【咲-Saki-】優希「一億円の借金?」【キャラ崩壊注意】 (43)

このssは、

【咲-Saki-】優希「バトルランナー?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465712279/)

の次回作です(トリップは変わってますが)

>>1の別の作品には、

【咲-Saki-】咲「ゾンビに襲われる?」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466325875/)

があります

随所に本作品、別作品のパロがあります


ここは片岡の家の近く。片岡は部活を終え、家に帰宅していた

優希「ただいまだじぇ」ガラッ

優希「お母さん、お腹すいたじぇ。タコス食べたいじぇ」

台所に行くと、片岡の父親と母親は、落胆した雰囲気を出していた

優希「どうしたんだじぇ?」

優希父「おお、優希か。事業で失敗して、一億円の借金を背負ってしまった」

優希母「あなた・・・」

優希「そんな。これからどうするんだじぇ?学校は?」

優希父「父さんも知人を当たってみるが、額が額だけに、どうにもならないかもしれない。
場合によっては優希には学校を辞めて働いてもらおうと思っている。本当に済まない」

優希「そんなー!!」ガーン

優希母「取りあえず、しばらくは学校に通いなさい。決定次第知らせるわ」

優希「学校辞めたくないじぇー!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468392827

次の日、清澄高校麻雀部

優希「・・・」

咲「優希ちゃん、どうしたの?今日は元気ないね」

優希「・・・」

久「どうしたの?相談に乗るわよ」

優希「家が一億円の借金を背負ったんだじぇ」

咲、和、京太郎、まこ「・・・」ドンビキ

久「それなら、いい話があるわよ。失敗したら死ぬかもしれないけどね」

優希「それでもいいじぇ。一億円の借金を背負うくらいなら、一か八かに賭けるじぇ」

その言葉を受けて、久はどこかに電話する

久「・・・ええ。・・・ええ。参加したいという人がいるのですが・・・。
・・・ええ、よろしくお願いします」

そう言って、竹井は電話を切る

久「約束を取り付けたわよ。今度の日曜日に、みんなを連れて行くわ。でも優希、いいの?
失敗したら死ぬかもしれないのよ?止めるなら今よ?」

優希「どうせやるしかないじぇ・・・」

日曜日、長野県某所に清澄高校麻雀部一同は集まっていた

優希「お父さんとお母さんに話したら、付いてきたじぇ」

優希父「竹井さん、本日は優希に借金を帳消しにするチャンスを与えて下さるそうで、ありがとうございます」

久「いえいえ、私はただ場を提供しただけです。結局は彼女次第なので、礼は無事に終わった後にでも」

久「それより、場所はここのはずなんだけど・・・」

黒服「清澄高校麻雀部の方々ですか?」

いつの間にか、数人の黒服が一同の背後に立っていた

京太郎「どわあ。いつの間に」

久「ええ、そうですが」

黒服「失礼ですが、片岡優希様はどなたですか?」

優希「私だじぇ」

黒服「それでは、こちらの誓約書にサインと印鑑をお願いします」

---------------------------------------------------------

            誓約書             
私、      は、下記事項を遵守することを誓約いたします。

1 競技中に負傷、または死亡しても、損害賠償を致しません
2 競技中に被った不利益について、損害賠償を致しません

                           印
---------------------------------------------------------

片岡は、誓約書に自分の名前を書き、印鑑を押す。
こうして彼女は、再び生死を賭けたバトルに参加することになったのだった

黒服「他の皆様は、別室で片岡様の観戦をしていただきますので、ご案内いたします」

優希はある場所の前に、それ以外は観戦室に案内される

黒服「こちらです。片岡様には、各場所にいる対戦相手と戦っていただきます。対戦相手は、主にIHに参加した方の
クローンです。各個人の特性に応じて戦闘用の能力を追加しましたが、それ以外は記憶も人格も
オリジナルと同等です。クローンですので、殺しても問題はございません」

黒服「一つの場所を攻略するごとに一千万が支払われます。対戦相手は何十人もいますが、片岡様の目標金額は
一億円とのことですので、十回戦っていただきます。なお、一回の対戦に付きに対戦相手は一人とは
限りませんので、ご注意下さい」

黒服「それと、何か所か攻略して、もうこれ以上は無理だから、目標金額に達してないけどここで終了する、
という行為は認められません。片岡様が十個所全てを攻略して一億円を得るか、再起不能になって
一円も得られないか、の二つに一つでございます」

黒服「戦う場所は、基本的には対戦相手によって屋内、屋外のどちらかです。勝利条件ですが、対戦相手を倒し、
対戦相手が所有しているリングを奪い取り、十個集めることでございます。これがサンプルのリングです」 つ◎


黒服「片岡様と対戦相手が戦っている映像は、この会場の別の場所に集まっている会員の方限定でご覧になることが
可能です。セキュリティを徹底し、会員の方以外はご覧になることは不可能なので、ご安心ください。
本来、片岡様のご両親と麻雀部一同の皆様はご覧になることはできないのですが、今回は特例として許可いたしました」

※会員とは、高い会費を支払って非合法なデスマッチを見学する富裕層、とお考え下さい

黒服「公平を期すため、対戦相手には映像を見せず、何番目に誰が倒されたか、という情報以外は伝えません。
これは、片岡様が対戦相手に関して何も知らないことに対する配慮でございます」

黒服「それでは、これらのカードから一枚お選びください」

黒服は、70枚ほどのカードを取り出す。カードには各数字が書かれていた

優希「このカードは何だじぇ?」

黒服「どの対戦相手と戦うかを決定するカードでございます。数字と強さには法則性はございません。比較的弱い相手と
当たるかどうかは、片岡様の運次第でございます。これらのカードをこの箱に入れ、1枚引いていただきます」

黒服は、カードを穴が開いている箱の中にすべて入れる

優希「じゃあ、テキトーに選ぶじぇ」

そう言って、片岡は無作為に1枚のカードを選択する。カードには、「56」と刻まれていた

黒服「56番ですね。では、部屋にご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある部屋の前に案内する

