【ガルパン】杏「チーム名は……あんこうバスターズだ!」 (96)

役人「というわけで貴校は廃校となる」

杏「じゃ、野球やろっか」

桃「!?」

柚子「!?」

杏「結果さえだせば良いんでしょ?」

役人「…………」

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桃「しかし、野球とは……」

柚子「たしか野球部は廃部になってたんじゃ……?」

杏「まっ戦車道には30人とか必要になるけど、野球なら9人居ればできるし」

杏「それに一から始めるって意味では同じでしょ?」

柚子「う、う~ん?」

杏「まあ、とにかく仲間を集めよっか」

桃「あと最低でも6人必要ですからね」

杏「うんうん。お願いね~」

柚子「会長も手伝ってください!」

みほ「…………」ハァ

沙織「ヘイ、彼女!いっしょにご飯食べない?」

みほ「ふぇっ!?わ、私?」

華「はい。いかがでしょうか?」

みほ「よ、よろこんでっ!」

………………
………


沙織「えへへ、ナンパしちゃった」

華「一度、お話してみたかったんです」

みほ「そうだったの?」

沙織「うん。なんかいっつもアワアワしてて面白いからさ」

みほ「お、面白い……」アハハ

沙織「そうだ!名前で呼んでもいいかな?」

みほ「え?もちろん!」

華「それでは、よろしくお願いします。みほさん」ウフフ

みほ「よかったあ、友達ができて。一人で転校してきたから不安だったんだ」フンフーン♪

沙織「ふ~ん。まあ、今時いろいろあるよね」

華「そうですねえ」

みほ「(そ、そうなのかな?)」

沙織「そういえば、みほは選択科目はどうするの?」

みほ「えっと……野球かな」

沙織「あー、今年から復活するんだっけ?」

華「いいですね野球!私、実は華道よりもっとアクティブなことがやりたかったんです!」

沙織「確かにちょっと面白そうかも!」

みほ「じゃあ!」

沙織「うん!みんなでやろっ!」

杏「あつまったのは……4人かあ」

優花里「…………」チラッチラッ

みほ「ず、随分少ないね」

沙織「野球って何人でやるんだっけ?」

華「9人ですよ」

沙織「じゃあ全然足りてないじゃん!」

優花里「あの~」

みほ「ん?」

優花里「もしかして西住みほ殿でしょうか?」

みほ「そうだけど……?」

優花里「やっぱり!感動ですぅ!」

優花里「去年の黒森峰は痺れましたぁ!」

優花里「ホントは戦車道がやりたかったですけど、西住殿と野球が出来るなんて感動です~!」

みほ「あはは……」

杏「さっそく練習するぞ~!って言いたい所だけど、ちょっと人数が足りないかな」

みほ「そうですね」

杏「というわけで!西住ちゃんには仲間集めを命じる!」

みほ「ええ!?」

みほ「わ、私ですか!?」

杏「うん。その方が燃えるでしょ?」

みほ「は、はあ……」

沙織「頑張れ~、みぽりん!」

翌朝

みほ「仲間……かあ」スタスタ

麻子「うう……」フラフラ

みほ「だ、大丈夫ですか!?」

麻子「ああ……。問題ない……」

みほ「で、でも!顔色が」

麻子「……うぁ」フラッ

みほ「わっ!?」ガシッ

麻子「す、すまない……」

みほ「いえ。それよりも大丈夫ですか?」

麻子「ああ。問題……ない」フラフラ

みほ「わあ!?私の肩につかまってください!」

麻子「すまないな……」

みほ「いえ」

みほ「着きましたよ」

麻子「ん?ああ……ありがとう」

そど子「れ、冷泉さん!?」

麻子「なんだ?今日は間に合ったはずだが」

そど子「そ、そうね……。これからは気をつけなさい!」

麻子「ああ」

麻子「ありがとう。おかげで遅刻せずに済んだ」

みほ「いえ。私は何もしてませんから」

麻子「……そうか。それじゃ」

みほ「はい」



みほ「(それにしても仲間を集めろって……難しいよ)」

沙織「って、その子誘えばいいでしょ!?」

みほ「え?あ、ああ~!そっか!」

沙織「も~!みぽりんってば、いっつもぽややんとしてるんだから」

みほ「あはは……」

華「その方のお名前は知っているんですか?」

みほ「えっと、確か"れいぜい"さんって呼ばれてたような」

沙織「麻子!?あ~、遅刻しそうだったって……納得」

みほ「知り合い?」

沙織「まあね。麻子は結構器用だから戦力になるんじゃないかなあ」

華「それは心強いですね」

沙織「じゃあ、さっそく誘ってみなよ!」

みほ「う、うん。でも……」

華「どうしたんですか?」

みほ「なんだか恥ずかしいっていうか……」

沙織「それなら、私も一緒に行ってあげる」

みほ「ありがとう!」

みほ「あのっ、冷泉さん!」

麻子「なんだいきなり……」

麻子「ん?今朝の人じゃないか。助かったよ」

みほ「あ、いえ」

麻子「それじゃおやすみ」zzz

みほ「はい、おやすみなさい」

沙織「そうじゃないでしょ!?野球に誘わなきゃ!」

みほ「あっ、そっか」

沙織「も~!」

麻子「なんだ、うるさいな」

みほ「冷泉さんも野球しませんか?」

麻子「やらん」

沙織「はぁ~」

沙織「野球やれば単位倍出るらしいよ」ボソッ

麻子「っ!?」

沙織「単位足りてないんでしょ?」

麻子「む……」

麻子「……分かった。やる」

沙織「やったね、みぽりん!」

みほ「うん!」

………………
………


杏「へえ~、さっそく連れて来るとはやるねえ」

華「あと1人ですね」

杏「ん~。まだ、冷泉ちゃんを入れるとは言ってないよ?」

沙織「えっ!?」

みほ「そんな……」

杏「入団テストを行う!」

優花里「団?これって野球団だったんですか?」

杏「はい、そこうるさーい」

麻子「テストだと?聞いてないぞ……」

麻子「はあ。面倒臭い、帰る」スタスタ

沙織「ちょっとちょっと!」

沙織「卒業できなくなっちゃうよ?」

麻子「むぐっ」ピタッ

麻子「……やるならさっさとしろ」

杏「おっけーい。そんじゃ好きなポジションとやりたいプレーを答えてね!」

麻子「知らん。寝たい」

杏「合格ぅ~!」

みほ・沙織・優花里「ええ~~!?」

