男「ロリババアに囲まれた生活」(690)

男「ロリババアに囲まれた生活」銀髪ロリババア「ん?」狐耳ロリババア「む?」猫耳ロリババア「にゃはっ♪」おかっぱロリババア「……?」

・・・




――今は昔――

おとこ「うぅぅぅ……っ」ボロッ

銀「なんじゃ、血だらけではないか……近所の悪童たちとケンカしたのか……?」

おとこ「……ぅぅ」グスッ

銀「ほれ、治してやるから、儂の手を握るのじゃ」

おとこ「銀おばあちゃん……ありがとう」グスッ…

銀「よいよい。じゃが、男の子たるもの、すぐに泣くでないぞ。ほら、鼻をかめ」

おとこ「うう……」チ-

狐「……まったく、許せぬのう。悪たれたちには少しお仕置きが必要だの」

ねこまた「加勢するにゃー!」

銀「やめんか。稚児には稚児の関係というものがある。儂らがおいそれと関わらん方がよいじゃろ」

狐「……しかしだの」


座敷童「……元気だしてください」ナデナデ…

おとこ「ありがとう……座敷おばあちゃん」

座敷童「……」ニコ

ねこまた「ウチも撫でてやるにゃー」ナデナデッ

おとこ「…ね、ねこまたおばあちゃん、く、くすぐったいよぉ」

狐「……こんなにケガして、まったく可哀想に」ナデナデ…

おとこ「き、狐おばあちゃんまで…」

銀「やれやれ……過保護じゃな。……どうしてケンカしたんじゃ。男子たるもの、無闇に手を上げるものではないぞ」

ねこまた「銀はいちいち堅苦しいのにゃ」

狐「しかし、怪我はあまりして欲しくないからの。あまりケンカはしないようにの」

おとこ「……で、でも、だって」

座敷童「……?」



おとこ「あいつら、ぼくのおばあちゃんたちのこと、気持ち悪いって……ゆるせなかった……でも3にんには、かてなかった……」グスッ…


「「「「……」」」」


ねこまた「にゃー♪ おねーちゃん、嬉し過ぎるのにゃー♪」ダキッ

座敷童「……」ギュッ

狐「『お姉ちゃん』なんて年ではないだろうに……それより、ねこまた妾と場所を変われ」

ねこまた「いやだにゃー♪」ギュゥ

ギャァギャァッ…


銀「……まったく、騒々しいの」



――時は今――

男「(なんてことも、あったなぁ…………あれから、俺も随分デカくなった)」

ジ-…ジ…

男「……はあ、あちぃ」ゴロッ

銀「これ、昼間から寝腐ってるでないぞ」ロリ-ン

男「……ああ、銀ばあちゃんか。相変わらず小さい……可愛い」

銀「む、な、何じゃ、急に? 年寄りをからかうでない」

男「いやいや、ちょっと感慨に耽ってたから、思わずな」

銀「……まったく、夏休みだからとダラけおって……暇を持て余すなら薪でも割ってこい」

男「こんな暑い中、勘弁してくれぇ」

銀「儂はそんな行儀の悪い者に育てた覚えはないぞ。まったく、年頃かもしれんが年長者はちゃんと敬意を……」クドクド



男「へいへい……薪割ってきますよ……年長者というにはちっさすぎないですかね」ポンッ

銀「頭の上に手を置くでない。まったく……背が伸びたからと驕り高ぶって…」

男「手を置くのにぴったりの位置だからさぁ」

銀「……ふん」



男「よっと」バキッ

狐「この暑さの中、薪割りか。感心だの」ロリ-ン

男「おっ、狐ばぁちゃんか。いや、銀ばぁちゃんが口うるさいから…」

狐「お銀は、昔から窮屈なほどに堅物だからの……それも彼奴らしいが」

男「そうだよね」

男「(……しかし、狐ばあちゃんも、相変わらず小さいっていうか、狐耳と尻尾が生えた幼女にしか見えない。可愛い)」



ねこまた「ただでさえ、暑いのに、余計暑苦しいのにゃー」ヒョイッ

男「うおっ、ねこまた姉ちゃん!? いたのか…」

ねこまた「にゃはっ☆ お姉ちゃんは神出鬼没なのにゃ☆」ロリ-ン

男「(ねこまた姉ちゃんは見た目も中身も相変わらずロリ……可愛い)」

男「さっき銀ばあちゃんが探してたよ。『また洗濯をサボりおって……懲らしめてくれる』って」

狐「ねこまた……作業はしっかりやれ」

ねこまた「にゃはっ、後でやるにゃ☆ まあ、銀に捕まるほど、トロくないにゃ」

銀「ほう……」ガシッ

ねこまた「……にゃ、にゃはっ、銀にゃん、どうかしたかにゃ?」ダラダラ…

銀「働かざる者に食わす飯はないぞ」ズルズル…

ねこまた「にゃあぁ……猫を働かせる方が間違いなのにゃぁ……」ニャ-ン…

銀「お主は猫でなく猫叉じゃろうが」



男「いやあ、ねこまた姉も懲りないね」

狐「そうだの……」

男「……昔からあんな調子なんだろうなぁ」

狐「……」

男「……?」

狐「さて、妾はもう少し畑仕事をしてくる。日射病には注意するように」

男「うん、狐ばあちゃんもね」



男「……だぁ、こんなもんだろ。あちぃ……井戸水でも飲むか」

ねこまた「井戸水はピロリ菌の温床にゃぁ」ニュッ

男「うおっ、急に出てくんのやめてよ」

ねこまた「にゃはっ、男ちゃんの驚いた顔が可愛いのが悪いのにゃ」

男「へいへい……また、抜け出したの? 銀ばあちゃん、そろそろ本気で怒るぞぉ」

ねこまた「にゃは、仕事はもう終わらせたのにゃ。お姉ちゃん、やればできる子なのにゃ」フンス

銀「その齢で、そのようなことを口にして恥ずかしくないのか?」

男「あ、銀ばあちゃん…」

男「(いや、二人とも見た目は完全に幼女だけぞ)」



ねこまた「男ちゃん、お姉ちゃんと遊ぶのにゃ♪」

男「えーと」チラッ

銀「為すことを終えてからにしろ」

ねこまた「にゃっ!? 洗濯はもう終わらせたのにゃ!」

銀「まだまだやることがあるに決まっておるだろうが。早う来い」ズルズル…

ニャァァ……

男「はは……」

ピタッ

男「お?」

銀「男、ご苦労じゃったの」

男「ああ、いや……」

銀「ちゃんと宿題もやるんじゃぞ」

男「うへぇい……」



男「……お、座敷ばあちゃん、何してるの?」

男「(おかっぱが似合う美幼女No. 1の座敷ばあちゃん、やっぱり可愛い)」

座敷童「……縫い物です」

男「あ、俺のシャツ……取れたボタン着けてくれてたのか……ありがとう」

座敷童「……どういたしまして」

男「それ終わったらでいいから、後で、ちょっと勉強教えてもらえないかな?」

座敷童「……ええ、喜んで」ニコ

男「(ああ、その微笑み、天使かよ…………座敷童だった)」


【昼ごはん】

ねこまた「また、そうめんー、美味しいけどー、美味しいけどー、飽きたにゃー……」

狐「妾もそうめんは好きだが、確かに食傷気味だの」

銀「暑いと食欲も湧かぬからな……そうめんが老体に優しいのじゃ」

男「(外見は完全にロリなくせに……)」

座敷童「……」チュルチュル…

男「(……しかし、四人の可愛いロリババアに囲まれたこの絵面……昔は気にならなかったが、今では犯罪的にしか見えない)」

男「(しかし、俺はロリコンではない)」


銀「ほれ、男、もっと食わんか。大きくなれんぞ」

男「ええ……それ、銀ばあちゃんが言っちゃう……?」

銀「儂らはこんな見た目でも、これ以上成長も若返りもせん」

男「いや、それ以上、ちっちゃくなったら、さすがに日常生活が大変でしょ……」

狐「そうなったら、男に老後の面倒を見てもらわぬとのう」

座敷童「……そうですね」

男「……いやいや、意味不明だから」




男「(こんなど田舎の娯楽といえば、テレビ、それとインターネット。こんな宇宙の真空地帯と大差ないところでも使えるんだから、技術進歩ってしゅごい)」

イヤ、オカシイダロォ!
アハハ…!

ねこまた「あまり面白い番組はやってないのにゃ」ポフッ

男「(ねこまた姉が、俺の頭の上に顎を乗せてる……可愛い)」

狐「ドラマの再放送を見せよ」ポフッ

男「(狐ばあちゃんが、俺を座椅子代わりにしてる……可愛い)」

座敷童「……大河ドラマの再放送が視たいです」ピタッ

男「(座敷ばあちゃんが、俺の横にくっついてる……可愛い)」

男「(……傍目からは幼女に囲まれるお兄さんなんだが、実際は祖母に可愛がられる孫)」

男「(どちらも、幸せな日常だよな。実際幸せだけど)」



銀「……すぅ」

ねこまた「銀はお昼を食べるとすぐに寝ちゃうにゃ」

狐「老人体質だの」

座敷童「……むしろ子供体質かもしれません」

男「まあ、ご飯を食べた後は眠くなるよね……ちょっと布団に寝かせてくるから」

ねこまた「えー……」

男「すぐ戻ってくるから……」スクッ

ヒョイッ

銀「……」zzz…

男「(相変わらず、軽いなぁ)」

スタスタ…

銀「……」

男「(……綺麗な顔立ちだよなぁ。お人形さんみたいとは、こういうこと言うんだろうな……銀髪も、真っ白な肌も、本当に人間離れしていて、この世のものとは思えないくらい綺麗だ)」スタスタ…




男「よっと……」ポフッ

銀「んん……」zzz…

男「(しかし俺はロリコンじゃない)」


銀「……おとこ」ムニャムニャ…

男「(……寝言? 俺の夢を見てるのか?)」

銀「もっと……しっかりせんか……」

男「……夢の中でまで俺は小言を言われるのか……おやすみ、銀ばあちゃん」サラッ

銀「……おおきく…なったな……」zzz…

男「(……起きてる時に聞かせて欲しいね)」



男「(……再三になるが俺はロリコンじゃない)」


男「(――けれど、こんな素敵なロリババアたちに囲まれていたらロリババコンになったのはしょうがないと思う)」

(鬱展開、胸糞はおそらく一切)ないです。
ロリババアよ、世界に満ちよ

ババア共とどスケベする展開キボンヌ

CFJのイングリッドちゃんが好きです

邪道と言われようとも巨乳ロリババアが好きです

久々にお婆ちゃんのぽたぽたフレイム食らいたいよぅ

>>19
ナカーマ.
機体。

これ実はクソババアだけど男にだけはロリババァに見えてるパテーンや

男「狐ばあちゃんの尻尾ぉ……ああ、癒しっ、圧倒的癒しっ」もふもふっ

狐「これこれ、いい年してやめんか」

男「ああ、お日様の匂いがする…! 多幸感で頭がやられるぅ……」

狐「まったく、お主は甘えん坊だの……よしよし……」ナデナデ

男「ああ、浄化されるぅ……砂になるぅ」

ねこまた「にゃはっ、ウチも狐の尻尾を触るにゃっ」

狐「てい」ビシッ

ねこまた「あうっ……痛いのにゃー」ニャァ…

狐「妾が尾を誰にでも触らせると思ったか?」

ねこまた「ケチくさいのにゃー」

狐「お主だって無闇に尾を触られるのは嫌だろう?」

ねこまた「知らない人間なら裂き殺すにゃ」

男「ふへー……?」ポケ-


ねこまた「にゃ、にゃはっ、なんでもないにゃー、男ちゃん、お姉ちゃんの尻尾も触るかにゃ」

狐「猫の尾なぞ、触り甲斐がない。妾の尾の方が、男は気に入っておる」

ねこまた「にゃにをー! ウチの尻尾の方が毛並みが綺麗にゃ! 狐の尻尾なんて寄生虫でいっぱいにゃ!」

狐「……なんだと?」

ねこまた「……なんにゃ?」

グルル…  フシャ-…

がしっ  がしっ

男「ふへへ……どっちも俺の尻尾だ。誰にもやらねぇ……」ポケ-

「「…………」」


「「当然だ(にゃ)」」


銀「……」パラッ

男「銀ばあちゃん、新聞読んでんのか」

銀「うむ。男も新聞はちゃんと読むんじゃぞ」

男「テレビとネットがあれば、よくないか?」

銀「新聞は、文字だから見返すことができる。また、今世間での出来事への関心具合が、記事の大きさや位置で把握できる。こんな村だからと言って、社会に関心を向けないわけには行かんぞ。特にお主は人の子で……」クドクド…

男「分かった、分かったって……」

銀「まったく、お主は……年寄りの話にはしっかり耳を傾けんか」

男「……へえい、そういう割にはパソコンとかはやらないよな」

銀「あ、あれは、不気味だからいいのじゃ。てれびでさえも、恐ろしいのに、あんなものまで手をつけられん…」

男「そうかなぁ……」


座敷童「……男くん……よければ……遊びませんか……?」

男「ん、いいよ」


男「(座敷ばあちゃんは、遊びが好きだ……小さい頃は、ねこまた姉ちゃんと外で遊んで、家の中での遊びは座敷ばあちゃんとが多かったなぁ)」

男「(昔はお手玉とか、アヤ取りとか教えてもらったけど……今は)」


座敷童「……援護射撃をお願いします……そっちにターゲットが行きましたよ」カチカチッ

男「お、おう……ああ、やばいやばい……!」カチカチ…

座敷童「……回復を使いました……落ち着いて処理してください」カチカチッ

男「た、助かった……ありがとう…」カチッ

座敷童「……倒しました」

男「やっぱりゲーム上手いよね……」

座敷童「……そうでもないですよ……オンラインでトップになれてませんから」

男「お、おう……」


狐「またゲームをやってるのか」

銀「まったく……そのようなことばかりしていると頭が悪くなるぞ」

ねこまた「私も乱入するにゃー♪ ゲームもできないおばあちゃんたちは出て行くにゃ」

狐「ふふふ……テレビの録画ができるようになったのだ。これくらい造作もない……はず」

銀「なっ、狐…い、いつの間に…!」

狐「ふふ、いつまでもお主と同じとは思うな、お銀よ」

座敷童「……あ、あの……録画……失敗してましたよ」

狐「な、なんだと……!」

銀「くかか、大見得を切って恥をかいたのう……」

ねこまた「そもそもリモコンもろくに扱えない銀が言えることじゃないのにゃ」

銀「ぐ……!」


男「(ばあちゃんたち、仲がいいよなぁ)」


男「ほい、お茶淹れたよ」

銀「うむ、ありがたくいただこう」ズズ…

座敷童「……美味しいです」ズズ…

ねこまた「ふにゃぁ……落ち着くにゃぁ」

狐「お主は普段から落ち着いていよ……うるさくて敵わぬ」

ねこまた「ひどいにゃぁ…」

男「ねこまた姉ちゃんが静かになったら、この家から音が消えるよ…」

座敷童「……そうですね」

ねこまた「にゃはっ、おねえちゃんはムードメーカなのにゃ☆」ニャ-ン

銀「やかましい」

ねこまた「ふええん……男ちゃぁん、小ちゃいババアたちがいじめるにゃぁ……」ヒシッ

男「姉ちゃんも小ちゃいけどね…」ナデナデ…

狐「男からみたらお主もババアだろうが」

座敷童「……そうですよ」

男「(こんなに可愛いロリが幼女なわけがない!)」



銀「……今日は雨か」

ねこまた「洗濯できにゃいね♪ にゃぁ、残念だにゃぁ♪」

銀「……それなら今日は掃除をするか。ねこまた、ちゃんと働くんじゃぞ」

ねこまた「にゃぁ!?」

狐「今日は畑仕事はいいか……」

男「なんか、狐ばあちゃんが農作業って意外だよね」

狐「そうかの?」

男「なんか古風なお嬢様って感じだからさ」

狐「ふふ、このような形でもお嬢様なぞという齢ではないぞ」

男「(まあ、それがいいんですけどね!)」

狐「昔は土をいじるなぞしてこなかったが、年を取ると考えも変わるものだ」

男「ふうん」

狐「お主も年を取れば分かる」

男「(本当にそのけしからんツルペタボディが年を経てるか、念密に検査したいです)」



座敷童「……」カタカタ…

男「お、座敷ばあちゃんはパソコンで何やってんの……プログラミングってやつ?」

座敷童「……ゲームを作ってるんです」

男「え、え……?」

座敷童「……同人なんですけど前作が好評で……続篇を作成中なんです」

男「す、すごい…」

座敷童「……協力してくれる人たちとは面識もないので……困難なこともありますけどね……」

男「へえ……無料で配布してるの?」

座敷童「……お金はいただいてます……お陰様で今シーズンのタイトルは全て遊べそうですね」

男「……座敷ばあちゃんはすごいよなぁ。株もやってるんだっけ?」

座敷童「……あれも趣味程度ですね……ポートフォリオを多様化する一環ですよ」

男「お、おう……?」



男「アカデミア面白いな……最初から人気が出ると睨んだ俺の目に狂いはなかった」

銀「またマンガばかり読んで……男、宿題はちゃんとやっておるか」

男「……ま、まあ、夏休みは長いから」

銀「光陰矢の如し、そんなことを言っとる内に後で泣くことになるぞ。中学の頃とて、泣いて儂らにすがったのは覚えとらんのか。こういうのは自身を計画的に行動させるという人生において重要な……」クドクド

男「うぅ……」

男「(中学の時にはあまりに達筆だったり、語尾に『にゃ』が着いて、やってもらったことがバレて怒られたのはいい思い出。というか、ねこまた姉ちゃんは絶対わざとだ)」

男「や、やりますよ。ちょうど読み終わったし」

銀「どれ、儂が勉強を見てやろう。苦手なのはなんじゃ?」

男「全部苦手だけど…理数は座敷ばあちゃんに教えてもらえるし、古典は狐ばあちゃんが先生顔負けだから、大丈夫かな、社会は自分で勉強すればいいし……あ、英語が苦手なんだよね」



銀「え、英語じゃと?」

男「そう……単語はちゃんと暗記してるんだけど、文章が読めないし、かけないんだよね」

銀「う、うむ……勉強が足りんぞ」

男「ううん、まず、どう、勉強すればいいんだろう……」

銀「……とりあえず宿題を見せてみろ」

男「ん……」



銀「……分からん」

男「(まあ、だよね……)」

銀「力になれず、すまんの」シュン…

男「いやいや! 本来自分でやるものだから!」

男「(はあ、落ち込む銀ばあちゃん可愛すぎ……ちょっと罪悪感あるけど)」

銀「と、とにかく、宿題はちゃんと終わらせるように。よいな」

男「へえい……」



銀「今日の晩ご飯は何が食べたいかの?」

男「肉!」

銀「……ざっくりしすぎじゃ」

男「んー、銀ばあちゃんのご飯はなんでも美味しいからなぁ。じゃあ鶏肉の唐揚げ!」

銀「……うむ」



座敷童「……英語ですか?」

座敷童「……文法と単語……それから英文構造を把握する訓練が必要ですね」

座敷童「……SVOCから始めるのが堅実ですね……慣れてくれば無意識に読めますけど……そこまでは時間がかかりますから」

座敷童「……どうして英語ができるかって……新しいことを知りたければ……英語ができないと時間がかかりますからね」


男「座敷ばあちゃんのスペックの高さよ」

銀「うぅ……」ショボン…

男「(しょげる銀ばあちゃん可愛い……めちゃ可愛い)」ナデナデ…



狐「ふう、暑い暑い…一服しようか」

男「そうだねー……除草剤撒くの大変だよね……完全防備で暑い……」

狐「そうだの……しかし粗方終わった。手伝いありがとぉの」

男「いやいや、狐ばあちゃんのお手伝いなら、喜んでやりますよ」

狐「ふふふ、なんじゃ、買って欲しいものでもあるか?」

男「本音だよ」

狐「……まったく、あざとい奴よ。うりうり」モファモファ…

男「うわぁ……尻尾きもちいぃ……でも暑い……」

狐「暑いのぉ……玄関に移動するか」

男「そだねー……」


座敷童「……おや」

狐「……」スピ-

男「……」グゥ…

座敷童「……仲良しさんですね」クスッ



ねこまた「にゃはー、食らうにゃー」バシャバシャッ

男「うっぷ……口の中に水入った…! 喰らえー!」バシャッ

ねこまた「にゃはっ、速さが足りないにゃっ」シュパッ

男「な、なんて身のこなしだ…!」


ねこまた「はあ…川遊びは楽しいにゃっ」

男「まあね……」グタァ

ねこまた「ふふふ、ところで男ちゃん、実は今日のお姉ちゃんは変身を残しているのにゃ…!」

男「なん…だと…?」


ねこまた「にゃん! かい!」ババッ

男「……何その格好」

ねこまた「童に作ってもらったセクシー水着にゃっ! お姉ちゃんのナイスバデーに見惚れるのにゃ…にゃっふーん…」ロリペタ-ン

男「うおお…」

ねこまた「な、なんにゃその反応は……!」

男「(圧倒的幼児体型っ! 猫耳と猫尻尾のコスプレをした美少女に布面積の少ない水着…! 傍目からは犯罪現場にしか見えない…!)」

ねこまた「うう…分かってるにゃ。どうせこんなおばあさんがやっていいことじゃなかったのにゃ……」ニャ-ン…

男「あああ、違う! 違うって!」




ねこまた「んー、遊んだにゃー、そろそろ帰るにゃー」

男「はぁ、疲れた…」

ねこまた「よーし、お家まで競争にゃー! 負けた方はアイス奢るにゃー」

男「ええっ」

ねこまた「先手必勝だーっしゅ」シュパパパッ

男「は、はええ……うおおお……!」ダッ



ねこまた「負けたのにゃー」

男「ぜっ…ぜっ……気分的にはどこまでも惨敗だよ」ゲソッ

ねこまた「ちょっとはハンデが必要にゃもの。でも、純粋に男ちゃんが成長してるのにゃ」

男「それはどうも……しかしやっぱり、ねこまた姉ちゃんはすげえよ……どうして森をあんな速度で駆け抜けられるんだよ……」

ねこまた「にゃは、男ちゃんもあと100年くらい修行すればこれくらい簡単にできるようになるにゃー」

男「おおう……」

ねこまた「負けたものは、しょうがにゃいっ、アイス奢ってあげるにゃ。はい、このお金で買ってくるにゃ。ウチはハーゲン⚪︎ッツがいいにゃ」

男「買いに行くのは俺か……いや、当然だけどさ……はあ、最寄りの店でも……原付で30分はかかるんだよなぁ……」

ねこまた「……頑張るにゃ!」ビッ

男「へいへーい、行ってきますよー。自転車で行ってた時に比べたら楽なもんよ、ちくしょー!」カチ ギュルルル…ブォォ…


ブォォォン……




座敷童「……」モクモク…

男「……折り紙やってるの? 好きだよね」

座敷童「……ええ」

男「……何これ」

座敷童「……凹60面体です……折り紙とあや取りは……位相幾何の勉強に……ちょうどいいですよ」

男「……これ本当に折り紙なの? え、折り紙ってこういうこともできるの?」

座敷童「……さすがに一枚ではむりですけどね……折り紙は非常に奥が深いですよ」

男「……これが、全力で遊ぶということか。これはもはや芸術の域じゃ……」

座敷童「……男くんもやりますか?」

男「……お、おお、挑戦してみるよ。あ、そういえば冷凍庫に座敷ばあちゃんの分のアイスもあるから食べてね。しろ⚪︎まだよ」

座敷童「……し⚪︎くま美味しいですよね……ありがとうございます……ねこまたさんに食べられる前に召し上がらないといけませんね……」

男「はは、そうだね」




ビンボ-デモ、アニガズットソバニイテクレレバイイカラ…
イモウト…

ねこまた「暗い話は嫌いにゃー」ピッ

ワタシノフ-クンニサワラナイデクダサイ、ヘンタイタイツ‼︎
フ-クンハアタシノモノヨ‼︎

狐「くだらぬの」ピッ

男「……ドキュメンタリーでも見よう。タメになるし」ピッ

座敷童「……」ペタペタ…

男「座敷ばあちゃんは、タブレットでなにやってるのー?」

座敷童「……SNSです。この前に作った等身大の折り紙甲冑が好評で……たくさんの反応をいただいてます」

男「……そんなものまで作ってたの? どこに置いてるの?」

座敷童「……納屋で組み立てて、そのまま置いてます……写真ですけどこのような感じです」

男「……すげえ」

ねこまた「にゃー……」

座敷童「……ただの遊びですよ」


銀「カタカタやピコピコ、ペタペタの何がそれほど楽しいのじゃ……」

男「(カタカタはパソコン、ピコピコはゲーム機、ペタペタはタブレットのことをさします)」

ねこまた「インターネットは色んな動画が見れたり、面白いにゃー」

座敷童「……知識と時間と熱意があれば……色々なことができますよ」

狐「男や童をみていると、面白そうだから挑戦したいとは思うがの」

銀「まったく、お主まで……」

ねこまた「普段から外に目を向けろという割には、頑固だにゃー。パソコンやインターネットはもはや外ではなくてはならないものだにゃ」

銀「うぐぐ……」

男「まあ、誰にでも苦手なものはあるよ。俺は今の銀ばあちゃんのままでいて欲しいよ。もちろん座敷ばあちゃんは凄いし、見習いたいけど」

銀「う、うむ」

座敷童「……ありがとうございます」

>>17
座敷童「……そ、そういうのは……よくないと思います……」

>>18
ねこまた「にゃはっ、確かに可愛いにゃ! でもお姉ちゃんの方がもーっと可愛いのにゃ!」

>>19
銀「儂の胸に文句があるのか……? うん……ん」ペタ-ン

>>20
狐「ふふ、特別に妾の狐火で焼いてやろうかの」

>>21
銀「わ、儂だって……くぅ……!」ペタ-ン

>>22
ねこまた「にゃはっ、それなんて火⚪︎鳥、または沙⚪︎の唄かにゃ?」


なんでロリのままなのかそのバックグラウンドがいまいち分からないと素直に萌えられない…

細かい設定は後々明かされるであろうから、今は素直にロリババアを享受するのじゃ

>>43
おまえいちいち座敷童子がなんで子供の姿なのかとか聞かなきゃ気が済まないの?

なんとなくこの>>1は座敷童スレに居た気がする。
男のお嫁さん候補の雪女はいつ登場しますか?

言動がババアなだけの幼女
そんなもんすぐに

男「はあ、今日、学校に行かなきゃ」

狐「む、夏休みなのにか?」

男「登校日なんだよね……はあ……」

狐「そうか。土手の草刈りを手伝ってもらいたかったのだが」

男「おお、手伝う手伝う」

銀「これ、しっかり学校に行かんか」

男「へえい……じゃあ帰ってきたらやるよ」

狐「うむ、助かるぞ」

ねこまた「行ってらっしゃいにゃー!」

座敷童「……道中に気をつけてくださいね」

男「大丈夫だよ、じゃっ、行ってきます」カチッ ブルル  ブゥゥン…


ブゥォォォォ…




男「……時間は、なんの問題もないな」

男「……ん?」

女「……」ソワソワ

女「(私服の女子?)」

男「おはようございます」

女「へっ、あっ、お、おはようございます……?」

男「校門の前でどうかしました?」

女「あ、えと、今度この学校に転校してくるから、下見に来たんですが…...」

男「おおー、転校生なんて生まれて初めて見た。想像上の生き物だと思ってたけど」

女「そ、そうですか……?」


男「中に入らないんですか? あ、何年生ですか?」

女「に、2年生です……入っていいんですかね?」

男「お、じゃあ同い年だ。大丈夫だよ、ちょうど登校日だし良かったんじゃない」

女「……登校日だから躊躇ってるんですけど」

男「自己紹介とかできて、友だちができるかもよ……と、時間も押してるし早く入ろうぜ」カチッ  シュゥゥ…



女「いいのかなぁ……特に連絡入れてないのに……」

男「怒られる時は俺も一緒に……というか、俺のせいにすればいいじゃん?」

女「いやいや……」

ヒソヒソ…
ザワ…

女「うう、目立ってる……」

男「まあ、いいじゃん。どこから来たの?」

女「……東京」

男「すげー! 都会っ子じゃん!」

女「そんなことないよ……」

女「(東京といっても八王子だったし……)」


男「しかしまた、どうしてこんなど田舎に?」

女「……親の都合でね」

男「ほーん……大変だねぇ。あ、ここが2年の教室ね」

女「……え、1クラスしかないの!?」

男「へっ? ああ」

女「……そ、そんなの、本当にあるんだ……」

男「やっぱり都会はクラスがたくさんあるのか?」

女「……前の学校は10クラスあった」

男「……ま、まじか! そんなに人がいたら気持ち悪いな」

女「……じゃ、じゃあ、このクラスの人たちが、クラスメイトなんだ。というか、君も……ええと」

男「ああ、“男”だよ。君は?」

女「“女”です…」




友「おいっす」

男「おはよう」

女「(あ、1クラスでもクラスメイトは思ったよりも多い。10人とかかと思った)」

友「……男、その人は?」

男「ああ、女さん。今度転校してくるんだって」

ザワザワ…

女「ぅぅ……」



クラ女「女さんっていうんだ? よろしくね!」

女「あ、う、うん。よろしく……」

クラ女「ねえ、どこから来たの? もしかして、東京!?」

「どこに住んでるのー?」
「彼氏とかいるのー?」
「服かわいー、そういうのどこで買うのー?」

女「え、えーと……」

キャッキャッ


男「さっそく馴染んでるな……」

友「女さん、結構可愛いな。私服もおしゃれだし……うちのジャージばかり着てる女子とは比較にならん」

男「そうなのか?」


友「男はそういうの本当に興味ないよな」

男「まあ、俺は長着をきてる女の子が一番可愛いと思ってるから」

友「そんなやつ今時いねえよ……」

男「(自宅にいるがな……特に銀ばあちゃんと座敷ばあちゃんはほぼほぼ和服だ)」

友「お前って、基本すげえのに、そういう残念なとこあるよな」

男「お前には言われたくないな」

友「それより、お前の好きなやつの新作がでたぞ」

男「お、『いんもらる』か?」

友「そう」

男「(『いんもらる』とは:ライトノベル『異世界に転生したと思ったらロリババアから「婿になれ」と迫られ困ってる』の略称である)」


友「良かったぞー。今回登場するロリババアがな……」

男「おい、ネタバレするな……今日……はダメか、そのうちお前ん家に読みに行っていい?」

友「おう。というか、貸すぞ」

男「いや、自宅に持ち帰るのはちょっと……」

友「なんだ、親にオタクがバレるのが恥ずかしいのか? 早くその段階を抜けろよ……清々しくなるぞ。ロリコンでもいいじゃないか」サワヤカスマイル

男「オタクでもロリコンでもないけどな」

男「(ロリババアが好きなだけだ……そして見つかるのが怖い)」



女「……」

クラ女「そういえば、男と一緒に来たよね」

女「あ、う、うん……話しかけられて」

クラ女「大丈夫だった? アイツに化かされなかった?」

女「へっ? い、いや、バカになんてされてないと思うけど……」

クラ女「あー、そうじゃなくて……」

「急に言われても信じないでしょ」
「普通ねー」

女「……えーと?」

クラ女「アイツ、色々変わった噂があるんだよねー」

「中高一緒なのに謎だよね」
「両親いないんだって」
「小学校行ってなかったらしいよ」

クラ女「それで、色々と変わってることもあって妖怪なんじゃないかって話まで出るのよ」


女「よ、妖怪……?」

「いきなり言われても引くよね」
「ここらへん、結構そういう伝説が多いんだよー」
「東京の子からしたらアホくさいだろうけど、この辺りのお年寄りとか結構信じてる人が多いんだよね」

友「おい、またお前の話だぞ」


男「別にどうでもいいわ。ああ、早く帰りたい」

友「夏休みに登校とかダルいよな」

男「なー。はやくばあちゃんの草刈りを手伝わんといけないし」

友「お前、真面目だなぁ」

男「あなたとは違うんです」

友「……?」

男「あ、知らない? まあ、いいや」


担任「やあやあ、夏休みは満喫してるかー?」

男「登校日とかいらないです」

友「ほんとそれな」

担任「先生はお前らよりも休みがないんだよ。それに比べたらいいでしょ」

男「だって先生は仕事じゃん」

友「そーだそーだ」

担任「教育は国民の義務だぞー」

男「義務は子どもに教育を受けさせる義務だしー、子どもは権利だから行使するしないは自由だしー」

友「そーだそーだ」

担任「生意気な……宿題増やすぞゴラァ」

男「いやあ、学校最高!」

友「学校に住みたいよな!」

「バカじゃないのー」

アハハハッ


女「(……この輪の中に入っていけるかなぁ)」

教師「……ところで、そこの私服の娘は」

女「あ、わ、私、今度転校してくる……」

教師「ああー、はいはい、あなたが女さんね。親御さんから先ほど連絡いただいたよ」

女「あ、そ、そうだったんですか……」

教師「少し仲良くなったみたいだけど、みんなの前で自己紹介お願いできる?」

女「あ、は、はい…」

女「(ほ、ほんとに自己紹介するはめになるなんてぇ……)」




セイバイイタス!
グワァァッ!

ねこまた「最近は時代劇も再放送しかないにゃー」ズズズ…

狐「……この時代からは本当に離れてしまったの」ズズ…

銀「人の世は徒花じゃな……儂らも随分と長生きしてしまった」ズズズ…

座敷童「……」ズズズ…

ねこまた「しかし、時代劇を見ると懐かしく感じるにゃあ……昔はウチも悪人もバッサバッサと斬り捨てたりしてたにゃぁ」

狐「血なまぐさい話だの」

銀「今では阿呆な老猫が一匹じゃ……時の流れは残酷じゃの」


ねこまた「にゃにをー! ウチの円熟した女の魅力が分からんとはどういうことにゃ! うにゃ、悩殺ポーズにゃ☆」ロリ-ン

銀・狐「……」

ねこまた「ざ、座敷童はわかってくれるにゃね?」

座敷童「……え、ええ」

ねこまた「ほらほらぁ!」

狐「ええい、姦しいの」

銀「全くじゃ」


座敷童「……時の流れですか」

狐「む?」

座敷童「……いずれは……男くんも……この家を出て行くんですよね……」


「「「「…………」」」」




女「はあ……疲れた」

男「女さん、歩いて帰るの?」ドッドッドッドッ…

女「あ、男くん……バス停からはバスに乗るよ……男くんはスクーターかぁ」

男「おう、家が遠いからね」

女「へぇー……」

男「さっき、クラスの女子になんか誘われてなかった?」

女「あ、うん……でも、ちょっと家の用事があるから」

男「そうなんか」

女「……あの」

男「ん?」

女「男くんの、その、変な話聞いたんだけど……」

男「ああー、あれね。大体本当だよ」


女「ええっ」

男「いや、でも俺はれっきとした人間だよ、うん」

女「あっ、そうなんだ…って、それはそうだよね」

女「(男くんも家族関係が大変なのかな……)」

男「じゃあな。今度会うのは夏休み明けかな」

女「あ、そ、そうだね」

男「車に気を付けてなー、田舎の車はアホみたいに飛ばすから」

女「うん、ありがとう」


男「ただいまー」

銀「……お帰り。はやく手洗いとうがいをするんじゃぞ」

男「へぇい……って、なんか不機嫌?」ポンッ

銀「な、何がじゃっ? 頭の上に手を置くでない」ペチッペチッ

男「いや、何となく……なんかあった?」ナデナデ

銀「……特に何もないわ。ええい、撫でるな……儂はこんな形でも子どもではないぞ」

男「いやぁ、別に大人とか子どもとか関係ないでしょ」ナデナデ…

男「(あと、俺が撫でたいだけ)」ナデナデ…

銀「……ふん」

ナデナデナデナデ…

銀「……いい加減やめんか! 儂の頭で火でも起こすつもりか! まったく、まだ手洗いもしておらんくせに!」

男「あ、ごめんね」




男「……」ブィィィ……

狐「……」


男「……ふう、こっちの土手は刈り終わったよ」

狐「……うむ、こちらも終わった。感謝するぞ」

男「どういたしまして」

狐「……」

男「帰ろうか」

狐「うむ……」

男「……なんかあった?」

狐「……いや、そんなことはない」

男「そう……?」

男「(はっ、もしや銀ばあちゃんとケンカしたのかな?)」




座敷童「……ご飯はもう少し待ってくださいね」トントンッ

男「うん……いつも思うけど、めちゃくちゃ割烹着が似合ってるよね」

座敷童「……ありがとうございます」

銀「……」ジャァァッ

男「銀ばあちゃんもね。なんだろう、着慣れてる感があるから、見ていてすごく安定感があるよね」

銀「……風呂を沸かしてある。汗をかいたじゃろうし先に入って参れ」

男「おお、ありがとう」

4人で襲って誰かが孕めば男はずっと一緒ですね


ねこまた「……なんか男ちゃん、機嫌悪いにゃー?」

男「ソンナコトナイデス」フェルマ-ノサイシュウテイリ

狐「……やはり恥ずかしかったかの。うむ、年頃の男の子が妾たちのような老女が風呂に入るのは嫌か。すまぬの」ロリッ

男「そんなことは、絶対ない」クワッ

狐「そ、そうか…」

ねこまた「にゃ、にゃあ…」



男「(……記憶が曖昧だが、なんか、最高の時間を過ごしていたような、気がする)」



男「料理運ぶの手伝うよ。今日も美味しそうだなぁ」

男「というか、俺の好物ばっかりだなぁ」

銀「……」

座敷童「……」

男「……?」


男「それじゃあ、いただきます!」

ジ-ッ…

男「……?」モグモグ

男「(なんか、皆んなやけに見つめてくるな……あと、なんか近くない)」モグモグ


男「ええと……何かあったの?」

狐「……む?」

男「みんな、今日はなんかおかしくない?」

ねこまた「そ、そんなことないにゃー」

銀「……うむ。それより、好き嫌いはいけんぞ。ちゃんと、野菜も魚も食べるんじゃぞ」

男「う、うん……? 本当にどうしたの……?」


座敷童「……みんな……男くんがいなくなるのが……寂しいんですよ」

「「「……!」」」

男「……は? いなくなる? 俺が?」キョトン

座敷童「……いつかはここを出て行くでしょう……それが寂しいんですよ」


男「……ええ、どうして急にそんな話に」

銀「寂しいとか、そういう話ではない。ちゃんと、儂らがいなくても生きていけるのかが心配なだけじゃ」

狐「ふふふ、素直でないの、お銀」

銀「うるさいやつじゃな…」

ねこまた「にゃはは、素直じゃないのは狐も一緒なのにゃ……その点ウチは違うにゃ」

ガバッ

ねこまた「えーん、男ちゃん! どっか行っちゃヤダにゃー!」ギュゥゥ…

男「ちょ、ちょっと、なんでそんな話になったの……」ポンポン…

座敷童「……ごめんなさい……私のせいです」ペコッ

男「……いやいや、怒ってはないよ」ナデナデ


銀「良いか、都会というのは、危険じゃ。誰がお主のことを狙っているか分からぬ。じゃから、鍵はきっちりとかけ、貴重品は常に肌身離さず持ち歩きじゃな、夜は一人で出歩いたりせず同伴をつけて……」クドクド…

男「い、いや、俺はずっとばあちゃんたちといるつもりだからな!」

「「「「……」」」」

男「や、もちろん、このまま養ってもらってばかりもいられないし、働くけどさ!」

座敷童「……責任をもって……私が生涯養います」

男「いやいや……と、とにかく! ばあちゃんたちを置いてどっかに行ったりはしないから!」

ねこまた「……当然だにゃーん! そんなことになったらお姉ちゃん、寂しくて死んじゃうにゃーん」

狐「ま、当然だの」

銀「……今、あれこれ考えても仕方ないか」

座敷童「……そうですよ」

銀「じゃが、男! 儂ら抜きでも生活できるように生活力を身につけねばいけんぞ! 三食しっかり栄養を摂り、早寝早起き、自炊と掃除、洗濯、縫い物をしっかりできるようになるんじゃぞ! 儂がしっかり叩き込んでやる!」ビシッ

男「お、お手柔らかに……」

表記変更:「狐→きつね」
きつね「……銀と間違えそう? まったく……仕方のないやつだの」


>>43
銀「ふむ、儂がこのような姿なのには海よりも深く、山よりも深い理由があってだの。ううむ、語るには時間がいくらあっても足りぬが、出来るだけかいつまんで話そうか。まずだな始まりは、いやその前に前提として……」クドクド…

