【FE】サナキ「婚姻じゃと?」【蒼炎・暁】 (62)

こんなSS誰も読まないと思いますが一応注意点
・FE暁の女神の後日談という設定の今さらすぎるスレです
・蒼炎も暁もやっておりますがだいぶ前なので記憶ぼんやりしてて微妙にキャラの性格とか違うかもしれません
・アイクとサナキが結婚する話です
→FE覚醒にパリスってアイクの子孫が出てたけどあいつラグネルもってたよね?
→ラグネルはベグニオンの至宝でアイクは貸し与えられてただけだから女神戦後は返還されたはず
→どんな形であれラグネルが継承されてたってことはパリス=ベグニオン皇帝の血筋である可能性大
→アイクの嫁サナキじゃね?
っていう考察見てあぁなるほどと納得してしまい書きたくなりました


話題古いし思いつきだしgdgdになるだろうしチラ裏にでも書いとけばいいものを
それじゃ寂しい気がしてわざわざ場所お借りして恥を晒す
そんなスレです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468307590

シグルーン「ええ。もうそろそろお考えになっても良い頃かと」

サナキ「なるほど、この頃貴族の若いものがよく出入りするのはそういう訳か」

シグルーン「さぁ、それはどうでございましょう」

サナキ「まだ考えるには早いわ。それよりこれから同盟諸国との会議じゃ。さ、行くぞ」

シグルーン「……かしこまりました」

ベグニオン諸国同盟会議

シグルーン「――以上です」

サナキ「うむ。では、今日はこれで終わりかの」

ティバーン「ううっと。相変わらず会議ってのは面倒だな」

スクリミル「全くだ。石になるかと思ったぞ」

ネサラ「微妙に笑えない冗談だ」

ライ「というか、半分寝てたでしょう」

スクリミル「うん? そんなことないぞ。聞いていた。やっぱりそうだな、俺は木の実より肉の方が好みだ」

ライ「そんな議題はなかったでしょ……ほんと頼みますよ、獅子王殿下」

サナキ「いずれにせよ、この会議もあと数日じゃ。みな、諸国繁栄のためによろしく頼むぞ」

エリンシア「はい」

ティバーン「まぁ、それはいいとして……今日はもう一つあるんだよなぁ」

サナキ「うん、なんじゃ?」

スクリミル「何かあったか?」

ライ「……この会議が始まる前にシグルーン殿に言われたでしょう」コソコソ

スクリミル「シグルーン? ふむ……あー、あぁ、うむ。ちゃんと聞いていたぞ。寝てはいない」

ライ「……」

クルトナーガ「陛下、我ら他国の王族が口を挟むことではないと承知の上で申しますが」

クルトナーガ「そろそろ結婚相手について候補だけでも決められてはいかがでしょう?」

サナキ「……」

スクリミル「あ、あぁ! そうだった。ベグニオン皇帝! 早く結婚すればよいではないか!」

ライ「ちょっと、そういう言い方じゃなくて……ったく」

サナキ「……シグルーン、よりによって他国王を味方に付けようとは」

シグルーン「陛下、お分かりいただけると存じますが、これは単に一少女の結婚云々には収まらない話ですので」

サナキ「もう私は金輪際、結婚などせんからな」プンッ

シグルーン「そんな子供じみたことをおっしゃらずに……」

スクリミル「何も、力比べをして一番強いものを婿にすればよいではないか」

ライ「何でもかんでも力で解決できるわけじゃないってことは学んだでしょう」

スクリミル「それはそうだが、こと婿とするならば力の強いものにして間違いはあるまい」

ライ「それで、勝ち残ったものが反ラグズ思想の者だったらどうするんだ?」

スクリミル「そのときは、俺が叩き潰す」

ライ「何の解決にもなってないな……」

サナキ「ともかく、私は結婚などせんぞ!」

サナキ「」プンプクリン

シグルーン「陛下、どうかお考えくださって……」

ティバーン「子供だな……」

エリンシア「国政外交のことであれば、率先してご決断なされるのですが……」

ネサラ「皇帝の婚姻など、もはや国政の一部だろう?」

クルトナーガ「陛下といえどそう簡単に割り切れるものではないのでしょう」

クルトナーガ「戦いを終えてのち成長なされたとはいえ、歳だけを見ればまだまだお若い」

スクリミル「というか、ベオクにとっては今ごろが適齢期なのか?」

クルトナーガ「結婚できる年齢ではありますが、ベオクとしても適齢期というにはまだ早いでしょうね」

ライ「だが、結婚の候補を挙げるなら早くて悪い事はない」

スクリミル「なぜだ?」

ライ「少しは自分の頭で考えてくださいよ。政治的な問題です」

スクリミル「うむ分からん」

ライ「早いなぁ……」

クルトナーガ「ベグニオン帝国は現在においても大陸最大の勢力を誇る大国です」

