ハゲの異世界転生 (6)

居間 Re異世界転生 視聴中

男「異世界辛すぎるだろ…。死に戻りってなんだ。

転生した結果が、どこぞのイタリアンマフィアのボスみたいに延々死に続けているじゃねえか」

妹「けちつけながらアニメを見るのやめて。うっさい」

男「はい」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468864919

視聴終了

男「しかし妹がこういうタイプにはまるのは意外だったな…アニメを紹介した俺が言うのもなんだが」

妹「ハーレム系のキャラ付けはともかく、タイムループを繰り返す話は興味あるよ。

だって、ありえたかもしれない世界を観測するってとても面白そうだもん」

男「そういうことか。てっきりスバルみたいな奴が好きなのかと思って、心配してたゼ」

妹「嫌だなー。ワタシが好きなのは、お兄ちゃんだけだよん」

男「なんだその積極的に媚びていくスタイル。しかし、乗せられて悪い気はしないお兄ちゃんであった」

妹「♪~♪」

男(そうかそうか。

危うく早まって親父に相談して、テレビ禁止令を出してしまうところだった。

無職の天然たらしには妹は任せられん。あと、俺の生活も任せられん)

妹(……なーんてこと考えてそうだなぁ。だいたいお兄ちゃんとスバルだってそう変わんないよ。ニートかニートになる前かの違いだけだから)

妹「お兄ちゃんも異世界へ行ったら、根性をつけてくるのかな?」

男「ん、なんか言ったか?」

妹「ううん。……そういえば、お腹がすこし減っちゃったなー。勉強するための夜飯をコンビニで買ってきてくれる優しいお兄ちゃんはどこかにいないかな?」

男「そんなにきょろきょろせんでよろし。俺が買ってきてやる。何が欲しい?」

妹「やった!イチゴ味のハゲを一つお願いね!」

男「いつも言っていることだがハーゲンダッツをハゲと略すのはやめろ」

妹「ハゲダッ」

男「俺を見て言うな!

あと俺のは生まれつき毛が細くて本数が少ないだけで、間違ってもアレではない」

妹「そういうのをハゲって呼ぶんじゃないの」

男「殺すぞ」

ハゲ、間違った。ハーゲンダッツを買ってコンビニから俺は出た。

そして目の前を覆った暗闇に目を慣らそうと瞬きをするとそこは異世界だった。

男「ちびるぜ、これがアニメ脳の末路か。脳内で完全に再現されてやがる」

男(今まで、真っ暗だった目の前の景色は

暖かな陽光が見慣れぬ家々を照らし、毛むくじゃらの獣人であったり、珍妙な服を着た人間が闊歩している)

男「つまりこれは夢ってことだな……だよな」

男「ありえねぇ。マジで」

ガイモン「おう、そこの変な格好したハゲの兄ちゃん」

男「……あん?」

ガイモン「リンガ買っていかないか」

男「これは夢。夢、だから切れたりしないの」

ガイモン「聞こえねーのかハゲ」

男「き、聞こえない」

ガイモン「やっぱりハゲの魔女の末裔はだめだな」

男「ハゲの魔女ってなんだよ、そんなやつ絶対いい子だよ」

ガイモン「聞こえないんじゃなかったのか」

男「うるせー!あんたのおかげでとんでもないことを思い出したんだ!」

男(魔女の末裔……レミリアのことを)

男(もちろんここが夢の世界なら助けなくてもいい。でも、夢の世界だからこそ、俺にも助けられるはずだ。

そしてできることなら仲良くをば)

男「ひとまずあばよ、おっさん。今度ハゲを馬鹿にしたらぶっころすからな」

ガイモン「ふんっ!」

間違えたエミリアだったぜ
ハゲの魔女から与えられた権能は『死に進み』バットエンド一直線かもしれないがいくぜ

男「銀髪の滅茶カワな子みませんでした?」

通行人A「見ねぇなァハゲ」

男「……おっすどうも」

男「あの、銀髪のめちゃ」

通行人B「近寄らないでください!ハゲがうつります!」

男「うつるわけねーだろ!ぶっころすぞ」

通行人B「いやぁぁぁだれか助けてぇ!ハゲにおそわれる!!!」

男「ちっ覚えてろよぉ!」



男「何やってんだ俺は………」

男「つうかなんでこの世界の住人はハゲにこんな厳しいんだよ!ハゲたやつに悪いやつはいないのによぉ!」

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