【モバマスSS】お題は星の数だけ 2夜目 (183)

暇つぶしにお付き合いください
エロ、グロ等はご勘弁を
まずは>>3のお題を頂戴します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466423959

菜々「一番最初のファン」

では「菜々「一番最初のファン」」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

346プロ

数々の部門を有す大きな企業

その中の一つ、アイドル部門に私は所属している

プロデューサーの目にとまり、スカウトしてもらったのだ

それは運命というよりは偶然に近いものだったのかもしれない

けれど、夢の一歩に立っている今、そんなことは言っていられない

メイドカフェというものを知ったのはいつだったか

お給料もそれなりに良いし、固定のファンの人がつく場合もある

アイドルになるという夢を追いかけるために始めたお仕事ではあるが

誰かに奉仕するという事に喜びを得ることになるなんて思いもしなかった

それはきっと

ナナの初めてのファンという存在ができたからだろう

その人は無口だった

無口だけれど、ナナのサービスに喜んでくれたし

ナナの元気がない時には励ましてくれたりもした

どもりながら、けれど、その言葉一つ一つが優しく心に響いた

その人はとても恥ずかしがりやで

名前を聞いたことがあるけれど

アニメの登場人物の名前を出して、はにかんでいたっけ

アイドルを目指しているって言った時、彼はこう言っていた

「ナナちゃんならきっと良いアイドルになれる」

その声は小さかったけれど、とても力強かった

オーディションで受からなかった時、不安になる時

その簡単な言葉がナナを動かしてくれた

しかし、現実は非常というもので

結果が出ない日が続き、メイドカフェを辞めて実家に帰ろうと考えた時だ

「ナナちゃん、明日はきっと運命の日になる」

そう彼が言った

運命? そんなものあるわけがない

ナナが神様にお願いした回数を知っていますか?

わからないでしょう?

頑張った人が救われる、努力した人が救われる……

世の中そんなに簡単じゃないんですよ

「そうなんですかぁ? ナナ明日が楽しみです♪」

もちろん、そんな考えはまったく出さずに笑顔で応じる

奇しくも明日はナナの最後の出勤日

運命の日だか何だか知らないですが、頑張っちゃいましょうか!

そう、心の中で整理をつけたはずなのに全然眠れずに朝が来た

後悔とちょっとした期待

もしかしたら私はまだ……

メイクをしても、少しだけくまが残ってしまったけれど仕方がない

「おかえりなさいませ、ご主人様」

来店されたお客様を出迎える

一人目のお客様は彼だった

その後に続いたお客様は見たことがない人だった気がする

黒いスーツに身を包んだとても大きな男性

目つきが悪くて怖い人なのかな? というのが第一印象だった

おかえりなさいませ、と声をかけると

「どうも」

と、ハスキーな声で返された

「初めてのお客さまですよね?」

「ええ」

雰囲気は良い人そうなきがするけれど……

「かしこまりました、今日はナナが精いっぱいご奉仕させていただきます」

「よろしくお願いします」

45度ぴったりなんじゃないかと思うほどのお辞儀

む、これは負けていられないですね

お客様に負けじとできる限り綺麗なお辞儀を返した

お客様が首に手をあてて、困ったような表情をしていたが気にしない

「お席はどちらにいたしますか?」

「では、そちらで」

お客様が指定されたのは、彼が座っているテーブルだった

知り合いなのだろうか? けれど、彼が誰かと来たことなど一度もない

「かしこまりました、こちらに」

椅子を引いて座ってもらう

「ありがとうございます」

座ってようやくナナと同じくらいの伸長って大きすぎませんか?

「ご注文がお決まりでしたらお呼びくださいませ」

ぺこりと一例して去る

その際に彼にウィンクしてみた

今までしたことがないサービス

今日が最後だからいいだろう

さて、今日は特に頑張らなくちゃ!

悔いが残らないように、今日を思い出して泣かないように……

あっと言う間に一日が過ぎた

あれ? こんなに短かったっけ

いつもは長く感じた時間は今日は特に早く感じた

「いってらっしゃいませ、ご主人様」

最後のお客様、彼と、同席した方をお見送りする

「今までありがとう、ナナちゃん」

そういわれて握手を求められた

「こちらこそありがとうございました、ご主人様」

精いっぱいの笑顔を浮かべて、さよならの挨拶をする

くしゃりとした感触

なんだろう? そう思って手を開くと折りたたまれた紙が一つ

外で待っています、○○○より

彼の名前だろうか、聞き覚えのない名前がつづられていた

とにもかくにも、今日でメイドカフェのナナはおしまい

お店の皆、最後に店長に感謝の言葉を送った

今日でここともさよならか

不思議と涙は出なかった

悔しい思いも楽しい思いもさせてもらった場所

ここを辞めるという事は夢を諦めるという事

「……」

ぴしゃりと頬を叩く

情けないぞナナ、自分で決めたことでしょ?

