【ふらいんぐうぃっち】千夏と迷いの森の動物園 (42)

千夏「チトさんって1日にどれくらい寝るの?」

チト「ニャー」

千夏「チトさんとまこ姉って子どもの頃から一緒なんでしょー?」

チト「ニャウ」

千夏「まこ姉ってどんな子だった? 私と似てる?」

チト「ニャアァウ」

千夏「チトさんって実はニンジャ? 使い魔ニンジャ?」

チト「ニャー」

千夏「チトさん、おしゃべりに疲れちゃった? 体動かそ! ボール遊び!」

チト「ゥンニャア」

――――――

―――



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千夏「チトさん! ボールころがし、もっかい行くよー!」

チト「ニャー」

千夏「そりゃあっ!!」コロコロ-

チト「ニャッ」バシッ

千夏「ないーす!」

千夏「次はもっと速くいくよー!! てやー!!」シュッ

チト「ニャッ!」バシッ!!


――――――

―――

千夏「……チトさーん? 眠いのー?」

チト「フニャー」

ボールをつついていたチトさんは、だんだん目を細くした。

千夏(寝そう)

チト「…………」クタッ

千夏(寝ちゃった)

チト「…………zzz」


千夏「ううー……」

千夏「あー! たいくつー!!」


不満げな顔で、床に寝っ転がる。

千夏「友達も今日用事あるって言ってたしー」ゴロゴロ

千夏「あかね姉はまたどっかに行っちゃったしー」ゴロゴロ

千夏「『お兄ちゃんたちはテスト前だからちょっかいかけちゃダメ』ってお母さんが言ってたし……」

千夏「チトさーん……」チラ

チト「……」スヤスヤ

千夏「むむむ」ムクリ

タタタ……

パタパタパタ

【圭の部屋の前】

千夏「まだやってるのかな」

千夏「そーっと…………」ガラ



圭「うーん、問2まちがってたかー」

真琴「でも次の問3と問4は合ってますよ! こっちの方が難しいのにすごいですね~」

圭「何度も復習したもんな」

真琴「ケアレスミスさえ無くせば、次のテストはかなりの高得点が期待できますよ!」

圭「でも真琴も結構しょーもないとこでミスしてんぞ」

真琴「あ、あはは……」



千夏(あれ? まこ姉がお兄ちゃんのベッドに座ってる)

圭「公式とか解き方は分かってるのに……もったいね」

真琴「気を付けます!! そうだ、数学問題の見直し終わったら歴史の勉強しましょう!」

圭「おー。お互いに問題出し合おう。そっちの方が覚えられる」

真琴「私もそのつもりでした♪ 一人でやるより効率いいですもんね」

圭「だべな」

真琴「今度はなおさんも誘って……あら?」


千夏「……まだ勉強中?」


圭「千夏ー。どうした?」

千夏「別になんもないよ。ちょっと見に来ただけ。まこ姉もこの部屋にいるのは予想外だった」

真琴「数学……算数の問題で引っかかるところがあって、どうしても納得したくて圭くんに聞きに来たんですよ」

圭「俺もそんなできるわけじゃねーけど」

真琴「でも分からないところが他にいくつもあって、理解するために何度も圭くんの部屋に往復してたんです」

圭「それでもういちいち自分の部屋に戻るのが面倒になったんだよな」

真琴「あ、あはは……そ、そうです」

千夏「ふーん」

圭(テスト前で遊んでやれねえからなあ。暇なんだろうな)

