穂乃果「甲子園を目指そう!」 (100)


”アイドルではなく女子野球が流行っていたら”という設定


野球というスポーツの関係上、登場人物はスクフェスキャラなどで補っています
苦手な方はご遠慮ください


ラ!板の方で落ちたのでSS速報の方で進めようと思います。
週一1話ペースを目標にして頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466689717

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#0 エピローグ




7年前 夏 高坂家




実況「さぁ、音ノ木坂学院!栄冠を手にするまで、あとアウト一つですッ!!」

穂乃果「うぅ、頑張れ...頑張れ...!」




ほのママ「穂乃果~、ちゃんと宿題しなさいよー」


穂乃果「この試合が終わってからやるーっ!!」


カキンッ! 穂乃果「あっ!」



実況「ボールは高く上がって??キャプテン山田が大きな声を上げてッ!???取りましたッ!!!」


実況「音ノ木坂学院ッ!数多の高校、クラブチームを破り、15年振り二回目の優勝を成し遂げました!!」



穂乃果「やっったぁ!!」



穂乃果「お母さん!お母さん!、オトノキ勝ったよっ!」グイグイ

ほのママ「あらら、まさか本当に優勝するとはねぇ・・・」


ほのママ「そっか、あれからもう15年経つんだ...」



穂乃果「?・・・ねぇ、お母さん。ほのかもオトノキのお姉ちゃんみたいになれるかな??」

ほのママ「・・・そうねぇ」


ほのママ「そうだ、穂乃果。野球で一番必要なこと教えてあげる」


ほのママ「どんな厳しい状況でも、諦めない心よ」


ほのママ「それさえあれば、大抵なんとかなるものよ」フフッ



穂乃果「諦めない・・・心」



穂乃果「???うん。わかった!じゃあ海未ちゃんとことりちゃん誘って練習してくるね!」ダッ


ほのママ「ふふっ、いってらっしゃ???って穂乃果!宿題は?!」


穂乃果「帰ってからやる~っ!」




私もいつか、あの場所へ?????




穂乃果「甲子園に行くんだっ!!」



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#1 穂乃果「ファイトだよっ!!」




2012年ーーー夏



甲子園都大会 東東京地区予選 一回戦

音ノ木坂学院-紫苑女学院





ツバサ「ひどい試合ね...」



思わずそう呟いてしまうほどだった。


高校野球で弱小高と強豪高が当たるのはよくあることだ
そして、大方の予想通りに試合の勝敗は決まる


でも、この試合はーーー試合として成り立っていない





初回からエラーが絡んで4失点。そのまま毎回エラー、失点し、ついに5回裏までで0-9。そして今なお無死一、三塁のピンチ



あと一点でコールドゲームが成立する
もはや観客も、両チームでさえもそれを望んでいるかもしれない



観客1「あの投手、一年生だよね?一回戦から紫苑とかかわいそ~」



ツバサ「・・・・・」







ズバンッ!



主審「ストライクッ!バッターアウト!!」


音ノ木坂のピッチャーはこの点差を表すほど悪くない
今ので三振は7個目だ




ツバサ「・・・確か名前はーーー」




高坂穂乃果





ズバンッ!



主審「ストライクッ!バッターアウト!」



ツバサ「また三振...!」


いいストレートだ
見たところ変化球はカーブだけらしいが、2球種のみで強打が持ち味である紫苑の打者を三振に取るのは容易ではない




ツバサ「でも、次のバッターは・・・」



アナウンス『4番サード、志賀さん』


志賀仁美。2年生ながらも東東京屈指のスラッガーであり、この試合でも4打数3安打4打点を記録している


アナウンスが流れ終わった瞬間、キャッチャーがタイムをとった



ツバサ「さて、どう打ち取る?・・・高坂穂乃果さん?」

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佐藤(3年)「で、なんとか2、3番は打ち取れたんだけど...」


ヒデコ「次の4番をどうするか...ですね?」


佐藤「そ、私は敬遠でもいいと思うけど...穂乃果はどう?」


穂乃果「大丈夫です!この回絶対抑えますっ!」


佐藤(聞きたいのは意気込みじゃなかったんだけどな...)


佐藤「・・・ことりはどう思う?」




ことり「え~と、今日は次の5番打者にも打たれてるから、敬遠はあんまりよくないんじゃないかな?って思います」


佐藤「・・・なるほど」


フミコ「確かに、メリットは少ないかもね」


佐藤「・・・うん。じゃあ4番と勝負ってことで???頼むよ、穂乃果」


穂乃果「はいっ!この回抑えて、逆転しましょう!」


ミカ「あはは、そうだね...」



穂乃果「あ、先輩っ!」


佐藤「ん、どうした?」


穂乃果「例のボール、投げてもいいですか?!」ワクワク


佐藤「例の...あー、あれか・・・追い込んだらな」


穂乃果「ありがとうございます!」




穂乃果(あと一点取られたらコールドゲームだけど)フゥ


穂乃果(そんなこと、絶対にさせない)


穂乃果(このピンチを抜ければ、流れは絶対にこっちに来るんだから!)