そうだ、と、彼からもらった手紙を思い出す

いたずらじゃないと良いな

くすりと笑って店を出ると

先ほどのスーツをきた大きなお客様が立っていた

「こんばんは、お待ちしていました」

「こんばんは、ナナを待っていたんだすか?」

はい、と付け加えて彼は名刺を渡してきた

「私、こういう者です」

シンデレラプロジェクトプロデューサー

名刺にはこう書かれていた

「プロデューサーさんですか……ナナに何の御用ですか?」

とくん、と胸が高鳴る

「では、手短に」

もう駄目だと思っていた夢

「シンデレラになってみませんか?」

こんな結末が待っていたなんて……

「はい、よろしくお願いします」

涙が出た

もう枯れてしまったと思っていたけれど

しばらく泣いた後だろうか

プロデューサーさんに質問をした

どうして、ナナの所にきたのですか?

答えはこうだ

「熱心なファンの方にお願いをされたのです」

貴女のファンを素晴らしい方でした、と付け加える

ああ……何ていう話なのだろう

自分ひとりで頑張ってきたつもりだったけれど

結局は誰かの力も借りていたのかと気付く

「アイドルはファンのために、ファンはアイドルのための頑張れるのですよ」

その言葉を聞いたとき、救われたような気がした

ありがとう、名前も知らないご主人様

そして、さようなら

ううん、またね、が正しいかな

ナナはメイドからアイドルになるけれど

また、初めてのファンになってくれますか?





おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そしてお題ありがとうございました
お次は>>25のお題を頂戴します

雨の日にみちるとファミレス

では「雨の日にみちるとファミレス」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
パンキチ? 可愛いは正義ですよ

しとしとと雨が降る

梅雨時期はじめじめして苦手だ

「凄い雨ですね」

隣の彼女が言う

大原みちる

くりくりとした瞳と八重歯、そしてコロネのような髪型が特徴の女の子

「どこかで雨宿りしましょう」

あたりを見回すとファミリーレストランくらいしか見当たらない

「プロデューサーさん、あそこにしましょう」

場所を変えるかと思ったが、彼女が先ほどのファミリーレストランを指さした

「では、急ぎましょうか」

アイドルを立たせたまま雨宿りさせるのも何だし、雨宿りさせてもらうとしよう

いらっしゃいませ、と女性の店員に席を案内される

外が見えるボックス席にしてもらった

「もうすぐ昼なので、食事もすませてしまいましょう」

私の提案に

「はいっ」

大原さんは笑顔で返す

私はランチの大盛にするとしよう

「大原さんはきまりましたか?」

「はい、決まりました!」

瞳をきらきらとさせている

ちらりと除く八重歯が可愛らしい

ウェイトレスを呼び注文をする

「私はこのAランチの大盛を」

「わたしはフレンチトースト3つください」

3つ……?

この店のフレンチトーストは何人かで分けるのが前提だったような

ちらりと大原さんを見る

「早くこないかな~♪」

ああ、これがパンキチと呼ばれてしまう所以なのか……

「あ、わたしドリンク持ってきますね」

私が持ってきますというと笑顔で断られた

「プロデューサーさんは座っていてください」

しかし、と思った時にはすでに彼女は行動していた

ドリンクは何を持ってくるのだろう

彼女がパンに合わせるドリンクに興味津々だ

「お待たせしました、はい、プロデューサーのです」

ことりとウーロン茶を置く

そして、自分の所に暖かい飲み物のカップを置いた

「大原さん、それは?」

紅茶ですよ、と普通の答えが返ってきた

しばらくすると料理が運ばれてくる

まずは私のAランチ大盛

そして大原さんのフレンチトースト3人前

あの……すごい量なんですが

まるでブロックのようなフレンチトーストが3つ並んでいる

「わぁ、美味しそうですね♪ いただきます」

行動は早いけれど、決して食べ方は汚くはない

ナイフとフォークを使って綺麗に食べている

私も頂くとしよう

Aランチはハンバーグをメインとして野菜の付け合わせ、スープが付いている

まずはハンバーグを一口

む、なかなか美味しい

何かこう懐かしい味というか、落ち着く味というか

ライスがほしくなる味だ

ファミリーレストランも馬鹿にしたもんじゃないな

ちらりと大原さんも見る

すでにフレンチトーストが2つなくなっている

「ふごふご♪」

ご機嫌なようだ

彼女は小麦粉中毒者か何かなのだろうか?

しかし、このペースの速さは尋常ではない

こちらも食べる手は止めずに彼女をこっそり観察する

「~♪」

鼻歌交じりにすごいスピードでパンがなくなっている

彼女のパンがあと数口となったところで急にペースが落ちた

そして、顔を赤くした彼女と目が合う

「そんなに見つめられると食べずらいです……」

配慮がかけていたようだ

「すみません」

一言あやまると

彼女は大人しく笑い食事を続けた

外は雨がまだ降り続けている

食事を終えた彼女がじーっと見ているものが気になって声をかけた

「何を見ているのですか?」

はっとして彼女が答える

「かたつむりをみていました」

かたつむり? 外を見ると紫陽花の上にかたつむりがゆっくりと動いているのが見える

「エスカルゴってパンに合うのかなーって」

えへへ、と笑う彼女に

少し畏怖を感じたのは秘密にしておこう

さて、この雨宿りは長丁場になりそうだ





おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>40のお題を頂戴します

ままゆを肩車

では「ままゆを肩車」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
リアルふれふれまry……なんでもございません

