【艦これ】マイナー百合カプSS その4【百合】(メジャー含むリクエスト) (87)


艦これマイナー百合カプのオムニバス形式SSの第4弾です
(※ただし今回は一部メジャーカプを含みます)

オムニバス形式で、前作との関連性は薄い(ほぼない)ので、
前作を読んでいなくても問題ない内容になっております

今回は以下の内容でお届けする予定です
(タイトルのとおり、第2弾以降にいただいたリクエストの一部を書かせていただきます)

妙高雄、ゆきしも(with磯風・浜風)、神通×矢矧、朝霜×霞
(メジャー枠として)暁響


※本シリーズの過去の作品はこちら
その1 【艦これ】マイナー百合カプSS【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451808658/)
その2 【艦これ】マイナー百合カプSS その2【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454836039/)
その3 【艦これ】マイナー百合カプSS その3【百合】(リクエスト) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459675287/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468142789


なお、今までは書き溜めたものを一気に投下しておりましたが、
今日は現時点で書きあがっているパートだけを投下します。

今までどおり全部完成させてからまとめて投下するつもりでしたが、
前回から大分期間があいてしまっているし、自分の尻に火をつけるという意味でも、今回はそんな感じで…

というわけで、神通×矢矧と朝霜×霞については明日以降(なるべく近日中…)に完成&投下させていただきます。
ご了承くださいませm(_ _)m


まずは妙高雄からスタートです、よろしくお願いいたします


【鎮守府内施設 Bar Early Frost】


  カランカラン

早霜「いらっしゃい……ふふふ」

妙高「こんばんは早霜さん。今夜は空いてるのね」

早霜「あちらに先客の方がいらっしゃいますよ………」

高雄「お疲れさま、仕事帰り?」

妙高「あら高雄、こんばんは。ええ、ちょっと仕事の後に寄りたくなって………隣、いいかしら?」

高雄「いいわよ。一人で飲んでただけだから」

妙高「それじゃあ失礼して…あ、早霜さん、シャンディお願いします」

早霜「どうぞ…」コト

妙高「相変わらず早いですね…!」

早霜「ふふ…それが売りですから…それではごゆっくり…」


高雄「ここのマスターは不思議よね。飲みたいなと思ったものが気づかぬうちに用意されていて…」

妙高「そこが商売上手なところよね。気をよくして注文を続けていると、気づかぬうちに伝票が…」

高雄「な、なるほど」

妙高「それで、どうしたの?貴女が一人で飲みに来るなんて珍しいけど…」

高雄「うーん………同じ四人姉妹の長女の妙高になら話すけど、ちょっと妹のことで悩んでて…」

妙高「愛宕たちのこと?みんな頑張ってると思うけど…」

高雄「ええ、3人ともそれぞれ頑張っているし、成果だってちゃんとあげているわ。それは私も分かってる。でも…」


妙高「でも?」

高雄「もうちょっと、私の言うことも聞いて欲しいのよ!姉として頼ってほしいの!」

妙高「あら」

高雄「愛宕はあんな感じで何を考えているか分からないし茶化してくるし、摩耶は反抗期だし…」

妙高「実姉からしたらそう見えるのね…。鳥海ちゃんは?あの子は特にそんなことはなさそうだけど…」

高雄「ええ、鳥海はいい子よ。ただそれが逆に心配というか…」

妙高「というと?」

高雄「私に迷惑をかけまいと、困ったことがあっても隠してしまう、抱え込んでしまうところがあって…」

高雄「そういうときは私に相談してほしいの!お姉ちゃんなんだから…」グイー

妙高「そういうことね」


高雄「そっちはいいわよね。みんな妙高のことを信頼している感じがするわ」

妙高「ええ、それは否定しないわ」フフン

高雄「むむむ、すごい自信だ」

妙高「でも、それはそれで、ちょっと不安なこともあるのよ?」

高雄「え、どうして?」


妙高「3人とも立派に育って、こないだの大規模作戦ではバラバラに行動することになったけど、それぞれが先頭に立って活躍したらしいわ」

高雄「ええ、そうね。羽黒ちゃんと一緒だったけど、とても頼もしかった」

妙高「ただ、私と一緒に行動しているときは、3人ともどうにも私の指示を仰ぎがちというか…」

高雄「うーん、そう言われると、そんな感じも………でも、それでも私からしたら羨ましい光景だわ」

妙高「信頼してくれているということだから、悪い気はしないのだけど、たまにはこう、なんていうか…」

妙高「私からも、甘えてみたいというか、『お姉ちゃん』という立場から解放されたいというか…」グイー

高雄「な、なるほど。悩みはそれぞれなのね」


妙高「そういうこと。はあ………」コトッ

高雄「はあ………」コトッ

高雄「姉として信頼されたい…」
妙高「妹として甘えてみたい…」

高雄「ん?」
妙高「あら?」

妙高「今、もしかして…」

高雄「利害が一致したんじゃないかしら?」


高雄「………」
妙高「………」

妙高「た、高雄、姉さん」

高雄「な、なぁに?妙高」

妙高「妙高、今日のお仕事、たくさん頑張りました!褒めてくださる…?」

高雄「ええ、いいわよ。さ、いらっしゃい」

妙高「高雄姉さーん!」ギュー

高雄「あら、とんだ甘えんぼさんね」ナデナデ

高雄「………」ナデナデ…
妙高「………」ギュー…


高雄・妙高「(…はっ!?)」バッ(互いの席の正位置に戻る)

