホール頼んでるじゃない」


さやか「いや~、ここまで美味しいなんて思わなくてさ♪あはは」


店員「お待たせいたしました」


店員がミルフィーユとモンブランを持ってくる。先程のイチゴケーキ同様、とても美味しく見える。そして、頃合いと思ったのか紅茶も一緒に運んできてくれた。今度もまどかが4等分に切り分けた。


さやか「いや~、このケーキ屋を見つけられて良かった~♪運んできてくれた紅茶はケーキと良く合うし、ケーキを食べてても飽きないもん♪」


まどか「さやかちゃんには感謝しないとね♪」


さやか「ふっふっふっ、もっと敬いたまえ~」


ほむら「...はぁ...」


まどか「?ほむらちゃん何だか元気なさそう。そうだ!ほむらちゃん!」


ほむら「何?」


まどか「はい、あ~ん♪」


まどかのフォークがミルフィーユを刺して、ほむらの前に出される。


ほむら「え、えっと...?」


まどか「むぅ~...ノリ悪いなぁ。そこは口をあけるんだよ!」


ほむら「え、えっと...こうかしら...?」


まどか「はい♪」


ほむら「はむっ...」


まどか「...どう?」


ほむら「...とても美味しいわ♪」


まどか「やったぁ!ほむらちゃんが笑ったぁ!」

ここまで、また夜に会いましょう

少し遅れました。再開します

ほむら「そんなに喜ばなくても...」


かれん「ほら、ほむらさん♪あ~ん♪」


ほむら「貴女まで...まぁ食べるけど...」パクッ


さやか「モテモテじゃーん♪」


ほむら「私何かしたかしら...?」


さやか「まぁ良いじゃん良いじゃん♪モテてるってことはそれだけ欲思われてるんだからさぁ~♪」


ほむら「それは嬉しいのだけど...」


さやか「それじゃもっと喜ぶ!」


さやかが肩を叩いてくる。


さやか「そっか、ほむらってこういう好まれるのに慣れてないんだ」


ほむら「ええ、最近は貴女たち以外関わっていないし、人に好かれたことなんて1度も...」

さやか「なら、いっそのことまどかと付き合っちゃいなよ」


ほむら「はぁ!?」


まどか「さやかちゃん...言うことが大胆だよ♪」


ほむら「ちょっと待ちなさい!私達は女同士よ!?」


さやか「好きと言う感情がお互いにあれば性別なんて関係なーい関係なーい♪」


まどか「...えへへ♪」


ほむら「......」トスン


体から力が抜け、椅子に座り込む。


ほむら「どうしてこうなったのかしら...?」


かれん「うんうん♪とてもいい関係だねぇ♪」


ほむら「まさか貴女の仕業...?」


かれん「ん~?どうだろうね?」

ここまで

再開します

かれん「確かに調整はしてるけど、何から何まで私がしてる訳じゃないからね~♪まぁ、彼女の本当の気持ちが『アレ』にも反映されてるだけじゃないかな?」


ほむら「それじゃあ...」


かれん「元の世界の彼女もほむらのことが好きなんじゃないかな?とはいえ、この世界が君だけの世界になるんだけどね♪」


ほむら「私だけの?」


かれん「そう、君だけの♪」パチン


指をならすとほむらとかれん以外の時間が止まる。


かれん「よし、選択の時だ。ほむら♪」


周りの景色が暗くなり、前方が明るく光る。


まどか「う...うぅ...ここは...?」


ほむら「まどか!?かれん!これはいったい!?」


ほむらがまどかに駆け寄る。


ほむら「まどか!!」


まどか「あれ...?ほむらちゃん...?ここはどこなの...?」


ほむら「分からない。私も気がついたらここに居たわ」

まどか?「ほむらちゃん!やっと見つけた!」


光の方から魔法少女よ姿をしたまどかが走ってくる。が、ほむらと一緒にいるまどかを見るといきなり弓を構える。


ほむら「えっ...?まどかが二人...?」


まどか「私が...二人...?」


まどか?「ほむらちゃん!そいつから離れて!そっちは偽物の私だよ!帰ってきてよほむらちゃん!」


まどか「ほむらちゃん...私が本物だよ...?騙されちゃダメだよ...」


ほむら「何でまどかが...?私はどうすれば...?」


まどか?「お願いだよほむらちゃん!帰ってきて!!」


ほむら「(私は...私は...)」


まどか?「ほむらちゃん!みんな待ってるよ!」


ほむら「...黙りなさい...」


まどか?「えっ...?」


ほむら「黙りなさいと言ったの...このまがい物...!!」


まどか?「わ、私は...!」


ほむら「私は大好きな人の偽物が一番大嫌いなのよ!!」

ここまで

再開、します

まどか?「そんな...ほむらちゃ...」


ほむら「うるさい...!うるさいうるさいうるさい!まがい物なんて消えろ!!」


腕の装備から銃を取りだしまどか?に向けて発砲する。


まどか?「きゃっ!?」


弾丸はまどかに当たらなかったものの、ほむらは銃を構えたまま動かなかった。


ほむら「はぁ...!はぁ...!」


まどか「ほむらちゃん...」


ほむら「私が...まどかを守るから...このまがい物を殺して!!」


まどか?「もう...ほむらちゃんは帰ってこないの...?今までのことも全部忘れちゃったの!?」


ほむら「黙れ!!」


パァン!!


まどか?「げふっ...ほむら...ちゃ...ん...」


弾丸はまどか?の左胸を貫き、まどか?は床に血を垂らして倒れる。


ほむら「あはっ...あははっ...!あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」


まどか「ありがとう...ほむらちゃん...♪助けてくれて...♪」


かれん「ふふっ...これにて悪夢は完成する♪それじゃあ二人とも、帰ろっか♪僕たちの世界に♪」


ほむら「ええ♪」


まどか「うん♪」

~~現実世界~~


杏子「このっ!どんだけいんだよ!!」


さやか「文句言うなら!手を動かせって!!」


まどか「マミさん!合わせてください!!」


マミ「ええ!」


四人で使い魔の包囲網を突破しようとする。


??「ふふふっ...そろそろ頃合いだね♪じゃ、頑張ってね♪『ほむら』ちゃん♪」


四人から使い魔が離れ包囲網を解く。


さやか「...?使い魔が離れていく...?」


マミ「何かの罠かしら...?」


使い魔が前の道を開けると、四人がよく知っている少女が現れる。


まどか「ほむらちゃん!無事だったんだね!!」


マミ「良かったわ...無事で...」


さやか「...待ちな、まどか」


まどか「えっ?」


杏子「何か様子が変だな...」


まどか「それってどういう...」


ほむら「ひひっ...♪」


パァン!!


