モバP「ティンと来た!」チアキ「なんだ?」 (25)

チアキ「ただいまー」

ハルカ「おかえり、遅かったねチアキ」

チアキ「えぇ、少し変な男に話しかけられまして」

ハルカ「やだ、不審者? 大丈夫だった? なにもされなかった?」

カナ「その割にはあっさり帰ってきたから大丈夫だろ。とと、テレビテレビっと」

ピッ ミュージック○テーション

チアキ「不審者……名刺を渡してくる不審者なんているのでしょうか、ハルカ姉さま」

ハルカ「名刺? 見せてみて」

チアキ「こちらです」

カナ「今どきは自己紹介する不審者なんているんだねぇ。恐れ知らずというか、開けっ広げというか。はっ、それもそういうプレイの一環……」

ハルカ「カナ、チアキの前で変なこと言わないで」

カナ「過保護すぎじゃあないかい? お、今日はヴァルキュリアを歌うのか」


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チアキ「なんだそれは」

カナ「チアキ知らないのか? 時代に流されるぞ。最近話題のアイドルだよ。346プロって言ってな。色んなアイドルを出してるんだ。特徴的なのだと……双葉杏ちゃんとか」

チアキ「その名前はどこかで聞いたな。――どうかしましたか? ハルカ姉さま」

ハルカ「……ねぇ、カナ。そのアイドル会社の名前ってなんだっけ」

カナ「ん? さっき言ったじゃん。346プロだよ。3・4・6」

ハルカ「…………」

チアキ「それがどうかしましたか?」

ハルカ「チアキ、その人って、スーツ着てた?」

チアキ「えっと、そうです」

ハルカ「カナ、カナ!」

カナ「なんだよー。なにそんな……え、まじで!?」

チアキ「カナまでなんだ」

カナ「チアキお前……アイドルになるのか?」



チアキ「…………はぁ?」

P「ただいま戻りましたー」

ちひろ「おかえりなさい。どうでしたか?」

P「まずまずですねぇ。あ、でも一人ティンと来たんで名刺渡しましたよ。面白い子だったなぁ」

ちひろ「面白い……相変わらずPさんの感覚はわかりませんね。どんな子なんです?」

P「カレーの歌を歌ってた」

ちひろ「……はい?」

P「いやなんでもない。頭にホイップクリームみたいなアホ毛があった」

ちひろ「ますます意味わからないんですけど……」

晴「あれ? P帰ってきてたのか」

P「お、晴おかえり。レッスンどうだった?」

晴「ダンスはともかく歌がなぁ。というか歌詞が……」

P「気に食わないか?」

晴「キャピキャピしてるというか――なぁあれ絶対わざとだろ」

P「ははは、そんなわけないだろ(あとでトレーナーさんから横流ししてもらおう」

ちひろ「声出てますよ」

晴「そういえばありすは? あいつの方が先に戻ってたはずなんだけど」

ちひろ「まだ帰ってきてませんね――っと、噂をすれば」

ありす「ただいま帰りました。あと橘です」

晴「オレたちまだ何も言ってないぞ」

ありす「いえなんとなくそう呼ばれた気がして」

晴「(こいつの耳はどうなってるんだ)」

P「うーん、こいつらとあち二人くらい入れてユニット組ませても面白そうだなぁ」

ありす「何の話ですか?」

P「新人が来るかもって話」

晴「またあんたの被害者が出たのか……」

ちひろ「通報は勘弁してくださいよ」

P「失礼な奴だなぁ。特にそんな様子はなかったよ(すごい警戒してたけど)」

晴「まぁ、来たら先輩らしくはしてやるよ」

ありす「新人教育のしかた調べてみます」

P「そんな気負わなくてもいいけど……まぁ、任せた」

ありす「ところでどんな子ですか?」

ちひろ「頭にホイップクリーム乗せてるみたいですよ」

晴「……かな子さんか?」

P「消されるぞお前」

この物語は、南家三女の平穏なアイドル生活を淡々と描く物です。
過度な期待はしないでください。

注意
・いちゃらぶなし
・百合なし
・一人称P呼び間違ってたらごめんね
・キャラ崩壊しないように頑張る

明日から頑張ります

カナ「はい! 南家緊急会議を始めたいと思います。皆の者拍手!」

内田「えーと、わー」パチパチ

吉野「わー」パチパチ

マコト「わー!」パチパチ

藤岡「わ、わー」パチパチ

トウマ「なにこれ」

チアキ「知らん。というかなんでマコトのやつがいるんだ」

カナ「男の意見が必要かと思ってな。マコちゃんでもよかったんだけど」

マコト「えっ!?」

チアキ「どうしてそこでマコちゃんが出てくるんだ?」

マコト「ど、どうしてかなー。かなー……」

カナ「まぁそんなことはどうでもいい!」

内田「で、カナちゃん。いきなり集まれってどうしたの?」

トウマ「オレ晩御飯の最中だったんだけど。兄貴にすごい顔でにらまれたよ」