高雄・妙高「(なに!?この、不思議な感覚は…!?)」ドキドキドキ

高雄「な、慣れないことはするもんじゃないわね、なんだか違和感が…」///

妙高「え、ええ、そうね…ちょっとお酒が回っちゃったかしら?」///

高雄「違和感といえば、妙高が私のことを姉と呼ぶのは流石に無理があったかしら…」テレカクシ

妙高「 」

妙高「あ、あら…それはどういう意味でしょうか?」ゴゴゴゴゴ

高雄「姉妹関係を語るうえでは、どうしても覆せないものがある、と言って差し上げますわ!」ビシッ


高雄「それは、ねんr…」

妙高「そんなことありません!高雄姉さんはいつだって私の姉さんです!」ド ン!

高雄「『覆せないもの』がある限り、妙高姉さまこそ私の姉さまですわ!」ド ン!

妙高「高雄姉さん!」

高雄「妙高姉さま!」

妙高「高雄姉さん!」

高雄「妙高姉さま!」

妙高「た・か・お・ね・え・さ・ん!」

高雄「みょ・う・こ・う・ね・え・さ・ま!」

  ワイワイ  タカオ   ガヤガヤ ネエサン
  ガヤガヤ ミョウコウ ワイワイ  ネエサマ



~~(30分後)~~


妙高「も~高雄姉さんったら、意地っ張りなんだから~!」スリスリ

高雄「妙高姉さまだって、こういうときは妹に譲ってほしいです!」クネクネ

  イチャコラ ネエサン コライチャ ネエサマ 

那智「ね、姉さん…?」

愛宕「あらあら~?☆」

妙高「な、那智!?ちがうの、これは」バッ

高雄「愛宕!?いつからそこに!?」バッ



那智「妙高姉さん、おいたわしや…私がもっと次女としてしっかりしていれば、こんなことには…!」クッ!

