神「ドラクエの呪文を1つだけ使えるようにしてあげる」 (95)

不良「マジか!?」

神「マジです」

学生「じゃあ僕イオナズン!」

不良「俺メラゾーマな!」

魚屋「マヒャドで!」

看護師「ザオリクでお願いします……」


「イナオズンほしい!」

「イオナズン!」

「イオナズンでお願いします!」


神「イオナズン多いな」

犯罪者「私はアバカムで」

軍人「メダパニだな」

不良「メダパニてww馬鹿じゃねえのww」

学生「そっちこそ何でメラゾーマ?イオナズンの方が絶対強いよね?」

不良「周り全部吹き飛ばしたら建物とかにも被害が行くだろ?」

学生「ああ、そっか……」

神「そこの君はまだ希望言ってないよね?何がほしいの?」

刑事「……ではマホトーンで」

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「マホトーン?」

「そんなのありなの?」

「マジかよ……」


ザワザワ


不良「……おい、あんた、どういうつもりだ?」

刑事「何がだ?」

不良「マホトーンって言えば魔法を封じる魔法だろうが、何でそんな物を貰うんだよ」

刑事「そりゃあお前達が犯罪を犯さないようにするためだ」

不良「……!」

学生「……!」

刑事「これだけの数の人間が攻撃魔法を覚えるんだ、それを馬鹿な目的に使う奴がいないとも限らない」

刑事「だから俺のような抑止力が必要になるんだよ」


ザワザワザワ


「おい、誰かマホリー覚えろよ」

「いやだよ、そんな面白くない魔法覚えても仕方ないでしょ」

「けど……」


神「はい、もう締め切るね~」

神「因みに状態異常系の魔法は永続だから」

神「そこんとこ、宜しく~」

神「ばいばい~」

学生「はっ!」

学生「ゆ、夢か……」

学生「あー、変な夢だったなあ……」

学生「……まさかイオナズンを覚え」



ピカッ



学生「え……」



ズドオオオオオオオオオオオオオオオオン

キャスター「本日未明、日本各地で多数の爆発事件が発生しました」

キャスター「この爆発により多数の死傷者が出ています」

キャスター「現在、警察による調査が行われており、テロではないかとの見方も強まったいます」

キャスター「爆発事件は現在も各地で散発しており、政府は……」


刑事「爆発事件の被害者たちの顔写真は……と」カチカチ

刑事「ふん、見覚えがあるな」

刑事「やはりあの場所にいた連中の一人か」

刑事「じゃあ、あれはやっぱり夢じゃなかったってことか」

刑事「これは忙しくなりそうだ」

~コンビニ~


不良「おらおら!いいから金出せって言ってんだよ!消し炭にされてえか!?メラゾーマ!」


シュボウウウウ!


