苗木「キミはどんな才能でこの学園にスカウトされたの?」桑田「えっ」 (69)

・ダンガンロンパのネタバレ
・ミニSSスレの未消化お題【知名度が思ったより低い事にへこんでいる超高校級】を使わせていただきました

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467476475

苗木(私立希望ヶ峰学園。それは、あらゆる分野の超一流高校生を集め、育て上げる事を目的とした、政府公認の超特権的な学園)

苗木(そんな希望の学園に…ボク、苗木誠は【超高校級の幸運】として入学を許可された)

苗木(まあ、実際にはただ抽選で選ばれたってだけなんだけど…)

苗木(それにしても、まいったな…。まさかボクがあの希望ヶ峰学園に通う事になるなんて)

苗木(何事も平凡なボクからすれば、超高校級の高校生なんてあまりにも異次元すぎて…一体どんな人たちがいるのか、想像もつかない…)

苗木(…やっぱり、ある程度の情報は事前に調べておくべきだったかな?)

苗木(そんな風に自分の準備不足を悔いつつ…ボクは希望ヶ峰学園に足を踏み入れた)


―――



苗木(あの後、突然気を失ったボクは見知らぬ教室で目覚め、玄関ホールで他の新入生たちと合流し…)

苗木(ひとまずみんなの自己紹介を聞く事になった)


桑田「うーっす、オレの名前は桑田怜恩だ!ヨロシクな~!!」


苗木(最初にボクに声をかけてきたのは、パンクなファッションに身を包んだ男子)

苗木(うーん、超高校級のチャラ男とか?…な訳ないか)

苗木「よろしくね、桑田クン。キミはどんな才能でこの学園にスカウトされたの?」

桑田「えっ」

苗木「?」

桑田「オメー、もしかしてオレの事知らないワケ?ありえねー…」

苗木「え?えっと…」

桑田「…ああー!そっかそっか、オレ、大会の時は坊主だったからパッとこねーんだろ!?やっぱ髪型違うとイメージ変わるよな!」

苗木「大会?坊主…?」

桑田「だーっ!!ここまで言やわかんだろ!?オレは【超高校級の野球選手】!甲子園で優勝したLL学園の4番バッター!!」

苗木「あ、ボク甲子園見てないや。興味なくて」

桑田「」


桑田(え?ウソだろ!?マジでオレの事知らないワケ!?)

桑田(…いや、待てよ…?あのダセー坊主頭を見られずに済んだワケだし、むしろ結果オーライじゃね?)

桑田(そうそう!オレほんとは野球なんてどうでもいいし!)

桑田(………………)

桑田(…いや、やっぱ凹むわ)ガックリ

???「ねえねえ、今のってホントなの?」

???「夏に甲子園見ないなんてありえないよ!」


苗木(黙り込んでしまった桑田クンに代わって声を上げたのは…日焼けした肌にジャージ姿の、いかにも運動部、という雰囲気の女子…)

???「夏と言えば、プール・ドーナツ・海・甲子園!定番中の定番じゃん!」

苗木(定番というにはかなり偏りがあるチョイスだな…)

苗木「ところでキミは…甲子園に思い入れがあるところを見ると、超高校級の女子野球部員、とか?」

朝日奈「え!?違うよ!…まあ、掛け持ちで野球もやってるけど…私は朝日奈葵!【超高校級のスイマー】だよ!」


苗木「超高校級のスイマー…?」

桑田「…なんだぁ?その様子だと朝日奈の事も知らねーみてーだな」

朝日奈「ウソでしょ!?高校記録いっぱい塗り替えたりしてるんだよ?オリンピック候補生にも選ばれたし!」

苗木「うーん…オリンピック選手ならともかく、候補生なんて全然知らないや」

朝日奈「」


朝日奈(オリンピック候補生って、そんな知名度ないものなんだ…)ガックシ

苗木(どうしよう…超高校級の高校生っていうくらいだから、さすがのボクでも知ってるような超有名人ばかりなんだろうと思ってたのに…)

苗木(予想以上に知らない人ばっかりだ…!!)


???「おい、オメェらいつまで話し込んでんだ?」

???「さっさと自己紹介済ましちまわねーと、あとがつかえてんぞ」


苗木(新たにボクらの輪に入ってきたのは、巨大なリーゼントにド派手な長ランの男子…)

苗木(な、名前はわからないけど、これならボクにもどんな才能の持ち主なのかわかるぞ!恐らく彼は…)


苗木「キミは超高校級の不良だね!?」

???「あァ!?」ギロッ

苗木(…どうやら違ったみたいだ)

???「テメェ…俺をそこらの不良と一緒にしてんじゃねーぞ!!」

大和田「俺は暮威慈畏大亜紋土二代目総長にして【超高校級の暴走族】、大和田紋土!知らないとは言わせねーぞ!?」

苗木「えっ知らない」

大和田「えっ」

苗木「知らない…」

朝日奈「…冗談…なワケないよね。仮にも暴走族相手に…」

大和田「…ッ、テメェ、マジで知らねーのかよ!?日本最大の暴走族だぞ!?」

苗木「いや日本最大とか言われても…暴走族のチーム名なんて気にした事ないし。夜中に走り回ってうるさいなって思うくらいで」

大和田「」


大和田(マジかよ…一般人からしたら暴走族なんてその程度のモンなのか?)