さやか「つぅ...!」


まどか「さやかちゃん!?」


杏子「てめぇ!どういうつもりだ!!」


ほむら「いひひ...殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す...♪殺してやるわ...♪」


マミ「暁美さん...ダメね正気を失ってる...!」

ほむら「まがい物は全て殺す...♪それがあの子のためだから...♪」


ガシャン!


次の瞬間四人の前からほむらが消える。


さやか「なっ!?」


杏子「くそっ...どこ行きやがった...!!」


まどか「っ...!どこ...ほむらちゃん...!」


さやか「厄介な能力!!」


マミ「上っ!!」


ほむら「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」


ほむらが狂気の笑い声を上げながら銃を乱射しながら上から落ちてくる。


四人「キャアアアアア!?」


無差別な銃撃に身動きすることが出来ず被弾する。


まどか「あうっ...!」


杏子「くそっ...また消えた!!」


さやか「なら今のうちに治療を...」


ザシュッ!


さやか「...え...?」


嫌な音がする。体の中に冷たく鋭いものが入り、それを引き抜かれるとその箇所がとても熱く感じる。


さやか「ぁ...ぇ...」ドサッ


まどか「あ、あぁ...」


ほむら「あひゃひゃ!1匹始末した...!これであと3匹...殺さなきゃ...殺さなきゃ...♪」


まどか「さやかちゃん!!さやかちゃん!!!」


さやか「私は...大丈...夫...それより逃げ...て...」


杏子「てめぇ!」


すぐさま杏子が槍で貫こうとするが、またもや逃げられてしまう。

杏子「くそっ!卑怯だぞ!!」


マミ「叫んでも何も変わらないわ!まずは何か対策を考えないと!」


さやか「まどか...私は大丈夫だから、ほむらをどうにか...」


まどか「まずはさやかちゃんをどうにかしないとだよ!!」


杏子「どこへ消えやがった...!」


マミ「...1つだけ良い方法があるわ」


まどか「本当ですか!?」


マミ「でも...」


杏子「もったいぶってねえでさっさと教えろ!」


マミ「...暁美さんの魔力切れを待つの」


まどか「で、でもそれって!」


マミ「ええ、暁美さんを殺すことになるわ」


ほむら「うふふ♪」


杏子「このっ!」


寸での所で杏子がほむらの攻撃を食い止める。


ほむら「...あなたも邪魔をするの?」


杏子「ったりめーだろうが!お前に仲間を殺させてたまるか!!」


ほむら「そう...なら貴女と巴マミもまがい物なのね...良いわ...皆殺しにしてあげる♪」


今度はいつの間にか杏子の背後に回り込み、刃物が杏子の体を貫く。


杏子「くっ...!」


ほむら「あら、急所を外したかしら。次こそは...」


まどか「もうやめて!!」


まどかが弓でほむらの得物を弾き飛ばす。


ほむら「...あぁ?」


まどか「ほむらちゃんの狙いは私でしょ!どうして他のみんなまで狙うの!?」

ほむら「...まがい物は死ねば良いのよ♪そう、一匹残らず、ね♪」


まどか「私たちはまがい物なんかじゃない!」


ほむら「前のまがい物もそう言ってたわ♪私は大好きなまどかの為にまがい物を殺す♪どれだけ騙ったって無駄♪どうせは死ぬのだから♪」


再びほむらの体が消え、気がつけばまどかの体に得物を突き刺していた。


まどか「あぐっ...」


ほむら「ふふふっ...♪」


体から得物が抜かれると、刺し口からは血が吹き出す。


まどか「ほむらちゃん...目を...覚ま...し...て...」バタッ


ほむら「うふふ...!あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!死んだ死んだ死んだ!!」


マミ「そんな...!」


さやか「まどかーーーーーー!!!!」

今日はここまで

再開します

まどか「(体の感覚が無くなってきた...足が動かない...手が動かない...お腹が熱い...これが死ぬってことなの...?)」


不思議と痛みはなく、薄れ行くわずかな意識の中で後悔する。


さやか「ほむらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


完全に癒えていない傷付いた体でほむらに斬りかかる。


ほむら「...邪魔よ」


さやかを蹴り飛ばし、一旦距離を取ろうとすると、後ろから杏子が槍を突き刺してくる。


杏子「ちっ、また逃げやがった!!」


うふふふっ♪


辺りに狂った笑い声だけが響き、ほむらが姿を消す。

まどか「......」


さやか「まどか!意識をしっかりもって!今からちゃんと治すから!」


ドクンッ!


まどか「うぁ...!」


さやか「まどか!?」


まどか「(お腹が熱い...!傷口じゃない...!何かがお腹の中に入ってくるみたいに...!)」


ドクンッ!ドクンッ!


