李衣菜「北条加蓮の」泰葉「今日は雨だから」 (34)



しとしと

  しとしと……


―――加蓮's room


「…………」


「…………う……」モゾ…

加蓮「……暑い」モゾモゾ


加蓮「ん……」コロリ


加蓮「……あたま、いたい……」

加蓮「……助けてぇ……」ズキズキ…

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加蓮「暑い……」


加蓮「痛い……」


加蓮「雨、うざっ……」

加蓮「勘弁してよ……せっかくのお休みなのに……」

加蓮「ていうか今何時――」


加蓮「……3時て。……お昼ご飯~……」グゥー…

加蓮「……はぁ」


加蓮(……今頃なにしてるのかな。李衣菜、泰葉……)

加蓮(お仕事、上手く行ってるといいな)

加蓮(雨のせいで風邪ひかなきゃいいけど)

加蓮(傘持ってってるかな。あ、雨足強いからPさんが送ってくれてるか)

加蓮(ううん、そうでなくても最近は暑くなったり寒くなったり、体調崩しやすいし――って)


加蓮「……ふふっ。説得力なさすぎでしょ私……いたた」

加蓮「はぁ、早く治さないとなぁ――」


こんこんっ


加蓮「あ……、お母さん?」


「――あら、起きたの? 入っても大丈夫?」


加蓮「うん、さっき。いいよ」


かちゃり


母「具合はどう?」

加蓮「さいてーさいあく」

母「ふふ、そう。お粥作ってあるけど……食べれそう?」

加蓮「うん、食べる。お昼抜きはさすがにつらかったとこ」

母「なら良かった。起きれる?」

加蓮「ん、それくらいは余裕――あやっぱダメ、死にそ」クテン

母「ふざけないの」ペシ

加蓮「いっ……!? ま、まだ頭痛いのマジだからぁ……っ!」ズギンズギン…!

母「あらら、それはごめんなさいね。ちゃっちゃと起きなさい」

加蓮「うぅ、冗談なのにぃ……!」

母「言って良いことと悪いことがあります」

加蓮「ぁい……ごめんなさい……」ムク…

母「……ここ? 首辺り?」サスサス

加蓮「あ……うん、ていうか全体……? 久しぶりだから分かんない」

母「そうね……。寝込むほど体調崩すなんて、もう風邪をひいたときくらいかしら?」ナデナデ

加蓮「ん……アイドルになってからはそうかも。あはは、健康優良児とはいかないね、やっぱり」

母「ふふふ。ここまで頑丈になっただけ大したものよ」

加蓮「かな? まぁだいぶ鍛えられてるしねー」

母「…………。よく頑張ったわね、加蓮。……ううん、今もすごく頑張ってる」

加蓮「……そっかな」

母「ええ。アンタは私の自慢の娘」ナデナデ

加蓮「~~っ……! い、いいからお粥っ」ペシー

母「ふふっ、はいはい♪ すぐ持ってくるから」

加蓮「もう……!」



―――


加蓮「はぐはぐはぐ」


母「いい食べっぷり……そんなにお腹空いてたの?」

加蓮「ん」モグモグ

母「お味はどうかしら」

加蓮「んっ」bグッ

母「そう」クスッ

加蓮「……んぐ。でもやっぱりちょっと薄い……懐かしいけど」

母「お母さんも久しぶりに作ったからね……立派になってくれたおかげで」

加蓮「それはいいってば……。ごちそうさまでした」

母「はい、お粗末さまでした。うーん、全部食べたわねぇ」

加蓮「うん。……変?」

母「だって、前は半分は残してたでしょう? 残りを食べちゃうのが私の密かな楽しみだったんだけど……」

加蓮「密かな楽しみって。私そんな残してたっけ?」

母「ええ、大抵は。まだいけそうじゃない、その様子だと」

加蓮「ポテトいけます」

母「調子に乗らないの」ポフッ

加蓮「あぅふ……っ!」ズキンズキン…!