>>44
ねこまた「にゃはっ、お姉ちゃんの可愛さを全力で感じるのにゃ!」ニャフ-ン

>>45
きつね「これこれ、ケンカ腰はよくないの。しかし主は良い子のようだし、特別にナデナデしてやろう」

>>46
座敷童「……誰かあのスレの続きを書くべきです……雪女……そんなお嫁さん候補は……許しません」

>>47
座敷童「……ええと……意味がよく分かりません……すみません……」

>>68
銀「な、何を言っているのじゃ、たわけめっ」プイッ

座敷童たんの脇まんこペロペロ

おつ

全員孕めば問題ないな!
後友が気を利かせて男のカバンにいんもらるを忍ばせて見つかる展開はよ



男「ねこまた姉ちゃんの好きなマンガ買ってきたけど、読む?」

ねこまた「にゃは、新刊が出たのかにゃ! 読ませてもらうにゃ!ありがとにゃー」


きつね「……なぜ、ねこまただけ、姉扱いなのだ」

男「へっ?」

きつね「なぜだ? 妾とねこまたの姿にそんなに大きな違いがあるのか?」

男「ああ、いや……昔から、ねこまた姉ちゃんは、そう呼べって言われてたから、なんか自然と……」

きつね「……なるほどの……しかし、気に食わぬ」

ねこまた「にゃはっ☆ おばあちゃんの嫉妬は醜いにゃ☆」

きつね「…そんなに大差ないだろう。身の程を弁えろ」イラッ

ねこまた「うるさいにゃ」イラッ


グルル…

フシャ-…

男「ま、まあまあ……」

きつね「男、妾のことも姉と呼ぶのだ」

男「えっ」

きつね「ほれほれ、呼んでみい」

男「……狐姉ちゃん」

きつね「……ううむ、悪くないが、違和感が……」

男「俺にとっては、ばあちゃんと姉ちゃんはほとんど同じ意味だけどね」

きつね「……うむ」

ねこまた「にゃはっ、ババアだにゃー」

きつね「妾がそうならお主もだ」

ねこまた「ウチはお姉ちゃんにゃもーん」


きつね「ぐぬぬ……男、しばらくは妾のこと……いいや、皆のことを姉ちゃん呼びするのだ! よいな!」

男「えっ」

ねこまた「ダメにゃぁ! お姉ちゃんはウチだけの特権的身分なのにゃぁ!」

きつね「貴様だけが男にとって特別なのが気に食わぬ」グルル…

ねこまた「嫉妬深い女狐だにゃぁ……」フシャァ…

男「2人とも俺にとっては、掛け替えのない特別な存在だよ。だから2人には仲良くして欲しいんだけど」ポリポリ…

「「……」」


モサモサモサモサモサモサッ    ナデナデナデナデナデ

スリスリスリスリスリスリッ    ペロペロペロペロペロ


アァァァァ……


銀「騒がしいな……男、トコロテンがあるが食べるか? もう皆の分を持ってきてるが」

男「ああ、うん。ありがとう」

きつね「……」ツンツン…

男「(…はいはい)」

男「ぎ、銀ねえちゃん」

銀「……」ポロッ

男「ちょっ」

ねこまた「猫キャッチ!」シュタッ パシッ

きつね「よくやった……」


銀「な、なんじゃその呼び方は……?」ワナワナ…

男「(う……怒ったかな)」

銀「……ねこまた、すまぬ」プシュ-…

ねこまた「にゃはっ、銀の顔真っ赤だにゃ」ニヤニヤ

銀「そそ、そのようなことはないっ! 世迷言ことを口にするのも大概にするんじゃ!」ボボッ

男「(そ、そんなに照れるのか? ……やばい、めちゃくちゃ可愛い)」

男「(これは、からかわない手はない!)」


男「銀ねえちゃん、どうかした? 体調が悪いの?」ズィッ

銀「そ、その呼び方はやめんか…ぅ…」カァァ…

男「なんで? 銀ねえちゃん?」

銀「……っ!」トテテ…

男「(足音かわいいな)」


きつね「お銀があそこまで照れるとは、意外だのう……」

ねこまた「にゃあ…でも、やっぱりお姉ちゃん呼びはウチだけがいいのにゃあ…」

きつね「……だが、お銀の反応を楽しみたくないか?」

ねこまた「もちろんにゃ」

男「後が怖いなぁ……」

ねこまた「動揺する可愛い銀が見たくないのかにゃ」

男「超見たい」




座敷童「……あら」

銀「ん、座敷童か」パタリッ

座敷童「……銀……随分お顔が紅いですよ……?」

銀「こ、これは、なんでもないのじゃ」

座敷童「……?」

銀「お、お主は縁側で何をしているんじゃ?」

座敷童「……知り合いに頼まれていた……データの打ち込み作業が終わって……休憩していました」

銀「う、うむ……?」

座敷童「……パソコンを使っての……遊びがてらの副業です」

銀「……お主がカタカタやピコピコを始めたのは、男のためだったか。男が、人間たちから孤立しないようにと慮って」

座敷童「……そうですね……お陰様で……今では一部界隈で崇められるようになってしまいました」


銀「う、うむ……? そういえば、トコロテンがある。茶の間にあるから、食べるとよい」

座敷童「……ええ……ありがたくいただきます……銀はもう食べたのですか?」

銀「わ、儂は空腹ではないから結構じゃ。それではの」トテトテ…

座敷童「……?」


男「あ、座敷ねえちゃん、トコロテンあるよ」

座敷童「…………はい?」

男「ほ、ほら、食べなよ」

座敷童「……男くん……今の呼び方は?」

男「ど、どうしたの、座敷ねえちゃん?」


座敷童「……」チラッ

ねこまた「……♪」フイッ

座敷童「……」チラッ

きつね「ふふ……」

座敷童「……なるほど……それで銀の様子が……おかしかったのですね」

きつね「相変わらず察しがいいの」

座敷童「……彼女は……とても繊細です……あまりからかったりしては……いけませんよ」

男「う、うん……」

きつね「なに、程々ならよいだろう」

ねこまた「そうにゃそうにゃ」


座敷童「……恩を仇で返すのは……感心しませんね」

きつね「う…」

ねこまた「にゃ、にゃぁ…」

男「そ、そうだよね…どうかしてたよ」


男「(…そういえば、おばあちゃん達がどうして一緒に暮らし始めたか聞いたことないな)」

座敷童「……しかし少しなら……愛情表現かもしれませんね……慌てふためく銀の撮影は……任せてください」

ねこまた「さすが童は話が分かるにゃ」

きつね「ふふ、楽しみだの」

男「(それでいいのか……まあ、いっか!)」

男「トコロテン食べよっか!」

ねこまた「銀の分はお姉ちゃんが食べるにゃー」




男「銀おねえちゃん、肩揉むよ!」

銀「け、結構じゃっ」



男「銀おねえちゃん、料理手伝うよ!」

銀「い、いらぬ…っ」



男「銀おねえちゃん、髪の毛梳かしてあげるよ! 相変わらず綺麗な髪の毛だねっ!」

銀「や、やめい…っ」



男「銀おねえちゃん手伝うことある!?」

銀「な、ないわ!」



男「銀おねえちゃん」ギュッ

銀「~~ッ!」


銀「……」グテッ

座敷童「……憔悴しきった銀を見るのは……久しぶりですね」パシャパシャッ

男「……そんな高そうな一眼レフ持ってたっけ?」

座敷童「……この前に開発したアプリケーションが好評で……その臨時収入で新しく購入しました」

男「すげぇ……」

銀「……ぬ、や、やめんか……た、魂を吸われてしまう……」

きつね「あんなデマをまだ信じておるのか……」

ねこまた「きつねも信じていたくせによく言うにゃ」

座敷童「……イノベーションは……そういうものです……皆をわくわくさせる一方で……不安も感じさせます」

男「ポケ⚪︎ンG⚪︎とか?」

座敷童「……ポ⚪︎モンG⚪︎とかです」

ねこまた「⚪︎ケモンG⚪︎だにゃぁ」

きつね「ポケモ⚪︎G⚪︎か」

銀「伏せたいのなら、しっかり統一せんか!」


きつね「どうして姉呼び程度で、そこまで狼狽えるのだ?」

銀「べ、別に狼狽えてなぞ……」

男「銀ねえちゃーん」

銀「ええい、やめんか!」

ねこまた「うろたえてるにゃー」

座敷童「……」パシャパシャッ

銀「……そ、それもやめろ……主らは恥ずかしくないのか?」

きつね「……ふむ?」

銀「お、お姉ちゃんなんて、年では、ないじゃろう……ねこまたと違って儂には恥じらいがあるんじゃ」

ねこまた「失礼にゃー!」

男「見た目だけならおばあちゃんも不適切だけどな……妹?」

銀「誰が妹じゃ! まったく少し背が大きくなったからと傲慢じゃぞ!」

男「へぇい…俺にとってはお姉ちゃんもおばあちゃんも変わんないけどなぁ」

銀「ふん……儂はお主の目付役じゃ。姉ではないぞ」


男「お姉ちゃん」

銀「やめんか!」カァッ




男「(この後、口を聞いてくれなくなったから、さすがにやめた)」




きつね「ビニールプールも悪くないの」チャプ

男「ねー」

男「(照り付ける日差しと冷たい水、そして、狐ばあちゃんのフリフリ可愛い鼻血モノの凶悪水着……天国はここにあったんだ)」シミジミ…

ねこまた「にゃっ」ニュッ

男「ぬおっ!?」ビクッ

ねこまた「にゃはっ、驚いてるにゃー」

男「急に現れないで、と言ってるじゃん、心臓に悪い…」

ねこまた「にゃはっ、男ちゃんの猫騙しを食らったみたいな顔が可愛いから仕方ないのにゃ」

きつね「まったくイタズラ好きめ…」

ねこまた「イタズラに驚く顔を見るのは愉快 パァンッ…ッッ! はにゃぁっ!?」ビクッッッ…


座敷童「……爆音クラッカーです……驚くかと思いまして」


「「「……っ」」」ドキドキ…

ねこまた「…クラッカー不意打ちは、猫じゃにゃくてもビビるにゃ……というか耳が痛いにゃぁ」キンキン…

きつね「うむ……というか何故そのようなものが手元にあるのだお主は」クラクラ…


男「遊び好きの悪戯好きとは、さすが座敷童……びっくりした……」




友「男ー、アイスティしかなかったけどいいか?」

男「お、サンキュー」ペラッ

サアアァァァァ……

男「……砂糖入れすぎじゃね?」

友「甘い方が好きなんだよ」

男「知ってるけど……ふう、読み終わった」

友「『いんもらる』、今回も最高だろ」

男「ああ……相変わらず最高だぜ……」

友「ラノベに新しい時代を持ってきたと言われるわけだけあるよな。しかもロリババアの心情がとてもリアル」

男「こんなラノベ他にないぞ」

友「ワロス先生、ほんといい仕事するよなぁ」

男「この作者のペンネーム、ワロスって読むのか」

友「ネットでは、そう呼ばれてるぞ?」

男「……まあ、そうか」


友「あぁ……俺もロリババアに愛されてぇ……バブみを感じておぎゃりたい」

男「わかる」

友「まあ、ロリでもいいけどな……幼女は最高やで、ほんま」

男「変態かよ」

友「いや、ロリババアの方が変態度は高いからな?」

男「そんなことはない……お前、小学生の妹がいるじゃん」

友「……あー、あいつはなぁ」

コンコン

友妹「兄さん、母さんが、お菓子だって」

友「ああ……あんがと」

男「申し訳ないな……こんにちは」

友妹「こんにちは、ゆっくりしていってください」ペコ


男「いい子だよな」

友「いやあ、出来過ぎだわ」

男「大人っぽいよな……妹というか姉に見える……友と暮らしていい子じゃないな」

友「よく大学生に間違えられるんだぜ? 俺のストライクゾーンとは真逆だ」

男「はは、友に襲われないように、適応したんだな」

友「実妹に手を出すか、アホ……いや理想のロリなら仕方ないことだが、ロリ最高!」

男「うわあ」


友妹「……」ギリッ

実は座敷わらしがインモラルの作者・・・?


友「そういや、別のやつに『いんもらる』を貸す約束をしてたんだよな」

男「ふうん……あ、トイレ借りるな」

友「ん、場所分かるよな」

男「ああ」


友「さて、今のうちに……『いんもらる』はまだ大人しいからワロス先生のもっとガチなやつ……『堕ちるロリババア妖狐  淫猥の儀』にするか、ええと、ここら辺にしまったはず……」ゴソゴソ

ダンダンッ

友「ちっ、はやいな……『いんもらる』一番のサービス巻でいいか」スポッ

ガチャッ

男「ん、どうかしたか?」

友「いやいや……なんでもない。それよりウチさぁ、屋上あんだけど、焼いてかない?」

男「なんでだよ!」




男「それじゃあ、そろそろ帰るよ。ありがとな」ドッドッドッ…

友「おう……気を付けろよ。タヌキ轢かないようにな」

男「マジでな……じゃあな」

ブォォォ…


友「……男、新しいお前に生まれ変わることを期待してるぞ」ニヤ

友妹「……」

友「うぉ……!? い、いつの間に後ろに……?」

友妹「さっきからだよ」

友「あんまり驚かせるなよ……はは、なんだこっそり見送りなんて男にでも気があんのか?」ポンポン

友妹「……何言ってるの」

友「ったく、あいつはタラシだなぁ!」スタスタ…




友妹「ほんと、いつも楽しそうに話して……兄さんには、私以外に何もいらないのに……」ギリッ




友「(聞こえてますがな……ガチメンヘラこわい……なんとか鈍感のフリをしなければ……)」ガクブル…


友「(おかげでガチロリコンのフリをしなきゃいけないし……いやあ、ロリが、許されるのは二次元までだよ……リアルじゃ、普通に同級生とか年上のお姉さんが好きだよ)」


友「(だが…この家を出て一人暮らしをするまでは、うまく、このガチロリコンの皮を被り続け、妹の凶行を未然、または気づかないフリして回避する……!)」


友「(それ以外に、生き残る手段はねえ! サバイバルは始まってるんだ!)」キッ



男「……」ブォォォ……

男「(帰りにみんなのアイスでも買ってったら良かったかな……もう遅いか)」ブォォォ……

ガササッ

男「(げ、タヌキか)」キキッ


女「……た、助かったぁ」グスッ

男「……女さん?」

女「……男くん!?」

男「どうしたの……ボロボロじゃん……それに、その気を失ってる子は?」チラッ

女「……と、とにかく、この子が大変みたいなの! 溶けてしまう前に何とかしてあげて……」

男「え、わ、分かった……」

ブオッォッォッォッ……

「……」クタッ

女「しっかりしてね……」

男「(原付に三人乗りか……犯罪だけど、緊急事態だしセーフということで……頑張れ俺の愛車)」




「……」スゥ…

銀「……霊気が不足していたようじゃな。もう大丈夫じゃろう」

男「そっか、ありがとう……ごめん、勝手に連れて来ちゃって」

きつね「なに、もう少し遅かったら消滅しておった。こうして此奴が存在を続けられるのは、お主のおかげだ」

ねこまた「おねえちゃん褒めたげるにゃー!」ナデナデギュ-!

男「……お、俺は大したことしてないよ。女さんのおかげだよ」

銀「……」チラッ

女「……」オドオド…

コトッ

女「ひっ……!?」

座敷童「……驚かせてごめんなさい……お茶を淹れました……」

女「あ、ありがとうございます……」


座敷童「……お風呂も沸かしましたので……少し落ち着いたら入ってください……」

女「は、はい……」

銀「人の子よ、怪我はもう治ったか」

女「は、はひ……っ」

男「あー、落ち着いて落ち着いて、別にとって食ったりされないから……見るからに無害そうでしょ?」

女「……え、えと」


銀「……ふん」チマッ

きつね「ふむ」チマッ

ねこまた「にゃー」チマッ

座敷童「……」チマッ


女「う、うん……」


ねこまた「にゃふふ、これは油断させるための姿にゃ……正体はとっても恐ろしい人喰い妖怪にゃー」ニャフッフッ…

女「ひぃ……っ」

きつね「やめぬか」ペシッ

男「ねこまた姉ちゃん……」

ねこまた「…もちろん冗談だにゃー」

銀「何故、この村にいる? どうして妖怪を連れておった?」

女「あ、あの……その……!」アワアワ

男「大丈夫、落ち着いて」

女「……ええと、か、家族とケンカして……あの、適当に家を出て歩いてたら、いつの間にか迷っちゃって……ええと、あの女の子が、襲ってきたのかな? と、とにかく、追われてるうちに、あの子がパタっと倒れて……」オドオドビクビク…

座敷童「……この村に迷い込む人間は……少ないながらいますが……」

男「……俺は初めて見たなぁ」

銀「お主が来てからは特に報告はない」


女「……男くんも、やっぱり人じゃないの……?」

男「いや、俺は人間だよ……ね?」

銀「うむ」

きつね「むしろ人でないのは……お主だろう」

女「……」

男「……いやいや、女さんは俺の同級生になる人だよ? 人間に決まってるじゃん」

ねこまた「にゃはっ、でもニオイがするにゃー」

座敷童「……この娘は……混じってますね」

女「……やっぱり、そうなんですか?」

男「……?」


女「家族とケンカした原因が、それなの……急に、あなたは人ならざるものの血を引いてるって言われて……」

男「……」

ねこまた「このニオイは蛇神かにゃ」

きつね「蛇神か……妖怪より神に近い存在だの」

銀「……あの、甲斐性なしのすけこましの子孫か」

ねこまた「にゃはっ、これは昔に痴情のもつれがあったにゃね?」

男「むむ……」

銀「あほう、あんな格下と何かあってたまるか。むしろ、こき使ってやっていたわ」

座敷童「……そうえいば……銀はそうでしたね」

きつね「忘れておったわ」

ねこまた「間抜けにゃからねー」

銀「……儂の話はいいわ、ねこまた、明日、覚えておけ」

ねこまた「にゃっ!?」


女「……」オドオド

銀「今日はもう遅いから泊まってゆくとよい」

きつね「どれ、妾が自宅に連絡を入れようかの」

座敷童「……お布団の準備をしてきます」

ねこまた「一緒にお風呂に入るのにゃー」

女「あ、ありがとうございます……お風呂はちょっと……」

ねこまた「にゃー……じゃあ、また男ちゃんと入るのにゃ!」

男「い、いやいや……」

女「……」

男「ああ、性犯罪者を見るような目はやめて!」



女「どうしてこんなことになったんだろ…」

男「いやあ、災難だったね」

女「……男くんはずっとあの人たちと暮らしてきたの?」

男「そうだよ、みんな育ての親だね」

女「そうなんだ……」

男「……女さんが転校してきたのは、やっぱり、蛇神さまが関係してるの?」

女「……ううん、お父さんとお母さんの離婚して、お母さんに引き取られて、実家に引っ越して来たの」

男「そうだったのか……」

女「そうしたら、今日になって白髪の男の子が家に来て、祖父とか名乗り初めて……お母さんもお祖母さんも同意するし……」

男「あー、確かに混乱するね、それは」

女「ほんとだよっ、しかも、その男の子にいきなり、お尻触られるし! もう、ほんと頭に来た!」

男「ま、まあ仲良くね」

女「無理だよ! もう、ただでさえ、離婚とか転校とか環境が変わって大変なのに、妖怪なんて意味わからないよ!」

男「そ、そうだよなぁ」


女「……ごめん、愚痴っちゃって」

男「いいよいいよ。明日送ってくから……原付二人乗りは法律違反だから、境界までだけど……その後は、うーん、どうしようかな」

女「……多分、歩いて帰れるよ」

男「結構遠いけど……」

女「……何とかなるよ」

男「ん……まあ、明日考えようか、今日は疲れただろうし」

女「……ありがと。優しいね」

男「いや、普通だよ」

女「(……考えてみたら、同い年の男子の家に泊まるって、私史上初のことだよね……わわ……)」ボッ

男「ど、どうかした?」

女「にゃ、にゃんでもにゃいよ!?」


ねこまた「おねえちゃんの真似しにゃいでよー」ニュッ

女「ひゃぁ!?」

男「うぉっ」

ねこまた「にゃー、男ちゃんも同世代の女の子と仲良くする年頃ににゃったんだね……お姉ちゃん、嬉しいけど、寂しいにゃぁ……」

女「……!」ドキドキ…

きつね「若人の逢引を邪魔するのは感心せぬの」

座敷童「……そうですよ」

ねこまた「覗いてたおみゃーたちが言うことじゃにゃいよね」

きつね「覗いてなんかおらぬ」ピュ~♪

座敷童「……私は最初からいました」


ねこまた「……銀はいつまで隠れてるつもりにゃ?」

銀「ぐ……子の成長を見守るのは親の務めじゃろう」

座敷童「……過干渉は……よくないですよ」

銀「……」


女「……」

男「あはは、ごめんね……」

女「ううん……楽しそうな家族だね」

男「ああ」


女「(しかし、みんなちっちゃくて可愛いなぁ)」




ホゥホゥ……

男「(……喉かわいた……水……)」ガバッ

男「(……夜の三時半か)」スタスタ


男「……」ゴクゴク…

コォォ…

男「(……夏でも夜は寒いな)」ゾクゾクッ

ヒュゥゥ……

男「(いや、違う……おかしい)」

ピタッ

男「……っ」

「人間の男……ちょうどいいわ」


男「……目が覚めたんだ? よかったね」

「くすっ……ありがとう……」

男「(寒さで、膝が震えて……立っていられない)」ズルッ……

男「……雪女?」

「ええ、そうよ」

男「(ロリ雪女かぁ……やっぱりお年を召してるのかなぁ)」

雪女「……こんなに美味しそうな精気は初めてよ。ご馳走ね」スゥ…

男「……ええと、多分やめといたほうがいいよ」

雪女「……偉そうな言い方ね。懇願されてもやめないけれど」

男「そういうんじゃなくて……君が危ないと思う」

雪女「何を……」


ジュァァ……

雪女「あ、熱……!?」

きつね「……恩を仇で返すとは礼儀知らずだの」

男「狐ばあちゃん……」

雪女「っ、妖狐がいたのね……」

きつね「せっかく男やお銀に救われたのだ……幸運を粗末にするでない」

雪女「……こんな美味しそうな人間、独り占めなんて狡いわよ」

男「(俺ってそんなに美味しそうなの……そんなに肉はないと思うが……)」

きつね「その子は食物でなく、妾たちの宝物でな……大人しく引き下がれ。魂ごと灰燼に帰されたくないだろう?」


雪女「くすっ、未熟な妖狐一匹が何を偉そうに……」


ギュア……ッッッ!!!


男「(あ、怒ってる……昔、ねこまた姉ちゃんが狐ばあちゃんの油揚げを横取りして食べた時以来だな)」

雪女「…………」パタッ

男「だ、大丈夫……気絶してる」

きつね「……三下はこれだから困るの」


銀「やめんか、狐……無駄に村を混乱させるな」ファ…

ねこまた「村中のみんなが起きちゃったのにゃ……子どもの泣き声がすごいのにゃ」ニャァ…

男「(……なんも聞こえないけど)」


きつね「……文句はその三下雪女に言ってほしいの。妾は再三注意したというに」

銀「……ふむ、男に手を出そうとしたのか。それならこの有象無象が悪い」

ねこまた「どうするにゃ?」

銀「……狐の威に当てられて、もう下手なことはせんじゃろう。放っておけ」

ねこまた「それもそうにゃね」

ジワァ……

男「ん、なんか濡れてる?」

雪女「……」チョロロッ…

男「あ、あー……」

銀「……きつね、ちゃんと後始末しておくんじゃぞ」

ねこまた「にゃはっ、ウチは先に寝てるにゃ」

きつね「む、むう……」



きつね「……この三下雪女め、後でしばいてくれるわ」フキフキ…

男「狐ばあちゃん、たすけてくれてありがとね」キュッキュッ…

きつね「……妾の目が黒いうちは、主を危険な目には遭わせぬ」モファモファ

男「うん……あぁ……癒されるぅ……」


きつね「此奴を着替えさせる故、お主も着替えてくるとよい」

男「うん。少ししたら、戻ってきてその子を運ぶよ」



男「……もういいかな」スタスタ


「ふ……っ…く…っ」

男「……女さん!?」カチッ

座敷童「……男くん」

男「座敷ばあちゃん……どうしたの、その、女さんだよな?」チラッ

蛇娘「ぅぅ……ふ……」ブルブル…

座敷童「……狐の威に充てられて……生存本能が働いたんでしょう……蛇神の血が発現したみたいです」サスサス…

蛇娘「ふぅ……ふぅ……ぅぷ…!」

男「そ、そうなんだ…」

座敷童「……ここは私に任せてください……彼女も取り乱していますから……」

男「あ、ああ……女さんを頼むね」



男「よっと」トサッ

雪女「……」スゥスゥ

男「これで大丈夫だね」

きつね「ふわぁ……少し寝足りんの」

男「でも、空が明るくなってきちゃったし、二度寝するには微妙な時間だね」

きつね「まったく、この雪女め……」

男「……このままで溶けたりしないのかな?」

きつね「……本来、この季節に現れる存在ではないからの」

男「このまま居て大丈夫なの?」

きつね「自然消滅するだろうの……だからこそお主の精気を吸おうとしたのだ」


男「……どうにかしてあげれないか?」

男「(こんな可愛いロリを消滅させるなんてとんでもない! ロリババアかもしれないし!)」

きつね「……冷蔵庫にでも入れておけば良いだろう」

男「割と物理的な解決手段でいいんだ……でも、ちっちゃいとはいえ、冷蔵庫には入らないよ」

座敷童「……スーパーで住み込みで働かせるとか」

きつね「む」

男「座敷ばあちゃん、女さんは……?」

座敷童「……もう落ち着いたようです」

きつね「む……すまぬ。配慮が足りなかったの」

座敷童「……いえ……一番いい手段だったと思います」


男「業務用冷蔵庫に入れてあげればいいのか」



座敷童「……業務用冷蔵庫に当てはありますが……そもそも雪女を家に置くつもりですか」

銀「この猛暑の中、捨て置くわけにもいかんじゃろう」

男「銀ばあちゃん……なんか俺のせいでゴメンね」

銀「……過ぎたことはよい。力を与えたのは儂じゃ」

きつね「だと言うに、片付けは妾にやらせおって……」

座敷童「……まあまあ」



キイッ…


男「……車?」


ザッ



女「(……まだ体が変な感じ……あの変な姿ではなくなったけど……やっぱり私、人間じゃないんだなぁ……)」


女「(……あれ、私の祖父とかいう男の子だ)」


蛇神「この度は、ウチの孫が粗相をしてしまい大変申し訳ありませんでした」ドゲザッ

銀「……?」

座敷童「……狐の威で勘違いしたようですね……ご家族への連絡も狐がしていましたからね……」

きつね「わ、妾は悪くないもん!」

銀「……言っていて恥ずかしくないのか?」

男「(あざとい可愛い……というか、俺のせいで話がややこしいことに……)」

蛇神「どうか許していただきたいのです……九尾さまのお怒りはこの私が代わりとなって承らせていただきます。ですから孫娘は何卒お見逃しください……」フカブカ


きつね「いや、見逃すもなにもの……」

蛇神「……も、もしや、もう既に。 ……ああ、なんという……! 何一つ、愛すことも出来なかった……私は祖父として落第だ……許してくれ……」ワナワナ…

銀「……落ち着け」

蛇神「介錯をお願いいただけますか……私の魂をもって……あなたがたへの償い、そして孫娘への弔いとさせてください」プルプル…

座敷童「……あの……顔を上げてください」

蛇神「……?」フッ

女「……えっと」

蛇神「……!?」

ガバッ

女「わっ……」

蛇神「よかった……!」グス…

女「……心配かけてごめんなさい…………お祖父さん」

蛇神「……!」



ねこまた「一段落したみたいにゃね。雨降って地固まるだにゃ」ノビ-

雪女「あ、あなたたち、一体何ものなの……」

ねこまた「男ちゃんのお姉ちゃんとおばあちゃんたちだにゃぁ」

雪女「……」

ねこまた「しかし、一番先に手を出したのが狐なんて、おみゃーも幸運だにゃ」

雪女「はあ?」

ねこまた「もしも、ウチが一番先にたどり着いてたら――」



スッ


ねこまた「おみゃー、もうバラバラ」ボソッ


雪女「…………」

パッ

ねこまた「にゃーんてね! ……ちぇ、漏らしてにゃいか。狐に負けた気分にゃぁ」トテトテ…


雪女「(……漏らす水があったら漏らしてたわよ)」


雪女「……」パタリ

>>76
座敷童「……セクハラばかりしていると……もぎますよ……?」

>>77
ねこまた「ありがとにゃー」

>>78
銀「も、問題しかないわ! たわけっ!」

>>98
座敷童「……」フイッ


友よ...それはメンヘラではなくヤンデr

わざと転んでノーパン座敷童たんのおまんまんに口づけしたい

読み方がいまいち不明だったようだし、wrs先生かな?
どの子も素晴らしいが、やはり座敷ちゃんが最高にストライクだわぁ

みんなちがってみんないい!

でもやっぱり座敷r

ロリ虚ヌーまみまみ。

wrs先生……座敷……あっ(察し

友はヤンデレ妹さんがいて良かったね。一代なら確立低いから孕ませれるぞ




銀「蔵の掃除をするぞ」

男「あ、暑い……埃くさい……」

ねこまた「つらいにゃー……なんでみゃーが……」

銀「明日覚えておけといったじゃろ」

雪女「あつぃ……と、溶けちゃうわ……もうやだぁ……」グスッ

銀「儂の霊気を分けてやったじゃろう。……さて、日が暮れる前に片すぞ」


男「銀ばあちゃん……なんか巻物から妖怪出てきた……」

銀「む、『本の虫』か……取り憑いたものを活字中毒にする物の怪じゃ」スッ

ジュワ…

雪女「え、えげつないわ……」

ねこまた「男ちゃんに害を与えるかもしれにゃい物の怪は消されて当然にゃ」ニコ

雪女「……」ブルッ

男「ねえちゃん……」

ねこまた「にゃは、お掃除するにゃー」



男「銀ばあちゃん、また妖怪……しかも二匹」

銀「『窮鼠』と『鎌鼬』か……取り憑いたものに脅迫観念を与えて凶暴にする物の怪と、風の刃でものを切る物の怪じゃ」

ねこまた「にゃはっ、猫叉の住処によく住み着こうと思ったにゃ」フシャァ…

窮鼠・鎌鼬「……!!」ピュ--!

雪女「(……窮鼠に猫を噛む余裕くらい与えなさいよ)」

ねこまた「男ちゃんにちょっかい出さない限り、あんにゃ雑魚は相手しにゃいけど!」

男「あはは……」




男「ばあちゃん、懐かしのVHSが出てきた」

ねこまた「にゃは、小ちゃい子はもう知らにゃいかもね」

男「俺も結構ギリギリかな……」

銀「……随分強い呪いじゃな」

男「マジで?」

ねこまた「あれにゃー、見たら一週間後に死んじゃうやつにゃー」

男「マジで!?」

銀「ふむ」スッ

ジュゥゥ…

ォォォォォォオオオオオ!!

ねこまた「呪いで穢れきった魂が出てきたにゃ。男ちゃん、お姉ちゃんの後ろにいるんにゃよ」

男「う、うん」

雪女「……」ヒシッ


オオオォォォオオオオオ……!!

雪女「ひぃ……!」チョロッ

銀「やかましいわ」バチチ…!

ォォォォォォォォ…………

男「さすが銀ばあちゃん」

銀「当然じゃ」

オオオオオ!!

男「って、まだ!?」

ねこまた「こっち来んにゃ」ザシュッ

ォ…………

銀「……思ったよりもしぶとかったか」

ねこまた「ツメが甘いにゃぁ……男ちゃんが危なかったにゃ」

男「あ、ありがとう」



雪女「(あれ、相当凶悪な物の怪だったわよ……)」ジワァ


男「……あー、一旦切り上げようか」チラ

雪女「ぅぅ……」グスッ

銀「……」ハァ

ねこまた「おもらし雪女だにゃ」

雪女「こ、これは雪解け水なんだからぁっ!」ワ-ン…

男「どういうことなの…」



雪女「……男さま」

男「さま!?」

雪女「……うるさいわね、アタシだってあいつらに消されたくないのよ」

男「いや、男でいいよ……」

雪女「そう? まあ、アタシもアンタみたいな若造に下手になんて出たくないわ」

男「(ロリババア発言いただきましたわー)」

雪女「……あと、助けてくれたことは感謝するわ……その……か、片付けてくれたことも……ありがと」プイッ

男「(ツンデレロリババアきましたわー)」

雪女「ところで、マンガとかゲーム貸してよ。以前話に聞いて、興味あったのよ」


男「いいけど、冷蔵庫に持ってく……いや、ここからの持ち出し禁止」

雪女「な、なんでよ!」

男「いや、普通に水気でダメになるから」

雪女「むう……分かったわよ」

男「あと、暑さ対策に、保冷剤になって」ニヤリ

雪女「……?」




ピトッ

雪女「……暑いわ」

男「無理そう?」

雪女「……何とかなるわよ、それよりマンガ! どれが面白いの?」


男「ううむ……どういった作品が読みたい?」

雪女「やっぱり恋物語ね」

男「そうなると……うちには『君に⚪︎け』しかないか」

雪女「早く読ませなさいよ」



きつね「男、妾と大福を……」


雪女「続きは!? 続きはないの!?」

男「……ああ、この前、女さんに貸したんだよね」

雪女「誰よ!? 早く続きが読みたいのに!」


男「君を助けてくれた子だよ」

雪女「……あー」

男「そう急に襲ったらしいな。今度ちゃんと謝りなよ」

雪女「……精気が吸わなきゃ死にかけてたんだから仕方ないじゃない」

男「……いいから、次あったら謝ること!」

雪女「うるさいわね! アンタの精気吸うわよ!」

きつね「ほう?」

雪女「ぁ……」

きつね「妾の目の前でよくそのようなことを口にできたの?」ゴゴゴ…

雪女「ぁにょ……こ、これは……」ガクガク…

男「……まあまあ、彼女なりの冗談なんだよ。な?」

雪女「……!」コクコク

男「(膝の上でもらされるのは流石に……いや、しかしロリババアのだったらご褒美!?)」


きつね「……ふん」ツンッ

男「狐ばあちゃん、どうしてそんな不機嫌なの?」

きつね「……妾の席に先客がいるからの」

雪女「……」チョコンッ

男「(……嫉妬してる? かわいい!)」

男「こっち空いてるよー! ほらー、狐ばあちゃんが座ってくれるの待ってるよー」

きつね「……」フゥ…

ポフッ

男「(なにこれ!? 桃源郷!? ユートピア!? ロリババアが二人も膝の上にいるとか……今なら悟りに到れる)」ジ-ン


雪女「……」ビクビク…

きつね「……」ツ-ン

男「(ああ、かわいい……ロリババアは最高だぜ)」ギュゥ

雪女「……ぅ」

きつね「……♪」ギュッ

男「(腕を抱き返してくるとは……嗚呼……無上……雪さんは嫌がってるからやめよ)」





雪女「おとこー、またマンガ読ませてー……いない?」

雪女「……まあ、いいや。なんか面白そうなのないかなー」キョロキョロ

ガッ

雪女「きゃ!?」コテッ

バササッ

雪女「か、カバンが……ん?」

スッ

雪女「『異世界に転生したと思ったらロリババアから「婿になれ」と迫られ困ってる』……? 長いタイトルね」


ペララッ

雪女「あれ、小説? ところどころ絵はあるけど……なんかえっちぃ絵ばかりね……」

雪女「なんかつまんなそ……」ペラッ

雪女「……ふぅん」ペラッ


雪女「……………………」ペラッ


雪女「……普通に読み切っちゃった」

雪女「(……8ってことは、少なくとも7巻まであるのよね……? どっかにないの……けっこう面白い)」ガサゴソ…

コホッ

雪女「……!」ビクッ

座敷童「……」



雪女「あ、べ、別に悪いことをしていたわけじゃ……」オドオド

座敷童「……一部始終を見ていました……他のも読みたいですか?」

雪女「え、う、うん」

座敷童「……私も持っているから読ませましょう……内緒ですよ」

雪女「ほんと!? ありがと!」

座敷童「……いえ……私も嬉しいです……」

雪女「……?」




銀「……」ム-

座敷童「……どうしました?」

銀「……この前の蛇神の子孫も、雪女もそうじゃが、儂は怖いのか? やけに怯えられる」

座敷童「……格が違いますからね」

銀「じゃが、儂が恐れられるなら、狐も……いや、彼奴も怖がられとったな」

座敷童「……あなたがたを知らないから……その強大さに慄くんですよ」

銀「むう……」

座敷童「……親しみやすい服装でも……してみますか?」

銀「む?」


座敷童「……ちょうど……銀に似合いそうな衣装が完成したのですよ……試してみますか?」

銀「……うむ、お主の繕ったものならば問題ないじゃろう」

座敷童「……やりました」ボソッ

銀「ん?」

座敷童「……何でもありません」




男「座敷ばあちゃん、このベクトルの問題が……」ガラッ

座敷童「……」パシャパシャ  パシャシャシャ

銀「ほ、本当に魂を吸われぬのか?」

座敷童「……ええ……吸われるとしても……銀ほどの存在には何の効果もないかと……こちらのカメラでも撮りますね」ピピッ……ジ-…パシャパシャッ


銀「……それにしても、露出部が多くないか……このような……肌を曝すものは……」

座敷童「……あまりにも自身の体を隠すと……相手に警戒されるものです」

銀「な、なるほどの……」

座敷童「……とてもよく似合っていますよ……私なんかでは着こなせません……」

銀「そ、そうかの……」テレッ



男「そ、その衣装は……『いんもらる』のメインヒロイン、魔導師カロリアの戦闘衣装!」

座敷童「……」ギクッ

男「(あ、やべ……座敷ばあちゃんなら『いんもらる』知っててもおかしくないから変な目で……あれ、でも、あの衣装は座敷ばあちゃんが作ったに違いないよな?)」

座敷童「(……男くんに見つかってしまうとは……バレてはいないようだと思っていたのですが……さすがに気付いてしまいますか……?)」


男「(もしや……)」」

座敷童「(……そうなると……私が書いた官能小説も……芋づる式に……)」サァ…

座敷童「……男くん……どうしましたか?」ニコ

男「あ、うん……数学で分からないところがあって……」

銀「……」モジモジ

座敷童「……見てください……銀が穏やかに見られたいというから……こうして……“たまたま”ネットで見かけた衣装を作ってみたのですが」ニコ

男「あ、うん……とてもエロ……じゃなくて穏やかだね」

銀「そ、そうか?」テレテレ…


座敷童「……しかしやはり普段の銀が一番安心しますね」

銀「おお、そうか……うむ、そうじゃな!」

男「えー……」

座敷童「……銀は和服がよく似合い……羨ましいです」

銀「いや、お主の着物姿も、どれも素晴らしいぞ。うむ、着替えてくる」トテトテ♪



男「えっと……」

座敷童「…………」

男「も、もしかしてだけど座敷ばあちゃんって」

座敷童「(……終わりました……男くんに……幻滅されてしまいました……)」


男「……座敷ばあちゃんも『いんもらる』のファンだったんだね!」

座敷童「……え」

男「……?」

座敷童「……ええ」

男「そっかぁ! ワロス先生の作品、面白いもんね!」

座敷童「……そ、そうですか……あまり詳しくありませんけれど」

男「えぇ……でもコスチュームまで作っちゃうって相当……」

座敷童「……た、たまたまです……ちょうど琴線に触れただけです……」

男「そ、そう……」

座敷童「……それより用事があるんですよね?」


男「あ、そうそう、数学が……」

座敷童「(……九死に一生を得ました……wrsなんて安直なペンネームはやめておくべきでしたね……でも……男くんがファンなんて……)」ニコニコ

男「(わ、座敷ばあちゃんがこんなに楽しそうな表情してるの久しぶりに見た……か、かわいい)」



男「ところで、あとで、さっきの写真ちょうだい」ヒソヒソ

座敷童「……銀には内緒ですよ」ヒソヒソ

男「(やったぜ)」モチロンダヨ



銀「今日は、天井の掃除じゃ」

雪女「はい…」


きつね「草取りだ……しっかり働け」

雪女「は、はい……」トケル…


ねこまた「にゃはっ、近所の子どもたちと草野球するから人数合わせに来るにゃ!」

雪女「は、はいぃ」アチュィ…


座敷童「……雪女なのに暑い中お疲れ様です……パ⚪︎コ……半分個しましょう」スッ

雪女「……!」ブワワ…


雪女「アンタ、座敷童さんはちゃんと敬いなさいよ」ピコピコ…

男「(……座敷ばあちゃんの天使さにやられたな)」モチロンダ




雪女「アイスおいしー♪」キ-ン

男「……どうして雪さんはこんなクソ暑い中、外に出てきたの?」

雪女「……風穴で夏眠していたら、侵入者が来たのよ」

男「ふーん?」

雪女「……それで、蹴り起こされたあげく、外に放り出されたの」

男「(……雪さん、不幸体質なのかもしれん)」ギュッ

雪女「やーめーてー! あーつーいー!」バタバタ…

男「おっと、ごめん」パッ

雪女「……許さないわ! お詫びにホーム⚪︎ンバーもう一本ちょうだい!」

男「いいですとも!」



雪女「おとこー、耳かきしてー」

男「喜んで! あとで俺にもしてよ!?」


ねこまた「最近、男ちゃんは雪女と仲がいいにゃぁ」

座敷童「……親しみやすいのでしょうね」

銀「……む」

きつね「あの、三下……どうやって追い出そうか」

ねこまた「さっさと住処に帰らせるにゃ」

座敷童「……色々と手伝っていただいてますし……もう少し優しくしてあげてください」



きつね「しかし、男を誑かす女狐は放っておけんの」

ねこまた「そうにゃー!」

座敷童「……」

銀「……彼奴の話じゃと、住処を奪われたらしい。しかもこの村のものではないようじゃ」

きつね「それならば、其奴を煤にすればよいのだな?」

ねこまた「そして、強制送還にゃね!」

座敷童「……村外部の妖怪ですか……住居を奪うといった暴挙をしている以上……看過できませんね」

銀「もう自警団には伝えておる。儂らがしゃしゃりで出るべきではないじゃろう」

ねこまた「にゃー、さっさとして欲しいにゃー、男ちゃんが取られちゃうにゃー」

きつね「そんなの許さぬ」ムムム…




天狗「ぐ……」ドサッ

烏天狗「おい、しっかりしろ……!」

「んふふ、もう君だけだよ」

烏天狗「ちっ……奇っ怪な術を使う」

「これくらいは嗜みだよ」

烏天狗「(恐らくは瞳術の類……目を見なければなんとかなる……まずは連絡を差し上げなければ)」スッ

バササッ

「んふふ、合理的だ……でも、ダメだよ」

ガシシッ……

烏天狗「なっ……!?」



天狗「……」ググ…

ゾロゾロ……ガシガシッ

烏天狗「て、天狗……お前らまで!?」

「「「……我らはご主人様の僕」」」

烏天狗「……ッ!」

「んふふ、みんなボクにしっかりとメロメロだね……君もすぐ仲間にしてあげるからね」


ザザ…ッ

「それじゃあ……ボクの可愛い僕たち、ちゃんといつも通り暮らすんだよ?」

「「「はっ……」」」

烏天狗「ご主人様のご随意のままに」

「……んふふ、この村を乗っ取ろうか」


>>128
友「(メンヘラもヤンデレの違いってなんだよ……俺はそういう共依存な関係でなく健全なお付き合いがしたいんだよ! って、口に出して言いたい)」

>>129
座敷童「……そういうのは……困ります……」

>>130
座敷童「……wrsであってますよ……読み方は知りません」フイ

>>131
座敷童「……みなさん……素敵な方ばかりですよ……セクハラはやめてください……」

>>132
座敷童「……勘のいい子は嫌いですよ」

>>133
友「(結婚や育児はなぁ! ちゃんとした準備と環境があって成り立つんだよ! 愛されない子どもがどんなに不幸だと思ってやがる!? って声に出して言いたい……)」

新キャラはサキュバス辺りかな?

インキュバスだろ(歓喜)

これはクオリティ高いな。
応援してます、がんばって!