黒服「こちらでございます」

優希「武器を持ち込んでもいいか?」

黒服「構いません」

優希「前回取得した槍と爆弾とモノクルと、ついでにこれを持ち込むじぇ。今回は最初から武器ありだじぇ」

>>1の前作参照

優希「じゃあ、行ってくるじぇ」

黒服「ご健闘を祈ります」

ギイィィィィ バタン

ここは、会場内のスタジオ。大勢の会員が集まり、片岡の様子をモニター越しに見ていた

実況「会場の皆様、長らくお待たせいたしました!いよいよバトルの開始です!今回の挑戦者は彼女、
片岡優希、高校一年生の女の子です!!」

解説「今日はよろしくお願いします」

ウオオオオオォォォ

実況「私も長らく実況を務めていますが、挑戦者が年端も行かない少女、というのは初めてです!
一体どうなってしまうのか!」

解説「今までの挑戦者で、最年少は18才の男性です。片岡は15才の女性ですから、年齢的にも性別的にも
その記録を塗り替えましたね」

ワーワー ワーワー

実況「そして、最初の対戦相手は彼女!何と、彼女は病弱というハンデを背負ってなお強者の少女!!
最初に彼女と当たった挑戦者は不運としか言いようがない!」

解説「健康体だったらどれほど強いのか、見当も付きませんね」

ワーワー ワーワー トキー

実況「皆様、各お手元のタッチパネルで、第一試合のベットをお願いします!」

解説「いつも通り、最低ベットは10万円、最高ベットは1000万円です」

チョウセンシャニ50マンエン シカクニ200マンエン

実況「それでは皆様!バトルとギャンブルをお楽しみください!」

解説「えー、今、最終オッズが出ました。挑戦者は9.0倍、対戦相手は1.01倍となっております」

ワーワー ワーワー

ここは、会場内の観戦室の一つ。清澄麻雀部一同と、片岡の両親が、片岡の様子を固唾をのんで見守っていた

優希父「おお、優希・・・。不甲斐ない父さんを許しておくれ・・・」

優希母「優希ちゃん、頑張って」

咲「おじさん、おばさん、優希ちゃんは前回もデスマッチに参加して、無事生きて帰ってムグッ」

竹井は、慌てて咲の口を手で塞ぐ

優希父「何だそれは、そんな話聞いてないぞ」

優希母「そう言えば、怪我して帰ってきた時があったわね」

久「この子、時々変なことを言ったりして、ちょっと変わった子なんです。気にしないで下さい」

まこ「(そりゃあ強制したとは言えんからのう)」

ここは、片岡が入った部屋。一辺が25メートルほどあり、所々に5メートル置きに、一辺5メートル、高さ3メートル
ほどの障害物が点在していた

□□□□□
□■□■□
優□敵□□
□■□■□
□□□□□

※こんな感じです。□と■は一辺5メートル

片岡の目の前には、病弱そうな少女が立っていた

??「うち、病弱やねん。手加減してや」ゴホッゴホッ

          第一の対戦相手:園城寺怜

優希「具合の悪そうな女だじぇ。でも、手加減しないじぇ。先手必勝だじぇ!」

片岡は、怜に向かって突進し、槍を突き出そうとする。だが、片岡が槍を放つ前に、既に園城寺は回避する動作を行っていた。

優希「なっ」

槍は園城寺の横で空を切る

優希「(今、槍で突く前に避けられた気がするじぇ)」

片岡は、疑問を払拭するかのように、槍を上から薙ぎ払う。園城寺は、いつの間にかしゃがんでいた

優希「(今度は間違いないじぇ。この女、攻撃する前に避けたじぇ。爆弾を使うじぇ)」

片岡は、ポケットから爆弾を取り出そうとする。だが、片岡の手を、園城寺がつかむ

怜「爆弾なんて物騒やな。勘弁してや」ゴホッゴホッ

園城寺は、片岡から爆弾を奪い取り、遠くに投げ捨てる ドゴーン
爆弾は遠くで爆発する

優希「(なんで爆弾を持ってることを知ってるんだじぇ)」

片岡は、気を取り直して槍で突く。だが、園城寺は、既に片岡の背後に回っており、後頭部に手刀を食らわせる

優希「ぐはぁっ」

片岡は、攻撃を受けて床に倒れる

怜「(ここを攻撃すれば、軽い力でもダウンする未来が見えたんや。続いて未来を見るで)」

園城寺は、未来の予測を行う

怜「(なんや?何か食べてるで。バトルの最中に何してるんや?)」

数秒後、片岡はポケットからタコスを取り出し、食べる

優希「・・・」モグモグ

優希「復活したじぇ!!」

片岡は勢いよく立ち上がり、園城寺に向き直る

怜「(訳判らんでこの子。取りあえず未来を見るで)」

園城寺は、未来を予測して絶望する。そこには、どこに逃げても槍で貫かれている自分自身が見えた

優希「えいっ!!」ダジェ

片岡は、園城寺めがけて槍を突く。槍は、園城寺の胸部を貫通する

怜「・・・」ゲボッ

優希「察するに、お前は未来を予知できる能力があるんだじぇ。だから、タコスを食べてパワーアップしたじぇ。
いくら予知できても、素早い攻撃は避けられないじぇ」

※タコスは、
・疲労、ダメージを回復する
・一時的にパワーアップする
の両方の効果を持ったものとお考え下さい

怜「ああ、竜華ぁ、最後にもう一度膝枕してほしかった・・・」ゴホッゴホッ バタッ

優希「死んじゃったじぇ。でもクローンだから問題ないじぇ」

片岡は園城寺からリングを奪い取り、部屋を後にした

片岡「早速タコスを使ってしまったじぇ。あんまり多くは持てないから、3個しか持ってこなかったじぇ。
もう2個しかないじぇ」

黒服「片岡様、おめでとうございます。続いて2戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「18」と刻まれていた

黒服「18番ですね。では、部屋にご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある部屋の前に案内する

