貴音「免許を取りました」 (34)

響「免許を取ったぞ!」

それの続きです。よろしくお願いします。

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P「あのさ、貴音」

貴音「何でしょうか?」

P「お前も、免許取ったの?」

貴音「はい」

P「なんでまた急に……」

貴音「響が、つーりんぐなるものに一緒に行きたいと言っていたので」

P「え? それだけの理由で取っちゃったの?」

貴音「プロデューサー! それだけとはなんですか!」

貴音「響の誘いですよ? これだけで十分な理由になるはずです!」

P「す、すまん」

P(相変わらず貴音は響のことになると熱くなるな……)

P「で、バイクもすでに購入済み、と」

貴音「はい」

小鳥「プロデューサーさんと貴音ちゃん、なんの話をしてるんですか?」

P「えーっと、貴音まで原付免許を取ったみたいで……」

小鳥「そうだったの貴音ちゃん、これで響ちゃんともっと仲良くなれるわね!」

貴音「はい、大変うれしく思います」

小鳥「で? どんなバイクを買ったのかしら、私詳しくはないんだけれど、教えてもらえる?」

P「え、音無さんちょっとまっ……」

貴音「まぐなというバイクです」

P「」

小鳥「え? マグナ?」

貴音「はい」

小鳥「マ、マグナ50?」

貴音「はい、原付ですので」

小鳥「ブフゥッ!」プルプル

小鳥「マ、マグナキッド……」プルプル

P(やっぱり知ってたかー)

貴音「小鳥嬢今なんと? まぐなきっど?」

小鳥「な、なんでもないわ貴音ちゃん」フルフル

小鳥「ひ、響ちゃんとツーリングに行くといいと思うわよ、その、マグ……ブフゥッ!」プルプル

P「……音無さんちょっと」

小鳥「え? なんですかプロデューサーさ……」

小鳥(なんかめっちゃ不機嫌そう!?)

P「貴音、ちょっと席をはずしてくれないか?」

貴音「分かりました」

P「音無さん、マグナキッドのこと知ってるんですね?」

小鳥「は、はい」(顔が怖い……)

