西住みほ「お姉ちゃんが発狂した」 (53)

まほ「ふんふふーん♪」ギタージャカジャカ

コンコンコン

まほ「ふんふふふーん♪」ジャカジャカ

ドンドンドン

まほ「らららー♪」

ガチャッ

モブ1「うるさいですよ西住隊長! もう夜ですからやめてください!」

まほ「あぁ・・・、すまないもうそんな時間か」

モブ2「私たち迷惑しているんです! いつもいつも、いい加減にしてもらえますか!?」

まほ「気をつけるよ・・・」

モブ1「ほんとですよ!」ガチャッ

まほ「・・・はぁ、みほパン被って寝るか」

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次の日

プルルルル

みほ「お姉ちゃん! 私も大学選抜に選ばれたよ! いまから会える?」

まほ「そうか、おめでとうみほ。行きたいのはやまやまだが私も大学に行かなくては」

みほ「じゃあお昼にいつもの喫茶店で待ってるね!」ガチャッ ツーツーツー

まほ「みほも大学選抜か・・・、しかし私にはもう何も無い」

まほ「私に残された道はこれしかないんだ・・・!!」


みほ「お姉ちゃん遅いなー、もうジュース飲みきっちゃった」

みほ「あ、代金払います」チャリン

みほ「電話してみよう」プルルル

電話「お留守番サービスに接続します」

みほ「うーん、出てくれない。メッセージ残しておこう」

みほ「お姉ちゃん何してたの? 私ずっと待ってたんだからね。今から帰るからまた夜にお祝いし

に来てね」

みほ「これでよし、帰ってボコの再放送でも見よっと」

テレビ「○○大学の構内で女性用下着を被った変質者が次々と女子生徒を襲う事件が発生しました



みほ「えっ・・・、○○大学ってお姉ちゃんの大学だ・・・」

みほ「すみません! テレビの音量を上げてください!!」

テレビ「変質者は拘束されましたが被害者の数は30人以上という情報です」

みほ「お姉ちゃん大丈夫かな、きっと大丈夫だよね・・・」

テレビ「現場には依然として緊迫した空気が張り詰めており・・・」


マスゴミ「お姉さんについて一言だけでもお願いします!」グイグイ

みほ「何も言うことはありません!」

マスゴミ「そんなこと言わずにちょっとだけ!」

みほ「知りません!」ドアガチャッ

みほ「どうして1人にしてくれないの・・・」

みほ「お姉ちゃんの部屋、何も変わって無い」

みほ「この写真懐かしいなあ。あっ」ドサッ

みほ「なんだろう、楽譜? いっぱいある」

みほ「お姉ちゃんギターなんて始めてたんだ」

みほ「お姉ちゃん・・・」



みほ「たけのこさんチームは左翼から回り込んで敵の側面を突いてください!」

たけのこ「ラジャー!」

みほ「きくらげさんチームは正面の敵を抑え込んで!」

きくらげ「それでは右翼が突破されてしまいます!」

みほ「あっ・・・、すみません! しめじさんチームは転進して南の丘をきゃーっ!」ドガーン


みほ「だめだめだ・・・」

たけのこ隊長「みほさん、こんなことではあなたに隊長は任せられません」

しめじ隊長「少し休んだらどうです? お姉さんの件があって大変な時期でしょうに」

みほ「私は大丈夫ですから」

きくらげ隊長「いえみほさん、あなたは一旦戦車道から距離を置くべきよ」

みほ「ふえぇっ!?」

しめじ隊長「そうかもしれないですね・・・」

たけのこ隊長「そうよ、心の傷を癒してきなさい」

みほ「は・・・、はい」


2年後

みほ「ローンで買ったヨット生活です!」

みほ「借金返済のために今日も仕事に行ってきます」ガチャッ

そど子「いい加減何度言ったら分かるの! 規則でここは停泊禁止よ!」

みほ「ごめんなさいそど子さん、でも今は急いでいるので」

そど子「あ、こら! まちなさーい!」

みほ「ふぅ、いつもいつも大変そうだなぁ」

アンチョビ「遅いぞ西住みほ! 次遅刻したらクビだ!」