母「でも、そうねぇ。今までは一度寝込むと2、3日はダウンしてたのに」

加蓮「い、今にもダウンしそうなんですけど……」ピクピク…

母「それが今や半日で軽口叩けるまでになるなんて……お母さん感激」

加蓮「オフで良かったような、タイミング悪かったような……」

母「ふふ、本当は遊びに行きたかったんじゃない?」

加蓮「んーん、どっちにしろ雨だし……自主レッスン行きたかったな」

母「あら。あのめんどくさがりが自主レッスン?」

加蓮「そ、あのめんどくさがりがね。……ふたりに置いてかれたくないもん」

母「なるほど。李衣菜ちゃんと、泰葉ちゃんか」

加蓮「うん。せめて隣にいられるようにってね。頑張らないと」

母「……ふふ」

加蓮「ん、なに?」

母「そんなふうに思えるお友だち、できたのね」

加蓮「えへへ……。李衣菜の人懐っこさと、泰葉の優しさのせいでね……いつの間にかこうなっちゃった」

母「んふふ、なかなか良いようにイジられてるみたいねぇ?」ニヤニヤ

加蓮「あぁ、それね……。まさに今みたいなお母さんが増えた感じ」ムス

母「ふふ♪ 加蓮が人前であんなに慌てたり焦ったりなんて、今までだったらありえないわね♪」

加蓮「う、うるさいっ! あー頭に響く……!」ズキズキ

母「はいはい、加蓮ちゃんいいこいいこ♪」ナーデナーデ

加蓮「うぅ……なんでこうなったんだろほんと……」

母「ふふふ――」


母(それだけ李衣菜ちゃんと泰葉ちゃんに心を許してるってことよね……)

母(本当に……良かった。ありがとうね、お友だちになってくれて……!)

加蓮「――う……ごめ、ほんとに頭痛ぶり返してきた……」

母「あらま。お母さんもごめんね、こんなに話しちゃって。横になんなさい」

加蓮「うん……ちょっと寝る~……」

母「夕飯は……そうね、適当に作っとくから、夜中に目が覚めたらそれ食べて」

加蓮「ん……ありがと」

母「明日は元気な姿見せなさいね?」

加蓮「任せて、今までとは違うんだから。ふふふっ」

母「ふふ。おやすみなさい」ナデ

加蓮「ん。おやすみ、お母さん……」


かちゃり

ぱたん……


加蓮「…………んん」モゾ


加蓮「……うん」

加蓮「気合だ、北条加蓮」

加蓮「さくっと治して、また明日から頑張れ私っ。根性見せろっ」

加蓮「……ふふ」


加蓮(気合だ根性だなんて、昔の私が聞いたらなんて言うかな。ねぇ――)


加蓮「…………」


加蓮「李衣菜……泰葉……」

加蓮「……Pさん、ちひろさん」

加蓮「…………」



加蓮「………………好きぃ」ポソリ


加蓮「…………」

加蓮「…………」



加蓮「……うぁ~……!」カァァ…

加蓮「さ、さっさと寝よう。寝るに限る」モゾモゾ


加蓮(うわー……顔、あつっ……)

加蓮(体が弱ってると……うん、つい口走っちゃうこともあるって。うん)



加蓮(……寂しがり、だなぁ……私)


加蓮(まぁ、それでも……いっか……)ウト



加蓮(あした、は……えがお……で……)ウトウト




加蓮「…………すぅ……すぅ……」









ピンポーン


―――

――




加蓮「……んー」モゾ…


加蓮「…………トイレ……」ムクリ

加蓮「……お。頭軽い……治った、かな?」


加蓮(ふふ、これなら明日はよゆーかなー♪)

加蓮(今は……なんだ、まだ10時か……。夕飯作っとくって言ってたし、少しだけ食べよっと)


加蓮「~♪」トテトテ

加蓮「――あれ……?」


加蓮(リビング騒がしい……?)