困りました

どうしても高さが足りません……

んーどうしたものでしょうか

近くに手ごろな台もありませんし

悩んでいた時に助けの手が伸びてきました

「どうした、まゆ?」

私の担当プロデューサーさんです

私よりも背が高いので、きっと届くはずです

「あの資料をとってもらいたいんですぅ」

棚の一番上にある黒いバインダーに挟まれた資料

「よし、任せておけ!」

ああ、とっても頼もしいですよぉ

すぐに資料に手がとど……きませんでした

背伸びをしても届かないと知ったプロデューサーさんは助走をつけてジャンプしました

それはとてもきれいなフォームで

まるで空中を歩くようなジャンプでした

……しかし、それでも届きません

けれど、プロデューサーさんは諦めません

ああ、その横顔とっても素敵ですぅ

私のために頑張ってくれているプロデューサーさん

「くっ、もう少しなのに……」

悔しい声を出すプロデューサーさん

きらりとプロデューサーさんの顔から汗が落ちます

その汗を拭いたい衝動にかられます

……でも、駄目です

今のプロデューサーさんの邪魔はしてはいけません

ぎらぎらとした目で男の顔つきをしたとても素敵なプロデューサーさん

ああ、これは独占欲なのでしょうか?

いつもは振り向いてくれないくせに、こういう時は率先して力になってくれるなんて

とてもゾクゾクしてしまします

両手を使っても数え切れなくなったとき

「もう限界だ……」

プロデューサーさんの心が折れてしまいました

私のために精いっぱい頑張ってくれました

もう、諦めようと思った時です

「まゆ、力を貸してくれ」

思いもしなかった言葉

「もちろんです」

即答していました

プロデューサーさんの目は諦めていませんでした

私たちを導いてくれる自身にあふれた目

きっと何かいい考えがあるのですね?

「私は何をすればいいですか?」

貴方の力になれるのならば、私はどんなことでもしてみせます!

「まゆ、俺の上に乗ってくれ」

「はぃ?」

間抜けな声が出てしまいました

意味が分かりませんでした

でも、プロデューサーさんは待ってくれません

「よぉし! いくぞまゆ」

気合い十分ですね素敵です

こちらはあっけにとられていますが

「プロデューサーさん、どういうことで……」

全部言わせてもらえませんでした

プロデューサーさんが見えなくなったかと思うと

視界がいきなり高くなります

「まゆは軽いなぁ」

体の下から声が聞こえます

「え? ええ?」

ゆっくりと舌を向くとプロデューサーさんの頭が見えました

最近生え際がーなんて言ってますが全く気になりませんよぉ

……じゃなくて

これはいわゆる肩車というやつですか?

私の足の間にプロデューサーさんの頭があって……

私は肩の上で持ち上げられている……

内腿にはプロデューサーさんの暖かさが伝わってくる……

あ、今日はミニスカートでしたねそういえば

そんな冷静な自己分析をしたところで

「きゃぁあああああ!」

悲鳴を上げていた

あ、これは嫌っていうわけではないですよ?

むしろ嬉しいハプニングであるわけですが

頭が追い付いていないっていうか?

いけないいけない、自分がぶれてしまっています……

「プロデューサーさぁん……」

情けない声でプロデューサーさんに問う

「なにしてるんですかぁ?」

「これは肩車っていうんだ、まゆ」

優しい声で教えてくれました

それはわかってますが、ありがとうございます

まさかこんな所で肩車させるなんて夢にも思っていませんでした

心臓がばくばくいってます

このまま張り裂けちゃいそうなのが不安です……

「お前くらいの女の子を肩車するなんて初めてだな」

あっはっはと笑っています

私が初めて……?

智絵里ちゃんも、ゆかりちゃんも、響子ちゃんにもしていない?

ふぅん、そうなんですかぁ……

「ところでまゆ、届きそうか?」

……

「まだ届きそうにないですねぇ……うふっ♪」




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>57のお題を頂戴します

雪美とお昼寝

では「雪美とお昼寝」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
ペロ、そこ代わっていただけません?

うちのプロダクションには幼いアイドルが多数所属している

佐城雪美もその一人

青みがかった黒髪のロングヘアー、ジト目というか特徴的な目つきの少女

自分から積極的に話しかけるわけではないが、核心をついた言葉にどきりとすることがある

しかし、まだ10歳ということもあり、年相応な面も見ることができる

現に、今すやすやと眠っている顔はいつものクールな表情ではなく、子供の可愛らしさがある

先ほどまで長いロケをしていたと思えば、仕方ないと思うがね

しかし、寝る子は育つと言うし、このまますくすくと育っておくれ

おっと、おっさんくさい物言いをしてしまった……

そろそろ事務所に着くというのにまったく起きない雪美をどうしようかと迷った挙句

抱えて持っていくことにした

さて、どうやって抱えていこうか?