みほ「お疲れさまです、アンチョビさん」

アンチョビ「さっさと厨房に入れ!」

みほ「はいっ!」

アンチョビ「まったく、姉の件で塞ぎこんでたから雇ってやったものの、いつも遅刻ばかりで使い

ものにならないぞ」

ペパロニ「えー? でもアンチョビ姉さんもいつもサボってウィッグの手入ればかりじゃないすか



アンチョビ「私は料理長だから指示出ししてればいいんだ! それにこれは地毛だ!」

カルパッチョ「まあまあ、ちゃんと来たんだからいいじゃないですか」

アンチョビ「時間通りに来なければ意味が無いっ!」

カルパッチョ「そういえば今日は本社の方がわざわざ視察に来てるらしいですよ」

アンチョビ「なんだと?! そういうことはさっさと言え!」

ノンナ「・・・・・・」ジーッ

アンチョビ「う"わ"あ"あ"あ"こ"っ"ち"み"て"る"そ"お"お"お"お"!!」

みほ「にぎやかだなあ・・・、仕事しないと」ゴシゴシ


みほ「あー疲れたー」

みほ「シャワーを浴びに行こう」

華「みほさん、お疲れ様です」

沙織「おつかれーみぽりん、今日もパスタ専門レストランアンツィオで皿洗い?」

みほ「お疲れさま。今日もたくさんお皿を洗ってきたよ。2人は大学の帰り?」

華「えぇ、今日は朝からだったので大変でした」

沙織「うんうん! でさー、これから最近見つけたいい感じのお店に行ってみようと思うんだけど

、みぽりんもどう?」

みほ「どんなお店?」

沙織「えーっとねー、バーみたいな感じでたまにミュージシャンが演奏したりしてほんとにいい感

じなの! しかもイケメンが多い!」

華「沙織さんの場合そっちが目当てなのでは・・・」

沙織「とにかく! どう? 行ってみない?」

みほ「うん、行ってみる」

沙織「やったー! じゃあさっさとシャワー浴びていこう!」

華「沙織さんったらはしゃいじゃって」

みほ「今日はお酒、飲もうかなあ」


沙織「ここ! ね? いい感じでしょ」

華「たしかに結構風情がありますね」

みほ「ほんとだー、あれ? あの人見たことあるような・・・」

ミカ「それでは聞いてください、Sakkijarven Polkka」ポロロン

華「継続高校のミカさんですねー」

沙織「こんなところでなにしてるんだろ」

みほ「でも上手だなー」

ミカ「ありがとうございました」パチパチパチ

アキ「ちょっとミカー! 演奏料もらってないよー!」

ミカ「風と共に流れるだけさ」ポロロン

ミッコ「ナメンナヨッ」ブイーン

沙織「ステージが終わった途端帰っちゃった」

杏「えー、ではー次の方ー」

みほ「なんで会長が?」

華「ここは会長が経営してるバーのようですね」

沙織「そうだったんだー、全然しらなかった」


杏「かーしまー、セットの用意急いでー」

河嶋「はい会長、ただいま!」

沙織「久しぶりに見たけど相変わらずだね」

柚子「桃ちゃんは会長がいないと何もできないから。飲み物は何にする?」

華「小山先輩、お久しぶりです」

沙織「じゃあここは生徒会のメンバーで運営してるんだ」

柚子「うん、私たちでお金を貯めて1年くらい前にオープンしたばかりなの」

みほ「あのステージは?」

柚子「ただ飲めるだけの場所じゃ寂しいからって会長が作ったの。もし出たいならこの用紙に書い

てくれれば順番で出してあげるから」

みほ「ふーん・・・」

沙織「みぽりん大丈夫? なんか様子が変だよ」

みほ「ちょっと気分悪いかも・・・、今日は帰るね」

華「あらあら、送って行きましょうか?」

みほ「ううん、大丈夫。ありがとう、また誘ってね」

沙織「みぽりんちょっと変だったね」

華「ええ、お姉さまの件の傷がまだ癒えていないのでしょうか」


みほ「自転車買っておいてよかったー」チリンチリン

みほ「なんだったんだろう、あの感じ・・・」チリンチリン