店員「ヒッヒィィィ!だ、出します!出しますから命だけは!」

不良「ケッケッケ、この呪文さえあればやりたい放題だ!」


ピーポーピーポー


不良「げ、警察が来やがったか」

不良「てめえ、通報したな!?」

店員「わ、わたしじゃないです!た、たすけ……」

不良「うるせえ!メラゾーマ!」

店員「ぎゃあああああああああ!!!」

~商店街~

魚屋「マヒャド!」


カキン


魚屋「ふー、この魔法があらば冷凍機いらずじゃのお」

魚屋「運搬の時も鮮度が落ちないから楽じゃわい」

客「魚屋さん!今日の魚は活きがいいね!」

魚屋「かっかっか、そうじゃろそうじゃろ!」

~倉庫~


犯罪者「随分厳重なセキュリティですね」

犯罪者「解除には17桁のパタワードと指紋認証が必要……と」

犯罪者「しかし私の手にかかれば……アバカム」


カチン



犯罪者「こんなものです」

犯罪者「単純な錠前からパスワード選択によるロックまで全てのセキュリティを解除する」

犯罪者「それがアバカムの力です」

~病院~


看護師「あら、刑事さん」

刑事「よう」

看護師「お仕事は順調ですか?」

刑事「順調とは言えないよ……呪文使い達が好きなように暴れまわってるからな」

看護師「そうですか……」

刑事「単純に銀行強盗やら暴行事件からを起こしてくれている連中はまだ与しやすい」

刑事「俺が出向いて封じてしまえれば、話はそれで終わりだからな」

刑事「問題は裏で動く連中……特に、あの時、アバカムとメダパニを受け取っていた二人……あれが厄介だ」

看護婦「アバカムとメダパニ……ですか?」

刑事「ああ、アバカム使いは解錠能力を使って様々な犯罪に手を伸ばしている」

刑事「元から犯罪者だったんだろうな、手下を増やしてより効率よく動いているようだ」

看護師「……」

刑事「すまんな、真っ当に能力を使ってるアンタには刺激が強すぎる話か」

看護師「い、いえ……」

刑事「アンタの方はどうなんだ?呪文は上手く使えてるか?」

看護師「あ、はい……皆さんに感謝してもらえてます」

刑事「そいつはよかった」

看護師「けど……私の呪文は、蘇生と負傷の全快だけなんです……病気の方の場合、また死んでしまうケースも多くて……」

刑事「死んだらまた蘇生させればよくないか?」

看護師「それが、制限時間があるんです」

刑事「制限時間?」

看護師「死亡してから5分以内にザオリクを唱える……それが制限時間なんです」

刑事「そんな制限があったのか……」

看護婦「はい、ですから私が間に合わなかった場合は救えないんです……」

刑事「まあ、万能の能力なんてこの世には存在しないだろうからな……」

看護師「……」

刑事「おっと、様子を見に来ただけなのに長話をしちまったな」

刑事「すまない」

看護師「いえ、私も気がまぎれましたから」ニコ

刑事「……あんまり気を負いすぎるなよ」

看護師「はい……」

刑事「それじゃあな」

看護師「あ……」

刑事「ん?」

看護師「あの……さっき言ってらした、アバカムとメダパニを使う人たちの話ですが」

刑事「ああ、それがどうかしたか?」

看護師「メダパニを使う方は、何をされたのでしょう?」

刑事「……あいつは、呪文使いを狩ってるみたいなんだ」

看護師「呪文使いを?」

刑事「ああ、ここ最近、各地で突然錯乱を起こす事件が発生している」

刑事「そいつらの顔を確認してみたんだが……全員、あの場所で見かけた顔なんだ」

看護師「それは……」

刑事「ああ、恐らくメダパニによる効果だろう」

刑事「保護された連中は全員、言葉もまともに喋れないほど錯乱している」

刑事「当然、呪文なんて使えない」

刑事「何が目的かは判らんがな、アンタも気をつけておいてくれ」

看護師「……はい」

刑事「安心しろ、二人とも俺がキッチリ捕まえてやるさ」

看護師「頼りにしてます」

~裏路地~


不良「はぁ……はぁ……はぁ……」

不良「クソ、警察もしつこいな」

不良「こうなったらメラゾーマで吹き飛ばしてやるか……」

不良「い、いや、けど連中は拳銃持ってるからな」

不良「1人ならともかく、2人とか3人でこられるとメラゾーマだけじゃ対応できない……」

不良「クソ、やっぱりイオナズンにしておくべきだったか……」

不良「いやけど……」



「そんなに怯えるなら、目立つ事をしなければよかったんですよ」


不良「だ、誰だ!?」


「……」



不良「て、てめえは……」

不良「なんだ?何か文句あるのかよ?」

不良「てめえ如きの呪文で俺に文句つけるなんて百年はや……」

不良「……え?」

