奈緒「映画部野外活動記録2」 (41)

※ここに警告文のあるものとする






小梅「みんな…まだ……かな……」

小梅「昨日は…楽し…みで……寝れなかった…な…」

小梅「……早く……来ない…かな……♪」ワクワク

奏「小梅ちゃーん」

小梅「あっ…!」

奈緒「悪い悪い、遅くなった」

奏「ごめんね、待った?」

小梅「ううん……私が…早く…来すぎ…ちゃった…」

奈緒「どれくらい?」

小梅「2…時間…くらい……かな…?」

奈緒「マジかよ…」

奏「最近暑くなってきたんだから、ずっと外で待ってるのは危ないわよ?」

奈緒「そうだぞ。熱中症とか怖いからな。今度からは、早く着いたらどっかお店の中で待ってるようにな?」

小梅「うん……気をつけ…ます…」

奏「でも、それほどまでに楽しみだったのね」

小梅「うん……ついに公開だ…から……!」


小梅「貞子…vs……伽椰子……!」



『映画部と呪いのアレ』




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466661925



小梅「そう…いえば……文香さん…と…ヘレン…さんは…?」

奈緒「あー…あの二人はちょっと遅れるよ」

小梅「どうか…した…の…?」

奏「ヘレンさんが、ごねてるのよ。行きたくないって」

小梅「ああ……へレンさん……怖いの…苦手…だから…ね…」

奈緒「あの人もいい大人なのになぁ」

奏「女はいつだって、幼い部分を残しているものよ」

奈緒「いやぁ、そういうのじゃないと思うぞ?」

文香「お、お待たせ…しました…」

小梅「あ…来た…」

奈緒「噂をすればか」

文香「すみません、ヘレンさん、駅のトイレからなかなか出てこなくて…」

ヘレン「そんなことないわ」ヘーイ

奈緒「今更、強がらなくていいよ」


奏「よく連れてこれたわね」

文香「……近づくと必ず悲惨な目にあう、呪いのトイレの話をしたら出てきました」

小梅「の、呪いの…トイレ…!」ワクワク

奈緒「なにそれ?」

文香「なんでも、某施設のトイレは呪われていて、近づくと悲惨な目にあうとの噂が…」

ヘレン「やめなさい、別に怖いとかではないけれど、やめなさい」

文香「……ニュージェネレーションズのお三方が体験したとの噂です。本人からは聞いていないのでなんとも言えませんが」

小梅「今度…詳しく…訊いてみよう…!」ワクワク

奏「そろそろ行きましょうか」

奈緒「そうだな」


奈緒「それにしても、本当に楽しみだよなー」

奏「ええ」

小梅「みんなで…シネマ・ボノノで観た…コワスギ全シリーズ上映会…楽しかった…ね…♪」

文香「あれは知能レベルを落として観るのに、もっとも適した作品ですからね」

ヘレン「そうね、世界レベルだわ」ヘーイ

奈緒「あれは大丈夫なのか?基準がわからないなあ」

奏「ゾンビものとかは観れるわよね」

文香「……ヘレンさんはジャパホラがダメなんですよ。呪いとか、静かに忍び寄る恐怖系が怖いみたいです」

奈緒「あー、なるほどなぁ。コワスギはまあ、ジャパホラとはまた違った感じあるかもな」


ヘレン「怖くないわ」

奈緒「だから強がらなくても…」

ヘレン「そうそう、貴女達の為に用意してたものが…」ゴソゴソ

奏「私たちに?」

ヘレン「これを一人一枚ずつ持っていなさい」

文香「これは…」

小梅「お札…?」

奈緒「はぁ?」