妙高「那智、違うの那智、そうじゃないの、そういうことじゃないの、話を聞いて那智」ブンブン

那智「足柄たちにも、ひとこと言っておきますので、どうか…!」ダッ

妙高「待って那智、違うの、お酒のせいというか譲れない戦いが姉さんにもあるというか…とにかく待ちなさい!」ダッ


愛宕「も~、高雄ったら~。お姉ちゃんが欲しいんだったら、いつでも私がなってあげるのに~☆」

高雄「ごごごごご誤解よ!そういう意味じゃなくて…!」

愛宕「それでは~、私に続いて言ってみてくださいね~☆『愛宕お姉ちゃん!』、はいどうぞ!」

高雄「それだけは死んでもイヤ!」


早霜「うふふ…今宵もBar Early Frostは賑やかね…」


以上、妙高雄でした
つづいて、番外編として、メジャーカプである暁響です


【鎮守府 駆逐艦寮(暁・響の部屋)】


暁「第六駆逐隊ー会議ー!!」

響「おー」

雷「はじまったわね!」

電「パチパチパチ」

暁「今日のテーマはコレよ!」 ド ン


  『次の週末の予定は?』


暁「今度の週末は、第六駆逐隊の非番の日!」

暁「エレガントに過ごす予定をたてましょう!」

雷「そうね。たまにはちょっと遠出してみない?」

響「ハラショー。そいつはいい案だ」


電「どこか候補はあるのです?」

雷「まだ考えてはいないけど…この周辺の観光スポットが載った雑誌を用意してみたから、みんなで考えましょ?」バサッ

暁「さすが雷、用意がいいわね!どれどれ…」

雷「あっ、ここなんていいんじゃない?」

電「面白そうなのです!」

暁「待って、それならこっちのほうがいいんじゃない?」

  ワイワイ ナノデス ガヤガヤ


響「…」ポツン


響「(私は、隣の市にある動物園に行きたい)」

響「(なんでも、ロシアからシロクマの赤ちゃんが来ているらしいんだ)」

響「(先月にその話を聞いて、いつか見に行ってみたいなと思ってたところで…)」

響「(でも、みんな楽しそうに話しあってるし、水を差さないでおこう…)」

雷「ここもいいわね、スイーツ系のグルメイベントをやってるそうよ」

電「気になるけど、そこはちょっと遠いのです」

暁「そうね。きっと混んでるだろうし………あっ」

雷「?」

電「?」

暁「決めたわ!ここにしましょう!」ビシッ


雷「どこどこ?」

電「えーとここは………動物園です?」

響「!!」

雷「意外ね。暁なら『こどもっぽいところには行けないわ』とか言うと思ってたのに」

暁「そんなことないわ、動物だってレディにふさわしいエレガントな存在だもの。たとえばほら、お馬さんとか」

雷・電「(『お馬さん』…)」

暁「あと、確か今なら期間限定で見られる動物がいるらしいし。ね、響?」

響「あ………うん。ロシアからシロクマの赤ちゃんが来ているらしいんだ」

雷「シロクマの赤ちゃん!!」キラキラ

電「見たいのです!!」キラキラ


暁「うん、決まりね!はい、それじゃ今日の会議はこれでおしまい!時間も時間だし、このまま食堂いきましょうか」

雷「あ、じゃあちょっとこの雑誌を私たちの部屋に戻してくるわね。ちょっと待ってて」バサバサ

電「電も手伝うのです」ガチャ


暁「じゃあ私たちは二人が戻ってくるまで、ここでちょっと待ってましょうか。隣、座るわね」スッ

響「ああ」

暁「週末が楽しみね、響!」ウインク

響「暁…覚えていてくれたんだ。1か月前に君に話したこと」

暁「ん?何のことかしら」

響「…いや、なんでもないさ」


響「(暁は、周りからは『長女だけど一番妹っぽい』とか『響の方が長女のようだ』とか言われることがあるけど)」

響「(いつだって妹たちのことを考えて、そして理解している)」

響「(今みたいに、あまり言葉を出さない私の気持ちまで察し、汲んでくれる。私よりもずっと立派な『姉』なんだ)」

響「(私はもちろん、雷だって電だって、暁のことを姉として信頼している)」

響「(誰がなんと言おうと、暁は私たち特Ⅲ型の、『第六駆逐隊』の長女なんだ)」

響「…いつもありがとう、暁姉さん」コテン

暁「んー?なーに響ったら、今日は甘えん坊ね。そんなんじゃ一人前のレディーになれないわよ」ナデナデ

響「君の前では、それも悪くないさ」


以上、暁響でした
つづいて、ゆきしも(with磯風・浜風)

ちょっとお時間いただいてから投下します(2時間くらい?)、申し訳ないです

待ってた期待


戻りました、本日分はあと1つですが再開します再開します

>>23
ありがとうございます!
お待たせしてしまって申し訳ないです(何気に前作から3か月以上経ってしまっていた…)


