京太郎「俺が三年生?」エイスリン「ツキ、キレイ……」 (1000)

まず注意書き

・このスレは京太郎主人公の安価スレです

・いわゆる設定改変してるので上記の内容も含めて苦手な方は注意

・安価ですがバトルや成長要素はありません でも好感度はあるかも

・息抜き用のスレなので結構適当です




過去スレ

京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」
京太郎「俺が三年生?」久「私が幼馴染じゃ不満?」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」
京太郎「俺が三年生?」照「私が幼馴染……二番目だけど」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」
京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」
京太郎「俺が三年生?」小蒔「初めては私です!」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」由暉子「ゆきみだいふく、食べませんか?」
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京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」
京太郎「俺が三年生?」咏「婿養子とかいいんじゃね? 知らんけど」 - SSまとめ速報
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京太郎「俺が三年生?」マホ「お兄さんと一緒です!」
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京太郎「俺が三年生?」玄「私の、育ててほしいな」
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京太郎「俺が三年生?」ネリー「手、つないでもいい?」
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京太郎「俺が三年生?」恒子「ねぇねぇ、お姉さんの相方やってみない?」
京太郎「俺が三年生?」恒子「ねぇねぇ、お姉さんの相方やってみない?」 - SSまとめ速報
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エピソードを時系列順にまとめたwiki
http://www62.atwiki.jp/kyo3nen/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468777208

前スレ1000は少し間を置いてからやろうと思います
しかし……これで三尋木プロはED確定ですね

それはともかく、安価取りたいんですけど人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです


ED確定
大星淡
天江衣


福路美穂子
姉帯豊音
宮永照


松実玄
ネリー・ヴィルサラーゼ
神代小蒔
真屋由暉子
白水哩
竹井久
三尋木咏


宮永咲
桧森誓子
清水谷竜華
滝見春
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり


園城寺怜
石戸霞
片岡優希
薄墨初美
鶴田姫子
龍門渕透華
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一


本内成香
臼澤塞
上重漫
岩館揺杏
狩宿巴
弘世菫
辻垣内智葉
高鴨穏乃
東横桃子
蒲原智美
雀明華
戒能良子
鷺森灼
新子憧
津山睦月
花田煌
針生えり
部長
内木一太
ハギヨシ
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
小瀬川白望
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
郝慧宇
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
高久田誠
鹿倉胡桃


愛宕洋榎
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

思ったより多すぎて吹いたw

それじゃ、お好きなキャラをどうぞ
今回は三尋木プロは除外します


三時まで

締切

ちょっと割ってきます

コンマ判定

姫子:1-10
豊音:11-34
小蒔:35-42
誓子:43-58
ネリー:59-74
和:75-82
桃子:83-90
照:91-00

ゾロ目:?


直下

チカセンで了解

それじゃ、眠ります



・三年、七月二十五日、写真は英語にするとpictureでpictureを日本語にすると絵


「うーむ、どうしたものか」

京太郎「なんだよ、これ見よがしに悩んでさ」

「ああ、ちょうど良かった」

京太郎「面倒事ならパスしたいんだけど」

「ちょっとした質問だ。時間は取らせない」

京太郎「ならいいけどさ」


「お前と同い年の女の子って、何もらったら喜ぶと思う?」


京太郎「……犯罪はよそうぜ」

「援交じゃない。父親に向かって何を言うか」

京太郎「母さーん」

「冗談でもそんなこと言ったら死ぬぞ、俺が」





京太郎「無難に相手の趣味とかに合わせちゃえば? 消耗品とかも邪魔にならなくていいと思うけど」

「本当に無難だな」

京太郎「気をてらいたいわけじゃないならそれでいいじゃん」

「まあ、それもそうなんだが」

京太郎「踏み込んだものってなると相手のこと知らないとわかんないし……好物知ってるならそれでもいいんじゃね?」

「好物……好きなものか」ジッ

京太郎「なんでこっち見るんだよ」

「いや、さすがにそれは無理か。なら……」

京太郎「だから何の話だよって」

「とりあえず」パシャッ

京太郎「うわ、まぶしっ」

「よし、協力感謝する」


京太郎「……なんだったんだ?」





エイスリン「……」ペラッ


塞「何見てるの?」

エイスリン「――っ、サエ?」

塞「アルバムかぁ……この子、弟さんとか?」

エイスリン「キョータロ」

塞「え?」

エイスリン「コレ、Birthday present」

塞「へ、へぇ……須賀くんが」


塞(誕生日プレゼントに自分のアルバム送ってくるって……そんなキャラじゃなかったと思うんだけど)

塞(まさか須賀くんのお父さんの差金だったりしてね)


塞「あ、そういえば今日、先生がご飯ご馳走してくれるみたいだよ。なにかリクエストはって」

エイスリン「Hmm……ラーメン?」

塞「……ケーキとラーメンって不思議な組み合わせだなぁ」

エイスリン「アマイモノハベツバラ」

塞「えっと、そういうことじゃないんだけどね……」



塞「とりあえず、リクエスト承ったよ。先生に伝えてくるね」


エイスリン「ラーメン、タノシミ」

エイスリン「……」ペラッ


エイスリン(今度ママたちに写真送ってもらおうかな)

エイスリン(キョータロにお返ししなきゃ)

エイスリン(でも、自分の写真をプレゼントするのって……)


エイスリン「~~っ」カァァ


エイスリン(結構、恥ずかしいかも……)



というわけで誕生日おめでとう
親戚の女の子がいつの間にか自分のアルバムを持っているという

本編は明日明後日にでも

んじゃ、失礼します



・三年、七月二十六日、強請ると書いて何と読む?


桃子「金髪さん金髪さん」クイクイ

京太郎「なんだ、揺すっても何も出ないぞ」

桃子「むぅ……えいっ」ムギュッ


京太郎(やわらかっ)


桃子「そして……」パシャッ

京太郎「なんだよいきなり」

桃子「ふふふ、この写真を見せる人に見せたらどうなるんすかねぇ?」

京太郎「はいはい、強請ってもダメだからな」ヒョイ

桃子「ああ、携帯がっ」

京太郎「消去」ピッ





桃子「今日、誕生日なんすけど」

京太郎「そうらしいな。加治木もそんなこと言ってたし」

桃子「というわけでなにかをプレゼントしてもバチは当たらないっすよ?」

京太郎「プレゼントしなくても当たらないかもな」

桃子「プレゼントを要求するっす」

京太郎「ついに直球できやがったか」


京太郎「あのよ、この前一緒に飯食ったことは覚えてるよな?」

桃子「ファミレスでゴチになったっすね」

京太郎「あれが誕生日プレゼントって名目だったような気がするんだけど」

桃子「甘いものは別腹っすよ?」

京太郎「まさかデザート食えなかったからとか言い出すんじゃねえだろうな?」

桃子「ダメっすかね?」

京太郎「ダメだな」

桃子「むぅ……」

京太郎「難しそうな声出してもダメだ」





京太郎「てかよ、鶴賀の仲間内でなんかやるんじゃないのか?」

桃子「そうっすね。でもまだ時間あるんすよ」

京太郎「なるほど、つまり俺に絡んでるのは暇つぶしか」

桃子「そうとも言うっす」

京太郎「……ていっ」ピシッ

桃子「あいたっ!」

京太郎「まったく……正直だから許されるってわけじゃないんだからな」

桃子「ひどいっすよ!」

京太郎「はいはいわかったわかった」

桃子「むっ、これはもらうものをもらわないと収まらないっすからね?」

京太郎「じゃあ……またかくれんぼで勝負でもするか?」

桃子「望むところっす!」





桃子「ま、負けたっす……」

京太郎「こんなもんだろ。ほら、残念賞だ」

桃子「ううっ、どうせ私はプレゼントももらえない寂しい女なんすよ……ってあれ?」

京太郎「お前があまりにもうるさいからさっきそこで買っといた」

桃子「……コンビニのスイーツじゃ私の心は動かないっすよ」

京太郎「いらないならこのまま持って帰るぞ」

桃子「ウソウソウソ! ありがたくもらうっす!」



というわけで誕生日おめでとう

じゃ、失礼します

お久!

もうちょっとしたら始めます

んじゃ、始めます



・三年、秋、笑顔が似合う彼女


京太郎「死ぬ……いっそ殺せ!」

ゆみ「久しぶりに会ったと思ったらなんだ……介錯はしないぞ?」

京太郎「もう問題集は見たくないんだぁ……」

ゆみ「もしかして受験勉強か? 意外だな」

京太郎「俺もまさかこんなことになるなんて思わなかったよ……くそっ」ダン

ゆみ「とりあえず店の中で騒ぐのはやめにしないか?」


ゆみ「ふむ、久と同じ大学か……」

京太郎「わかってるよ? どこの学部行くにしたって足りないもの三昧だって」

ゆみ「しかし進学しないとして、就職のあては?」

京太郎「えっと、執事とか温泉旅館とか……神社に婿入り?」

ゆみ「よし、何も心配ないな。話は終わりにしよう」

京太郎「見捨てないで加治木さまっ」ガシッ

ゆみ「ええい、まとわりつくんじゃないっ」





京太郎「久ちゃんが勉強見てくれるのはいいんだけど……超スパルタなんだよ」

ゆみ「とは言っても、スタートがついこの前ならそうもなるだろうさ」

京太郎「みほっちゃんだったら優しく教えてくれそうなのにな」


ゆみ(そして甘やかすんだろうな……)

ゆみ(そう考えると、この件に関しては久の方が適任だな)


ゆみ「なんにしてもやるつもりなんだろうな、君は」

京太郎「ま、やれるだけはな」

ゆみ「それで、折角の休みの日に勉強しなくても大丈夫か?」

京太郎「せっかくの休みなんだから休ませてください……」

ゆみ「真面目なのか不真面目なのかどっちかにしてくれ」



桃子「どもっす」


ゆみ「モモ、奇遇だな」

桃子「お二人の姿を見かけたので、ストーキングさせてもらったっす」

ゆみ「なら普通に声を掛けてくれ」

桃子「もう癖みたいなものっすね。ところで……」


京太郎「うーん、これ以上勉強は……」


桃子「金髪さんはなんでダウンしてるんすかね?」

ゆみ「多分、モモもあと二年くらいしたらわかるんじゃないか?」

京太郎「そうだそうだ、お前も苦しむがいいさ」

桃子「なんなんすかねぇ」





桃子「じゃ、金髪さんは勉強頑張るっすよ」

京太郎「頑張れと言われるとやる気なくなるこの現象はなんなんだろうな?」

桃子「あ、わかるっす。勉強ってそういうとこあるっすよね」

ゆみ「単にやりたくないからじゃないのか?」

京太郎「それはそうだ。フルマラソンに出てこいって言われる方がまだ気が楽だな」

ゆみ「比較がまた極端な」

桃子「というか完走できるんすか」

京太郎「多分無理」

ゆみ「そうなのか?」

京太郎「普段大した運動してない奴がいきなり走れたら事件だろ」

ゆみ「しかし君は……いや、そうだったな。すまない、まだボールを掴んで走り回ってる気がして」

京太郎「何年前の話だよ……まぁいいけどさ」

桃子「ワケアリっぽい雰囲気出してないで行くっすよ」クイクイ

ゆみ「そうだな」

京太郎「大丈夫だとは思うけど気をつけて帰れよー」






京太郎「さて、俺も帰るかな」

京太郎「……まぁ、勉強は後回しにしよう」

京太郎「せめてなんか気晴らしができたらなー」


ハギヨシ「おや、こんなところで……奇遇ですね」


京太郎「あれ、買い出しの帰りですか?」

ハギヨシ「明日は休みを頂いたので、できるだけ買い足しておこうと思いまして」

京太郎「真面目だなぁ」

ハギヨシ「性分ですね」

京太郎「にしても休みですか……」

ハギヨシ「よければ明日、一緒にどうですか?」

京太郎「……たまには野郎二人も悪くないですね。どっか行く予定とかあります?」

ハギヨシ「予定は未定ですね。君のほうでなにか希望があればそれに合わせますが」

京太郎「希望かぁ、うーん……」


京太郎「リラックスしたいですね。なんつーか……自然に囲まれて的な」

ハギヨシ「リラックス、自然……」

京太郎「まぁ、そうでなくても広い場所でのんびり出来たら休まるんじゃないですかね?」

ハギヨシ「広い場所、のんびり……」


ハギヨシ「大体分かりました」

京太郎「マジですか。わりかし曖昧なこと言ったのに」

ハギヨシ「明日は……そうですね、午前九時ぐらいに屋敷の方に集合ということで」

京太郎「おっけーです」





爽「正直さ、進捗状況はどうなのさ」

誓子「テストとか受験勉強のことだったら、自分の心配したほうがいいと思うんだけど」

爽「うっ……そ、それは置いとこうか!」

誓子「はぁ……置いといちゃダメじゃない」

爽「それはまぁ、きっと明日の私がなんとかする!」

誓子「今日だって昨日の明日だったでしょ」

爽「くっそう、どっかの歌から取ってきたかのようなフレーズを……」

誓子「はいはい、それでさっきの進捗状況って?」

爽「他ならぬこれのことさ」スポッスポッ

誓子「……なにその手つき?」

爽「左手の円が女、右手の人差し指が男」

誓子「テスト前って一人で勉強するべきだと思うんだけど、どう思う?」ニコッ

爽「お願いチカさま見捨てないでっ」





爽「このままチカはどうするつもりなのかなって」

誓子「大学……のことじゃないよね」

爽「ユキはやる気満々だけどね」

誓子「そういうこと……でも、中々会えないしね」

爽「そっかー……ま、レアキャラだよね、須賀くん」

誓子「長野だもんね。おいそれと行き来できないよ」

爽「そっかー、うーん、そうかなぁ?」


爽(実際この前来てたしなぁ)

爽(謎の行動力あるよね)


「さて、そろそろ移動しますか」

「ちょっ、ハギヨシさんもう少し休んでも……」

「なにを言ってるんですか。まだ始まったばかりですよ」

「せめて胃の中のギアが元に戻るまで待ってくれませんかねっ、今バックだから!」


爽「……」

誓子「……」

爽「レアキャラ発見だ」

誓子「え、ウソ……」

爽「えっと、とりあえず確保しとく?」





京太郎(まさかこんなことになるとは……)

京太郎(ハギヨシさんが北海道に行くって提案してきたときは驚いたけど、まあいい)

京太郎(龍門渕の自家用ジェットをハギヨシさんが操縦しだした時もちょっと驚いたけど、まあいい)

京太郎(問題はその後だ)


京太郎『ドライブ、ですか?』

ハギヨシ『北海道なら君の希望に添えると思いまして』

京太郎『……いいっすね!』


京太郎(なんて返事をしてしまったのが間違いだった)

京太郎(余計に煽る奴がいなければ大丈夫だろうとたかをくくっていた)

京太郎(ハギヨシさんにとってのドライブがどんなものか、もっとよく考えていれば……)


京太郎「……うぷっ」

ハギヨシ「いやぁ、清々しい。北海道に来て正解でしたね」

京太郎「そ、そうっすね……」



京太郎(決して運転が下手なわけじゃない。むしろ技術は相当高い)

京太郎(問題は、それがどの方面に使われるかだ)

京太郎(普段のハギヨシさんは、それを安心とか安全とかそういうことに傾けているのだろう)

京太郎(でも、仕事を離れたら……)


京太郎『ハギヨシさんっ、そのスピードでヘアピンはやばいですって!!』

ハギヨシ『心配いりませんよ。こうしてタイヤを――』グイン

京太郎『あばばばばばっ』

ハギヨシ『引っ掛けるんですよ、溝にね』

京太郎『』グッタリ


京太郎(あんたはどこの漫画の世界の住人だと突っ込みたかったが、そんな余裕はない)

京太郎(とりあえず、休憩時間を少しでも長くして――)


ハギヨシ「さて、そろそろ移動しますか」

京太郎「ちょっ、ハギヨシさんもう少し休んでも……」

ハギヨシ「なにを言ってるんですか。まだ始まったばかりですよ」

京太郎「せめて胃の中のギアが元に戻るまで待ってくれませんかねっ、今バックだから!」



爽「おーい、須賀くーん」


ハギヨシ「おや?」

京太郎「し、獅子原か」

爽「まあね、あとチカも」

誓子「えっと、久しぶりだね」

京太郎「ひ、久しぶり……」ヨロッ

誓子「あ……っと、大丈夫?」

京太郎「……うぷっ」

誓子「えっ」


京太郎(そしてG.E.R.O.リヴァースが発動)

京太郎(……ここから先はよく覚えていない)





誓子「……」ベチャア

爽「あ、あはは……ぶっかけられた」

ハギヨシ「京太郎くん、大丈夫ですか?」


京太郎「」


爽「気絶してるね」

ハギヨシ「どこかで寝かせられれば……」

爽「あ、それなら……チカ」

誓子「……なに?」

爽「チカのうちで須賀くん休ませられないかなーって」

誓子「そうだね……着替えたいし」

爽「というわけで、運んじゃいましょうか」

ハギヨシ「わかりました。今、車をまわしてきます」


眠い!

すまないんですけど、続きはまた明日にします

いやぁ、昨日はうっかりぐっすりでした

風呂入ったら始めます

んじゃあ始めます



京太郎「うっ……」

京太郎「ここって……」


京太郎(知らない天井、ではないよな)

京太郎(たしか……桧森の家だ)


京太郎「桧森ー?」

京太郎「……いないのか?」

京太郎「まいったな……うがいしたいんだけど。口の中気持ち悪いし」

京太郎「まあ、勝手知ったるなんとやらってことで……」ガチャ


誓子「え……」


京太郎(あ、お風呂上がりでしたか)



誓子「やだ、そんな見ないで……」モジモジ

京太郎「あ、はい」


京太郎(なんか反応いつもと違くない?)

京太郎(いつもとか言うと普段から裸見てるように聞こえるな……)


誓子「あ、あのさ」

京太郎「な、なんだ?」

誓子「服着たいから、ちょっとだけどこか行っててくれる?」

京太郎「失礼しましたーっ!」





誓子「もう具合は大丈夫?」

京太郎「おかげさまでな」

誓子「いきなり吐いて気絶しちゃうんだもん。びっくりしちゃったよ」

京太郎「まあ、なんというか……迷惑かけました」

誓子「爽と萩原さんにもちゃんとお礼言ってね」

京太郎「わかってるって」


京太郎(原因の大半はハギヨシさんのような気がするけども)


京太郎「そういや、二人は?」

誓子「萩原さんはガソリン入れに行ってて、爽は……」


爽『チカ、押し倒しちゃえ! それがダメなら引き倒せ!』


誓子「……」カァァ

京太郎「獅子原は?」

誓子「え、あ……帰った」

京太郎「なんだよ、薄情だな」

誓子「用事でもあったんじゃないかな?」

京太郎「まあ、そういうことならしかたないか」



誓子(私に気を使ってくれたなんて言えないよね……)


京太郎「しかし……」グゥ

誓子「お腹すいたの?」

京太郎「全部ぶちまけたからな……」

誓子「簡単なものでいいなら作れるけど」

京太郎「なんか悪いな……自分で作ってもいいんだけど」

誓子「お客さんなんだから座ってるの!」

京太郎「あ、はい」

誓子「じゃあ、ちょっと待っててね」





京太郎「いただきます」

誓子「いっぱい食べてね」

京太郎「ごちそうさまでした」

誓子「いくらなんでも速すぎない!?」

京太郎「いやぁ、おいしかった」

誓子「……あんなに一気に食べて味なんてわかるの?」

京太郎「空腹は最高のスパイス」

誓子「はぁ、やっぱりね……」

京太郎「本当においしかったって」

誓子「お腹空いてたからでしょ」プイッ

京太郎「でもさ、女の子の手料理ってだけで嬉しいもんだからなぁ」

誓子「そうなの?」

京太郎「よくよく考えると、作ってやることは多くても作ってもらうことはあんまないんだよ」

誓子「へ、へぇ……そうなんだ」


誓子(頑張って作ったかいがあったかも……!)


誓子「ね、まだお腹すいてるならもうちょっと作れるけど……どうかな?」

京太郎「ん、そうだな……じゃあお言葉に甘えるか」





京太郎「……とは言ったけどよ」

誓子「あはは……ごめん、作りすぎちゃった」

京太郎「だよなぁ」

誓子「全部食べなくてもいいよ? その、私も食べるから」

京太郎「……」


京太郎(じゃあそんな顔すんなよな……)

京太郎(困ったような顔で笑ってさ)


京太郎「そうだな……じゃあ、俺が食いきれなかったら頼む」

誓子「え、でもこの量は……」

京太郎「食べてみないとわかんないだろ」

誓子「なに言ってるのよ、無理に決まってるでしょ」

京太郎「それに、女の子の手料理逃すなんてもったいないだろ」

誓子「……わかったわよ、もう」

京太郎「さーて、いただきますかね」

誓子「今度は吐かないでね?」

京太郎「……善処します」





京太郎「……うぷっ、ごちそうさまでした」

誓子「わ、本当に食べちゃった」

京太郎「ギリギリの戦いだったぜ……」

誓子「バカみたい……」


誓子(でも、食べてくれたのは嬉しい……かな?)


京太郎「悪い、ちょっと横になってもいいか?」

誓子「歩ける?」

京太郎「なんとか」ヨロッ

誓子「もう、ふらついてるじゃない。ほら、支えるからしっかりして」

京太郎「今度は踏みとどまったぜ……」

誓子「……もしかして、危なかった?」

京太郎「踏みとどまったから大丈夫」

誓子「……」ススッ

京太郎「ちょっ、桧森さーん!?」





京太郎「やっと到着か……やけに長く感じた」

誓子「私はいつ吐かれるか気が気じゃなかったんだけどね……」

京太郎「くそう、一度の失敗がこうも……!」

誓子「かけられた側としては当然の反応だと思うけど」

京太郎「だよな……わかるよ、俺も経験あるし」

誓子「かけられた側の?」

京太郎「ああ、前に酔っ払ったお姉さんを介抱したことがあってさ」

誓子「酔っ払った、お姉さん?」

京太郎「ホテルの部屋まで連れてったはいいんだけど、途中で思いっきり背中にかけられたんだよ」

誓子「ホテル、連れてった……」

京太郎「トイレで寝だすわ、ベッドに入ったと思ったら人の袖掴んで離さないわ……おかげで朝帰りだ」

誓子「……」


誓子(え、なにそれどういうこと?)

誓子(酔っ払った女の人と一緒にホテルに入って、しかも一夜を過ごしたって……)

誓子(そういうこと、なのかな……)



京太郎「おい、大丈夫か? なんか暗い顔してるけど」

誓子「須賀くんってさ、やっぱりそういう経験あるの?」

京太郎「経験? いや、ゲロを引っ掛けられたのh後にも先にもあれだけだけど」

誓子「そういうのじゃなくて、その……女の子と付き合ったりとか」

京太郎「恋人がいたことはないな……残念ながら」

誓子「じゃあ……え、えっちなことしたりとかは?」

京太郎「はぁ!? お前いきなりなに聞いてくれちゃってんの!?」

誓子「世間話! た、ただの世間話だから!」

京太郎「にしたってな……」


京太郎(てかさ、くっついたままでそういう話題振られると意識しちゃうだろ)

京太郎(桧森、なんかいい匂いするし……そういやさっきシャワー浴びてたんだっけ)


京太郎「とにかく、セフレも恋人もいないのにそういう経験できるわけないだろ」

誓子「むー、じゃあさっきの話は?」

京太郎「だからそれは酔っぱらいを介抱した話でだな……」

誓子「だって、酔って前後不覚の女の人を……そ、そういうことするホテルに連れ込んで朝帰りしたんでしょ?」

京太郎「見事に曲解したな!」



京太郎「いやいやいや、ラブホじゃないし、普通にその人が泊まってるホテルの部屋だったし!」

誓子「でも、普通のホテルの部屋でもそういうことはできるんじゃ……」

京太郎「お前もうそこから離れろよ、むっつりか!」

誓子「違いますっ」


誓子(それは、人並みには興味はあるけども)

誓子(でも、私が気にしてる理由はそれだけじゃなくて)


『このままチカはどうするつもりなのかなって』


誓子(このままでいいわけないよね)

誓子(……押してみようかな)


誓子「……ねえ、私に貸しあるの、覚えてる?」

京太郎「貸し……もしかして大阪行った時のやつか?」

誓子「あの時、その……えっちなことしたいのかって聞いたと思うんだけど」



誓子「しても、いいよ?」


誓子「だって、須賀くんは私に貸しがあるんだもん。きっちり返さなきゃって思うし」

京太郎「ひ、桧森さん?」

誓子「興味ないわけじゃないよね? それなら……うん、しかたないよね。私、逆らえないし」

京太郎「いや、だからなんでそういう方向に……」

誓子「それとも……私じゃいやかな?」

京太郎「そんなわけ……」

誓子「だったらさ――」


ハギヨシ「京太郎くん、具合は……」ガチャ


京太郎「……」

誓子「……」


ハギヨシ「失礼……さて、一時間ほど走ってきますか」パタン


京太郎「また、なんてタイミングのいい……」

誓子「あ……ぅあ、あ……」カァァ

京太郎「桧森、大丈夫か?」

誓子「――」フラッ

京太郎「ちょっ、マジか!」ガシッ





誓子「んん……あれ?」

誓子「私、どうしてベッドに……」


京太郎「お目覚めか」


誓子「え、なんで須賀くんが私の部屋に……」

京太郎「なんでってな……いきなり倒れただれかさんを運んだからだよ。おかげで胃の中のギアも元に戻ったよ」

誓子「倒れたって……あっ」カァァ


京太郎(思い出したか……)

京太郎(こっちから下手に触れないほうがいいよな)


京太郎「まぁ、具合悪いんだったら休んどけ」

誓子「ごめんね、体調が悪いわけじゃないんだけど」

京太郎「洗い物ぐらいなら俺がやっとくからさ」

誓子「悪いよ、そこまでしてもらうのは」

京太郎「いいから任せとけって」パサッ

誓子「わっ」

京太郎「んじゃ、ゆっくりしとけよー」


誓子「もう、強引だなぁ」

誓子「……ちょっと、やらかしちゃったよね」

誓子「変な子だって思われちゃったかな……」

誓子「あーあ……頭冷やそ」





京太郎「生きてるかーって、普通に大丈夫そうだな」

誓子「それよりも、女の子の部屋に入る前はノックした方がいいんじゃないかな」

京太郎「悪い悪い、一緒にデザートでも食べようと思ってさ」

誓子「デザート?」

京太郎「ハギヨシさんが置いてってくれたみたいでさ、このプリン」

誓子「萩原さんが?」

京太郎「まあ、気が利く人なんだよ」

誓子「でも珍しいね。麻雀部以外の人と遊んでるなんて」

京太郎「あ、遊んでるから……地元には男友達もいっぱいいるから……」

誓子「えっと、深く突っこまないほうがいい?」

京太郎「なに言ってるんだよ。高校入ってから男子との関わりが激減したとかそういうのないから……」

誓子「はぁ……わかったからプリン食べない?」





誓子「へぇ、じゃあ萩原さんってアルバイト先の先輩なんだ」

京太郎「大体そんな感じ」

誓子「なんかすごい落ち着いた雰囲気の人だったね」

京太郎「でもあの人、確かまだ二十歳になってないよな」

誓子「ウソっ、24ぐらいだと思ってた」

京太郎「だろ? 俺が高一の時に高三だったなんて、いまだに信じられないんだよ」


京太郎(その一方で、逆の意味で高校生には見えない奴もいるからなぁ)