ヘレン「歌鈴に頼んで用意してもらったわ。もしもの時のために、ね。私は別に大丈夫よ?世界レベルだから。でもね、一応ね、人数分用意したわ。貴女達の為に」

奏「どれだけ怖がりなのよ…」

ヘレン「怖くないと言っているでしょう」

小梅「ヘレンさん……これ……安産祈願って…書いてある…よ…?」

ヘレン「えっ!?」

文香「…歌鈴さんになんとお願いしたのですか?」

ヘレン「一番良いお札を頼むわ!」ヘーイ

奈緒「雑だなあ…」

奏「そりゃあ、どんなお札がきても文句言えないわよ」

ヘレン「そんな……!」

小梅「映画館……着い……たっ…♪」

奈緒「おっ、もう着いたか~」

映画館


小梅「わーい……♪」

奏「ふふっ♪あんなにはしゃいじゃって」

奈緒「かわいいなぁ」

小梅「奈緒さん……貞子vs伽椰子の…下敷きだって……!」

奏「結構グッズもあるのね」

奈緒「おーし、なんか1つ買ってやるぞ~」

小梅「本当…?わーい♪」

文香「マシュマロチョコピザは……今日も売り切れですか…」

奏「わりと早い時間なのに、すぐ売り切れちゃうのね」

文香「もしかしてマシュマロチョコピザとは都市伝説なのでは…?」

奏「実際に食べた人はいないけれど、メニューとして存在する…」

ヘレン「そ、そんなわけ…な…ないじゃない…!」ビクビク


奈緒「くだらないこと言ってるなあ……へレンさん、チケットは?」

ヘレン「えっ、ああ、今から買うわ」スタスタスタ

文香「…予約してなかったのですか?」

奏「怖くて予約とりたくなかったんじゃない?」

小梅「せ…席が埋まってたら……どうしよう……」

奈緒「いや~、大丈夫だろ。ホラーだぞ?気が向いて足を運んだカップルか、学生グループか、コワスギファンしかいないって」

奏「でも公開してすぐよ?わりと多いんじゃない?」

奈緒「大丈夫だろ~」

文香「今回の映画はどんな話になるのでしょうね」

小梅「多分…いつも通りの……展開だと…思う…よ…」

奏「でも予告PVを観た限り、貞子と伽椰子が戦うんでしょ?」

奈緒「フレディvsジェイソンみたいになるのかなぁ」

小梅「貞子と…伽椰子の……プロレス…♪」

奈緒「超観たいよなー!」

ヘレン「待たせたわね」

小梅「どう…でした…?」

ヘレン「それなりね。5人なら余裕でとれたわ」

奈緒「ほらな?日本のホラー人口なんてそんなもんだって。まだ夏も始まったばっかりだし」

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奏「本当、そこそこの客入りね。カップルだらけだわ」

小梅「みんな…ホラー……嫌いなの…かな…」

文香「…ジャンル的に人を選びますから」

ヘレン「…………っ……」ビクビクビク

奈緒「ヘレンさん?」

ヘレン「ヘェエエエイ!?」ビックゥ

奈緒「ああ…いや、頑張ってな…」

小梅「始まる…よ…!」

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上映中



文香(出だしはまあ、いつもの日本のホラーですね…)

奏(教授、霊能力者、盲目の少女……相変わらず、アクの強い人が多いわね…)

小梅(なかなか…いい貞子と伽椰子……結構怖くて…いい…♪)

奈緒(しかしダルイ運びだ……まあ、ジャパホラだし、テンプレといえばテンプレか…)

ヘレン(ヘェェェェィ………ヘェェェェェィ………)ビクビクビク







全員(えっ………!?)

全員(あー……………)