インテリ座敷童いいでやんす。ちなみにインテリ 座敷童と検索すると面白いことに

宣伝乙

座敷童子ssスレにここの童さんっぽいのが紹介されてる

PC誌のオマケ的な立ち位置で連載してるのも現代に順応してる雰囲気だったな

>>168
ハラデイ

この板で座敷童で検索

男「みんなに同じことをやって、それぞれどう反応するかな!? 比較実験だ!」


男「まずは寝たフリだ!」


銀「男、おるか?」

男「……」グ-

銀「……まったくまた寝腐りおって」ハァ

男「(起きてます)」

銀「……いつも小言ばかり言ってすまぬの。ちゃんと立派になって欲しいと思ってのことじゃが……鬱陶しく思われても仕方ない」ナデナデ

男「……」

銀「……」ハァ

トテトテ……

男「(……分かってるよー、銀ばあちゃんのこと大好きだよー)」



きつね「男、おるかの?」

男「……」グ-

きつね「む、寝てるのか……いくら夏でも風邪を引くぞ」

きつね「妾があっためてやろう」スス…

男「(腕枕添い寝からの尻尾掛け布団! 必殺コンボが決まりました! 勝者!狐ばあちゃん!)」

きつね「……」スゥスゥ

男「(あ、寝ちゃった……俺もほんとに寝よ)」




ねこまた「男ちゃん」

男「……」

ねこまた「起きるにゃ起きるにゃ」ペロペロ…

男「う、うーん……」

ねこまた「起きるにゃ起きるにゃ」カリカリ ペロペロ ペチペチ

男「な、なに……」

ねこまた「にゃはっ、おねーちゃんと遊ぶにゃー!」


男「(ねこまた姉ちゃんはスキンシップが過激! そして、わりと自分本位! だがそこがいい! 最高だぜ!)」



座敷童「……男くん、寝てるんですか」

男「……」ス-

座敷童「……男くん……本当に寝てるんですか……狸寝入りなら悲しいですよ……?」ツンツン

男「(うぐぐ……今の俺の心は修羅だ! 雪女の冷気よりも冷え切っている! 冷えること液体窒素の如し!)」ス-

座敷童「…………」キョロキョロ

男「……?」グ-

チョッ

男「……!?」

座敷童「…………ご、ごめんなさい」トテトテ


ガバッ

男「(……き、きっす!? きっすされちゃったのぉぉぉ!?)」


座敷童「(……やっぱり起きてましたか……指先なのに慌てちゃって……寝てたら悪戯されるんですよ……?)」クスクスッ…




雪女「おとこー、マリ⚪︎ーかスマ⚪︎ラしましょ」

男「……」グ-

雪女「……ちぇ、寝てるのね。それなら適当なマンガ読ませてよねー」

男「(……ごく普通の反応……それならば)」ギュッ

雪女「きゃ!? ちょ、ちょっと!?」

男「ぐーぐー」ギュ-ナデナデギュ

雪女「起きてるんでしょ! やめてよね!」

男「ぐーくかーくんかくんかー! ぐーくかーくんかくんかー!」

雪女「きーもーいー! はーなーしーてー!」ジタバタ…


男「堪能しました!」ボロッ…

雪女「……バカ」グスッ…


男「さあ、次は出会って3秒で合体(ハグ)だ!」



男「発見! 銀ばあちゃん」ギュッ

銀「む……ぅ!? これ! なにをするか!」

男「銀ばあちゃんを抱き締めてる」

銀「……まったく、男児たるものいつまでも甘えてばかりではいけんぞ。人生においては独力で苦難に耐えねばならぬ時がいつの日か必ず来る。そういう時にこそ大きな命運がかかっておるものじゃ。それ故に常日頃から意志堅固にだな……」クドクド…

男「うんうん」ギュ-

銀「ちゃんと聞いておるのか……まったく……」セナカポンポン




男「発見! 狐ばあちゃん」ギュッ

きつね「おやおや、どうしたのだ? 甘えたくなったかの?」

男「うん」ギュゥ

きつね「ふふ、よしよし……愛いやつめ」モファモファ

男「ふぁぁ……」

きつね「ふふ、とことん甘えるのだ」 ナデナデ モフモフ




男「発見! ねこまた姉ちゃん」ギュ…スカッ

ヒラッ

ポフッ

ねこまた「にゃはっ、ジャンプから身体を捻ってあすにゃろ抱きにゃー」ギュ-

男「す、すげえ……でもこれ、ただのおんぶでは?」

ねこまた「にゃっ!?」




男「発見! 座敷ばあちゃん
」ギュッ

座敷童「…………」ギュッ

男「(……ええと、どうしよう)」

座敷童「……」ギュゥ

男「(まあ、いいや、幸せだししばらくこのままでいよう)」ギュ-

座敷童「……」ピトッ ギュ-




男「発見! 雪さん」ギュ

雪女「は、離しなさい!」

男「いやだ! 雪さんの柔らかさとしっとり冷たい肌を堪能するんだ!」

雪女「や、やめてよぉ……」グスッ

男「はっ……!? ご、ごめんなさい!」

雪女「もうっ、暑くて苦しいのよ……やるならせめて冬になってから」

男「うおー! 冬こーい、はやくこーい!」

雪女「あ、べ、別に冬になればしていいってわけじゃ……聞いてないわね……」


男「次は……一緒に遊ぶぞ!」



男「銀ばあちゃん、一緒に遊ぼう! 何したい?」

銀「……珍しいな。それじゃあ碁でも打つか」

男「いいですとも!」

銀「う、うーん、ちょ、ちょっと待つのじゃ。……一手戻してはいけんか?」

男「……もう三回目だよ?」

銀「うぐ……悔しいが儂の敗けじゃ」


男「(銀ばあちゃんは、囲碁や将棋が好きだけど弱い……可愛いよね)」




男「狐ばあちゃん! 一緒に遊ぼう! なにしたい?」

きつね「ふむ、花札でもするかの」


男「カス札ばっかり……」スッ

きつね「……雨四光。妾の勝ちだの」スッ

男「はあ、ひどい引きだった」

きつね「確かに引きも悪いが場の札にばかり目が行きすぎだの」

男「うん……気をつけるよ」


男「(普通に遊んで、普通に惨敗した……)」




男「ねこまた姉ちゃん! 一緒に遊ぼう! 何がしたい?」

ねこまた「にゃにゃ? 男ちゃんから遊びに誘ってくれるなんて嬉しいにゃぁ! それじゃあ……久しぶりにツイスターなゲームをするにゃ!」

男「おお」

ねこまた「にゃは、ちょっぴりエッチな期待をしちゃったかにゃ……? 男ちゃんもそういう年かにゃ?」ニャニャ

男「ま、まさかー!」

ねこまた「にゃふ、それはそれでお姉ちゃん、残念だにゃー」

男「そうやってからかって……」



きつね「何故に妾が審判を……この円盤を回せばよいのだな」

男「お願い」

ねこまた「にゃー」

カララッ

きつね「……男、右手緑だ」

男「ほいほい」ペタッ


・・・

男「ふぐ……ぐひぃ……」プルプル

ねこまた「にゃはっ、降参してもいいんにゃよ?」グニャァ…ン

男「ま、まだまだ……」プルプル

ガラガラ…

きつね「……ねこまた、右足黄色だ」

ねこまた「はいにゃー」ペタン

男「(な、なんて柔軟性……さすが猫…叉)」プルプル…

ガラガラ…

きつね「……男、左手赤だ」

男「ひぃ……」

ねこまた「にゃはっ、身体をこんニャくみたいにすればいいのにゃ」クニャァ…

男「俺に、人間をやめろと!? っ、脇腹つった……っ!?」ピ-ン ドサッ

ねこまた「お姉ちゃんの勝ちにゃね☆」

男「(……猫の柔らかさには勝てなかったよ)」ガクッ



男「座敷ばあちゃん! 一緒に遊ぼう! 何がしたい?」

座敷童「……そうですね……久しぶりにお手玉でもしましょう」

男「あれ、てっきりゲームかと思ったけど」

座敷童「……ハードがアップデート中ですから……玉は四つにしましょうか」

男「本当に軽くって感じだね」

男「(……俺の見たことある限りでは、座敷ばあちゃんは玉8つまでならお手の物だ)」

座敷童「……わらべ歌をかけましょうか」カチカチ

ドゥンドゥン……!

男「うおっ!? ヘビメタ!?」

座敷童「……これはお仕事で承ったリミックスでした……こちらですね」カチッ カチッ

キュキュキュッ……キュンキュン…♪

男「……テクノなわらべ歌だね!? これも座敷ばあちゃんが作ったのかよ!?」スゲェ

座敷童「……たまにはこういうのも悪くないでしょう……」ポンポンポンポン♪


男「(やっぱり座敷ばあちゃんってスゴイ。改めてそう思った)」




男「雪さん! 一緒に遊ぼうよ! 何がしたい?」

雪女「……アンタね、誘うなら、提案くらい用意してきなさいよ」

男「じゃ、じゃあ、バッファローゲーなんでもないです」

雪女「……? まあいいわ、暑いし水遊びでもしましょうか」

男「わーい! 雪さんの水着だわーい!」

雪女「……やっぱりやめようかしら」

男「やーだー! 雪さんの水着姿が見たいんだー!」

雪女「駄々っ子化しないでよっ!? ……もう、分かったわよ!」


男「(押しに弱い雪さん可愛い)」




座敷童「……」カタカタ…

男「座敷ばあちゃんって、ハッキングとかもできそうだよね」

ねこまた「天才クラッカーってやつかにゃ」

座敷童「……むやみに損害を与えるようなことはしませんよ」

男「それもそっか……」

ねこまた「妖怪って迷惑かけてなんぼと思うにゃー……」

男「……まあ、その妖怪によるってことで」

座敷童「……けれど……そういえば……この前に……ハッキングの協力はしましたね」

ねこまた「にゃっ!?」

座敷童「……自動運転の自動車をハッキングして……故意に事故を起こすパフォーマンス動画の作成に……世の中への警鐘として……少し協力させていただきました」

男「ほへー……」

座敷童「……生活を変えるようなわくわくさせるなものは……悪用すれば恐ろしいものにもなりますからね……」

ねこまた「……意識の高い妖怪だにゃぁ」




きつね「見よ、男! 妾が作ったスイカだ!」ドヤッ

男「おお、小玉スイカだ」

銀「スイカが食べ頃か……よい季節になったものじゃ」

きつね「自家栽培ならば大きい品種よりも甘くて美味いのだ……ふふふ、よく実ったな、偉いぞ」ナデナデ

男「な、なんだ……心がモヤモヤする……はっ、これがNTR!?」

雪女「野菜に嫉妬するとか斬新すぎるわよ……」

ねこまた「にゃはっ、食べたいにゃ、早く切るのにゃ」

座敷童「……切ってきますね」

きつね「頼むの」


雪女「美味しい!」

きつね「ふふふ、大地と太陽の恩恵、妾の愛情を受けて育ったのだから当然だの」フリフリ

男「(狐ばあちゃんは農業のこととなると、尻尾に嬉しい感情が出るから可愛いよなぁ……)」

雪女「スイカってこんなに美味しいのね……夏に眠ってるのって損してる気がしてきたわ」

男「そっか、雪さんは夏が初めてなのか」

雪女「そうよ。暑いけど、夜に冷蔵庫とかいう箱に入ってれば、昼間は元気に動けるし……外仕事は無理だけど」

銀「儂の霊気を送り込めば、炎天下でも問題ないぞ」

雪女「……気持ちの問題よ。私は冬山が一番快適なのに、外で畑仕事なんて!」ウゥ…

きつね「妾も基本は早朝と夕刻に作業するがの」

ねこまた「スイカ美味しいにゃー」シャクシャク…

座敷童「……そうですね……狐……ご馳走さまです」シャク…

きつね「まだまだ実っておる。今年は豊作だの」


雪女「最後の一個いただいていいかしら?」

きつね「構わぬが、夜中に粗相をするなよ」

ねこまた「にゃはっ、二回の前科持ちにゃもんね」

雪女「なっ……なっ……!」

座敷童「……スイカに含まれるカリウムなどには……利尿作用がありますからね……寝る前には御手洗に行ったほうがいいですよ」

雪女「あ、そ、そうなの?」

男「(昔、やらかしました……)」

銀「男も昔に、スイカの食べ過ぎで漏らしたことがあったな」

男「い、言わなくていいから! 中学に入る前だからセーフ!」

座敷童「……そういう体質の方もいますし……気にしなくていいと思いますよ」

男「座敷ばあちゃん……」ジ-ン

きつね「ふふ、雪女、三回もしたら、これからは濡れ女に改名だの」

ねこまた「違う妖怪になっちゃうにゃね♪」


雪女「さ、三回もするわけないんだからっ!」キッ




男「……ふわ、あぶねぇ、トイレ……」ガバッ

男「(トイレの夢は焦るな……実際これも夢じゃないかって不安になるし)」スタスタ…


ヒック…グスッ…


男「(……泣き声?)」ヒョコッ

雪女「うぇぇ……」グスッ

座敷童「……大丈夫ですよ」ナデナデ

男「(……ああ、察した)」

雪女「うう、ちゃんと寝る前にお手洗に行ったのにぃ……濡れ女になっちゃう……私、雪女なのに……」ヒック…

銀「彼奴らの冗談に決まっとるじゃろう……」

座敷童「……そうですよ……片付けておきますから……着替えてきてください」

雪女「……ぅぅ、座敷童さん、銀、ありがとう……ありがとう」グスッ

銀「……」フゥ…



座敷童「……洗って干してきます……新しい布団の用意をお願いできますか」

銀「うむ……しかし、儂は呼び捨てか」

座敷童「……あなたの正体に気付いてないんでしょう……あまり自分の居から出たこともなさそうですし……」

銀「……家主は儂なんじゃがな。まあ、よいわ……男、厠に行かなくてよいのか?」

男「……あ、気付いてたんだ? うん、行ってくるよ、おやすみ」

座敷童「……おやすみなさい」

銀「おやすみ」



「「「「「「いただきます」」」」」」

雪女「……」モグモグ…

きつね「そういえば、濡れ――」

雪女「……!」ビクッ

きつね「――煎餅が久々に食べたいの」

雪女「……」ホッ

ねこまた「にゃー、濡れ――」

雪女「……!」ビククッ

ねこまた「――たタオルを巻いた方が今日はよさそうにゃね。今日は暑そうだにゃ」

雪女「……」ホッ

きつね・ねこまた「……」ニヤニヤ

銀・座敷童「……」ハァ…


男「(……やっぱり二人とも昨夜のこと気付いてんだなぁ……雪さんの反応かわいいけど、あまりに酷かったら注意しとこ)」

男「(今日も銀ばあちゃんの味噌汁がうまい)」ズズ……




座敷童「…………」ム-

男「座敷ばあちゃん、どうしたの?」

座敷童「……これです」

男も「狐ばあちゃんのトマト? 美味しいよね!」

座敷童「ええ……ただ……食卓に毎日トマトが並んで……さすがに皆さんも食傷してますよね……」

男「うーん、確かに……あんなに食べたのにまだこんなにあるんだね」

座敷童「……野菜というのはその季節に出来過ぎるので……ちょっと持て余しますね」

男「(熟し過ぎで割れた挙句食べられずに捨てられるトマト……哀愁……)」

座敷童「……様々な料理を試したりもしましたが……そろそろ打ち止めです」

男「(スペイン料理やイタリアンの猛襲はそういうことだったのか……トマトの漬け物も)」

男「ミートソースにするとか?」

座敷童「……いい案ですね……しかし……もうしました」


男「……そうだ! 乾燥させて、後で使うとか!」

座敷童「……良いと思います……しかし……もう充分しました」

男「う、うーん……お裾分けするとか……でもみんなも自分たちで作ってるから要らないのか」

座敷童「……これでも欲しいと思っていそうな人には……もう差し上げてるんです」

男「おおう……いっそのこと販売……するには量が足りないよねぇ」

座敷童「……困りました」

男「狐ばあちゃんのトマトを棄てたくなんかないし……むしろ、もっと多くの人に食べてもらいたいくらいなのに……」

座敷童「……ええ」

男「いっそ、炊き出し……うーん、トマトで炊き出し……?」

座敷童「……販売会のような……?」

男「う、うーん……困った。きっと他のみんなも同じ悩みを抱えてるよね……」

座敷童「……そうでしょうね」



男「はあ……村のみんなで持ち寄って、料理大会でもする?」

座敷童「…………」

男「な、なーんて……」

座敷童「……良いかもしれませんね」

男「え……」

座敷童「……料理講習会や……自家野菜の創作料理コンテストなどを開けば……新しいメニューを知ったり……創作料理を作る過程で……家庭の夏野菜の消費も増えるかもしれません」

男「お、おおう……」

座敷童「……男くん、ありがとうございます……さっそく企画して……銀に上申してきます」



男「(その後開かれた座敷ばあちゃんの企画は好評でした)」




銀「ふんふん……」~♪

男「銀ばあちゃん、やけに上機嫌だな?」

銀「今回の童が企画した催しにあたって、供物が捧げられてな……濁酒、清酒の山じゃ」

男「おお、良かったね」

ねこまた「にゃは、お姉ちゃん、お酒大好きだにゃぁ」

男「(猫にアルコールはダメだぞ!)」

きつね「お主は、マタタビでメロメロになっておれ」

ねこまた「にゃにをー! どうせ狐に酒の旨さなんて分からないにゃね?」

グルル…

フシャ-…

男「まあまあ……」

銀「……小豆洗いの造った濁酒は旨いから楽しみじゃな」

男「(あれ? それって法律に違反……妖怪だからいいか)」

男「(しかし、銀ばあちゃんたちがお酒飲んでる姿って犯罪現場にしか見えないんだよな)」




銀「さて、夜も更けたし晩酌じゃな……そういえば蛇の小倅からも酒を貰っておったんじゃった」

ねこまた「にゃっ、獺⚪︎にゃ!」

座敷童「……⚪︎祭ですか……高級なお酒ですね」

雪女「……これってダサいのかしら? よく分からないけれど」

狐「ダサいでなくて『だっ⚪︎い』だの」

銀「獺⚪︎を知らんとはだっさいヤツじゃ」


「「「「「…………」」」」」


銀「ごほっ、さて飲むか」


男「(ああ、取り繕ってるけど顔が真っ赤だ……銀ばあちゃんの可愛さは留まるところを知らねえぜ)」



ねこまた「ウチはカシオレかカルーアミルクしか飲めないにゃ☆」

きつね「ウィスキーを割らずに一瓶飲み干すヤツが何を言う……」

銀「酒呑童子に呑み勝ったヤツなぞ初めて見たわ……」

雪女「(……酒呑童子って、この村の有力者だったわよね? そんな妖怪に会えるなんてやっぱり結構すごいのね……怒らせると怖いだけはあるわね)」

銀「童もたまには飲むか?」

座敷童「……いえ……私は遠慮しておきます……肴を用意しますね」

きつね「ありがとうの。男も飲むか?」

男「いや、やめとく」

男「(未成年だし……座敷ばあちゃんの料理を運ぶくらいは手伝ってくるか)」




雪女「なにこれ、苦い!? 同じシュワシュワならジンジャエールの方がいいわ」

ねこまた「ビールは一口目が最高に美味しいにゃー」

きつね「炭酸が強いからあまり多くは飲めんの」

銀「雪女は酒も飲んだことないのじゃな」

ねこまた「おこちゃまだにゃー」クスクス

雪女「う、うるさいわね! これでも【ピ-】年は存在してるわよ!」

ねこまた「甘いにゃぁ……ウチなんて【検閲削除】年以上にゃ♪」

きつね「妾は【exponential function】年くらいかの? あまり時間に拘泥する必要もあるまい」

銀「いちいち年で表すとは面倒なことを……儂は【宇宙の 法則が 乱れる!】年はくだらんぞ」

雪女「…………」


雪女「(さすがに冗談よね?)」



男「座敷ばあちゃんのツマミだよー」

座敷童「……まぐろのとろろかけと……きゅうりの浅漬け……トマトのぬか漬け……ゴーヤチャンプル……豚しゃぶの梅肉と辛味噌和えです」

ねこまた「わーい、童さいこーにゃー!」

きつね「うむ、清酒がすすむの」

銀「うまい」

雪女「おいしいわ! さすが座敷童さん!」

座敷童「……満足いただけて幸いです」

ねこまた「美味しいお酒に美味しいおツマミでお姉ちゃん幸せだにゃー」


男「(俺はロリババアをつまみたいです。むしろメインディシュとしていただきたいです)」




ねこまた「男ちゃーん」ガバッ

男「おっと、どうしたの?」

ねこまた「にゃは、呼んでみただけにゃー」

男「なんだよー」

男「(可愛すぎか)」

ねこまた「……にゃ?」ピクッ

男「ん?」

ザシュッ

ねこまた「……」

男「……どうかした?」

ねこまた「にゃー、小虫がいたにゃー、お姉ちゃん虫が怖いにゃー」ギュ-スリスリ

男「いやいやー、田舎で暮らすって虫と同居するようなもんでしょー」


ポトッ




「ボクの使い魔が見破られるなんてね」

「……アレが悪名高い『血化粧の猫夜叉』か。隠遁したと聞いてたけど、まだまだ現役じゃないか」

「勘付かれたろうけど……代わりに相手方の弱点も分かった」

「……んふふ、人間か、随分と脆いものを愛してるんだね」


烏天狗「ご主人様……お食事をお持ちいたしました」

「んふふ、いつもありがと。おや、これは?」

烏天狗「ほたてとししとうのトマト煮です……先日に開かれた行事で教わりまして」

「へえ……おいしいね」パクッ

烏天狗「ありがとうございます……ししとうは自宅で収穫したものです」

「そうなんだ……はあ、いい村だよね、ここ。乗っ取るのやめて普通に住もうかな……」

烏天狗「……」

「……いや! でもボクは知ってるんだからね!」

烏天狗「……?」


「田舎は自然豊かだけど、だからこその自然災害や動物による被害があること!」ビシッ

「土地や空き家は山ほどあるくせに知らない人にはお金を払っても貸したがらないこと!」ビシッ

「お金がかからないとか言いながら、それはあくまでも先祖からの固定資産を持ってる人に限ること! そして都会に比べて安い賃金!」ビシッ

「人が優しいとか言いながら、相互扶助を強要するような排他的な相互監視社会であること!」ビシッ

「公共交通アクセスの欠落! 自動車がないと生活が成り立たない! しかもちょっとした移動も車! 慢性的な運動不足!」ビシッ

「……あと娯楽施設が少ない! なんでパチンコ屋さんばかりなの!?」ビシシッ

「……」ハァハァ…

烏天狗「お疲れ様です」

「……一部この村に関係ないこともあったけど、概ね当てはまってるよね」

「……何より、ここにいた雪女を追い出した以上、ボクは睨まれてるからね……やはり、乗っ取るしか選択肢がないね」

烏天狗「……ご無理はなさらず」

「……え? ああ、うん」

烏天狗「それでは失礼します……あまりゴロゴロしてばかりではいけませんぞ



「なんか操ってる割には自我が強いような……他の僕もそうだけど…………命令のせいかな?」

>>163
「んふふ、どうだろうね?」

>>164
「んふふ、そうだと嬉しいんだ? エッチなお兄さん……」クスッ

>>165
きつね「うむ、感謝するぞ」

>>166
座敷童「……インテリではありませんよ……ただ本気で遊んでるだけです……」

>>167
ねこまた「広告することは大事にゃー! お姉ちゃんの可愛さもどんどん発信しにゃきゃね☆」

>>168
銀「あまり他所様にちょっかいを出したくはないんじゃがの。内輪での盛り上がりは前提の知識が必要じゃ。それを持たぬ者たちには混乱を招くこともある。もちろんそういったことは嬉しいんじゃが物事には……」クドクド…

>>169
座敷童「……そういえば……以前に……そうした雑誌に寄稿したこともありました……」

>>170
ねこまた「ハラディハラディハラディハラディ……にゃはっ、お姉ちゃんの勝ちにゃ! ……にゃ、違うにゃ?」

>>171
銀「……? どこかの石板に何か特別な情報が描かれておるのか?」キョトン

はよはよ

雪女ちゃんのおもらしゴクゴク

座敷童さんのいたずらのチュッがチョッになっててwrs

――今は昔――


おとこ「ねこまたお姉ちゃん! 戦いごっこしよう! 僕が正義のヒーロー!」

ねこまた「にゃは、お姉ちゃんが悪役にゃね。敗けにゃいよっ」


おとこ「水質を汚す『トリハロメタン』は許さない! 正義のヒーロー! 天然水戦隊『ボルヴィック・ガイザー』! 」ビシッ

ねこまた「にゃにゃ、よくも水質汚濁の邪魔をしてくれたにゃ、ボルヴィック・ガイザー! 今日こそ最高幹部『クロロホルム』様が貴様らの水素原子もハロゲンに置換してくれるにゃ!」ニャァッハッハッ‼︎

おとこ「正義は敗けない! 食らえー! 南アルプスキーック!」

ねこまた「にゃにをー! インコレクト・ステラリゼーションにゃ!」

・・・

おとこ「……ぅ」ヤムチャポ-ズ

ねこまた「ご、ごめんね? ちょっとやり過ぎたにゃ……」



おとこ「狐おばあちゃん、戦いごっこしよう! 狐おばあちゃんが悪役!」

きつね「やはり男の子だの……ほら、おいで」スッ

おとこ「自制の心が生み出す合理性!  変  身!  仮面ライダー『アブステイン』参上!」

きつね「くすくす……懲りないなアブステイン……今日こそお主を耽溺させてやろう……」

おとこ「そうはいくか! 享楽怪人『コンコンエロリ』よ、節制の刃を食らえー!」

サッ

きつね「ふふ……妾の快楽の尻尾を味わうがいい……」

モフモフ…

おとこ「ふぁ……か、快楽になんか敗けたりしない!」キッ

きつね「ふふ、素直になるがいい……お主の体は快楽には逆らえぬ……敗けは決まっておるのだぞ?」ツツ-

おとこ「はうぅ……!?」ビクンッ

きつね「……ほら、甘えてみせぬか。そうすればご褒美をあげてもよいぞ?」ボソボソ…

おとこ「ぅぅ……」モジモジ…



モフ…モフ…

おとこ「ふぁ…ふあぁ……まけないぃ……!」ガクガク…

きつね「意地を張るなら、もうモフモフは終わりだの」フフ…

おとこ「!?」

きつね「ふふ……そんな顔をされてもの……どうしてもして欲しいなら、言うことあるだろう」ツィ-…

おとこ「あ、うぅ……」

きつね「くすくす……もっと享楽にふけらせるのも吝かではないがの……お主が嫌がるのならやめようか

パッ…

おとこ「あ……」

きつね「くすくす…名残惜しそうな顔をしてどうしたのだ?」

座敷童たんの割れ目ペロペロ



おとこ「……も」

きつね「うん?」

おとこ「もっとモフモフさせてください」

きつね「ふふ、ようやく素直になったの……良い子には褒美をやろう……たんと甘えるがいい」


モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ……

おとこ「ふぁぁああああああああああっ!!」ビクビクッ…




おとこ「あひ……っ」ピクピク…

きつね「す、すまぬの……ついやり過ぎてしまった……」




おとこ「銀おばあちゃん戦いごっこをしよう!」

銀「……無益な戦いなぞするものでないぞ。暴力とは恐怖じゃ。恐怖は強さなどではない。強さとは優しさなのじゃ。優しさとは他者を思い、自分を愛する心じゃ。儂とて独りではできぬことばかりじゃ、人間ならば尚更じゃ。独りで出来ぬことを力を合わすことで可能にする。それを為すのに優しさが重要なのじゃ。正義の暴力などというものは存在せず……」クドクド…

おとこ「たあ、不意打ち!」


カッッッッ!!

ドサッ

おとこ「……??」ブルブル…

銀「しっかり話を聞かんか……これが恐怖、暴力じゃ。こんなものに頼るのは愚かしいことじゃぞ」

おとこ「……」ブルブル…

銀「ほれほれ、しっかりするんじゃ」サスサス…

おとこ「……ごめんなさい」グスッ…

銀「……分かればよい。儂もちとやり過ぎた……すまぬ」ナデナデ




座敷童「……おや?」

おとこ「……」ショボン…

座敷童「……銀に叱られてしまいましたか?」

おとこ「戦いごっこはダメだって……ねこまたお姉ちゃんと狐おばあちゃんにもコテンパンにやられた……」

座敷童「……銀は争いをとても嫌っていますからね……そして銀はおとこくんのことを大切に思ってるから叱るんです……それは分かってあげてください」ナデナデ

おとこ「……うん」

座敷童「……私になら……おとこくんでも勝てますよ」

おとこ「……やらないよ」フルフル

座敷童「……そうですね……銀にまた怒られてしまいますからね」

おとこ「うん……それに、座敷おばあちゃんは『サムライ・スイーパー』のお姫様にそっくりだもん。お姫様は敵から守らなきゃダメなんだから」

座敷童「……ふふ……ありがとうございます……守ってくださいね……可愛いお侍さん」



――時は今――


友「やっぱり子どもの頃はマンガとかアニメの主人公の技を真似するよな」

男「そうだなー、特撮系が好きでよくやってたな」

友「いやぁ、あの頃は手の平に気を集めればマジでエネルギー弾撃てると思ってたわ……小6くらいまで」

男「それは……さすがにない」

友「お、おう……」

男「……そういえば、友よ。『いんもらる』のカロリアのコスプレ写真を手に入れたんだ」

友「ほう……」

友「(三次元にまで手を出し始めるとは、男、ガチなのか……)」トオイメ…


男「これだ」

友「……うわ、これはすげえな。本当にカロリアそのものじゃねえか。マジで可愛い……カロリアまじカワイイロリババア」

男「な、すごいよな」

友「……こんな再現度の高いコスプレ、ネットに載ってたら『いんもらる』スレに貼られて話題になるはずなのに……どこで見つけたんだ?」

男「……ネットだよ。探せば見つかるさ」ウソダケド

友「そうか……取り敢えずデータくれ」

男「断る! 自分でネットの荒野を彷徨って見つけるんだ!」ナイケド

友「ケチな奴め!」

男「(……本当は誰にも見せたくないけど、友だから見せたんだぜ)」




男「あ、そういえば今度、女さんと勉強会することになったんだよね」

友「うわぁ、転校する前の転校生とデートとかリア充過ぎるだろ……どうしてそんなことになったんだよ」

男「デートじゃないだろ……まあ、色々あってな、最近はちょこちょこ電話するぞ」

友「俺なんか、女子といつ最後に電話したか記憶にもないわ……いや、したことないのか?」

男「俺も女さんが初めてかな?」

友「電話童貞すてやがって……」

男「電話童貞ってなんだよ……それで、どうせなら友も来ないか?」

友「うお、そんなリア充イベントが俺にあっていいのか……!?」

男「女さんにウチの学校の範囲を教えるにも、俺一人じゃ全教科は覚束ないしな」

友「俺はアテにならないと思うが……まあ、いいや。お前の課題を移すチャンスが増えたぜ!」

男「……まあ、いいけど」

いんもらるをバラすぞって脅して座敷童ちゃんにエッチないたずらしたい




男「……ふわぁ、眠い」

友「寝不足か?」

男「昼夜の温暖差があって、いまいち快眠できないんだよな。適温に調節し辛くないか? 」

友「ああ、そうかも。風邪ひかないようにしないとな」

男「そうだな」

友「眠いなら俺のベッドで寝てもいいぞ」

男「やだよ……汚い」

友「失礼な! 干したばかりだぞ! ……母ちゃんが」

男「おう……」

友「あと枕がでかい」

男「なんだそりゃ」




友「(……男も帰ったし、ゴミを片付けるか)」

友妹「兄さん」

友「うおっ!? なんだよー、急に現れるなよー! ドキがムネムネするだろー!」

友妹「……オンナの家に遊びに行くの?」

友「お、聞いてたんか。そうなんだよー、ま、どうせ男の引き立て役だけどなぁ…」

友妹「……やめたら? 兄さんには相応しくないよ。男さんたちの邪魔だよ」

友「えー、でも男の課題移したいしー……そうだ! ついでにロリの素晴らしさを伝導しに行くか! ロリの伝道師ここに在りってな!」

友妹「……」ジトッ

友「いやあ、ロリババアでもそこら辺に落ちてないかなぁ。拾ってクンカクンカしてとことん愛でるのに……」

友妹「……兄さんは本当にどうしようないね」

友「うう、妹が冷たい! やっぱり三次元に救いはないんだ! 俺を救ってくれるのはちょっぴりエッチなボクっ娘ロリババア悪魔だけなんだぁぁああ!ウワ-ン‼︎




友妹「兄さん……どうして私のことを見てくれないの兄さん……こんなに愛してるのに……兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん」ブツブツ…




友「(だから怖えよ……)」

友「(……アイツもしかして盗聴でもしてやがるのか……いや、まさか小学生にそんなこと……)」

友「(とにかく気を抜けねえ…暴走させたら俺だけじゃねえ、他の誰かにも迷惑がかかる……)」

友「(……ふざけた変態馬鹿キャラで、この危うい均衡、上手く維持してやる……!)」

>>207
ねこまた「にゃはっ、速さが足りにゃいよね! しかもここから更に減速するにゃぁ」

>>208
雪女「な、なにやってるのよぉ!? へ、変態!! 変態!! 変態!! 変態ィ!!」

>>209
座敷童「……指先ですからね……そういう音にもなるでしょう……」

>>213
座敷童「……近寄らないでください」

>>220
座敷童「……卑怯な変態さんですね……」

雪女ちゃんは押しに弱そうだから押し倒したい

一回友は友妹のガス抜きのためにデレるべき

>>226
妹乙
デレたら(人生が)おしまいのサバイバルだぜ?

なるようになれ

追いついたぜ
狐ちゃんかわええのうかわええのお

雪女のツンデレかわいい

きつねの尻尾でシコシコしたい




男「……お邪魔します」

友「お邪魔しまーす……」

女「あ、い、いらっしゃい……男くんと、友くん、だよね?」

友「お、おう……女さん、この家の人だったんだ……」

友「(確か町一番のお金持ちの家だよなぁ……ひぇぇ、ブルジョアか……)」

女「う、うん……大きいよね。私も引っ越して初めて来たとき、ビックリした」

「おや、男くんかい」

男「あ、どうも。ご無沙汰してます」

「元気そうで何よりだよ。もっとうちにも顔を出しておくれよ」

男「……はい」

友「……綺麗な人だな……女さんのお母さん……いや、年の離れたお姉さん?」

女「……お祖母さんだよ」

友「お祖母さん!?」

女「私も最初は嘘かと思ったんだけどね……」

男「(女祖母さんは人間らしいけど……やっぱり蛇神さんの影響なのかな?)」

女「……男くんってお祖母さんと知り合いだったの?」

男「ん、ああ……女祖母さんから何も聞いてない?」

女「う、うん……」

男「それなら一応、俺からは言わないよ」

女「……」ムゥ…

男「どうかした?」

女「……ううん、何でもない」ハァ…

友「(……男のやつ、爆発しねえかな)」




雪女「あれ、男?」

男「雪さん!? そういえば、朝どっかに出かけたと思ったら……どうして?」

女「電話がかかってきて、会おうって話になったんだ」

雪女「……アンタがこの前に言ってたでしょ。忘れたの…?」ジト…

男「……ああっ! ちゃんと謝ってお礼を言ったのか、えらいな」ポンポン

雪女「ちょっと! 子ども扱いしないでよね!」

男「ごめんよ」ナデナデ…

雪女「だーかーらー!」ムキ-ッ

女「あはは……」

女「(……というか、私、本当に殺されそうになってたんだね……)」


友「アウトオブ蚊帳だぜ」

雪女「……!?」ササッ

男「……お?」

雪女「……」ヒシッ

友「……怖がられてんのかな」

男「お前、デカいからな」

女「……友くん、本当に大きいよね。何センチ?」

友「今年の身体測定は188だった」

女「た、高いね……やっぱりバスケとかバレーしてたの?」

友「それ、よく言われるけど、してないんだな、これが」

男「高身長の無駄遣いだよな」

友「それもよく言われる」

雪女「……どうして見越し入道がここにいるの?」

友「お、妖怪に詳しいね。兄ちゃんこれでも人間だぜ」

男「いや、こいつは妖怪ロリコンだ。ちっちゃい女の子を見ると浚ってしまうんだ」

雪女「……!」ギュッ

友「人聞き悪いこと言うな!」

友「(俺のは生存戦略としてのファッションロリコンだっての……二次元は好きだけど。ガチはむしろお前だろ……)」

女「……ロ、ロリコンなんだ」

友「ああ、女さん違うんだ! いや、違くないけど、違うんだよ……!」

友「(……まあ、どうせそのうちクラスの女子に言われてバレたんだろうけど……漏らしたのがガチロリコンなのがちょっと腹立つ)」

男「……まあ、友は口だけで、別に何もしないからな」

友「Yes,ロリータ.No,タッチ.これは鉄の掟だ。ロリは眺めて愛でるもの」キリッ

女「…………」

友「(ああ、女さんの視線の温度が氷点下を下回っている……もうこの話題やめたい……)」

雪女「アンタなんかすぐに抱きついてくるじゃない」

男「お、おい……」

友「はああ!?」

女「……男くん」ジト…

友「……男」

男「うわああ、そんな目で見ないでくれぇえええ!」



男「ロリコンではない」

友「まだシラを切るか」

男「(幼女は受け付けない。ロリババアだけだ)」

友「(俺は二次元に限る)」

女「(二人とも、普通にかっこいいのに、ほんとに残念なんだなぁ……クラスの女の子たちの言葉がよく分かったよ)」

雪女「……?」スソツマミ


友「……そんなことより男! 課題を写させてくれ!」

男「お、おう! 好きなだけ写せよ!」

女「……飲み物淹れてくるね」

雪女「ジンジャエールがいいわ」

女「う、うーん、あったかな?」

YesロリータSUGUタッチ!




友「……男、実際、現実の幼女に手を出すのはまずいと思う……俺は親友が社会的に死んだり逮捕されるところは見たくないぞ」

男「あ、安心しろ……合法だから……法の隙間をかいくぐってるから……お前こそ、妹さんに手を出すなよ」

友「出すかアホ」

雪女「あ、『君⚪︎届け」の続きじゃない!」

友「あ、それ好きなのか?」

雪女「……」ササッ

友「お、おう……」

男「雪さん、友も好きなんだよ、それ」

雪女「……そうなの?」ジ-

友「俺が男にアニメを勧めたらハマったんだよな」

男「まあな」

雪女「……ふーん、中々見所があるじゃない」ススッ

友「(ようやく警戒が解かれたか)」



女「ごめん、ジンジャエールはなかったよ……代わりに『スプ⚪︎イト』でいいかな?」

友「あざっす」

男「ありがとう」

雪女「……♪」ペラッ

女「あ、男くん、マンガありがとね。面白かったよ」

男「おう、また借りたいのあったら言ってくれ。友も結構持ってるぞ」

友「偏ってるけどな。それでもいいなら喜んで貸すよ。ちなみにどんなんが好きなの?」

女「うーん……刃⚪︎シリーズとか?」


「「……!?」」



女「……倫理と政経はこっちだとまだやってなかったよ……それ以外は大丈夫なのかな」

友「やっぱり東京の学校って進みが早いのか……どうしてもう数学2Bがもう終わってるんだ……」

男「なあ? もう数3やってるとか教育格差を感じるよ……俺たちはまだ微積分やってない」

女「あ、そうなんだ……一応進学校だったからね。ささっと進んで受験勉強って感じだったかな」

友「俺らが教えることなんかないよ……むしろ俺に数学を教えてくれ……ベクトルってなんだよ……」

男「ベクトルはやったろ……新しい概念だから慣れてないだけだ」

女「有向線分とか唐突にいわれても困るよね……」


男「倫政はプリントでやってるから、これ見ながら教科書を読めばなんとかなると思う」

友「どうせブツ切りで、どこから初めても分かるしな……数学とかの積み重ねよりもずっと楽なもんよ」

女「数学と物理は一度つまずくと辛いよね……私は、漸化式が苦手で……応用は本当に難しいよ」

友「ぜ、ぜんかしき……?」

男「数列の範囲だけど、まあ、学校ではやってないな」

男「(俺は座敷ばあちゃんに教わって、数理は一通りさらっとやったけど)」



友「課題は何とか終わりそうだぜ。男サンキューな」

男「ああ」

女「……倫理と政経のプリント、コピーさせてもらうね」

男「おう」

雪女「おとこー、この続きは?」

男「それが最新刊だよ」

雪女「そっかぁ……」

友「……君、男の親戚?」

雪女「違うわよ。私は……」

男「そ、そういえば友!」

友「な、なんだよ……」

男「え、ええと……」

女「お、お祭り! お祭りがそのうちあるんだよね!?」

友「(……相変わらず男は自分の家のこととか話したがらないな。まあ、それはいいけど、なんで女さんまで慌てるんだ……?)」


友「うちの地元の一番大規模なやつだな。他にはちょっとない祭りだよ」

男「まあ、そうだな」

友「花火も打ち上げるからな……結構豪勢だぜ」

男「花火大会単独でやるにはショボいけどな」

友「花火は金かかるらしいし、しょうがないだろ……」

女「そ、それで……ど、どうせならみんなで行かない?」

女「(うう……男の子を遊びに誘うのなんて初めてだよ……でも早く仲良くなりたいし……)」

雪女「アタシも行きたいわ!」ピョコッ

男「うん、行こう」

友「……女子と祭りに行くなんて、俺、生きててよかった……」ブワッ

男「俺たちモテないからな。しょうがないけど」

友「本当にな! いやぁ、女子とお祭りに行くなんて男の憧れだよ! 一生ないと思ってたのに!」

男「妹さんと毎年行ってるんだろ」

友「いや、妹は勘定に入らないから」


女「……ええと、私でいいのかな。申し訳なくなってきた」

友「なんで!? うちの学年の誰と行くよりも嬉しいけど!?」

女「そ、そう? なんか気を遣わせてごめんね……」

友「(……女さん、めっちゃ良い子だな……ああ、メンヘラ妹がいなけりゃなぁ……いや、どっちしろどうせ男のことが好きになってるか、既に気があるみたいだし)」

男「(祭りか……どうせならばあちゃんたちと行きたいけど、外の行事は中々難しいんだよなぁ……特に座敷ばあちゃんは外出できないし……)」

女「そ、それじゃあ一緒に行こうね!」

友「おう!」

雪女「お祭りかぁ、綿アメっていうのを食べるんでしょ? 楽しみね」

男「(それだけじゃないんだけど……当日驚く顔が楽しみだな)」

【トータル500レス程度で終わる予定】
ねこまた「にゃは、きっとそれくらいがちょうどいいにゃ」

>>225
雪女「や、やめてよね! ヘンタイっ!」

>>226
友「(普段から優しい兄貴でいるからセーフ……であると良いんだけどなぁ……)」

>>227
友「(家が落ち着かないって、マジで逃げ場がない感じがして地獄だぜ……)」

>>228
友「(それが自然の摂理でも……っ! 俺は抗ってみせる……ッッ!)」

>>229
きつね「ふふ、お主はよく分かっとるの……良い子はナデナデしてやろう」

>>230
雪女「べ、べつにアナタに、可愛いって、言われたって嬉しくなんか……っ」プイッ

>>231
きつね「ふふ、妾なしでは生きられぬカラダになっても良いのか?」フリフリ…

>>238
友「(おいおい、その後に『Go to プリズン』が抜けてるZO☆)」

>>245
500レス?またまたぁ500スレの間違いでしょ続き待ってます

ロリババア達と男の出会い編と初期のロリババア達のバトル編はまだ?

友が悪堕ちしそう

座敷童たんにエッチないたずら編まだー?

このおばあちゃん達閉経してなさそう

500レス?俺はそういう冗談は嫌いだぜ

こういう系のSSは貴重だからネタが続く限りパートスレみたいな感じで続いてほしいな

500で序段が終わるんだろ?

>>250
閉経どころか生理始まってないぞ

いんもらるを書いたwrs先生の真髄は皆で幸せにラヴラヴエッチしたいってことなんだな

どうにかして友妹の好感度を倍にして俺に向けさせたい

いんもらるを書いたwrs先生の意図は、ロリババア共と結婚しても何らおかしくない世にしようとしている?

???:後のロリBBA共の為に…!