華「あれでよろしいのでしょうか?」

杏「いやもう最高だね!サボり上手は守備上手ってね!」

優花里「初めて聞きましたが……」

杏「なんにしてもこれで8人!そろそろ練習もしていこうか」

優花里「ポジションはどうするのでしょうか?」

杏「ポジションか。最低でもピッチャーだけは決めときたいな」

杏「やりたい人いる?」

華「はい!私、ピッチャーをやってみたいです」

桃「待て!私もピッチャー志望だ」

杏「おっ、良いね~!それじゃピッチャーの座をかけて対決してもらおうか!いや~熱いねえ」

杏「そうだなあ、制球力で勝負しよっか」

沙織「制球力……?」

麻子「コントロールのことだ」

沙織「へえ~」

桃「ふっ、望むところだ」

柚子「大丈夫~、桃ちゃん?」

桃「桃ちゃんと呼ぶな!」

杏「じゃあ、10球投げてストライクゾーンにより多く入った方の勝ちね。一応、球速も測るから、同点の場合は最高速度の速かった方が勝ちってことで」

華「はい!」

みほ「頑張れー」

華「いきます!」

ビシュ

10球中9球ストライク
最高速度75km/h

杏「おっと、こいつは凄いな」

みほ「わあ!凄い華さん!」

桃「や、やるな……」ダラダラ

柚子「桃ちゃん、ホントに大丈夫?」

桃「問題ないっ!」

桃「いくぞ!」

シュポン

麻子「zzz」

沙織「麻子!危ない!」

麻子「へ……?ふげっ!」ボコッ

優花里「デ、デッドボール!」

みほ「麻子さん、ベンチに居たのに……」

杏「今日からかーしまを神なるノーコンと呼ぼう!」ワッハッハ

桃「こんにゃ、こんなはずでは……。すまない冷泉」

柚子「はやく保健室ー!」

………………
………

杏「ピッチャーは五十鈴ちゃんでけってーい!」

杏「じゃ、五十鈴ちゃんピッチャー、西住ちゃんバッターで守備練習を始めよっか。守備位置はとりあえず適当で」

みほ「私がバッターで良いんですか?」

杏「もっちろん」

華「では、いきますね!」ビシュ

みほ「えいっ!」

カキーン

杏「おっと、いきなり当てるねえ!」キャッチ

沙織「しゅ、守備広すぎ……」

杏「あらよっと」ビシュ

優花里「ホームに投げてもキャッチャー居ませんよ!?」

みほ「えっと?ど、どうしよう」ブン

カキーン

沙織「ええ……打っちゃうんだそれ」

杏「よーし、コンボがつながった!」キャッチ

杏「もう一回!」ビシュ

みほ「ふええええ~!?」ブン

カキーン

桃「どんだけ運動神経良いんだ……」

杏「おっと、そんなに干し芋に付いてる白い粉だけ集めて食べたいの?」キャッチ

杏「球筋に出てるよ!」ビシュ

みほ「そ、そうなんですか……?」ブン

カキーン

麻子「楽で助かる」zzz

杏「まーた、干し芋の白い粉?」キャッチ

杏「球筋に出まくってるよ!」ビシュ

みほ「球筋ってなんなんですか!?」ブン

カキーン

柚子「すごーい」

杏「もう、干し芋に付いてる白い粉はいいでしょ」キャッチ

杏「せめて干し芋を食べることを考えなよ」ビシュ

みほ「ええ……」ブン

キンッ

沙織「あっ」

杏「おっと、間に合わないか」

トーントントン

杏「よーし!最初にしては良い感じだったね」

柚子「会長、泥だらけですよ」

杏「うん」

杏「ドロドロになってさ、それでも得がたい何かがあるんだよ」

杏「私たちがこうしてられるのも、今のうちだけかもしれないんだし。遊ぶにしたって全力じゃなきゃね!」

桃「会長……」

華「私、感動しました!」

麻子「そうだな……たまには必死に球を追いかけてみるのもいい」

沙織「なんか青春って感じ!」

みほ「うんっ!」

杏「あんこうバスターズ最高!」

みほ「なんですか、それ?」

杏「チーム名だよ。カッコいいでしょ?」

優花里「いやっほう!あんこうバスターズ最高だぜぇ!」

杏・桃・柚子「あんこうバスターズ最高!」

華「あんこうバスターズ最高です!」

優花里「あんこうバスターズ最高!」

沙織「…………」

麻子「ついていけん……」

みほ「あはは……」


………………
………


杏「あと1人かあ。でもリザーブメンバーも欲しいな」

柚子「また西住さんに探してもらいますか?」

杏「いや、もう大会まで時間が無いし、風紀委員の子たちに頼もうと思う」

桃「分かりました伝えておきます」

杏「じゃ、よろしく~」

試合抽選会場

杏「あちゃ~、一回戦目はサンダースかあ」

沙織「?」

優花里「ことベースボールに関しては最強の高校ですよ」

沙織「ええ!?」

桃「なにっ!?」

柚子「知らなかったの、桃ちゃん?」

桃「…………」ドヨーン

杏「まあまあ、元気出していこーよ。甘いものでも食べてさ!」

みほ「戦車喫茶……へえ~、こんなのあったんだ」

華「どれも美味しそうです」

杏「おっ、面白い呼び鈴だなあ」ポチッ

ドカーン

沙織「あっ!私も押したかったのに~」

みほ「ま、まだ注文決まってないよお」アワアワ

………………
………


杏「形も面白いけど、凄く美味しいなあこれ」モグモグ

エリカ「……あら?」

エリカ「副隊長?……おっと、"元"でしたね」

みほ「!?」モグモグ

華「どなたでしょうか?」モグモグ

みほ「えっと、前の学校の……」モグモグ

沙織「ああ」モグモグ

杏「で、どったの?」モグモグ

エリカ「とりあえず食べるのやめなさいよ!」

優花里「はあ……」モグモグ

杏「いや~、美味しくって手が止めらんないんだよね」モグモグ

エリカ「……ま、まあいいわ。それにしても、こんな所に居るなんてね」

エリカ「まさか戦車道大会の抽選会に来たんじゃないでしょうね?」

優花里「そういえば戦車道大会の抽選会も今日でしたね」モグモグ

沙織「へえ~」モグモグ

みほ「私たちは野球大会の抽選会に来たんです」モグモグ

エリカ「やきゅ……え?野球!?」

みほ「はい」モグモグ

エリカ「そ、そう……。それじゃ」

みほ「さようなら」モグモグ

桃「あいつは何しに来たんだ?」モグモグ

柚子「さあ?」モグモグ



まほ「…………」モグモグ

メンバー(打順)