誓子「そういえば、洗い物ありがとね」

京太郎「ん、ああ……ごちそうになったしな」

誓子「わかった。じゃあそれであいこにしておくね」

京太郎「にしても、料理普通に上手いな」

誓子「そ、そう?」

京太郎「包丁の使い方は手慣れた感じだと思ってたけど、やっぱり料理できる系女子だったか」

誓子「あはは、褒めてもなにも出ないよ?」

京太郎「下心はないって。俺ほど清らかな心の持ち主もそういない」

誓子「ふーん、清らかな人が出会い頭にあんなことするんだ」

京太郎「こ、心と体は別だから」

誓子「じゃあ体は汚れてるってことでいいのかな?」

京太郎「もうやめようぜ……争いは何も生まない」



京太郎「話戻すけど、やっぱりお母さん役は伊達じゃないな」

誓子「お母さん役?」

京太郎「みんなをまとめたり、世話焼いたりしてるやつのこと。おまけに料理もできるしな」

誓子「家事に関しては揺杏の方がすごいよ?」

京太郎「え、そうなの? 料理のイメージはなかった」

誓子「一番は裁縫だとは思うけど、料理だって私より上手だもん」

京太郎「なるほど……興味わいてきたな」

誓子「……やっぱり料理が上手な女の子のほうがいいの?」

京太郎「上手下手よりも、一緒に作りたい派だな。ほら、長野でやったみたいにさ」

誓子「たしかに楽しかったね、あれ」

京太郎「今度、岩舘も巻き込んで色々作るのも楽しそうだな」

誓子「……私は、また二人がいいな」


誓子「あのね――」

唐突にコンマ判定

高ければ高いほどいい感じです


直下



コンマ81以上 チカセン、プッシュ


誓子「私は、須賀くんと色々したいことがあるの」

誓子「一緒に出かけたり、お料理作ったり、自転車の後ろに乗せてもらったり」

誓子「今日みたいに自分で作ったものを食べてほしいし、おいしいって言ってもらいたいの」

誓子「だから、貸しとかじゃなくて……えっちなことも須賀くんがしたいなら……」


京太郎(……こうもはっきり来られると、勘違いの余地がないよな)


誓子「ご、ごめん、迷惑だよね……」

京太郎「なんでそっちが謝るんだよ」

誓子「だって……複雑な顔してる」

京太郎「俺のせいか……でも、これは嫌だからとかそういうのじゃないんだ」



京太郎「多分、今だったら桧森に麻雀では負けない自信がある」

誓子「……何の話?」

京太郎「俺の体質というかオカルトというか、そういう話」

誓子「……やっぱり迷惑だったのかな」シュン

京太郎「だから違うって」ムニュッ

誓子「ひゃっ」


京太郎「俺はさ、桧森の笑ってるとこがさ……なんというか、すごく綺麗だなって思ってるんだよ」

誓子「……うん、それで?」

京太郎「色々しがらみも多くて、まだ答えは出せないけど……これだけは伝えておきたかったというか……」ポリポリ

誓子「……顔、赤いね」

京太郎「お互い様だな」

誓子「あはは、ホントだね」





誓子「それじゃあね」

京太郎「またいつか、今度はちゃんと遊びに行くよ」

誓子「うん、待ってる。答えも含めてね」

京太郎「うっ、プレッシャーが……」

誓子「これぐらいはいいよね? だって、宙ぶらりんな立場だし」

京太郎「わかったよ……」


ハギヨシ「もういいんですか?」

京太郎「今日はハギヨシさんと遊びに来たんだし、優先はこっちですよ」


京太郎(それに、あれ以上一緒にいたら流されちゃいそうだしな)


ハギヨシ「では、行きましょうか」





ハギヨシ「先程はすみませんでした。友人と出かけるのが久しぶりだったもので、つい」

京太郎「もういいですって。まぁ、もうちょっと安全運転してくれたらありがたいですけど」

ハギヨシ「おかげで思い出しましたよ。公道最速理論がどのようにして生まれたものなのかを」

京太郎「……はい?」

ハギヨシ「つまりですね――」ギュイン


ハギヨシ「車酔いで吐いてしまうのなら、その前に走り抜けてしまえばいい」

ハギヨシ「吐く前に峠を抜けたい……その思いが最速理論を導き出したのですから」


京太郎「ちょっ、これさっきと同じパターンじゃ……!」

ハギヨシ「安心してください。少しぐらいタイヤがへたろうと、私のテクに乱れはありません」

京太郎「心配してるのはそこじゃ――」

ハギヨシ「行きますよ……!」


京太郎(今回得た教訓は一つ)

京太郎(ハギヨシさんとドライブするなら隣に乗ってはいけない)

京太郎(蒲原よりも技術がある分、余計にタチが悪い)

京太郎(こんなことを考えて、俺の意識はぷっつり途切れた)





誓子「笑ってる顔、綺麗……」

誓子「……えへへ」


爽「チカ、なににやけてんの?」


誓子「さ、爽!?」

爽「そろそろ進展あったかなーって来てみれば須賀くんたちはいないし、チカは一人でにやけてるし」

誓子「須賀くんたちならもう帰ったからっ」

爽「あらま……まぁ、今日はうちらに会いに来たわけじゃないっぽいしね」


爽「それで、進展は?」

誓子「……なんでもいいでしょ」

爽「えー? 黙秘とかすごい気になるなぁ」

誓子「でも、一応お礼は言っとくね。ありがと」

爽「おやおや、これはやはり進展が?」

誓子「さ、せっかくだし勉強でもする?」

爽「しまった! 自分から罠に飛び込んでたなんて!」



というわけで終了

安価取りたいんですけど、人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです
基本的に数値が低い人のほうが上がり幅がでかいです


ED確定
大星淡
天江衣
桧森誓子


福路美穂子
姉帯豊音
宮永照


松実玄
ネリー・ヴィルサラーゼ
神代小蒔
真屋由暉子
白水哩
竹井久
三尋木咏


宮永咲
清水谷竜華
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり


滝見春
園城寺怜
石戸霞
片岡優希
薄墨初美
鶴田姫子
龍門渕透華
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一


本内成香
臼澤塞
上重漫
岩館揺杏
狩宿巴
弘世菫
辻垣内智葉
高鴨穏乃
東横桃子
蒲原智美
雀明華
ハギヨシ
鷺森灼
新子憧
津山睦月
花田煌
針生えり
部長
内木一太
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
小瀬川白望
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
郝慧宇
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
戒能良子
高久田誠
鹿倉胡桃


愛宕洋榎
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

んじゃあ、お好きなキャラをどうぞ

38分まで

締切

それじゃ割ってきます

コンマ判定

照:1-13
小蒔:14-26
久:27-39
豊音:40-56
ネリー:57-79
桃子:80-86
和:87-93
哩:94-00

ゾロ目:?


直下

亜熱帯さんで了解

それじゃ追加で安価

宮守からひとりどうぞ


下5まででコンマ高いのを採用

それじゃあシロということで

ちなみに、三年編の大晦日は鹿児島に親戚集合です


じゃ、おやすみなさい



・どこかの未来、暑い夜の過ごし方


爽「にゃお~ん」スリスリ

京太郎「……」

爽「構えよー」ダキッ

京太郎「ええい、暑っ苦しい……!」


京太郎「エアコン壊れてるのにどういうつもりだ、嫌がらせか」

爽「いいじゃん、どうせ夜は汗だくでドロドロになるんだし」

京太郎「……今日はしないぞ?」

爽「なんでだよー、親元離れて同棲してんのにもったいないじゃん」

京太郎「ゴムがない、外はくそ暑いから出たくない……ここまで言えばわかるよな?」

爽「なるほど、今日は生でするんだ」

京太郎「だからしないって言ってるだろうが」

爽「しようよー、エッチ。にゃーにゃー」

京太郎「発情期の猫か!」



京太郎「まったく、暑さでおかしくなったか……白糸台の問題児並に頭緩くなりやがって」

爽「なんだよそれー、浮気?」

京太郎「はぁ? なんでそうなる――」

爽「がおー!」ガバッ

京太郎「のわっ」

爽「んふふー」スリスリ

京太郎「……暑い、降りろ」

爽「あむっ」カプッ

京太郎「――っ、噛むなよっ」

爽「んー」ペロペロ

京太郎「舐めるのもやめろっ」グイッ

爽「うあっ」

京太郎「なんのつもりだよ」

爽「猫よりライオンのほうがいいと思ってさ。ほら、私の名字的に」

京太郎「そっちじゃない!」



爽「でさ、結局浮気してるの?」

京太郎「だからどうしてそうなるんだよ……」

爽「だって、授業で一緒になった女の子と楽しそうに話してるらしいじゃん」

京太郎「浮気のライン低くね?」

爽「私、結構嫉妬深いよ? なんだったらカムイにお願いして……」

京太郎「……爽」

爽「なに――んっ……」


爽「……あっ、カムイとられた!」


京太郎「物騒なこと言いだしたから、一応な」

爽「くっそう、これが惚れた弱みってやつかぁ……」

京太郎「でもこれでわかっただろ」

爽「なにさ、キス一つで誤魔化されると思ったら――」

京太郎「だから、俺の能力。これでも浮気なんてしてると思うのか?」

爽「あ、そっか……照れるなぁ、もう」

京太郎「散々誘ってきといて今更なに言ってるんだか」

爽「でもさ、そっちもその気になってきたんじゃない? ほら」サワサワ

京太郎「……あれだけ体すりつけられたら仕方ないだろ」

爽「それでキスがトドメだったと。これはもうしちゃう流れかなー?」

京太郎「絶対後悔させてやるから覚悟しとけ!」





爽「はぁ、はぁ……すご、汗ドロドロ……」

京太郎「……結局生でやっちゃったかぁ」

爽「気持ちよかったね……なんか、初めての時のこと思い出した」


爽「あの時も、今日みたいに手加減なしで激しくしてきてさ……」ポッ


京太郎「ちょっと待て、あれはお前がパウチ使ったからだろうが」

爽「だって仕方ないじゃん。煮え切らない鈍感男のせいだからね」

京太郎「うっ……と、とりあえずシャワー浴びるか」

爽「その前に水、割りと切実に」





京太郎「ふぅ、サッパリしたー」

爽「うぅ……腰痛い」

京太郎「大丈夫か?」

爽「心配するならあんな激しくしなくてもいいじゃん! 人が無理って言ってるのにさ!」

京太郎「洗うとか言ってあんな触り方してきたお前が悪い」

爽「うーん、迂闊だったかぁ」


爽「でも、このまま負けっぱなしじゃいられないね……リベンジだ!」


京太郎「なんだ、まだやるのか。シャワーも浴びたのに」

爽「そっちが降参するまでね」

京太郎「よし、望むところだ」

爽「じゃ、早速……んっ」




以下、朝までエンドレス
そして続かない

というわけで誕生日おめでとう

本編後にあるかもしれない未来です

それじゃ、失礼します



・三年、夏、酒は飲んでも飲まれるな――if


京太郎「……」


えり「うぅ……わらひなんか、わらひなんかぁ……」

恒子「ねーねー須賀くんさー、ちゃんと聞いてるー?」


京太郎(突然泣き出した針生さんと、やたら絡んでくる福与さん)

京太郎(いや、福与さんは普段から絡んでくるけども)

京太郎(二人とも酒が回ってるのは明白だ。顔赤いし酒臭い)


咏「あっはっは、面白いねぃ」

京太郎「おいこら元凶」

咏「いや、知らんし」

京太郎「あんたが煽りまくった結果だろうが!」

咏「えー? 酔っ払ってるからなに言ってるのかさっぱりだねぃ」ケラケラ

京太郎「こ、この野郎……」



恒子「ほらほらー、須賀くんも飲め飲めー」

京太郎「いや、だから未成年……」

恒子「おらー! 私の酒が飲めないってかー!?」

京太郎「絵に描いたような酔っ払い!?」

えり「しゅがくんもわらひのことなんか、どうでもいいんでしゅよね……」

京太郎「針生さんも落ち着いて……」

えり「やっぱりぃ……」ジワッ


京太郎(超、めんどくせぇ!)


咏「いーい気味だねぃ」

京太郎「傍観者は一番罪が重いんだぞ!」

咏「いや、知らんし」


咏「でもまぁ、どーしてもってなら手助けしてあげなくもないけど、どうする?」



京太郎「ほ、本当にこの二人をなんとかしてくれるのか?」

咏「そっちの誠意次第じゃね? 知らんけど」

京太郎「誠意って……」

咏「例えば……一日あたしの言いなりとかどう?」

京太郎「却下」

咏「ま、気が変わるまで気長に待つかねぃ」


恒子「次の店行くぞ次ー!」

えり「わらひなんかどーせわらひなんかどーせ……」

京太郎「……」


京太郎(いっそ俺が酔いつぶれたい……!)





恒子「酒ぇ……足んないぞー」

えり「うぅ……ひっく」


咏「あっはっは、もう二人ともグデングデンだねっ」

京太郎「笑い事かよ……というかこの二人はどうするんだ」

咏「んー? ホテルすぐそこだし、大丈夫じゃね? 知らんけど」

京太郎「おい大人」

咏「めんどくさいことからうまく逃げるのも処世術だぜぃ?」

京太郎「汚い大人かよ!」

咏「ま、ホテルのロビーに突き出せば部屋までご案内してくれるっしょ、多分」

京太郎「……しかたない、どうにかして連れてくか」





咏「護送完了! さぁて、次はどこ行く?」

京太郎「帰るわ」

咏「ま、時間が時間だしねぃ」

京太郎「なんか疲れたよ……」

咏「これでいつ酔っ払いに絡まれても安心じゃね?」

京太郎「できればそんな安心はいらなかった……」

咏「まぁまぁ、お兄さんにいいものあげるからさ」スッ

京太郎「……何この酒?」

咏「割と高いから味わって飲むこと」

京太郎「未成年に酒渡すんじゃないよ。この不良大人が」

咏「高校生ぐらいだったら隠れて飲んでるもんじゃね? 知らんけど」

京太郎「まぁ、くれるんだったらもらうけど。そんでうちの親に送っとく」

咏「つまんねっ!」





咏「二十歳になったら覚悟しとけよー」フリフリ


京太郎「覚悟って……潰す気かよ」

京太郎「酒渡してきたりな。まったくなんなんだか」プルルル

京太郎「電話? ……何この番号」ピッ


恒子『酒が足んないぞー!』


京太郎「えっと、もしかして福与さん?」

恒子『おらー、勝手にいなくなってんじゃねーぞー!』

京太郎「いや、てかなんで俺の番号――」

恒子『いいから罰として酒!』

京太郎「だからなんで――」

恒子『いいからもってこいやー!』プツッ


京太郎「……とりあえずこれ届けて逃げるか」





恒子「もう、おっそーい!」

京太郎「はいはい、例のブツ持ってきましたから」

恒子「感激のあまりお姉さんキスしちゃいそうだよー」

京太郎「それはまた素面のときで……じゃあ俺はこれで――」


えり「ひ、一人にしにゃいれぇ~」ガシッ


京太郎「ちょっ、なんで針生さんがここに!」

恒子「寂しいとか言って離れてくれなくてさー。おかげで酔いもちょっと冷めちゃったし追加のお酒でもと」

京太郎「あんた絶対まだ酔ってるだろ!」

恒子「あははっ、細かいことは気にしなーい」バシバシ

京太郎「ぐっ」

えり「しゅがくぅん、みしゅてないれぇ……」ギュウウ

京太郎「ちょっ、帰るから離してくれませんかねっ」

恒子「あーもーうっさいなぁ……これでもくらえっ」ズボッ

京太郎「むぐっ!?」

恒子「いっき、いっき」


京太郎(三尋木プロに渡された酒は値段だけでなく度数も高かったらしい)

京太郎(喉が焼けるような感覚も束の間、俺の意識はあっさりと途切れた)




京太郎「うっ……頭いてぇ」

京太郎「なんだここ、昨日の夜はなにして……」フニュッ


京太郎(え、なに今の感触)

京太郎(というか俺、どうして裸で……)


恒子「ふわぁ……もう朝?」ハラッ

えり「んんぅ、狭い……」ハラッ


京太郎「……え?」


京太郎(なぜか同じベッドに寝ていた二人も全裸だった)

京太郎(寝起きに頭痛で思考が鈍っているとはいえ、ここから何が起きたのかを察するのは難しくはない)




恒子「あれ、須賀くんに針生アナ……」

えり「……ウソ」

恒子「あらら、やらかしちゃったねー」アハハ

えり「わ、笑い事じゃないですよ!」

恒子「貴重な体験だったねー、色々と」


京太郎(顔を赤らめたり青ざめたり、反応は対照的だったが、やらかしてしまったことはほぼ確定らしい)

京太郎(責任だとかそういう言葉が頭をよぎったが、みんな酒に酔って前後不覚だったということもあり、ひとまずその場は収まった)

京太郎(俺が酔ったのは福与さんのせいのような気がしてならなかったが)

京太郎(残念なところをあげるとすれば……)


京太郎「なんで、なにも覚えてないんだよ……!」


京太郎(こんな美人二人との初体験が酔いの彼方に消えてしまったのは、さすがにもったいなさすぎた……というところか)





京太郎(そんなことがあった後でも、インハイ個人戦は続く)

京太郎(自分の部屋に帰ってからテレビをつけると、二人は何事もなかったかのように仕事をこなしていた)

京太郎(それでも、何も変わらなかったというわけではなく……)


恒子「あ、須賀くん。やっほー」


えり「あら? 奇遇ですね」


京太郎(こころなしか、二人とのエンカウント率が増えたような気がする)

京太郎(さらに――)


恒子「ねぇねぇ、せっかくだし一緒にお昼食べない?」ムギュムギュ


えり「この前のお詫びというわけではないのですが……今晩、その……ディナーをご一緒できればと」チラッ


京太郎(福与さんはやたらと体を密着させてくるようになり)

京太郎(針生さんはなんだか色っぽい目で食事に誘ってくるようになった)

京太郎(……これ、どう受け取ったらいいんだろうか)




特にオチはなくつづかない

一応、事前と事後の描写しかしてないはずなんですけどねぇ
基準がよくわからないから教えてエロい人!

というわけで失礼します
本編は明日か明後日で

やるよー、超やるよー

風呂入ったら始めます

んじゃ、始めます



・三年、雪の降り始めの勉強会


塞「勉強会?」

胡桃「気分転換にどうかなって」

塞「気分転換にって……毎日勉強会してるようなもんだしねぇ」

胡桃「だから気分転換! 誰かの家に集まってだよ」

塞「なるほど、いつも学校でじゃ飽きちゃうもんね」


豊音「なになに、何の話なのかなっ?」


塞「たまにはさ、誰かの家に集まって勉強したらいいんじゃないかって話してたんだ」

胡桃「私の発案だよ」

豊音「わぁ、いいかも。お泊まり会とかもしちゃうのかな?」

胡桃「それいいね!」



エイスリン「ナニゴト? デンチュウデゴザル?」


塞「殿中って……時代劇か」

豊音「実はね、かくかくしかじかで……」

エイスリン「カクカクシカジカ? Square Move?」

豊音「伝わらなかったよー!」ガーン

塞「いや、むしろ伝わったらびっくりでしょ」


白望「寒い、コタツ……」イソイソ


胡桃「シロ、お勉強会するよ」

白望「勉強会? わりといっつもやってると思うんだけど」

胡桃「今回はスペシャルメニュー付きだからね!」


白望(スペシャルメニュー……ダルそう)



胡桃「なんと今回は、誰かの家にお泊りしてやることになりました!」

エイスリン「Oh!」パチパチ

白望「ふーん、思ったよりダルそうじゃないね」

塞「さしあたっての問題は、誰の家でやるかだけど」

胡桃「それと、いつやるかも決めなきゃだね」

塞「普通に今度の土日でいいんじゃない?」

白望「じゃあそれで」ダルダル

エイスリン「オトマリ……Slumber Party!」

塞「じゃあ今度は場所だけど――」


豊音「ご、ごめんなさいっ」


塞「って、どうしたの急に」

胡桃「もしかして都合悪かった?」

豊音「今度の土日は、その……お父さんのとこに帰るって約束しちゃったから」

塞「あー……それは仕方ないね」

エイスリン「トヨネ、キニシナイデ」

胡桃「うん、それだったら別の日にずらせばいいだけだし」



白望「別に、それなら豊音の実家でやればいいんじゃないの?」


豊音「うちで、勉強会?」キョトン

塞「名案かも……ね、どうかな?」

豊音「ちょっとお父さんに聞いてくるねっ」タタッ


エイスリン「シロ、Nice idea!」

胡桃「蜜柑剥いてあげるね!」

白望「筋も取ってね」

胡桃「任せて!」

塞「しょうがないなぁ、私はお茶淹れるね」

白望「黙っててもお茶と蜜柑がやってくる……ダルくない」



豊音「みんな、オッケーだって!」ガラッ


塞「じゃあ今度の土日は豊音の家に集合だね」

エイスリン「ナニモッテク? Tramp? UNO?」

胡桃「こらこら、勉強しに行くんだよ?」

エイスリン「オヤツハ?」

胡桃「300円まで!」

塞「いやいや、遠足でもないから」

豊音「ワクワクしてきたよー!」

白望「お茶と蜜柑は……」


豊音「あ、でもでも……用意に時間かかりそうだから、だれか一人でいいから手伝ってほしいかなーって」


エイスリン「Help?」

胡桃「なるほど、それなら適任がいるよ」

塞「そうだね……シロ、君に決めた!」

白望「!?」



白望「ちょっ、それはさすがにダルすぎる……」

胡桃「でも、シロなら適任かも」

エイスリン「シロ、ナマケモノ」

塞「でも、避けられないってわかったら効率よく済ませちゃうからね」

エイスリン「ナルホド、I see」ポン

胡桃「だから、任せとけば大丈夫だと思うよ」

白望「まだやるって言ってないんだけど……」

豊音「ご、ごめんね……迷惑だよね」シュン

白望「……わかった、行くよ」

豊音「ちょー嬉しいよー!」ギュッ

白望「ちょっ、苦し……」





塞『というわけでさ、今度勉強会することになったんだ』

久「勉強会ねぇ」

塞『うちはみんなして大学目指してるからね』

久「あいつにもそれだけモチベーションがあればね……」

塞『須賀くん、受験するの?』

久「進路決めてないからとりあえず受けさせることにした」

塞『受けさせるって……どういうこと?』

久「そのまんま。受けるだけなら自由でしょ?」

塞『どうも半強制っぽいね……須賀くん、ご愁傷様』


久「それはそうと、その日に遊びに行ってもいい?」

塞『遊びにって、私らは勉強会だよ?』

久「ああ、大丈夫。私たちも勉強しに行くつもりだから」

塞『たち?』

久「あいつも連れてくから。ほら、やる気が出ないならやらざるを得ない状況をってね」

塞『……まぁ、ムチだけじゃなくアメもちゃんとあげてね』





京太郎「……」

久「それで、こっちの問題は……」

京太郎「……」

久「まぁ、こんなふうにしたら解けるんじゃない?」

京太郎「……」

久「似たような解き方の問題ピックアップしとくから、後でやってみて。てかやりなさい」

京太郎「……」

久「あら、もうこんな時間。今日は終わりにしますか」

京太郎「よっしゃ!」ガタッ

久「というのは冗談で、もう少しやるわよ。まだ元気みたいだし」

京太郎「よくもだましたアアアア!! だましてくれたなアアアアア!!」





京太郎「久ちゃん、俺たちには冷静になる時間が必要だと思うんだ」

久「なによ、その別れ話を先延ばしにするみたいなの」

京太郎「今からだって遅くない、考え直そうぜ」

久「そうね、考え直して後二時間ぐらい延長しとく?」

京太郎「そんなご無体な!」


京太郎「リアルに休みが欲しいです」

久「あれ? 私の記憶が確かだと、土日はどこかしらに姿くらませてたような気がするんだけど」

京太郎「うっ……それはまぁ、やむを得ない事情があったというか……」

久「つまりあれね。そういう事情を作って逃げてたと」

京太郎「堪忍してください! 後生ですから!」

久「ちょっ、大声出すんじゃないの。別に休みを取り上げようってわけじゃないから」

京太郎「マジで?」

久「でも、今度の土日は付き合ってもらうから」

京太郎「えっ」

久「はいはい身構えない。ちょっと岩手にいくだけだから」

京太郎「岩手?」

久「そ、岩手」





京太郎「差し当たって、問題は移動手段だな」

久「普通に電車とバスじゃダメなの?」

京太郎「旅の楽しみは移動中も含まれるからな」


久(なーんか変なとこでやる気出しちゃってない?)


京太郎「久ちゃんは何がいいと思う?」

久「電車とバス」

京太郎「よしよし、そうだよな。ヒッチハイクとか楽しそうだよな」ウンウン

久「こっちの話が通じてない……!」

京太郎「あぁ、なんか楽しくなってきたな!」





「それじゃ、気をつけろよお二人さん」ブロロロ


京太郎「おっさんも元気でなー!」

久「ま、まさか本当にヒッチハイクでここまで来るとはね……」

京太郎「やってみればなんとかなるもんだ。長距離ドライブのトラックは狙い目だったな」

久「すぐに仲良くなれちゃうあたり、さすがというかなんというかね」

京太郎「褒めても何も出ないぞ?」

久「大半は呆れだから」


京太郎「で、岩手に入ったはいいけど、ここからどこにいくんだ?」

久「それね。今ちょっと確認するから」

京太郎「なんだ、行き当たりばったりだな」

久「電車とバスだったらこんなことにはなってなかったのにねー」

京太郎「行き当たりばったりも楽しいよな!」

久「……はぁ」

いやあ、眠気は強敵でしたね(勝てたとは言ってない)

というわけで今夜に持ち越しです

ま、まだ47時半だから……日は変わってないから……

とかいう言い訳はともかく、お詫びと言ってはなんですけどifが見たいキャラをどうぞ
採用するかはともかく、参考にしようと思います

一応期限は日が変わるまでで

それじゃ、風呂入ってきます

風呂上りほかほか

一応、挙げられたキャラは全員いけるっちゃあいけます
書くかどうかは別として

ともかくご意見ありがたくいただきます

それじゃ、始めます



久「えーっと……ああ、あそこのバスに乗ればいいっぽいわね」

京太郎「マジか」

久「こんな都合よく行くなんて、ラッキーというか作為的な何かすら感じるわ」

京太郎「何言ってんだよ。間違いなく俺の日頃の行いのおかげだろ」

久「日頃の行い? 隕石でも降ってきたら認めてあげるけど」

京太郎「俺は普段どんだけやらかしてるんだよ」

久「はいはい、荷物重いからちょっと持って」

京太郎「しょうがないな……って、本当に重いな。何入ってるんだよ」ズシッ

久「まぁ、色々ね。それに一人分じゃないし」

京太郎「一人分じゃない?」

久「ああ、なんでもないから気にしないで」





久「やっぱり山の方は雪あるわねぇ」

京太郎「そりゃあな……にしてもここって」

久「それじゃ、行きますか」スタスタ

京太郎「あ、待てよ」



豊音「あ、二人ともいらっしゃい!」


久「どーも、お邪魔しちゃうわね」

豊音「いえいえ、こちらとしては大歓迎だよー」

京太郎「まったく、目的地がここなら先に言ってくれよ」

久「サプライズ的な何かになるかなってね。他の人たちは?」

豊音「みんなはもうちょっとかかるみたい。でもね、シロだけはお手伝いさんで来てくれたんだよ!」

京太郎「小瀬川が?」

豊音「うん、ダルダル言いながらパッパと準備済ませちゃった」

久「雪でも……は降ってるから、槍でも降ってくるのかしらね?」

京太郎「やばいな、この木造建築だったらひとたまりもないぞ」

豊音「?」





白望「……」ヘタッ


久「見事にヘタってるじゃない」

京太郎「水をかければ元気になるかもしれない」

白望「人を植物扱いとか……」ムクッ

京太郎「よう、頑張ってたらしいな」

白望「おかげでエネルギーがすっからかん。充電がいるね」

京太郎「よし、俺の膝の上ならいつでも――いてっ」

久「はいはい、宮守式の充電はまた今度ね」



豊音「お茶持ってきたよー」


豊音「はい、どうぞ」

京太郎「悪いな」

久「ありがたいわね、外寒かったし」

白望「豊音、ありがと」

豊音「いえいえ、お茶菓子もあるからどうぞどうぞ」

白望「それじゃ遠慮なく」モグモグ


京太郎「そういえば親父さんは?」

豊音「ちょっと用事でお出かけ中。夕方には帰るって」

久「今日は泊めてもらうんだし、挨拶しなきゃね」

京太郎「え、そうだったの?」

久「一泊二日の予定だったでしょ?」

京太郎「まぁ、そしたらここに泊まることになるか」

豊音「他のみんなもお泊りするから、きっと楽しくなるね!」

白望「私は昨日から泊まり込み」

久「結構な人数になるけど、大丈夫?」

豊音「そこのところはお父さんがね……」



『なにっ、友達が泊まりに?』

豊音『うん。でも、色々足りないものもあるし……』

『寝具とかの心配ならいらない。こっちでなんとかしてやるからな』


豊音「――って」

京太郎「あー……」


京太郎(まぁ、なんとなく気持ちは分かる)

京太郎(多分、嬉しいんだろうな。姉帯がそうやって友達を連れてくることが)


久「他の人が来るまでなにする?」

京太郎「そうだな……ウノでもやるか?」スッ

白望「持ってきてたんだ」

京太郎「こんなこともあろうかとな」

豊音「はいはーい、私がシャッフルしちゃうよー!」





久「ドロー」

久「ドロー」

久「ワイルドドロー、青で」


京太郎「……」


豊音(きょ、京太郎くんの手札が一杯に……)

豊音(竹井さん、ちょー容赦ないよー)

豊音(ここは私が……)


豊音「リバース!」


豊音(これで京太郎くんにも順番が……)


白望「スキップ」

白望「スキップ」

白望「もっかいスキップ」


京太郎「マジですか……」


豊音(シロー!?)