大和田(やっぱイマドキ走り屋なんて流行んねーのかな…)ガックリ



モニタールームの妹様『………………』

妹様『残姉が上手くやれてるかどうかモニターで様子を見てみようと思ったら、なんか苗木がみんなを次々プチ絶望させてる件』

妹様『…空白の二年間ではクラスの中心人物だった苗木が、実はクラスメートの才能すら知らなかったなんて…絶望的です…』

妹様『さて、予定通りならそろそろ体育館に集合するようアナウンスを入れる時間なのですが』キリッ

妹様『なんっか面白そうだしぃ、もうちょっと様子見しちゃお♪』うぷぷ!


朝日奈「うーん、だったら…十神の事はどう?いけ好かないヤツだけど、知名度は世界規模なわけだし…。ほら、あいつだよ!」

???「なんだ…?先ほどから騒々しいが」

桑田「苗木のヤツがさ、オレらの事全然知らねーって言うんだよ。だからさあ…」

大和田「【超高校級の御曹司】の十神の事なら知ってるんじゃねーかと思ってよ」

朝日奈「どうどう苗木?十神の事はわかる?」

十神「フン…。希望ヶ峰に入学を許されたとはいえ、お前らに対する世間の認識は所詮その程度だという事か」

十神「だが、俺は違う…この十神白夜の名、勿論知っているだろうな?」

苗木「十神財閥…って、あの有名な!?」

十神「フッ…」ドヤア

苗木「あっでもキミのことは知らないや」

十神「…なに…!?」

苗木「財閥の当主ならまだしも御曹司の名前なんて知らないよ…」

十神「」


十神(バカな…!確かにまだ俺は当主ではないが、次期当主として既に会社の経営にも携わっているんだぞ…!?)

十神(…いや。しかし俺個人の活躍など十神財閥のネームバリューには遠く及ばないのは事実…)

十神(「世間の認識などその程度」…まさに俺の言葉通り、という事か)ガックリ


苗木「あとキミたちの事は普通に知らない」

石丸「」

セレス「」


苗木「有名進学校で成績一位なんて内輪ネタ過ぎるし、裏ギャンブルなんて存在すら初めて知ったよ…」

石丸「な…!」

石丸「き、聞き捨てならんぞ苗木君!僕は校内の成績だけではなく、全国模試でも三年連続一位をキープし続けているのだ!」

石丸「決して内輪ネタなどではない!!訂正したまえ!!」

苗木「うーん…それでも知らないものは知らないよ…」

石丸「ぐぬぬ…」


セレス「…まあ、わたくしは構いませんわ。一般の方は触れる機会のない世界ですから…わたくしの経歴など知らなくても無理はありません」

苗木「ありがとう…。セ…えっと、セレなんとかさん!」

セレス「…セレスティア・ルーデンベルクです」


石丸(他の面々に比べ、派手な逸話がないのは自覚していたが、ここまでとは…これまでの僕の努力は一体…)ガックリ

セレス(…まさか名前すら知られていないとは、さすがに少々傷つきますわね)フゥ…


???「ちょっといい?」

???「話は聞かせてもらったわ。それなら、私の事はどうかしら」

霧切「霧切響子よ。…この名前に聞き覚えはない?」


苗木(徐々にボクの周囲に形成されつつある輪の向こうから進み出てきたのは、クールな雰囲気の女子)

苗木(きりぎりきょうこ…頭をフル稼働させその名前を反芻してみたけれど…やっぱり思い当たる節はない)


苗木「え、えっと…わからないや。ごめん…」

霧切「…そう。なら、いいわ」

十神「フン…意外なやつがしゃしゃり出てきたと思ったら、やけにあっさり引き下がるな」

霧切「…別に。知らないと言ってるんだから、これ以上突っかかったってしょうがないでしょ」


霧切(………………)

霧切(…この流れなら自分の才能を尋ねても不自然じゃないと思ったけれど…情報は得られなかったわね)ガックリ

霧切(他の人からのフォローもなかったところを見ると、恐らく彼だけじゃなくここにいる全員が私の事を知らない…)

霧切(単に知名度が低いのか…もしくは、人に知られては困る才能…?)

霧切(まだヒントが少なすぎるわ…)むむむ


???「何やら先ほどから盛り上がっておられますが…どうされたのですかな?」

石丸「山田君か。それがだな…」


山田「ふむふむ。なるほど…すべての謎は解けましたぞ。ズバリ!苗木誠殿はオタクなのでしょう?!」

山田「オタクというのは、一つのものを深く愛するが故、ついつい他の物事が疎かになりがちですからなあ…。わかりますぞ、その気持ち!」

苗木「いや、ボクは…マンガくらいは読むけど、オタクってほどじゃないと思うな」

山田「なんですと!?ではこのすべての始まりにして終わりなる者、【超高校級の同人作家】山田一二三の事もご存じ、ないのですか!?」

苗木「…そもそもよくわからないんだけど、同人って何?」

山田「」

山田「そ、そのレベルでしたか…いやはや…」


山田(サブカルチャーを愛する者として…今の反応はかなり効きましたぞ…)ガックリ


???「ふん…。と、当然よ…」

???「同人なんて…そんな下品で低俗なもの、知っている人間の方が少数派なのよ…!」



山田「むむっ!?それは聞き捨てなりませんぞ!腐川冬子殿!!」

腐川「なっ、なによ…?あたしは間違ったことなんて、い、い、言ってないはずよ…!」

山田「確かに純文学に比べれば同人はマイナーな存在でしょう…。ですが、オタク文化に必要なのは知名度ではなく愛なのです!サブカルチャーを貶すことは拙者が許しませんぞー!!」

苗木(な、なんだかよくわからないけど、口論が始まってしまった…。止めた方がいいのかな?)

