[安価]古き街の怪奇と日常[ホラー] (188)

夜の帳が街を包み込む

むしむしとした暑い夜は眠れないのか家々には空調の稼働音と起きている人間の気配が満ち満ちている


しかしそれだけだろうか

耳を澄ませば聞こえるだろう。大きな何かが体を引き摺るような重い音が

神経を尖らせば感じるだろう。得体のしれない何かの気配を


電柱の陰に、真闇の中に、壁の隙間に、アスファルトの亀裂に


貴方の後ろに、その足元に


ズズ…ズ、ズズ…ジジ―ジィ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468499191

この旧い街の歴史はとても永い。辿ろうとするならば螺旋を描いて永遠に過去へ伸びているだろう

他の町でこの街を探ろうとしても何も出てこないだろう


―知っているかい?日本でも魔女が集まっていた地があることを―

―知っているかい?日本で邪なる者が召喚されたことがあったことを―


この街は全ての悍ましい噂の出発点

ここは全ての恐ろしい噂が流れ着く地

この街で暮らすのならば恐怖を克服してはいけない

恐怖と共存するのだ


この街に棲むのならば狂気を狂気と切り捨ててはいけない

狂気は正気の一つの側面にすぎないのだ


この街に入るのはチケットが一つだけ必要だ
常識という名の住民票、すぐにシュレッダーにかけられてしまうそれを未来永劫後生大事に抱えているといい

さて長くなった。気取った前置きなど意味を成さない

ここまで読んで戻らないのならば良いだろう。私は楽しませることを誓おう


さ、おいでませ

主人公は
壱.骨董品店のアルバイト
弐.引っ越ししてきた
参.幼き頃よりこの街で生まれ育った

>>7

1

骨董品店「金屋堂」

得体が知れない程に古いこの店で働いている

店員は二人


店主の女性「金屋・操(かなやみさお)」

そして自分「竜胆丸・晶(りんどうまる あきら)」


彼女は今日も木彫りの古めかしい椅子に座りこんで意味深な笑みを浮かべている

澄んだ漆黒のような長髪の黒髪、色白の肌に整った顔立ち、そしてスラっとしたスレンダーな体のライン


この骨董品店においてその姿は日本人形だと言われてもそのまま信じてしまいそうなほどに美しい

そんな女性だ

私はこの店の店主


趣味は怪異物―不思議で奇妙な超常的現象を持つ物―を集めること

この店は儲けよりもそのための手段である。そしてもう一つ


晶「ロスメルター、可愛いよー」


ロスメルタなどと名前を付け、どこぞの部落の崇めていそうな悍ましい木彫りの人形を愛でる彼…うちの従業員の観察だ

彼はコレクターとしてはまだ三流…しかし彼は怪異物を惹きよせ、愛される

あの木彫りの人形は彼だけに幻想を見せ、かれはその人形に恋をしている


それが呪われし品だと知っていながら

それがどのような効果を持つか知ることはなく


盲目的に愛を囁くその姿は傍から見れば狂人か廃人にしか見えない

もっとも、私からすればその姿すら愛おしいコレクションなのだが

ロスメルタ「」ニッコリ

晶「可愛いなあロスメルタは」ナデナデ

操(怪異物を本当の少女のように可愛がっている。本当に奇妙な光景だ)クスクス

晶「どうしました?操さん」

操「いや、何でもない」

今日は来客が
壱.ある
弐.無い

>>13

ある

操「おや、いらっしゃい」


ふらふらと何かに憑かれているかのようなおぼつかない足取りで少女がやってくる

手にお札の貼られた小さな箱を持っている


少女「これは祖母から受け継いだ物です」

少女「亡くなった祖母は出来るだけ早く封印を解いて継承するようにと言われたのですが…」


操「怖くて中々開けるに開けられず、この店の噂を聞いてやってきたということかい?」

少女「はい…ここは売買以外にもこういうものの相談に乗ってくれるって」

壱.操「ふむ、晶くん、開けて見たまえ」
弐.操「しかし開けるのは君でなければいけない。君が受け継いだものなのだからね」

>>16

操「しかし開けるのは君でなければいけない。君が受け継いだものなのだからね」

少女「そう…ですね、そう…です、よね」

操「それに、何かあったらうちの従業員が人柱になるから」ポン


肩に手がのせられる

晶「って俺ですか!?」

操「そうだよ、君なら大丈夫」


ロスメルタ「   ?」

晶「心配してくれるのか?ありがとうな」ナデナデ


少女「人形に話しかけてる…」

晶「唯の人形じゃない!」

少女「はいっ!?」ビクゥ

少女「で、では…開けます」


おそるおそるといった風に札を剥がす

壱.恐ろしい物
弐.奇妙な物
参.物理的には空っぽ

>>20

今日はここまで

ヴゥゥー


唸るような声がした

続いて少女の息をのむ声、それはすぐさま


少女「いやぁっー!」


悲鳴に変わる

中身を覗いて分かった

それは


晶「骨?」

操「犬だね。なるほど、これは外法箱か」

少女「外法箱…?」

操「目を逸らしてはいけない!じっと見続けるんだ」

少女「は、はい…」