クルトナーガ「ベオク諸国にとっては宗主国であり、その戦力は一国で我がゴルドアを除くラグズ諸国の合計と同等あるいはそれ以上でしょう」

クルトナーガ「そのベグニオンが諸国との同盟と共存を維持することによって現在の平穏は保たれています。いわば大陸の要です」

スクリミル「うむ、それくらいのことは俺でも分かるぞ」

クルトナーガ「その婿殿下、および彼の家族など付随して権力を得る人々、そのご子息ご令嬢。彼らが反ラグズ勢力となれば」

クルトナーガ「諸国の間に緊張関係が生まれます」

クルトナーガ「また現皇帝陛下は歴代としては、その、少々特殊な事情を抱えていらっしゃいます」

スクリミル「事情?」

ライ「……ベグニオン歴代皇帝は同時に神使だった。陛下はそうじゃない」

スクリミル「だが、それについては問題ないのだろう? 皇帝と神使は必ずしも同一でなくていい」

クルトナーガ「制度上はそうです。しかし全ての民が納得しているかと言えば、確実なことは言えません」

スクリミル「しかし式典では歓迎されていたではないか」

クルトナーガ「ベグニオンの多くの民はそうでしょう。しかし中には……」

ライ「人の心ってのは複雑なものさ。ましてや民衆ってのはその複雑なものの集まりだからな」

スクリミル「そんなものか」

クルトナーガ「要するに、ベグニオン皇帝の婿殿下となられるお方は」

クルトナーガ「我らラグズおよびベオク諸国と大陸の民衆が納得できるような人物でなければならないのです」

スクリミル「なるほど、そんな人物がひょっこり見つかるとは思えんな」

ライ「そういうこと。で、なるべく早くに候補を探し出してもらって、我らも一緒に見極めようって話なんですよ」

スクリミル「となると、我らは皇帝の親役か」

クルトナーガ「ある意味ではそうでしょうね」

シグルーン「陛下、陛下の結婚相手となればそう簡単に決めるわけにはいきません」

シグルーン「その人格や性格、器を見定め、かつ陛下のお気に召すお方を探すためにも候補だけでも決めておきませんと」

サナキ「それはそうかもしれん。が、当面は結婚相手などいらん。大陸の安定に努めねばならんしな」

ティバーン「じゃあ、なんだ。何か基準だけでも決めればいいんじゃないか?」

サナキ「基準?」

ティバーン「あぁ。このような人が良い、というようなことだけでも決めていただければ」

ティバーン「シグルーン殿も見当だけでも付けておけるだろう」

サナキ「基準、のぉ……」

シグルーン「もしや、そういったものがお有りでしょうか?」

サナキ「……アイク」

シグルーン「……は?」

サナキ「もしアイクのような、もしくはそれ以上の器を持つ男を連れてくれば、すぐさまにでも結婚しよう」

シグルーン「へ、陛下……」

ティバーン「おいおい、無茶ってもんだぜ、皇帝陛下。確かにアイクならラグズとしても歓迎するが……」

クルトナーガ「本人はすでに旅立って数年。いつ帰ってくるとも知れませんし。彼と同じだけの器となると」

スクリミル「大陸中を探してもそうそう見つからんだろうな」

シグルーン「陛下、もう少し基準を下げていただいて」

サナキ「しかしシグルーン、そなたの言うとおり、今ベグニオンの皇族となるからにはベオクラグズともに分け隔てなく接し」

サナキ「かつ諸侯をまとめ民衆から広く支持の得られるような人物でなければなるまい」

サナキ「アイクというのはこれ以上なく分かりやすい基準ではないか?」

シグルーン「それはそうですが……」

ネサラ「しかし皇帝陛下。あんたの好みとしてはどうなんだ? アイクのような者が好みなのか?」

サナキ「……ふむ。いや、まぁこの際、好みか否かはおいておこうではないか」

ネサラ「……顔真っ赤だぞ」

サナキ「と、ともあれ! アイクくらい器の大きく、諸国民から支持の得られる勇者でなければ結婚などしない。以上!」フンッ

シグルーン「陛下、お考え直しを……」

ティバーン「こりゃ完全に勝った気でいるぜ」

ネサラ「まぁ、それなら探してきましょう、といって見つかるものではないだろうな」

クルトナーガ「しかしサナキ様の言い分にも一理あります。ベグニオン皇帝の婿となればそれなりの器は必要では?」

ティバーン「当然、器や良識は必要だとは思うが……とはいえアイクとはな」

シグルーン「せめて、もう少し条件を明確にしていただいて。アイク殿のように、とは言っても具体的にどのようなお方かというところを」

サナキ「ベオク・ラグズ連合を率いることができ、ラグネルを片手で扱い」

サナキ「女神ユンヌの助力の元に女神アスタルテ打ち倒し、自ら消滅しようという女神の意志を翻意させることができる者」

シグルーン「それはアイク殿以外いません!」

サナキ「では結婚の話はなしじゃ」