【鎮守府 艦娘寮 駆逐艦談話室】


雪風「ん~♪やっぱり間宮さんのところの羊羹は絶品です!」モグモグ

陽炎「あら雪風、いいもの食べてるじゃない」

雪風「はい!こないだの出撃でのMVPのご褒美ということで、しれえからいただきました!」

陽炎「ああこないだの、流石ね。でも夕飯も近いんだから食べ過ぎないようにね」テクテク

雪風「はい!大丈夫です!」



浜風「雪風」

雪風「あ、浜風。お疲れ様です!」

浜風「カステラを作ってきたわ。その間宮羊羹のお供にどうかしら?」

雪風「ありがとうございます!いただきます!」

浜風「なんでも、羊羹をカステラで挟んだシベリアというお菓子があると響から聞いて…」

雪風「美味しそうです!」イタダキマス


磯風「待て雪風」

雪風「?」ピタッ

浜風「い、磯風…!」

磯風「甘いものばかり食べていては体によくないぞ。浜風のように重駆逐艦になってしまう」

浜風「なっ!?よく勘違いされるけど、私は体重は普通だから!ただちょっと、胸がアレなだけで…」ゴニョゴニョ

磯風「というわけで雪風よ。磯風お手製の健康料理を食べるといい」ゴトッ

雪風「 」

浜風「間食にふさわしくない量…というかそれ以前になにこの黒い物体は!」

磯風「これは………なんだったかな。ただ、健康に重点を置いた料理だったことは間違いない」


雪風「ぅ…ぅわあ、とっても美味しそうですね!」ヒキツリスマイル

浜風「(大天使…!)」

磯風「そうだろうそうだろう!美味しさもさることながら栄養バランスも完全だ。だから雪風、こちらの方を食べるといい」ズイッ

浜風「そんな危険なものを雪風に食べさせるわけにはいきません!さぁ雪風、こちらのカステラを」ズイッ

雪風「え、えっと…」



~~~(少し離れた席)~~~


陽炎「まったくあの二人は、まーた雪風を甘やかせて…」

黒潮「雪風の方がお姉さんなんやけどね」

不知火「ええ、まったくもって…(本気で忘れてた…)」


磯風「浜風よ。そこは年功序列で姉に譲るべきではないか?」

浜風「むしろ妹に譲るのが姉としてのあり方ではないの?」

雪風「もう二人とも!ケンカはダメです!」メッ!

雪風「この羊羹を食べさせてあげますから、落ち着いてください!」スッ

磯風「(雪風の羊羹を!?)」バッ

浜風「(雪風の手で!?)」バッ

磯風・浜風「」ガツンッ!

雪風「(雪風の羊羹を先に食べようと食いついた結果、二人の頬がすごい勢いでぶつかりました!)」カイセツ


雪風「だ、大丈夫ですか!?」

磯風「余裕で航行可能だ」バッ

浜風「雪風の羊羹は、私が守ります」バッ

雪風「ひえぇ、二人とも目が怖いですー!」戦略的撤退

磯風「あっ、待つんだ雪風!」

浜風「私に羊羹を食べさせてください!」


陽炎「こらー雪風、食べ物を持ったまま走るんじゃないの!」

雪風「あっ陽炎姉ぇ、ごめんなさい!」クルッ

陽炎「ちょ、こっち振り向かなくていいから前見て前!」

雪風「えっ?あっ!」ガッ

雪風「(なにかに蹴躓いてしまいました!た、倒れる…!)」グラッ

??「あぶない!」ズザーッ


雪風「!!」ドッ

初霜「ふぅ、間一髪」

雪風「は、初霜ちゃんありがとう…!」

初霜「あら、何かが口の中に…」モガモゴ

雪風「あれ、雪風のフォークの先にあった羊羹がなくなってます…あっ、もしかして今の衝撃で…」

初霜「そのようですね。とても美味しい」モグモグ

雪風「ご、ごめんなさいっ」

初霜「いえいえ、むしろありがとうございます」モグモグ


初霜「私はたまたま通りすがっただけだったのですが、雪風さんを助けられたうえに羊羹までいただける…」

初霜「一粒で二度美味しい、まさに奇跡と幸運の成せる技ですね。ごちそうさまでした」ニコッ

雪風「はいっ!ありがとうございました!」



浜風「ゆ、雪風を抱きかかえられた挙句、羊羹まで取られてしまった…」ガックシ

磯風「陽炎姉様があそこで声をかけなければ…!」クッ

陽炎「えっ、私が悪いの!?」

黒潮「とりあえず二人は、ちぃ~とばかし反省しとこか」


本日の投下分は以上です、お読みいただきありがとうございました

続き(残り2つ)はなるべく早いうちに…次の連休中には投下したいと考えております、御了承ください


あと、最近コメディ系ばかり書いていたせいか、
こっちも百合というかコメディ寄りになったなぁと、投下しながら思ったり。
そのあたりどうすべきかも再考しておきます

遅くなりましたが、投下再開いたします
よろしくお願いいたします

今回は神通×矢矧のみになります

(朝霜×霞はごめんなさい、来週投下(予定)とさせていただきます)


【鎮守府 演習海域付近 埠頭】


矢矧「神通」タッタッタッ

神通「あ…矢矧さん。こんにちは。ジョギングですか?」

矢矧「ええ。そちらは…駆逐隊の訓練?あそこにいるのは霞たちね」

神通「はい。今日は第十八駆逐隊の訓練です」

矢矧「当鎮守府最強と謳われる、第十八駆逐隊からなる二水戦の訓練…」

矢矧「同じく水雷戦隊を率いる身としては、その訓練内容も気になるところね」

神通「今日は基礎動作中心の内容なので、見応えはないと思いますよ」

矢矧「でもあの子たち、いい動き。それにとても真剣ね」

神通「ええ。どんなに慣れてきても、いえ、慣れてきたからこそ、基礎動作の反復練習は重要になってきます」

神通「あの子たちも、最初は『何故今さらこんな訓練をするのか』と懐疑的でしたが、最近はその重要性を理解したようで」

神通「今ではむしろ、演習内容が基礎動作の反復だと聞くと、少し嬉しそうな表情を見せることがあります」フフッ

矢矧「(それは地獄の演習を回避できることからの安堵では…?)」

神通「とはいえ、この訓練では私は専ら見ているだけになります。折角なので矢矧さん、監視がてら少しお話していきませんか?」

矢矧「お邪魔でなければ、是非!」


