秋雲「同人誌の売れ行きが右肩下がりです」 (29)

明日はオータムクラウド新作
提督×○○のドリーム本を頒布。購入者にはその場で好みのシチュも1P描きます
漫画と提督像の考察も含めた意欲作です おねがいします

…っと

ツイッターに宣伝文
短いように見えて多彩な要素を自分なりに込めた短文を

ブログには表紙やきわどいシーンの絵なんかも貼り付けぺた~

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467805535

掲示板にも スレ立てて…

『オータムクラウド新刊キタ━━━━(゚∀゚)━━━━』 

【画像あり】この新作同人誌がエロすぎな件wwwwwwww

『ワイ社畜 仕事でオータムクラウド新刊買いにいけず泣く』


あ、そうだ。既作も在庫あるアピールと宣伝もしておかなくちゃね

前作は全年齢向けにしたからみーんな買ってくれるかもと思って160部くらい?
人数分刷っちゃったからなぁ
在庫がまだ151冊も…

大鯨が売り子断るから悪いんだよぉ
内容は面白かったはずなのに

買ってくれたの身内のぞいたら加賀さんと日向さんと長月と集積地棲姫だけって…

初めて同人誌を出した時は皆喜んでくれた
提督×憲兵ものだった 35部も売れた
当時150人程度の鎮守府人口とニッチジャンルなことを考えるとかなりの売上

すごい嬉しかった
次回作 イ級×提督はさすがにニッチすぎたのか24部しか売れなかったけど
それには納得している。

三作目 提督が金剛型を4股するハーレム本は50部くらい売れると思ったのに
結果は……15部
なんでだろう。大人気の金剛型を主役にしたんだよ?
やっぱ子供が多い場所でエロはいけなかったかなぁ

そして四作目の前作 
全年齢向け 金剛型に加え六駆や川内型に五航戦など人気キャラクターてんこもり
それが……あのざま

なんでだよぉ 皆人気のキャラクター描けば買ってくれるんでしょ?

そんなことをブツブツ呟いていると同室の者から苦情の声

巻雲「んもぉー 秋雲も早く寝てくださいよー 原稿はもうあがったんでしょー」

秋雲「あ、うん ゴメン」

巻雲「明日は朝早いんだからー 体に悪いですよ」

秋雲「わかった」

明日の配置 横は夕張さんと霰ちゃんか… 暇な時創作の話できるといいな……zzz

~翌日 鎮守府会議室西館~

思い知らされた

たいした絵じゃないし、流行とも違う。構図はガタガタ。エロさも二級品
だって現物なんて見たことないもん
センスだってないし、ネタは安直、ペンネームもまんま っていうか全てが雑
力入れてるのは表紙だけ

ページをめくるに従って白くなっていくし、顔の向きは員だいたい同じ
夕張さんのように多彩なメカ知識を混ぜ込んでもいない
霰ちゃんみたいに前衛さもグロさもない

ありきたりで身内ネタがあってキャラが薄くて作業になってて……

私ってホントヘタ

ハア

夕張さん(売り子五月雨)のお色気あり兵器解説本は80部近く売れている
一冊貰ったけど情熱と魂がこもっているのが感じられた

霰ちゃんのよくわかんない抽象的な絵本は販売こそ7部
でもその7人は物凄い一品に出会えたような興奮溢れる表情

私は6部 巻雲が買っていってくれたの入れて6部
残りの5部も「自分の好みのシチュを描いてくれる」という特典につられただけの人だと思う

はっちゃんが提督×ヒムラーとかよくわかんないリクエストをしたのでバナナマン描いたら殴られた

前回は買ってくれた谷風があいさつだけしてスルーしてったのがショックだった

グッズだすなら欲しいって言われて作ったオータムクラウド先生キーホルダー
キラキラ光っててとてもいらつく(売れない)

ツイッター上では皆
「入稿乙 楽しみにしてます」
「悪くないと思います」
「次回作頑張ってください」

なんて反応してくれるし、いいねしてくれる。RTしてくれる人もいる。どうして誰も買ってくれないんだよー
なに? あなたの本棚に私の本が混じるのがそんなに嫌?