石丸「ふむ。しかし腐川君の主張には一理ある!」

石丸「実のところ…僕も最初山田君の事を歌人か何かだと勘違いしていたし、山田君の嗜む同人というのは、あまり世間に知られていないものなのではないか?」

セレス「そうですわね。その点、ベストセラー作家の腐川冬子…【超高校級の文学少女】の事なら苗木君もご存じなのでは?」

セレス「代表作は『磯の香りの消えぬ間に』。数年前にずいぶん話題になりましたわよ?」

苗木「あっ!そのタイトルは聞いたことがある…ような、ないような…」

腐川「そ、その程度の認識だって言うの…?!」

腐川「あ、あたしがブスだから…、だから読んだ事もないし覚える気もないのね…?そ、そうに決まってるわ!」

苗木「えっ!?いや、そういうわけじゃ…!」


腐川(………………)

腐川(あたしの代表作…それすら読んだことがないなんて…)

腐川(これが若者の活字離れってやつなの…?)ガックリ



山田「ふむ…。では、不二咲千尋殿はいかがですかな?」

???「え?」


苗木(山田クンの言葉に反応してか、山田クンと十神クンの後ろで何か小さいものがもぞりと動いた)


不二咲「えっと…今名前を呼ばれたみたいだけど…どうしたのぉ?」

山田「いかがです、苗木誠殿。【超高校級のプログラマー】不二咲千尋殿ですぞ!」

不二咲「なんだかよくわからないけど…はじめまして、不二咲千尋ですぅ…」

苗木「こちらこそはじめまして、不二咲クン!」

不二咲「えっ」ビクッ

朝日奈「ちょっと何言ってんの苗木!?不二咲ちゃんは女の子だよ!」

苗木「えっ?」

苗木(朝日奈さんに促されてよく見てみると…山田クンの巨体に半分隠れた不二咲…さん?は、確かにスカートを穿いていた)

苗木「ご、ごめん!プログラマーってなんだか男子っぽいイメージで…!名前も中性的だから勘違いしちゃって!」

苗木(あと、声もなんか女子にしては低いし…)

不二咲「…え、い、いいんだよぉ。気にしないで…」

霧切「………」



桑田「で、性別すら知らねーっつーことは、当然…」

苗木「…うん。プログラマーの名前なんて一人も知らない…」

大和田「ま、そうだろうなぁ」


山田「ふむう。女装男子ですか…その発想はなかった…」

山田「いわゆる男の娘、というヤツですな」

山田「それはそれで萌えますが、常識的に考えまして…こんなにカワイイ子が女の子のはずがない!!」

山田「………」

山田「あれ?」


不二咲(や、やっぱりバレてるのかなぁ…ボクの事…)ビクビク

不二咲(名前が知られてなかったのもショックはショックだけど…正直それどころじゃないよぉ…)ビクビク


大和田「じゃ、あいつはどうだ?不二咲の奥の…あのモジャモジャ頭」

山田「ああ、葉隠康比呂殿ですか。見た目の迫力は我々の中でも一位二位を争うほどですし、もしかしたらもしかするかもしれませんな!」

十神「…見た目というか、頭部の迫力だがな」


苗木(大和田クンが顎をしゃくった先に目を向けると…一際奇抜な髪型の男…男、子?がいた)

苗木(…あ、目が合った。こっちに来るぞ…)



葉隠「おー、さっきからみんなで集まってなんの話してんだ?金儲けの話なら交ぜてほしいべ!」

セレス「残念ながら、そのような話ではございませんわ」

葉隠「そっかそっか…、ん?そこのアンテナ頭の…苗木っちだったか?」

葉隠「なーんか元気ねーな。なんなら俺がラッキーアイテムでも占ってやろうか?今なら九万円に負けとくべ!」

苗木「…え、遠慮しとくよ。占いって事は、葉隠クンは【超高校級の占い師】…なのかな」

葉隠「へ?そりゃまあ、そうだけども…」

不二咲「…その様子だと、葉隠君の事も知らなかったみたいだねぇ」

腐川「じょ、冗談でしょ…?こんなウニ頭、一回見たら忘れられるわけないわ…!」

苗木「確かに一度見たら忘れないとは思うけど…そもそも一回も見たことないからね。占いとかあんまり興味もないし」

葉隠「」

葉隠「ちょっ、ひでーべ!俺ってばケッコーすげーんだぞ!?」

葉隠「まあ、最近はヤクザに尻尾掴まれねーようにメディアへの露出は控えてっから、多少知名度は落ちてるかもしんねーけど…」

石丸「や、ヤクザだと…?」

霧切「…あまりつっこまない方がいいんじゃないかしら」


葉隠(はあ…俺を知らないどころか占いに興味もねーとは…)