更新来なくて寂しい

ねこまた姉ちゃんが狐ばあちゃんの揚げ物取ってガチギレした過去編はよ

男「雪さん、人間の前で妖怪なんてバラしちゃダメだぞ」

雪女「そんなこと言うわけないでしょ……アンタ、アタシを何だと思ってるのよ」

男「押しに弱いツンデレロリバ…ちっちゃくて可愛い大人の女性」キリッ

雪女「ふ、ふん……」プィ

男「あと膀胱が緩い」

雪女「う、うるさいわねっ!」

男「まあ、基本的に女性の方が男性よりも膀胱が短いから、しょうがないよ! 女性の方が膀胱炎になりやすいから、我慢しないのはいいことだよ!」

雪女「掘り下げなくていいわよっ!」

男「ちゃんとおトイレに行くようにね! どうせなら俺を使ってもらっても一向に構わない!」

雪女「き、きもちわるっ…」

男「さあ、ハリーハリー!」ズイズイッ


雪女「……もうやだぁっ」グスッ


男「ああ、ゴメン! 泣かないで! 冗談! 半分は冗談だから!」




男「そういえば精気を吸うって具体的にどんな風にするの!?」ワクワク…

雪女「普通に搾り出すだけよ」

男「な、ナニを……?」ワクテカ

雪女「だから精気だってば」

男「だからどうやって?」ワクワク

雪女「……? だから普通に絞り出すのよ」

男「普通って?」ワクワク

雪女「だから普通は普通よ。何を期待してるの?」

男「ナニをだよ!」

雪女「…………よく分からないけど、不快だから、もうアタシの視界に入らないでくれる?」

男「雪さんが冷たい! 物理的にも精神的にも冷たい! さすが雪女! 最高!」

雪女「……アンタは人間のくせにアタシの心を冷やし過ぎよ」

膀胱が短いんじゃなくて尿道じゃ・・・


銀「……」

男「ぎ、銀ばあちゃん……どうしたのその格好」

銀「着物を全て洗ったのでな……座敷童が作った服を借りたんじゃ」

男「なにそれかわいい! 白のフリルのついたワンピース!? あざとい! あざとすぎるよ! でも可愛い! 可愛すぎるよ! 銀髪と白い肌! もう純白! 純白すぎて! 天国に来たのかと思ったよ! 天使!? 銀ばあちゃんは天使だったんだね!? ああ、俺の天使だよ、銀ばあちゃんは! もう俺の語彙力では表現できない! だってらこの世のものを超えているよ! 美しさ、可愛さを超越しちゃってるよぉ! その境界線の先を人類は見てはいけないんだよ! でも見てしまった! ここに見てしまったんだよ! ああ、俺はどうすればいい! このロリババアの美しさ、可愛さ、そしてあざとさから出る妖艶さ! ああ! 正義! 圧倒的正義っ!! 正しさ? いやそんな基準では足りない! ロリババア! ロリババアは真理なんだぁあああああああ!!」

銀「お、おい、正気を失ったか……?」

男「俺は触れていいのか!? 真理に触れていいのか!? 五体が全て持っていかれようと構いはしない! でも真理を汚してしまわないのか! 銀ばあちゃんの美しさが損なわれたらこの世界は終わりだ! 終わりなんだよ! だが! 世界が終わってでも、なしたいことがあるんだ! ロリババア! ロリババアなんだよ! 宇宙はロリババアと共にあったんだ! 俺は宇宙に帰るんだ! 宇宙よ、ロリババアよ、この胸に在れ! 俺がすべきこと、決まっている! 決まっているんだぁぁあああ!!」ルパンダ-イブ‼︎

銀「なんなんじゃ」ヒョイッ

男「はがっ……」ズザザ…

銀「まったく……あまり怪我するようなことはいかんぞ」ポンポン




男「ああ……もう俺はこの尻尾がないと生きていけない……」モフモフ

きつね「そうだの。一家にひとり狐おばあちゃんだ」

男「やだぁ! 狐ばあちゃんは俺だけの狐ばあちゃんなんだぁ!」

きつね「ふふ、もちろんそうだの……ほれほれお主の狐ばあちゃんだぞ」モファモファ ナデナデ…

男「うぁぁぁあああ……」トロン…

きつね「愛いやつめ、愛いやつめ」ギュゥ…ナデナデ…モフモフモフモフ…

男「ああああぁぁああああ……!!」ビクビク…

男「(あまりの心地よさに意識がチカチカしてきた……天国…いや、地獄……天国)」チカチカ…

きつね「ほれほれ、もっとしてやろう」モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ……

男「~~~~~っ」←悲鳴とも歓声ともつかない叫び

男「あぁ……」ポケ-

きつね「ふふ、惚けているの」

雪女「……な、何してるの?」

きつね「“すきんしっぷ”というやつだ」

雪女「……男が廃人になってない?」

男「コレハ人類ニハ早スギタ」

きつね「男は妾の尻尾がないと生きていけない身体だから仕方ないのだ」

雪女「えぇ……」

きつね「ふふ、妾は機嫌がいい……お主も今ならば特別に触ってもよいぞ?」

雪女「なんか怖いから遠慮しておくわ……」

男「君モ新シイ世界ニ行コウ」ガシッ

雪女「やっちょっと……」

きつね「どれ、せっかくだし、“さーびす”してやろう」ブファ…

男「尻尾ガ増エルヨ! ヤッタネ、雪サン!」

雪女「ちょっ、やめ……きゃあああああぁぁぁぁ…………!!」



男「はっ、意識がヘブンにとんでいた!」


きつね「……まったく、なんてやつだ」

男「ど、どうしたの?」

きつね「雪女を尻尾で可愛がってやったらこのザマだ……」ビチョ

雪女「」ジワァ

男「……あまりの快感に失禁してしまいましたか」

男「(むしろ潮吹き……?)」

きつね「はあ、片付けて風呂に入って、服を洗わんとな」

男「手伝うよー」

男「(やはり狐ばあちゃんの尻尾は人類には早過ぎたのだ)」




ねこまた「男ちゃん、釣りに行くのにゃー!」ニャ-‼︎

男「んん……まだ外が暗いよ……」

ねこまた「釣りは朝が勝負にゃの! さあ、行くにゃー!」

男「ぅぅ…ちょっと待ってよ……」zzz

ねこまた「だめにゃー、起きるにゃ、起きるにゃ」ペロペロ

男「うひっ……」ビクッ

ねこまた「にゃは、起きないともっと酷い目に遭うけどいいのかにゃー?」

男「(むしろご褒美ですが……)」


男「お、起きます……」




ねこまた「にゃー!」ズババ…‼︎

イワナ’s<グワァァァ…‼︎

男「……」


ねこまた「……たくさん釣れたにゃー!」

男「ああ、うん……釣り?」

男「(釣りというか、ヒグマがやってる狩りみたいだ)」

ねこまた「そろそろ、日が高くなっちゃったし帰ろうにゃ」

男「うん」

ねこまた「男ちゃんは釣れたかにゃ?」

男「まあ、ちょっとはね……それよりブユ対策に長袖長ズボン、長靴下だから死ぬほど暑いよ……」

ねこまた「にゃはっ、さすが男ちゃん。ブユは噛まれると痛いらしいし、痕も残るらしいから気を付けにゃいとね!」



ガサゴソ

ねこまた「にゃにゃ?」

男「げ、クマかな…」


山姫「あらぁ、ねこまたさんに、男くんじゃありませんかぁ?」

ねこまた「にゃは、山姫ちゃんにゃ。おはようにゃー」

男「おはようございます」

山姫「おはようございますぅ。てっきり、クマかと思っちゃいましたぁ」

ねこまた「にゃは、ウチたちでした☆」

男「(やってることはクマそっくり、だったけども)」

山姫「せっかくですし、良ければ私の家でお茶でも飲んでいきませんかぁ」

ねこまた「にゃ、ありがたく頂くにゃ!」

男「いいんですか、ありがとうございます」



山姫「あまり大したものが出せなくてごめんなさいね~」

男「いえいえ」

男「(山姫さん、ふわふわした雰囲気のおっとり美人系お姉さんだよなぁ……そして、おっぱいが大きい)」ボケ-

ねこまた「男ちゃん」ズイィッ

男「うおっ、な、なに? 近いよ……」ビクッ

ねこまた「男ちゃんの視線が、山姫ちゃんを見るいやらしかったにゃー」ジト-

男「(ああ、ねこまた姉ちゃんのその視線、興奮する!)」

山姫「ふふ……男くんも、もうそういうお年頃ですかぁ?」

男「いやはや……不快でしたらすみません」

男「(ロリババアが好きでも、やっぱりおっぱいには目がいってしまうもの、なんたっておっぱいだからね、おっぱいの半分は優しさでできている)」

ねこまた「にゃー! そっちに目を向けちゃダメにゃー!」ボフン

男「うおっ!?」

男「(ねこまた姉ちゃんのちっぱい、通称ねこっぱいが、俺の顔に……!!)」


山姫「うふふ、仲睦まじいんですね~」

ねこまた「とーぜんにゃ!」フンス

男「(エルドラドはここにあったんだ……)」

ねこまた「山暇ちゃんも男ちゃんに色目を、使っちゃダメにゃー」

山姫「そんなつもりはありませんよぉ、私の好みは人間なら11歳までですからぁ」

男「!?」

ねこまた「そういえばそうだったにゃー」

山姫「だから、あんなに可愛かった男くんに会わせてくれなかったじゃないですかぁ」

ねこまた「手を出すって分かってて、会わせるバカはいないにゃ」

山姫「別に手は出しませんよ~、おくちでパクッてするだけです……どっちのとは言いませんけれど~」

男「お、おう……」

男「(女の人の下ネタって生々しくて苦手な童貞です……友よお前ならきっと分かってくれるだろう……)」



山姫「そういえば最近、自警団の皆さん、集っている頻度が高いですね~」

ねこまた「そうにゃの? 村で特に揉めゴトがあるとは聞いてないにゃ」

山姫「あらぁ、そうなんですかぁ、てっきり事件でもあったのかと思いましたぁ」

ねこまた「……強いて言えば、雪女の事案……でも解決したし……むむ!」

男「どうかした?」

ねこまた「どうして、まだ雪女はまだ居座ってるにゃ!? さっさと、寝ぐらへ帰らせるにゃ!」

男「ねこまた姉ちゃん、雪さんはちゃんと家のお手伝いもしてるし、そんなに無理に追い出そうとしなくてもいいじゃん。あまり、意地悪しないであげてよ」

ねこまた「うう……だってぇ、雪女が来てから男ちゃんがお姉ちゃんに構ってくれなくなったにゃぁ……お姉ちゃん寂しいのにゃぁ!」ガバッ

男「うわっぷ……」

ねこまた「もっと男ちゃんと遊びたいのにゃー!」

男「…もちろんだよ! 全身全霊でねこまた姉ちゃんに付き合うぜ!」

ねこまた「にゃー♪」スリスリ…

山姫「あらあらうふふ……」


男「しかし自警団ね……」

ねこまた「男ちゃんをイジメてたクソガキも入ってるんにゃよね」

男「うん……特に烏天狗からのが酷かったな……あいつ昔からケンカっ早いし、何かと些細な言いがかりをつけて文句言ってくるからな……」

山姫「あら~、あの礼儀正しくて可愛い烏天狗ちゃんにもそんな頃があったんですね~」

男「ええー、あの男勝りで粗暴ですぐに暴力を振るってくるクソゴリラ女が……?」

ねこまた「そうにゃそうにゃ」ニヤニヤ

山姫「(あ~、なんか察しちゃったわぁ)」

山姫「最近は会ってないのかしらぁ?」

男「会うたびに人間の学校に通ってることについて文句言うわ、終いには見たこともない俺の親友を悪く言うわで、数ヶ月前、『もう二度と俺に関わるな』、と言ってからは会ってないですね」

ねこまた「にゃはー、烏天狗ちゃんは酷い娘なのにゃ」ニャフフ…

山姫「(それで、ここ最近、ずっと落ち込んでる感じだったのね~)」

山姫「素直になれないだけなのかもしれませんよ~」

ねこまた「山姫ちゃん余計なことは言わなくていいにゃ」

山姫「え~、でも全く報われないのも可哀想ですしぃ」

ねこまた「理由はどうあれ、ウチの可愛い男ちゃんを痛めつけたヤツなんて大嫌いにゃ」




山姫「それでは、またいつでもいらしてくださいね~」

男「はい、ありがとうございました」

ねこまた「ばいばいにゃー」フリフリ

山姫「あ、そうだぁ、男くぅん…耳貸してくださぁい」

男「あ、はい」スッ

山姫「男くんならぁ、ちっちゃくなくても可愛いがってあげますからね~」ポソポソ…

男「!!??」

山姫「さようなら~」フリフリ

ねこまた「にゃあっ! 聴こえてるにゃぁ! 泥棒猫は絶対許さにゃいからね!」

山姫「あらあらぁ」フフ…

男「……」ドキドキ




「バラされたくなければ……分かるよな」
男は幼き肢体を舐め回すように、見ながら下卑た笑みを浮かべた。
幾年も過ぎてなお、未成熟なままの身体……その不自然さが、男の嗜虐心を煽る。
「……最低です」
普段は落ち着き払った少女の声は毅然としていたが、しかし確かな恐怖が含まれていた。
男は手を伸ばして、少女の白く、やや紅のはいった頬に触る。
少女の表情と身体が強張った……これから自身に起こる出来事を想像したのだろう。
「くく、その威勢がどれだけ保つか楽しみだ」
男は頬、耳、髪の毛と少女の身体をゆっくりとした手つきで撫でる。
その静かな陵辱の始まりに、平然に努める少女の顔に明らかな曇りが走る。
「おいおい、まだ何も始まってないぜ……」
男の声は仄暗い歓喜に満ちていた。
この美しき少女の姿をした異形を自分の望むままに陵辱できる……その事実は男の怒張を更に堅く張らせた。
男「ほら、これがお前を悦ばせるんだよ。想像してみろよ」
男は自身の堅くなった下腹部を少女の柔らかく小さい手に握らせた。
少女の顔に不快と恐怖が顕れる。屹立した男の“もの”が、押し付けられた少女の手を強く押し返し、時たま不規則に跳ねている。
男は少女の表情に満足そうな笑みを浮かべ、鎖骨をなぞり、着物の中に手を――――


座敷童「…………」カタカタ…  ピタッ

座敷童「(……やはり自分をモデルにすると精彩を欠きますね)」

座敷童「(……これはボツですね……書いてて何も楽しくありません)」カチカチッ

男「座敷ばあちゃん、ゲームしない?」

座敷童「……男くん……いいですね」


男「……うぐぐ、そりゃ!」カチカチッ

座敷童「……甘いですよ」カカカッ

K.O!

男「ま、敗けた……相当手加減されてたはずなのに、敗けた……」ガク

座敷童「……やり込んでますから……あまり気を落とさないでください」

男「うん……ところでさ」

座敷童「……はい?」

男「なんか近くない?」

座敷童「…………いつもこれくらいでは?」ピトトッ

男「う、うん……? ゲームする時はもっと離れてる気が……やり辛くないの

座敷童「…………気のせいですよ」ピトトッ

男「そうかな。まあ、いいけどね」

男「(座敷ばあちゃん可愛いし! くっついたら良い匂いと柔らかい触り心地で気持ちいいし! もう最高だね!)」


座敷童「……」ポフッ

男「お、おお……?」

座敷童「……ちょっと眠くなりました」

男「そういうことね! それなら僕の肩なり膝なり好きに使ってよ!」ワクワク

座敷童「……お言葉に甘えさせてもらいます」モゾモゾ

男「(く、くすぐったいっ)」

座敷童「……これはとても安心しますね」ギュッ

男「そ、そう……」

男「(手繋ぎながら膝枕ってなんだよ! 胸のときめきがノンストップトレインだよ!)」

座敷童「……」ニギニギ

男「(座敷ばあちゃんが指を絡めてくる……幸せ過ぎて死ねそう)」フハァ

座敷童「……」ニコニコ



ジ-ジ-…

男「……なーんで、こんな暑い中チャリ漕いで80km先の海を目指してるんだか……」

友「青春だよ青春。青春は非生産的な物事に全力で汗を流さなきゃ始まんないんだよ……お前はまだ性能かいいけど、俺なんてママチャリだぜ……青春ポイント高いぜ」

男「なんて暑苦しい青春論だ……基準もよく分からんし、実際暑い」

友「お前だって最初はわりとノリ気だったろ」

男「……そりゃ、俺が行かなくてもお前は突っ走るからな。そんで『一人で寂しいようえーん』って後から電話で泣きつかれるよりは付き合ったほうがマシなだけだ」

友「けけ、可愛いやつ……ひぃ、この坂はキツイなぁ……絶対に地元で心臓破りの坂とか名付けられてるぜ」

男「世の中にはどれだけ心臓破りの坂があるんだか」

友「心臓破れすぎだよなぁ」

男「……」

友「……」

男「帰りてぇ……」

友「こ、ここまで来たら最後まで行こうぜ」



友「潮の香りがしはじめた……もう近いぞ」

男「生臭いな……」

友「んな情緒の欠片もない……」

男「まあ、あと少しなら頑張るか」

友「おう! ふへへ、青春だなぁ……」

男「……そうかもな」

友「……帰りのこと考えると鬱だなぁ」

男「お前が言うな」

友「……ま、後のことは後で考えよーぜ」ニカッ

男「……まったく」ニッ


ザアアアァ……

友「……海だ」ハァハァ…

男「海だなぁ」フゥ-

友「よっしゃー! 着いたぜー! やっほー! どうする!? 泳いじゃう!?」

男「こんな絶壁の下にどうやって行くんだよ……波が荒れ狂ってるぞ」

友「……」ショボン

男「……まあ、風が気持ちいいし、眺めがいいから別にいいだろ」

友「……へへへ」バンバン

男「……いてぇよ」


友「しっかし、変わった地形だよなぁ……10年以上前、一夜にして地形が一変したっていうけど本当なんかな?」

男「……ははは」

友「一時期テレビで放送されたこともあったよな……今でもちょこちょこ観光客がいるらしいし」

男「…………」

~~~~~

きつね「ふふふ……」

銀「にやけ顏しおってどうしたんじゃ」

きつね「ふふふ、聞きたい? 聞きたいか? 仕方がないの……」

座敷童「……本当に上機嫌ですね」

きつね「ふふふ、なんとな、全国にいる眷属の一人から最高級の油揚げが届いたのだ」

銀「……ああ、そうか」

きつね「ふふ、食べたいか? 残念だがやれぬの」フッフッフ…

座敷童「……狐は本当に油揚げが好きですね」

きつね「まあの……しかも今回は最高級の油揚げなのだ……まず材料と素材が違う。なんといっても水……味の決め手となるコレには名高い霊峰の名水が使われていてな……もちろん大豆や菜種油、“にがり”さえもも質、産地にこだわり抜いてだの……」ベラベラ…

おとこ「わあ、すごいんだね!」

きつね「う、うぐ、い、いくら男でも、うむむ……しかし可愛い男のためならば半分、いやしかし、最高級……うぐぅ……ひ、一口ならば愛しい男に分けてやろう」

銀「しみったれたヤツじゃな」

座敷童「……男くんに、一口しか揚げないなんて……本当に油揚げが心底好きなんですね」



おとこ「いらないよー、きつねばあちゃんがおいしそうに食べてるのを見るほうがすきだもん!」

きつね「男ぉ……愛しておる、愛しておるぞ」ギュウ…スリスリ…

おとこ「わわ、へへ……」

銀「それほどまでの一品なら食べてみたいものじゃな」

座敷童「……そうですね」

きつね「すまぬがお主たちに食べさせることはできんの……この一品は妾たちの間でも伝説の味と称されていてな、表面はサクサクッ、カリカリッとして心地よい食感、そして噛むほどに溢れ出す気品ある菜種油と大豆の味わい……」

ねこまた「香ばしくて美味しいにゃー」パリパリッ

きつね「そう、香ばしくて美味しいのだ…………えっ」

ねこまた「……♪」サクサクッ

きつね「お、お主……な、何を食べているのだ」

ねこまた「油揚げにゃー、狐が随分大事そうにしまっていただけあって美味しいにゃー」ムシャムシャ

きつね「お、おま……」

ゴクン

ねこまた「……ごちそう様にゃ!」


銀「……ねこまた、他人の食べ物を横取りするのはやめんか」

座敷童「……食べ物の恨みは馬鹿にできないですよ」

ねこまた「にゃは、気を付けるにゃ」

きつね「…………」プルプル…

おとこ「き、狐おばあちゃん……」

ねこまた「にゃは、油揚げくらいで、そんな怖い顏しないでほしいにゃ」

プチンッ

ゴワァァァアアアア……!!

おとこ「わわっ……ゆれてる?」

座敷童「……狐……気持ちは分かりますが落ち着いてください……」

きつね「『禍ノ焔』」ブボォォ…‼︎

ねこまた「にゃにゃ、止まって見えるにゃ」ササッ

銀「家を灰にするつもりか……『鳴神』」バチチ…

シュウゥ…


きつね「……場所を変えれば問題あるまい……『転移法陣』」ヒュンッ

ねこまた「にゃ!?」ヒュンッ


銀「……相変わらず結界に関しては狐の右に出るものはおらんな……しかし、くだらん争いをしおって……」

座敷童「……大丈夫でしょうか」

おとこ「狐おばあちゃん、こわかった……」ブルブル…

銀「……まあ、場所を移すほどには理性があるし、大事には至らんじゃろ」ナデナデ

座敷童「……しかし……本気を出すために……外に行ったんですよ……?」ナデナデ

銀「…………」

おとこ「だ、大丈夫なのかな?」

銀「彼奴らは……少し離れた海岸か……一応他に被害が出ぬか見守ってくる……一度暴れ出したら、満足するまで止めるのは、儂でも難しいんじゃ」

座敷童「……お願いします」


~~~~~



友「すげえ巨大な割れ目……まるで爪痕みたいだよな」

男「(ねこまた姉ちゃんの爪痕なんだよなぁ)」

友「こっちなんて、まるで岩が溶岩みたいに、ドロドロになった跡があるぜ……火山もないのになぁ」

男「(狐ばあちゃんの狐火なんだよなぁ)」

友「しかも近所の住民の話だと、プラズマもあったとか……さすがに眉唾だけど」

男「(銀ばあちゃんの力なんだよなぁ)」

友「やっぱりこの世にはUMAが本当に存在するんかな!」

男「(UMAじゃなくて可愛いロリババアなんだよなぁ)」

友「帰るか……」

男「また80km……はあ」

友「帰り道は、本当につらみしか感じねえ……つらみよりもバブみを感じたいぜ」

男「分かる、おぎゃりたい」

>>246
銀「それはお主が為すのじゃ」

>>247
銀「そう逸るでない、急いてはことを仕損じるぞ。物事には決まった順序というものがあり、これはあらゆることに言えるのじゃ。例えば……」クドクド…

>>248
友「(へっ、いっそ悪堕ちできたらどんなに楽なことか……)」

>>249
座敷童「……無いですよ」

>>250
きつね「ふふ、気になるか? ……秘密だ」クスッ

>>251
ねこまた「君が冗談を現実にすればいいにゃ☆」

>>252
きつね「担い手はお主だの」

>>253
座敷童「……プルーストでも読めばいいと思います……もしくはあなた自身が紡ぎましょう」

>>254
雪女「なに言ってるのよ! ヘンタイ! ヘンタイ!」

>>255
座敷童「……さすがに曲解ですね」

>>256
友「(俺もそうなってもらいたい)」

>>257
座敷童「……フィクションなら……それくらい良いじゃないですか……」フイッ

>>258
座敷童「……」フイッ

>>259
きつね「可哀想にの……ほれ撫でてやろう」

>>260
銀「彼奴ら、好き勝手しすぎなんじゃ……」

>>263
男「セクハラされてる雪さんの可愛い姿に夢中で、言い間違えたよ!」


ねこまた流石にそれはあかんよ…

烏天狗は好きな子虐めちゃうような女の子なのかww

次スレはまだかの?楽しみにしておくとしよう

生理始まってないとか中田しし放題じゃん!閃いたっ!

次回お淑やかになった鳥天狗ちゃんが!とか無いかー

やっと追いついた
みんなかわいいよ

>>293
しかも妖怪とヤっちゃうと不老になるらしいぜ!(女の祖母みたいに)こりゃヤるしかねぇ!

おっとsage

男から真面目な求婚されたら断れない座敷童たち

座敷童子たんが一番断れないのかな

銀たそは最初こそ断るものの押し通されたら即落ちしそう

銀の元だけわからんな
なんの神様なんだろ?

千にして一なる者。

以下は森瀬繚の『図解 クトゥルフ神話』による。
ヨグ=ソトースは時空の制限を一切受けない最強の神性にして、「外なる神」の副王とされる。
時間と空間の法則を超越しており、全ての時と共に存在し、あらゆる空間に接しているという。
「ひとつにして全てのもの」「全てにしてひとつのもの」ともいう。
過去・現在・未来はヨグ=ソトースの中で一つであり、全存在(「外なる神」や旧支配者すらも)がヨグ=ソトースに含まれている。
ヨグ=ソトースこそが全情報を最大漏らさず記録している「アカシャ年代記」ともいわれる。
この神は一つの概念であると同時に、手で触れられない「ヨグ=ソトースという現象」でもある。


ひえっ

いあ!いあ!

はすたあ!

雪女ちゃんの潮を啜りたい

ところでこのババア共は全員猫耳尻尾装備なん?

ヨグ=ソトースって何回見てもヨーグルトソースと見間違える

>>303
つまり銀おばあちゃんハーレムを構築できると…?




ムスコ,シンデ‼︎
ヒィィ‼︎ クソオヤジノカクシゴニ,コロサレル…‼︎

きつね「……面白い番組はないのか?」ピッ

イモウトチャンノコト,モウシンジラレナイヨ…
ゴメン…ゴメンナサイ…

ねこまた「いちいち湿っぽいのにゃ」ピッ

銀「NHKでいいじゃろ……替えてくれ」

男「うん……そういえば、今日の夜、友だちや雪さんと祭に行くけど、みんなは?」

ねこまた「にゃ、雪女も男ちゃんと行くにゃ!?」

雪女「ふふん、綿あめを食べてくるわ! 羨ましいでしょ!」

きつね「分かっておらぬの……祭りの醍醐味はりんご飴だ。あんず飴も悪くないの」

雪女「そ、そんなものまであるの……!?」

ねこまた「にゃにゃ、祭りといったら金魚すくいにゃ。テキ屋を泣かせるまで乱獲するのが通だにゃぁ……水風船もいいにゃね」

雪女「……っ!」ゴクッ

男「(雪さんは素直で可愛いなぁ!)」


座敷童「……」

雪女「座敷童さんは祭りをどんな風に楽しむの?」ワクワク

座敷童「……私は外出できませんから……あまり祭りには詳しくありませんね」

雪女「……ぅ」シマッタ…

座敷童「……気にしないでください……ネットではたまに祭りを起こしてますね」

「「「……?」」」


銀「まったく、浮かれおって……」

きつね「そういうお主が、一番、楽しみにしておるくせにの」クックッ…

銀「……なんのことじゃ」フイッ

ねこまた「とぼけても無駄にゃー、毎年こっそり、出かけて楽しんでるの、バレバレにゃ」

銀「ぅ……ふん、まあ、チョコバナナは悪くないぞ」

男「(銀ばあちゃんは可愛いなぁ!)」

可愛いなぁ!


きつね「今年はどうするかの」

ねこまた「ウチたちもたまには一緒に行くにゃ?」

銀「じゃが、童だけ留守番にするのもな……」

座敷童「……そういう妖怪ですからお気になさらず……それにお仕事の締切が近いですから……専念したいです」

ねこまた「大変だにゃー……」

男「どうせなら、ばあちゃんたちも一緒にいく? ……女さんも多分文句はないだろうし」

男「(友にどう言い訳しよう……あ、そもそも銀ばあちゃんのカロリアのコスプレ見せたから無理か)」

男「ごめん、やっぱり何でもない」

雪女「女もきっと男と二人きりが良かったんじゃないのー? ……なーんて」

「「「「……」」」」

雪女「(な、なんか静まりかえっちゃった……)」


銀「(……蛇神の子孫と、いつの間にか、そこまで関係が発展していたのか。……このままいくと、安産守りの準備も必要じゃろうか。……しかし、男もついにそういう年頃になったのか。……あの娘はほとんど人間である上、儂らとの縁もあるんじゃから、喜ばしいことじゃ……喜ばしい……喜ばしい……ううむ……喜ばしいはずなんじゃ……)」モヤモヤ…


きつね「(……妾が初めに手を出すのは男の為にやめておいたが、もう少しでそうした配慮も必要なくなるか……なに、手解きしておけば、二人のためになるだろう……少し愉しんでも罰はあるまい)」クスッ…


ねこまた「(にゃー、もう少しで遠慮する必要もなくなるにゃー。他の三人への義理を立てるために、男ちゃんの初めてをやすやすと渡すのは口惜しいケド、すぐにお姉ちゃんのことしか目に入らないようにしてあげるにゃー、男ちゃん楽しみに待ってるにゃ)」ニャフ-


座敷童「(……あの娘が男くんの伴侶になるのでしょうか…………祝福するべきですよね……人外の私では……男くんと寄り添うことは……できませんから……しかし……やはり……)」グッ


雪女「(……な、なんか緊張感が漂ってるわね)」

男「今日もきゅうりの漬け物が美味しい。さすが銀ばあちゃんときつねばあちゃん」シャクシャクッ

雪女「アンタはだいたい泰然自若としてるわね……」

男「そんなことないよ! いつだって雪さんの可愛さにドギマギしてるよ!」

雪女「なんなのよ!」




女「(……今更だけど、クラスに馴染みたいなら、男の子よりも女の子と出かけるべきだよね)」

女「(でも、女子校で男の子と関わる機会がゼロだったんだから、積極的に関わっていくくらいがちょうどいいのかも)」

女「(……浴衣、着ようかなぁ。気合い入り過ぎって引かれちゃうかなぁ……)」

女「(で、でも男くんが『可愛い』とか『似合ってる』とか言ってくれるかも……)」カァ…

女「(いやいや待ってよ私! 男くんのこと、す、好きなわけじゃない……はず……きっと久しぶりに話した男の子だから舞い上がって勘違いしてるだけ……かも)」ブンブン…

蛇神「さっきから表情をコロコロ変えてどうしたんだ?」サワサワ

女「ひゃぁ!?」ビクッ

蛇神「女祖母さん譲りのいいお尻だ。安産型だな」

女「もうっ……! セクハラしないでよ!」

蛇神「目の前に好みなお尻があったら触りたくなる。そういうものだ」ウムウム

女祖母「おい、白髪チビジジイ」ガシッ

蛇神「ヒェ……ッ」

女祖母「いつも言ってること、忘れたのか? あん?」ググ…

蛇神「え、えー、なんだったか……両ほっぺ握りるのやめてくれ……」ムニ-


女祖母「私以外の女に手出すんじゃねぇって何回言った? ああん、数えてみろよ」

蛇神「そ、それは……無限可算回くらいだったか? ま、孫なら問題ないだろ! 家族の仲だぞ!」

女祖母「ああん? そんな論理が通じるわけないだろうが」

女「(お祖母さん……お祖父さんに、だけ口調や態度が全く違うんだよねぇ……それだけ深い仲なんだろうけど……)」コワイ…

女祖母「これはあれだな、下半身が悪いんだろ? 昨日もアレだけ搾ってやったのに……」

蛇神「い、いや、それとこれは別……」アタフタ

女「(うわぁ……聞きたくない……私のいないところでやってくれないかな……)」

女祖母「満足させてあげられていない妻の不徳だな? そうだろ?」

蛇神「そ、そんなことはない! だから、離してくれー!」

女祖母「いーや、仕方ないから蛇の長い交尾に付き合ってやる」

蛇神「いつも私が根負けしてるのにー!」

女祖母「それでも足りないんだろ?他の女なんて見るだけで嫌になるくらい徹底的にいくぞ」ズルズル…

蛇神「ひぃぃ……女、助けてく……手をフリフリするんじゃない……やっぱり孫娘かわいぃぃぃぃ…………」ズリズリズリ…


女「あの二人の血が私にも流れてるのかぁ……なんだかなぁ」



友「(女の子と祭り!生涯の素敵な記憶になること間違いなしのリア充イベントだぜ!)」

友「(ワックス久しぶりに付けるか、服装も気を遣わんと……隣を歩いて恥ずかしいなんて思われた日には腹を切らねばいけんぞ)」

友「(……女さん浴衣着てくるのかなぁ……絶対に似合うよなぁ……はあ……)」

友妹「兄さん」

兄「!!」ビクッ

友妹「……何をそんなに浮かれているの?」

友「あ、いや……今日の祭りが楽しみだなぁ……って!」

友「(……妹がいる以上、女さんと深く関わっちゃダメだ。誰も幸せにならない……俺一人のささやかなエゴで誰かを不幸にするなんて許されない)」

友妹「……そ、そう。私も楽しみだよ」ボソボソ…

友「え?」

友妹「……? 今年も一緒に花火見ようね」

友「(……あ、やべ。いつも妹と祭りに行ってるんだった……浮かれ過ぎだぞ、俺)」


友「あ、実はな……」

友妹「まさか、私以外と祭りに行くとか言わないよね」ニコ

友「…………」

友妹「……兄さん? まさか、そうなの? もしかして私以外のオンナとなの?」ジィッ

友「(どうやったら、そんな感情を全て喪った瞳ができるんだ? 怖いよ? 一瞬でも気を抜いたらお腹に刃物が刺さってそうだよ?)」

友「い、いやー、男と……」

友妹「……男さんがいなくなれば、私と一緒に行ってくれるの?」ジィッ

友「おいおいー! 怖いちょっと冗談はやめろよー!」

友妹「……冗談だと思ってるんだ」ボソッ

友「(やばい、やばいやばいやばい……少しでも処理をミスればバッドエンドオーバーランだ。俺は爆弾処理のプロ、俺は爆弾処理のプロなんだ)」

友「(考えろ……どうすれば最適反応になるんだ……)」

友「(はぐらかす→追求されてBAD。逆ギレ→BAD。正直に言う→BAD。嘘を言う→バレたら惨劇。あえて妹に告白→ 論外)」

友妹「兄さん……どうして黙ってるの? 兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん兄さん」ユラッ


友「……妹、助けてくれ!」

友妹「兄さん?」

友「いやぁ、友だちと行くことになったんだけどさぁ、引き立て役なんだよ……くっつきそうな二人の当て馬ですよ」

友「(当たらずも遠からず…… このままなにも言わせずに畳み掛ける!)」

友「だから、妹! 俺と一緒に来てくれない? あいつらも同意してくれるだろうしさ!」

友妹「兄さん……」

友「(よっし、完璧! 完璧な着地だ! 女さんと男には伝えておけば問題ない……)」

友妹「でもさっきは、祭りが楽しみって言ってたよね?」

友「(ぐ……俺ほど単純じゃないか)」

友「ほら、自分でそう言わないと尚更虚しいだろ? でもお前が俺と来てくれるなら、強がる必要もないからな!」

友妹「そ、そっか……可哀想だから付き合ってあげる」

友「優しい妹を持って俺は幸せだー!」

友「(……神回避! 圧倒的神回避だぜ!)」

友妹「……でも、他のオンナと一緒にいようとしたことは許さない」ボソッ

友「……」ゾゾ…




男「……何の用だよ」

烏天狗「ふん……相変わらず腑抜けた面だな」

男「……薪割りしてたところを邪魔した挙句、そんなことを言いに来たのか? 俺に関わるなと言ったろうが」

烏天狗「……今日の祭りに行くな」

男「……はあ? なんでお前にそんなこと指図されなければいけないんだよ」

烏天狗「……いいから私の言う通りにしろ」

男「イヤだね」

烏天狗「……お前は昔から生意気だな」

男「用事はそれだけかよ? さっさと目の前から消えてくれないか?」

烏天狗「…………」

男「俺はお前が大嫌いなんだよ。さっさと失せろ、しっしっ」

烏天狗「……泣き虫が随分と強気になったものだな」

男「お前は相変わらずだな……人間なんて下等な存在が村にいるのがいやなんだろ」フン

烏天狗「……私は」

男「……?」

烏天狗「……ふん、さっさとこの村から出て行け。お前がこの村にいるせいで、未だに長様たちの決心がつかないのだぞ」

男「……」

烏天狗「人間と共にいたいんだろう。ふん、くだらん俗物同士でつるんでいればいい」

男「けっ……」

烏天狗「お前なんかの友人になる奴もたかが知れているしな」

男「ふざけんな」ガシッ

烏天狗「……っ」

男「前も言ったけどなぁ、俺のことは好き勝手言えよ……でも俺の親友と、ばあちゃんたちのことを悪く言うのは絶対に許さねえ」ググ…

烏天狗「は、離せ!」ドゴッ

男「うぐっ……」

烏天狗「……」バササッ…


ねこまた「にゃにゃ!? 男ちゃんどうしたにゃ!?」

男「……烏天狗に腹パンされた……あのクソ澄まし顔ゴリラ女め……」イテェ…

ねこまた「……ウチの男ちゃんにいつも暴力を振るって……お姉ちゃん、いい加減ガマンの限界にゃ」フゥ…




山姫「ふんふ~ん、すもももももも~もものうち~すもももももも~私が食べちゃうわぁ~」~♪

山姫「山の~美味しい果物は~私のものよ~」~♪

山姫「可愛い~男の子も~私が食べちゃうわぁ~」~♪

山姫「……あらぁ、あれは……」


烏天狗「……」ドヨヨン…←体育座り


山姫「……烏天狗ちゃん、落ち込んでどうかしましたぁ~」

山姫「(きっとぉ、男くんのことよねぇ~)」

烏天狗「……山姫殿。いえ、別になにも……」ドンヨリ…

山姫「(これはぁ、重症ね~)」

山姫「話したら楽になるかもしれませんよぉ~」

烏天狗「…………」

~~~~


男「何の用だよ」

烏天狗「(……会いに来たものの、どうすればいい。先ずは前回のことを謝るべきか。いや、その前に挨拶……待て、青空だし、天気の話から入るべきか……いやしかし、男は本題に入りたがっているのか……しかし、最初からそれでは味気がない、きっとすぐに切り上げられてしまう……円滑な会話、円滑な会話)」グルグル…

烏天狗「ふん……相変わらず腑抜けた面だな」

烏天狗「(おい、どうしてそうなる)」

男「……薪割りしてたところを邪魔した挙句、そんなことを言いに来たのか? 俺に関わるなと言ったろうが」

烏天狗「(……当然の反応だが、うぐ、泣くな。平静を保て。会いに来た挙句、急に泣き出すなぞ頭が狂ったと思われる。落ち着け、落ち着け、なんだ、何を言えばいい……謝る……いや、さっきの発言の後、急に謝ったら不自然だ……用事をまず伝えるべきか、うむ、それがいい……らうあえば……どこから伝えればいいんだ……ううむ……)」グルグル…

烏天狗「……今日の祭りに行くな」

男「……はあ? なんでお前にそんなこと指図されなければいけないんだよ」

烏天狗「(それはそうだ。伝えなければ……いや、しかし詳しいことは言えない……どうすればいいんだ……どうすれば……取り敢えず、説得することが大事だろう……うむ)」グルグル…

烏天狗「……いいから私の言う通りにしろ」

烏天狗「(どうして、そう高圧的な言い方をしてしまうのだ私は……阿呆か)」

男「イヤだね」

烏天狗「(……どうする。このままではいけぬ。話題を変えるべきだ……しかも説得につながるような話題で挽回を図らねば……しかし、何を言えば…………昔の話か? 幼馴染であることを思い出させれば、少しは説得力が出るのか?)」グルグル…

烏天狗「……お前は昔から生意気だな」

烏天狗「(あ、最低だな、私)」

男「用事はそれだけかよ? さっさと目の前から消えてくれないか?」

烏天狗「…………」

烏天狗「(泣くな……取り乱しては男にも迷惑がかかる……私は泣いていい立場ではないぞ……平静を保て……感情を殺せ……)」ジワァ…

男「俺はお前が大嫌いなんだよ。さっさと失せろ、しっしっ」

烏天狗「(……知っている。嫌われて当然だ……しかし……傷つくものは傷つく。……だが、男に今までしてきたことを考えれば、当然だ……泣くな……泣くな……平静を装え……何か言わないと、勘付かれる……それは駄目だ……声が震えないように気をつけねば……ううむ……)」ジワァ…

烏天狗「……泣き虫が随分と強気になったものだな」

烏天狗「(声は震えなかったが、これはない)」

男「お前は相変わらずだな……人間なんて下等な存在が村にいるのがいやなんだろ」フン

烏天狗「(確かに人間は嫌いだ。早く関わりを断ちたいと思う。しかし……)」

烏天狗「……私は」


男「……?」

烏天狗「(……危ない。私を何を言おうとした……この勢いで言ってはいけない……しかし、私は人間が嫌いでも、お前のことは決して……言えるわけがない……ああ、もう、何も言葉が出てこない……私は何て駄目な奴だ……とにかく、男が言葉を待っている……何か言わなければ……謝らなけばいけないし、どうすればいいんだ、どうすれば……)」グルグル…

烏天狗「……ふん、さっさとこの村から出て行け。お前がこの村にいるせいで、未だに長様たちの決心がつかないのだぞ」

烏天狗「(……コレはもう取り返しがつかないな)」

男「……」

烏天狗「(……そんな顔しないでくれ。私は最低だ私は最低だ私は最低だ私は最低だ最低最低最低最低最低……)」グルグル……プツンッ

烏天狗「人間と共にいたいんだろう。ふん、くだらん俗物同士でつるんでいればいい」ヤケクソ

男「けっ……」

烏天狗「(男、私はお前が好きだ……でも、お前はきっと私を好きになってくれない……でも、こうして悪態をつけば)」

烏天狗「お前なんかの友人になる奴もたかが知れているしな」ヤケクソ

男「ふざけんな」ガシッ

烏天狗「……っ」

烏天狗「(……男が私のことを見てくれている……私に触れてくれている……怒りの視線でも、今は私のことだけ見ているんだ……胸倉でも、今は私にだけ触れてくれている……ああ、嬉しい……嬉しい……嬉しいのに、どこまでも苦しい……泣くな……泣くな……っ)」プルプル…


男「前も言ったけどなぁ、俺のことは好き勝手言えよ……でも俺の親友と、ばあちゃんたちのことを悪く言うのは絶対に許さねえ」ググ…

烏天狗「(……お前は、昔から自分のことより自分の大切なもののために怒る……そんなお前を、私は好きになったのだ……好きだ、男。好きだ……でも、これ以上、見られたら、さすがに涙がバレる……もう、どう取り繕っても次は声が絶対に震える……駄目だ……それは駄目だ……)」

烏天狗「は、離せ!」ドゴッ

男「うぐっ……」

烏天狗「(ああ、また……もう死にたい)」

烏天狗「……」バササッ

烏天狗「(どうして私はこんなに不器用なのだ……)」

~~~~


山姫「お姉さんに話す気になったぁ?」

烏天狗「……特に何もないですよ」ズゥゥゥゥン……

山姫「(さっきよりも落ち込んじゃったわぁ……)」

山姫「……落ち込んでたらぁ、せっかくの可愛いお顔が台無しよぉ」

烏天狗「私は可愛くなぞ……うぅ……」ブワワッ…

山姫「あらあらぁ……よしよし……」ナデナデ…




「今日が祭りだね」

天狗「ええ」

「あの人間くんも祭りに行く……んふふ、決戦の日だね」

天狗「……」

「みんな、ボクのために頑張ってね」

天狗「はっ!」ザッ

「「「ご主人さまのために尽くします」」」ザッ

烏天狗「……」ザッ


「(……瞳術が効いてるか不安だったけど、特に問題はないみたいだね)」

「(んふふ、ボクも頑張らないとね!)」フンス


「「「…………」」」


>>290
ねこまた「でも美味しかったにゃあ……鰹節の方が美味しいけどねっ」

>>291
烏天狗「……ふん」

>>292
友「(次スレとかいうもんは誰かが書かない限り)ないです」

>>293
雪女「そのまま氷漬けにしてあげてもいいのよ?」

>>294
烏天狗「……私は基本的に貞淑だ」

>>295
ねこまた「ありがとうにゃー。でもお姉ちゃんが一番だにゃ☆」ニャフ-ン

>>296
女「あはは……見てる感じ、お祖母さんの場合は別の要因もありそう……」

>>297
友「ははは、ハゲちゃうわ! ん、違うって……そりゃハゲじゃないからな!」

>>298
座敷童「…………」フイッ

>>299
座敷童「……そんな日は……来ませんよ……」

>>300
銀「そ、そもそも前提がおかしいじゃろう!」

>>301
銀「ほほう、儂のことが気になるか。ふむ、どこから話すか。まずはじゃな……悠久の微睡みからの目覚めがあり……」クドクド…

>>302
銀「な、なんじゃ……?」

>>303
銀「な、なんじゃそれ……こ、怖くなんてないぞ!」ブルブル…

>>304
ねこまた「んにゃ! んにゃ!」

>>305
ねこまた「うにゃにゃー! これで宇宙人と交信できるにゃね! ……違うにゃ?」

>>306
雪女「変態ばかりでいやぁ……」グスッ

>>307
きつね「妾にはもっと素晴らしいものが備わっているぞ」モフモフ… ピコピコ…

>>308
男「僕はばあちゃんたちにヨーグルトソースを食べさせたい! 別に深い意味はないよ! 本当だよ!」

>>309
銀「……そうなのか?」キョトン

>>312
銀「な、何をいっておるんじゃ……」

烏天狗は一回デレたら乙女になりそうww

お願いだから友妹を下さい、御姉様方は催眠術とかご都合な術とかあるんでしょ?

