海未「(・8・)のいる日常」 (58)


前作:海未「永遠フレンズ?」ことり「ずっと一緒だよ!」
海未「永遠フレンズ?」ことり「ずっと一緒だよ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466678637/)

前作SSに登場した(・8・)と海未ちゃんの後日談的な日常SSです。
設定は前作から引き継いでいますが、特に前作を読まなくても問題ないようになっています。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467386522


ー園田家ー



チュンチュン

海未「トッリ朝てすよ~、そろそろ起きましょう」



( ´8` )「えぇ…まだ5時ちゅんよ?また稽古ちゅんか?」




海未「もちろんです!継続は力なり、日々の鍛錬が健全な精神をつくるのです」



( ・8・)「ウッミは朝が強くて羨ましいちゅん」



海未「まあ今までずっとそうでしたからきっと慣れなのでしょうね、ですが……」



(・8・)「?」


海未「他人に起こされるとただならぬ殺気を纏って暴れるみたいなのです……記憶にはないのですが……」



(・8・;;)「そ、それはちょっと勘弁してほしいちゅん……」


ーーー
ーー
一昨日の夕方

海未「あ~、さむ」ブルブル



海未「はああ、寒すぎて風邪をひいてしまいそうです!」


ピッ
ブオオオオオオ


海未「部屋にヒーターがあって助かりました」


ブオオオオオオ


海未「ああ~、ぬくぬくですぅー」


モフッ


海未「?」


海未(今背中に何か当たったような……)


モフモフッ


海未(まるで羽毛のような感触……そんなクッション部屋にありませんし……いったい何でしょう?)

クルッ


(^8^)「ウッミ冷えてるちゅんか~?」



海未「いやああああ!なんですかあなたあああ!!」



(・8・)「ウッミが冷えてるみたいだから日頃のお礼に温めてあげようと出てきたちゅん」



海未「日頃のお礼!?」


(・8・)「実はウッミの部屋に迷い込んでしまって、とっても快適だから住ませてもらってたちゅん」



海未「何て勝手な……」



海未「ちなみにあなたが言ってるウッミというのは私のことなのですか?」



(・8・)「そらそうちゅんよ」



海未(鳥?なのでしょうか……ですが全体的にとても丸々としています。それに普通に喋ってますし不思議な生き物です……)



(・8・)「まあもう姿も見られてしまったし、これからはウッミの部屋で堂々と過ごさせでもらうちゅん。これからよろしくちゅん!)



海未「は!?なに勝手に決めてるんですか!」


ーーー
ーー

海未(こうして私とトッリの奇妙な出逢いからもう2日目です)



海未(はじめは得体の知れない生き物で驚きましたが、私にとても懐いてくれていて、なんだか憎めなくてかわいらしいです)



(・8・)「今日の朝の稽古は何をするちゅんか?」



海未「今日は弓を射ようかと思います。」



海未「昨日県道の素振りをしたようにあなたが隣で見ていたほうが気が引き締まりますから、今日もお願いしますね!」



(・8・)「そこまで言われてしまうとさすがに断れないちゅんねぇ……」



ー弓道場ー

海未「すぅ……」ギリギリッ



(・8・)(空気が張り詰めているちゅん……)



海未「………」



(・8・)(まるで感覚が研ぎ澄まされていくようちゅん……)



海未「………!」


ヒュンッ!


トスッ!



