男「釣りガール?」 (41)


男「あー…なんか聞いたことある」シャッシャッ

友「おう、そうだったか。なんか釣り業界も山ガール見て流行らしたいみたいだ」

男「昔見てた釣り番組とかで永浜いりあさんとか児島玲子さんとかいたね」

友「その人らは多分違う需要だと思う…なっ!」シャッシャッ

男「で、その釣りガールがどうしたん?」シャッシャッ

友「多分流行らないよなって話」

男「確かにな…ルアーとかフライとかはまだいいとして、ゴカイやらイソメやらミミズやらのハードルがおなごには高そうだ」



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友「あ、でも」

男「何?」

友「エギングなら行けそうじゃね?」

男「あー…腕結構疲れるの除けば確かに」シャッシャッ

友「だけど」チラッ

おじさん「……」シャッシャッ

お兄さん「……」シャッシャッ

友「隣を見ても野郎ばかり」シャッシャッ

男「釣りに関しちゃ女の子がいなくてもいいな、俺」

友「俺はいてくれてもいいかな…!」

男「そうかい」

友「あ、きた」グッ

男「お、マジ?」

友「あ、ちいせぇなこれ多分」イートーマキマキイートーマキマキ

男「この時期だかんな」

友「あ…」

クサフグ「ナニスンダコノヤロウ」ピチピチ

男「んふっ…」

友「笑うな!」

友「二度と釣られるなよー」スッ

クサフグ「チクショウメェ!」ポチャン



友「あーあ…やっぱり時期が早すぎたかな」

男「まあしょうがないな。明るくなって来たし、また今度来よう」

友「おう」

男「今日はシャクリの練習だな」シャッシャッ

友「そーだな……うおっ!?」ズシッ

男「お?」

友「今度こそ……」カリカリカリカリ

男「またクサフグと見た」

友「やめて!見えてきたぞ」

男「これは…」

アイゴ「……」ピチッ

友「あぁ…ごめん…」

男「ふっ…」

友「笑うな!二度と釣られるなよ!」スッ

アイゴ「……」ポチャン

1週間後

アジ「くそう」ピチピチピチピチ

男「(おおー釣れる釣れる。やっぱりこの時期はサビキだな)」

男「(日が出てきたし、そろそろ帰るかー……ん?)」

女「……」スッ

男「(女の子、珍しいな。彼氏の連れ添いかなんかか?)」

女「……」スッ

男「フカセか……」

女「?」

男「え、あっ、いや、何でもないです!さよなら!」ダッ

女「……何だったのかな」

男「いきなり独り言とか変質者だよな……気を付けよう」





翌日

友「釣りガールを見た!?」

男「見た」

友「どんな子だ?……ばあちゃんとかナシだぞ!」

男「普通にかわいい子だったぞ。俺たちと同い年くらいの」

友「羨ましいな。俺も会ってみたいもんだ」

男「いつもの防波堤で見たし、通ってればいつか出会えるかもな」

友「だといいな」

先生「そろそろホームルーム始めるぞー席つけー」

先生「今日は良いニュースと悪いニュースがある」

先生「悪いニュースは今朝、俺の『雪見だいふく』を生物の北川先生が一個盗っていった。許せない」

友「そりゃ許せないわ…」

男「全くだ」

先生「良いニュースは時期外れの転入生だ」

エエーッ! ザワザワ

先生「はい静かに。じゃあ入ってきてくれ」

ガラガラ

転入生「……」

男「……」

友「イケメンっつーか、男前だな」

先生「じゃあ、軽く自己紹介を」

転入生「S県から来ました、転入生です。前の学校では剣道やってました。よろしくお願いします」

クラスメイトの女1「ヤバイ!超かっこいい!」コソコソ