しほ「みほ」

みほ「お母さん・・・」

しほ「もう戻ってきてもいいのですよ」

みほ「まだ、何か見つけられる気がするんだ。お姉ちゃんが残そうとしたものを」

しほ「あなたまだそんなことを言っているのですか! まほはもう・・・」

みほ「お母さんには何も分かってない! お姉ちゃんは」

しほ「もうあなたの大好きなお姉ちゃんは戻ってこないのですよ!」

みほ「う・・・」

しほ「これはあの子のものです」

みほ「お姉ちゃんの・・・」

しほ「あの子が残そうとしたものが何かは分かりませんが、みほがそれを探そうというのなら止め

ません」

みほ「お母さん・・・、ありがとう」

しほ「体に気をつけるのですよ・・・」


みほ「お姉ちゃんのギター・・・」ポロロン

みほ「あれ? ギターケースのポケットに何か入ってる」

みほ「楽譜だ・・・、それにCDもある」

みほ「聞いてみよう」ガチャッ

まほ『ふんふふーん♪ らららーん♪』

みほ「お姉ちゃんの歌だ」

まほ『ふふふーん♪ ふふんー♪』

みほ「これが・・・お姉ちゃんが残したかったもの?」


みほ「今日もお仕事がんばろー」

みほ「イヤホンでお姉ちゃんの歌を聞きながら仕事しようっと」イヤホンポチー

アンチョビ「今日はギリギリ間に合ったようだな」

みほ「~♪」

アンチョビ「無視かー!?」

ペパロニ「よく見てくださいドーチェ、イヤホンしてますよ」

アンチョビ「ほんとだ・・・」

ペパロニ「よかったっすねー無視じゃなくて」

アンチョビ「よかった・・・」グスッ


みほ「ふー疲れたー。今日は早く帰ってギターの練習しよう!」

みほ「このコードよくわかんないなー」ポロロン

みほ「こんな感じかな?」ポロン

みほ「できた!」

フォーーーーン

みほ「よーし、次は弾きながら歌う練習ですっ」

フォーーーンフォーーン

みほ「・・・うるさいなー」ガチャッ

そど子「西住隊長! あなたのボートが邪魔なのよ!」

みほ「ごめんなさい、でもいまちょっと忙しいから」

そど子「またそうやって逃げようとしてーっ!」

そど子「週末にこの湖でボートレースが開催されるからその時までにはどかしておくのよ!」

そど子「間違っても邪魔しようなんて思わないでね!」

みほ「はーい」ガチャッ

そど子「あ、こらまだ話は終わってなーい!」

みほ「ふう、練習しないと」


みほ「なんとか一曲だけまともに弾けるようになった」

みほ「・・・よし! 初ステージですっ!」

柚子「ステージ出たいの? じゃあここにサインしてね」

みほ「はい」カキカキ

柚子「じゃあ順番が来るまで待ってて。何か飲む?」

みほ「キツめのでお願いします」

みほ(緊張する・・・、私の前のステージの人とっても上手だなあ)

杏「はーいありがとうございましたー。じゃあ次の人ー、西住ちゃん」

みほ「は・・・はいっ!」ドキドキ

みほ「~~~♪」


みほ「ふぅ・・・、上手く出来てたかな」

杏「よかったよー西住ちゃん」

みほ「会長」

杏「よかったらまた出てねー」

みほ「ありがとうございます、ぜひまた参加させてください」

杏「いいよいいよー、それとお酒の瓶は返却だから返して。じゃまたねー」

みほ「初ライブ、疲れたけど楽しかったなー」

エリカ「ちょっと、あんた」

みほ「エリ・・・、逸見さん?」

エリカ「久しぶりね、それとエリカでいいわよ。それよりあの歌」

みほ(え? あの歌がお姉ちゃんのものだって知ってる・・・?)


みほ「あ、ありがとうございます」(違う・・・?)

エリカ「・・・・・・」

みほ「なんですか?」

エリカ「私が組んであげてもいいわよ」

みほ「え?」

エリカ「だーかーら! 私があなたと組んであげてもいいって言ってるの!」

みほ「組むってバンドみたいなことをするんですか? というかエリカさん楽器弾けたんですか?