真琴「千夏ちゃん、チトさんは?」

千夏「寝ちゃったよ。ぐっすり」

圭「千夏。冷蔵庫にチョコレート買ってあるから食べていいぞ」

千夏「うん。ありがと。お勉強がんばってね。それじゃ」ピシャン タタタ

真琴「……」

圭「テスト終わったら遊びに連れてってやろうかな」

真琴「ふふ。私も楽しみにしてますから♪」

圭「おっと、真琴もかー」

真琴「ええ。まだまだ素敵なところがたくさんあるんでしょう? 紹介してくださいよ」

圭「おう、いろいろ案内するよ。真琴一人で行かせて迷わせるよりいいし」

真琴「ええ~!」

千夏「まだ勉強してたかー。どうやって遊ぼう。外に行こうかな……」

千夏「うーん……あっそうだ! コンクルシオみたいに魔女が隠れてる場所が他にあるかも!!」

千夏「いいアイデア! よーし探しに行こー!!」タタタ

ガチャガチャ……


千夏「水筒と帽子と……そうだ、チョコレートも持っていこ!!」


チト「…………zzz」

千夏「チトさん! 行ってきます」ナデナデ

チト「フニャ?」



ガラガラ ピシャン

タタタタ……

【道路】

千夏(えーと、確か、『にれーにはくいちれー』だったよね)テクテク

千夏(二回おじぎして、二回手を叩いて、最後にもっかいおじぎ!)

千夏「でも、魔女っぽい建物ってこの辺に無いんだよね。ちょっと遠くに行ってみよっと」


――――――

―――




千夏「二回おじぎ」ペコペコ

千夏「二回拍手してから」パンパン

千夏「一回おじぎ」ペコ

千夏「………………」

千夏「うーん。この顔みたいな絵が描いてある壁も入口じゃなかったかー」

千夏「橋げた、マンホール、誰も使ってない裏道……結構探したけど、どれもハズレ」

千夏「どうしよ……あっ、コンクルシオに行けば魔女が隠した建物がどこにあるか分かるかも」

千夏「でも、あんまりお金持ってきてないしなあ……ん?」

千夏「なんだろう。ちょっと先にある森、変な感じする」

千夏「確か……なんていうんだっけ、まこ姉が前言ってた……オーラだ! オーラが出てる!」

千夏「行ってみよ! 大発見の予感!」


【森の中】

千夏「だいぶ奥に来たけど変わったところは見つからない」テクテク

千夏「でもオーラの妙な感じは少しだけど残ってる」テクテク

千夏「ふう。汗かいちゃった。残念だけど、今日のところは戻ろっかな……」

千夏「……うん? あれ、この木の枝の形、さっき通ったところでも見た気がする」

千夏「あ! 根元に生えてる花も同じだ!」

千夏「これは……やっぱり魔女のシワザだ! 迷いの森だ!」

千夏「どうしよう! これは……とりあえずチョコ食べよ! 集中力と注意力上げるってテレビでやってたし!」モグモグ

千夏「よーし……考えるな感じるんだ……」

千夏「 ! なんかこの二本の木の間が怪しい気がする! とつげーき!」ダダダッ



千夏「――――――」

千夏「―――………」

千夏「……なんにも起こらなかった」

千夏(絶対魔女の隠れ家ありそうな気がしたんだけどなあ)

千夏「もうすぐ暗くなるし、そろそろ帰ろ。また別の日に探しに来よっと」クルッ


トカゲ「……」


千夏「わっ! トカゲだ!」 

千夏(そうだ、この子まこ姉のおみやげにしよう! シッポから薬が作れそうだし!)

千夏「トカゲさーん……動かないでねー……シッポだけでもくださーい……」ソ~


トカゲ「―!」シュシュッ!!


千夏「あ! に、逃げちゃダメ!」


トカゲ「……」シュシュ!