クラスメイトの女2「TOKIOの長瀬とか玉山鉄二とかそっち系?」コソコソ

クラスメイトの女1「あーわかるわかる!」コソコソ

先生「席は、右奥のあそこな。委員長、机運ぶの手伝ってくれ」

委員長「はい!」

男「俺の後ろじゃん」




男「よう」

転「よ、よろしく」

男「俺、男っつーんだ。部活は軟式テニスね」

転「へー、そうなんだ」

友「なー!趣味は?」

転「趣味?うーん…ボルダリングとか?」

友「うお!かっけぇ!」

クラスメイトの女1「前の学校で彼女いた!?」

クラスメイトの女2「長瀬に似てるって言われない!?」

転「うあ、えっと…」

先生「おい、騒ぎすぎ。今からお前たちの自己紹介もするから」




友「あー友です。今年の目標は…何だ…身長伸ばすことです」←166cm

男「男っす。趣味は釣り!座右の銘は乾坤一擲です」


隣のクラス生「転入生とな」

その隣のクラス生「ほあー…男前」

転「……///」

その日 放課後

友「部活行くかー」

男「そだな」

転「あ、男君、武道場ってどこか教えてくれないかな?」

男「おーいいよ。つーわけで、少し遅れる」

友「オッケー」




男「ここ、どう?海と『ジャスコ』じゃなかった、『イオン』以外なんにも無いんだ」

転「前の所は都会だったから、逆に新鮮だよ」

男「そんなもんかい?あ、そういえばなんで今の時期に転校してきたんだ?」

転「よくある話だよ。親の仕事の都合で祖父母の家に預けられることになったんだ」

男「へー、大変だな」

転「うん。今回は祖父母の家に居候だからしばらく転校しないと思う」

男「そりゃよかった。あの赤い屋根の体育館の裏っ側ね」

転「ありがとう」

部活終了時間

男「はー疲れた。この時期の日差し一片の情けも無い」

友「ホントそれ」

男「さっさと帰ろう」





転「あ、男君、友君」

剣道部「本当だ。おーい!」

男「よう」

友「お前らも帰りか」

剣「おう。それはそうと、転はすごい逸材だぞ!侍だ!武士だ!我が剣道部も安泰だ!」

転「そ、そんなことないよ」

剣「あの足さばきと振りの速さ、お前らにも見せてやりたかったよ」

男「ほほう。明後日の剣道楽しみにしていよう」

友「俺の互角稽古の相手に転がならないことを祈ってるよ…」

転「なんか恥ずかしいな…」

剣「あまり謙遜されると俺の立場が消失するってもんだ」

転「ご、ごめん!」

男「謝んなくっていいって。この人高校から始めたペーペーだから」

剣「剣の道に入るのはいつでも遅いということはないぞ。お前たちもどうだ?」

友「俺たちはにわたまがあるから…」

転「にわたま?」

男「テニスのことね」




七浜釣具店前

転「ここなんだ、おじいちゃんの家」

男「マジで!?ここ俺たちよく来るよ!」

友「割引してくれ!割引!」

剣「なんてセコいやつらだ」

友「お前も釣りを?」

転「小学生の頃はやってたけど、あとは剣道ばかりやってたかなぁ…」

男「今度いこうぜ!」

転「うん、わかった。じゃあねー」

剣「おつかれさん」





男「いやーあいつ普通にイイヤツだなー」

友「七浜釣具の御曹司だしな」

剣「何が御曹司だよ」

友「あ、そういえば今日部活の時に篠原に聞いたんだけど、1年にも転校生来たらしいぜ」

男「珍しいな」

剣「あ、それ多分の転の妹だぜ」

男「妹いるんだあいつ」

友「あんな男前でイイヤツの妹だからさぞカワイイんだろうなぁ」

男「そうかもな」

剣「お前、そんなんばっかだな。あ、じゃあ俺はこっちだから」

男「おう!」

友「またな」

男「今日の『Mステ』誰だっけ?」