シグルーン「陛下……」

エリンシア「……」

エリンシア「陛下」

サナキ「うん?」

エリンシア「アイク様と同等のお方を連れてくれば、ご結婚なさるのですね?」

サナキ「うむ、しよう」

エリンシア「では、例えばそのようなお方を陛下の目前に連れてきたとして、ご結婚なさるための努力はしていただけますか?」

サナキ「どういう意味じゃ?」

エリンシア「アイク様ほどの器となれば、みな大なり小なり癖のあるものです」

エリンシア「失礼ながら、例え見つけられたとしても、ただ皇帝が望むというだけではお相手の方がご結婚を承諾なさらないかもしれません」

エリンシア「そうといって、そのような方が二人三人と見つかるはずもございません」

エリンシア「万一、そのお方を連れてくることができたとして、しろと言って陛下との結婚を承諾されない場合」

エリンシア「陛下は彼を振り向かせるため、努力をなさっていただきますか?」

サナキ「ふむ……」

サナキ「まぁそれほどの人物がいれば、私自身やベグニオンのみならず大陸全土の利となろう」

サナキ「できる限りの努力はしよう」

サナキ「どうせ見つけられんだろうしの」ボソッ

エリンシア「ありがとうございます。そう言っていただければ、見つけ甲斐もあるというものです」

エリンシア「では、私はやらねばならないことができましたので、お先に失礼いたします。ルキノ」

ルキノ「はい」

エリンシア「あぁ、それからシグルーン様」

シグルーン「え? は、はい。なんでしょう」

エリンシア「少々お時間をいただけますか? ご相談がありますので」

シグルーン「し、しかし……」

サナキ「行ってよいぞ」

シグルーン「……失礼致します。ではエリンシア殿下、こちらへ」

エリンシア「ええ」

~翌日~ 諸国同盟会議

シグルーン「議題は以上です」

サナキ「うむ。デイン女王が到着しようやく諸国の問題に本格的に取り組めるようになった」

サナキ「この調子で大陸の平穏と安定のために、よろしく頼むぞ」

ミカヤ「遅れてしまい、すみません」

ティバーン「なに、デインは急速に復興したからな、問題も抱えて当然だろう」

ミカヤ「私もまだまだ未熟で……」

クルトナーガ「最初からうまくいくことはありません。今は平穏の時代ですから、ゆっくりと慣れていかれればよろしいでしょう」

ミカヤ「ありがとうございます」

エリンシア「……皇帝陛下、本日はこの会議に一人お呼びしたいお方がいらっしゃるのですが」

サナキ「うん? 誰じゃ。聞いていないが」

エリンシア「なにぶん急なことでしたので、ご連絡が遅れてしまい……」

サナキ「まぁエリンシア女王が呼んだ者なら信頼に値するということであろう。良いぞ、通せ」

エリンシア「ありがとうございます。では、アイク様ぁ」

サナキ「……は? アイク?」

アイク「久しぶりだな」

ティバーン「うおっ、本当にアイクじゃねえか」

ライ「おお! アイク、帰ってたのか?」

アイク「ついこの間だ。クリミアでエリンシアに会ったんだが、すぐにこの会議でベグニオンに発たなければいけないと聞いてな」

アイク「護衛方々ついてきたんだが、昨日いきなり会議に出席して欲しいと言われた」

アイク「連絡が行き渡っていないらしいが……本当に大丈夫なのか?」

サナキ「……いいわけあるかぁあ!」

アイク「うおっ!? なんだ?」

サナキ「こ、こやつ……このっ! 帰っていたなら帰ってたと言わんか! ばか者っ!」ポカポカ

アイク「いやしかし会議中に、ただの傭兵が神殿に行くわけにも……」

サナキ「何がただの傭兵じゃ! 世界救っておいて! このっ……約束してしまったではないか、ばか者っ! ばか者っ!」ポカポカ

アイク「い、一体なんなんだ……?」

エリンシア「陛下、『アイク様と同等のお方』を連れてまいりました」

エリンシア「約束は守っていただけますね」ニコッ

ティバーン「それで『振り向かせるため、努力をなさっていただきますか?』ね。なかなかやるな、クリミア女王」

ネサラ「あぁ。真意を隠して言質を取るとは、なかなか、外交の妙じゃないか」

スクリミル「うむ。ライ、クリミアと対立することだけは避けよう。外交交渉で勝てる気がせん」

ライ「それはそれは、賢明なご判断で」

サナキ「ぐぬぬっ、エリンシア謀りおったな!」

サナキ「嫌いじゃ!」フンッ

エリンシア「お許しください、陛下」

ミカヤ「恐れながら、皇帝陛下。諸国王の前でそのような子供じみた態度を取られるのはいかがなものかと」

サナキ「み、ミカヤ……ぐぅ……」

アイク「何がなんだか分からんが、あれだな。ぐぅの音も出ないなんて言葉があるが、人間やり込められてもぐぅの音くらい出るもんなんだな」