杏子「離れるぞさやか!」


杏子がさやかを抱えて走り出す。呆気に取られ最初は抵抗しなかったが、現在の状況を理解すると杏子の背中を叩いて抵抗する。


さやか「待って!まだまどかの治療が!」


杏子「あいつの下を見てみろ!巻き込まれたいか!?」


さやか「え?」


まどかの体の下に大きな魔方陣が現れ、ピンク色の光がまどかを包む。

ここまで

再開します

??「ようやく揃った♪やっと...やっと御主人の悲願が叶う...♪」


少女は分厚い本を召喚すると、呪文を唱え始める。


??「Entsorgen Sie die du jede Hoffnung , wir k?nnen Shi w?nschen die Schaffung einer gro?en Welt」


地面が揺れ、空の色が段々と赤色に染まっていく。


マミ「な、何!?」


杏子「何がおきてんだよ!?」


??「Unser Herr spielte einen Wunsch, den K?nig der Welt zu werden, aber ?berarbeitet in eine neue Welt , die Welt」


??「Gelutscht seine ganze Person von Magie , Stecker Shi der Welt die Macht der G?ttin uns die Dinge ge?ndert」


ほむら「あはは...は...」バタッ


呪文に呼応するかのようにほむらが倒れこみ、黒の物体に飲み込まれる。


まどか「あぐっ...!あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」


やがてまどかが悲鳴をあげ、体から魔力が吸い上げられていく。


さやか「まどか!!!」


まどかのソウルジェムがピンク色から透明のただの空っぽになり、地面を転がっていく。


さやか「くっ...!」


杏子「あ、おい!!」


さやか「まどか!まどか!!目を覚まして!」


まどかに駆け寄り、必死に起こそうとするが全く反応しない。近くに転がっているソウルジェムをまどかの胸に当てても、目が覚めることはなかった。


??「仕上げだよ♪」

本から数多の文字が現れ、空に蜘蛛の巣状に広がっていき、魔女の結界が割れる。


??「Eine helfende Hand, die Welt des Verschwindens umkommen Tod!!」


地面が割れ始め、同時に空も割れ始める。遠くに見える建造物は全て傾き始め、ぶつかり合って崩壊していく。


マミ「全員衝撃に備えて!!」


杏子「っ!」


四人は強い衝撃に晒され、体が何処かへと吹き飛ばされる。この頃、既に意識はなかった。


??「やった...遂にやり遂げた...!私の御主人の悲願が遂に...!!」


少女も高らかな笑い声をあげると、姿を消してしまう。

~~???~~


さやか「うっ...?」


さやかが目を覚ますと、未だに赤色に染まっている空が目に入ってくる。


杏子「目が覚めたか?」


さやか「えっと...ここはいったい...」


杏子「多分だが風見野だ」


さやか「わかるの?」


杏子「ああ、さっき辺りを見てきたらいつも通ってた路地があった」


さやか「...マミさんとまどかは?」


杏子「分からない。マミの奴ならともかく、まどかも居ないのはまずいな」


さやか「探しに行かないと」


杏子「なら行くか。同じ方向に飛ばされたはずだから、そんなに遠いところには行ってないはずだが...」


さやか「そういや、キューベェーは何にも言ってこないな~」


杏子「ああ、大人しすぎて不気味なくらいだ」

ここまで、一部文字を認識できず?になっていますのでご注意下さい

再開します。

杏子「なぁ、さやか」


さやか「ん?」


杏子「まどかのソウルジェムは持ってるか?」


さやか「ううん、まどかの制服のポケットに入れたはずだけど、それがどうかしたの?」


杏子「いや、もしソウルジェムが何処かに飛んでいってたら探すのが大変だからな」


さやか「それもそうだね」


二人は廃墟と成り果てた町を進む。魔女の結界はなく、どこか懐かしいような雰囲気がする。


杏子「酷ぇな、どうやったらこうなるんだ?」


さやか「私たちが飛ばされる前に地震があったからそれじゃないかな。地面も割れてるし...」


杏子「景色を見る限り魔女の結界は無いから、これが現実の世界なのか...」


「ううぅ...」


さやか「杏子!町の人だ!」


杏子「さやかは治療を、私は辺りを警戒する」


二人が女性に近寄る。足からは出血し、体中傷だらけだった。


さやか「大丈夫ですか!?」


「あ、あなたたちは...?」


さやか「美樹さやかって言います!今から治療するのでじっとしててくださいね!」

さやかが魔力を傷口に当てると、いきなり女性が苦しみ始める。


「がっ...!ああぁ...!!」


杏子「さやか!!魔力を当てるのを止めろ!!」


さやか「え?」


杏子がさやかを女性から引き剥がし、女性に向けて槍を向ける。


さやか「きょ、杏子!あんた何てことを!」


杏子「よく見ろ!!あれはもう人じゃない!!」


「ハァ...!ハァ...!ガァァァァァアアアアア!」


女性の背中が割れ、中から得体の知れない化け物が現れる。


杏子「くそっ!!」


さやか「な、何あれ...ひ、人から化け物が...!」


杏子「話は後だ!先にさっさと倒すぞ!」


「コロス...!コロシテヤル...!!」


杏子「気色悪いなりしやがって!!ハァァァ!!」


槍を刺し、そのまま体を縛りつける。


杏子「やれさやか!止めをさせ!」


さやか「で、でも人なんじゃ...」


杏子「だから人じゃない!!こいつらは...」


「シネコムスメ!!」


化け物が杏子を掴むと、地面に叩きつける。


杏子「かはっ......」


さやか「杏子!このっ...!」


さやかの一振りで顔と胴体が真っ二つに分かれ、やがて真っ黒の光となって消えていった。


さやか「杏子!」


杏子「いってぇ...ったく何であそこで躊躇ったんだよ」


さやか「だって、あんなの見たら...」

ここまでです。

再開します

杏子「はぁ...今はマミの奴とまどかを探すか」


さやか「あ、待って」


杏子「?」


さやかが杏子に近づくと、地面に叩きつけられ赤く 腫れていた足を治療する。


さやか「これで良いかな」


杏子「これくらいどうもないのに...ま、ありがとな」


さやか「杏子にはお世話になってるからさ。この前だって戦い方と魔力の扱い方教えてくれたじゃん♪」


杏子「...そりゃぁ...さやかが死ぬのは嫌だからな...」ボソッ


さやか「?何か言った?」


杏子「言ってねえよ!ったく、早くマミの...」


パァン!


