【艦これ】提督「ポーラへの苦情が膨大な量になってるって?」 (38)

SS初投稿です。至らない点はご容赦を。
ルール等には目を通しましたが間違っている点があれば指摘してくれると幸いです。

キャラ崩壊はあまり無いはずだと思いますが、
提督の呼び方、口調など艦娘を把握出来ていない為、間違いがあるかもしれません。

一部、Fate/Zeroに関するネタが出てくるので知らないと解りにくい部分があると思います。

ポーラのSSが少ないので書いてみますた。
良かったら読んでやって下さい。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466430334

【執務室にて】

提督「ポーラへの苦情が膨大な量になってるって?」

大淀「そうですね無記名の御意見箱とは言え…
内容を見た所、隼鷹、千歳、妙高型、ヴェールヌイと思わしき投稿以外、ほぼ全ての艦娘からですね」

提督「妙高型そろって、というのは那智がそこそこ飲むからだろうな。意見自粛してる所が実に妙高達らしい」

ザラ「妹がいつもご迷惑を…うぅ~」

提督「ザラ、君が気にする必要は無い。大淀、重複する意見を除いてその山を整理しておいてくれるかな」

大淀「既に似かよった意見はまとめて、整理しておきました」

提督「いつもスマナイね、では優先度の高そうな内容から適当に抜粋して読み上げてくれるかな」

ザラ「既に胃が痛いわ…」

提督「繰り返しになるがザラが気にする必要は無い。
艦娘の皆が円滑に働ける職場…いや任務を行える環境作りに気を配るのも私の仕事だからね」

大淀「言い直さなくても通じますが、そう言えば提督は外資系民間企業からの転属組でしたね」

ザラ「そうだったんですか!?知らなかった」

提督「特段言う必要性も感じなかったからね…人間同士の戦争への参加なら御免こうむるけど、
ここは、ある程度自分の裁量で動けるしね。では大淀頼む」

大淀「はい、それでは…『私も食事は食べる方ですし、少しはお酒も嗜みますが
酔って服を脱ぐのは流石に常識がありません』」

ザラ「あの子ったら、いつもいつも!」

提督「ん~これは加賀あたりかな?それは風紀的にも、私的にも鎮守府唯一の男性だから確かに困るなぁ」

大淀「次です『秘書艦なのに酔っぱらって時報を放棄とかありえないのです』」

ザラ「私には、いっつも飲んで無いって言ってるのに!」

提督「これは電かな?ところで大淀、秘書艦の時報についてはどういう規定になってる?」

大淀「そうですね、声帯を司る妖精さんの都合で時報が出来ない艦娘も居ますから特に規定も義務も無いですね」

提督「だよな。そもそも私自身、時間は自分で管理する物だと思っているし、
時報を言ってくれる艦娘に感謝はするが、言ってくれないからといってマイナス評価にはならないよ」

ザラ(ほっ…)

大淀「では次です『飲んだまま出撃とかありえないじゃーん?』」

提督「これは鈴谷かな?」

ザラ「うぅ~胃が…」

提督「まぁまぁ、ザラがそんなに責任を感じる必要は無い。
ポーラの姉という事で参加して貰っているが、まだ大淀からの報告は終わっていないぞ」

提督「で、大淀、ポーラの戦闘データはどうなってる?」

大淀「はい、そうですね昼の砲撃戦では戦果を上げています。
夜戦に関してはザラさん含めザラ級の特徴なので大きい戦果はありませんが…」

ザラ「それはポーラだけの話じゃありませんね…」

提督「いや、それはザラ級の特徴で雷装が低いからだし、
その代わり射程が長い、水戦が搭載できるって特徴があるじゃないか
その特徴をうまく運用出来るかは戦場に出れない私が考える事だよ」

ザラ「そう言ってもらえると助かります」

提督「大淀、次は?」

大淀「そうですね、他は苦情と呼べる程の物では無いんですよね
『私は飲むより食べるほうが好きです』
『しれぇ!ウィスキーボンボン?というチョコをポーラさんから貰ったけど美味しかったです!』
『被弾して脱いで横乳見せつけるとか、嫌味か!(涙』
『夜戦のテンションが私とは違った感じでハイで楽しいと思うよ!』
『ポーラさんが脱いだ所を鎮守府新聞に載せてもいいですか!?』
こんな感じの物ばかりで苦情という程の物では無いような…」