京太郎「燃え尽きたね……真っ白に」

久「ごめんごめん、なんかやたらドローのカードが多くて」

白望「逆回りになってから急にスキップのカードが」

豊音「ど、ドンマイだよっ」

京太郎「順番が回ってこないのにどう勝てと……」


京太郎「ええい、ウノはもうやめだ!」

京太郎「今度はトランプでなんかやるぞ!」


久「じゃあアメリカンページワンでもやる?」

京太郎「それウノとほとんど同じだからな!」


京太郎「ここはあれだろ……神経衰弱!」





京太郎「くそっ、くそぉ……!」

豊音「た、たまたま運が悪かっただけだよ」

久「あんまり運が絡まないから神経衰弱を選んだんじゃないの?」

白望「一位抜け……ダルくない」ホクホク

京太郎「一位になれないのはしかたないにしても、連続で最下位か……」

久「私たちはインハイ出場してたしね。記憶力もけっこう重要だし、麻雀」

京太郎「ぐぅの音も出ないぜ……」





京太郎「やった、ついに勝った……!」


久「トランプタワーに勝敗ってあるの?」

白望「さぁ?」

豊音「わぁ、綺麗に積み上がったね」

京太郎「せっかくだし写真とろうぜ、写真」

豊音「私も撮っちゃうよ――へくちっ」バラバラバラ

京太郎「あっ」


京太郎「……」

豊音「……ふぇ」ジワッ

京太郎「ちょっ、なんでお前が泣くかなっ」

豊音「だ、だって……京太郎くんがせっかく頑張って作ったのに……」グスッ

久「あーあ、泣ーかせた」

白望「それはちょっとダルいと思う」

京太郎「どうして俺が悪いみたいな流れになってるかなっ」





京太郎「ふぅ、スッキリした」

白望「ふぅ」

京太郎「なんだ、人のため息にかぶせて。そっちもトイレか?」

白望「胡桃がいたらデリカシーないって怒られるね、それ」

京太郎「悪いな、気をつける」

白望「別にそこまでダルくないからいい」

京太郎「また不思議な基準だな」

白望「……」ジッ

京太郎「……なんかついてるか、俺の顔」ペタペタ

白望「ちょっといい?」グイッ


白望「……」

京太郎「……」

白望「そんなに似てるかなぁ?」

京太郎「もういいか?」

白望「うん」パッ



京太郎「いきなり顔近づけて、キスされるかと思った」

白望「その冗談はダルいね……そういうのは豊音とエイスリンにしたら?」

京太郎「それはそれでマズいんだよな……」

白望「なんでもいいけど、泣かせるようなことだけはしないで。ダルいから」

京太郎「わかってるよ……そういや、大晦日の話だけど――」


豊音「京太郎くん、シロ! みんな来たよー」


京太郎「お、やっと来たか」

白望「大晦日?」

京太郎「それは後でいいや。じゃ、向こう戻るわ」


白望「……なんなんだろ」





久「さて、みんな集まったわね」

豊音「集まったよー」

塞「早速始めちゃう?」

胡桃「うんうん」

エイスリン「ジュンビバンタン!」

白望「やっと本題……」

京太郎「なんだなんだ、なんかやんのか?」

塞「なにって、あれだよね?」

胡桃「うんうん」


「「勉強会」」



京太郎「……ぱーどん?」

エイスリン「Nah! Repeat after me……Pardon?」

京太郎「ぱ……Pardon?」

エイスリン「Well done!」

京太郎「へへ、照れるぜ……」


京太郎「――じゃなくて、勉強会ってどういうことだよ!?」



塞「あちゃー、やっぱ聞いてなかったかぁ」

京太郎「久ちゃん、まさか……」

久「もちろん、知ってたけど」

京太郎「騙したのか……!」

久「嘘なんて言ってないわよ? 岩手で宮守の子たちと会う……ほら、なにも間違ってない」

京太郎「それ詐欺の手口!」

久「それに、私に付き合えって言ったら了承したでしょ。観念しなさい」

京太郎「くそっ……そ、そうだ! 道具、勉強道具持ってきてない!」

久「安心して、私の荷物にあんたの分も入ってるから」

京太郎「安心どころか絶望だよ! 二人分ってこのことだったのかよ……」


京太郎(に、逃げ場は……でも、ここで逃げてどうなる?)

京太郎(この状況で逃げたとして、確実に姉帯が悲しむよな)

京太郎(ってことは逃げられないじゃん……さっき泣かせるなって言われたばっかだし)



京太郎「はぁ~~~~~……わかった、やるよ」

久「よろしい」

京太郎「逃げられないのもわかってて仕組んだだろ」

久「当たり前でしょ」

京太郎「……後で覚えてろよ」


塞「一件落着っぽいね」

豊音「ちょーハラハラしたよー」ホッ

胡桃「じゃ、早速始めよ。シロ、やるよ!」

白望「うーん、あとお茶一杯だけ……」ダルダル

エイスリン「ナマケモノ、ダメ!」グイグイ

白望「うあー」





京太郎「」


白望「……死んでる?」

豊音「だ、大丈夫なのかな?」オロオロ

久「ああ、気にしないで。勉強の終わり際はこんな感じだから」

塞「テスト前とかどうしてるの?」

久「基本一夜漬けだってさ」

胡桃「普段からやっておけばそんなに大変じゃないのにね」

エイスリン「ベンキョウ、ダイジ!」

京太郎「くっ、優等生どもめ……!」

豊音「良かったー! 京太郎くん生きてたよー!」ギュウウ

京太郎「」ガクッ

久「ストップストップ、本当に旅立っちゃうから」





京太郎「うっ……俺はなにを……」

豊音「あ、目が覚めた?」

京太郎「姉帯……他のみんなは?」

豊音「休憩中。お父さんも帰ってくるし、もうすぐみんなで晩御飯の準備するんだよ」

京太郎「それじゃ、俺も手伝う――」

豊音「も、もうちょっと寝てなきゃダメっ」グイッ

京太郎「おわっ」


京太郎「……あのさ、俺が気を失った理由って」

豊音「恥ずかしながらその通りだよー……」

京太郎「そ、そうか」



京太郎(あれをまたくらったのか……)

京太郎(せめて感触だけでも覚えておきたかったぜ)


豊音「京太郎くん……まだ調子悪いのかな? ちょー難しい顔してるよー」

京太郎「いや、ちょっと胸の感触が……」

豊音「胸?」

京太郎「いや、なんでもない。なんでもないったらなんでもない」

豊音「私の胸でよければドンと貸しちゃうよ?」

京太郎「そんな、まさか……いや、でもこれは」


京太郎(落ち着け、いいわけがないだろうがっ)

京太郎(でも向こうがいいって言ってるなら……)

京太郎(いや待て、ここは今や女子の巣窟)

京太郎(なのにそんなことをしてみろ……やばいことになる未来しか見えないだろ、今までの経験的に)



京太郎「くっ……だ、大丈夫だから」

豊音「でも、なんかすごい苦しそうだよ……」

京太郎「それはあれだ、きっと腹が減ってるせいだ」

豊音「そんなこともあろうかと!」サッ

京太郎「お、うまそうなお菓子だ」

豊音「みんなが持ってきてくれたんだ。お飲み物もあるよ」

京太郎「そっか……って、俺らなんも持ってきてないな」

豊音「さっき竹井さんからお饅頭もらったよ?」

京太郎「さすがに抜け目無いな……」

豊音「というわけで、はいどうぞ」

京太郎「いただきます」





京太郎「……」モグモグ

豊音「……」ジー

京太郎「……どうかしたか?」

豊音「いえいえ、おかまいなくだよー」

京太郎「かまうよ、そんなにじーっと見られたら気になるだろ」

豊音「み、見てないよっ?」

京太郎「そうか」



京太郎「……」モグモグ

豊音「……」ジー

京太郎「――と見せかけて!」クルッ

豊音「わっ」

京太郎「見てた、今絶対見てたろ」

豊音「そ、それは……」

京太郎「言いたいことあるならどうぞ、てか言いなさい」

豊音「うぅ……隣の芝が青くて」

京太郎「つまり?」

豊音「京太郎くんが食べるの見てたら、食べたくなっちゃった」カァァ

京太郎「はは、なにそんな恥ずかしがってんだよ!」

豊音「だ、だって食いしん坊だって思われるのは恥ずかしいし……」モジモジ

京太郎「はいはい、わかったからこれでも食っとけ」

豊音「んぐっ……おいしぃ」

京太郎「ま、俺の食べかけだけどな」

豊音「むぐっ!」





豊音「もう……京太郎くんひどいよー」

京太郎「食べかけじゃ足んなかったか?」

豊音「そ、そういうことじゃなくてっ」


「帰ったぞー」


京太郎「親父さん帰ってきたんじゃないのか?」

豊音「あ、ご飯支度始めなきゃ……きょ、京太郎くん」

京太郎「ん? まだ食い足りないってか?」

豊音「ちがうよもうっ、喉渇いてないかな?」

京太郎「いや別に――」

豊音「渇いたよね? じゃあこれ、どうぞどうぞ」スッ

京太郎「あ、ああ……」ゴクッ

豊音「わ、私の飲みかけでよければ……だけど」

京太郎「俺はそういうの気にしないから平気だ」

豊音「そんなー!」ガーン





豊音「う、うぅ……」


久「ちょっとどういうことよ、あれ」

京太郎「どういうこともなにも……あんまり検討がつかないんだけど」

胡桃「……あやしいね!」

エイスリン「ムム……イジメ?」

京太郎「んなことするかよ」

白望「……泣かせないでって言ったばかりなんだけど」ジトッ

京太郎「ウェイトウェイト、まずは話し合おうぜ。歩み寄りの基本は対話だ」

塞「私はそれでいいと思うんだけど……」チラッ


「ちょっと屋上へ行こうか……久しぶりに切れてしまいそうだ」


塞「どうもトヨネのお父さんが、なんか言いたいみたいで……」

京太郎「多分肉体言語のたぐいだな……逃げ出したいんだけど」





京太郎「な、なんとか説得に成功したぜ……」

久「お疲れね」

京太郎「そりゃあな……姉帯は?」

久「事情を聞いたんだけどね……」

京太郎「俺、別に悪くないよな?」

久「それね。なんか半分はあんたのせいってことになってるから」

京太郎「マジですか……」

久「みんなはりきってるわよ、食後の勉強会」

京太郎「おし、ちょっと小一時間ぐらい失踪するわ」

久「させるわけないでしょ」ガシッ

京太郎「い、いやだぁー!」





京太郎「うーあー……」


白望「……ゾンビ?」

久「昨日の夜のが効いてるみたい」

塞「うーん、あそこまでいくと気の毒だね」

胡桃「ほら、顔洗ってシャキッとしてくる!」グイグイ

京太郎「うあー」

エイスリン「ワタシ、テツダウ!」





京太郎「んー」ノビー

京太郎「まったく……勉強ばっかとか死ぬよな、普通」

京太郎「よくもまぁ、あんな真面目にできるもんだ」


豊音「あ、いた! 京太郎くーん!」タタタ


京太郎「そんなに急ぐと転ぶぞ?」

豊音「大丈夫、雪道にも慣れっこだからね」

京太郎「ここに住んでたらいろいろ鍛えられそうだよな」

豊音「おかげでこんなにすくすく育っちゃったよー」

京太郎「いいじゃないか、この健康優良児め」

豊音「京太郎くんはいやかな? 背の高い女の子」

京太郎「まぁ、女子に見下ろされるのは新鮮だけど、それも個性だしな……って、前も似たようなこと聞いたろ」

豊音「うん、でも何回でもそう言って欲しいから……」



豊音「だって、京太郎くんのこと大好きなんだもん」


豊音「えへへ、言っちゃったぁ」

京太郎「……そっか」

豊音「あ、別に今すぐ答えて欲しいとかじゃないんだよ。ただ、知っていてほしかったなーって」


豊音「ぼっちだった私に、手を差し伸べてくれた京太郎くんに」


京太郎「まぁ、俺がいなくてもさ、きっと宮守の連中とは会えてたと思うけどな」

豊音「そうかもだけど、私の初めてのお友達は京太郎くんだから」

京太郎「そうだな、俺は色んな意味で初めての人だって言ってたな」

豊音「うん、だから――んっ」


豊音「こっちの初めてはそのお礼ってことで……ね?」





久「なんかお土産いっぱいもらっちゃったわね」

京太郎「まあ、もらえるんならもらっとこうぜ」


『こっちの初めてはそのお礼ってことで……ね?』


京太郎(もらえるもんっつっても……あれはいいんだろうか?)

京太郎(……まぁ、今更か。正直役得だったし)


京太郎「そうだ、ポーカーでもやらないか?」

久「ポーカー? またボロ負けしたいわけ?」

京太郎「いいからやろうぜ」

久「はいはい」



京太郎「フラッシュ!」

久「スリーカード」


京太郎「フォーカード!」

久「……ストレート」


京太郎「来た! ロイヤルストレートフラッシュ!」

久「……」


京太郎「どうだ! 後で覚えてろッて言ったよな」

久「あんた、姉帯さんとナニしてたわけ?」

京太郎「や、やだなー……散歩してただけだって」

久「ふーん……ま、後で覚えてなさい」

京太郎「憎しみの連鎖はここで断ち切ろうぜ」

久「じゃああんたがやられておしまいね」

京太郎「……お手柔らかにお願いします」



というわけで終了

次回は三尋木プロの予定なんで安価はなしです

んじゃ、おやすみなさい



・三年、夏、憧れと恋は違うらしい――if


京太郎「よっし、出来上がりだな」

美穂子「一杯できましたね」

京太郎「こんだけありゃ、あいつも黙るだろ」


はやり「あ、できたんだ」


京太郎「はやり――」

美穂子「――っ」バッ

京太郎「えっと、なにしてんのみほっちゃん?」

美穂子「あ、これは……その、京太郎さんを守ろうかと」

京太郎「守る?」

はやり「あーもう、美穂子ちゃんかーわーいーいー」ダキッ

美穂子「きゃっ、なにするんですかっ」


京太郎(前も佐々野に抱きついてたけど、はやりんってもしかして女の子好きなのか?)

京太郎(……男の影がないとか噂されてるけど、これが原因だったりするんだろうか)

京太郎(ファンとしては複雑だ……)


美穂子「きょ、京太郎さ……んっ、た、助け――ひゃっ」

はやり「あ、ここも弱いんだ」

京太郎「ごめん、多分直視できないわ」

美穂子「そ、そんなぁ……んんっ」

はやり「胸おっきいね……んー、私の方が少しあるかなぁ?」モミモミ

美穂子「そ、そこはダメぇ……」ビクン



京太郎(やばい、目を閉じるだけじゃ全然ダメだ……!)ムクムク

京太郎(俺がいるってのに……単純に男って見られてないだけか?)

京太郎(ともかく、これ以上は……)


はやり「あれ、京太郎くん、それって……」

京太郎「へぁっ!? こ、これは……そう! ポケットの中にちょっとものが入ってて!」

はやり「ふーん……ね、何入ってるのかな?」

京太郎「えっと……そ、ソーセージ?」

はやり「じゃあそれ、はやりが食べちゃってもいい?」

京太郎「た、食べるって……」ゴクッ


京太郎(ソーセージはソーセージでもこれは俺の自家製ソーセージでそれを食べるってことはつまり――)



はやり「えいっ、つーかまえた☆」ガシッ

京太郎「ちょっ」

はやり「すっごく固くて熱くて大きいね、京太郎くんのソーセージ! わあ……こ、こんなになるんだ」ボソッ

京太郎「待ってくださいってば! これはさすがに……」

はやり「えー? はやりは京太郎くんと仲良くしたいだけなのになぁ」ムニュッ

京太郎「――っ、みほっちゃん! ヘルプ!」

美穂子「……京太郎さんがいけないんです」フラッ

京太郎「み、みほっちゃ――んむっ」

美穂子「んっ――あなたが、さっき止めてくれなかったから……」ムニュッ

はやり「じゃあ、はやりも……んっ」

京太郎「~~っ」プツッ


京太郎(俺は切れた。色んな意味で)





京太郎「ん……」

はやり「あ、起きちゃった。寝顔かわいかったのに」

京太郎「そういや俺……」

はやり「ふふっ、他のみんなには内緒だよ?」

京太郎「い、言えませんって」

はやり「すごいね、京太郎くん。二人同時になんて」

京太郎「みほっちゃんはまだ寝てるのか……」

美穂子「んんぅ……」ハラッ

京太郎「うっ……」ムクムク

はやり「まだ元気なんだ……もう一回しちゃう?」ムニュッ

京太郎「こ、これ以上はちょっと」

はやり「えー? はやりので挟んであげるって言っても?」ムニュムニュ

京太郎「……」ゴクッ

はやり「ね、どうする?」チラッ

京太郎「お願いします!」ガバッ

はやり「あんっ、この正直者っ☆」





はやり「んんっ……いっぱい出たねぇ」

京太郎「さ、さすがにもう……」


美穂子「……ずるいです」


美穂子「私にも、もっとしてください」トロン

京太郎「これ以上はきついというか……」

美穂子「いや……ですか?」

京太郎「くっそ、こんなの断れるわけないだろっ……!」ガバッ

美穂子「きゃっ♡」

はやり「あ、はやりもまぜて~」




結局タコスを届けるのは遅れ、まこっちゃんはストレスのあまり時を飛ばす異能力に目覚めたそうな
でもつづかない

というわけではやりんのセーフハウスでのもしもです

明日明後日辺りに更新あると思います
でも前科を見ると明々後日ぐらいに思っていたほうがいいかもしれません

それじゃ

乙を三つ並べると眠気が召喚されますね!

冗談はともかく、もう少ししたら始めます

んじゃ、始めますか



・三年、冬、


咏「わっかんねー、全っ然わっかんねー」

良子「三尋木プロ、なにか悩み事でも?」

咏「んー? お目当ての男を落とすにはどうしたらいいのかってね」

良子「恋愛関係ですか」

咏「そ、恥ずかしながらその通りなんだよねぃ」

良子「最近は女子プロの未婚率が上がっているそうですからね、良いのでは?」

咏「思いっきり自分を棚上げしてるねっ、知らんけど」


咏「それはともかくとしてさ、なんかいい方法ない?」

良子「相手をその気にさせるのならサモンできますよ?」

咏「既成事実ってやつだ。悪くないねぃ」

良子「いえ、ほんのジョークのつもりだったのですが……」

咏「ま、そうだろうね、知らんけど」

良子「私としてもこの手のトピックは完璧に専門外なのですが」

咏「アラフォールート一直線ってやつ」

良子「正直、まだ結婚を考える気にはなれないですね」

咏「それ小鍛冶さんたちの前で言ってみ? いい肝試しになるぜぃ」

良子「ともかく、どんな人なのかというところから考えてみては?」

咏「基本に立ち返ってってやつだねぃ」



・三年、冬、もう一つの道


咏「わっかんねー、全っ然わっかんねー」

良子「三尋木プロ、なにか悩み事でも?」

咏「んー? お目当ての男を落とすにはどうしたらいいのかってね」

良子「恋愛関係ですか」

咏「そ、恥ずかしながらその通りなんだよねぃ」

良子「最近は女子プロの未婚率が上がっているそうですからね、良いのでは?」

咏「思いっきり自分を棚上げしてるねっ、知らんけど」


咏「それはともかくとしてさ、なんかいい方法ない?」

良子「相手をその気にさせるのならサモンできますよ?」

咏「既成事実ってやつだ。悪くないねぃ」

良子「いえ、ほんのジョークのつもりだったのですが……」

咏「ま、そうだろうね、知らんけど」

良子「私としてもこの手のトピックは完璧に専門外なのですが」

咏「アラフォールート一直線ってやつ」

良子「正直、まだ結婚を考える気にはなれないですね」

咏「それ小鍛冶さんたちの前で言ってみ? いい肝試しになるぜぃ」

良子「ともかく、どんな人なのかというところから考えてみては?」

咏「基本に立ち返ってってやつだねぃ」



咏「まずは……年下ってところかね?」

咏「こっちのが年上だってのに生意気でさっ、タメ口全開なんだよねっ」

咏「しかもあたしと一緒にいるってのにえりちゃんばっか見てさっ」

咏「こっちが贈った着物は全然着ないし……」

咏「まぁでも、見所がないわけじゃないんだけど」

咏「なんだかんだで付き合いはいいしねぃ」

咏「麻雀の方も悪くはないんだぜぃ?」


良子(なんですかね、この惚気は……)



咏「おーい、聞いてるー?」フリフリ

良子「え、ええ」

咏「じゃ、話の続きだけど……この前なんかうっかり泥を付けられちゃってさっ」

良子「オーケイオーケイ、よーくわかりました!」

咏「ありゃ、そう?」

良子「ええ、それはもう……」


良子(他人の惚気話がこれほど堪えるとは……)


咏「じゃあさ、なんかいい方法頼むぜっ」

良子「だから専門外だと……」

咏「タダ聞きはいけないんじゃね? 知らんけど」

良子「はぁ……なら外堀を埋めてみては?」

咏「外堀……ご両親への挨拶とかそんなとこ?」

良子「周囲の認知が高じて既成事実になるのでは、と思いますね」

咏「なるほどねぃ……ま、やってみますか」





京太郎「うーあー……」

「ゾンビみたいな声出すのやめてよ、若いのに」

京太郎「人間って、どうして勉強するんだろうな……」

「ちょっと哲学的なこと言ってみたって、受験勉強はなくならないんじゃない?」

京太郎「ぐふっ、厳しい現実を突きつけられた……」

「ほら、獅子は我が子を千尋の谷に落とすって言うじゃない」

京太郎「ところで、母さんは受験したのかよ」

「大学は受けてないわよ。ほら、ちょっと特殊な家だったし」

京太郎「そっかぁ……小蒔たちも大学には行かないのかな」

「どうなるかしらね。私の時よりは緩くなってるように感じたけど」



『今回の大会で最多得点賞を取られましたが――』

咏『や、わりかしいつものことだしねぃ』


「あら、三尋木プロじゃない」

京太郎「あの人、いっつもこんな感じなんだな」

「うちにレアカードあったっけ? プロ麻雀カードの」

京太郎「ご丁寧に額縁に入れてるな」

「そういえば、あの着物贈ってきたのも三尋木プロなの?」

京太郎「まぁ、そうだな」

「ふーん」ニヤニヤ

京太郎「……なんでニヤけてるんだよ」

「べっつにー」

眠気には絶対負けない……!

からの

眠気には勝てなかったよ……


うん、巷でよく見るパターンですね
すみません、次回に続きます

今日こそは、今日こそは……!

ということで、もう少ししたら始めます

寝落ちの基準かぁ……
まぁ、30分40分も空いたら多分寝てます

んじゃ、始めます



『それで、三尋木プロの今後の目標などを聞かせてください』

咏『うーん、目標というか、育ててみたいやつはいるかな』

『弟子をとる、ということでしょうか?』

咏『大体そんな感じかねぃ。須賀京太郎っていうんだけど』


京太郎「――げほっ、ごほっ!」

「あららー、どうする? 弟子だって、弟子」

京太郎「ど、どうするもこうするも……同姓同名の別人だろ、きっと」


『須賀京太郎……というと、今年のインターハイで話題になった彼のことでしょうか?』

咏『まぁねぃ。はやりさんの隣に座ったり、団体戦の決勝でふくすこコンビと一緒に解説してたあいつ』


京太郎「……」ダラダラ

「ご丁寧に逃げ道潰してきたわねぇ」


京太郎(なんで、なんでこんな……!)プルルル


『非通知』


京太郎(誰だ? このタイミングで……)ピッ



京太郎「もしも――」

『これから夜道を歩くときは注意するんだね』

京太郎「……お前、一太だろ」

『ち、違うっ、通りすがりのうたたんのファンだ!』

京太郎「絶対一太だろ! テレビ見てやがったな!」

『ええい、その一太という好青年のことは知らないが!』

京太郎「知らないくせに好青年ってどういうことだこの野郎!」

『とにかく、ぼくは君を許すわけにはいかないっ!』

京太郎「いっつも言ってるけどな、俺ははやりんの方がいいっての!」

『その上うたたんにまで手を出そうというのか……!』

京太郎「だからどうしてそうなる!」

『月のない夜だけと思うなよ!』プツッ


京太郎「あいつ、三尋木プロ関連だと我を失うな……」

「まさに青春って感じのぶつかり合いだったわね」ウンウン

京太郎「どこが!?」





京太郎(あんな放送があってからというものの……)


「須賀、進路決めないと思ってたらまさかのプロに弟子入りか?」

「へぇ、須賀くんって麻雀強かったんだ」

「お前、はやりんにふくすこコンビだけじゃなくて三尋木プロもかよー」


京太郎(こんなふうに絡まれる機会がまた増えた)

京太郎(夏休み明けも結構すごかったけど)


京太郎「つっかれたー」

久「有名税ね、この人気者」

京太郎「それはそうだけど、正直思ったより騒がれてないんだよな。今回もこの前も」

久「あんたもともと有名人だからね、この学校に限っては」

京太郎「そうかぁ? むしろ久ちゃんの方だと思うけど」

久「ま、そこらへんはどうでもいいのよ」



久「……あんた、本当に弟子入りするわけ?」


京太郎「いや、完璧に寝耳に水だよ」

久「そ、ならいいけど」

京太郎「さて、そろそろ帰るか?」

久「うーん……あ、やっぱりいる」

京太郎「なんだなんだ……げっ」

久「ほら、インハイの時は瑞原プロと福与アナがフォローしてくれたじゃない」

京太郎「でも、今回は完全にフォローなしだもんなぁ……」

久「あの記者の集団はそのせいね」

京太郎「めんどくせぇ……」

久「いなくなるまで勉強してる?」

京太郎「完全下校時間ぐらいおさえてるだろ」

久「まあそうでしょうね」

京太郎「となると……」

久「どうするの?」

京太郎「よし、裏から逃げよう」





京太郎「ここらへんだっけ……」

久「こんなとこから出るわけ?」

京太郎「もしもの時のために、いくつか当たりつけておいたんだ」

久「……あんたは何と戦ってるんだかね」

京太郎「まぁまぁ、こうして役に立ってるんだからさ」

久「はいはい。じゃ、出ますか」

京太郎「久ちゃんも来るのか」

久「だって勉強があるでしょ?」

京太郎「……そのブレなさは怖いな」

久「ホント、こういうのは私のキャラじゃないんだから、早く自主的にやるようになってよね」

京太郎「……うっす」


一太「君たち……」


久「あら、内木くん?」

京太郎「一太……」



『月のない夜だけと思うなよ!』


京太郎(まぁ、さすがにこんなとこで襲いかかってこないとは思うけどよ)

京太郎(しかし、どう出てくるか……)


