海未「なつき、君...?」希「お盆前に出てくる人さらい妖怪や」(9)

-7月-

海未「なんですか、それ...また、希のオカルト知識の御披露目ばなしが始まりましたか」

希「いやいや、これが本当にあるねんて」

海未「ふむ、人さらいとは...?どうせ、神隠しのような類のものなのでしょう」

希「おっ!海未ちゃん勘が鋭いね~、そんな海未ちゃんには、うちと今度の夏祭りでなつき君探しをする権利を与えようか」

海未「いえ、出来ればふつうの夏祭りを楽しみたいのですがね...」

希「あはは、せっかくの夏なんやし、もっと刺激的でオープンな体験が必要やと思うけど?」

海未「仮にも、神隠し体験が刺激的でオープンだなんて...幽霊をからかうみたいなのは、いただけませんよ」

希「だーいじょーぶ、大丈夫!もし、なつき君を見つけても別の世界に逝く、ただそれだけの話やから」ニコッ!

海未「あの、待ってください、ここではない世界に逝くにしては、ただで済むとは思いませんけど?」

希「ごちゃごちゃと細かい子やねぇ、おもろくない!まさにアンスピリチュアルやわぁ、ほんっまアンスピ...!」

海未「個人的には、ノンスピリチュアルの方が、語呂が良いと思いますよ」

希「どっちでもええわい!それで?うちと夏祭り、逝くんか逝かんのか!?」ドンッ!

海未「逝きはしませんけど、行くのは一向にかまいませんよ」

希「んふっ、そかそか、意外とノリノリやん!海未ちゃん、何か良いことあったん?なぁ」

海未「ちょうどその日は家の用事もありませんし、稽古も夕方までなので、花火の時間にも間に合いそうですね」

希「ちゃんと反応してくれんと死んでまうよ...?」シュン...

海未「はいはい、それで他のメンバーには、もう言ったんですか?」

希「え?何を?」

海未「何をって...夏祭りの話ですよ、他のメンバーも誘ったのでしょう?」

希「あー...うん、誘ったけど無理やったわ」

海未「ん、無理とは...?」

希「一番先にお誘いしたのは、エリチや真姫ちゃんでなぁ...なつき君には、どうも興味ないみたいでがっかりしたわ」ハァ

海未「真っ先に誘うべき相手ではないですよね、もしかしてですけど、なつき君の話しかしていないのでは?」

希「あ、そうやったっけ......?」ポリポリ

海未「私に聞かないでくださいよ(少々、面倒臭いことになりましたね...)」

希「なつき君の話を持ちかけて、穂乃果ちゃんとことりちゃんは苦笑い、にこっちには手で追い払われ」ヨヨヨ...

希「凛ちゃんには嘲笑われ、花陽ちゃんは気絶...誰がうちとなつき君探しin夏祭りに逝ってくれるんやろ...でも、そんな時に海未ちゃんが」パァ!

海未「ああ~その日は一日中稽古でしたごめんなさい希(棒読み)」

希「待てぃ!その稽古と言っておけば、面倒臭い友達の誘いから逃れられると思っとるんやろうけど、そうはいかん!」ドンッ!

海未「(一応、自分が面倒臭いって自覚はあるんですね)」

希「なぁな~、お願いや海未ちゃん、うちと夏祭りでなつき君見つけ出して、一発当てようや、な?」

海未「そんな得体の知れないお化けを博打感覚でハントしようとするあなたの気がしれません...!」

海未「私は、普通に夏祭りに行って、おいしい綿飴と水飴とりんご飴を食べて!のんびりと祭りの雰囲気を楽しみたいだけなのです!」

希「(味覚はお子ちゃまやな~、かわええから別にええけど...」

海未「なっ、誰がお子様ですか!?///」キッ!

希「やばっ、声に出てたわ!...んまぁとにかく、7月下旬の夏祭り、一緒に逝くの決定やからね!」ビシッ!

海未「断念して申し受け入れますけど、良い加減にその逝くという言葉を訂正していただけませんかね、物騒なので...」ハァ

かくして、海未は希による半強制的な妖怪探しin夏祭りに出掛けることになったわけである、が...

調べてはいけない、
探してはいけない、
遭遇してはいけない、

3Sを兼ね備えるお化け

な つ き 君

海未と希の夏祭りに向けた、奇妙で不思議な夏の物語が始まる...

No.1 花子さん

-音ノ木坂学院 女子トイレ-
...
_______ガチャッ!!