うにゃうにゃうにゃうにゃうにゃうにゃうに
はー、かわええのう

ばあさんや、エロはまだかのお?

素直になれない幼馴染かわいいよ

幼馴染もロリババァなのかね

烏天狗は文々くらいの背格好で想像してるけど、駄目なん?

少なくともロリではなさそう

男の童貞争奪杯したら平和になるんだろうな
もちろん最初は山姫さんに優しくで

男が皆を平等に孕ませるって宣言したら平和になりそう

ヨーグルトソースさんが本気出せば、あらゆる可能性の男を量産して皆ハッピーな結末を迎えられそう

ロリババアって連チャンで書くとババロアに空目してなにこれこわい。

???『情けねぇぞ天狗のエース!俺に手本を見せてみろ!』

ロリババアのおっぱいババロア

うん…ロリでたゆたゆでふにふにでぷるぷる。

ウッ… ふぅう~…!

男が死んだらババア共は世界を破滅させるのか?

『ロリ』ババァな

あれから1週間。

セガは倒れたままなのか(湯川)。

更新まだかな
雪女ちゃんは貰っておくねペロペロ

雪女ちゃんの聖水でお茶沸かして美味しく頂きたい

ここはHENTAIのおおいいんたーねっつでつね。

沸かすなんて勿体無い
黄金水は直のみに限る

黄金水じゃなくて雪解け水なんだよなぁ

つまり雪女ちゃんのおしっこは無味無臭…ゴクゴクいけちゃう

きつねとねこまたは尻尾あるから毎回下半身は何も履いていないって事だよね?
ちょっと双眼鏡持って出かけてくるww

その後、>>355の姿を見たものは、誰もいなかった

何故か皆着物着てるイメージ

男が精通した時って誰がいろいろ教えたんだろ?
やっぱりむっつりの…

銀おばあちゃんだろ

男がおちんちんスリスリしてる時このおばあちゃん達は邪魔しないようにしてるんだろうが、わざと突っ込んでいったりしたのだろうか?

ねこまたは突っ込んでくだろうな
wrs先生とお狐様は理解がありそうだし、知らんふりをしてくれるはず
ヨーグルトソースさんは知らんふりをしようとして失敗、双方微妙に気まずくなる展開が見える

ヨーグルトソースさん…
ペロペロ

男達が住む家は和式便所のイメージ
俺が便器になりたい

流石に食糞趣味はないわー

雪女たその雪解け水ならいくらでも飲めるけどね

それなんてカニバリズム

お前ら暴走しすぎだろwww
と言うわけで雪女、結婚しよう

雪女との結婚は氷漬け(恐らく自意識はない)になるが宜しいか?

全くどうでもいい事だが俺の出身地では童はわらすみたいな音で複数形になるとわらしゃんどになるお。

70年代から時が止まってるような場所ってまだあんのかね

シベリア




ガヤガヤ…

女「(わあ、すごい人……あ、友くんだ。大きいからすぐに分かるなぁ)」


男「祭囃子を聞くと祭って感じだよな」

友「そうなー」

友妹「……」キュッ

友「(……こいつが人前で服の裾を摘む時は、結構なりふり構ってない状態だ。気を付けないと)」

雪女「…あ、女!」ブンブン

女「こんばんは…」

友「(き、きたー! 浴衣だ! かわいいいやったー!)」

友妹「……」ジィ…

友「(っと、顔に出してはいけない。そもそも女さんの方をあまり見てはいけない)」

女「ええと……」チラッ

友「あ、俺の妹だよ」

女「たしか小学生じゃ……」

友妹「はい、そうです」

女「(わぁ…大人っぽい……綺麗だし、浴衣も似合ってるなぁ。あはは…なんだか友くんの妹ちゃんの引き立て役になっちゃったな……)」

友「(むむっ、女さんを褒めろとガイアが俺に囁いている。……だが、今の俺には無理だ! ここは、男! お前しかいない! 頼むぞ!)」キッ

男「さあ、綿あめを食べに行こうか、雪さん! 金魚の柄の浴衣もよく似合ってるよ、超かわいい!」

雪「それ、さっきも聞いたわ」

友「(まあ、男はそう言うやつだよな、知ってた。ここまでのロリコンだとは思ってなかったが。犯罪、ダメ。絶対)」

友「女さん、浴衣似合ってるな! すげえ可愛いよ」ニッ

女「……あ、う、うん……ありがとう……」カァァ…

友妹「……」ブツブツ…

友「(まあ、こうなるよね!)」

友「よし、そろそろ屋台でも行こうぜ!」ギュッ

友妹「ぁ……」

友「はぐれたら大変だろ?」

友妹「……うん」ニコ


男「相変わらずシスコンだなぁ」

友「うるせえ!」

友「(ほんとこの鈍感野郎め。お前はラノベの主人公かよ)」

男「でも確かにはぐれたら大変だぞ、雪さん!」スッ

雪女「……そうね。女、手を繋ぎましょ。アナタがはぐれないようにしないとね」ギュッ

女「へっ? あ、うん」ギュッ

男「ありゃ……」

男「(これはこれで可愛いものが見れたから満足です……別に泣いてなんかないよ?)」



男「今年もすごい人だかりだな」

友「なー、こんな田舎にこれだけの人がいたのかって感じだよ。出店も結構多いし」

女「変わった祭りだよね。仮装して参加する祭りなんて。ハロウィンみたい」

友「妖怪に紛れることで、病気や災いを避けるだか何とかかんとか。小学校のよく分からん授業科目の一環で調べたけど詳しくは忘れたな」

友妹「私も今調べてます。この祭りで行われる神楽はそこにいる神さまをまつる舞踊なんだそうです」スッ

雪女「あ、村の主さま」

女「わあ、大きい! すごいね!」

男「(実際はロリババアなんだけどな)」


友「そろそろ仮装しますか。俺は付け角」チョコン

友妹「私は鬼の面を横につけます」カパッ

男「般若面か」

友「似合いすぎ」

友妹「……」

友「(口に出してしまった)」


女「わ、私は蛇の鱗みたいな、め、メイク……」

友妹「……すごいですね。本当の鱗みたいです」

女「あは、あはは……」ヒクッ

女「(まあ、本物なんだけどね……お祖母さんが、これで行けって言うから来たけど……大丈夫なのかなぁ)」

雪女「綺麗な鱗よね」

女「あ、ありがとう」

友妹「他にも本格的な仮装をしてる人も見かけますね」

友「めちゃくちゃリアルな着ぐるみ着てる奴とかな! 小さい頃は本物かと思った!」

男「(多分、本物なんだよなぁ。結構な妖怪が紛れてるし、そもそもこの祭りは、元々は妖怪と人間が共に楽しむために始まったそうだってんだから)」

友「男の仮装は?」

男「今年は狐のお面だ。頭の横に付けて、と」パチッ


友「ユキちゃんの分は?」

雪女「はあ? なんでアタシが?」

友「ん?」

男「ほ、ほら! 猫のお面を貸すよ!」

女「わ、わー、かわいー!」

雪女「あっ、そういうことね」

友「どういうことだ?」

友妹「……」ジィッ

友「そんなことより、さあ、行くか!」

男・女「……」ホッ

友妹「……」ジィッ

友「愛しき妹よ! お兄ちゃんが、食べたいものを買ってやろう! りんご飴か!? 焼きそばか!? それとも、イカ焼き、串こんにゃく、サーターアンダギーか!?」

友妹「……兄さん」ボソッ

友「焼き鳥だな!」



友「お、焼き鳥の屋台みっけ。お前も食う?」

男「いや、俺は…」

雪女「買ってくれるの?」

男「もちろん」キリッ

友「…女さんは?」

女「わ、私は自分で買うよ」

友「いいからいいから」ニッ

女「う、うん…ありがとう」

友妹「……」ジィ

友「お前も食べるだろ?」ニッ

友妹「…………」コクッ


友「支払いは任せろー」バリバリ

男「やめて!」

友「よく分かってる」

友妹「……その寸劇のために、わざわざ2年と2ヶ月、16日前まで使ってたマジックテープ式の財布をもってきたの?」

友「そのことは言うな。ま、多少はね?」

友「(……いつまで使ってたか本当に憶えてるのか? 怖すぎ)」

女「……? マジックテープ便利だよね」ニコ

友「(女さんと結婚したい、女さんと結婚したくない?)」

友妹「……兄さん、今、“悪いこと”を考えてたでしょう?」ジィッ

友「ソンナコトナイヨ」

友「(流石に結婚は大袈裟だけど、女さんいいよな。普通に好感がもてるわ)」



雪女「これが綿あめ……甘い味がするわ!」ハムハム

友「(甘い味がしない綿あめってあるのか?)」

雪女「すごいわ! 口の中で消えるわよ!」

友「そりゃ、びっくりだな」

友妹「(……兄さんの好みはこうした小さい子。もし兄さんを私から横取りしたら“排除”するしかない)」ジイッ

友「さ、さあ今日はシスコンらしく、妹様に屋台の食べ物を貢ぎまくるぜ!」

男「屋台のものって高いよなぁ」

女「雰囲気を味わうためのものだから仕方ないよ」

友「(ぶっちゃけ、衛生とか気になるよな……それを気にし始めたら屋台のもの食えないけど)」


「いらっしゃいませ~」


男「(ん、この甘ったるい素敵お姉さんボイスは……)」

山姫「冷たいジュースはいかがですかぁ?」


男「……山姫さん、何してるんですか?」

山姫「あらぁ、こんばんはぁ。見ての通りジュースを売ってるんですよぉ」

男「いや、それは分かりますけど……」

山姫「山の恵みがたくさんの特製ジュースですよぉ、よければ買っていってくださいね~」

男「(事前の検疫とかちゃんとやってんのかな……蛇神さんや女祖母さんが手を回してるのか)」

男「それじゃあ、一個もらいます。しかし、どうして屋台を?」

山姫「ありがとうございます~。ちょっとしたお小遣い稼ぎなんです~。こうして通貨を手に入れるとぉ、通販で可愛いお洋服が買えるんですよぉ」ニコニコ

男「(あんな山の中まで通販が…村内の流通は妖怪が引き継いでいるらしいから、それくらいはするのかな。資本主義は妖怪社会すら変質させたのだ)」

山姫「あとぉ、可愛い男の子がいたら、味見できますからね~」ペロッ

友・女「(危ない人だ)」

男「(ショタたち超逃げて)」


山姫「それにしてもぉ、可愛い女の子をたくさん侍らせちゃってぇ。あの方たちが嫉妬しますよぉ」

山姫「(何より、烏天狗ちゃんが怒りそうだけど~)」

女「(……とっても綺麗な人。こんな人と知り合いなんて……いや、別に一切悪くないのは分かってるけど)」ジト…

友妹「……私は兄さんのものなのに」ボソッ

雪女「(……この気、山の妖怪ね)」スンスン…

たゆん…

雪女「(ア、アタシだってもっと力を蓄えれば……!)」グヌヌ…

友「(……こ、ここは、場を和ませよう)」

友「い、いやぁ、俺が可愛いなんて照れるなぁ!」

山姫「……」ニコ

友「ぅ……」ドキッ

友妹「……」ジィッ

友「……花火は7時からだよな! 場所とりは任せろぉ」ダッ

友妹「……私も行く」ギュッ

女「……行っちゃった」

男「慌ただしいやつだな。雪さん、ジュース飲む?」

雪女「いただくわ」

山姫「(うふふ…あんまり大きい子は好きじゃないけどぉ、あの子も普通に可愛いわねぇ…食べてもいいかもぉ)」ペロッ

雪女「アンタは仮装しないの? あ、美味しいわねコレ」チュ-

山姫「仮装ですかぁ?」

雪女「アンタの見た目も人間そのものじゃない」チュ-

山姫「そうね~。それじゃあ……」ニョキッ

女「わっ…」

山姫「うふふ、双角ですよ~」

男「素敵です」グッ

山姫「ありがとうございます~」

雪女「……女、頭の上をさすって何してるの?」チュ-

女「べ、別になんでもないよっ」

山姫「(……烏天狗ちゃん、恋敵は多そうよ~)」


友妹「兄さん、花火の場所取りにはさすがに早いんじゃない?」

友「んー、そうかもなぁ……神楽みるか。授業で調べてるんだろ?」

友妹「……うん。ありがとう兄さん」

友「なんだ殊勝だなぁ、うりうり」

友妹「えへへ……」

友「(二人なら、取り敢えず、胃腸の心配もないな……)」


友「お、準備中みたいだな」

友妹「……? 踊り手の一人がこっちに来るね」

「デカオタクじゃん」

友「うげ、その呼び方……クラ女か」

クラ女「あんたも祭りに……なに、彼女? キモオタのあんたに?」

友「(迂闊なことを発言するのはやめろ!)」

友妹「か、彼女……」ニヘッ

友「妹だよ」

クラ女「……いや、アンタの妹なら知ってるからね。小学校上がる前からアンタのこと知ってるし」

友「お前が最後に会った時はまだ小さかったか……でも妹だから。成長期ってすごいよな」

クラ女「……確かに面影があるかも。おじさんもおばさんも大きいから、あり得ない話じゃないのか……」ジ-

妹友「……その被り物のままずっと見られると少し怖いです」

クラ女「ああ、ゴメン! ……本当に妹ちゃん?」

妹友「……はい」

クラ女「こんなに可愛くなったの!? すげー! 本当にアンタと同じ遺伝子なわけ!?」

友「そうだよ」

クラ女「はあ……生命の神秘だわ。妹ちゃん、アニキの残念ぶりに影響されんなよ!」

友「うっせ」

クラ女「そういや、神楽、見てくのか? ウザいわぁ」

友「お前が盛大にコケる様を見ててやるよ」

クラ女「根暗デカオタクのくせにー」

友「オタクオタクうるせえわ、腐れ茶褐色ギャル!」

クラ女「ギャルじゃねえよ! 日焼けは水泳のせいだっての!」

友「ああ、まだ水泳やってたのか。……というか、戻らなくていいんか?」

クラ女「あ、そうだ。そんじゃね、デカオタク野郎は見ずに帰れ!」イ-

友「いーや、見てやるわ。目の穴かっぽじって凝視してやる」

クラ女「あはは、目の穴ほじるとかマジきめえ!」


友「(高校じゃほとんど話さないから、こんだけ話したのも久々だな。あんまアイツも変わってねえなぁ)」

ガシッ

友「……」ゾワッ

友妹「私以外を見ないでよ」ジィッ

友「(な、何か言わなきゃ……。こ、声が出ねえ…)」ゾクゾク…

友妹「ネエ……ワタシダケヲ……ミテヨ……」ジィッ……

友「(……夏。それはホラーの季節)」




雪女「取れない! 金魚が取れないわ!」

男「一匹もらえるってよ」

雪女「施しは受けないわ! もう一度挑戦よ! 座敷童さんにお小遣いをたくさん貰ってるんだから!」

男「そうなの?」

雪女「フリフリした装束を着て、パシャパシャされたら、たくさんお金をくれたのよ」

女「どういうことだろう?」

男「……うーん」

男「(もしかしてまた『いんもらる』のコスプレとか? 色々と思うが似合いそう)」

雪女「今度こそ……!」スッ

ペラッ…

雪女「……!」




雪女「はあ、一匹も取れなかったわ…」

女「でも、もらえてよかったね」

男「(祭りの金魚ってすぐ死ぬ…と思わせて池に放し飼いされたのが長生きしてたりする。生態系の破壊ダメ。絶対)」

男「それにしても、暑いな……瓶のラムネでも飲む?」

女「うん、いいね」

雪女「らむね?」

男「夏の風物詩の炭酸飲料だよ」

女「ガラス玉が蓋になってるんだよ。涼しげで夏っぽいよね」

雪女「炭酸は甘くてしゅわしゅわで好きよ」

女「体に悪いと知っていてもつい飲んじゃうよね」

男「そうな」


雪女「……その前にお手洗いに行きたいんだけど」モジ…

女「大丈夫? まだ余裕ありそう?」

男「祭りの時は、大体、トイレが混んでるから、かなり待たないといけないかもな」

雪女「だ、大丈夫よ……まだ」

男「じゃあ、俺がラムネ買ってる内に行ってきたら? 女さん、ちょっと付き添い頼める?」

女「うん、分かった」

雪女「べ、別に一人で大丈夫よ」

男「まあまあ……ラムネ三本ください」



「んふふ、ボクにも奢ってよ」ピトッ


雪女「……っ!」


男「ん?」

女「……?」

女「(……またちっちゃい子……男くんの知り合いかな。なんだかやけに露出が多い変な服着てる……男くんの趣味?)」ジト-

男「……飲みたいの?」

「……」クスッ

雪女「アンタ……ッ! よくアタシの目の前にのこのこと……!」

「ああ、キミは……その節はごめんね? でも、用があるのはキミたちじゃないんだ。『静かにね』」

雪女「…………!? ……ッ!」キッ

女「……!?」

男「……雪さん、落ち着いて。何か用? ラムネくらいなら奢ってあげるけど」


「んふふ、キミに用事があるんだよね」

男「……分かった。雪さんと女さんのソレは治してくれ」

「落ち着いてるねぇ……申し訳ないけど、誰かを呼ばれると面倒だからしばらくそのままにさせてよ。どうせ君の保護者たちなら簡単に治せるだろうしね」

男「……」チラッ

女「…………!」

男「……分かった。二人にはこれ以上危害を加えないでくれ」

「んー……場所を移すから、その場に立っててもらいたいかな。『動かないでね』」

「「……っ」」

男「……」

「さて、行こうか」

男「ああ……」チラッ

雪女「……!!」

女「……っ」

男「大丈夫だから、心配しないでくれ。あ、その前にラムネ買っていい?」

「……もう少したじろいで欲しいなぁ」




山姫「あらぁ、御三方お揃いでいらっしゃるなんて珍しいですね~」

きつね「まあ、たまにはの」

ねこまた「にゃは、銀の置物があるにゃ! 写真撮ってあげるから、並ぶにゃ!」

銀「け、結構じゃ。置物でなく依り代じゃろ」

きつね「ふはは、中々立派な面構えだの。お銀も常にこれくらい威厳があれば良いのに」

銀「む……」

ねこまた「むしろ普段からこの姿でいればいいにゃ」

銀「やかましいわ。それは儂の威が具現化した姿を象ったものに過ぎんぞ。それに、今さら昔の姿に戻れんのはお主らも同じじゃろうが」

きつね「確かに、妾の知るお銀は、初めからこのチビだの」プニッ

銀「?を押すのはやめい……」ググ…

ねこまた「にゃはっ」プニッ

銀「便乗するな……!」ググググ…


山姫「(仲がいいわね~)」


銀「ふん、儂は普段から威厳に満ちてるじゃろうが」

ねこまた「面白い冗談を言ってるにゃー」ニャハハ

きつね「これこれ、真実を伝えることがいつでも正しいわけではないぞ」フハハ

銀「き、貴様ら……」

山姫「(実際、小さくて可愛いものねぇ……これで男の子だったら村の主でもガマンできなかったわぁ)」

ねこまた「にゃは、怒ってるにゃ。神様のお怒りにゃー」

きつね「おう、怖いの怖いの。荒ぶる神よ、静まれ静まれ。たこ焼きだ。ほれ、あーん」

銀「また小恥ずかしき真似を……」ア-ン…

ねこまた「にゃっ」パクッ

きつね「(ちっ、妾が食べようと思っていたのに)」

ねこまた「てへっ、ごめんにゃぁ」

きつね「あざといやつめ」

ねこまた「狐には絶対言われたくにゃいね」


銀「……」

きつね「おお、荒ぶる神が更に御立腹のご様子だの。どれ、山姫、神楽でも奉るのだ」

山姫「あらぁ、私ですかぁ?」

ねこまた「もしくは、ウチと一緒にねこダンスでも踊るにゃ?」ニャフ-ン

山姫「あらあらぁ……」

銀「本気にするな。成り上がりの獣が祭り騒ぎに浮かれておるだけじゃ」

ねこまた「酷いこと言うにゃねぇ」

きつね「事実だが、獣であった遥か昔のことなぞ全く覚えておらぬ」

ねこまた「というか、冗談でもその言い方は傷つくにゃ」

銀「うっ、す、すまん……」

ねこまた「うっそにゃーん☆」ニャハッ

銀「……」

山姫「……そういうのはよくないですよぉ?」

ねこまた「程々に楽しむにゃ」

銀「程々のつもりなのか……」

山姫「そういえばぁ、入れ違いで男くんたちを見ました~」

ねこまた「にゃは、偶然の合流をしちゃうにゃ。男ちゃんの居場所を探すにゃー」ピコピコッ

銀「おい」

きつね 「恋路は障害があってこそ燃えるものだ。どれ、老婆心を働かせてやろう」クク…

銀「くだらん詭弁じゃな……そもそも、この喧騒の中で聴き分けができるのか? 人もそうでない者も入り混じっておる」

ねこまた「にゃは、それでも男ちゃんの声なら余裕…………にゃー?」

きつね「どうしたのだ?」

ねこまた「男ちゃんの音が見つけられにゃい……ただ、雪女……あと蛇神の孫はウチたちの近くにいるにゃね」

きつね「彼奴ら共に行動してるのではなかったか?」

山姫「さっきは一緒にいましたね~」

銀「 厠ではないのか?」

ねこまた「んー…………にゃんだか、イヤな予感がするにゃ」

きつね「やめろ。ねこまたの悪い予感は概して当たる」


銀「……まあ、別に雪女たちと多少会話を交わしても邪魔にはならんじゃろ」

きつね「お銀は無闇に干渉しないなどと口にしておる割には、色々と出しゃばりだからの」

ねこまた「男ちゃんのプライバシーをどんどん侵害してくもんね! しかも悪い方向ばっかりにゃー」

銀「う、うるさいわっ」

きつね「お主も人のことを言えぬだろう?」

ねこまた「ウチはわざとにゃー」

銀「尚更タチが悪いわ!」

きつね「妾と童を見習うのだ」

ねこまた「(童は隠し撮りとかしてそうにゃけど)」



・・・

ねこまた「にゃー、男ちゃんが……」

銀「……」

女「……ごめんなさい。なにも出来ませんでした」ペコッ

雪女「……」グスッ

きつね「お主らが気に病むことではない」

ねこまた「命知らずもいたものにゃ」

銀「……」

雪女「……」グスグスッ…

きつね「……男を攫ったのはどういう奴らだった?」

女「 ええと、小さい女の子で、なんだか黒っぽい服装で……ええーと、ろ、露出が多い感じでした」

きつね「……覚えはないの。男を攫った目的について何か漏らしていたか?」

女「……」フルフル

ねこまた「どうせウチたちへの恨みか、村が欲しいかのどちらかにゃー。あの村は、いわゆるパワースポットにゃからね」


きつね「恨みか……個人的なものは今となっては心当たりないがの」

ねこまた「心当たりばっかりにゃ☆」

きつね「……お主はそうだろう。しかし誘拐なぞ回りくどいことをする」

銀「……」

雪女「……」グスッ…ヒック…

きつね「……とにかく、雪女の着替えが先だ。童の仕立てた浴衣が粗相で台無しだの」

雪女「ごめんなさいぃ……」ビチャ

ねこまた「股が緩い女だにゃぁ」

女「(それは意味が違うよね……)」

きつね「……まあ、奇っ怪な術で体を拘束されていたのだから仕方ないだろう……間の悪さは何か大きな悪意すら感じるの」

きつね「……あー、銀」

銀「…………なんじゃ」

きつね「……お主の責任ではない。あまり己を責めるな」

銀「…………分かっておる」

ネェ、テンキヤバクナイ…?
カイセイダッタノニネ
ヤダ、ゲリラ…?


ねこまた「……雷雨呼ぶのはやめて欲しいにゃぁ。花火が中止は困るにゃあ。男ちゃんも責任感じちゃうにゃ」

銀「わかって、おるわ……!」ギリッ


ブワアアアァァァ…………ッッ!

ウワァッ!?
カ、カゼガ、ス、スゴイ…!

銀「……ふぅ……ふぅ……」

きつね「ねこまた。妾は雪女の世話をするから、すぐさま下手人を討って、お銀のやつをを落ち着かせろ」ボソボソ…

ねこまた「む、むり言うにゃぁ……銀は怒りが一定の基準を超えるとマジモンの荒ぶる神にゃよ?」ボソボソ…

きつね「しかも、勝手に煩悶して、勝手に周りの被害を増やしていく迷惑千万な奴だ。雷雨や竜巻、大地震が来る前に何とかするのだぞ」ボソボソ…

ねこまた「だ、だったら手伝えにゃ! 多分、さっき煽ったせいもあるんにゃからね!」

きつね「よし、雪女! 着替えさせてやろう! なに、妾は寛大だ! そして妾は悪くないもん!」ガシッ シュパパ…

雪女「きゃぁ……!?」

ねこまた「ほ、本当に行きやがったにゃ……」


銀「もしも男が怯えていたり、泣いていたりしたら……お腹を空かせていたら……寒がっていたら……傷つけられたり……貞操の危機に晒されていたら……」ブツブツ…

ねこまた「うぅ、さっきまでの快晴が嘘みたいにゃ……」

女「きっと大丈夫ですよ! 落ち着いてください!」

銀「分かっておるわ……こんなに幼き娘にまで諭されるとは、情けない……儂はなんと情けないんじゃ……!」フルフル…

ゴロゴロ…

ヤダ、カミナリ…?
ハナビ、チュウシカナァ…


女「(ぎゃ、逆効果だった…!?)」

銀「また、儂のせいで、男が危険な目に……儂のせいで……」ブツブツ…

ねこまた「と、とにかく銀は平静な態度に努めるにゃ! ウチに任せろにゃ!」

女「何か手があるんですよね?」コソコソ

ねこまた「うーん……良い案があったりしにゃいの?」

女「…………」

ねこまた「……よし! 困ったときの神頼みだにゃぁ!」ポチポチ…




座敷童「……」カタタ…

プルル…プルル…

座敷童「……はい…………ねこまた……? ……どうかしましたか……?」

座敷童「…………男くんが? …………なるほど……銀らしいですね……」

座敷童「……私に任せてください」

座敷童「……切らなくていいですよ……恐らくスマホは持ったままのはず……すぐに割り出せると思います……」カチカチッ  カタタ…



座敷童「……位置を特定しました…………神は私ではないでしょう」

座敷童「……それくらいしかできませんから……後はよろしくお願いします……」


座敷童「(……スマホにGPSを仕込んでおいたのが役に立ちましたね)」




「ここなら、誰も来ないし、結界があるから、あの恐ろしい猫叉も嗅ぎ当てられないよ。事前に探りを入れていて良かった」

男「はあ…そんで、君は?」

「んふふ、ボクは淫魔だよ」

男「(ロリサキュバス! そういうものもあるのか)」

淫魔「楽しんでたところゴメンね」

男「(見た目不相応な態度といい、挑やはりロリババアなのかな。セクシーロリババア枠は既に狐ばあちゃんが……いや、別にそれ以外でも、狐ばあちゃんは幾つものタイトルを保有する俺の中のロリババア界の強者)」

男「(……淫魔さん、おっぱい大きいなぁ。巨乳ロリババア……ありです)」

淫魔「……考え込んでいるけど、逃げる算段でも立ててるのかな?」

男「え、あ、うん」

淫魔「……もー。キミ、ちょっと緊張感に欠けすぎじゃない?」

男「はあ、ごめんなさい……さっき一応二本買ったんだけど、一本飲む?」

淫魔「おや、罠かい?」

男「違う。いらないならいいけど」

淫魔「……もらうよ」ハァ…



淫魔「ふう……ラムネは風情があるよね」

男「そうだなぁ……夏になると飲みたくなる」

淫魔「……」

男「お、ここからでも少しは提灯の灯りが見える」

淫魔「そうだねぇ……自分の居場所を把握して何とかしようとしてるのかな?」

男「え、はあ……」

淫魔「んもー!」

男「うん? どうかしたの?」

淫魔「緊張感がなさ過ぎ! 君攫われてる! ボク、攫った! オーケー!?」

男「オーケー」

淫魔「それなら、どうしてそう落ち着いてるかなぁ。バカなのかな?」

男「ひどいな」

淫魔「あ、ゴメン」


男「悪そうには見えない」

淫魔「見た目で決めつけちゃダメだよ」

男「あんまり危害を加えるようには見えない」

淫魔「そんなことないよ」ズワァァァ…

男「うおっ」

淫魔「ほら、こんな感じで、一瞬でキミのこと、八つ裂きに出来るんだよ?」

男「すげー、翼みたいな黒い……刃?」ツンツン…

淫魔「だからさぁ…危機感持とうよ。人間が触っちゃいけないものだったらどうするの?」

男「え、ダメだった?」

淫魔「いや、斬りつけなきゃ、なんともないけどさぁ……」

男「じゃあいいじゃん」

淫魔「……もぉ! もー!」

男「さっきから牛のモノマネ? 可愛い」

淫魔「牛じゃないよ! からかって楽しんでるんだね!」ムゥ

男「……ほ、ほら、攫った以上、人質なんだろ!? だ、だから必要以上に危害を与えないと思ったんだ」アセアセ…

淫魔「なんで急に慌ててるの?」

男「い、いやぁ、急に攫われたら慌てもするだろ!」

淫魔「怪しい…………おっぱい」

男「……!」ビクッ

淫魔「ボクのおっぱいが大きいから、牛と言ったのがおっぱいとからかってると思われるが嫌で、焦ってるんだ。さっきから、いやらしい視線で舐め回すように見てるもんね?」クスッ

男「サ、サトリですか?」

淫魔「淫魔だよ! もー、ボク、これでも結構有名なんだよ? 人間の残してきた伝説にも色んな名前で登場してるんだよ?」

男「おおー」キラキラ…

淫魔「……! そ、そうでしょ!」フンス

男「(ロリババア確定やったー)」


淫魔「ふふん、怖がってもいいんだよ!」ドヤッ

男「でも、やってることはなんか、みみっちいな」

淫魔「うっ……」

男「家屋(?)侵入に、覗き見、誘拐……いや、悪質な犯罪だけどさ。誘拐はコレだから……なんかみみっちい」

淫魔「……みみっちいとか言わないでよー。哀しくなるじゃん。別に強いからって、派手なことしなくてもいいじゃん……あとこの後、キミは監禁だよ。いやあ、人質取れば力勝負で勝てるかな、とか思ったけど、天候変えちゃうようなのは相手できないよ」

男「……監禁は困る。もう少しで夏休み終わるんだけど」

淫魔「えー、そういう心配なの?」

男「あ、質問していい?」

淫魔「おお? ふふん、まあ、特別にキミを攫った理由でも話してあげなくもないよ?」

男「なんで、超強いロリバ……小柄と、超弱い小柄がいるの?」

男「(淫魔さん、たぶん超強い方のロリババアだよなぁ。世の中には、超強いロリババアと、超弱いロリババアもしくはロリがいる)」

淫魔「訊くことそれぇ……?」

男「あっ、攫った理由はその次で」

淫魔「キミさぁ……いいけどさぁ……はぁ……それこそキミの保護者たちに訊けばいいのに」

男「ごめんなさい?」

淫魔「……ある程度、存在としての、まあ、ランクみたいなもの? が上がると小さい姿に落ち着くんだよね……定常状態って呼ぶことが多いかな。まあ、ある種の完成状態だよ」

男「存在としての完成系が、ロリババアだと……?」

男「(あ、蛇神さんのことを考えるとショタジジイもか)」

淫魔「超強いのはそういう存在。ボクもだし、キミと一緒に暮らしてるのほとんどそうなんじゃないの」

男「……俺、この世界に生を本当に受けて良かった」ツ-…

淫魔「えぇ……?」

男「……失礼。ついでに、攫った理由も教えてよ」

淫魔「ついで扱い……もう色々と台無しだよ……」

男「ごめん」

淫魔「……まあ、いいよ。目的はね、君たちの村なんだ」

男「ああー、いつものやつ」

淫魔「うん?」

男「いや、小さい頃は内部の妖怪からと外部の妖怪からもよく誘拐されかけたり殺されかけていたから」

淫魔「……キミも大変だね」


男「でも、ばあちゃんたちが助けてくれたからな。……外部からの襲撃の場合だと、アレだろ、なんかスゲぇパワースポットがあって、その強い力が手に入るんだろ」

淫魔「ざっくり言うとそうだね。でも、ボクはそれがメインじゃないんだけどね」

男「そうなのか?」

淫魔「ボクの目的はズバリ!」

男「ズバリ?」


淫魔「……温泉です!」


男「……温泉?」

淫魔「ボクはね、お風呂が大好きなんだ! この国に渡ってきたのも温泉の宝庫だからさ! さすが新期造山帯! さすが四つのプレートに乗ってる国!」

男「そして地震大国」

淫魔「数多くの温泉を巡ってきたボクは伝説の鉱泉を古い文献で見つけた! 長年の調査の結果、この村にあることが分かったんだ!」

男「(そんなの初めてきいたんだけど)」

淫魔「そして遂に探し当てた! 雪女の避暑地から更に奥まった山の中の山! まさに秘境! そして噴き出る源泉! あれには感動したよ……ボクのココロに間欠泉さ」

男「どういうことなの?」



淫魔「探さずにゴロゴロしてる期間も長かったけどねー! 操ってる部下にも説教されちゃったよー! 彼らに心得があれば探してもらえたのにね!」タハハ…

男「そんなことまでしてたの?」

淫魔「村ごと温泉を奪おうかなぁって……」

男「そんなに事を大きくする必要あった?」

淫魔「だ、だってー、暴力で力の無い者を抑圧してるってもっぱらの噂を聞いてきたしー。どうせなら、悪の親玉を倒して、恩を着せて、温泉郷を建設だー、って考えてたんだよ」

男「ああ……」

淫魔「ただ、最初に想像していたのとは違って平和だったから困ったよね。でも、雪女を蹴りだしちゃったし、村の自警団とやらも洗脳しちゃったからなぁ……引くに引けなくて……情報収集って大事だね!」

男「結論それかよ……いずれにしろ、俺なんかを引き換えにしても欲しいものは手に入らないぞ」

淫魔「それはどうかなぁ……彼女達ならやりかねないよ」

男「まあ、ばあちゃんたち、俺のことすげえ大切にしてくれるからな」

淫魔「溺愛されてるもんね」

男「でも、もし、俺のせいで村を明け渡さざるを得るような危機になったら、自死するよ」

淫魔「んふふ、若い子は極端で理想主義的だよね。青くて酸っぱいよ」


男「ばあちゃんたちの幸せを奪うくらいなら、俺が死ぬよ」

淫魔「(……目が本気だぁ)」

淫魔「早まっちゃいけない。家族が哀しむよ……?」

男「それ淫魔さんが言うの?」

淫魔「言わせてるのはキミだからね!? それに死なれると、攫った意味がなくなるよ」

男「あ、そっか……んー、まあ、ばあちゃんたちはそりゃ大層悲しんでくれるけどさ。ばあちゃんたちは長生き……というかもはや不死身に近いじゃん? たかが俺ごときの死なんて、いつかは忘れるよ」

淫魔「そうかなぁ……」

男「それに、元々は人間なんて村にとっては邪魔な存在なんだよね。俺がいなくなれば、村はもう人間の出入りが完全にできない空間になるらしいんだよね」

淫魔「村の結界か……あれ、凄いよね。今の状態でもどれだけの術者が考案して、どれだけの術者が、維持のために犠牲になってるのやら」

男「(狐ばあちゃんが、三日で作って、農作業の片手間で修繕してるらしいけど……結界のエネルギーはそれこそ大地からのエネルギーを利用してて、今後エネルギー源を太陽光や風力に出来ないか模索中だったはず……妖怪社会もよりクリーンなエネルギーの開発に勤しんでるんだね)」

淫魔「……まあ、結界はいいや。とにかく、死なれたりしたら困るよ」

男「そりゃ、俺だって死にたくないよ。ばあちゃんたちが哀しむ顔なんて見たくない」

淫魔「はあ……キミは彼女たちが好きだね」

男「そりゃ、ばあちゃんたちがいなきゃ、とっくに死んでたしなぁ。ばあちゃんたちが哀しむから、自分を大切にしようと思ってるけど」

男「(自分を可愛がってくれる超かわいいロリババア、好きになる以外にどうしようもねえ)」

淫魔「……とにかく、死のうとしたりしないでね」

男「俺がばあちゃんたちを苦しめるようにならない限りは」

淫魔「やっぱり目が本気だぁ……君みたいなのが体に爆弾巻き付けて街中でドカーンってやるんだよ」

男「あり得ないけれど、ばあちゃんがそう望むなら爆弾にだってなるよ。あ、ばあちゃんたちには泣かれたり怒られたりするから言わないでね」

淫魔「怖い怖い。帰りたくなってきた」

男「え、俺はもう少し淫魔さんとお話ししたいけど」

淫魔「いやぁ、ボクはお腹いっぱいかなぁ……とにかく、死なれないように拘束させてもらうよ」

男「マジか」

淫魔「楽な姿勢にしておいてね」

男「いやあ、拘束は嫌かなぁ」

淫魔「ちぇっ、さっきまで協力的な感じだったのに……じゃあ無理やり」シュルル…



淫魔「……っと」ピタッ


ビュォォォォォォォォ……‼︎


淫魔「キミのおばあちゃんが助けに来たみたい……うーん、予想以上に早いけど、まだ頑丈な結界が……」



ズザザザザザザザザザッッ‼︎


淫魔「(うわっ、無理やり裂いた!? なんて力業……)」



ねこまた「男ちゃん! 大丈夫にゃー!?」タッ


男「ねこまた姉ちゃん!」ダッ

淫魔「『止まれ』!」

男「……!」ビタッ


淫魔「ふふ、キミが悪名高い……」

ねこまた「……男ちゃん攫うなんて、許さねーにゃ」

タンッ

淫魔「ちょっ」

ねこまた「死ね」ギラッ

淫魔「いやだ、ね!」バサッ

ズガガガガガガガガ……ッッッ‼︎

ねこまた「……」カッカッカッカッカッ…

淫魔「あわわ……」

男「(ねこまた姉ちゃん、やっぱり凄えな)」

淫魔「(マズイ、押されてるなぁ……翼、ほんのり感覚あるからもがれると痛い……ボク直接的な戦闘苦手なのに……)ナミダメ…


男「(……す、少しは動けるな)」ギギ…

淫魔「(人間くんがあっちの手に渡ったらもう戦況をひっくり返せない!)」バササッ

男「……っ!」

ねこまた「!」ギュアッ

淫魔「キミはボクに夢中になってなよ」ブワァァッ

ねこまた「チビ痴女がピーピーうるせーにゃ!」ズババ…!

淫魔「い、痛い……けど、人間くんはボクの手中だ! やったね!」バササッ

ねこまた「……」ギロッ

淫魔「おっと。動いたら彼の首が飛ぶよ」ピタッ

男「……っ」ポタタ…

淫魔「(しまった、翼刃を当てすぎた! ちょっと血が……)」イタソウ…



淫魔「(もう完全に悪役だコレ…………んふふ、ここまで来たらとことんやってやろうじゃないか)」ヤケクソ

男「(あ、体の自由は戻った……淫魔さんは焦ってて気付いてないな)」ピクッ

ねこまた「……」フシャ-…

淫魔「さて、彼の生命が大事なら、おとなしくボクの手で消されてくれないかな」バキキ…

ねこまた「…………ふん、好きにするにゃ。ケド、男ちゃんに手を出したらお姉ちゃん、絶対に許さにゃい」

男「(……ねこまた姉ちゃん)」

淫魔「んふふ、あの血化粧の猫叉が随分と殊勝だね……まあ、ボクとしては有り難い話だけどね!」

プシッ……

淫魔「えっ」

ねこまた「にゃ……」

男「……」ダクダク…

淫魔「え、えぇ……」

ねこまた「……男ちゃん?」



銀「……男?」

男「……」ゴプッ…

銀「う、嘘じゃろう……? そ、そんな……ふはは、また、からかいおって」

きつね「惚けている場合か、銀! お主ならまだ間に合うだろう!」

ねこまた「男ちゃん……」ダキッ

男「……」グタッ…

淫魔「(……え? いつの間に、翼を引き裂いて連れてったの?)」イタイ…

銀「……すまぬ。男……儂の……儂のせいじゃ……」

男「ぅ……」

きつね「……ふう、何とかなりそうだの」ホッ

ねこまた「にゃーん、よかったにゃー」グスッ

きつね「……」ジロッ

淫魔「え、ボクじゃなくて、人間くんが勝手にやったんだよ?」

きつね「ねこまた、殺るぞ」

ねこまた「殺るにゃー」

淫魔「(あー、これは、もう勝ち目はないね……よし、逃げよう!)」

淫魔「待機部隊、出ておいで! 逃げるまでの足止めを頼むよ!」


淫魔「………………あれ?」

きつね「……楽に逝けると思うな」

淫魔「ね、ねえ、天狗くん? 烏天狗ちゃん? 返事してよー! ご主人さま呼んでるんだけど!」

シ-ン…

ねこまた「生まれてきたことを後悔するにゃ」

淫魔「あ、あれー? ボクの瞳術は完璧だったはず」

きつね「この前の村の行事で会ったが、天狗も烏天狗も術にかかってる様子はなかったぞ」

淫魔「えっ」

ねこまた「にゃはは……助けは来にゃいの?」


淫魔「……」ダラダラ…

きつね「どれ炭焼きの開始だの」ニタ

ねこまた「その前に爪研ぎかにゃ?」ニャハッ


淫魔「……ええい、こうなったら、最後まで抗ってあげるよ!」バササッ



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……


淫魔「ひっ!?」


銀「儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂のせいじゃ儂の……」ブツブツ…


ザアアァァ……

ゴロロ…ガガガッッ……!!