一太「正門のとこ、すごいいたね」

京太郎「あ、ああ……なんだろうな、あれ」

一太「そこでぼくは思うわけだ。ここで大声を出したらどうなるのかと」

京太郎「お前、まさか――」


一太「須賀京太郎がこっちにいるぞぉーっ!!」


京太郎「やりやがった……!」

久「なに、また巨乳かロリかで争ってるわけ?」

京太郎「それはロリ巨乳で一応の決着はついてる」

久「ホントしょうもないわね……」

京太郎「とりあえず俺はエスケープするから……じゃ」


久「あ、待ちなさい――って、もう行っちゃった」

一太「くっ、逃げたか……! だけど、うたたんの弟子なんてぼくが許さないぞ……!」

久「……なるほど、やっぱりしょうもなかったわね」





京太郎「……ここらへんは大丈夫みたいだな」キョロキョロ

京太郎「一太め……まさかあんなことをしてくるとは」

京太郎「でもな、この分だったら家の方にもなんかいそうだよなぁ」

京太郎「……まぁ、様子見しながらだな」


桃子「あ、有名人発見っす」



京太郎「俺は被害者のような気がするんだけど、どう思うよ」

桃子「ネットでもいくつかスレが立ってるっすよ」

京太郎「インターネット怖いな……」

桃子「インハイの時も立ってたっすけどね」

京太郎「エゴサーチはしないからな」

桃子「作家気取りっすか」

京太郎「そうだなぁ……三尋木京太郎とかいうとそれっぽくないか?」

桃子「で、弟子入りのみならず婿入りっすか」

京太郎「なんで養子っていう選択肢が吹っ飛んでるんだろうな」

桃子「ところで、三尋木プロのサインとかは持ってないんすかね?」

京太郎「もらったよ、結果的に高くついたけどな……」

桃子「金銭のやりとりとは穏やかじゃないっすねぇ」

京太郎「ちげーよ。俺の尊厳というか、プライドみたいなものを踏みにじられたんだ」

桃子「ま、まさか体で支払ったんじゃ……不潔っすよ!」

京太郎「はいはい、違うからいきり立つな」

いやもう、毎度すいません
きっとどこからかラリホーとかが飛んできてますねこれは

というわけでまた今夜

今日は寝落ちしません(断言)

風呂入ったら始めます

寝ないから……風呂上りほかほかでも寝ないから……

んじゃ、始めます



桃子「それで、恒子ちゃんのサインはないんすかね?」

京太郎「それが本題か」

桃子「一緒にテレビに出てたし、もらっちゃってるんすよね?」

京太郎「もらってないから。てかさ、プロはともかく、アナウンサーってサインとかするもんなのか?」

桃子「するんすよ! なんでもらわなかったんすか!」

京太郎「まぁ、たしかに一緒にご飯食べたりしたし、もらっとけばよかったかもな」

桃子「むぅ、聞けば聞くほど気になるエピソードが……」

京太郎「それはまた今度聞かせてやるから。そろそろ行ってもいいか?」

桃子「しょうがないっすねぇ、貸しにしとくっすよ!」

京太郎「さて、加治木の番号は……」ゴソゴソ

桃子「じょ、冗談っすよ!」





京太郎「……人、いないな」

京太郎「てっきり家の方に張ってるかと思ったんだけどな」

京太郎「拍子抜けだな……てか、自意識過剰だったかもな」

京太郎「ま、騒がしくないんだったらそれにこしたことはないか」


京太郎「ただいまー」ガチャ


咏「お、やっと帰ってきた」


京太郎「……」パタン

京太郎「えっと、俺の家だよな?」

京太郎「ならあれは幻覚だな、うん」


咏「人の顔見るなりドア閉めるとか失礼じゃね?」ガチャ


京太郎「……」

咏「入んないの?」

京太郎「ちょっと、現実を受け入れる時間をください」





「見て見て! こんな高級なお菓子もらっちゃった!」


京太郎「ば、買収済み、だと……?」

咏「ま、人の家を訪ねるときの礼儀ってゆーか?」

京太郎「あんたなにしにきたんだよ……」

咏「お兄さんの顔見に来たに決まってんじゃん」

京太郎「はぁ?」


「咏ちゃーん、お茶入れたから飲まないー?」


咏「はいはーい」

京太郎「咏、ちゃん?」

咏「いやぁ、なーんか気に入られちゃってさっ」

京太郎「一体何が起きてるんだ……」

咏「あ、お兄さんが呼びたいなら咏ちゃんでもいいぜぃ?」

京太郎「またまた冗談を、三尋木プロ」

咏「あらま、つれないねぃ」





京太郎「で、昨日のあれはどういうつもりだよ」

咏「どういうつもりもなにも、そのまんまじゃね?」

京太郎「俺を弟子にしたいってのは本当ってことか?」

咏「ま、近くに置いといたほうが色々やりやすいしさ」

京太郎「色々ってなんだよ」

咏「色々は色々だっての」

京太郎「答えになってないから」


「まぁまぁ、ここはお母さんの意見に耳を傾けなさい」


京太郎「ややこしくなりそうだから向こう行っててくれない?」

「ひどいっ、息子がひどい!」

咏「母親に対してその態度はなくね? 知らんけど」

京太郎「元凶は黙ってような!」

咏「わっかんねー、すべてがわっかんねー」ケラケラ



京太郎(くそ、めんどくさくなってきたな……!)


「うぅ……ぐすんっ」チラッ


京太郎(なんだよあの嘘泣き……なにやってんだよアラフォー)


京太郎「わかったよ、金言いただきます」

「来ました!」

京太郎「いいから早くしてくれよ……」ハァ

「じゃあ一つだけ……」


「女の子の真剣な想いにはちゃんと向き合ってあげること」


「いい?」

京太郎「……女の子?」

咏「ていっ」ビシッ

京太郎「いって! いきなり叩くなよ!」

咏「まったく、デリカシーってのをどこに置いてきたんだか」

「ごめんなさいね、色々と気が利かない子で」

咏「いえいえ、これはこれで見所はありますって」

「なら頑張ってね、多分ライバル多いから」

咏「……」



「ふふっ、じゃあ後は若い二人でごゆっくりとね~」


京太郎「ふぅ、やっといなくなってくれたか」

咏「……案外鋭いねぃ……ま、別に隠してたわけでもないけどさっ」

京太郎「あん?」

咏「今はわかんなくてもいいけど。その内わからせるから」

京太郎「なんか怖っ」





咏「それで、進路決まってんの?」

京太郎「なんかにわかに進路相談じみてきたな……」

咏「いいから答える」ビシビシ

京太郎「わかったから扇子で叩くなっ」


京太郎「まぁ、一応は大学受けるつもりだな」

咏「一応?」

京太郎「正直言うと、大学行くかは定かじゃない」

咏「就職のあては?」

京太郎「いくつかは」

咏「ふむふむ、なるほどねぃ」


咏「じゃあ、あたしに弟子入りしてプロになるってのは?」



咏「色々とお得だと思うぜぃ?」

京太郎「プロって……もしかして麻雀の?」

咏「他になにがあるっていうのさ」

京太郎「日本舞踊とか? なんか格好的に」

咏「ま、そっちもいけるけど、本職はやっぱ麻雀だからさ」

京太郎「やっぱりできるのか」

咏「他にも茶道とか華道とか色々」

京太郎「はぁ、いつも着物姿なのは伊達じゃないってか」

咏「それなりにお金持ちだしさっ、うち」

京太郎「着物を普段着にしてるぐらいだしなぁ」

咏「そゆこと。でもこの家だってわりかし裕福じゃね? カピバラ飼ってるし」

京太郎「まあ、たしかに不自由したことはないな」



京太郎「で、俺がプロにって話だっけ」

咏「そこらへんは正直お兄さんしだいだけどねぃ。ま、その気になれば行けるんじゃね?」

京太郎「その気ってな……」

咏「言わなくてもわかるっしょ。男性プロだとその手合いは少ないしさ」

京太郎「……もしそれでプロになれたとして、それは俺の力じゃないだろ」

咏「あらら、意外に真面目だねぃ……でもさ、こういう場合はどうする?」


咏「たとえば、お兄さんに全てを捧げてもいいってやつがいたら?」

咏「たとえば、自分のプロ生命をなげうってでも協力したいってやつがいたら?」


京太郎「……それ、どういうことだよ」

咏「さぁねぃ。あくまでたとえばの話だし」

京太郎「わかんないな、そんな酔狂な奴がいるとは思えないし」


京太郎(ウソだ。きっとあの二人なら……久ちゃんと照ちゃんなら)



京太郎「俺はやっぱ、普通に打って勝ちたいね」

咏「……頑固だねぃ、お兄さんは」

京太郎「だからさ、弟子入りなんかしてもそっちの期待には応えられないと思う」

咏「そういうことじゃないけど、そっちがそう言うなら仕方なしだね」

京太郎「悪いな」

咏「あーあ、テレビで言っちゃえば腹くくると思ったんだけどねぃ」

京太郎「外堀を埋めにかかってたわけかよ……」

咏「まぁねぃ。でも無駄になっちゃったわけだけどさっ」

京太郎「ホント、悪い」

咏「ま、いっつも適当なこと言ってるし、今回もなんとかなんじゃね? 知らんけど」

京太郎「……」


『女の子の真剣な想いにはちゃんと向き合ってあげること』

『たとえば、自分のプロ生命をなげうってでも協力したいってやつがいたら?』


京太郎(そこまで、俺のことを買ってくれてるってことだよな)

京太郎(……なら)


京太郎「今からさ、雀荘行かないか?」

咏「雀荘?」

京太郎「あんたが打ってるとこ、見せてくれよ」





咏「ツモ、6000オール!」


まこ「で、うちに来たわけかい」

京太郎「毎度毎度悪いな」

まこ「まあ、売上に貢献してくれるならかまわんがの」

京太郎「一応客寄せにもなるとは思うから、それで勘弁してくれ」


咏「ロン、16000だねっ」


まこ「まーた三尋木プロをつれてくるとはのぉ」

京太郎「色々あるんだよ」

まこ「昨日のテレビのこととか」

京太郎「ま、まあ……無関係ではない」


咏「あーらら、ちょっと物足りないけど……4000オール!」



まこ「しかし、ここにも記者連中が来とったけぇの」

京太郎「マジですか……」

まこ「ま、追い返したがの」

京太郎「でも正直、時間の問題だよな」

まこ「いい加減腹ぁくくったらどうかの?」

京太郎「簡単に言ってくれるけどさ」

まこ「なに、散々インハイでやらかしたじゃろうが。それこそ今更じゃな」

京太郎「……まあ、きっぱりと答えてしまえば収まるとは思うけどな」


京太郎(今はその答えを考えてる最中だな)

京太郎(でも……)



咏「いやぁ、流局流局。ま、こんなこともあるってね」ケラケラ


京太郎(楽しそうに打つもんだ)

京太郎(強い連中はみんなこんな感じなのか?)

京太郎(まぁ……悪くはないよな)ズズッ


咏「――っ」ピクッ


京太郎「……やべ」

まこ「ん?」

京太郎「やらかした。一生ものの不覚かも」

まこ「さっぱりわからんわ」





咏「で、どうだった?」ニヤニヤ

京太郎「まずはそのニヤケ顔をやめようぜ」

咏「お兄さんも素直じゃないねぃ」ペシペシ

京太郎「くそっ、この状態になったってことはあんただってその……そういうことなんだろっ」

咏「別に隠してるわけじゃないしねぃ」

京太郎「……そうかよ」

咏「で、答えの方は?」

京太郎「それは……」


京太郎「弟子ってのは正直、今は荷が重いよ」

京太郎「それほどプロになりたいわけでもないし、全く違うことに手をつける可能性だってある」

京太郎「だから……そうだな、見習いってのは? 弟子の、そのまた見習い」



咏「見習い、ね」

京太郎「ダメか?」

咏「またふわっふわした立場だねぃ、知らんけど」

京太郎「せめて高校出る時まではそれで勘弁してくれ」

咏「ま、いいんじゃね? 今日は収穫もあったし」

京太郎「はっきりした答えじゃなかったけど、そんなんで良かったのか?」

咏「あー違う違う。収穫ってのはそっちじゃなくって……」


咏「こゆこと――んっ」チュッ



京太郎「……今のは?」

咏「接吻ってやつ。ほっぺただけどねぃ」

京太郎「いや、それはわかってる」

咏「ホントは口でもよかったけど、さすがにお仕事に差し支えそうだからさっ」

京太郎「今も若干こっちに来てんだけど……」

咏「あ、じゃあ今度の試合で負けたら責任取ってもらおっかね」

京太郎「そりゃダメだ、わざと負けても有効になるし。勝ったらって条件だったらともかくさ」

咏「勝ったら責任取るっておかしくね?」

京太郎「普通なら勝ったご褒美にってやつだな」

咏「ならそれで構わないぜぃ?」

京太郎「……ちゃんと実現可能なことでお願いします」

咏「そんな難しいことじゃないっての。……デートするだけだし」ボソッ

京太郎「なにするって?」

咏「さぁ、その時のお楽しみってことで」



咏「それよりさ、ちょっとあたしのこと呼んでみ」

京太郎「……三尋木プロ?」

咏「それ、ちょーっと他人行儀すぎると思うんだよねぃ」

京太郎「親しき仲にも礼儀ありって言葉は?」

咏「存じ上げないねぃ」

京太郎「はぁ……じゃあ、三尋木さん?」

咏「だから他人行儀すぎだっての」

京太郎「三尋木」

咏「呼び捨てとか舐めてんの?」

京太郎「うたたん?」

咏「気持ち悪い」

京太郎「歌丸師匠」

咏「あんまふざけてると叩くよ?」ビシビシ

京太郎「いてっ! もう叩いてるだろうが!」



京太郎「じゃあ……咏、とか」

咏「……それはちょっと早いんじゃね?」

京太郎「なら咏さんってところか」

咏「ま、いい落としどころだと思うぜぃ?」

京太郎「タメ口でさん付けしてもいまいち締まらないけどな」

咏「まったく、敬語も使えないとかありえなくね?」

京太郎「あんたがお兄さんお兄さんって言ってくるからだろうが!」



京太郎「そうだ、この際あんたにも呼び方変えてもらうからな!」


咏「えー?」

京太郎「抗議は一切聞き入れないからな」

咏「仕方ないねぃ……」


咏「……きょ、京太郎?」カァァ


京太郎「……なんかすっごい座り悪いな」

咏「……言わせといてそれはないんじゃね?」ビシビシ

京太郎「なんで叩くかなっ」

咏「いや、知らんし」プイッ

京太郎「だから知っとけって!」





京太郎(そんなこんなで台風一過)

京太郎(カメラに追われる日々が続くのかと思っていたが、それは杞憂だった)


久「案外あっさり収まったわね」

京太郎「まだいくらかいるけど、あの人数じゃ人だかりは作れないな」

久「やっぱりあれが効いたのかしら?」

京太郎「あれ?」

久「あんた見てなかったの?」

京太郎「なんかあったのかよ」

久「簡単に言うとね、三尋木プロがフォローに回ったのよ」

京太郎「自分で火を付けてる時点で、マッチポンプとしか言いようがないけどな」

久「引っ掻き回してニヤニヤ眺めてるって印象ね、正直」

京太郎「ま、身内認定されたってことかもな」

久「まさか、本気で弟子入りしたわけ!?」

京太郎「いや、弟子の見習い」

久「また地に足がつかない立場ね……プロにでもなりたいわけ?」

京太郎「それも含めて未定だよ……正直自分が麻雀で食ってく姿は想像できないけど」

久「そ、なら受験勉強は続行ね」

京太郎「……そ、そうなるよな……はぁ」

久「それと、内木くんがなにか言いたいみたいだけど」


一太「……」クイッ


久「なにあれ、潜行するっていうハンドシグナルかしら?」

京太郎「多分殺害予告だな……てかわかってて言ってるだろ」

久「バレちゃった?」



というわけで終了

安価取りたいんですけど、人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです
基本的に数値が低い人のほうが上がり幅がでかいです


ED確定
大星淡
天江衣
桧森誓子
姉帯豊音
三尋木咏


福路美穂子
宮永照


松実玄
ネリー・ヴィルサラーゼ
神代小蒔
真屋由暉子
白水哩
竹井久


宮永咲
清水谷竜華
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり


滝見春
園城寺怜
石戸霞
片岡優希
薄墨初美
鶴田姫子
龍門渕透華
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一


本内成香
臼澤塞
上重漫
岩館揺杏
東横桃子
狩宿巴
弘世菫
辻垣内智葉
高鴨穏乃
蒲原智美
雀明華
ハギヨシ
小瀬川白望
鷺森灼
新子憧
津山睦月
花田煌
針生えり
部長
内木一太
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
郝慧宇
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
戒能良子
高久田誠
鹿倉胡桃


愛宕洋榎
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

それじゃあ、お好きなキャラをどうぞ

53分まで

締切

それじゃ割ってきます

照:1-8
はやり:9-18
玄:19-26
小蒔:27-34
穏乃:35-40
ネリー:41-58
哩:59-66
由暉子:67-72
霞:73-78
久:79-84
和:85-90
美穂子:91-00

ゾロ目:?


直下

小蒔で了解

それじゃ、寝落ちします



・どこかの未来、あったか家族計画


京太郎「……暑い!」

宥「そうかなぁ? あったかいよ?」

京太郎「もうすぐ九月で気温も下がってくるかもしれないけどな? 今はまだ八月なんだよ!」

宥「?」

京太郎「不思議そうな顔するな! あーもう、ストーブ切るぞ」ピッ

宥「あ、待って!」

京太郎「んでもって窓開ける! 熱がこもって空気が澱んでるからな」ガラッ

宥「うぅ……風が冷たいぃ」プルプル

京太郎「普通それは涼しいって言うんだ」

宥「京太郎くん、ひどい……」

京太郎「ひどくて結構。光熱費だってかさむんだからな」

宥「むぅ……えいっ」ムギュッ



京太郎「なんだ、抗議は受け付けないぞ?」

宥「抗議じゃなくて、交換条件はダメ?」

京太郎「まぁ、ものによる」

宥「寒いから、京太郎くんがあたためて?」

京太郎「俺は暑いんだけど……」

宥「私は寒いんだもん。もっと、体の奥からあったかくなりたいな」チラッ

京太郎「えーっと、そういうのはもうちょっと暗くなってからの方が良くないか?」

宥「だって京太郎くん、最近はクロちゃんとばっかりなんだもん」ムスッ

京太郎「あー、それな」


京太郎(夏場だと脱水症状の危険があるんだよな……こいつとするとなおさら)


京太郎「やっぱ夜じゃダメか?」

宥「私は今がいいなぁ」

京太郎「……わかった。誕生日だしな」

宥「ふふ、一緒にあったかくなろうね」





宥「んっ……お腹の中、あったかぁい」トロン

京太郎「ふぅ……大丈夫か?」

宥「うん。でも、汗かいちゃったから後で一緒にお風呂入ろうね」

京太郎「そのパターンだとまたあったかくなっちゃいそうだな……」

宥「あ、それいいね」

京太郎「さすがに自重しようぜ。もうすぐ晩飯だし」


京太郎「……今日はその、大丈夫なのか?」

宥「うーん、危ない日ではなかったと思うけど」

京太郎「ならいいけど。……そんなにゴム嫌か?」

宥「だってあったかくないんだもん」

京太郎「こっちもなるべく気をつけてるけど、最後にホールドしてくるのはまずいと思うんだよ」

宥「でも、私は京太郎くんとの子供、ほしいな」



宥「子供を早く産めたら、それだけ一緒にいられる時間も増えるのかなって」

宥「お母さんには……京太郎くんを紹介することもできなかったし」


京太郎「宥……」

宥「ごめんね、わがまま言っちゃった」

京太郎「後、二年か三年だけ待ってくれ。せめて学校出るまではさ」

宥「うん……一緒にあったかくなろうね、クロちゃんと京太郎くんと、みんなで」


宥「あ、子供は何人がいい?」

京太郎「……一姫二太郎?」

宥「私は……サッカーができるくらいかなぁ?」

京太郎「さ、最低でも七人……」

宥「みんなでおしくらまんじゅうしたらあったかそうだよねぇ」ホクホク




続きません

というわけで誕生日おめでとう

ある特殊な条件をクリアしたエンディングのその後を想定してます

それじゃ

特殊エンドに関してはフラグというか、数値の問題ですね
とにもかくにも松実姉を選ばないとどうにもなりません

それはともかくとして、姫様除く永水から一人どうぞ

下三までで

んじゃ、2対1で霞さんということで

多分次の更新は明日(というか今日)になると思います

こんちゃっす

それじゃもう少ししたら始めます

んじゃ、始めます



・三年、冬、遭難したそうなんです


小蒔「雪、積もりましたねぇ」

霞「山の方はこのまま根雪かしら?」

初美「それはウィンタースポーツがはかどりますねー」

小蒔「ウィンタースポーツ……雪合戦ですね!」

霞「ええ、そう……なのかしら?」

初美「冬にしかできないという意味ではそうなのですよ」

小蒔「あれ、違いました?」

初美「いえいえ、雪があればどこでもできますから……こんなふうにっ」ビュッ

霞「きゃっ」ポスッ



霞「もう、いきなりなにするの」

初美「ただの戯れなのですよ。いつも説教されてる恨みとかはこれっぽっちもないですよー」

霞「まったく……」フゥ

初美「隙有りっ」ビュッ

霞「ま、また!?」ポヨン

初美「まだまだっ」ビュッ

霞「ちょっと、初美ちゃ――」ポヨン

初美「くらうのですよ!」ビュッ

霞「いい加減に……!」ポヨン

初美「……」


初美「私の、負けなのですよ……」ズーン

霞「ねえ、なんで雪まみれの私が敗北宣言されているのかしら?」ピクピク

初美「おっぱいガードとか卑怯極まりないのですよ……」





巴「あれ、姫様たちだ」

春「先に帰ってたはずなのに」

巴「なんか遊んでるみたいだね」

春「楽しそうでなにより」ポリポリ

巴「はるる……また黒糖禁止にされるよ?」

春「姉さんはいないから大丈夫。それにこれはカロリーオフの黒糖……のような気がする」

巴「カロリーを気のせいってことにできたら、みんなダイエットに苦労しないよね……」





霞「こら、待ちなさい!」

初美「お、鬼がっ、鬼が来るのですよ!」

霞「だれが鬼ですか!」


小蒔「二人とも楽しそうです……よし、私も!」

小蒔「んしょ……えいっ」ビュッ

小蒔「ああ、明後日の方向に……!」


春「黒糖がおいしい……きゃっ」ポロッ


小蒔「ご、ごめんなさい! 大丈夫でしたか……って、春?」

春「……姫様、戦争の準備はいい?」

小蒔「え」

春「黒糖の恨み、晴らさせてもらう……!」ビュッ

小蒔「つ、つめたっ」ポスッ



霞「おとなしくそこに直りなさい! 今ならコタツに入るの禁止で許してあげるから!」

初美「ひぇ……年増はやることが陰湿すぎるのですよっ」

霞「――っ」プチッ

初美「あわわっ、何かが切れる音が……」

霞「頭が、冷えたわ」

初美「やっと冷静になってくれましたかー……さ、もう帰るのですよ」フゥ

霞「怒りって、限度を越すとこうなるみたいね……ふふっ」ガシッ

初美「!?」


小蒔「は、春! 話せばきっとわかります!」

春「話せばわかる……たしか、そう言って殺された総理大臣がいた」

小蒔「か、過去の過ちをくり返してはいけないと思います!」

春「歴史からは、教訓が得られる」

小蒔「そうですよね……さっきのことは私が悪かったですから――」

春「つまり、問答無用……!」

小蒔「ど、どうしてですかー!」


巴「……えっと、これ、私が止めなくちゃダメかな?」





初美「あったまりますねぇ……」

霞「冷えてたからなおさらね」

初美「うぅ……服の中に雪を入れてくるなんて鬼畜の所業なのですよ……」

霞「自業自得って言葉、知ってる?」

初美「ひぇっ」


春「黒糖の恨みは晴れた……」

小蒔「おかげで体、冷えちゃいました」

春「ぶい」

小蒔「もう、春が話を聞いてくれないから」

春「当然」

巴「黒糖一個でやりすぎだとは思ったけど」

春「……私は悪くないもん」プイッ

巴「はぁ……黒糖のことになると見境なくなるんだもんね」

小蒔「でも、楽しかったです」



小蒔「またみんなで、ああやって遊ぶのもいいかもしれないですね」


霞「そうね……なら、スキーにでも行ってみる?」

小蒔「あれ、聞こえちゃってました?」

初美「はいはーい、賛成なのですよ」

巴「そうだね、こもりっきりなのは良くないと思うし」

春「また運動……」

小蒔「決まりですね。みんなでスキー、行きましょう!」


春「あ、そうだ」


小蒔「どうかしました?」

春「あの人、呼んだらどうかなって。スポーツ好きみたいだし」





京太郎「スキー? 行きます行きます!」

良子『オーケー、姫様たちに伝えておきましょう』

京太郎「いやぁ、ちょうど良かった。息抜きしたいと思ってたんですよ」

良子『息抜き? あぁ、君は受験生でしたね』

京太郎「で、いつですか? いつ行きます?」

良子『週末の予定です。空いていますか?』

京太郎「むしろ週末しか空いてません」

良子『受験生は普通、週末も空いてないのでは?』

京太郎「根詰めすぎてダウンしたら元も子もないですって」

良子『まぁ、ユニヴァーシティやカレッジに進学した経験はありませんが』

京太郎「中東で傭兵やってたって本当ですか?」

良子『そのデマはどこから来ているのやら……』

京太郎「そういや、なんで戒能さんが俺に連絡を?」

良子『あそこはテレフォンがないですからね』

京太郎「あ、そうだった」

良子『たまたま私が居合わせからいいものを……』

京太郎「とりあえず、ありがとうございます」

良子『いえ、私も参加するのでお構いなく』





京太郎「さて……こんなもんか」

「なになに? スキー行くの?」

京太郎「ああ、永水の人たちと」

「あら? あららー? これはもしかして、あるんじゃない?」

京太郎「……一応聞くけど、あるってなにが?」

「だって姫様と一緒にでしょ? 遭難して山小屋に二人っきり……きゃっ♪」

京太郎「やっぱり聞くんじゃなかった……」

「ガンガン行ってきなさい!」

京太郎「遭難して山小屋って、どんだけレアなケースだと思ってんのさ」

「あーあー、聞こえなーい」

京太郎「おい、アラフォー」

「なんですって!」

京太郎「聞こえてるんじゃねぇか!」





京太郎「着いたぜ、鹿児島」

京太郎「空港で待ち合わせだったな……まだ来てないか?」キョロキョロ

京太郎「まぁ、まだ一時間前だしな」グゥ

京太郎「……先に昼にしようかな」


「あ、お兄様ー!」


京太郎「お、明星か」

明星「はい、お久しぶりです!」

京太郎「また大きくなったな」ワシャワシャ

明星「もう、子供扱いはやめてくださいっ」

京太郎「はは、照れんな照れんな」


霞「はい、そこまで」



京太郎「ま、お前もいるよな」パッ

明星「あっ……」

霞「久しぶりね」

京太郎「小蒔たちは?」

霞「ほら、あっち」


小蒔「京太郎様ー!」


小蒔「やっと、やっと会えました……」ギュッ

京太郎「元気だったか?」

小蒔「はい。この前はみんなと雪合戦したんです!」

京太郎「はは、ちゃんと当てられたか?」

小蒔「当てられまくりました!」


明星「……」シュン

霞「ふふ、もっと撫でてほしかった?」

明星「姫様、羨ましいです」

霞「……そうね」

明星「お姉様?」

霞「さ、他のみんなも呼んできましょうか」





良子「さて、それではランチにしましょうか」


京太郎「そういや、戒能さんも来るって言ってたな」

巴「はい、引率者としてついてきてくれて」

春「……それだけじゃないっぽいけど」

京太郎「それだけじゃない?」


良子「……」ジー


京太郎(なんか、見られてるような……)


『次に会うときはリベンジを果たします、必ず』


京太郎(……まさかな)