ザラ「ポーラ!?ウィスキーボンボンを駆逐艦に勧めるなんて…いえ、あの程度なら問題無いですかね?」

提督「うむ」

提督「よし、整理させてもらうぞ?似たような内容をまとめてしまうと
1.酔うと脱ぐのは困る
2.秘書艦勤務中に飲んで、時報放棄するな
3.飲んだまま出撃するな こんな所か?」

大淀「そうですね、重複している意見をまとめるとその3つくらいです」

ザラ「うぅ~なんとかポーラを禁酒させますので…」

提督「いやいや、それは違うよ、ザラ。とりあえず1.に関しては私も男なので困るから注意するしザラからも頼む。
2.や3.についてはイメージ的な問題だろう、ここが民間企業なら勤務中に飲むのは非常識でクビになるが
ここは私の鎮守府だ、任務に支障が無い限りは、ある程度自由にしてもらいたいし
過ごしやすい環境を作りたいと思っている。何しろ私は戦場に出向けるわけでも無いしね」

提督「それに、あぁ見えて秘書艦時のポーラは酔って書類の束をひっくり返す事がある程度で
それ以外はしっかりこなしてくれてるぞ?書類も問題無い。ある意味酔ってて書類にミス無いとか逆に凄い」

大淀「そうですね、一応私が再チェックしますが、ポーラさんの書類上のミスを見る事は殆どありませんねぇ…」

ザラ「えっ?酔ってるのに…?何それ怖い」

大淀「それでは提督、2.と3.についてはどうされるんですか?」

提督「それに関しては考えている事がある…概要説明は今からでは遅いから、明日でいいか?」

大淀「了解しました」

【翌日これまた提督執務室】

大淀「こんにちは、提督、お疲れ様です」

ザラ「Buon Giornov! 提督、お疲れ様です」

提督「皆こそ、お疲れ。さて昨日のポーラの件の続きだが…」

提督「まず、アニメ映画を鎮守府内で自主制作して上映会を開く。そして、その後は映画の感想も良しの懇親会というか飲み会だ」

大淀「そういえば、提督はオタ…サブカルチャーに明るかったですね」

ザラ「はぁ、アニメですかぁ」

提督「言い直さなくてもいい。アニメやゲームは好きだが意外な事に
ソレがきっかけで広がる知識は多いからバカにしたものでも無いぞ?
私なんてゲームの三国志をやらなかったら三国志の書籍を読む事も無かっただろうしな」

大淀「そうですね、媒体は何であれ興味をもつ間口になるという意味では有益ですね」

ザラ「提督、アニメ映画とポーラのイメージというのがイマイチ解らないんですが…」

提督「そこは一応、艦娘を題材にしたアニメ映画だ。
ザラにはリストを渡すから、ポーラ以外のモチーフとなる艦娘にアフレコを頼む許可を取ってきてもらえるか?
あと、ポーラのアフレコは声帯の妖精…ゴホン、声が似てるからザラに頼む事になる」

ザラ「了解です!でも、ポーラ以外なんですか?」

提督「ポーラにはサプライズという形にしたいから内緒にしておくんだ」

大淀「提督、その後の飲み会というのは何が目的なんですか?」

提督「日本特有の飲ミニケーションをポーラにも解ってもらうのが目的だ。
まだ深海棲艦の脅威が無く各企業がマトモに機能してた頃は国内企業では多かったと聞く。
欧米系外資の合理主義は見習うべきだが、それをそのまま日本に当てはめても上手く行かないんだよ」

ザラ「う~ん…そういう物なんですか?」

大淀「最近では飲ミニケーションを苦手とする若者も多いと聞きましたが?」

提督「それは『今夜は無礼講で』と言っておきながら、自分の粗相は棚に上げて新人や若手の粗相は許さないという
老害…もとい、上司がいるからだろうな。

軍属で例えると『今夜は腹を割って話合おう』とか言われて、結局階級の上下関係が生き残ったままじゃ
腹割って話せないだろう?」

ザラ「提督、ソソーウって何ですか?」

提督「一般的な意味では相手への失礼な振る舞いを指す。
酒の上の粗相だと微妙に意味合いが変わってきて
アルハラ=アルコールハラスメント=飲めない相手への強要、
とかリバース…飲んだり食べたりした物を戻すという意味だ、トイレ等で行えばこの場合粗相にはならない
あとは酔った勢いで上司への本音というか欠点の指摘も入るかな」