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上映終了



奈緒「…………………」

文香「…………………」

小梅「…………………」

奏「…………………」

ヘレン「ヘィ……ヘッ……!」

奈緒「もう終ったから…」

ヘレン「そ、そう…では、速やかに外に出ましょう。映画館の近くに、世界レベルのファミレスがあるわ」

奏「なによ、世界レベルのファミレスって……」

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ファミレス




奈緒「さあ、感想戦だ」

小梅「最高…最高最高…最高…!」

奈緒「落ち着け」

文香「期待を裏切らなかったですね」

小梅「うん……頭から…お尻まで……白石監督だったね…!」

奏「呪いがある、霊能者が出てくる、クセのある人が出てくる、クリーチャー」

文香「序盤の除霊シーンは笑ってしまいそうになりました」

奈緒「ああ、ババアビンタな。やっぱり出てきたな、物理除霊」

奏「そして出てくるこれまたアクの強い霊能力者の二人」

小梅「あの女の子……可愛かったね…」

奈緒「良いキャラだったよなー!」

小梅「最……高……っ!」

奈緒「貞子も伽椰子もなかなか良い演出だったなぁ。結構怖かったかも」

小梅「正攻法だった…よね…」

奏「でも、もうちょっと奇をてらった感じでくるかと思ってたわ」

文香「そうですね…定石で少し物足りない感じはしました」


小梅「でも…面白かった…でしょ…?」

奈緒「まあ、うん、面白かった」

奏「『まあ、うん』…?」

奈緒「うーん……不満点言っていい?」

小梅「い…いい…よ…?」

奈緒「スゥ……」

奈緒「全然戦ってないじゃん!!!貞子と伽椰子!!!」


文香「ああ……」

奈緒「なんだよあれ!貞子vs伽椰子ってタイトルなのに、戦闘時間何分だった!?」

奏「10分……いえ、5分もなかったかも…」

奈緒「だろ?序盤も中盤もダラーッとした展開だったから、余計に納得いかない」

文香「最後は怒涛の展開でしたけどね。お約束でしたが」

小梅「続編に…繋がるんだろうなって…閉まり方だった…」

文香「おそらく、続編で異世界にいくでしょうね」


奈緒「あともう一つ不満点。キィィィィィンって音がうっさい」

奏「いや、あの音でお客さんに不快感を与えるんじゃない。それが恐怖感を煽るのよ」

奈緒「いーや、もっとやりようはあったはずだ。ピアノとかバイオリンとかで不協和音だすなりなんなり」

文香「ううん……どうなんでしょう」

小梅「でも…たしかに煩かったかも……離れた席にいた…おばあさん……途中で耳を押さえながら…出ていっちゃったし…」

奏「その辺りは難しい問題よね」


奈緒「ふぅ…とりあえず、不満は言えたのでスッキリ」

小梅「じゃあ……評価を……」

奏「B+」

文香「Aですかね……白石監督らしい、いいクソ映画でした」

奈緒「コワスギフィルターを通して観て、B。それがなければC」

奏「なによそれ。ちょっと野暮じゃない?」

小梅「私Sランク……ヘレンさんは…?」

ヘレン「………え……ああ、Aランクよ。いつも通りの白石監督だったし、思いの外、怖かったわ」

奈緒「じゃあ、総合でAランクってところかな」

小梅「やった……♪」


奈緒「そういえばヘレンさん、さっきから全然喋ってないな」

文香「感想戦も発言が無かったですし…」

奏「大丈夫?」

ヘレン「いえ……さっきからずっと気になっていたのだけれど……」

奈緒「ん?」

ヘレン「なんであの店員さん、水を6つ置いたのかしら」

奏「………えっ」

奈緒「うわっ!?本当だ、6つある!?」

文香「全然気がつきませんでした……」

小梅「ああ……それは…ね……へレンさんの横に…」

ヘレン「ヘエエエエエエイ!!!?やめなさいッ!!!!!いい!!!言わなくていいわ!!!」

小梅「えへへ…♪」




『映画部とチョビ髭のおじさん』に続く

とりあえず今日はここまでですー


新宿駅


文香「……ふぅ……新宿の混雑は慣れませんね…」

奈緒「どの時間も人だらけで嫌になるよな。駅の中も迷路みたいだし」

奏「まだ新宿に慣れないの?奈緒、結構来てるじゃない」