海未「………」スゥッ



海未「どうでしたか?」



(・8・)「ウッミすごいちゅん!真ん中に百発百中なんてウッミは弓の名手ちゅん」



海未「ふふ、照れますね///」



海未「弓道部は受験でもう引退してしまいましたが、まだまだ腕は鈍っていないようです!」フンス



(・8・;;)「まあ正直鳥の自分としては敵にまわしたくないタイプちゅん……」



海未「間違ってもあなたを的にすることはないですよ!?」


しばらくして

ー海未の部屋ー

ガララッ


海未「私は朝食を食べてきましたがトッリはまだですよね?」



(・8・)「まだちゅん」



海未「あれ?そういえばトッリ、あなた今まで私の部屋にきてから食事はどうしていたんですか?」



(・8・)「今はウッミのお母さんに見つからないようにしてるから行動できる範囲と時間はとっても限られているちゅん…」



(・8・)「だからこっそり米粒を拝借したり、庭の木の実を食べていたちゅん」



海未「そうだったんですね……」



(・8・)「さすがにお腹が減ってきたちゅんねぇ」


海未「ふふ、実は私そんなこともあろうかと鳥用のクラッカーを昨日買ってきたんです!」



(・8・)「お?ごはんちゅんか?」



海未「正直トッリが何を食べるのかわからなかったので無難なものにしたのですが、これならきっと食べれますよね?」



(・8・)「鳥用クラッカーは食べたことないけど今はとっても嬉しいちゅん」



(・8・)「ありがたくいただぎますちゅん!」サクサク



海未「おいしいですか?」ワクワク


(・8・)「これは……味うっっっすいちゅん……ていうかほとんど味しないちゅん……」ムサムサ



海未「そうですか……トッリが喜んでくれると思ったのですが」シュン



(・8・;;)「で、でも気持ちは嬉しいちゅん、だから落ち込まないで欲しいちゅん!」



海未「私、トッリと過ごして日が浅いですからまだトッリのことよくわかっていないのです……」


(・8・)「それはしかたないちゅんよ」



海未「トッリは好物とかはあるのですか?学校の帰りに買ってきてあげてもよいのですが」



(^8^)「大好物はやっぱりマカロンなんだよちゅんなぁ……」



海未「え!?あなた鳥なのにマカロン食べるんですか!?」



………………………………


海未「では学校に行って参りますね、いい子にしているのですよ?」



(・8・)「まかせておくちゅん!」



海未「くれぐれもお母様には見つからないようにしてくださいね?もしかしたら追い出されてしまうかもしれません……」



(・8・)「気をつけるちゅん」



海未「帰りにマカロン買ってきてあげますからね!それでは!」フリフリ



(^8^)「それは楽しみちゅん!いってらっしゃいちゅ~ん」



1時間後


(・8・)「いや~暇ちゅんねぇ……」



(・8・)「ウッミのお母さんが家にいるうちは部屋の外にも出れないちゅん」


(・8・)「今まで何回か部屋に入られた時はぬいぐるみのふりをしてやり過ごしたちゅんけど…」



(・8・)「さすがに部屋の外て見つかったらアウトちゅんなぁ…」



(・8・)「とりあえずウッミの部屋をあさって時間を潰すちゅん!」チュンチュン!



(・8・)「そういえばウッミは毎日学校に行ってるけどどんな勉強をしてるのか気になるちゅん」



(・8・)「とりあえず机をあさるちゅん!」パタパタ



(・8・)「整理整頓されてるちゅんねえ…引き出しの中にも机の上の本棚にもノートと教科書ぎっしりちゅん!」


「数字ノート」


(・8・)「どれどれちゅん」

ペラペラ



(・8・)「意味がわからんちゅん」


「古文ノート」


(・8・)「………」

ペラペラ



(・8・)「さっぱりわからんちゅん」



( ´8 ` )「さすがにウッミの勉強は自分には難し過ぎるちゅんな」


「私の心のノート」


(・8・)「ん?道徳とかにもノートがあるちゅんか?」

ペラペラ


ー混沌の天使ー

私は深淵から飛び立とうと願う混沌の天使。

ああ、誰か、どうかその愛の矢で私のこの氷河のように凍てつく心を溶かし、私を解放してください。

そして私と血の契約を結びましょう……



(・8・)「こ、これは………」



(・8・;;)「見てはいけないものを見てしまった気がするちゅん……」ソットジ…



(・8・)(それにしてもウッミの部屋)



(・8・)(友達との写真がいっぱい飾ってあるちゅん)



(・8・)(誕生日会から入学式に卒業式……、小さい頃のから最近のまで)



(・8・)(どの写真も3人で楽しそうに笑ってるちゅん)



(・8・)「ウッミは友達思いちゅん!」



(^8^)「やっぱりことほのうみなんだよちゅんなぁ…」



数時間後


( 8 )「………」zzz


ガララピシャ ガチャッ!