それは犬の頭蓋骨、腐臭が少しもしない程完璧に白骨化した、それでいて妙に保存状態の良い骨だった

少女「…」

目を逸らすなと言われて"それ"をジィーっと見つめる

物言わぬしゃれこうべとにらめっこなんて。と思うも何故かそれが表情を変えているように感じる

やがてニィっと笑った


少女「わ、笑った…骨が」

操「ならもう目を離していいよ。蓋は閉じてね」

少女「は、はい」パタ


晶「操さん、これは?」

操「簡単に言えば人を呪う道具と言ったところかな」

操「…つまり、犬神だよ。人に仕えさせるために作り出した動物呪詛、蠱術の一種」

操「作り方は、まず犬同士を共食いし合わせ、最後に生き残った一体を首から上を出して地面に埋める」

操「それから少し離れた場所に極上の餌を用意する」

操「犬は餓死するまでその餌を求める。そして餓死する寸前に首を切り離す」

操「切り離された首は執念のみで餌に食らいつく。その時の表情は世にも恐ろしい形相をしているそうだ」

操「その首をそのまま焼いて骨にする。それを箱に入れて祀る。犬神入りの外法箱の完成だ」


少女「祖母が、祖母がそんなことをしたというんですか!あの優しい祖母が!」

操「もちろん違うだろう。やったのはもっとずっと遠い祖先の話だよ…これは推測でしかないがね」

操「ま、安心するといい。犬神は血筋に仕える。君に背きはしないしましてや呪ったりなんか絶対に無い」

少女「いりませんこんなもの!私は―」

操「"ダメ"だ。それは先祖代々受け継がれるべきものなんだよ。それが犬神を産み出した一族の業なのだから」

操「それに、それは何も悪い物じゃない、君の家系に一代で財を成した者がいるのではないかな?」

少女「…そう聞いています。曾祖父、大叔父、それより昔に何人かいたと」


操「そういうことだ。犬神は人に仕える存在、きっと君の力になる。受け継いでいるべきものなんだよ」

操「それでも嫌だというなら…そうだね、一週間ほど持っていて、それでもダメだったら持ってきたまえ、祓ってあげるよ」

少女は不満そうに、しかしどうしようもないといった表情でその箱を持って帰って行った


晶「一週間後持って来たら祓うつもりあります?」

操「もし持ってきたらね。でもきっとその前に受け入れているよ、そうでないなら犬神は受け継がれていないさ」

晶「…ちなみに怪異物コレクターとして価値は?」

操「私的には0だね。効果も使い方も作り方も由緒も所以も完璧に分かっている物などつまらなさ極まる」

操「さ、今日は」

壱.操「こんな時間だ。帰ってもいいよ」
弐.操「掃除でもしていてくれ」

>>29

帰り道

夕方のこの街は言い知れぬ不安に駆られる不気味さがある

夕日に照らされた影はゆらゆら揺れ、黒いイキモノのように蠢き、鴉が真っ黒い羽を落としながらどこへともなく飛びゆく


陽が落ちていく。何者か達が目を醒ます頃合い


逢魔時

少女宅


オレンジ色の夕陽が揺らめいて差し込んでいる部屋はいつもと変わったように見える

その中で更に異様な物…犬の頭蓋骨が入った箱


少女「おばあちゃん…何でこんなものを取っておいたんだろう…やっぱり言いつけだったのかな…」


―何かあったらこのこれがなんとかしてくれるよ。お願い事を叶えてくれるんだ―


少女「お願い事…」


その時、差し込んでいる夕陽が少女を照らした

暖かいオレンジ色の向こう側に見えたのは…


暗い影


私は…

壱.嫌なクラスメイトが
弐.好きな男の子が

>>34

1

嫌なクラスメイトがいる

むしろどんな人間だろうと嫌いな子の一人や二人ぐらいいるだろう

それでもどうしても嫌というわけでも、ましてや殺したいなどとは思っていない

思っていないのに


ぁぉう


部屋全体の空気を震わして何かが返事をした


私は…なにをしてしまったのだろう

別の家にて


友達とのメールも終え、身をベッドに投げ出す

今日も何事も無い日だった。どうでもいい毎日、でも楽しい日なんだ…


「ふぅー、ん?」


チャ…チャ…


廊下から軽い足音のような何か…


「…ハチ?」


飼い犬を家に上げたとき、あんな音を立てて歩いていたような気がする

今は外飼いしているはずなのに

チャ…チャ…

音は廊下の遠くから、少しずつ近づいてきている

チャ…チャキ…

家族の誰かが家にあげたのかな


「…?」


あれ?身体が動かない

チャキ…チャキ…


金縛りってやつかな?
確かにカガクテキにありえるらしいけど…けど寝起きじゃなくて寝る前にもなるものなの?


チャキ…チャキ・・・


‥・ハチ、なの?

チャキ…チャキ…

その鋭い爪がいくつも同時に廊下を軽く音が近づいてくる

心臓が軽く鳴る


ハチだよね…早く姿を見せて安心させてよ…ねえハチ


ねえ、ハチ


キィ


扉が開く


そこから入ってきたのは



悪臭


「ぅ…」

金縛りにあっていても嗚咽を漏らすほどの強烈な悪臭

鼻が曲がりそう…それでも手で覆うこともできない

腐臭…違う…もっと酷い…私の知ってる言葉では形容できない

吐きそうになるほどの異臭…悪臭…激臭…


ヘッ、ヘッ


ハチじゃ…ない?