友「んー…わかんね」

友「おい。海」

男「海がどうした……おー夕焼けだな」

友「なー、明日の部活終わってから行かねーか」

男「ん。何を狙いますか旦那」

友「適当に小アジ釣って、それ生き餌にしてなんか釣ろう」

男「それ大好き」

友「じゃあ決まりな」

次の日

男「あちー…」

友「し、死ぬ…今日の部活はマジで死ぬ…」

男「あと1時間半…」

友「言うな…時間を…言うな……っ!」



1時間半後

男「しゃーっ!終わったぞ!一旦家帰って4時半に七浜釣具な」

友「おっけ!」

七浜釣具店

友「こんちゃーす」

男「アミブロック1/8切り下さーいって…転?」

転「いらっしゃい」

友「ありゃ、バイトか?」

転「おじいちゃんは海へ瀬渡しに、おばあちゃんは町内会のフラダンスに行っちゃって…店番だよ。はい、250円ね」

男「ありがとう」

友「俺はサビキの仕掛けを…」

転「ありがとうございまーす」

男「じゃな、頑張れよ~。釣れたら見せびらかしに来るわ~」

友「クジラでもなんでも釣ってくるぜ」

転「楽しみにしてるよ」

防波堤

男「あちぃ…」

友「そして釣れねぇ…群れいねーのかな」

男「……一旦海入ったり?」

友「やめよう。後で後悔する」

男「……もう少し暗くなったら来るかね」





男「ん、あっ!あの子だよ!こないだ言ったの」

友「釣りガールか!?」

男「こっち歩いてきてるな」

友「本当に釣りガール…でも竿とか結構ガチだな」

男「そうなんだよ。こないだなんてフカセやってたぞ」

友「おお…」

女「……」カチャカチャ

男「……」

友「……」

友「話しかけてみろよ」コソコソ

男「無理だよ。事案だよ」コソコソ

友「そりゃ都会の話だろ?ここなら大丈夫だって」

男「いやあ、俺はちょっと……」

友「チキン」

男「俺を、誰にも、チキンとは呼ばせない」

友「よし、行け」

男「くそ~俺が昨日の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』見たの知ってたな~」

友「お前単純だかんな」

男「あ、あのー…」

女「はい?あ、こないだの…」

男「そうです。こないだはすんませんした」

女「全然気にしてませんよ?」

男「ありがとうございます…この辺の人、すか?」

女「はい、最近越して来まして」

男「あ~そうだったんすねぇ~」

女「はい…」

男「……」

女「……あ、釣れましたか?」

男「全然っす、小アジ釣りに来たのに」

女「私もです。晩ごはん豪華にしようと思ったけど、そっかぁ…今日は潮が悪かったのかなぁ…」

男「残念すね……あっ、すいません長々と。失礼しまっす」

女「はい、頑張りましょうね」

男「はい」





男「あー緊張した…」

友「すごいぞ、口調おかしかったけどよく話してた!」

男「ほっとけ」

男「次お前な」

友「釣りん時にそんな何回も話しかけたら迷惑だろ。常識だろ?」キリッ

男「こ、こいつ……!」

女「……」カチャカチャ



3時間後

男「いやー釣れたな」

友「アジがひーふーみー…えっと、たくさんと、ヒラメが2枚、セイゴが3」

男「ウチの父ちゃん喜ぶなーこれ」

友「ウチもだ。また血圧上がるぜあのジジイ」

男「んじゃ、そろそろ帰るか」

友「おう。釣りガールも先帰っちゃったしな」

七浜釣具店

友「釣れたぞ~」

男「ヒラメだぁ~」

転「すごいね!おめでとう!」

女「あ」

男「あ」

転「あぁ、ウチの妹。さっき波止場であったらしいね」

女「ど、どうも。兄のお友達でしたか」

男「そうなんです」