穂乃果(絶対に、絶対に負けるもんか!ーーーよーしっ!) クルッ





海未「・・・穂乃果?」


ことり「ほ、穂乃果ちゃん??」



穂乃果「この回!、穂乃果が絶対に抑えるからみんな・・・ファイトだよっ!!」



穂乃果「ライトの海未ちゃんもしっかりたのむよ~っ!」ブンブンッ


海未「なっ...!」


ことり「穂乃果ちゃん...!」


佐藤「穂乃果...!!」






志賀(いい意気込みだな・・・)

志賀(だが、ここで決める!)ギュッ



佐藤(まずは初球...!)パッ



穂乃果「」コクッ



シュッ! ズバンッ!



主審「ストライクッ!」



佐藤「ナイスボールッ!」シュッ


穂乃果「」ニコッ  パシッ








グッ シュッ!!



カキンッ!



審判「ファール!!」


佐藤(よし、追い込んだ!)



実況『2球で追い込みました、高坂!』



志賀(2球続けてストレートか)


志賀(おそらくこの場面で3打席目に捉えたカーブはない・・・)


志賀(ストレートに山を張る!)ギュッ





佐藤(有利なカウントだし、ここは一球外して・・・)パッ


穂乃果「」フルフル


佐藤(・・・もしかして、こっち?)パッ


穂乃果(おぉー!!)コクコクッ!!


佐藤(顔に出過ぎよ、顔に!)


佐藤(思いっきり腕振りなさい!)バスッ





穂乃果(雑誌でたまたま見たボールだった)



穂乃果(精度なんて、まだ全然なんだけど)フゥ



穂乃果(このボールで・・・)グッ



穂乃果(決めるっ!!)シュッ!!





志賀(来たっ!ストレー?????!!



ストン?????スカッ



主審「ストライクッ!!バッターアウト!」



穂乃果「やった....?!」




#1 穂乃果「ファイトだよっ!!」 終わり

今日はここまでです。ダッシュの記号って文字化けするんですね・・・
?が続く所はダッシュに置き換えて読んでくださると助かります

ラブライブ板からの移転?

>>25
>>1

いきなりエピローグから始まるんだな

>>26
3話までは載せたのですが、4話を投下しようと思った時には落ちてました...
その時のレスでSS速報がいいと聞いたので移転しました
>>27
完全にやらかしました。何度も見直したのですがああああ
ダッシュの文字化けといい、初っ端からグダグダですね
こんなSSですが2話も見てくださるとこれ以上のモチベーション、喜びはありません。よろしくお願いしますm(_ _)m

再開します

#2 完敗からのスタート




佐藤(よしっ!打ち取っ・・・あれ)



こんなに落ちたか?―――――



パスッ





主審「ストライクッ!!バッターアウトッ!」



志賀(今のボールは・・・まさか)



坂巻千鶴「番長ッ!キャッチャー、ボール逸らしてる!!」


志賀「え?・・・ッ!!」ダッ


兵藤さゆり(ホーム狙えるっ!)ダッ!







穂乃果「先輩...?」


ことり「穂乃果ちゃんっ!、ベースカバー!!」

穂乃果「あっ.....!!」ダッ



佐藤「穂乃果っ!」シュッ!

穂乃果「先輩ッ!――――パシッ



主審「・・・セーフ!セーフッ!!」




実況『あーっと!!音ノ木坂バッテリー、4番の志賀を空振り三振に切って取るも、痛恨のパスボールッ!!』


実況『そしてこの瞬間ッ!コールドゲームが成立し、音ノ木坂学院、一回戦で敗退です!』




穂乃果「そ、そんな...」



ことり「穂乃果ちゃん・・・」



海未「穂乃果・・・整列です」



穂乃果「・・・・・」



佐藤「穂乃果・・・ごめん」



穂乃果「―――――っ!」






主審「ゲームッ!!」




全員『ありがとうございましたっ!!』





音ノ木坂学院-紫苑女学院 0-10 (5回コールド)




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ツバサ「終わったか・・・」



ツバサ(最後のボールは...フォークかしら?えらく落ちたように見えたけど...)



ツバサ(もしも、あの落差のあるフォークとストレートを織り交ぜた投球ができれば...)



あんじゅ「ツバサ~、そろそろ集合するわよー」



ツバサ「・・・今行く」スッ



ツバサ(来年、楽しみにしてるわ。高坂穂乃果さん)フフッ



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絵里(・・・やっぱり負けちゃったか)



絵里(でも、急造チームで強豪相手にみんなよく頑張ったほうよ)パチパチ




生徒A「あれ、音ノ木負けてる??強豪って聞いたんだけど」



生徒B「昔はね~、今は紫苑とUTXの2強が争ってるって感じだよ」



生徒A「そーなんだ~、なんか残念」




絵里「・・・・」ギュッ







???「おーいっ!絵里ち!」



絵里「・・・希?!今日試合なの?」



希「お昼からね。昨日教えてたらよかったなぁ」



絵里「そうだったのね。私は中学の時の後輩を観に来たの・・・にこは?」



希「にこっちは――――あっ、にこっち~!!」ブンブン







にこ「なによ・・・あら、絵里じゃない」



絵里「にこ...そのユニフォーム、似合ってるわ」



にこ「でしょう?・・・・よかったら、また私たちと野球やらない??」



にこ「きっと、絵里の実力ならすぐにでもレギュラーに
―――」






絵里「前にも言ったはずよ。私はクラブチームに入るつもりはないって」



にこ「・・・ほんっとブレないわね...今の音ノ木じゃ試合には出れても、上には行けないわ」



にこ「この試合の様に、ね―――行くわよ希」



希「もうにこっち!...ごめんね、絵里ち」



絵里「・・ううん、にこの言うことは事実だから」






希「・・・よかったら、午後からの試合観てってくれへんかな?今年の大会、結構自信あるんよ」



絵里「ええ、そうさせてもらうわ。試合、頑張ってね」



希「あんがとさん。また後でな」タッ






絵里(”上には行けない”、か...にこらしいわね)