千夏「待って!」


トカゲ「……」シュッ


千夏「はあ、はあ……」

千夏「あれ、ここどこ? こんなとこ通ってきたっけ?………あ!」


千夏の前には、オレンジのくちばしをした小さな鳥がたたずんでいた。

全身は黒いが目の周りだけ仮面を付けたように白く抜かれ、頭から伸びる黄金色の飾り毛が風にあそばれている。


黒い鳥「クルルルル」

千夏「何この鳥!? 魔女の使い魔?」

千夏「―――っ!?」


千夏が気配を感じて周囲を見渡すと、数十羽もの鳥が木に吊るされたゲージに入れられていた。

細い脚と太い脚、極彩色な羽と茶褐色の羽、丸い目に鋭い目。

まとまりが見られない多種多様な鳥たちは、少女が知らない種類という点で共通していた。


千夏「す……すっごーい!! こんな鳥さんたち、見たことなーい!」

千夏「この子はツル? でも、ちょっと違うね。あっ、こっちの小鳥さんは青色がめっちゃあざやかだ!」

千夏「こっちのフクロウの親戚さんは目がかっこいい! 羽が青色でおなかが赤の鳥さんは宝石みたい」

千夏「はー! でも皆、かごの中に入れられてるのに穏やかだね。ヒマじゃないのかな」



黒い鳥「クルルル」

千夏「わっ!」

千夏「そうだ、このオレンジくちばしの黒い鳥さんだけゲージに入れられてないんだよね」

黒い鳥「クルルル」

千夏「やっぱり、君だけ特別? この鳥さんだけの動物園作った魔女の使い魔?」


黒い鳥「クルルルルル……」


千夏「え?」


黒い鳥「クルルル」


千夏「むー」


黒い鳥「………」


千夏「うーん……ごめんなさい! やっぱり言ってること分かんないや」

今回の投下は終了。
続きは来週くらい。

黒い鳥「クルルルルル クルルル」

千夏「くるるるるー」

黒い鳥「クルル」

千夏「くる、くるるるる~」

黒い鳥「…………」プイッ

千夏(あ、そっぽ向いちゃった)

千夏「暗くなりそうだし、そろそろ帰るね。また遊びに来るから!」

黒い鳥「……」

千夏「ばいばーい!」ブンブン


千夏「カゴに入った鳥さんたちも、ばいばーい!」



タタタタタタタ……


鳥たちの物珍しそうな視線を受けながら、少女はその場をあとにした。

千夏「すごかったな~!! あの鳥さんたち! 初めて見る種類ばっかり!」タタタタ

千夏「お兄ちゃんやまこ姉にも教えて、今度はみんなで行こっと!」タタタタ

千夏(あ、でもお兄ちゃんたちテスト勉強だし、すぐには行けないかな?)