転「珍しいよ。ウチの妹めちゃくちゃ人見知りするから」

女「余計なこと言わないで」

友「こんな偶然があるだろうか」

男「友、そろそろ帰ろう」グイグイ

友「お、おう。じゃーな転!妹ちゃん!」

転→兄「まいどー」

女「……まいど」




友「何照れてんだ」

男「違うよ、魚の鮮度が落ちたら嫌だから……!」

友「嘘下手だなお前。」

男「うっ……」

自宅

男「ただいまー」

父「おかえり男君」

母「おかえり」

妹「おかえりー」

男「まあまあ釣れたよ」

父「ああ、よかったねぇ。お父さん、晩ごはん腕によりをかけまくるから」

母「お願いね。お兄ちゃんが釣り始めてからウチは本当に魚買うの減ったね」

妹「そうだねぇ。あ、お兄ちゃん、今度マグロ釣ってきて!」

男「マグロはちょっとキツイなぁ」

妹「えー」

男「切り身でいいなら『イオン』で釣ってくるけど」

妹「それ私でも出来るじゃーん」

男「ちげぇねぇ」

母「あぁ、そういえば今日町内会のフラダンスで七浜のおばあちゃんに会ってね、お孫さんがお兄ちゃんの学校に転校して来たって」

男「ウチのクラスに来たよ。昨日ね」

母「あ、そうなの。……そこの妹さん、釣りするらしいわ…チャンスよ!チャンス!」

男「やめて」

妹「えーお兄ちゃん彼女できるのー」

男「バカなこと言うなよ…都会の人だから俺なんか相手にされないよ」

母「また何かから遠のいたわね…」

男「やかましい!」

妹「お兄ちゃん押しが弱いから、お見合いじゃないと無理だよ。……お見合いでもムリ?」

男「ひどい妹だ。非道妹(ひどうと)だ」

父「出来たよ!」

・アジの南蛮漬け 玉ねぎ、ピーマン、人参と新鮮なアジ。酸っぱいタレの味が絶妙
・ヒラメの刺し身 淡白な身にしっかりとした旨味
・アジのなめろう アジの旨味にネギや生姜の薬味が効いている
・ヒラメの煮付け 身はホロホロ。少し甘めの味付け
・セイゴのあんかけ唐揚げ クセの無い身の唐揚げに中華風のあんをたっぷりと
・麦茶 自家製
・ライス 量多し

男「ありがとう」

母「お疲れさま」

妹「おいしそう!」

父「召し上がれ」

次の日 午前

男「暑い……」

友「なんでこんな真夏日に部活などせにゃならんのだ」

男「テニス部に入ったからだよ…」

顧問「喋る元気あんなら声出せお前らァ!」

男・友「ゥエーイ!」




午後

男「やっと終わった」

友「ラーメン食って帰ろうぜ」

男「役場の近くのやつか…あそこ味にブレがあるからな…いいけど…」

友「決まりだな」

男「じゃあ行くか」

友「今日西駐輪場に止めちったから、チャリ取ってくる」

男「そっか」





男「…………」

後輩「あ、先輩。お疲れ様です」

男「よう、今終わりか。なんかやつれてる?」

後輩「吹奏楽部もこの炎天下の中、室内でクーラーも無しに頑張ってるんですよ…今日も何人か具合悪くなる子いたり…」

男「お疲れ様です」

後輩「どもども。ところでこんなところで何を?黒焦げになりますよ?」

男「友待ってるんだよ。一緒にラーメン食い行くから」

後輩「あら、そうでしたか。……私もご一緒していいですか?」

男「珍しいな。全然いいよ」

後輩「ありがとうございます!」

ラーメン店

男「あ、今日当たりだ」ズルズル

友「悪くないな」ズーズー

後輩「美味しいです」ズルズキン

「役場近くのラーメン」
・何故か目玉焼きがのっている
・経費削減?とても薄いチャーシュー3枚
・謎の味付きのり
・今日はストレートで歯ごたえのある麺。ハズレの日はなんだかぬちょぬちょしている
・豚骨ベース。今日は比較的香りが豊か