黒くて大きな犬

いつの間にか明かりが消えていた室内の中で揺らめくその姿は輪郭が定かではなく蠢いている


ヘッヘッ

一呼吸一呼吸が聞こえる毎に臭いが増していく

なんなの…一体…

臭い…臭い…なんなの…なんなの…


ヴゥゥ


低く唸る声…それはその犬から…

しかし口ではない…全体が震えて発せられているかのように響いてくる

耳元の五月蠅い羽蟲のような、脳内で響くノイズのような、気味悪くおぞましい唸り声


のっそり、のっそりとやってくる

やがて、ついに私に触れるまで近くにやってきた


ハア~


ソレの息が吐きかけられる。気絶することすら許されない状況の中目に映ったその姿は

犬の形をした何か…形容し難い何者でもない何か

牙が突き立てられる


イヤァアァアアア!!


いくら頭の中で叫ぼうと悲鳴は声にならない内に闇に飲まれて消えてゆく

次の日

壱.晶の場面
弐.少女の場面

>>45

2

学校

少女「…」

学校に来てみると違和感があった

とても大きな違和感…もちろんそれはすぐに分かった


彼女の…好きではないクラスメイトの机が無かった


やはり…昨日の願いは…成就されてしまったのか

まるで誰も最初からいなかったかのように誰もあいつの話をしない

仲の良かった友人ですら誰もそのことを言わない、問わない、疑問を持たない


あいつのいない学校生活はほんの少し楽しかった


犬神…これは私の力だという…


私の持っている力…好きに使える、私に仕える大きな力…


少女「…ふふ」

晶の場面

壱.学校に行く前
弐.学校
参.放課後

>>50

今日はここまで
安価↓

晶宅、朝

ロスメルタ「    」

晶「ああ、おはよう」


俺の所持している怪異物は二つ

この意志を持った木彫りの人形

そしてもう一つ


アズミア「お兄ちゃん、おはよう♪」


白き短刀、それに宿る魂

魂が宿っているだけのロスメルタと違い、人間の姿として顕現できる怪異物

人間としての姿は色白で古めかしい衣装を着た可愛らしい少女
しかし男の娘である


アズミア「朝ご飯出来てるよ」


この家に親はいない…物心ついた時から親はヒトではなく
親だと思っていたモノは俺が独り暮らし出来る程成長したある日砕け散った


そんなこの家には何かが入り込める余地が十二分にあるほど空っぽであり
喋っていてもテレビをつけていても、どこかで―シーン―という音が響いているように感じる


晶「あれ?肉なんて冷蔵庫にあったっけ。この間食いきったはずじゃ」

アズミア「よく分かんない謎の肉があったよ」

ロスメルタ「   ?」

アズミア「大丈夫だと思うよ。多分」

晶「ま、大丈夫だろ。両親が無くなってからはよくあることだ」

怪異物ファイル①
ロスメルタ>>10

晶が名付けた木彫りの人形

元はどこぞの名も無き部族が崇拝し、儀式に使っていた
黒い木でできており、血管のようにおぞましい溝が全身に張り巡らされ、禍々しい装飾が施されている

気に入った男性一人の心を虜にする

意志を持ち、強力な呪いを放つことも護りの魔術も使える

しかし彼女が気に入った男性以外には危険すぎる物でもある

怪異物ファイル②
外法箱(犬神)>>24

とある一家に代々受け継がれる怪異物
怪異物とはいっても人工であり、作るのもそれほど難しくは無い

これを正式に受け継いだものは犬神を使役し、人の存在を消すことが容易に可能となる
それによって邪魔者を消し、自分たちに有利な状況に持っていくことで一族は繁栄してきた

動物を使った魔術、蟲術の一つ


操「作り方は、まず犬同士を共食いし合わせ、最後に生き残った一体を首から上を出して地面に埋める」

操「それから少し離れた場所に極上の餌を用意する」

操「犬は餓死するまでその餌を求める。そして餓死する寸前に首を切り離す」

操「切り離された首は執念のみで餌に食らいつく。その時の表情は世にも恐ろしい形相をしているそうだ」

操「その首をそのまま焼いて骨にする。それを箱に入れて祀る。犬神入りの外法箱の完成だ」

怪異物ファイル③
アズミア

白く光る短剣
しかしその切っ先は鈍く、とても切れるようには見えない

・気の淀み(悪意や敵意や負の感情の滞留)に反応して刀身の色が変わる
・切れ味は無く、守り・治癒に優れている
・冷気も操れる
・ロスメルタと共に儀式に使われていた剣で妹分
・ロスメルタと違い、人間としての姿を持ち、喋ることができる
・やけに猫に好かれる