(・8・)「!」パチッ



(・8・)「今の音はどうやらウッミのお母さんが出かけたみたいちゅん」



(・8・)「せっかくだしこの機会にウッミの家を探索するちゅん!」


………………

探索中


(・8・)「いや~改めて見てもでっかい家ちゅんなぁ」



(・8・)「こよなに広いお屋敷を持ってるなんてウッミの家はきっとお金持ちちゅん」


テクテク


(・8・)「お?ここは台所みたい ちゅん」


(・8・)「調理器具がいっぱいちゅんなぁ、きっとウッミのお母さんはここで毎日美味しいご飯を作ってるちゅん」



( ´8`)「………?」クンクン



(・8・)「どこかから甘い匂いがするちゅん」



(・8・)「この袋の中ちゅんねぇ…」ガサガサ



(・8・)「ほむまんと書いてあるちゅん…マカロンじゃないけどおいしそうちゅん」



(・8・)「………」ソワソワ


(・8・)「一個くらい食べてもばれないちゅんよね……?」



(^8^)「いただぎますちゅん!」モシャモシャ



( ´8`)「はあ~甘くておいしいちゅん……」

タッタッタッ



海未母「いけません、忘れ物をしてしまいました…」



海未母「?」



海未母「今台所で物音がしたような……」



海未母「………」ソロ~ッ



海未母「そこにいるのは誰ですか!」


( ´ 8 ` )「………」モシャモシャ



(・8・)「!!??」



海未母「きゃあああああああ!!」



(・8・;;)「ああああ!ごめんなさいちゅん!ちょっとした出来心だったんだちゅん!」



海未母「シャベッタアアアアアアアア!!」


海未母「あばばばば」ブクブクブク



(・8・;;)「し、しっかりしてくださいちゅん!」


……………………………


夕方

ー居間ー


海未「ただいま帰りました~」



海未母「おかえりなさい海未さん」



(・8・)「おかえりなさいちゅん!」



海未「え!?なんでお母様とトッリが一緒にいるのですか!?」



海未母「トッリちゃんから話は聞かせていただきました。まさか海未さんが隠れて部屋で動物を飼ってたなんて……」



海未「ごめんなさい!その…見つかってしまったら捨てて来いと言われるかと思うとなかなか言いだせなくて……」



海未母「今回は特別です。この子は私が気絶して倒れている間ずっとそばを離れず、私を起こそうと頑張ってくれた優しい心の持ち主です。それに……」



海未母「たくさんお喋りもできて、そして何よりかわいいですからね!」ナデナデ



(・8・)「ウッミのお母さんはとっても優しいちゃん///」



海未母「うふふ、褒めてもなにもでませんよ?」


海未(……追い出すことにならなくてよかったです)ホッ



海未「あ、ところでお母様、夕飯まではまだ時間がありそうですが少しお腹がすいてしまったのでほむまんを食べてもいいですか?」



海未母「どうぞ、と言いたいところですが……」



海未「?」



海未母「海未さんのぶんのほむまんはトッリちゃんがお昼ご飯として食べてしまったみたいです」



海未「え!?トッリ私のほむまん食べてしまったのですか?」



( ; 8 ; )「ごめんなさいちゅん……」



海未母「まあまあ海未さん、海未さんがいない時間は、明日から私がお世話しますから許してあげてください」



海未「はあ……しかたないですね……」



( ; 8 ; )「反省しますちゃん」


海未「あ、そういえばトッリにお土産を買ってきましたよ~」



(・8・)「もしかして……!!」



海未「マカロンです!」