バッグなどを背負い、いわゆるお姫さま抱っこにすることにする

しかし軽いなぁ……

もっと飯食わせちゃうかと、少し思った

とりあえず事務所に入り、ちひろさんに仮眠室を使う旨を伝える

「おかえりなさい、優しく運んであげてくださいね?」

小さな声で伝えるちひろさんに無言でうなずく

もちろん、心得ていますよっと

そっと仮眠室のドアを開け、ベッドに雪美を寝かす

後は右手を放すだけという時だ

雪美がゆっくりと目を開きこちらを見た

まだ状況が飲みこめないのだろうか、雪美は黙っている

「……プロデューサー」

ぎゅっと俺の腕にしがみついた雪美は

「ううっ……プロデューサぁ……」

泣き始めてしまった

綺麗な瞳から大粒の涙をぽろぽろと流す

「プロデューサー……プロデューサー……」

俺を呼び、涙を流し続ける

「どうしたんだ、雪美?」

できるだけ優しい声で、優しい手つきで頭を撫でる

「夢を……見たの」

「どんな夢だい?」

雪美が話すのをゆっくりと待つ

「皆いなくなっちゃう夢……ペロもプロデューサーも……」

よほど怖い夢だったのだろう

雪美がこんなに取り乱すなんて初めてだ

「大丈夫だよ雪美、俺もペロもいなくならないよ」

頬に残る涙を優しく拭う

「んっ……本当に……?」

少しくすぐったそうに身をよじる

その後に、おそるおそるといった感じで

不安そうに上目使いでこちらを見てくる

「ああ、本当だよ。雪美が嫌だと言っても離れないさ」

子供には飾らないで素直に気持ちを言葉にしたほうが良い

大人よりこういうのには機敏で、嘘をつくとばれてしまう

だから、自分の気持ちをそのまま言葉にした

雪美が安心できるように、もう泣かないで良いように

「おかしなプロデューサー……」

くすりと雪美が笑う

「ありゃ、おかしなこと言っちゃったか」

俺も笑顔で返す

「うん……」

「わたしが……嫌だなんて言うわけない……」

雪美が言葉を続ける

「ねぇ……プロデューサー……」

気が付けば、また腕を抱きしめられている

「わたしの……おねがいを聞いてくれる……?」

「言ってごらん」

ちっちゃい子のお願いなんて簡単に聞いてあげられるだろう

「あのね……」

もじもじしながら雪美のか弱いお願いが聞こえた

「わたしと一緒に……寝てほしい……」

腕時計で時間を確認する

……一時間くらいなら大丈夫なはずだ

「すこしだけなら大丈夫だぞ」

「そう……」

ほっとしたような顔で雪美がほほ笑む

「じゃあ……えい……」

上半身に雪美が飛びついてきた

「うわっ!」

押し倒されたかたちになる

……意外と力強いんだな、なんて間抜けなことを思った

「ふふっ……あったかいね……」

「ああ、そうだね」

雪美の体温が暖かくて、こちらも眠くなってきた

俺もすぐに寝てしまいそうだ

「おやすみ雪美」

「うん……おやすみ」

花が咲いたような雪美の笑顔を見た俺は

徐々に意識を手放していった



おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
ペロさん、悪気はないんです許してください

続きはお昼頃から……

こんにちは
再開したいと思います
それでは>>75のお題を頂戴します

クラリス「瞳を閉じて」

では「クラリス「瞳を閉じて」でひとつ」
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

え? もう一回言ってもらえます?

「ですから、瞳を閉じました」

先ほどより強い口調で彼女は言う

「あら? この場合は瞼を閉じる、ですか?」

前言撤回らしい

口に手をあてて悩みだしてしまった

「日本語は難しいです……プロデューサーはどう思いますか?」

一般的には瞳ってのは黒目のことをいうらしく

瞼を閉じるが正解らしい

が、表現的には瞳を閉じるのほうが綺麗に感じるみたいだ

しかし、今はそんなことはどうでもいい

彼女はこう言ったのだ

瞳(瞼)を閉じました、と

……違いがまったくわかりませんよ!

というか常に閉じているものかとばかり思っていました

クラリスさんとの付き合いは短くないとは言え

俺はずっと勘違いをしていたのだろうか……

アイドルのことは自分が一番知っているはずなのに……

「あのぅ、プロデューサー?」

クラリスさんの声で引き戻された

「どうしたんですか? そんなに険しいお顔をされて」

心配そうに覗き込んでくる

ああ、この距離からでもわからない!

もやもやしてきた

「だ、大丈夫です……表現的にはどちらでも良いかと思います」

平静を取り繕う

「そうなんですか、プロデューサーは物知りですね」

ぱぁっと顔を綻ばせるクラリスさん

ははは……どうしても知りたいことが今できてしまいましたが

こうしているうちも、俺はクラリスさんの瞳から目を離せなくなってしまった

「……」

「あっ……」

ふいっとそっぽを向かれてしまう

「そんなに見つめられると恥ずかしいです……」

頬を染めて言う姿はとても可愛らしい

「す、すみません……そういうつもりじゃ」

こちらも恥ずかしくなってそっぽを向いてしまう

なんだこの空気は……

俺はただクラリスさんの瞳がきになっただけだ

「……」

よし、ここはもう聞いてしまおう

うじうじ悩むのはやめだ!

