提督「やっぱサッポロ一番味噌だよな」 (84)


明石「サッポロ一番なら塩ですよ」

提督「は?」

明石「トッピングはコーンとワカメです」

提督「味噌だろ、何言ってんだ」

明石「シンプルなのがいいんです」

提督「塩なんか味しないだろ。なあ大淀、やっぱ味噌だよな」

大淀「え?醤油ですよ」

提督「は?」


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大淀「ベーシックなのが一番です」

提督「いや、醤油て」

大淀「何か?」

提督「普通過ぎるだろ」

大淀「何か問題でも」

提督「え、嘘だろ?サッポロ一番だぞ」

大淀「サッポロ一番ですよ」

提督「あのシリーズで味噌以外買う奴なんているのか」

大淀「いつも醤油ですが」

明石「塩しか買いませんけど」

提督「はああああ?」

大淀「味噌なんて少数派ですよ」

提督「いやいや、絶対味噌だって」

提督「ちょっとその辺で誰か呼んでこいよ」






長良「醤油だよ」

名取「醤油です」

提督「長良型かよ!」

提督「こいつらは駄目!」

大淀「何でですか」

提督「そりゃこいつらに聞いたら醤油って言うよ!普通なんだから」

長良「普通って」

提督「こいつらは軽巡界の吹雪だぞ?普通じゃなきゃ死んじゃうの!」

名取「死ぬって」

提督「せめて五十鈴連れてこいよ、五十鈴」

五十鈴「呼んだ?」

提督「おお、五十鈴!好きなラーメンは何だ」

五十鈴「出前一丁かな」

提督「よし!帰れ!」

五十鈴「ブッ飛ばすわよ?」


五十鈴「いきなり呼び出しといて、何なのよその態度」

提督「違いの分からない女はいらねーんだよ!」カエレ!

五十鈴「アンタ本当に泣かすから」ガスッ!ガスッ!

提督「蹴りはやめろ、蹴りは」

由良「由良はチキンラーメンが好きです」

提督「うんうん、由良は可愛いなぁ」ナデナデ

由良「えへへ」

提督「だが、チキンラーメンは無い!」ビシイッ!

由良「ふえっ?」


提督「麺は駄目だしスープは薄いし、卵はどうやっても固まらない」

提督「悪の三冠王だ」

明石「その割にはちょくちょく買ってますよね」

提督「何故だか分からんが、時々無性に食べたくなるんだ」

大淀「実は好きな味なのでは?」

提督「いや、実際マズくて毎回後悔するんだが……あれって何なんだろうな」

提督「旨いと思った事なんか一度も無いのに、何故か美味しい味の記憶があるんだよ」

明石「サブリミナルですかね」

提督「分からん。恐らくはプロの仕業だろう」

由良「ふええ……ひよこちゃんも可愛いのに……」

鬼怒「こらーっ!何で由良泣かしてんの!」ドカアッ!!