エリカ「隊長がギターの練習してるって聞いたとき、私も始めたのよ。隊長は秘密主義だったから

実際に見たり聞いたりしたわけではないけれど」

みほ「お姉ちゃんが・・・」

エリカ「あ・・・、そ、そんなことより私と組むの、組まないの?」


みほ「すみませんけど・・・、遠慮しておきます」

エリカ「私と組めばトップに行けるわよ!」

みほ「この曲は、そういうのではないから」

エリカ「んもう! あなたの曲ならどこへ出しても恥ずかしくないじゃない!」

みほ「本当にごめんなさい」チリリン

エリカ「分からず屋・・・、絶対あきらめないんだから」

みほ(エリカさん、何がしたいんだろう)

みほ「あれ・・・、バランスがおかしい」ガタガタ

みほ「あっ」ガシャーン

エリカ「みほ!!」

みほ「いたたた」

エリカ「大丈夫? あなた酔っ払ってるのね、私が車で送って行ってあげるわ」

みほ「ありがとうエリカさん・・・」

エリカ「家はどこ?」

みほ「ヨット・・・」

エリカ「ヨット?」


みほ「ここです」

エリカ「本当にヨットに住んでるのね」

みほ「エリカさん、ありがとうございました」

エリカ「いいわよこれくらい。あ、一緒にやる件だけど」

みほ「ありがとうございました」

エリカ「ちょっと待ちなさいよ!」

みほ「さようなら」

エリカ「・・・絶対あきらめないわよ」


ドンドンドン

みほ「うーん、まだ朝・・・」

ドンドンドンドンドン

みほ「誰ですか?」ガチャッ

エリカ「私よ! 差し入れのハンバーグを持ってきたわ」

みほ「朝からハンバーグはちょっと・・・」

エリカ「というかこのヨットって違法よね?」

みほ「・・・・・・」

エリカ「・・・あなたの曲には何かあるわ。私と組めばもっと多くの人に聞いてもらえるわよ」

みほ「そういうつもりはないって言いましたよね」

エリカ「他の曲も聞かせてもらえないかしら。あるのよね?」

みほ「差し入れ、ありがとうございました」

エリカ「私と組めば」

みほ「ハンバーグ、ありがとうございました」

エリカ「・・・また来るわ」


みほ「今日もお姉ちゃんの歌を聞きながら仕事に行こう」

みほ「ふんふーん♪」ゴシゴシ

アンチョビ「あいつ、最近機嫌がいいようだな」

カルパッチョ「好きな音楽を聴いているからでしょうか」

アンチョビ「なんにせよ元気なのはいいことだ!」

ペパロニ「元気が一番っすね!」

アンチョビ「よーし今日は従業員全員にパスタランチ定食を御馳走してやるぞー!」

ペパロニ「ヒャッホー!」

みほ「ふんふふーん♪」


みほ「今日は休みだし釣りでもしようかな」チャポン

みほ「ふんふふーん♪」

エリカ「見つけたわよ」

みほ「エリカさん、こんにちは」

エリカ「こんにちは、じゃないわよ! さっさと私と組むって言いなさい!」

みほ「あ、釣れた」

エリカ「なかなか大きいわね」

みほ「エリカさんも食べたい?」

エリカ「えぇ」

みほ「ふんふーん♪ あ、また釣れた」

エリカ「ねえ、私と組」

みほ「また釣れちゃった! 今日は大漁!」

エリカ「・・・・・」


みほ「どうしたのエリカさん、はやくヨットに戻って調理しないと鮮度が落ちちゃうよ」

エリカ「今行くわよ」

みほ「魚持っててください」

エリカ「いいわよ」

みほ「これお水です。喉渇いてるよね? あと魚返してください」

エリカ「ありがとう」

みほ「あ、ボコの再放送の録画しないと!」

エリカ「これ、みほのギターね」

エリカ「ちょっと借りるわよ」ポロロン

みほ「ギターの音?」


みほ「エリカさん、それ私がやった曲・・・」

エリカ「ふんふーん♪」