不良「う、うわああ……うわああああああああ!!!」

不良「イヤダイヤダイヤダイヤダ」ブツブツ

刑事「……遅かったか」

不良「……」ブツブツ

刑事「おい、しっかりしろ、誰にやられた」

不良「イヤダイヤダコワイコワイイタイイタイ」ブツブツ

刑事「駄目だ、メダパニ受けちまってる……」

不良「……」ブツブツ

刑事「しかし、何で被害者は全員全裸なんだろうな」

刑事「例のメダパニ使いの趣味なのか……」

不良「……」ブツブツ

プルルルル


刑事「電話?こんな時に……」ピッ

刑事「もしもし、俺だ」


「刑事さんですか」


刑事「……誰だお前は」


「ははは、私ですよ、私」


刑事「……メダパニ使いか?」


「いえ、アバカム使いの方です」


刑事「……どうして俺の番号が判った」


「普通に検索しましたよ?貴方のパソコンのセキュリティを遠隔で解錠して」


刑事「何でもありってわけか、お前の呪文は」


「何でもって訳ではないですね、実際、今私は困っています」


刑事「ほう」


「実は私、犯罪組織を立ち上げてまして」

「その中に何人か呪文使いが居るんですけど……そいつを狩ってるヤツがいるんですよ」


刑事「……メダパニ使いだな」


「いいえ、違います」

刑事「違うだと?」


「はい、私も最初はそう思ってたんですよ」

「だって、被害者たちは全員錯乱していましたし」

「今の状況を考えればメダパニ使いを疑うのは当然ですからね」


刑事「じゃあ、なんで違うなんて言い出したんだ」


「メダパニ使いが犯人だと疑った私は、彼を探したんです」

「全てのセキュリティを解除して全ての監視カメラに潜入してこの街だけじゃなく全ての都市部を調査しました」

「そして……見つけたんです、彼の死体を」


刑事「死体……だと?」


「はい」


刑事「……いやそれはおかしい」

刑事「今ここに、ヤツの犠牲者がいるんだぞ」

刑事「ここでコイツにメダパニをかけた後、死んじまったとでも言うのか?」


「いいえ、時間的にそれはありえないでしょうね」

「だって、私がメダパニ使いの死体を発見したのは3日前なんですから」


刑事「三日前……」

「3日前、彼の死体を発見した時、私は思ったんです」

「何の理由で死んだのかは知りませんが、これで錯乱者発生事件は終わるんだろうなと」

「けど、先ほど事件が再び起こりました」

「うちの組織でもまた犠牲者が出たんです」

「正直、この犯人は私の手には余る」

「ですから貴方に頑張ってもらいたいのですよ」

「私も可能な範囲で補助はしますので」


刑事「お前達が被害を受けるのは自業自得だと思うがな」


「しかしこのまま放置しておくと犯罪を犯していない呪文使いにも被害が広がるんですよ?」


刑事「……」


「貴方は、それを許容できないでしょう」

「だからこそ、そんな呪文を選択した」

「違いますか?」


刑事「……ああ、そうだ」

「では協力関係成立、という事で」


刑事「……この事件にカタがついたら次はお前だ、それだけは忘れるな」


「はいはい、判ってますよ」

「では事件のおさらいをしましょう」

「被害者たちは呪文使いに限定されている」

「そして被害者は全て錯乱している」

「そして何故か全裸である」

「犯人と予想されていたメダパニ使いは既に死んでしまっている」


刑事「あの時、メダパニの呪文を受け取っていた者がもう一人いた可能性は?」


「それはないですね、私、全ての呪文を聞き逃さずに確認してましたし」

「貴方も同じように呪文使い達の顔を覚えてるでしょう?」


刑事「……ああ」


「あとは……私達にこの呪文を与えてくれた『神』が首謀者である可能性もありますが」


刑事「……いや、あいつはそんな事はしないだろう」

刑事「アレは余興を楽しむ者の眼をしていた」

刑事「俺達がどんな事をしても最後まで傍観者を貫くんじゃないか?」


「……ええ、私もそう思います」

刑事「情報を纏めてみたが……犯人を特定するには至ってないな」


「……まあ、犯人を特定しなくても捕まえる方法はあるんですけどね」


刑事「……何だ、言ってみろ」


「簡単ですよ、誰かを囮にすればいいんです」


刑事「……囮?」


「ええ、犯人は呪文使いだけに狙いを絞ってるんでしょう」

「だったら、呪文使いを囮にすればいい」

「そうすれば犯人を釣り上げる事が出来るはずです」


刑事「そんな簡単に行くかよ」

刑事「仮に俺が囮になったとして……犯人が俺を狙ってくる保証はないだろうが」

刑事「その間に、他の呪文使いが狙われるだけだ」


「いいえ、その可能性は低いんじゃないですかね」