渋い声の店主「またどうぞ」

男・友・後輩「ごちそうさま」




帰り道

友「俺と男はこっちだから」

男「じゃあな後輩」

後輩「はい!ラーメン、ごちそうさまでした!」




男「お前、後輩どう思う」

友「え?」

男「いいから」

友「礼儀正しいよいこって感じ?お前にすごく懐いてるよなー」

男「そっか」

友「んだよ気になるだろ」

男「いいから」

友「何がいいんだよ!?」

友「気になるな…」

男「なら気にすんな」

友「無茶言うなよ」




いつもの防波堤横道路

友「あ」

男「あ」

友「またあの釣りガー…妹ちゃんだ」

男「今日もフカセ……」

友「ホントに釣り好きなんだなぁ。俺嬉しいよ。ウチの姉ちゃんなんか、余ったゴカイ見せただけで大激怒だぜ」

男「それはお前もどうかと思う」

友「男でもゴカイとか無理なやついっぱいいるし、反省はしてる。ま、でも要は慣れだよな。3組の田中、昔ミミズ触れなかったけど、一緒に釣り連れてったら慣れて針に付けられるようになってたぜ。最初涙目だったけどな」

男「鬼め」



男「ただいま」

母「おかえり」

妹「おかえり~」

男「父ちゃんは?」

母「今日も仕事だって」

男「そっか」

母「昼ごはん、カレーだから」

男「うっ」ギクッ

母「……アンタ、もしかしてどっかで食べてきた?」

男「うっ」ギクッギクッ

母「もう、せっかく作ったのに。ねぇ?」

妹「ねぇ?」

男「連絡すんの忘れてたよ…」


母のカレー

・ナス、オクラの入った夏野菜カレー
・お肉はチキン(もも肉)
・『こくまろカレー』
・『とろけるチーズ』をお好みで入れる


男「ちくしょう、美味しそうなのに…」

妹「じゃあ私遊んできまーす」

母「いってらっしゃい」

男「いってらっしゃーい」ゴロゴロ

母「せっかくの日曜なのに、ゴロゴロして終わるの?」

男「部活で疲れたから…」

母「ゴロゴロなんて老後に死ぬほど出来るから若いうちは外行きな、ホラ」

男「えー理屈になってない」

母「さっさと行く!」

男「はい!」バタバタ


海沿いの道

ミーンミンミンミンミン

男「ちくしょう、こんなに暑いのに。『イオン』でも行って涼むか…友んち行くか…」

男「あ」

女「あ」

男「釣り、ですか?」

女「そうです」

男「釣れました、か?」

女「クロダイ狙ってたんですけど、カワハギが2匹と型の良いアジ4匹でした」

男「あぁ、夏はエサ取りがね」

女「はい、大変です」

男「ですねー……」

女「……」

男「じゃ、じゃあこれで。引き止めてすいません」

女「あ、いえ、どうも……あの!」

男「は、はい?」

女「お兄ちゃ、兄のお友達なんですよね?敬語じゃなくていいですよ。私、後輩なので」

男「そうでしたね、あっ違う、そうだね。わかったよ」

女「そういうことで、さよなら」

男「はい、さよなら」





男「緊張した…2、3度気温下がった気分だ」

男「もう今日は友と遊ぶか……」カチカチ

男「もしもし」

友「あ、男。何?」

男「遊ぼ」

友「すまん家族で出かけてて、今からバンジージャンプすんの」

男「その状況でよく電話出れたな?」

男「図書館でも行くか…」




本日、書庫整理の為、臨時休館を頂きます

男「oh…」

男「兄誘ってみるか…」




七浜釣具店

兄「やぁ、男君」

男「やっほ。この辺慣れた?」

兄「いや、まだあんまり回れてないかなぁ」

男「よかった…今日は俺がこの町を案内しよう」

兄「え?いいの?」

男「餅」

兄「ありがとう!」

2時間後 自宅

男「ただいまー」

母「おかえり。何してきたの?」

男「七浜釣具の兄にここの良さを伝授してきた」

母「あら、やるじゃん」

男「もっと褒めよ讃えよ」

母「若い頃は野山でも町でも駆け回って何でも体験することが1番の褒美になるよ」

男「そんなもんかね」




七浜釣具店

兄「ただいまー」

女「お兄ちゃんおかえり」

兄「ただいま。妹よ、今日は男君に案内してもらってこの町を知ることができたよ!」

女「そう、おめでとう」

兄「女はどう?慣れたか?」

女「ま、まだもうちょっと」

兄「まぁ、ゆっくり慣れていこう」

女「うん…」

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