サナキ「こ、こんのっ、アイク! 元はと言えば……っ! このっ! このっ!」ブンブン

アイク「うおっと」

ライ「あいつも何というか……空気の読めないところは変わらないな」

クルトナーガ「そのようですね」

サナキ「今日の会議はこれで終わりじゃ! 終わり終わり! 諸国王、本日も感謝する! 明日もよろしく頼む! 帰るぞシグルーン」

シグルーン「お、お待ちください陛下! で、では失礼致します」

ティバーン「……ありゃ完全にご立腹だぜ」

ネサラ「見れば分かるだろ」

エリンシア「……少々強引が過ぎたでしょうか?」

クルトナーガ「よろしいのでは? いずれは決めねばならないことです」

ライ「ともあれ、アイク。お前の気持ちはどうなんだよ」

アイク「なにがだ?」

ライ「あれ? 聞いてないのか?」

アイク「何も知らんが?」

スクリミル「どういうことだ、エリンシア女王」

エリンシア「いえ、その、振り向かせる努力は陛下ご自身でなさるとおっしゃっていただけましたから」コソコソ

エリンシア「それに、ミカヤ女王が……」

ティバーン「ミカヤが?」

ミカヤ「色恋は外よりも本人に努力させた方がうまくいくものです」

ミカヤ「それにベグニオン皇帝ともなれば、一般人にはない多くのものを得る代わり、一般に人が得るはずの幸福や自由を多く失うものでしょう?」

ミカヤ「恋愛くらい本人の手でやらせてあげたいではないですか」

ティバーン「なるほどな。ま、俺らとはまた違った次元で、縛りもあるだろうしな」

ネサラ「まぁそれはいいとして……本音は?」

ミカヤ「妹が生まれて初めての恋愛に右往左往する様を存分に眺めてニヨニヨしたいのです」

ネサラ「ってところだろうと思ったよ。いやはや、どこでも怖いねぇ、女ってやつは」

ミカヤ「そうですか? では、我らと争いにならないよう最大限の友好を結びましょう、統一鳥翼族国筆頭外交官殿」

ネサラ「……もちろんですとも。今後ともよろしくお願いいたしますよ、デイン女王殿下」

ライ「あれでまだまだ未熟者とは、女云々よりも末が恐ろしいですよ、俺としては……」

ティバーン「全くだな」

今日はここまでです
途中急用入ったせいで思ったより進まない……
明日もたぶん書きます
あとトリ付け忘れてたので、ここでトリ付けておきます

シグルーン「陛下、エリンシア殿下にはお約束どおりアイク殿をお連れいただきました。今後は陛下ご自身も努力なさいませんと……」

サナキ「ふん。あ、あんな約束無効じゃ、無効」

シグルーン「しかし陛下は諸国王の目前で明言なさったではありませんか」

サナキ「そ、それはそうかもしれんが」

シグルーン「それとも、やはり平民出身のアイク殿では不足でしょうか?」

サナキ「そうは言わん。アイクは本来であればしかるべき地位と権力を持つべき者じゃ。とは言っても、しかしじゃな……」

シグルーン「力量は不足していない。となると、アイク殿の容姿や性格が陛下ご自身のお気に召さないということでしょうか?」

サナキ「そういうわけでもないが……」

シグルーン「ふむ。陛下のお気持ちとしてはアイク殿がお好き、と」

サナキ「うむ……いや、ま、待て。違うぞ? アイクが好きだとかそういうのではなくて……」

シグルーン「では、お嫌い?」

サナキ「き、嫌いでもないが……」

シグルーン「ふむ、なるほど」ニヨニヨ

サナキ「し、シグルーン! 何を笑っておる!」

シグルーン「わ、笑ってなどおりません。陛下、しかしそれではどこがお気に召さないのでしょう?」

サナキ「そ、それは……」

サナキ「そうじゃな。ふむ、えっと……」

シグルーン「お断りいたしますが、あくまであればお聞かせ願いたいというだけで、わざわざお考えなさる必要はないのですよ?」

サナキ「わ、分かっておるわ! 考えてなどおらん。思い出していただけじゃ。うん、そうじゃな。あれじゃ」

シグルーン「では、あれとは?」

サナキ「その……そうじゃ、あやつ確かに一将軍としての力量、率いるものとして信用はずば抜けておるかもしれん」

サナキ「しかし、政治ができんじゃろう。勉強も嫌がるはずじゃ」

シグルーン「……ええ、まぁ確かに。クリミア救国の後に自ら爵位を辞したのは、貴族社会に嫌気がさしたのも一員であると聞きます」

サナキ「じゃろう! そこを心配しておるのじゃ、うむ。まつりごとができぬようでは、ふさわしくないからのぅ」

シグルーン「しかし、今回は救国の英雄としてではなく、陛下の婿殿として迎え入れようというのです」

シグルーン「この場合、政治に関してはあくまで皇帝陛下の領分であり、婿殿には必要ないものでは?」

サナキ「ま、全く必要ないものでもなかろう? その、諸国王との対話や、民に対する挨拶くらいはできねばなるまい」