黒服「こちらでございます」

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、先ほどと同じ造りになっていた

片岡の目の前には、頭部にリボンを付け、両手首を鎖でつなげた少女が立っていた

??「正攻法(まっすぐ)なボクで行くっ」

          第二の対戦相手:国広一

一「種も仕掛けもございません」

国広は、何処からか数匹のハトを取り出す

優希「うわー、凄いじぇ凄いじぇ」パチパチ

優希「ハッ」

優希「手品に見とれてる場合じゃないじぇ」

片岡は気を取り直し、槍を構えて国広に向かって突進する

一「面白い人だなー」クスクス

国広はそう言うと、何処からかトランプを取り出し、片岡に向かって十数枚のトランプを投げ付ける。
その内、一枚は片岡の右頬を掠め、一枚は左肩に突き刺さる

優希「ぎゃああああ」

片岡の右頬と左肩から血が滲み出る

一「これ一枚で十分かな」

国広は残りのトランプをしまい、一枚だけ手に持って、片岡の首めがけて斬り付ける

優希「ちょっ」

片岡は、それを紙一重で回避する。国広は容赦なく片岡の目を、首筋を、眉間を攻撃する。
片岡は、それらを辛うじて回避していく

一「あ」ポロッ

国広は、突然カードを落とす

優希「チャンスだじぇ」

防戦一方だった片岡は、これに乗じて攻撃に転じる

一「ちょっ、待って、拾わせて」

優希「問答無用だじぇ」

片岡は、槍を国広に向かって突き出す

一「なんてね」

優希「ぎゃあああああ」

数匹のハトがいつの間にか戻ってきており、優希の後頭部を突つく

優希「痛いじぇ痛いじぇ。ハトのくせに攻撃するなじぇ」ツンツン ツンツン

一「隙ありだよっ」

国広は、いつの間にか拾っていたトランプで、片岡の両目を横に斬り付ける

優希「ぎゃああああ」

片岡は回避し切れず、トランプは鼻を横に横断する。片岡は、鼻を押さえて地面にうずくまる

一「目を狙ったんだけど、惜しかったな」

国広は、うずくまっている片岡に近付き、トランプを振り上げる

一「とどめっ」

優希「この時を待ってたじぇ!」

片岡はそう言うと、国広の両手首をつないでいる鎖の中間をつかみ、地面に引っ張る

一「うわあああ」

国広は地面に引っ張られ、仰向けに倒れる

優希「形勢逆転だじぇ。変な鎖をしてたことがお前の敗因だじぇ」

優希は、仰向けに倒れている国広の後頭部めがけて槍を突き刺す。

一「ぎゃああああ」

一「この鎖は、透華との絆・・・。この鎖が無くなったら、透華が遠くなる・・・」バタッ

優希「また死んじゃったじぇ」

片岡は国広からリングを奪い取り、部屋を後にした

-----------スタジオ内-----------
実況「凄い凄いーーー!あっという間に二連勝ーーー!」

解説「片岡は戦い慣れていますね。実戦はこれが初めてではないのかもしれません」

ワーワー ワーワー

解説「今、片岡の情報が入って来ました。片岡は、清澄高校1年○組、出席番号×番、麻雀部に
所属しているとのことです。片岡は、以前にも生死を賭けたバトルを行ったことがあるようです。
戦い慣れてるのも納得ですね」

ワーワー ワーワー

実況「片岡、次のカードを引きます!引いたカードは46番!」

解説「46番は、・・・(資料を見ながら)彼女ですね。いくら片岡が戦い慣れているとは言っても、
あくまで人間に対してでしょうから、これは厄介ですね。まさかドラゴンと戦った経験があるわけでも
ないでしょうし」

ワーワー ワーワー クロチャーー

実況「今、片岡が次の場所に案内されました!いよいよ第三試合の開始です!!」

解説「今、最終オッズが出ました。挑戦者は4.5倍、対戦相手は1.12倍となっております」

ワーワー ワーワー

片岡は、屋外に降り立つ

優希「外に出たじぇー」

片岡の目の前には、立派なお餅を持った少女が立っていた

??「お任せあれですのだ!」

          第三の対戦相手:松実玄

玄「対戦相手はお餅がないですので、つまらないですのだ。速攻で終わらせますのだ」

松実はそう言うと、呪文を唱え始める

玄「おお、万能たる力よ、火の精霊の硬き鱗となりて、我が姿を火竜へ変えよ!ドラゴラム!」

松実が呪文を唱え終わると、松実はドラゴンへと姿を変える

ドラゴン「グオォォーン!!」

優希「そんなのありー!?」

ドラゴン「ギャース!!」

ドラゴンは片岡に向かって炎を吐く

優希「ぎゃああああ!熱いじぇ!お尻に火が付いたじぇ!」

片岡は炎を回避し切れず、臀部に炎を食らう

ドラゴン「ドギャース!!」

優希「ひいいいい」

ドラゴンの爪が片岡を襲う。片岡はそれを回避すると同時に、ドラゴンの背中に飛び乗る。外れた爪は地面を抉り、
周辺を粉々にする

ドラゴンの背中に乗った片岡は、背中に槍を立てる。しかし、槍は突き刺さらず、跳ね返される

ドラゴン「無駄ですのだ。ドラゴンの皮膚は鉄よりも固いですのだ」

優希「インチキ過ぎるじぇ!だったらこっちもインチキで対抗するじぇ!」

片岡は、モノクルを取り出し、右目に掛ける。そして、右目でドラゴンを凝視する

優希「・・・」ジー パリーン

片岡に凝視されて、ドラゴンは松実へと姿を戻す。それと同時に、モノクルは割れ、使い物にならなくなる

玄「なんで元に戻ったですのだ?もう一度ドラゴンへと変身するですのだ」

優希「させないじぇ」

片岡は、松実の胸部に向かって槍を放つ。松実が呪文を唱える暇もなく、胸部を貫かれる

玄「ぎゃああああ」デスノダ

松実は倒れ、吐血する

玄「お姉ちゃん・・・」バタッ

優希「・・・」 ←もはや死んだことに対して何もコメントしない

片岡は松実からリングを奪い取り、その場所を後にした

片岡「モノクルは一度きりしか使えない最大の切り札なのに、もう使ってしまったじぇ。
タコスも残り少ないし、先が思いやられるじぇ」

※本来、能力封じは臼沢塞特有の能力であって、モノクルは単なる能力検知器なのですが、この作品では、
モノクル自体が能力封じが可能である、ということにしました。また、余りにも強力過ぎるため、
一度きりしか使用できないことにしました。ご了承ください。