~~~(30分後)~~~


矢矧「なるほど、そういう作戦が…!」

神通「ええ。そういった局面においては、最良の手段かと」

矢矧「それにしても神通と話していると、水雷戦隊旗艦としての心構えが身に着くというか、とても勉強になるわ」

神通「いえ。こちらもこういう話をする機会があまりないので、何だか楽しいです」クスッ

矢矧「そうなの?川内型はみんな水雷戦隊旗艦のベテランなのに?」

神通「ええ。いつも賑やかではありますが、三人でいるときに戦場での話をすることはまずないですね」

矢矧「そういうものなのね…って、私たち姉妹も戦場での話はほとんどしないか。こっちは意外でもなんでもないけれど」


矢矧「そうだ、意外といえば」

矢矧「私、この鎮守府に来る前から、神通の噂は聞いてたの。とても強い軽巡洋艦がいるって」

神通「あら。それは光栄です」

矢矧「どんな怖い人なのかな、って思ってたんだけど、実際に会ってみたら、とてもお淑やかな女性で、驚いたわ」

矢矧「それがすごく意外だったな、って」

神通「お恥ずかしながら、よく言われます。普段はおとなしいくせに、戦場では怖くなる、って…」

神通「私としては、戦場でも普段と同じようにしているつもりなのですが…」

矢矧「(普段と同じようなお淑やかさで鬼神のように戦うから恐ろしいと思われるのでは…?)」

>>36
書いてる途中で気づきましたが
表記としては「神通×矢矧」よりも「矢矧×神通」の方が正しくなりそうな内容です
重ねて申し訳ございません


矢矧「前々から、こういう風に話してみたいな、って思っていたのだけれど」

矢矧「話してみて、やっぱり普段の貴方はとても可憐な方だと分かったわ」

神通「そんな…恐れ多いです。ただ気が弱いだけですよ」

神通「私としては、矢矧さんのように、凛々しく振る舞えたらどんなにいいことかと思います」

矢矧「それは謙遜というものよ。戦場での貴方の闘う姿はとても凛々しいと雪風から聞いたわ」

矢矧「それにそのリボン、とても可愛らしい」

神通「え?」キョトン


矢矧「………」

矢矧「(はっ!?)」

矢矧「(私ったら、この流れで何てことを口にしちゃってるの!?日頃から思ってることとはいえ…)」

神通「えっと…」

矢矧「ち、違うの!これはなんか流れでポロッと出てしまったというか、いや可愛いのは事実なんだけど、なんというか、その」

神通「ありがとう、ございます」

矢矧「!!」


神通「このリボン、第二次改装のときに、姉さんと那珂さんからいただいたものなんです」

神通「それと、この鉢金は同じく駆逐隊の子たちからいただいたものなんですが、それぞれ私の宝物なんです」

神通「それを褒めていただけるのは、凄く、嬉しい」ニコッ

矢矧「!!」ドキン

矢矧「(………ああ、そうか)」

矢矧「(私はこの人の、誰よりも仲間を大事にする姿に憧れ、好きになっていったんだったなぁ)」

矢矧「………ふふっ」

神通「?」

矢矧「ねえ、神通」


神通「はい」

矢矧「今度、私と…」

神通「はい」

矢矧「私と一緒に…」

矢矧「海上戦闘演習、しませんか?」

神通「…はい!」



~~~(一方その頃、30分前)~~~


【鎮守府 演習海域付近 埠頭】


那珂「遠征から帰ってきた那珂ちゃん!次はダンスの練習いっくよー☆」

那珂「あっ、あそこにいるのは神通ちゃんかな?今日は駆逐隊の子たちの演習かぁ」

那珂「…っと、向こうから走って来るのは矢矧ちゃんかな?」

那珂「何やら二人でおしゃべりを始めたね」

那珂「………那珂ちゃん、『何か』を感じ取りました!こうしちゃいられないよ☆」ダッ



~~~(30分後)~~~


【鎮守府 演習海域付近 埠頭 (神通・矢矧からちょっと離れた倉庫の陰)】


能代「急に那珂ちゃんから呼び出されて、何事かと思ったら…」

那珂「今日こそは、やっと進展があるかな~って思って♪」

酒匂「矢矧ちゃん、ずっと神通ちゃんとお話してみたいって言ってたもんね」

阿賀野「だけど、何故かあと一歩が踏み込めず、悶々とする日々…」

阿賀野「でも、今日ついに終止符が!?」

能代「とはいえここからだと、様子は見えるけど、会話はよく聞こえないわね…」ウーン

那珂「その点は大丈夫!」

 スタッ!