ハルカ「後で謝りの電話入れておくね……」

カナ「では傾注! 今日の議題は『チアキがアイドルにスカウトされたのでどう売り出すか』」

内田「えー! チアキアイドルになるのー!?」

トウマ「……オレ帰っていいかな」

チアキ「いいと思う」

カナ「ということで。チアキの売り出すための何かしらのアイデアを話し合いたいと思う」

藤岡「えっと、それを決めるのはスカウトした会社側だと思うんだけど……」

マコト「そもそもアイドルなんてあんまり知らないし」

カナ「甘い! あの店のプリンよりも百倍甘すぎる!!」

吉野「おいしいよね、あの店のプリン」

チアキ「もうそのプリン買ってきて食べて解散でよくないか」

内田「チアキ乗り気じゃないの?」

チアキ「乗り気に見えるか?」

内田「見えない」

カナ「では! 誰か意見のある人!」

ハルカ「はい!」

カナ「意外だな……まさかのハルカが一番最初とは」

内田「ハルカさんって結構姉バカだよね」

吉野「何気にチアキのこと一番大好きだよね」

ハルカ「ほら、チアキって小学生の割には博識で、クールなところがあるじゃない? だからクール属性なんじゃないかなって思うんだけど」

トウマ「クール……」

チアキ「こっちを見るな、バカ野郎」

ハルカ「でもでも、その割には泳げなかったり、猫の動画大好きだし、キュートって感じでもあるじゃない?」

マコト「キュート……」

チアキ「追い出すぞ、バカ野郎」

ハルカ「でも結構家事とか得意だし、運動音痴だけど行動的でもあるし、率先して手伝ってくれるからパッションって感じでもあると思うの」

カナ「えーっと、それで?」

ハルカ「オールって属性の初めてのアイドルを」

カナ「オーケーわかった。ハルカー、おやつ作ってて」



カナ「ハルカは当てにならん」

マコト「なんだと! ハルカさんの意見に文句でもあるのか!」

カナ「うるさいぞマコちゃ、じゃなかったマコト。おかえりはあちらの扉だ」

マコト「申し訳ありませんでした!」

吉野「マコトくんとカナちゃん仲良いよね。二回くらいしか会ってないのに」

内田「えっ!? そ、そうだね……」

トウマ「はいっ!」

カナ「はいトウマ!」

トウマ「そもそも今どきのアイドルが分からん」

藤岡「俺も、クラスの男子連中が話してるところは知ってるけどあまり詳しくないな……南は確か結構好きなんだっけ」

カナ「あーんー、そうだね。まぁ割と面白い」

トウマ「面白いのか、アイドル」

吉野「可愛いとかじゃないんだね」

チアキ「もうカナがアイドルになればいいんじゃないか?」

内田「まぁカナちゃんも可愛いよね」

藤岡「南がアイドル!?」

トウマ「取り乱したら負けだぞ」

カナ「うーん、それがな。これを見てくれ」

吉野「雑誌? あ、これ私も持ってるよ」

カナ「ほら、この子だ」

マコト「今井加奈……」

内田「カナちゃんと同じ名前で同じ髪型だねぇ」

トウマ「それがどうかしたのか?」

カナ「同じ名前で同じツインテール……つまりはこれだ。需要が満たされている!」

内田「な、なるほど! 厳しい業界なんだね!!」

チアキ「バカ野郎という属性なら被ってないんじゃないかな」


カナ「ハルカも同じだ! 大御所さんの天海春香閣下がいるからな。難しいだろう」

トウマ「こういうのって、名前変えれるんじゃないの?」

マコト「たぶん一人だけ仲間外れにされるのが嫌なんだと思う」

トウマ「マコトの癖に冴えてるな」

マコト「どういう意味!?」

藤岡「つまりチアキちゃんには需要があるってこと?」

カナ「あぁ、この人を馬鹿にした態度とか、知ったかぶった知識とか、ドがつくシスコン具合とか、この見下したような半目とか」

チアキ「よーし表出ろ」

吉野「アイドルとしては致命的な特徴なんじゃないかな」

内田「ほぼほぼチアキへの悪口だよね」

カナ「あとホイップクリームとか」

藤岡「まぁテレビでは見ないよね。チアキちゃんの頭のそれ」

チアキ「そうか?」

トウマ「何気に業界初じゃないのか」

内田「つまり……ホイップクリーム系アイドルってこと?」

マコト「美味しそうなアイドルだな」

カナ「ホイップクリーム系……いけるな」

チアキ「お前は何者なんだ」

カナ「では結論、はいどーん!『南チアキがアイドル。どんな?』」

トウマ「姫」

マコト「姫だな」

内田「姫だよね」

吉野「姫だねぇ」

藤岡「えっと、可愛いと思うし俺は応援するよ」

カナ「ホイップクリームどこ行った!?」

チアキ「もう解散! かーいーさーんー!!」

次回「面接編」

人数多くしすぎた。

おやすみなさい

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