京太郎「どこの店入る?」

小蒔「私は、京太郎様の食べたいもので」

霞「じゃあ私は小蒔ちゃんの食べたいもので」

巴「私はみんなに合わせようかな」

京太郎「主体性のない意見をどうも」


春「私に名案がある」


京太郎「黒糖か」

小蒔「黒糖ですね」

霞「黒糖ね」

巴「黒糖だね」

春「み、見破られてた……!」

良子「なぜ見破られてないと思うのですか」

そしてグッモーニン

申し訳ないが次回です

そしてこんばんは

いやいや、最近は眠気に耐性なくなってますね

それじゃ、いつでも寝れるようにしてから始めます

始める前に寝かけたことはあるんですけどね……

んじゃ、始めます



初美「しょうがないですねー、ここは私が一肌脱ぐのですよ」


京太郎「それはやめろ」

小蒔「私もそう思います」

霞「そうね、これ以上は……」

巴「はっちゃんが脱ぐのは……」

初美「どうしてですか!? ちゃんと厚着してるのですよ!」

良子「そもそも実際脱ぐわけではないでしょうに」



京太郎「ああもう、埒あかないな……十曽、明星、お前らは?」


湧「えっ」

明星「私たちですか?」

京太郎「遠慮してないでなんでも言ってくれよ」

湧「え、えええっ、遠慮なんてそんなっ」

京太郎「そうか? ならなに食いたい?」

湧「えっと、それはその……あ、明星っ」サッ

明星「あっ、もう……また私の後ろに隠れて」

京太郎「あー、やっぱダメか……会ってから結構経つはずなんだけどな」

明星「お兄様を嫌ってるわけじゃないですよ。そうだよね?」

湧「うぅ……」

明星「ほら、恥ずかしがってるだけです」

京太郎「まぁ、嫌われるってのはもっと……あれだからな」


京太郎(出会った当時の池田みたいな)



明星「あ、私カレーライス食べたいです」

京太郎「よし、じゃあそれで行こう。みんないいか?」


湧「えっと……明星が、そう言うなら」

小蒔「楽しみです!」

霞「……甘口、あるかしら?」

巴「私は構いません」

春「黒糖カレー……興味ある」

良子「あるわけないでしょうが」


初美「私が一肌脱ぐ機会はどこいったですか!?」





京太郎「用意できたかー?」


霞「ふぅ……ちょっと胸が苦しいわ」

初美「そのアピールはいらないですねー」

霞「はい?」

初美「天然ですか……けっ」

京太郎「なにやさぐれてんだ、お前」


春「黒糖も完備。これでもしもの時の非常食になる」ポリポリ

良子「必要のないときに食べていてはエマージェンシーに対応できないのでは?」

春「……くっ」

京太郎「カイロと一緒に入れてたら溶けるぞ」

春「それは盲点だった」

良子「ふむ、なら私が預かりましょう」サッ

春「ああっ」



巴「二人とも、準備できた?」

明星「私は大丈夫です」

湧「わ、私もっ」

京太郎「慌てなくてもいいぞ?」

湧「ひゃいっ」サッ

巴「あれ、今度は私の後ろ?」

京太郎「……機敏な動きでなによりだ」

明星「湧ちゃん、運動神経良いんですよね」


小蒔「私も準備ばっちりです」

京太郎「よし、じゃあ行くか」

小蒔「はい――わっ」ガクッ

京太郎「っと、そこ滑るから気をつけろよ」ガシッ

小蒔「……もうちょっと、このままつかまって歩いてもいいですか?」ギュッ

京太郎「はは、転ばれるたびに助けてたらキリないからな」

小蒔「もう、私そんなに転びませんっ」





京太郎「ここに来て、重要なことに気づいたんだけど……みんなさ、どれぐらい滑れるんだ?」


小蒔「えっと……どうなんでしょうか?」

霞「うーん、ぼちぼち、かしら?」

巴「普通ですかね?」

初美「それなりなのですよ」

春「まぁまぁ」

明星「正直、あんまり滑ったことありません」

湧「わ、私も普通です」


京太郎「全員曖昧だなぁ……」

良子「私は上級コースも滑れますが、あなたは?」

京太郎「伊達に長野のスピードスターとは呼ばれてませんよ」

良子「それは初耳ですが……好都合ですね」

京太郎「はい?」

良子「いえ、とりあえずはみんながどれぐらい滑れるかトライアルといきましょう」





初美「らっくらくなのですよ」スイー

湧「うん、ちゃんと滑れる」スイー


京太郎「あの二人は普通に上手いな」

良子「上の方に行っても大丈夫そうですね」


巴「っと、久しぶりだけど意外に滑れるね」

春「まさにまぁまぁって感じ」


京太郎「中級者コースなら行けそうな感じか」

良子「少しトレーニングすれば、上級コースも滑れるようになるかもしれませんね」

京太郎「それで、残りの三人は……」


小蒔「あうっ」ズシャ

霞「あ、あら?」ズシャ

明星「きゃっ」ズシャ


京太郎「うん、初級コースからだな」

良子「アグリーですね」





京太郎「というわけで、こういうチーム分けになりました」


京太郎(普通に上手い二人は一緒に滑りに行って、戒能さんは狩宿と滝見についた)

京太郎(それで俺はこの三人)


小蒔「よろしくお願いします!」

霞「私、こんなに滑れなかったかしら?」

明星「お姉様、一緒に頑張りましょうね」


京太郎(石戸は小蒔に似てて、明星は従姉妹だからやっぱり石戸に似てて……)

京太郎(なんだろう、スキーできない遺伝子でも混じってんのかな?)

京太郎(ついでにある一部分の身体的特徴も……)



小蒔「京太郎様?」

京太郎「あ、ああ、なんだ?」

小蒔「具合、悪いんですか? ぼーっとしてました」

京太郎「小蒔に見蕩れてた」

小蒔「そ、そんな……」モジモジ

京太郎「――なんてな」

小蒔「え、あ……もうっ、またからかったんですね!」

京太郎「はは、じゃあ行こうぜ」


明星「うぅ~」プクッ

霞「そんな顔しないの」

明星「だって……」

霞「我慢して、少なくとも姫様の前では……ね?」

明星「……わかりました」


京太郎「二人共ー、リフト乗るぞー」


霞「行きましょうか」

明星「はーい」





小蒔「到着ですね」

霞「坂も緩やか。これなら安心して滑れそう」

明星「つ、次は私がお隣に乗ってもいいですか?」

京太郎「ああ、そうだな。石戸もリフトはちゃんと乗れるみたいだし」

明星「やった」

霞「明星……!」

小蒔「……」


小蒔「そうですね。霞ちゃん、次は一緒に乗りましょうか」


霞「……いいの?」

小蒔「霞ちゃんはいやですか?」

霞「そんなわけないじゃない」

小蒔「なら決定です。明星も京太郎様に甘えたいみたいですし」

霞「大丈夫?」

小蒔「ちょっとモヤモヤしますけど……うん、大丈夫です」

霞「そう……」


霞(成長したのね、小蒔ちゃん)





小蒔「ハの字、ハの字……」

明星「ゆっくり、ゆっくりと……」


京太郎(二人共、もうブレーキングは大丈夫そうだな)

京太郎(次はターンもやらせてみるか)

京太郎(それで石戸は……)


石戸「な、中々バランスが……」フラフラ


京太郎(基本的な滑り方は知ってるっぽいのに、なんでか安定しないな)

京太郎(なんだか重心が……ん?)



京太郎「石戸、ちょっといいか?」

霞「な、なに?」フラフラ

京太郎「よっと」ガシッ

霞「きゃっ」

京太郎「やっぱりそうだ」

霞「あの、離してくれない?」

京太郎「いや、まだだ。まだ離さない」

霞「ちょ、ちょっと……」カァァ

京太郎「……よし、これぐらいだな」パッ

霞「……離さないんじゃなかったの?」

京太郎「ああ、もう大丈夫だ。体の傾きは直したからな」

霞「ひょっとして、姿勢悪かったかしら?」

京太郎「姿勢というより重心だな。前のめりすぎだったり、後ろに反りすぎてたりしてたから」

霞「そうね、なんだか自分でも安定しないと思ってたのよ」


京太郎(きっと、前に滑ったときはその胸部装甲がまだ薄かったんだろうな……)



京太郎「次はそれでやってみろよ。いくらかは滑りやすいと思うぜ」

霞「ええ、やってみるわ」スッ


霞「……すごい、さっきまで転びそうだったのに」

京太郎「だろ?」

霞「ブランクのせいで下手になったかと思ったわ」

京太郎「なんかちぐはぐだったのがようやく納得いったよ」

霞「ふふ、ありがとう、先生」

京太郎「お、いいなそれ。もっと呼んでくれ」

霞「それより二人を見てあげたら?」

京太郎「はいはい、先生頑張りますよっと」





小蒔「なんだか滑れるようになった気がします!」

明星「ちょっぴり慣れてきました」

霞「もう少し上に行ってみる?」

京太郎「集合場所ももうちょい上だし……そろそろ合流しとくか」

小蒔「またリフトですね」

明星「次は……」ジッ

京太郎「まだリフト乗るの不安か?」

明星「そういうわけじゃ……でも、あんまりわがまま言うのも……」

小蒔「じゃあ、じゃんけんで決めちゃいましょうか」

京太郎「じゃんけん?」

小蒔「明星も私も、京太郎様の隣に座りたいんです」

京太郎「え、そんな話だったのか」

明星「はい、負けませんっ」

小蒔「霞ちゃんも」

霞「わ、私も?」

小蒔「みんなでやった方がきっと楽しいです」

京太郎「まぁ、好きにしてくれ」

霞「はぁ……わかったわ」

明星「それじゃあ」

小蒔「いきます!」


「「「じゃんけん――」」」


コンマ判定

小蒔:奇数
霞:60以下の偶数
明星:61以上の偶数

直下




明星「お兄様のお母様って、神代の分家筋の方なんですよね?」

京太郎「そうらしい。詳しく聞いたことはないけど」

明星「じゃあ私たちって親戚なんですね♪」

京太郎「なんか嬉しそうだな」

明星「なんだか本当にお兄様ができたみたいで……ちょっと憧れてたんです」

京太郎「他のとこに男っていないのか?」

明星「年が近い人はいないです」

京太郎「そっか、そういや俺も見たことないな」


京太郎(そもそも女系っぽいしな、あの家は)


京太郎「ま、そういうことなら兄貴だって思って甘えてくれよ」

明星「本当ですかっ?」ズイッ

京太郎「っと、リフト揺れてる揺れてる」

明星「あ、ごめんなさい」

京太郎「気にすんな。ほら、もうすぐ着くぞ」





京太郎「よっす、上達したか?」

春「……姉さんは鬼」

京太郎「そんなにきつかったのか」

巴「別にそういうわけじゃないんですけど……ほら、黒糖に制限をかけられて」

京太郎「まぁ、たしかにスキー場でホイホイ出して食べるもんでもないけどな」

春「くっ……」


良子「姫様、上達したようでなによりです」

小蒔「京太郎様の教え方が良かったんです、きっと」

霞「でも、小蒔や明星も頑張ってたじゃない」

明星「お姉様もですよね? 体を支えられながら教えてもらってました」

霞「……見てたの?」

小蒔「羨ましかったです……」

霞「あ、あれはあくまで指導を受けてただけなのよ?」

良子「……まあ、とにもかくにもスキルアップには成功したようで」



初美「あ、いたのですよ」


霞「あら、ちょうどいいタイミングね」

湧「すみませんっ、つい時間を忘れて……」

初美「まぁまぁ、明確に集合時間を決めてたわけじゃないから」

湧「そうですよね……あ、明星」

明星「湧ちゃん、ちょっぴりだけど上達しちゃった」

湧「後で一緒に滑ろうよ」

明星「うん、でも手加減してね?」


良子「さて、みんな集まったようですね」

京太郎「どうします?」

良子「ナイターまではフリータイムでいいのでは?」

京太郎「ですね」



京太郎「じゃあみんな、ナイターまで自由に滑ろうぜ。集合場所はまたここらへんで」


湧「明星、行こっか」

明星「あんまり急なとこはやめてね?」

巴「私も混ざってもいい?」

明星「お願いします。私と湧ちゃんだけだったらちょっぴり不安ですから」

湧「よろしくお願いします!」

巴「そ、そんなかしこまらなくても」


春「私はほっと一休み……」

初美「そうはさせないのですよっ」ガシッ

春「ちょっ」

初美「あの急な坂を直滑降でまっしぐらですよー」

春「そ、そんなっ」

初美「ふふふ、黒糖切れのはるるなど恐るるに足らず……なのですよ」

春「くっ、黒糖さえあれば……!」



京太郎(さて、俺はどうするかな)

京太郎(もっと上の方にも行きたいし……)


良子「須賀くん」

京太郎「はい?」

良子「良ければ一緒に上に行きませんか?」

京太郎「お、ちょうどそうしようと思ってたんですよ。心の声聞こえちゃってました?」

良子「そういうことができるのをサモンすることはできますがね」

京太郎「できるのかよ……」


小蒔「……」

霞「いいの?」

小蒔「私だと、ついていけないですから」

霞「そう……我慢強くなったのね」

小蒔「……」





良子「この坂はモーグルバーンになっていますね」

京太郎「うっひゃー……楽しそうだなぁ」

良子「滑りますか?」

京太郎「行きますか」

良子「なら、どっちが先に降りれるか……レースといきましょう」

京太郎「やるからには負けませんよ」

良子「そうでないと、私がここに来た意味がありません」


良子(そう、私にはこの前の雪辱を晴らすというミッションがある……!)


良子「では――」

京太郎「――行きますかっ」


ええい、おやすみなさい

次は寝ない!

二度あることは三度あるとは言いますが、三度目の正直とも言います

というわけでもう少ししたらスタートです

んじゃ、始めます

それと忘れてたけどコンマ判定


1-25:戒能プロ、敗北
26-50:戒能プロ、惜敗
51-75:戒能プロ、引き分け
76-00:戒能プロ、勝利


直下




京太郎「っしゃ! 俺の勝ちっすね」

良子「くっ、あと少しだったというのに!」

京太郎「良い線いってたんじゃないですか? まあ、次やっても俺の勝ちですけどね」

良子「僅差の勝利のくせにビッグマウスを……!」

京太郎「あんまり言いたくないですけど、男女の差ってのもありますし」

良子「いいでしょう、そこまで言うのならこの場でリベンジです!」





小蒔「……はぁ」


小蒔(最初はみんなと楽しく遊べたらって思ってたんですけど……)

小蒔(今は……)


小蒔「京太郎様……」


京太郎「呼んだか?」

小蒔「ひゃっ」

京太郎「悪い、びっくりさせたな」

小蒔「もう、いるなら言ってください」

京太郎「でも、驚いた顔もかわいいからな」

小蒔「あうぅ……卑怯です」

京太郎「重ね重ね悪いな……まぁ、別に驚かせようとしたわけじゃないんだ。ため息ついてたのが気になってさ」

小蒔「大丈夫です。ため息の原因はなくなっちゃいましたから」

京太郎「そっか。そういや石戸は? 一緒にいたよな」

小蒔「お花摘みです」

京太郎「そうか……」



京太郎(雪山でお花摘みとか、言葉通りに受け取ったらわけわかんねぇな)

京太郎(まぁ、トイレだろ)


小蒔「京太郎様は良子さんとは一緒じゃなかったんですか?」

京太郎「ああ、勝負にひと段落ついたとこで休憩中だ」

小蒔「勝負ですか?」

京太郎「レースしてたんだよ。ほら、あそこのコブだらけの坂で」

小蒔「わっ、急なのにあんなにコブが……」

京太郎「滑れたら楽しいんだよな」

小蒔「頑張りますっ」

京太郎「無理すんなって。ま、のんびりまったり滑るのも悪くはないよ」

小蒔「そうなんですか?」

京太郎「そうなんだ」

小蒔「ふふっ」


小蒔(こんな時間が、ずっと続けば……)



京太郎「……ん? 風が出てきたな」

小蒔「雪も……さっきまで晴れてたのに」

京太郎「天気予報じゃ、ここらは晴れるって言ってたんだけどな」


京太郎(それどころか、雪も風も強くなってきてるな……視界が狭くなってきた)


京太郎「ちょっと収まるまでどこかに避難してようか」

小蒔「そうですね――きゃっ」グラッ

京太郎「小蒔っ――」ガシッ


――ビュウウ!


京太郎「――のわっ」グラッ

小蒔「きょ、京太郎様っ」

京太郎「くっ、口閉じてしっかり掴まってろ!」





京太郎「……いてて」

京太郎「ここは……そうだ、ポールの外側に落ちたんだったな」


小蒔「んんぅ……きょう、たろうさま?」


京太郎「怪我ないか?」

小蒔「……大丈夫みたいです」

京太郎「そうか、ならさっさと上登ろうぜ」

小蒔「そうですね」





京太郎「……は?」

小蒔「なにも、ないですね」

京太郎「いやいや待て待て、スキー場どこいったんだよ」

小蒔「みんな神隠しに遭ってしまったんでしょうか?」

京太郎「普通逆だろ、俺たちが別のとこに連れてこられたのかもな」


京太郎(神隠しかどうかはともかく、周りになにもない、誰の姿もない、となると……)


京太郎「ひょっとして、遭難?」

小蒔「そうなんですか?」

京太郎「そうなんです……ってダジャレを返してる場合じゃないな」


京太郎(遭難したときは、下手に動いたらまずいって聞くけど)

京太郎(ずっとこんなとこにいたらそのうち凍死だ)

京太郎(どこか、雪と風をしのぐ場所を探さないとな……)


京太郎「移動するか」

小蒔「ごめんなさい、私のせいで……」シュン

京太郎「大丈夫だ、俺に任せとけ。ほら、手」スッ

小蒔「……はい」ギュッ






京太郎(とは言ったものの、どうすればいいかなんてわかんねえな、これ)

京太郎(雪山で遭難した場合に備えてる奴なんてどれだけいるんだか)

京太郎(こんな時に高鴨がいれば心強いんだけどな)

京太郎(まあ、やるしかないか)


小蒔「京太郎様!」


京太郎「どうした」

小蒔「山小屋、ありました」

京太郎「マジか……」

小蒔「まじみたいです」

京太郎「……よし、とりあえず入るか」





小蒔「だれもいない……ですね」

京太郎「せっかくだし使わせてもらおうぜ。お、灯油ストーブ……って、肝心の灯油がないな」

小蒔「毛布ありました!」

京太郎「でかした!」



京太郎「寒くないか?」

小蒔「はい、こうやってしてたら暖かいです」

京太郎「まあ、毛布が一枚しかなかったからな。ぎゅうぎゅうだけど我慢してくれ」


小蒔「二人っきり、ですね」

京太郎「ホント不可解だよな。スキー場はどこ行ったんだかな」

小蒔「……私のせいかもしれないです」

京太郎「だから気にすんなって。落ちたのは仕方ないんだから」

小蒔「そうじゃなくて……思っちゃったんです。京太郎様と二人きりになれたらなって」

京太郎「だからってこんな状況になるわけ――」



京太郎(……あるな)

京太郎(他のやつだったらともかく、小蒔だったら)

京太郎(過保護なのが傍にいるからな……)


小蒔「えへへ……私、悪い子ですね」

京太郎「そういうとこも俺に向けてくれって言ったろ」

小蒔「じゃあ、まだわがまま言ってもいいですか?」

京太郎「どうぞ、お姫様」


小蒔「……キス、したいです」

京太郎「……目、つむって」

小蒔「はい……んっ」



小蒔「しちゃいました」

京太郎「しちゃったな」

小蒔「あの、もう一ついいですか?」

京太郎「毒を食らわばってやつだな、言ってくれ」

小蒔「実は、まだちょっと寒いんです」


京太郎(これは多分ウソだ)

京太郎(今、小蒔の目が泳いだのを俺は見逃さなかった)


小蒔「だから、もっとギュッとして欲しいです」

小蒔「そ、それと……こういう時は、その……ひ、人肌で暖めたほうが……」カァァ


京太郎(人肌でって……よく漫画とかであるアレか?)

京太郎(……そんなことして耐えられる自信なんてないぞ)


小蒔「ダメ、ですか?」

京太郎「わ、わかった……やるよ」

小蒔「お、お願いします」



京太郎(落ち着け、あくまで肌と肌が触れていればいいんだ)

京太郎(だから全部脱ぐ必要なんてどこにもないし、胸が触れてしまってもそれはしかたな……って違う!)


京太郎「じゃあ、脱がせるぞ?」ドキドキ

小蒔「は、はい」ドキドキ


良子「二人共、無事ですかっ」バターン


京太郎「え……」

小蒔「あ……」

良子「……ソーリー、邪魔しましたね」パタン


京太郎「ウェイト! 戒能さんウェイト!」

小蒔「あうぅ……」プシュー





良子「ともかく、無事でなによりですね」

小蒔「あの、良子さんはどうやってここに?」

良子「なにやらおかしなフィールドが発生してたので」

京太郎「おかしなフィールド?」

良子「外から見たらすっげー不自然でしたからね、あれは」

京太郎「もしかして、いきなりスキー場が消えたのは……」

良子「お二人がフィールドに取り込まれたせいでしょうね」

小蒔「それで良子さんが助けに来てくれたんですね」

良子「いえ、フィールドがハードすぎて入ることはおろか、干渉もままなりませんでした」

小蒔「え、じゃあどうやってここに」

良子「答えはシンプル、フィールドが弱まったからですよ」

京太郎「……」

小蒔「弱まった……どうしてでしょうか?」

良子「コンシダレーションは置いておいて、ここを出ましょう。みんな心配してますよ」





霞「小蒔ちゃん、良かった……!」ギュッ

小蒔「く、苦しいですっ」

初美「はいはい、姫様が窒息する前に離れるのですよ」グイグイ

霞「良かった、本当に……」

巴「戒能さん、ありがとうございました」

良子「いえいえ、私一人ではどうにもならなかったですよ」


良子(彼の力がなければ、侵入することは不可能でしたね)


京太郎「ふぅ、何とかなってよかったよ……」

明星「お兄様、お怪我はありませんか?」

京太郎「平気だよ。丈夫なのがとりえだしな」

湧「こ、これっ」スッ

京太郎「カイロ? くれるのか?」

湧「さ、寒かったと思いますからっ」

京太郎「サンキューな」

春「じゃあ私からはこれ」スッ

京太郎「まぁ、黒糖か」

春「姫様を守ってくれてありがとう」

京太郎「そんなの今更だろ。それに、多分あのままでも危険なことにはならなかったんじゃないかな」

春「姫様の貞操が危険」

京太郎「そっちかよ」





京太郎「雪山で遭難か……本当にシャレにならないよな」

京太郎「まぁ、無事に帰れて良かったけど」


「まったく……舞台を整えてもあの体たらくですか」


京太郎「やっぱりあんたは大概過保護だな」

小蒔「少し結界を張った程度です。大したことはしていません」

京太郎「大したことの基準が違うよな……」

小蒔「それよりも、またあなたは私の力を略奪していきましたね」

京太郎「あんたの仕業なら、それでどうにかなるかって思ったんだよ」

小蒔「前にも言いましたが、みだりに私たちの力を宿すのは危険です」

京太郎「心配してくれるんだな」

小蒔「この子のためです」

京太郎「だろうな」

小蒔「では私は去ります。……誰かが来るまで甘えさせてあげなさい」スッ

京太郎「っと、もうお馴染みのパターンだな、これ」ガシッ



小蒔「ん、んん……あれ、私また……」


京太郎「よう、目、覚めたか?」

小蒔「えへへ……願いが通じました。こうやって一緒にいたいなって思ってたんです」

京太郎「思う存分甘えてくれていいぞ」

小蒔「じゃあ、明星にしてたみたいにしてもらえませんか?」

京太郎「明星に?」

小蒔「なでなで、羨ましかったです」

京太郎「なんか妹っぽいのがいるとやっちゃうんだよなぁ」

小蒔「羨ましかったですっ」

京太郎「わかったわかった……ほら」ナデナデ

小蒔「んっ……」ウットリ


小蒔「……京太郎様」

京太郎「ん?」

小蒔「大好きです」



というわけで終了
三度目の正直でした

安価取りたいんですけど人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです
基本的に数値が低い人のほうが上がり幅がでかいです


ED確定
大星淡
天江衣
桧森誓子
姉帯豊音
三尋木咏
神代小蒔


福路美穂子
宮永照


松実玄
ネリー・ヴィルサラーゼ
真屋由暉子
白水哩
竹井久


宮永咲
清水谷竜華
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり
石戸霞


滝見春
園城寺怜
片岡優希
薄墨初美
鶴田姫子
龍門渕透華
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一
石戸明星


本内成香
臼澤塞
上重漫
岩館揺杏
東横桃子
狩宿巴
弘世菫
辻垣内智葉
高鴨穏乃
蒲原智美
雀明華
ハギヨシ
小瀬川白望
鷺森灼
新子憧
津山睦月
花田煌
針生えり
部長
内木一太
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
郝慧宇
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
戒能良子
高久田誠
鹿倉胡桃
十曽湧


愛宕洋榎
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

それじゃ、お好きなキャラを一人どうぞ

3分まで

締切

それじゃ割ってきます

それじゃあコンマで


ネリー:1-27
照:28-48
久:49-62
明星:63-70
美穂子:71-84
桃子:85-92
哩:92-00

ゾロ目:?


直下

ねりんこで了解

それじゃあ床につきます

こんにちはー
一応今夜の予定なので安価でも

ネリーを除く臨海メンバーから一人どうぞ


下1~下5まで

やだ、明華人気……!