奈緒「まるでダンジョンRPGだ…苦手なんだよ、RPGは」

奏「関係あるのかしら…」

小梅「セーブポイントとか…宝箱とか…あったら…面白い…ね…」

奈緒「そうだなぁ……スタバとかセーブポイントっぽくていいかも。どこにでもあるし」

奏「ならアイスやクレープは回復アイテムってところかしら?」

奈緒「いいな、それ!」

文香「なら敵は…?」

奈緒「敵は…そうだなぁ……」


男A「ねえねえ、君たち、今からどこいくの~?付いてっていい?w」

男B「君たち、女子高生?ってか、あれ?アイドルの奏ちゃんたちじゃね!?」

男C「魔剤ンゴ!?ありえん良さみが深いw」


奈緒「エンカーウント……」


男A「うっわ、マジ!?ヤバくね!?wwww」

男B「リアルアイドルじゃん!写真撮ろ!」

男C「写真からのセイクで優勝せえへん?そり!そりすぎてソリになったw」

奈緒「こういう人たちの対処って苦手なんだよなぁ…」

奏「すみません、プライベートなので写真は遠慮していただけますか?」

男A「は?君らアイドルでしょ?いつもテレビとか出てるんだからこれくらいよくね?」

男B「そうそう。有名税ってやつっしょ」

男C「剤?剤剤!?」

奈緒「面倒だなぁ…」

文香「ど、どうしましょう…」

小梅「こ…怖い…」ビクビク


<ヘーーーーーーーイ!!!


一同「!?」

ヘレン「待たせたわね」ヘーイ

奈緒「ヘレンさん!」


ヘレン「お手洗いが混んでたわ。流石、世界レベルの駅ね……で、こちらはどなた様かしら?」

文香「じ、実は……」

男A「うわっ、すげえ、ヘレンまでいるじゃん!!」

男B「うわー、生へレン!写真写真!サインも頂戴!」

男C「剤剤剤剤剤剤!」

ヘレン「ヘーイ!!!!!!!!」

男たち「!!?」ビクッ

ヘレン「どうやらファンのようね…貴方達に問うわ。私が何故、世界レベルと呼ばれているかわかる?」

男A「え……」

男B「い、いえ……」

男C「剤……」

ヘレン「それはね………世界レベルだからよ!!!!」ヘーイ

一同「!!???」

ヘレン「つまりはそういうことなのよ……それと貴方、正しい日本語を使いなさい」

男C「は、はい……」

ヘレン「それでは、Bye」

男たち「……………」


文香「ありがとうございます。助かりました……」

奈緒「やっぱすげーよ、ヘレンさんは」

奏「最強って感じがするわ…」

ヘレン「最強?世界レベルよ」

奏「あ、ハイ」

小梅「かっこ…良かった…です…」

ヘレン「当然よ。さ、行きましょう。今日の映画は期待大よ」

文香「……主人公があの人ですからね」

ヘレン「ええ、世界レベルで有名な政治家……ヒトラー」


『映画部とチョビ髭のおじさん』


奏「この帰ってきたヒトラーって映画、どういうストーリーなの?」

文香「……予告PVのざっくりとした情報だと、終戦間際のヒトラーが現代のドイツにタイムスリップしてくる……というお話のようです」

小梅「元々は…小説なんだ…よね…?」

文香「……そうですね。ドイツ国内では250万部のベストセラー小説です。生憎、私はまだ読めていないのですが…」

ヘレン「ヒトラーを扱っていて、そこまで売れているのね」

文香「私も驚きました。向こうは公的な場でのハーケンクロイツの禁止など、ナチス関連には厳しいイメージでしたので…」

奈緒「ハーケンクロイツ…鉤十字ってやつか!カッコいいよなー、あれ!」

奏「オタクの人って、ナチス好きが多いわよね」

文香「ナチスドイツの軍服などは魅力あるデザインですよね」

奈緒「小梅小梅」チョンチョン

小梅「え…?」

奈緒「『伝統的なドイツ式の敬礼は?』」

小梅「へへ…♪」シュピッ

奈緒「さっすが~!」ニヤニヤ

奏「指でチョビ髭を作らないの。なにやらせてるのよ…」


小梅「ナチスといえば…よくゾンビになってるよね…」

ヘレン「ああ。あれなんでなのかしらね」

小梅「ロマン…かな…」

ヘレン「そ、そう…」

奈緒「そうそう、カッコいいんだよ。男のロマンっていうかさあ。ハイル・フューラー!なんて……ヒトラーは偉大なる党首ってイメージだな」

奏「ロマンを感じるのは勝手だけど、ヒトラーのやったことは残虐極まりないわ。アンネの日記を読まなかったのかしら?ホロコーストも忘れてはいけないわよね。ヒトラーは極悪人よ」