穂乃果「やばい!もうダメぇ!漏れる漏れるぅ~!」ドタバタッ

海未「ははははしたないですね!もっと落ち着いたらどどうですか?!」モジバタッ

穂乃果「海未ちゃんが意地になって我慢するから、こうなったんでしょぉ~?!」ヒィヒィ

※何があったかはご想像に(ry

___ガチャッカチャンッ!

穂乃果「ふぅあ~♪間に合った~♡」【オトケシ】

海未「(くっ...私も急がねば!穂乃果に構っている場合ではありません...!)」ガチャッ

___バタムッ!!!

海未「(あらかじめ緩めておいたスカートを一気におろして、このまま脱ぎながら便座へ、いざ...!?)」

「いやぁぁあああああああ海未「 」あああああぁぁ変態ぃぃ!!?」イヤん♡

海未「( )」チビッ...

穂乃果「(...お♡今日はご快調の日かな?♪)」【オトケシ】

花子「って..あーなんだびっくりした、ただの人間じゃないの」ドキドキ

花子「(...カラダが重なるのはちょっと嫌だけど、このまま黙り座って用を足し続けよう...もう、我慢の限界だし)」【【オトケシ】】

海未「あの、え?なんでここに幼女が...?」

花子「ん?...あなた、あたしが見えているの?」ビクッ

穂乃果「海未ちゃーん?何か言った~?【オトケシ】

海未「いえ、ここに幼女が...?黒いおかっぱ頭の色白幼女が、黄色いシャツに赤いスカートを身につけた、あどけない幼女が...」ガタガタ

花子「幼女幼女うっさいわねぇ!!人間の分際であたしを侮辱するとは、良い度胸ね!はん!?」【オトケシ】

海未「(いや、全然こわくないんですけれども..ふふっ..いけません、ここで笑ってしまっては...)」プルプル

花子「あぁん!?///なにカラダ震わせてん...!?やだ、あなた興奮してるの??!」ヒィッ

穂乃果「(海未ちゃんの様子がおかしい、おしっこを我慢したのがいけなかったにかな)」【オト...

海未「くぅっ..ほ、穂乃果ぁ!!!」クワッ

穂乃果「うわっ!?な、なになに?(もしかしておしっこ間に合わなかったんじゃ...だから、穂乃果に怒ってるんだね!?)」【オ..

海未「今にも漏れてしまいそうなギリギリの尿意でトイレに入ると、そこにはある一人の幼女がいましたぁ?!一体どうしますぅ!?」モジモジモジ.. チビッ..

穂乃果「」

花子「待ちなさいよあああーた!あたしの領土で漏らしたらタダじゃおかないわよぉ!」アセアセ【オト..

海未「だったらはやぐぅそごをどくのでず!」

穂乃果「海未ちゃんがおかしくなってる!独りでブツブツとよく分からないこと言って、いかがわしいトイレの妖怪と化してる!(急いで助けなきゃ!)」

海未「妖怪はこの幼女です!トイレの花子さんですよぉぉ!」ヤバイヤバイヤバイヤバイ..

花子「幼女以外のボギャブラリーないのぉ!?」

海未「う...もう、限界です...」グアァァ
花子「!?」
穂乃果「海未ちゃぁぁぁぁぁぁああん!」ドンッ!

花子「あ!」

___チョロ..チョロロロ【【【【

海未「あ、あは、あはは..」(満面の笑み)&【オトケシ】

穂乃果「うみちゃあああああああ!!!!!!

...

___
______
________

⊃《トイレの芳香剤》
⊃《ぞうきん》

穂乃果「それで?そこに花子、さんがいるって?」フキフキ

海未「本当です、私には見えます、お漏らしさせて嘲笑ういやしいロリの姿が...」シクシク

花子「(今度は、ロリ...)」

穂乃果「こんな時に、希ちゃんみたいなこと言ってる場合じゃないと思うんだけど...」

海未「(うう、おかしいです..希じゃあるまいし、霊や妖怪の類が見えるだなんて)」

花子「そりゃあなた、なつき君の呪いがかけられてるからよ」クースクス

海未「な、なつき、君..!?あなた、何故それを知っているのです?!」

穂乃果「(海未ちゃん...)あの、穂乃果は先に戻ってるよ?はは...あとは海未ちゃんが片付けてね」ソソクサ

海未「あっちょっと...(ものすごく変な人を見る目で逃げられてしまった..)」

花子「なつき君の呪いがさっそく始まってるようね、お漏らしに友達が離れていってしまう...イイ予感だわ」クス

海未「お漏らしに関しては、あなたがどかなかったせいでしょう!」

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