とりあえず明華とハオで了解です

それじゃ

こんちゃっす

風呂入ったら始めます

ま、まだ寝てないから……

あと、ユキとマイル・シローズはコンマでやらかさない限り確定枠に入れます

そんじゃ、始めます



・三年、冬、湯煙は血の香りとともに


ネリー「ねぇねぇ、お金をかけずに長野に行く方法ってないのかな?」

智葉「歩け」

ネリー「ヤダ、足が棒になっちゃうもん」

智葉「ヒッチハイクとか」

ネリー「誘拐って怖いよね」

智葉「あとは……そうだな、運搬車両に気づかれずに乗り込むとか」

ネリー「たまにサトハって平和ボケしたジャパニーズらしからぬこと言うよね」

智葉「冗談だよ」



智葉「さて、もう少し現実的な話をしようか」

ネリー「最初っからそうしてよ」

智葉「まぁ、許してくれ」

ネリー「慰謝料請求していい?」

智葉「相談料で相殺というのは?」

ネリー「しょうがないなぁ……それで、話の続きは?」

智葉「だれか知り合いに頼めばいいんじゃないか?」

ネリー「なるほど、オトモダチ価格ってやつだね」

智葉「相手が知己なら話もつけやすい、ということだな」

ネリー「じゃあお願い、サトハ」

智葉「断る」バッサリ

ネリー「なんでさ!」



ネリー「むぅ……サトハのケチ」

智葉「そうむくれるな。こっちのわがままでうちの者を長野まで走らせるのはな」

ネリー「そんな時こそ札束の出番だね!」

智葉「ネリー、お前さっきお金をかけずにとか言ってなかったか?」

ネリー「別にネリーのお金じゃなければいいかなって。名案だね!」

智葉「まったく……」


智葉(それにしても長野か……)

智葉(まぁ、目的は察することはできるな)

智葉(須賀には今度、恨み言でも言ってやろうか)



ネリー「はぁ……なんかいい方法ないかなぁ……あれ、なんだろ?」

智葉「福引か」

ネリー「ふくびき?」

智葉「ああやって箱を回して、出てきた玉の色で景品が決まるんだ」

ネリー「いっとう、にとう、さんとう……色々あるね」

智葉「たまに特等賞なんてものもあるが、この中では一等が一番だな」

ネリー「ふぅん……あっ」

智葉「どうした?」

ネリー「ふくびきってどうしたらできるのっ?」

智葉「ここらで買い物をすれば福引券がもらえるから、それと引き換えに――」

ネリー「それでっ、これいつまでやってるの!?」

智葉「こ、今週いっぱい……」

ネリー「わかった、準備してくるね!」タタッ



智葉「……なんなんだかな」

智葉「そんなにあいつの目を引くものが……」


『一等――長野温泉ツアー券』


智葉「なるほど……というか、またピンポイントな」

「お嬢! 福引、やっていきますかい?」

智葉「いや、券を持ってないのに引いたら、他の客に失礼だろう」

「わかりやした。ま、気が向いたらいつでも声かけてくだせぇ」

智葉「ああ、ありがとう」


智葉「さて、私もそろそろ戻るか」





ネリー「見て見て、福引当たっちゃった!」


ハオ「福引……ああ、抽彩のこと」

明華「それは?」

ハオ「クジを引いて景品をもらうんですよ」

明華「なるほど、福を引く、ということですね」

ネリー「しかも一等だよ、一等。きっとネリーの日頃の行いのおかげだね」


メグ「グッモーニン、ミナサン」

智葉「なにかあったのか? 騒いでいたようだが」

ハオ「騒いでいたのはネリーだけですが」

明華「なにやらクジでアタリを引いたようで」

メグ「九時? まだ八時前デスガ」

智葉「そっちじゃない。おみくじのクジだ」

メグ「オゥ、そうデシタ」



智葉(ん? クジ……)


智葉「もしかして、福引の景品か?」

ネリー「そうだよ?」

智葉「……一体何回引いたんだ?」

ネリー「やだなぁ、一回だよ。ネリーの日頃の行いが良かったんだってば」


――ニャー


ネリー「あ、黒猫。学校の中に出てくるなんて珍しいね」ブチッ

ネリー「なにこれ、靴紐切れちゃった――いたっ!」グワン

ネリー「た、タライ? だれさ、棚の上に置いたの!」



ハオ「大丈夫?」

ネリー「なんなんだろ……昨日の夜は爪切ってたら深爪しちゃうし、クモが出てくるし……」

明華「不思議ですねぇ」

ネリー「それにご飯食べてたらお箸折れちゃったんだよ?」

メグ「泣きっツラにハチというやつデスネ」

智葉「……」


智葉(黒猫が横切って靴紐がいきなり切れて、夜に爪を切ってクモが出てきて、食事中に箸が折れる……)

智葉(タライはともかく、縁起が悪いことのオンパレードじゃないか)


智葉「お前、そんなに長野に行きたかったのか。ツキを寄せてまで……」

ネリー「な、なんのこと? たまたま引いたら当たっちゃっただけだもん――あうっ」ズデッ

ハオ「あ、転んだ」

明華「靴紐が原因でしょうか?」

メグ「い、痛そうデスネ……」

ネリー「うぅ……」

智葉「まぁ、とやかく言うつもりはないが、支障が出ないようにな」

ネリー「……はぁい」





明華「それで、何が当たったんですか?」

ネリー「それなんだけどね……ほら、これ」ピラッ


『長野温泉ツアー券』


ハオ「ふむ、長野の温泉ですか」

メグ「ナガノナガノ……どこ?」

智葉「清澄の県だ。東京より西にある」

明華「ははぁん、なるほどなるほど」クスッ

ネリー「な、なにさ」

明華「ネリーはかわいいなって思っただけです」


ハオ「おや? これ、複数人で行けるみたいですね」



ネリー「あ、そうなんだよね。お友達と一緒にどうぞって」

メグ「いいデスネェ、ジャパニーズ温泉は趣深いものデス」

智葉「多分ラーメンは出てこないぞ」

メグ「ファック! 日本古来の食を蔑ろにしてなにが旅館デスカッ!」

智葉「いや、元をたどれば中華だろ」

ハオ「ラーメンはもうこの国のオリジナルと言ってもいい気がしますけどね」

明華「それよりも、みんなで行けばいいんじゃないですか? 温泉」

ネリー「そうそう、ネリーもそうしたらいいかなって思ったんだ。せっかくだし」

智葉「……悪くないな。ツアーということは向こうまでの足も含まれるだろうし」

メグ「マァ、ラーメンは外で食べるとして……温泉にはぜひ入りたいデスネ」

明華「温泉にあるというマッサージチェアにも興味がありますねぇ」

ハオ「えっと、それなんですが……」


ハオ「どうやらこの券では三人までしか行けないようで」



ネリー「え、ウソ」

ハオ「ここに書いてるから、ほら」

ネリー「……ホントだ。ケチくさいなぁ」

ハオ「それで、どうします?」

智葉「ネリーは決まりとして残り二人……」スッ

明華「穏やかじゃない風ですね……」スッ

メグ「デュエルとなれば、負けるつもりはありマセン」スッ

ハオ「……では、私も勝ち取りに行きましょう」スッ


ネリー「あ、オークションで決めるのは――」


智葉「ちょっと黙ってろ」

明華「黙っててください」

メグ「Shut Up!!」

ハオ「……」


ネリー「さ、さすがに冗談だってば……」ビクビク





京太郎「んー! ようやっと昼休み……!」

京太郎「さぁ、とりあえず飯食って――」


久「残りの昼休みは勉強ね」


京太郎「……久ちゃん、昼休みって休む時間だと思わないか?」

久「ほら、ご飯食べてる時間は休めるじゃない」

京太郎「よし、今日はゆっくりご飯食べよう」

久「あ、英単語ぐらいだったら食べながらでも覚えられるんじゃない?」

京太郎「よし、やっぱり普通に食べようそうしよう」ピロリン


京太郎「あ、メールだ」



『タイトル:謎の女より』


京太郎「謎の女って……」

久「なになに、変なメール?」

京太郎「変っちゃ変だけど、送り主ははっきりしてんだよな」

久「ふぅん……で、どこで引っ掛けた女なわけ?」

京太郎「人聞き悪いな……ほら、臨海の雀明華」

久「はぁ? どんな接点があったのよ」

京太郎「一緒にラーメン食べたり、ジュース飲んだり?」

久「つまりデートしてたってこと」

京太郎「ラーメン食べた時もジュース飲んでた時も二人きりじゃなかったっての!」

久「ま、いいけど……それよりメール、早く見るわよ」

京太郎「久ちゃんも見るのか……」





明華『――というわけで、今度私とハオとネリーでそっちに遊びに行きますね♪』

明華『あ、女の子にエロいんですなんて言わせちゃダメですよ?』


京太郎「ぶぐっ!」

久「……あんた、ホントになにもしてないのよね?」

京太郎「し、してないしてない!」

久「じゃあどうやったらエロいんですなんて言わせる状況になるのよ!」

京太郎「ほんの出来心だったんだって! ほら、フランスではHは発音しないっていうから、じゃあヒロインはどうなるのかってさ!」

久「中学生か!」


一太「やれやれ、君たちはいつも賑やかだね」


京太郎「い、一太……お前も俺の気持ちわかるだろ? だから一緒に久ちゃんを説得して――」

一太「そんなことより、話は聞かせて……いや、見させてもらった!」

京太郎「……は?」

一太「臨海のネリーちゃんが長野の旅館に来るんだってね」

京太郎「お前もサラッと人の携帯見てんじゃねーよ!」

一太「そんな瑣末なことはどうでもいいんだ。だから、だからどうか……」



一太「どうか、ネリーちゃんの写真を撮ってきてくれっ……!!」


京太郎「え、やだよ」

一太「なぜだ!? 麻雀を打つその可憐な姿から東欧の妖精とぼくが勝手に呼んでるほどのプレイヤーだぞ!?」

京太郎「勝手に呼んでるだけかよ」

一太「くっそぉ、君はうたたんの件といいどれだけぼくを苦しめれば気が済むんだ……!」

京太郎「お前ホントなりふり構わなくなってきたな!」


京太郎「あーもう! さっさと飯食いに行くぞ!」グイッ

久「じゃあねー、内木くん」

一太「ぼくは諦めないからな!」





久「温泉に来るっていっても、メンバー全員じゃないのね」

京太郎「なんでも枠を争って熾烈な戦いがあったらしい」

久「智葉が来ないのはちょっと残念」

京太郎「土日の話だし、顔出しに行こうと思うんだけど」

久「ま、いいんじゃないの?」

京太郎「……驚いたな、まさかこんなあっさり許されるとは」

久「私だって自分のわがままに巻き込んでる自覚はあるしね」

京太郎「そんなに気にすんなよ。勉強だって無駄にはならないだろうしな」

久「じゃあ土日もびっしり勉強しますか」

京太郎「やっぱり少しは気にしてくれ」

久「はいはい、せいぜい楽しんでらっしゃい」

京太郎「まぁ、サンキューな。愛してるぜ」

久「はぁ……そういうの他の子、特に宮永照とかには言わないこと」

京太郎「照ちゃんはともかくそんなホイホイ……あっ、そういや白水にも言ったことあったっけ」

久「それ、詳しく聞かせてもらえる?」ギュウウ

京太郎「痛い痛い痛い! 皮だけ引っ張るとなおのこと痛い!」


あかん、眠い……!

今日はこれまでってことでおやすみなさい

き、昨日は大事をとって寝ただけだから……

というわけでもうすぐしたら始めます

黒い霧が吹き出しあたりを包み込んだ……からの甘い息

そんじゃ始めます




ネリー「えーっと、このバスでいいんだよね?」

ハオ「時間的にも場所的にも間違いないと思うよ」

明華「じゃ、乗り込んじゃいましょうか」


ネリー「一番後ろの席、空いてたね」

ハオ「ここなら人の移動も気にならないかな」

明華「さすがに歌うのはまずいですかね?」

ネリー「バスにはカラオケがあるって聞いたよ?」

明華「まぁ、それはそれは……ふふ、楽しみですね」

ハオ「いや、他の客に迷惑だからやめてください」



ネリー「でも、このメンバーで遠出するって新鮮かも」

ハオ「というよりも、チームでどこかに旅行することもなかったね」

ネリー「たしかに」

明華「いいじゃないですか。私たちは来年も同じチームですし」

ハオ「国境を越えてチームを組む機会もこれから先あるかどうか……」

ネリー「個人個人の戦いになったら敵だもんね、ネリーたち」

明華「そういうわけです。せっかくだから楽しんじゃいましょう♪」

ハオ「それなら……」ゴソゴソ

ネリー「何か持ってきたの?」

ハオ「零食です。バスでの移動時間が長いみたいだからね」

ネリー「お菓子! ネリーが食べてあげてもいいよ?」

ハオ「何様ですか」

明華「海ぶどうはないんですか?」

ハオ「ありません」

明華「残念です……」





ハオ「ん……」ウトウト

明華「ふわぁ……」ポチポチ

ネリー「今はやりのソシャゲ? ポチポチ?」

明華「メル友にメールです」

ネリー「ふぅん」


ネリー(そういえば、連絡先とか聞いてなかったな……)

ネリー(でもいいや、サトハに住所とか調べてもらったし)

ネリー(ふふっ、驚くかな? キョウタロウ)


明華「送信っと」ピッ





京太郎「――zzz」

カピ「キュッキュッ」ユサユサ

京太郎「ん~……なんだカピか……眠いからもう少し寝かせてくれー」

カピ「キュッ!」スッ

京太郎「俺の携帯……? メール来てるな」ピッ


明華『バスに揺られて二時間……眠いです』


京太郎「……ってことはあと二時間もしたら着くか……よし、そろそろ準備しよう」


京太郎「ありがとな、起こしてくれて」ナデナデ

カピ「キュッ」

京太郎「わかってるって。年末はまた一緒に鹿児島行こうぜ」

カピ「キュ~」





ネリー「着いた!」

ハオ「んっ……少し寝すぎましたか」

明華「あらら、雪降り状態ですねぇ」

ネリー「ホントだ。東京じゃあんまり降らないのにね」

ハオ「香港でも霜が降りることはあっても、雪はまったく降りませんね」

明華「ちなみにフランスでは赤い雪が降ったりするんですよ?」

ネリー「血の雪?」

明華「血の雨ならぬ血の雪……どこかで戦いでもあったんですかね?」

ハオ「砂ですよ、砂。赤い砂が核になって赤く見えると聞きました」

ネリー「ま、そんなとこだよね」

明華「夢がありませんねぇ」

ハオ「血生臭いのよりはマシでしょう」



京太郎「お、いたいた。おーい」


京太郎「ちょうど着いたとこか。ドンピシャだったな」

明華「寒い中待たせちゃいましたか?」

京太郎「だから俺もちょうど着いたとこだって」

明華「おやぁ? この会話はなにやらデートの待ち合わせみたいですねぇ」


ネリー「ちょっと待ってよ!」



京太郎「あん?」

ネリー「どうしてキョウタロウがここにいるのさ!」

京太郎「どうしてって……暇だから?」

明華「今時期の高校三年生は勉強に明け暮れてると聞きましたけど」

京太郎「うっ……そ、その話題はよそうぜ」

ネリー「もう、話逸れるからミョンファは黙ってて!」

明華「うぅ……私だけ除け者なんてひどいです……」

ハオ「はぁ……実際のところ、あなたがリークしたのでは?」

明華「はい?」

ハオ「でなければ待たせたなんて言わないでしょう」

ネリー「あ、たしかに……」

明華「メル友ですからね、私たち」

京太郎「メル友とはまた懐かしいワードを……」

ネリー「むぅ、どうしてアドレス知ってるのさ」

明華「えっと、たしか智葉さんと一緒にいるところを口説かれて……」

京太郎「おい、早速虚偽の申告してんぞ」

明華「とりあえず文通からということでアドレスの交換をと」

ネリー「やっぱり口説いてたんじゃん!」

京太郎「だからちげーっての!」

ハオ「目立つから移動しませんか?」





京太郎「お、ここが旅館か」

ハオ「まずはチェックインを済ませてしまいましょう」

明華「んっ……早く荷物を置きたいですねぇ」

ネリー「……」

京太郎「まだむくれてんのか」

ネリー「別に、むくれてないから」プイッ

京太郎「まったく……顔に出てんぞ」グニグニ

ネリー「わっ、な、なにするのさっ」


ハオ「私たちは部屋に向かいますが、あなたは?」

京太郎「いきなり入るのもアレだし、ここで待ってるよ」

明華「この後はどうします? 私的にはちょっとお散歩したい気分なんですけど」

京太郎「じゃあせっかくだし、ちょっと案内してやるよ」

ハオ「ネリーは?」

ネリー「ん、二人に合わせる」

ハオ「それじゃあ、部屋に荷物を置いたらまたここに、ですね」





ネリー「お待たせ」

京太郎「待った待った、超待った。慰謝料もらおうかな」

ネリー「なにそれ?」

京太郎「お前の真似」

ネリー「ネリーはそんなこと言わないもん」


ハオ「言ってるでしょ」

明華「言いますねぇ」


京太郎「二人も到着か」

明華「ネリーが走っていったから遅れちゃいました」

ネリー「は、走ってないし」

ハオ「走った走ってないはともかく、案内をお願いします」

京太郎「おう。そういや、昼は途中で済ませたのか?」

明華「バスの中でお弁当をいただきました。数の子が入ってたので私的には大満足ですね」

京太郎「そっか、じゃあ主食系は控えたほうがよさそうだな」

ネリー「あ、おやつみたいなのなら食べたいかも」

京太郎「おやつねぇ……ま、とりあえず外出るか」





京太郎「ほら、買ってきたぞ」

ネリー「これがおやき?」

京太郎「今川焼きじゃなくてな」

ネリー「ふぅん……ね、辛いの入ってないよね?」

京太郎「それは食べてのお楽しみ。出来立てで熱いから気をつけろよ」

ネリー「……えいっ」パクッ


ネリー「――甘い?」


京太郎「まぁ、お前は甘いやつのほうがいいと思ってな。安心しろ、辛いのもあるから」

ネリー「ぜ、絶対食べないから!」

京太郎「中身は食べるまでわからないんだけどな」

ネリー「むっ、もしかしてまた食べさせようとしてる?」

京太郎「ははっ、どうだかな。ほら、もう一個食うか?」

ネリー「……じゃあ、キョウタロウが毒見してよ」

京太郎「俺のかじりかけでいいのか?」

ネリー「辛いの食べるよりはマシだもん」


明華「見て見て、間接キッスですよ!」

ハオ「どれだけ興奮しているんですか……」

明華「何言ってるんですか! 乙女として興味津々に決まってるじゃないですか!」

ハオ「はぁ……あ、このおやき、辛くて美味しい」





京太郎「暗くなってきたな」

ネリー「ホントだ」

明華「うふふ、時間が流れるのが早く感じちゃいました?」

ネリー「……なにが言いたいのさ」

明華「ネリーも女の子だなってお話ですよ」

ネリー「そんなの当たり前――へくちっ」


明華「あら」

ハオ「ずっと外にいたせいか、冷えてきましたね」

京太郎「風邪ひかないうちに戻るか?」

ネリー「うん、お風呂入りたいかも」

京太郎「じゃ、送り届けたら俺は退散するかな」

ネリー「え、もう帰っちゃうの?」

京太郎「女子三人、水入らずでかしましくやってくれ」

ネリー「むぅ……」

ハオ「ネリー、彼にだって都合があるのだから」

ネリー「わかってるよ、もう……」





ハオ「今日はありがとうございました」

京太郎「俺が勝手にやったことだから気にすんな。あ、お礼したいならデート一回でもいいぞ?」

ハオ「そ、それは……」

京太郎「なんてな、冗談冗談」

ハオ「……」ジトッ

ネリー「えいっ」

京太郎「おっと、人の足を踏もうとするなんてどういう了見だ」

ネリー「足が滑っただけだもん」

明華「つまり、嫉妬ですね」

京太郎「そうなのか?」

ネリー「……知らない」



京太郎「そんじゃあな」

ハオ「滑って転べ……ではなくて、帰り道は気をつけてください」

京太郎「おい、なんか不吉な言葉が聞こえたぞ」

明華「受験勉強、頑張ってくださいね」

京太郎「あ、はい」

ネリー「……」ムスッ

京太郎「じゃあな、ネリー」ナデナデ

ネリー「そんなのじゃ全然足りない。残りの慰謝料、今度払ってもらうから」

京太郎「はは、またタコスでも食わしてやるよ」





ネリー「……行っちゃった」

明華「明日会いにいくという手もありますよ?」

ハオ「勉強の邪魔になるのでは?」

明華「大丈夫ですよ、多分」

ハオ「また無責任なことを……」

ネリー「中入ろうよ。お風呂入りたいな」

ハオ「そうだね、雪道歩くのに疲れたし」

明華「では、温泉でガールズトークしちゃいましょう♪」





京太郎「勉強頑張ってくださいかぁ……思いっきり痛いとこ突かれた気がするな」

京太郎「……まぁ、風呂入るまでならやってもいいかな」


一太「ここか、ここに彼女が……」


京太郎「……」


一太「行こう、目的を果たしに――」

京太郎「ちょっと待てやこら」グイッ

一太「――ぐぇっ……い、いきなりなにをっ……って、京太郎?」

京太郎「なんでお前がここにいるんだよ」

一太「君の方こそ、どうしてここに……まさか!」



一太「ネリーちゃんにその毒牙を……!」

京太郎「違うから、全っ然違うから」

一太「くっ、やはりここに来ておいて正解だったか」

京太郎「一太、お前の方こそやましい理由があるわけじゃないよな?」

一太「やましくなんかない! ただ……ネリーちゃんの浴衣姿を一目見られれば……」

京太郎「ストーカーかっ!」

一太「う、うるさい! 君が竹井さんにしてたことに比べれば全然だよ!」

京太郎「ばっか! そこに触れられたら何も言えなくなるだろうが!」

一太「ならいいだろ。ぼくはあくまでひっそりと見守りたいだけなんだよ」

京太郎「……せいぜい捕まらないようにな。そういや、よくここがわかったな」

一太「よくわかったもなにも、メールに旅館の名前が書いてあったからね」

京太郎「あ、たしかにお前も見てたな」

一太「そういうことさ」

京太郎「はぁ……じゃあ俺は帰るわ」



一太「……待て!」


京太郎「あん?」

一太「ぼくはまだ君がここにいる理由を聞いていない」

京太郎「そんなのただ遊びに来ただけだっての」

一太「遊びに……? まさか!」


一太「ネリーちゃんがいる部屋に押し入って、大人の遊びを始めようって魂胆じゃ……!」


京太郎「なんっでそうなるかなぁ!」

一太「そうはさせない、ぼくが守ってみせる!」

京太郎「あーもう、俺はこれから帰るとこだっての!」

一太「も、もうすでに目的を果たしたと……!?」

京太郎「だからそんなことはしてねーし考えてもないって!」

一太「くっ、また君を許せない理由が一つ増えたな!」

京太郎「お前はいいから人の話を聞け!」

一太「うるさいっ、観念しろ!」


京太郎「ちっ、付き合ってられるか……!」ダッ

一太「待てっ」

京太郎「言われて待つ馬鹿がどこにいるんだよ!」





京太郎「はぁ、はぁ……くそっ、しつこいやつめ」

京太郎「てかここどこだよ……さむっ」ブルッ

京太郎「まぁ、撒いたんだったらあとは帰るだけか」


『どこだっ、逃がさないぞ!』ガサハサ


京太郎「げっ、まだ諦めてないのかよ……もう走るのダルいな」

京太郎「どこか隠れられる場所は……」キョロキョロ

京太郎「おっ、あそこなら――」


一太「そこかっ」ガサッ


一太「――あれ? ここにいると思ったんだけどな」

一太「……さむっ、とりあえず屋内に避難しよう」



京太郎「……行ったか」

京太郎「ふぅ……さすがに木の上にいるとは気づかなかったか」

京太郎「我ながら見事な機転だな」

京太郎「しかしここって……露天風呂、だよな?」

京太郎「ここからじゃ丸見えだな、これ」

京太郎「誰もいなくて良かったよ……」


――カラカラ


京太郎「ん?」





ネリー「誰もいないのかな? ネリーの一番乗りだね」

ネリー「広いなぁ、けっこういいかも」

ネリー「……さむっ」ブルッ

ネリー「早く湯船入ろ」チャポン


ネリー「はぁ~、気持ちいいなぁ」

ネリー「ミョンファもハオも早くこっちに来ればいいのに」

ネリー「……いいね、ここは。平和でさ」

ネリー「日本にいたらネリーもふやけちゃいそう」

ネリー「それもこれも、キョウタロウのせいだよね」

ネリー「……甘えていいなんて言うからさ」





京太郎「誰か入ってきたと思ったらあいつかよ……」

京太郎「てかこの状況、まずくないか?」

京太郎「早いとこ退散しないと――」ミシッ


京太郎「なんか、今、やな音が……」ミシミシッ


――バキッ


京太郎(マジかよっ……!!)


京太郎「のわぁあああああっ!!」


――バシャーン!





ネリー「……」

京太郎「……」

ネリー「~~っ」カァァ

京太郎「ま、待てっ」ガシッ

ネリー「むぐっ」

京太郎「違う、事故だ。落ち着いて話を――あだっ」

ネリー「むー、むー!」ジタバタ

京太郎「ええいっ、おとなしくしろ……!」ググッ

ネリー「むー!」





京太郎「――ということなんです、本当に覗きじゃないんです……」

ネリー「……信じられない」ジトッ

京太郎「そこをなんとか……!」

ネリー「でも、実際裸を見られちゃったし」

京太郎「うっ」

ネリー「強引に押さえつけられて……レイプされるかと思っちゃった」

京太郎「た、たしかに誤解させても仕方ない状況ではあったけど……」


京太郎「……はぁ、わかった」

京太郎「わざとじゃないとはいえ覗く形になったことはたしかだし、無理やり押さえつけたこともたしかだ」

京太郎「煮るなり焼くなり好きにしてくれ」


ネリー「ふぅん、潔いね」

京太郎「できれば温情的措置を期待する」

ネリー「んー、どうしよっかなぁ?」



ネリー(でも、よくよく考えたらチャンスかも)

ネリー(今のキョウタロウはネリーの言うことに逆らえないし)

ネリー(なら……)


ネリー「ねぇ、キョウタロウ」

京太郎「なんだ?」

ネリー「将来のことって、なにか考えてる?」

京太郎「考えて……はいるけど、決めてはいないな」

ネリー「じゃ、じゃあ……ネリーと一緒に――」


『こっちは……露天風呂ですか』

『雪を見ながらお風呂なんてロマンチックですねぇ』


京太郎「やばいっ、誰か来る……!」

ネリー「こ、こんなとこ見られたら……!」

京太郎「おい、そんなに慌てたら――」

ネリー「あっ――」ツルッ


京太郎(正座してる俺に対して、滑って縦に一回転しながら突っ込んでくるネリー)

京太郎(俺も男子高校生だ。トラブって顔面騎乗とか考えなかったわけじゃない)



――ゴシャア!


京太郎(だけど現実は非情なもので)


ネリー「あいたたた……キョウタロウ?」


京太郎(トラブって繰り出されたのは、鼻っ柱へのかかとの一撃だった)


ネリー「ち、血が……だ、大丈夫?」

京太郎「な、ナイスヒール……」ガクッ

ネリー「キョウタロウ? キョウタロウ!」


京太郎(鼻から止めどなく血が流れていくのを感じつつ、意識は薄れていく)

京太郎(そして湯煙は血の香りとともに……)


明華「おやぁ? なにやら大変な状況なのでは?」

ハオ「……どうするんですか、これ」





京太郎「うっ、ここは……」

ネリー「キョウタロウ!」ギュッ

京太郎「ネリー? ああ、そういや風呂でお前の一撃くらって……」

ネリー「大丈夫? 痛いとこない?」

京太郎「んー、血も止まってるし大丈夫じゃないか?」

ネリー「よかったぁ」


ハオ「起きましたか」

明華「お目覚めみたいですね」


京太郎「ここって、お前らの部屋だよな?」

ハオ「あの後、気づかれずに運び出すのに苦労しましたよ……」

明華「私的には貴重な体験でしたけどね」ポッ

京太郎「……そういや、いつのまにか着替えさせられてるな」

ハオ「濡れた服のままにしておくわけにはいきませんしね」

明華「きゃっ♪」

京太郎「あー、なんかすまん」

ハオ「盛大に鼻血を出していただけで、重大な怪我はないそうです」

京太郎「そうか」



ネリー「……ホントにごめんね」

京太郎「ありゃ事故だよ」

ネリー「今度はネリーが慰謝料払わなきゃダメなのかな?」

京太郎「そうだな……じゃあ、これでチャラってことにしとこうぜ」

ネリー「……それでいいの?」

京太郎「んー、ならあそこで言いかけたこと、最後まで聞かせてくれよ」

ネリー「えと、それは……」tラッ


ハオ「少し、席を外しましょうか」

明華「え、気にな――きゃっ」

ハオ「行きますよ」グイッ


――パタン



京太郎「言いたくないか?」

ネリー「ううん、あのね――」


ネリー「ネリーがサカルトヴェロに帰るときに、キョウタロウも一緒に来て欲しいな」

ネリー「今まで誰にも甘えられなくて、そうすることも忘れてて」

ネリー「なのに、キョウタロウはネリーにあんなこと言うんだもん」

ネリー「責任、取ってよ……」ギュッ


京太郎「ネリー……」


京太郎(そうか、生涯賃金の半分って……)

京太郎(そんなわけないって思ってたんだけどな)


京太郎「ネリー、俺は――」


メグ「カチコミデース!」バターン


京太郎「……」

ネリー「……」

メグ「オヤ? この微妙な空気は一体……」

智葉「……アホか」ハァ





アレク「いやー、いいね。日本の温泉は」

京太郎「三人しか来ないって聞いてたんですけどね」

アレク「私も今日の昼まではなんにも知らなかったんだよ」

京太郎「はぁ、それで話を聞いてここまで来たと」

アレク「思い立ったが吉日だったっけ?」

京太郎「まさにその通りの行動してますね」


ネリー「結局メグもサトハも来たんだ」

智葉「監督に話したらそういう流れになってな」

メグ「ラーメントークが効きマシタ」

智葉「いや、それはない」

ネリー「はぁ……こんなんだったら最初っから監督に相談すればよかったかも」

明華「ところで」

ネリー「なに?」

明華「二人きりで何話してたのか気になってたりするんですけど」

ハオ「あなたはまだそれを……」ハァ

ネリー「途中でメグが入ってきてうやむやになったんだけどね……でも」


ネリー「生涯賃金の半分はいきなりだったから、まずはお給料の三ヶ月分からもらおうかなって」



終・了!
甘い息には屈しませんでしたよ

てなわけで安価取りたいんですけど人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです
基本的に数値が低い人のほうが上がり幅がでかいです


ED確定
大星淡
天江衣
桧森誓子
姉帯豊音
三尋木咏
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ


福路美穂子
宮永照


松実玄5
真屋由暉子2
白水哩2
竹井久


宮永咲5
清水谷竜華3
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり
石戸霞


滝見春5
園城寺怜5
片岡優希4
薄墨初美3
鶴田姫子3
龍門渕透華2
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一
石戸明星


本内成香5
臼澤塞5
上重漫5
岩館揺杏5
雀明華5
東横桃子4
狩宿巴3
弘世菫3
辻垣内智葉3
高鴨穏乃3
蒲原智美3
ハギヨシ3
小瀬川白望3
鷺森灼2
新子憧2
津山睦月2
花田煌2
針生えり2
郝慧宇2
部長
内木一太
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
戒能良子
高久田誠
鹿倉胡桃
十曽湧


愛宕洋榎2
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

そんじゃお好きなキャラをどうぞ

53分まで

締切

割ってきます

コンマ


照:1-27
玄:28-36
美穂子:37-54
ゆみ:55-63
由暉子:64-72
久:73-81
マホ:82-90
哩:91-00

ゾロ目:?