ザラ「なるほど、上下関係が存在したままで~ですか…ポーラですら飲めない相手に無理強いはしないですしねぇ」

提督「ポーラはノせてくるけど、強要はしないよ。私も量飲める方では無いし」

大淀「そうですねぇ…ポーラに付き合っての翌日、隼鷹、千歳、那智の呑んべぇ組は自己責任ですしね」

提督「それにお酒に関しては、狂言『餅酒』酒の十徳からの引用だが『万人和合す』という言葉があってだな
まぁ、飲んで話すれば仲良くなる、親しみ合う事ができるって事だな」

ザラ「それがニホンでのオサケ、ノミカイの価値観なんですね」

提督「ポーラは着任して間も無いからまだ歓迎会を開いて無いってのもあるが
一部の飲み仲間と飲んでる以外は不健康な飲み方をしてるだろう?」

ザラ「そうですね、早くにニホンの艦娘達と打ち解けてくれたと言っても飲み仲間の一部だけですし」

提督「君たち艦娘は艦船だった時の記憶を受け継いでいる。
ポーラの不健康な飲み方はそこに関係があるんじゃないかと思うんだよ、勝手な憶測だけどね」

提督「ではアニメ制作の話を進めるぞ?」

大淀・ザラ「「はい」」

提督「期間が無いから流石にシナリオは外注だ。大淀はこの二人の先生に話をつけてきてくれ
ギャラは軍票という訳には行かないから、現金だ。番号は後で伝える」
つ[キャッシュカード]

大淀「茄子しめじ先生に、虚乃淵 ゲン先生ですか了解しました」

提督「ザラは先ほどの出演艦娘というかモチーフ艦娘の許可と
夕張と明石にCGを任せようと思ってるから必要な機材があったらこれで注文してくれ」
つ[ダイ○ースプレミアカード]

ザラ「このクレジットカード黒いんですね」

大淀「ヒッ!!」

ザラ「?」

提督「あーいや、大淀…あのな?民間に在籍してた時はそこそこサラリーが良かったからな…
なんとなく作ったけど密林でアニメのディスクとかフィギュアとかオタクな買い物位しかしてないぞ…
提督に転職しても更新できたからそのままにしてあるだけだ」

大淀「僭越ながらこれがあれば遠征なんてしなくてもいいのでは…?」

提督「いや、それでは『私が何かをした』では無く『私のお金が何かをした』になるだろう…
私は私の手で君たち艦娘と共に深海棲艦の打倒を成し遂げたいんだよ。
だから、あくまで私財を使うのは皆が過ごしやすい鎮守府の環境作りまでだ」

大淀「そうですね、提督はそういうお方でしたね、失礼しました」

ザラ「提督はどうされるんです?」

提督「私は秋雲先生に話をつけてくるよ、一番作業負荷が高いのは秋雲だろうからね。
隼鷹、那智、千歳あたりに秋雲の手伝いも頼んでみる。広報は青葉だな」

【Side:大淀】
大淀「はい、はい…資料は先ほどお送りした大筋でシナリオ作成の依頼なのですが」

大淀「ありがとうございます!納期に関しては、え、心配するな?は、はぁ…
提督の望んでいるシナリオが全て解った? はぁ…」


【Side:ザラ】
ザラ「というワケで武蔵さんお願いできますか…?」

武蔵「ふむ、アニメ映画か提督も面白い事を考える。もちろん構わんよ」

長門「アニメになってもビッグ7の力、侮るなよ?」

龍驤「ん~ウチは貧乳のサイコパス女性提督に召喚されて、死ぬ役かぁ」

ザラ「す、すみません…」

龍驤「まぁ別にえぇよ?ウチも隼鷹ほど付き合っとるワケやあらへんけど
ポーラと呑んどって楽しいからな」


【Side:提督】
提督「秋雲先生~、お願いします」

秋雲「ん~シナリオが外注なのが残念だけど納期的にねぇ~それに同じ鎮守府の仲間の為ってんなら引き受けるさ!」


提督「そんなこんなで、秋雲の作業手伝ってやって欲しいんだが」

那智「うむ、ポーラとは頭痛になってしまうが良い飲み友だしな、引き受けさせてもらおう」
隼鷹「ヒャッハー!飲み友の為ってんだ、引き受けるさぁ」
千歳「飲み友だけは、やらせない!!」