海未母「あらトッリちゃんはマカロンも食べるのですか?随分おしゃれな鳥さんですね」



(・8・)「マカロンは乙女のたしなみなんだちゅん!」



海未「今さらですがトッリは女の子だったんですね……」



(・8・)「そらそうちゅんよ」


海未「はい、どうそ」スッ



(^8^)「ずっとこれが食べたかったんだちゅん!」


(・8・)「!」



(・8・)「あ、ウッミ、そのマカロン半分に割ってほしいちゅん」



海未「え?別にいいですが……こうですか?」サクッ



(・8・)「その半分はウッミのぶんだちゅん」



海未「私にくれるのですか?」



(・8・)「トッリはウッミのほむまん勝手に食べてしまったちゅん……だからウッミにもあげるちゅん!」



海未「ふふ♪ではありがたくいただぎますね」



(^8^)「ウッミと一緒に食べるマカロンはいつもよりおいしいちゅん」ムサムサ



海未「私はあまり普段こういった洋菓子は口にしませんがおいしいですね!」パクパク



海未母「あらあら、海未さんとトッリちゃんは仲がいいのですね」



海未「はい♪」



(^8^)「ちゅん♪」


…………………………




ー海未の部屋ー


(・8・)「ウッミさっきからなに作ってるちゅんか?」



海未「これはトッリ専用の竹刀ですよ」



(・8・)「え?トッリは剣道はできないちゅんよ!?」



海未「ふふ、そう言うと思いましてトッリでも持てそうな小さくて軽い竹刀を作っているのです」



(・8・)「えぇ…ウッミなんかと戦って勝てるわけないちゅん」



海未「もちろん試合なんてしませんよ?ただ私が朝やっているように素振りをしましょう。トッリも見てるだけではなく共に精進です!」



(・8・)「強引ちゅんねぇ……」


次の日の朝

ー道場ー


海未「めぇーん!めーん!」ブンッ ブンッ



( ° 8 °)「キエエエエエエエエエエ!ピエアアアアアアアアア!!」ブンブン



海未「トッリ…ちょっと叫びすぎではありませんか……?」



(・8・)「一応上級者っぽく叫んでまずはかたちから入ってみようと思ったちゅん」



海未「そ、そうですか……」アハハ…



(・8・)「それにしても剣道ってやっぱり相手に竹刀を当てて切ったことになったら勝ちちゅんか?」



海未「いいえ、ただ相手に当てただけでは勝利ではありませんよ?」


(・8・)「違うちゅんか?」


海未「しっかりと相手の打つ部位名をしっかりと発声し、そして的確に打つ。更に打った後の残心。これらが揃ってはじめて一本になるのです」



(・8・)「はぇ~、面倒な競技ちゅんなぁ……」



海未「心・技・体すべてを兼ね備えていなければなりません。心も重要視するというところが実に日本の競技らしいと言えますね…」

………………


夕方


海未「…………」カキカキ



(・8・)「ウッミ!暇ちゅん……」



海未「今宿題を終わらせてますからもう少し待っていてくださいね」



(・8・)「ちょっとウッミのお母さんのとこに行ってくるちゅん」トテトテ


シ-ン


海未「………」カキカキ



海未「………」



海未(トッリがいるせいでそういえば最近あれやってませんね……)



海未(今は部屋に1人ですし気分転換も兼ねて久しぶりにやっときますか)


海未「………」スクッ



海未「みんなーーー☆盛り上がってるぅ?それじゃあいつものいっくよ~?」



海未「みんなのハート打ち抜くぞ~!ラブアローーーシューーート☆ばーん!」


海未(決まりました……!!)