直下

照来た……!

というわけでラリホーマくらってきます
おやすみなさい

代わりに説明ありがとうございます……!

こっちの意図を正確に述べるなら、何らかの表の名前横の数字は同レベル内での経験値みたいなものです
一定値に達したらレベルアップみたいな
まぁ、行き当たりばったりな展開と数値管理に起因する調整です


それはともかくとして、次の話のために安価を取ります

長野と東京のどちらか一つ


下5まで

コンマ

長野:5で割って余りが1と2
東京:それ以外


直下

長野ですね

それじゃ、次は照とクリスマスの話です
失礼します

おやっす!

というわけでもうじき始めます

んじゃ、始めます



・三年、冬、聖なる夜の修羅場


京太郎「久ちゃん、今日は何の日かわかるか?」

久「天皇誕生日?」

京太郎「そう、多分将来的には平成の日とかになるんだろうな」

久「どうかしらね? だって昭和の日が残ったのはゴールデンウィークの都合だと思うし」

京太郎「たしかに。それだったら代替わりするたびに祝日が増えてくもんな」

久「その内、一年中休みになったりね」

京太郎「それは魅力的だな」

久「はいはい。で、何が言いたいわけ?」

京太郎「ああ、つまりだな……」


京太郎「一年に一度しかない、しかも将来的には祝日ではなくなるかもしれないこの日を大切にしよう!」


京太郎「って思うんだよ」

久「なるほど、いい考えね」

京太郎「だろ?」

久「感動的だわ」

京太郎「そうだよな、だったら――」

久「でも無意味ね……はいこれ、次は英語ね」

京太郎「せっかくの休日が勉強で潰されていくっ!」





京太郎「あ~う~」

久「三時……ちょっと休憩にする?」


「はいはーい、差し入れ持ってきたわよー」


久「ありがとうございます」

「勉強見てもらってるんだし、これぐらいはね。あ、それともお邪魔だった?」

久「大丈夫ですよ。二人きりになりたかったら、そういうところに行きますから」

「きゃっ、大胆!」

京太郎「……うっさいよ」

「あら、生きてた」

京太郎「死んでてたまるか」

「しっかり頑張りなさいね。あ、しっぽりの方がいい?」

京太郎「知るか! 早くもの置いて出てってください……」

「それじゃあ後は若い二人でね」パタン



久「なんか相変わらずね」

京太郎「もうちょっと落ち着いててもいいと思うんだけどな……」

久「楽しそうでいいんじゃない? 両親そろってるしね」

京太郎「あー、またコメントしづらいこと言うなぁ」

久「冗談よ」

京太郎「しかしな……」


京太郎(よくよく考えりゃ、久ちゃんも照ちゃんも境遇が似てんな)

京太郎(両親が別れてて、母親の方について行って)

京太郎(いや、界さんたちはまだ離婚してはいなかったか)



久「なに?」

京太郎「世の無常さに思いを馳せてた」

久「そっちより現実の無情さに目を向けたほうがいいんじゃない?」ピラッ

京太郎「うっ」

久「もうちょっと偏差値ほしいわね」

京太郎「これでも上がったほうだと思うんだけど」

久「判定もいいとこDでしょ?」

京太郎「あんまり模試受けてないからわかんないけどな」

久「というわけで、休憩終わったらテストいってみますか」

京太郎「言うと思ったよ!」

久「ボーダーは合計で八割ね」

京太郎「高すぎね?」

久「大丈夫よ、小テストみたいなものだし」

京太郎「いやぁ、きついっす」

久「はいはい、とりあえず地理歴史からね」





京太郎「お、終わった……」

久「もうこんな時間……小テストでも全部やると時間かかるわね」

京太郎「ブッ倒れてもいい?」

久「私は帰るからご自由に」

京太郎「ん、なら送ってく」

久「ありがと」





久「ここまででいいわ」

京太郎「部屋まで送らなくてもいいのか?」

久「送るって言ったって二階だしね。それに、部屋に上げちゃいそうだし」

京太郎「散らかってる?」

久「今日は私一人なの」

京太郎「あ、はい」

久「じゃ、気をつけて帰ってね」

京太郎「ああ、またな」

久「……京太郎」

京太郎「ん?」

久「明日さ……やっぱいいや」

京太郎「いや、気になるんだけど」

久「いいから帰る!」ドン

京太郎「うおっ」

久「それじゃ、また明日」

京太郎「あ、ああ……」


京太郎(ん? 明日って言ったか?)

京太郎(……まあいいや、特に予定ないし)





京太郎「ふぁ……おはよ」

「あら、珍しく早起き」

京太郎「早起きったって、もう八時だろ」

「最近、休みの日は昼前まで寝てることもあるでしょ」

京太郎「……それもそうか」

「ご飯食べる?」

京太郎「うん」





京太郎「ごちそーさま」

「今日は?」

京太郎「予定なし」

「寂しいわねぇ」

京太郎「受験勉強で忙しいし?」

「休みの日はあまりしてないでしょ。今日土曜日だけど?」

京太郎「うっ」

「たまには家でっていうのもいいんじゃない?」

京太郎「そうだな……まあ、なんか手伝うよ」

「あ、じゃあご飯前にケーキ買ってきてくれない?」

京太郎「楽勝だね」


――ピンポーン


「あら、こんな時間に……はいはーい」タタタ



京太郎「なんだろ、宅配かな?」

京太郎「こんな早くからご苦労様だな」

京太郎「まぁ、顔でも洗うか」


「京太郎、お客さんよー」


京太郎「へ?」



「やあ、久しぶり」

京太郎「界さん?」

界「いきなりで悪いんだけど、ちょっと一緒に来て欲しいんだよ」

京太郎「もしかして、一大事ですか?」

界「ああ、そうなんだ……」

京太郎「わかりました、いま用意してきます」

界「すまない、俺が不甲斐ないばかりに……」


京太郎(一大事……もしかして咲になにかあったのか?)





京太郎「で、この車どこ向かってるんですかね?」

界「長野駅だね」

京太郎「一大事ってのは」

界「あいつが、帰ってくるんだ」

京太郎「……まさか、しばらく会ってない別居中の妻が帰ってくるから緊張してるなんてことないですよね?」

界「いや、緊張はしてないんだ……ただ、余裕がなくて照の相手ができるか不安で」

京太郎「それ同じことだから! てか照ちゃんも来るのか……」

界「娘のことは任せたよ」ポン

京太郎「おい父親」


京太郎「はぁ……それで咲は? そもそもならあいつを連れてこれば良かったんじゃ」

界「あいつは部活に顔を出すって」

京太郎「えぇ? 家族が来るのにですか?」

界「元々は明日の予定だったんだ。急に早まってね」


京太郎(そういやまこっちゃんの店でなんかやるって言ってたな)

京太郎(どうも受験勉強してるからって遠慮されてる節があるよな、最近)

京太郎(……寂しいぜ)ホロッ



京太郎「そういうことなら、付き合いますよ」

界「頼んだ。今日この一日で冬休みがどうなるか決まるんだ」

京太郎「つまり、冬休み中はこっちにいるってことですね」

界「ああ……」


京太郎(なんかすっごい重大なことを任された気がするけど、照ちゃんに付き合えばいいだけだよな?)

京太郎(にしても、こっちにいるってことはあれだよな、久ちゃんとも顔合わせる機会があるかもってことか)

京太郎(そして、勉強のために俺は頻繁に会っていると)

京太郎(……やばい、やな予感がしてきた)


界「どうした、まるで浮気がバレそうな男みたいな反応して」

京太郎「そんな馬鹿な」

界「限りなく黒に近いグレーってところか」

京太郎「そんな馬鹿な」

界「ま、自由があるうちに楽しんでおくのもありかもな」

京太郎「……そうかもですね」


京太郎(てかこの人、まさか浮気が原因で別居してるんじゃないだろうな)





界「ひ、久しぶり……元気してたか?」カチンコチン


照「……」


照(お父さん、すごい緊張してる)

照(夏に私と会ったときはそうでもなかったのに)

照(そういえば、咲いないんだね)

照(一日早まったからしょうがないかな)


京太郎「お、いた」

照「えっ」

京太郎「界さん走ってくんだもんな。やっと追いついた」

照「……」

京太郎「照ちゃん?」

照「……こっち」グイッ

京太郎「うおっ」





照「……」ツカツカ

京太郎「ちょっ、どこまで行くんだよ」

照「……」パッ

京太郎「到着か? あんまり人いないとこに来たけど――」


照「京ちゃんっ」ギュッ


照「京ちゃん京ちゃん京ちゃん……!」ギュウウ

京太郎「ね、熱烈だな」

照「会いたかった、ずっと」

京太郎「時々電話してなかったっけ。にしては今日来るって聞いてなかったけど」

照「会いたかった、ずっと」

京太郎「メールだって結構頻繁に……」

照「会いたかった、ずっと」

京太郎「……はい」





照「……ふぅ、いっぱいくっついた」

京太郎「あんま人いなくて良かったよ」

照「私の作戦勝ち」

京太郎「だからこんなとこまで引っ張ってきたのか」

照「お父さんたちに見られるの、ちょっと恥ずかしかったし」

京太郎「そういえば、黙ってきたけど良かったのか?」

照「あ、そうだ」ピッ


照「もしもし……お母さん」

照「うん、京ちゃんと一緒」

照「わかってる、明日は家にいるから」

照「わかった、それじゃ――」ピッ



京太郎「で、なんだって?」

照「お父さんと話すから今日は好きにしていいって」

京太郎「奇遇だな、俺もしばらく暇なんだよ」

照「しばらく?」

京太郎「今日は家でイブの予定でさ、ケーキ買ってくるように頼まれてるんだ」

照「ケーキ……!」

京太郎「やっぱりそこに食いついたか」

照「いつ、いつ買いに行くの!?」ユサツサ

京太郎「わ、わかった、後で一緒に買いに行こうぜ」

照「善は急げ」グイグイ

京太郎「後でって言ってるだろうがっ」





京太郎「午前中なのに人多いなぁ」

照「お店も開いたばかりなのにね」

京太郎「大体は家族連れにカップル……」


京太郎(街中にカップルが多い理由はあれだろうか)

京太郎(性……じゃなくて、聖夜に向けての下準備ってところか)


照「……えいっ」ギュウウ

京太郎「はは、照ちゃん握力ないなぁ。どうしたよ」

照「あの女の人のこと、じっと見てた」

京太郎「ん? ああ、あの人じゃなくて、あの二人だな」

照「男の人の方も?」

京太郎「もうこんな時期だしな。カップル、目立つよな」

照「私たちも傍から見たらカップルだよ?」

京太郎「……たしかに」

照「じゃあ、こうして……」ギュッ

 

照「腕組んでたら、もっとそれっぽく見えるかな?」

京太郎「これ、実は歩きにくいんだけどな」

照「久しぶりの雪道で転びそう。だから京ちゃんにつかまってる」

京太郎「そういうことならしかたないな」

照「うん、しかたないね」


ゆみ「須賀」


ゆみ「……と宮永照、か?」

京太郎「加治木、こんな朝から奇遇だな」

照「初めまして……じゃないね」

ゆみ「ああ、そのようだ」

京太郎「知り合いだったのか」

照「一緒にポッキーを食べた仲」

ゆみ「同じチームを応援した仲だよ」

京太郎「はぁ、インハイでそんなことが……」

ゆみ「何を言っているんだ?」

照「京ちゃんの試合、一緒に観てた」

京太郎「俺の試合……まさか中学の時のか?」

ゆみ「あの時は名前もなにも知らなかったが」


さて、ぐっすり寝て起きたところで次回へ続きます

ユキがヒロインのWAなんかを考えたりする今日この頃

もう少ししたら始めます

モルボルグレート先生、開幕臭い息はやめてください……

というわけで始めます



ゆみ(そうか、あの時のガッツポーズは彼女に向けたものだったか)

ゆみ(少し恥ずかしい勘違いをしてしまったな)


ゆみ「幼馴染か……お似合いじゃないか」

照「当然」

京太郎「お似合いの幼馴染ってなんなんだろうな」

照「きっとお墓まで一緒っていう意味だと思う」

京太郎「そ、そりゃヘビーだな」

照「……そういえば、この人も京ちゃんの試合見に来てたんだよね」

京太郎「そうだけど」

照「違う学校の人だったんだよね?」

京太郎「そうだな」

照「……私の見てないところで声かけたんだ」ジトッ

京太郎「なんでそうなるかな」

照「……」プイッ



京太郎(ヘソ曲げちゃったよ……腕はホールドされっぱなしだけど)

京太郎(だが、手がないわけじゃない)ゴソゴソ


京太郎「おっと、ポケットの中にポッキーの箱が」

照「――っ」ピクッ

京太郎「照ちゃんと食べようと思ってたけど、今はそんな気分じゃなさそうだしな……」

照「くっ……」プルプル

京太郎「そうだ、加治木。一緒に――」

照「た、食べたい……京ちゃんと一緒に」

ゆみ「……なにをやっているんだ、君たちは」





ゆみ「実のところ、声をかけたのは私なんだ」

照「むっ」

京太郎「そうだっけ?」

ゆみ「あまりに必死にプレーしているから、気になったんだ」

照「ダメ」グイッ

ゆみ「いや、君から引っペがそうとしているわけじゃない……ただ、青春というものが羨ましかったんだ」

京太郎「お前も麻雀にのめり込んでたろ」

ゆみ「やってみたんだよ、誰かを見習って」

京太郎「そうか、ならその誰かさんに今度飯でも奢ってやったらいいんじゃないか?」

ゆみ「よく言う……ところで、試合に誘ってきたのはそっちだったな、たしか」

照「京ちゃん、やっぱり……」ジトッ

京太郎「えーっと、そうだったっけ?」





ゆみ「じゃあ、私はそろそろ」

京太郎「誰かと待ち合わせか?」

ゆみ「ちょっとモモたちと」

京太郎「お前ら仲いいなぁ」

ゆみ「そっちほどじゃないさ」

照「京ちゃんどうしよう、夫婦に見えるって」テレテレ

ゆみ「いや、そこまでは言ってない」

京太郎「ま、まあ……また今度な」

ゆみ「ああ」





照「結局、加治木……さんとはなにかあったの?」

京太郎「またストレートに聞いてくるな」

照「気になる」

京太郎「色っぽい話はなんにも。ただ……恩人だな」

照「恩人?」

京太郎「色々落ち込んでるときに、連れ出してくれたんだよ」

照「……そうなんだ」


照(落ち込んでる時って、きっと……)


京太郎「なんで照ちゃんが落ち込んでるんだよ」ポン

照「だって……」

京太郎「……色々あったけどさ、今は一緒に居られるだろ」

照「うん、そうだね」



『おーほっほっほ! これだけプレゼントを買えば今夜は安泰ですわ!』

『うわ、これ全部今夜中に?』

『当然ですわ』

『うちの人数と比べて多すぎないかな?』

『何を言いますの! 大は小を兼ねる、ですわ!』

『たしかに少ないよりはマシだけどさ……とりあえず、車に置いてくるね』


照「なんだろ、あの人たち」

京太郎「さぁ、なんだろうな……とりあえずここを離れようぜ、疾く疾く」


透華「おや、そこにいるのは……」


京太郎「げっ」

照「?」

透華「やっぱり!」

京太郎「ひ、人違いじゃないかなー?」

透華「いいからこちらを向きなさいっ」グイッ



京太郎「……どーも」

透華「私を馬鹿にしていますの?」

京太郎「そんな、滅相も」

透華「まったく……最近はろくに顔を出さないし」

京太郎「これでも受験生だからな?」

透華「うちに来るならその必要もありませんわ」

京太郎「そうは言うけどよ……」


照「ねぇ、この人は?」


透華「あなたは……まさか、宮永照?」

照「どうも、初めまして」ペコッ

透華「こちらこそ、龍門渕透華ですわ」

照「いつも京ちゃんがお世話になってます」

透華「……どういう関係なんですの?」

京太郎「どういうも、おさなな――」

照「恋人です」

透華「はぁっ!? どういうことですの……!」ギリギリ

京太郎「ちょっ、締まってる締まってる!」





透華「とにかく、これは我が屋敷の使用人ですわ。認めません」

京太郎「これ呼ばわりとか」

照「そっちが認めなくても事実は変わらない」

京太郎「だから、そもそもそれがおかしいだろ……」

透華「生憎と所有権はこちらにありますわ」

京太郎「人権どこいった」

照「そんなの関係ない」

透華「つまり、腕ずくで奪っていくと?」

照「そうとってもらっても構わない」

透華「その度胸だけは認めてあげますわ」

京太郎「……」


京太郎(二人共人の話を聞かない上に、なんだか雲行きが怪しい……)

京太郎(……ここはあれしかないか)



京太郎「――あんなところにスーパーのどっちの限定フィギュアが!!」


透華「――!?」バッ


透華「どこ、どこにありますのっ!」キョロキョロ


京太郎「よし、行くか」

照「スーパーのどっち?」

京太郎「でまかせだ。今のうちに離脱しようぜ」

照「うん」ギュッ


透華「どこにそんなものが……あら?」


一「透華ー? 荷物置いてきたよ」

透華「ムッキー! してやられましたわ!」ダンダン

一「うわぁ」





京太郎「ふぅ、追って来る気配はないな」

照「使用人って?」

京太郎「あいつの家でバイトしてるから、その流れで言ってるんだろ」

照「そのまま就職?」

京太郎「どうだろうな……照ちゃんはプロになるんだっけ」

照「うん」


京太郎(そういやプロの弟子の見習いなんだっけ、俺)


京太郎「俺はなにも決めてないよ。こんな時期なのにな」

照「たしかにみんな慌ただしくしてるね」

京太郎「一応は受験勉強もしてるんだけどな」

照「意外だね。旅にでも出るんじゃないかなって思ってた」

京太郎「それいいなぁ」

照「ついて行ってもいい?」

京太郎「照ちゃんはプロになるんだろ」

照「そうだった……」



美穂子「えっと、材料はこれで足りるかしら?」


京太郎「お、みほっちゃん」

照「福路美穂子」

京太郎「知ってるのか」

照「京ちゃんこそ……しかも呼び方」ボソッ

京太郎「ちょっと声かけてくるか」

照「あ、待って」



京太郎「よっ、買い物帰り?」

美穂子「あ、京太郎さん」

照「……」ムスッ

美穂子「それと……宮永、照さん?」

照「……どうも」

京太郎「二人は知り合いなのか?」

照「インターミドルとインターハイで何度か」

京太郎「そっか、そういうつながりだったか」

美穂子「あの、お二人は――」

照「妻です」

美穂子「はぁ、妻ですか……えっ、妻!?」

京太郎「おい、さっきよりグレードアップしてないか?」

照「キスもした」

美穂子「き、キスも……」

照「その先も……」ポッ

美穂子「そ、そんな……」

京太郎「あー、照ちゃんちょっとこっち来ようか」グイッ

照「あうっ」



京太郎「いくらなんでもホラ吹きすぎだ」

照「ダメ、あの女は危険」

京太郎「危険? みほっちゃんに限ってそんな」

照「その呼び方。ちゃん付けなんてほとんどしないよね」

京太郎「だから危険ってなんだよ」

照「だって胸も大きいし……」

京太郎「……あのさ、まさか照ちゃんが言う危険って」

照「あの女はとにかくダメ。ダメったらダメ」

京太郎「そ、そこまで言うか……」



美穂子「……」シュン

京太郎「みほっちゃん、さっきのは照ちゃんの冗談だからさ」

美穂子「本当、ですか?」

京太郎「俺が嘘言ったことあるか?」

美穂子「……いっつも冗談言ってからかってきますよね?」

京太郎「あれー?」

照「京ちゃん、行こ」クイクイ

京太郎「そんな急かすなよ」

美穂子「急いでます?」

京太郎「いや、そういうわけじゃない。用事ったってケーキのお使いぐらいだしな」

照「そういうわけで私たちは忙しい」

京太郎「また説得力に欠けることを……」

美穂子「ケーキ……もし良ければ、私が作りますけど――」


照「ケーキ、作れるの?」ガシッ



美穂子「は、はい……一応は」

照「……」クンクン

美穂子「きゃっ、な、なんですか?」

照「たしかにそれっぽい匂いがする」

京太郎「犬かよ」

照「利きシャンプーもできる」

京太郎「いや、知ってるけどさ」

照「とにかく、さっきのは訂正する。お菓子を作れる人間に悪い人はいない、きっと」

京太郎「照ちゃんも判断基準が大概あれだよな……」


京太郎「みほっちゃん、頼んでもいい?」

美穂子「はい、任せてください」





京太郎「ケーキ、ありがとな」

美穂子「いいんです。材料費は出してもらいましたし」

京太郎「にしたって普通に買うよりは安上がりだけど」

美穂子「私にもメリットはありますから」

京太郎「そうか? なら立派なギブアンドテイクだな」

美穂子「はい、おいしく食べてくださいね」


照「……」





照「やっぱりあの女は危険」

京太郎「意見が一周回って戻ってきたな」

照「でもケーキには感謝しないと」ホクホク

京太郎「あれだけつまみ食いしたんだからもう十分じゃないか?」

照「あれはまた別腹」

京太郎「別腹の別腹とは恐れ入るな……」


京太郎「……うち、来るんだろ?」

照「うん、ケーキ食べたいし」

京太郎「それだけか?」

照「……カピちゃんたちにも会いたいな」

京太郎「おう」


久「あれ、ちょうど帰ってきたとこ――」




久「……なんでその女がいるわけ?」

照「……それはこっちのセリフ」


京太郎(……アカン)


照「用事がないならどこか行って。私たちは京ちゃんの家に行くから」

久「奇遇ね。私も行き先が一緒なの」

照「はっきり言うと邪魔」

久「また奇遇ね。同意見よ」

照「……」

久「……」



京太郎「ま、まぁ……とりあえず家に向かわないか?」

照「京ちゃん、この女は邪魔だよね?」

京太郎「いや、別に」

久「だって」

照「むっ……鍵かけて閉め出すからいい」

久「合鍵持ってるんだけどね」チャラ

照「……ズルい、私も持ってないのに……!」

久「ま、ここ数年で色々あったしね、色々」

照「きょ、京ちゃん……」プルプル

京太郎「あー、もういいから行くぞ」





京太郎「……」

照「……」

久「……」


「まさかこんなことになるとはねぇ」

「浮気がバレた男、みたいなことになってるじゃないか」

「修羅場ね、修羅場」

「クリスマスイブにやらかすとはたいしたもんだ」


京太郎(……外野、うるせぇ!)



久「あなたは久しぶりなんじゃない? この家」

照「そうでもない。九月に一回来たし」

久「私は最近、けっこう入り浸ってるんだけどね」

照「勉強の邪魔になってる」

久「教えてるの私だから。一緒の大学行く予定だし」

照「……京ちゃん、本当?」

京太郎「一緒に勉強してるのは本当だ」

照「大学は?」

京太郎「受けるけど、行くかどうかは未定だな」

照「わかった……つまり、いやいや勉強させられてるってことだよね」


京太郎(あながち外れてない!)



久「根拠は?」

照「京ちゃん、学校の勉強嫌いだから」

久「……それはそうね」

照「だから、あなたが無理強いしてる」

久「ふぅん……でも、本当に嫌なら絶対やらないと思うんだけど?」

照「ぐっ、たしかに……」


京太郎(やっぱ口じゃ久ちゃんには敵わないよな)

京太郎(不毛だし、終わらせるか)


京太郎「いい加減なんか食べようぜ。ケーキもせっかくみほっちゃんが作ってくれたし」

久「え、これ美穂子が?」

照「なかなかの腕前だった」

久「……京太郎、デレデレしてたでしょ」

照「うん、あの女は危険」

久「そこには賛成ね」

京太郎「また妙なとこで結託したなぁ」





京太郎「ごちそうさま」

照「ごちそうさまでした」

久「ごちそうさまでした」


京太郎「俺は片付け手伝うから、適当にくつろいでてくれ」


照(って)

久(言われたけど)


照「……」

久「……」


照(絶対無理……)

久(無理よね、これ)



「キュッ?」


照「カピちゃん」

久「カピじゃない」

照「むっ」

久「あら?」


「キュッ」トコトコ

照「ふふ、前に会った時よりちょっと毛が伸びたかな?」

「キュ~」スリスリ

久「……普通に懐いてるのね」

照「前は、よく来てたから」

久「でしょうね」


久「ほら、ここ撫でられるのが好きなのよね」ナデナデ

「キュッキュッ」

照「……知ってるんだ」

久「一日世話してたこともあるしね」

照「……私も撫でる」





「京太郎、あれ見て」

京太郎「ん?」


久「この子の毛、ごわごわしてないから触り心地がいいのよね」

照「もふもふしてる」

「キュー」


京太郎「……なんだ、仲良くできるんじゃん」

「喧嘩するほど仲がいい、仲良きことは美しきかな」

京太郎「つまり?」

「喧嘩は美しい! なんちゃって」

京太郎「色んな注釈とか例外をすっ飛ばした結論だな、それ」

「カピに感謝しときなさいよ?」

京太郎「わかってるよ」





「キュ……」ウトウト


京太郎「もう遅くなってきたな……二人共、帰るなら送ってくぞ」

照「ううん、泊まってく」

久「へぇ、なんの荷物も持ってなかったみたいだけど?」

照「あ、そういえばお母さんに預けっぱなしだった」

京太郎「ならしかたないな」

照「家に荷物を取りに行けば……!」

久「いや、ここはおとなしく帰りなさいよ」

京太郎「そうしたほうがいいな」

照「……わかった」ムスッ





久「雪、降ってきたわね」

照「朝には積もってそう」

久「うちは関係ないけどね」

照「……ありがとう」

久「なによ、いきなり気持ち悪いんだけど」

照「こっちもあなたにお礼を言うなんて吐きそう」


照「でも、京ちゃんを支えてたのはあなただと思うから」

照「あなたがずっと妬ましかった。けど、あなたがいなければきっと京ちゃんは私に声をかけてくれなかったから」

照「だから、そのお礼」


久「……そういう見方もあるのね」

照「もう二度と言わない」

久「そう……じゃあ私も」


久「あいつが私についてきてくれたのは、多分あなたのおかげ」

久「太陽だの女神だのってうざったいけど、あなたがいなかったらきっと入学式の時、声かけてこなかっただろうから」

久「だから、ありがとね」



照「……気持ち悪い」

久「でしょ? もう二度とやらないから」

照「そうして」

久「私たち、敵同士だしね。不倶戴天ってやつ」

照「お礼は言ったけど、それとこれとは別だから」

久「わかってるわよ」

照「ならいい」


京太郎(なんて会話が聞こえてくるんだけど)

京太郎(多少仲良くなってるように見える、なんて言ったらぶん殴られるかな)

京太郎(……ま、ああいう関係もありなのかもな)





京太郎「じゃあ、またな照ちゃん」

照「うん、京ちゃんも」

久「ほら、さっさと家に入りなさいよ」

照「そんなの私の勝手」

久「寒いんだけど」

照「知らない」

久「京太郎も同じよ?」

照「京ちゃん、うち寄ってく?」

京太郎「いや、久ちゃん待たせてさすがにそれはな」

久「というわけで、ここからは二人きりね」

照「むっ……あ、そうだ」


照「京ちゃん、クリスマスプレゼント」グイッ

照「――んっ……それじゃあね」


京太郎「……」

久「……」

京太郎「ま、まあ……大胆なプレゼントだったな」

久「やってくれたわね……」ギリッ

京太郎「……さ、帰ろうぜ」

久「今からホテル行く?」

京太郎「いやいやいやいや」



というわけで終了

安価取りたいんですけど、人いますかね?