きつね「……その前にお銀が問題だの。男が濡れぬように『守護法陣』」

ねこまた「感情の振れ幅が臨界値を大きく超えちゃったみたいにゃぁ。あと、ウチも中に入れろにゃ、アバズレ狐」


きつね「お銀! もう男の傷は完治しておる! 気晴らしに大声で叫んでこい! 『転移法陣』」

ねこまた「にゃは、ついでに……」ニャ

きつね「くく、名案だの。お主への折檻だ。『転移法陣』」

淫魔「え、ちょっ……」ヒュンッ



ザアアァァ……

ねこまた「この雨がさっさとやめば、花火はやるかにゃ? というか、いい加減ウチも結界の中に入れろにゃ」

きつね「積乱雲の発生からの雷雨だ。厳しいの」

ねこまた「えー……花火見たいにゃ。銀、早く冷静を取り戻すにゃー!」ニャ-ン

きつね「彼奴を責めるな、あの淫魔とやらが悪い」

ねこまた「それはそうにゃけどー。……とりあえず、これで、一件落着かにゃ?」

きつね「おそらくの。それにしても、男、可哀想にのー。妾がいっぱいいいこいいこしてやるぞー」ナデナデ スリスリ モフモフ

ねこまた「男ちゃんの独占は許さねーにゃ」

きつね「ちっ、仕方ないの……それならさっさと童に連絡を入れろ。どうせ、ここを突き止めたのも童の力だろう」


ねこまた「にゃ、にゃんで、分かるにゃ?」

きつね「妾には劣るが中々精巧な結界だった。あれを見破るのは、むしろ童などの方が得意だったろう」

ねこまた「GPSとかかにゃ? とにかく、連絡するにゃー」

きつね「ほれ、男。妾の膝枕だぞ。よしよし、可愛い寝顔だの」ツンツン…

ねこまた「場所を変わるにゃ」

きつね「いいから、早く連絡しろ」モフモフ…

ねこまた「狐がかけてもいいんにゃよ?」

きつね「妾は男の膝枕とモフモフ、頭ナデナデで忙しい」

ねこまた「これには温厚なウチも大激怒にゃ……それより狸寝入りしている男ちゃんに一言お説教したいケド、いつ起きるかにゃ」

男「……」ギクッ

きつね「ふふ、狐の膝で狸寝入りとは、流石だの」モフモフ…

男「ご、ごめん…」ムク



ニャンニャンニャン♪

ねこまた「にゃっ、童からにゃ」ピッ

きつね「あっちからかかって来たか」

ねこまた「にゃにゃーん、解決したにゃ!」


ねこまた「にゃんかね、にゃんかね……って、かんじにゃー!」


ねこまた「にゃ? にゃにゃにゃ……? にゃー…………」


ねこまた「……にゃるほど! 分かったにゃ! 確かめてみるにゃ!」

男「どうしたの?」

ねこまた「どうやら、もう一悶着ありそうにゃね」




女「……なんだか、とんでもないことになっちゃったね」

雪女「そうね…………あの人間の兄妹はどこに行ったのかしら?」

女「……この雨じゃ場所取りできないよね? ついさっきから雷雨だし風も強いから、中止だろうし」

雪女「そっかぁ。…………男、大丈夫かしら」

女「……きっと無事だよ」

山姫「あらぁ、二人ともぉ、男くんの知り合いですよねぇ」ニコニコ

女「(あ、さっきの綺麗な人……)」

雪女「何か用? あ、ジュース美味しかったわよ、中々やるわね」

山姫「ありがとうございますぅ。少しの間、店番お願いできますかぁ? ちょっと用事が出来まして~」ニコニコ

女「何かあったんですか?」

山姫「うふふ~」ペロッ


女「……?」チラッ

「……」モジモジ

女「(……男の子? ウチのお祖父さんくらいかな?)」

雪女「……? 仕方ないわね。後でアタシにジュースちょうだいね」

女「(え、勝手にいいのかな……)」

山姫「あらぁ、それはそういう意味のジュースですかぁ」クスクス…

雪女「……?」

女「あ、あの、犯罪は……」

山姫「大丈夫ですよぉ」

女「あ、そ、そうですか」

女「(うう、変な早とちりしちゃった……)」

山姫「私は妖怪ですからぁ、試験も児ポ法もないですよぉ」ウフフ

女「(そんなことなかったよ)」

山姫「この雨でお客様はほとんどいないでしょうからぁ、気安くお願いいたしますね~」




淫魔「(さ、さむ……)」

淫魔「(え、ここはどこ?)」

淫魔「(音が聞こえない。空気がほとんどない。寒い。暗い。重力もおかしい。焼けるように熱い太陽光。時々走る閃光……)」

淫魔「……」

淫魔「(あ、ここ宇宙の近くだ)」

銀「……」

淫魔「げっ」

銀「……」スゥゥゥゥゥ…

淫魔「(……深呼吸してる? でも、まず空気が殆どない……って、それでも吸い寄せられる!?)」

淫魔「(あ、さっき、叫んでこいって言われてたし、大声だすだけなのかな。そもそもボクにも気付いてないみたいだ)」ホッ

銀「……」スゥゥゥゥゥゥゥ……

淫魔「(……長くない? ……なんだか嫌な予感が……そもそも彼女ほどの存在が全力で叫んだら……)」ゾワッ…

銀「……」カッ

淫魔「ひっ……!」






銀「             」




淫魔「」ジュゥゥ……




銀「……はあ。帰るか」

銀「……? なにかいたような……どうせ、いつも通り空虫か」




烏天狗「……」ググ…

友「ぐ…う……っ!」ギチ…ッ

友「(……くるし……っ! なんで、こんな目に……!)」


友妹「兄さんを離して!」ズリズリ…

天狗「暴れるな……おい、烏天狗、殺すなよ。後処理が面倒だ」グッ

烏天狗「……」ギチチッ…

天狗「(聞こえてるのか怪しいな……こいつ、最近様子がおかしかったが……まあ、殺しても誤魔化し切れば何とでもなるか)」

天狗「(……しかし、外が思ったより静かだが、予定通りに破壊工作は進んでるのか?)」


烏天狗「お前のせいで……男は……」ギチチッ

友「ぅ……」


天狗「(天狗のやつ、まだ男のこと……くそがっ)」

友妹「……っ」ガリッ

天狗「いっ……てぇな!」ガンッ

友妹「ぅ……」グタ…

友「……」ブチッ

ガンッッッ

烏天狗「……!?」ヨロッ

ムクッ

友「俺の妹に何しやがる」グイッ

天狗「なっ……」

ドゴッッッ

天狗「……っ」ドサッ

友「はあ……はあ……」

友「(や、やべぇ、ついカッとなってやっちまった。正当防衛にならなければ、少年院送り ……社会的抹殺、世間のバッシング、一家崩壊……?)」サァ…

友「(……発狂した妹に刃物で脅されて、古い境内に押し込まれたと思ったら、変な二人組に襲撃されるなんて、今日は厄日ですか? 無事なのは貞操くらいなもんですよ、ははは)」


友「(……今はそれより妹! この野郎、思い切り、床に叩きつけやがって……!)」


烏天狗「貴様……貴様がいなくなれば……」ギロッ

友「うっ……!」

友「(……こ、こいつから俺の妹と同じ匂いを感じる)」ゾワッ

天狗「……てめぇ、ただでは置かんぞ」

友「ぐっ……」


ねこまた「そこまでにゃー」シュバッ


友「……!!??」


天狗「……っ!」

烏天狗「……」


ねこまた「あっちこっち走らされて激おこ中、ねこまたお姉ちゃん参上にゃ!」ビシッ

友「(戦隊モノみたいなポーズ決めて猫耳幼女があらわれた……夢かな)」


ねこまた「にゃー、ウチに挑むのは千年はやいにゃ」タンッ

バ チ ィ ィ ィ ン ッッ!!

天狗「……」ドサッ

烏天狗「……っ」

ねこまた「おみゃーたちの悪事はまるっと全部お見通しにゃ」ビシッ

友「おおう?」

ねこまた「おみゃーたちが操られてにゃいのは、もうバレバレにゃ」ニャ-ン

烏天狗「……」

ねこまた「操られるフリをして、罪を全部あのチビ痴女に押し付けて、破壊工作。村の外界との完全な分断を推進しようという魂胆だったにゃね? にゃは、ちょっとガバガバ過ぎにゃい?」

ねこまた「(童の受け売りなのは秘密にゃー)」ニャフッ

ねこまた「あれだけの実力を持つ相手の術を自力で解けるまで成長したのは純粋に嬉しいんにゃけどね」ニャフ-

烏天狗「……ありがとうございます」

ねこまた「それだけの、男ちゃんのことが好きだと言うのに、どうして、男ちゃんが追い詰められる事態を作ろうとするにゃ?」

友「(……男? どうして、アイツの名が?)」

烏天狗「……口は災いの元です。どこに、彼奴を知ってる者がいるかわかりませんぞ」

ねこまた「にゃっ?」

友「……」

ねこまた「……見越入道と仲間割れとかじゃにゃかったの?」ダラダラ…

烏天狗「……」ダッ

ねこまた「速さが足りにゃいよ」

バ チ ィ ィ ィ ン ッッ!!

烏天狗「……」バタッ

ねこまた「にゃは、音速を遥かに超えたスピードで、相手の目の前で腕を交差させ、衝撃と音で相手を気絶させる……これが『猫騙し』にゃ!」フンス

友「それ絶対違う」

ねこまた「悪は滅びたにゃ」

友「(……ど、どこから突っ込めばいいんだろうか)」

烏天狗「…………おとこぉ」グスッ…

ねこまた「……ふん、可愛さあまって憎さ百倍とかいうやつかにゃ。まったく、心も身体も強さが足りにゃいよ」

友「……ええっと」


友妹「ぅぅ……」

友「あ、だ、大丈夫か、おい!」

友妹「……兄さんだぁ。好きぃ」ギュゥ…

友「ちょっ……」

友妹「……」スゥスゥ…

友「(頭を強く打ち付けたみたいだけど、大丈夫か? 寝息は普通だけど、病院に連れて行くことも考えておこう……って、あれ、さっきの小ちゃい子も、クレイジーな二人組もいなくなってる)」キョロキョロ


友「……狐にでも化かされたのか、俺は」


サァァ…

友「お、晴れた」



きつね「……なんだか、あちらこちらで風評被害が広がっている気がするの」ム-

槍毛長「……」チ-ン

夜雀「ちちっ……」チ-ン

ナニアレ-
アノ、キツネミミヲシテルコ、カワイイネ-

雪女「こ、この妖怪たちはなんなの!? 急に屋台を壊し始めて、もう!」

女「……でも、もういないみたいだね……ふう」

きつね「どうやら、妾たちの優柔不断な対応に立腹しているようだ」

雪女「どういうこと?」

きつね「お主はこの地に土着していた妖だったか」

雪女「そうね、ご先祖様の時からずっとここに住んでたわよ」

きつね「そうか……しかし、お主のような土着の者よりも、新しく入植した者の方が多いのだ」

女「……祖父から聞きました。人の世から完全に隔てられた場所を作ろうとして、それを望んだ者たちが集まったと」

女「(それと、お祖母さんと出会って、最高位の神さまに反対されつつ駆け落ちした話を延々と……。私のお母さんも反対を押し切っての結婚だったらしいし、血筋なのかなぁ……お母さんは失敗したけど)」


雪女「女、どうしたの……? 気分が悪いの? 大丈夫?」

女「ううん、何でもないよ。ありがとね」

女「(完全な隔絶。でも、そうしたら、男くんは……? あ、そうか。それで揉めてるんだ。人間と妖怪が分かち合えないと、思わせるために、暴れてるんだ)」

きつね「……此奴らの言い分も尤もなのだがの、こうした形にされると止めざるを得ぬ」

女「……悔しいです」

きつね「む?」

女「なんだか、男くんや、私のお祖父さんやお祖母さん、それに皆さんの思いや積み上げてきたものを踏み躙られているようで……絶対に止めましょう!」

雪女「女……」

きつね「くく、強い娘だの。……人とそうでない者の血を継ぐお主がそう言ってくれるならば、妾たちも間違っていないと思える」

女「間違ってなんかいません! あ、で、でも、こうして暴れている人たちの理由を詳しく知りませんから、その、傲慢かもしれませんけど……」

きつね「……気に入った。妾の孫娘にならぬか?」

女「へっ?」

きつね「なに、流石に冗談だ。……ありがとう」

女「い、いえ……」

雪女「そんなに、ダラダラ喋っていていいわけ?」


きつね「案ずるな。もう終わったようだ。後は適宜、このうつけたちを説教して、罰を与えるだけだの」

女「罰、ですか……」

きつね「村の介護施設のボランティアを数週間やらせてみようかの」

女「(あ、健全だ)」


サァ…


雪女「わあ、晴れたわ!」

ねこまた「にゃは、思ったより早く一件落着にゃね!」ニュッ

女「きゃっ!?」ビク

雪女「ひにゃっ!?」ビククッ

ねこまた「また漏らしちゃったかにゃ?」

雪女「な、何ともないわ!」


雪女「(漏らす水がなくてよかったわ……)」




山姫「店番ありがとうございます~」ズルズル…

女「はい。あ、あの……さっきの男の子は……」

山姫「この河童の邪魔が入って、泣き出しちゃったから安全なところまで送ってあげましたぁ」ポイッ

河童「ぐふ……」

ねこまた「こいつも自警団だったにゃね……後で締めるにゃ」

山姫「あまり手荒いのは勘弁してあげてくださいね~」

きつね「分かっておるわ」

山姫「本当にありがとうございました~。ジュースどうぞぉ」

雪女「やったぁ!」

きつね「また雪解け水を補充するのか……」

雪女「も、もう絶対に漏らさないんだから!」

女「それ、フラグってやつじゃないのかなぁ……もう手遅れな気もするけど……」

雪女「うぅ……」




男「晴れた!」

銀「……」ストッ

男「あ、銀ばあちゃーん!」

銀「……男。気が付いたのか」ホッ

男「お陰様で」

銀「狐とねこまたは?」

男「ついさっき祭りの方に戻ったよ。用事があるとか」

銀「……そうか」

男「怒られちゃったよ。自分をもっと大切にしろって」

銀「……当たり前じゃ。ろくでなし」

男「うぐ……! いやあ、しかし、あれだね!」

銀「どうした?」

男「銀ばあちゃんの浴衣姿、最高に可愛いね!」ナデナデ

銀「……撫でるな」パシッ


男「……心配かけて、ごめんね」ギュッ

銀「……全くじゃ、ばか」

男「うん」

銀「……花火は、上がるのじゃろうか。儂のせいで、中止になったら、申し訳が立たん」

男「中止になったら俺のせいだよ」

銀「いいや、儂のせいじゃ」

男「いいや、俺だね」

銀「いや、儂じゃ」

男「いやいや」

銀「いやいやいやいや」

「「…………」」

男「ぷっ…」

銀「ははっ……」


「……通りに 花火大会を 実施します」


男「お、中止じゃないってよ」

銀「そうか」ホッ

男「いやあ、良かった良かった」

銀「うむ」

男「一緒に見ようよ。ここ、多分、よく見えるよ」

銀「し、しかし、お主は友人を待たせてるんじゃろう」

男「連絡入れておくから大丈夫だよ。それより、銀ばあちゃんと花火が見たいなぁ!」

銀「ば、ばかなことを言うな」

男「ダメか?」

銀「……ふん、儂なんかと見ても楽しくなんかないぞ」

男「そんなことないよ。銀ばあちゃんみたいな可愛い子と見られるなら超ハッピーだよ」ダキッ

銀「よ、世迷言を……」




女「友くんは、妹さんの体調が悪くなったから帰るって。男くんも、ちょっと離れたところから見るって」

雪女「もう、だらしないわね」アムアム

きつね「……♪」ペロペロ

ねこまた「……にゃふ♪」ムシャムシャ


女「(……完全に親戚の子どもたちの面倒を見るお姉さんの絵面だよね)」

女「(……これはこれで楽しいかも)」


クラ女「あれ」

女「あっ」

雪女「だれ? 知り合いなの?」

女「うん、今度転校する学校の同級生」

クラ女「妹……? 親戚の子?」

女「う、うん……」


クラ女「ふうん」

女「……」エ、エ-ト…

きつね「(……ここは一つ芝居を打ってやるか)」

きつね「お姉ちゃんも、一緒に花火見ようよ!」ニパッ

クラ女「あ、うん」キュンッ

ねこまた「ぶふっ……」プルプル…

きつね「……」ギニュゥ

ねこまた「あいたたたたた!!」ニャ-ン


ドンドンッ

雪女「きゃっ、な、なんなの!?」

クラ女「空砲。これから花火が打ち上がるわけ」

雪女「じゃ、じゃあついに……!」ワクワク



雪女「まだかしら」

ボンッ

雪女「あっ?」

ピュ-……

雪女「あー……?」

パッ

雪女「わあっ!」

ドォォンッ

雪女「ああぁっ!?」

女「音、びっくりするよね」カワイイ

クラ女「デカい花火は本当に大きいかんねー」カワイイ

ねこまた「んん、響くにゃー」キ-ン

きつね「そうだの」キ-ン


雪女「(……大丈夫、ちょびっとだけだから大丈夫……)」グスッ


ド-ン、ド-ン、ヒュ-…ババン…パラパラ…

女「綺麗だねー」

クラ女「うん…………神さまも見てんのかな……って、はは、冗談だよ」

女「見てると思うよ」

クラ女「え?」

女「銀鱗の龍神さまも、きっと見てるよ」

クラ女「……ん、そうかもね」



ねこまた「(チビの姿でにゃ)」ニャハ

きつね「(男と二人でな)」チッ

雪女「花火って、きれいね」

――――

「貴様、妾に何をした? なんなのだ、この姿は?」

銀「儂は何もしておらぬ。お主が儂との小競り合いの中で洗練されただけだ」

「……ふざけるな!」

銀「戯れで七日七晩、お主と死闘を死闘を繰り広げると思うか」

「……ふん、何が死闘だ。この妾をして、児戯に耽っておっただけではないか」

銀「そのような意図はないが、暴力は好かぬ。そして、お主には心から協賛してもらわぬといかぬ」

「……妾たちの安穏の場所を造る、か。貴様ほどの存在がそのような瑣末な企てをするか。くくっ、愉快だの」

銀「お主の力があれば絵空事ではなくなる。この憂き世はもう結構じゃ」

「……くくっ、龍が弱音とは、笑い種だの」

銀「……力を貸してくれんか」

「……もう七日七晩経って、同じ事を言えるなら考えてやっても良い」

――――――――

雪女「……何笑ってるの?」

きつね「なに、昔日の郷愁に誘われていただけだ」

雪女「……?」

きつね「ほれ、紙だ。そのままでは気持ち悪いだろう」

雪女「……!」ギクッ


きつね「(お銀……お主は、他者の為に己を犠牲にしてきたの。今も昔もいじらしい奴め)」

きつね「(……少しは己の幸せを求めても誰も責めはせぬ。誰が許さぬとしてもこの九尾の大妖狐が許そう)」

――――

銀「狐、戻ったぞ」

「……」キュッ

きつね「……妙なものを裾に着けてきたの」

銀「人間共に無理やり縛り付けられて消滅寸前まで衰弱しておった。活を与えたから好きにせよ、と言ってもこの通り離れん」

きつね「お主は住処に居つく存在だろう? 妾たちはどこぞの誰かの絵空事のために根無し草の生活
中だ」

銀「う、うむ……」

きつね「……とにかく、妾たちと共に居るのはお主のためにならぬ。さっさと、新しい依代でも見つけるのだな」

銀「うむ、狐の言う通りじゃ」

「……」キュゥッ…

銀「ううむ……」

きつね「随分と懐かれているの」

「……」

銀「……どうしてもというなら、儂らと来るがいい。ただし、まだ暫くは旅をするから、お主にとっては辛い日々になるぞ」

「……」コクリ

きつね「相変わらず来る者拒まずだの」

銀「そんなことはない。しかし、此奴のような者がいなくなるよう、儂らは動いている。それなら此奴の望みに応えるのもまた筋じゃろう」

きつね「……相変わらず、不必要なまでに頑固で律儀で意固地だの」

銀「それを知って儂に連れ添ってくれるお主も大概じゃろう」

きつね「ぐっ……」

「……あの」

きつね「む、喋れたのか」

銀「……どうかしたか?」

「…………ありがとう」ニコ


銀「う、うむ……」フイッ

きつね「……もう好きにせい」フイッ

――――――――


カタカタ…タンッ

座敷童「(……ふう、締め切りに間に合いますね)」

コポポ…

座敷童「……」コクッ…コクッ…


パァッ

座敷童「……あら、花火…………綺麗です」ニコ


座敷童「……銀……あなたのための花火で……皆が幸せな気持ちになれてるのですよ」

座敷童「……私も……あなたの幸せにお力添えできていればいいのですが けどね……」

――――

きつね「結界の修復が終わった」

座敷童「……お疲れ様です」

きつね「全くだ。今回の襲撃で、不要な労苦を負ったわ。張ったばかりというに」

「うるさえ、さっさと放しやがれにゃ、このクソ狐」ギチッ

きつね「……この化け猫は未だ身の程を弁えておらぬのか」

「だらだらと惰眠を貪って年食った化け狐に言われたくねーにゃ」

グルル…   フシャ-…

銀「やめんか狐。……ねこまた、お主をこのまま放すわけにはいかん」

きつね「それならここに置いておくのか? 此奴は妾が張った結界をすっかり使い物にならなくしたのだぞ」

「けっ、あの程度の結界、蚊帳の方がまだ頑丈にゃんじゃねーの?」


きつね「よく吼える三下だの」グルル…

「中身空っぽのお偉いさんは口がよく回るにゃ」フシャ-…

座敷童「……二人とも落ち着いてください」

「ちっ、てめーらと、そしてウチの姿はなんにゃ? 何の変異にゃ」

きつね「定常状態だ。別に龍穴の力を得ようとその姿は変わらんぞ」

「げっ」

きつね「んー、目論見が外れたか? 残念だのぉ! 残念だのぉ!」フハハ

「クソ狐が!」フシャ-…

おとこ「でも、おねえちゃん、すっごく、かわいいよ?」

「にゃっ!?」ボンッ

おとこ「かわいい!」

「うにゃにゃ……?」ボボボッ


銀「……ふむ」

きつね「妾は妾は?」

おとこ「かわいい! 座敷おばあちゃんもかわいい!」

きつね「そうだろうそうだろう」フリフリ

座敷童「……ふふ、ありがとうございます」

おとこ「もちろん、銀おばあちゃんも!」

銀「そ、そうか…………うむ、それがいいな」

きつね「何がだ?」

銀「猫叉、お主には、この子の遊び役に、なってもらうか」

「は、はあ?」

きつね「おい、血迷ったか」

座敷童「……そもそも人間の子どもに……慣れてないのではありませんか? ……つまり、その……」

おとこ「あそんでくれるの?」キラキラッ

「ぅ……こっち見んにゃ」フイッ

座敷童「……大丈夫そうですね」

銀「うむ」

座敷童「……ところで私の作ったババロア……よろしければいかがですか……?」

銀「ババ……? まあ、折角じゃ。いただくとしようか」

おとこ「これ銀おばあちゃんの、おっぱいみたい!」

銀「ぶっ……!」

狐「……ふはは、お銀の乳房はババロアか。これは傑作だの」

座敷童「……ふふ」

おとこ「はい、銀おばあちゃんの、おっぱい!」スッ

「く、食いづれえにゃ……」

――――――――


ねこまた「龍神さまのおっぱいはババロアにゃ」

女「ええ……?」

ねこまた「あと、狐は最初会った時からムカつく奴だったにゃー!」ガジガジッ

きつね「やめろ!」ベシベシッ


ねこまた「(にゃは、やっぱり全員揃って食べるご飯が美味しいよねっ!)」

ねこまた「(そのためだったら、周りにたくさん反対されても、ウチは銀の味方にゃー)」

――――

きつね「……うむ、結界は機能しているな。同祖神も問題なく龍穴から力が供給されている」

「そうか」

きつね「追加の術式で、完全に出入りを封じることも難なく出来るだろう」

「……うむ」

きつね「本当に良いのか?」

「……何を今更。その為に、お主を説き伏せたのじゃ。行脚して多くの妖怪を集ったのじゃ」

きつね「……そうだ。しかし、お主は本当に完全なる隔絶を望んでおるのか?」

「それは……む?」

アァ……ア……

きつね「人間の死霊か? 女…まだ新しいの」

「なぜ、この村に死霊が……」

アゥゥ……ァ……

きつね「兎にも角にも、葬送してくれよう」メラメラッ


シュゥゥ……

きつね「……ふむ。この先に亡骸があるのではないか」

「……」

きつね「関わらないでおくべきかの?」ククッ

「面倒事は結構じゃ。……しかし、荼毘に付してやるくらいはそう手間でもないじゃろう」ザッザッ…

きつね「お主が気付いていないわけないだろう。この先に小さな生命の鼓動があることを」

「……」

きつね「母子心中……子どもを仕留め切れなかった母親は、それならば誰かに子の存在を知らせたかった。下らぬのう。無責任だのう。そう思わぬか」

「……そうじゃな」

おとこ「……」

きつね「果たして、女の骸と弱った幼子……くく、どうするのだ?」

「……送り返せばいいじゃろう」

きつね「身寄りを無くした子ども一人を送り返すのか。はて、お主は鬼であったか? 妾の記憶違いでなければ全く名残はないが龍だったと思うがの」

「ふん……」

おとこ「……」スッ

「む」スッ

ギュッ

「(……儂は、何をしているんじゃ。中途半端な同情は此奴を傷付けるというに)」

「(…………しかし、見つけてしまった…………その手を握ってしまった)」


「あたたかい手じゃな」スッ

――――――――

銀「(この世が人の世となって久しい今では、儂のような厄介な存在は、もう隠れてしまった方が良いのじゃろう)」

銀「(……村の者たちが儂の我儘で、不満を抱くのも仕方あるまい。約束を反故にしているのじゃからな)」

銀「(この半端な状況で、蛇神とその妻には感謝してもしきれん)」

銀「(さっさと村を完全に閉ざしてしまうのが、やはり正しいのじゃろう)」


銀「(……しかし、もう少しだけ)」


銀「……我儘を言わせて欲しい」ボソッ

男「銀ばあちゃん?」ポフッ

銀「……頭の上に顎を置くな」ペチペチ

男「あいたた……ちぇっ」

パァッ

男「おっ、花火だ」

銀「……綺麗じゃな」

銀「(花火も、目が回るほどの人の世も、そして男たちと過ごすこの日々も)」


男「…………」

銀「……儂を見てどうかしたか?」

男「ん、銀ばあちゃんの方がずっと綺麗だなぁって!」ニコッ


銀「……っ、ば、ばかもの……!」プイッ

【次回、完結】
座敷童「……なんだかんだ長かったですね」

>>331
銀「うむ、感謝するぞ」

>>332
烏天狗「わ、私はそんなことにはならない」

>>333
友「(俺が刺殺される前に頼んます……)」

>>334
ねこまた「にゃは、当然だにゃ☆」

>>335
座敷童「……そういうのは……よくないと思います……」

>>336
烏天狗「……慰めてくれるな。可愛気がないのは、私が一番分かっている……」

>>337
男「もしもロリババアならどんなに辛く当たられてもご褒美です」

>>338
烏天狗「さて、どうだろうか」

>>339
烏天狗「……そうだな」

>>340
山姫「あらぁ、私がパクってしちゃっていいのかしら~?」ウフフ

>>341
きつね「今度は正妻を巡る戦いやらが起きて平和にはならなそうだの。もちろんその場合の正妻は妾だぞ」フンス

>>342
友「ヨーグルトソースってなんだ(哲学)」

>>343
男「銀ばあちゃんのおっぱいはババロア味だよね!」

>>344
山姫「あらあらぁ、それならぁ、私のおっぱいは何でしょうね~」

>>345
座敷童「……ティッシュと消臭スプレーです」

>>346
ねこまた「にゃはは、さすがに……にゃいといいよね?」

>>347
男「そこは譲れないよな」ウンウン

>>348
座敷童「……ハードから撤退して……久しいですね」

>>349
雪女「な、何言ってるのよ! ばかっ!」

>>350
雪女「へ、変なことばっかり言わないでよねっ! 氷漬けにするわよっ!」

>>351
ねこまた「怖いにゃー」

>>352
雪女「に、逃げなきゃ……!」ススス…

>>353
雪女「そ、そうよ! 雪解け水なんだから! お漏らしなんてしてないんだからねっ!」

>>354
雪女「も、もうやだぁ……!」

>>355
きつね「履いておるわ。ねこまたに殺られぬよう気を付けるのだぞ」

>>356
烏天狗「生き霊が村近くで迷っていたから送り返した」

>>357
座敷童「……私や銀はほとんどそうですね……狐もたまに……ねこまたはほとんど洋服ですね……」

>>358
きつね「妾かの。くく、取り乱して可愛いものだった。ん、男、これ以上、言わない欲しいのか? それなら仕方ないの」

>>359
銀「わ、儂よりも適任がおったからな……」ゴホン

>>360
ねこまた「にゃは、不意に突撃してた時の、慌てる男ちゃんの表情、最高に可愛いのにゃ」ゾクゾク

>>361
きつね「お銀は本当に気の遣い方が空回る。彼奴の魅力といえばそうだがの」

>>362
ヨーグルトソース「やめんか! って、なんで儂がヨーグルトソースになっとるんじゃ!?」


>>363
男「屋外にはほとんど使われない汲み取りの和式があるけど、家の中はトイレが二つあって、洋式と和式両方かな……汲み取りだけど」

>>364
雪女「い、意味が分からないわよっ! ヘンタイっ!」

>>365
雪女「カニ……? カニは美味しいらしいわね! 食べてみたいわ!」

>>366
雪女「よ、よく知らない人と結婚なんかしないわよっ!」

>>367
雪女「そ、そうよ! ……本当に好きになったらしないけど」

>>368
座敷童「……東で北の方でしょうか」

>>369
座敷童「……途上国の農村部などでしょうか……日本は携帯電話等が普及していますから……なさそうですね」

>>370
雪女「シベリアって寒いんでしょ? 行ってみたいわね!」

第一章完結ですね分かります

こんだけ溜まってるのに律儀に全部レス返すとは乙や
そして淫魔ちゃんいい子っぽいのにかわいそう…うち来る?

>>445
これは座敷童なのかな?

おいおい巨乳エロリババァは俺としっぽりするんだぞ

座敷童ちゃん縛るっておいおい
おいおいおい興奮してきましたよ

乙です、次回が楽しみで仕方がない

妖怪だし一夫多妻でもなんら問題ないことについて

きつねちゃんの尻尾ではたかれたい

銀ちゃんは龍なのか

龍殺しの聖剣アスカロンで銀おばあちゃんにダイレクトアタックしたい

竜殺しと言えばバルムンクやろ

日本なら天羽々斬

サキュバスの胸がデカいから嫉妬で消された可能性も…

男がお願いすれば蘇生出来そう
淫魔ちゃんお願いしたらエッチなことでもなんでもしてくれそうだから一緒に暮らしたい

次で第一章完結かぁ
その後第二章とかで>>1000までスレ続くんでしょ?俺知ってる

正直面白いから次スレも続いてほしい

ろりきょぬーたんぺるぺる ペルペル

サキュたん結局天狗共に利用されてただけってことか。
温泉好きなおっぱい幼女とか結婚したいわ。
なんなら殺されても一向にかまわない(迫真)。
ペロペロハスハス




「「「「「ただいま(にゃー)」」」」」

座敷童「……お帰りなさい」

雪女「座敷童さん、一人にしてごめんね! お土産たくさん買ってきたから食べて」

座敷童「……ありがとうございます」ニコ

ねこまた「にゃは、祭の食べ物って、お家で食べると全然美味しくにゃいよね」

銀「おい、ねこまた」

きつね「真実を言うのがいつも正しいとは限らぬと言っているだろう」

雪女「うう……」ウルウル

座敷童「……貴女の気持ちが……とても嬉しいです。……それに普段食べ慣れてない味で新鮮ですから」ナデナデ

雪女「……!」ブワワ…

男「(二人とも天使かよ)」



友「(……おかしい)」←188cm

友父「おう、風呂に入ってきたらどうだ? どうせなら、久しぶりに一緒に入るか!?」←193cm

友「入るかっての」←188cm

友母「あんたらが入ったらお湯が無くなるでしょ」←179cm

友「いや、入らないから」←188cm

友妹「……一緒に入る?」←174cm

友母「ダメに決まってるでしょ」←179cm

友「ママ上の言う通りだよ」←188cm

友父「じゃあ久々に父娘で入るか!」←193cm

友妹「いや」←174cm

友母「許すわけないでしょ……監禁するよ」ボソッ←179cm

友父「よし、パパお風呂に入ってくる」ママコワイ←193cm


友妹「……ちゃんと、シャワーで洗ってから入ってよ。汚い……」←174cm

友父「ひ、ひどい……これが思春期……」←193cm

淫魔「こらこら、いつも頑張ってくれてるパパにそんな口聞いちゃいけないよ」←141cm

友妹「……うん、姉さんの言う通りだよね。父さんごめん」←174cm

友父「おお……おお! 愛しい娘たちよ……! 久しぶりに一緒に入るか!?」パァッ←193cm

友母「調子のんな。色々食わせるぞ」←179cm

友父「うひっ……」←193cm

淫魔「お父さんとお母さんは相変わらず仲がいいね」←141cm

友「おい待て」←188cm

友父「おいおい、お姉ちゃんに対して反抗期か? そういうのはお父さんとお母さんにしなさい……あ、やっぱりお父さんにされたら悲しいからお母さんに……」←193cm

友母「はあ?」←179cm

友父「あ、やっぱり反抗する以外の自分探しの方が周りもハッピーだよね、うんうん」←193cm


淫魔「お姉ちゃんに甘えたいのかな? ほら、おいで?」←141cm

友「……ちょっと来い」←188cm

友母「ちょっとアンタ、姉弟で何するつもり。お姉ちゃんの優しさに漬け込んで変なことしたりしてないでしょうね」ギロッ←179cm

友「無罪! 圧倒的無罪!」←188cm

友妹「兄さん……やっぱりアニメや漫画だけじゃなくて、小さい方が好きなんだ」ジィッ←174cm

友父「そ、そういうのはパパ、ダメだと思います!」←193cm

友「いや、ちげえよ!お前らこのクレーターに違和感がないのかよ!」←188cm

友母「クレーター? あと、親に向かってその口の利き方はなに?」←179cm

友「ごめんなさい!」←188cm


友父「クレーター……あの甘くて美味しいやつか?」←193cm

淫魔「それはホットケーキなんじゃない?」←141cm

友「この場合はクレープだっての! ……だから、俺らが並んだ時に、盆地ができるだろうが!」←188cm

友父「??」←193cm

友妹「……あ、姉さんの背が小さいことを言いたいのかな」←174cm

友母「……分かりづらい。しかも、言う程か? 男女でも凹みがあるって」←179cm

友父「ははは、そんな分かりづらい言い回しをするからモテないんだぞ! あと、お父さんはまだよく分かってない!」←193cm

友「うるせーよ!」←188cm

淫魔「まあ、確かにボクだけ小さいよね」←141cm

友母「可愛いじゃない。アタシもこれくらいがよかったな」←179cm

友妹「うん……そうしたら、兄さんは振り向いてくれるかもしれないのに」ボソボソ…←174cm

友父「ははは、みんな最高に可愛い俺の家族だ」グッ←193cm

友「はあぁぁ……」←188cm



友「(祭りの帰り道に、めちゃくちゃボロボロになったエロい格好をした幼女が空から降ってきて、可哀想だから助けたら、いつの間にか姉になってた)」

淫魔「んふふ、愉快な家族だね」

友「何がどうなってんの?」

淫魔「ん、関係が円滑に行くように、ちょっとした術をかけたよ」

友「俺の家族に何か悪影響はないのか?」

淫魔「大丈夫じゃない……ただね」

友「なんだよ」

淫魔「食費や光熱水費とかがかかる」

友「……その分、労働しろよ」

淫魔「えー……」

友「まあ、後でもいいけどさ……」

淫魔「んふふ、優しいね……それじゃあ、まず……」ズズ…

友「……!?」


淫魔「ていやっ」ビュッ

バキキッ

友「……は?」

淫魔「盗聴器と隠しカメラを全部はかーい」

友「……そんなものが?」

淫魔「んー、これ相当古い型だね?」

友「(……まさか母娘間での継承……!? いや、親から盗んだのか?)」

淫魔「んふふ、愛されてるね……妹さんかな?」

友「た、多分……」

淫魔「モテモテだね」

友「妹にそういう愛を向けられても困るわ。外では全然モテないしな」

淫魔「…………」

(「……俺に、助けさせてくれよ」)

淫魔「……そんなことないかもよ? あと1万と2000歳くらい上だったら、アリだったかな」

友「は?」

淫魔「とにかく、完治するまでの暫くの間よろしくね」

友「……ああ。今更だけど、人間じゃないよな」

淫魔「んふふ、キミたちオトコノコの夢、淫魔だよっ」

友「わーい、かわいいやったー……ってなるか!」

淫魔「そう言われても実際そうだからね」

友「……まあ、信じるけどさ。今日だけでだいぶ非現実なものを一杯見たからな」

淫魔「ああ、そう」

友「それに、いずれにしろ悪いヤツじゃないだろ。そんな風には見えない」

淫魔「……うーん、褒められていると受け取ろうかな」

友「実際は?」

淫魔「……そこまでは? キミたちの家族に害は与えないようにするよ……生活費以外は」

友「なんかしろよ……」

淫魔「……ペットみたいなもの、ってことで。姉兼ペット。ペットなお姉ちゃん」

友「ライトノベルかスケベなマンガかな?」


淫魔「ムラムラしちゃう?」

友「いや、ちびっ子はストライクゾーンじゃない。なぜ、姉? 妹の方が自然だろ」

淫魔「これでもキミよりもずっとお姉さんなんだよ。それに、バストは大きいほうだと思うけどね」タユン…

友「(た、たしかに……だが、並んだ時に犯罪臭がしそうだからな……)」

淫魔「実際、君の年齢を三乗してもまだ僕の方がずっと年上なんだけどね」

友「事実なら、とんだロリババアじゃないっすか」

淫魔「んふふ、信じなくても別にいいけどね」

友「お、おう……」

淫魔「ペットだから添い寝とかすべき?」

友「基本的人権を尊重していく方針で」

淫魔「素晴らしい宿主を見つけたものだね」ワ-イ

友「言い方酷いな、おい」


友妹「兄さん」

友「(げっ……)」

妹友「ねえ、何をしたの?」

友「な、なんの話だ?」

友妹「……」ジイッ

淫魔「ねえねえ、そんなに怖い目で睨まれたら、勃つものものも勃たないよ?」

友妹「姉さんは黙ってて! 兄さんは私のものよ……私から盗ろうとするなら、姉さんでも“排除”するから」

淫魔「うーん、相手の気持ちを考えてないよねぇ……『盗聴器と隠しカメラのことは忘れてよ』」

友妹「……あれ?」

友「お、おい……」

淫魔「疲れてるみたいだねー、お風呂入ってきなよ」

友妹「……なんだか、とても腹が立っていたんだけど……兄さんと二人きりで何の話をしてたの?」

淫魔「今日も妹が可愛かったって話をしていたよ。『お風呂は気持ち良いよ』」

友妹「……そ、そうだね」

淫魔生きてたーやったね


友「……」

友妹「……ただ、姉さん、兄さんは私のものだから」

淫魔「うんうん、そうだね」

友「(おい……波風立たなくていいけどさ……)」


友「……妹は大丈夫なのか?」

淫魔「鋭いね」

友「それは許せないからな」ギロッ

淫魔「……君も大概だねぇ。お節介してしまったかな」

友「……いや、正直助かったけど。でも、ああいうのって悪影響ありそうなんだが」

淫魔「そうだね。怒りを無理やり抑え込ませたり、嫌悪感を好感に変えたりするのは負担が大きいよ」

友「だよなぁ」

淫魔「まあ、『忘却』は人間の機能の一部だし、『推奨』はバンドワゴン効果の強化版だから多分大丈夫だよ」

友「本当かよ……」


淫魔「そんなに設置してから日が短いみたいだしねー。後で受信機壊せば完璧だね」

友「おお、淫魔さま……! もしかして、俺と妹が道を踏み外さぬように遣わされた天使なのでは……!?」

淫魔「うげ、アイツらと一緒にしないでよ……感謝は嬉しいけど、君のことを嫌いにさせたりは出来ないと思うから期待しないでね」

友「あー……」

淫魔「あれだけ好意を向けられているなら受け入れればいいのに」

友「……正直、妹は可愛いよ。でも妹! 実の妹なの! 茨の道なの! そこを歩くだけの代償を背負う覚悟はないの……普通の恋愛をして健全な結婚がしたいの……」

淫魔「それじゃあ、ボクにしとく?」

友「普通の! 普通の恋愛がしたいの!」

淫魔「……だめ?」シナ…

友「う、ぐ……」

淫魔「(もう少し、信頼を得てから、オトナ体型で迫れば陥落できそう)」

友「はあ……こっちは真面目に相談してるのに……アンタは早く元気になって、大空に飛び立っていってくれ」

淫魔「ボクは鳥類扱いなの?」


友「というか、妹が暴走を始めそうだ。どうしよう……俺のせいでアンタが殺されるかも」

淫魔「衰弱しててもまだ人間には後れを取らないよ。ボクのことは安心してくれていいよ」

友「おお、そうなんか……そのまま、アイツを無害にして欲しいよ。もちろんノーリスクで」

淫魔「うーん、ちょっと思い付かないかな」

友「そうかぁ……」

淫魔「無理やりならいくらでも手があるんだけどね」

友「それはダメです」

淫魔「まあ、頑張って」

友「うぐぐ……」

淫魔「キミは可愛いねぇ……」




蛇神「参上仕りました」

女祖母「……」

女「……」

ねこまた「堅苦しいにゃ。フランクに行こうにゃ」

蛇神「はい」

女祖母「はい」


烏天狗「……」


女「(男くんと雪さんはいないのに、なんで私が呼ばれたんだろう……? 知らない人もいるし……)ソワソワ…

座敷童「……お茶です」コトッ

蛇神「これはこれは。恐縮です」

座敷童「……」ペコリ


きつね「本当に堅苦しいの、肩が凝るぞ」

銀「……重要な案件じゃぞ」

ねこまた「さっさと、議題を進めようにゃー」

きつね「うむ。まず、つい先日起きた祭りでの騒動についてだ」

烏天狗「……」

ねこまた「首謀者として上がっているのはそこにいる烏天狗にゃー」

女「(この女の人が……)」チラッ

烏天狗「……」ジロッ

女「……っ」

銀「間違いはないか?」

烏天狗「はい。ひとえに私の一存によるものでした。他の者は私が無理やり従わせていたにすぎませぬ」

ねこまた「にゃはー、流石に一人は無理あるにゃー」

きつね「くく、贄を捧げるにもあと数人は必要だろうに」

烏天狗「……」


銀「……本当にいいのか? お主の罪だけ重くなるぞ」

烏天狗「此度の一件は不肖めの至らぬ心と愚考がもたらしたものです」

ねこまた「それ抜きでも、今回おみゃーだけが、人間を殺そうとしたにゃ。あとは天狗が人間への暴行にゃね。これらは村の重要な掟に逆らってるにゃ。極刑もんにゃ」

烏天狗「天狗は私が無理強いをさせただけです。追放、斬首……如何なる処罰も甘んじて受け容れる所存でございます」

きつね「斬首とかしないからの。妾たちか血生臭いことはしないのは、よく分かっているだろう」

烏天狗「はい」

蛇神「……一部急進派がいるのは分かっていた。しかし、ここまで過激な行為に及ぶほど、逼迫していたとは思えないが……」

きつね「……他の下手人たちを尋問した結果、多くの者が、『祭り気分だった』、『やっぱりたまには人間を驚かせたかった』、『無銭飲食バンザイ』などの供述をした」

女祖母「……妖怪が単純にバカなのか、それともここがインモラル妖怪村なのか」

座敷童「……」ピクッ


ねこまた「結果的に、割と自警団のメンバーでも、人間との関わりに興味を持ってたりするみたいにゃ。逆に、一番人間と関われる機会が多いから志願したっていう変わり者もいたにゃ」