みほ「綺麗・・・」

エリカ「らららー♪」

みほ「違う、そこはらららー♪」

エリカ「こう? らららー♪」

みほ「そうそう!」

みほエリカ「「ふふふーん♪ らららー♪」」



みほ「今日は楽しかったです! 一緒に戦車道をやっていたときみたいでした!」

エリカ「私もよ、とても楽しかったわ」

エリカ「それじゃあ私と組んでくれるわよね?」

みほ「さようならー」

エリカ「あなたの曲は本当にすごいわ! 私はどうしてもあなたと組みたいの!」

みほ「・・・さようなら」

エリカ「お願い! 一度だけでもいいから!」

みほ「・・・・・・」

エリカ「ねえ! みほ!」

みほ「・・・・・・」

エリカ「そう、また来るわ」テクテク


エリカ「本当に組む気が無いの!?」クルッ

エリカ「私と組ん」

みほ「分かりました! 組みます! だから早く帰ってください!」

エリカ「え・・・?」

みほ「エリカさんと組むから、早く帰って!」

エリカ「本当なのね? 本当に本当に組んでくれるのね?」

みほ「本当です、だから早く帰って」

エリカ「ありがとう・・・、ありがとう・・・」

みほ「いいから早く帰ってください」

エリカ「ええ帰るわ、じゃあまた明日ね」

みほ「エリカさん帰るの遅いよ・・・、ボコの特番の再放送に間に合わなくなっちゃう」

一旦投下停止

Rudderlessという映画に沿ってます

少しだけ投下再会


数日後

みほ「こんにちはー」

杏「おー西住ちゃん、今日は逸見って子と組んで初めてのライブだよねー?」

みほ「はい、そのはずなんですがエリカさんが見当たらなくて」

杏「うーんどこいっちゃんたんだろうねー」

優花里「西住殿~」

みほ「秋山さん!」

優花里「不肖秋山、西住殿のライブを見にはるばるやってきました!」

みほ「ありがとう、でもどうしてここがわかったの?」

優花里「実は逸見殿に頼まれごとを・・・」

みほ「あーっ! エリカさん! どこに行ったか分かる?」

優花里「逸見殿なら先ほどトイレに駆け込んで行ったのを見ました」

みほ「ありがとう!」


トイレ

エリカ「うぼおえぇえあえええええ」ゲロゲロ

みほ「エリカさん!? 大丈夫?」

エリカ「背中さすって・・・うぷっ」

みほ「飲み過ぎたの?」サスサス

エリカ「本番前は・・・、いつもこうなのよううっ」

みほ「まだ本番まで時間あるから大丈夫だよ、それに私がついてるから」サスサス

エリカ「みほ・・・、うげっ」オロロロロ

みほ「いけそう?」

エリカ「ええ、このくらい大丈夫よ。成功させるわよ!」

みほ「うんっ!」


みほ「onステージです!」

エリカ「やっぱり緊張してきた・・・」

みほ「大丈夫だよエリカさん」ギュッ

エリカ「あっ」

みほ「エリカさん、その機材の山はなに? パソコンとか何に使うの?」

エリカ「ふふん、これで演奏を同期させてうんぬんかんぬん」

みほ「へー、それにすごいエフェクターの数だね」

エリカ「バイトして貯めたお金は全てここに注ぎ込んだと言ってもいいわ」

みほ「じゃあ早速試してみよう!」

エリカ「その前に、気合を入れるための掛け声を頼むわ」

みほ「じゃあ、パンツァー・フォー!」


LIVE START

みほ「~~~♪」(すごい、エリカさんのエレキギターで曲が感情豊かになったみたい!)

エリカ「~~~♪」(いい感じね♪)

みほ「~~~♪」(ハモリも綺麗、曲もそろそろサビに・・・)

ドンドンドコドコ

みほ「らららー♪」(ドラム!? いったい誰が・・・)

優花里「イヤァッホオオォゥ最高だぜえ!!」ドコドコドンドン

みほ「ふんふーん♪」(あ・・・秋山さん!)