黒服「片岡様。続いて4戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「34」と刻まれていた

黒服「34番ですね。では、ご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある場所に案内する

黒服「こちらでございます」

その場所は屋外で、遠くには鳥居が見えていた

優希「対戦相手がいないじぇ。どこに隠れてるじぇ」

??「ここにいますよー」ゴッ

空中から、ボゼを被り、巫女装束を着た少女が現れる

優希「お前、何処から出てきたじぇ。取りあえず、その気味の悪い仮面を脱ぐじぇ」

          第四の対戦相手:薄墨初美

薄墨は片岡を無視し、踊りを踊る

優希「無視するなじぇ。その変な踊りも止めるじぇ」

なおも薄墨は片岡を無視する

優希「力ずくで止めさせるじぇ!」

片岡は突進し、薄墨めがけて槍を放つ

初美「せっかちな人ですねー」

ボゼが取れ、薄墨はどこかに消える

優希「何処に消えたじぇ?」

初美「後ろですよー」

薄墨は、片岡の背後の空中に瞬間移動しており、片岡の後頭部にキックを食らわせる

優希「ぎゃああああ」

攻撃を受けて、優希は地面に倒れる

優希「(さっきも何もない所から現れたじぇ。この女は瞬間移動できるんだじぇ)」

優希は立ち上がり、再び突進する

初美「懲りない人ですねー」

薄墨は再び片岡の背後の空中に瞬間移動し、片岡の後頭部にキックを食らわせる

優希「ぎゃああああ」

優希「(やっぱり背後に瞬間移動するじぇ。攻撃してる最中は背中に隙ができるからだじぇ)」

片岡はやられながらも、薄墨の能力を分析する

優希「(隙ができるのはこの女も同じだじぇ。この女だって攻撃の瞬間は隙があるはずだじぇ)」

初美「もう終わりですかー?こっちから行きますよー」

薄墨がそう言うと、鳥居から無数の悪霊が召喚される。悪霊は、優希の周りをまとわりつく

優希「こいつらは何だじぇ。気持ち悪いじぇ。まとわりつくなじぇ」

片岡は槍で悪霊を追い払うが、余りの数に完全には処理できないでいた

初美「特大の行きますよー」

薄墨は、一際大きな悪霊を召喚する。悪霊は片岡の上で止まり、大きく口を開け、片岡を食おうとする

優希「ちょっ」

特大悪霊「バクンッ」

片岡は、頭部を後ろに下げて回避する

初美「もうちょっとでマミるとこだったのに、惜しいですねー」

※マミるとは、「魔法少女まどか☆マギカ」の巴マミさんの最期であり、一般的には怪物に頭部を食われることです

優希「これでも食らうじぇ」ポイー ドゴーン

片岡は、特大悪霊の口の中に、爆弾を放り込む。爆弾が爆発し、特大悪霊は消滅する。
雑魚の悪霊もついでにすべて追い払う

優希「これで仕切り直しだじぇ」

片岡は、薄墨に向かって突進する ポトッ

初美「またですかー?学習能力のない人ですねー」

薄墨は片岡の背後の空中に瞬間移動し、片岡の後頭部にキックを食らわせる

初美「今度は特大のを沢山放ちまs」コケッ

薄墨が着地する際に、何かを踏んで転ぶ。薄墨の足下には、爆弾が転がっていた

初美「ちょっ、なんで」ドゴーン

薄墨は爆発に巻き込まれて吹き飛ぶ

優希「お前は必ず背後に瞬間移動するじぇ。だからお前の着地する場所にあらかじめ爆弾を置いておいたじぇ」

初美「・・・」ピクピク

優希「まだ息があるじぇ。トドメだじぇ」ドスッ ←むしろ自分から死なせに行ってる

片岡は薄墨の胸部に槍を突き刺し、薄墨からリングを奪い取り、その場所を後にした

黒服「片岡様。5戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「47」と刻まれていた

黒服「47番ですね。では、部屋にご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある部屋の前に案内する

黒服「こちらでございます」

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、1回戦の部屋と同じ造りになっていた

片岡の目の前には、まだ暑いのににマフラーをした厚着の少女が立っていた
※九月と言う設定です

??「玄ちゃん、お姉ちゃんが、仇を取ってあげる・・・」

          第五の対戦相手:松実宥

宥「寒い・・・。寒い・・・」カタカタ

優希「寒い?むしろ暑いくらいだじぇ。お前の格好、暑苦しいじぇ。ただでさえ暑いのに、
ますます暑く感じるじぇ。むいてやるじぇ」

片岡は、松実に近付いて、衣服を脱がせようとする

優希「う・・・」

片岡は、松実の周辺の温度が、異様に高くなっていたため、足を止める。

優希「(このマフラー女の周り、異常に暑いじぇ。どうなってるんだじぇ)」

※現在、松実宥の周辺にいることは、こたつの中にいるようなものとお考え下さい

宥「ああ、あったかい・・・」

優希「あったかいどころか暑いじぇ。お前が何かしてることは明白だじぇ。今すぐ止めるじぇ」

片岡は槍を構え、松実めがけて突く。しかし、松実は槍を華麗にかわす

優希「避けるなじぇ」

片岡は、槍で松実を突きまくる。しかし、松実は槍を紙一重でかわしていく

宥「(この子の攻撃、SSSと比較すると、ずっと遅い・・・。かわすのも簡単・・・)」

片岡は、高温の中で激しく動き、著しく体力を消耗し、動きを鈍らせる。その一瞬を見逃さず、
松実は片岡の腕に触れる

優希「ぎゃああああ」ジュゥゥ

松実が触れた部位に熱が伝わり、腕を火傷する。片岡は、腕を押さえてうずくまる

宥「玄ちゃんの仇・・・。全身火傷させてあげる・・・」

松実は両腕を広げ、片岡に抱き付こうとする

優希「ちょっ、やめっ」

片岡は慌ててそれを回避する。松実は執拗に片岡に抱き付きを繰り返す

優希「いい加減にするじぇ!」ドーン

隙を見て、片岡は松実を突き飛ばし、馬乗りになる

優希「くっ」ジュゥゥ

松実と接触した太ももを火傷するが、片岡は耐え、松実のマフラーを脱がせる。更に、手の平の火傷に構わず、
セーターを、スカートを、タイツを、下着を脱がしていく

宥「ああ・・・、寒い・・・。寒い・・・」ガタガタ

生まれたままの姿になった松実は、寒さのあまり震える。その震えも次第に小さくなり、動かなくなる

宥「・・・」バタッ

優希「・・・」タコスモグモグ

優希「両手と左腕と太ももの内側を火傷したけど、タコスを食べて回復したじぇ。
タコスはもう残り1個しかないから、温存するじぇ」

片岡はそう言うと、松実からリングを奪い取り、部屋を後にした

-----------観戦室内-----------
咲「優希ちゃんすごーい!」

優希母「優希ちゃん・・・」ポロポロ

まこ「相変わらず凄い娘じゃあ」

みんなが熱狂の渦にいる間、竹井はどこかに電話していた

久「・・・ええ。・・・ええ。手筈通り行ってますか・・・?
・・・ありがとうございます。・・・ええ、よろしくお願いします」

京太郎「部長、何処に電話してたんですか?」

久「ちょっと野暮用でね」





黒服「片岡様。6戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「26」と刻まれていた

黒服「26番ですね。では、部屋にご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある部屋の前に案内する

黒服「こちらでございます」

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、1回戦の部屋と同じ造りになっていた

片岡の目の前には、銀色の髪をした、けだるそうな少女が立っていた

??「ダルい・・・」

          第六の対戦相手:小瀬川白望

片岡は、山奥で迷っていた

優希「ここは何処だじぇ?」

片岡は、当てもなく山奥をさまよう

優希「疲れたじぇ。休みたいじぇ」

何時間も歩き続け、疲労がピークに達する。そんな時、遠くに屋敷を見つける

優希「家だじぇ。休ませてもらうじぇ」

その家は、山奥には不釣り合いな、立派な屋敷であった。屋敷の庭には花が咲き乱れ、
牛や馬などの家畜が飼われていた。しかし、辺りに人の気配はなく、異様な雰囲気が漂っていた

優希「お邪魔しますだじぇ。道に迷ったから休ませてほしいじぇ」

屋敷の玄関で住人に声をかけるが、屋敷の中からは誰も出てこない

優希「勝手に入るじぇ」

片岡は、いくら待っても誰も出てこないので、屋敷内に入っていく

優希「これは、お寿司にステーキに、タコスもあるじぇ!」

屋敷内の座敷部屋には、ご馳走が並んでいた。その隣には、金銀財宝が沢山入ったつづらがあった

優希「お寿司ウマー、タコスウマー」ガツガツ

片岡は、無我夢中でご馳走をむさぼる

優希「このつづらを持って帰れば、借金が・・・、借金?うっ・・・、頭が・・・」



咲「優希ちゃんっ」

咲ちゃん・・・

和「ゆーきは飽きっぽいですね」

のどちゃん・・・

まこ「カタキはとっちゃるけぇ」

ワ・・・染谷先輩・・・

久「続きは私たちにまかせて」

部長・・・

優希父「優希」 優希母「優希ちゃん」

お父さん、お母さん・・・

京太郎「頭弱くてチビで貧乳で人使い荒くて終始食ってばっかで将来絶対太る、女らしさのかけらもない
おてんばタコス娘。まさにバラバラでヤオ九牌ばっかのクソ配牌だな・・・。
でも、最後まで全部大事にとっておいたら国士和了った気分だよ」