中 杏
二 麻子
三 優花里
捕 みほ
右 柚子
遊 沙織
左 そど子
一 桃
投 華

リザーブメンバー ゴモヨ パゾ美


みほ「ホントにこれでいいのかな?」

沙織「さあ?」

優花里「なんとなくで決まってしまいましたね」アハハ

麻子「もっと楽なポジションが良かった……」

華「頑張りましょうね!」

試合当日

………………
………


大洗 2 ー 15 サンダース

桃「ま、負けた……」

柚子「そんな……」

杏「…………」

………………
………


杏「廃校が確定した」

桃「そんな……」

柚子「どうにかならないんですか?」

杏「…………」

杏「……転校の準備を」

柚子「っ!?」

桃「うわああーん」グスッ

柚子「桃ちゃん……」

沙織「この学園艦に残ってるの、もう私たちだけだって……はは、ぜんぜん現実味ないよ」

華「…………」

麻子「…………」

みほ「……………」

優花里「あの……転校して、離れ離れになってしまう前に……もう一度、もう一度だけみんなで野球をしませんか?」

みほ「優花里さん……」

麻子「やろう」

華「はい!」

沙織「うん!」

………………
………


麻子「そろそろ時間だな」

沙織「あと、一球ずつ……ってところかな」

優花里「しまっていきましょう!」

華「ええ」

華「それじゃあ、みほさん。いきますよ!」ザッ

バシュ

みほ「っ!」

カキーン

優花里「絶対に捕球してみせます!」

みほ「優花里さん!?危ない!」

バシィ ドサァ

優花里「あいたたた。でも、捕りましたよ!」

みほ「優花里さん……」

優花里「これをつかんだからにはお別れです」ニコッ

みほ「…………」

優花里「西住殿っ!私は、あなたと会ってから最高に楽しかったです!」

優花里「西住殿はどうでしたか?」

みほ「もちろん!私もですっ!優花里さんが居ない大洗なんて考えられません!」

優花里「えへへ、すっごく嬉しいです!」

優花里「それじゃ、またどこかで会いましょう!」ニコッ

みほ「……っ!」ウルッ

みほ「こんな……、こんなのって!」

沙織「…………」

麻子「さあ、再開だ」

華「いきます」ザッ

ビシュッ

みほ「……っ!」グスッ

カキーン

華「うっぐ」ボールドカァッ

みほ「華さん!?」

華「う……ぐっ……」ヨタヨタ

華「私は!もっと……もっと、みなさんと遊んでいたかったんです!」ポロポロ

みほ「…………」グスッ

華「楽しかったんです……」

華「沙織さんと会って!みほさんに出会って!みなさんと野球して!」

華「本当に幸せだったんです!」

みほ「華さん……」ウルウル

華「……握手を」スッ

華「友情の証しを」

みほ「うん……!」グッ

華「大洗は不滅です」ニコッ

麻子「いや、私がいく。お前の泣き顔なんて見たくないからな」

沙織「なにそれ」クスクス

麻子「西住さん。私…は……、その……」ポロポロ

沙織「……麻子が泣いてるじゃん」クスッ

麻子「ずっとお礼を言いたかったんだ。遅刻しそうになってた所を助けてくれたこと。こんな私を誘ってくれたこと」グスッ

麻子「ありがとう」

みほ「うん……」

麻子「西住さんに会えてなかったら、私は……ずっと遅刻してばっかで……」

麻子「本当にありがとう」ニコッ

みほ「麻子さん……」グスッ

麻子「もう行くよ、遅刻しないようにしなきゃいけないからな」ポーン

みほ「うん。さよなら、麻子さん……」キャッチ

>>40 ミス

みほ「続けましょう……!」

麻子「じゃあ、次は私だな」

沙織「私でも良いよ?」

麻子「いや、私がいく。お前の泣き顔なんて見たくないからな」

沙織「なにそれ」クスクス

麻子「西住さん。私…は……、その……」ポロポロ

沙織「……麻子が泣いてるじゃん」クスッ

麻子「ずっとお礼を言いたかったんだ。遅刻しそうになってた所を助けてくれたこと。こんな私を誘ってくれたこと」グスッ

麻子「ありがとう」

みほ「うん……」

麻子「西住さんに会えてなかったら、私は……ずっと遅刻してばっかで……」

麻子「本当にありがとう」ニコッ

みほ「麻子さん……」グスッ

麻子「もう行くよ、遅刻しないようにしなきゃいけないからな」ポーン

みほ「うん。さよなら、麻子さん……」キャッチ

沙織「じゃあ、そろそろ私も行こうかな」

みほ「……っ!」

みほ「沙織さんが、声をかけてくれたから……沙織さんが居たから……私は……」

沙織「……そうだね。でも、みぽりんはもう弱くない」

沙織「みぽりんには私はもう必要ないよ」

みほ「そんなことない!ずっと、ずっと沙織さんが必要だよ!」グスッ

沙織「あはは、嬉しいなあ。もう!」ポロポロ

沙織「私は泣かないで行こうって決めてたのに……」グスッ

沙織「大丈夫!ずっと友達だから!」

みほ「うん……。うん……!」ポロポロ

沙織「じゃあね」ニコッ

みほ「(私たちはバラバラになった)」

みほ「(みんなが居ない学校は酷く寂しくて、気がつけば泣きそうになっている)」

みほ「(それでも、それでも私はひとりで生きていく……)」

END


    ○