がちゃり



父「――いやぁありがとね泰葉ちゃん。アイドルにお酌してもらうなんて幸せだなーえへへ」

泰葉「ふふ、全然構いませんよ。私の両親は九州ですし……こういうの、憧れてました」


加蓮「……へっ?」

加蓮「な、え、……はっ?」

父「ん? あぁ加蓮、起きたんだね。母さんから聞いたけど具合はどうかな?」

泰葉「加蓮! 頭痛治ったの? もう、心配かけて……」

加蓮「う、うん。もう大丈夫――」


加蓮「じゃなくて! なにやってんの泰葉!? どうしてうちにいるの!? ていうかなにお父さんにお酒注いでんの!?」

泰葉「ふふ、こんばんは加蓮」ペコリ

加蓮「あ、こんばんは」ペコ


加蓮「って挨拶はどーでもいいんだってばッ!」

父「どうどう。落ち着きなさい」

泰葉「どうどう。あと質問はひとつだけね」

加蓮「はぁ……はぁ……! じゃ、じゃあ……なんでうちにっ?」

泰葉「朝LINEくれたでしょう? いつもなら何度もメッセージ送ってくるのに……」


李衣菜「――朝のそれっきりだったからね。おかしいと思ってお仕事終わりに寄ったら案の定、ってわけ」トコトコ

加蓮「うわぁやっぱり李衣菜もいた……」

李衣菜「うわぁってひどくない? ……良かった、元気になったみたいだね。へへへ」

父「加蓮、お礼言いなさい。心配してお見舞いに来てくれたんだから。改めて僕からもありがとう、娘のために」

李衣菜「そんなそんな。お礼なんていいですよっ」

泰葉「勝手に押しかけて、夕飯までごちそうになっちゃいましたし……」

加蓮「お見舞いに来て人んちでご飯食べるってどうなの……」


母「――ふふ、起きたのね加蓮。治ったみたいね」スタスタ

母「それと、夕飯作るのも手伝ってもらったのよ。というかほとんど作ってくれて助かっちゃったわ♪」

泰葉「加蓮が元気になるように、と思ったので。ふふふ」

李衣菜「いつもより気合入れて作ったんだ、加蓮ママや加蓮パパにも喜んでもらえるようにっ」

加蓮「えぇ~……」

父「うーむ、加蓮も僕に手料理作ってくれないかな……」

李衣菜「教えようとはしてるんですけどねー。本人が乗り気じゃなくて」

父「そっか……。いや、李衣菜ちゃんお願いだ。なんとか粘り強く――」

李衣菜「分かりました! 私が絶対に――!」


母「私の立つ瀬がないわねー。李衣菜ちゃんほんと料理上手なんだもの」

泰葉「いえ、立つ瀬がないなんてそんなこと。加蓮の好きな味を知っているのは加蓮ママじゃないですか」

母「はっ、そうね、そうだったわ! 李衣菜ちゃんの料理スキルと私が長年培った加蓮への愛……それを合わせれば!」

泰葉「ええ、そうしたらきっと最高の料理が――♪」

母「ありがとう泰葉ちゃん――!」


わいわいがやがや


加蓮「……馴染みすぎでしょふたりとも……」

李衣菜「――あっ! そうだ忘れてたっ。加蓮、お腹空いてるでしょ?」

加蓮「う、うん。食べたいけど」

李衣菜「じゃあすぐあっためてあげるよ、待ってて!」タタッ

加蓮「はいはいありがと。ふふ、そんな急がなくてもいいのに……」

加蓮「って、私トイレに起きたんだった。ちょっと行って――」


泰葉「あ、ひとりで平気? ついてく?」

加蓮「バカにしてる? ねぇバカにしてる?」

泰葉「ふふっ、冗談なのに」

加蓮「子どもか私……んもー」


キッチン<トイレはリビング出て右だよー


加蓮「知ってる! 自分ちで迷子ってなんなの!」プンスカ



母「ふふふ♪」

父「なんだか君にからかわれてるみたいだね、加蓮」

母「そうね。でもいいじゃない、私たち以外にもあんな顔を見せるようになってくれて」

父「……ああ。そうだね」ニコ

加蓮「――で。こんな時間までいるってことは、泊まるつもりなんでしょ?」モグモグ

李衣菜「まぁね。着替えまだ置いてあったっけ?」

加蓮「うん、あるよふたりの分。なんか久しぶりだよね、うちに泊まるの」

泰葉「ふふ、いつもは私の家だものね。今日はお世話になります」

加蓮「ふっふっふ……覚悟してよね、今夜は寝かせないんだから♪」

李衣菜「…………」

泰葉「…………」


泰葉「すみません、夕飯どころかお泊りまで……」

母「いいのいいの♪ あ、お風呂入っちゃいなさいな。お仕事で疲れてるでしょう?」

李衣菜「えへへ、ありがとうございます! 一緒に入ろう泰葉~♪」


加蓮「……無視されるってつらいねお父さん」モグモグ…

父「そうやって人は大人になっていくんだよ加蓮」ポフポフ

加蓮「待ってよ、私も入る~!」

李衣菜「え、3人行ける?」

加蓮「イケるイケる、うちのお風呂広いし」

泰葉「……そうよね……。私の家なんて狭苦しくて息が詰まるよね……」ウル…

加蓮「えっ!? や、違っ、そういう意味じゃ……!」

李衣菜「あーあ。泰葉かわいそう」

加蓮「ちょ、ちょっと泰葉っ、ごめんってば――」


泰葉「というわけで加蓮はもう出禁です」シレッ

李衣菜「わー♪」

加蓮「」

加蓮「また人のことからかってぇぇええっ!!」

泰葉「ふふふっ、怒った……♪」

李衣菜「あははっ! 逃げろ泰葉~♪」

母「あんまり騒いじゃダメよ~、静かに入んなさーい」

「「「はーいっ」」」



母「……ふう。なんだか娘が増えたみたい」

父「いやぁ、賑やかで楽しいね。……楽しいついでに僕はもう一杯」

母「今日はもうダメです」ペシ

父「ちぇー」

母「……あら?」


母「いつの間にか雨止んだのね。ふふっ……」

母「明日は晴れますように。あの子たちには元気でいてもらわないと♪」



おわり

というお話だったのさ
このシリーズの加蓮がわりかしイジられやすいのは、ゼロ距離で接してくる彼女たちのせい……おかげなのかもしれない

④ 
http://imefix.info/20160623/581203/rare.jpeg

>>32
うわあああああああああああああありがとうございますありがとうございます一生大切にしますありがとう!!
嬉しすぎて震える……かわいいよぉ

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