絵里(・・・穂乃果達の所に行ってみようかしら)スッ




???「あっ、あのっ!!」



??「絵里ちゃん...だよね?」



絵里「あら、貴方達は―――」





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佐藤「――――じゃ、ミーティングはこれで終わり、解散!」



全員『ありがとうございましたっ!』





佐藤「穂乃果、ちょっと」



穂乃果「・・・!はいっ」








佐藤「いやー、最後のフォーク。練習以上に落ちたな」



穂乃果「本当に...すみませんでした」


佐藤「いや、謝らなくていいんだ。あのピンチを抑えたいって気持ちが、ボールにこもってたよ」



佐藤「むしろ...感謝したいんだ」


穂乃果「・・・え?」


佐藤「穂乃果達が入ってきた時も嬉しかったけど、ヒデコ達3人を連れて来て、公式戦に出れるってなった時...本当に嬉しかったんだ」



佐藤「音ノ木のユニフォーム着て試合するのが・・・夢だったから」



穂乃果「先輩...」







佐藤「で、本題なんだけど...次のキャプテンは穂乃果に頼みたいって思ってる」



穂乃果「穂乃果がですか?!」



佐藤「うん。穂乃果には....なんだろう、人を引っ張る力がある思うんだ」



佐藤「キャプテンだからって、気負うことはない。穂乃果の思うようにやってくれて構わない」



佐藤「・・・やってくれるな?」




穂乃果「・・・はい!頑張りますっ!」


佐藤「その返事が聞けて安心したよ」ニコッ


佐藤「後は頼むよ、新キャプテン!」

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穂乃果「キャプテン・・・かぁ」



ことり「ほのかちゃ~ん!」ブンブン



穂乃果(・・・!あれは!)