杏子「!?銃声か!?」


さやか「こっちだよ杏子!」


杏子「おい!!勝手に一人で行くな!!」


さやかが一人で走っていくのを杏子が追いかけていく。

マミ「このっ!」


何度も何度も銃を召喚して、飛行してくる化け者共を撃ち続ける。


マミ「(まずいわね...このままじゃ押し切られかねない...鹿目さんの体を見捨てるわけにもいかない...どうすれば...)」


悩んでいる間にも化け者共は群れをなして近づいてくる。


マミ「あまりこんな所では使いたくないけれど...!」


一段と大きな砲の様な銃を召喚すると、とっておきの大技を撃つ。


マミ「ティロ・フィナーレ!!」


大きな弾丸が化け者共を蹴散らしていく。粉々に砕け散ると、全て真っ黒の光となって消えていった。


マミ「はぁ...はぁ...そろそろ魔力の消費がまずいわね...このままじゃ...?」


ソウルジェムは綺麗な黄色のまま全く濁っていなかった。


マミ「(濁ってない...?あれだけ魔力を使ったのに...)」


瓦礫の下から、生き残っていた化け物が斬りかかってくる。


マミ「しまっ」


さやか「やぁぁぁぁぁ!!!」


刃先がマミの首筋に当たるという所で、さやかが上から化け物を切り裂く。

さやか「ふぅ...マミさん、大丈夫ですか?」


マミ「美樹さん、ありがとう、助かったわ」


さやか「そろそろ杏子が来ると思うんですけど...」


杏子「ここだよ」


さやかの後ろに杏子が既に立っていた。


杏子「マミ、まどかの体は?」


マミ「大丈夫、この瓦礫の影に隠してあるわ」


さやか「良かった...」


杏子「なぁマミ。前に教えてくれた、神話をもう一度聞かせてくれ」


マミ「神話...ええ良いわよ。でもどうして?」


杏子「あの化け物、前に聞いた神話の話に出てきた気がするんだ」


マミ「分かったわ」


マミが1つの神話を話し始める。

『一人の魔女と一つの世界』


かつて、三つの国が何百年もの間絶えず争いを続けていました。一つ目の国は『インデルカ』、工業が栄え軍事力も高く人々は皆、活気に溢れていました。二つ目の国は『フレーデン』、争いを好まず平和を望み続けていましたが、インデルカからの侵攻に国民達は立ち上がり抗い続けていました。三つ目の国は『インストーテン』、インデルカとフレーデンとは中立の立場にいましたが、戦争が始まったことにより両国とは国交を絶ってしまいました。


ある日の事、インデルカの国王に魔女『ルイーナ』と名乗る女性が現れました。ルイーナは国王にフレーデンへの侵攻の助言をすると、国王は声を大にして喜び、ルイーナを城のパーティーに誘いました。しかしルイーナはそれを断り、城から姿を消してしまいます。


翌日、インデルカ軍はルイーナの助言を頼りにフレーデンへと大軍団を率いて大攻勢をしかけました。反撃に出たフレーデンの軍団と衝突し、両国の総力を集めた一大戦闘が始まりました。血で血を洗う戦い、何十万という兵士が死に地面が血で染まり死体の山が天にへと伸びていました。


かつてないほどに疲弊しきったインデルカは近衛達にルイーナの捜索を命じ、ただちに処断するように伝えましたが1ヶ月捜索を続けどもルイーナの姿はありません。

ここまで

再開、かなり遅れました

そしてそれから1年、今まで争っていた2国は和解をし両国の復興を目指して3か国で協力していたときの事でした。


突然、インストーテンの民達が謎の病に倒れていきました。その数は何と500万人、国の半分もの人口が病を発症しそして病人は全て女性であり、首筋に何かに噛まれたような痣が残っていました。


インデルカとフレーデンは科学者と医者をインストーテンへと派遣し、病の原因を様々な実験をして探ってみるものの、ほとんど手がかりは見つからず唯一見つかった手がかりとしては、首筋についた痣が1日経つにつれてどんどんと身体中に広がっていくことだけでした。


病人たちは体から熱のようなものを発し、給水もままならない状態で遂には死人までもが出始めると言うゆゆしき事態となっていきました。

そんなある日の事でした。一人の病人が暴れ始めたのです。何とか衛兵達がそれを止めようとしますが、とても力が強くどうしようもできなかったので最終的には殺すにまで至ってしまいました。


すると、殺したことに呼応するように一斉に全ての病人達が苦しみ始め、身体中にひびが広がっていき、やがて中からは異形の化け物が皮を破って出てきました。衛兵達では手も足も出ずやがてインデルカとフレーデン両国内にまで侵攻してきました。


とある偵察兵がインストーテンへと忍び込み、城の内部を探っていると廊下には大臣達やその部下達と思われる者達が何者かによって殺されていました。あまりの出来事にクーデターでも起きたのかと思いましたが、インストーテンの国民達は病に倒れたかその病人の世話をすることで精一杯なので、クーデターの可能性は消え失せました。