【1週間後】
提督「各自の進捗は?」

大淀「しめじ先生と虚乃淵先生は3日でシナリオ入稿してきました…」

提督「何それ、天才こわい」

ザラ「明石さんと夕張さんはXeon E7-8870,メモリ64GB,SSD1TBx4,4Kモニタx2のマシンが2台とかで
ノリノリで背景とか出来る所から既に作業始めてますよ。
アフレコはなんとかポーラのモノマネを頑張ってますし、お二人が編集してよりポーラ似た感じにしてくれてます」

提督「うわぁ…ここぞとばかりに趣味なマシン作ったなぁ…」

提督「こっちは秋雲先生が頑張ってくれてるし、那智、隼鷹、千歳も慣れないながらも
秋雲のアシスタントとして頑張っているらしい」

青葉「広報は鎮守府内の掲示板とかポスターの設置は済みましたぁ~
一週間前に艦娘が出る作品って事を解禁してPVとかの展開を始めます。
PVは編集でポーラさんが出るのは解らないようにしてあります」

提督「今のところ順調だな、幸い来月は大規模な作戦も予定されて無いし
非常事態が無い限り公開日は全員休みだ。鳳翔、間宮、伊良湖には最低限の量のつまみやデザートを頼んで
残りは外から注文してこよう。そうしないと全員休みなのに彼女らが休めないからな」

【上映&飲み会当日】
暁「アニメ映画なんてレディーの見る物じゃないわ」

響「おやおや、見もせずに批判するのはレディーのする事なのかい?」

暁「え、えっとそれは…」

雷「提督も私にもーっと頼ってくれてもいいのに、いつの間にか映画製作なんて」

電「まぁまぁ、なのです。映画の後は飲み放題食べ放題の懇親会らしいのです!」


ザラ「ポーラ!今日はあんまり飲みすぎちゃ駄目よ!?あと、映画もしっかり見るのよ!」

ポーラ「はい、お姉さまぁ~ ポーラは飲み過ぎたりしませんよぉ~映画も楽しみです~」

【上映開始】
夕張「それでは只今より、鎮守府制作映画『Fa†e/Kan』の上映を始めます」ビーッ

OPテーマ「oath/sign」
https://www.youtube.com/watch?v=5Muq7WxxsbU
繰り返す世界 何度手を伸ばしたら儚い涙は黒い心溶かすの?♪
芽生え出した思いが胸に響いたなら君の隣でずっと変わらず護るだろう♪

 熊野(なかなか本格的ですのね)
 鈴谷(良い曲じゃーん)

 漣(ちょwww パクりじゃないですかご主人様wwww
 あれ? 「原作:虚乃淵 ゲン」「原案:茄子しめじ」 ってえええぇぇ~??)

 ザラ「あ、ポーラが出てるよ(ボソボソ」(小声すっとぼけ
 ポーラ「え、どこどこ~ ほんとだ、大変~ ポーラが2人ぃ~ 飲んでませんよぉ?(ボソボソ」
 ザラ「解ってるわよ、飲んで良いのは映画観賞が終わってからよ(ボソボソ」

【2階制作関係者席】
明石「いやぁ~OPは力入っちゃいましたねぇ~」
夕張「時間があったらもっとグリグリ動かしたかったんだけどねぇ」
大淀「まぁまぁこれ以上となるとキャラ絵の事考えたら秋雲さんが轟沈してしまいますよ」
提督「期間を考えたら皆よくやってくれたよ」

【上映中-序盤】

--------聖杯
あらゆる願いを叶えるとされる「万能の願望機」
これを巡って人々は幾度となく戦争を続けてきた。

しかし、国々の損耗が激しい事から
今となっては第二次世界大戦中の軍艦の意思を呼び出す能力を持った
「提督」と呼ばれる存在と軍艦の意思を具現化した「艦娘」というペアでの
国同士の代理戦争という形になったのだ。

そう、愚かしい事に人間は未だに欲望のぶつかり合いで
戦争という名の殺し合いをしている。


吹雪(艦娘という設定を使ってるけど重苦しい話ですねぇ…)

劇中ケリィ提督「艦娘の召喚には、それほど大がかりな儀式は必要無いんだ、
戦争が艦娘を呼び寄せる。世界から戦争が無くならない限りね」

劇中提督's「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
戦争の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、海原の守り手よ―――!」


睦月(カッコイイにゃしぃ)
長月(カッコいい…)
菊月(カッコいい…)