決心し、言葉を発しようとした時だ

「……プロデューサーの考えていることは分かりますよ?」

先手を打たれた……

体がびくりとした

「え、俺は別に……」

会話の主導権を握られた俺は焦ってしまう

「本当ですか? この瞳のことが気になっているんじゃないですか?」

にこりと笑う

いつものクラリスさんの笑顔だが、少しいたずらっぽい気がするのは気のせいだろうか

「私、よく言われるんです」

それはクラリスさんの独白

眼、開いてないでしょ? って

皆思うことは一緒だったのか……

「でも、よく考えてください」

シスターの時のような相手を諭す言葉

「見えていなかったら何もできませんよね?」

それは至極当然の言葉だった

「ごもっともです」

何も言い返せない

確かにクラリスさんの言う通りじゃないか……

俺は何をくだらないことを考えていたのだ

「でも……」

クラリスさんが続ける

「もっと近くで見ても良いんですよ?」

嬉しい提案ではある、あるのだが

「さぁ、プロデューサー」

一歩

「気になることは、はっきりさせたほうが良いですよ」

また一歩

「クラリスさん……」

気付けばもう目の前だ

「思う存分に見てください、ね?」

頬を赤くしたクラリスさんの顔が迫ってくる

「はいっ♪」

可愛らしい声と共にウインク

その時確かに見た、綺麗な色をした瞳を

「びっくりしましたか?」

ふふっと笑うクラリスさん

こっちはドキドキしっぱなしですよ……

「今度はプロデューサーさんのも見せてもらいましょうかね」

いたずらっ子のように言う

「瞳を閉じて?」





おしまい

読んでくれtかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>91のお題を頂戴します

仁奈宅に泊まりに行く菜々さん

では「仁奈宅に泊まりに行く菜々さん」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦するでやがりますよ
口調などは目をつぶっていただければ……

「ナナおねーさーん」

ナナを呼ぶ声

「ま、待って仁奈ちゃん……」

子供の無尽蔵ともいえる体力についていけない

うう……腰が痛いです

「早く来るでやがりますよー」

ナナ! まだ若いってことを証明しなくちゃ

……無理でした

「大丈夫でやがりますか?」

不安そうな声の仁奈ちゃん

「も、もちろん大丈夫ですよ♪ ……少しだけウサミンパワーとチャージさせてください」

体は悲鳴を上げているけど、心配をかけちゃ駄目だ

ファイト! ナナ!!

「ナナおねーさんはすげーですね♪」

そうです、すごいんですから

「仁奈ちゃんに負けないくらい元気なんですからね♪」

ここでやめておけば良かったと後悔した

「まだまだ遊ぶですよー♪」

「望むところです!」

それからさんざん遊び倒し、ナナの足は生まれたての小鹿のようになってしまった

ぷるぷるとした足を何とか動かし、仁奈ちゃんと家路につく

「本当にいいんですか?」

紆余曲折あり、今日は仁奈ちゃんのお家に泊まることになった

「ナナおねーさんなら大歓迎ですよ♪」

満面の笑顔を浮かべる仁奈ちゃん

ここまで歓迎されると何だか嬉しくなる

「仁奈ちゃんは食べたいものありますか?」

頑張ってリクエストに応えちゃいますからね♪

「仁奈、ハンバーグが食べてーです!」

即答でした

「わかりました、ウサミン星のハンバーグをごちそうしてあげますからね」

まずは買い出しからですかね

近くのスーパーに移動し材料を買っていく

そこで、何かを羨ましそうに見たまま動かなくなってしまった仁奈ちゃん

「どうしたんですか?」

「な、なんでもねーですよ」

口ではそんなことを言ってはいるが

仁奈ちゃんの視線を追った時に、それははっきりとした

視線の先には仲良く手を繋ぐ親子

なるほど、原因はこれですか

ご両親が家を空けがちな仁奈ちゃんの家庭

寂しがり屋の仁奈ちゃんには辛いのだろう

どうにかしてあげなくちゃ、と考える前に体が勝手に動いていた

「ナナおねーさん?」

左手で仁奈ちゃんの小さな手を優しく握る

「ナナはおねーさんではありません」

「えっ?」

不安そうな仁奈ちゃん

「今日だけはナナは違います」

そう、今日だけは違うんですよ仁奈ちゃん

状況が理解できずにおろおろとする仁奈ちゃんに優しく言う

「今日はナナが仁奈ちゃんのママです、行きますよ仁奈」

親が子供に言いつけるように

やさしく導いてあげる

「はいですよ! ママ♪」

やっぱり子供は笑ってる顔が一番ですね

さて、気合い入れて今日はママになりますよー

「仁奈、ママのハンバーグ早く食べてーです」

「ハンバーグは逃げませんからね♪」

きゅっと手を握り

優しく言いつけた



おしまい

読んでくれたかたに感謝を
幼女の気持ちになれねーですよ……
次は>>105のお題を頂戴します

吉岡沙紀ちゃんと服を買いに

では「吉岡沙紀ちゃんと服を買いに」でひとつ
短いかもしれませがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