       ○   ○
    ○
          ○

    ○

ピピピピッ ピピピピッ

みほ「わあ!?」ガバッ

みほ「もうこんな時間!?」アワアワ

みほ「……って、もうウチじゃないんだ」

みほ「ふんふ~ん♪」

一応、一区切りついたので補足しときます
リトバスキャラは出ません
世界観は基本ガルパン、誰々が死んでるとかそういうのもないです

役人「~~~というわけで貴校は廃校になります」

杏「……そう」

………………
………


桃「会長……」

柚子「どうにかならないんですか!?」

杏「ならないよ……」

柚子「そんな……」

桃「っ!」

沙織「でさ、なんか会長が~~~~廃校に~~~~」

華「そんな……~~~~それにしても、あの会長が何もなさらないなんて~~~」



みほ「なんだろう?なんだか騒がしいけど……」

みほ「あのっ!武部さん、五十鈴さん何かあったんですか?」

沙織「わっ!?西住さん」

華「珍しいですね」

みほ「あはは……ちょっと気になって。迷惑だったかな?」

華「いえ!私たちも以前からお話したいと思っていたんです」

沙織「そうそう!西住さんから声かけてきてくれてうれしいぐらいだよ」

みほ「そっか、良かったあ」

華「えーと、それで何でしたっけ?」

みほ「さっき二人が話してたことについてなんだけど」

沙織「ああ、廃校のことかあ……」

みほ「は、廃校!?」

華「はい、今年度で大洗は廃校になると今朝会長から話があったらしいです」

沙織「まあ、明日の朝礼とかでちゃんとした発表があると思うけど」

みほ「そ、それは確定事項なの?そもそも何で廃校になるの?」

沙織「よく分かんないけど、目だった活動実績がないから~とかなんとか」

華「では、もし今年度中に何かしらの大会で優勝できれば存続の可能性もあるのでしょうか?」

みほ「!」

沙織「さあ?」

みほ「もしかしたら……」ブツブツ

華「どうされました?」

みほ「ううん!なんでもないよ」アハハ

沙織「そう?……まあ、こんな話考えた所で私たちじゃどうしようもないって」


沙織「そうだっ!よければこの後いっしょにお昼ごはん食べない?」

みほ「良いの?」

沙織「もっちろん!」

………………
………


みほ「私はコロッケそばにしようかな」

沙織「それ頼んでる人、初めて見たよ……」

華「私はおろしチキンカツにします。あっ、大盛りでお願いします」

みほ「武部さんはどうするの?」

沙織「う~ん、もうちょっとだけ待ってて!」

華「はい、どうぞゆっくり考えてください」ウフフ

みほ「ねえ、二人のこと名前で呼んでもいいかな?」

沙織「いいよ~!むしろじゃんじゃん呼んで!……オムライスでいっか」

華「うれしいです!みほさん」

みほ「うんっ!華さん、沙織さん!」

桃「会長!今からでも実績をつくれば学校を存続できるのではないですか!?」

杏「さあね……」

柚子「みんなで頑張ればきっとできます!」

杏「たった8人で何ができるっていうのさ……」

柚子「8人……?誰のことですか?」

杏「仲間さ……」

桃「何の話をしてるんですか?」

杏「ここじゃない……どっか別の世界の話だよ……」

柚子「?」

桃「っ!失礼します!」バタン

柚子「あっ、桃ちゃん!私も失礼しますね、会長」バタン

杏「…………」




桃「会長が腑抜けになってしまった……」

柚子「うん……」

桃「だが、こんな時だからこそ我々が気張らなければ!」

柚子「桃ちゃん……。うんっ!頑張ろっ!」

沙織「ねえ、コロッケそば一口もらって良い?」

みほ「…………」

沙織「ねえ、みほってば。聞こえてる?みぽり~ん?」

沙織「もらっちゃうよ?」ヒョイッ

みほ「私っ!廃校なんてやだっ!」ガタッ

沙織「わっ」ビチャ

沙織「熱っつい!スカートが!わー!」アタフタ

華「みほさん?」

みほ「華さんと、沙織さんと別れたくなんて無い!」

華「!」

華「はいっ!私もせっかくみほさんと仲良くなれたのに転校なんて嫌です!」

みほ「絶対、廃校になんかさせないっ!」

沙織「私も手伝うよっ!……今は私を手伝ってほしいけど」フキフキ

華「うふふ。三人でチーム結成ですね」

沙織「チーム?」

華「はい!絶対に大洗を廃校にさせないぞチームです」

沙織「……なんか他に名前ないの?」

華「駄目でしょうか?」

沙織「うん」

華「では、みほさんが決めてください」ニコッ

みほ「えっ、私?」

沙織「それが良いかも!その方がなんか燃えるしね!」

みほ「じゃあ……」

みほ「チーム名は……あんこうバスターズです!」

沙織「じゃ、さっそく作戦会議しよ~」ガチャガチャ

華「そうですね、とりあえず教室に戻りましょうか」スタスタ

みほ「うん」スタスタ



優季「ね~、さっきの先輩たちの話聞いた~?」

桂利奈「あいっ!」

あゆみ「廃校に立ち向かうなんてかっこいいよね」

あや「熱かったね~」

紗希「…………」

梓「私たちも何かできないかな?」

あゆみ「先輩たちの仲間に入れてもらう?」

あや「でも、ちょっと怖くない?」