提督「だからお前ら、蹴りはやめろと」


提督「阿武隈は」

阿武隈「あたしはイトメンのチャンポンめんですね」

提督「またマイナーなのを……」

阿武隈「炒めた野菜とか蒲鉾を、いーっぱい入れます」

提督「却下」

阿武隈「ええっ?美味しいですよ」

提督「それは阿武隈のチャンポンが旨いのであって、イトメンが旨い訳じゃないんだ」

阿武隈「そんなぁ……」

提督「普通はわざわざ野菜炒めなんか作らないしな」

阿武隈「切って炒めるだけですよ」

提督「そもそもまな板が無い。フライパンも無い」

阿武隈「料理しないんですか」

提督「片手鍋があるだろ」

阿武隈「うわぁ……」

提督「男の料理なんてそんなもんだ」

阿武隈「提督、早くお嫁さん貰いましょうよ」

提督「む」






提督「何だよお前ら、何で味噌の良さが分かんねぇの」

明石「味噌はちょっと濃いですよね」

大淀「濃いし、辛いし」

提督「あの濃さがいいんじゃん!」

提督「ラーメン食べた後の雑炊も最高だろ」

明石「ラーメンで雑炊なんかしませんよ」

提督「は?」

大淀「そんなの提督だけですよ」

提督「違えーよ!みんなやってるよ!卵とご飯で雑炊はセットだから」

明石「それは提督が男の人だからです」

大淀「女の子はそんな事しませんよ」

提督「ぐぬぬ……」

提督「……木曾と天龍を連れてこよう」

提督「あいつらなら……あいつらなら、きっと分かってくれる」






木曾「袋麺?」

天龍「あー……いや、何だろな」

提督「は?お前らラーメン食べないの」

天龍「いや、食べるけどよぉ……ウチは龍田が作るから」

木曾「ウチもそういうのは全部大井姉が」

提督「え?大井って料理するの」

木曾「いや、大井姉凄いんだぞ」

木曾「料理は勿論、掃除に洗濯から裁縫まで何でも出来るぞ」

提督「何その鳳翔さん」

木曾「怒らせると怖いけどな」

提督「俺の前では毎日怖いぞ」

木曾「お前が毎日怒らせるからだ」


木曾「もしケッコンしたら、すげーいい嫁さんになるぞ」

提督「でもレズじゃん」

木曾「レズじゃねーよ」

提督「だって、男にメチャクチャ厳しいぞ」

木曾「男じゃなくて、お前に厳しいんだよ」

提督「一緒じゃん!」

木曾「お前がちゃんと仕事すれば、あんなにガミガミ言わねーから」

明石「そうですよ。提督はもうちょっと真面目にやって下さい」

大淀「そうそう、セクハラは禁止です」

提督「いやお前ら言っとくけど、これ全部演技だからな」

明石「は?」

提督「本当の俺はメチャクチャ厳しいぞ?」

大淀「は?」


提督「厳格でストイックな軍人気質だぞ。鬼軍曹タイプだ」

明石「じゃあ、何でそんなにふざけてるんですか」

提督「馬鹿、上司が厳しかったらお前らだって嫌だろう」

提督「不機嫌な龍田や殺気立った神通が提督やってるの想像してみろ」

提督「そんな殺伐とした職場で毎日を過ごすなんて、耐えられるか?」

提督「だから俺がピエロになって、場の空気を和ませているんだ」

大淀「提督」ピラッ

提督「んほっ!?おパンツううぅーー!!」キャイーン!

