優花里「最近、西住殿のLINEの返信が遅いです」 (14)


優花里「これって変じゃないですか!?」

沙織「え? へ、変……なのかな?」

優花里「変ですよ! いつもなら3分で帰ってくるのに最近は20分くらいかかってますよ!」

沙織「えー……きっとみぽりんは忙しいんだよ。戦術立てたりして」

優花里「むむむむむ……」

沙織「……だったらさ、本人に聞いてみようよ」

優花里「そ、それは絶対にダメです!」

沙織「いいじゃんっ、みぽりんなら教えてくれるよ」

優花里「教えてくれるかもしれませんがそれだけは……」

沙織「どうして嫌なの?」

優花里「その、連絡を催促してる女みたいでやじゃないですか……西住殿もきっと私のこと面倒くさい女だって引いてしまいます……」


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沙織「……もー! だったら私がさりげなく聞いてあげるからそれでいい!?」

優花里「ほ、本当ですか?」

沙織「ゆかりんの名前出さなきゃいいんでしょ!」

優花里「はい! ありがとうございます武部殿!」


沙織「……ああ言ったけど、どうやって聞き出せばいいんだろう?」

沙織「みぽりーん。どうしてゆかりんに早く返信返さないの?」

沙織「……だめだめ! そもそもどうして私がそんなの知ってるのってなるし! あとゆかりんの名前出しちゃってるし!」

沙織「……あれ、これって結構難しくない?」

みほ「あ、沙織さん」

沙織「!? み、みぽりん!?」ビクッ

みほ「ご、ごめん。驚ろかせちゃったかな?」

沙織「う、ううん! そんなことないよ!」


みほ「今日は練習ないしどこか寄って帰らない? 沙織さんがよければ」

沙織「行く行く! じゃあ駅前のスイーツ屋さん行こうよ。リニューアルしてから行ってないんだよね~」

みほ「私も行ってみたかったんだよね。そこ行こっか」


みほ「でね、そこでボコが―――」

沙織「うんうん」

沙織「(あれ、なにか忘れてるような……あっ、ゆかりんの件)」

沙織「(……さ、さりげなーく聞けばいいんだよね。よしっ)」

沙織「み、みぽりん!」

みほ「なあに?」

沙織「さ、最近なにか……忙しかったりする?」

みほ「そんなことないよ?」


沙織「そっかぁ……」

みほ「?」

沙織「(やっぱり無理だよ~! どうやって聞けばいいか分かんない!)」

みほ「でもどうしてそんなことを?」

沙織「えっ! あー……えっと」

みほ「忙しくはないんだけど、ちょっと寝不足かな」

沙織「だ、大丈夫? 寝れなかったりするの?」

みほ「寝れなくはないんだけど……ちょっとLINEのしすぎでね」

沙織「だ、誰と!?」ズイッ

みほ「ち、近いよ沙織さん……継続高校のミカさんと」

沙織「へ? 継続高校? ……あ、大学選抜の時の」


みほ「うん。最近連絡先教えて貰ってね、それから」

沙織「(……なるほど。ゆかりんへの返信が遅いのはミカさんと連絡してたから)」

沙織「(……待って。これってミカさんの方がゆかりんより優先されてるってことだよね)」

沙織「……ってそんなこと言えないよー!!」

みほ「さ、沙織さん!?」ビクッ

沙織「(もしそんなこと言ったらゆかりんが悲しんじゃうよ!)」


優花里『西住殿は私よりミカ殿を……は、はは』

優花里『……死んでやりますー!!』


沙織「(みたいな展開になっちゃう!)」

沙織「(あーもー! どうしたらいいの!?)」

みほ「(今日の沙織さんどうしちゃったんだろう……なにかに取り憑かれてるみたい……)」


帰宅後

沙織「……やっぱり、言うべきよね」

沙織「ゆかりんが悲しんじゃうかもしれない。けど知っちゃったし、約束はしたから伝えないと」


翌日

沙織「おはよー」

みほ「沙織さんおはよう」

優花里「おはようございます武部殿」

華「おはようございます。あら、沙織さんくまが……寝不足ですか?」

沙織「あーうんそんなとこ」

華「寝不足は乙女の敵じゃなかったんですか?」クスクス

沙織「1日くらい大丈夫だよ……たぶん。あれ、麻子は?」

華「迎えに行ったのですが先に行くように言われました」

沙織「進級出来るからってまたサボってる……」


ピロン♪

みほ「あ、ミカさんからLINEがきた」

沙織「(あっ)」

優花里「に、西住殿はミカ殿とLINEをしてるんですか!?」

みほ「うん。ミカさんとLINEするの楽しいんだ」

優花里「そ、そうなんですか……」

華「みほさんとミカさん……一体どんなやり取りを……」

みほ「見る?」

華「いいんですか?」

みほ「うん。面白いものじゃないけどね」

優花里「み、見せてください!」


みほ:昨日練習がなかったので友達とデザートを食べに行きました♪

みほ:画像添付

ミカ:友達はいいね。自分の知らない一面を引き出してくれる。それよって新しい自分に出会えるからね。

みほ:そうですね。

ミカ:ただ、知りたくない一面を知ってしまう可能性もある。

みほ:知ってしまっても私はそれも自分なんだと受け入れます。それがどんなことであろうと。

ミカ:そうするといい。


優花里「」

沙織「……えっと、なんというか」

麻子「ミカとかいう奴はどうしてこんな捻くれてるんだ」

沙織「麻子! もしかして1人で起きたの!?」


麻子「なぜか分からんが目が覚めた」

みほ「ミカさんって少し哲学じみた言い回しするからわからないこともあるけど」

みほ「それでもLINEするの楽しいんだよね」

華「そうなんですか?」

みほ「うん」

沙織「(今更なんだけどLINEでもあんな言い回しするんだ……)」

みほ「あ、でも優花里さんとLINEも楽しいんだ」

優花里「え?」

みほ「優花里さん返信早いし、最近は戦車以外の話もしてくれるようになったし」

みほ「早く返信できなくてごめんね。優花里さんは早く返してくれるのに」

優花里「い、いえいえ! 私は西住殿とLINEできるだけで……!」


沙織「な、なんとか収まったのかな。よかったよかった」

華「何が収まったのですか?」

沙織「あ、こっちの話し」

沙織「(でもミカさんとLINEしてるだけで20分もかかるのかな)」

沙織「(みぽりんが打つの遅いイメージはないんだけどなぁ。まあ手元にないとすぐ返信できないよね)」

ピロン♪

みほ「愛里寿ちゃんからだ」

ピロピロピロピロピロン♪

みほ「それにケイさんダージリンさんカチューシャさん会長、それに西さんからも」

沙織「みぽりん連絡する相手多すぎだよ!」

おわり

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