シグルーン「それでしたら、アイクなら立派にこなしていただけるでしょう」

サナキ「そ、それだけでなくてじゃな。うむ、その、わたしとしては単なる婿ではなく政治内政に関しても助言してくれるくらいが良いのじゃ」

シグルーン「助言、ですか」

サナキ「いやいや、いっそわたしの代わりを務められるくらいでちょうど良いのぉ」

シグルーン「陛下の代わり……」

サナキ「子を生む際には政治に参加できなくなるじゃろうからのう。その期間を任せられるものでなければ」

シグルーン「お子? なるほど、陛下はそこまでご想像されておられたのですね。わたくしは、そこまではとても及びませんでした」ニヨニヨ

サナキ「そ、想像といってもあれじゃぞ? あ、あくまで状況として当然考えられるというのであってだな、その、具体的な何とかとかはその……」ゴニョゴニョ

シグルーン「ふふっ、分かっておりますとも」

サナキ「わ、笑うでないわ!」

シグルーン「これはこれは、失礼をお許しください」

サナキ「ふん」

サナキ「で? どうなのじゃ、アイクにわたしの代わりが務まるか?」

シグルーン「それは……無理でしょう。アイク殿には経験もありません。こと人をまとめる才能、ただそれのみならば傑出しておりますが……」

サナキ「うむ、まつりごととなれば当然人の信用を得るだけではダメじゃ。それは前提として」

サナキ「性格の違う多種多様な問題を合わせて考え、あちらも立たずこちらも立たずという状況をゆるやかに着地させる平衡感覚がいる」

サナキ「そこに王道はなく、先の先まで読み、時に面倒で回り道とも思えることをやらねばならんこともある」

サナキ「こういったものは本を読み、実際に事に当たり、長い年月を経て得る能力で、天より与えられし才能それのみでどうこうできるものではない」

シグルーン「……おっしゃるとおりです、陛下」

サナキ「うむ、そういうことじゃから、アイクとの結婚は少し待って欲しいのじゃ」

シグルーン「待つ? ということは白紙ではないと?」

サナキ「うん? いや、そうじゃな……え、エリンシア女王が折角連れてきてくれたのじゃから、無下にもできまい」

シグルーン「……」

シグルーン「しかし陛下、政治が必須条件となれば、アイク殿には希望はないでしょう」

サナキ「な、なぜじゃ。分からんじゃろう」

シグルーン「陛下がおっしゃったとおり、政治には根回しや諸国諸侯との交渉など面倒ごとが多くございます」

シグルーン「対し、アイク殿は面倒ごとが嫌いなお方。いつでもまっすぐわが道を駆け抜けていくようなお方です」

サナキ「う、うむ。じゃが、あやつには基本となる人から信頼を得る才能はあるのじゃ、一概に向いてないとも……」

シグルーン「しかし、天より与えられし才能それのみでどうこうできるもの、ではありませんので」

サナキ「うっ……いや、確かにそう言うた。けれどもじゃな」

シグルーン「あぁ! わたくしはアイク殿ならば間違いない、ふさわしいと思っておりました」

シグルーン「賢明なる諸国王殿下も、もろ手を挙げて賛同なさっておりましたので、手放しにそう思ってしまったのかもしれません」

シグルーン「しかし陛下の言をお聞きになれば、なるほど確かにその通りでございます。これには諸国王も二もなく頷き、ご納得くださることでしょう」

サナキ「……」

シグルーン「もし、それでも陛下ご自身が、『ことにアイク殿を望まれる』ならば、話は変わりましょう」チラッ

サナキ「うっ」カァ///

シグルーン「がっ! しかし、アイク殿とおっしゃられたのは、あくまでそれほどの器量が必須という例えであって」

シグルーン「アイク殿個人にご執着があるというのではないご様子」

シグルーン「となれば、まことに残念ではありますが、アイク殿との婚姻は今後も全くなしということにした方が」

シグルーン「話がややこしくならず、無益な噂も立つこともなく、よろしいでしょう」

シグルーン「では、早速諸国王に事情を説明せねばなりませんので、失礼致します」

サナキ「……待てぃ!」

シグルーン「……なんでしょうか?」

サナキ「その……ふむ、何もそんなに急ぐこともないではないか」

シグルーン「いえ、妙な噂が立てば、それはまた面倒ですので。ないことはなしと一刻も早く明言しておかれた方がよろしいかと」

サナキ「いや、何というか、全くなしというわけでも、ないのじゃが……」ゴニョゴニョ

シグルーン「は? 申し訳ありません、うまく聞き取れませんでした。今なんと?」

サナキ「だ、だからじゃな。その、アイクが全くなしというわけでも……」

シグルーン「つまり、どういうことでしょう?」

サナキ「だから、その……」モジモジ