「プロデューサー、お願いがあるんすけど」

「どうした、沙紀?」

相変わらずボーイッシュ恰好だなぁ

似合ってるから良いけどね

「えっとっすねぇ……」

足をもじもじさせるたびに足元のSK8-Hiが主張する

「一緒に服を買いに行ってほしいっす……」

服ねぇ……

「お前がそんなことお願いするなんて珍しいじゃないか」

ボーイッシュな恰好を好む彼女のファッションは、男の俺から見ても恰好良いと思うのだが

ビッグサイズのTシャツに黒のスキニー、サマーニット帽がとても似合っている

「それがっすねぇ……」

沙紀の話を要約すると、だ

同じジャンルのファッションばかりだとアーティスティックではない、と

周りからの声にも背中を押されたらしい

「しかしなぁ……」

それなら同年代の子と行けばいいんじゃないか?

幸いにもうちの事務所には10台の女の子が多数所属している

「俺は女の子が通うような店はわからないぞ」

ストリート系やアメカジならなぁ

「大丈夫です! お店は教えてもらったっす」

お、おう……

次の仕事まで二時間ほどあるな

「ちひろさん、すこし出ますね」

「沙紀ちゃんも一緒ですね、いってらっしゃい」

ふりふりと手を振るちひろさんに、笑顔で見送られた

「さぁ、まずはここのお店っすよ!」

意気揚々と連れてこられた一軒目

「店構えがすごいんだけど……」

黒を基調とした外観

イメージとしては蘭子か小梅か

「ここは蘭子ちゃんに紹介してもらったっす」

だと思ったよ、蘭子やみのま

中に入るともっと凄い

「おお……」

ふりふりとしたレースをあしらったもの

リボンをふんだんにつかったもの

ゴスロリってやつだよな、これ

デザインに圧倒されちまう……

一つ手に取ってみる

お? これ良い生地使ってるぞ

滑らかな手触り、すべすべと気持ちいい

「蘭子ちゃんがおすすめって言ってたっすよ」

凝った服を着ている蘭子おすすめなら納得もできる

タグに書かれた値段は見なかったことにしよう……

しばらく店内を見て回る

「んー……」

どうやら気に入ったものがなかったらしい

「沙紀、次の店に行こう」

無駄に時間を食うなら店を変えたほうがいいと判断した

「そうっすね……」

沙紀は少し不満そうだ

「次はどんな店なんだ?」

ゴスロリ連荘は勘弁してもらいたいところだが……

「次は楓さんに教えてもらったお店っす」

楓さんか、これは期待できるかもしれない

モデル出身だし、ファッションセンスもかなり良い

「着きました、ここっすね」

沙紀と歩くこと数分、店に到着した

シンプルな外観

ごちゃごちゃせず、綺麗に整頓された上品な服が並んでいる

「お、良いじゃないか」

ここなら見つかるんじゃないか?

「アタシには少し早いような……」

思いとどまる沙紀の背中を軽く押す

「チャレンジも大事だぞ?」

「むぅ……」

あと一押しってところかな

「今までと違うファッションするんだろう?」

いい機会だと思うぞ

「よしっ、いくっすよ」

少し悩んだ後、沙紀は一歩踏み出した

いらっしゃいませ、と店員の声がかかる

こういう店の店員はおしゃれなんだよなぁ

必要以上に近づきすぎない距離感

センスが良い音楽が店内に流れ、ゆっくりと服を見ることができる

「お、これ良いんじゃないか?」

優しい色合いのリネンシャツと手に取る

「涼しそうでいいっすねー」

「これもいいな」

さらりとした生地のショートパンツ

それに、綺麗なデザインのワンピース

「プロデューサーのりのりっすね♪」

「はっ……」

何かこう、ティンと来たと言うか……

アイドルの新たな一面を見られたらと思ったわけです、はい

「アタシ、試着してくるっす」

嬉しそうに服をもっていく沙紀

腕時計をちらりと見る

幸いにもまだ時間はあるようだ

さて、プロデューサーとして、アイドルを輝かせてみようか



おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
席を外すので、お題は待ってくれると助かるっす

こんばんは
再開したいと思います
それでは>>125のお題を頂戴します

甲賀忍者由愛

では「甲賀忍者由愛」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
ゆ……ゆめ

忍者の朝は早い

日の出前には活動を開始する

「ん……まだ眠いの……」

決して誰かに起こされたりしない

「由愛ー! 遅刻するぞー!」

「え……もうこんな時間、アラームかけておいたのに……」

忍者の食は質素である

「ほーら、たんとお食べ」

「わ……おかずがいっぱいです」

「成長期だからな、いっぱい食べるんだぞ」

「朝からこんなに食べられるかな……」

忍者は足がとても速い

「急げ由愛、スタジオに遅刻する!」

「待ってください……そんなに早く走れません……」

忍者は隠れるのが得意である

「由愛おねーさんみつけたでやがります♪」

「えっ……もう見つかっちゃった……」

忍者は逃げるのが得意である

「はい、タッチだにぃ」

「今度は私が鬼……」

忍者は忍耐強い

「わたし一人でもがんばらなきゃ……見ててくださいね……!」

「よしよし、由愛はえらいぞー」

「えへへ……もっと褒めてください」

忍者は好き嫌いしない

「待ってください……や、やさしくしてください……」

「ピーマン食べられるようになろうなー」

「ああああ……」

忍者は水遁の術が使える

「ろくじゅーいーち」

「ぷはっ……」

「お、由愛すごいじゃないか」

「レッスンのおかげです……」

忍者の夜は遅い

「こんな所で寝てると風邪ひくぞー」

「んっ……ぐぅ……」

「ベッドに運んでやるか」




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
……全国の由愛Pに謝罪します
次は>>138のお題を頂戴します