京太郎・・・

優希「・・・・・・・・・」

優希「・・・・・・」

優希「・・・」

優希「これは幻覚だじぇ!今はバトルの最中だじぇ!」

片岡が現実を認識した瞬間、屋敷は消滅し、元の部屋に戻る

※幻覚の中では数時間に感じられても、現実の時間では数秒しか経過していません

白望「・・・」

白望「幻覚が破られるなんて初めてだ。強欲な人間は幻覚に溺れたまま再起不能になる。
幻覚が破られたなら、私の負けでいい」

小瀬川は、そう言って片岡にリングを渡す

優希「リングを受け取ったから、トドメを刺すじぇ」

片岡は槍を構える

白望「ダルいから、早くして・・・」

優希「えいっ!!」ダジェ

片岡は、小瀬川めがけて槍を突く。槍は、小瀬川の胸部を貫通する

白望「(無欲じゃないと辿り着けないなんて、あんまりにも残酷な話じゃないだろうか・・・。
でも私、そしたらまた塞に会いたい・・・。私を迷わせた、白望山のふもとで・・・)」バタッ

片岡は、部屋を後にした

※inspired by Shinohara juukou eigyoubu and Kammuritokage

黒服「片岡様。7戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「65」と刻まれていた

黒服「65番ですね。では、ご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある場所に案内する

黒服「こちらでございます」

その場所は屋外だった

片岡の前には、右側にサイドテールを施した、赤髪の少女が立っていた

??「いやー緊張しちゃってさー、トイレで気合入れてきたよ。トイレは入れるとこじゃなくて出すところだけどな」

優希「下ネタきついじぇ」

          第七の対戦相手:獅子原爽

爽「寿命の支配者(パコロカムイ)!!」

獅子原がそう言うと、黒い影が獅子原の背後に現れる。黒い影は片岡に近付き、腕を伸ばす

優希「この影は何だじぇ?気持ち悪いじぇ。近寄るなじぇ」

片岡は、槍で黒い影を追い払おうとする。しかし、影はいつの間にか片岡の背後に移動しており、影に抱き付かれる

優希「何ともないじぇ」

しかし、パコロカムイは、確実に片岡に影響を与えていた

優希「単なるハッタリだじぇ。こっちから行くじぇ」

片岡は槍を構え、獅子原に向かって突進しようとする。しかし、何もない地面で転んでしまう

優希「咲ちゃんじゃあるまいし、なんで平地で転ぶんだじぇ」

片岡が立ち上がった瞬間、関節に、腰に、痛みが走る

優希「ひぎっ・・・。」ピシッ

体中の痛みに、片岡は動きを止める。自分の手足を見ると、やせ細り、しわができていた

爽「あんたの寿命を支配させてもらったのさ。あんたは今60才くらいのおばあちゃんだ。
鏡で顔を見せられないのが残念だ」

優希「くっ」

片岡は、普段の素早い片岡の攻撃は見る影もなく、緩慢な動きで獅子原に向けて槍を放つ。
獅子原はその攻撃を難なくかわす

優希「(槍が重いじぇ。動く度にあちこちが痛いじぇ)」

爽「このままでも簡単に勝てる。でも念には念を。フリカムイ!!」

獅子原は、右手を上げて巨大な鷲のような鳥を召喚する。フリカムイが翼をはためかせた瞬間、突風が発生し、
片岡は遠くに吹き飛ぶ

優希「ぎゃああああ」

片岡は地面に叩き付けられ、余りの痛みに転げ回って悶絶する

爽「天(あめ)が下の萬(すべて)の事には期あり、萬(すべて)の事務(わざ)には時あり」

※「物事には相応しい時期がある」、という意味です。多分

獅子原とフリカムイはいつの間にか片岡のそばに立ち、片岡を見下ろしていた

爽「暗雲低迷でも雲外蒼天、と言いたいところだけど、」

※「困難な状況でもあきらめるな」、という意味です。多分

爽「トドメだっ!フリカムイ!やれっ!」

獅子原が命令すると、フリカムイは一度宙に向かって飛び、片岡めがけて急降下を行う

優希「くっ」

片岡は、自由の利かない手で、必死でポケットを漁る。フリカムイはどんどん片岡に近付いていき、
片岡の目の前で大きく口を開ける

優希「今だじぇっ」ポイー ドゴーン

フリカムイ「ピキーーーー!!」バタッ

片岡はフリカムイの口に爆弾を投げ入れると共に、全身の力を振り絞って転げ回って逃げる。
爆弾を食らったフリカムイは、動かなくなった後、消滅する

優希「(身体の自由が利かないじぇ。最後の1個だけど、タコスを食べるしかないじぇ)」

爽「・・・」

爽「よくもフリカムイを!アッコロ!!」

獅子原は、胸部の前で両腕を交差させ、何本もの足を持った、巨大な赤いタコを召喚する

アッコロは足を伸ばし、片岡の胴体に巻き付け、手足の自由を奪う

優希「(タコスを食べる暇もなかったじぇ。もう、身動きが取れないじぇ。
このままタコに食べられて死んでしまうじぇ・・・)」

優希「・・・」

優希「タコ!?」

片岡は、アッコロの足に噛り付く

アッコロ「ピキーーーー!!」

優希「・・・」ガジガジ モグモグ

爽「なっ」

優希「オリャアアア!」ダジェ

片岡は身体に力を入れ、アッコロの拘束を強引に解く。アッコロの足は爆ぜ、粉々になる

アッコロ「ピキーーーー!!」

優希「復活したじぇーーーー!!」

片岡の疲労、ダメージは全回復し、老化も治っていた。それだけではなく、一時的にパワー、スピードなどが
増していた

優希「まずはお前からだじぇ」クルッ

片岡はアッコロの方を振り向くと、大きく飛び跳ねる

優希「オラオラオラオラオラオラオラオラ」ダジェ

アッコロ「ピキーーーー!!ピキーーーー!!」

片岡は、槍でアッコロを滅多刺しにする。アッコロは片岡を払いのけようとするが、素早く回避され、成す術がなかった

優希「オラアッ」ダジェ

アッコロ「ピキーーーー!!」バタッ

アッコロは、動かなくなった後、消滅する

優希「次はお前だじぇ」クルッ

片岡は獅子原の方を振り向く

爽「させるかっ。ホヤウ!!」

優希「止まって見えるじぇ」

片岡は、余りにも素早い動きで、獅子原の背後に回っていた

優希「サヨナラだじぇ」

片岡は、獅子原が召喚する間を与えず、背中を槍で突き刺す。槍は貫通し、胸部までに達する

爽「・・・」ピクピク

優希「まだ息があるじぇ」

爽「パ・・・パウチ・・・カムイ・・・」バタッ

獅子原は最後の力を振り絞り、黒い女性を召喚し、力尽きる。黒い女性は片岡にまとわりつく

優希「ふひゃっ」ビビクンッ