奈緒「いやまあ、それはそうなんだけどさ…」

文香「ふむ……では、奈緒さんはヒトラー賛美派、奏さんは批判派なわけですね」

奏「ええ、そうね」

奈緒「賛美してるつもりはないけど…まあ、そうなるのかなぁ…」

文香「………なるほど」

ヘレン「映画館が見えてきたわね」

小梅「ゴジラ…大きい…」

奏「いつ見ても迫力あるわよね」

ヘレン「来月のシン・ゴジラも観ておかないと…」

映画館


ヘレン「チケットを発券してくるわ」

奈緒「今回も真ん中らへん?」

ヘレン「いえ、予約段階で既に真ん中あたりの良い席は埋まっていたわ。今日は端側ね」スタスタスタ

奈緒「そっかぁ、結構混みそうだなぁ」

文香「……幅広い年代の方が観れそうですからね」

奈緒「ナチスとか第二次世界大戦とかの知識なんて、教科書に載ってるくらいの知識しかないけど大丈夫かな…」

奏「どうかしらね…まあ、舞台は現代だし、そこまでディープなネタは出てこないと思うけど」

小梅「ゾンビ…出るかな…♪」ワクワク

奏「出ないと思うわよ…」

小梅「そっか…」シュン

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奏「凄い…ほぼ満員じゃない…」

奈緒「公開前にニコ生でヒトラー最後の12日間も放送されてたし、それの影響もあるのかもな」

小梅「ヒトラー…大人気…だね…」

奏「今作は続編なのかしら?私、その映画観てないのだけれど」

文香「続編…というわけではないですね」

奈緒「一応観たけど、あの映画は長いからなぁ」

ヘレン「始まるわよ」

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上映中

ヘレン(なるほど……風刺が効いてて面白いわね。画の作り方も上手い)

奏(急に画質が変わった…?ドキュメンタリー風……いえ、これもしかして、実際に一般人を巻き込んだ撮影…?)

奈緒(ふふ……!しかし、ネタのひとつひとつが面白い…)

小梅(あ…このシーン、総統お怒りシリーズの……ふふふ…!)

文香(凄い……この展開は……………)



全員(……………………ッ!)



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上映終了

ヘレン「………………」

小梅「………………」

奈緒「………………」

奏「………………」

文香「………………」

ヘレン「…移動しましょう。近くに世界レベルのドーナツ屋があるわ」

文香「……は、はい」

奏「大丈夫?」

文香「すみません……鳥肌が…ちょっとパンフレットを買ってきます」

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ドーナツ屋


ヘレン「では、感想戦よ」

奈緒「めちゃくちゃ面白かったなー!」

奏「素晴らしいわ。期待以上の名作ね」

小梅「す……凄かった………!」

奈緒「投げ込まれるネタのひとつひとつが面白くって、テンポが良い」

ヘレン「とても風刺が効いていて、笑えるんだけれど、笑えないというね。画の作り方も上手かったわ」

奏「画といえば、ヒトラーが街の人たちと触れ合うシーンだけれど…」

小梅「ああ……画質が変わってたよね…」

文香「モザイクがかかっていたりなどしていましたから、キャストではなく、本当に一般市民なのでしょうね……ああ、やっぱり…パンフレットにもありますが、リアルの人にインタビューしていったみたいです」