千夏「まーいいや。とにかく聞いてもらおー!」タタタタ……



【倉本家】

ガラララ

千夏「ただいまー!」

奈々「おかえり。どこに行ってたの?」

千夏「森の中の動物園! 鳥さんだけのやつ!」

奈々「動物園? この近くには無いわよ?」

千夏「うーんとねー」

真琴「あら千夏ちゃん、おかえりなさい」

千夏「まこ姉! 私今日すっごい大発見しちゃった!」

真琴「へえ~そのはしゃぎようを見るに、さぞすごいものを見つけたんでしょうね~」

――――――

―――



千夏「でね、でね、黒い鳥さんとお話ししようとしたんだけど、言葉わからなかったんだ~」

真琴「その隠し場所を設けた魔女さんの使い魔なんでしょうか……」

圭「おいおい、そういうとこ勝手に入っていいんか」

千夏「トカゲ追っかけてたらいつの間にかそこにいたんだよ。グーゼン侵入しちゃったの」

真琴「千夏ちゃんの話によると、近寄る人を迷わせる魔法が施してあったみたいですね」

奈々「不思議ねえ」

千夏「お兄ちゃん! まこ姉! 明日学校帰りに一緒に行こうよ! 通学路からとっても離れてるってわけでも無いから!」

圭「うーん、迷わせる魔法がかけてあるってことは客を入れたくないってことだろ? 行っていいものなのか……」

真琴「どういった方か分からないですしねえ。でも、挨拶に伺わなければいけない気もしますし」

千夏「いいじゃん! どんな人か行けば分かるかも知れないし~」

真琴「……ですね。一度様子を伺いに行ってみましょう」

圭「じゃあ俺も行く。迷いの森で真琴が帰ってこれなくなる危険性がある」

真琴「う……」

千夏「やったー! 絶対ビックリするよ!」

圭「ははは。でも千夏、一人で人気のないところに近寄っちゃいかんぞ」

千夏「だ、だって私魔女だし……」

奈々「千夏が好奇心いっぱいなのは嬉しいけど、もし危ない目にあったらお母さん泣いちゃう……」シクシク

千夏「え!?」

奈々「えーんえーん」シクシク

千夏「お、おかーさん! 泣かないでっ!」

奈々「約束してくれる?」

千夏「するー!!」

奈々「良かった。お願いね」

圭「名演技じゃん」

奈々「ところで圭、あなたちゃんと勉強してるの?」

圭「やってるよ」

奈々「もし赤点なんかとったら、お母さん泣いちゃう……」シクシク

千夏「ああー!」

圭「……俺にもかよ。ちゃんとやってるって。な、真琴?」

真琴「ええ! 今日だって二人で勉強しましたから!」

奈々「なら結構。勉強会なら大歓迎よ。次のテストの点数が楽しみだわ」

圭「あんまり期待されるのも困る」

千夏「お兄ちゃん、算数教えてあげよっか?」

圭「ははは。ありがとな。おまえは魔女修行も勉強もがんばってえらいな」アタマポンポン

真琴「ふふ。元気で優しいし、理想の魔女ですね」

千夏「えへへ!」





啓司(父)「……」

奈々「あっ……そろそろごはんの用意しなきゃ。ちょっと待っててね」

千夏「はーい」

圭「待ってる内に残りの問題やってしまおうぜ」

真琴「そうですね」

圭「どっちが正解するかなー」

真琴「負けませんよ!」

奈々「できたらお皿出してくれる?」

千夏「うん」


チト「ミャアァ」ノソッ


千夏「あ、チト! 私今日の魔女が隠した動物園に入ったんだよー! 聞いて聞いてー!」ダキッ

チト「ミ゙ァ゙アアァ」

圭「チトにまで話すか」

とりあえずこれだけ
続きは明日か明後日に!


――――――

―――



【居間】

千夏「ふー! お風呂気持ちよかったー」

奈々「千夏。明日の準備は済んだの?」

千夏「うん! お母さんはテレビ見てたの?」

奈々「ええ。絶滅した動物の特集やっててね。気付けばずっと見ちゃってたわ」

千夏「へえ。どんなのやってた?」

奈々「例えばブルーバックという牛の仲間の話が出てたんだけど、きれいな毛皮をしていたから狩りつくされちゃったんだって」

千夏「へえ……毛皮を採るために?」

奈々「人間を襲うから駆除されたり、食べるために乱獲されたり……他にもたくさんの動物が人間のせいで滅んじゃったのよ」

千夏「ふーん……」

奈々「そりゃ人間の方にも都合があるんだろうけど、それでもその生き物のことを全く考えない態度は問題よね」

千夏「……」

奈々(ちょっと千夏には難しい話だったかな)

奈々「さ、そろそろ寝なきゃね。おやすみ、千夏」

千夏「うんおやすみ……」



千夏「あの鳥さんたち、もしかしてもうすぐ絶滅する種類だったりして」

千夏(……魔女が何かの目的で集めてるのかな)


チト「?」

~次の日~

千夏「お兄ちゃん、まこ姉、こっちだよ」

真琴「なかなか雰囲気の良い森ですね~」キョロキョロ

圭「真琴ー。注意してないとまた頭ぶつけるぞ」

千夏「まこ姉、心配だから手ぇ繋いであげる!」ギュ

真琴「ありがとう 千夏ちゃん」



【森の中】

圭「で、どこなんだ。おまえが言ってた場所は」

千夏「確かこの辺。ここの周りを歩いてたら同じところを何度も通るはめになったんだよ」

真琴「侵入者よけの魔法でしょうか」

圭「ふーん。どうやって鳥が集まってるとこに入ったんだ」

千夏「ぐるぐる周ってー、もう帰ろうかなって思ったときにトカゲ見つけて、追いかけてる内にいつの間にか入ってた!」

真琴「へえ」

千夏「今日はまこ姉がいるし! 迷いの森のワナなんかどかーんと破れちゃうでしょ?」

圭「でもさっきから歩いてるけど、別に今まで通ってた道に戻らないぞ」

千夏「あれ?」

圭「真琴ー どういうことかわかるか?」

真琴「うーん……かすかに魔法が使われている気配というか、感覚はするのですが」

千夏「まこ姉、私ウソついてないよ……」

真琴「……千夏ちゃん、使い魔と思われる黒い鳥さんとお話ししたって言ってましたよね?」

千夏「うん!」

真琴「その子が魔女さんに『小さなかわいい女の子が入ってきたよー』って報告して、それを聞いた魔女さんが違う結界に張り直したのかも」

千夏「かっこいいんじゃなくてかわいいと思われてたんだ」

真琴「あ、すみません。かっこいい女の子が入ってきたよって言ったと思います」

圭「そこ 問題かー」

千夏「じゃあじゃあ、もうあの鳥さんたちに会えないってこと?」

真琴「とにもかくにも 入る方法が分かりませんからねー」

千夏「むむむ……あ、そうだ! トカゲだ! トカゲを探せ!」バッ

圭「おお?」

千夏「トカゲ追っかけてたら入れたんだから! 案内人……案内トカゲだったんだよ! 謎はすべてとけた!」キョロキョロ

圭「おいおい、地べたに膝着けると土で汚れて染みが残るぞ」

真琴「どこですかー!? トカゲさーん!」ガサゴソ

圭「おーい……」

――――――

―――

~帰り道~


千夏「ううう~ 結局鳥さんたちに会えなかった……」

真琴「もう引き払ってしまった可能性もありますね トカゲさんは見つけたんですけど……」

圭「真琴が慌てて追いかけて、姿を見失ったときは焦ったぞー」

真琴「あはは……面目ないです……」

圭「本格的に暗くなるギリギリに見つかって良かった」

千夏「魔女探しのために鳥さん探して、そのためにトカゲ探して、最後にはなぜかまこ姉を探してた」

圭「人生とはそういうものかも知れんな」

真琴「あら 圭くん哲学者モードです?」

圭「学びとは机の前でなく木々の間でなされるものである」

真琴「テスト勉強から逃げちゃダメですよー!」

圭「分かってるよ 今日は英語を中心にやろうぜ」

真琴「はい! 付き合いますよ!」


千夏「……」

千夏「えいっ!」ギュ

 
千夏は圭と真琴のあいだに駆け込むと、二人の手を握った。


真琴「ん?」

千夏「まこ姉、迷子になっちゃダメだよ! お兄ちゃんも追っかけて一緒にソウナンするかもしれないから次からこうしなきゃね!」

圭「ははは。そうだな。こうしとけば安心だ」

千夏「でしょ~?」

圭(嬉しそうだな 千夏)

真琴(ここ数日勉強ばかりであまり構って上げられませんでしたからね)

【倉本家】

千夏「ただいまー」


茜「おかえりー」センベイバリバリ


圭「お」

千夏「あ、あかね姉!」

茜「ひっさしぶりー」

真琴「お姉ちゃん! いつ帰って来たんですか?」

茜「今日のお昼くらいかな。君たちはこんな時間まで何をしていたのだい?」

千夏「あ、あのね! 聞いて聞いて!」

チト「ミャウ……?」


――――――

―――


茜「ふむふむ。鳥さんだけの動物園ねえ」

真琴「千夏ちゃんは入れたと言っているんですけど」

茜「まあ真琴が言うように結界を上等なものに張り替えたか、もう鳥たちを連れて去ってしまったかのどちらかだろうね」

千夏「どんな魔女さんだったんだろう……」

圭「珍しい鳥を集めるなんて、鳥類マニアだったんかな」

茜「あのね、貴重な動物が持つ爪や皮が魔女が作る薬の材料になる場合もあるのよ。 真琴も知ってるでしょ?」

真琴「はい」

茜「当然材料が手に入りにくいということは作られる薬も少なくて、価値があるとされるのよ」

圭「そこんところは人間社会と同じか」」

茜「研究熱心な魔女だったら珍しい鳥の体の一部からどんな薬が作れるか試してみたくなるものかも知れない」

茜「そうでなかったら別の魔女に売ったり、魔術の道具と交換するのが目的だったというのも考えられるわね」

真琴「なるほど」

茜「……でね、千夏ちゃん。君が見たという鳥さんたちの特徴を教えてくれないかな?」

千夏「え?」

今回はここまで
投稿遅れて申し訳ない

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