玉座のある謁見の間に行くと中からなにやら女性の声が聞こえます。中を覗くとインデルカの手配書に載っていたルイーナが何かの呪文を唱えていました。

朝はここまで

夜になったので再開

杏子「マミ、そこでストップ」


マミ「まだ話の途中よ?」


杏子「いや、一番聞きたかった所はもう出てきたからな」


さやか「え?」


杏子「『異形の化け物が皮を破って』って所だ。皮って言うのは人間のだと思うから、さっきの化け物の出現の仕方がその話と似てるんだ」


マミ「確かに...似てると言うよりは、全く同じって言うような気がするけど...」


さやか「確かにそうかも...?」


杏子「とにかくだ。マミ、神話とこの状況は似てると思わないか?」


マミ「...」


杏子「それにさっきの話の続きって、今私達の状況と全く同じだ」


さやか「マミさん、本当ですか?」


マミ「ええ、さっきの話の続きなんだけど、『呪文が唱え終わると地が割れ、空が赤く染まり町や城は化け物が蔓延っていった』ってあるの。

寝落ちして申し訳ない。今から再開します

杏子「とにかくだ。その神話と同じ様なことが起きてる今、今しなくちゃなんないことは?」


マミ「...まさか英雄でも探すと言うの?あくまでこれは神話でおとぎ話よ?」


杏子「違う違う。ほむらとまどかの奪還だよ」


さやか「でもまどかならここに...」


杏子「ソウルジェムを見ただろ?今のまどかには何もない。あの良く分かんねぇ奴に中身を抜かれたんだ」


マミ「でも鹿目さんの魂を抜くなんて...」


杏子「知らねえけど何か目的があることには違いねぇ」


さやか「じゃあほむらは?」


杏子「さぁな、何かに利用されてるだけか...他に何か目的があるのか...」


マミ「二人ともここで考えていても始まらないわ。それよりもここから早く移動しましょう。確かここって風見野よね。まずは見滝原に戻らないと」


杏子「そうだな。学校に戻ろう。あそこなら何かしらあるはずだ」


3人はまどかを背負って見滝原中学校に向かった。

ここまで、更新少なくて申し訳ない。

ようやく体調も回復し復帰することが出来ます。お待たせして申し訳ありませんでした。まぁ、見てる方は居ないでしょうがね

~~見滝原・風見野間道中~~


さやか「マミさん、まどかの魔力はどっちの方向から感じられますか?」


マミ「見滝原の方からね。鹿目さんの体にあった時よりもとても大きい反応になっているわ」


杏子「それにしても何でまどかの魔力何だろうな」


さやか「どういうこと?」


杏子「考えてもみろ。私たち5人以外にも世界中には魔法少女が居る。恐らくまどかよりも素質のある奴がな」


さやか「同じ日本人だからじゃないの?」


杏子「いや、あいつは日本人じゃない。もしかすると人でも無いかもしれない」


マミ「確かに...あの時使い魔を操っていたものね」


杏子「それに聞こえたんだ。御主人の悲願がってな」


さやか「まさか...あれも使い魔ってこと...?」


杏子「そういうことだ」

マミ「ますます鹿目さんの魔力が必要なのか疑問ね」


さやか「何でまどかの魔力なのか...」


杏子「奴らの気まぐれか。それとも何か理由があるのか...んまぁ、考えても分かるわけ無いんだけどな」


さやか「じゃあ何で言ったのよ!」


杏子「だって疑問に思ったから」


さやか「はぁ...」


マミ「まあまあ、二人とも。私も疑問に思ってたし、もう1つ気になることがあるの」


さやか「どうしたんですか?」


マミ「これを見て」


そういうと体に頭に着けているソウルジェムを見える。全く濁っておらず、とても透き通っていた。


杏子「ソウルジェムがどうした?」


マミ「私、さっきの戦いでかなりを魔力を使ったの」


さやか「え?でもこんなに透き通って...」


マミ「そこなのよ。魔力を使ってもソウルジェムは濁らない。ということはこの空間にはすごい濃度の魔力があることになるわ」

今日はここまでどんどん更新していきます。

再開します。

さやかと杏子も自分のソウルジェムを取り出す。マミのソウルジェムと同じように綺麗に透き通っている。


マミ「どれだけ魔法を使ってもソウルジェムが濁らない程の高濃度の魔力が漂っている空間に、何の素質を持たない一般人が長時間居ればどうなるか...想像できるかしら?」


杏子はすぐに察することができた。今まで倒してきた化け物達が何なのか。人間が魔法に取り込まれてしまったらどうなるのかを。


杏子「...そういうことか」


そんな時だった。


「キャァァァアアアア!!!」


少女の叫び声が3人の耳に入る。距離はそこまで遠くはなく、かなり近場であることが分かる。


杏子「生き残りか!?」


さやか「マミさん、まどかをお願いします!」


マミ「ええ、頑張ってきてね」

一人の少女が化け物達から走って逃げている。背中には大きな斬られた痕があり、血が滴っている。


「はぁっ......!はぁっ......!」


大人しめな服が裂かれていたり、泥がついていたりで台無しになっていた。


「キャァ!?」


瓦礫になった建物の上から鎌を持った化け物が少女の足を斬る。傷は深く、立つことすらままならなくなる。


「来ないで...私はまだ...!」


鎌が首筋に当てられる。そのまま頭と体が2つに別れそうになった時


杏子「うぉらぁ!!」


杏子の多節槍が化け物を締め付ける。そのまま強くしていき、体を何個にも輪切りにする。


杏子「さやか!!治療は任せた!!」


さやか「任された!」

「あ、貴女達は...?」


さやか「私は美樹さやか、あの赤いのは佐倉杏子。今から治療するから動かないでね」


「は、はい...」


さやかの魔力が少女の傷口に当てられる。開いている傷口がゆっくりとだが閉じていく。


さやか「もう少し...」


「あうっ...!」


少女の顔が苦痛で歪む。


「うぁ...!」


さやか「よし終わった!杏子~!こっちも終わったよ~!」


杏子「こっちもあらかた片付いた。そいつの体の様子はどうだ?」


さやか「傷口は塞がったから大丈夫。出血は多かったけど歩けるぐらいなら大丈夫かな?」

「あ、ありがとうございました...お二人は...?」


さやか「大丈夫?立てる?」


「はい...」


さやかの手に引っ張られてその勢いで立つ。少しばかりふらつくが、軽い行動ぐらいならどうということは無いだろう。


杏子「あんた名前は?」


かれん「わ、私は『神庭 かれん』って言います」


さやか「神庭かれん?聞いたこと無いなぁ...杏子知ってる?」


杏子「多分見滝原中学の奴じゃないだろ?」


かれん「はい、この度はご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした...」

さやか「良いよ良いよ、それよりここは危ないから私達の先輩の所に一緒に行こっか」


かれん「良いんですか?」


杏子「拒まねえよ、それにこんな所で死にたくないだろ?」


かれん「な、なら...」


さやか「んじゃ、決まりだね」


二人は神庭かれんを連れてマミの所へ戻っていく。

今日はここまでです

再開します。

マミ「鹿目さん...」


まどか「......」


いくら体を揺すって呼びかけても目を覚ますことは無い。


さやか「マミさーん!」


3人がマミと合流する。杏子がかれんに肩を貸し、ゆっくりと歩いていた。


マミ「?その子は?」


杏子「襲われてる所を助けたんだよ。生き残りだ」


さやか「マミさん、この子を安全な所まで一緒に連れていって良いかな?」


マミ「ええ、構わないわよ。ようやく見つけた最初の生存者だもの」


杏子が近くにある、椅子の代わりになる石の上にかれんを座らせる。


杏子「ほら、大丈夫か?」


かれん「はい...ありがとうございます...」

さやか「間一髪だったよね。もうちょっと遅かったら助けられなかったし...」


杏子「ああ、ギリギリだったな」


かれんはもじもじと縮こまっている間、3人は休憩をとることにする。


杏子「それにしても何で化け物に追われてたんだ?というかさやかの魔力が当たっても化け物にならなかったよな?何でなんだ?」


かれん「あうっ...えっと...」


さやか「ちょっと杏子、そんなに問い詰めると話しにくいって」


かれん「だ、大丈夫です...えっと、何で追われてたのかは分かりませんけど...何で魔力に当たっても化け物にならなかったのは、多分私も魔法少女だからだと思います...」