葉隠(せっかく学園内でも荒稼ぎしようと考えてたのに…苗木っちはあんまり顧客になってくれそうにねーなぁ…)ガックリ



セレス「もう人数も残り少ないですが…次は何方にいたします?」

葉隠「決まってるべ!俺以上にインパクトのあるヤツっつったら、もうオーガくらいしかいねーって!」

???「む…?なんの話だ?」

葉隠「霊長類最強の女子高生、【超高校級の格闘家】大神さくら、通称オーガ!これならさすがに苗木っちも知ってんだろ?」

大神「…すまぬが、話が読めん」

苗木(葉隠クンに呼ばれ、反応した人物は…確かに葉隠クンに勝るとも劣らない強烈なインパクトの持ち主だ。でも…)

苗木「…知らない」

大神「?」


苗木「アメリカの総合格闘技大会かあ…そんな大会があるんだね」

霧切「大神さんの事も知らないのね…」

大神「…我は名前を売るために闘っているわけではない。苗木が我を知らぬのも当然の事…」



大神(…いや、しかし…地上最強の人間ともなれば、本人にその気がなくとも世間に名が知れ渡るのは必至…)

大神(今の我の実力ではまだまだ世界の頂点を名乗るには程遠い…そういう事か)ガックリ

大神(…だが、我にはケンイチロウと再び拳を交える日まで地上最強の座を守る義務がある)

大神(こうしてはいられない。すぐにでも体を鍛えねば…!)ゴゴゴゴ


葉隠「ヤベエって!オーガがキレてるべ!?」ガクブル

石丸「大神君は先ほど怒っていないと言っただろう。聞いていなかったのかね?」

十神「…そいつの事は構うだけ無駄だ。放っておけ」

不二咲「それにしても、大神さんでもダメとなると…」

朝日奈「この様子じゃ、ほんとに誰の事も知らないのかも…」


???「あの…」

???「それじゃ、私の事はどうですか?」



???「どうですか?苗木君…。私の事、わかりませんか?」

苗木「!」

苗木「キミの事はよく知ってるよ!舞園さやかさん…キミの事だから、才能は恐らく…【超高校級のアイドル】、だね?」

舞園「!!…はい、その通りです!」

桑田「おおっ、マジか!?」

十神「フン。さすがはアイドル…凡人への知名度はナンバーワンか」


舞園「私の事知っててくれたんですね…!よかったっ!」

苗木「もちろんだよ!だって…ボク、舞園さんとは同じ中学だったから!」

舞園「えっ」

苗木「中学の頃から有名だったもんね、舞園さん」

石丸「…それはつまり…」

腐川「ち、中学が同じじゃなきゃ、やっぱり知らなかったって事…?」

苗木「あー、うん…、そうだね。名前までは…うろ覚えだったかも」

舞園「」


舞園(えっ…そ、そんなレベルなんですか!?国民的アイドルグループですよ!?)

舞園(…アイドルって…私が思ってるより、マイナーな存在なのかな…)グスッ



???「なんだ…残りはもうアタシだけじゃん?」

江ノ島「でも、アタシのことは知ってるっしょ!全国の女子高校生のカリスマ、【超高校級のギャル】江ノ島盾子!」


苗木「知らない」

江ノ島「えっ」

苗木「女子高生のカリスマなんて言われても…女子向けの雑誌なんて読まないし知らないや」

江ノ島「」


大和田「おいおい、本気で言ってんのか?」

不二咲「江ノ島さん、最近テレビにもよく出てるよねぇ…」

舞園「苗木君は、あまりテレビは見ないんですか…?」

苗木「いや、その、テレビは見るけど…」

苗木「…なんていうか、ギャルの人ってみんな同じ感じに見えちゃうから、印象に残ってないのかも…」

大神「…苗木、さすがにそれは」

山田「基本三次元に興味のない僕でもそれくらいわかりますぞ…」

葉隠「苗木っち、オッサンみたいな事言ってるべ!」


苗木(どうしよう、みんなのボクに対する印象がどんどん悪くなってる…)



江ノ島「」

江ノ島「」

江ノ島「…はあっ!?そんなワケないでしょ!?盾子ちゃんが印象に残らないなんてありえないよ!!」

江ノ島「盾子ちゃんが雑誌で着た服とかアクセサリーとか、すぐ売り切れちゃうって有名だよ!?」

江ノ島「不二咲の言うとおりテレビにもいっぱい出てたし!!!あとはえっとCMとか…色々プロデュース?したりとか…!!」

江ノ島「去年ドラマに出たときだって、初めてなのに凄い演技力だって評判だったんだから!!!」

江ノ島「ねっ!?みんな知ってるよね!!」


みんな「えっ」

江ノ島「えっ?」


妹様『』

妹様『』

妹様『えっ』

妹様『監視に飽きてちょっと目を離してた隙に、なんか絶望的にヤバい事になってるんですけど…?』



江ノ島「えっ?あれ…?」

朝日奈「えっと…ごめん、江ノ島ちゃんってドラマになんて出てたっけ…?」

舞園「…いえ、江ノ島さんはこの春からテレビにはよく出てましたけど、バラエティ番組が中心で…演技の仕事はまだ未経験のはずです。ましてや去年なんて」

大和田「つーか“盾子ちゃん”って…」

セレス「途中から口調も変わっていますし」

大神「…何かおかしいな」

霧切「………」


江ノ島「あ」

江ノ島(そうだ、ドラマはこの二年間の間に入ったお仕事だからみんな忘れてるんだった…)

江ノ島(な、何かごまかさないと…えっと、えっと…)

江ノ島(…ど、どうしよう、盾子ちゃん…!)