穂乃果「絵里ちゃん!・・・と花陽ちゃんに凛ちゃん?!」






絵里「おつかれ、穂乃果」



花陽「久しぶりだね、穂乃果ちゃん」



凛「穂乃果ちゃん、全然変わってないにゃ~」



穂乃果「そんなことないよっ!身長伸びたもん!」



海未「ふふっ、この6人といえば小学校の頃を思いだしますね」



ことり「そうだね~県大会まで行ったんだよね」



穂乃果「あれ?ヒデコ達は??」



海未「初めての試合で疲れたので、先に帰らせてもらうと」



穂乃果「そっか、お礼言いたかったな」








絵理「・・・試合は残念だったわね」



穂乃果「うん・・・あ、さっき先輩にキャプテンやって欲しいって頼まれたんだけど...どうかな?」



海未「・・・?特に問題はありませんが?」



ことり「ことりも賛成だよ♪」



穂乃果「そ、そうかなぁ・・・では改めまして」コホンッ



穂乃果「新キャプテン、高坂穂乃果!頑張りますっ!」









穂乃果「そういえば、二人は音ノ木坂が第一志望だったよね?」クルッ



花陽「うん、私は野球を続けたいって思ってるよ♪」



穂乃果「おぉ!!」



ことり「これで新入部員0人はなさそうだね!」



穂乃果「・・・凛ちゃんは今陸上部だったよね...」



凛「凛は楽しかったらどっちでもいいかな~」



花陽「凛ちゃんは今度関東大会に出場するんだよっ」ドヤッ



海未「それはそれは・・・凛は小学校の時から足が速かったですものね」



穂乃果「うーん・・・まずは部員集めか...」




凛「かよちん、お腹減ったにゃ~」



花陽「あ、もうこんな時間なんだね・・ラーメンでも食べに行こっか?」



凛「!行く行くっ!穂乃果ちゃん、キャプテン頑張ってねっ!」



花陽「私たちはこれで失礼します」ペコリ



穂乃果「うんっ!またねー!」




海未「絵里は今からどうしますか?」



絵里「私はもう少し試合を見ていくわ」



絵里「いろいろ大変だと思うけど...困ったことがあったら言ってね。いつでも相談に乗るから」



穂乃果「うんっ!今日は来てくれてありがとう、絵里ちゃん!」




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穂乃果「はぁ~・・・」


海未「さっきからずっとその調子ですね」


穂乃果「・・・先輩がね。試合に出れただけでも嬉しかったんだって、言ってたんだけど」


穂乃果「でもやっぱり、一番悔しかったのは先輩だと思うんだよね」


ことり「穂乃果ちゃん・・・」


穂乃果「ほのかは・・・もう今日みたいに後悔したくないよ」ピタッ







実況『音ノ木坂学院!甲子園優勝ッ!!』
 









穂乃果「・・・・」


穂乃果(大切なのは・・・諦めない心)ギュッ





穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん。私、甲子園に行きたいっ!」



穂乃果「もしかしたら、あと2年間試合に出ることさえもできないかもしれない」



穂乃果「・・・人数不足で廃部にもなるかもしれない」



穂乃果「でもっ!あと2年間続けるなら、最後まで頑張って・・・納得して終わりたい!」



穂乃果「私たち3人ならできると思うんだ―――だからっ!」





海未「・・・ふふっ」



海未「凛の言っていた通り、中学の頃から全く変わっていませんね」クスッ 



海未「いいでしょう。やるからにはあくまでも目標は高く...それが園田家の家訓」



海未「絶対に甲子園に行きましょうね、穂乃果」ニコッ



ことり「穂乃果ちゃんは小さい頃からずーっと甲子園に行くんだ~って、言ってたよね」



ことり「微力ながら、ことりもお供させてもらいます♪」







穂乃果「海未ちゃん・・・ことりちゃん・・・っ!!」



穂乃果「よーしっ!そうと決まれば、いつものあれやるよっ!!」



海未「こ、こんな広場で・・・恥ずかしいです」



ことり「一致団結といえばあれだよね♪」




穂乃果「だよねっ!―――よーし、いくよ!!」



穂乃果「音ノ木坂ーーー!ファイトぉ!」



3人「おぉーーー!!」




#2 完敗からのスタート 終わり

#3 絵里「やりたいことは」




??「・・・ぞみ、絵里。私の...私の夢はね」


??「私達3人で...音ノ木坂で甲子園に行くことっ!!」


??「だからっ!!――――」







絵里「―――――ッ!!」ガバッ



チュンチュン チュンチュン




絵里「夢...か」




絵里(あれからもう一年経つっていうのに...)



絵里「どうやら私も、貴方の夢を諦めきれてないみたいね・・・」




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海未「よーい、スタート!」



穂乃果「行くよ、ラストもう一本っ!」ダッ





これが私、高坂穂乃果。一年生!
音ノ木坂学院野球部のキャプテンやってますっ!



この前の夏大会は負けちゃったけど...新しく甲子園出場っていう目標を決めることができた。
ただいま絶賛朝練中!頑張るぞっ!!







穂乃果「も、もう無理っ」バタッ


ヒデコ「さ、流石に朝から男坂はキツイね...」


海未「いえ、ヒデコ達はともかく、ピッチャーである穂乃果がこのくらいでへばっていては困ります」


穂乃果「えーっ?!海未ちゃんの鬼ぃ!」



海未「ことりは最後まで走れていましたね」


ことり「うんっ!短距離走は苦手だけど...持久走なら負けないよ♪」


穂乃果「うぅ...もっと頑張らないと!」



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海未「一応、今週の練習メニューを作ってはみましたが...なかなか難しいですね」



フミコ「そうだね。ノックにしても人数が少ないからどうしても球拾いに時間がかかるし...」



穂乃果「うーん、練習メニューか...」





穂乃果(・・・あれ?そういえば中学の時はいつも...)



穂乃果(・・・・・!!)




穂乃果「あーーーっ!!」



海未「い、いきなり大声を出さないでくださいっ!」



穂乃果「野球がうまくてアドバイスが上手な人・・・近くにいるよっ!」



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昼休み 2年生クラス



希「絵里ち、お昼食べよ~」



絵里「いいわよ―――土曜日の試合見たわ。強いわね、武蔵野ドルフィンズ」



希「うん、今年はピッチャーがええからな。ウチもリードしがいがあるよ」



絵里「応援してるわ。頑張ってね」




希「・・・・・」



希「あんな絵里ち。やっぱり、ウチも絵里ちと一緒に―――」




穂乃果「たのもーーーっ!!!」ガラッ!!



ことり「ほ、穂乃果ちゃん。そんな乱暴に開けたらダメだよぉ...」



穂乃果「あ、そうだった...コホンッ、絢瀬絵里さんに用事があって来ました」




希「あの子は確かピッチャーの...?」


絵里「まったくあの子は...ちょっと行ってくるわ」スッ



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絵里「で、何の用?」



穂乃果「単刀直入に言うよっ―――野球部に入ってくださいっ!」



絵里「!・・・」



絵里「急に私のクラスにまで来たからなにかと思えば...」フゥ



絵里「残念だけど...もう野球はやらないって決めてるの」



ことり「そんな・・・!」



海未「・・・絵里は一年の夏までは音ノ木坂の部員だったと聞きました」



海未「絵里が途中から野球を投げ出すなど私には考えられません...何かあったのですか?」



絵里「・・・確かに理由はあるけど...それは言えないわ」



絵里「もう、この話はいいでしょ?―――そうだ、時間がある時は私がノックしてあげるわ。そういう形でなら―――――」








穂乃果「それじゃダメなんだよっ!」




海未「私たち、音ノ木坂で甲子園に行くって決めたんです」




絵里「・・・え?」




ことり「絵里ちゃん、中学の時よく私たちにアドバイスしてくれてたから...」




ことり「甲子園に行くには、絵里ちゃんの力が必要なのっ!」





3人「お願いしますっ!!」







絵理「・・・音ノ木坂で、甲子園...?」ボソッ






穂乃果「・・・絵里ちゃん?」




絵理「・・やっぱり、1日考えさせてもらうわ。返事は明日でいいかしら?」





穂乃果「ほ、本当っ?!ありがとう!」




絵里「ええ・・・じゃあ、また明日ね」




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絢瀬家




絵里「・・・疲れた」ドサッ





絵里(・・・なんで誘いを断っちゃったんだろう)




絵里(音ノ木坂で野球をすることは...むしろ望んでいたはずなのに)




