吉岡沙紀「めっちゃエンターテイメントじゃないっすか!」 (27)

デレマスSSです。

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オーケー。オーケー。

沙紀のインスピレーションはいつだってクールでスマートでクレイジーだ。

うん。でもな、俺は沙紀の支援者であって賛美者でも信者でもない。

支援者だからこそ批判もするし、沙紀のやることを止めようとするんだ。

オーケー?

……うんダメ?

アートを止めることは誰にも出来ない感じ?

うん、じゃあ上司として言わせてもらうな。

これ以上、部屋をアートにしないでくれ。

まあ、沙紀がこういうの好きなのは分かるよ。

沙紀はストリート系のアートが好きだったよな。

誰にも分からない壁の落書き。

やりきってしまえば最高の気分になるだろう。

それがグラフィティってやつだ。

だがな。ここは事務所だ。ストリートじゃない。

ついでに今、沙紀がやっているのはグラフィティでもない。

そうだ。うん、やめろ。

……ところでなにが沙紀をこんなに駆り立てたんだ?

……へぇ、この部屋にポエムが書かれているノートが落ちてたと。

オーケー。オーケー。ポエムを絵にしてもらうなんて作者冥利に尽きるんじゃないかな。

自分の詩が絵に生まれ変わる。こんなに嬉しいことはないだろう。

それでついアートをしてしまったとな。

うんうん。それでこそエンターテイナーでありクリエイターである沙紀だ。

まあ、詩からインスピレーションをもらって描く画家は多い。

シュルレアリスムの画家たちはブルトンの『シュルレアリスム宣言』を貪るように読んで描いたという。

そうかそうか。そのポエムの作者は沙紀にとってのブルトンか……

……なんで光が部屋に入ってきた。特撮の話はしてないんだが。

……1つ付け加えるとブルトンのシュルレアリスムはダダとの対立したことも有名だからな。

うん、最後には和解するんだけどな。怪獣は関係ないぞ。

いいね。今は沙紀と話をしているからな。じゃあな。

さて、そろそろ話をちゃんとしようか。本題だ。

沙紀が今日持ってきた絵の具は普通の絵の具じゃない。

少し高いやつだよな。うん、前にその話は聞いたから知ってる。

刺激が少ないやつなんだよな。

……そうそう。普通の絵の具じゃかぶれちゃうんだ。

うん。こんなに買うなんて高かっただろ。

……ああ、そうか。俺が給料出してるもんな。

うん、わかるぞ。わかるわ。

うん。そうだ。こういうのをボディペイントって言うんだよな。

……うん。ボディペイント。まあ、事務所でやることじゃないよな。

確かに水着を着ているならセーフだ。しかもアートだ。

アートなら許される。だがな。アトリエでやってくれないかな。

ここはアイドル事務所だ。なにかあったら責任を取るのは俺だ。

うん、そうだ。俺の首が飛ぶ。

……そうそう。フライングネックマンだ。

プロデューサーなんて代わりはいくらでもいるからな。

スキャンダルになったら沙紀だってアートが作れなくなるかもしれない。

そのこともちゃんと覚えてくれよ。

うん。そろそろキャンバスさんの話も聞こうかな?

なにか言いたいことがあるか?

藍子待て。

確かにお前の体には凹凸がないかもしれない。

だがな。沙紀がボディペイントしている相手としてキャンバスって言ったんだ。

他意はない。オーケー?

……うん、そうか。沙紀の押しがすごかったんだな。

それでこのポエムを見ていいと思ったから引き受けたのか。

うん。わかるぞ。わかるわ。良い詩だもんな。

まあ、一度はやってみたいって気持ちにはなるかもしれないよな。

俺だって、沙紀みたいなアーティストにアートにされるなら喜んでしまう。

一度やってみたいよな。ボディペイント。

タトゥーは問題だけど、ペイントなら落ちるし。

お洒落な感じになるしな。

うん。ボディペイントなら事務所もオーケー出すぞ。

……今思ったんだけど、腕にペイントするだけだったら藍子は水着にならなくても良かったんじゃないか?

ああ、そうか。ボディペイント用の絵の具って服につくと落ちにくいんだ。

へえ、一応落とすことは出来るけど大変なんだ。

じゃあ藍子の可愛い服についちゃったら大変だもんな。

オーケーオーケー理解。

分かってきた。段々分かってきたからな。

それで沙紀も袖を捲っているんだな。

あっ、なるほど。うん。分かった。

絵の具がついても沙紀にはそれがアートの一部なんだな。

沙紀もお洒落を気にする乙女だもんな。

……えっ、乙女って変だったか?

沙紀は乙女だ。どこぞのニートよりも確実に乙女だ。

俺は沙紀の支援者だからな。それぐらいは分かってるって。

照れられるとこっちが困るからさ。なあ。

……ああ、ビキニは大丈夫。事務所の備品だから。

ちひろさんの服じゃなきゃそんなに言うことないよ。

……あー、響子に管理を任せてあったやつね。

分かった分かった。それね……

いやいや。別に使う予定なかったから大丈夫。

うん。この水着を使わなかった理由か……

まあ、大した理由じゃないんだよ。聞くか?

まあ、少し話を横に置いといて。

藍子、若いんだからもっと食べなきゃダメだぞ。

うん。そうだ。茜ぐらい食べなくてもいい。

けれどしっかり食べるんだ。ちょっと藍子は痩せすぎだ。

そうだ。今度食事に連れてってやるからな。

たくさん食えよ。今までの分もな、食っていいんだ。

食べることはいいことだから。

この前、森久保に杏のビーチドレスを着せて撮影しただろ。

……うん。知ってたか。そうかそうか。

一応あの時、森久保が断固拒否したら別の水着を使おうと思っていたんだ。

……察したか。うん。そうなんだ。藍子。

そのビキニはな。森久保サイズのビキニだったんだ。

うん……そういうことなんだ。

……あはは。確かに。

沙紀が着てたら大変なことになっていたな。

沙紀は結構体が良いからな。

……セクハラ?すまんすまん。つい。

まあ、話はこんなところでいいだろう。

続きは沙紀のアトリエでやってくれよ。

あっ、そうだ。

そのポエムが書いてあるノートは俺に預けてくれ。

後で持ち主を探すから。

響子。ちょっと事務所の片付けを手伝ってくれないか?

沙紀一人でやるのも大変だろうからな。

オーケー。オーケー。ちゃんとお礼はするからさ。

……うん。分かってるって。

ちゃんとしたところに招待するから。

さてと、ほら。取り返してやったぞ。

大事なノートなんだから無くすなって。

机の下にでも置いておこうか?

うん。怒ってないのかって?

まあ、誰にだって不注意はある。

俺だってたまに置き忘れしたりするし、別にな。

次はなんとか出来ない場合もあるからな。

しっかり自分のものは管理しとけってしか言えないな。

ちひろさんに怒られると怖いってだけは付け加えておくけどさ。

まっ、気にするなよ。乃々。


あっ、乃々の詩、俺は好きだ。

なんたって俺は乃々の一番のファンだからな。

おしまい。

痛いじゃねえか!

お前!脛蹴りやがって!

ビーチドレスの恨みだぁ?

ビキニがあったならなんで言わなかっただぁ?

お前はビキニでも拒否しただろうからだ!

お前は良い感じに〆ようとしている時になぁ!

森久保ぉぉぉぉぉ!!!!!!

短いですが終わりです。

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