片岡は、涙とヨダレを垂れ流し、ガクガクと震える

優希「この割れ目が・・・割れ目がこすれて気持ちいいじょ・・・」

優希「・・・」

優希「今こそ飛翔のとき―――」

優希「・・・」

優希「ふぅ・・・」

片岡は獅子原からリングを奪い取り、その場所を後にした

ホヤウ「解せぬ」

-----------スタジオ内-----------
実況「片岡、七連勝ーーー!!過去の記録を塗り替えたかーー!?」

解説「過去最高記録は七連勝となっています。片岡はこの試合に勝てばその記録を塗り替えることが出来ます。
ただ、片岡は強い対戦相手とばかり戦っていますから、事実上既に塗り替えていると言ってもいいかもしれません」

ワーワー ワーワー

実況「片岡、次のカードを引きます!引いたカードは04番!」

解説「04番は、・・・(資料を見ながら)彼女ですね。彼女は、光翼の天使、という異名を持っています。
面白いことに、彼女は片岡の友人です。友人同士のバトルは、やりにくいのではないでしょうか。見所です」

ワーワー ワーワー ノドッチーー

実況「今、片岡が次の部屋に案内されました!いよいよ第八試合の開始です!!」

解説「今、最終オッズが出ました。挑戦者は2.25倍、対戦相手は1.5倍となっております」

ワーワー ワーワー

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、1回戦の部屋と同じ造りになっていた

片岡の目の前には、中学時代からの友人が立っていた

??「ゆーきがここまで辿り着けるなんて、そんなオカルトありえません」

片岡「のどちゃんっ!」

          第八の対戦相手:原村和

片岡「のどちゃんが友達だからと言って手加減するつもりはないじぇ」

和「同感です。私も手加減するつもりはありません」

片岡は、槍を構える

和「同じ武器だなんて、なかなかの偶然ですね」

原村はそう言うと、背中から羽が生え、頭上に天使の輪が現れる。更に、先端付近に羽を模した部位を付けた
槍が現れる

片岡は、原村に向かって突進し、槍を放つ。原村はそれをかわし、宙に舞い、障害物の上に降りる

優希「のどちゃん、卑怯だじぇ。降りてくるじぇ」

和「卑怯じゃありません。ゆーきも飛べばいいじゃないですか」

優希「(クローンもKYだじぇ)」

片岡は三角飛びを行い、障害物の上に飛び乗る。しかし、原村は更に高くへと飛ぶ

和「知ってますか?ゆーき、バトルは高い位置にいる方が有利なんですよ」

優希「(知ってるじぇ)」

原村は槍を構え、片岡に向かって急降下を行う。片岡は回避できず、左肩を掠める

優希「ぎゃああああ」

片岡は痛みに耐え、飛び跳ねて原村に槍を放つ。しかし、簡単にかわされ、逆に原村から左頬に槍による
カウンターを食らい、障害物の上に落下する

優希「ぎゃああああ」

和「バッタが鳥に勝てると思ってるんですか?そんなオカルトありえません」

優希「(のどちゃん、強いじぇ。同じ武器でも、のどちゃんは飛行できる分有利だじぇ。でも、
一つだけ有利な点があるじぇ。のどちゃんは私の武器が槍だけだと思い込んでることだじぇ。
飛んでいる相手に爆弾を当てるには・・・点火してから5秒後に爆発するから・・・)」

片岡は、思考を張り巡らせながら爆弾が入っているポケットを見る

和「・・・」

原村は、障害物の上に降り立つ

和「ゆーきの言う通り、確かに卑怯ですね。これではあまりに一方的です。羽は使わないことにします」

優希「(地上戦なら、爆弾が使いやすくなるじぇ)」

片岡は見落としていた。勝利に対して貪欲な原村が、自ら利点を放棄するのはおかしいということを。
原村の発言は建前であり、真意は別の所にあった。ただでさえ勝ち目が薄いのに、爆弾の事を知られたら、
勝ち目が限りなく薄くなる

しかし、片岡がその事に気付くことはなく、もう一度ポケットを見る

和「・・・」

片岡は槍を構える。それに応じて原村も槍を構える

優希「ダジェーッ!」

和「ソアーッ!」

互いに一進一退の攻防を繰り返す

優希「(まだだじぇ。もっと引き付けてから・・・)」

和「ゆーき、何を隠し持ってるんですか?」

優希「(えっ?)」ドキッ

片岡は動揺し、一瞬の隙ができる。原村はそれを見逃さず、槍を片岡の脇腹に突き刺す

優希「ぎゃああああ」

片岡は脇腹を押さえて転げ回る

和「ゆーき、ポケットの中に何か隠し持ってますね?見せて下さい」

原村は、強引に片岡のポケットの中を漁る。ポケットの中から、数個の爆弾と数枚の写真が現れる

和「爆弾を隠し持ってましたか。危ない所でしたね・・・。この写真は何ですか?」

原村は写真を見る。その写真には、着替え中の咲が写っていた

優希「(京太郎をからかって遊ぼうと思って撮った写真だじぇ。すっかり忘れてたじぇ)」

和「もう持っています。こっちの写真は・・・。こ、これはっ!」ガタガタ

その写真には、入浴中の咲が写っていた

和「ゆーき!!この写真を下さい!!」

優希「勝ちを譲るならあげるじぇ」

和「わかりました。私の負けです。リングを渡します」 つ◎

優希「じゃあトドメを刺すじぇ」

片岡は、原村を槍で軽く突く

和「あー、やられたー(棒)」バタッ

片岡は、こうして部屋を後にした

-----------観戦室内-----------
まこ「・・・」

久「・・・」

京太郎「・・・」

観戦室に気まずい沈黙が流れる

優希母「優希ちゃんったら、しょうがない子ね・・・」オホホ

優希父「そうだな、母さん・・・」アハハ

咲「和ちゃん・・・、その・・・、写真持ってるの?」

和「(クローンのくせに咲さんの写真を所有してるなんて図々しい。私でさえ咲さんの入浴中の
写真は持ってないのに。あの写真は私が持つべきです。咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん・・・)」

咲「・・・」

黒服「片岡様。9戦目です。カードをお引き下さい」

片岡は1枚のカードを選択する。カードには、「54」と刻まれていた

彼女がこれまでのバトルを勝ち抜いてきたのは、機転が利くという理由もあるが、強運に守られてきたためである。
しかし、対戦相手はことごとく強い相手ばかりで、カードの引きはむしろ不運であった。それを象徴するのが、
この「54」の引きである。「54」を引くと「55」が、「55」を引くと「54」が、漏れなく付いてくる。