絵里(・・・本当に野球が嫌いになってしまったから?...いや、もっと何か別の理由が――――)





コンコンッ




亜里沙「お姉ちゃん、入っていい?」




絵里「あら、亜里沙。どうしたの?」




亜里沙「久しぶりにキャッチボールしない?」




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亜里沙「いくよーっ!えいっ」シュッ




パシッ




絵里「ナイスボール、だいぶフォーム良くなったんじゃない?」シュッ




パシッ




亜里沙「本当っ?!お姉ちゃんに褒められると嬉しいなぁ」エヘヘ 




絵里(一年ぶり...ね。懐かしいわ)




亜里沙「・・・ねぇお姉ちゃん。アメリカであった最後の試合、覚えてる?」シュッ




パシッ




絵里「最後...国際大会の?もちろん覚えてわ」シュッ





パシッ





亜里沙「あの時、最終回でお姉ちゃんがサヨナラヒット打ったでしょ?」




亜里沙「亜里沙、とっても感動して...私も野球やりたいって思ったんだ」




亜里沙「今、亜里沙がこうやって野球やってるのもお姉ちゃんのおかげなんだよ」




絵里「・・・そうだったんだ」シュッ





パシッ







亜里沙「お姉ちゃんは...今の生活楽しい?」シュッ





パスッ





絵里「・・・どうして?」





亜里沙「亜里沙はね、今のお姉ちゃん。すごく退屈そうに見えるの」




亜里沙「去年の夏はとっても楽しそうに見えたから」




絵里「っ!それは....!」




亜里沙「亜里沙は...また野球やってるお姉ちゃん、見てみたいな・・・」




絵里「亜里沙・・・」



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翌日




チュンチュン チュンチュン




絵里(昨日の亜里沙とのキャッチボールでやっとわかった)




絵里(私は野球を嫌いになんて...なってない)




絵里(にこと希...私達3人で野球することと、音ノ木坂で甲子園を目指すこと。私は一方でも欠けたら嫌なんだ)




絵里(だから、にこと穂乃果の誘いを断った)




絵里(そして...どこかで私はあの二人が戻ってくることを期待していた...それも二人の方から来る事を)




絵里(そんな都合のいいことを、ずっと考えていた)




絵理(私は、にこと希と、もう一度音ノ木坂で甲子園を目指したい―――そのためには・・・)




絵里「ごめんね、にこ.....私も貴方の夢をあきらめたくないの」



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音ノ木坂グラウンド






海未「そろそろ約束の時間ですね」



穂乃果「はぁ~、緊張する...」



ことり「絵里ちゃん、本当に野球やりたくないのかなぁ...」



海未「・・・いえ、絵里には何か迷いがあるように見えました」



海未「その迷いを私達で払う事が出来ればあるいは――――」





タッタッタッ




絵里「おはよう、遅れてごめんね」




穂乃果「ううんっ!全然!」




穂乃果「それで、昨日の返事の事なんだけど・・・」




絵里「そうね―――」







3人「」ドキドキ




絵里「こちらこそ、よろしく頼むわ」




穂乃果「ほっ、本当に?!」




海未「いいのですか?!」





絵里「昨日いろいろあってね...でも、一つだけお願いがあるの」




絵里「去年の夏に退部した矢澤にこと東條希を...野球部に復帰させることに協力してほしい」




穂乃果「矢澤先輩と・・・」



ことり「東條先輩??」







絵里「ええ、二人とも元々は私と同じ時に入部したの」




絵里「私たちも穂乃果達みたいに”甲子園に行くんだ”って張り切ってたのよ?」




絵里「でも、去年の今頃かしら...二回戦で負けてしまって」



絵里「それから3年生が抜けて...部員が7人になっちゃって、秋大には出れなくなったの」




絵里「にこのことだから、このままじゃいけないって思ったのね...私と希を誘って武蔵野区のクラブチームに入ろうとした」




絵里「希は結局、にことクラブチームに入ったんだけど...私は何度考えても納得できなくて、野球をやめた」




海未「そんなことがあったのですね...」




絵里「ええ・・・今になって、あの時二人を止めていたら...なんて思ったりして」




絵里「でも、やっとわかったの。自分が何がしたいか・・・何をすべきか―――」






絵里「私は、音ノ木坂で甲子園に行く。にこと希と――――穂乃果達と一緒に」




絵里「自分がわがまま言ってるのは分かってる 。でも...もう何も行動しないで終わりたくはないの」




ことり「絵里ちゃんがそこまでこだわるなんて...それほど二人は野球が上手で、一緒にやってて楽しかったってことだよね」




絵里「ええ、甲子園に行くには必要不可欠な選手だと思ってるわ」




穂乃果「おぉ...なら、何としても野球部に戻ってもらないとっ!」




海未「そうですね。絵里が見込んだ選手なんて、そうはいないですから」




絵里「穂乃果達の甲子園に対する気持ちを話せば、きっと二人も分かってくれるわ」




穂乃果「・・・確かに、今は矢澤先輩と東條先輩が気になるけど―――まずは」




穂乃果「おかえりなさいっ!絵里ちゃん!」スッ




絵里「!・・・ありがとう。こちらこそよろしくね、穂乃果」ギュッ




穂乃果「うんっ、一緒に頑張ろう!」ニコッ



ーーーーーーーーーーーーーーー




一週間後





絵里「ショート、いくわよ!」カキンッ





ミカ「はいっ!」パシッ





シュッ スパンッ





ことり「ナイスボール、ミカちゃんっ!」




絵里「ナイスプレー!余裕があるなら、もう少しスローイングを楽にしてもいいわ」




ミカ「わかりましたっ!」






穂乃果(絵里ちゃんの提案で、この夏は守備を強化することになった)




穂乃果(なんでも、絵里ちゃんが1年生の時に”高校野球は守備が命よっ!”って口酸っぱく言われてたらしい)




穂乃果(穂乃果はやっぱり、打ったり投げたりする練習の方が好きだけど...)