P「確かにマグナは遅い、亀と言ってもいいくらいに」

P「でも、どんなものであれ、ちゃんとしたバイクですよね」

小鳥「……はい」

P「あの貴音が免許まで取って買ったバイクを、馬鹿にするんですか?」

小鳥「それは、その……」

小鳥「ごめんなさい」ペコリ

P「分かってくれてるなら大丈夫です」

P「確かにマグナキッド伝説が面白いのは、わかりますから」

小鳥「すいませんプロデューサーさん」

P「いえ、もう良いですよ」

P「……それより」

小鳥「はい?」

P「貴音に、MTバイクを扱えるかすごく不安なのですが……」

小鳥「……あー」

P「とりあえず、貴音に色々聞いてみます」

小鳥「が、頑張ってください」

P「貴音ー、音無さんとの話が終わった。ちょっと来てもらえるか」

貴音「分かりました」

P「単刀直入に聞く、マグナにはちゃんと乗れたのか?」

貴音「それが……」

P「ん?」

貴音「うまく乗れないので、プロデューサーに相談しようと声をかけたのです」

P「なるほどな……」

P「しかし教えようにも、貴音の住んでいる場所はトップシークレットだろう? うーむ」

小鳥「あの、プロデューサーさん」

P「あれ? 音無さんなんでまた来たんですか?」

小鳥「えっとですね、乗るのに練習できるいい場所を知っていまして」

P「え、マジですか」

小鳥「はい。潰れたデパートの広い駐車場とか、許可取れば行ける、と思います」

貴音「なるほど」

貴音「プロデューサー、小鳥嬢の言う場所で練習するのはどうでしょうか?」

P「構わないけど……音無さんちょっと」

P「どうして急に協力的になったんですか」ヒソヒソ

小鳥「いえ、先ほどの罪滅ぼしにと思って……」ヒソヒソ

P「そういうことですか」ヒソヒソ

貴音「どうかしましたか?」

小鳥「うぅん、何でもないわ、貴音ちゃん」

P「あ、でも一つ問題が……」

貴音「問題、ですか?」

P「貴音の住んでる場所からそこに、どうやってバイクを移動させるか」

貴音「それならご安心を」

貴音「れっかーさーびす、なるものを使おうかと」

P「レッカー? 結構費用かかるぞ?」

貴音「お金の方は十分にありますので」

P(さすが売れっ子アイドル)

P「じゃあ、それにしよう」

P「次の貴音の休みは……俺と被ってるな」

P「音無さん、場所の方詳しく教えてもらっていいですか?」

小鳥「はーい」

P「そういうことだから、貴音、響とツーリングに行きたい気持ちは分かるが、一人で練習なんてするなよ?」

貴音「承知しました」



休日、デパート駐車場


P「俺の方が先に着いたか」

P「随分と広いな、響の時より広い」

P「これなら安心して練習できそうだ……って」

P「あのレッカー車は」


貴音「ここまでわざわざありがとうございました。帰りの方は時間が決まりましたらお伝えしますので」ペコリ

P「やっぱり貴音か」

貴音「プロデューサー、いつからそこに」

P「今だよ、レッカー車が止まってるのを見たもんでな、貴音だろうと思って」

貴音「なるほど」

P「それじゃ早速練習しよう、ヘルメットは持ってきたか?」

貴音「はい」スッ

P「……お前も半ヘルか、危ないからせめて公道を走るときはジェットヘルくらい用意してくれ」

貴音「じぇっとへる? 分かりました、次回からそれを使います」

P「それにしたってお前のマグナ……」

貴音「なんでしょう?」

P「完全にカスタムじゃないか、ロングホークに社外マフラー」

貴音「いけなかったでしょうか?」

P「いや、別に悪くはないんだが……」

P「メンテナンスの面はどうするんだ? オイル交換とか」

貴音「この走行距離になったら持ってくるように、と言われました」ビシッ

P「なるほど、メンテナンスは大丈夫そうだな」

P「それじゃあ早速練習するか」

P「……貴音」

貴音「何でしょう」


P「納車初日に乗ろうとしただろ?」

貴音「なぜわかるのですか、面妖な」

P「いや、響とツーリング行くためにそうしただろうなーって」

貴音「完全に私の思考を読んでいるのですね」

P「そこまででは……それでどうだったんだ? 少しは動かせたか?」

貴音「お恥ずかしながら、あくせるを回しても動きませんでした」

P「お前もそこからかよ!」

MT運転方法説明中

貴音「くらっち? 半くら? はて?」

P「俺が実際にやってみせるから、ヘルメットを貸してくれ」

貴音「はい」

P「いいか? この左手の握る部分の先、これがクラッチ」グッ

P「そしてこれをゆっくり離して、アクセルを開けると……」

ブオォォォォォ!

貴音「大変見事でした、プロデューサー」

P「いやいや、基本中の基本だから、それより」ボボボボボボ

P「この社外マフラー、もっと音が小さい奴に変えた方がいいかもな、正直うるさい」ボボボボボボ

貴音「それは私も思っていました、ばいく屋の方に言えば良いのでしょうか?」

P「うん、それでいいと思う」

P「じゃあ貴音、お前の練習開始だ」

貴音「はい!」

貴音「くらっちを握り、ぎあを一速に」ガチャ

貴音「そしてゆっくりと離し……」ポスン

貴音「……」

P「大丈夫大丈夫、最初は響もそうだったから」

貴音「なんと、あの完璧な響がですか」

P(全然完璧に見えんが……)

貴音「とりあえず再始動です、このせるを押して」キュルキュル、ポスン

貴音「はて?」

P「貴音、ギア入れっぱなし」

貴音「なんと」

一時間後

貴音「これはなんと心地の良い風でしょう」ブオォォォォォ

P「あっさり乗れるようになりやがった、響にしろ、なんでこんな飲み込み早いんだろう」

P(それにしたって、響の時もだったが、こうしてアイドルと二人きりでいて大丈夫なのだろうか)

P(郊外で全然人がいないから、大丈夫……だとは思うが)

P「貴音、練習疲れただろ? ちょっと休憩だ」

貴音「はい」

P「長引くと思ってコンビニで弁当とか買っといたんだ、お前じゃ足りないかもしれないが」

貴音「いえ、心遣い感謝いたします」

P・貴音「いただきます」

シーン

P(物音ひとつ聞こえない、静かな場所だなここは……)

貴音「プロデューサー」

P「ん? どうした貴音」

貴音「あの、まぐなでつーりんぐと言ったものの、実はどこへ行くのか決めていなくて……」

P「ふむ」

貴音「なにか目標があればいいのでしょうか?」

P「目標……うーむ」

P「そうだな、ラーメン屋とか」

貴音「らーめん?」

P「うん、最初は近い場所から初めて、慣れたら遠くの人気ラーメン屋に行く、とか」

貴音「なるほど、それは実にいい案ですね」

P(ラーメンのことになると、目つき変わるなー……)

P「さてと、飯も食い終わったし、もうしばらく練習するか」

貴音「はい、らーめんが私を待っています」

P(響どこいった!)

夕方


P「よーし、こんなもんだろ」

貴音「振動で手と足が少し痺れてます」

P「取りあえず交通ルール守ってな、公道では事故にも気を付けること」

貴音「承知しました」

P「それじゃあ帰……ん?」ブオオオオ・・・・・・

貴音「む?」オオオ……

P「バイクの音っぽいな、だんだん近づいて来た」オオオ

貴音「プロデューサー、あれを!」

P「え? わっ! 敷地に入ってきた!?」

P「ってあれ、響じゃね?」

貴音「響?」ブオオオオ

響「おーい、貴音~」

P「フルフェイスで顔は見えないが、響で間違えないな」

貴音「響、どうしましたか」キッ←目の前で止まる音

響「貴音がバイク買って、練習してるって聞いたから来たんだぞ!」

貴音「なんと!」

貴音「内緒でうまくなろうと思っておりましたのに」

P(そういや口止めとか一切なかったな。音無さんが教えたのか)

響「うわー、大きい! これ本当に原付なの?」

貴音「はい、まぐな50です」

響「マグナ……なんかかっこいい響きだな!」

響「水臭いぞ貴音~、練習だったら自分が付き合ったのに!」

P「内緒で、ってさっき貴音言ってただろう?」

P「それにしても一足遅かったな、これから帰るところなんだ」

響「え~、もう帰っちゃうの?」

貴音「申し訳ありません響、私も少し疲れまして……」

響「貴音がそういうなら仕方がないさ! 今度は一緒にツーリングに行こうね!」

貴音「はい、らーめんを食べに!」

響「らーめん? なんの話だ?」

P「ほら帰った帰った、もうじき日が沈む。夜間走行はまだ危ないからな」

響「うぐっ、じゃあ貴音、話の続きは次あったときね!」

貴音「はい」


~~~


響「それですごかったんだぞ、貴音のやつ、特盛らーめんをあっという間に……」

春香「そ、それはすごいね」

貴音「次はどこのらーめんを目指しましょう」

響「うぎゃー! らーめんはもう嫌だ~!」

P(どうやら無事、ツーリングできるようになったんだな、良かった)

雪歩「あの、プロデューサー」

P「ん? どうした?」

雪歩「わ、私も免許取ったんですぅ!」

P「」

終わり

以上で終わりです。
マグナは高校時代に二年半ほど乗ってました。
友人に置いて行かれたのは良い思い出……。

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