シグルーン「陛下。陛下はベグニオン帝国皇帝陛下なのです。お望みがおありなら、なんなりと、はっきりおっしゃりくださいませ」

サナキ「う、うむ。だからその……あ、アイクでいいと言っておる!」

シグルーン「でいい? それは、アイク殿でなくともよろしいということでしょうか?」

サナキ「うっ……アイク『が』いい!! アイクが、じゃ!」

シグルーン「ふむ、では陛下はアイク殿がお望みと」

サナキ「そうじゃ! 文句があるか!」フンッ

シグルーン「いえ……ふふっ」

サナキ「何を笑っておるのじゃ、全く」

シグルーン「これは、重ね重ね失礼を……」

サナキ「むぅ」フンッ

シグルーン「……陛下。ベグニオン皇帝の婚姻ともなれば、政治的政略的な側面は隠しおおせぬもの」

シグルーン「ふさわしき器、ふわさわしき立場……そのようなことを考慮しなければならぬのも事実でございます」

シグルーン「しかし、同時に最も考慮されるべきは陛下ご自身のお気持ち」

シグルーン「幼少より皇帝として国歌の面倒ごとを背負われ、回り道を歩み続けてこられたのです」

シグルーン「ご結婚の時くらい、ご自分のお気持ちに正直に、まっすぐと、言いたいことをそのままお話くださいませ」

サナキ「シグルーン……」

ミカヤ「その通りです。色恋は自分で決めるものですよ」

サナキ「そうじゃな……!?」

サナキ「み、ミカヤ、いつからそこにおったのじゃ」

ミカヤ「え? ずっといましたが」

サナキ「ずっと、って……」

ティバーン「最初から最後まで聞いてたぜ。アイク『が』いい、ってところもな」

サナキ「た、鷹王まで……」

ネサラ「というか、全員いるな」

サナキ「……まさか、全部」

エリンシア「申し訳ありません。失礼は承知していたのですが……」

スクリミル「まぁ良いではないか。本当ならば盗み聞きだの盗み見だのは性に合わないのだが、今度はなかなか楽しめたぞ」

ライ「獅子王、こういうときに楽しいとか、そういう言い方はなさらない方がいいですよ……」

スクリミル「うん? そうか。では、皇帝殿が赤くなったり小さくなったりして、見ていて面白かった!」

ライ「あー、何というか……ダメだなこりゃ」

サナキ「ぐっ。こ、こやつら……」

ミカヤ「まぁまぁ……」

ミカヤ「何はともあれ、我らが皇帝陛下が決められたんですから、これからは我ら諸国王も全力でご協力いたしましょう!」

エリンシア「はい! もちろんです」

ティバーン「……なんであんなにノリノリなんだ。つーかミカヤってあんな性格だったか?」

ネサラ「ニヨニヨしたいんだろ?」

ティバーン「にしても変わりすぎだろう。どんだけニヨニヨしたいんだ」

クルトナーガ「……ミカヤ殿はサナキ様の姉君ですが、我ら王族と一部の者のみが知る秘密で、公にそのようなふるまいはできない」

クルトナーガ「今回、姉らしいふるまいができる機会を得て、嬉しいのでしょう」

ティバーン「そうかねぇ。俺にはただ楽しんでるようにしか見えんが」

クルトナーガ「それでもよろしいではありませんか。我ら王族間の友好と結束が、ひいては大陸の安定に繋がるのですから」

ティバーン「ま、それはそうなんだがな」


ミカヤ「――ということで! これからはわたしたち王族で『サナキ陛下をアイク様とくっつけ隊』を結成しようと思いまーす!」

エリンシア「わー」パチパチ

サナキ「や、やめよ! やめてくれー!」///

今日はここまでです

~翌日~ 同盟会議

ミカヤ「ということで、本日もアイクさんにお越しいただきました」

アイク「よろしく頼む」

サナキ「」

シグルーン「……陛下、お顔が真っ赤で、目も泳いでおりますよ。もう少し落ち着いて、堂々となさいませ」

サナキ「うぇ?」ビクッ

サナキ「だ、大丈夫じゃ。わたしは落ち着いておる。なんともないぞ」

シグルーン「……それならば良いのですが」

アイク「で、俺はここに座ればいいのか?」

エリンシア「あぁ、違います。アイク様はわたくしの隣ではなく、向こうの、皇帝陛下の隣の席へどうぞ」

アイク「ん? 俺はクリミア側として招かれたんじゃないのか?」

エリンシア「ええっと、それは何というか……」

クルトナーガ「アイク殿はもはやクリミア一国の英雄というだけではなく、大陸の英雄でもありますから」

ティバーン「そういうことだ。まぁ大人しく議長たる皇帝陛下の隣に座っておいてくれ」

エリンシア「そ、そういうことですので」

アイク「そうか。英雄と呼ばれるのは、少しむずがゆい気もするが……まぁ俺が言うことはどこにいても変わらん。座らせてもらおう」

スクリミル「うむ。というかこれから婿になる者が離れて座るのもおかし――」

ライ「うおおっと、獅子王! 今朝食った肉がついておりますよっ!」ゴンッ!