穂乃果(絵里ちゃんにアドバイスを受けて、色々わかりはじめて―――守備練習も楽しいのかなって思ってきちゃった)




穂乃果(本当に―――絵里ちゃんが入ってくれて良かった!)





絵里「次、サード!いくわよっ!」




穂乃果「よーしっ!ばっちこーーい!!」





ーーーーーーーーーーーーーー





絵里「―――これで午前練は終わり。お昼食べて、また午後から頑張りましょう」




全員「お疲れさまでしたーー!」






絵里「――――あ、そういえば...」




海未「どうかしましたか?」




絵里「今日、希とにこがいるクラブチームの3回戦の試合があるのよ」




絵里「その相手が確か――――」



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明治神宮球場





東東京都大会予選3回戦





UTX学園ー武蔵野ドルフィンズ






\U・T・Xッ!!、U・T・Xッ!!、U・T・Xッ!!/





にこ「さすが3年連続甲子園出場校ね」




希「知らない人がこの応援を見たら決勝戦やってるように見えるかもなぁ」




にこ「・・・で、今日の村上先輩の調子はどうなの?」




希「・・・正直、今まで受けてきた中で一番シュートのキレがある。上手くリードできれば...あのUTXでも抑えきれると思う」




にこ「・・・そう」チラッ




ツバサ「・・・ッ!」シュッ!





スパァン!!




あんじゅ「ナイスボール♪」





\ドワァァアアアアアア!!/





にこ「あちらも絶好調のようね」フゥ




希「投球練習だけなのに大盛り上がりやなぁ」






希「もしかしてにこっち...緊張してる?」




にこ「・・・当たり前でしょ。まさか、2年のうちに当たるなんて思ってなかったし」




にこ「・・・でも緊張はしていても、怯んだりとか遠慮とかは全然感じない」




にこ「それに、この試合に勝てば目標のベスト8どころか甲子園も十分狙える」




にこ「あと4つで甲子園なんだから...あんたも死ぬ気でプレーしなさいよ」




希「うん...わかってる。やっと、いつものにこっちに戻ってきた」ニコッ 




希「自分ができることを最大限に...それだけのことやん?」





実況『ベスト16まで絞られた第3回戦!UTX学園対武蔵野ドルフィンズ、間もなく試合開始です!!』





にこ「さぁ、いくわよ希!クラブチームの底力、見せてやろうじゃないっ!」





#3 絵理「やりたいことは」 終わり




1話ごとにキャラ紹介を入れようと思います。
あと次の4話は試合回なので球速表示が出てきますが、140キロみたいなありえない数字が出ます
雰囲気をだすための演出ということでご了承ください

選手紹介

絢瀬絵里

162㎝ 右投左打
メインポジション:左
サブポジ:三、ニ、遊、一

野手能力
弾道3
ミートC
パワーC
走力B
肩力B
守備力C
捕球B
打撃フォーム:高橋由伸
得能:走塁B、送球B、盗塁C、調子安定、粘り打ち、高速チャージ、ムード○

投手能力
球速136k
コントロールD
スタミナD
スライダー3、縦スライダー2
得能:クイックB、牽制○、打たれ強さE、対ピンチE

走攻守において高いレベルを誇る選手。
特に守備においては、キャッチャー以外の全てのポジションに対応できるオールラウンダー。
中学3年の時、クォーターながらも祖母の推薦でロシア代表に選ばれる。3番レフトでリーグ戦全試合出場するも、雪国であり練習量が少ないロシアは他国に圧倒される。
そんな中迎えた最終戦のイタリア戦で延長10回裏、値千金のサヨナラタイムリーを放ち、ロシアの勝利に貢献した。
練習の指導に長けており、音ノ木坂の柱として期待がかかる選手である。
評:ヒデコ

オーダー

UTX学院 武蔵野ドルフィンズ
1中神木 2年 1三沼倉 3年
2右野田 3年 2左高木 3年
3遊統堂 2年 3中大村 3年
4捕優木 2年 4一池本 3年
5一小川 3年 5右西野 2年
6三桐島 2年 6遊一ノ瀬 1年
7左松原 3年 7捕東條 2年
8投綺羅 2年 8投村上 3年
9二山崎 1年 9二矢澤 2年

#4 無謀な賭け、勝ちにいこう!



ワ-ワ- ワ-ワ-





花陽「急いで凛ちゃん!もう試合始まっちゃってるっ」




凛「かよちん、そんなに急いだら転んじゃうにゃ~!」







花陽「はぁはぁ・・・あれ...もう2回の裏
?」




ツバサ「・・・ッ!!」ビュン!!




シュルルルル クィン!!




ズバンッ!