川内「ふぅ、無事成功。気づかれないよう那珂のピンマイクを二人の足元に置いてきたよ」

酒匂「ピャイエエエ!?ニンジャ!?」

阿賀野「相変わらず見事な腕前ね…!」

那珂「ありがとう川内ちゃん!これで二人の会話も聞こえるよ!」


能代「こんなことしていいのかな…」

川内「まぁまぁ細かいことは気にしないの!姉妹のことを心配するのは当然ってことで!」

那珂「じゃあ早速、スピーカースイッチON!」ザザッ

阿賀野「どれどれ…うーん、難しい話してるねー…」

酒匂「ぴゅう、さすが水雷戦隊旗艦同士だね!」

川内「こりゃ会話の内容同様に、今回も『難しい』かな~」

那珂「!! 待って!那珂ちゃんセンサーに感アリ!流れ変わりそう!」ミョンミョン

能代「えっ何そのセンサー」


阿賀野「あっ、でも確かにー!」

川内「お互いのことに話が移ってきたね」

酒匂「なんかとってもいい雰囲気だよ!」

   矢矧『ねえ、神通』

那珂「これは…!」

   矢矧『今度、私と…』

阿賀野「ついに…!?」

   矢矧『私と一緒に…』

酒匂「矢矧ちゃん、頑張ってー!」ピャー!><


   矢矧『海上戦闘演習、しませんか?』


能代「………へ?」

酒匂「え、えんしゅう?」

阿賀野「そんな…今回も…?」ガックシ

川内「まぁ、しょうがないか~。また次回に…」


那珂「待って!大丈夫!これは成功だよ!二人をよく見て!」

能代「え?………何かすごく嬉しそう…?」

阿賀野「それに、言葉はなくても、なんだかすっごく良い雰囲気なのが伝わってくる…!?」

酒匂「あの二人にとっては、『演習』でさえデートみたいなものになるのかな~?」

阿賀野「ナニソレイミワカンナイ」


川内「マジメな子たちの考えることはよく分かんないねー」アハハ


   神通『そろそろ演習時間終了ですね…ごめんなさい、ちょっと失礼して…』スッ

   神通『第十八駆逐隊の皆さん、お疲れ様でした。本日の演習は終了です、帰投してください』

   神通『艤装を工廠に戻したら、各自報告書の作成に移ってください。提出期限はヒトナナマルマル』

   神通『今回は皆さんの報告書に目を通した後に、私から講評をさせていただきます。以上、解散!』

   矢矧『それじゃ、私はジョギングに戻るわ。また今度会いましょう!詳細はそのときに!』ダッ

   神通『はい!』


酒匂「あっ…行っちゃった」

能代「でも確かに、形はどうあれ『会う約束』を取りつけたっていうのは前進かな」


那珂「これからの展開にも目が離せないね~☆」

川内「とりあえず私たちも、見つからないうちに解散…」



   神通『………那珂さん?』ザザッ



那珂「………え?」



   神通『姉さんもいますね。盗み聞きとは感心しませんよ』



川内「ま、まさか…!」



   神通『ああ、そちらですか。ちょっとお話がありますので、今から向かいますね』コツ…コツ…


阿賀野「ひぃっ!?」

酒匂「ぴゃわわわわ………」ブルブル

川内「くそっ、バレていたのか!完璧だと思っていたのに…!」

那珂「さ、3人は今のうちに逃げて!多分まだ私たちしか気づかれてないから!」

川内「地獄のお仕置き(演習)を受けるのは、私たち『ここにいた二人』だけ…いいね?」

能代「くっ…ごめんなさい…ご武運を…!」ダッ


川内「那珂、覚悟はいいか?」

那珂「大丈夫!何があっても、那珂ちゃんは路線変更しないよ!」グッ

川内「ああ、いい覚悟だ!」



神通「見つけましたよ、二人とも」ニコッ

川内・那珂「!!」



   この後めちゃくちゃ演習し………



神通「もうご存知でしょうけど…じ、実は矢矧さんから、今度演習しませんかって、お誘いいただいて…///」カァァァ

川内・那珂「へ?」

神通「私、こんなこと初めてで、えっと、その、どうしたらいいか…///」モジモジ

川内・那珂「(かわいい)」



   …じゃなくて、この後めちゃくちゃ恋愛相談した

以上、矢矧×神通でした

本日投下分は以上になります、お読みいただきありがとうございました

次回(朝霜×霞)は来週を予定しております、引き続きお付き合いいただけますと幸いです


真面目っ子同士のゆったりとしてどこかズレた進展の仕方がとても良いと思います

こんな神SSがあったのか
vipで艦これ百合SSは非常に貴重
楽しみ


書いてくれたのか
矢矧神通ぽいのが残念だと思ったがそこまでおかしくないなよかった


矢矧は薄皮はいだら触り返してくるがっさばりの痴女だけどえぐみがなくてさっぱりしたものだった

皆さん乙コメありがとうございます!とても励みになります
多分、明日までには続きを投下できると思います(自分のケツに火をつけていくスタイル)


>>55
どこかズレた真面目っ子っていいですよね…!
朝潮や不知火あたりにも可能性を感じます
母港ボイスの感じだと大淀さんにもそんなところありますかね(礼号組といるときはちょっと違うかもだけど)

>>57
ありがとうございます!
艦これ百合SS、増えるといいな~と私も願っております(渋とかでは多いんですけどね)
七夕で織姫にお祈りしておけばよかった

>>58
過去2回神通矢矧でリクいただいているのに、投下中に矢矧神通になってたことに気づく不始末、お許しください…
今回はそういう描写はありませんでしたが、誘い受けのような感じで、イニシアチブは神通にあるイメージでおります
もしリベンジの機会があれば、そういった描写を増やせればいいなぁと…

>>59
深夜に半舷上陸を勧めてくる積極性もなかなかに肝が据わってますよね
そのくせ、いざ本命を前にするとヘタレるのもまた乙かなぁと
個人的に矢矧の魅力は「大きな丸い肉はさみパン」などというネーミングセンスにもあると思ってます

本文じゃない連投を失礼いたします

ほぼほぼ書き終わりまして(あとはブラッシュアップするだけ)
とりあえず予告どおり投下できそうですが、

諸事情により投下開始は夜(21時?22時?)くらいになりそうです
遅くなりまして大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします

それでは投下を再開いたします

最後は、朝霜×霞(あさすみ?)です


夜の駆逐艦寮、珍しく誰もいない談話室。あたいは一人、頭を抱えている。


気づいてしまった。気づきたくはなかった。なんで気づいちゃったかな。

そんなはずはない、そりゃあたいの勘違いだ。って思いこんでしまおうかな…

いや、あたいも女だ、艦娘だ、天下の夕雲型駆逐艦だ。腹をくくろう!覚悟を決めよう!


あたいは………


いややっぱダメだ、本当にそれでいいのか?今なら引き返せるぞ?