ジャンジャカジャーン


みほ「まさか秋山さんがドラム叩けるなんて知らなかったよ」

優花里「嗜む程度ですが」テレテレ

エリカ「私が頼んで来てもらったのよ。どうだった? 私たちのバンドに参加してみない?」

優花里「西住殿のいるところが私の居場所です! 西住殿さえよければですが」クネクネ

みほ「私はもちろん大歓迎です、いっしょにやりましょう!」

優花里「はいっ! この不肖秋山、西住殿のために全身全霊をかけさせていただきます!」

エリカ「頼んだわよ、私の野望のために・・・」

みほ「野望?」

エリカ「な、なんでもないわ! さあ次の曲を練習しにいくわよ」

みほ「うん!」

優花里「まってください~」


杏「西住ちゃん、完全に立ち直ったみたいだね」

河嶋「そのようですね」

柚子「逸見さんと秋山さんのおかげですね」

杏「まーこのままいけばいいところまでいくんじゃないかな。このままいけば、だけど」

河嶋「会長! 恐ろしいことを言わないでください!」

杏「あーごめんごめん」

柚子「会長、次の演奏者が待ってますよ」

杏「そうだった、仕事仕事と」


次の日

エリカ「本当に来たことないの?」

みほ「ないです」

エリカ「この街で一番大きな楽器屋よ!」

カララン

みほ「わー、楽器がいっぱいある」

エリカ「当たり前でしょ、ここは楽器屋なのよ」

みほ「ここで色んなものを買ってるんだね」

エリカ「そういうこと。そして私がいま一番狙ってるのがこれ」

みほ「エレキギター? エリカさんもう持ってるよね」

エリカ「モノが違うわよ」

エリカ「78年製ギブソンレスポール、ローズウッドのソリッドボディにゴールドのハムバッカー

ピックアップ。ヤークトパンター並みにパーフェクトね・・・」

みほ「ほえー・・・、なんだか高そうだね」


エリカ「とてもじゃないけど手が出せるような値段じゃないわ。でもいつかきっと」

みほ「エリカさん? エリカさーん。また妄想の世界に入っちゃったのかな」

みほ「そうだ、私も買い物をしに来たんだった」

みほ「すみませーん、エフェクターが欲しいんですけど」

ケイ「ハーイ、ミホ!」

みほ「ケイさん? どうしてここに?」

ケイ「どうしてもこうしてもここは私の店だからよ」

みほ「楽器屋をやってらしたんですね」

ケイ「そうよ! 楽器関連のものなら何でも揃えてあるわ! それで何が欲しいんだっけ?」

みほ「ブースターです」

ケイ「オーケー、89.5ドルよ」

みほ「はい」チャリリン

ケイ「センキュー! それと警告だけど、向かいにある店には行かない方がいいわよ」

みほ「なんでですか?」


ケイ「悪魔が棲んでるわ」

みほ「ふえぇーっ!?」

エリカ「余計なことを教えるんじゃないわよ」

ケイ「ソーリー! ついね」

エリカ「実は向かいのお店も楽器屋なのよ」

みほ「同じ通りに2つも楽器屋が?」

ケイ「イエース! いわゆるライバルってやつね!」

エリカ「行ってきたら? 私は行かないけど」

みほ「じゃあとりあえず行ってみるだけ行ってみます」

ケイ「いってらっしゃーい、でも何も買わないのよー」


向かいの店

カランカラン

ダージリン「あら、いらっしゃいみほさん」

みほ「ダージリンさん、こんにちは。このお店ダージリンさんのだったんですね」

ダージリン「そうなの、でも向かいの大きなお店のせいで売れ行きが芳しくないからそろそろお店

を畳もうかと思っているところよ」

みほ「そうだったんですか」

ダージリン「見て、このチラシ」チラッ

みほ「『あなたも戦車型キャンピングカーで旅にでませんか?』」

ダージリン「店を畳んでそのキャンピングカー、トータスを買おうと思っているのよ」

今日はここまで

少しだけ投下


みほ「ほえー、旅に出るんですか?」

ダージリン「アッサムやオレンジペコ、ルクリリとローズヒップをつれて北アフリカを横断してく

る予定よ」

みほ「わーすごい! でもトータスで横断するとなると何年くらいかかるんでしょうか」

ダージリン「どれくらいでしょうね。そうだ、みほさんも一緒にどう?」

みほ「ちょっと遠慮しておきます、やりたいことができたので」

ダージリン「そう、残念だけれど仕方ないわね。何か買っていく?」

みほ「いえ、ちょっと気になっただけなのでこの辺で失礼します」