マミ「貴女も魔法少女なの?」


かれん「はあ...」


かれんがソウルジェムを持って、黒い姿に変身する。


かれん「っと、私の能力も...」

ここまで、とても眠いです。

再開します

かれん「すみません、貴女の槍を貸してもらってもいいですか?」


杏子「これか?別にいいけどよ」


多節槍を手渡す。


かれん「ありがとうございます。こんなに魔力の濃度が高かったら...それッ!」


多節槍を2つに増えたかと思うとコピーした方を空に向かって放り投げる。1度ピカッと光ったと思ったら今度は雨となって多くの多節槍が降り注ぐ。


杏子「うおっ!?」


マミ「...凄いわね」


始めてみる光景に3人は開いた口が塞がらない。


さやか「すごっ...」


かれん「はぁ......はぁ......」ストン


かれんが死んだように石の上に倒れる。


杏子「ちょっ、おい!」

かれん「すみません...この魔法を使うと体が...」


マミ「こちらこそごめんなさい...そんなに体力を消耗するなんて思わなくて...」


かれん「気にしないで下さい...数分横になればすぐに元通りになりますから...」ニコッ


笑顔を作って見せるがどう見ても無理して作っているようにしか見えなかった。


さやか「顔色悪いじゃん!無理しなくていいから!」


かれん「あはは...」


杏子「...そんなこと言ってる暇は無さそうだ」


さやか「へ?」


四人の周りを1度戦った魔女の使い魔達が囲っていた。

??「な~んだ。お前、生きてたんだ」


さやか「あんた!ほむらはどうした!」


??「今はそっちに用はない。私はそこの女に様があるんだ」


かれん「...」


マミ「神庭さんに何の用?」


??「ん?いや何、ちょっと死んでほしいだけだよ」


杏子「させるか!こいつは一人目の生存者なんだよ!」


??「ん?何?そいつのこと全く知らないの?」


かれん「やめろ...」


??「そいつはね...」


かれん「やめろぉぉぉ!!!」


杏子「おわっ!?」


かれんが杏子の槍を奪い取ると何十個にも増やした少女に向けて槍を雨のように降らせる。

ここまで

再開します

少女の周りに居た使い魔達は1匹残らず串刺しにされていた。


??「おお怖い怖い」


かれん「はぁ...!はぁ...!」


杏子「マミ!」


マミ「分かってるわ!」


マミがかれんの前に立ってカバーに入る。


杏子「何が何だかわかんねえけど、お前をぶっ潰さねえとダメな気がする」


さやか「私も杏子に賛成だね。それに、さっさとまどかとほむらを返してもらうよ!」


杏子が地面に刺さっている槍を抜くと、そのまま少女に向ける。


??「へぇ、信じるんだ」


杏子「いや、完全には信じちゃいない」


??「なら...」


杏子「けどな、お前の方がもっと信用できねえんだよ!」

かれん「皆さん...」


杏子「あんたにも話はあるから、座って休んでろ」


かれん「ありがとうございます...」


マミ「神庭さんのことは任せて、私は援護するから二人は接近戦を任せたわ」


さやか「任せてくださいって!」


かれんを連れてマミが後方へ下がる。


??「やれやれ...少し遊んであげるよ」


瓦礫の上から降りてくる。そして、かれんがコピーした槍を構える。


杏子「ぶちのめしてやるよ」


さやか「まどかとほむらを取り返す!」


??「ふふ、さあ来なよ」

ここまで

再開します

さやかが先に斬りかかり、杏子はさやかの後ろに続く。


さやか「やぁ!」


??「っと」


持っていた槍でさやかの剣を止める。


さやか「さっさと返しなさいよ...!」グググッ


??「返せと言われて、はい分かりましたって言うバカがいるとでも?」グググッ


ぐらぐらっと剣が震えたら、粉々の鉄屑となってしまう。


さやか「くっ...!」


杏子「下がれ、さやか!」


杏子が槍を巻きつけようとするが、するりと避けられてしまう。


杏子「くそ、鬱陶しい!」


??「その程度かい?」


そう言うと、持っている槍をへし折り短くする。


??「それじゃ、今度はこっちの番だ」

少女がそう言った次の瞬間、その姿は杏子の目の前に移動していた。


杏子「なっ!?」


??「遅いよ」


腹部に槍の先端が突き刺さる。


杏子「った...!」


??「まだだよ」


刺さりっぱなしの短い槍を膝で更に押し込む。グチャッと不快な音がし、槍の先端が完全に体の中に埋め込まれる。


杏子「かはっ...」


??「っと、次は......?」


少し体に違和感を感じてお腹を見ると、杏子の体から突き出てきたさやかの剣が刺さっていた。


さやか「ごめん杏子...!」


杏子「げほっ...よくやったよ...」

ここまで

再開します

すぐに剣を抜き、杏子の治療に移る。


??「あぁもう、まさか囮になるとは思わなかったよ」


さやか「効いてない...!」


??「こんなので死ぬとでも?」


少女は傷口を周りの肉と一緒に抉り取ると、その辺りの瓦礫へ投げ捨てる。


杏子「あいつ痛覚を消してやがる...!」


??「痛みは戦闘に邪魔なだけさ。それに...」


先程投げ捨てられた少女の肉片が、クチャクチャと音をたてながら大きくなって姿形を作っていく。


杏子「なっ!?」


さやか「うそ...」


そこに現れたのは魔法少女化したまどかのコピー体であった。目は虚ろで、でもしっかりと二人の方を見ている。

??「鹿目まどか、模造体だけど完璧にコピー出来てる。それに...」


コピー体の後ろからは更にコピー体が現れる。


コピーほむら「......」


??「どうなかなかの完成度でしょ?流石に魔法までは完全に解読できてないけど、いつかはやって見せるさ」


さやか「あんたは...人を何だと思ってるのさ!」


??「人はただの容器、魔法少女はその容器に中身が入ったエネルギー体と思ってるよ」


杏子「くっ...!」


コピー体「私はコピー...私はコピー...私はコピー...」


??「容器に人格なんて要らない。必要なのは力と魔力のみ」