そんな感じの思考を、堂々巡りを、頭を抱えながらずっと繰り返している。

何も今日に始まったことではない。いつからだったかな、そんな前でもないけど、昨日今日ってわけでもなくて。

いや今はそんなことどうでもよくってさ…と、自問自答に戻ろうとすると。


霞「こんなところで、一人で何やってるのよ」


あたいの頭上に、ある声が降ってきた。

いつまでも聞いていたいけれど、今だけは聞きたくなかった声。


でも、あらゆるしがらみを今は引っ込めて、あたいは動揺のない、いつもの態度でそれに応える。


朝霜「おっ霞、演習は終わったのかい?」

霞「ええ。さっき反省会が終わったところ。今日は楽だと思ったのに、結構キツかったわ」


笑顔、ちゃんと作れているかな。そんなことを気にしながら、「そうかぁ」と当たり障りのない返事をする。


霞「それで。あんたはこんなところで頭を抱えて何やってるのよ、もういい時間よ」

朝霜「うーーーん………」


お前のことを考えていたんだよ、なんて言えないしなぁ。うなることしかできなかった。

そう。もうお察しのことと思われるけど。


あたいは、霞のことが好き。………かもしれない。


断言できない自分に自分自身で苛立ちを覚えるけど………スマン、今は曖昧なままでいさせてくれ。

ここで断言してしまったら、何だか後戻りできなくなってしまいそうで、それが怖くて。


霞「はっきりしないわね………お腹でも痛いの?」

朝霜「あ、いや………」


さすがは霞だ。あたいは「頭」を抱えていたはずなのに、胃の調子が悪いことを言い当てるとは。

もっとも、その原因は、霞のことを考えていたからなんだけど…


霞「それとも、何か悩み事?」


さすがは霞だ。もっとも、以下略。


朝霜「いやまぁ、なんつーかな…」

霞「このところ、ずっと様子が変だもの。何かあるのなら話して頂戴。私でよければ力になるわよ」

朝霜「いや………気にしないでくれよ」フイッ


何て返したらいいか分からず、逃げの姿勢を見せるあたいを、霞は真っすぐに見つめてくる。

あたいは照れくさくなって、つい目を逸らしてしまった。


霞「………」

霞「私には、言えないことなの…?」

朝霜「…!」


霞は、悲しい顔をしていた。


霞は、仲間想いな奴なんだ。厳しいことをいつも言っているけど、それはソイツのことを想ってのことだ。

そんな霞が、自分が頼りにされていないと感じたら、自分が仲間の力になれないと知ったら、どうなると思う?

答えは今、あたいの目の前にある。



朝霜「あ…」


霞にこんな表情をさせているのは、あたいだ。あたいが煮え切らないせいだ。優柔不断なせいだ。

…霞とは、いつまでも「最高の仲間」でいたい、「親友」でいたい。

だからこそ、この自分の思いを肯定できずにいたんだ。肯定したら、その関係が崩れてしまいそうで。


だけど。その判断が招いた結果は、どうだ?

大事にするべき仲間に悲しい顔をさせて。こんなの本末転倒じゃないか!


朝霜「あのさ、霞………」

霞「え?」


そうだ、覚悟を決めるんだ、朝霜。お前は今まで目を背けてきただけなんだ。その気持ちに、間違いはないんだ。

仲間を、霞のことを大切に想うんだったら、とるべき行動は一つだろう?


朝霜「い、今から、変なことを言うぞ。驚かないで、聞いてくれるか…?」

霞「なによ。あんたがそういうこと気にするなんて珍しいわね。いいわよ、私から聞いたんだから」


今まで頭の中でリフレインしていた『いいのか?後戻りできなくなるぞ』という自問は、もうない。

もう、大丈夫。大丈夫だ。


朝霜「あのさ、あたいさ………」

霞「いいから遠慮しないで早く言いなさいったら」


…あたいは朝霜。最終量産型艦隊駆逐艦・夕雲型の十六番艦。何を物怖じする必要があるんだ。


覚悟はできた。


立ち上がって、胸に手を添えて、深呼吸をして、顔をあげて、霞の目を見て、ただ一言。




朝霜「あたい、霞のことが、好きだ」


……………言った。言ってしまった。


霞「………」


霞は、驚いたようなキョトンとした顔をしている。何も言葉を発さない。

ここにはあたいたち以外誰もいない。まるで時が止まっているかのように静かだった。


朝霜「……………あ」


数秒後、あたいは自分の顔が急に真っ赤になってきたことに気づいた。

無理もないよな。今までずっと思い悩んできたことに対して、急に答えを出して、しかもその場で実行に移して。

半ば勢いでいったところもあった。だから、この静寂の中に立たされている間に、冷静さを取り戻したんだ。


朝霜「と、ととととととにかく、これがあたいの気持ちだから!!」


あーあ。急に恥ずかしくなってきたもんだから、声が裏返っちゃった。かっこわりぃ…


朝霜「あたいは、自分の気持ちを伝えたかっただけだから!へ、返事はいらないから!この話は以上!聞いてくれてありがとな!」


途端、優柔不断なあたいが戻ってきてしまって。緊張と恥ずかしさが怒涛の攻勢を仕掛けてきて、ドキドキが止まらない。

さらに、達成感ではなく、「本当にこれでよかったのか」という思いが復活してきて。

ついつい、逃げの言葉を発してしまった。


霞「……………たわ」

朝霜「へ?」


1分も経っていないんだろうけど、長いこと黙っていたかのように感じた霞の口が開いた。

あたいはアタフタしてたもんだから聞き逃してしまい、間抜けなトーンで聞き返してしまった。




霞「失望したわ、と言ったのよ」


朝霜「………っ!!」


ドクン。


その言葉を聞いた途端、さっきまでのドキドキとは違う鼓動があたいの胸を襲った。

後悔、慙愧、恐怖。そういったドス黒い負の感情がお腹のあたりから一気にこみあげてきて。

心臓を1回大きく鳴らすと、さっきまでの早鐘のような鼓動は、途端に鳴りを潜めた。


朝霜「………そっか、そうだよな。やっぱ、気持ち悪いよな、こんなの」アハハ

朝霜「艦娘とはいえ、あたいも霞も女なんだ。なのに、仲間をそんな風な目で見ちゃってさ」


あたいは無理矢理笑顔を作りながらしゃべった。そうでもしないと、泣いちまいそうだったから。

霞は相変わらずあたいの方を真っすぐに見ているようだ。あたいはもう霞の顔すら見えていないってのに。

ああ、みじめだなぁ。


朝霜「…あたいのこの気持ちを消すことは多分、できない」

朝霜「でも、ここでこうして、霞に伝えることができただけで、満足だから…」

朝霜「これからは、この気持ちを、二度と表に出すことはないようにするから、だから………!」



だから、これからも変わらず、最高の仲間でいてください。

ずっと、親友でいてください。

どうか、嫌わないでください………!