奈緒「へー、面白い演出だなぁ」

文香「その撮影資料は380時間に及ぶらしいです」

奏「そんなに…!?」

文香「あのドキュメンタリーシーンに映し出されているのが、今のドイツ国民のリアルな声なのですね…」



ヘレン「みんな意外とヒトラーに好感的だったわね」

小梅「まるで…スターにあったみたい…だった…」

ヘレン「それで、ヒトラーに会って一番動揺していたのがネオナチのデモ集団という…」

奈緒「あれ、可笑しかったよなー!ヒトラーからの質問にもつっかえつっかえでしか答えられないのがまた」

文香「ちゃんと政策を理解していなかったり、信念がぶれていたりと…」

奏「ネオナチの料理番組とかね」

奈緒「そうそう!党の上の人へのインタビュー中に、ヒトラーが寝ちゃうとかな」

ヘレン「そして、やはりヒトラーにヘイトを起こす人間もいたわね」

小梅「あれは…ちょっとヒヤヒヤした…」

奈緒「それとあれ!TV局の会議シーン!」

ヘレン「ヒトラー最後の12日間のパロディシーンね」

小梅「面白かったね…」

奏「会場も声を上げて大笑いだったわね」

ヘレン「久しぶりにああいう雰囲気を味わったわ」


文香「ところで、奈緒さん、奏さん。お二人はこの映画を観て、ヒトラーに関してどう思いましたか?」

奈緒「えっ……そうだなぁ……」

奏「私はヒトラーに対して、好感度が上がったわ。現代ドイツの抱える外国人問題のくだりを見るあたり、ヒトラーの政策や信念は筋が通っていたのね」

奈緒「あたしは逆に、あの映画を観てヒトラーを恐ろしく感じたな……。市民から名声を得ていくシーンに、ヒトラーのカリスマ性というか……結局、あの時代の惨劇が繰り返されるのかな…って」

小梅「2人とも…意見が違うね…」

文香「そう、あの映画のやっかいなところは、ヒトラーに対して賛同とも批判ともとれるような作りになっているっところなのですよ」

ヘレン「ふむ…」

文香「ユーモアを交え、リアルなドイツの問題を提起し、なおかつ賛同批判どちらの見方もでき、場を荒らして帰っていく……恐ろしい映画です。出来が良いのがまた、性質が悪い」

奈緒「ラストは背筋が凍ったよなあ…」

ヘレン「この映画で言われていることは、ドイツだけではなく、他の国にも言える問題よね」

文香「ええ。この映画は、今の若い人にこそ観て頂きたい作品ですね。勉強をし直して、もう一度観たいです」


ヘレン「さあ、評価を下しましょう」

奈緒「面白かった!Sランク!」

奏「Sランク。いろいろ考えさせられたわ」

小梅「Sランク…です……」

文香「Sランクです。それより上をつけてもいいくらいです」

ヘレン「同じくSランク。では、満場一致で世界レベル映画に認定!」

一同「わーー!」パチパチパチ


ヘレン「ふぅ……今日も良い映画が観れたわね」

小梅「去年も…今年も…当たり年…だね…」

奏「雨が降らないうちに帰りましょうか」

ヘレン「そうね。雲行きも怪しいし」

奈緒「おっ」

奏「うん?どうかしたのかしら」

奈緒「今ツイッター見てたら、イギリスがEU離脱決定だって」

小梅「それって…どうなるの…?」

奈緒「さあ…難しいことはよく解らないけど…」

奏「あら……雨、降ってきちゃったわね…」

文香「………荒れなければいいですね……」

これにて終了ですー
本当は昨日、エクスマキナも観てこようかと思ったんですが、時間がとれず断念ー

上半期総括ですー



クソssシリーズ(同一世界線)

P「全裸の幸子が廊下で死ぬほど泣いてる」……軟便

幸子「あ、まゆさん。そこの胡椒とってください」……軟便

みく「みくは時空を曲げるよ」……一本糞

茜「YOU!!!YOU!!!YOU!!!」……血便

モバP「時子様のハイヒールのかかとに安全クッションをとりつける」……軟便

加蓮「奈緒がティッシュマンに攫われた」……一本糞

夏樹「李衣菜、アタシもプリンスのところへ行くぞ」……緑色うんち

卯月「アイドルってなんなんだろう」……軟便

奏「映画部?」 奈緒「そうそう」……軟便

智絵里「かな子ちゃんがモバPさんにサソリ固めしてる」……軟便

仁奈「み~ぎてでワンパ~ン♪」ドゴォッ……軟便

光「正義の見方」……軟便

未央「アイドルってなんなんだろう」……軟便

奏「映画部野外活動記録」……軟便

杏「きらりが漁船をデコってイカ漁に出た」……軟便

みく「李衣菜チャンが指から血をダラダラ垂れ流しながらギター弾いてた」……軟便

奈緒「映画部野外活動記録2」……軟便



マジメなの(クソssシリーズとは別世界線)

●ちゃん未央わからないシリーズ

未央「わからないなあ・・・」 瑞樹「そのうちわかるわ」

未央「わからないなぁ……」 李衣菜「わからないねぇ……」

●実験作

李衣菜&夏樹「Have you ever seen the rain」

赤軍「うんうん、これもまた総括だね♪」

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