大淀「はい、全然駄目」

提督「ばっ、馬鹿、お前!目の前にいきなりパンツとか反則だろ!」

提督「そんなのプーチンだって笑顔でダンケダンケ言うわ!」

大淀「はいはい、ストイックストイック」

提督「くっ……お前、今度絶対パンツ脱がすからな」

大淀「やれやれ、本当に口ばっかりなんだから」






提督「しかし木曾まで駄目とは、お前らマジかよ。味の分かる奴いないのかよ~」

大淀「夕張なんてどうです」

明石「ジャンクなの好きそうですよ」

提督「味噌はジャンクじゃないけどな」

提督「でも確かに夕張はこっち側の人間っぽいな」

提督「よし、夕張を呼ぼう」






夕張「ラ王です」

提督「馬鹿かよ」

夕張「何でですか!まるで生めんですよ!」

提督「誰も袋麺にそんなの求めてないから」

夕張「夕張は違いの分かる女です」

提督「他がジャンクなのに、何でラーメンだけ本格志向なんだよ」

夕張「別にジャンクじゃないですよ」

提督「嘘つけ、ポテチにコーラでアニメ三昧じゃねぇか」

夕張「それは休日だけです!」


提督「だいたいラ王なんかご飯に合わないだろ」

夕張「ご飯?」

提督「雑炊だよ」

夕張「そんなのしませんよ」

提督「は?」

夕張「ラーメンの後にご飯なんて食べません」

提督「だって、足りないだろ」

夕張「私達軽巡ですよ。ラーメンだけで普通にお腹いっぱいです」

提督「マジかよ……」

夕張「あ、でも阿賀野っちなら」

提督「阿賀野か。そうだな、あいつなら」

明石「身体も大きいですもんね」

提督「肉食系っぽいもんな、ガツガツいきそうだ」

提督「よし、阿賀野を呼んでみよう」






阿賀野「うまかっちゃんよ」

提督「豚骨かよ!攻め過ぎだろ!」

阿賀野「あと、明太子ご飯。高菜マシマシ」

提督「ガツガツいき過ぎィ!」

提督「お前な、そんなに食べると愛宕みたいになるぞ」

阿賀野「愛宕さんって、素敵じゃない?」

提督「寂しそうな顔で体重計に話しかける姿は、涙なしには語れないぞ」

大淀「何で脱衣所の事を知っているんですか」ギリギリギリッ

提督「大淀痛い痛い。つねるのは止めて」

大淀「セクハラですよ、セクハラ」

提督「たまたま目に付いたんだ、覗いたんじゃねえよ」

大淀「まったく、もう」

明石「あとは川内型ですね」

提督「あいつらは細いし、あんまり食べそうにないよな……」

提督「期待薄だが一応聞いてみるか」






川内「味噌だよ」

提督「は?」

川内「だからぁ、サッポロ一番味噌ラーメン」

提督「はああぁ?」

川内「そんで、後からご飯と卵入れるの」

提督「はあ?マジで?お前雑炊すんの」

川内「美味しいよ」

提督「いやそれは知ってるが」

川内「夜戦するとお腹が空くんだよね。ラーメンだけじゃ足りないよ」

提督「神通は」

神通「私はそんなに食べられません」

那珂「那珂ちゃんはアイドルだから食べないよ」

提督「川内」

川内「ん、何?夜戦?」

提督「ケッコンしよう」

川内「えええっ!?」


明石「ちょっ、提督!いきなり何言ってるんですか」

提督「いや、あのな、食事の好みってのはメチャクチャ大事なんだ」

提督「ずっと一緒に暮らすんだから、嗜好の相性は最重要課題だろう」

大淀「そ、それはそうですけど……」

提督「これだけいる中で同じ物を選んだのは、たった一人だけだぞ」

提督「これはもう、運命的なもんだ」

提督「川内、嫌か?」

川内「い、嫌とかじゃないけど、そんないきなり」

明石「ダメダメ!提督なんかとケッコンしたら、毎日がセクハラですよ」

大淀「その通りです。おちゃらけてるしデリカシーは無いし、エッチな事ばかりなんですから」

提督「お前ら……」


那珂「ええっ、川内ちゃんケッコンするの!」

神通「提督、あんまりからかうのは……」

明石「そうですよ、唐突過ぎです!」

提督「よし、それならまずはデートでもしてみるか?」

川内「えっ」

提督「映画を観て食事して、何だったらそのまま勢いで夜戦でも」

那珂「なんだかすごく積極的だよ」

神通「ほ、本気なんですかね……」

大淀「ダメです!そんなのダメですから!」

提督「ほら川内、手を出せ」スッ

川内「えっ……あ、あの」ギュッ

提督「それじゃあ行くぞ、善は急げだ」グイッ!

川内「ちょっ、ちょっと……もう、強引だなぁ ///」




那珂「行っちゃったね」

神通「大丈夫でしょうか」

明石「というか、執務中なんですけど……」

大淀「あーっ、もうっ!こんなの絶対認めませんからーー!」



おしまい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月20日 (月) 12:25:32   ID: ImeKxavd

なんか大淀がツンデレの出来損ないみたいになってるように見えるなぁ

2 :  SS好きの774さん   2018年03月06日 (火) 07:23:16   ID: 5BPyGxyX

この人とは毎回趣味が合うなあ
やっぱりご飯にかけるなら味噌じゃないと

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