劇中トオサカ提督「勝ったぞキレイ提督…この戦い…我々の勝利だ」
劇中ムサシ「……………………」


劇中ポーラ「貴方がぁ~私のぉ~テートクですかぁ~? ヒック」
劇中ケリィ提督「お、おぅ(ドンビキ」

【上映中-中盤】
 ガシャーンバリーン
劇中ナガト「ん、ポーラどうした、なぜ艤装を展開している」

劇中ポーラ「ナガトはぁ~何をしに来たんですかぁ~? ここで夜戦ですかぁ~?」

劇中長門「見て解らないか、一献酌み交わしに来たに決まっておろう」

劇中ポーラ「お酒ですか!?そういう事なら大歓迎ですよぉ~」

劇中ナガト「でだ、聖杯はそれを持つにふさわしい者の手に渡るという。それを見極めるのが聖杯戦争 ゴクゴク」

劇中ポーラ「美味しい、美味しいですねぇ~ ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」

劇中ナガト「何も見極める為だけなら小規模になったとは言え戦争などして我々が血を流す必要もあるまいよ ゴクゴク」

劇中ポーラ「ん~そうですねぇ~ ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク もう一杯頂けますかぁ~ うぇひゃひゃひゃ」

劇中ナガト「お、おぅ、ほら。で続きだが宴席での話合いで艦娘同士お互いの格に納得が行ったなら、
聖杯の担い手など自ずと答えが出る。ゴクゴク」

ドオォォーン
劇中ムサシ「戯れはそこまでにしておけよ、雑種」

劇中ナガト「おぅ、遅かったでは無いか。ほれ、かけつけ一杯」

劇中ムサシ「ゴクッ…なんだ、この安酒は。こんな安酒の酒宴で艦娘同士の格が量れるとでも思ったか」

劇中ポーラ「そうですかぁ~? ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク 結構いけますよぉ~ ゴクゴクゴクゴクゴク」

劇中ムサシ「お、おぅ…、しかしこれが本当の美酒という物だ」ドンッつ凸(大吟醸 剣聖武蔵x12)


陸奥「しかし、アナタお酒は全然飲めないわよねぇ…(ボソボソ」
長門「うむ…そうなのだが、飲めるように見えるという事だけであの役周りだ…アニメで良かったよ(ボソボソ」
陸奥「あらあら…(ボソボソ」

劇中ナガト「それで、提督達という人間の思惑はさておき、皆は何故聖杯を欲する」

劇中ムサシ「言いだしっぺの法則という物を知らんのか、雑種」

劇中ポーラ「ゴクゴクゴクゴクゴクゴク ぷはぁ~」

劇中ナガト「それもそうだな…私はだな『人間』になりたいのだ」

劇中ムサシ「ハハッ、人間なんぞになってどうする?度し難い程に巨大なこの武蔵を
殺し合いの道具として建造し未だ戦争をしている愚かな生き物だぞ」

劇中ポーラ「ゴクゴクゴクゴクゴクゴク ニホンシュ、美味しいですねぇ~ ゴクゴクゴクゴクゴクゴク」

劇中ナガト「だからこそだ。兵器としての長門は既に沈んだが、今はこうして軍艦ともつかぬ
人間ともつかぬ物として存在している。
そして貴様が先ほど述べた人間の愚かさだが、これは人間にならねば解るまいよ。
私は話したぞ、次は貴様の番だ」

劇中ムサシ「我か?我は特に願う事や叶えてもらいたい奇跡なぞ無い。
確かに今は人間のような物ではあるが本質が兵器である事は変わらぬよ。
兵器が人を殺すのか?それぞれ大義を振りかざし、兵器を使い殺し合うのが人間だろう」

劇中ポーラ「でもぉ~ ゴクゴクゴク そのぉ~愚かな人間とやらがぁ~ ゴクゴク 
作ったのが過去の私たちですよぉ~? ゴクゴクゴクゴク 
そしてぇ~久しぶりに呼び出されたと思ったらぁ~ ゴクゴクゴクゴク まぁた戦争ですよぉ~?