霧切「カリスマギャルのドラマデビューを、ここにいる全員が…芸能人である舞園さんさえ知らないなんて不自然ね」

霧切「…いえ、あなたの様子からして、恐らくあなたの言っていることは事実。つまり…ここにいる全員がその事実を“知らない”のではなく“忘れている”…」

霧切「もしかして…私が自分の才能を思い出せないのとも、何か関係があるのかしら」

霧切「…どういう事なのか、説明してくれるわよね?」


江ノ島「」



苗木(その後、江ノ島さん…もとい本名・戦刃むくろは、持ち前の残念さから次々とボロを出し…)

苗木(【超高校級の絶望】たちの目論みは、すべて白日の下にさらされた)

苗木(そしてボクたちは、なんやかんやで最初で最後の学級裁判にも勝利し、黒幕たちを連れてこの学園を卒業した)

苗木(…そういえば、本物の江ノ島盾子が大神さんに捕えられた時に、『コロシアイ開始どころかモノクマ登場前に計画が頓挫するなんて絶望的ィィ…!』と叫んでいたけど…)

苗木(ものくまって一体何の事だったんだろう?)



【知名度が思ったより低い事にへこんでいる超高校級】
終里


モノクマ「ちょっと!超高校級でも何でもない巻き添え食っただけのボクの知名度が一番低いってどういうことなのさー!?」クマー!



昔ミニSSスレに投稿しようかと思って書いてたものを発掘したので投稿してみた
ここまで読んでくれた方ありがとうございます
ダンガンロンパ3楽しみですね!


全くアイドル自体に興味なくて周りのAKBの話について行けなかった自分と同じじゃないか…
あと続編(ダンロン2)も期待して良いかね?


レス下さった方ありがとうございます!

>>24
これを書いたときに2バージョンのネタも考えたんですが、2キャラで苗木ポジションができるキャラが思い浮かばなかったんですよね…
日向くんは記憶喪失で狛枝は希望厨だし、七海は立場上みんなの才能くらいは把握してないとおかしいですし

スクールモードでどうにかできない?


>>30
スクールモードってことは、情弱苗木君とみんなでほのぼのモノクマ作り生活ですか?
それかアイランドモードのことでしょうか…


本編と毛色が違い過ぎたのでお蔵入りにしようか迷っていましたが、せっかくなのでこれも投下します
ちょっとした後日談のようなもの

※苗木君と舞園さんしか出てこない。苗木×舞園風味
※開幕スーパーダンガンロンパ2のネタバレあり
※シリアスモード
>>1はまだ絶女積んでるので世界観とか色々おかしいかも






苗木(あれから学園を脱出したボクたちは、希望ヶ峰学園のOBが結成した組織…未来機関に保護された)

苗木(現在ボクたちは未来機関に所属し、世界が希望を取り戻すための手伝いをしながら…)

苗木(未来機関の人たちと不二咲クンが大急ぎで開発してくれている、記憶を取り戻すための装置の完成を待っている)


苗木(最近のボクの日課は、みんなの才能について学ぶ事だ)

苗木(桑田クンや朝日奈さん、大神さんのトレーニングを見学したり、腐川さんの執筆した小説を読んだり、十神クンが経営していた会社の話を聞いたり…)

苗木(きっと空白の二年間にもみんなの活躍は目の当たりにしているだろうから、わざわざ一から学び直さずとも、記憶の回復を待てばそれでいいのかもしれないけれど…)

苗木(やっぱり、少しでも早くみんなが好きなものを知っておきたかったから)

苗木(そして、今日の担当は…)



舞園「~♪」

苗木(ボクの向かいで鼻歌を歌っている、【超高校級のアイドル】舞園さんだ)




苗木(今、ボクと舞園さんが聞いているのは、舞園さんが所属するアイドルグループの曲…)

苗木(荒廃した世界の中で、綺麗な状態のまま残されていた貴重なCD)

苗木(もっとも、センターマイクを務める舞園さんが目の前にいるのだから、生歌を聞かせてもらう事もできるんだけど…)

苗木(『グループのみんなの歌声も聞いてほしい』という舞園さんたっての希望で、今は生歌ではなくCDの方を聞いている)



舞園「どうですか?苗木君。私たちの代表曲、もう覚えてくれましたか?」

苗木「二番がまだちょっと…でも、すぐに覚えるよ!」

舞園「うふふ。他にも聞いてほしい曲がいっぱいあるんですから、覚悟しててくださいね?CDがない曲は、私が教えますから…」

舞園「あとは…そうですね。メンバーの顔と名前も覚えてもらって、それから…」


苗木(これからボクに教える事を指折り数えながら楽しそうに笑っていた舞園さんは…そこで押し黙った)


苗木「舞園さん?」

舞園「………」


舞園「…覚えて、それから…忘れないでください」




舞園「CDも映像もほとんど残っていないし…こんな状況じゃ、次にみんなで歌えるのはいつなのか…もう、歌う事ができるのかも、わからないけど…」

舞園「苗木君だけは…私たちの事、忘れないでいてください」


苗木(舞園さん…)