ここまで

再開します

??「でも、鹿目まどかのコピー体は必要ないや」


持っている槍で首を切り落とす。真っ赤な血の代わりに黒色の液体がドロドロと地面に広がり、頭部も溶けて何もなくなる。


あまりの怒りに吐き気がする。ただひたすらに殴りたいという衝動に駆られる。気がつけば、体は勝手に動いていた。


さやか「...っ!!」


??「おっと」


読まれていたのか拳は綺麗に捕まれてしまう。次第に少女の握る力も強くなり、右の拳がミシミシと悲鳴を上げる。


さやか「ぐっ......!」


そんな時だった、1羽の鳩が少女の元へとやって来る。だが、普通の鳩ではない、羽と足は異形であり目も紅くこちらに敵意を向けるようであった。

申し訳ない、寝落ちした挙げ句にインフルエンザぶっ倒れてました。再開いたします

??「...はいはい」


そう言うと、少女はさやかの拳を放し鳩の方へと近づく。


さやか「ま、待て!!」


??「あいつを殺せなかったのは残念...」


少女と鳩は黒い液体に飲み込まれ、姿を消す。


杏子「くそっ!」


さやか「とにかくマミさんの所に行こう」


周りに残党が残っていないのを確認し、マミの所へ戻る。

かれん「はぁ...はぁ...」


マミ「大丈夫?まさかこんなに顔色が悪くなるなんて...」


かれんの顔は土気色になって生気を感じられなかった。呼吸も浅く、ぐったりと倒れたまま回復しそうにない。


かれん「大丈夫です...少し休んで行けばいつか治りますから...」


マミ「せめて美樹さんの魔法があれば何とかなるのかも...」


さやか「マミさーん!!」


丁度さやかと杏子が戻ってくる。パッとみて外傷は無いが、疲れが滲み出ている。


マミ「美樹さん!」ガシッ


さやか「ふえっ!?」


マミ「神庭さんを貴女の魔法で何とかならないかしら?」


さやか「え、えっと、やれるだけやってみますけど...」


マミ「お願い!」

ここまで

再開します

さやかはかれんの胸に手を起き、魔力を送り込む。少しずつだが、顔色が回復していき呼吸も元に戻っていく。


さやか「よし、これぐらいで良いかな。ほら、起き上がってみなよ」


かれん「っう...」


ゆっくりと上半身を起こす。背中にはマミが手を添えて倒れないようにする。


かれん「ありがとうございます、おかげで元に戻りました」


杏子「そうかい、ならあたしからあんたに質問があるんだ。答えてくれるな?」


かれん「...はい」


さやか「ちょ、ちょっと杏子、今は休ませないと...」


杏子「こいつはあの野郎と知り合いみたいだった。そんな奴を信じ続けて後ろから刺されるのも嫌だからな」


さやか「け、けど」


かれん「良いんです。さやかさん♪」


さやか「...」


かれん「それでは、私と彼女との関係をお話ししますね」


かれんはごほんと咳払いをすると話を始める。

かれん「簡潔に言いますと、彼女と私は元々1人でした」


マミ「どういうこと?」


かれん「私の能力は1つの物をコピーして増やすことなのはもう3人とも分かっていると思います」


そう言って、再び杏子の槍を2つに増やす。


かれん「1ヶ月前ほどから私は、自分の体の増やし方を探していました」


杏子「それの成れの果てってのがあれか?」


かれん「元々はアルバイトをするためだけに分身を作っていました。母子家庭で、母は病気で倒れていたので、何とかしてお金を稼ごうと。学業を疎かにすることもできないので、勉強とアルバイトを交代交代して何とか食い繋いでいたんです」


マミ「そうだったの...」


かれん「ですが...1週間前...全てはそこから始まってしまいました...」

~~1週間前 風見野~~


コピーかれん「ふっふふっふふーん♪」


楽しそうに鼻歌をし、本来捨てるはずのコンビニ弁当を二三個貰って帰宅していた。


コピーかれん「お母さんこれで喜ぶだろうな~♪早く帰らなきゃ♪」


時刻は夕方の6時、朝の10時から働き8時間働いた彼女の手には給料もあった。


コピーかれん「お給料も貰えたし、何とか家賃も払えるはず。んふふ~♪」


歩いていく薄暗い道、ふと脇に立っている電柱に違和感を感じる。


コピーかれん「...?何だろこの電柱...何かおかしいような...おかしくないような...」


気にせずに家へ帰ろうとするが、既に魔女の結界の閉じ込められていた。


コピーかれん「魔女!?こんなときに...!」


すぐに魔法少女の姿に変え、戦闘準備する。が、肝心の魔女が見当たらない。


コピーかれん「あれ?魔女は..げふぅ!?」


突然腹部にとても強い衝撃がコピーかれんを襲う。そのまま、100メートルほど吹き飛ばされ、壁にぶつかって停止する。

コピーかれん「ゲホッ...!ど、どこから...!」


見回すがそれらしき姿はどこにもない。それどころか、何ら変わりない道があった。


フフフッ...♪


不気味な笑い声が辺りに響く。


コピーかれん「うぐ...ッ!?」


やはり何も無いところから攻撃を受ける。


コピーかれん「ここは逃げないと...殺される...!」


急いで結界の外へ逃げようとすると、行く手を阻むように見えない壁にぶつかる。

ここまでです

再開します

かれん「大丈夫!?」


偶然、近くを通っていた本体が助けに来てくれた。さっきの攻撃で足を痛めてしまって、まともに動くことができない。


コピーかれん「大丈夫...けど足が...」


かれん「まずはここから逃げよう!」


私を1度取り込んでまた作れば良いと言おうとしたが、近くに魔女が居るからまずは逃げるしかない。未だ魔女の姿を見ることが出来ず、どこからかやって来る攻撃に耐えるしかない。


かれん「きゃあ!?」


側面から強い衝撃に襲われた。二人とも遠くへ吹き飛ばされて、コピーの私は頭を強く打って意識が朦朧としていた。


コピーかれん「うぅ...」


前10メートルにかれんが倒れている。頭から地を流して、息はしているが意識はない。

コピーかれん「くそっ...!」


アハハ...!