桂利奈「いじめられそう……」

優季「先輩だもんね~、怖い~」

梓「う~ん、確かに……」

沙織「それで?何の大会に出るの?」

みほ「……う~ん。どうしよう」

コロコロ

みほ「ん、野球のボール……?」

華「あら?どうしてこんな所に……」

沙織「!」

沙織「野球は!?野球の大会に出ようよ!」

華「ですが野球部は確かもう廃部になっていたような……?」

みほ「……むしろ良いかも知れない。すでにある部活は毎年大会に出てるだろうし、今年もでると思う。だから、今は活動してない部活を私たちがやるべきなのかも」

華「なるほど……」

みほ「野球をしましょう!」

沙織「おっけー!」

華「ひとまずは仲間集めする必要がありそうですね」

沙織「野球って何人でやるんだっけ?」

みほ「最低9人だけど、リザーブメンバーも欲しいかな」

沙織「そっかあ、じゃあ結構集める必要があるね」

華「ふふっ、なんだか楽しみです」

放課後

沙織「元野球部の部室にグローブとかあって良かった~!」

みほ「まだ、たったの3人だけどちょっとずつ強くなっていこう!」

華「はい!頑張りましょう!」

みほ「ポジションはどうしようかな……」

華「私はピッチャーがやりたいです!」

沙織「私はこのグローブ使ってみたい!」

みほ「じゃあ、華さんがピッチャー、沙織さんは内野手をやってください。私は……とりあえずバッターかな」

沙織「おっけー!」

華「分かりました」

みほ「それでは練習を開始します!」

ビシュ カキーン バスッ


………………
………


優花里「…………」チラッ

みほ「えいっ!」ブンッ

カンッ

みほ「あっ、道の方にいっちゃった!」

優花里「わあ!」キャッチ

みほ「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?」アセアセ

優花里「いえ!こちらこそ勝手に見学していてすみませんでした」

優花里「あ、これボールです。どうぞ」

みほ「ありがとう!」

みほ「野球好きなの?」

優花里「あ、いえ、私は野球というか……西住殿のファンというか……」ゴニョゴニョ

みほ「?」

みほ「そうだ!もし良ければ野球いっしょにやらない?」

優花里「いいんですか?」

みほ「うん!」

優花里「感激ですぅ~!あの西住殿の野球ができるなんて!」

みほ「あはは……」



優花里「ということで、野球に参加させてもらうことになった秋山優花里です!よろしくお願いします!」

沙織「よろしく~!」

華「よろしくお願いします」

………………
………


みほ「今日はこのぐらいにしとこっか」ハアハア

沙織「つかれた……」ハアハア

華「もう動けません……」フウ

優花里「でも楽しかったです!」

みほ「うん!」

沙織「もう、真っ暗だね~。おなか減った~」

華「どこかで食べていきますか?」

みほ「それなら、みんなで私の家に来ない?ここから近いし」

沙織「おっ、良いね~」

華「では、ぜひお願いします」

優花里「あの~、私も良いでしょうか……?」オズオズ

みほ「もちろんだよ、優花里さん!」

優花里「!」

優花里「ありがとうございます!」

華「うふふ」

みほの部屋

みほ「ふんふ~ん♪」

みほ「みんなはお茶でも飲んで待ってて。すぐにご飯の用意するから!」

沙織「私も手伝うよ!」

みほ「ううん。簡単な料理だから大丈夫!ゆっくりしてて」

沙織「そう?なんだか悪いな~」

華「そうですねえ。お家に招待してもらってるわけですし」

優花里「では、片付けは私たちがやりますね!」

みほ「うん!お願い」

チーン

沙織「ん?」

みほ「出来たよ~!」

優花里「ま、まさか……!」

華「?」

華「みなさん、先ほどの音でどんな料理か分かったのですか?私はさっぱり……」

コンビニ弁当×4

沙織「…………」

優花里「…………」

華「おいしそうです!」

みほ「えへへ。セブンイレブンの幕の内はオススメなんだ」

沙織「いやいや、それは無いでしょ!?」

みほ「え?ファミリマートのチキンタツタの方が良かった?」

沙織「いやいやいやいや、そういうことじゃなくて!」

みほ「そっか!ローソンのからあげくんだよね?買ってあるからちょっと待ってて」

沙織「ちっがーう!」

………………
………


華「美味しかったです。まさか数十秒であんなに美味しい料理が作れるだなんて……」

優花里「私はサンクス派ですけどねっ!」

沙織「いろいろとツッコミたいけど、……まあいいか。疲れすぎて動きたくない」

みほ「良ければ泊まってく?」

華「いいんですか?」

みほ「うん」

優花里「では、お言葉に甘えさせてもらいます~」

沙織「ありがとね、みぽりんっ!」

沙織「今日は寝かさないよ!」

華「疲れているんですから、人生ゲームなんてやらずに寝た方が……」

沙織「もー!分かってないなあ。お泊りっていったら人生ゲームでしょ!?」

優花里「そうなんですか?」

みほ「さあ?」

………………
………


華「あら、結婚です」

優花里「あっ、私も結婚マスです」