(・8・)「ウッミ絶好調ちゅんなぁ」



海未「ひいいいぃぃ!?と、トッリいつからいたのですか!?」



(・8・)「みんなーーー☆のとこからちゅん」



海未「最初からですね……」



(・8・)「ウッミのお母さんも夕飯の支度で忙しそうだったから戻ってきたちゅん」


(・8・)「それにしても今のはアイドルかなにかのまねちゅんか?」



海未「そういえばトッリには話していませんでしたね。実は私数ヶ月前までアイドルをやっていたのです」



(・8・)「それは初耳ちゅん!」



海未「まあ正確には学校の部活動なのでスクールアイドルですが」



(・8・)「じゃあウッミはたくさんのお客さんの前で歌ったり踊ったりしてたちゅんか?」



海未「そういうことになりますね」



(^8^)「いや~普段のウッミからは考えられないちゅん!見てみたいちゅんなぁ…」



海未「だ、ダメです///恥ずかしいので見せられません!」



(・8・)「そうちゅんか……残念ちゅん」



海未「い、今宿題を終わらせますから大人しく待っててください!いいですね?」



(・8・)「わかったちゅん」



(・8・)「………」



……………………………

次の日

ー海未の部屋ー


海未「トッリ~?今帰りましたよ」



海未のパソコン「♪アイセ-----イ!ヘイ!ヘイ!ヘイスタ-トダッシュ!♪」



( ; 8 ; )「たったひとりのお客さんのために………」ブワッ



( ; 8 ; )「ウッミ……頑張ったちゅんなぁ……!本当に………頑張ったちゅんなぁ………!!」



海未「ちょとトッリ!?何私達のライブ映像見てるんですか!その…目の前で見られるのは恥ずかしいので止めてください!」



( ; 8 ; )「感動が止まらないちゅん……!」



海未「そもそもどうやってパソコンつけたんですか!?しかもネットなんて……」



(・8・)「ウッミのお母さんにお願いしたら見せてくれたちゅん!」



海未(お母様………)



海未「その映像、私達のファーストライブではなのですが……今それを見てるということはまだ見たのはそれだけですか?」



(・8・)「一通りライブ映像は全部見て今は2周目ちゅん」



海未「えぇ……」


海未「もう見られてしまったものは仕方ないですね……トッリは何か気に入った曲はありましたか?」



(・8・)「やっぱりスタダは最高ちゅんねぇ……」



(・8・)「あとSENTIMENTAL StepSも優しくてしんみりした雰囲気が好きちゅん」



(・8・)「それとそれと!Future styleもさわやかでお気に入りちゅん!」



(・8・)「うーん……でもススメ→トゥモロウも明るくて元気いっぱいで大好きちゅん!」



海未(全部私たち3人の曲ばっかりですね……)