刑事「何?」


「犯人は今あなたが捕まえたメラゾーマ使いを錯乱させたんですよね?」

「と言う事は、犯人は今、その街にいるって事です」

「そして……その街にいる呪文使いは、もう3人……いや、4人しか残ってないんです」


刑事「……4人、だと?」


「はい、貴方と」


「魚屋さんと」


「看護師さん」


「そして犯人」


「この4人だけです」


「私と仲間の呪文使い達は既に日本から脱出してますからね」


「他の街にはもっと沢山の呪文使いが居ますけど……あれ?おーい、聞いてますか?」

刑事「クソ、しくじった……」タッタッタッ

刑事「この街にいる呪文使いがもうそこまで数を減らしていたとは……」

刑事「魚屋は確かマヒャド使いだ、真面目な奴だが一応攻撃呪文の使い手……」

刑事「そして俺はマホトーン使い」

刑事「犯人もなるべく近づきたくはないだろう」

刑事「って事は次に狙われる可能性が高いのは……」

~病院~


刑事「はぁ……はぁ……はぁ……」

刑事「よ、よしまだ騒ぎは起きてないな……」

刑事「急いで彼女に会わないと……」

看護師「あら、刑事さん?」

刑事「……!」

看護師「ど、どうしたんですか、そんなに息を切らして」

刑事「良かった、無事だったか……」

看護師「へ?」

刑事「いいか、良く聞いてくれ、例の錯乱事件の犯人が君を狙ってくる可能性がある」

看護師「犯人って、メダパニ使いですか?」

刑事「いや、違う、メダパニ使いはもう殺されてるんだ」

刑事「別に犯人が居て、そいつが君を……」

看護師「ああ、見つかっちゃいましたか」

刑事「君を狙って……え?」


プスッ


刑事「うっ……!」

刑事「な、なにを……」

刑事「……い、意識……が……」

刑事「……はっ」

刑事「こ、ここは……?」

看護師「ここは使われなくなった手術室ですよ、刑事さん」

刑事「き、君は……うっ……頭が……」

看護師「駄目ですよ、刑事さんに打った麻酔は強力でしたから、まだ身体は動きません……」

刑事「ど、どうして、こんな事を……俺は犯人から君を守ろうと……」

看護師「守る必要なんてありませんよ」

看護師「だって、錯乱事件の犯人は私ですから」

刑事「な、なん……だって……」

刑事「しかし、しかし君の呪文は……ザオリクのはずだ……相手を錯乱させる事なんて……」

看護師「できますよ」

看護師「相手を錯乱させるのなんて簡単です」

看護師「あ、見ますか?」

看護師「実は全部動画で取ってあるんです」

看護師「きっと楽しいですよ?」


ザザザ


不良「クソ、やっぱりイオナズンにしておくべきだったか……」

不良「いやけど……」

看護師「そんなに怯えるなら、目立つ事をしなければよかったんですよ」

不良「だ、誰だ!?」

看護師「……」

不良「て、てめえは……」

不良「なんだ?何か文句あるのかよ?」

不良「てめえ如きの呪文で俺に文句つけるなんて百年はや……」

看護師「……」パシャッ

不良「……え?」

不良「う、うわああ……うわああああああああ!!!」

不良「か、顔が!顔があああぁぁぁぁぁ!」

看護師「大丈夫ですよ、そんな大した薬品じゃないですし」

看護師「暫く目が見えなくなる程度です」

不良「て、てめえ!消し炭にしてやる!メラゾー」

看護師「喉」ザクッ

不良「ぐぎゃっ!」

看護師「踵」ザクッ

不良「ぐひゅっ!」ドタンッ

看護師「あははは、メスで喉切られて血が気管に入ってまともに喋れないですよね」

不良「で、でべえ……!べらぞお゛ま゛!」

看護師「駄目ですよ、発音はちゃんとしないと……」

不良「ぐぐ、ぐぞお゛!」

看護師「はい、続き行きますね?」

看護師「手首、太股、耳、頬」ザシュザシュ

不良「ひぎぃ!」

看護師「右手の爪、左手の爪、右足の爪、左足の爪」ザシュザシュ

不良「や、やべで……」

看護師「何を言ってるんですか……まだまだ続きますよ」

看護師「続いては皆の憧れ、胸部切開です」

看護師「私はこれをやる為に医者を目指してます」

看護師「ふう、勉強になりました」

不良「……」

看護師「あらら、貴方、血まみれで服もボロボロですね?」

看護師「けど安心して下さい」

看護師「すぐになおしてあげますからね」

看護師「ザオリク」


ピカー


不良「……はっ」

看護師「おはようございます」

不良「あ、あれ、俺は……」

看護師「大変でしたね……もう少しで三途の川を渡る所だったんですよ?」

不良「こ、ここは……裏路地?じゃあさっきのは……夢?夢だったのか?」

看護師「いいえ、現実です」

不良「あ、あれ、動けない……な、なんで……」

看護師「そりゃあ、縛ってありますからね」ニコリ

不良「お、お前は!」

看護師「喉」ザシュッ

不良「ぐぎゃっ!」

看護師「はい、第二ラウンド行きましょうね……」

看護師「今度は背骨を抜いてみましょう」

看護師「貴方は、どこまで耐えられるんでしょうね?」

不良「ぐぎゃああああああ!!!」ジタバタジタバタ

看護師「ふう、第13ラウンド終了」

不良「……」

看護師「ザオリク」


ピカー


不良「……あ」

看護師「おはようございます」

不良「いやだいやだいやだいやだいやだ!」

不良「いたいいたいいたいいたい!た、たすけ……」

看護師「喉」ザシュッ

不良「んぐっ!」

看護師「まだ声に元気がありますね」

看護師「大丈夫、貴方はもっと頑張れます、頑張れる人です」

不良「イ゙ヤ゙ダイ゙ヤ゙ダイ゙ヤ゙ダ」

看護師「14ラウンド、逝ってみましょうか?」



ザザザザザザザ

~手術室~


看護師「不思議な話なんですけど、ザオリクを使うと出血は全て治るんです」

看護師「流れ出た血も、無くなっちゃうんですよね」

看護師「分解されて元の身体に戻るのかな?」

看護師「まあ、けど切り裂いちゃった衣服だけは元通りにならないから回収するんですけど」

看護師「ほら、今の警察って衣服の切り跡から色々な痕跡を調べるらしいじゃないですか」

看護師「あれを警戒した感じです」

刑事「……」

看護師「刑事さん?聞いてます?」

刑事「……なんでだ」

看護師「え?」

刑事「何でこんな事を……」

看護師「そりゃ、お医者さんになる為ですよ」

刑事「医者に……なる為に?」

看護師「はい、私はね刑事さん」

看護師「世界に類を見ないくらいの名医になりたいんです」

看護師「それこそ、死んだ人間を生き返らせるくらいの」

刑事「じゃあなればいいだろう!今のお前にはその能力があるんだから!」

看護師「いや、これは呪文の能力じゃないですか」

看護師「こんなの使ってるってバレたら、医者として認めてもらえませんよ」

看護師「何か変な宗教の教主あたりに祭り上げられるのがオチです」

看護師「ですから、私がザオリクを使えるって事を知ってる人全員に消えてもらう必要があるんです」

刑事「全員に……だと」

看護師「はい、この呪文の事を知ってる人全員です」

看護師「けどね、さっきも言いましたけど、今の警察って優秀じゃないですか」

看護師「殺しちゃったら警察も本腰を入れて調査しますし、絶対痕跡を辿られて捕まっちゃうと思うんです」

看護師「だから……」

刑事「全員を発狂させた……と」

看護師「はい、錯乱しただけなら、警察も大して介入してきませんので」

看護師「被害者の身体に一切外傷が無く薬品を盛られた形跡もないなら尚の事です」

看護師「実際、この事件の事について本気で調査してるのは貴方だけですよね?」

刑事「……」

看護師「刑事さん、会話で時間を稼いで麻酔が切れるのを待ってるんですか?」

刑事「くっ……」

看護師「無駄ですよ……あと2時間は切れません」

看護師「刑事さん、私はね、貴方の事、わりと好きでしたよ」

看護師「だから、貴方には味わってほしいんです」

看護師「私の練習結果を」

看護師「今までいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい練習したんです」

看護師「一歩一歩お医者さんに近づいてると思うんですよ」

刑事「……いいや、お前の夢はここで行き止まりだよ」

看護師「そうですか?」

刑事「ああ、終わりだ、マホトー……」

看護師「今ここで私の呪文を封じても私は貴方を殺しますよ」

刑事「……!」

看護師「いいんですか?貴方が死ねば、世の中の呪文使い達を律する手段が消えます」

看護師「しかも、私はザオリクが封じられても罪を隠しきるだけの自信があります」

看護師「貴方が騙されていたようにね?」

刑事「……私に、お前の罪を見逃して命乞いをしろと言うのか?」

看護師「違いますよ、貴方は命乞いをする必要はありません」

看護師「最後まで耐えきればいいのです」

看護師「私が諦めるまで」

看護師「私の意志が折れるまで」

看護師「殺され続けてくれればいいんです」

看護師「そうして最後まで発狂しなかったなら」

看護師「貴方の勝ちです」

看護師「その時は、解放してあげますよ」

刑事「……」

看護師「さあ、どうしますか?」

看護師「私の呪文を封じて殺されますか?」

看護師「それとも、最後まで耐え抜いて解放されますか?」

看護師「選ぶのは貴方です」

 




彼は115ラウンドまで耐えました




 

魚屋「はあ、最近腰が痛くてたまらんのじゃ……」

看護師「ちゃんとお薬は飲んでますか?寒い所での仕事なんですから、気をつけないとだめですよ?」

魚屋「はぁ、若い頃はこんなじゃなかったんじゃがのう……」

看護師「歳を考えてください」

魚屋「判ったよ、看護師さん……」


刑事「……」ブツブツ


魚屋「……なんじゃあの人は?ブツブツ呟きよって」

看護師「ああ、先日、病院の前で倒れてた患者さんですね」

看護師「残念ながらちゃっと精神を病んでおられるようで……」


刑事「俺は耐え抜いた、耐え抜いたんだ、ふひひひ」ブツブツ


魚屋「若いのに、可哀想じゃのう……」

看護師「ええ、本当に……そろそろ精神科の方に入院してもらう予定です」

魚屋「わしも、ああはなりたくないもんじゃ……」

看護師「きっと大丈夫ですよ、魚屋さんはシャッキリしてらっしゃいますし」ニコ

プルルルー


看護師「あら、電話が……」

魚屋「病院内で携帯なんぞ持っていいのかの」

看護師「えへへ、秘密ですよ?」

魚屋「今度デートしてくれたら黙っててやるのじゃ」

看護師「もう、魚屋さんったら……」ピッ


「もしもし、私ですけど」


看護師「ああ、アバカム使いさんですか」


「刑事さんの件、あれからどうなりました?」


看護師「はい、ちゃんと練習台になっていただきましたよ」


「それは良かったです」

「あの方を放置しておくと、私の組織全体の損失につながる可能性が高かったですからね」


看護師「私としては刑事さんと直接対決するのは避けたかったんですけどね?」

看護師「あの方、良い方でしたし、それなりにリスクもありましたから」


「はいはい、それに見合うだけの報酬は渡しますよ……」

「今送信しました、この国にいる全ての呪文使いの所在地です」


看護師「はあ、やっとゲットできましたか……」

看護師「今までは呪文使いの所在地を探るの、苦労してましたからね……」


「私と出会えたお陰で効率はぐんと上がったでしょう?」

「いやあ、それにしても最初はびっくりしましたよ」

「噂に聞くザオリク使いさんのパソコンを調べてみたら殺人を撮影した映像が出て来るんですもん」


看護師「殺人じゃないです、治療の映像です」


「はいはい……」

「ああ、それと約束は忘れないでくださいね?」


看護師「ああ、貴方達の組織の呪文使いは狙わないようにって約束ですか?はいはい、覚えておきますよ」


「お願いしますね?正直、貴方とは敵対したくありませんので」


看護師「私も貴方とは敵対したくありませんね」


「それは良かったです、では、今後もよい関係を築いていきましょう」


看護師「はいはい」



ピッ



看護師「はあ、今後は監視カメラとかに映らないように行動しないと」

看護師「面倒ですねえ……」

看護師「気を取り直して、えーと呪文使い達の所在は……と……」ピッピッピッ

看護師「……あら」

魚屋「看護師さん、電話は終わったかの」

看護師「はいはい、今終わりましたよ~」

魚屋「それで、デートの話はどうなったんじゃ?」

看護師「……魚屋さん、デート、したいですか?」

魚屋「勿論じゃ!」

看護師「もう……仕方ないですねえ、じゃあ今晩、魚屋さんのお家にお邪魔しますので……」

魚屋「うひょー!言ってみるもんじゃ!」



看護師「お部屋を奇麗にして、待っていてくださいね」ニコリ








つまりモシャスだと、「目の前の誰かに何度でも変身できるけど元の姿には永遠に戻れない」し、レムオルだと「未来永劫透明人間」になるのか。
他にもなんか「こんなはずじゃなかったのに」ってなりそうな呪文あったっけ?

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