等あり、人間としての姿は色白で古めかしい衣装を着た可愛らしい少女
しかし男であり、ナニもある。晶が大好き

壱.登校中
弐.学校

>>58

1

鳥が意味ありげな鳴き声を上げて歌っている

野良猫はコロコロと喉を鳴らしながら塀の上を歩いている

この町でも朝は爽やかだ


他の時間帯に比べれば、だが


朝日が照らす電柱の陰には何かの気配が寝息を立て、"彼ら"の時間である夕刻まで仮眠を取っている

雲はグムグムと蠢きながら空を横切り、朝の澄んだ空気が―ピン―と張りつめている


家々は表情無き表情で人々を見つめ、窓には埃が何らかの像を描いて動き回っている


ロスメルタとアズミアはどうしても俺と一緒にいたいと云うので鞄の中に入れて連れてきた

もちろん話しかけないよう言って


壱."何か"と遭遇
弐.友人と合流
参.学校に着く

>>62

2

友「よう晶!」

晶「おう、友」


友田・友男(ともだ・ともお)
通称「友」良い奴だがアホ、アホだけど良い奴。でもやっぱりアホ、そんな友人


友「知ってるか?今日転校生が来るってよ」

男「どうせ     だろ」

友「そうかもなー」


うちの学校にはちょくちょく転校生がくる

しかし来ない

"来る"という話だけでその後音沙汰が無い

皆慣れたことだ

校門は異界への門であるかのようにおぞましい雰囲気を醸し出し
校舎は得体のしれない怪物の口のようにぽっかり開いて登校する者どもを食らい続ける


私立宵夜魅河原(よいやみがはら)高等学校

創立740と云年、とことん古く謎に包まれている高校だ

その由緒正しいであろう年代とは裏腹に、初代校長の顔写真も名前すらも伝わっていおらず
この周辺に住んでいる人間以外では存在とて知るものとてあまりいない


開かずの教室はいくつもあり、その広い校内には古い空気と規律がいまだこびりついている

数々の逸話があり、学校の七不思議を数えれば余裕で3桁に届くという


しかし生徒は誰も怖がらない

信じていないのではない。知っているのだ


照らされた道から外れなければ何も起こらない。闇に足を踏み入れなければ何も起こらない



だから平和なのだ。この学校は

教室内

友「しかしよお、俺たち花の高校生だぜ大将」

晶「リア充になりたいとかいうなよ、お前にゃ無理だ」

友「大将だって非リアじゃないか!」

晶「彼女いるし(人間とは言ってない)美人の店主のいる店でアルバイトしてるしー」

友「死ね!何者かに食われろ!」

晶「何が言いたいんだお前は」

友「昼休み俺と部活探しに行こうぜ!レッツ青春!」

晶「この時期に?」

友「運動部じゃなきゃ問題ねえ!」

友「いいだろ?部活探し!」

晶「>>67

入るとは限らないけど付き合うよ

晶「入るとは限らないけど付き合うよ」

友「おお!それでこそ我が大将!」

晶「運動部は勘弁な」

昼休み

友「というわけで行こうぜ!」

晶「飯食うまで待てアホ」

友「俺が代わりに食ってやる」ヒョイ

晶「おい馬鹿」


ロスメルタ「・ ・ ・」


友「」ゾクゥ!