主審「ストライクッ!バッターアウト!!」




実況『外に逃げるスライダー、空振り三振!!』




実況『綺羅ツバサ!この回、ドロフィンズの4、5、6番を3者連続三振に打ち取りました!』





\ドワァアアアアアアアアアアアア!!!!/








花陽「す、凄いですっ!さすがA-RISEのリーダー...!!」





凛「―――ねぇ、かよちん!凛、前から思ってたんだけど、男の人のほうの大会にクラブチームってないよね?どうして??」



花陽「あ、それはね。女子高校野球が始まった1980年まで遡るんだけど・・・」



花陽「はじめの頃は私立も、国公立にも野球部が少なくて...第一回大会なんて、クラブチームの数の方が多かったんだよ?」



花陽「それでも野球をやりたいって人が多かったから、東京を中心に各地でクラブチームが結成されるようになったんだ」





凛「あー....野球って道具も場所も必要だからね」



花陽「うん。だからクラブチームは”女子高校野球の原点”とも呼ばれてるの」



凛「なるほど...なんだか意外だにゃ」



花陽「その影響で、長い間クラブチームの優勝が続いてたんだけど...節目の第10回大会。ついに歴史的瞬間が訪れたんですっ!」



凛「えーっと...10回大会ってことは1990年だから・・・あっ、音ノ木坂学院優勝!!」



花陽「その通りっ!そこから人気が大爆発。高等学校からの参加チームが倍以上になったんだよっ」



凛「ば、倍以上...?!すごい数だにゃ...」



花陽「他にも甲子園球場が使えるようになったり、音ノ木坂と紫苑学院の試合が””伝統の一戦”なんて呼ばれるようになったり...」



花陽「この20年間でクラブチームも、学校の部のチームもかなりレベルが上がったんだ」






凛「へぇ~~~!!」



凛「・・・?でもかよちん、どうしてそんなに強かった音ノ木坂が廃部寸前にまで追い込まれてるの??」



花陽「・・・それは――――カキンッ!




希「サードッ!」



神木(ッ!シュートか...!)




パシッ シュッ




ズバンッ




審判「アウトッ!!」






実況『投手戦ならこちらも譲りません!ドルフィンズエース、村上!』



実況『昨年、夏の甲子園ベスト16のUTX学院相手に3回までで1安打ピッチングを披露しています!』






桐原優香「3回表ですか・・・なんとか間に合いましたね」



門田剣「お~、UTX珍しく苦戦してるな?」



紫藤美咲「3回までで1安打・・・確かに珍しいね。ここで負けてくれればありがたいんだけど」



黒崎隼「投手戦ですね!もしかしたら延長までもつれ込んだりして・・・!」




凛(うわ~、あのユニフォームの人達みんな身長高いね。かよちん)ヒソヒソ



花陽(あ、あのユニフォームはもしかして・・・!)パラパラパラ





花陽「やっぱり...西東京の名門クラブ、八王子エンジェルス!だとしたらあの選手が...!」




相川涼「・・・いや、延長はないな。すぐに決着はつくよ」




花陽「二年生ながら西東京No.1ショートと名高い、相川涼さん!こんなところで出会えるなんて...感激ですっ」



凛「西東京?...ということはわざわざこの試合を見に来たってことかにゃ?」



花陽「UTXは全国区のチームだから...偵察に来たんじゃないかな?」



凛「ほぇ~、大変だね・・・」





花陽「・・・さっきの話だけど、音ノ木坂が衰退した一番の理由は”強い選手を集めようとしなかったから”って言われてるの」



花陽「紫苑とか、UTXみたいな私立校はいい選手をどんどんスカウトして強豪になっていったけど...音ノ木坂は全然そういうことしなかったから―――」



花陽「音ノ木坂が弱くなったっていうより、周りの高校についていけなくなったって言ったほうが正しい...かな」




凛「・・・そうなんだ...」



花陽「―――でもね、凛ちゃん...私は」



花陽「穂乃果ちゃんなら、何か変えてくれるような気がするの」



花陽「また音ノ木坂が強豪って呼ばれるような...そんな気がする」



花陽「根拠なんて、全然ないんだけどね」エヘヘ



凛「かよちん...」



凛(かよちんは....本当に野球が大好きなんだ)


凛(野球・・・・かぁ)



ーーーーーーーーーーーーーーーー




アナウンス『3回の裏、武蔵野ドルフィンズの攻撃は―――7番キャッチャー、東條さん』




あんじゅ(この回は下位打線からだし、テンポよくいきましょ)パッ





ツバサ「」コクッ




希(前情報ではスロースターターって聞いたんやけどなぁ...でも)



希(普段が立ち上がり悪い分、今日の内容に満足してるやろ?)



希(初球、置きに来るカーブを・・・)







ツバサ「」シュッ



クィッ



希(狙い打ちや!)カキンッ??



実況『右中間、破ったーーッ!!東條は一気に2塁へ!!』





ズザザッ!!




実況『ドルフィンズ!この試合初ヒットはツーベースッ!!無死2塁のチャンスを作りました!』




希「よっしゃ!」グッ



にこ「ナイバッチ、希!!」





あんじゅ(明らかにカーブを狙ってたスイングだった...立ち上がりがいいからって、油断は禁物ね)



アナウンス『8番ピッチャー、村上さん』





村上「」スッ




優木(構えはバント・・・)




村上(ノーアウト2塁なんてチャンス、うちのチームに何回も来るとは考えにくい)




ツバサ(簡単にはさせない)シュッ!