(・8・)「ウッミは見るな見るなと言ってた割には歌ってる映像ではとってもノリノリちゅんねぇ」



海未「やはりステージに上がると切り替わるといいますか、それが当たり前の私になるのです!」



(・8・)「それにしても驚いたちゅん、まさか恥ずかしがり屋のウッミがあんなに投げキッスを披露してるとは……」



海未「い、言わないでください///」



…………………

休日


海未「散歩に行きましょう!」



(・8・)「急にどうしたちゅん!?」



海未「いえ最近トッリがあまり運動していないと思いまして」



(・8・)「え?朝に毎日ウッミと竹刀で素振りしてるちゅんよ?」



海未「それだけでは足りません!第一ずっと家の中にいるのですからたまには外に出ましょう!」





海未「どうです?たまには外にでるのもいいものでしょう?」



(・8・)「風が気持ちいいちゅん!」



海未「まああまり人目につくと驚かれるのでそんなに長時間は無理ですが……」



(・8・)「まあ元々は外で暮らしてたちゅんけどね」



海未「あれ?そういえばそうですよね?」


(・8・)「数日前までは大空を羽ばたいていたちゅん」



海未「今さらですがそもそもトッリはなんで私の部屋に来たのですか?」



(・8・)「トッリは仲間たちとはぐれてしまったんだちゅん……」



海未「なにかあったのですか?」



(・8・)「街で噂のチョコレートが売ってるお店があって、チョコが並ぶウィンドウの中を見つめていたらいつの間にか仲間がいなくなってたちゅん」



海未「なかなかしょうもない理由ですね……」


(・8・)「トッリたちは群れでマカロンと噂のチョコレートを求めて世界中を移動してるちゅん、多分今頃追いつくのは到底無理ちゅん……」



海未「そうですか……」



海未「!?」



(・8・)「ウッミどうしたちゅん?噂のチョコレートでも見つけたちゅんか?ほろ苦さは恋と一緒ちゅんよ?」



海未「いえ違います!トッリ向こうの空を見てください!」



(・8・)「!?」



チュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュン



海未「あれはもしかしてトッリの群れの仲間ではないのですか?」



(・8・)「間違いないちゅん!トッリの仲間たちだちゅん!」



海未「もしかしたら迎えに来たのでは?」


(・8・)「お~いみんなー!トッリはここだちゅん!」


チュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュンチュン(・8・)チュン(・8・)チュン



海未「聞こえていないようですね……」



(・8・)「トッリみんなのところに行ってくるちゅん!」



海未「え?でもトッリそれでは…」



(・8・)「多分もうウッミとはお別れになってしまうちゅん……」




海未「そんな……」



(・8・)「そもそもトッリは野生の世界で生きる動物ちゅん、やはりいずれは仲間の元に帰らなければいけなかったんだちゅん……」




海未「そんなな嫌です……!まだトッリと仲良くなって間もないのに…トッリに私のこともいろいろわかってもらえたのに……!」



(・8・)「これは自然界で生きる者の宿命なんだちゅん……トッリたちは群れを組まなければ生き残れないほど弱い生き物、群れに帰らなければならないちゅん」」


海未「そんな……行かないでくださいトッリ!!」



(・8・)「でもこうしてウッミに会って普段なら絶対できない経験がたくさんできたちゅん!」



海未「うぅっ……だから明日も一緒に稽古をしましょうよぉ……お母様だってあなたの帰りを待ってますよ……」




(・8・)「だから海未と会えてトッリは幸せだったちゅん」



海未「あなた今私のことを海未と……!!」




(・8・)「実はウッミは海未ととってもそっくりなトッリの友達なんだちゅん」


(・8・)「海未があまりにも見た目も名前も性格もウッミにそっくりだから呼びやすくてウッミと呼ばせてもらっていたちゅん……」



海未「そうだったのですね……」



(・8・)「じゃあそろそろ行くちゅん!また世界を回ってここに戻ってこれたら必ず遊びに行くちゅん!」


海未「待ってください!」



(・8・)パタパタパタパタ




海未「トッリ~~~!!!」




( ; 8 ; )(グッバイウッミ……)



パタパタパタパタ


海未「…………」


海未「…………」


シ-ン……


海未(そんな……いくらなんでも突然過ぎますよ……)



海未(トッリは……!トッリは最低です………)




海未「………」トボトボ



…………………

ー園田家ー

ガララピシャ


海未「………」



海未母「あら海未さんお帰りなさい、おや?トッリちゃんはどうしたのですか?」



海未「トッリは……仲間のところに帰りました……」



海未母「そうですか……海未さんが悲しむのもわかりますし私も寂しいですがそれならは仕方ないですね……」



海未「…………」



海未母「トッリちゃんにも元々暮らしていた世界があるのです。トッリちゃんもきっと悲しかったと思います、でもわかってあげてくださいね?」



海未「私には………私にはわかりません……」


スタスタ

ピシャン


ー海未の部屋ー


海未「はあ……静かですね……」


海未「…………」


海未(トッリに作ってあげた竹刀が虚しく床に転がっています……)



海未「トッリ………」




深夜


海未「………」zzz



コンコンコン



海未「………」zzz



コンコンコン



海未「………?」


コンコンコン



海未(誰かが外から窓を叩いている……!?)


コンコンコンコン



海未(幽霊でしょうか!?強盗でしょうか!?)



海未(どうしましょうどうしましょうどうしましょうどうしましょうどうしましょう!!)


コンコンコンコン


海未「?」



海未(音がする窓に映っている影……
人にしてはとても小さくて……それに丸い……)



海未(はっ!?もしかして!)