晶「どうした?」

友「い、いや…殺気のような何かが…す、すまんこのサンドイッチ返すわ」

晶「お、おう?」

廊下

晶「で、どうするんだ?何か入りたい部活でもあるのか?」

友「無いんだよなぁ」

晶「怒るぞ」

友「ちがう違う、今のところ無いってだけで探し中じゃ探し中」

晶「…」

友「さあ!GO!」

壱."何か"に引きずり込まれる
弐.友「オカ研だぜ!オカ研!」
参.晶「あれ?友どこに消えた?」
肆.自由安価

>>73

3

晶「あれ?友どこに消えた?」

いつの間にか彼の姿がどこにも見えない

壱.それどころか周りの光景も変わっている
弐.目の前に戸が開いている教室が
参.「いらっしゃい」

>>76

2

晶「ここ、開かずの教室じゃなかったっけ…」


そこは決して開かない教室

流石に壊せば入れるだろうが、何か引っかかっているのかどれだけ力を込めても開かない戸の付いた教室

それが開いて、ポッカリと暗闇を見せている


晶「…」ゴクリ


屋内だというのに風がその中へと吹いている

いや、吸い込まれているのか、空気が


ヒュォォォルルル


空気の流れが風音を生み、やがて口笛のように響く

どんなに目を凝らそうとも何も見えない、黒い壁のような開いた戸口

俺は

壱.入った
弐.逃げた

>>79

2

俺はその"闇"から目を逸らさずにゆっくりと後退りをし、何も動きが無いことを確認して走り出した


晶「はぁっ、はぁ…」


走る、走る

何かから逃げるために

どこともしれないここから抜け出すために



ズ…ずズ…ずずズ―

どこまで走っても"それ"から抜け出せない

あるはずの廊下の角はいつまでたっても見えて来ず、窓には黒い靄がかかっている


ズズ…ズ、ズズズ


何かが這いずっている音が一定の距離を着いてきている

追いつかれる

追いつかれてしまう

音は鈍く遅い、なのにいくら走っても振りほどけない、振り切れない


ダメだ、息が切れてきた


壱.立ち止まる
弐.振り返る
参.転んでしまう

>>83

2

このままだと追いつかれる

しかし、本当にそれは追って来ているのだろうか

耳に残るこの音はただの雑音なのではないのか





振り返って、みようか

もうどうにでもなれという気持ちで後ろを振り返る

一見何もいない

しかし下を見てみると…


"闇"が床を這っていた

先ほどの戸に張り付いていた濃密な闇が床を這っていた


ハァー…


息遣いの音が空気を響かせる

ちりばめられたように規則性の無い瞳が開いて俺を見つめ返している


晶「なんなんだよ…いったい…」


ズル…ズズズ…


闇の中から白い腕が無数に延びてくる

がりがりに痩せ細った骨のような腕が…

―――――
―――

晶「あれ?」

ロスメルタ「   ?」

晶「あ、ああ、俺は大丈夫だが…」


壱.友「何やってんだ?お前」
弐.友はどこにもいない
参.晶「さっきのはなんだったんだ?」
肆.自由安価

>>89

2

晶「友はっ!?」


ここは真昼間の学校廊下、ガヤガヤと人が流れ、窓で小鳥がチチチチと鳴いている


ロスメルタ「   」

晶「いや、ロスメルタのせいじゃないよ」

アズミア「僕たちはお兄ちゃんを助けることだけで…」

晶「…そもそも何だったんだあれは」

ロスメルタ「 」

晶「分からない、か…」

結局その日は最後まで友を見かけることが無かった

壱.友を探そう
弐.バイト行くか
参.帰り道にて

>>93

1

晶「友を探そう」

アズミア「だったら僕が探知…」

友「ん?俺がどうした?」

晶「と、友!?お前今までどこに」

友「何の話だ?今までずっと一緒にいたじゃないか」

晶「今までって…今何時だ?」

友「え?何時も何も昼休みだろ?」

晶「外見ろアホ」

友「はうあぁつ!?夕方じゃないか!」

晶「……もう一度聞く。今までどこにいた?」

友「…気絶でもしてたんかなあ?…あ」

晶「あ?」


友「俺は今まで冥府の門の前の邪神に聖なる儀式と血の禊をして闇の下僕としての力を授けられていたのだ!」

晶「なわけあるか!色々ごちゃ混ざりすぎだ!」

友「テヘペロ♪」

晶「…」


やっぱこいつ死んどきゃよかったわ


友「…」ニィ

ロスメルタ「…」

晶「違和感がある?何がだ?」

ロスメルタ「」フルフル

晶「…分からなきゃ、気のせいってことでもいいだろ。何かあったらで」

壱.バイト行くか
弐.帰り道にて
参.友と一緒に帰る

>>99


書こうとしたのと全く同じレスがあってビビった

2

ケロケロ…かぁ、カァ・・・ヒュルル


常になんらかの音がする帰り道、ヒタヒタとついてくる気配がある

振り返ろうと何もない

しかしどこにかしこに目覚めた何かの気配が満ちている

アスファルトの模様が異形な模様を形成し、蠢いている


今日は特に何も無いただの帰り道だ

金屋堂

壱.客が来ている
弐.来ていない
>>103

壱.物を買いに
弐.売りに
参.相談

>>106

壱.怪異物を探しに来た
弐.何も知らない一般人
参.怪異物蒐集家

>>109

3

金屋堂


晶「こんにちはー」

操「やあ、今お客さんが来ているところだ」


「ほお、それがバイトか。勤まりそうなのか?」

操「勤まりそうも何も努めてくれているよ。彼はけっこう怪異物親和性が高い」

晶「そ、そうなんですか?」


ロスメルタ「  !」

晶「確かにそうか」ナデナデ

ロスメルタ「」コクコク

「おおすげえな、本当に怪異物に愛されているぜ」

操「それ以上は言わないほうがいいよ」

「分かってるよ。魅入られている奴に現実を突きつけるのはこっちが危険だ」

操「で、何の用だい?蒐集家ってことは選択肢は限られるけど」

「買いに来た。ここは様々な怪異物が集まっていると聞いた」

操「まあね、私も集める基準はあるんだが、それを大きく超えて集まってしまうんだ」

「それは楽しみだ」


彼が探している物は(具体的でも大まかでも「危険な物」「人工」などの組み分けでも良い)
>>113

人類誕生以前の太古の品

「私は古谷・門左衛門。遥か太古の怪異物を集めるている蒐集家だ」

晶「遥か太古?」

門左衛門「人類誕生以前の」


晶(骨董品店ではなく考古学者のところへ行った方が早いのでは)