スクリミル「うぐっ! ら、ライ貴様! いま殴ったな!」

ライ「……ご勘弁を。しかし獅子王、アイクの前であまり婿だの何だのというのはまずいかと」コソコソ

スクリミル「ぐっ……そうか。うむ、まぁなんだ。俺が悪かった、許そう」

ライ「感謝します、殿下」

アイク「……あいつらは何をやってるんだ?」

エリンシア「さ、さぁなんでしょう? とにかく、アイク様は向こうの席へ。お早く」

サナキ「」チラチラ

アイク「……俺の顔に何かついているか?」

サナキ「うぇ? な、なんでもないぞ。うむ。良き顔じゃ」

アイク「?」

サナキ「……」

シグルーン「うっうん。陛下」

サナキ「ひゃいっ! な、なんじゃ?」

シグルーン「話を先に進めませんと」

サナキ「うん? あ、あぁ。そ、そうか。そうじゃな、うむ」

シグルーン「……次の議題は各国におけるベオクラグズの宥和政策について、でございます」

サナキ「わ、分かっておる。うむ、えっと……」

シグルーン「……」

エリンシア「何だかおどおどしていらっしゃいますね。緊張していらっしゃるのでしょうか?」

ティバーン「あぁ、らしくないな。だが、少し面白い」クスッ

クルトナーガ「昨日、ああいうことがありましたからね。嫌でも意識してしまうのでしょう」

ネサラ「狙い通りじゃないか。身分は関係なしの、歳相応の恋愛だ」

ミカヤ「でもこのままではいつまで経っても話が進みませんね……」

スクリミル「……」

ライ「……獅子王、寝てます?」

スクリミル「うぐっ、ね、寝てないぞ! うむ、俺は寝ていない」

ライ「……今日はもうそのままでいいので、寝ててください」

スクリミル「?」

シグルーン「――以上です」

サナキ「う、うむ。これで本日は終わりじゃな」チラチラ

ミカヤ「陛下!」

サナキ「な、なんじゃ?」

ミカヤ「このあとお時間は空いておりますか?」

サナキ「このあとの予定は……」

シグルーン「陛下の本日のご公務はこの会議が最後です」

ミカヤ「ではアイクさんとお話をする時間がありますね!」

サナキ「っ!?」

アイク「俺が何の話を?」

ミカヤ「陛下はアイクさんが旅していた際のお話を聞きたいとおっしゃっておりました」

サナキ「な、何を言い出すのじゃ、わたしはそのようなこと……」

シグルーン「なるほど、ちょうど良い機会です」

シグルーン「しかし、残念ながらわたくしはこのあとも仕事が残っておりますので、ぜひお二人で」

サナキ「し、シグルーン!」

エリンシア「ということですので、アイク様ぜひ皇帝陛下とお話を」

アイク「俺は別に構わんが」

ミカヤ「ではわたしたちはこれで失礼して」

サナキ「あ、ちょ、待て!」

ティバーン「頑張れよ、皇帝陛下」ニヤニヤ

クルトナーガ「ご健闘を」

サナキ「こ、こら、待てと……」

アイク「?」

サナキ「……」

アイク「……?」

サナキ「な、何をしておる」

アイク「何を、と言われてもな」

サナキ「早く話をせよ! き、気まずいではないか……」

アイク「話……話、な。いろいろあったが」

サナキ「……何があったのじゃ」

アイク「そうだな。まずハタリがある方面へ向かった。とにかくそういう国があることは分かっていたから、行けば着くだろうと思ってな」

サナキ「ハタリを見てきたのか?」

アイク「あぁ。だが、それは帰り道でだ。行くときには一度迷ってな、全く別の場所に着いた」

サナキ「別の場所?」

アイク「古い神殿のような場所で休憩しようと思ったんだが、気がついたら開けた場所にいてな」

アイク「よくよく調べると、どうもこことは違う世界のようだった」

サナキ「違う世界? 異世界に行ったというのか?」

アイク「あぁ」

アイク「そこでしばらくいろいろと情報を収集して、力試しなんかもしていた」

サナキ「帰れなかった時はどうしようなどとは考えなかったのか?」

アイク「最初は混乱したがな」

アイク「どちらにせよ、別天地を目指して旅してたんだ。文字通り別の天と地のある場所についたんだし、目標が達せられたのでよしと思うことにした」

サナキ「どういう神経をしているんじゃ……いや、まぁお前はそういうやつじゃ」

アイク「そのうち一緒に来ていたセネリオがいろいろ調べて、その神殿が強大な何らかの魔法を宿しているのだと分かった」

アイク「それで、神殿の中にあった石版の一部を解読して、世界を移動する方法を知ることはできたんだが」

アイク「どの世界のどの時間に移動するかを指定する方法が分からなくてな。だが、とにかく何回かやれば元の世界に戻れるだろうとやってみた」

サナキ「なんというか凄いことするのぅ……」