ダージリン「店を畳むまでならいつでもいらしてね」

みほ「はい!」

カランカラン

みほ「ダージリンさんが店を辞める理由ってほとんどケイさんの店のせいだよね・・・」

みほ「でもトータスで旅行かー、いいなー。 あれ エリカさんが誰かと話してる」


エリカ「それでね、みほの曲ったら半端じゃないのよ」

麻子「ほう、興味深いな」

エリカ「それでね・・・あなたに話があったのよ」

みほ「麻子さん! お久しぶりです」

麻子「西住さん」

みほ「2人は知り合いだったんですか?」

麻子「高校の時、ヘリを貸してくれたあとちょっとな」

エリカ「昔の話よ」

みほ「ほえー。それで何の話を?」

エリカ「い、いいのよ。用事は済んだでしょう? なら帰って練習よ」

みほ「・・・? 分かりました。じゃあ麻子さん、またね」

麻子「うん」

ガチャッバタン

エリカ「シートベルトはちゃんとしめなさい」

みほ「はい。それで何の話をしてたの?」


エリカ「コーラ飲む?」

みほ「ありがと。で、何の話?」

エリカ「・・・・・・あの子をバンドに入れたいの」

みほ「麻子さん楽器弾けたんだ」

エリカ「弾けないわよ。でもすぐに覚えるでしょう?」

みほ「確かに・・・」

エリカ「いいわね? あの子ならあなたもやりやすいでしょ?」

みほ「う・・・うん。でも麻子さんがやりたいのかわからないし」

エリカ「みほがお願いしてるって言えばやってくれるわよ」

みほ「そんな強引な」

エリカ「電話かけるわ」プルルル

エリカ「もしもし?」

麻子「なんだ? さっき会ったばかりだろう」

エリカ「あなたバンドに興味無い?」


麻子「無い」

エリカ「そう・・・。みほがあなたをバンドに誘いたいって」

みほ「ちょっと!」

エリカ「黙ってなさい。どう? お願いできない?」

麻子「西住さんの頼みなら断れない。暇だしやってみよう」

エリカ「本当!? よかったわ! じゃあ明日私のガレージに来て」

麻子「了解」ガチャッ

みほ「ちょっと強引すぎなんじゃない?」

エリカ「このくらいで丁度いいのよ」

みほ「それに今から楽器を覚えるなんていくらなんでも麻子さんでも時間がかかるよ」

エリカ「上手い下手じゃないのよ、本人がやる気あるって言ってるんだから」

みほ「そうなんだ・・・」

エリカ「明日が楽しみね」ブルルルン

みほ「不安です」


次の日

みほ「ふえー、ここがエリカさんのガレージ。スピーカーとかドラムセットがある」

エリカ「どう? 私の自慢のガレージ、気にいってもらえたかしら?」

みほ「すごいよエリカさん!」ギュッ

エリカ「ふふん」(ちょっと近いわよこの子! クンクン、いい匂いね・・・」

優花里「うわーなんですかこのガレージは!」

みほ「秋山さん」

優花里「こんないい場所があるなら戦車でも入れておくべきです!」

エリカ「ちょっと! 失礼ね、ここは私の聖域なのよ」

優花里「ししし、失礼致しました! 逸見殿が西住殿のために手間暇かけて作った聖域を戦車で踏

みにじろうとしてしまいました!」

エリカ「別にみほのためじゃないわよっ!」

みほ「エリカさん・・・ありがとう」ギュッ

エリカ「あっ」


麻子「来たぞー」

優花里「冷泉殿! 話には聞いていましたが本当に参加してくれるのですね!」

麻子「ああ、でも楽器なんてできないぞ」

エリカ「大丈夫よ、あなたにはこれをやってもらうわ」

麻子「ギター?」

優花里「ベースですね。ちなみにベースもベースギターといって立派なギターの仲間なんですよ」

エリカ「はいマニュアル」パサッ

みほ「ごめんね麻子さん、来ていきなりベースをやれだなんて言って」

優花里「ゆっくり覚えていきましょう! ではまず開放弦を下から順に」

麻子「覚えた」ベンベンベン

みほ優花里「早っ!」

エリカ「流石ね」

エリカ「じゃあさっそく昨日送ったみほの曲をやるわよ」


みほ「麻子さんいきなりで大丈夫?」

麻子「大丈夫」

みほ「最初はDでその次がBm、それでGとEmが」

麻子「大丈夫」

みほ「それの繰り返しがAメロで」

麻子「大丈夫」

みほ「あ・・・そう」

優花里「じゃあカウントします! 1.2.3.パンツァー4!」

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