門左衛門「顔に出ているよ」

晶「」ギクッ

操「お客様に失礼だよ」

晶「す、すいません」

ロスメルタ「   !」

アズミア「そうだよ、心読むほうが悪いよ!」

晶「いや、慰めは良いよありがとう…」

門左衛門「で、あるのかないのか」

操「無論、ある」

門左衛門「ほう」

操「では少々お待ちくださいな」


そう言って店の奥に商品を取りに行く操さん

晶は
壱.ついてく
弐.行かない

>>117

操さんについて行った

店の奥、どこまでも続きそうな廊下を途中で曲がり幾何学模様の描かれた襖を開ける

その先には深い深い闇がぽっかりと空いている


操「ぴったりついてきてね」

晶「は、はい」


中に入ると皮膚を蟲が這いずり回るような嫌な感覚が断続的に襲ってくる

ムズムズ…カサカサ

…ブゥウン…ンン…


耳元で蟲の羽音がする

チャプ…

いつの間にか足元に水が満ちている

周りは水没した都市のように崩れかかった廃墟が犇めき、様々なものが浮かんでいる


操「あったあった、これだ」

晶「何ですかそれは…っ」


操さんが抱え上げたそれを見て、思わず息を飲み込む


"醜悪"…その一言に尽きるおぞましい物体

身の毛がよだつほどに恐ろしい見た目をしたそれは小さな像だった

竜と蛸をごちゃ混ぜにした怪物

全身を覆う鱗は繊細に細かく刻みこまれ、膝を曲げて台座に座っている小太りの体
背に折りたたまれた小さな蝙蝠の翼に顎から這えうねる触手

そしてなにより、その表情はこの世の全てを睨みつけているかのような恐ろしい形相を湛えていた


操「触れるなよ。これに触れると気が触れる」

晶「操さんやあのお客さんは大丈夫なんですか?」

操「愚問だね。私はもちろん、彼も専門家なのだから」

クトゥルフktkr

操「これでどうかな?」

門左衛門「これは…いったいどこで」

操「"どこで"かは伏せさせていただく。しかし本物の"像"だ」

門左衛門「旧支配者の御姿を正確に模った悪夢めいた怪物像…素晴らしい」

操「ただし、注意しておくよ。絶対に封印しておくように」


操「でないと、狂信者がその"匂い"を嗅ぎつけるだろう」

門左衛門「ありがとう。良い買い物をさせていただいた」

操「うむ。お買い上げありがとう。またいらっしゃいな」
――――――
―――

晶「なんだったんですか?あれ」

操「ただの信仰対象として生み出された邪神像だよ。
   人類以前の先史種族によって持ち込まれ今の人類まで密かに語り継がれた存在」

操「怪異物としては単純だ。悪夢を見せ、視た者を狂気に陥れる。そのまま信者になるかもしれない」

晶「へぇ。怪異物が人を信者に変えるのか」

操「魅せられている君がそれを言うのかい」

晶「?」


壱.客が来る
弐.店内掃除
参.バイト終わり

>>124

2

店内掃除

この店は外見の割にとても広い

永遠に続くであろう廊下、その壁に沿って無限にあるかのように扉や襖が並んでいる


蟲のように蠢きまわる埃を掃除機で吸い取り、奇妙な霞を描く窓を拭く


晶「今日はこの部屋を掃除するかな」

掃除のために入ったその部屋の中は
壱.自由安価
弐.>>1に任せる

>>127

仏像の並ぶ和室

晶「っ…おばあちゃん家の匂い」

というより線香の匂い…か?


部屋に入るとその古臭い匂いが包み込む

そしてそこにあったのは


仏像…仏像仏像仏像仏像

何十何百…いったいいくつあるのか見当もつかない程大量に、膨大に、おぞましい数の仏像が並べて置かれていた


晶「…なんか嫌なところだな」


仏教に造形の無い俺には仏像が神聖なものには思えず、むしろ数のせいで恐ろしくすら思えた


晶「って言ったら罰が当たるかな」


どれも手の平サイズか、大きくて両手で抱える程度だ

壱.掃除を終えて次の部屋へ
弐.そのうちの一つ(怪異物を手に取る)
参.奥へ行くと巨大な大仏が

>>130

3

奥に進む

和室の壁の掛け軸の裏に空間があった

そこは一瞬外かと思った

ただっぴろい空間、空は緑色の大気に満ち、青い太陽が輝いている


そしてその先に天を突くほどの巨大な仏像が座っていた


晶「…これ、怪異物…なのか?」


売り物だとしても巨大すぎて買い取り手がいないだろう


壱.仏像が喋り出す
弐.操「ああ、これかい?」
参.掃除を終える

>>133

仏像「救いを求めますか?」

晶「」ビクッ

仏像「人の世は誰も彼もが混迷し、苦難し、困り疲れ救いを求めています」

仏像「さあ、救いを求めなさい。消し去ってあげましょう」


ロスメルタ「」フリフリ

晶「ダメなのか?」

ロスメルタ「」コクコク

アズミア「あの怪異物から悪意は感じないよ。でも、だからこそ危ないこともある」

壱.掃除を終えて部屋から出る
弐.操「自由安価」

>>136

>>135

操「いわく付きの品みたいだな」

仏像「何のことでしょう。私はただただ救いを与え苦難を消し去る者です」

仏像「さあ、あなたの消し去ってほしい苦難を言いなさい」

仏像「さあ」


仏像「さあ」


仏像「あなたの消し去って苦難を、消しさりたい人を、叶えてあげましょう」


仏像「さあ」


壱.掃除を終えて部屋から出る
弐.操「自由安価」

>>139

1

怪異物ファイル④
クトゥルフの小像

見る人に見せればそれは人類が地球史に現れるよりも遥か前に作られたものだと分かるだろう
見る人に見せればそれは現在知られているどの鉱物とも違う物質によって作られていると分かるだろう