彼女は、注意事項の一つに、「一回の対戦に付きに対戦相手は一人とは限らない」という項目があることを忘れていた。
序盤だったら、ある程度注意を払っていたかもしれない。しかし、1対1を繰り返すうちに、次第に感覚は麻痺し、
「対戦相手は1人」と思い込んでいた。この思い込みは非常に危険である。そのことを、彼女は痛感することになる

黒服「54番ですね。では、部屋にご案内いたします」

黒服はそう言って、片岡をある部屋の前に案内する

黒服「こちらでございます」

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、1回戦の部屋と同じ造りになっていた

片岡の目の前には、右頭部にヘアピンを付けた、緑色の髪をした少女が立っていた

??「リザベーション!」

優希「危ないじぇー!」

          第九の対戦相手:白水哩

片岡が入室した瞬間、鎖が飛んでくる。片岡は、鎖を横に動いて回避する

優希「(今のはやばかったじぇ)」

哩「リザベーション・スリー!」

今度は、3本の鎖が片岡に向かって飛んでくる

優希「ひいいいい」

片岡は、慌てて障害物の陰に隠れる

優希「(正面からは無理だじぇ。爆弾を使うじぇ)」ポイー

片岡は、障害物の陰から爆弾を投げる。しかし、投げたと思った爆弾が、上から戻ってくる

優希「ちょっ」

片岡は咄嗟に槍をバットのように構え、明後日の方向に打ち返す。 ドゴーン
爆弾は、空中で爆発する

優希「(上に何かあるのかもしれないじぇ。登ってみるじぇ)」

片岡は障害物に登ろうとするが、白水は片岡の目の前に来ていた

哩「リザベーション・フォー!」

優希「しまっ・・・」ガシャアァ

首に、左手首に、右足首に、左足首に、鎖が巻き付けられる。四か所を鎖で拘束され、
片岡は動作を著しく制限される

優希「(右手は拘束されてないじぇ。鎖女が精神的に優位に立っている今こそが爆弾を使うチャンスだじぇ)」

片岡は、空いている右腕でポケットを漁り、爆弾を取り出す

??「リザベーション!」ドゴォ

優希「ぎゃああああ」

突然、後ろから声が聞こえ、片岡の後頭部に重い衝撃が走る。片岡は衝撃を受け、うつ伏せに倒れる。
片岡が後ろを見ると、頭部の左右にヘアピンを付けた少女が立っていた。
その少女は、大きな鍵を模した大砲を構えていた