そんな人間がぁ~ ゴクゴク 愚かだと言うならぁ~ ゴクゴク 愚か者に作られたぁ~ ゴクゴクゴク
私たちはぁ~ もっと愚かって事になっちゃいますよぅ~? ゴクゴクゴクゴクゴク」

劇中ムサシ「ふむ…」
劇中ナガト「むぅ…」

劇中ポーラ「そしてぇ~ ゴクゴクゴク 今の私たちはぁ~ ゴクゴク 自分の意思を持っていますしぃ~
ゴクゴクゴク ヒック こうしてお酒を楽しみながらぁ~話し合いができるんですよぉ~? ゴクゴク
それはぁ~もぅ~少しぐらい違う所があってもぉ~ ゴクゴクゴク 人間と同じなんじゃないんですかぁ~?」

劇中ナガト(酒がもう1本しか無い…ドンビキ
「ならば、ザラ級重巡洋艦ポーラは聖杯に何を望むのだ」

劇中ポーラ「そうですねぇ~ ゴクゴク 聖杯がぁ~ ゴクゴク あらゆる願いを叶えるというならぁ~
過去の私を助けに来てぇ~沈んでしまったぁ~ゴクゴク~ザラ姉さま、フィウメ姉さま、駆逐艦、乗員、救助してくれた英国
それを~今のぉ~ ゴクゴク 私の心と目で見なければぁ~と思っていますねぇ~ ゴクゴク」

劇中ムサシ「結局、皆思いはバラバラ、戦うしかないようだな」

劇中ポーラ「そもそもぉ~ ゴクゴク 提督に召喚されたのならぁ~ ゴク 艦呪がある限りぃ~
命令に逆らえませんよぉ~? もう飲むしかないで…あれぇ~お酒切れちゃった」

劇中ムサシ「」
劇中ナガト「」


加賀(ポーラさんにはそういう過去があったのね…私も勉強不足…
海外艦については知らない事が多いわ…私もまた赤城さんが沈んでしまったらと思うと…ジ-)
赤城「? ポップコーン モグモグ」

【中盤の補足】
龍驤ちゃんはサイコパスな無い乳提督に呼び出されて
聖杯とか関係無しにボインな人間を殺戮しまくったので、
一時的に聖杯戦争が休止になり、皆からフルボッコされました


龍驤「ウチの扱い酷すぎんか!?」

【上映中-終盤】
劇中ケリィ提督「ハァハァ…どこだ…ここは…」

聖杯の声「片方の艦隊に300人の艦娘、もう片方に200人の艦娘」

劇中ケリィ提督「なん…だ…」

聖杯の声「総勢500人の艦娘と、あとはケリィ提督、仮にこの501名戦争による最後の生き残りと設定しよう」

聖杯の声「この2つの艦隊を運ぶ大型輸送船に同時に大きな穴が開いた。
ケリィ提督、君だけが輸送船を治せるスキルを持っている」

聖杯の声「さぁ、君はどちらの艦隊を救うのだろう」

劇中ケリィ提督「当然、300人の艦隊だ…」

聖杯の声「君がそう決断すると200人側の艦娘が君を捕えて、こう要求してきた
『私たちの輸送船を先に直せ』と…さぁ、どうする?」

劇中ケリィ提督「それは…」


暁「こんなの選べるわけ無いじゃない!」
響「落ち着いて暁、これは映画だよ」
雷「でも仮の話でもどうしろって言うのよ…」
電「どちらも助けたいのです…」

ガキッ ガギギギギ…
聖杯の声「200人全てを非常解体、正解だ」

聖杯の声「さて、生き残った300人の艦娘は傷ついた大型輸送船を捨て、
新たに2隻の小型輸送船に分乗して撤退を続ける」

聖杯の声「今度は片方に200人、もう一方に100人。
ところがこの2隻の輸送船にまたしても、同時に穴が開いた」

劇中ケリィ提督「おぃ!」

聖杯の声「君は100人の艦娘が乗る輸送船に拉致され、
『先にこちらの船を直せ』と要求される…さぁ、どうする?」

劇中ケリィ提督「そんなのッ!だが…!」


天龍「何だよッ!これはッ!大体、俺たちは死ぬ覚悟は出来てるんだよッ!」
龍田「天龍ちゃ~ん、気持ちは解るけどこれは映画だからねぇ~?」

ズドォーン
聖杯の声「100人の船を爆破…そう、君は正しい」

劇中ケリィ提督「馬鹿な…!そんな馬鹿な!!何が正しいモノか!!」

劇中ケリィ提督「生き残ったのが200人、その為に死んだのが300人
これでは天秤の針がアベコベだ!!!」

聖杯の声「いいや、君は間違っていない。多数を救うべく少数の犠牲を選んだ
これはその結果だ」

聖杯の声「すなわち、『万能の願望機』である聖杯が遂げるべき行いだ」

劇中ケリィ提督「違う!こうする以外の方法があって欲しいと!
だから僕は奇跡に頼るしか無いと…」

聖杯の声「君が知りもしない方法を『君の願望』に含めるわけにはいかない」

聖杯の声「君が世界の救済を望むのなら、それは君が知っている手段によって成就されるしかない」

劇中ケリィ提督「ふざけるな!!こんなのどこが奇跡だ!!」

劇中ケリィ提督「聖杯なんて万能の願望機でも何でもないッ!!」



摩耶「チッ…クソが…ほんとにふざけんなよ」

劇中ポーラ「Fuoco!」ドンッドンッ!