それはある邪教の教徒共にクトゥルフとして知られ、崇拝されている上位存在を模したものである

しかしそれは神ではなく大司祭に過ぎず、さらにその上に強大で邪悪な存在が潜んでいるのだという

怪異物ファイル⑤
救いの仏像

天を突くほどに巨大な仏像

これに困りごとを言えばその根底を消し去ってくれる

もちろん、その根底が"人"であるならば…人そのものを


正式な名称、祀られていた寺は判明しておらず、その姿も知られているどの仏とも異なっている

唯一つ、これを作った住職の名が「T」とだけ伝えられているのみである


彼は晩年、この仏像についてこう語ったという

「全ての人を救うなど考えてはならない、ある人にとっての救いが他の者にとって厄になることなどよくあるのだから」

掃除を終えてその部屋を出る

ロスメルタ「  」

晶「そうだな、ほんと不思議な店だよ」


壱.客来店
弐.掃除続行
参.バイト終了

>>144

3

操「では今日はここまでだね。はいお給料」

晶「いい加減手渡しじゃなくて振込とかにしてほしい」

操「この店にATMなんかあると思うかい?」

晶「ATMぐらい外出しましょうよ」

操「嫌だね」

壱.帰り道
弐.晶「ちょっと話があるんだけど」学校であった事を話す
参.犬神憑きの少女
肆.門左衛門

>>147

2

晶「ちょっと話があるんだけど」

操「ん?何だい?」
―――――
―――

操「ふむ、学校の怪、か」

晶「何だったのか分かったりしないか?」

操「流石に聞いただけではね。何かその"異空間"から物を持ってきてくれれば」

晶「またあそこに行くのか…」

操「大丈夫、君には優秀なボディガードがついているではないか」

ロスメルタ「  !」

アズミア「えへへ…」

操「しかしまあ君の通っている学校は相当な歴史を持っているのだろう?」

晶「ああ、気が遠くなるくらい昔から存在するとか」

操「人の念は時に怪異物を作り出す。それほど歴史を持つ学び舎ならさぞさまざまな"念"が絡み合い積み重なっているものか
  もしそれが学校そのものを怪異物に変えていたなら…なんと興味をそそられる」