蛇神「……多くの者は、建前上あまり声を大にして言いませぬが、人間の文明の恩恵を大いに享受しています。さすがに、自警団は原理主義だと見なしていましたが……」

座敷童「……私の推測は外れましたね……てっきり、人間との隔絶を目指していたと思っていたのですが……それは本当に極一部でした」

きつね「その極一部ですら怪しいわ」

座敷童「(……ここまで軽はずみな考えで動く陽気な集団とは思いませんでした……年齢層が若い為でしょうか……?)」

銀「(正直、村のことで負い目を感じていたのが阿呆らしくなったわ)」

ねこまた「人間に肩入れしてるウチたちへの媚び諂いはけっこう入ってると思うけどねー」ニャハハ

女祖母「……しかし、処罰は大事でしょう? 落とし前はしっかり着けてもらわないと。済し崩しは今後のためになりません」

女「(お祖母さん、やっぱり物事をハッキリ言うなぁ……見習いたい)」

烏天狗「……先程も述べた通り、罰は謹んで受ける所存です」

座敷童「……その為にあなたたちを呼んだのです」

蛇神「?」

きつね「今回の下手人たちへの処罰は! お銀!」

銀「ごほん……『デイサービスで一週間奉仕』じゃ。む、天狗は1年だったか」


女祖母「は?」

ねこまた「にゃは、確か女祖母はデイサービスも経営してるにゃね? よろしくにゃー」

女祖母「……いや、こちらもビジネスですので」

蛇神「謹んで引き受けさせていただきます」

女祖母「おいこら、ショタジジイ」ボソボソ…

蛇神「だ、だって、このお方たちのご命令には『はい』か『肯定』か『イエス』でしか答えられない」ボソボソ…

女祖母「神のくせに情けない。負担は私に来るんだよ」ボソボソ…

蛇神「て、手伝います……」ボソボソ…

女「(この距離で声量を小さくしても全部聞こえてるよ……)」

銀「(……いつもすまんな)」

座敷童「(……神を尻に敷いてるのは……本当にすごいことですね)」

きつね「そして、首謀者、烏天狗よ」

ねこまた「おみゃーにはドギツい仕打ちが待ってるにゃ」ニャハッ

きつね「くくくっ……」

銀「(言う程か……? 罰というよりは更生じゃろう)」

座敷童「(……むしろ……ご褒美にすら感じますが)」

きつね「お主への処罰は! お銀!」

銀「ごほん……」


烏天狗「……ご冗談を」

ねこまた「マジにゃー」

烏天狗「……ご戯れも程々になさってください」

きつね「もう決定しておる。ということで、諸々の準備は頼むぞ」

女祖母「……これは私たちへの罰なんじゃ?」ピキピキ…

蛇神「つ、謹んでお受けいたします」

女祖母「ジジイこら! どうせ、全部私がやるんだよ! この甲斐性なし!」

蛇神「ひ、ひどい……」


女「(私が呼ばれた理由はこれかぁ……)」

ねこまた「面白そうだから、その時まで内緒にするにゃ」

女「は、はい……」

烏天狗「お、お待ちください……!」

きつね「これはもう決まったことだ。貴様には選択の余地も発言の権利もない」

烏天狗「……はい」ウググ…

きつね「うむ、良い子だ」ニパッ


「「「……相変わらず、あざとい笑顔」」」

ねこまた「だにゃー」

銀「じゃな」

座敷童「……ですね」

きつね「妾、よくわかんない♪」




男「課外とかめんどくせぇ……」

友「なんで、休みが始まる一週間前にあるんだか。早く帰りたい」

男「高校二年生の夏だぞ。遊ばせろっての……遊んだけど」

友「遊んだなー……確かにここで課外がないと学校生活に復帰できない感じはある」

男「それはそう」

友「……なあ」

男「ん?」

友「妖怪とか本当にいると思う」

男「……急にどうした?」

友「いや、なんとなく……」

男「いたら、面白いな」

友「……そうだな」

男「…………」


友「……なあ」

男「……なんだよ」

友「可愛い幼女な妖怪が本当にいたらどうする?」

男「……友の目の前に現れちゃいけないなぁ、幼女逃げてー」

友「猫耳とか着けてたらなおさら、いいよな」

男「…………」

友「…………」

男「……えーと」

友「……言い忘れてた。俺は、何があってもお前の親友でいようと思ってるよ」

男「……サンキュ」

友「……荒唐無稽なオタ話に付き合わせてすまん」

担任「本当だよ。よく分からん甘酸っぱい青春劇やってないで、ちゃんと聞け」

「「すみません」」



男「ただいまぁ! 雪さーん!」ダキッ

雪女「あっついし汗臭いわね! はなしてっ!」ジタバタ

男「おっと、これは失礼」


座敷童「……あら、お帰りな」

男「シャワー浴びてきたら、もう一回抱かせてね」

座敷童「…………はい?」


雪女「まったく、強引なんだから……」

座敷童「(……まさか、そんなわけ……)」

雪女「暑いし、(抱き締める力が強くて)痛いし、(男の汗で)ベチャってなるし……まあ、悪くはないけど」ボソボソ

座敷童「!?」

雪女「あれ、座敷童さん」

座敷童「……」フラフラ…

雪女「あ、あれ……?」



男「上がったー! 雪さーん」ガバッ

雪女「きゃっ、ちょっと……!」

男「うおっ!? よろめいた雪さんにつられて俺も前のめりに転んで、しかも雪さんの手がたまたま俺のズボンの裾に引っかかって脱げて、しかも、転んだ拍子に雪さんの服がはだけてしまった!? しかも、謎の体幹トレーニングのような態勢になって体がきつい!」ドサッ

雪女「その説明口調はなによ!?」


座敷童「(……取り乱してしまいましたが……常識の範囲で考えて……私の早とちりでしょう)」スタスタ…

座敷童「……雪女さ」

男「はあ……はあ……」

雪女「ちょ、ちょっとぉ……!」

座敷童「……お、男くんがケダモノに……」グルグル…


男「や、やばい、態勢が……腹つった……」プルプル

雪女「いいから早くどきなさいよ!」



男「あれ? 座敷ばあちゃん? 大丈夫?」

座敷童「……男くんが……男くんが……」

男「ど、どうしたの」

座敷童「……妖怪を選ぶなら……私を選んでください……!」

男「??」

雪女「??」



座敷童「……転んであの状態に……そうですか……」

男「軽くピタでゴラったよ」

雪女「まったく、急に抱き着くのやめてよね」

座敷童「……急でなければいいんですか?」

雪女「え、あ、そ、それは……」

男「おおっ?」



座敷童「やめましょう。この話は終わりです。いいですね?」

雪女「は、はい」

男「(座敷ばあちゃんの様子がおかしいぞ)」

男「あっ、さっきの選ぶってもしかして……」

座敷童「終わりと言いましたよね?」ニコ

男「ごめんなさい」




雪女「相変わらずミニトマト美味しいわね」プチッ

きつね「ふふふ、そうだろうそうだろう。当然だの」ドヤッ

銀「ところで、雪女」

雪女「ふぁひ?」モグモグ

銀「お主はそろそろ寝ぐらに帰れ」

雪女「……」ピタッ

男「えー、まだしばらくいればいいのに」

ねこまた「ズルズルいると帰れなくなるにゃー」

座敷童「……それはそうですね」

雪女「そ、そうね……」

きつね「お銀はお主のために言っているのだ。本来、夏に活動する妖怪ではないだろう。様々な不調が出てきてもおかしくない……自覚はあるのではないか?」

雪女「……」

座敷童「(……度重なる粗相は……夏の影響もあるのでしょうね)」

男「うーん、そっか……でもなぁ」

雪女「……明日帰るわ」

男「明日!? そんな急な……」

きつね「そこまで急く必要もあるまい」

座敷童「……送る前にささやかでも……もてなしをさせてください」

雪女「明日帰るの!」

座敷童「……」

銀「……分かった。明日、お主の寝ぐらまで送り返そう」

ねこまた「にゃー……」

雪女「アタシは雪女よ。吹雪荒れる雪山こそがアタシの最高の居場所なのよ。夏なんて、暑苦しくて最悪よ!」スクッ

雪女「冷蔵庫とかいう狭くて変なニオイのする寝床からもさよならできて清々するわ! 好きなだけ寝ていられるし! 雑用を押し付けられないし! うるさくて抱きついて来るやつもいない! 最高ね!」スタスタ…


ねこまた「……にゃふぅ、ちょっと可哀想にゃ」

銀「……」

きつね「詮方なきことだろう。それに、今までも彼奴はそうして生きてきたのだ。それが元に戻るだけだ」

銀「……彼奴のためでもあるんじゃ」

男「……でも、雪さんが来て、賑やかさが増したよね。帰ったら寂しいよ」

座敷童「……元気な子ですからね」

ねこまた「にゃは、弄りがいあるもんねー」


男「(はあ……貴重なロリババアが減ってしまうのか)」

男「(取り敢えず様子見てこよう)」



男「雪さん?」

「……」

男「……扉開けるよ」ガチャ…

雪女「……」モゾ

男「(布団被ってら)」

男「雪さん、帰るのはせめてもう少し後にしてよ。座敷ばあちゃんや銀ばあちゃんももっと美味しいものを食べさせたいっていうし、俺もまともな贈り物を用意したいからさ」

雪女「……うるさいっ」グスッ

男「…………雪さんと別れるのは、とても寂しいよ。できればもっと一緒にいたい。でも、それが雪さんの負担になるのならダメだよ。雪さんに何かあったら嫌だし」

雪女「わかってるわよ!」バッ

男「……」

雪女「……でも、こんな生活を知ったら……!」

男「あー……マンガも電気もないんだよな……」

雪女「そうよ! アイスもないし、ゲームもできないわ!」

男「想像ができない……確かに俺も泣いてしまいそうだ」


雪女「何より……!」

男「……?」

雪女「……また……独りぼっちよ」

男「……!」

雪女「知らない季節の暮らしは、目新しいものばかりだったわ。でも、それが楽しいと思えたのは、そばに、アナタたちがいたから」ポロポロ…

雪女「不思議なの…ずっと、独りでも何でもなかったのに……今は、独りぼっちになるのが、寂しい」

男「雪さん!」ダキッ

雪女「……」

男「会いに行くよ! ……毎日! 毎日会いに行くからね! 嫌になるくらい顔を見せに行くよ! 女さんも連れてくようにするし、新しいマンガも持ってくから! 寂しい思いはさせないから!」

雪女「おとこぉ……」ボロボロ…



銀「……はぁ」




男「(結局、昨日は長いこと雪さんに寄り添っているうちに冷蔵庫の中で眠ってしまったが、震えが止まらん……喉も痛いし、風邪かな……)」ブルッ

雪女「大丈夫……? アタシのせいで、ゴメン……」シュン

男「いやいや! これ新しい筋トレだから! 雪さんが気にすることなんて何もないよ!?」

男「(あぁぁぁああああ! しおらしい雪さん可愛いぃぃいいい!! 活力が漲ってくるぅぅぅうう!!)」ブルブル…

座敷童「……危険ですから、冷蔵庫内で同衾するのはやめてください……死んでもおかしくないんですよ……?」

雪女「ごめんなさいぃ……」ウゥ…

男「だ、大丈夫! 雪さん可愛い!」

銀「食事中じゃぞ。静かにせんか」

きつね「くっくっ、嫉妬に狂う女は醜いの」

ねこまた「そう言ってる自分も嫉妬してるにゃー」ニャハッ

座敷童「(……そうからかっている貴女も……)」

銀「あとで儂がなんとかしてやる」

銀「……時に雪女」

雪女「……?」

銀「お主に謝らないといけん。すまん」

雪女「……なにを?」

きつね「……くくっ」

ねこまた「にゃはは」

座敷童「……」フゥ


銀「お主の寝ぐらを壊してしまった」


雪女「……はい?」

きつね「しかも、風穴だけでなく、お主が冬を過ごす小屋もだ」

ねこまた「代わりに使えそうな洞窟とかも八つ裂きにゃー」

座敷童「……」

雪女「え、は、なんで……?」


銀「なんでも近くに源泉があるらしくてな。昨夜、気まぐれで探索に行ったのじゃ」

きつね「そうしたら、お銀が大きなくしゃみをしての。たまたまお主の寝ぐらであった風穴が壊れたのだ」

ねこまた「ひどい偶然にゃねー」

男「……」

銀「しかも、動転した狐が暖をとるために、簡素な空き家を燃やしてな……お主の小屋じゃった」

きつね「それを見てどういうわけか発狂したあほ猫が、あちこちの洞窟やら風穴やらで些か激しい爪どきを初めてしまったのだ」

ねこまた「あざとい女狐ふざけんにゃ」

座敷童「……とにかく……雪女さんの帰るところがなくなったのです」

雪女「……えっ?」

銀「すまん、儂のせいじゃ。代わりといってはなんじゃが、暫くはここにいてもらって構わん。儂が力を与えれば、季節程度の影響は問題ないだろう」

ねこまた「レベルをあげて物理で殴る理論にゃ」



きつね「源泉は無事に発見した。調査等が終わったら、温泉施設を作るのも悪くない。まだ、具体的なことは決まっておらぬがの」

ねこまた「その時は、おみゃーや、他の山の妖怪に管理を任せようと思ってるにゃ。まだまだ先の未来だけどねっ」ニャハッ

雪女「ちょ、ちょっと、待って……混乱してるわ……」

座敷童「……もう少し……私たちと一緒にいてくれませんか?」ニコ

雪女「……!」ブワッ

ねこまた「またいいとこどりしてるにゃー!」

きつね「童、ずるいずるい!」プゥ

座敷童「……す、すみません」

男「やったね! 雪さん!」

雪女「べ、別に感謝なんか……うぅ、ありがとぅ……」ウルウル…

ねこまた「そこはツンデレしろにゃー」


銀「……やれやれ、騒がしいやつらじゃな」



男「さあ、久しぶりに比較対象実験だ!」

男「今回は『プロポーズ(仮)ドッキリ』だ!」

男「ネタばらしでガチギレされるかもしれないけど、軽蔑されるかもしれないけど、マジお断り食らって凹むかもしれないけど、それでも可愛いロリババアを見るためにやらなければいけないんだ!」キリッ

男「お断りの言葉を考える姿! 申し訳なさそうに断ったり、照れながら説教する姿! 冷たくあしらう姿! ふふふ、たまにはそういったロリババアを見てときめきたいんだ!」

男「やってやる! 俺はやってやるぞ! 」


男「まずは、一番出会ってから日が短い雪さん! 一番冗談で済みそうだ! きっと照れて蹴りとか入れてくるはず! バッサリ切られても興奮する!」

男「行くぜ!」


男「雪さん……!」キリッ

雪女「……な、なに? やけに真面目くさってるわね」

男「俺と結婚しよう!」

雪女「…………」

雪女「……!!??」

雪女「ほほ、本気で言ってるの!?」

男「本気だよ!」


雪女「……ア、アタシなんて、可愛くないし、口も悪いし、力もへっぽこだし、そ、粗相もよくしてるのよ……? ……言ってて自分で哀しくなったわ」

男「いいや! 雪さんは可愛いよ! ちょっとツンとした言い方も最高だし、どこまでも素直で純粋で可愛い! 力とかどうでもいいよ! お漏らしなら俺に飲ませてくれ!」

雪女「へ、変態!」

男「ありがとう!」

ありがとう!


雪女「…………アタシでいいの?」

男「(……あれ? 風向きが……? しかし、行くしかねえ!)」

男「雪さんがいいんだよ」

雪女「……ふ」

男「(『ふざけんな、死ね!』 とかが来るかな!?)」ドキドキ

雪女「不束者ですが、よろしくお願い致します」ペコ

男「……ぇ」

雪女「あ、挨拶ってこれでいいのよね!?」

男「あ、うん、多分」

雪女「……そっかぁ。アンタがね。……よ、よろしくね」

男「ちょ、ちょっと!? 本当にいいの!? 出会ってからまだちょっとしか経ってないよ!?」

雪女「アンタはそうでも、アタシからしたら一番付き合いの長い異性よ」

男「あ、ほんと?」テレッ

雪女「結婚は勢いって言うしね。べ、別にアンタのこと嫌いじゃないし……」モジッ

男「ぐふっ……」ボタタッ

雪女「ちょ、ちょっと、大丈夫!?」

男「だ、大丈夫……。ちょっと雪さんが可愛い過ぎて興奮し過ぎただけだから……」

雪女「そ、そんなに……?」

男「……ただ」

雪女「その、末長くよろしくね」

男「はい!……って」

雪女「……じゃ、じゃあ!」トテテッ




男「(やばい、言い出すタイミングを見失った! 雪さん、照れたのか行ってしまった!)」

男「(……これはこれでありか)」

男「(いやいやいやいや……まずいですよ!)」

男「(……ネタばらしは後にしよう。氷漬けで殺されかねない)」

男「(だが、ここで折れてはいけない! 次だ! 次に行くぞ!)」

男「(次は……狐ばあちゃんから行こう! 狐ばあちゃんは大人の余裕でさらりと振ってくれるはず!)」

男「(イくぜ!)」


男「狐ばあちゃん……!」

きつね「どうした? いやに真剣な顔をしておるの?」

男「……狐ばあちゃん野菜はいつも美味しい!」

きつね「そうかそうか! 嬉しいことを言ってくれるの」モファモファ

男「あふ……って、今はそれどころじゃない!」

きつね「なんだ、一本でなくもっと増やして欲しいのか?」

男「ああ……ってそうでもない!狐ばあちゃん」キリッ

きつね「うむ?」

男「狐ばあちゃん、好きです。俺に一生モフモフさせてください! それ以上のこともさせてください! 結婚してください!」

きつね「……くはは、冗談でもそういうことを言うでないぞ?」

男「(……大人しくここで引き下がっていれば、無傷ですむ…………が!)」


男「冗談じゃないよ。俺は本気なんだ!」ガシッ

きつね「……妾は人ではない。添い遂げても幸せになれぬだろう」

男「そんなことないよ! 俺は狐ばあちゃんに一緒に暮らしてきて、本当に幸せなんだ! そして、狐ばあちゃんと、これからも幸せに生きたい!」

きつね「…………」



きつね「ふふ……」

男「(『妾に求婚なぞ一万年早い』とかかな?)」ドキドキ

きつね「そういうことならば、妾は何の遠慮もしないぞ」

男「へっ」

きつね「式はお主が十八になってからだの。白無垢にするか? それとも今時のウェディングドレスというものも着てみたいの」

男「お」

きつね「いっそ、二つするのも有りだの」

男「あの……」

きつね「楽しみだの」ニパッ

男「うん!」



男「(あ、あれええぇぇぇえええ!?)」

男「(な、なんか想定と違う!)」

男「(想定では断られた後にネタばらしして、怒ったり冷たい視線を浴びせる姿を拝むはずだったんだけどなぁ!)」

男「(いや、プロポーズを受け入れられるのは嬉しいけど! 狐ばあちゃん、結婚したいくらい好きだけど!)」

男「(……後でネタばらしすればいいだろう……半殺しくらいは覚悟しておいた方がいいかな)」


男「(だが、まだだ! まだ終わらんよ!)」

男「(次は……きっと笑い話になるだろう! ねこまた姉ちゃんだ!)」

男「(きっと、軽く叩かれたり引っ掻かれたりして終わるはず)」

男「(やってやるぜ!)」


男「ねこまた姉ちゃん……!」

ねこまた「にゃにゃ……? 男ちゃん、マジ顔でどうしたにゃ?」

男「いつも楽しそうなねこまた姉ちゃんが好きだ! 俺と結婚してくれ!」

ねこまた「にゃ!?」

男「(『男ちゃん、お姉ちゃんをからかうんじゃにゃいよ!』ってな感じで叩かれるかな?)」ドキドキ

ねこまた「……嬉しい」ウル…

男「!?」

ねこまた「男ちゃん、ずっと好きだったにゃ」ギュッ

男「……ぁ」

ねこまた「お姉ちゃんが、絶対に幸せにするにゃ! ……子どもはたくさん欲しいにゃ」ニャフ…

男「う、うん……」

ねこまた「にゃはー! やったにゃー!」ピョンピョン



男「ええとですね……」

ねこまた「冗談とか言わにゃいよね?」ニコ

男「はい」

ねこまた「よかったにゃー。もしそうだったら、何回殺してたか分かんにゃいよ」

男「ははは、人は一回しか死ねないよ?」

ねこまた「にゃふー、よろしくにゃー、だ・ん・にゃ・さ・ま♪」

男「よっしゃ! 任せて!」




男「(あかん……俺は死ぬかもしれない)」


男「(……考えるのはやめよう)」

男「(考えるな。感じろ)」

男「(感じろよ……俺の中に満ちる、このロリババアへの愛を……!)」

男「(俺は行くぜ! 遥か彼方までぶっちぎる! 愚直ダッシュだ!)」

男「(次は……座敷ばあちゃんだ……!)」

男「(しかし、座敷ばあちゃんは、やんわりと断りそうだよな)」

男「(男、いきます!)」


男「座敷ばあちゃん……!」

座敷童「……男くん? ……思い詰めた顔でどうしたのですか?」

男「俺、座敷ばあちゃんが好きだ! 伴侶として、一生座敷ばあちゃんの隣にいたい!)」

座敷童「……そういった冗談は……やめなさい」

男「……冗談に見える?」

座敷童「……本気なんですか? ……私は人間ではありません……男くんには……もっと相応しい人間のお相手がいるでしょう」

男「それでも、俺は、座敷ばあちゃんと結婚したいんだ!」

座敷童「…………」

男「(どう来るかな……優しいから、逆にバッサリ来るかも)」

座敷童「……覚悟はあるのですか?」

男「(……おや? 空気のようすが……!?)」


男「……もちろんだよ」

座敷童「…………ありがとうございます」

男「(お、ここから、断ってくるパターンだな。やっぱり優しいなぁ)」

座敷童「……男くんが望むならば……私はどんな辛酸にも耐える心算です」

男「……ん?」

座敷童「……貴方の言葉を……ずっとずっと……待ち望んでいました」

男「座敷ばあちゃん……?」

座敷童「……こうした時……瀟洒な言葉は出てこないものですね……」ニコ

男「幸せになろう」ギュッ

座敷童「……貴方だけの座敷童になり……貴方に富と健康と……私の胸一杯の愛を」



男「(よーし、腹くくりましたよ)」

男「(もう何も怖くない)」

男「(あらゆる可能性への覚悟を決めたぜ)」

男「(……ただし、俺一人が負える責任を遥かに超えている)」

男「(ダメじゃねえか! だああ分裂できないかな、俺! )」

男「いや、幾ら自分でも俺じゃないやつが、ばあちゃんたちといちゃいちゃしてるなんてイヤだぁぁああああああ!! 俺は独占欲と嫉妬の塊だぞ!! 何を譲ろうとそこは譲れねえぇえええぞぉおおおおおこ!!)」


男「(考えるな……銀ばあちゃんの可愛さを感じようじゃないか)」

男「(俺の後ろに道はない。俺の前にも道はない)」

男「(それでも! 最期までやるしかねえ!)」


男「(逝くぜ!)」


男「銀ばあちゃん……!」

銀「……男? 険しい顔して、悩みでもあるのか?」

男「……今まで育ててくれてありがとう」

銀「な、なんじゃ急に……」

男「俺、銀ばあちゃんに出会えて、本当に良かったよ。おかげでこうして幸せに暮らしていられる」

銀「……」

男「でもさ、それだけじゃ足りなくなったんだよ」

男「銀ばあちゃんを支えられるだけじゃなくて、俺も銀ばあちゃんを支えたい」

男「俺はちっぽけな人間だけど、銀ばあちゃんと肩を並べて生きたいんだ……!」

男「(……嘘は何もない。だが、本当に言うのか? 銀ばあちゃんまで傷つけるのか? 最低だからって、無責任にも更に酷いことを続けるのか……?)」

銀「……」

男「(……でも、心に偽りはない)」


男「銀ばあちゃん、愛してる。俺の嫁になってくれ」

銀「……世迷言を」

男「……銀、愛してる。本気だよ」

銀「…………」

男「…………」

銀「…………ふん、儂にとっては人の一生なぞ、瞬きしている時間とそう大差ない」

男「……うん」

銀「それくらいの時間ならば、お主と添い遂げてやるのも、一興じゃろう」

男「……それでも、俺には一生なんだよ。ありがとう」

銀「……儂にとってもこれほど重要な瞬き、他にないわ」プイッ



男「(やり切った! 俺はやり切ったぞ!)」

男「(……どうしようかな)」

男「(今、最高に幸せな気持ちだけど、どうしようかな)」

男「(取り敢えず遺書を書いておこう)」


銀「……ふん」

ねこまた「にゃはは、思い詰めてるにゃ」

座敷童「……逆ドッキリも面白いものですね」

雪女「冗談でも、やっていいことと悪いことがあるのよ! いい気味だわ!」

きつね「本気で騙すつもりなら、企みを一切口に出すべきではないだろうに……」

雪女「全員、完全に防音していたものね」

きつね「妾の結界と銀の結界、童の空間支配を組み合わされば、ねこまたの地獄耳も無効化だ。術者の不正も不可能」

ねこまた「ドッキリのために国家を総動員するくらいの無駄遣いにゃー」


座敷童「……そうですね……それで何と応えたのですか?」

銀「そ、そういう童は?」

座敷童「……やんわりと断りましたよ」

きつね「妾もさらりと断ったぞ」

ねこまた「ウチは軽く引っ叩いて断ったにゃ。 もちろんケガはさせてにゃいよ?」

雪女「ア、アタシも『ふざけんな、死ね!』って断ったわよ!」

銀「や、やはり皆そうなんじゃな!」


きつね「これなら、わざわざ防音にする必要もなかったの」

座敷童「……そうですね」


雪女「(こ、このまま黙っていれば、アタシが……!? でも、正直勢いに呑まれたところが多いし……でもでも、正直嫌な気は……)」ドキドキ…

銀「(……始めは冗談でも、ここから新しい関係を始める……いや、しかし……)」ウ-ム…

ねこまた「(にゃー、絶対に嘘つきが混じってるにゃー。でも、男ちゃんに逆ドッキリのことを黙っておいた方が得するにゃね♪)」

座敷童「(……他の方々の申告の真偽はどうあれ……これを盾にして……どんどんと取り返しのつかないところにまで運べば……)」グルグル…

きつね「(……此奴ら、どうもまともなことを考えておらぬ顔をしておるの。妾が良心となるか)」


きつね「ふはは、逆ドッキリ成功だの!」トテトテ


「「「「「!!」」」」」


男「(この後めちゃくちゃ土下座した)」




男「やばいやばい、寝坊した!」

雪女「慌ただしいわね」

男「今日からまた学校が始まるんだよ……はあ、憂鬱」

銀「全く弛んでおるな。学生の本分は勉強じゃぞ。確かに今は必要性を疑うかもしれんが、勉学にしっかり励むことは将来において……」クドクド…

男「ご、ごめん……後で聞くよ!」

ねこまた「朝ご飯はちゃんと食べるにゃー」

きつね「妾の作った野菜もしっかり食べるのだぞ」

男「へい。いただきます!」バクバク…

座敷童「……洗っておいた制服とシャツは……隣の間に一式揃えてあります」

雪女「あまり急に食べると体がビックリしちゃうわよ」

男「分かった、ありがとう。……ご馳走さまでした」


男「あ、あれ、原付の鍵は……?」

雪女「昨日着てた服のポケットに入ってたから、洗濯機のところの棚よ……待ってて」

ねこまた「男ちゃん、昨日正誤チェックしてた課題が出しっ放しにゃ」

男「うわぁ、やべぇ! ありがとう!」

雪女「鍵はこれでしょ」

男「ごめん! ありがとう!」


男「……あれ、ヘルメットがない!?」

座敷童「……そういえば……内側を洗った後……戻していませんでしたね……」

銀「ほれ、そう言うと思って用意しておいたわ」

男「おお、さすが! 本当にありがとう!」


男「(時間は、何とかなるな……ばあちゃんたちのおかげだ)」

男「(……しかし、相変わらずばあちゃんたちがいないと俺はダメだなぁ)」

男「(一人でも生きていけるようにならないとなぁ)」


きつね「気を付けての」

ねこまた「早く帰ってきてお姉ちゃんと遊ぶにゃー」

銀「たわけ、下校時間まで勉強するくらいがちょうどいいじゃろう。もちろん、その時は連絡を入れるんじゃぞ」

男「あはは……」

座敷童「……頑張ってくださいね」

雪女「ちゃんとやりなさいよねっ」


男「(……まあ、今は精一杯甘えさせてもらおうかな!)」



カチッ ブルル…ブゥゥゥ……ッ!

男「それじゃあ、行ってきます!」

男「(ん、なんか言ってる……?)」ブゥゥウウ……




銀「お」

きつね「し」

座敷童「……ま」

雪女「いっ」

ねこまた「にゃー」



男「とっぴらんぱらりのぷぅ」ブゥゥゥウウウ……

【オマケ1】

ようお前らー、また新学期がはじまるよー。積みゲー消化できなかった先生は憂鬱だ」

クラ女「担任ちゃん、ほんと干物だよね……」

担任「独身アラサーとしてやばいのは自覚してる……そんなことより、転校生ですよ、皆さん」

友「……誰だか知っていても、なんかドキドキするな」

男「そうだな……そういや、座席が二つ増えてるんだけど」

友「二つ……? あれ、本当だ」

担任「そう! なんと転校生が二人もいるんだぞ! しかも二人とも女子だ!」ドヤ

友「謎のドヤ顔だー」

担任「うるさいよ。さあさあ、入っておいで」

ガララッ

女「……」ドキドキ…

友「おおー!」パチパチ…

女「(なんで拍手……?)」


担任「あれ、飛び入りちゃんは?」

女「あー……ちょっと連れてきます」

担任「あ、転校生どうしでもう仲良くなってるのね……」

女「ほら、入っておいで……」グィ

「うぅ……」

男・友「「……はあ!?」」ガタッ


烏天狗「……っ」


男「な、なんでお前が……!」

友「お、お前この前の……!」

男・友「「……ん?」」

担任「おいそこの二人、イチャついてるんじゃないよ。知り合いなのかい? それともあまりに美人だから印象を与えたいのか? ガッつきすぎだろ」

アハハハ……!

女「あはは……」ヒクヒクッ

――――

銀「人間の学校に通え。それがお主の罰だ」

烏天狗「……はい?」

銀「お主について、山姫を始めとして多くの者から陳情が届いておる。それを踏まえると、お主にはこれがもっとも効果的という結論に至った」

烏天狗「……っ、し、しかし、私は人間を殺めようとしたのですぞ……! そ、それに、人間の勉強も分かりませぬ」

銀「もちろん監視役兼教育役をつける……女」

女「は、はい……」ヤッパリ…

銀「此奴の監督及び指導を命ずる。定期的に報告させるが、烏天狗が問題を起こした際はすぐさま報告するように」

女「……はい」

きつね「問題を起こした時は職務怠慢と見なして、過酷な“研修”を受けてもらうぞ♪」

女「ひっ……」

――――――――


烏天狗「(正直、あのお方たちのお考えになることは理解できん。私が人間と共存できるとも思わん)」


男「……」


烏天狗「(……しかし、これは私に与えられた最後の機会なのかもしれない)」


烏天狗「(……私は、少しは変われるだろうか)」


女「(……私、これから心労がどんどん増える気がする……あはは、こうなったら、楽しまないと損だよね! 防衛機制なのか、謎のポジティブだよ!)」


友「……男、いい加減、話があるんだ……」ガシッ


男「……俺の学校生活はどうなるんだ」

【オマケ2】

友「人間じゃない者たちと暮らしてるねぇ……」

男「おう」

友「人外の血を引いてるねぇ……」

女「うん」

友「妖怪で男の幼馴染みねぇ……」

烏天狗「ああ」

女「更に加えると、うちのお祖母さんが、男くんの戸籍上の母親だから、男くんは私の戸籍上の叔父さんなんだよね」

男「叔父です。この子は姪です」

友「これもうわかんねぇな」

男「お前は?」

友「空からロリババアが降ってきて義理の姉になった」

男「今のご時世に落下型ヒロインかよ。『いんもらる』の一巻じゃないんだからさ」

烏天狗「女、コイツらの言葉がよく分からない」

女「私も分からないよ……」

>>462
ねこまた「本当は『各季節全て』とか『各個別ENDからハーレムEND』とか考えてたらしいけど、技量と熱意と時間が足りにゃかったって! 情け無いにゃあ」

>>463
淫魔「ボクも大概だからね……んふふ、ありがとね」

>>464
淫魔「そうらしいよ。んふふ、みんなに愛されるのも大変だ」

>>465
座敷童「……中々倒錯的な嗜好ですね」

>>466
きつね「実際、そうもいかぬだろう。でも、愛さえあればなんとなるかも♪」ニパッ

>>467
きつね「妾は叩くよりも、モフモフして頭を撫で撫でしてやりたいぞ」

>>468
銀「今となっては名残も少ないがな……」

>>469
銀「なんじゃ、儂を殺したいってことか……」

>>470
銀「エモノの吟味か……勘弁してくれ……」

>>471
銀「そんなに儂を殺めたいのか……?」ウルウル…

>>472
淫魔「んふふ、魅力的すぎるカラダも考えものだね」

>>473
淫魔「エッチなお兄さんだぁ……」

>>474
ねこまた「続きどころか、現行以外はしばらくssを書かにゃいんだって。だから、そこの君に任せるにゃ☆」

>>475
きつね「それはお主に任せるぞ」

>>476
淫魔「飼い犬に手を噛まれたって感じなのかなぁ……飼えてなかったわけだけど。キミも温泉好き? 同志だね!」

>>487
淫魔「生きてたよ! わーい!」

>>515
雪女「もう……どうすればいいのよぉ……」

第一章完結おつ!
数ヶ月に一回のペースでもいいから続いてほしいなぁ

乙乙!
人にも勧められるssだね!


僕に座敷ばあちゃんの胸一杯の愛をちょびっとだけでもいいので分けて下さい

終った…終わってしまったよ。
大層乙であった。よいSSをありがとう。
友と妹ちゃんがいちゃこらするところ、もっと見たかった。

第2章が始まるのか最低でも虎舞竜は抜こうぜ

ロリババア腹筋スレを立てれば
間違いなく釣れるんだろうな

乙!
良作だった
このままオマケ続かないのかな…

男と烏天狗ちゃんの絡みも期待してます!!

鳥天狗嫌い
サキュバスちゃんとの絡みキボンヌ

烏天狗はな…毒吐きまくってる横でヨーグルトソースさんか誰か思考音読して男に聞かせて上げればいいのに。

『お噺は終わるけど、烏天狗嬢のたたかいはこれからだ!』みたいなタイミングで本編終わっちゃったからな…。
でも1乙。物語書くって大変だよ…。

お狐様とwrs先生がドストライクすぎて辛い
この二人を嫁に、嫁に……!

第2章ありますよね?ね?
いや、まじで無いと困る
こんなにいい作品無くなるとか
ペースが少し落ちてもいいので続きお願いします。
続き待ってます

僕っ娘で爆乳ロリでわぁいな淫魔とかもうツボすぎる…別スレでも続篇でも構わないから、また会いたいなぁ。
かわいい。

おいついた。1000いくまで待つ。

銀と政治について5時間位語り合いたい。

淫魔さんにまた会いたい…。おっぱいが張って痛いだろうから、揉み解してあげたい。

待ってるよ

究極の闇をもたらすあの人かな?銀といい勝負しそうだがwww

サキュたん抱き上げてかいぐりかいぐりしたい

友とイチャックスするの読みたい(流石に他人様のキャラコミでは乗っ取れねぇ…!)


男「最近、ちょっとずつ寒くなってきたね」

銀「秋だな。陽も短くなってきた」

雪女「アタシとしては過ごしやすくなってきて万々歳だけどね」

男「冬もそう遠くないもんね」

きつね「季節の変わり目だし、風邪を引かぬよう気をつけるのだぞ」

男「おー」

ねこまた「秋……さんま、栗、きのこ、お芋、そして新米にゃー!」ニャハ-

座敷童「……食欲の秋ですね」

雪女「……」ワクワク…

ねこまた「そんなわけでおでんが食べたいにゃ!」

銀「それは秋なのか?」

きつね「どちらかといえば冬な気がするのう」

座敷童「……気温が変化が大きいときに……温かい食べ物の売り上げは伸びるというデータもありますし……間違ってもないかもしれませんね」

ねこまた「ふふん! お姉ちゃんは繊細で敏感にゃの!」ドニャッ

きつね「相変わらずうざったいやつだの……」



銀「学校はどうじゃ?」

男「ん? 特に何も……いつも通りだよ」

きつね「烏天狗は何か問題を起こしたりしていないか?」

男「あー、んー……まあ、大丈夫……かな……」

ねこまた「歯切れ悪いにゃー」

男「まあ、ちょこちょこ馬鹿力を発揮させて焦るよ……シャーペン片手でへし折ったり……」

座敷童「……なるほど……それは目立ちますね……」

雪女「女は元気? 最近会ってないわ」

男「ん、元気だよ。カラスのやつとよくいるよ」

座敷童「(……彼女の学校生活の……負担になっていなければいいんですが……)」


男「(あと、親友に、色々と妖怪のことがバレたかな……一応、言わないでおこう)」


男「(そういえば、友のところにもロリババアが来たとか言ってたよな? うまくやってんのかな?)」

良いぞ…

【第2章】

男「ロリババアに囲まれた生活」友「俺が主役なの!?」


Coming Soon!

【オマケなロリババア】


きつね「ふははは……この日を待っていたのだ! 大いなる力、見せてくれる!」

ゴゴゴ……

男「う、うおおお……!?」

ねこまた「にゃ、面倒事を……でもやるしか……!」

銀「…………」



きつね「これが人類の叡智の結晶……コンバインだ!」ゴゴゴ……

男「コンバインを操縦するきつねばあちゃん……可愛くてカッコいいぜ!」

ねこまた「稲作は本当に人手がいるにゃねー」

きつね「ふはは! しかと見届けよ!」

銀「……普通にできんのか」ハァ…




ゴゥンゴゥン……

雪女「屋敷の外れの建物にあったこの大きな機械はお米のためのものだったのね」

座敷童「……小さいカントリーエレベーターですね」

山姫「種さえあれば自宅で、すべて自宅で賄えるってすごいですねぇ」←お手伝い

座敷童「(……それが効率的なのかはまた別の話ですけどね)」

来たァァァァァァァァァァァァァァァァァあぁあ!!!!!!!