苗木「うん。忘れないよ」

舞園「…ほんとですか?」

苗木「もちろんだよ!」

苗木「ボクは、みんなの事を全然知らなかったけど…でも、その代わり、一度覚えた事は絶対に忘れないよ」

苗木「みんながどんなにその才能を誇りに思ってるか…大切に思っているか…、それがわかったから、忘れられるわけがないよ」


苗木「それに、それはきっとボクだけじゃない」

苗木「舞園さんや、舞園さんのグループのみんなの頑張りをずっと見てきたファンの人たちは…どんな状況だって、舞園さんたちの事を忘れたりしないよ」

苗木「…舞園さんのグループの仲間たちだって…きっと助かる。ボクたちが助けてみせる」


苗木「どんな事をしても、絶対に」




舞園「苗木君…」

舞園「そう、ですよね。私が…、私がみんなの事を信じなきゃ、ダメですよね」

舞園「私、少し悲観的になり過ぎていたみたいです」


舞園「よぉし!そうと決まったら…一日でも早く世界に希望を取り戻して、待っててくれてるファンのみんなのためにライブを開かなきゃ!」

舞園「舞台も衣装も…マイクすら用意できないかもしれないけど、それでも…」


舞園「みんなとまた一緒に歌う事ができるって、私、信じます」



苗木(そう言って…舞園さんは笑ってくれた)

苗木(まだ瞳は潤んだままだけど、きっともう大丈夫だ)

苗木(舞園さんのライブ…ボクも楽しみだな)



舞園「はい、楽しみにしててくださいね!」

苗木「…えっ、ボク、口に出してた?」

舞園「出してませんけど、わかりますよ。私、エスパーですから!」


舞園「ありがとうございます、苗木君」ニコッ




世間から忘れられることを極度に恐れてる舞園さんに対して「そもそも中学が違ったら知りませんでした」って、さすがに酷だなあと思って書いてた後日談でした
ゲームの苗木君を目指して書いたので、本編と性格が違いすぎる…

本当は舞園さんの誕生日に投下したかったけど、明日は忙しいので一足先に
舞園さん誕生日おめでとう



いい舞園さんでしたありがとうございます
ミニSSスレもっと賑わってほしかったなあ

保守しておきます

>>40
こちらこそありがとうございます!
ミニSSスレは初心者にも優しい良スレだったので落ちてしまったのは本当に残念でしたね
結局書き込みをしなかった自分に言えたことではないのですが…


書きかけのまま放置していたSSがやっと完成したのですが、新しくスレを立てるほどの物でもないのでやっぱりここに投下します

小出しにちまちま更新してきましたが、これがおそらく最後



『舞園「苗木君の馬鹿!味気のないラー油!」』

※またしてもミニSSスレのお題を使わせて頂きました
※ダンガンロンパ3未来編のとあるネタバレ?
※平和な学園時代設定
※ギャグ故のキャラ崩壊(主に霧切さん)