操「コレクションに…加えたい」

壱.晶「まだ校舎そのものがだと決まったわけじゃないが」
弐.晶「校舎なんて巨大なもんどうやってここに運び込む気だ」
参.晶「…」
肆.晶「自由安価」

>>151

晶「校舎なんて巨大なもんどうやってここに運び込む気だ」

操「なあに、簡単だよ」


操「前も言ったかもしれないがこの店は、この建物は、迷い家なのだ」

操「迷い家とは本来山などで迷った旅人の前に現れ、一晩の宿と食事を提供する好意的な妖怪だ」


操「しかしこの迷い家は特殊でね、人をもてなすどころか食らい、自らの糧とする」

操「その上、山中異界も、妖怪も、怪異的"現象"すらも全てのみ込んで成長してきた」


操「その結果、この迷い家の中は永劫無限に広がる迷宮となり、星一つのみ込む巨大な空間すら中にはある」


あの大仏があったのも確かにとてつもなく広い空間だった


操「今は私が支配しているからいいが、あのままだったら長い時間をかけて地球そのものを内に飲み込んでいただろうね」

操「そして、私が命令すればどんな巨大なものだとしても時空を捻じ曲げて捕らえてくれるよ」

晶「どうやってこんなのを"支配"できたんだ…」

操「ふふ、それはまたいつか話してあげよう」

操「…言ってしまっては益々気になってきた」

晶「校内の物を持ってくればいいんだよな?」

操「いや、むしろ私も学校に行ってみようか…」

晶「え?」

ロスメルタ「    ?」

操「違う違う。私の身代わりを…目となり耳となり口となる人型の式神を学校に転校させようかなと」

ロスメルタ「 ?」

操「いや、晶くんと同じ年の少女だ」

ロスメルタ「  !」

操「ダメと言われても私は男子の人型式神は使えない」

ロスメルタ「    !!」

操「ふむ…では晶くんに聞こう」

操「私の分身である少女の式神を転校させてもいいかい?私と別個の意思を持った 美 少 女 を」

晶「>>155

後で消すなら

晶「後で消すなら」

操「それはもったいないなあ。でもまあ、目的が達成したら電源を落すよ」

晶「電源式?」

操「ただの例えだよ」


壱.帰り道
弐.門左衛門
参.犬神憑きの少女

>>150

>>161

3

少女「今日もありがとう」


私はこの力を…いや、この子を受け継いでから怖いことが何も無くなった

嫌いな人を、嫌いな先生を、ちょっとぶつかっただけで舌打ちしてきたおっさんを。全て、消してやった


少女「あなたがいれば私自信をもって生きていられるよ」

この子は私の大切な友達
何でも言うことを聞いてくれる素敵な友達


母「ご飯食べにおいでって言ってるじゃない」ガチャ

少女「きゃっ、ちょっともう、せめてノックして入ってよ…」

母「何よ男の子じゃあるまいし。だいたい何度も読んだわよ」

少女「う…」

母「ところで、さっき何隠したの?」

少女「え?」


そういえばさっき驚いてとっさに後ろに外法箱を隠した。別に隠す必要も無いんだけど…驚いたらつい

少女「これだよ。驚いたから隠しちゃっただけ」

母「…お義母さんの…」

少女「」コク


母は少女の祖母が、夫の母親が嫌いだった

田舎育ちで貧が無く、得体のしれないモノを信仰していた集落の出の義母

そんな義母に娘が懐くのが嫌だった。娘が義母から受け継がされたことも嫌だった

声にも態度にも出さなかったが…出さなかったからこそ溜まっている


だから


母「そんなこと言って点の悪いテストでも隠してんじゃないの?その箱の中に」


そんな意地悪を言ってしまった

少女「そ、そんなことしないよ。いつも見せてるじゃない」

母「そんなこと言うところが尚怪しいわよ。ほら、見せなさい」

少女「今日のお母さんおかしいよ…」

母「見せなさい」

少女「……ダメ」

母「見せなさい!」


そう言って娘の大事そうに抱える箱を奪い取ろうと…


少女「ダメェ!」

パシン

母「…え」

少女「ご、ごめん…お母さん」


伸ばしてきたお母さんの手を払った

途端にこみ上げてくる罪悪感


母「…」

少女「ごめん、ご飯だったよね、うん、今行く」

母「…何が入っていたの?」

少女「何も無いよ。お守りだけ」



母「…」


おかしい、あれを貰ってから娘はおかしい
あんな反抗する娘じゃなかった


母「…」


こっそり部屋に入ってその中身を見る。変なものが無ければそれで安心できる

安心したい


…カチャリ


こっそりとドアノブを開けた



①:登校中に
②:学校にて

>>168

1

登校中

「そこのお兄さん」

晶「ん?」


さっきまで誰もいなかった。でも声に釣られて振り返ると、それは立っていた

褐色の肌、白目であるはずの部分が黒い紅い瞳

そして色が抜けきったかのような白髪の頭

顔や声からは少女か少年かわからないが髪は地につくほど長い


その不思議な雰囲気が間違いなく告げる


ロスメルタ「  」

晶「ああ、怪異だな」


「」ニッコリ

「お兄さん、良い匂い漂わせてるね」

ロスメルタ「    !!」

アズミア「そうだよ!お兄ちゃんにくんかくんかしていいのは僕たちだけだよ!」

晶「いやそうじゃないだろ」


褐色肌の怪異が口を大きく開ける

その中から髪と同じ白い毛が大量に伸び、晶を捕らえようと…


アズミア「危害を加えようというのなら覚悟した方がいいよ」


背筋どころか心の底まで底冷えするかのような冷気がその場を包み込んだ


時まで凍りついたかのような静寂が支配する

「それくらいじゃダメなんだなあ」

アズミア「っ…」


凍ったはずの体から白髪が伸び、アズミアを捕らえる


ロスメルタ「  !」

アズミア「逃げて…」



「逃がすわけないよ?」



視界が白く変わる…いや、視界を白髪が覆い尽くしている。地面から、壁から、服からすらもそれが生えてくるのだ


ロスメルタ「  」

「わっと…そっちのも対策済みなんだよ」

ロスメルタ「!?」

「ボクの髪はある程度の怪異的力なら全て防ぐ。君程度・・・な、ら…・・・」


ロスメルタ「」ズズズズズォォオオオ


「…あれ?」


そいつの周りを禍々しい釘が取り囲んでいる


ロスメルタ「  」

「…嘘d―


身を守るように白髪が壁となるがそれを易々と貫いて釘が突き刺さる

喋りきる前に上あごが太い釘によって破壊され、次に両目を、四肢を、腹を、埋め尽くすほどに無数の釘がびっしりと突き刺さる


「ふふ…これは予想外」


もはや口となっていない口から未だ言葉は流れ出る


「一つだけ忠告。お兄さん、怪異に近づきすぎているよ?」

結局そいつは死ぬこと無く「また会おう」とだけ言って消え去った


ロスメルタ「…」ムスー


殺しきれなかったこと、そのうえ逃げられた事に対してふてくされるロスメルタ


晶「逃げられたことなら仕方ないよ。深追いは禁物だ」

ロスメルタ「……」

晶「でもありがとな。守ってくれて」ナデナデ

ロスメルタ「 !」

学校

壱.廊下で操さんの送り込んできた少女と遭遇
弐.することなくホームルームの時に転校生として初遭遇

>>177

廊下


「」クンクン

晶「うわぁっ!?」

廊下で見知らぬ少女が自分の匂いを嗅いできた


「うん、貴方が操が言っていた人だね」


ロスメルタ「  !」


「あはは、僕の癖だから勘弁してね」パシッ


ロスメルタが飛ばした釘を全て手で掴んでしまう


ロスメルタ「!?」

晶「さすが操さんの分身…」

「だから貴方の匂いも…」

ロスメルタ「!?」ビクッ

「ふっふっふー」


両手をワキワキと動かす少女とそれに少しだけ怯えるロスメルタ


少女の名前と見た目
>>120

安価ミス
>>181

質問し忘れた
安価先は180の間違い?

ロスメルタ「…」

駒「あららぁ、隠れちゃった」


ロスメルタが怯えるとは…操さんの分身恐るべし


駒「名前はホームルームで言うからいいでしょ。とりあえず駒ちゃんって呼んで」

晶「じゃあ駒ちゃん」

駒「そうそう」ニヒヒ


目を細めて楽しそうに笑う

その身体は妙に服が膨らんでいた

駒「良い匂いするねー」スンスン

晶「やめろって…」

ロスメルタ「…」

駒「だって惹かれるんだもん~」ギュゥ


抱きついて晶の体に顔をうずめ、大きな音を立てて匂いを嗅ぐ駒ちゃんを引き摺りながら教室に入る


友「大将なんだそのかわいこちゃんは!!」

晶「かわいこちゃんってお前…」

友「言えよお前!その子あんたのなんなのさ!」

壱.晶「知るかバカ」
弐.晶「転校生だってさ」
参.晶「彼女だ!」b
肆.晶「自由安価」

>>187

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