またどこからか聞こえてくる不気味な笑い声、しかもさっきよりも近かった。


コピーかれん「ひっ...!何これ...!?」


体が地面に沈み込んでいく。もがけばもがくほど飲み込まれていき、体は死んだように動かない。


かれん「ま、待て...!」


かれんの声は魔女には届かない。目の前で私の半身が闇に飲まれていく。手を伸ばそうにもピクリとも動いてくれない。やがて、体の全てが見えなくなっていった。


かれん「そん......な...」


私の意識はそこで途絶えた。

ここまで

再開します

杏子「つーことは、1週間前によく分かんねえ魔女に襲われて、半身を奪われたってことか?」


かれん「はい...」


杏子「んな話信じろって言われても簡単に信じらんねぇよ」


マミ「私もね...」


かれん「皆さん...」


魔法少女を取り込み、操る魔女なんて今まで聞いたことも見たこともなく、信じられるわけがなかった。


マミ「そんな魔女が存在したら、きゅうべえから何か話があったはずよ」


かれん「で、でも...!」


さやか「...私はかれんを信じるよ」


杏子「おいさやか、同情のつもりで信じるんじゃねえぞ」


さやか「ちゃんと確信をあるよ。同情で人を信じないって決めてるから」

マミ「...確信している理由、教えてもらって良いかしら?」


さやか「吹き飛ばされた時、あいつの口からご主人様って聞こえたんだ。もし、あいつがかれんの半身なら魔女に操られてるって信じられる」


杏子「そんな賭け、外れる方が高い」


さやか「私のバカな頭をこねくり回して出した結果、いくらマミさんでも今回は言うこと聞けません」


マミ「美樹さん...本当に神庭さんを信じるのね?」


さやか「はい」


マミ「...分かったわ、その代わり」


マミがかれんの体に巻き付ける。透明化させいつでも体を締め上げられるようにしておく。

ここまで

マミ「まだ、貴女を信じるための材料が少なすぎるから、いつでも縛れるようにしておくわ」


かれん「はい...」


杏子「さやか、見張っとけよ。何をするか分からないからな」


さやか「うん、分かってる」


マミがまどかの体を背負って、崩壊した町を進んでいく。人の姿は見当たらず、所々にソウルジェムの破片と思わしき物が散乱している程度だ。


杏子「ひでぇな...私達と同じ奴らか何人死んだのやら...」


マミ「一般人は化け物に、魔法少女は一人残らず死体に...今生き残ってる魔法少女は何人ぐらいなのかしら...?」


風見野と見滝原を繋ぐ道はまだまだ続く。終わりは一切見えず、紅い空と崩壊した地表をただひたすら歩んでいく。

杏子「なぁ、風見野と見滝原ってこんな遠かったか?もう一時間以上歩いてるぞ」


マミ「さすがにおかしいわね...皆、ちょっと下がっていて」


そういうと自分の入れられるだけの魔力を詰め込む。


マミ「ティロ・フィナーレ!!」


打ち出した弾はある程度まで進んでいくと、何かに飲み込まれる様に消えていった。


マミ「やっぱりおかしいわね、何か仕掛けがわかれば良いけれど...」


かれん「あ、あの...」


杏子「あ?」


かれん「一旦このループから風見野の方に戻ってみませんか?」


杏子「こんなときに戻ってどうすんだよ」


かれん「ループで廻り続けるよりは...1度戻って状況を整理するのも大切だと思うんです」」

ここまで、また更新します

再開します

四人が風見野へ戻ろうとしたその時だった。どこからともなく鐘の音が鳴り響き、辺りの小石はガタガタと震えている。


さやか「...何か嫌な予感が...」


その予感は当たることになった。ゆらりゆらりとこちらへ歩いてくる少女が一人、周りの風景が歪みんでいる。


マミ「あの子...ただの人間じゃないわ」


杏子「どうする?先手必勝か?」


さやか「でも、魔女に取り憑かれてるだけなら...」


杏子「でも本体はこの近くにはない。魔女ぐらいにまでなると強い魔力のか溜まりがあるはずだ」


そんな言い合いをしてる間にも、不気味な少女はこちらへ近づいてくる。

ここまで

再開します

マミ「そこの貴女!すぐに止まりなさい!」


少女は依然として止まらず、ゆらゆらとこちらへ歩んでくる。今まで下を向いていた目が突然としてかれんを睨み、右手に刃物のようなものが出てきた。


さやか「かれん!避けてっ!!」


かれん「え?」


かれんが次に前を見たときには腹部に深々と刺さり、ボトボトと血が垂れている。


かれん「...げふっ...」


食道を血が通っているのがわかる?口のなかは血でまみれ、服が赤に染まる。


??「...」


奇妙な鈴の音と鐘の音、それは彼女から発せられているのかそれともただの幻聴なのか...


かれん「ぅぁ...ごぽぉ...」


腹部から引き抜かれると一気に血が溢れ、かれんはその場に倒れた。

さやか「かれん!」


杏子「こんの!」


杏子がどれだけ蹴りや槍を繰り出そうとも、当たるはずの攻撃でさえ良く分からない動きで意図も容易くかわされる。


マミが後ろからマスケットで援護してくれるが、なぜか一度も攻撃が命中することがない。


さやか「かれん、今治療するから!」


酷い出血を止めるため、傷口に魔力を当て続ける。

ここまで

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