海未「今開けます!!」


タッタッタッ

ガラガラ



海未「!」



( ; 8 ; )「ぢゅん……」


海未「トッリ!トッリじゃないですか!帰ってきてくれたのですね!」



海未「ああトッリ!会いたかったですうぅぅ!」オ-イオイオイ



( ; 8 ; )「結局戻ってきてしまったちゅん……」



海未「トッリ?よく見たら体中泥だらけじゃないですか!今体を拭いてあげるので待っていてください!」



………………………


海未「いったいなにがあったというのですか……!?仲間と合流したはずでは?」フキフキ



( ; 8 ; )「確かに仲間には会えたちゅん……会えたちゅんけど……群れを追い出されたちゅん」



海未「ひどすぎます!何か理由があるのですよね?」



( ; 8 ; )「別にひどいことではなく当たり前のことだったんだちゅん……
仲間からはぐれてしまうような足手纏いは群れには必要ないんだちゅん」


海未「そんな……!!」



( ; 8 ; )「海未にはわからないかもしれないちゅんけど野生の世界では当たり前なんだちゅん……」



海未「ああ、なんてかわいそうなトッリ……」


( ; 8 ; )「夜になると鳥は視界が悪くて飛べないちゅんから途中道に迷いながらもなんとか歩いてここまで辿り着いたちゅん」



海未「トッリ……!!よく無事で戻って来てくれました!」ダキッ



( ; 8 ; )「怖かったちゅん……!怖かったちゅううぅぅん!!」ピイィィィ



海未「疲れたでしょうし一緒に寝ましょう?私の隣で寝ていいですから……」


( ; 8 ; )「ちゅん!」


…………………………


海未「ふふ♪またこうしてあなたを抱いて寝ることになるとは」



(・8・)「海未……」



海未「なんです?」


(・8・)「トッリは仲間から見捨てられて行き場を失った時、やっぱり頭の中に海未の顔が出てきたんだちゅん……」



海未「安心してくださいトッリ」



(・8・)「ちゅん?」



海未「たとえ仲間に見捨てられてしまってもわたしはあなたの友達、いえ、大切なな家族です」



(・8・)「家族……ちゅんか?」



海未「ええ、家族です」ニコッ



(・8・)「海未……」


海未「それに、私のことは海未ではなくウッミで構いません。そのお友達と被ってしまうのは申し訳ないですが」



海未「もうずっとそう呼ばれ続けて逆にあなたに海未と呼ばれると違和感を感じるようになってしまいましたよ」



( ; 8 ; )「ウッミ……トッリはウッミの家族だちゅん!」



海未「ええ、だから泣かないでください?」



( ; 8 ; )「違うちゅん!これは嬉し泣きだちゅん!」



海未「ふふ♪明日も朝から稽古ですよ?早く寝ないと明日に響きますからね」



( ; 8 ; )「わかったちゅん」



……………………




ー道場ー

海未「さあ、トッリ!今日も張り切ってまずは剣道の素振りからです!」


(・8・)「押忍ちゅん!」



海未「トッリそれは空手の挨拶です……」



(・8・)「あれ?そうだったちゅんか?」



海未(トッリは時々言うことを聞かなかったり、あまり物覚えもいいとはいえませんがそこがまた憎めなくてかわいいです♪)


海未(なんだか年の離れた妹ができたような気分ですね)



(・8・)「よお~し!気合い入れていくちゅん!」ブンブン



海未(まだ私とトッリは生活を共にして間もないですが本当に毎日が賑やかで楽しいです!)



(・8・)「ウッミ?早く始めるちゅんよ?」


海未「はい!今いきますよ~!」



海未(これからもたくさん思い出を作りましょうね、トッリ♪)







おわり


これにて完結です!

読んでくださった方ありがとうございましたm(._.)m

既存の(・8・)のイメージを織り交ぜつつことほのうみが好きな(・8・)として書いてみました。
説明不足で申し訳ありませんm(._.)m

どうやら私が投稿したSSを題名を変えてラブライブ板にスレ立てして投稿しているなりすましの方がいるみたいですね……
私は基本的にSS速報VIPでしか投稿しませんのでほかで見かけた場合は偽物と考えてください。
現在はまた新しいSSを書いている途中でございますm(._.)m

皆さん感想ありがとうございます!
次の励みにいたします(^∇^)

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