それじゃ、一応何らかの表です
一番上のグループはほぼエンディングが確定
あとは数字が高い順にエンディングに近いです
同じ数字でも上の方がエンディングに近いです
基本的に数値が低い人のほうが上がり幅がでかいです


ED確定
大星淡
天江衣
桧森誓子
姉帯豊音
三尋木咏
神代小蒔
ネリー・ヴィルサラーゼ
宮永照


福路美穂子



松実玄5
真屋由暉子2
白水哩2
竹井久


宮永咲5
清水谷竜華3
原村和
杉乃歩
エイスリン・ウィッシュアート


瑞原はやり
石戸霞


滝見春5
園城寺怜5
片岡優希4
薄墨初美3
鶴田姫子3
龍門渕透華2
小鍛冶健夜
染谷まこ
小走やえ
獅子原爽
妹尾佳織
国広一
石戸明星


本内成香5
臼澤塞5
上重漫5
岩館揺杏5
雀明華5
東横桃子4
狩宿巴3
弘世菫3
辻垣内智葉3
高鴨穏乃3
蒲原智美3
ハギヨシ3
小瀬川白望3
鷺森灼2
新子憧2
津山睦月2
花田煌2
針生えり2
郝慧宇2
部長
内木一太
メイド
松実宥
井上純
荒川憩
愛宕絹恵
熊倉トシ
佐々野いちご
原村恵
加治木ゆみ
夢乃マホ
南浦聡
久保貴子
メガン・ダヴァン
野依理沙
赤坂郁乃
福世恒子
アレクサンドラ・ヴィントハイム
戒能良子
高久田誠
鹿倉胡桃
十曽湧
宮永界


愛宕洋榎2
江口セーラ
藤田靖子
池田華菜
末原恭子
沢村智紀
吉留未春
文堂星夏
深堀純代
南浦数絵
二条泉
赤土晴絵
真瀬由子
村吉みさき
渋谷尭深
亦野誠子

お好きなキャラを……と言いたいところですが、小蒔以外の永水女子からひとりどうぞ


1分まで

締切
割ってきます

コンマ

初美:1-20
明星:21-30
春:31-70
霞:71-00

ゾロ目:?


直下

というわけで次回のメインはシロ、エイスリン、はっちゃんです

それじゃ、沈みます

こんばんは!

もうちょっとしたら始めます

国広くんの誕生日は一回やってるからなぁ……

それはともかくとして、単純にボリュームありそうなんで途中できる可能性大です

んじゃ、始めます



・三年、冬、親戚の親戚が身近な人であった場合


白望「ダル……」グデッ

胡桃「シロ、さっき休憩したばっかなのにもう!」

白望「というか寒いよ……コタツで勉強しない?」

塞「そうしたいのはやまやまなんだけどね」

エイスリン「コタツ、ダメ、ゼッタイ」

豊音「暖かくて眠くなって抜けられなくなること間違いなしだよー」

白望「……まいったなぁ」

胡桃「あと一時間、みんな頑張るよ!」





白望「ダル……」グデッ

胡桃「もう、それ二回目」

塞「今日一日で見たらもっと言ってると思うけどね」

豊音「んー、いっぱい勉強したよー」ノビー

エイスリン「ベンキョー、オシマイ?」

塞「そうだね、もう暗いし帰ろっか」

白望「よし帰ろう」シュバ

塞「はやっ」

豊音「はやりん?」

胡桃「こんな時ばかり準備早いんだもんね」

エイスリン「ヤルキモノ?」

塞「多分帰ったら怠けるからナマケモノでいいんじゃないかな?」

豊音「二回に一回は休みだね!」

白望「うーん、この扱い」





胡桃「結局、うちの麻雀部ってどうなっちゃうのかな」

塞「私らが卒業したら人いなくなっちゃうし、どうにもね」

豊音「そっかー、なくなっちゃうんだ」シュン

エイスリン「サミシイ……」シュン

白望「……そもそも、内輪だけでやってたような集まりだったしね」

塞「そうそう、だから後輩の子らも入りにくかったんじゃないかなーって」

白望「でも、また春から来る新入生たちは違うんじゃないかな?」

胡桃「もしかして、私たちの活躍を見た子達がってこと?」

白望「なんにしても、私たちがやったことは残らなくはない……と思う」


白望「……以上、ダルかった」



塞「とか言って、照れてるだけだよね」

胡桃「うん」

白望「……ダル」

豊音「あ、顔赤くなってる」

エイスリン「スナオジャナイ?」

白望「寒いだけだから」プイッ

豊音「山の方は雪積もり放題だもんね。真っ白だよー」

塞「ただの照れ隠しだと思うけど……たしかに降ったね」

エイスリン「Hmm……ニホン、ユキオオイ」

豊音「きっとうちの周りはすごいことになってるんだろうなぁ」

胡桃「トヨネは明日実家の方に帰るんだよね?」

豊音「うん、お正月が終わるまではお父さんや村の人達と一緒かな」

胡桃「やっぱり戻るよね。あ、エイちゃんは向こうに帰るの?」

エイスリン「エット……」カキカキ



エイスリン「コトシハ……コレ!」バッ


塞「この絵……もしかして須賀くんと?」

エイスリン「ウン……イッショ」テレテレ

豊音「私も親戚だったらなぁ」

白望「こっちに来るんじゃないの?」

豊音「えっ、ほ、本当かなっ」

胡桃「こっちにってあの人が?」

白望「だってこの前、大晦日がどうこうって言ってたし」

胡桃「エイちゃん、どうなのそこらへん」

エイスリン「トリマ、ナガノイキマス」

胡桃「じゃあ岩手に来るって感じじゃなさそうだね」

豊音「そっかぁ……まあ、仕方ないよね」

塞「というかとりまって……どこで覚えてきたの?」

エイスリン「ベンキョーシタ」

塞「う~ん、教材に問題ありかぁ」


白望(……ならなんだったんだろう、あれ)



豊音「塞たちは?」

塞「私たちはいつも通りって感じかな」

胡桃「大晦日は親戚で集まって、初詣はまた三人だね」

白望「あ、そういえば今年は初詣無理」

塞「えっ、まさか彼氏が……!」

胡桃「ふ、不潔だよっ」

白望「なにそのダルい勘違い……」

塞「だって理由考えたらさ」

胡桃「じゃあどういうことっ?」

白望「年末年始は鹿児島に行くって母さんが」

胡桃「そっか、家族で行くんだ」

エイスリン「カゴシマ……ナツ、イッタ?」

豊音「永水のみんなと一緒に遊んだよね」

塞「向こうに親戚がいるってことかな?」

白望「そうみたいだね。母さんの方の縁らしいんだけど」

塞「まぁ、そういうことならしかたないね」

胡桃「今年は二人寂しくだね」

塞「なんかそう言うと他に友達いないみたいだよね……」





京太郎「おう、明日、長野の駅でな」

京太郎「はは、心配すんなって。なにかあったら助けに行くよ」

京太郎「ああ、じゃあまたな」ピッ


「ラブコールは終了か?」

京太郎「ラブコールって……当日の段取りの確認な」

「こっちで一泊するのよね? エイスリンちゃんはどんな子なのかしら、楽しみ~」

京太郎「写真は見たことあるよな、たしか」

「見せたな、たしか」

「だってぇ、気になるじゃない! うちのお嫁さんになるかもしれないのよ?」

京太郎「うわー……」


京太郎(あんまりうちの母親を紹介したくない……)


「寝る場所は京太郎の部屋でいいな」

「そうね、そうしましょ」

京太郎「年頃の男女を同じ部屋に寝せるとか正気かあんたら!」

「大丈夫だ、多少の音だったら気にしない」

「あ、ご近所迷惑にならないぐらいには抑えてね?」

京太郎「そういう問題じゃないぃっ!」





エイスリン「ナガノ、トウチャク」

エイスリン「キョータロ……」キョロキョロ


京太郎「だれか探してるのか?」


エイスリン「――!」

京太郎「ちゃんとここまで来れたんだな、えらいぞ」

エイスリン「トヨネ、オシエテクレタ」

京太郎「そういや何回かこっち来たことあるな、姉帯も」

エイスリン「ガクサイ?」

京太郎「それもあったな」

エイスリン「Hmm……I'm jealous」

京太郎「羨ましいってか……つっても今年のは終わっちゃったしな」

エイスリン「How about next year?」

京太郎「いや、今年度で卒業なんだよ」

エイスリン「……」シュン

京太郎「こっちの大学にいくんだろ? そこの学祭に呼んでくれよ、行くからさ」

エイスリン「ウン……Dreams need no cost」

京太郎「いやまぁ、そうだろうけどさ……そんな落ち込むなよ」

エイスリン「……ンッ」バッ

京太郎「なんだ、ハグか?」

エイスリン「……」コクコク

京太郎「挨拶だよな、たしか」ギュッ



京太郎「……」

エイスリン「……」ギュウウ


京太郎(ちょっと長すぎるような……)


京太郎「エイスリン?」

エイスリン「……」パッ

京太郎「長いハグだった――」グイッ

エイスリン「――ンッ」


――パシャッ



エイスリン「How sweet……」ウットリ

京太郎「……やってくれるな」

エイスリン「サクセン、セイコウ!」

京太郎「ふりか、落ち込んでたのは」

エイスリン「イヤダッタ……?」

京太郎「んなわけないだろ……ただ」


「いやぁ、よく撮れた! ベストショットじゃないか、このキスシーン」


京太郎(一番の問題はあそこでカメラもってはしゃいでるうちの親父だよな……!)


京太郎「ちょっと、親父をなぐって……いや、話し合ってくる」グッ

エイスリン「ケ、ケンカダメ」

京太郎「心配すんな、男は拳と拳で語り合うこともあるんだよ」





「「ただいま」」


「あらおかえりなさい……って、頬腫れてるけどどうしたの、二人共」

京太郎「ちょっと話し合いがこじれて」

「ウソ言うな。最初っから喧嘩腰だったろう」

「なに? 二人で殴り合いでもしたの?」

京太郎「クロスカウンター……いや、あれはただの相打ちだな」

「まったく、せっかく記念写真を撮ってやったというのに」

京太郎「消してくれって言っても消してくれないからだろっ」

「エイスリンが欲しいって言ったらしかたないだろ?」

京太郎「ぐっ……」

「あ、そうよ! エイスリンちゃんは?」

「ああ、そうだな。遠慮してないで入ってきてもいいぞー」


エイスリン「オ、オジャマシマス……」オズオズ



「あなたがエイスリンちゃん?」

エイスリン「ハ、ハジメマシテッ」

「こちらこそ、初めまして」

エイスリン「フツツカモノデスガ……」ペコッ

「まぁ、不束者ですって!」

京太郎「いや、時々変なふうに日本語覚えてるのとかあるから」

「でもぉ……」


「京太郎のこと、ラブなんでしょ?」ボソッ

エイスリン「――っ」コクコク

「かわいいわねぇ……」


「さ、上がって上がって」グイグイ

エイスリン「ア、ハイ」

「早速お昼作っちゃうわよー」


「気に入られたみたいじゃないか」

京太郎「俺が女の子連れてきたらいっつもあんな感じじゃね?」

「このプレイボーイめ」

京太郎「うるせっ」





京太郎「ごちそうさまでした」

エイスリン「ゴチソウサマデシタ」


「見事に完食ねぇ、作った甲斐があるじゃないの」

「エイスリン、おいしかったか?」

エイスリン「エビトオサカナ、マジヤバデシタ」

「そうかそうか、うまかったらしいぞ?」

「きゃっ、そんなに褒めないでよっ」

京太郎「てかまた妙な日本語覚えたな……」

「いいじゃないか、スラングってのは一種の文化だからな」

京太郎「ま、俺も綺麗な言葉遣いってわけじゃないしな」


「拙者の名は京太郎でござる」ボソッ



京太郎「なっ、あんたまだそれ覚えてたのかよっ」

「こら、父親に向かってあんたとはなんだ」

「えーなになに? 何の話?」

「初対面のエイスリンに向かってのこいつの自己紹介」

エイスリン「サムライカトオモッタ」

「ふふっ、そういっておどけて警戒心を解く作戦だったんでしょ。このこのー」グリグリ

京太郎「あーもう、何とでも言えっ!」


「はははっ、いくらなんでもそりゃ深読みしすぎだよ」

「わかんないわよー? 天然でやってる可能性だってあるんだから」


京太郎(本当にこの両親は……! くそっ)

京太郎(そもそもあれは英語であって実際にそう言ったわけじゃないっての!)

京太郎(……でも今日の料理、明らかにエイスリンのために用意したものだよな)

京太郎(俺に対してはうっざい親たちだけど、誰か連れてきたらちゃんともてなしてくれるし)



「あ、エイちゃんって呼んでもいーい?」

エイスリン「ゴズイイニッ」

「仲良い友達からもそう呼ばれてるみたいだしな」


京太郎(……まぁ、いい親ってやつなんだろうな、多分)


「そういえばさっき撮ったっていう写真、見られる?」

「お、そうだな。見てくれよ、このベストショット」

「どれどれ……きゃっ、大胆!」


エイスリン「……」カァァ

京太郎「……」


京太郎(やっぱりうぜぇ!)





京太郎「まったく、あの親たちは……」

エイスリン「チョットハズカシカッタ」

京太郎「ほっとくと調子乗るから遠慮しないで言っとけよ?」

エイスリン「ウウン、タノシイカラ」

京太郎「そうか?」

エイスリン「キョータロ、タノシソウ」

京太郎「それは違うぞ」


京太郎「しかし、特にやることもないな」

エイスリン「Hmm……ベンキョー、トカ?」

京太郎「勘弁してください」

エイスリン「ネングノオサメドキ?」

京太郎「そんな殺生な!」

エイスリン「ジャア、アソブ?」

京太郎「遊ぶかぁ……」



京太郎(ゲームはあるけど、エイスリンはやんなさそうだし)

京太郎(トランプとかは……まあ無難か)


エイスリン「ヨイショ」ポスッ

京太郎「……なぜベッドに移動?」

エイスリン「プロレスゴッコ?」

京太郎「あー、やばい。それはやばい」

エイスリン「ニホンノカップル、ヨルニスルッテ」

京太郎「うんそうだな、だけどまだ昼過ぎだからっ」

エイスリン「ヨルジャナイトダメ?」

京太郎「それもいろいろ問題あるんだけど……」


「ちょっと待ったぁ!」バターン



京太郎「ちょっ、親父!?」

「間に合ったようだな……」

京太郎「い、いきなり人の部屋のドア開けてなんだよ」

「おっぱじめる前にちょっと買い物を頼まれて欲しくてな」

京太郎「おっぱじめないから!」

「デートのついでに夕飯の買い物をするというプラン、良くないか?」

京太郎「もはや買い物はおまけじゃねぇか!」

「これ、買い物のリスト。あと一万円」ピラッ

京太郎「……わかったよ、どうせ暇してたし」

「じゃ、頼んだぞ」



「あ、予算内だったらゴムを買っちゃってもかまわないからな?」


京太郎「はぁ!?」

「薬局やコンビニには置いてると思うから、頼んだぞー」パタン


京太郎「……くそ、ふざけてんな!」

エイスリン「Shopping?」

京太郎「まぁ、提案自体は悪くないからな……行くか?」

エイスリン「Yeah!」


エイスリン「トコロデ、ゴムッテ?」

京太郎「それには触れなくていい」

エイスリン「Hmm……」





京太郎「こんなとこか」

エイスリン「ンンッ、Too heavy!」

京太郎「無理に持とうとすんな」ヒョイ

エイスリン「Oh! キョータロ、チカラモチ」

京太郎「男と女の違いだろ」


京太郎「買い物終わったし、帰る前にどこか寄り道するか?」

エイスリン「オモクナイ?」

京太郎「肩にかけれるから心配すんな」

エイスリン「オニク、ノミモノ、ヤサイ、ソース、スパイス、コナモノ……アレ?」

京太郎「ん?」

エイスリン「コンビニ、イク?」

京太郎「別にかまわないぜ」





エイスリン「Hmm……」キョロキョロ


京太郎「……何探してるんだ?」

京太郎「大抵のものは置いてあると思うけど……」


エイスリン「キョータロ、Come here!」


京太郎「なんだなんだ?」

エイスリン「ゴム、コレデイイ?」

京太郎「ゴムって……まさか!」


『超薄型ゴム、まるで生のような付け心地!』


京太郎「……これ、探してたのか?」

エイスリン「ウ、ウン」

京太郎「何に使うとかは……」

エイスリン「――っ」カァァ

京太郎「知ってるっぽいな」

エイスリン「コレ、カイテアッタカラ……」



『コンビニか薬局で売ってるゴム、1000円ぐらいの』


京太郎「……こんな端っこに小さく書かれたの、よく見つけたな」

エイスリン「カイワスレタ?」

京太郎「んなわけないだろ」


京太郎(あの二人は……!)


エイスリン「……イッショニツカウ?」

京太郎「いやいや、それこそ奴らの思うつぼだから」

エイスリン「……」シュン


京太郎(なんで残念そうな顔するかなぁ)


京太郎「出るぞ」グイッ

エイスリン「アッ、ゴム……」

京太郎「それはもういいからっ」





誠(突然だけど高久田誠だ)

誠(クリスマスも寂しく過ごし、正月もそうなりそうな予感がする今日この頃)

誠(ぶらりと出かけた先で、俺は伝説の一端を垣間見たんだ)


京太郎『――――――』

エイスリン『――――――』


誠「あれ、須賀先輩と……外人さん?」

誠「なんだっけな、どこかで見た覚えが……」

誠「にしても、先輩たちが見てるのって……コンドームだよな?」

誠「ってことは、今夜あの二人は……」

誠「くぅ~~っ! さすが先輩! 外人さんもお手の物なんて!」

誠「いいなー、俺もあやかりたいなー」

誠「おっと、インハイで見かけた伝説の男スレに投稿しないと」





「おかえりなさーい、ちゃんと買ってきてくれた?」

エイスリン「デモ、ゴムハ――ムグッ」

京太郎「なんでもない、一応確認してくれよ」

「どれどれ……うん、ちゃんと揃ってるわね」

京太郎「リスト通りだよな?」

「なにか気になる?」

京太郎「いや、犯人は見えた」

「犯人? なになに、なにか事件?」


「お、ようやっと帰ってきた」


「買い物デート、楽しんできたか?」

京太郎「ちょっと、外」クイッ

「父さんに相談か? よし、ドンと来い」

京太郎「いいから早く」

「そう急かすなよ」パタン


「なにかしらね?」

エイスリン「Well……オヤコノカタライ?」

「男同士でしか話せないことなのね……あ、もしかしてエイちゃんのことだったり」

エイスリン「ワタシ?」

「今夜どう迫ればいいのかー、とか」

エイスリン「ガ、ガンバリマスッ」

「さ、じゃあ夕飯作りに取り掛かりますか。手伝ってくれる?」





「「いただきます」」


京太郎「いって! ……しみる」

「あいたたた……汁物がつらい」

「またぁ? 仲良いのはわかるけど、エイちゃんが心配してるわよ?」

京太郎「悪いのは親父だから」

「ほんの遊び心じゃないか」

京太郎「エイスリンが信じるとこだったんだよ!」

エイスリン「ケンカ、ダメッ」

「はいはい、冷めないうちに召し上がってね」

京太郎「はぁ……まぁ、そこまで目くじら立てることでもないか」

「ちょっとふざけすぎたな……後でひと箱買っておいてやるよ、近藤さん」

京太郎「だからそれはもういいっての!」





エイスリン「……」カキカキ

「キュッ」

エイスリン「Hold still」

「キュッ?」

エイスリン「ウゴカナイデネ?」

「キュッキュッ」コクコク


京太郎「あ~もう……」


京太郎(疲れた……)

京太郎(親父め、覚えてろよ)


エイスリン「So tired? ダイジョブ?」

京太郎「なんというかさ、余裕が保てない相手って疲れるよな」

エイスリン「Weak point?」

京太郎「そう、そんな感じ……カピの絵は?」

エイスリン「コレ」パッ

京太郎「おー、先生はデフォルメがうまいな」



「お風呂、入れるわよー」


京太郎「風呂沸いたってよ。入ってこいよ」

エイスリン「イチバンブロ、イイノ?」

京太郎「ゲストの特権ってことで。うちは順番にそれほどこだわんないしな」

エイスリン「ン、OK」


「あら、一緒に入らないの?」

京太郎「どうして一緒に入るのが既定路線みたいに言うかなぁ」

「同じ部屋に寝るんだし、雰囲気盛り上げとけばいいじゃない」

京太郎「雰囲気って……は? 同じ部屋?」

「あれ、言ってなかったっけ?」

京太郎「……そういや言ってた。本気だったのか」

「ほら、物置いたりなんだので空いてる部屋ってないじゃない」

京太郎「そりゃそうだけど……ってかさ、俺はここのソファで寝るからいいって」

「それはエイちゃんと話し合ってね」

京太郎「わかった、そうする」





エイスリン「Nah!」

京太郎「えぇ」

エイスリン「キョータロ、ワタシノコトキライ?」ウルウル

京太郎「だからさ、嫌いとかそういう問題じゃないんだよ」

エイスリン「ハジメテノトキハ……」ポッ

京太郎「一緒のベッドで寝たけどそれだけでしたよねっ」

エイスリン「ジャア、コンドモOK?」

京太郎「くっ、過去の事例があるから……!」


京太郎「……エイスリンはベッドで俺は床の布団な。いいか?」

エイスリン「Nah! ドウキン!」

京太郎「俺にできる譲歩はここまでだ。ダメならソファで寝る」

エイスリン「Hmm……キョータロ、イジワル」

京太郎「意地悪じゃなくてお互いのためだ」


京太郎(ぶっちゃけ、今は我慢できる自信がないし)


エイスリン「……ワカッタ」

京太郎「よし、じゃあ俺も風呂入ってくるよ」





京太郎「それじゃ、電気消すぞ」

エイスリン「……」スンスン

京太郎「エイスリン?」

エイスリン「No problem、モーマンタイ」

京太郎「そうか?」パチッ


エイスリン(キョータロの匂い……)スンスン

エイスリン(なんか、ドキドキしてきちゃう)


京太郎(……ファブっときゃ良かったかな?)

京太郎(女の子だし、男臭いのは気になるよな)

京太郎(まぁ、今更か)


エイスリン「ンッ……」モゾモゾ

京太郎「ふわぁ……」



エイスリン(どうしよう、寝られなさそう……)ドキドキ


京太郎「……zzz」

エイスリン「……」チラッ


エイスリン(もう、寝ちゃった)

エイスリン(ちょっとお話したかったのに……)ムスッ


エイスリン「……キョータロ?」

京太郎「――zzz」


エイスリン(本当に寝てる……)

エイスリン(……寝てるなら、わからないよね?)ゴソゴソ


エイスリン「オジャマシマス……」ペラッ

京太郎「――zzz」

エイスリン「ンッ……キョータロ、so warm」スリスリ

ここで唐突にコンマ判定

高ければ高いほどいい感じです

あれ、直下指定してなかった……

まぁ、ここまででゾロ目あるんでそれでいきます



ゾロ目 京太郎とエイスリン、トラブる



京太郎「へへ、おもちおもちぃ……」ムギュッ


エイスリン「――っ!?」


エイスリン(キョータロ、私のお尻を……!?)


――モミモミ


エイスリン「ンンッ……!」ビクン


――ムニュムニュ


エイスリン「Na, Nah……ダ、ダメッ」ビビクン


――グニィ


エイスリン「~~~~っ!!」ビクンビクン


エイスリン「ハァ、ハァ……」グッタリ



エイスリン(す、すごかった……)

エイスリン(……本当に寝てるんだよね?)


――ピトッ


エイスリン(なにか、ふとももに……)

エイスリン(硬い……なんだろう?)サワサワ


京太郎「うっ……」ピクン

エイスリン「――っ」

京太郎「……zzz」


エイスリン(これってもしかして、キョータロの……)カァァ

エイスリン(……)ドキドキ

エイスリン(ちょっとだけなら、いいよね?)ゴソゴソ



――ボロン


エイスリン(暗くてよく見えないけど……熱くて硬くて、大きい)サワサワ

エイスリン(これが……)ギュッ


京太郎「んっ」ビクン


エイスリン(痛かったかな?)ニギニギ

エイスリン(じゃあ、こうしたら……?)シュッシュッ


京太郎「くぅっ」ビクンビクン


エイスリン(すごい脈打ってる……)ドキドキ

エイスリン(……じゃあ、これなら)ハムッ



京太郎「~~っ、な、なんだっ?」ガバッ


エイスリン「ン……」ハムハム

京太郎「……へ?」

エイスリン「ンンッ……キョータロ?」トロン


京太郎(なんでエイスリンが俺のを……じゃなくて!)

京太郎(てかやばい、もう……!)


京太郎「え、エイスリンっ、離れろっ」

エイスリン「?」

京太郎「もう……ぅあっ」





京太郎「……」ゲッソリ

エイスリン「~~♪」ツヤツヤ


「あら、エイちゃんご機嫌ね」

「京太郎は逆に疲れてるみたいだな」

京太郎「なんでもない。ちょっと眠れなかっただけだから……」

エイスリン「……」ポッ

「ふぅむ」

「なるほどねぇ」

「アレだな」

「アレね」



「「昨夜はお楽しみでしたね」」


京太郎「な、なんもなかったし」

「わかってるわかってる、皆まで言うな」

「鹿児島でお赤飯ご馳走してもらう?」

京太郎「ええい、やかましいっ。俺しばらく寝てるから!」


エイスリン「……カゴシマ?」クビカシゲ

「私の方の親戚が向こうにいるの」

「最近は年末年始はそっちの方に行ってるな」

エイスリン「イッタコト、アリマス」

「そうか、麻雀部のみんなとか?」

「あ、そうだ。白望ちゃんも今頃向かってるんじゃないかしら?」

エイスリン「シロ?」

「聞いてなかったんだ。じゃあ、着いてからのお楽しみね♪」


というわけでエイスリンパート終了……長かった
もう全体の半分入ってんじゃないかって雰囲気ですけど、どうなるかはわかりません

キリがいいのと眠いんでお暇します

ナニを具体的に言ったわけじゃないので健全なはず
障子を突き破ってもいないし
ただゾロ目が出ると色々暴走することもあります

これでエイスリンはエンディング確定です

それじゃ、おやすみなさい


これは安価取らなくても久や美穂子回とか割り振られてそうだな

乙です
今回は初美、シロ、エイスリンだから全体の半分じゃなく1/3な気が

>>970
今回は特別です。血縁関係が優遇されてます

>>974
他の二人は多分エイスリンほど長くはならないという意味です
エイスリン分だけで他の話ひとつ分ぐらいありますからね

さて、次スレの安価取りたいんですけども人いますかね?

んじゃ、キャラを絞っています

それじゃ、この中から一人どうぞ

チカセン
豊音
はっちゃん
シロ


下5まで

チカセンで了解

それじゃあ立ててきます
埋めるのはしばし待ってください

ほい、次スレ

京太郎「俺が三年生?」誓子「えっちなこと……しても、いいよ?」
京太郎「俺が三年生?」誓子「えっちなこと……しても、いいよ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474557431/)


こっちは埋めちゃってください
1000に関してはいつも通りで

1000ならハーレムエンド

あ、向こうで本編進めます

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