◆ある日の食堂


朝日奈「苗木とさやかちゃんを仲直りさせたい?」

霧切「ええ、そうなの」

大神「ほう…」



霧切「苗木君と舞園さん、もう一週間もろくに口を利いていないようなの」

霧切「こういうのは当人同士の問題だと思って今まで放っておいたんだけど、さすがにそろそろ仲裁した方がいいんじゃないかと思って…」

大神「それで、我らに相談を?」

霧切「ええ。私、こういう問題には不慣れだから…」

朝日奈「確かに最近あんまり三人一緒にいるとこ見ないなーって思ってたけど、一週間かぁ…それは心配だね」

大神「うむ…それで、喧嘩の原因に何か心当たりはないのか?」

霧切「いいえ、特には」

朝日奈「うーん…でも苗木もさやかちゃんも、誰かとケンカしてるとこなんて見た事ないよねぇ」

大神「となると、余程深刻な理由があるのだろうか…我には見当もつかぬ」

霧切「………」むむむ



朝日奈「…うーん、やっぱりここで三人で迷ってるより直接本人に聞いた方が早いよ。苗木とさやかちゃん呼んで来よう!」がたっ

朝日奈「それでドーナツ食べながら話し合いすれば、すぐに仲直りできるよ!」

霧切「そういうものなのかしら…?」

大神「まあ、喧嘩の原因がわからないようでは仲裁のしようもないからな。朝日奈の提案にも一理ある」

朝日奈「あっ!ちょうどいいところに苗木が来たよ!苗木ー!こっちこっち!!」



苗木「朝日奈さん、大神さんに…霧切さん?なんだかちょっと珍しい組み合わせだね」

朝日奈「うん!ちょっと響子ちゃんから苗木たちの事を相談されてたの!」

霧切「朝日奈さん、そんな直球に…!」

苗木「ボクたちの…?って、それってもしかして…」

大神「お主と舞園の事だ」



苗木「…やっぱりそうだよね。ごめんね、心配かけて」

霧切「いえ、こちらこそ、勝手に首を突っ込んでごめんなさい」



朝日奈「もー、響子ちゃんは気にしすぎだって!」

朝日奈「苗木だって早くさやかちゃんと仲直りしたいでしょ?だったら私たちも協力するからさ!」

苗木「朝日奈さん…」

大神「朝日奈の言う通りだ。…それで、喧嘩の原因は一体なんなのだ?」

朝日奈「うんうん、まずはそこだよね!一週間も口を利かないなんて、一体何があったの?」

苗木「………」

苗木「…きっかけ自体は大したことじゃないんだ。ただ…」

霧切「ただ?」

苗木「その、ちょっと言い合いになって、その時に舞園さんに…」



  舞園『苗木君の馬鹿!味気のないラー油!』



苗木「…って言われちゃって、それで」


朝日奈「はぁ?」

大神「む?」

霧切「え…?」


朝日奈「え?ら、ラー油って、あのラー油…?それで一週間も口利いてないの?」

苗木「ただのラー油じゃないよ!味気のないラー油だよ!!」ばんっ

大神「…すまぬが、我にはそれほど非道な言葉には思えぬ」

朝日奈「私もだよ…。ていうか誰だってそうだよ!響子ちゃんだって呆れて黙って…って、響子ちゃん?」



霧切「苗木君…。それは本当なの?」ふるふる

苗木「…本当だよ」


霧切「…わかったわ。苗木君、今すぐ舞園さんを捜しに行きましょう。朝日奈さんも大神さんも手伝ってちょうだい!!」がたっ

大神「急にどうしたのだ…?」

朝日奈「響子ちゃん、何だかいつにも増して語気が強いよ…」



霧切「どうしたもこうしたもないわ!聞いたでしょう、舞園さんが言ったこと!」

大神「ラー油がどうかしたのか?」

霧切「ラー油じゃなくて味気のないラー油よ!」ばんっ

霧切「驚いたわ、まさか舞園さんがそんなひどいことを言うなんて…」

霧切「どうやら今回の件、全面的に舞園さんに非があるようね。早急に舞園さんを捜し出して、苗木君に謝罪してもらうわ!」わなわな

苗木「あ、その、霧切さん、何もそこまで…」

霧切「ダメよ!ちゃんと謝ってもらわないと、苗木君だって舞園さんを許してあげられないでしょう?」



「「………」」

大神「…朝日奈よ。味気のないラー油とは…そんなにひどい暴言なのか?」

朝日奈「そもそもケンカに使うような言葉じゃないと思うよ…?」



舞園「霧切さん、どうかしたんですか?食堂の外まで声が聞こえてきましたけど…」がちゃ

苗木「ま、舞園さん!」

舞園「えっ、な…苗木君…?」びくっ

舞園「…えっと、じゃあ、私はこれで…」

霧切「ちょっと待ってちょうだい、舞園さん」

苗木「き、霧切さん!!」

霧切「話は苗木君から聞いたわ。ちゃんと苗木君に謝りなさい」



舞園「………」

舞園「…あのときの事は、私も反省しています。ちょっとヒートアップしちゃって…苗木君に、すごくひどいことを言っちゃって…」

舞園「もちろん、すぐに我に返って謝ろうと思いました」

舞園「…でも、そのあと、苗木君が…」



  苗木『ボクが味気のないラー油なら、舞園さんは炭酸の抜けたドクトルポッパーだよ!』



舞園「って…」

舞園「私…私、苗木君がそんな事を言うなんて思わなくて…!それで、なんだか…すぐに謝れなくて…」ぐすっ



大神「どくとるぽっぱー…?」

朝日奈「えっと、炭酸のジュースだよ。確か苗木の好きな…」



霧切「………」

霧切「……苗 木 君?」ゴゴゴゴゴ

苗木「……ハイ」



霧切「私、そんな話聞いてないわよ…?」

霧切「炭酸の抜けたドクトルポッパーだなんて…!そんなおぞましい事!!」ばんっ



大神「…おぞましいのか?」

朝日奈「ジュースの炭酸が抜けるなんてよくあることだと思うよ…」



霧切「二人とも、友人にそんなことを言うなんて最低よ!伸び切ったカップ麺よっ!」ばんっ

苗木「!?霧切さん、それは…!」がたっ

舞園「そんな、あんまりです、ひどすぎます…!」わなわな



朝日奈「また新たな悪口が…」

大神「カップ麺か…我は食したことはないな」

朝日奈「あ、そっかあ。さくらちゃん、ジャンクフードとか食べたことないって言ってたもんねー」



霧切「!」はっ

霧切「ごめんなさい、ついカッとなってしまったわ…。私も人のことは言えないわね」ふぅ…

舞園「…いえ、元はと言えば私が…」

苗木「ボクだって、ついムキになって…」



朝日奈「体にはあんまりよくないけど、今度一緒に食べてみる?」

大神「…そうだな。何事も経験だ」

朝日奈「そうそう!経験は大事だよ!」



霧切「これ以上言い合ってもきりがないわ。私も含めて全員が悪かったということで一旦片を付けましょう。元々の原因は大したことないのよね?」

苗木「うん、そのことなら全然…」

舞園「私もです。…苗木君、本当にごめんなさい」

苗木「ボクの方こそ…」

霧切「ほら、もう終わりだって言ったでしょ?」

苗木「あ、そうだったね!」

舞園「…ふふっ」クスッ



大神「では明日の昼食に…と、どうやらあちらも話がついたようだ」

朝日奈「なんか全く理解できないうちに丸く収まっちゃったねぇ」

大神「…気になるのか?朝日奈よ」

朝日奈「うーん…ちょっとだけ!だって三人が言ってること、全然理解できないんだもん!」

大神「そうか。ならば直接聞いてみるとしよう…」



霧切「…私たちの会話の意味がわからない?」

大神「左様…」

朝日奈「そうだよ!三人とも、なんでラー油とかカップ麺とか、変な悪口言ってるの?」

舞園「変ですかね?」

朝日奈「変だよ!普通食べ物なんか悪口にしないから!!」

苗木「えっ、でもタコとか言うよね?」

霧切「ドテカボチャとかもあるわね」

朝日奈「いやまぁ知識としては知ってるけど使わないよ…っていうかそれとラー油とかはまた違うでしょ!?」

苗木「それは違うよ朝日奈さん!味気のないラー油だよ!」論破!