>>124

それでは 肇「備前焼の酒器」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

長期間とはいかないがアイドルたちにも夏休みをあげている

親元を離れているのだから、帰郷できる時間をあげたい

そこで、ついでにご家族に報告等をすることになった

「肇さん、準備はできましたか?」

ごそごそとバッグを漁る彼女に言う

「すみません、もう少しで終わりますので」

彼女の地元で夏祭りが行われるらしい

ついでに自分の休暇もとってしまおう

「お待たせしました」

ぺこりとお辞儀される

ふわりとした桜色にスカートに白いカットソー

アクセントに水色のストールを巻いている

「あ、これを忘れていました」

ストローハットを深くかぶる

「よし、では出発しましょうか」

和の印象が強い彼女だがこういう恰好もとても似合う

やはり素材というのは大事だな

主に新幹線、電車を乗り継ぐ

彼女の故郷に近づくにつれテンションが上がっているようだ

「プロデューサーさん、これ食べますか?」

彼女が小さな包みを取り出してきた

「これは?」

「おにぎりを作ってきたんです」

これはありがたい

包みをほどくと

少し小さなおにぎりが並んでいる

「具は食べてからのお楽しみということで」

少し恥ずかしそうに笑う肇さん

「では、いただきます」

丁寧にお手拭きまで準備してあった

おにぎりの具は私の好物ばかりだ

梅、おかか、こんぶ、山椒とちりめんじゃこの佃煮

「あの……美味しいですか?」

不安そうな顔で覗き込んでくる

「とても美味しいです」

素直な感想を返した

気付けばもう一つしか残っていない

「よかったです♪」

あ、お茶どうぞと差し出される

「あ、すみません」

ふぅ、お茶も美味しい

「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」

ものの数分で完食してしまった

誰かに作ってもらったおにぎりは久しぶりだ

おにぎりの余韻にひたっていると

アナウンスが入る

「あ、次の駅ですよ」

そわそわした肇さんが言う

「降りる準備をしましょう」

彼女のバッグと自分のバッグを背負う

その時に一瞬ではあるが

「「あ……すみません」」

手が触れて、二人が同じ反応をした

少し恥ずかしくてそそくさと電車を降りる

駅から出るとたくさんの緑が出迎えてくれた

「さて、お家まで行きましょう」

おうちですか? 私はホテルにチェックインしてからに……

「え? 私のお家に泊まるんじゃないんですか?」 

さらりと、とんでもないことを言う


「いえいえ、さすがにそれは……」

ご家族にご迷惑をおかけしてしまいます

「おじいちゃんが楽しみにしているんです。一杯やりたいと言っていました」

魅力的な提案です

「美味しいお酒と肴を用意する、とも言っていました」

ちらり、とこちらの顔色をうかがう

「だめ……ですか?」

そんな悲しそうな顔をしないでください

「こんなに誘って頂いたのに、断るのは失礼ですね」

自分から折れることにした

「やりましたっ」

してやったりとした彼女の笑顔を見て

演技も上手くなったなと、しみじみ思いました

それから彼女の家に着き、ご家族に挨拶をした

これまでの活動の報告、これからの展望を話す

肇さんは恥ずかしいのだろうか、顔を赤くしてうつむいている

「肇のこと、これからもよろしくお願いします」

「はい、お任せください」

深々とお辞儀をする

まだまだ彼女は輝ける、自分も気を引き締めなければ

「では肇、プロデューサーさんを部屋にお通ししてあげなさい」

「わかりました、おじいちゃん」

さも当然とばかりに、まったく疑われることなく部屋に案内された

申し訳ない気持ちもあるが、信頼されていると思うと嬉しさもある

「プロデューサーさん、こちらです」

大きな客間だ、いろいろな陶器が飾られている

「これは全部おじいちゃんの作品なんです」

自分は芸術には詳しくないが、素直に綺麗だと感じる

「では準備がありますので、少し待っていてください」

一礼して肇さんが部屋を出ていく

スケジュールの整理でもしておこう

そう思い手帳を開いた

しばらくして部屋の外から声がかかる

「プロデューサーさん、入っても大丈夫ですか?」

「はい、どうぞ」

すすっとふすまが開き

浴衣姿の肇さんが入ってくる

「どうですか? 似合っていますか?」

上品な模様が彼女に実に合う

今時の子にはなかなか着こなすことはできないだろう

「ええ、とても似合っています」

「そうですか、良かったです」

と、彼女が持ってきたお盆に目が行く

「おじいちゃんが用意したお酒と肴です」

お隣、失礼しますね

肇さんが横に座る

「どうぞ」

すっと徳利が差し出される

「どうも」

ゆっくりとお猪口に酒が注いてくれた

ゆらりと酒の水面に肇さんが映る

くいっとお猪口をあおった

「良い飲みっぷりですね」

続いてお酌をしてくれる

「美人のお酌ですから」