みほ「私は……3人目の子ども」アハハ

沙織「なんで私だけ独身なの!?結婚祝儀と出産祝いでお金だけが減ってくよ~!」

………………
………


沙織「zzz」

優花里「zzz」

華「zzz」

みほ「zzz」

ピピピピッ ピピピピッ

みほ「わあ!?」

みほ「みんな!起きて!遅刻しちゃう!」

沙織「う~ん……」

優花里「寝すぎてしまいましたっ!?」

華「急がないと遅刻してしまいますね……」イソイソ

沙織「夜更かしなんてしなきゃ良かった……つらい~」

………………
………


みほ「せわしないけど、みんなと登校って新鮮で楽しいな」モグモグ

沙織「食パン食べながらの登校なんて初めてだよ……」モグモグ

優花里「あはは。マンガだったら誰かとぶつかるシーンですね!」モグモグ

ドンッ☆

みほ「わあっ!?」バタッ

麻子「うっ!?」バタッ

華「だ、大丈夫ですか?」

みほ「う、うん。私は大丈夫。それよりも向こうの人が……」

麻子「…………」シーン

優花里「う、動いてませんよ、この方!?」

沙織「ええ~!?こ、呼吸はしてる?」オコシオコシ

麻子「zzz」

沙織「寝てるだけじゃん!って、麻子!?」

麻子「なんだ……うるさい……」

みほ「あのっ、大丈夫ですか?すみませんでした!」

麻子「?」

麻子「何かあったか?というかここはどこだ。家で寝てたと思ったが……」

沙織「まさか、寝ながら歩いてたの……?」

みほ「あはは……」

華「何にしても大丈夫そうで良かったです」ホッ

沙織「って、もうこんな時間!?」

優花里「は、走りましょう!」

麻子「zzz」フラフラ

沙織「麻子!遅刻するから起きて!」

みほ「わ、私がおんぶしていきます!」

華「大丈夫ですか?」

みほ「うん。私にも責任あると思うから」

沙織「いや~、無いとおもうよ?」

優花里「何にしても行きましょう!西住殿、私も手伝います!」

みほ「ありがとう!」


………………
………


沙織「ぎ、ギリギリセーフ……」ハアハア

麻子「む……」パチクリ

麻子「おお!?寝てたら学校に着いた!凄いぞ……」

沙織「まだ寝ぼけてるの?」

みほ「げ、限界……」バタン

麻子「!?」ドサッ

優花里「に、西住殿~~~~!」

華「みほさーーーん!」

沙織「みぽりーーーーん!」

麻子「なんだこれは」

………………
………


沙織「麻子を野球に誘ったらどうかな?結構、器用な所あるし戦力になると思うよ!」

華「それは心強いですねえ」

みほ「誘ってみるね!」



みほ「~~~~~というわけで、一緒に野球をしませんか?」

麻子「やらん」

みほ「そ、そこをなんとか」

麻子「無理だ」

みほ「どうしても駄目ですか……?」

麻子「……ああ」

沙織「今朝、みぽりんに助けられたじゃん!」

麻子「む……」

沙織「それに単位足りないんでしょ?このまま廃校になったら転校もできないよ!?」

麻子「…………」ピクッ

麻子「……分かった。やろう、野球」

みほ「ホント?やったあ!」

沙織「よかったね、みぽりん!」

放課後

みほ「じゃあ、さっそく練習しようか」

麻子「せめて楽なポジションにしてくれ」

華「楽なポジションなんてあるんでしょうか?」

沙織「ショートが楽らしいよ!」

優花里「えっ?」

麻子「流石に私でも嘘だと分かるぞ……」

沙織「なーんだ、知ってるんだ」

麻子「とりあえず外野においてくれ」

みほ「そうですね……。最初は様子見しつつそうしましょう。それでは練習開始します!」

………………
………


あけび「まさか……バレー部復活の前に学校が無くなっちゃうなんて……」

典子「諦めるのはまだ早い!仲間を集めて、代々木に行って、バレーも学校も復活だ!」

「おおーーっ!」

典子「とはいってもアテは無いしなあ……」

妙子「でも、廃校寸前のこの状況ならやってくれる人いるんじゃないかな?」

忍「プレッシャー凄いし、やっぱり駄目じゃない?」

あけび「う~ん……」



カキーン

沙織「よっと」バシッ

優花里「ナイスキャッチです!」

沙織「へへ~、結構慣れてきたかな」

麻子「その調子で私の守備範囲も守ってくれ……」zzz

沙織「いやいやいや!麻子も頑張ってよ!」



典子「ん?5人で野球……?」

あけび「たしか野球部は廃部になってた気がするけど」

妙子「もしかしたら、私たちと同じなんじゃない?」

忍「……なるほど。あの人たちも部活復活を目指しているのかも」

典子「ちょうど良い!バレー野球部にすれば二つとも復活だ!」

妙子「なるほど!流石ですキャプテン!」

忍「そうと決まればさっそく!」

あけび「勧誘ですね!」

典子「ってことで、バレー野球部にしませんかっ!?」

みほ「はいっ!ぜひお願いします!」

麻子「待て、気に入らないな」

忍「えっ?」

沙織「ま、麻子!?」

麻子「野球バレー部だろう」

あけび「なっ!?」

優花里「確かに一理あります!」

みほ「そうかな……」

典子「じゃあ、バ野球レー部で手を打ちます!」

優花里「せめて野バレー球部にしてください!」