大神「そこにやたら拘るのだな…」

舞園「それはそうですよ、美味しいラー油なら褒め言葉になっちゃいます」

朝日奈「褒め言葉!?褒め言葉なの!?」

霧切「当たり前じゃない。美味しいんだもの」

大神「当たり前なのか…」



苗木「この反応…ひょっとして、二人とボクらじゃ根本的な感性から違うのかな…」

舞園「そんな…このままじゃ私達、一生分かり合えないんでしょうか?」

大神(残念だが理解できる気が微塵もせぬ…)

朝日奈(というかむしろわかりたくない…)



霧切「待って。まだ決断を下すには早いわ」

霧切「そうね…或いは、二人にとって身近な食べ物に置き換えれば理解もしやすいんじゃないかしら?」

霧切「例えば朝日奈さんには『冷蔵庫に保管してカッチコチになったドーナツ』とか…」

朝日奈「なっ!?」

朝日奈「ドーナツは揚げたてが最高なのに…!しかもカチコチを通り越してカッチコチなんて…ひどいよ!ドーナツに対する侮辱だよ!」がたっ

大神「落ち着くのだ、朝日奈よ!」

霧切「大神さんには…そうね、『水に溶かして放置した高級プロテイン』なんてどうかしら?」

大神「ぬうっ!?」

大神「そ…そんなことをすれば、せっかくの高級プロテインが変質してしまうではないか!?」ゴゴゴゴゴ



苗木「ふ、二人とも落ち着いて!あくまでたとえ話!たとえ話だから!」

舞園「そうですよ!お二人は冷蔵保管したドーナツでも変質したプロテインでもありませんから!」


大神「ぬぅ、そ、そうだったな…」

朝日奈「でも、すっごくわかりやすかったよ!」

大神「ああ、これなら三人が激怒したのも頷ける」



霧切「どうやら朝日奈さんと大神さんにも理解して貰えたみたいね」

舞園「はいっ!さすが霧切さんですね!」

霧切「…褒めすぎよ。単にラー油やドクトルポッパーが二人にとって馴染みがなかったというだけだもの、身近な例を挙げれば理解できて当然よ」

苗木「確かに、あまり縁のないものだといまいちピンと来ないかもね。具なし餃子ー!とか初期のMREー!とか…?」

舞園「なるほど、確かにピンと来ませんね」

霧切「心なしか苗木君の例えにもいまいち心がこもっていないわね」

苗木「あはは、手厳しいなあ、霧切さん…」



朝日奈「あー、なんか、スッキリしたらお腹へっちゃった!さくらちゃん、ドーナツ食べに行かない?もちろん揚げたてふわふわのヤツ!」

舞園「あ、それ私も行きたいです!」

大神「では皆で行くとしようか」

霧切「そうね、たまには甘い物もいいわね。…苗木君、ボーっとしてると置いて行くわよ」

苗木「え、でも…」

舞園「ふふ、確かに苗木君以外は女の子ばかりですけど、気にしなくて大丈夫ですよ?」

朝日奈「当ったり前じゃん!わかったら早く早くー!あっ、私、ドーナツ食べ放題頼んじゃおっかな~?」

大神「朝日奈よ、それは確か予約が必要なはずだが…」



\わいわい/ \がやがや/ ぱたん…




「「………」」

桑田「…なあオメー、あいつらの会話理解できた?」

大和田「全く」



終里



以上、アニメが両方とも絶望展開になってきているので気晴らしに書いたほのぼの(?)SSでした
自分は女子がギスギスしているのがあまり好きではないので、学園時代は苗木君と霧切さんと舞園さんは三人で仲良くしていたらいいなあと思います

ここまで読んでくださった方はありがとうございました


超高校級の知名度は下調べしてない普通の高校生だとこんなものだよな
最後のネタはどこがネタバレなのか分からなかった

>>63
さすがに芸能人組はもっと知名度高いとは思いますが、セレスさんや石丸君、あと山田君辺りは正直こんな感じなんじゃ?と思ってますね

ネタバレは朝日奈さんから女子への名前の呼び方ですね
ネタバレというほどでもないかなーと思いつつ、アニメを見て取り入れたものなので念のため注意を入れましたが、やっぱりいらなかったかもしれません

進学校だったら模試成績全トップとか多少は話題になりそうな気もするけど…どうだろうな

>>65
ああ、確かに全科目毎回トップとかなら話題になるかもしれませんね
石丸君ごめんなさい!

忘れないうちにHTML化依頼を出してきます
読んでくださった方、レスをくださった方、本当にありがとうございました!

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