          第九の対戦相手(改):白水哩、鶴田姫子

優希「・・・」バキャッ

片岡を拘束していた鎖が壊れて外れる

優希「うう・・・、なんで二人いるんだじぇ」

哩「黒服から聞かされてたはずたい。対戦相手は一人とは限らんと。聞き逃したんなら、お前が悪か」

優希「(うう、確かにそんなことを言ってたような気がするじぇ)」

姫子「こん絆―――破らるっもんない破ってみろ・・・!!」

姫子「こん積み重ねが―――おまえ一人ん中にあっか・・・!!」

哩「リザベーション・ツー!」

倒れている片岡に、容赦なく白水の鎖が襲い掛かる。鎖は片岡の右手首に、左手首に巻き付けられる

姫子「・・・」ビビクンッ

姫子「リザベーション!」ボゴッ

すかさず、鶴田が鍵砲を発射し、片岡の背中に当てる

優希「ぎゃああああ」バキャッ

大砲を食らうと同時に、片岡を拘束していた鎖が壊れて外れる

優希「(なんで二人で出てくるんだじぇ。それぞれ一人でも、十分強力だじぇ。それに今の、さっきと比べると
あんまり痛くないじぇ)」

哩「リザベーション・スリー!」

優希「くっ」

片岡は立ち上がり、鎖を回避すると同時に振り向き、大砲に備える

姫子「・・・」

優希「(なんで撃たないんだじぇ。鎖女に関係なく、どんどん撃てばいいんだじぇ)」

優希「(二人一組・・・。鍵女の不自然な待機・・・。鎖の本数と大砲の威力・・・。
大砲を発射すると外れる鎖・・・。今は全員一直線上・・・)」

優希「・・・」

片岡は上衣を緩め、いつでも脱げる状態にする

哩「リザベーション・セブン!」

7本の鎖が片岡に向かって飛んでくる

片岡は鎖を引き付け、上衣を脱ぎ、放り投げる。7本のうちの3本は、片岡の右足首に、左足首、左太ももに巻き付き、
4本は、片岡が放り投げた上衣に巻き付く

姫子「・・・」ビビクンッ

姫子「リザベーション!」

優希「今だじぇ!」

片岡は、その場でしゃがみ込む。鍵砲は片岡の頭上を通過し、片岡の前に立っていた白水を直撃する

哩「ぎゃああああ」ドドゴォ

姫子「そんな、部長っ」

片岡を拘束していた鎖が壊れて外れる

優希「次はお前だじぇ」クルッ

片岡は振り返り、鶴田めがけて突進し、槍を放つ。鶴田は放心しており、槍は鶴田の胸部を貫通する

姫子「ああ、部長・・・」ゲボッ

鶴田は吐血し、仰向けに倒れる

哩「ううう、姫子・・・」

姫子「ううう、部長・・・」

白水と鶴田は、地面を這いずり、必死で相手に腕を伸ばす

哩「・・・」バタッ

姫子「・・・」バタッ

互いに手をつなぐ一歩手前で、二人とも力尽きる

優希「リングを持ってるのはどっちだじぇ?」

片岡は鶴田の持ち物を漁るが、リングを発見できなかった

優希「じゃあ、鎖女の方だじぇ」

片岡は白水の持ち物を漁り、リングを奪い取る

優希「・・・」

優希「せめてもの情けだじぇ」

片岡は、互いの相棒の目の前で力尽きた二人の手をつながせ、上衣を着直すと、部屋を後にした

-----------スタジオ内-----------
実況「片岡、九連勝ーーー!!もう止められないーー!!」

解説「次の試合は最終試合ですね。最終試合をクリアした人は何人かいますが、最大でも総合試合回数は
六回でした」

ワーワー ワーワー

実況「片岡、次のカードを引きます!引いたカードは03番!」

解説「03番は、・・・(資料を見ながら)彼女ですね。第八試合では片岡は友人と戦いましたが、
今度は先輩です。面白い試合が見れそうです」

ワーワー ワーワー ヒサーー

実況「今、片岡が次の部屋に案内されました!いよいよ最終試合の開始です!!」

解説「今、最終オッズが出ました。挑戦者は1.63倍、対戦相手は2.0倍となっております」

ワーワー ワーワー

片岡は、部屋の中に入る。部屋の中は、無数のロッカーが並んでいた

片岡の目の前には、片岡が尊敬する少女が立っていた

??「ここまで来るなんて、流石優希ね。私が見込んだだけのことはあるわ」

片岡「部長っ!」

          第十の対戦相手:竹井久

久「さあ、何処からでもかかってらっしゃい?」

竹井がそう言うと、片岡は槍を構える

優希「(おかしいじぇ。部長は武器になりそうなものを何も持ってないじぇ。それなのにその自信は何だじぇ。
こんなにたくさんあるロッカーも異常だじぇ)」

片岡は警戒し、攻撃を躊躇していた

久「折角チャンスを上げたのに、無駄にしちゃったわね。優希が来ないなら、こっちから行くわよ」

竹井はそう言うが、何かをする気配を見せない

優希「何も起きないじぇ」

久「優希、後ろを見てみなさい?」

優希「えっ?」クルッ

片岡が後ろを見ると、ロッカーの一つが動き、片岡の後ろに迫っていた。ロッカーはまるで生き物のように扉を開け、
勢い良く閉まる

優希「ひっ」

片岡は慌てて挟まれそうになった腕を引っ込める

久「どんどん行くわよー」

その瞬間、部屋中のロッカーが片岡に向かって迫ってくる

優希「ちょっ」

片岡は、必死で迫ってくるロッカーを槍で撃破するが、余りの数の多さに対応し切れずにいた

優希「食らうじぇ」ポイー ポイー ポイー ドゴーン ドゴーン ドゴーン

片岡は三方向に爆弾を投げ、後続のロッカーを撃破する

久「遠くのより、近くのをどうにかした方がいいんじゃないかしら?」

優希「(私だってそうしたいじぇ。でも、爆弾に巻き込まれるのはゴメンだじぇ。
これじゃあタコスを食べる暇もないじぇ)」

そうしているうちに、ロッカーの一つが、片岡の腕を挟み込む

優希「ぎゃああああ」

片岡は、余りの痛みに槍を持つ手を離し、槍を床に落とす

優希「槍が落ちちゃったじぇ!」

片岡は、槍を拾おうと前屈する。その瞬間を待っていたかのように、ロッカーの一つが片岡の頭部を挟み込む。
ロッカーは何度も勢いよく開閉し、片岡の頭部にダメージを与える

優希「ぎゃああああ!ぎゃああああ!」バターン バターン

久「えいっ」ドンッ

いつの間にか近付いていた竹井は、片岡の背中を突き飛ばし、ロッカーの中に閉じ込め、ロッカーを押さえる

久「優希ー、負けを認めるなら出してあげるわよー」

優希「(これはむしろチャンスだじぇ。最後のタコスを食べるじぇ)」

優希「・・・」タコスモグモグ

優希「ヌオオオォォ」ダジェ

片岡は、左手をロッカーに付き、右手でロッカーを押す

優希「ハァ」バキッ

久「きゃあっ」

ロッカーのドアが破壊され、ドアの付近に立っていた竹井は吹き飛ばされる

優希「今度は部長が入るじぇ!」

片岡は竹井を突き飛ばし、ロッカーの中に閉じ込め、ロッカーを押さえる

久「ああ・・・、ロッカーの中にいると、あの事を思い出す・・・」

久「ああっ、あああああああ!!」ガクガク ペタン

片岡は異変を感じ、ロッカーのドアを開ける

優希「部長、どうしたんだじぇ?」

久「・・・」ハァハァ

竹井は、息を荒くし、顔を紅潮させ、虚ろな目をしていた

優希「部長、リングをよこすじぇ」

久「・・・」つ◎

竹井は、素直に片岡にリングを渡す

片岡は、こうして部屋を後にした

久「狭いとこがおちつくのってなんだろうねあれ」

※inspired by Moriisantokono

-----------スタジオ内-----------
実況「片岡、完全クリアーー!!素晴らしいーー!!実に素晴らしいーー!!」

解説「今までの挑戦者を遥かに超える実力を持っています。片岡は、少女の姿をした魔物ですね」

ワーワー ワーワー

実況「皆様、名残惜しいですが、本日はこれで終了です!!お付き合いくださいまして、
誠にありがとうございました!!実況は私、○山○男と、」

解説「解説は私、×山×男がお送り致しました」

ワーワー ワーワー





-----------観戦室内-----------
優希父「うう・・・、優希・・・、ありがとう・・・、ありがとう・・・」ポロポロ

優希母「優希ちゃんったら立派になっちゃって・・・」ポロポロ

久「(やだ・・・、私も思い出しちゃった・・・)」

久「ねえ、須賀君、この後、部室でやらなければならないことがあるの。付き合ってくれない?」

京太郎「え、ええ。わかりました」

和「そこで犬が逆立ちして言ったんですよ、『それはワシの寒天じゃあ』って」

咲「あはは、よくあるよね」

優希「おタようコざいまース!」

片岡が部屋に戻ってくる

優希父「おお、優希、よくやってくれた・・・」

黒服「ただ今、口座に一億円を振り込みました。ご確認ください」

久「じゃあみんな、ここで解散よ、須賀君は用事があるから付いてきて」

咲「あ、私も行きます」

久「力仕事だから、女の子はかえって邪魔なのよ(方便)」

※このあと滅茶苦茶ロッカーした

数日後の夜、街中で、竹井は待ち合わせをしていた

??「久ちゃん、待った?」

久「△山さん、お世話になっております」ペコリ

竹井は、待ち合わせに来た男性にお辞儀をする。この△山という男性は、会員の一人であり、
竹井が電話していた男性である

△山「じゃあ、行こうか。何を食べたい?何でもおごってあげるよ」

久「居酒屋がいいですわ」

△山「ははは、普通はフランス料理やらイタリア料理やらを選ぶのに、久ちゃんは面白い子だね」

※△山は、久が未成年であることを知っていて黙認しています

久「ただ、他人に聞かれたくない話もあるので、個室のあるところで」

竹井は、△山と腕を組むと、居酒屋へと向かう





-----------居酒屋内-----------
久「それで、言う通りにしていただけましたか?」

△山「ああ、したよ。毎回挑戦者に限度まで賭けるように言われた時は、正気か?と思ったけど、
大正解だったわけだ。おかげで、約2億6000万も儲かったよ」

久「それで、あの、言いにくいのですが・・・」

△山「久ちゃんの取り分だろう?2割の約束だが、色を付けて2.5割の6500万渡そうじゃないか」トランクドサー

久「△山さん、ありがとうございます」ムニュッ チュッ

竹井は、△山の腕に抱き付き、頬にキスをする

△山「ははは、サービスいいな」

久「(優希のおかげで稼がせてもらったわ。でもまだまだ足りない。私も資金を溜めて、
あっち側の人間になってやる。そうすれば、この△山も用済みよ)」

竹井の目には、強い決意が宿っていた





カンッ

これにて終了です。お付き合いいただきありがとうございました

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