劇中ムサシ「くっ、いいぞ、当ててこい!私はここだ!」

劇中ポーラ「さすがにぃ~ヤマート型は堅いですねぇ~」

劇中ムサシ「さあ、行くぞ! 撃ち方…始めっ!」ドォォォオン!

劇中ポーラ「痛い痛い痛い痛い、痛い~やぁ~だぁ~」

劇中ポーラ「ムサーシさん、もぉ~こんな痛い事、辞めません~?お姉様たちの最期を見届けられればぁ~
聖杯はお返しぃ~してぇ~ムサーシさんが持って行っていいですからぁ~」

劇中ムサシ「前に貴様が話したように艦呪がある限り提督には逆らえないだろう。
それに私の答えは戦うと決まっていると話したはずだ」ドォォォオン!

劇中ポーラ「うぅ~痛すぎですぅ! 飲まないとやってられないぃ!……ゴクゴク」

劇中ムサシ「戦いながら飲むとは、この武蔵も舐められたモノだな」

劇中ポーラ「違いますよぉ~ こうでもしないとムサーシさんには勝てないですからねぇ」

劇中ムサシ「何だと?雑種」

この時点でムサシは気づいて居なかった、戦闘を行っていた海上が
徐々に、赤く――紅く――染まって行っている事に

――― 体は樽で出来ている

血潮はアルコールで、心は蒟蒻

幾たびの酒場を越えて不敗

ただの一度も泥酔はなく

ただの一度も理解されない

彼の者は常に独り海の上でワインに酔う

故に、その肝臓に意味はなく

その体は、きっと樽で出来ていた

http://ux.getuploader.com/sssokuhouvip/download/110/%E8%BA%AB%E4%BD%93%E3%81%AF%E6%A8%BD%E3%81%A7%E5%87%BA%E6%9D%A5%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B.jpg

劇中ムサシ「な…んだと…これは心象風景…固有結界!?」

劇中ポーラ「恥ずかしいので~これだけは~使いたく無かったんですけどねぇ~」

賽の河原では、子供は父母の供養のために
小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず地獄の鬼に崩される。

転じて「無駄な努力」の例え。

一方、ポーラの魂は地獄へ行くことも天国へ行くことも無かった。

そう、彼女は軍艦だったのだから。

過去のポーラが沈んだ後に辿り着いたのは、漆黒の闇の中、魂と意識しか存在しない世界。

時が経つうちに、意識で望めば、なぜか酒を飲む事が出来る事に気づいた。

彼女の軍艦としての逸話がそうさせたのか、それは解らない。

そこで彼女が飲んだ酒は数知れず。

一瓶は自分のせいで姉を失ったという後悔。

一瓶は戦争という無駄な事を繰り返す人間への怨嗟。

一瓶は自分を建造し、愛してくれた人間への感謝。

一瓶は姉にもう一度会いたいという願望。

そう「賽の河原」より遥かに無駄な酒瓶を積み上げていた。

そして、長い長い時を経て艦娘として転生した彼女は
後悔と感謝が入り乱れたこの風景を何時でも展開できるようになっていた。

そう、「ardisco ad ogni impresa」という世界を。

気づけばムサシの周りは、海を覆い尽くす程の酒瓶、酒樽に囲まれていた。

払いのけても払いのけても、次から次へと湧いてくるのだ。まともに身動きも取れない。

劇中ムサシ「まだだ…まだこの程度で…」

劇中ポーラ「でもぉ~ここは完全に私の世界ですからねぇ~」

劇中ムサシ「くっ…これが、ただ兵器として沈んだとしか考えなかった我と貴様の差だというのか…」

劇中ポーラ「それはぁ~私にも解りませんよぉ~」

劇中ポーラ「ムサーシさん、すいませんねぇ~ 私はぁ私の望みを叶えたいんですぅ~」

劇中ムサシ「そう…か…」

劇中ポーラ「いいですか~? 撃ちますよ~? Fuoco!」ドンッドンッ!