村上(―――初球で決めてみせる!)コンッ




パシッ シュッ




ズバンッ




審判「アウトッ!」


実況『三塁線、絶妙なバントッ!ここはきっちり送りました!』




実況『おっと...?ここでドルフィンズの監督が出てきました。矢澤と東條を呼んで...サインの確認でしょうか?』




解説『そうですね。今日は投手戦が予想されるので、ここで1点取れればUTXに大きなプレッシャーをかけることができる』



解説『しかし相手はあくまでUTXですから、点が入る可能性が高い作戦を模索してるのではないでしょうか』







あんじゅ(マウンドにまで声かける必要はないわ。こんなケースなんて、今まで何回もあったし―――なにより)






あんじゅ(今回も抑えれるという自信もある)





ツバサ(次は9番セカンド...印象としては守備がよくて、小技がうまいタイプの選手)




ツバサ(十中八九、スクイズでくるはずよ――――問題は)




ツバサ・あんじゅ(どのカウントで仕掛けてくるか)




あんじゅ(いかに警戒しつつ、ツーストライクに追い込むか...ここはキャッチャーの腕の見せ所ね)





桐原優香「・・・ここはスクイズでしょうか?」



門田剣「でも綺羅ツバサはフィールディングがうまいからな。下手に転がせばダブルプレーになりかねないぞ」



黒崎隼「ヒッティングもありですよね。ゴロの間に一点がありえますし」



紫藤美咲「まぁ、あの鉄壁の内野陣の穴を突くようなゴロを打つのは難しいだろうね。良い策とは言えないよ」



黒崎隼「むぅ・・・」



黒崎隼「涼さんは何の作戦でくると思いますか?」





相川涼「――――強豪との実力差を縮めるには奇策を用いない以上、勝利は掴めない」



相川涼「そう考えればスクイズ。」



相川涼「工夫する点があるとすれば...仕掛けるタイミングだろうな」




審判「プレイッ!」



実況『さぁ、注目の初球!』




あんじゅ(わざわざ一球外して後手に回る必要はないわ。ここは―――)パッ





ツバサ「」シュッ!



シュルルルル




ギュン!!




ズバンッ!




実況『初球、外角ギリギリに決まる高速スライダー、ストライク!』




解説『思い切ってストライク入れてきましたね。これは大きいですよ』





あんじゅ(こういう場面でよく一球外して様子を見るバッテリーがいるけど・・・私はあまりいいリードだとは思わない)




あんじゅ(攻める側も”ワンストライクになってから仕掛ける”っていうセオリーもあるわけだし)




あんじゅ(ストライクとられて、焦って仕掛けられてもツバサには―――)パッ





グッ... シュッ!




にこ「」サッ!



ツバサ(―――スクイズ!)ダッ!



シュルルルル    フッ...



あんじゅ(この縦スライダーある)




にこ「」スッ...




あんじゅ(!バットを―――引いた?)





パシンッ




審判「・・・ストライクッ!」





実況『おっ・・と?ドルフィンズ、スクイズの構えだけでしたが...これはどういう?」



解説『結局、追い込まれてしまいましたね』



解説『サインミス・・・と考えるのが自然ですが...』





門田剣「あーあ、あっさり追い込まれちゃったなぁ」




桐原優香「せっかくのチャンスが...」




相川涼「―――いや、そう考えるのはまだ早いらしい」




紫藤美咲「・・・涼ちゃん??」




相川涼「あれは...賭けに失敗した選手の顔じゃないよ」





あんじゅ(追い込んだ...けど、何か他に狙いが?)パッ




シュッ スパンッ




審判「ボール!」



あんじゅ(疑いすぎ...かしら)




あんじゅ(何を狙ってるにしても、こっちの方がカウントは有利よ)パッ




ツバサ(外にスライダー...)シュッ!




シュルルルル ギュン!!



にこ「!」ピクッ





実況『バットは・・・止まっています!ボール!』





あんじゅ(反応した...変化球狙いね)




あんじゅ(最後はインコースにストレート。決まりね)パッ




にこ「・・・」フゥ-




紫藤美咲「涼ちゃん、武蔵野はまだ何か狙いがあるってこと?」




相川涼「・・・あの場面でバットを引いたということは、裏を返せば”スクイズは作戦として考えてなかった”ということになる」




相川涼「ツーストライクでスクイズは考えにくいからね」




相川涼「ワンストライク取られて後手に回った以上、スクイズはあのタイミングしかなかった」




相川涼「タイムをとったあの時、何かしらの作戦を伝えられたはず...なのに、動いてこなかった」




桐原優香「なるほど...確かに腑に落ちませんね」




門田剣「単純にサインミスとかじゃないのか??」




相川涼「もちろんその線もある。だが、それだとサイン確認した意味がないんだよ」




相川涼「そういうミスの配慮を除くと、スクイズを仕掛けるカウントはあと一つ・・・」





隼「あと一つって・・・まさか?!」







ツバサ(妙ね・・・ツーストライク追い込んで、2球外して...まるで―――)








このカウントに誘い込まれたような・・・








シュッ!





桐島「――――ッ?!スチールッ!!!」





ツバサ・あんじゅ ?!





希(この瞬間を!――――)





にこ(ずっと待っていたわ!!)サッ!






#4 無謀な賭け、勝ちにいこう! 終わり



こわっ もう書かなくていいよ

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