そんな調子のいいことを言おうとしたあたいを、霞の言葉が止めた。



霞「なに早とちりしてるのよ」

朝霜「へ?」

霞「いつも言ってるでしょ。話は最後まで聞きなさいったら」


そう言われて、あたいは鼻をすすりながら霞の言葉に耳を傾けた。


霞「私だって、あんたのことを大切に思っているわ。それがあんたと同じ感情なのかは分からない」

霞「…おそらく今は、別のものだと思うわ。今はね」


あたいのことを『大切に思っている』、というところで、つい反応してしまいそうになった。

でも、『話は最後まで聞く』。霞の言葉は絶対だからな。


霞「少なくとも言えるのは、私があんたのことを嫌いだとか、好意を向けられて気持ち悪いと思うとか」

霞「そんなことは、決してないわ」

朝霜「え、でもさっき、『失望した』って…」


何だかもうワケが分からなくなって。

『話は最後まで聞く』つもりでいたけど、ついつい質問してしまった。


霞「私が失望したのは、あんたの『気持ち』に対してじゃなくて、その逃げ腰の根性に対してよ!!」

朝霜「!!」


霞「自分の気持ちだけを一方的に伝えて終わり?聞いてくれただけで満足…?」

霞「それで本当に、あんたの目的は果たせたっていうの!?」

霞「まだ私は何も返事をしていない。敗北が確定したわけじゃない」

霞「だというのに、つかめるかもしれない勝利が目の前にあるというのに、何もせずに諦めるなんて」

霞「そんなの、私の知っている駆逐艦『朝霜』じゃないわ」

霞「進める限り進む、撃てる限り撃つ。それがあんたの駆逐艦魂じゃなかったの?」


朝霜「………!」


霞の言葉を聞いて、あたいの体に広がるドス黒い負の感情は、消えてなくなった。

同時に、ずっとあたいの頭にかかっていた、もやもやとした霧のようなものも、一緒に晴れた気がした。

ああ。とても爽やかな気分だ。


朝霜「はは、ははは………!」

朝霜「さすが霞だ、あたいのことをよく分かってるじゃないか」

朝霜「あたいが惚れた女なだけはあるよな!!」


不思議だよな。さっきまでは「好き」って言葉一つを言うのに、あんなに逡巡してたというのにさ。

「惚れた」なんて言葉が、澄んだ水が流れるように、スッと出てきたよ。むしろ、もっと言っていきたいくらいだぜ!


朝霜「霞、好きだ。大好きだ。あたいはお前のことが大好きだ!」

霞「そう。そりゃどーも」クスッ

朝霜「これからは、どんっどん、この気持ちを表に出していくからな!」

霞「ほどほどにね」


やっぱり霞はすげぇよ。あたいがずっと悩んでいたことに、こんなにあっさり答えを出しちまうんだからさ。

感謝してるぜ、霞。おかげで、ようやくいつもの自分を取り戻せた感じだ。

だーけーど!


朝霜「覚悟しとけよ霞!必ず、お前を振り向かせてやる!」

朝霜「今日のことを後悔するくらい、あたいのことを好きになってもらうぜ!」

霞「ええ、期待しているわ」


以上、朝霜×霞でした

今回はこれで全てになります、最後までお読みいただき、ありがとうございました


次は別のシリーズを書くかもなので、またちょっと次回までに期間が空いてしまいそうで、申し訳ないです

おそらく、次回の本シリーズ+五航戦(護衛組含む)及びその周辺の単独SSで
現在いただいているリクエストはほぼ消化できることになるのかな、と思います


というわけで、再度リクエストを受け付けたいと思います!

このスレか、あるいはまとめサイトのコメ欄に
リクエストのカプを御記入いただければ
次回作以降の参考にさせていただきたいと思いますので、是非是非

(スレタイはマイナーとありますが、リクエストはメジャーでもおkであります)

あと、次回、どのシリーズを書くか、あるいは全く別物を書くか分かりませんが、
とりあえず参考までに過去作を貼っておきます(宣伝)

マイナー百合カプシリーズ(前回) 【艦これ】マイナー百合カプSS その3【百合】(リクエスト) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459675287/)
霞ちゃんかわいい自慢 (第2回) 【艦これ】初霜「十八駆 vs 坊ノ岬沖組」大淀「霞ちゃんかわいい自慢対決」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462093025/)
ながむつ≒とねちく   (単独) 【艦これ】提督「ながむつ ≒ とねちく」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465129731/)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom