ほむら「雨」 (16)


初投稿です

何かありましたら助言くださると助かります

少しだけ叛逆ネタバレ注意

あと、かなり短いです


次から本文です


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―――雨が降っている。



それは冷たく降り続けて、私の体を濡らしていく。

でも、不思議と寒さは感じなかった。

目の前には、もう目を開けることの無い、私の大切な人がいる。


ほむら「どうして……?目を開けてよ!」


もう何度も呼びかけている。

だが、返事はない。

動く気配を感じることも、もう出来なくなっていた。


ほむら「返事してよ!鹿目さん!」

ほむら「まどか!」


何も答えてくれない。

耳に入るのは、ただ無慈悲に降り続ける雨の音だけ。



雨が、降っていた―――


―――雨が降っている。



私の前には、私の大切な人。

聞こえるのは、雨が降り続ける音だけ。

……前と同じ状況だ。

違うのは二つだけ。

一つは、自分もこの人と同じ存在であるということ。


ほむら「……まどか……」


もう一つは、彼女を殺したのは私だということだった。


もう既にずぶ濡れの私を、雨はさらに濡らしてゆく。

どこまでも、どこまでも、濡らしてゆく。


ほむら「……っ」


もう、行こう。

まだするべきことがある。

希望は残っている。

私は、彼女との約束を果たさなければならない。

たとえ、それがどんなにつらくても。



雨が、降っていた―――


―――雨が降っている。



私の大切な人は、いま私の目の前にいる。

彼女は今、世界を呪っていた。


ほむら「……また、駄目だったのね」


雨は非情に私を打ちつけている。

服が、体が、濡らされていく。

すっかり冷えた私の心を、さらに冷やしていく。


ほむら「まどか…、ごめんなさい……」


つらい。

どれだけこの光景を見てきたかわからない。

何度も絶望しそうになった。

希望を感じることも少なくなっていた。

それでも私は、あの子との約束を果たしたい。

こんな運命を変えたい。


絶対に、変えてみせる。



雨が降っていた―――


―――雨は降っていなかった。



それどころか、曇る気配もない。

よく晴れていた。


目の前には、一人の魔法少女。

私の、誰よりも大切な人。


初めてあの子と会ったとき、私は助けられた。

そして、今もあの子に助けられようとしている。


ほむら「………………」


真剣な顔で弓を構える彼女は、かっこよくて。

でも、どこか優しい雰囲気を放っている。


「もう、大丈夫だよ」


あちこちが痛い。

さっきまで戦っていたからだろう。

でも、不思議と体は軽かった。



雨は、降っていなかった―――


―――雨は降っていなかった。


空はよく晴れていた。

雨が降る気配はない

陽射しがとても暖かい。

風が、暖かく、静かに吹いている。


ほむら「……ふふっ」


今この世界に、あの子はいない。

でも私は、私の大切な人のことを覚えている。



彼女とはまた、いつか会える。

でも、それはいつかは分からない。



ふと、彼女のことを思い出すことがある。

そんな時、決まって私の心は締め付けられる。


会いたい。

彼女に。

まどかに。



雨は、降り続いていた―――


―――雨が降っている。



雨には、なんだか良くない思い出があった気がする。

具体的に何があったのか、思い出せる訳じゃないけれど。


今、私はとても幸せだと思う。

まどかや美樹さん、巴さんとベベ、佐倉さん。

みんなと一緒だと、とても楽しい。

ナイトメアとの戦いは、まだ少し怖いけど。


ほむら「……………」


でも、何だろう。

何かが引っかかる。

それが、私の心を曇らせている。

ちょうど今降っている雨のように。



雨が、降っていた―――


―――雨が降っている。



私は雨が嫌いだった。

とても嫌な思い出しかないから。

雨と共に思い出すのは、かつての希望と、大きな絶望。

私は今も、それに振り回され続けている。


ほむら「……………」


だが、それは自分で選択したことだ。

私はまどかが幸せならそれで良い。

たとえどんな存在になったとしても。


雨はまだ止まない。

いつまでも降り続いている。

いつか、この雨が止む日は来るのだろうか……。



雨が、降っていた―――














まどか「雨、降ってるね」

ほむら「そうね」

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「……ほむらちゃんって、雨は嫌いだったりする?」

ほむら「どうして?」

まどか「なんだかほむらちゃんの顔、少し固くなってるような気がしたから……」

ほむら「……そう」

まどか「あっ、ご、ごめんね?」

ほむら「ううん、気にしないで」

ほむら「そうね、確かに雨は嫌いかもしれないわ」

ほむら「あまり良い思い出がないの」

まどか「そうなんだ……」

ほむら「……」

まどか「……」


ほむら「……でも」

まどか「?」

ほむら「あなたと一緒なら、雨の日も少し楽しいかもしれないわね」

まどか「そうなの?」

ほむら「えぇ」

まどか「……そっか」


ほむら「……ふふっ」

まどか「えへへ」











―――雨は、止んでいた。











おわり

ええぞ

>>11
どうもです

ありがとうございます。

初めての投稿だったけど楽しく書けました。

また何か書くつもりなんで、見つけたらよろしくです。

まぁ、たぶんまどマギSSしか書けないだろうけど。

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