あけび「バ球部は?」

沙織「野レー部の方がゴロが良くない?」

華「野球野球部はどうでしょうか?」

妙子「バレー消えてるっ!?」

典子「こうなったら対決だ!」

優花里「望む所です!」

みほ「ええ……?」

典子「いっくぞー!」バレーボール

優花里「負けませんよぉ!」バット

みほ「待って待って!バレー勝負だと磯部さんたちが有利すぎるし、野球勝負だと私たちに有利です。殴り合いはも

ってのほかです」

みほ「だから、ルールを決めましょう!」

みほ「まわりの人に適当に持っているものを投げてもらって、その中からひとつをつかんで下さい!」

みほ「投げ入れられるモノはくだらないモノほど良いです!」

みほ「そして、そのつかんだアイテムを相手に当てたら勝ちにしましょう」

麻子「まあ、簡単に言えば変則ドッジボールって所だな」

典子「なるほど逆リベロ勝負か!」

みほ「え、ええ。そうです……?」

優花里「望む所です!西住殿、合図をお願いします」

みほ「では、開始してください」

ポイッ ポイッ ポイッ

優花里「私は、トイレットペーパーです!」キャッチ

典子「こっちは、うなぎパイだ!」キャッチ

沙織「誰が投げ入れたのアレ……」

優花里「えいっ!」

麻子「おおっ!いきなり投げたぞ!」

典子「なにおう!うなぎパイで打ち返してやる」ブンッ

ポキッ

典子「ああああああああ!うなぎパイがあああぁあああーーーー!」

ドカッ

華「うなぎパイを折って、そのままトイレットペーパーが磯部さんにヒットしました!」

みほ「優花里さんの勝利です!」

優花里「やりました!」

優花里「では、チーム名とは別に部活動名を決めさせてもらいますねっ!」

典子「ぐぬぬ……」

優花里「『野球ベースボール部』で!」

典子「うわああああ!意味が被ってるぅぅぅう!」

妙子「やっぱりバレー要素が消えたっ!?」

あんこうバスターズ!は『野球ベースボール部』としての名目を得た。

優花里「今後もこの勝負はいつでもお受けしますよ!」

………………
………


桃「今、廃校にすまいと野球をやっている連中がいます」

杏「……ふぅん」

柚子「私たちもやりませんか?」

杏「いいじゃん。やりなよ……二人でさ……」

桃「いい加減にっ……!」ガシッ

柚子「桃ちゃん!」

杏「痛いからさあ……離してくんないかな……」

桃「…………」パッ

柚子「会長も……気が向いたら来てくださいね」

杏「……ああ」

桃「おい、最近野球をやってるのはお前らだな?」

みほ「えっ?はい、そうですが」

柚子「実は……」

桃「私たちも参加したい。入れてもらえないだろうか?」

みほ「もちろんです!よろしくお願いします!」

沙織「やった!先輩が二人も入ってくれるなんて!」

桃「いや、三人だ」

柚子「会長も入れてあげて欲しいの……駄目かな?」

みほ「いえ!大歓迎ですよ」

沙織「それで、その会長は?」

柚子「それは……その~」

桃「現在、会長は塞ぎこんでしまっている。だが、いつかきっと……」

みほ「……分かりました。いつでも参加してください!」

柚子「ありがとう西住さん……!」

みほ「私、ちょっと会長さんに会ってくるね」

沙織「えっ?」

みほ「あんな話を聞いてほっておけないから」

沙織「……みぽりんらしいや。頑張って!」

みほ「うんっ!」



みほ「失礼します」コンコン

杏「……なに?」

みほ「野球……やりませんか?」

杏「…………!」

杏「……廃校にさせないためにやってるんだって?」

みほ「はい。それで、どうでしょうか?」

杏「ムリだって……。どうせ勝てやしないよ」

みほ「そんなことありません!」

杏「はは……どうかな……」

杏「じゃあ、練習試合組んであげるから勝ってみせてよ」

みほ「分かりました。もし勝てた時は会長も……!」

杏「いいよ。勝てたら……ね」

みほ「練習試合が決まりました」

典子「やっとバレーが出来るっ!」

沙織「野球の試合だよ!」

あけび「……ですよね」

みほ「とにかく、負けられない戦いです!」

華「お相手はどなたでしょうか?」

みほ「聖グロリアーナ女学院だよ」

妙子「?」

優花里「ああ、クリケットが有名な学校ですね!」

妙子「へえ~」

あゆみ「なんか、あの先輩たちが試合やるみたいだよ!」

梓「えっ、見たい見たい!」

あや「でも、前に見たときは3、4人じゃなかった?」

優季「野球って何人でやるの~?」

桂利奈「確か9人!」

梓「じゃあ、メンバーが増えたのかな?」

あゆみ「やっぱり私たちも入れてもらえば良かったかなあ?」

紗希「…………」

あや「とりあえず見学させてもらおうよ!」

桂利奈「あいっ!」

みほ「ホントに私が打順とポジション決めていいの……?」

典子「もちろんですリーダー!」

華「はい、リーダー。うふふ」

みほ「あはは……なんだか照れるなあ」

沙織「でもさあ、4番はやっぱりみぽりんがやってよね~」

みほ「ええ!?」

優花里「西住殿、頼りになりますし!」

麻子「それにその方が燃えるしな」

みほ「わ、分かりました……!」


遊 典子
左 麻子
一 妙子
捕 みほ
右 優花里
二 あけび
三 忍
中 沙織
投 華

リザーブメンバー 桃 柚子


みほ「う~ん?これで良いのかなあ……」

優花里「まあ、最初のうちは試行錯誤ですね!」

桃「悪いな、私たちはまだ全然練習もしてなくて」

柚子「ごめんね」

みほ「いえ!控えに誰かいてくれるだけで心強いですから」

桃「そうか」

みほ「はい!」

練習試合当日

ダージリン「今日はよろしくね」

みほ「はいっ、よろしくお願いします!」



オレンジペコ「……なんで私たち、野球なんてしてるんでしょうか?」

アッサム「さあ?」

ダージリン「いいわ。説明してあげる」

ダージリン「私はもう3年で、戦車道大会優勝を目指して頑張る時期でしょ?」

アッサム「ええ」

ダージリン「でも、それはなんだか流されているなって気がしたのよ」

ダージリン「周りがそういう空気だから、私もそうなってるんじゃないかってね」

ダージリン「戦車道と並行して野球をやる人なんて普通居ないでしょ?」

ダージリン「だから野球をしようと思ったのよ」

オレンジペコ「……ちょっと待ってください。最後だけ理解できませんでした」

ダージリン「だから野球をしようと思ったのよ」

オレンジペコ「いえ、聞こえなかったわけじゃないです」

ダージリン「こんな言葉を知ってる?『人生はつくるものだ。必然の姿などというものはない』」

ダージリン「自分がやりたいことをやってこそ、人生というものだと私は思うのよ」

アッサム「は、はあ……」

オレンジペコ「納得できるような、できないような……」

ポツポツ…

麻子「……雨が降ってきたな」

みほ「これぐらいなら大丈夫かな」

優花里「そうですね。そろそろ始めましょうか!」

ダージリン「ええ」

審判「それでは、プレイボール!」


先行 大洗

アッサム(投手)「データも無しに投げろとは……」

典子「よーし!とりあえず塁にでるぞー」

アッサム「いくわよ」ビシュ

典子「うおおお、レシーブバント!」コンッ

アッサム「っ!」

オレンジペコ(ライト)「上手いっ!初球バントという意外性に加えて、きっちり三塁側へ転がしました!」

セーフ

アッサム「くっ」

ダージリン(捕手)「これからよ!」

………………
………


2回裏

大洗 0-2 聖グロ

優花里「守備力がハンパじゃありませんね」

麻子「基礎力の差が出てしまったな」

ザーザー

沙織「わあ!雨が大降りになってきちゃった」

ダージリン「……雨が強くなってきたわね。3回で終わりにしましょう」

沙織「どうするの?みぽりん」

みほ「仕方の無いことだしね……」

みほ「分かりました。そうしましょう!」

………………
………

2回裏 1アウト

ローズヒップ「とりあえず当てさえすればいいんですわ」カンッ

オレンジペコ「レフト前に落ちました!」

麻子「くっ!」ビシュ

ローズヒップ「おっそいですわ~!」

一塁セーフ

華「すみません……」

みほ「大丈夫だよ!」

ダージリン「ふふ、いくらコントロールが良くても持ち球がストレートだけではね」

華「いきます!」ビシュ

ローズヒップ「盗塁ですわ。もっらいましたわ!」ダダダダッ

みほ「……!?」グラッ

みほ「しまった!土がぬかるんで!」

二塁セーフ

ローズヒップ「らっく勝ですわね!」

麻子「まずいな……ノーアウト2塁か」

ダージリン「ふふ、ここは打たせてもらうわよ」

華「低目に……」ビシュ

ダージリン「雨のせいかコントロールが悪くなってきてるわよ」カキーン

華「っ!」

沙織「わっ、ちょっ、間に合わない」

ローズヒップ「ホームに到着ですわ!」



オレンジペコ「流石ダージリン様!見事な二塁打です!」

ダージリン「ふふ」

>>84 訂正

× 麻子「まずいな……ノーアウト2塁か」
○ 麻子「まずいな……1アウト2塁か」

オレンジペコ「えいっ」カンッ

典子「もらった!レシーブ!」シュ

アッサム「グローブで送球を!?」

忍「アタック!」パンッ

アッサム「三塁手も!?」

妙子「キャッチ!」

アウト!

沙織「おお~!スゴイ連携!」

麻子「ダブルプレーとは」

ダージリン「……おやりになるわね」

三回表

大洗 0-3 聖グロ

2アウト

典子「私が、ここで打たないと……!」グッ

ッパーン ストラーイク!

カンッ ファール!

ダージリン「ふふ。ラスト一球ね」

典子「まだだ、絶対に打つ!」

アッサム「…………」ビシュ

ドッッガアアアアアーーーーーーン

典子「っ!?」ブンッ

スカッ ストラーイク

審判「バッターアウト!」

みほ「そんな……」

典子「茶番だあああああぁぁぁあああ!」ガシッ

ダージリン「コールドゲームよ」

典子「くっ……、うう」ガクリ




オレンジペコ「あの戦車の砲撃音はダージリン様が……?」

ダージリン「いえ。私じゃないわ……」

アッサム「では、いったい?」

ダージリン「…………」

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