たまには冗談でも

「……」

びっくりした表情で固まってしまった

「肇さん?」

「あ……あはは、すみません」

変なことでも言ってしまったのでしょうか

「どうぞ、飲んでください」

するすると飲めてしまう

甘露とはこのことなのだろうな

聞くとこの酒器もおじいさまが作られたらしい

「それはおじいちゃんの自信作なんです」

肇さんが嬉しそうに言う

「私はいつか陶芸の道を継がないといけないかもしれません」

「でもアイドルを諦めたくもありません」

その言葉はとても力強いものだった

「私は欲張りなんでしょうか?」

これは自分自身にも問いかけているのだろう

どちらを道を進むのか

片方だけ選んでも彼女は後悔してしまうはずだ

「欲張りなどではないと思います」

ゆっくりと言葉を紡ぐ

「大変な道だと思います」

自分自身を表現するアイドル

形を使って表現する陶芸

どう繋がるのかは自分でもわからない

「私がいます、それにアイドルの皆さんも」

困った時、苦しい時、私がサポートをする

裏方の私にはそれしかできない

「私が責任をとります、ですから、肇さんは真っすぐに進んでください」

ん? まるで告白みたいなセリフだ

「プロデューサーさん、気障ですね」

ふふっと涙目の肇さんが笑う

「なんとでも言ってください」

くいっとお猪口をあおる

ああ……美味い酒だ




おしまい

読んでくれたかたに感謝を
そして、お題ありがとうございました
次は>>167のお題を頂戴します

次で最後のお題とさせていただきます、とびっきりのお題をお願いいたします

美穂のプロデューサーくんの日常

では「美穂のプロデューサーくんの日常」でひとつ
短いかもしれませんがご容赦を
口調などは目をつぶっていただければ……

小日向美穂ですっ

あ、アイドルをやらせてもらってますっ!

今日は私のプロデューサーの日常を紹介したいと思います

ぷ、プロデューサー! こんな感じで良いですか?

えっ、一人で頑張れ?

そんなこと言わないでくださいよ~

プロデューサーの朝はとっても早いみたいです

と、いうかいつも事務所にいる気がするんですが……

あ、ちひろさん! プロデューサーって何時ごろ出勤してるんですか?

笑顔でちひろさんが手招きします

ごにょごにょとちひろさんが教えてくれました

ええっ!? そんな時間からですか! ……プロデューサーは大丈夫なんでしょうか

プロデューサーはいつも忙しそうです

私がいるプロダクションはたくさんのアイドルがいます

可愛い子、かっこいい子、綺麗な子

というか多すぎる気がしますっ!

あれ? プロデューサーは一人ですよね?

あ、プロデューサーおはようございます!

プロデューサーはご飯をたくさん食べます

プロダクションの食堂はとっても大きくて

たくさんのメニューがあります

うちのアイドルは多国籍だから、ってプロデューサーが言ってました

あ、プロデューサーおつかれさまですっ!

今日は何を食べてるんですか?

たくさんのトレーがいっぱい並んでます

見たことない料理みたい……

えっ? す、すみません! 何語かわからないです!

メニューを教えてもらったけど、わかりませんでした

プロデューサーはたくさん運動します

体を動かすのって大事ですよね?

私も日々レッスンを頑張ってます!

外で走っているプロデューサーを発見しました

あ、プロデューサーどこに行くんですか?

スタジオですか? お気をつけてっ!

手を振った数分後にプロデューサーが帰ってきました

わ、わたしをからかって遊んでたんですね! ひどいです

涙目で講義しました

あ、ちひろさん! プロデューサーがひどいんです

え? 忘れ物とどけるのありがとうございました?

あれれ? どういうことですか?

プロデューサーはとても優しいです

やっちゃった……お仕事でミスしちゃった……

涙が止まらないです

スタッフにもプロデューサーにも迷惑をかけちゃいました

あ、プロデューサー……すみま……きゃぁっ

や、やめてください! ほっぺたをぐりぐりしな……きゃぁあああ

もう……次やったら許しませんからね! 

そんな笑顔見せられたら、私が泣いてるのバカみたいじゃないですかっ

いつもありがとうございます、プロデューサー

どうでしたか?

私の自慢のプロデューサーです!

プロデューサーのおかげで、毎日のお仕事がとても楽しいです

あ、何にやにやしてるんですか? ……全部聞いてた? わわっ、恥ずかしすぎます!

でもこれだけは言っておきます

こ、これからもずっとお世話してくださいね、プロデューサー!

…うぅ~! やっぱり恥ずかしいよ~!



おしまい

以上をもちまして【モバマスSS】お題は星の数だけ 2夜目をお開きとさせていただきます
今回もたくさんのお題、ありがとうございました
改めて、よんでくれたかたに感謝を
また読んでいただける機会があればお願いいたします

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