アイク「一回目は最初についた世界の、過去についたようだったな。異世界で聞いた伝説そのままの世界だった」

アイク「それから二回目は、世界のことは良く分からなかったが、力比べの大会が開かれているようだったので参加してきた」

アイク「赤い帽子かぶった鼻のでかいおっさんとか、黄色いねずみみたいな不思議な生物と戦ったな」

サナキ「どんな世界なんじゃ……」

アイク「とまぁ、いろいろ世界を渡り歩いてこの世界に戻ってきたわけだ」

アイク「帰ってきたときに着いたのが砂漠の向こう側だったからな、ついでにハタリを見て、ニケ女王やラフィエルにも会ってきた」

サナキ「……何というか、御伽噺のような感じじゃな」

アイク「そうだな。話していると俺も本当にあった事か自信がなくなるくらいだ」

サナキ「……ところでその」

アイク「なんだ?」

サナキ「旅の最中、色んな世界を見てきたというが、女性には会ったのかの?」

アイク「女性? どの世界にも女はいたが」

サナキ「そうではなくてじゃな。その、良い女性というか、美しい女性というか……」

アイク「美しい……そうだな、大会に出ていたピーチとかゼルダとかいうのは、なかなか美人のようだったが」

サナキ「そ、そうか……」

アイク「あとはそうだな。サムスとかいうやつは、奇妙なごつい兜と鎧を着ていたが、脱ぐとこれも美人だった」

サナキ「も、もうよい! そうじゃな。長く旅をしていれば、女性との間に関係の一つや二つあるものじゃ」

サナキ「ましてやアイクは力も正義感も強く凛々しい。身体はラグズ並にごついが、顔だけ見れば好青年だしのぅ」

サナキ「例え異世界の、英雄譚を知らぬ人でも、いやアイクなら異世界でも英雄譚の一つや二つ作っているかもしれんな……」

アイク「いや待て。何の話だ?」

サナキ「とぼけずともよい。旅をしている最中、浮いた話の一つや二つあるのであろう?」

アイク「浮いた話? まぁ確かに、大会に出ていたときには幾度となく浮いたが」

サナキ「やはりな……」

アイク「いや、あれは浮いたというか、ぶっ飛ばされた感じだが」

サナキ「ぶ、ぶっ飛ばす? それはまた凄まじい表現じゃな。聞いたことがないぞ」

アイク「何回もやられたからな」

サナキ「な、何回もか?」

アイク「あぁ、これが不思議なことにやられればやられるほど、大きくぶっ飛ばされるんだな」

サナキ「そうか。やらればやるほど……そういうものなのじゃな」

アイク「そうだな。俺にも理屈は分からなかったが。横で見ていたセネリオはパーセンテージがどうのこうのと言っていたな」

サナキ「そこまで浮いた、もといぶっ飛ばされた話があるということは、当然子もできておるのじゃろうな……」

アイク「……うん?」

サナキ「いくら何でもわたしが妻子ある者と婚姻など、隠せばあるいはいけるかもしれんが、まず無理じゃろう……いや隠せばいけるかもじゃが」

アイク「すまん、待て。もう一度聞くが、いま何の話をしている?」

サナキ「だから、アイクが旅の最中に女性と、その……まぁあれな関係を持って、家族的なものもできているのじゃろうと」

アイク「いや、全くそんな話はしていないが」

サナキ「は? では今までの話はなんだったんじゃ」

アイク「だから、大会のルールで、戦ってるとぶっ飛ばされるんだ。物理的に」

サナキ「は?」

アイク「で、ぶっ飛ばされてステージから離れすぎると1減ったり、逆に敵をぶっ飛ばすと1増えたりするんだな」

アイク「あと残機制というのもあったりな」

サナキ「言っている意味が良く分からんのじゃが」

アイク「あぁ、俺も良く分からんが、そういう大会のルールだ。戦いのな」

サナキ「……戦い?」

アイク「戦いだ」

サナキ「では、アイクは女性と関係を持っていないと?」

アイク「良く分からんが、話くらいはしたぞ。だが、それ以外はないな」

サナキ「本当に?」

アイク「あぁ。ない」

サナキ「いやしかし嘘ということも……いやないな。アイクにこういう話で嘘をつくほどの知能はない」

アイク「今さりげなく俺のことを馬鹿にしなかったか?」

サナキ「な、なるほど。ふむ、そうか。良かった! ……いやいやいや、決してわたしが安心したとかそういうのではないが、とにかく良かった!」

アイク「俺には何が良かったのかさっぱり分からんが」

サナキ「アイク、もう下がってよいぞ。そろそろ日も暮れる」

アイク「そうか。それはいいが……何でそんな小躍りしてるんだ?」

サナキ「え? いや、これはその、なんでもない! いいから早く下がるがよいぞ!」

アイク「……まぁいいか。じゃあな」

今日はここまでです

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