>>544
ねこまた「にゃにを血迷ったかまた始まったのにゃー」

>>545
座敷童「……ありがとうございます」

>>546
男「ロリババアを世界中に発信しなきゃ(使命感)」

>>547
男「すまない……それは全部俺のものなんだ」

>>548
ねこまた「増える予定らしいにゃー。ケド、お姉ちゃんたちがサブキャラとかふざけんにゃ!」

>>549
ねこまた「あまり長編は期待しにゃいでね!」

>>550
きつね「ふふ、本当に腹筋すればご褒美をやるのも吝かでないがの」

>>551
銀「潮時に止めておけばよかったのに続いてしまったぞ……」

>>552
烏天狗「……あり得んな」フイッ

>>553
淫魔「ボクの出番が増えるらしいよ! わぁい!」

>>554
烏天狗「思考を……や、やめろ……」

>>555
男「おっと、それは出来ない話だな」

>>556
ねこまた「この>>1は嘘つきだからあまり期待しちゃダメにゃよ?」

>>557
淫魔「んふふ、嬉しいなぁ」

>>558
座敷童「……あなたの勝ちのようですね」

>>559
銀「ほう……」

>>560
淫魔「んふふ、それじゃあお願いしちゃおうかなぁ?」

>>561
ねこまた「戻ってきたにゃー」

>>562
銀「む……? どこの馬の骨かは知らんが、負けぬぞ」

>>563
淫魔「わぁ、ボク愛されすぎ……?」

>>566
雪女「……いいの?」

>>570
淫魔「てへっ、きちゃった♪」

前回までのあらすじ


男「ロリババアかわいい」

友「ロリ巨乳な義理の姉(?)ができました」

女「夏休み明けの転校早々に別の転校生(妖怪)の補助だよ……」



ねこまた「次からはじまるにゃー!」



チュンチュン…

友「ぐかー……」

モゾモゾ…

友「……んあ?」パチッ

淫魔「んー、おはよー」ムギュ

友「……!!??」ガバッ

淫魔「やん、寒い……」

友「なな、なにやってんの!?」

淫魔「んー、最近寒いから暖を取りに」

友「まず厚着しろよ!」

淫魔「ちぇー」モゾモゾ

友「なに布団にグルグル巻きになってんだよ」

淫魔「ふとんミノムシだよー、はー、ぬくい……」ホクホク…

友「ああ、そう……」

・・・
雪女「着替え中よ! ヘンタイ!」
・・・

淫魔「男の子なら可愛くておっぱいの大きい女の子と添い寝できたら嬉しいんじゃないの?」

友「自分で可愛いとか言うなよ……」

友「(そりゃ、嬉しいさ……だが)」

友「どう見ても幼女にしか見えない子と一緒に寝ることは世間様が許さないんだよ。はたから見たら犯罪現場なのよ」

淫魔「だいじょーぶ。実年齢は半端ないから」

友「合法ロリ……ロリババアか」

淫魔「ババアは嫌だなぁ……否定できないけどねー」アハハ-

友「とにかく、ダメなもんはダメだ。そういうのは心に決めた人と、然るべき関係になってしなさい」ゴホッ

淫魔「……真面目だねぇ」

友「そういうのを無くしたら後がないからな……」


友妹「……兄さん」ジトッ

友「うおっ!? おはよう……」

友妹「……おはよう」

淫魔「おはよー」

友妹「……姉さん、朝から兄さんの部屋で何してたの?」

友「(おまえ、迂闊なこと言うなよ?)」ボソボソ

淫魔「んー、姉弟でスキンシップ?」

友「おい!?」

友妹「……」ギッ

友「ヒェ……」

淫魔「んふふ、冗談だよ。妹ちゃんもお姉ちゃんとスキンシップしたかったのかな? ほら、おいでー」タユンタユン


友妹「……ご飯出来てるよ」

友「ああ、着替えて行くわ」

淫魔「わー、無視とか傷ついちゃうな」

友「……」

友妹「……」

淫魔「……」

友「いや、着替えるから出て行ってよ」

友妹「……別に兄妹なんだから恥ずかしがらなくてもいいよ」

淫魔「無視したのに、命令するとかひどいなぁ」

友「いや、いいから。ほら、二人とも出てった出てった」グイッ

淫魔「おー、けっこうな怪力だね」

友妹「……」チッ

バタンッ


友「(……早く一人暮らししたい)」

・・・
きつね「朝餉だ。ご飯はよく噛むのだぞ」
・・・


友妹「行ってきます」


友「おう、いってらっしゃい……俺も早く朝飯食ってそろそろ行かないと」

淫魔「ほら、あーん」

友「い、いや、いいから」


友妹「兄さん!」

友「お前も戻って来なくていいからな!? バス来るだろ!?」

淫魔「……」クスクス

友妹「……」ギリッ

友「いや、ほんとさ……」



キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン…

友「はあぁ……」

男「朝から疲れてるな。どうかしたか」

友「いや……なんで面倒くさい人間関係を家族の仲でしなきゃいけないのかって……」

男「家庭の不和か……大変そうだな」

友「まあなぁ……家くらい落ち着きたいんだが……」

男「まあ、学校でくらい楽しい話でもしようぜ」

友「別に、家も楽しくないというわけじゃないが……気遣ってくれてありがとな」

男「別にそんなんじゃねーよ」

女「おはよー」

友「んあ、おはよー」

男「おはよう」

烏天狗「……」

友「……オハヨウゴザイマス」

烏天狗「ああ」

男「……よぅ」

烏天狗「……」フイッ

友「(……このクールビューティは相変わらずこえぇなぁ)」

男「……ふん、挨拶くらいちゃんとしろよ」

女「ま、まあ……あは、あはは……」

友「そういえば、今日の朝ごはん、昨日の残りの肉じゃがでさ。大量に作ったからって、今夜はそれをカレーにしようとか考えてるらしいんだけど、正直ないよな? 塩分摂り過ぎになりそうじゃないか?」

女「確かにそうかも」

男「和風カレーみたいになるんじゃないか?」

友「おお、なるほど……ちなみにみんなは朝ごはんなんだった?」

女「私たちはパンと目玉焼きと市販のコーンスープだったかなぁ」

烏天狗「……」

友「(私たち? ……あっ、カラスさんは女さんの家に居候してるんだったな)」

男「洋風だな」

女「朝はご飯よりパン派だからね」

男「うちは基本的に三色和食だなぁ。漬け物、納豆、味噌汁、ご飯。それと今日は焼き魚」

友「いい食生活だな」


・・・
座敷童「……数学の時間です」
・・・

教師「それで、対数関数のグラフは指数関数のグラフと45度線において対称となるわけだ」

教師「じゃあ……カラス。ちょっと前に出て3を底とした対数関数のグラフを書いてみてくれ」

烏天狗「…………?」

女「……せ、先生! 私が書きたいです!」バッ

教師「お、おう……熱心でいいな。お前らも転校生見習えよー」


男「……はぁ」

友「(女さん、大変そうだな……。周りから点数稼ぎに必死だとか思われてないといいけど)」

・・・
ねこまた「待ちに待った体育の時間にゃ!」
・・・

友「卓球か……先生も見てないし、楽なもんだ」カコンッ

男「そうだな……」スパンッ

友「女子はバレーだろ……カラスさん大丈夫かね」パァンッッ

男「知らん。女さんがフォローしてくれてるんじゃねえの?」スパンッ

友「負担になってないかなぁ……お前もフォローしてやれよ。幼馴染みなんだろ?」パァンッッ

男「……俺、あいつ嫌いだし」スパンッ

友「そう言うなって。女さんのためにもさ」

友「(カラスさんはお前にベタ惚れみたいだけどな……女さんともいい感じだし、ラノベの主人公かよ)」パァンッッ

スパンッ

友「ってか、お前、すげえな。さっきから、俺のアウト確定のノーバウンド球、全部返してきやがって」パァンッッ

男「まあ、これくらいできないと、姉ちゃんとかと遊べないし」スパンッ

友「(やっぱり妖怪ってすごいんかねぇ……いや、でも男は人間なんだよな?)」パァンッッ

スパンッ

友「じゃあ、これならどうだ! 大暴投」スッパ-ンッ

男「……」

友「……すまん」

男「ん、まあ、これくらいなら返すよ」タタタタッッ

タンッ

友「え、なにその人間やめた動き」

パァァンッッッッ!  カァァンッッ!

友「うおっ」スカッ

男「どんなもんよ」

友「……プロになれるんじゃね?」

男「体育だけで十分だな」

【ただの猥談につき読む必要ナシ】


友「そういや、どうでもいい話なんだけどさ」

男「おう」

友「寝取られものって、なんで絵上手い人多いの?」

男「ほんと急にどうした……」

友「いや、使い勝手はいいけど、その後の虚無感というか、悲哀が凄まじくてさ……昨夜の話っすよ」

男「ああ、汚い話だな……そうだな、罪悪感は凄まじいよな」

友「そうなんだよなぁ……やっぱり純愛とかイチャイチャ系が読後感がいいんだけど……」

男「でも正直イチャイチャ系って……」


「「あんまり興奮しないんだよなぁ……」」

【ただの猥談につき読む必要ナシ】



友「あ、ギャグエロとか結構好きよ」

男「笑うべきか興奮するべきか分からなくないか」

友「笑って興奮するべきだ」

男「器用だな……」

友「男はどんなんが好き?」

男「あー……女の子があまりに酷い目に遭ってるのとか救いがないのは本当に無理。二次元でもイヤだわ」

友「それな。『やめたげてよぉ』ってなるわ」

男「そうそう。だから……うーん……」

友「まあ、話だけじゃなくて画風とか描写も重要だからなぁ……あ、快楽堕ちハッピーエンドは好きかもしれん」

男「堕ちなのにハッピーエンドって矛盾してないか?」

友「そこで無理を通すのが二次元だろ。前提として、オトコの方が気持ち悪くない方がいいな。そんで、女の子は彼氏持ちじゃない方がまあ、好ましい。そんで、オトコは、女の子が好きで、思い余って、無理やり……女の子は嫌がっていたけど、段々快楽に堕ちてって、最期は両思いに……と。そんで、まあ、オトコは他の女に目を向けたりせずその子を大事にしてる感じで……これを前後編くらいでやって欲しい」

男「……ほんと都合がいいな」

友「だって男の夢の塊だもの。ちょっと無理やりな感じで、誰も傷つかずハッピーエンドがいいんだ」

【ただの猥談につきry】


男「……俺はロリババアが相手でハッピーエンドならいいかな」

友「なるほど」

男「結構、女性攻めもアリかも」

友「ああ、ロリババアだとシナジーがあるな。やっぱり年上だけあって経験豊富かつ、ロリっ娘に好き勝手嬲られる屈辱かつ、ロリババアとセットとも言える人外要素も、女性優位と相性がいい」

男「分かってるな。しかもロリにそぐわぬ不敵な笑みもロリババアの魅力だな」

友「……ロリババアの話題に移ってるぞ」

男「確かに……まあ、ロリババアは最強クラスの属性だから仕方ないな」

友「卑怯だよなぁ……のじゃロリ狐とか本当反則だわ。可愛いに決まってるじゃん」

男「無限の可能性を感じるよな」

友「まあ、何にせよハッピーエンドがいいよね。物語の中まで暗いのはちょっと……」

男「ままならないのは現実だけで充分だよな」


「「「(((コイツらは卓球しながら何を話してんだ)))」」」ワカルケド…

・・・
雪女「ばれー? 知ってるわよ! 踊るやつでしょ! ……違うの?」
・・・


女「はい、トス」ポンッ

烏天狗「……」ボッッ

女「わっ……」


ドンッッッ!


「な、なに……?」「ボールが天井にぶつか……え?」「誰か蹴ったの? ……蹴っても普通ああならないよね?」「またカラスさん……でもさすがにトスで……?」「うおおぉぉぉおおおお!私も真似するぞぉぉおおおお……ぅあっ」「体弱いのにあまり張り切るなよ。大丈夫か」

女「あは、あはは! 思い切りパンチしちゃダメだよ! す、すごい力だね!」

烏天狗「……すまん」


女「サーブとレシーブの練習ね。えーと、サーブっていうのは、隣の人がやってるように、打つ方で、レシーブは受け止める方……一応、基本の動作はやったから大丈夫だよね?」

烏天狗「多分な」

女「……あまり力み過ぎないでね」

烏天狗「善処する」

女「じゃあ、カラスさんが最初サーブだね」

スッ

烏天狗「……」フゥ

女「……」ゾワッ

ドッッッ――

女「ひっ……」サッ


      ドガァァッッッ――!!!!


「な、なにあのサーブ……」「あんなの見たことないよ……」「え、こわ……」「かっこいいぞぉぉおおおお!」

女「(せ、せめて怪我人や死人を出さないでぇ……)」グスッ

烏天狗「鱗……」

女「え? ぁっ……」スゥ…

女「(ば、ばれてないよね……!?)」

烏天狗「擬態が甘いぞ、まったく」

女「…………う、うん。ゴメンね」


ねこまた「また次回までさよならにゃー」

・・・
銀「昼休みじゃ。午後もしっかりやるんじゃぞ」
・・・


女「……」グテッ

友「(うわぁ、疲労困憊って感じだな)」

男「女さん、一緒に昼ごはん食べよう」

女「あ、うん……」

友「(おいおい、女子同士で食べる機会を奪うなよ。転校してまだ間も無いしカラスさんの面倒みてるんだから、他のクラスメイトと接する必要があるんじゃないのか)」

男「おい、行こうぜ」

友「おう! カラスさんもどう!?」

友「(正直、この前殺されかけたし、今も敵意の視線を感じて怖いけど、誘っといた方が女さんのためにもいいだろ……多分)」

烏天狗「……ああ」



「「「いただきます」」」

烏天狗「……いただきます」ボソッ


女「わあ、今日も美味しそう……男くん、いつもありがとね」

男「いや、作ってるの銀おばあちゃんだから」

友「はあ、うまそうだなぁ」

男「やらんぞ。交換もしない」

友「ケチめ」

友「(……やっぱり肉じゃがか。好きだけど、三食連続かぁ)」

女「ちょっと食べる?」

友「え、あ、サンキュー!」

友「(……マジかよ。まさか女さんからとは……ラッキー)」

友「(別に女さんが作ったとかではないけど、その気持ちが嬉しい!)」

男「うまうま」

烏天狗「……」パクパクッ

・・・
銀「ろんぐほーむるーむ? 面妖じゃな」
・・・

実行委員「えー、もうすぐ学祭が近いので、各グループの進捗を報告してください」

女「各グループ……?」

クラ女「ん、ここの高校って昔からクラスごとで一つの出し物じゃなくて、クラスの中でさらにいくつかグループになって一つの出し物をするんだよね」

女「そうなんだ、へぇ……すごいなぁ」

クラ女「まあ、結局、下準備はみんなでやることが多いから、実質一クラスで複数出し物をやる感じだよね。結構大変だよ」

女「そう考えると確かに大変そう……」

クラ女「ウチのクラスは3つに分かれていて……そっか、女とカラスもどっかに入らないとね」

実行委員「あっ、そっか。まあ、それは報告の後で」

女「あ、うん」

烏天狗「……」



・・・

実行委員「それじゃあ、最後にグループCの責任者、友くん」

友「ああ、はい。俺たちのグループは夏休み前の話し合い通り、仮装喫茶を……」

実行委員「ん、ちょっと待って」

友「え……ああ、色々と道具とかの準備してきたから大丈夫。間に合うと思うけど……」

男「準備してたのか?」

友「おう。コツコツとな」

男「言ってくれりゃ良かったのに」

友「家族が結構ノリノリで手伝ってくれたから、わりと下準備は進んだんだよ。特に親父とかな」

実行委員「ええと……仮装喫茶は三年と被ったからダメって伝えたよね……というか、上級生からの圧力が強すぎて飲食系は下の学年は無理そうって」

友「……え?」

実行委員「……夏休み直前の委員会で決まって、友くんの連絡先知らないから同じグループのバカ子に連絡を頼んだんだけど……」

バカ子「……あっ」

「ちゃんとしろよ」「うわっ、さすがに友がかわいそー」「「高校生にもなって連絡もできないのかよ」

友「あーっ! そういや連絡きてたわ! すまん、俺がボケてたわ」

「お前かよ!」「友は相変わらずだなぁ」「時間ないのに、何してんの!」「バカ子何も知らずにゴメンね……」

友「ほんとゴメン! 残れる人だけでいいんで、グループCの人は放課後ちょっと残って欲しいです。お願いします」

「こんなことなら他のグループが良かったな」「めんどくさ……」「しっかりしなさいよね」「まあ、まず少人数で仮装喫茶って結構キツいし、当然かもな」「ノリで賛成したけど現実的じゃなかったよなぁ」「デカオタくん、ドンマイだよー」「準備手伝わなくてすまぁぁあああああん!!」

実行委員「とにかく、早めに別案を決めて、ちゃんと当日に間に合うようにやってくださいね」ハァ…

友「うーす……」

クラ女「(……カッコつけてやんの。アイツも変わんないな……)」

女「(……なんか、この感じイヤだな。みんな、友くんが良い人だって知ってるからなんだろうけど)」モヤッ


男「……」ガンッッ!


「「「……!?」」」


男「なんで友が悪いみたいになってんだよ」ガタッ

実行委員「な、なに?」

男「俺が言えることじゃないけどさ。まず登校日にも連絡言ってるか確認取れたよな?」

実行委員「そ、それは……」

男「同じグループの奴らも被害者ぶってるけど、何もしてねえだろ。友だけが進めてたんだから、被害は全部友にあんだろ。そもそも、グループでしっかり連絡取り合ってたらバカ子が“本当に伝えてたとして”、すぐに勘違いに気づいてただろ。全員に責任あるのに、友だけを責めてるんじゃねえよ。ふざけんな」

ネガ男「……偉そうに言ってるけどお前だって何もしてねえだろ」

男「お前だってしてねえだろ。そもそも俺はこの流れについて文句言ってんのが分かんねえのか」

友「いやぁぁ! やめてぇ! 私のために争わないでぇ!」クネクネ

「うわぁ……」「き、きもちわるっ……」「ブレないヤツ……」

男「……」ギロッ

友「……」ニヘラッ

男「…………分かったよ」ドサッ



友「それで、転校生の女さんとカラスさんはどこのグループに入るんだ?」

実行委員「あ、そ、そうだね、ええと……」


友「(二人ともウチのグループに入りました)」


・・・
雪女「放課後になったわ。はやく帰ってきなさいよね!」
・・・

友「いや、ほんとすまんね」

バカ子「……」

サバ子「……いや。さっさと帰りたいし早く決めようか」

ネガ男「けっ、あれだけ好き勝手言った奴は帰るのかよ」

友「まあまあ、今日は家の用事あるらしいから仕方ないだろ。ツン子とフワ子と男には、後で連絡だな」

ネガ男「あいつはいつもそうだよな。ほんと自己中なやつ」

友「黙れ」

ネガ男「……」チッ

ジミ男「……さて、学祭どうしようね」

チャラ男「やっぱり女の子が興味もちそうなもんがいいなぁ」

サバ子「下心ありすぎだろ。引くわ」

ヒー子「友ぉぉぉぉ!! 他の案はないのかぁぁぁぁああああ!!」

女「(……今更だけど、このグループすっごい存在感ある人ばっかりだなぁ……)」


烏天狗「……」

友「んー、どうしようかね……飲食は無理なんだろ」

サバ子「ペットボトルのドリンクをできる限り安く仕入れて、普通の値段で冷やして売ったら? 飲食ではないんじゃない?」

ジミ男「……それなら衛生検査も要らないみたいだ。紙コップだとまた別みたいだけど」

ネガ男「あんまり儲からないだろ。結局3年から文句くるだろうしな」

チャラ男「儲けたお金でタダ焼肉いきたいなぁ」

ヒー子「私は思い出になれば何でもいいぞおおぉぉぉおおおお!!」

バカ子「そ、そうだね……」



女「(焼肉……クラス34人だから全体で10万円で設定して……でも、他のグループはそんなに儲けることやらないよね? みんなで要らないものをあつめるフリーマケットと、トランプや色んなボードゲームを持ち寄っての休憩所だから……あまり利益は出なそうだよね)」

女「(そうなると、ペットボトル転売の差額だけで10万を稼ぐとすると、差額が100円でも、1000本売らないといけないけど……二日日間で1000本は現実的な数字とは言いづらいよね……来場者全員に買ってもらう勢いだよ。競合者がいないとも限らないし、諸経費もかかるよね)」

烏天狗「どうした、女?」

女「あ、どうしたら、飲み物販売で利益が一番大きくなるかなぁって」

サバ子「売り込むしかないんじゃないの?」

女「でも利益を売り出すためには――」

・・・
ねこまた「少女力説中にゃー」
・・・

女「――だからプレミアムとして、例えば、ちょっとしたオマケを付けたり、仮装をしたり……あ」


ポカ-ン

女「ご、ごめん。一人で喋っちゃって……」アワアワ…

サバ子「……あははは!」

ネガ男「何急に笑い出してんだよ」

サバ子「いや、女さんのこと誤解してたわ。真面目で私たちにあまり興味ない感じで、近寄り難い人だと思ってたけど……ちょっと、いや、かなり違ったみたい」

女「あ、え、えと……」

ヒー子「私はもともとそう思ってたぞぉぉおおおお!!」

ジミ男「ヒー子……ちょっとボリューム下ろしなよ……」

ヒー子「すまぁぁ…げほっげほっ……」

ネガ男「体弱いくせに叫ぶとかアホかよ」

ヒー子「す、すまぁん! げほっ……」

友「大丈夫か。ほら、飲みモン」

ヒー子「ありがとぉ……」ケホッ

チャラ男「イッケメーン」

ネガ男「よくキモオタが口付けたもん飲めるな」

友「ひでえな!? 無神経でゴメンね!」

ヒー子「友のなら気にしないぞぉおおお!!」

友「はは、どうも……」

烏天狗「……」zzz

・・・
きつね「お家に帰る道中だの」
・・・


烏天狗「……」

女「……割と話し合いも進んだね」

友「うん。二人とも急に色々と決めさせてほんとゴメンな」

女「ううん、むしろ途中参加じゃなくて最初の方から関われて良かったよ」

友「そう言ってくれると助かるぜー」

女「友くんは優しいね」ニコ

友「(……あー、女さん良い子だなぁ。めっちゃ良い子だわ)」

烏天狗「……」

友「(カラスさんほんと無口だな……)」

友「それじゃあ、ここで」

女「うん、またね。気を付けて」

友「うん。カラスさんもじゃあな」

烏天狗「……ああ」フイッ



友「ただいまー」ガラッ

友妹「お帰り」

友「うおっ、どうして玄関に?」

友妹「兄さんの帰りが遅いから待ってた」

友「……お前は犬かー」ナデナデ

友妹「えへへ……」

友「宿題やったかー」

友妹「もう終わらせたよ。兄さんの方こそ」

友「帰ってきたばっかだって……ああ、疲れた……」

友妹「……なんで遅かったの?」

友「文化祭が近くてな……これから準備が増えるから遅くなることも多いなぁ」

友妹「……」ムゥ

友「……ま、当日は遊びに来いよ」ポンッ

友妹「……うん」ニコ



淫魔「やあ、お帰り。ゲーム借りてるよ」ピコピコ

友「……ただいま。……なんつーか、ほんとニートだな」

淫魔「みんなボクに対して同じようなことばっかり言うなー」ゴロン

友「おう……というか、俺のベッドで暴れんのやめて」

淫魔「君のベッドはボクのベッドだよ」

友「唐突なジャイアニズムやめようね」


ピコンッ

友「ん?」

バカ子『今日は本当にゴメンね。庇ってくれてありがとう……』

友「……」ペタペタ…

友『気にすんなー。お互いきちんと連絡取り合うようにして気を付けようぜ!』

友「……」フゥ

淫魔「彼女さんかい?」ニュッ

友「プライバシー! ……ただの同級生だよ。大した内容でもない」

淫魔「ふうん」ボフッ

友「なぜもたれかかる」

友「(ああぁぁぁあああ! 背中に大きくて柔らかいものがががが……!)」

淫魔「スキンシップだよー」ムニュッ

友「そそそ、そういうのは……ちょちょちょちょちょっと……!」

淫魔「んー? どうかしたのかにゃ?」ニヨニヨ…

・・・
ねこまた「にゃにゃっ、お姉ちゃんのアイデンティティが乱用されている気がするにゃ!」ピ-ン

男「……?」
・・・


友「あまりみだりにボディタッチするのはやめようね!」

淫魔「ちぇー……嬉しいくせにー」

友「(正直すごく嬉しいです)」


ピコンッ

バカ子『ありがとう! 友くんは本当に良い人だね……』

友「(……良い人、ね)」

友妹「……」ジイッ

友「うおっ!?」

友妹「……またくっついてた」ジロッ

淫魔「ほぉら、妹ちゃんもおいでー」ムギュゥ…

友妹「なっ……ふぁぁ……」

友「速攻で陥落した!?」

淫魔「妹ちゃんはかわいいなぁ」ナデナデ

友妹「ね、姉さん……」トロン

友「(彼女が来て、なんだかんだで俺にとって平穏な生活が……?)」

淫魔「お兄ちゃんと三人でハグハグしよう」

友妹「う、うん……お姉ちゃんは特別なんだからね」

友「(そんなことはなかったよ)」

友「録画していたロリアニメ見なきゃな! いやぁ、ガチロリ最高!」ピュ-

「「……」」

【オマケなロリババアたち】


座敷童「……もうすぐ文化祭なんですね」

男「うん。なんやかんやでペットボトルのドリンクを売ることになった」

ねこまた「ちょっと地味にゃね。もっと派手にやればいいんじゃにゃいの?」

男「手違いとかで、時間なくなっちゃったからね。あとフリーマーケットでいらないものを売りに出すからあったらいってね」

きつね「ふむ……銀ならばいくらで売れるかの」

銀「おい」

ねこまた「高くて500円かにゃー」

銀「たわけ!」

男「(ロリババア売ってたら、内臓を売り払ってでも買います)」

雪女「文化祭……祭り……。アタシも行ってみたいわ」

男「いいですとも!」

・・・

友母「……アイスが食べたい」

友「え、だいぶ寒くなってきた季節に?」

友母「アイスはいつ食べても美味しいのよ。友、ちょっとみんなの分買ってきて。はいお金」

淫魔「わあい、アイスだ」

友「ええ…車で行ってくればいいのに」

友母「ご飯作ってる。帰る頃には出来てるから」

友「……分かったよ」

友妹「歩いて行く? 私も行くよ」

友「いや、自転車で。すぐ帰ってくるから待ってな」

友母「そうよ。こんなに可愛いんだから、ナンパされる」

友「この田舎にナンパするやつがいるとは思えんがな」

友母「田舎の民度の低さを舐めるな」

友「はい…」


友母「……それにしてもアイツ。急に帰れないとか……ご飯人数分で作ったのに」ハァ

友妹「お父さん、帰ってこないの?」

友母「ん、部下が手痛いミスして残業だから、上司が先に帰るわけにも行かないだとさ」

淫魔「中間管理職は大変だねー」

友母「まあ、仕事があんまり出来ないアイツが上司やってるんだ。慕われるためにはそれくらい当然だろ」

淫魔「能力だけがリーダーの条件じゃないんだよー。お父さんはいつも優しいし、頼りになるから慕われるんだよ」

友母「ま、アイツは昔からそれしか取り柄がないからな」

淫魔「(……なんて言いながら、その横顔は未だに愛情いっぱい……純愛はボクにはちょっと甘過ぎて清らか過ぎるけど、まあ、悪くないよね)」


ピロリロリロリロ-ン  ラッシャッセ-


友「(……せっかくコンビニに来たしジャ⚪︎プ立ち読みしていこうかな。あんまりしっかり追ってないけど……しかし、最近はもう読むものねーな。昔からの連載はどんどん終わってくし……俺が買ってまで読んでた時期から連載してて、まだまだ続きそうなのは本当にワ⚪︎ピだけ……あ、ハ⚪︎タもか……はよ復活しろ)」

友「(ジミ男は中学のとき、ト⚪︎コと⚪︎イトウィングをめちゃくちゃ推してたよなぁ……名前忘れたけど同じ作者のソウルなんちゃらも)」

友「(あとニ⚪︎コイの作者の前の連載作とかも好きだったよな。あいつ、結構打ち切り漫画が好きだよなぁ。チャ⚪︎チャとか、ア⚪︎クレピオスとか、鍵⚪︎とかさ)」

サバ子「店内での立ち読みはご遠慮くださーい」

友「あ、すいませ……お前かよ。本当に店員かと思ったわ」

サバ子「ははっ」

友「サバ子は何買いにきたんだ?」

サバ子「うわー、友ってデリカシーないな」

友「んお!? す、すまん……!」アセアセッ

友「(男がきいちゃいけないやつだっか…)」

サバ子「ま、夕食と明日の朝食を買いきたんだけどな」

友「なんだよ!」

サバ子「ははは」


友「……コンビニ弁当とスナックが夕食なのか?」

サバ子「ん、まあな。今日は両親いないから」

友「ありゃ」

サバ子「両親の仕事柄、結構多いんだよ」

友「夜中に一人か。大丈夫かよ」

サバ子「なんも。田舎だからな」

友「田舎とか関係ないだろ……」

サバ子「友が襲いに来るか」ケラケラ

友「どアホめ」

友「(まったくコイツは……自覚しろよ)」

サバ子「まあオタクだもんな」

友「なんでだよ! オタク関係ないだろ!?」


サバ子「それに友は女さんが好きだもんな」

友「は?」

サバ子「ん? カラスさんの方だったか?」

友「いやいや……なんの話だよ」

サバ子「新学期始まってからいつも一緒にいるじゃん」

友「いやいや……そういうんじゃない」

サバ子「ふーん? まあ、いいや」

友「おう」


サバ子「そんで、友は立ち読みに来たのか?」

友「いや、ちょっとアイスを買いにな」

サバ子「この時期に?」

友「母ちゃんがな……」

サバ子「はは、なるほど。おつかい偉いな」

友「パシリともいうな……ちゃんとバランスよく食べろよ」

サバ子「オカンかっての」

友「若い頃の食生活は大事だぞう。まあ、母ちゃんに作ってもらってる俺が言えることじゃないけどさ」

サバ子「……まあ、大事だよねぇ」

友「(……そういや、泊まりになった父親の分も食事があるって言ってたな)」

友「どうせなら夕食食べにくるか?」

サバ子「は?」

友「(……いやいやいやいやをただの同級生に何言ってんだ俺。二次と三次の区別がつかなくなってんのか? いつの間にかそこまで症状が深刻に……?)」


友「い、いや、今日父親が帰ってこれなくなったんだけど、母ちゃんがその分も用意してしまっているらしくてな……すまん、そんな仲でもないのに」

サバ子「……ははは、私を誘うよりクラ女でも誘ってやれよ」

友「確かに、あいつは幼馴染だけど、最近は全然話さないし……いや、そもそもそれじゃ意味ないから」

友「(……そういやアイツとまたしばらくら話してないな。最後に話したのはこの前の夏祭りか)」

サバ子「クラ女はやけにオタク嫌いからさ、オタクキャラやめれば、また話すようになんじゃないの」

友「すまんが無理だな」キリッ

サバ子「即答かよ。まあ、オタクだから何だって感じもするけど、あんまり大っぴらに言うのはやめたら?」

友「好きなものに正直な人間だからな」

サバ子「そうなんだろうけど……うん、そうだな。人が口出しすることじゃないな」

友「さすがサバ子」

サバ子「ただ友が我が道を往くうちは、クラ女とは平行線のままだろうから、すこし歯がゆいけどなー」

友「ははは……」

友「(俺の入念な対カノジョ策は相変わらずよく効いてるな……どうせ大してモテないのに……べ、別に凹んでなんて無いんだからね!)」


ピロリロリロリロ-ン  ラッシャッセ-

友母「あ、いた」

淫魔「遅いから車で来ちゃったよー」

友妹「そのオンナ、誰……」ジトッ

友「うおっ」

サバ子「……ご家族?」

友「…ああ」

・・・
ねこまた「世間話タイムにゃー!」
・・・

友母「よし、ご飯食べにおいで」

サバ子「えっ」

友「やっぱりそうなるよねー」

友妹「(兄さんの周りにいるオンナがわたしたちの家に……でも、兄さんの学校での様子が聞ける……)」グルグル…


淫魔「どうせなら泊まってもらおうよ」

サバ子「え、い、いや、それは……明日も学校もあるし……」

友母「夜中にこんな可愛い子が一人なんて危ない。うちのバカ息子は不甲斐ないけど、見てくれだけは大きくて防犯になるから! ヘタレだから無害!」

友「(ママ上ひどいや……事実だけどさ)」

サバ子「え、えーと……」チラッ

友「(基本的に母ちゃんには逆らえない生き物だから、助け舟は無理だ。すまん)」フイッ

友妹「お母さんがそういうなら私は何も言わないけど……」

淫魔「んふふ、これで四人対戦ができるよ」ワ-イ

サバ子「……あ、ありがとうございます」

友母「車で必要なものを取りに行こうか。バカ息子、アイスは任せた。パ⚪︎ムで」

友「へーい……」


・・・
ねこまた「ウチたちもお夕飯パクパクにゃー!」
・・・

サバ子「……おいしいです」

友母「それはよかった。……ところで、うちのバカ息子は学校だとどんな感じなんだ?」

友「ちょっ……」

サバ子「そうですね……」

友「(余計なこと言わないでくれよ……)」

友妹「……」ワクワク

サバ子「明るくてクラスのムードメーカーですよ。それに、責任感が強いから、色々とみんなの為に動いてくれますね。クラスにいてくれて良かったと思います…本当に」

友「(ぐ……)」

淫魔「(んふふ、誉め殺しに照れてる)」カワイ-

友母「まあ、この子は旦那に似てアホだからね。それくらいしないと」

友「ひでぇな母ちゃん」

淫魔「(そう言いながら、内心はとっても誇らしそうなんだよね。友くんもそれが分かってる……仲良しだよねぇ)」


友母「サバ子ちゃんは、小中はこっちの方じゃないんでしょ?」

サバ子「はい、親の転勤もあってこっちには高校の入学と同時に来ました。前は隣の市の南端の方に住んでました」

友母「ああ、結構栄えてるところだね。この辺りは田舎だし最初大変だったんじゃないか? みんな小さい頃からの顔見知りで、輪に入るのも大変だったりしなかった?」

サバ子「まあ、そうですね…あまり人付き合いが得意な方でもないので……でも、クラ女がよく話しかけたりしてくれてそこまで苦労しませんでした」

友母「あー、あの娘ね。昔は毎日のように遊びに来てくれたのに、中学くらいからパタリと来なくなったな」

友「思春期なんて大概そんなもんだろ」

友妹「……そうなってよかった」ボソッ

サバ子「……」ゾッ

サバ子「(友のお姉さん、美人だけどちょっと怖いな)」

淫魔「えー、ボクも会ってみたいなぁ」

友「いやいや」


淫魔「サバ子ちゃんは彼氏とかいる?」

サバ子「いや……」

サバ子「(友の妹、背は小さいのに胸が私より大きい……)」

淫魔「うちの友くんなんてどう?」

友妹「!?」

友母「サバ子ちゃんみたいな可愛い娘なら大歓迎」

友「何言ってんの!?」

サバ子「そ、それはちょっと……」

友妹「…」ホッ

友「ですよねー」シッテタヨ…

友妹「(兄さんの良さを知ってるのは私だけでいいの)」

サバ子「友は良いやつだし、アタシじゃ釣り合わないんで……」

友妹「……」ムッ

友「サバ子の優しさが辛い……」

友「(そしてこの会話は胃が痛い…)」


・・・
きつね「おっふろー♪ 男も共に入るか…?」クックッ
・・・

サバ子「お風呂いただいてすみません」

サバ子「(しかし、友の姉妹と一緒に入るなんてな…)」

友妹「いえ……」

淫魔「気にしないでー」

サバ子「でも、三人はさすがに狭いんじゃ……」

淫魔「順番に体を洗えば大丈夫だよー」

友妹「シャンプーはこれで、コンディショナーはこっちです。こっちのはお母さんの高いやつなので、使いすぎると怒られます」

サバ子「あはは、なるほど」

淫魔「洗いっこしようよー」モコモコ

サバ子「あはは、羊みたいになってる」

ニュルル……ッ

サバ子「んぁ…っ!? ちょっ……んんっ!?」


キャッキャッ…

友「(うーむ、まさか本当に泊まるとは……)」

友母「いい子だな」

友「ん、ああ」

友母「振られてやんの」

友「息子の傷を抉るのはやめてくれせんかねぇ」

友母「好きだったのか?」

友「別に……」

友「(まあ、でも意識しちゃったことは正直あるよなぁ。たまに、ちょっかいかけてくるし、もしかしたら、俺のこと好きなんじゃないのかって自惚れたことも……)」

友「(でも、それはサバ子だけじゃらないしな……。小学校のとき、消しゴム半分個してくれたバカ子に、中学生になって急によそよそしくなったクラ女に、ちょっとデレを見せたツン子に、話すときはいつも笑顔なフワ子に、体調が悪い時よく俺に頼ってくるヒー子にも……って、俺チョロすぎだろ!?)」

友「( ……思春期ってのは本当にバカだよなぁ。みんな『良い人』としか思ってないっての……そして、それでいいんだよ。現実にそれ以上何を望むっていうんだ)」

友「……」

友母「けけ、思春期絶賛苦悩中だな……さすがにあちらの親御さんの手前、同じ部屋で寝させたりしないからな。覗かせたりもさせないぞ」

友「当たり前だろ……」

友「(……居候ロリババアのせいで少し麻痺してきてるが、誰かしらとどうかなったら非常にめんどくさいことになるんだ……良い人どまり最高だろ)」

友「(妹の過度な依存は……まあ、一過性のものだと信じたいね。一生とか言われたら、関係を断つしかないけど、それは流石に嫌だもんなぁ)」

友「(とにかく高校を卒業して地元を離れるまでは良い人止まりが一番いいんだよ。都合の良い、周りに優しい人間でありたいね)」


(女「友くんは優しいね」)


友「(……俺のバカ。変な色気出すなっての)」



サバ子「ふうん、ここが友の部屋か……あれだな、本当にオタクなんだな」

友「はい、僕はキモオタです。二次元幼女かわいいです」

友「(ゲームしに来るかもだから、これでも一応見つかるとマズイものを隠しました)」

サバ子「あと、なんというか……お前のにおいがするな」

友「こ、これでも一応消臭スプレーを散布したんだが」

サバ子「ああ、別に臭いとかでは、多分、ない……いや、臭い?」

友「リ、リビングでやろうぜ」

友妹「うん」

友妹「(兄さんのニオイをこれ以上他の女に嗅がせたくない)」

淫魔「ゴミ箱の匂いかなぁ……♪」

友「マジでやめてください!」

サバ子「は、ははは……ませた妹さんだな」

友「(……めんどくさいから俺からは訂正しなくていいかな)」



淫魔「これやろこれー」ピトッ

サバ子「ゲームはそんなにやらないからよく分からんなぁ」

友妹「それならこっちの方が……」ピトッ

友「そ、そうなー」

サバ子「……兄妹仲がいいんだな」

友「ま、まあな……ほら少し離れてくれ」

淫魔「これでもいつもより離れてるんだからいいじゃん」ピトッ

友妹「なっ……うぅ……」ギュムゥ

サバ子「……」

友「そんな事実はないだろ!? サバ子! そんな目で俺を見るな! 俺は潔白だ!」

サバ子「満更でもなさそうに見えるけどな……まあ、仲悪いより全然いいんじゃね? 兄のこと生理的に無理だの、憎いだの言ってる友だちよりはよっぽど幸せそうだわ」

友「サバ子さんの理解力の高さに感動だけど! 本来は、普通に仲良いきょうだいなんだからね! 勘違いしないでよね!」

サバ子「はは、何キャラだよ」

友妹「……」ムゥ


・・・
座敷童「……締め切り直前にするゲームは……最高ですね」←濁った瞳
・・・


友「そろそろ寝ようぜ」

サバ子「明日も学校だしね」

友妹「ぅぅ……」ウトウト

淫魔「えー……」

友「おい、寝るぞ」

友妹「んー……」コクッ…コクッ…

友「……仕方ない。運んでくるわ」ガシッ

サバ子「私も同じ部屋だろ。一緒に行く」

友「あ、そっか」

淫魔「もっとやりたーい」

友「また今度な」


友「よっと……」ポフッ  ファサッ

友妹「……」zzz

サバ子「面倒見がいいのな」

友「兄貴だからな」

サバ子「……ん?」

友「こいつ、姉じゃなくて妹」

サバ子「えっ」

友「ちょこちょこ兄呼びしてたろ」

サバ子「……そうだっけ? へー……年上かと思ってた」

友「これでもまだ小学生なんだよ」

サバ子「マジか! ……ランドセル似合わなそうだな」

友「そうな……じゃあ、おやすみ」

サバ子「……あ、今日のやつ」

友「ん?」

サバ子「ほら、バカ子をかばったやつ」


友「あれは別に」

サバ子「隠さなくてもいいじゃん。みんな大体気付いてたんじゃないの?」

友「……そうなのか? みんな優しいな」

サバ子「いやいや。けど、バレバレでも咄嗟に庇える辺り、すごいと思うよ」

友「ははは、照れますなぁ」

サバ子「……あと、男のヤツは相変わらずズレてるな」

友「……そうかもな。でも、あいつは自分のことじゃ怒らないからなぁ。優しくてカッコいい奴なんだよ」

サバ子「ははは、類友なんじゃないの」

友「そうだといいけど」

サバ子「…………。あ、一緒に登校とかはやめようか」

友「そうね……噂されると恥ずかしいし……」モジッ

サバ子「そういうところが残念だよな」ハハハ

友「俺のヒロイン力が否定された……」

サバ子「ばーか。……おやすみ」

友「おう、おやすみ」



友「(女子におやすみとか、なんなの俺、リア充なの……修学旅行とかでしか味わえない青春体験を味わっちゃったよ)」

友「(……はあ、こんなことで意識するから思春期なんだよ。あっちにその気は……客観的にやっぱりない、と思う。あったとして、だからなんだってんだ)」

友「(こういう思いがけない非日常を味わえただけ儲けもんだろ……このあと変に意識して仲を拗らせないようにしないと……学校ではまたいつも通りに……ほんと思春期だな)」


淫魔「青い春ー」ゴロンッ

友「寝るからどいてくれ」

淫魔「青春の爛れた一ページ欲しくない?」シナッ

友「欲しいです」キリッ

淫魔「よしよし」ヌギヌギ

友「ただし、建前は大事なんで、何もない方向で」ノ-!

淫魔「えー」

友「目先の欲望に負けず健全に生きたいです」

淫魔「それでいいの!?」

友「いやぁ、良い人くらいしか取り柄のない俺よ。それを手放したら救いようのないキモオタなんすよ……」

淫魔「……まーた卑屈なこと言ってー……しょーがないなー」

友「(残念だけど安心した)」

淫魔「その代わりに週末に温泉いこうよ♪」

友「えー……」

淫魔「もうっ、これくらい言うこと聞いてよー」プク-ッ

友「へ、へーい……」

淫魔「やったー♪ えっとねー、ここの温泉が気になっててね……あと、これとこれも……あ、ちょっと遠いけどこれも気になるなぁ……♪」


友「(……あれ? 典型的な策略に嵌められたのでは?)」

・・・
銀「朝じゃ。男、起きんか」
・・・

サバ子「驚くくらいぐっすり眠れたわ」ボサッ

友「そりゃ良かった。寝癖すごいぞ」

サバ子「うへ、恥ずかし。あんまり見るなー」

友「へいへい」


サバ子「朝ごはんまでありがとうございます……」

友母「いいんだよ。荷物は放課後に取りにおいで……っと自転車がないと登校が大変か。うーん、それなら取り敢えず車で送ってくよ。荷物まとめてるなら、そのまま持っていけばいいし」

サバ子「あー……そうですね。何から何まですみません……」

友母「いいんだよ。またご両親がいないときはバカ息子にいいな」

サバ子「はい、ありがとうございます」

友「(まあ、もうないだろ)」

サバ子「そんじゃ、また学校で」

友「おう、いつも通りでな」

サバ子「ははっ、そうだな」


友妹「……」ムギュッ

友「おう? 遅刻するぞ」

友妹「……もう少し」

友「……」ナデナデ

友「(サバ子が来て、もっとどうしようもないことになるかと思ったけど、そうでもなかったなぁ)」チラッ

淫魔「……おいしー♪」モグモグ

友「(……ほんと有り難いこった。ニートとかおいそれと言えんね)」






雪女「また、そのうち会いましょ!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月05日 (金) 11:08:57   ID: dqwcij8G

ドキ胸が止まらないのほぉぉ!

2 :  SS好きの774さん   2016年08月31日 (水) 01:02:09   ID: 5e3AGiph

俺得やったぜ

3 :  SS好きの774さん   2016年11月21日 (月) 00:01:05   ID: aeDRdGe8

ボクっ娘巨乳ロリババアなんて属性盛りすぎじゃないですかねぇ…
大好物だけど。

4 :  SS好きの774さん   2017年09月04日 (月) 13:58:57   ID: WGjs0Jsg

完結されてない!!!
続け!!!!

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom