緑谷「キセキの世代!?」 (23)


偉大なヒーローになるための登竜門「雄英高校」ーー

同課の倍率は毎年300倍を越え、

そこは選ばれし者のみが入る事を許されるーー


日本屈指のエリート校の中でも10年に一度の天才と呼ばれる少年たち‥…

彼等が一斉に介した世代があったーー


人々はそれを「キセキの世代」と呼んだーー




緑谷「キセキの世代?」

飯田「そうだ。緑谷君、君も聞いたことがあるかい?」

緑谷「もちろんだよ!それは通称なんだけどでも<奇跡>と言われるに遜色ない実績をそれぞれ残していてここ数年の雄英の中でもとりわけ優秀だっていう・・・」ベラベラ

飯田「お!く、詳しいな緑谷君‥…」

緑谷「まあその手の情報なら。僕も中学時代からずっと憧れて来たしさ」

飯田「うむ、俺もだ。で、その上級生の事なんだが‥…」

緑谷「どうしたの?」

飯田「君は彼等を校舎内で見かけたことはあるかい?」

緑谷「??‥…」

緑谷「‥…!」

緑谷「そういえば無い‥…気がする」

緑谷「あれ?おかしいな?同じ校舎内にいるはずなのに...」

飯田「やはり緑谷君もそうか。実は俺も見かけたという記憶が一切無いんだ」

緑谷「えっ!飯田君も?」

飯田「ああ」

飯田「奇妙だと思わないか?」

飯田「さっき緑谷君がいったように彼らは粒ぞろいの生徒達だ」

飯田「現に俺も入学前から知っていたし憧れてもいた」

飯田「見かけることが偶々無かったにしろ、俺なら自発的に会いにいったりしていたとしても可笑しくないんだが...」

緑谷「....」

緑谷「確かに。言われてみれば僕もだ」

緑谷「僕が彼らをほっといたっていうのも変だ。せっかく手の届く距離にいるのに」

飯田「それに緑谷君、俺たちが今まで彼らの話題を口にしたことはあっただろうか?」

緑谷「...そういえばない?気がする」

飯田「ああ、それも妙なんだ。彼らに会ったことがない..と言うのは偶然で片付けられるかもしれない」



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飯田「しかし、さっき緑谷君が言ったように入学後より距離が縮まった」

飯田「且つ互いに強い憧れを抱いている先輩方」

飯田「以前に話題に上ってないというのは、どうも俺には解し難いんだ」

緑谷「...」

飯田「...」

緑屋「そう言われると確かにそうだね。」

飯田「だろう?麗家君も同様の反応だったよ」

緑谷「え!?お茶子さんも?」

飯田「そうだ。彼女も見かけたこともないし、入学後名前を口にしたこともないと言っていた」

飯田「これが俺たちの間だけのことだったらあり得るかもしれないが..」

飯田「そうでなかったとしたら?」

飯田「突拍子もないかもしれないが聞いてくれ」

飯田「もしかしたら俺たちは記憶がか...うっ!」ガタッ

緑谷「い、飯田君!?」

飯田「ああああああ頭がああああ!!」

緑谷「き、急にどうしたの飯田君!?」

飯田「あああああああああ....!!」

上鳴「なんだなんだ!?」

切島「おい!大丈夫か飯田!!」

飯田「うううううう...」

八百万「大丈夫ですか飯田さん!?」

飯田「ああああああああ...!!」

八百万「.....!!」

八百万「だ、誰か!早く先生を!」

砂糖「お、おう!」ダッ

飯田「ウウううううう...」

緑谷「飯田君!しっかり!」

八百万「飯田さん!もうすぐ職員が来ますので!お気を確かに!」

飯田「ううううう........さい....」

緑谷「えっ??」

飯田「....めん....さい」

飯田「ごめん...なさい...ごめんなさいごめんなさい」

緑谷「どうしたの飯田君!?」

飯田「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

緑谷「飯田君!しっかりしろよ!」

緑谷は飯田の肩に手をかけた。しかし、

飯田「うるさいっ!」バチッ

飯田「そんなことやってる暇があったら君もなんだろ!?」

飯田「君もほら!!僕みたいウウッ...早く!!」

緑谷「え...??」

切島「お、おい、とにかく落ち着けよ飯田」

飯田「さあ!!早く!!うゥっ」

デクは麗日をお茶子とは呼ばない
さすがにニワカすぎだろ

梅雨ちゃんのこともまともに呼べないのにね、デクって

>>9
>>5

すみません凡ミスです。
どうか寛大な心でください。
なるべく原作の雰囲気を崩さないよう努めますので。。

緑谷「ち、ちょっと、何を言っているのか分からないよ!」

飯田「...!!」

飯田「な、何だって!?俺がこんなに...うゥ懸命に、伝えてるのに!」

飯田「だったら、緑谷!これを...、目に焼き付けろ!!」

ーそう言うと飯田君はおもむろに服を脱ぎだした。

飯田「ぎゃはハハはは」

そこからの彼の行動を僕の口から語るのは忍びない。

飯田「ほら!ほらよく見ろよ!ギャハハハハ」

僕はーー

飯田「俺の僕をさあ!!僕の俺が!!」ムクムク

僕はーーいつもの真面目な飯田君があんなことをするとは

飯田「うおおおおお!百パーセント中の百パーセント!!」ムクムク

八百万「キャー!」

切島「お、おい見ろよ飯田の...」

上鳴「あ、ああ」ゴクリ

到底信じられない。

切島「外人かよ!?」

飯田「ハハハハハ!俺は、俺は至極悪いぞう!」ギンギン

麗家「へ...変態や」ブルブル

飯田「なんだって!?今のは聞き捨てならないな!」

切島「おい飯田!麗家に何す「レシプロエクステンド...」

気付いた時には飯田は麗家の目前に迫っていた。

飯田「仮に君がそう思うのなら...」

飯田「君もやってみればいいだろう!?なあほらほら!」ギンギン

麗家「」ブルブル

飯田「学級委員長!!を!何だと思ってるんだ!?」ギンギン

轟「そんなもんぷらつかせながら言うことじゃねえよ」ピキピキ

轟の放った氷が飯田を捉えた。

飯田「なっ!?」

轟「取り敢えず暫くじっとしてろ」

しかし流石と言うべきか...。彼のそれは体温の急激な変化にも関わらずなお、

切島「お、おい見ろよ飯田の...」

上鳴「あ、ああ」ゴクリ

そびえ立ったままであった。

切島「漢だぜ飯田...」








耳郎「ヤオモモおはよー」

八百万「あら、おはようございます」

昨日の一件から一夜が過ぎた。

昨日の飯田君の姿は僕達に様々な影響をもたらした。

耳郎「昨日のあれ…ヤバかったよね?」

八百万「ええ。余り思い出したくないですね…」

ある者の心に嫌悪をー

峰田「おい!あの生き様!」

切島「ああ、あれこそ正に俺の追い求めるヒーロー像そのものだぜ!」

瀬呂「だよなだよな!」

ある者の心に憧れをー

葉隠「ねーねー、昨日の」

葦戸「ああ、」

葦戸「すっっっごい、きもかったよねー!」

葉隠「うんうん!私も飯田君があんな人だったなんて思わなかった」

侮蔑をー

砂糖「俺が居ない間に何があったんだ…?」

戸惑いをー

麗日「あ、あぁ…」ブルブル

恐怖をそれぞれに植え付けた。

緑谷「あ、轟君おはよう」

轟「おう」

轟「なあ緑谷、昨日あいつに何かあったのか?」

緑谷「え?いや、僕にもさっぱり」

緑谷「ただ普通に話してたら…」

轟「そうか。ならいいんだが…」

緑谷「…」

ーーー緑谷回想ーーー

リカリバーガール『いいかい?その話はなるべく他言するんじゃないよ。』

リカリバーガール『飯田はね、運が悪かったんだ。』

リカリバーガール『これはね、あんたらが触れて良い一件じゃなかったんだよ。』

リカリバーガール『これだけは言える。飯田なら、絶対そんな事しないよ。』

緑谷『え?それってどういう…』

リカリバーガール『さ、話はここまでだよ。行った行った』

ーーーー

緑谷(飯田君まだ来てないな…)

キーンコーンカーンコーン

相沢「えー」

相沢「今日は授業の前に言っとく事がある」

相沢「飯田が一身上の都合により暫く休学する事になった」


ザワザワ ザワザワ

緑谷「そんな…」

相澤「まあそういう訳なので」

尾白「先生、それってどういうことですか?」

相澤「それ以上でも以下でもない。一身上の都合だ」

相澤「まあそういう訳なので八百万」

相澤「お前が暫く委員長の代理をしろ」

八百万「はい」

相澤「では以上」

飯田君はその日から学校に姿を見せる事は無かった。

飯田君がいた主人公の親友という立ち位置には、くじ引きの結果青山君が収まった。
これで憂い無しだ!

そして、飯田君抜きで始まる新生活ーー

緑谷「よーし!みんな行くぞ!」

麗日「うん!」

青山「もちろんさっ!」

爆豪「けっ、てめえが仕切ってんじゃねえよデク!」

轟「…」

緑谷「僕達の戦いはこれからだ!!」

part1 完




断章1 囚われた男

「私ではありません」

男は狭い部屋の中にいた。
何度目か分からない言葉をまた繰り返す。

「いい加減認めたらどうなんです?」
男の正面に座っている人物が呆れた風に言う。部屋には1つの机と、それを挟む形で1対の椅子が置かれているのみであった。

男は憔悴仕切っていた。もうこの部屋に入ってからどのくらいの時間が経過したのかも分からなかった。
「私ではありません」
男は繰り返した。

かつて男の回りには支援者がいた。しかし彼等は、一人、二人と彼の側を離れていった。
「もう、諦めましょうよ。」
彼等が去っていく時に残した言葉が男の頭に甦る。

(違う。俺は何もやっていない。)

「これ以上恥を重ねることないじゃないですか。」

(本当なんだ。信じてくれ。)

男の正面に座っていた人物が溜め息を洩らす。
「何回繰り返せば気が済むんです?」

「私ではありません」
男は消え入るような声でそう呟いた。

「いい加減にしろ!」
正面の人物は机を叩いた。

男は予期せぬ強気の口調と行動に反射的に退いた。

「じゃあこれをどう説明するつもりだ?」

男は言葉に詰まった。男はこの質問に上手く返答する事が出来なかった。

「都合の悪いことはだんまりか?」
正面の人物は強気な口調で男に詰め寄る。

「し、真犯人は…」

「ああ?」

「真犯人は別にいます!」
男は自分の口から出た言葉に自分で驚いているようだった。
しかしその言葉は男にとって、核心を突いたものに思われた。

(そうか、そうだったのか。俺を陥れた…)

その言葉は男の中で肥大化していった。

(真犯人は別にいる)

「真犯人は別にいます!!」

八百万「それでは緑谷さん、お願いします」

緑谷「うん、」

僕達は放課後、教室に残って話し合いをしていた。
でも全員が残っていた訳じゃない。
家庭の事情(さぼり)で一人、休学中なので一人、そして僕達が故意に知らせなかったため一人、欠席していた。

緑谷「まあ今のところ可もなく不可もなくって所かな」

八百万「今後も『彼』で大丈夫ですか?。」

緑谷「多分…」

麗日「デクくん!」

緑谷「う、麗日さん?」

麗日「私も一緒にいたから分かるよ」

麗日「デクくんこのまま3年間一緒でいいの?」

切島「そうだぜ緑谷!ここにあいつはいないんだ。遠慮することないぜ」

常闇「せっかくの討議の時間を無為に浪費するな、緑谷」

緑谷「う、うん」

緑谷「じゃあ率直に言わせてもらうけど、」

緑谷「正直ちょっと掴みにくいと言うか…」

緑谷「会話事態成立しない時もあるんだ」

八百万「具体的なエピソード等はありますか?」

緑谷「うん」

<エピソード1>

『僕ってどこ出身だか分かるかい?』

緑谷『え?そう言えばどこなの?』

『フフフ、それはね…』

『秘密さ!』

緑谷「ということがあったり、」

緑谷「あとは…」

<エピソード2>

『このマントヤバくない?』

緑谷『う、うん、凄いね!』

『だろ?』

緑谷『うん!』

『‥…』

緑谷『‥…』

『‥…』

緑谷『‥…』

緑谷「ということもあったり」

緑谷「あとは…」

八百万「待ってください!一旦そこまでで」

八百万「何か意見のある人は?」

耳郎「めんどくさいと思いました」

切島「俺なら付き合わねーな」

瀬呂「切れ切れ!」

娃水「関わりたくないタイプね」

常闇「面倒臭い」

轟「…助けに行く気になれない」

葉隠「一緒にいるのはちょっと…」

峰田「けっ、おいらでもお手上げだぜ」

麗日「同じメインキャラとして、断固拒否します!」

八百万「」ハァー

八百万「困りましたわ」

八百万「彼の性格に問題があると言うのは私も気付いていましたが…」

八百万「しかし一度決めてしまった以上またやり直すのも…」チラッ

相澤「駄目だ」

緑谷「でも先生!彼にこのまま作品を維持する力があるとは思えません!」

相澤「駄目なもんは駄目だ」

相澤「大体こないだのくじだって異例だったんだ。そう何度も出来るもんじゃない」

緑谷「そんな…」

相澤「それともなんだ?飯田に戻ってきて貰うか?」ニヤッ

切島「先生!そんなことできんのか!?」ガタッ

相澤「まあお前ら次第だが…」

葉隠「ぜっっったい、無理!」

峰田「賛成賛成!」

耳郎「は!?ふざけんな男子!」

八百万「それだけは反対ですわ!」

切島「は?何でだよ!?」

上鳴「そうだそうだ!」

葦戸「自分達が何言ってるか分かってんの!?」

麗家「あ…あぁ…」ブルブル

ワーワー ワーワー

緑谷(駄目だ…このままだと教室が二分しかねない…)

相澤「どう思う?緑谷」

緑谷「僕は…」

切島「緑谷!」

八百万「緑谷さん!」

緑谷(ごめん飯田君!)

緑谷「青山君で…我慢します。」



相澤「だ、そうだ」

切島「まあ緑谷が言うなら…」

八百万「当然ですわ」

緑谷(飯田君…もう君の居場所は…)

瀬呂「まあでも、下手に戻ってきて険悪になるより良いよな?」

葦戸「そうそう。学校がつまらなくなっちゃうもんねー」

緑谷(ここには無いみたいだ)


更に数日が過ぎた。

しかし、飯田君の不在は僕達にとって想像以上に大きいことで、

上鳴「おい飯田、ここ教えてくれよ」

瀬呂「お、おい」

上鳴「あ、そうか…」

切島「おはよー」

切島「あれ珍しいな?飯田まだ来てないのか?」

上鳴「お、おい」

切島「あ!そうか…」

峰田「おい飯田!あれやってくれよあれ!」

上鳴「おい」

峰田「あ、…」

轟「飯田、そう言えばステインにやられた傷の慰謝料もらってねえんだが」

峰田「おい」

轟「あ…」

常闇「…」

常闇(奇妙だな…机に座っているのに注意されないとは…)

轟「おい」

常闇「あ、…御意!」

みんないる筈の無い彼の姿を追い求めていた。

緑谷(飯田君…、君は本当に大きな存在だったんだね)

緑谷(色んな意味で…)

緑谷(それに比べて…)

青山「ねえ、僕は昨日何してたと思う?」

緑谷「さ、さあ?」

青山「答えはね…」

青山「秘密さ!」

緑谷「…」

緑谷(それに比べて…)

緑谷(はっ!いけないいけない!)

緑谷(もう飯田君はいないんだ!僕も新しい環境を受け入れないと!)

緑谷「ははは、青山君は面白いな~」

青山「だろう?」

緑谷(あと3年間か…)



同日、放課後ーー

緑谷「あ、青山君、僕今日用事あったんだった!」

青山「おや?そうなのかい?」

緑谷「うん、だから今日は帰り道こっちなんだ」

緑谷「じゃあまた明日!」ダッ

青山「う、うん。じゃあ」




緑谷(ふぅー、このくらい離れれば大丈夫か?)

緑谷「さてと、学校に戻らないと」

緑谷が教室に戻ると、そこには欠席者三名を除く17名が集まっていた。

八百万「さて今回ですが」

上鳴「おい、飯田の件はもう片付いたんじゃなかったか?」

八百万「ええ、今回は別件で。まあ多少彼に関係があるかもしれませんが…」

八百万「最近、特に男子、少し弛み過ぎだとは思いませんか?」

これは僕も感じていたことだ。
飯田君が居なくなってから、良い意味でも悪い意味でも教室内が緩くなったような気がする。

上鳴「そ、そんな事言われたって…なあ?」

瀬呂「お、おう…」

八百万「とにかく、もっとしっかりしなくてはなりませんわ」

八百万「皆さん思い入れがあるのは分かりますが、それをいつまでも引きずっていては…」

相澤「いや、」

八百万「相澤先生?」

相澤「確かに最近のこいつらは弛みがち」

相澤「だがそれは至極当然の事と言ってもいい」



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年07月06日 (水) 09:13:20   ID: KMQQJJON

果たして奇跡は出てくるのか??

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