本当はイラストだけ描きたいのに売れるように漫画にしてるんですよ
少しはそっちも歩み寄ってくださいよ

売れている人 熱心なファンがついている人
この2人に挟まれたこのスペースは実に居心地が悪い

夕張「とりあえず一段落かな~」

霰「……いっぱい売れて凄い」

夕張「あはは 私のなんて客層に 全員戦場経験者の艦娘に合ってるだけよー」

霰「でも売り子さんまで必要なくらい… さすが売れっ子なの」

やめてくれ その言葉は前回一ケタ販売なのに売り子用意しようとした私に効く

ペラッ……ペラッ……ペラッ

客も減る時間帯 挨拶時渡された本なんかを読みながら暇つぶし

夕張「うーん…いやまぁ凄さで言ったら霰ちゃんのほうが。 これ離島棲鬼?」

霰「……主人公の少女なの」

夕張「えと これはロールシャッハテスト?」

霰「……それ愛と自由のメタファー」

夕張「……」


ペラペラペラペペラペラ

夕張「秋雲ちゃんのは えーと… お金払うからシチュ描いてもらってもいい? じゃ提督と銀シャリで」

大丈夫ですよ 感想浮かばなかったからって気使わなくても

秋雲「それより凄いっスね、売上。艦娘どころかヲ級もタ級もぽっぽちゃんまで買いに来て」

夕張「凄くなんかナイナイ そっちだって集積地棲姫来てたじゃない」

秋雲「あの人は前から  いやーなんかもう羨ましいっすよ なんですかこの零戦の精巧な描き込み」

秋雲「自分も戦艦のイラストとか描いたりしたけど…足元にも」

夕張「兵器好きなだけだってー ほら自己満足的な」

秋雲「兵器だけじゃなくてエロも凄い。提督なんてこんなん見せたら前屈み間違えなし」

秋雲「すっごいなーこの連装砲ちゃん」

秋雲「…自信無くすわー」

秋雲「霰ちゃんも凄いね なに? 艦娘になる前は美大生とかですか~?」

霰「単に見えたまま描いただけなの…」

秋雲「謙遜やめてよ~ もうこれはアート? うん、アートだよアート …カッコいいなぁ」

溜息しか出なかった

その後 夕張さんは3ケタまで販売数を伸ばし
霰ちゃんは雲龍&山城に「先生」付けで崇められて困っていた

自分はかろうじて二ケタ。前回を上回ったものの『購入者には好きなシチュで描く』
という特典効果であることは明白
次回も同じ手だとまた下がるのも明白 

どうすればいいかわからないまま…
第5回 鎮守府コミック即売会は終わった

「うーん うーん ネタ… 売れるようなネタ…」

第6回こそは周りを見返すような凄いのを描きたい 行列を作りたい でも思い浮かばない

巻雲「描きたいものを描けばいいんじゃないのー?」

違うんだ
それじゃあ売れないの

巻雲「趣味で描いてるのにそんな苦しそうなのおかしいよー」

わかってる
だけど両側の人より売れないのは嫌なの 

隣のサークルスペースから人がはみ出てくるのが辛いの

自分の下手さが浮き彫りになるみたいで

巻雲「そんなことして寝不足だとまた司令官様に叱られますよー お給料減らされちゃいますよー」

給料なんてどうせ使わないからいいんだ
漫画描いてるだけなら金なんて……金なん…て?
いいんだ……

いいんだ……!!

第6回 鎮守府コミック即売会

「みなさ~ん 雁首揃えて~ いらっしゃいませ~!」

朝霜「おお 1部 いや5部くれ!」
早霜「3部ください…」
黒潮「2部でええわ」
清霜「えっとね そのどうじんしを買います!」
雪風「雪風にも3部くださーい」

夕張「すごーい 今回は負けちゃうなぁ」

秋雲「いやはは~ 夕張さん喰うほど印刷してませんよ 30部だけなんで」

霰「あっというまに売り切れちゃったの…」

秋雲「ごっめーん 二人に配る分確保し損ねてたわー ミスったわー」

両側の二人が驚くのが心地よい

売れるためにどうすればいいか考えた
自分より才能のある人が自分より努力している中で何をどうしたら売れるのか考えた

そして自分の優位性に気がついた

陽炎型と夕雲型の中間であること
つまり身内が多いこと
お金にも困っていないこと……!!


平たく言うと金払ってサクラ頼んだだけ
即時完売なら本の稚拙さもごまかせる

手に取って見るものがいないのだから 


はーっはっは

はっはっは…

はぁ…



おわり

おっつおっつ。

バッドエンドだけじゃなくてハッピーエンドも書いていいんだよ?(ニッコリ)

なんだわずか5分でか。二番煎じするの早過ぎた。明日やるべきだった

どうかと思ったがやりたい気持ちを抑えられず
アレを見て、意図か過失かわからないが(流れ的に故意だと思う)その出来にリアルで麦茶吹いた。
昨晩半分くらいまで書いた時事ネタSSがあり(コレ)、用意してた落ちより遙かに面白く思えた。思わずパクってしまった
反省はしている

レス付くのが怖くて4分待たなかったのは痛恨の極み

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