結界が消えるとそこにはケリィ提督が居た。

劇中ポーラ「あ、提督ぅ~私たちが勝ったんですねぇ~ 聖杯で勝利の美酒、飲んでもいいですか~?」

ケリィ提督は何も喋らない。

劇中ポーラ「提督ぅ~?」

ケリィ提督がようやく口を開く

劇中ケリィ提督「ケリィの名の元に艦呪をもって命ずる、ポーラよ 艤装をもって聖杯を破壊せよ」

劇中ポーラ「なっ…」

劇中ケリィ提督「第三の艦呪をもって重ねて命ず、ポーラよ 艤装をもって聖杯を破壊せよ」

劇中ポーラ「やっ…いやあああああぁぁぁぁあぁぁぁ」

EDテーマ「to the beginning」
https://www.youtube.com/watch?v=29NR161Bmd4

あと一度だけ奇跡は起こるだろう
優しい声で描く歪んだ未来

もう誰も泣かない世界の為に
紅く汚された空の
何処にも

届かず消える 叫びと祈り
慰めは捨てて行ける

夕張「これにて、鎮守府制作映画『Fa†e/Kan』の上映を終わります」

明石「30分後に飲み放題、食べ放題の宴会が予定されていますので皆さん奮ってご参加下さいねぇ」

ザラ「ポーラ? ポーラ??」

ポーラ「あははぁ~ザラお姉様ぁ~ ポーラなんだか目から白ワインが出て止まらないんですよぉ~
これが、アルチューという病気なんですかぁ~?」(ボロボロ

ザラ「それは涙というのよ」

ポーラ「アハハぁ~解ってますよぉ~ザラお姉様ぁ~ ヒグッ
提督も悪趣味ですねぇ~古傷にワインを流し込んで抉るようなマネをするなんてぇ~」(ボロボロ

ザラ「そ、それはポーラ、今回の件には私も関わってるし、提督も悪気があったわけでh」

ダダッ

提督「ポーラ、すまない。勝手に君の過去を元に映画を作るような真似をして。
だがね、ここにいる艦娘、いや艦娘という存在自体が多かれ少なかれ過去の記憶を受け継いでいる。
それは、あまり良い思い出では無い事が多い。
それに、ポーラの飲み方は…日本の独特な「飲ミニケーション」では無い。
出来れば、この後の飲み会であまり顔をあわせない艦娘も含め色んな話をして欲しい」

ポーラ「しょうがないですねぇ~」

提督「勝手に過去をネタにした件に関しては謝って済む問題じゃない
後日、ポーラが満足するまで酒に付き合うから許してくれないか」

ザラ「提督、死ぬ気ですか」

【飲み会会場】
ポーラ「えぇ~今回は私の為にこのような場を…あぁ~面倒くさい!
飲っ、みっ、会~! 行ってみ~ましょ~! 食べ、ホー、ダイ! すすめ~!」

『流石に気分が高揚します』
『ヒャッハー酒だ酒だぁ!』
『僕はいつも通りウォッカで、暁はオレンジジュースかい?』
『お皿が小さいので面倒です』
『流石にアニメとは言え、厨二病全開のセリフで恥ずかしかったぞ』
『ウチの扱い酷過ぎると思わん??』
『時間があればシナリオもやりたかったんだけどなぁ~』

各々、言いたい事を言った後は代わる代わる鎮守府中の艦娘が
ポーラの所へ行き、談笑していた。

そう、以前の自分を痛めつけるような飲み方では無くなっていたのだ。

ただ、脱ぎ癖は相変わらずらしくザラが幾度となく止めていた。
こっちはまだまだ時間がかかりそうだ。

ただ、ザラもポーラも今までで一番の笑顔でお酒を飲んでいた事に
提督は満足をしていた。

その後、ポーラとの約束を果たした提督は二日酔いならぬ
四日酔いまで経験したというのは大淀から青葉に伝わって鎮守府瓦版に載せられている。

深海棲艦を打倒した後はどうなるか解らない。

醜い人間同士の戦争が始まるのかもしれない。

また、決してそうならないようにしなければいけない。

ただ、今はこれでいいのだと、頭痛に悩まされながらも提督は笑顔であった。

艦!

これにて、終わりです。
Fateネタとか諸々ダメダメな部分があったかと思いますが、楽しんで頂けた方が居れば幸いです。

HTML化依頼を出してきますぅ~。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月12日 (月) 21:45:22   ID: RP3Ip6rr

響は僕っ娘か…良いな

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